成型品の形成方法
成形済熱可塑性シートの形成方法は、輪郭および孔を有する内側成形面と、周縁とを有する第1型部とを備える成形装置を用意する工程を備える。少なくとも1つのシート保持器がフレームの上側面に取り付けられる。フレームは、第1型部の少なくとも一部および周縁を取り囲む。各シート保持器は、第1型部の周縁に対して位置決め自在のクランプ部を備える。加熱された熱可塑性シートの第1部分がクランプ部内に保持された状態で、この方法の工程は独立して、逆進可能に横方向に各シート保持器を移動させて、第1型部の周縁に近づくか、および/または、周縁から遠ざからせる工程を備える。シート保持器の位置決めによれば、内側成形面と、最終成型品の様々な部分の厚さを決定する加熱された熱可塑性シートとの接触が局所的に調整される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成型品の形成方法に関し、特に、形作られた熱可塑性シートの形成方法に関する。形成方法は、少なくとも1つのシート保持器を備える成形装置の使用を含む。各シート保持器は、第1型部の周縁に対して独立して逆進可能に横方向に位置決め自在である。各シート保持器が独立して逆進可能に横方向に位置決めされると、成形工程の間に第1型部の内側成形面に接触する加熱された熱可塑性シートの厚さが制御(例えば局所的に制御)され、その結果、最終成型品の様々な部分の厚さが制御される。
【背景技術】
【0002】
単一のシート熱成形工程は通常、(普通はロール状の)熱可塑性材料から前もって形成されたシートを供給する工程と、前もって形成されたシートを熱成形可能な温度に加熱する工程と、成形面に加熱された熱可塑性シートを接触させる工程とを備える。加熱された熱可塑性シートは通常、成形面の貫通孔を通じて引かれる真空によって成形面に引き寄せられて成形面に接触する。
【0003】
単一シート熱成形のこうした従来の方法は通常、望ましくない多数の工程を備える。多数の工程には、熱可塑性シートを別個に形成する工程と、前もって形成された熱可塑性シートをロール状にまとめる工程と、ロール状の熱可塑性シートを造形工(または制作者)に(例えば船便で)輸送する工程と、および、熱成形工程に先立って前もって形成された熱可塑性シートを再加熱する工程が含まれる。加えて、単一シート熱成形のこうした従来の方法はまた通常、輪郭(例えば窪み)を有する成形面上で熱可塑性シートの厚さを十分に制御することができない。例えば、成形された熱可塑性シートは(例えば大きく引っ張られた領域で)薄すぎたり、および/または、他の領域で厚すぎたりする。成形シートの厚さのこうした変化は、裂け目などの破損や、でこぼこした外観(例えば色ムラ)などの審美的性質といった望ましくない変わりやすい物理的性質を有する最終成型品を形成してしまう。
【0004】
熱可塑性シートの連続的な押し出しを含む熱成形工程は知られる。熱可塑性シートは、押し出された熱可塑性シートに保たれる残余の熱を用いて熱成形される。例えば米国特許第6,814,905号B1明細書、米国特許第6,086,800号明細書および米国特許第4,061,706号明細書を参照されたい。こうした連続的な熱成形の方法は、前もって形成された熱可塑性シートの使用を伴う多数の工程のいくつかに注意を向けたところで、または、多数の工程のいくつかを除去したところで、通常は望ましくないが、輪郭(例えば窪み)を有する成形面上で熱可塑性シートの厚さを十分に制御することができない。
【0005】
米国特許第4,555,377号明細書は、冷却シート装填部と、シート加熱部と、成形部と、クランプフレーム運搬アセンブリとを有する指標となる熱成形機を開示する。377号特許の説明によれば、クランプフレーム運搬アセンブリは、熱可塑性シートの加熱後、かつ、熱可塑性シートの成形前に、クランプされた熱可塑性シートの垂れ下がりを制御する旋回自在のクランプを有す
【0006】
従来の方法に通常は見受けられる工程を最小限にし、または、その工程を除去する新しい熱成形工程、および、その熱成形工程に使用される装置を創出することが望ましい。加えて、そうして新しく創出された方法および装置は、輪郭を有する型面上で成形された熱可塑性シートが形成され成形される際に、成形された熱可塑性シートの厚さの制御を向上させることが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明によれば、成型品の形成方法において:
(a)成形装置であって、
(i)輪郭および多数の貫通孔を有する内側成形面、および、周縁を有する第1型部と、
(ii)前記第1型部の前記周縁の少なくとも一部を取り囲み、上側面を有し、前記第1型部との間で相互に逆進可能に垂直方向に位置決め自在のフレームと、
(iii)逆進可能に閉じ自在のクランプ部材と、前記クランプ部材の一部に規定されるクランプ内側とを備えつつ前記第1型部の前記周縁に(または、周縁の方向に)面するクランプ部を有し、前記フレームの前記上側面に独立して逆進可能に横方向に取り付けられて、前記周縁に対して逆進可能に横方向に前記クランプ部を位置決め自在にする少なくとも1つのシート保持器とを備える成形装置を用意する工程と;
(b)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記周縁の上方に前記フレームの前記上側面を配置する工程と;
(c)前記クランプ内側へアクセスできるように各シート保持器の前記クランプ部材を開き位置に位置決めする工程と;
(d)少なくとも1つの熱可塑性混合物から、熱成形が可能な温度を有し第1面および第2面を有する加熱された熱可塑性シートを形成する工程と;
(e)少なくとも1つのシート保持器のクランプ内側に前記加熱シートの前記第2面の第1部分を接触させる工程と;
(f)前記シート保持器の前記クランプ部材を閉じ位置に位置決めして、前記加熱された熱可塑性シートの前記第1部分を前記クランプ内側内にクランプして保持する工程と;
(g)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記第1型部の前記内側成形面の少なくとも一部に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の第2部分を接触させる工程と;
(h)前記周縁に近づく位置、前記周縁から遠ざかる位置、および、それらを組み合わせた位置から構成される群から選択される横方向位置まで横方向に少なくとも1つのシート保持器を移動させ、前記シート保持器の横方向移動に基づき、前記第1型部の内側成形面に接触する前記加熱された熱可塑性シートの前記第2部分の少なくとも一部の厚さを制御する工程と;
(i)前記第1型部の前記内側成形面の多数の前記貫通孔を通じて減圧をかけて、前記第1型部の前記内側成形面の前記輪郭に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を実質的に合わせ込む工程と;
(j)前記加熱された熱可塑性シートを冷却して、前記第1型部の前記内側成形面の前記輪郭を保持する形作られた熱可塑性シートを形成する工程と;および、
(k)前記第1型部から前記形作られた熱可塑性シートを取り外す工程とを備え、前記形作られた熱可塑性シートは前記成型品であることを特徴とする成型品の形成方法が提供される。
【0008】
本発明はまた前述の成形装置に関し、成形装置は、第1型部に流体接続する真空装置をさらに備える。真空装置は、第1型部の内側成形面の多数の貫通孔を通じて減圧を制御自在にかける。
【0009】
本発明に係る方法を用いて形成される流体処理構造(例えば暴風雨水/汚水チャンバ)がまた提供され、流体処理構造は:
縦軸、アーチ形状の断面、第1ベース側フランジ、第2ベース側フランジ、前記第1ベース側フランジから前記第2ベース側フランジまで延びる膨らんだ複数の横方向リブ、前記第1ベース側フランジから前記第2ベース側フランジまで延び、隣接する膨らんだリブ同士の間に配置される連続した複数の横方向窪み、開放底、外側表面、および、内側表面を有するハウジングと、
外側表面および内側表面を有する第1末端板と、
外側表面および内側表面を有する第2末端板とを備え、
前記ハウジング、前記第1末端板および前記第2末端板は共に連続した一体的構造を規定し、
前記ハウジングの前記外側表面、前記第1末端板の前記外側表面および前記第2末端板の前記外側表面はそれぞれ、加熱された熱可塑性シートの前記第1面(および、対応して、形作られた熱可塑性シートの第1面/そこから形成された成型品の第1面)で規定され、
前記ハウジングの前記内側表面、前記第1末端板の前記内側表面および前記第2末端板の前記内側表面はそれぞれ、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面(および、対応して、形作られた熱可塑性シートの第2面/そこから形成された成型品の第2面)で規定され、
前記ハウジングの前記内側表面、前記第1末端板の前記内側表面および前記第2末端板の前記内側表面は共に内側チャンバを規定し、
前記第1末端板は、前記内側チャンバに流体を伝達する第1開口を有し、
前記第2末端板は、前記内側チャンバに流体を伝達する第2開口を有し、
前記ハウジングはハウジング壁厚を有し、前記第1末端板は第1末端板壁厚を有し、前記第2末端板は第2末端板壁厚を有し、前記ハウジング壁厚、前記第1末端板壁厚および前記第2末端板壁厚は実質的に同一であることを特徴とする。流体処理構造は、本発明に係る方法によって形成される形作られた熱可塑性シート/成型品である。
【0010】
本発明を特色づける特徴は、この開示に添付されて、この開示の一部を形成する請求の範囲に特に示される。本発明のこれらの特徴および他の特徴、その機能的な効果、および、その使用によって得られる特定の物は、(これに限定されないものの)本発明に係る好適な実施形態を図示し説明する以下の詳細な説明および添付の図面に基づきさらに十分に理解される。
【0011】
明細書および請求の範囲で用いられるように、方向および位置に関する用語、例えば「上側」、「下側」、「内側」、「外側」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂上」、「底」、および、同類の用語は、図面に示され描かれるように本発明の説明にあたって用いられる。別に示されない限り、これらの用語の使用は本発明の領域の限定を示すことを意図しておらず、本発明は代替の位置および方向を採用することができる。
【0012】
別に示さない限り、例えば構造的な寸法、構成要素の数などを表すすべての数または表現は、明細書および図面で用いられるように、すべての具体例において用語「およそ」で修飾されて理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、シートダイから押し出される加熱された熱可塑性シートとともに本発明に係るシート成形装置を示す斜視図である。
【図2】図2は、押出成形機と第1型部用の独立した真空ポンプとをさらに含む図1のシート成形装置を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1のシート成形装置を示す斜視図であり、加熱された熱可塑性シートが、シート保持器の一部を横切って広がって第1型部の一部に覆い被さる様子を示す。
【図4】図4は、図3のシート成形装置を示す斜視図であり、加熱された熱可塑性シートが、シートダイから切り離されて各シート保持器のクランプ部内に保持される様子を示す。
【図5】図5は、図4のシート成形装置を示す斜視図であり、各シート保持器のクランプ部内に保持される加熱された熱可塑性シートとともにフレームが垂直方向に下側に移動した様子を示す。
【図6】図6は、図5のシート成形装置を示す斜視図であり、シート保持器のクランプ部内に保持されたまま加熱された熱可塑性シートが減圧によって引き寄せられて第1型部の内側面に輪郭を合わせ込まれつつ接触する様子を示す。
【図7】図7は、第1型部、フレームおよびシート保持器単独を示す平面図であり、フレームはその垂直落下の底部に実質的に近い位置に位置決めされ、シート保持器が様々な横位置に位置決めされる点を示す。
【図8】図8は、図7と同様に配置される第1型部、フレームおよびシート保持器を示す部分斜視図であり、シート保持器のクランプ部材が開き位置および閉じ位置の間で様々な段階に位置決めされる点を示す。
【図9】図9は、本発明に係るシート保持器の後側部に近い斜視図である。
【図10】図10は、図9のシート保持器の前側部に近い斜視図である。
【図11】図11は、図9のシート保持器の前側部に近い斜視図であり、シート保持器の下側を示す。
【図12】図12は、本発明に係る方法で形成され使用される加熱された熱可塑性シートの第2面を示す平面図である。
【図13】図13は、加熱された熱可塑性シートがシートダイから押し出される際に加熱された熱可塑性シートの第2面を示す立面図であり、加熱された熱可塑性シートがネッキングされる様子を示す。
【図14】図14は、図6に示される成形装置の一部を示す断面図であり、成形装置は第2型部をさらに備える。
【図15】図15は、図3のシート成形装置を示す異なる斜視図であり、第2ねじアクチュエータアセンブリ(56)の斜視図である。
【図16】図16は、本発明に係る方法の使用のために用意される流体処理構造を実質的に等角で示す斜視図である。
【図17】図17は、図16の流体処理構造の下側を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜図17において、同一の部品および同一の構造的特徴には同一の参照符号が付され、異なる部品および異なる構造的特徴には異なる参照符号が付される。
【0015】
図1および図2を参照すると、本発明に係る形成方法は、成形装置1、特に、シート成形装置1を用意する工程を含む。シート成形装置1は、内側成形面14および周縁17を有する第1型部11を備える。内側成形面14は、所定の輪郭および多数の貫通孔26を有する。内側成形面14の輪郭は例えば膨らみ部20および/または窪み部23を備えればよい。内側成形面14は実質的に窪んだすなわち雌の内側成形面(図示せず)であればよく、この場合、内側成形面14は周縁17より実質的に下側に配置される。代替案として、内側成形面14は、(図示されるように)実質的に膨らんだすなわち雄の内側成形面であればよく、この場合、内側成形面14の大部分は周縁17より上側に配置される。加えて、内側成形面14は、成型品の表面にテクスチャおよび/または成形のしるしを形成することを目的として、(例えば膨らみ部20および窪み部23に対して)相対的に浅い例えば溝といった膨らみ模様および/または窪み模様(図示せず)を備えてもよい。
【0016】
周縁17は、通常、第1型部11の境界範囲を規定する。加熱された熱可塑性シートに境界範囲を越えて広がる部分があれば、その部分は最終成型品の一部を形成しない。通常は、熱可塑性シートに周縁17を越えて広がる部分があれば、その部分は最終成型品から除去(例えば切断)される。周縁17は、例えば円形や多角形、不規則な形状、それらの組み合わせなどの最適な形状を有すればよい。図に示されるように、周縁17は、上側面18および末端縁19を有する実質的に水平棚板の形状を有する。
【0017】
明確化の目的のために、多数の貫通孔26は、図1および図2にのみ図示され、かつ、内側成形面14の一部にのみ図示される。貫通孔26は、内側成形面14の実質的に全体にまたは複数の領域内に(すなわち複数群で)配置される。貫通孔26は、内側成形面14上に実質的に規則的にまたは不規則に(例えば任意に)配列されればよい。例えば貫通孔26が特定の領域内に配置される場合、内側成形面14の所定の領域には貫通孔26は形成されない。通常は、多数の貫通孔26が内側成形面14の実質的に全体に規則的に配列(配置)される。
【0018】
多数の貫通孔26は、少なくとも1つの例えば真空ポンプといった真空装置に流体を伝達する。通常、第1型部11は少なくとも1つの内側チャンバ(図示せず)を有する。図2に示されるように、内側チャンバは、多数の貫通孔26と少なくとも1つの例えば真空装置29といった真空装置とに導管32によって流体を伝達する。導管32は、硬い導管であってもよいが、さらに通常は、原形復帰自在に螺旋状に巻くことができる可撓性材料から製造されればよい。図に示されるように、導管32は構造41の一部の下側を通る。構造41上には第1型部11が配置され支持される。支持構造41は、下側基台50の上側面47から上方に立ち上がる多数のビーム44(例えばIビーム)を備える。
【0019】
第1型部11から離れて図に示されているものの、代替案として真空装置29は第1型部11にさらに近接して配置(そのように図示されていないが、例えば基台50上に配置)されてもよい。真空装置29は、内側成形面14の多数の貫通孔26を通じて制御自在に減圧をかける。例えば、貫通孔26を通じて引かれる減圧は少なくとも1つの安定状態を有しつつ段々に増加してもよく、または、減圧は真空装置29の駆動(または起動)の瞬間から真空装置29の最大出力で引かれてもよい。
【0020】
第1型部11からの成型品の取り外しを補助するために、ガス(例えば空気)が高圧(例えば周囲の大気圧よりも大きな圧力)で貫通孔26から吹き出される。例えば空気などのガスの高圧での貫通孔26からの吹き出しにあたって、真空装置29は逆転して駆動されればよく、および/または、別個の圧力ポンプ(図示せず)が、内側チャンバおよび第1型部11の対応の貫通孔26に流体を伝達するために用いられればよい。加えて、貫通孔26から吹き出すガスは、周囲の温度よりも低い温度(例えば5℃〜15℃の範囲といった25℃以下の温度)で冷却されて、加熱された熱可塑性シートの冷却を補助してもよい。その結果、加熱された熱可塑性シートは内側成形面14の輪郭形状を保持する。
【0021】
内側成形面14の多数の貫通孔26は最適な形状および寸法を有すればよい。例えば最適な寸法および形状は、(i)成型品が第1型部11から取り外される際に熱可塑性材料で汚れたり塞がれたり詰まらされたりしない条件、および、(ii)最終成型品に望ましくない表面の特徴や欠陥(例えば最終成型品の表面から突き出るプラスチックの小さな塊)を生じない条件のもとで実現される。内側成形面14の貫通孔26は、多角形(例えば三角形や四角形、方形、正方形、五角形、六角形、七角形など、および、それらの組み合わせ)、円形、楕円形、不規則な形状、および、それらの組み合わせから選択された断面形状を有すればよい。通常は、内側成形面14の貫通孔26は、0.1mm〜7mmの直径を規定する実質的に円形の断面形状を有すればよい。貫通孔26は、さらに通常は0.5mm〜5mmの直径を有することが好ましく、さらに通常は1mm〜3mmの直径を有することが好ましい。本発明に係る実施形態では、内側成形面14の貫通孔26は実質的に1.6mm(16分の1インチ)の直径を有する。
【0022】
本発明に係るシート成形装置1は、第1型部11の周縁17の少なくとも一部を囲むフレーム35を備える。フレーム35は、上側面38を有し、同時に開口163を備える。開口163は、開口163の少なくとも一部を通って第1型部11および特にその周縁17を通過させる寸法を有する。フレーム35および第1型部11は、垂直方向(図1のz軸方向)に相互に逆進可能に配置される。その結果、さらに詳細に後述されるように、加熱された熱可塑性シートは第1型部11の内側成形面14に接触することができる。例えば、第1型部11およびフレーム35はそれぞれ独立して、ピストン、シザースジャック、および/または、スクリュージャックなどの当分野で認められた手段によって垂直方向に逆進可能に配置される。
【0023】
フレーム35は単独で用いられてもよい。代替案として、フレーム35は、支持フレーム36に連結して用いられてもよい。支持フレーム36は、フレーム35の下側に隣接して配置されてフレーム35を支持する。フレーム35と支持フレーム36とが独立して使用されれば、例えば様々なシート保持器を有し、および/または、シート保持器を様々に配置するフレーム35を即座に交換(例えば支持フレーム36の着脱)することができる。フレーム35に連結されたシート保持器を伴ったフレーム35の即座の交換の実現にあたって、成形装置1は、様々な寸法および/または様々な形態を有する様々な第1型部11に適合することが望ましい。フレーム35の上側面38は支持フレーム36の上側面37の上方に配置される。フレーム35は外縁142を有する。フレーム35は、支持フレーム36の外縁145に対してその外縁142が内側に配置されるように通常は設計される。この設計によれば、各シート保持器148はフレーム35の上側面38の(例えば僅かに)上方を横方向に移動することができると同時に、さらに詳細に後述されるように、各シート保持器148の後側部204は支持フレーム36の上側面37から離れて横方向に移動することができる。
【0024】
本発明に係る実施形態では、第1型部11は垂直方向の位置に実質的に不動に配置されており、フレーム35は逆進可能に制御自在に垂直方向に位置決め自在である。本実施形態では、フレーム35は、フレーム35に対向する位置に配置される第1ねじアクチュエータアセンブリ53および第2ねじアクチュエータアセンブリ56に基づき逆進可能に垂直方向に位置決め自在である。ねじアクチュエータアセンブリ(例えば53および56)は通常、詳細に後述されるように、加熱された熱可塑性シートがシート保持器を横切って配置される際に、ねじアクチュエータアセンブリ(53、56)が加熱された熱可塑性シートに直接に接触する可能性を低減するように位置決めされる。
【0025】
図3を参照すると、ねじアクチュエータアセンブリ53は、基台50の上側面47に取り付けられて上側面47から上方に立ち上がるボックスフレーム59を備える。第1ねじアクチュエータアセンブリ53は、第1ねじ伝達ギアボックス65から垂直方向に上方に立ち上がる第1ねじ62と、基台50の上側面47から垂直方向に上方に立ち上がる第1案内ロッド71とをさらに備える。第1ねじ62は、支持フレーム36から外側に横方向に延びる第1ねじ山アイレット68と螺合する。第1案内ロッド71は、支持フレーム36から横方向に外側に延びる第1非ねじ山案内アイレット74に螺合するのではなく、スライド係合する。第1アクチュエータアセンブリ53は、第2ねじ伝達ギアボックス79から垂直方向に上方に立ち上がる第2ねじ77(図面では部分的にのみ視認しうる)と、基台50の上側面47から垂直方向に上方に立ち上がる第2案内ロッド82とを備える。第2ねじ77は、支持フレーム36から横方向に外側に延びる第2ねじ山アイレット85と螺合する。第2案内ロッド82は、支持フレーム36から横方向に外側に延びる第2非ねじ山案内アイレット88に螺合するのではなく、スライド係合する。
【0026】
第1ねじアクチュエータアセンブリ53は主伝達ギアボックス91を備える。主伝達ギアボックス91は、第1ねじ伝達ギアボックス65から横方向に外側に延びて第1ねじ伝達ギアボックス65に噛み合う第1横シャフト94と、第2ねじ伝達ギアボックス79から横方向に外側に延びて第2ねじ伝達ギアボックス79に噛み合う第2横シャフト97とを有する。
【0027】
第2ねじアクチュエータアセンブリ56は第1ねじアクチュエータアセンブリ53と実質的に同一に形成される。図3、図5および図15を参照すると、第2ねじアクチュエータアセンブリ56は、第1ねじ121および第2ねじ352と、第1案内ロッド361および第2案内ロッド127と、主伝達ギアボックス133とを備える。第1ねじ121および第2ねじ352は、第1ねじ伝達ギアボックス355および第2ねじ伝達ギアボックス139からそれぞれ垂直方向に上方に延び、第1ねじ山アイレット124および第2ねじ山アイレット358にそれぞれ螺合する。第1案内ロッド361および第2案内ロッド127は、基台50の上側面47から垂直方向に上方にそれぞれ延び、第1非ねじ山アイレット364および第2非ねじ山アイレット130をそれぞれスライド係合する。主伝達ギアボックス133は、第1ねじ伝達ギアボックス355および第2ねじ伝達ギアボックス139にそれぞれ噛み合う第1横シャフト367および第2横シャフト136を有する。第2ねじアクチュエータアセンブリ56は、単一のボックスフレーム(例えば第1ねじアクチュエータアセンブリ53のボックスフレーム59)を有するのではなく、2つの独立したボックスフレーム100、103を有する。ボックスフレーム100は第2ねじアクチュエータアセンブリ56の第1ねじ121および第1案内ロッド361を収容し、ボックスフレーム103は第2ねじアクチュエータアセンブリ56の第2ねじ352および第2案内ロッド127を収容する。
【0028】
第1および第2ねじアクチュエータアセンブリ53、56は、それぞれ独立してまたは一斉に駆動されればよく、かつ、手動でまたは機械的に駆動されればよい。通常、第1および第2ねじアクチュエータアセンブリ53、56はそれぞれ機械的に駆動され、さらに通常は一斉に機械的に駆動される。各ねじアクチュエータアセンブリ53、56のそれぞれの駆動にあたって別個のモータが用いられればよい。本実施形態では、図3および図15を参照すると、第1ねじアクチュエータアセンブリ53および第2ねじアクチュエータアセンブリ56は単一の駆動モータ106によって一斉に駆動される。駆動モータ106は、公知のモータから選択されればよく、通常は電動モータである。駆動モータ106は駆動シャフト109(図面では部分的にのみ視認しうる)を有する。駆動シャフト109は、全体伝達ギアボックス112から外側に延びて全体伝達ギアボックス112に連結される。全体伝達ギアボックス112は、第1ねじアクチュエータアセンブリ53の主伝達ギアボックス91から外側に延びて主伝達ギアボックス91に連結される第1全体横シャフト115を有する。全体伝達ギアボックス112は第2全体横シャフト118を有する。第2全体横シャフト118は、第2ねじアクチュエータアセンブリ56の主伝達ギアボックス133から外側に延びて、支持構造41の中/下側を通って主伝達ギアボックス133に連結される。
【0029】
駆動モータ106が駆動されて駆動シャフト109に噛み合うと、駆動モータ106は駆動シャフト109を回転させる。その結果、全体伝達ギアボックス112を介して第1全体横シャフト115および第2全体横シャフト118の回転が引き起こされる。第1全体横シャフト115は、主伝達ギアボックス91を介して第1シャフト94および第2シャフト97を回転させる。その結果、第1ねじ伝達ギアボックス65および第2ねじ伝達ギアボックス79を介して第1ねじアクチュエータアセンブリ53の第1ねじ62および第2ねじ77が回転する。同時に、第2全体横シャフト118は、主伝達ギアボックス133を介して第2ねじアクチュエータアセンブリ56の第1全体横シャフト367および第2全体横シャフト136の回転を引き起こす。その結果、第1ねじ伝達ボックス355および第2ねじ伝達ボックス139を介して第2ねじアクチュエータアセンブリ56の第1ねじ121および第2ねじ352の回転を引き起こす。ねじ(62および77;121および352)がそれぞれ別個にねじ山アイレット(68および85;124および358)に噛み合う結果、例えば、駆動モータ106および駆動シャフト109の回転方向に応じてフレーム35は垂直方向に上下動する。さらに、対応して、非ねじ山案内ロッド(71および82;361および127)がそれぞれ別個に非ねじ山アイレット(74および88;364および130)をスライド自在に支持する結果、フレーム35の垂直移動は安定化することができる。様々なシャフトおよび様々な伝達ギアボックスの配列の結果、第1および第2アクチュエータアセンブリ53、56は一斉に制御されて駆動される。
【0030】
本発明に係る成形装置1は少なくとも1つのシート保持器148を備える。図7〜図11を参照すると、各シート保持器は、第1型部11の周縁17に向かって(または周縁17の方向に)面するクランプ部151を有する。クランプ部151はクランプ部材154およびクランプ内側157を備える。クランプ部材154は開閉自在に形成される。クランプ内側157はクランプ部材154の一部で規定され、特に、クランプ内側157の少なくとも一部はクランプ部材154の内側(または下側)面160で規定される。クランプ内側157は、クランプ部材154の内側面160および;その下に配置されるフレーム35の上側面38の一部;また特に、詳細は後述されるように、その下に配置されるシート保持器148のベース板の前側の一部の上側面の組み合わせによって規定される。各シート保持器148は独立して逆進可能に横方向にフレーム35の上側面38に取り付けられる結果、クランプ部151は、第1型部11の周縁17に対して逆進可能に横方向に位置決め自在に配置される。
【0031】
本発明に係る成形装置1は少なくとも1つのシート保持器148を備える限り、さらに通常は成形装置1は少なくとも2つの別個に独立したシート保持器(例えば2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ以上の別個に独立したシート保持器)148を備える。各シート保持器148のクランプ部151が第1型部11の周縁17に面するかまたは周縁17(の方向)に向けられていることを条件に、シート保持器148は、開口163周りでフレーム35上にどのように(例えば対称にまたは非対称に)配列されてもよい。本実施形態では、成形装置1は8つのシート保持器148A、148B、148C、148D、148E、148F、148Gおよび148Hを備える。例えば図7を参照されたい。第1型部11は一般的に平面視で矩形形状を有し、シート保持器148は第1型部11の長尺側に沿って配置されるとともに第1型部11の両端に配置される。シート保持器148A、148Bおよび148Cは第1型部11の第1長尺側166に配置される。シート保持器148D、148Eおよび148Fは第1型部11の第2長尺側169に配置される。シート保持器148Gは第1端346に配置される。シート保持器148Hは第2端349に配置される(図7参照)。第1長尺側166に沿って配置されるシート保持器(148A、148Bおよび148C)は、第2長尺側169に沿って配置されるシート保持器(148D、148Eおよび148F)に対して実質的に対向しつつ対称関係に配置される。第1端346のシート保持器148Gは、第1端346の反対側の第2端349のシート保持器148Hに対して実質的に対向しつつ対称関係に配置される。
【0032】
シート保持器148は、上側面175、下側面178および前側部181を有するベース板172をさらに備える。特に図10を参照されたい。クランプ部材154は、ベース板172の前側部181の上側面183に蝶番で取り付けられる。特に、クランプ部材154は、ヒンジ部材185を介して上側面183に取り付けられる。ヒンジ部材185は、前側部181の上側面183に(相互に)対向して配置されて上側面183から上方に立ち上がるヒンジ保持部188、191に蝶番で(または回転自在に)連結される。シート保持器148のクランプ部151はクランプ部材154およびベース板172の前側部181で規定される。ベース板172の前側部181の上側面183とクランプ部材154の内側面160は共にクランプ内側157を規定する。
【0033】
ベース板172の下側面178の少なくとも一部は、フレーム35の上側面38に対してスライドする関係および隣接する関係を有する。本実施形態では、シート保持器148は、ベース板172の下側面178から延びる少なくとも1つの伸長ガイドをさらに備える。伸長ガイドは、フレーム35の上側面38内で最適な寸法の溝または隙間(図示せず)内に受け入れられる。伸長ガイドは、第1型部11の周縁17から(例えば周縁17に直交方向に)横方向に外側に向けられ、本発明の装置および方法におけるシート保持器148の横方向の動きの制御(例えば方向)を向上させる。図11を参照すると、シート保持器148は、ベース板172の下側面178から外側に(下側に)延びる第1伸長ガイド186および第2伸長ガイド189を有する。第1伸長ガイド186および第2伸長ガイド189は、フレーム35の上側面38内のスライド可能に寸法形成された溝または隙間(図示せず)にスライド式に受け入れられる。第1および第2伸長ガイド(186、189)がフレーム35の上側面38の溝にスライド式に受け入れられる結果、本発明に係る方法においてシート保持器148が横方向に再び位置決めされる際にシート保持器148は所望の方向に維持される(例えばクランプ部151が第1型部11の周縁17に面する)。
【0034】
各シート保持器148の逆進可能な横方向移動は手動で、または、通常は機械的に実現される。本実施形態では図9および図10を参照すると、シート保持器148は、第1端195および第2端198を有する第1直線アクチュエータ192をさらに備える。実施形態および請求の範囲で用いられるように、「直線アクチュエータ」の用語は直線的に逆進可能に進展可能な装置を意味する。直線アクチュエータは、シート保持器に関して用いられる際、直線ねじアクチュエータ、油圧直線アクチュエータ、空気直線アクチュエータおよびその組み合わせなどの、当分野で認められた装置から選択されればよい。シート保持器148のベース板172は、長孔(または延在孔/延在開口)201と、上側面207を有する後側部204とをさらに備える。
【0035】
第1直線アクチュエータ192の第1端195は、長孔201内に配置されてフレーム35の上側面38に固定される。第1直線アクチュエータ192の第1端195は通常、フレーム35の上側面38に取り付けられるブラケット210に旋回自在に取り付けられる。第1端195とブラケット210の旋回自在の取り付けは、ブラケット210を横方向に貫通するピンと第1端195に形成される孔といった当分野で認められた手段で実現されればよい。第1直線アクチュエータ192の第2端198は、ベース板172の後側部204の上側面207に固定される。通常、第1直線アクチュエータ192の第2端198は、ベース板172の後側部204の上側面207から上方に立ち上がるブラケット213に旋回自在に取り付けられる。第2端198とブラケット213の旋回自在の取り付けは、ブラケット213を横方向に貫通するピン237と第2端198に形成される孔といった当分野で認められた手段で実現されればよい。
【0036】
図に示されるように、第1直線アクチュエータ192は、ピストン(視認できず)を収容するシリンダ216と、第2端198に挿入されつつ連結される逆進可能の引込式アーム219とを備える。第1直線アクチュエータ192が逆進可能に直線的に伸展すると、第1型部11の周縁17に対してシート保持器148は逆進可能に横方向移動する。特に、引込式アーム219が伸展すると、シート保持器148は第1型部11の周縁17から離れる方向に横方向に(例えばシート保持器148Aの場合にはx軸に沿って、または、シート保持器148Gの場合にはy軸に沿って)移動する。対応して、引込式アーム219がシリンダ216内に引き込まれると、シート保持器148は、第1型部11の周縁17に向かって横方向に(例えばシート保持器148Aの場合にはx軸に沿って、または、シート保持器148Gの場合にはy軸に沿って)移動する。例えば図7を参照されたい。
【0037】
シート保持器148のクランプ部材154は手動で、通常は機械的に開閉されればよい。本実施形態では図9および図10を参照すると、シート保持器148は、第1端225および第2端228を有する第2直線アクチュエータ222をさらに備える。第1直線アクチュエータ192と同様に、第2直線アクチュエータ222は逆進可能に直線的に伸展自在で、例えば直線ねじアクチュエータ、油圧直線アクチュエータ、空気直線アクチュエータおよびその組み合わせといった公知の直線アクチュエータから選択されればよい。
【0038】
第2直線アクチュエータ222の第1端225はクランプ部材154の外側面231に旋回自在に取り付けられる。さらに通常は、第2直線アクチュエータ222の第1端225は、クランプ部材154の外側面231から外側に突き出るブラケットすなわち突起234に旋回自在に取り付けられる。図に示されるように、第2直線アクチュエータ222の第1端225はブラケットの形状に形成されて突起234を受け入れる。第1端225および突起234の旋回自在の取り付けは、例えば第1端225に取り付けられて、突起234に形成される孔(図では視認できず)を通って延びるピンといった当分野で認められた方法で実現されればよい。第2直線アクチュエータ222の第2端228はベース板172の後側部204の上側面207に取り付けられる。通常、第2端228は、ベース板172の後側部204の上側面207から上方に立ち上がるブラケット(例えばブラケット213)に旋回自在に取り付けられる。第2端228およびブラケット213の旋回自在の取り付けは、ブラケット213および第2端228を通って延びるピンといった当分野で認められた方法で実現されればよい。
【0039】
本実施形態では、第1直線アクチュエータ192の第2端198と第2直線アクチュエータ222の第2端228とはともに同一のブラケット(例えばブラケット213)に取り付けられる。本実施形態では図に示されるように、第2直線アクチュエータ222の第2端228はブラケット213の上側部に旋回自在に取り付けられ、第1直線アクチュエータ192の第2端198は、第2端228の取り付け点の下側でブラケット213の下側部に取り付けられる。
【0040】
図に示されるように、第2直線アクチュエータ222は、ピストン(視認できず)を収容するシリンダ240と、第1端225にねじ接続される逆進可能な引込式/伸展アーム243とをさらに備える。第2直線アクチュエータ222が逆進可能に直線的に伸展すると、クランプ部材154は閉じる(および、対応して開く)。特に、逆進可能な引込式アーム243が伸展すると、クランプ部材154は閉じ位置まで、または、閉じ位置に向かって移動し、対応して、逆進可能な引込式アーム243が(シリンダ240内に)引き込まれると、クランプ部材154は開き位置まで、または、開き位置に向かって移動する。
【0041】
油圧および/または空気で直線アクチュエータ192、222が駆動される場合、シート保持器148の直線アクチュエータ192、222にはポートが形成される。直線アクチュエータ192、222の直線的な伸展および引き込みの実現にあたって、ポートを介して流体(例えば空気および/または油圧流体/オイルといった液体)が(通常は高圧下で)導入される。図10を参照すると、第2直線アクチュエータ222は第1ポート247および第2ポート250を備える。アーム243の直線的な伸展および引き込み、その結果であるクランプ部材154の逆進可能な開閉にあたって、第1ポート247および第2ポート250を介して高圧下で流体(例えば空気および/またはオイルといった液体)が導入される。第1直線アクチュエータ192にはこうしたポート(図示せず)が同様に形成される。
【0042】
実施形態では、前述されるように、フレーム35は、下側に配置される支持フレーム36上に配置されて支持フレーム36で支持される。フレーム35の外縁142は、所定の寸法に形成されて支持フレーム36の外縁145より内側に配置される。フレーム35の外縁142が支持フレーム36の外縁145より内側に配置される結果、シート保持器148の逆進可能な横方向移動の結果として各シート保持器148の後側部204は、支持フレーム36の上側面37を越えて、上側面37上で、および、上側面37から離れて横方向に移動することができる。例えば図1、図7および図8を参照されたい。特に、本実施形態では、ベース板172の後側部204内(または下側)に配置される下側面178の一部が、支持フレーム36の上側面37を越えて、上側面37上で、および、上側面37から離れて横方向に移動することができる。こうした配列は、シート保持器148が使用される間(例えば本発明に係る方法の間)、これに限定されるわけではないが、例えば伸長ガイド186、189を含むベース板172の下側面178に潤滑剤が塗布されてもよいことを含む理由のために望ましい。
【0043】
本発明に係るシート成形工程の間、加熱された熱可塑性シート292の一部は、後述されるように、シート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157に接触する。通常、加熱された熱可塑性シート292の一部は、クランプ部材154でクランプされる加熱されたシートがクランプ内側157内に保持される前および後に前側部181の上側面183に接触する。シート保持器148のクランプ部151の付着(例えば溶融状態のまたはほぼ溶融状態の熱可塑性材料の残存)を回避または低減するために、シート保持器148の少なくとも前側部181の温度を制御(例えば冷却)することが望ましい。実施形態では、シート保持器148のベース板172には、ベース板172の前側部181内に延びる少なくとも1つの収容通路253が形成される。例えば図8のシート保持器148Bを参照すると、収容通路253の終点はベース板172の後側部204内に形成される。収容路はベース板172を通って延びればよく、または、収容路は、ベース板172の外側面(例えば上側面175)に取り付けられる導管(図示せず)の形状を有すればよい。
【0044】
収容通路253は熱交換流体の受け入れおよび通過を許容する寸法に形成される。熱交換流体は、例えば水、グリコール(例えばエチレングリコール、プロピレングリコールおよび/またはポリアルキレングリコールなどのアルキレングリコール)、アルコール(例えばメタノール、エタノール、n−プロパノールおよび/またはイソ−プロパノール)、および、それらの混合物といった当業者に既知のものから選択されればよい。例えば図9を参照すると、熱交換流体は、熱交換器(図示せず)の容器からくみ出され、ポート256を介して導入され、ポート259から取り出される(そして、熱交換器の容器に戻る)。熱交換流体は、低い温度(例えば20℃、15℃または10℃の室温といった、加熱された熱可塑性シート292の温度よりも低い温度)で収容通路253に通常は導入される。熱交換流体は収容通路253を通って前側部181(図示せず)に流れ、熱交換流体がポート259から取り出される際に熱エネルギーを取り除く。
【0045】
シート保持器148、および、ベース板172およびクランプ部材154といった様々な部品は、最適な硬い材料から製造されればよい。例えば、各シート保持器148は、例えば金属、熱硬化性プラスチック材料、熱可塑性材料、セラミック材料およびそれらの組み合わせなどから製造されればよい。通常、シート保持器148は金属(例えば鉄)から製造される。
【0046】
シート保持器148は、加熱された熱可塑性シート292の一部をクランプ部151内で保持することができるという条件で最適な寸法を有すればよい。図9および図10を参照すると、ベース板172は、通常7.62cm〜127cmの幅262を有する。ベース板172は、さらに通常は15.24cm〜101.6cmの幅262を有することが好ましく、さらに通常は30.48cm〜60.96cmの幅262を有することが好ましい。実施形態ではベース板172は50.75cmの幅262を有する。ベース板172は、7.62cm〜127cmの長さ265を有する。ベース板172は、さらに通常は15.24cm〜101.6cmの長さ265を有することが好ましく、さらに通常は30.48cm〜60.96cmの長さ265を有することが好ましい。実施形態ではベース板172は45.72cmの長さ265を有する。クランプ部材154は、通常は7.62cm〜127cmの幅268を有する。クランプ部材154は、さらに通常は15.24cm〜101.6cmの幅268を有することが好ましく、さらに通常は30.48cm〜60.96cmの幅268を有することが好ましい。実施形態ではクランプ部材154は50.75cmの幅268を有し、ベース板172の幅262と実質的に同一である。代替案としては、ベース板172の後側部204および前側部181は相互に異なる幅262を有してもよい。例えば後側部204の幅262は前側部181の幅262より大きく(または小さく)設定されてもよい。
【0047】
本発明に係るシート成形装置1は押出成形機271およびシートダイ274を備える(図2参照)。押出成形機271は、フィードポート280を有するフィード端277と、終端(または押出端)283とを備える。押出成形機271は、当業者に既知のシングルスクリュー、または、カウンター回転または協働回転ツインスクリュー押出成形機から選択されればよい。押出成形機271は、通常、バレル286の長さ方向に沿って少なくとも1つ以上の加熱領域を備え、加熱領域の温度は制御自在に形成される。熱可塑性混合物は、少なくとも1つの熱可塑性重合体(ポリマー)と任意の少なくとも1以上の添加物(例えばガラス繊維および/または酸化防止剤)とを備える。熱可塑性混合物は、フィードポート280に導入され、バレル286を通って移動する際に溶融して混合され、終端283から溶融状態の熱可塑性混合物として押し出される。
【0048】
押出成形機271の終端283はシートダイ274に流体を伝達する。終端283およびシートダイ274の間の流体の伝達は通常は導管289によって実現される。導管289は任意で加熱されてもよい。溶融状態の熱可塑性混合物は押出成形機271の終端283から導管289を通って前方に送られてシートダイ274に導入される。シートダイ274は通常、導管289に流体を伝達する少なくとも1つの内側路と、細孔(図示せず)とを備える。加えて、シートダイ274は独立して加熱されてもよく、その結果、押し出される熱可塑性材料の溶融状態を維持することができる。細孔はシートダイ274の底部に配置され、加熱された熱可塑性シート292は細孔から押し出される。溶融状態の熱可塑性材料が内側路およびシートダイ274の細孔を通過する結果、第1面295(図3)および第2面298を有する加熱された熱可塑性シート292が形成される。
【0049】
シートダイ274は多数のゲートを有する動的なシートダイであればよい。ゲートは、独立したアクチュエータ(図示せず)によってシートダイ274の細孔を横切って制御自在に往復して移動すればよく、その結果、ゲートを通過する溶融した熱可塑性材料の量、シートダイ274から押し出されて生成される加熱された熱可塑性シート292の厚さ、幅および形状を制御することができる。ゲートが駆動される結果、熱可塑性材料にはない開口(図示せず)を有する加熱された熱可塑性シート292を製造することができる。例えば加熱された熱可塑性シート292が形成されると、シートの内側部を形成するいくつかのゲートは規定の時間にわたって閉じられた後に開く。その結果、シートに開口または細孔が形成される。
【0050】
シートダイ274は、細孔ではなく、溶融状態の熱可塑性材料を押し出す横方向に配列された多数の開口(図示せず)を備えてもよい。開口は通常、1つの開口から押し出される溶融状態の熱可塑性材料が、その開口に近接/隣接する開口から押し出される溶融状態の熱可塑性材料に合流して連続するように位置決めされ、その結果、加熱された熱可塑性シート292を形成する。横方向に配列された多数の開口は、加熱された熱可塑性シート292の形成に関して細孔として基本的に機能する。各開口は、当該開口に連結される制御自在に開閉されるゲート(図示せず)を有してもよい。
【0051】
各シート保持器148のクランプ内側157および第1型部11の内側成形面14にシートダイ274から押し出される加熱された熱可塑性シート292が接触することを条件に、シートダイ274および第1型部11、並びに、フレーム35およびシート保持器148は、いずれかの最適な方法で相互に位置決めされる。例えばシートダイ274は、(図示されるように)重力方向に下側に落下する加熱された熱可塑性シート292を製造するように位置決めされればよく、第1型部11、フレーム35およびシート保持器148は、重力方向に下側に落下する加熱された熱可塑性シート292の平面に平行になるように一体で垂直方向に(図示せず)配置されればよい。
【0052】
本発明に係る実施形態では図に示されるように、第1型部11、フレーム35およびシート保持器148は、シートダイ274の下側の平面、例えば図1のx軸およびy軸で規定される平面内に共に位置決めされる。参照の目的のために、周縁17は、図1のx軸およびy軸で規定される平面内に実質的に延びる。加熱された熱可塑性シート292が形成されてシートダイ274から垂直方向および重力方向に落下すると:(i)シートダイ274は、第1型部11、フレーム25および各シート保持器148が配置される平面の上方の平面内で往復移動すればよく:および/または(ii)第1型部11、フレーム35および各シート保持器148はシートダイ274の下側の平面内に共に位置決めされる。シートダイ274と第1型部11、フレーム35および各シート保持器148とが相対移動すると、第2面298はクランプ内側157に、および、任意に第1型部11の内側成形面14に接触する。シートダイ274はトラックまたはレール(図示せず)といった既知の手段で往復移動することができる。
【0053】
本発明に係る実施形態では、第1型部11、フレーム35および各シート保持器148は、一緒に位置決めされ、シートダイ274の下側の平面内で逆進可能に移動することができ、そしてシートダイ274は実質的に不動である。
【0054】
シートダイ274の下側の平面内での第1型部11、フレーム35およびシート保持器148の一体的な逆進可能な横方向移動の実現にあたって、第1型部11、フレーム35および各シート保持器148は基台50上に一体的に配置される。前述されるように、基台50の上側面47から上方に立ち上がる多数のIビーム44を備える支持構造41上に配置される。シート保持器148は、さらに詳細に前述されるように、基台50の上側面47に取り付けられる第1および第2ねじアクチュエータアセンブリ(53および56)に(逆進可能に垂直方向に)支持される支持フレーム36上に配置されるフレーム35の上側面38に配置される。基台50は、(例えば図1の2方向の矢印301で示されるように)y軸に沿ってシートダイ274の下側の平面内に配置されて逆進可能に移動することができる。
【0055】
基台50は、そり、キャタピラ、車輪単独、車輪とレールとの組み合わせ、および、それらの組み合わせ(図示せず)といった既知の移動手段に基づきシートダイ274の下側の平面内で逆進可能に移動することができる。基台50は、特に、天板51と、天板51の上側面である上側面47とを備えればよい。天板51自体は垂直方向に逆進可能に位置決め(例えばピストンによって、図示せず)されることができ、その結果、上側面47に配置されるものすべて、および/または、上側面47に取り付けられるものすべて(例えば第1型部11、フレーム35、シート保持器148、第1および第2ねじアクチュエータアセンブリ53、56等)はz軸に沿って一斉に垂直方向に位置決めされる。第1型部11、フレーム35およびシート保持器148の垂直方向の位置決めは、これに限定されるわけではないが、各シート保持器148のクランプ内側157の位置決め、および、任意に第1型部11の内側面14のシートダイ274への接近またはシートダイ274からの離隔、および、特に、加熱された熱可塑性シート292が押し出されるシートダイ274の細孔への接近または細孔からの離隔を含む理由のために実施される。こうした天板51の垂直移動は、限定しないが、加熱された熱可塑性シート292がクランプ内側157および第1型部11の内側面14に接触する際に、加熱された熱可塑性シート292の厚さを制御し、および、詳細は後述されるように、押し出され/加熱された熱可塑性シート292のネッキングに先立ってこうした接触を実現することを含む理由のために望ましい。
【0056】
本発明に係る方法において、第1型部11および(シート保持器148を伴って)フレーム35が初期に相互に位置決めされると、フレーム35の上側面38は第1型部11の周縁17の上側に配置される。例えば図1および図2を参照されたい。第1型部11が第1雄型部である場合(図示されるように)、フレーム35の上側面38の初期位置は、周縁17の上側に配置されることに加えて:(i)第1雄型部の内側成形面14の上側端の上側に配置され:または(ii)周縁17の上側に配置され、かつ、第1雄型部の内側成形面14の上側端の下側に配置される。図に示されるように、フレーム35の上側面38は、周縁17の上側に初期に位置決めされ、内側成形面14の上側端の上側に位置決めされる。(周縁17の下側に実質的に窪む)第1雌型部の場合、フレーム35が初期位置に配置されると、フレーム35の上側面38が周縁17および第1雌型部の内側成形面14の上側に配置される。
【0057】
フレーム35および第1型部11の相対的な位置決めは、前述されるように実現されればよい。例えば第1および第2ねじアクチュエータアセンブリ(53、56)が(例えばモータ106および様々なシャフト並びに伝達ギアボックスによって)駆動されると、支持フレーム36およびフレーム35(および、対応して、シート保持器148)はz軸に沿って垂直方向に上方に移動する。その結果、フレーム35の上側面38は周縁17の上側、および、図に示されるように、第1型部11の内側成形面14の上側に配置される。
【0058】
本発明に係る方法において、各シート保持器148のクランプ部材154は開き位置に調整される。各クランプ部材154が開き位置に位置決めされると、特にシート保持器148の上側から各クランプ内側157にアクセスすることができる。例えば図8に示されるシート保持器148Cのクランプ部材154を参照されたい。同様に、図3には、すべて開き位置に位置決めされる各シート保持器148A〜148Cのクランプ部材154が図示される。実施形態では、第2直線アクチュエータ222のアーム243が(シリンダ240内に)引っ込められると、ヒンジ部材185上で後方にクランプ部材154が回転し、クランプ部材154は開き位置に位置決めされる。
【0059】
本発明に係る方法において、第1面(例えば295)および第2面(例えば298)を有する加熱された熱可塑性シート(例えば292)は少なくとも1つの熱可塑性混合物から形成される。加熱された熱可塑性シート292は、特に、(i)各シート保持器148のクランプ内側157に接触してクランプ内側157内に保持され、(ii)第1型部11の内側成形面14に引き寄せられて内側成形面14の輪郭に密接に接触する際に、熱成形を許容する温度(例えば熱成形温度)を有する。加熱された熱可塑性シート292の温度は熱可塑性シート292の融点と同じかまたはそれを上回る温度であればよいが、加熱された熱可塑性シート292の温度はさらに通常は熱可塑性シート292の軟化点(またはガラス転移温度)と同じかまたはそれを上回る温度、かつ、熱可塑性シート292の融点より低い温度である。
【0060】
本発明に係る方法の実施形態において、加熱された熱可塑性シート292は、加熱された熱可塑性シート292の第1面295および第2面298の間に配置される内側面を有する。本実施形態では、加熱された熱可塑性シート292の温度は、第1面295、内側面および第2面298を通じて実質的に均一(例えば2℃または1℃より小さい温度で変化する、または、2℃または1℃の同じ温度で変化する)である。特に、(i)加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分が少なくとも1つのシート保持器248のクランプ内側157に接触する際、および、(ii)第1型部11の内側成形面14に対して加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分が引き寄せられる際、温度は均一である。
【0061】
加熱された熱可塑性シート292の温度は、例えば加熱された熱可塑性シート292の第1面295および第2面298に熱電対を接触させ、および、加熱された熱可塑性シート292の内側部に熱電対を差し込むといった当分野で認められた方法で測定されればよい。代替案として、または前述に加えて、加熱された熱可塑性シート292の第1面295および第2面298の温度の測定にあたって赤外線センサといった遠隔温度センサが用いられてもよい。
【0062】
実施形態および請求の範囲で用いられるように、用語「シート」、並びに、「シートダイ」および「加熱された熱可塑性シート」といった同種の用語は、用語「フィルム」、並びに、「シートフィルム」および「加熱された熱可塑性フィルム」といった同種の用語を含む。シートダイ274から、さらに通常は、シートダイ274の細孔から押し出される際、加熱された熱可塑性シート292は通常、0.5mm〜25mmの厚さを有する。加熱された熱可塑性シート292は、さらに通常は1.5mm〜15mmの厚さを有することが好ましく、さらに通常は6mm〜12mmの厚さを有することが好ましい。本発明に係る実施形態において、シートダイ274から押し出される際、加熱された熱可塑性シート292は9mmの厚さを有する。加熱された熱可塑性シート292を第1型部11の内側成形面14に引き寄せて、内側成形面14の輪郭に合わせ込んで内側成形面14の輪郭に接触させる工程の間、加熱された熱可塑性シート292の厚さは(シートダイ274の細孔から押し出される際の加熱された熱可塑性シート292に比べて)通常は減少する。本発明に係る方法によって形成される成型品である形作られた熱可塑性シートは通常は0.25mm〜12.5mmの厚さを有する。形作られた熱可塑性シートは、さらに通常は0.75mm〜8mmの厚さを有することが好ましく、さらに通常は3mm〜6mmの厚さを有することが好ましい。本発明に係る実施形態において、本発明に係る方法によって形成される成型品である形作られた熱可塑性シートは平均的に4.5mmの厚さを有する。
【0063】
本発明に係る方法の過程で形成される加熱された熱可塑性シート292は最適な幅および長さを有する。加熱された熱可塑性シート292は通常はシートダイ274によって形成されることから、幅はシートダイ274の幅、特にシートダイ274の細長いシートスロットの幅、に依存するとともに限定される。加熱された熱可塑性シート292は例えば2.5cm〜5mの幅を有する。加熱された熱可塑性シート292は、31cm〜3mの幅を有することが好ましく、61cm〜2mの幅を有することが好ましい。加熱された熱可塑性シート292は、通常は本発明に係る方法において連続的に最適な長さに形成されればよい。例えば加熱された熱可塑性シート292は31cm〜10mの長さを有する。また、加熱された熱可塑性シート292は61cm〜2mの長さを有することが好ましい。本発明に係る実施形態では、加熱された熱可塑性シート292は3m(およそ10フィート)の幅を有し、5m(およそ16.5フィート)の長さを有する。
【0064】
加熱された熱可塑性シート292は、熱可塑性混合物を溶融させて溶融状態の熱可塑性混合物を形成する工程と、溶融状態の熱可塑性混合物から加熱された熱可塑性シート292を形成する工程とを含む既知の方法によって形成される。実施形態では、前述されるように、熱可塑性混合物は、フィードポート280および終端(または押出端)283を有する押出成形機271(例えばシングルスクリュー押出成形機、または、協働回転スクリュー押出成形機またはカウンター回転ツインスクリュー押出成形機)で溶融する。押出成形機271の終端283はシートダイ274(例えば導管289によって)に流体を伝達する。溶融状態の熱可塑性混合物は、押出成形機271内で形成されて(導管289によって)前方に送られ、シートダイ274を通過する結果、加熱された熱可塑性シート(例えば292)が形成される。加熱された熱可塑性シート292は通常、シートダイ274の細孔から押し出され、そこから垂直に重力方向に落下する。シートダイ274は、前述される説明に従って選択および駆動されればよい。
【0065】
加熱された熱可塑性シート292がシートダイ274から押し出されると、加熱された熱可塑性シート292の第2面298は、シート保持器148のクランプ内側157および第1型部11の内側成形面14に面する(例えば対面する)。加熱された熱可塑性シート292の第1面295は、シート保持器148のクランプ内側157および内側成形面14に対して(例えば上側に)表向きにされる。
【0066】
本発明では、加熱された熱可塑性シート292の第2面298、および、加熱された熱可塑性シート292自体は、第1部分、第2部分および第3部分を有する。図示にあたって、図12を参照し、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分304は、シート292の終端307に一般的に近接してまたは終端307に向かって配置される。第2面298の第2部分310は加熱された熱可塑性シート292の中央領域に一般的に配置される。第2面298の第3部分313は、加熱された熱可塑性シート292の第1部分304および第2部分310の間の領域(間に挟み込まれて)に一般的に配置される。第1面295は同様に、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の反対側(例えば第1面295)に第1部分304、第2部分310および第3部分313を有する。加えて、加熱された熱可塑性シート292は一般的に、図12に示されるそれらの部分に対応する第1部分304、第2部分310および第3部分313を有するように説明される。
【0067】
加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分(例えば304)は、本発明に係る方法において、少なくとも1つのシート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157に接触する。通常、加熱された熱可塑性シート292が形成されると、加熱された熱可塑性シート292は、連続的に配置されるシート保持器148のクランプ内側157に連続的に接触する。例えば、加熱された熱可塑性シート292がシートダイ274から押し出されて下方向に広がると、フレーム35、シート保持器148および第1型部11は、例えば図3の矢印302の方向に、(前述されるように)シートダイ274の下側の平面内で(例えば図1のy軸に沿って)横方向に移動する。図1および図3を参照すると、加熱された熱可塑性シート292が形成されて、フレーム35および第1型部11が熱可塑性シート292の下で横方向に移動すると、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分304は、次の:シート保持器148G;シート保持器148C、148F;シート保持器148B、148E;シート保持器148A、148D;最後にシート保持器148Hの順番でシート保持器148のクランプ内側157に連続的に接触していく。
【0068】
本発明に係る方法において、次にクランプ部材154が閉じ位置に移動すると、加熱された熱可塑性シート292の第1部分304がクランプ内側157内でクランプして保持される。特に、クランプ部材154の一部は、熱可塑性シート292の第1面295の第1部分304に隣接しつつクランプ/保持する関係を確立すると同時に、シート292の第2面298の第1部分304が、シート保持器148のベース板172の前側部181の上側面183に保持されつつ隣接する。
【0069】
シート保持器148のクランプ部材154はすべて、加熱された熱可塑性シート292がすべてのシート保持器148のクランプ内側157に接触した後、閉じ位置に一斉に移動する。例えばシート保持器148A〜148Hのクランプ部材154が一斉に閉じ位置に移動する。代替案として、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分304がシート保持器148のクランプ内側157に連続的に接触すると、シート保持器148のクランプ部材154は連続的に閉じ位置に移動してもよい。例えば各シート保持器148のクランプ部材154は以下の:シート保持器148G;シート保持器148C、148F;シート保持器148B、148E;シート保持器148A、148D;および最後にシート保持器148Hの順番で閉じ位置に移動する。
【0070】
実施形態では、第2直線アクチュエータ222のアーム243が(例えばシリンダ240の外側に)伸展すると、クランプ部材154は、ヒンジ部材185上で前方に回転した後に閉じ位置に位置決めされる。例えば図8を参照すると、シート保持器148Aのクランプ部材154は閉じ位置に位置決めされる。図4を参照すると、8つすべてのシート保持器148A〜148Hのクランプ部材154が閉じ位置に位置決めされ、加熱された熱可塑性シート292の第1部分304は各シート保持器148のクランプ内側157内にクランプされて保持される。加えて、図4に示されるように、フレーム35のシート保持器148内に保持される加熱された熱可塑性シート292はシートダイ274から切り離される。図4に示されていないものの、加熱された熱可塑性シート292の一部は、シートダイ274から依然として押し出されているが、シート保持器248内に保持される加熱された熱可塑性シート292から切り離される。
【0071】
前述されるように、クランプ内側157はクランプ部材154の内側面160と:(i)その下側に配置されるフレーム35の上側面38の一部との組み合わせ;および/または(ii)シート保持器148のベース板172の前側部181の上側面183との組み合わせで規定されればよい。実施形態では、加熱された熱可塑性シート292の第1部分304がクランプ内側157内に保持されると、クランプ内側157は、クランプ部材154の内側面160とシート保持器148のベース板172の前側部181の上側面183との組み合わせで規定される。したがって、加熱された熱可塑性シート292の第1部分304は、クランプ部材154の内側面160の少なくとも一部とシート保持器148のベース板172の前側部181の上側面183との間にクランプされ/保持される。
【0072】
加熱された熱可塑性シート292の第1部分304がシート保持器148のクランプ内側157内に保持されると、第1型部11およびフレーム35が相互に位置決めされ、第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分(例えば図12の310)が接触する。熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310と内側成形面14の少なくとも一部との接触を実現すべく:(i)フレーム35およびシート保持器148が垂直方向に不動に配置される一方で、第1型部11は垂直方向(例えばz軸に沿って上方)に移動すればよく;(ii)フレーム35およびシート保持器148が垂直方向(例えばz軸に沿って上方)に移動する一方で、第1型部11は垂直方向に不動に配置されればよく;または(iii)フレーム35およびシート保持器148が垂直方向(例えばz軸に沿って上方)に移動すると同時に、第1型部11が垂直方向(例えばz軸に沿って上方)に移動すればよい。
【0073】
実施形態では、図4および図5を参照すると、第1型部11は垂直方向の位置決めに関して実質的に不動に配置され、フレーム35は(シート保持器148とともに)逆進可能に制御自在に垂直方向(例えばz軸に沿って)に移動することができる。本実施形態では、フレーム35(および対応のシート保持器148)が、垂直方向に不動に配置される第1型部11に対して逆進可能に制御自在に垂直方向(例えばz軸に沿って垂直方向に下側)に移動する結果、加熱された熱可塑性シート292の第2面(298)の第2部分(例えば310)と第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部とが接触する。フレーム35はシート保持器148とともにz軸に沿って移動し、第1型部11の周縁17の下側に配置される。前述されるように、フレーム35は第1および第2ねじアクチュエータアセンブリ(53、56)によって逆進可能に垂直方向に移動することができる。
【0074】
内側成形面14に対するフレーム35の初期位置に依存して、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310と第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部とは、シート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157との/クランプ内側157内での加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分304の接触に先だって接触(またはクランプ保持)するか、接触と同時に接触するか、または、接触に連続して接触すればよい。例えばフレーム35が初期位置に位置決めされると、その上側面38は、周縁17の上方に配置されると同時に、(第1雄型部の場合に)第1型部11の内側成形面14の上側端の下側に配置される。この場合、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310は、クランプ内側157との/クランプ内側157内での加熱されたシート292の第2面298の第2部分310の接触および/または保持に先立ってまたは同時に内側成形面14の一部に接触すればよい。本発明に係る実施形態では、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310と第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部とは、シート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157との/クランプ内側157内での加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分304の接触(またはクランプ保持)の後に接触する。
【0075】
加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310と第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部との接触に先立って、接触と同時に、または、接触の後に、各シート保持器148は(そのクランプ内側157に保持される加熱されたシート292の第1部分304とともに)、第1型部11の周縁17に近づく位置、および/または、周縁17から遠ざかる位置、から選択される横位置に独立して横方向に移動する。例えばフレーム35が垂直方向に下側に移動し(および、加熱された熱可塑性シート292の第2面298が第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触すると)、各シート保持器148は第1型部11の周縁17に対して連続的に、および/または、断続的に横方向に移動する(すなわち、周縁17に近づく、および/または、周縁17か遠ざかる)。代替案として、フレーム35が垂直方向に下側に移動し、加熱された熱可塑性シート292の第2面298が対応して第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触することに先だって、各シート保持器148は周縁17に対して独立して横方向に再び位置決めされる。さらに、代替案として、フレーム35が垂直方向に下側に移動し、加熱された熱可塑性シート292の第2面298が対応して第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触した後、各シート保持器148は周縁17に対して独立して横方向に移動すればよい。
【0076】
本発明に係る方法の本実施形態において、(型11の周縁17に対して)少なくとも1つのシート保持器148を横方向に横位置に移動させる工程は、第1型部11およびフレーム35が相互に位置決めされて、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310と第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部との接触工程に先立って、工程と実質的に同時に、または、工程の後に、の少なくともいずれかで実施される。特に、相対的に横方向に少なくとも1つのシート保持器148を横位置に移動させる工程は、第1型部11およびフレーム35を相対的に位置決めする工程と実質的に同時に、および/または、工程の後に実施される。特に、相対的に横方向に少なくとも1つのシート保持器148を横位置に移動させる工程は、第1型部11およびフレーム35を相対的に位置決めする工程と実質的に同時に実施される。
【0077】
本発明に係る実施形態において前述されるように、第1直線アクチュエータ192の伸展するまたは引き込まれる逆進可能な引込式アーム219によって各シート保持器148の位置は独立して横方向に変更される。例えばアーム219がシリンダ216の外側に延びると、シート保持器148は第1型部11の周縁17から離れてx軸に沿って横方向に移動する。対応して、アーム219がシリンダ216内に引き込まれると、シート保持器148は第1型部11の周縁17の方向に向かってまたは周縁17の方向にx軸に沿って横方向に移動する。
【0078】
(クランプ内側157内に保持され/クランプされる加熱されたシート292の第1部分304とともに)シート保持器148が横方向に移動すると、第1型部11の内側成形面14に接触する加熱された熱可塑性シート292の第2部分310の少なくとも一部の厚さが制御される。加えて、(クランプ内側157内に保持され/クランプされる加熱されたシート292の第1部分304とともに)シート保持器148が横方向に移動すると、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310が第1型部11の内側成形面14の輪郭に密接に合わせ込まれて内側成形面14に接触することが補助され、促進される。
【0079】
いかなる理論に拘束される意図はないものの、手近な証拠に基づき、シート保持器148が第1型部11の周縁17に向かって横方向に移動すると、加熱されたシート292が内側成形面14に接触する際、(型が雄型であるか、または、型が雌型であるかに関わらず)大量の加熱された熱可塑性シート材料が利用される。大量の加熱された熱可塑性材料が、シート保持器148が型に近づいた部分で型に覆い被さると、その領域でシートの厚さが増大する(したがって、成型品の厚さはその領域で増大する)。対応して、シート保持器148が第1型部11の周縁17から横方向に遠ざかると、加熱されたシート292が内側成形面14に接触する際、(型が雄型であるか、または、雌型であるかに関わらず)少量の加熱された熱可塑性シート材料が利用される。少量の加熱された熱可塑性材料が、シート保持器148が型から遠ざかった部分で型に覆い被さると、その領域でシートの厚さは減少する(したがって、成型品の厚さはその領域で減少する)。
【0080】
横方向に移動自在の多数のシート保持器(例えば148A〜148H)が型の周縁17周りに配置される場合、例えばいくつかのシート保持器148は周縁17に向かって移動する一方で他のシート保持器148が型の周縁17から遠ざかって移動する結果、加熱されたシート292の厚さは型の様々な領域内/領域にわたって変化する。
【0081】
第1型部11が、複合内側成形面、例えば雄として特徴づけられる一部、および、雌として特徴づけられる他の部分を有する場合、いくつかのシート保持器148は横方向に周縁17に向かって移動する一方で、他のシート保持器148は横方向に周縁17から遠ざかって移動する。例えば雄の内側成形面14の部分に隣接するシート保持器148は横方向に周縁17から遠ざかって移動すればよい一方で;雌の内側成形面14の部分に隣接するシート保持器148は横方向に周縁17に向かって移動すればよく;逆の場合も同じである。代替案として、または前述に加えて、1つ以上のシート保持器148の横方向位置は、加熱された熱可塑性シート292の第2面298を型の内側成形面14に接触させるように調整(例えば順次に調整、および/または、連続的に調整)される。こうした横方向位置は、型の周縁17への接近、型の周縁17からの離隔、および、それらの組み合わせ、他のまたは追加の組み合わせ(例えば接近、離隔および接近、または、離隔、接近および離隔)から選択されればよい。
【0082】
各シート保持器148が、前述されるように、本発明に係る方法において横方向に位置決めされる結果、第1型部11の内側成形面14の様々な位置において加熱された熱可塑性シート292の厚さを制御することができる。実施形態では、各シート保持器148は横方向位置の端から端まで(例えば型の周縁17に接近する方向に、または、周縁17から離れる方向に)移動することができる。横方向の端から端までの距離は通常2.54cm〜91.44cmであることが好ましく、さらに通常は5.08cm〜60.96cmであることが好ましく、さらに通常は7.62cm〜30.48cmであることが好ましい。実施形態では、各シート保持器148は横方向の端から端までおよそ19.05cmの距離(例えば型の周縁17に接近する方向に、または、周縁17から離れる方向に)にわたって移動すればよい。
【0083】
加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310の一部が第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触すると、内側成形面14の多数の貫通孔(例えば26)を介して(例えば真空装置29および導管32を介して)減圧が引かれる。加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310は、(減圧に基づき)内側成形面14に引き寄せられて内側成形面14に密接に接触し、内側成形面14の輪郭に合わせ込まれる。例えば図6を参照されたい。
【0084】
第1型部11の内側成形面14は任意で加熱されてもよく、その結果、内側成形面14の輪郭に対する加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310の合わせ込みを補助することができる。しかしながら、加熱された熱可塑性シート292内に残余の熱(例えばシートダイ274からの押出といった変形時に消費される熱)が保たれる結果、本発明に係る方法では第1型部11の内側成形面14を個別に加熱することは通常は必要とされない。加えて、加熱された熱可塑性シート292内に保たれる残余の熱を考慮して、加熱された熱可塑性シート292の個別のまたは外側からの加熱は通常は本発明に係る方法において必要とされない。
【0085】
加熱された熱可塑性シート292が内側成形面14の輪郭に密接に合わせ込まれて内側成形面14の輪郭に接触し続ける間、加熱された熱可塑性シート292は冷却される。熱可塑性シート292が冷却されると、第1型部11の内側成形面14の輪郭を保持する形作られた熱可塑性シート292が成形される。加熱された熱可塑性シート292は通常、熱可塑性シート292の軟化点またはガラス転移温度より低い温度まで冷却される。軟化点またはガラス転移温度を下回る温度まで冷却されると、熱可塑性シート292は、もはや熱成形性を有さず、内側成形面14の輪郭形状を保持し続ける。
【0086】
加熱された熱可塑性シート292の冷却は既知の手段によって実現されればよい。例えば熱可塑性シート292の第1面295に冷却気流が流通してもよく、および/または、第1型部11の内側成形面14が(例えば第1型部11の内側成形面14の下側に配置される導管(図示せず)を流れる冷却流体または冷媒によって)冷却されてもよい。
【0087】
熱可塑性シート292が十分に冷却された後、結果として形作られた熱可塑性シート(または成型品)292は第1型部11から取り外される。形作られた熱可塑性シート292の第1型部11からの取り外しは、当分野で認められた技術によって実現される。例えば、1つ以上のイジェクタコア(図示せず)が内側成形面14から外側に逆進可能に伸びればよく、基本的にはイジェクタコアが第1型部11から形作られた熱可塑性シート292を押し外して引き離す。代替案として、または、前述に加えて、ガス(例えば空気)が正圧に基づき内側成形面14の多数の貫通孔(例えば26)を通過すればよく、その結果、ガスは、形作られた熱可塑性シート292を第1型部11から持ち上げて引き離す。
【0088】
本発明に係る方法に従って、熱可塑性シート292のはみ出し部分は、第1型部11の周縁(例えば17)からシート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157内に突き出る。熱可塑性シート292のこのはみ出し部分は、第1型部11の内側面14からの形作られた熱可塑性シート(または成型品)292の取り外しの補助に用いられればよい。本発明に係る方法において、図6を参照し、熱可塑性シート292が、シート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157内の(例えばクランプ内側157内で保持される)熱可塑性シート292のはみ出し部分とともに冷却されて硬化すると、支持フレーム36およびフレーム35は垂直方向に上方に移動する。その結果、形作られた熱可塑性シート(292)が第1型部11の内側成形面14から持ち上げられて取り外される。熱可塑性シート292のはみ出し部分をシート保持器148のクランプ部151内に保持した状態で、フレーム35は所定の最適な距離にわたって垂直方向に上方に移動すればよい。その結果、第1型部11から形作られた熱可塑性シート292を取り外すことができる。本発明に係る方法において、垂直方向の全距離の5%、10%、25%、50%、75%または100%でフレーム35は移動する(例えば垂直方向の全距離は図1および図6の間で規定される)。
【0089】
第1型部11の周縁17からシート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157内に突き出る熱可塑性シート292のはみ出し部は、通常、加熱された熱可塑性シート292が減圧に基づき第1型部11の内側成形面14に引き寄せられて内側成形面14の輪郭に密接に合わせ込まれて接触した後の所定の時点で周縁17に沿って切り離される。はみ出した熱可塑性シート材料は、形作られた熱可塑性シート292が第1型部11から取り外される前に、または、取り外された後に切り離されればよい。通常、はみ出した熱可塑性シート材料は、形作られた熱可塑性シート292を第1型部11から取り外した後に切り離される。
【0090】
はみ出した熱可塑性シート材料は、形作られた熱可塑性シート292が第1型部11から取り外された後に任意で切り離される。はみ出した熱可塑性シート材料は、例えば、ヤスリがけ、レーベル貼り、孔開け、留め具の挿入、および/または、塗装といった成形後の工程の間に、形作られた熱可塑性シート(成型品)292を安全に保管し輸送するために利用されればよい。成形後の工程の完了後、はみ出した熱可塑性シート材料は、その後、形作られた熱可塑性シートから切り離されればよい。
【0091】
加熱された熱可塑性シート292がシートダイ274から垂直に重力方向に落下すると、加熱された熱可塑性シート292は、その幅を減少させるネッキングに曝される。説明の目的のため、図13を参照すると、加熱された熱可塑性シート292がネッキング現象を生じた状態で示されている。加熱された熱可塑性シート292が垂直距離316にわたって落下すると、初期幅322を有するプレネック部319が形成される。加熱された熱可塑性シート292がさらに垂直距離325にわたって落下すると、ネッキング現象が発生し、様々に幅を減少させる変位部328が形成される。距離325にわたって落下した後、ネッキング現象は終了し、一定幅334を有するネック部331が形成される。ネック部331の幅334は、加熱された熱可塑性シート292の初期部319の幅322より小さく設定される。
【0092】
シートネッキング現象は、これに限定されるわけではないが、溶融状態の熱可塑性混合物、シートダイ274の構造(例えば細孔の形状)、シートダイ274から押し出される際の加熱された熱可塑性シート292の温度、および、それらの組み合わせを含む多くの原因を有する。熱可塑性シート292の幅の減少は、より幅の広い、より規模の大きい、および、より高価なシートダイ274の使用をたいていは余儀なくされることから、ネッキング現象は通常は望ましくない。
【0093】
本発明に係る実施形態では、シート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157に、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分304を接触させる(および、任意でクランプ内側157内にシート292をクランプ/保持する)工程は、加熱された熱可塑性シート292のネッキングに先立って実施される。ネッキングに先立ってシート保持器148のクランプ内側157に、加熱された熱可塑性シート292を接触させると(および、任意でさらにクランプ内側157内に加熱されたシート272をクランプすると)、加熱された熱可塑性シート292のネッキングを実質的に回避することができる。さらに図13を参照し、例えば、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分304が、垂直距離316内で(すなわち、ネッキングが発生する前に)シート保持器148のクランプ内側157に接触してクランプ内側157内に任意でクランプされ/保持されると、加熱された熱可塑性シート292のネッキングは実質的に回避され、加熱された熱可塑性シート292は(ネッキングされていない)初期幅322を保持する。
【0094】
シート成形装置1に関して前述されるように、本発明に係る方法の実施形態では、第1型部11、フレーム35および対応のシート保持器148は、シートダイ274の下側の平面(例えば図1のx軸およびy軸で規定される平面)内で共に位置決めされて移動する一方で、シートダイ274は実質的に不動に配置される。第1型部11およびフレーム35は(シート保持器148とともに)、前述の説明の通りに、シートダイ274の下側の平面内で移動自在の基台50上に共に配置される。第1成形装置11は型支持構造41上に配置される。型支持構造41は基台50の上側面47上に配置される。フレーム35は、基台50の上側面47に取り付けられる第1および第2ねじアクチュエータアセンブリ(53、56)に支持される。
【0095】
本実施形態において、方法は、熱可塑性シート292が形成される際に、第1型部11、フレーム35およびシート保持器148をシートダイ274の下側の平面内で共に移動させ、熱可塑性シート292と、各シート保持器148のクランプ内側157と、第1型部11の内側成形面14との間で接触を促進する工程をさらに備える。第1型部11および内側成形面14がシートダイ274の下側で移動すると、加熱された熱可塑性シート292は実質的にこれらの上に広がる。例えば図1〜図4を参照されたい。図3を参照すると、第1型部11、フレーム35およびシート保持器148がシートダイ274の下側を(例えば基台50上で矢印302で示される方向に)移動する直線速度と、加熱された熱可塑性シート292がシートダイ274から製造される速度とが共に制御されて、型11およびシート保持器148のクランプ内側157を横切って覆う際に加熱された熱可塑性シート292の厚さが制御される。直線移動の速度および加熱された熱可塑性シート292の成形速度は様々に独立して制御されればよく、その結果、内側成形面14を覆う加熱された熱可塑性シート292の厚さを変化させることができる。
【0096】
図3および図4において、明確化の目的のために、加熱された熱可塑性シート292は硬いものとして図示される。加熱された熱可塑性シート292はその軟化点より少なくとも高い温度を有することから、実際には、加熱された熱可塑性シート292は通常は、シート保持器148のクランプ内側157、および、任意で内側成形面14(内側成形面14上/内側成形面14内、および/または、内側成形面14の上方)を覆う。
【0097】
本発明に係る方法において、加熱された熱可塑性シート292は通常は、加熱された熱可塑性シート292がシート保持器148のクランプ内側157に接触した後、および、形作られた熱可塑性シート292が第1型部11から取り外される前の所定の時点でシートダイ274から切り離される。実施形態では、方法は、加熱された熱可塑性シート292をシートダイ274から切り離す工程を含み、この工程は:第1型部11およびフレーム35を相互に位置決めして、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触させる工程に先だって、工程と同時に、または、工程の後に実施される。図4を参照すると、加熱された熱可塑性シート292は:加熱されたシート292の第1部分304がシート保持器148のクランプ部151内に保持された後;および、第1型部11およびフレーム35を相互に位置決めして、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触させる前に、シートダイ274から切り離される。
【0098】
方法が、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に第2型部の内側成形面を押し付けつつ接触させる工程を備える場合、本発明に係るシート成形装置1は、内側成形面を有する第2型部をさらに備えればよい。加熱された熱可塑性シート292の第1面295に対する第2型部の内側成形面の接触は、:(i)加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310が、(第1型部11の内側成形面14の貫通孔26を通じて引かれる減圧によって)第1型部11の内側成形面14の輪郭に密接に合わせ込まれつつ内側成形面14に接触した後;および、(ii)加熱された熱可塑性シート292の冷却(および、形作られた熱可塑性シート292の成形)の前に、実行される。
【0099】
図14を参照すると、第2型部337は内側成形面340を有する。第1型部11および第2型部337が(例えば矢印343に沿って)相互に逆進可能に位置決めされると、第1型部11の内側成形面14および第2型部337の内側型部340は相互に対向しつつ逆進可能に位置決めされる。特に、熱可塑性シート292の第1面295および第2型部337の内側成形面340は(図示されるように)相互に対向しつつ逆進可能に位置決めされる。第2型部337が第1型部11に対して矢印343で示される方向に移動すると、第2型部337の内側成形面340は、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に押し付けられつつ接触する。第2型部337は、ピストン(図示せず)を用いた垂直レールといった既知の手段によって移動する。第2型部337は通常、(シートダイ274が配置される)加熱された熱可塑性成形位置に対して離隔押付成形位置に配置される。一般的に、基台50は、離隔押付成形位置まで既知の移動手段によって(前述されるように、例えばレール上を)移動し、第2型部337は、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に押し付けられつつ接触する。
【0100】
第2型部337の内側成形面340は通常、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に、1.0kg/cm2〜4.0kg/cm2(14psi〜57psi)の押し付け圧で押し付けられつつ接触する。内側成形面340は、さらに通常は1.2kg/cm2〜2.0kg/cm2(17psi〜28psi)の押し付け圧、さらに通常は1.3kg/cm2〜1.8kg/cm2(19psi〜27psi)の押し付け圧で押し付けられつつ接触することが好ましい。実施形態では、第2型部337の内側成形面340は通常、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に1.5kg/cm2(21psi)の押し付け圧で押し付けられつつ接触する。
【0101】
第2型部337の内側成形面340と加熱された熱可塑性シート292の第1面295との接触は、これに限定されるわけではないが、:加熱された熱可塑性シート292の第1面295に表面の造作を付与すること;シート292の厚さを制御すること;および/または、シート292の第1面295を平滑化することを含む理由のために実施される。第2型部337の内側成形面340は、平滑化された部分、または、膨らんだ部分、および/または、窪んだ部分を含んでもよい。
【0102】
本発明に係る方法の様々な工程のいくつかは、前述されるように、列挙されるように順番に実行されるか、同時に実行されるか、または、逆の順番で実行されてもよい。本発明に係る方法において、工程(a)〜工程(k)までは、前述の課題を解決するための手段で列挙されるように実質的に順番に実施される。
【0103】
本発明に係る方法のさらなる実施形態において、:(h)(第1型部11の周縁17に対して)少なくとも1つのシート保持器148を横方向に移動させる工程は、:(g)第1型部11とフレーム35とを相互に位置決めして、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触させる工程、に先だって、工程と実質的に同時に、および、工程の後に、の少なくともいずれかで実行される。本実施形態では、工程:(h)(第1型部11の周縁17に対して)少なくとも1つのシート保持器148を横方向に移動させる工程は、(g)第1型部11とフレーム35とを相互に位置決めして、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触させる工程、と実質的に同時に実行される。
【0104】
本発明に係る方法のさらなる実施形態において、:(i)第1型部11の内側成形面14の多数の貫通孔26を通じて減圧を引いて、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の輪郭に実質的に合わせ込む工程は、:(h)少なくとも1つのシート保持器148を(第1型部11の周縁17に対して)横方向に移動させる工程と同時に、および、工程の順番的に後、のいずれかで実行される。
【0105】
(g)第1型部11とフレーム35とを相互に位置決めして、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触させる工程;(h)(第1型部11の周縁17に対して)少なくとも1つのシート保持器148を横方向に移動させる工程;および(i)第1型部11の内側成形面14の多数の貫通孔26を通じて減圧を引いて、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の輪郭に実質的に合わせ込む工程は、実施形態において、実質的に同時に実行される。
【0106】
本発明に係る方法において、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14に(減圧に基づき)引き寄せて内側成形面14の輪郭に密接に合わせ込みつつ内側成形面14に接触させる工程は、加熱された熱可塑性シート292の第2面298と第1型部11の周縁17との間で密閉状態を形成することで補助され、または、促進されてもよい。特に、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第3部分(例えば図12の313)は第1型部11の周縁17(および、特に、周縁17全体)に接触する結果、第3部分313と周縁17との間で密閉状態(シール)が確立される。シート292と周縁17との間の密閉状態の確立後、または、確立と同時に、第1型部11の内側面(例えば14)の貫通孔(例えば26)を通じて減圧を引く工程が実行される。内側成形面14の貫通孔26を通じて減圧が引かれることから、熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310および内側成形面14で規定される収容/密閉空間内で真空またはほぼ真空が確立されればよい。真空またはほぼ真空の確立の結果、加熱された熱可塑性シート292は内側成形面14に効率的に引き寄せられる。
【0107】
本発明に係る方法は、熱可塑性シート292が熱成形を許容する温度を有する間に(または、例えば熱可塑性シート292がシートダイ274から押し出された直後に)、加熱された熱可塑性シート292の形成時に加熱された熱可塑性シート292の第1面295に1以上のフィルム(例えばラベルの形状または連続的なフィルム片の形状)を結合する工程を備えてもよい。通常、シート292が形成される際、および、第1型部11およびフレーム35を相互に位置決めして加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触させる工程に先立って、加熱された熱可塑性シート292の第1面295にフィルムが張り付けられる。
【0108】
フィルムは、単層フィルムまたは多層フィルムであればよく、熱硬化性プラスチック層、および/または、熱可塑性層から選択される少なくとも1層のプラスチック層を備える。フィルム層の熱硬化性材料および熱可塑性材料は当業者に既知の材料から選択されればよい。フィルムの熱可塑性層の熱可塑性材料は、例えば、加熱された熱可塑性シート292に関して前述される熱可塑性材料から選択されればよい。通常、フィルムは少なくとも1層の熱可塑性層(例えば直鎖性低密度ポリエチレン−LLDPE)を備える。フィルムは、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に隣接する(例えば融合して一体となった)第2面と、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に対して外側に面して、第1面295に隣接する関係を有しない第1面とを有する。
【0109】
少なくとも1層のプラスチック層に加えて、フィルムは、例えば金属層および紙層から選択される少なくとも1層の非プラスチック層を任意でさらに有してもよい。通常、非プラスチック層は、存在する場合には、2層のプラスチック層の間に挟み込まれる。少なくとも1層のプラスチック層に加えて、フィルムは、少なくとも1層の接着層をさらに任意で有してもよい。接着層は、存在する場合には、通常はフィルムの外側層または表面(例えば第2面)を規定し、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に接着されるように位置決めされる。フィルムは、塗料(例えば染料および/または顔料)、および/または、しるしをさらに有してもよい。しるしは、例えば、シンボル、文字、数字、デザイン、写真描写、および、それらの組み合わせから選択されればよい。しるしは、フィルムの第1面(外側面)に張り付けられればよく、および/または、フィルム内に埋め込まれてもよい。実施形態では、しるしは、1次元および/または2次元バーコードといったバーコードの形状を有する。
【0110】
加熱された熱可塑性シート292の第1面295に、傷付けられること(例えば引き剥がされること、および/または、溶融時に孔が形成されること)なく張り付けられ得ることを条件に、フィルムは最適な厚さを有する。例えば、フィルムは0.05mm〜0.76mmの厚さを有すればよい。また、フィルムは、0.08mm〜0.64mmの厚さを有することが好ましく、また、0.13mm〜0.51mmの厚さを有することが好ましい。実施形態では、フィルムは、0.38mmの厚さを有する単層の熱可塑性フィルム(例えば単層のLLDPEフィルム)である。
【0111】
本実施形態では、フィルムは連続したフィルム片の形状(例えばリボンやテープの形状)を有する。連続したフィルム片は、加熱された熱可塑性シート(292)の第1面(295)の上方に位置されるロール(図示せず)に巻き付けられる。加熱された熱可塑性シート292が、シートダイ274から押し出されてフレーム35およびシート保持器148を横切って覆うと、フィルムロールは回転して、シート292が形成されて下に置かれる方向(例えば図3の矢印302で示される縦方向)に実質的に配列される方向に、連続したフィルム片を供給する。連続したフィルム片の第2面は、加熱された熱可塑性シート292が形成される際に加熱された熱可塑性シート292の第1面295に接触する。連続したフィルム片の第2面は、連続したフィルム片の第1面に対して圧縮された(および、任意で加熱された)空気を吹き出すエアナイフといった最適な手段によって、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に対して押し付けられればよい。エアナイフは通常、連続したフィルム片ロールと(フレーム35を横切って覆う際の)加熱された熱可塑性シート292の第1面295との間で垂直方向に中間位置に配置されればよい。実施形態では、連続したフィルム片の第2面は、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に/第1面295と溶着する熱可塑性層で規定される。本実施形態では、連続したフィルム片は、(例えばLLPDEを備える)単層の熱可塑性層から形成され、0.13mm〜0.51mmの厚さ(例えば0.38mmの厚さ)を有する。
【0112】
シート292が形成される際、および、シート292の形成方向に、加熱された熱可塑性シート292の第1面295の一部に連続したフィルム片を張り付けると、第1面295の少なくとも一部に沿って延びる連続したフィルム片を有する成型品が形成される。形作られた熱可塑性シート/成型品の第1面295に貼り付けられる連続したフィルム片は、(例えば暴風雨水チャンバや汚水チャンバといった多数の流体処理構造の場合に)そうした成型品の識別、および/または、多数の成型品の位置の調整にあたって用いられればよい。
【0113】
本発明に係る方法において、加熱された熱可塑性シート292は少なくとも1つの熱可塑性混合物から(例えば溶融混練/押し出しによって)形成される。熱可塑性混合物は少なくとも1つの熱可塑性材料を含む。実施形態および請求の範囲で用いられるように、用語「熱可塑性材料」およびこれに同類の用語は、軟化点および融点を有し、例えば活性水素基といった化学的な反応基とイソシアネート基を含まない基との間の共有結合を招く3次元架橋ネットワークを実質的に含まないプラスチック材料を意味する。熱可塑性混合物に含まれる熱可塑性材料の具体例は、以下に限定されるわけでないが、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレア、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ポリアミドイミド、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリカーボネート、熱可塑性ポリサルフォン、熱可塑性ポリケトン、熱可塑性ポリオレフィン、熱可塑性メタクリル酸、熱可塑性アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、熱可塑性スチレン−アクリロニトリル、熱可塑性アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸およびこれらの組み合わせ(例えば少なくとも2つのブレンド、および/または、アロイ)を含む。
【0114】
本発明に係る実施形態において、各熱可塑性混合物の熱可塑性材料はどのような場合でも熱可塑性ポリオレフィンから独立して選択される。実施形態および請求の範囲で用いられるように、用語「ポリオレフィン」並びに同類の用語「ポリアルキレン」および「熱可塑性ポリオレフィン」は、ポリオレフィン単独重合体、ポリオレフィン共重合体、均質なポリオレフィン、および/または、不均一なポリオレフィンを意味する。図示にあたって、ポリオレフィン共重合体の具体例は、例えば1−ブテン、1−ヘキセン、および/または、1−オクテンなどの、エチレンおよび少なくとも1以上の炭素数3〜12のアルファ−オレフィンから形成されるものを含む。
【0115】
各熱可塑性混合物の熱可塑性材料、すなわち、ポリオレフィンはどんな場合でも、不均一なポリオレフィン、均質なポリオレフィン、および、その組み合わせ、これらに限定されるわけではないが、から独立して選択されればよい。用語「不均一なポリオレフィン」および同類の用語は:(i)個体の重合体鎖の間の分子量(すなわち、3より大きい、または、3と同等の多分散性指数)において;および、(ii)個体の重合体鎖の間の単量体残基分布(共重合体の場合)において、比較的に多様性を有するポリオレフィンを意味する。用語「多分散性指数」(PDI)はMw/Mnの比率を意味する。Mwは重量平均分子量を意味し、Mnは数平均分子量を意味し、それぞれ、ポリエチレン標準といった最適な標準を用いるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって決定される。不均一なポリオレフィンは通常、不均一相におけるチーグラーナッタ触媒作用によって形成される。
【0116】
用語「均質なポリオレフィン」および同類の用語は:(i)個体の重合体鎖の間の分子量(すなわち、3より小さい多分散性指数)において;および、(ii)個体の重合体鎖の間の単量体残基分布(共重合体の場合)において、比較的に狭い多様性を有するポリオレフィンを意味する。不均一なポリオレフィンと対比して、均質なポリオレフィンは、個体の重合体鎖の間で似たような鎖長、重合体鎖のバックボーンの間の単量体残基で比較的に同等な分布、および、重合体鎖のバックボーンの間の単量体残基で比較的に似たような分布を有する。均質なポリオレフィンは通常、単点、メタロセン、または、拘束幾何触媒作用によって形成される。均質なポリオレフィン共重合体の単量体残基分布は、組成分布幅指数(CDBI)値によって特徴づけられる。組成分布幅指数値は、共重合用単量体メジアン総モル含有量の50%範囲内の共重合用単量体残基を有する重合体分子の重量%として規定される。ポリオレフィン単独重合体は100%のCDBI値を有する。例えば、均質なポリエチレン/アルファオレフィン共重合体は通常60%より大きい、または、70%より大きいCDBI値を有する。組成分布幅指数値は、当分野で認められた技術、例えばワイルド(Wild)他のJournal of Polymer Science、Poly. Phys. Ed.、Vol.20、441頁(1982年)や米国特許第4,798,081号明細書、米国特許第5,089,321号明細書で説明されるように、昇温溶離分別法(TREF)によって決定されればよい。均質なエチレン/アルファオレフィン共重合体の具体例は、ノバ(NOVA)ケミカルズインコーポレーテッド社から販売されているSURPASS(商標)といったポリエチレンである。
【0117】
各熱可塑性混合物の熱可塑性材料は、例えばガラス繊維、ガラスビード、炭素繊維、金属フレーク、金属繊維、ポリアミド繊維(例えばケブラー(商標)ポリアミド繊維)、セルロース繊維、ナノ粒子、タルク、および、それらの混合物から選択される強化材料を独立して任意に含んでもよい。含まれる場合には、強化材料は通常、熱可塑性材料の総重量に対して、例えば5重量%〜60重量%、または、5重量%〜70重量%の補強量で含まれればよい。強化繊維、および、特にガラス繊維は、当業者に既知のように、それらが組み込まれる熱可塑性材料への混和性および/または密着性を高めるために、繊維の表面に表面処理材料を有する。
【0118】
本発明に係る実施形態において、強化材料は繊維(例えばガラス繊維、炭素繊維、金蔵繊維、ポリアミド繊維、セルロース繊維、および、それらの2つ以上の組み合わせ)の形状を有する。繊維は通常、0.5インチ〜4インチ(1.27cm〜10.16cm)の長さ(例えば平均長さ)を有する。熱可塑性シートは、熱可塑性シートを形成する供給材料内に配置される繊維の長さの少なくとも50%または85%の長さ、例えば0.25インチ〜2インチまたは0.25インチ〜4インチ(0.64cm〜5.08cmまたは0.64cm〜10.16cm)の長さを有する繊維を備える。当分野で認められる方法に従って、熱可塑性シート内に配置される繊維の平均長さは決定される。例えば、熱可塑性シートは、当業者に既知のように、熱可塑性材料、および、その平均長さを決定するために顕微鏡観察で分析される残存したまたは残余の繊維を取り除くために熱分解されてもよい。
【0119】
繊維は通常、熱可塑性混合物内、および、したがって熱可塑性シート292内に、熱可塑性シート292の総重量(すなわち、熱可塑性材料、繊維および接着剤の重量)に対して、5重量%〜70重量%、10重量%〜60重量%、または、30重量%〜50重量%(例えば40重量%)から独立して選択される量で配置される。したがって、本発明に係る方法によって形成される形作られた熱可塑性シート292は、熱可塑性シート292の総重量に対して、5重量%〜70重量%、10重量%〜60重量%、または、30重量%〜50重量%(例えば40重量%)から独立して選択される量で含まれる。
【0120】
繊維は広い範囲の直径を有すればよい。通常、繊維は、1μm〜20μmの直径を有し、または、さらに通常は1μm〜9μmの直径を有する。一般的に、各繊維は10,000本〜20,000本の単繊維の束から構成される。
【0121】
通常、繊維は熱可塑性シート292の熱可塑性材料の至るところに不規則に配置される。繊維と熱可塑性材料との混合の間、繊維は一般的に、少なくとも繊維束ごとに少なくとも5本の繊維、好ましくは繊維束ごとに10本より少ない繊維を備える繊維束を形成する。理論に拘束される意図はないものの、手近な証拠に基づけば、10本以上の繊維を備える繊維束は、望ましくない構造強度の低い成型品(形作られた熱可塑性シート)を形成してしまう。束ごとに10本以上の繊維を備える繊維束の標準は、成型品内に存在する組み合わせの差異の特定により計測されればよい。束ごとに10本以上の繊維を備える繊維束の数は通常、顕微鏡観察で観察されうる繊維(通常は少なくとも1000本)の総数に対して、成型品の断面の顕微鏡観察評価によって特定される。組み合わせの差異は、次の方程式:100×((10本以上の繊維を備える束の数)/(観察された繊維の総数))を用いて計算される。一般的に、加熱された熱可塑性シート292および形作られた熱可塑性シート292はそれぞれ60%より低いまたは60%と同等の組み合わせの差異を有し、通常は35%より低いまたは35%と同等の組み合わせの差異を有する。
【0122】
強化材料に加えてまたは代替案として、加熱された熱可塑性シート292を形成する熱可塑性混合物は少なくとも1以上の混和剤を任意に含んでもよい。熱可塑性混合部内に配置され得る混和剤は、これに限定されるわけではないが、酸化防止剤、例えば顔料および/または染料といった塗料、離型剤、例えば炭化カルシウムといった充填剤、紫外線吸収剤、難燃剤、および、それらの混合物を含む。混和剤は、機能的に十分な量、例えば熱可塑性混合物の総重量に対して独立して0.1重量%〜10重量%の量で熱可塑性混合物内に含まれればよい。
【0123】
本発明に係る方法において、加熱された熱可塑性シート292がガラス転移温度(g)にあり、かつ、融点(m)より低い温度である間、加熱された熱可塑性シート292は、第1型部11の周縁17から遠ざかるシート保持器148の横方向移動によって長さ方向および/または幅方向に引き伸ばされてもよい。引き伸ばし作業(例えば熱可塑性シート292の温度がTg<T(sheet)<Tm)の間、固体状態にある熱可塑性シートの重合体分子が引き伸ばし方向に配向される結果、引き伸ばし方向に沿って物理的性質(例えば圧縮強さ)が向上または増大する。こうして、本発明に係る方法に従って形成される形作られた熱可塑性シート292は(重合体分子に対して)単軸または双軸で配向を示す。加えて、熱可塑性混合物が例えばガラス繊維などの繊維を含む場合、第1型部11の周縁17から遠ざかるシート保持器148の横方向移動によって長さ方向および/または幅方向に加熱された熱可塑性シート292(例えばTg<T(sheet)<Tmの条件の下で)を引き伸ばすと、繊維が単軸または双軸に配向される結果、引き伸ばし方向に沿って形作られた熱可塑性シート292の物理的性質を向上または増大させる。従って、本発明に係る方法に従って形作られる熱可塑性シート292は代替的にまたは追加として単軸または双軸で繊維の配向を示す。
【0124】
本発明に係る方法の実施形態において、加熱された熱可塑性シート292は、少なくとも2層の熱可塑性層を有する加熱された熱可塑性シート292であり、したがって、形作られた熱可塑性シート292は形作られた多層熱可塑性シートである。各熱可塑性層は別個の熱可塑性混合物または同一の熱可塑性混合物から形成されればよい。例えば各熱可塑性混合物は、溶融混合されて、当分野で認められた方法に従って多層シートダイに別個にそれぞれ供給される別個の溶融状態の熱可塑性混合物を形成する。多層シートダイは、供給される溶融状態の熱可塑性混合物から加熱された多層熱可塑性シートを形成する。
【0125】
本発明に係る方法に従って形成される形作られた熱可塑性シート292(または成型品)は、複合3次元形状、または、例えばパネル(壁パネルや壁パネルカバー)などの比較的に単純な形状を有してもよい。本発明に係る方法により形成される成型品は、これに限定されるわけではないが:例えば流体/水処理チャンバ、暴風雨水/汚水チャンバ、雨水管および排水路などの流体処理構造;支持構造すなわち基台(例えばパレット);およびシェルター(例えば犬や猫などの室内ペット用の住処)を含む。
【0126】
さらなる図示の目的のために、本発明に係る方法およびシート成形装置1は、流体処理構造(例えば流体/水処理チャンバおよび暴風雨水/汚水チャンバ)などの形作られた製品の製造/成形に用いられればよい。暴風雨水/汚水チャンバなどの流体処理構造は通常、多孔性媒体内に埋められ、さらに通常は地面または土壌の下(例えば土壌、泥、および/または、団粒材料の下)に配置され、(雨水/汚水などの)流去水を集めて迂回させることができる。こうして地面上および/または地面の上方の流去水の水たまりを回避または低減させる。暴風雨水/汚水チャンバなどの流体処理構造は通常、(例えば大型自動車両が通る)地面の下に埋められることから、流体処理構造は、地面にのしかかる重量や任意の往来による破壊に耐えうるように構造的にかつ寸法的に堅固でなければならない。
【0127】
本発明に係る方法および装置を用いて製造される暴風雨水チャンバなどの流体処理構造は通常、縦軸と、形作られた断面を有するアーチと、第1ベース側フランジと、第2ベース側フランジと、第1ベース側フランジから第2ベース側フランジに延びる膨らんだ横方向アーチを形作る多数のリブと、第1ベース側フランジから第2ベース側フランジに延びる連続した横方向アーチを形作る多数の窪みと、開放底と、外部表面と、内側表面とを有するハウジングを備える。各連続した横方向の窪みは、相互に隣接する膨らんだ横方向リブの対同士の間に配置される。流体処理構造は通常、外部表面および内側表面を有する第1末端板と、外部正面および内側表面を有する第2末端板とを備える。流体処理構造は、第1末端板および/または第2末端板を任意で備えなくてもよい。ハウジング、第1末端板および第2末端板はともに、連続した一体の構造(すなわち、連続した一体の成形流体処理構造)を規定する。各ハウジングの外部表面、第1末端板および第2末端板はいずれの場合も、(流体処理構造が成形される)加熱された熱可塑性シート292の第1面295で規定される。各ハウジングの内部表面、第1末端板および第2末端板はいずれの場合も、(流体処理構造が成形される)加熱された熱可塑性シート292の第2面298で規定される。各ハウジングの内部表面、第1末端板および第2末端板はともに流体処理構造の内部チャンバを規定する。
【0128】
第1末端板および第2末端板はそれぞれ独立して、内側チャンバに流体を伝達する少なくとも1つの開口を有する。開口は、末端板のどこにでも(例えば末端板の上側、中央側、および/または、下側)に配置されればよい。実施形態では、第1末端板は、内側チャンバに流体を伝達する第1開口を有し、内側チャンバは、ハウジングの開放底に連続する開放底を有する。同様に実施形態において、第2末端板は、内側チャンバに流体を伝達する第2開口を有し、内側チャンバは、ハウジングの開放底に連続する開放底を有する。
【0129】
本発明に係る方法およびシート成形装置1は、それによって製造される流体処理構造などの形作られた製品の様々な部品の壁厚を制御する。例えば流体処理構造のハウジング、第1末端板および第2末端板はそれぞれ実質的に同じ壁厚を有する。すなわち、ハウジング、第1末端板および第2末端板は、±10%より小さいまたは±10%と同等の(例えば5.1mm(0.2インチ)の壁厚の±10%、すなわち、4.59mm〜5.61mmの)壁厚の変化、好ましくは±5%の壁厚の変化(壁厚変化値)を有する。代替案として、流体処理構造のハウジング、第1末端板および第2末端板はそれぞれ異なる壁厚を有してもよい(例えばハウジングが、実質的に同じ壁圧を有する第1末端板および第2末端板のそれぞれの壁厚より大きい壁厚を有する)。
【0130】
説明の目的のため、図16および図17を参照し、本発明に係る方法およびシート成形装置1を用いて製造される流体処理構造400(例えば暴風雨水/汚水チャンバ400)が図示される。特に、流体処理構造400は、前述される方法および装置に従って加熱された熱可塑性シート292から製造される。流体処理構造400は、縦軸406を有するハウジング(または本体)403を備える。ハウジング403は、縦軸406に直交するアーチ形状の幾何学断面409を有する。ハウジング403は、第1ベース側フランジ412と、第2ベース側フランジ415とをさらに備える。各第1および第2ベース側フランジ412、415は、ハウジング403から横方向に外側に延び、縦軸406に実質的に平行であり、結果的に、対向する第1および第2ベース側フランジ(412、415)を形成する。ハウジング403は、第1ベース側フランジから第2ベース側フランジ(412〜415)まで延びる膨らんだ実質的に連続した多数の横方向リブ418と、第1ベース側フランジから第2ベース側フランジ(412〜415)まで延びる連続した多数の横方向窪み(谷)421とを備える。各連続した横方向窪み421は、相互に隣接する膨らんだ横方向リブ418の対(例えば図16の膨らんだ横方向リブ424の隣接する対)の間に配置される。膨らんだ横方向リブ418および横方向窪み421は:相互に実質的に平行であり;および、いずれの場合でも縦軸406に実質的に直交する方向に延びる。ハウジング403は、開放底427と、外部表面430と、内部表面433とを備える。
【0131】
流体処理構造400はさらに:外側表面439および内側表面442(図では視認できず)を有する第1末端板436;および、外側表面448(図では視認できず)および内側表面451を有する第2末端板445をさらに備える。ハウジング403、第1末端板436および第2末端板445はともに実質的に連続した一体の構造(すなわち、実質的に連続した一体の流体処理構造400)を規定する。第1末端板436は、そこから横方向に外側に延びる第1末端板ベースフランジ454を任意で有してもよい。第2末端板445は、そこから横方向に外側に延びる第2末端板ベースフランジ457を任意で有してもよい。第1末端板ベースフランジ454および第2末端板ベースフランジ457はそれぞれ、ハウジング403の第1ベース側フランジ412および第2ベース側フランジ415のそれぞれに実質的に連続する。
【0132】
実施形態において、構造400の第1端および/または第2端が開口する場合、流体処理構造400は第1末端板436および第2末端板445を備えなくてもよい。第1末端板436および第2末端板445の両方がない場合、流体処理構造400はハウジング403から構成され、かつ、流体処理構造400の第1端および第2端はそれぞれ開放される。
【0133】
ハウジング403の外部表面430、第1末端板436の外側表面439および第2末端板445の外側表面448はいずれの場合にも熱可塑性シート292の第1面295で規定される。
【0134】
ハウジング403の内側表面433、第1末端板436の内側表面442および第2末端板445の内側表面451はいずれの場合にも熱可塑性シート292の第2面298で規定される。例えば図17を参照されたい。加えて、ハウジング403の内側表面433、第1末端板436の内側表面442および第2末端板445の内側表面451はともに流体処理構造400の内側チャンバ460(図17)を規定する。
【0135】
第1末端板436は、内側チャンバ460に流体を伝達する第1開口463を有する。第1末端板436の第1開口463は、ハウジング403の開放底427に連続する開放底466を有する。第2末端板445は、内側チャンバ460に流体を伝達する第2開口469を有する。第2末端板445の第2開口469は、ハウジング403の開放底427に連続する開放底472を有する。末端板の第1開口463および第2開口469は、内側チャンバ460内へおよび内側チャンバ460から外側に水などの流体を通過させることができる。加えて、第1開口および/または第2開口(463、469)は、管(図示せず)などの最適な手段によって隣接する流体処理構造(図示せず)の第1開口および/または第2開口に接続されればよい。代替案として、第1開口または第2開口(463、469)のいずれかには、特に流体処理構造が末端の流体処理構造である場合に蓋が取り付けられればよい。
【0136】
開放底(例えば466、472)を有する開口(例えば463、469)に加えて、または、その代替案として、第1および第2末端板はそれぞれ、内側チャンバ460に流体を伝達する開口を独立して有してもよいが、ハウジング403の開放底427に連続する開放底(例えば466、472)を備えなくてもよい。第1末端板436が切り抜きの任意の蓋481を有する結果、第1末端板436は、内側チャンバ460に流体を伝達する開口(図示せず)を有してもよいが、開放底427に連続した開放底を有しなくてもよい。第2末端板445は蓋481に同種の任意の蓋(図では視認できず)を有する。
【0137】
流体処理構造400内におよび/または流体処理構造400の外に水などの流体をさらに効率よく収集および/または排出するために、ハウジング403は多数の孔475をさらに備えてもよい。孔475は、膨らんだ横方向リブ418および/または連続した横方向窪み421内にあってもよい。図に示されるように、ハウジング403の孔475は連続した横方向窪み421内に配置される(膨らんだ横方向リブ418には孔475は形成されない)。孔475は、構造400が埋められる周囲の媒体(例えば土壌)から内側チャンバ460内に水などの流体を通過させて内側チャンバ460内に集めることができ、集められた流体は第1末端板開口463および/または第2末端板開口469を通って外側に排出されることができる。代替案として、または、前述に加えて、孔475は、内側チャンバ460から、構造400が埋められる周囲の媒体(例えば土壌)に水などの流体を排出することができる。加えて、水などの流体は、ハウジング403の開放底427を通過して内側チャンバ460に流入し、第1末端板開口463および/または第2末端板開口469および/または孔475を通って排出される。孔475は、加熱された熱可塑性シート292から流体処理構造400を成形する間に形成されればよく、または、成形後の工程(例えば成形後のドリル工程または穴あけ工程)で形成されてもよい。
【0138】
流体処理構造のハウジングは、検査口構造などの追加の成形時の特徴を有して製造されてもよい。流体処理構造400のハウジング403は(ハウジング403の頂上または頂点に配置される)検査口構造478を有する。検査口構造478は、流体処理構造の構造的および/または寸法的に完全であることに欠陥を生じさせることなく流体処理構造400が地下に埋められた後に、ハウジング403の内側チャンバ460にアクセスして検査する手段を提供する。例えば、地下に構造を埋めた後に構造に覆い被さる土壌の一部が除去されると、検査口構造478が露出する。検査口構造478は、切って開けられ(通常は部分的に切って開けられ、かつ、引き抜かれ、または、引き戻され)ればよく、内側チャンバ460にアクセスし、内側チャンバ460を視覚的に検査することができる。内側チャンバ460の視覚的な検査が完了した後、検査口構造478は最適な手段(例えば電子加熱および/または高周波溶接、および/または、接着剤)で密閉され、土壌材料で再び覆われる。
【0139】
本発明は、特定の実施形態の特定の詳細に関して説明された。こうした詳細は、添付の請求の範囲に含まれる範囲および限度において、発明の範囲を限定するものではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、成型品の形成方法に関し、特に、形作られた熱可塑性シートの形成方法に関する。形成方法は、少なくとも1つのシート保持器を備える成形装置の使用を含む。各シート保持器は、第1型部の周縁に対して独立して逆進可能に横方向に位置決め自在である。各シート保持器が独立して逆進可能に横方向に位置決めされると、成形工程の間に第1型部の内側成形面に接触する加熱された熱可塑性シートの厚さが制御(例えば局所的に制御)され、その結果、最終成型品の様々な部分の厚さが制御される。
【背景技術】
【0002】
単一のシート熱成形工程は通常、(普通はロール状の)熱可塑性材料から前もって形成されたシートを供給する工程と、前もって形成されたシートを熱成形可能な温度に加熱する工程と、成形面に加熱された熱可塑性シートを接触させる工程とを備える。加熱された熱可塑性シートは通常、成形面の貫通孔を通じて引かれる真空によって成形面に引き寄せられて成形面に接触する。
【0003】
単一シート熱成形のこうした従来の方法は通常、望ましくない多数の工程を備える。多数の工程には、熱可塑性シートを別個に形成する工程と、前もって形成された熱可塑性シートをロール状にまとめる工程と、ロール状の熱可塑性シートを造形工(または制作者)に(例えば船便で)輸送する工程と、および、熱成形工程に先立って前もって形成された熱可塑性シートを再加熱する工程が含まれる。加えて、単一シート熱成形のこうした従来の方法はまた通常、輪郭(例えば窪み)を有する成形面上で熱可塑性シートの厚さを十分に制御することができない。例えば、成形された熱可塑性シートは(例えば大きく引っ張られた領域で)薄すぎたり、および/または、他の領域で厚すぎたりする。成形シートの厚さのこうした変化は、裂け目などの破損や、でこぼこした外観(例えば色ムラ)などの審美的性質といった望ましくない変わりやすい物理的性質を有する最終成型品を形成してしまう。
【0004】
熱可塑性シートの連続的な押し出しを含む熱成形工程は知られる。熱可塑性シートは、押し出された熱可塑性シートに保たれる残余の熱を用いて熱成形される。例えば米国特許第6,814,905号B1明細書、米国特許第6,086,800号明細書および米国特許第4,061,706号明細書を参照されたい。こうした連続的な熱成形の方法は、前もって形成された熱可塑性シートの使用を伴う多数の工程のいくつかに注意を向けたところで、または、多数の工程のいくつかを除去したところで、通常は望ましくないが、輪郭(例えば窪み)を有する成形面上で熱可塑性シートの厚さを十分に制御することができない。
【0005】
米国特許第4,555,377号明細書は、冷却シート装填部と、シート加熱部と、成形部と、クランプフレーム運搬アセンブリとを有する指標となる熱成形機を開示する。377号特許の説明によれば、クランプフレーム運搬アセンブリは、熱可塑性シートの加熱後、かつ、熱可塑性シートの成形前に、クランプされた熱可塑性シートの垂れ下がりを制御する旋回自在のクランプを有す
【0006】
従来の方法に通常は見受けられる工程を最小限にし、または、その工程を除去する新しい熱成形工程、および、その熱成形工程に使用される装置を創出することが望ましい。加えて、そうして新しく創出された方法および装置は、輪郭を有する型面上で成形された熱可塑性シートが形成され成形される際に、成形された熱可塑性シートの厚さの制御を向上させることが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明によれば、成型品の形成方法において:
(a)成形装置であって、
(i)輪郭および多数の貫通孔を有する内側成形面、および、周縁を有する第1型部と、
(ii)前記第1型部の前記周縁の少なくとも一部を取り囲み、上側面を有し、前記第1型部との間で相互に逆進可能に垂直方向に位置決め自在のフレームと、
(iii)逆進可能に閉じ自在のクランプ部材と、前記クランプ部材の一部に規定されるクランプ内側とを備えつつ前記第1型部の前記周縁に(または、周縁の方向に)面するクランプ部を有し、前記フレームの前記上側面に独立して逆進可能に横方向に取り付けられて、前記周縁に対して逆進可能に横方向に前記クランプ部を位置決め自在にする少なくとも1つのシート保持器とを備える成形装置を用意する工程と;
(b)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記周縁の上方に前記フレームの前記上側面を配置する工程と;
(c)前記クランプ内側へアクセスできるように各シート保持器の前記クランプ部材を開き位置に位置決めする工程と;
(d)少なくとも1つの熱可塑性混合物から、熱成形が可能な温度を有し第1面および第2面を有する加熱された熱可塑性シートを形成する工程と;
(e)少なくとも1つのシート保持器のクランプ内側に前記加熱シートの前記第2面の第1部分を接触させる工程と;
(f)前記シート保持器の前記クランプ部材を閉じ位置に位置決めして、前記加熱された熱可塑性シートの前記第1部分を前記クランプ内側内にクランプして保持する工程と;
(g)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記第1型部の前記内側成形面の少なくとも一部に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の第2部分を接触させる工程と;
(h)前記周縁に近づく位置、前記周縁から遠ざかる位置、および、それらを組み合わせた位置から構成される群から選択される横方向位置まで横方向に少なくとも1つのシート保持器を移動させ、前記シート保持器の横方向移動に基づき、前記第1型部の内側成形面に接触する前記加熱された熱可塑性シートの前記第2部分の少なくとも一部の厚さを制御する工程と;
(i)前記第1型部の前記内側成形面の多数の前記貫通孔を通じて減圧をかけて、前記第1型部の前記内側成形面の前記輪郭に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を実質的に合わせ込む工程と;
(j)前記加熱された熱可塑性シートを冷却して、前記第1型部の前記内側成形面の前記輪郭を保持する形作られた熱可塑性シートを形成する工程と;および、
(k)前記第1型部から前記形作られた熱可塑性シートを取り外す工程とを備え、前記形作られた熱可塑性シートは前記成型品であることを特徴とする成型品の形成方法が提供される。
【0008】
本発明はまた前述の成形装置に関し、成形装置は、第1型部に流体接続する真空装置をさらに備える。真空装置は、第1型部の内側成形面の多数の貫通孔を通じて減圧を制御自在にかける。
【0009】
本発明に係る方法を用いて形成される流体処理構造(例えば暴風雨水/汚水チャンバ)がまた提供され、流体処理構造は:
縦軸、アーチ形状の断面、第1ベース側フランジ、第2ベース側フランジ、前記第1ベース側フランジから前記第2ベース側フランジまで延びる膨らんだ複数の横方向リブ、前記第1ベース側フランジから前記第2ベース側フランジまで延び、隣接する膨らんだリブ同士の間に配置される連続した複数の横方向窪み、開放底、外側表面、および、内側表面を有するハウジングと、
外側表面および内側表面を有する第1末端板と、
外側表面および内側表面を有する第2末端板とを備え、
前記ハウジング、前記第1末端板および前記第2末端板は共に連続した一体的構造を規定し、
前記ハウジングの前記外側表面、前記第1末端板の前記外側表面および前記第2末端板の前記外側表面はそれぞれ、加熱された熱可塑性シートの前記第1面(および、対応して、形作られた熱可塑性シートの第1面/そこから形成された成型品の第1面)で規定され、
前記ハウジングの前記内側表面、前記第1末端板の前記内側表面および前記第2末端板の前記内側表面はそれぞれ、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面(および、対応して、形作られた熱可塑性シートの第2面/そこから形成された成型品の第2面)で規定され、
前記ハウジングの前記内側表面、前記第1末端板の前記内側表面および前記第2末端板の前記内側表面は共に内側チャンバを規定し、
前記第1末端板は、前記内側チャンバに流体を伝達する第1開口を有し、
前記第2末端板は、前記内側チャンバに流体を伝達する第2開口を有し、
前記ハウジングはハウジング壁厚を有し、前記第1末端板は第1末端板壁厚を有し、前記第2末端板は第2末端板壁厚を有し、前記ハウジング壁厚、前記第1末端板壁厚および前記第2末端板壁厚は実質的に同一であることを特徴とする。流体処理構造は、本発明に係る方法によって形成される形作られた熱可塑性シート/成型品である。
【0010】
本発明を特色づける特徴は、この開示に添付されて、この開示の一部を形成する請求の範囲に特に示される。本発明のこれらの特徴および他の特徴、その機能的な効果、および、その使用によって得られる特定の物は、(これに限定されないものの)本発明に係る好適な実施形態を図示し説明する以下の詳細な説明および添付の図面に基づきさらに十分に理解される。
【0011】
明細書および請求の範囲で用いられるように、方向および位置に関する用語、例えば「上側」、「下側」、「内側」、「外側」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂上」、「底」、および、同類の用語は、図面に示され描かれるように本発明の説明にあたって用いられる。別に示されない限り、これらの用語の使用は本発明の領域の限定を示すことを意図しておらず、本発明は代替の位置および方向を採用することができる。
【0012】
別に示さない限り、例えば構造的な寸法、構成要素の数などを表すすべての数または表現は、明細書および図面で用いられるように、すべての具体例において用語「およそ」で修飾されて理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、シートダイから押し出される加熱された熱可塑性シートとともに本発明に係るシート成形装置を示す斜視図である。
【図2】図2は、押出成形機と第1型部用の独立した真空ポンプとをさらに含む図1のシート成形装置を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1のシート成形装置を示す斜視図であり、加熱された熱可塑性シートが、シート保持器の一部を横切って広がって第1型部の一部に覆い被さる様子を示す。
【図4】図4は、図3のシート成形装置を示す斜視図であり、加熱された熱可塑性シートが、シートダイから切り離されて各シート保持器のクランプ部内に保持される様子を示す。
【図5】図5は、図4のシート成形装置を示す斜視図であり、各シート保持器のクランプ部内に保持される加熱された熱可塑性シートとともにフレームが垂直方向に下側に移動した様子を示す。
【図6】図6は、図5のシート成形装置を示す斜視図であり、シート保持器のクランプ部内に保持されたまま加熱された熱可塑性シートが減圧によって引き寄せられて第1型部の内側面に輪郭を合わせ込まれつつ接触する様子を示す。
【図7】図7は、第1型部、フレームおよびシート保持器単独を示す平面図であり、フレームはその垂直落下の底部に実質的に近い位置に位置決めされ、シート保持器が様々な横位置に位置決めされる点を示す。
【図8】図8は、図7と同様に配置される第1型部、フレームおよびシート保持器を示す部分斜視図であり、シート保持器のクランプ部材が開き位置および閉じ位置の間で様々な段階に位置決めされる点を示す。
【図9】図9は、本発明に係るシート保持器の後側部に近い斜視図である。
【図10】図10は、図9のシート保持器の前側部に近い斜視図である。
【図11】図11は、図9のシート保持器の前側部に近い斜視図であり、シート保持器の下側を示す。
【図12】図12は、本発明に係る方法で形成され使用される加熱された熱可塑性シートの第2面を示す平面図である。
【図13】図13は、加熱された熱可塑性シートがシートダイから押し出される際に加熱された熱可塑性シートの第2面を示す立面図であり、加熱された熱可塑性シートがネッキングされる様子を示す。
【図14】図14は、図6に示される成形装置の一部を示す断面図であり、成形装置は第2型部をさらに備える。
【図15】図15は、図3のシート成形装置を示す異なる斜視図であり、第2ねじアクチュエータアセンブリ(56)の斜視図である。
【図16】図16は、本発明に係る方法の使用のために用意される流体処理構造を実質的に等角で示す斜視図である。
【図17】図17は、図16の流体処理構造の下側を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜図17において、同一の部品および同一の構造的特徴には同一の参照符号が付され、異なる部品および異なる構造的特徴には異なる参照符号が付される。
【0015】
図1および図2を参照すると、本発明に係る形成方法は、成形装置1、特に、シート成形装置1を用意する工程を含む。シート成形装置1は、内側成形面14および周縁17を有する第1型部11を備える。内側成形面14は、所定の輪郭および多数の貫通孔26を有する。内側成形面14の輪郭は例えば膨らみ部20および/または窪み部23を備えればよい。内側成形面14は実質的に窪んだすなわち雌の内側成形面(図示せず)であればよく、この場合、内側成形面14は周縁17より実質的に下側に配置される。代替案として、内側成形面14は、(図示されるように)実質的に膨らんだすなわち雄の内側成形面であればよく、この場合、内側成形面14の大部分は周縁17より上側に配置される。加えて、内側成形面14は、成型品の表面にテクスチャおよび/または成形のしるしを形成することを目的として、(例えば膨らみ部20および窪み部23に対して)相対的に浅い例えば溝といった膨らみ模様および/または窪み模様(図示せず)を備えてもよい。
【0016】
周縁17は、通常、第1型部11の境界範囲を規定する。加熱された熱可塑性シートに境界範囲を越えて広がる部分があれば、その部分は最終成型品の一部を形成しない。通常は、熱可塑性シートに周縁17を越えて広がる部分があれば、その部分は最終成型品から除去(例えば切断)される。周縁17は、例えば円形や多角形、不規則な形状、それらの組み合わせなどの最適な形状を有すればよい。図に示されるように、周縁17は、上側面18および末端縁19を有する実質的に水平棚板の形状を有する。
【0017】
明確化の目的のために、多数の貫通孔26は、図1および図2にのみ図示され、かつ、内側成形面14の一部にのみ図示される。貫通孔26は、内側成形面14の実質的に全体にまたは複数の領域内に(すなわち複数群で)配置される。貫通孔26は、内側成形面14上に実質的に規則的にまたは不規則に(例えば任意に)配列されればよい。例えば貫通孔26が特定の領域内に配置される場合、内側成形面14の所定の領域には貫通孔26は形成されない。通常は、多数の貫通孔26が内側成形面14の実質的に全体に規則的に配列(配置)される。
【0018】
多数の貫通孔26は、少なくとも1つの例えば真空ポンプといった真空装置に流体を伝達する。通常、第1型部11は少なくとも1つの内側チャンバ(図示せず)を有する。図2に示されるように、内側チャンバは、多数の貫通孔26と少なくとも1つの例えば真空装置29といった真空装置とに導管32によって流体を伝達する。導管32は、硬い導管であってもよいが、さらに通常は、原形復帰自在に螺旋状に巻くことができる可撓性材料から製造されればよい。図に示されるように、導管32は構造41の一部の下側を通る。構造41上には第1型部11が配置され支持される。支持構造41は、下側基台50の上側面47から上方に立ち上がる多数のビーム44(例えばIビーム)を備える。
【0019】
第1型部11から離れて図に示されているものの、代替案として真空装置29は第1型部11にさらに近接して配置(そのように図示されていないが、例えば基台50上に配置)されてもよい。真空装置29は、内側成形面14の多数の貫通孔26を通じて制御自在に減圧をかける。例えば、貫通孔26を通じて引かれる減圧は少なくとも1つの安定状態を有しつつ段々に増加してもよく、または、減圧は真空装置29の駆動(または起動)の瞬間から真空装置29の最大出力で引かれてもよい。
【0020】
第1型部11からの成型品の取り外しを補助するために、ガス(例えば空気)が高圧(例えば周囲の大気圧よりも大きな圧力)で貫通孔26から吹き出される。例えば空気などのガスの高圧での貫通孔26からの吹き出しにあたって、真空装置29は逆転して駆動されればよく、および/または、別個の圧力ポンプ(図示せず)が、内側チャンバおよび第1型部11の対応の貫通孔26に流体を伝達するために用いられればよい。加えて、貫通孔26から吹き出すガスは、周囲の温度よりも低い温度(例えば5℃〜15℃の範囲といった25℃以下の温度)で冷却されて、加熱された熱可塑性シートの冷却を補助してもよい。その結果、加熱された熱可塑性シートは内側成形面14の輪郭形状を保持する。
【0021】
内側成形面14の多数の貫通孔26は最適な形状および寸法を有すればよい。例えば最適な寸法および形状は、(i)成型品が第1型部11から取り外される際に熱可塑性材料で汚れたり塞がれたり詰まらされたりしない条件、および、(ii)最終成型品に望ましくない表面の特徴や欠陥(例えば最終成型品の表面から突き出るプラスチックの小さな塊)を生じない条件のもとで実現される。内側成形面14の貫通孔26は、多角形(例えば三角形や四角形、方形、正方形、五角形、六角形、七角形など、および、それらの組み合わせ)、円形、楕円形、不規則な形状、および、それらの組み合わせから選択された断面形状を有すればよい。通常は、内側成形面14の貫通孔26は、0.1mm〜7mmの直径を規定する実質的に円形の断面形状を有すればよい。貫通孔26は、さらに通常は0.5mm〜5mmの直径を有することが好ましく、さらに通常は1mm〜3mmの直径を有することが好ましい。本発明に係る実施形態では、内側成形面14の貫通孔26は実質的に1.6mm(16分の1インチ)の直径を有する。
【0022】
本発明に係るシート成形装置1は、第1型部11の周縁17の少なくとも一部を囲むフレーム35を備える。フレーム35は、上側面38を有し、同時に開口163を備える。開口163は、開口163の少なくとも一部を通って第1型部11および特にその周縁17を通過させる寸法を有する。フレーム35および第1型部11は、垂直方向(図1のz軸方向)に相互に逆進可能に配置される。その結果、さらに詳細に後述されるように、加熱された熱可塑性シートは第1型部11の内側成形面14に接触することができる。例えば、第1型部11およびフレーム35はそれぞれ独立して、ピストン、シザースジャック、および/または、スクリュージャックなどの当分野で認められた手段によって垂直方向に逆進可能に配置される。
【0023】
フレーム35は単独で用いられてもよい。代替案として、フレーム35は、支持フレーム36に連結して用いられてもよい。支持フレーム36は、フレーム35の下側に隣接して配置されてフレーム35を支持する。フレーム35と支持フレーム36とが独立して使用されれば、例えば様々なシート保持器を有し、および/または、シート保持器を様々に配置するフレーム35を即座に交換(例えば支持フレーム36の着脱)することができる。フレーム35に連結されたシート保持器を伴ったフレーム35の即座の交換の実現にあたって、成形装置1は、様々な寸法および/または様々な形態を有する様々な第1型部11に適合することが望ましい。フレーム35の上側面38は支持フレーム36の上側面37の上方に配置される。フレーム35は外縁142を有する。フレーム35は、支持フレーム36の外縁145に対してその外縁142が内側に配置されるように通常は設計される。この設計によれば、各シート保持器148はフレーム35の上側面38の(例えば僅かに)上方を横方向に移動することができると同時に、さらに詳細に後述されるように、各シート保持器148の後側部204は支持フレーム36の上側面37から離れて横方向に移動することができる。
【0024】
本発明に係る実施形態では、第1型部11は垂直方向の位置に実質的に不動に配置されており、フレーム35は逆進可能に制御自在に垂直方向に位置決め自在である。本実施形態では、フレーム35は、フレーム35に対向する位置に配置される第1ねじアクチュエータアセンブリ53および第2ねじアクチュエータアセンブリ56に基づき逆進可能に垂直方向に位置決め自在である。ねじアクチュエータアセンブリ(例えば53および56)は通常、詳細に後述されるように、加熱された熱可塑性シートがシート保持器を横切って配置される際に、ねじアクチュエータアセンブリ(53、56)が加熱された熱可塑性シートに直接に接触する可能性を低減するように位置決めされる。
【0025】
図3を参照すると、ねじアクチュエータアセンブリ53は、基台50の上側面47に取り付けられて上側面47から上方に立ち上がるボックスフレーム59を備える。第1ねじアクチュエータアセンブリ53は、第1ねじ伝達ギアボックス65から垂直方向に上方に立ち上がる第1ねじ62と、基台50の上側面47から垂直方向に上方に立ち上がる第1案内ロッド71とをさらに備える。第1ねじ62は、支持フレーム36から外側に横方向に延びる第1ねじ山アイレット68と螺合する。第1案内ロッド71は、支持フレーム36から横方向に外側に延びる第1非ねじ山案内アイレット74に螺合するのではなく、スライド係合する。第1アクチュエータアセンブリ53は、第2ねじ伝達ギアボックス79から垂直方向に上方に立ち上がる第2ねじ77(図面では部分的にのみ視認しうる)と、基台50の上側面47から垂直方向に上方に立ち上がる第2案内ロッド82とを備える。第2ねじ77は、支持フレーム36から横方向に外側に延びる第2ねじ山アイレット85と螺合する。第2案内ロッド82は、支持フレーム36から横方向に外側に延びる第2非ねじ山案内アイレット88に螺合するのではなく、スライド係合する。
【0026】
第1ねじアクチュエータアセンブリ53は主伝達ギアボックス91を備える。主伝達ギアボックス91は、第1ねじ伝達ギアボックス65から横方向に外側に延びて第1ねじ伝達ギアボックス65に噛み合う第1横シャフト94と、第2ねじ伝達ギアボックス79から横方向に外側に延びて第2ねじ伝達ギアボックス79に噛み合う第2横シャフト97とを有する。
【0027】
第2ねじアクチュエータアセンブリ56は第1ねじアクチュエータアセンブリ53と実質的に同一に形成される。図3、図5および図15を参照すると、第2ねじアクチュエータアセンブリ56は、第1ねじ121および第2ねじ352と、第1案内ロッド361および第2案内ロッド127と、主伝達ギアボックス133とを備える。第1ねじ121および第2ねじ352は、第1ねじ伝達ギアボックス355および第2ねじ伝達ギアボックス139からそれぞれ垂直方向に上方に延び、第1ねじ山アイレット124および第2ねじ山アイレット358にそれぞれ螺合する。第1案内ロッド361および第2案内ロッド127は、基台50の上側面47から垂直方向に上方にそれぞれ延び、第1非ねじ山アイレット364および第2非ねじ山アイレット130をそれぞれスライド係合する。主伝達ギアボックス133は、第1ねじ伝達ギアボックス355および第2ねじ伝達ギアボックス139にそれぞれ噛み合う第1横シャフト367および第2横シャフト136を有する。第2ねじアクチュエータアセンブリ56は、単一のボックスフレーム(例えば第1ねじアクチュエータアセンブリ53のボックスフレーム59)を有するのではなく、2つの独立したボックスフレーム100、103を有する。ボックスフレーム100は第2ねじアクチュエータアセンブリ56の第1ねじ121および第1案内ロッド361を収容し、ボックスフレーム103は第2ねじアクチュエータアセンブリ56の第2ねじ352および第2案内ロッド127を収容する。
【0028】
第1および第2ねじアクチュエータアセンブリ53、56は、それぞれ独立してまたは一斉に駆動されればよく、かつ、手動でまたは機械的に駆動されればよい。通常、第1および第2ねじアクチュエータアセンブリ53、56はそれぞれ機械的に駆動され、さらに通常は一斉に機械的に駆動される。各ねじアクチュエータアセンブリ53、56のそれぞれの駆動にあたって別個のモータが用いられればよい。本実施形態では、図3および図15を参照すると、第1ねじアクチュエータアセンブリ53および第2ねじアクチュエータアセンブリ56は単一の駆動モータ106によって一斉に駆動される。駆動モータ106は、公知のモータから選択されればよく、通常は電動モータである。駆動モータ106は駆動シャフト109(図面では部分的にのみ視認しうる)を有する。駆動シャフト109は、全体伝達ギアボックス112から外側に延びて全体伝達ギアボックス112に連結される。全体伝達ギアボックス112は、第1ねじアクチュエータアセンブリ53の主伝達ギアボックス91から外側に延びて主伝達ギアボックス91に連結される第1全体横シャフト115を有する。全体伝達ギアボックス112は第2全体横シャフト118を有する。第2全体横シャフト118は、第2ねじアクチュエータアセンブリ56の主伝達ギアボックス133から外側に延びて、支持構造41の中/下側を通って主伝達ギアボックス133に連結される。
【0029】
駆動モータ106が駆動されて駆動シャフト109に噛み合うと、駆動モータ106は駆動シャフト109を回転させる。その結果、全体伝達ギアボックス112を介して第1全体横シャフト115および第2全体横シャフト118の回転が引き起こされる。第1全体横シャフト115は、主伝達ギアボックス91を介して第1シャフト94および第2シャフト97を回転させる。その結果、第1ねじ伝達ギアボックス65および第2ねじ伝達ギアボックス79を介して第1ねじアクチュエータアセンブリ53の第1ねじ62および第2ねじ77が回転する。同時に、第2全体横シャフト118は、主伝達ギアボックス133を介して第2ねじアクチュエータアセンブリ56の第1全体横シャフト367および第2全体横シャフト136の回転を引き起こす。その結果、第1ねじ伝達ボックス355および第2ねじ伝達ボックス139を介して第2ねじアクチュエータアセンブリ56の第1ねじ121および第2ねじ352の回転を引き起こす。ねじ(62および77;121および352)がそれぞれ別個にねじ山アイレット(68および85;124および358)に噛み合う結果、例えば、駆動モータ106および駆動シャフト109の回転方向に応じてフレーム35は垂直方向に上下動する。さらに、対応して、非ねじ山案内ロッド(71および82;361および127)がそれぞれ別個に非ねじ山アイレット(74および88;364および130)をスライド自在に支持する結果、フレーム35の垂直移動は安定化することができる。様々なシャフトおよび様々な伝達ギアボックスの配列の結果、第1および第2アクチュエータアセンブリ53、56は一斉に制御されて駆動される。
【0030】
本発明に係る成形装置1は少なくとも1つのシート保持器148を備える。図7〜図11を参照すると、各シート保持器は、第1型部11の周縁17に向かって(または周縁17の方向に)面するクランプ部151を有する。クランプ部151はクランプ部材154およびクランプ内側157を備える。クランプ部材154は開閉自在に形成される。クランプ内側157はクランプ部材154の一部で規定され、特に、クランプ内側157の少なくとも一部はクランプ部材154の内側(または下側)面160で規定される。クランプ内側157は、クランプ部材154の内側面160および;その下に配置されるフレーム35の上側面38の一部;また特に、詳細は後述されるように、その下に配置されるシート保持器148のベース板の前側の一部の上側面の組み合わせによって規定される。各シート保持器148は独立して逆進可能に横方向にフレーム35の上側面38に取り付けられる結果、クランプ部151は、第1型部11の周縁17に対して逆進可能に横方向に位置決め自在に配置される。
【0031】
本発明に係る成形装置1は少なくとも1つのシート保持器148を備える限り、さらに通常は成形装置1は少なくとも2つの別個に独立したシート保持器(例えば2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ以上の別個に独立したシート保持器)148を備える。各シート保持器148のクランプ部151が第1型部11の周縁17に面するかまたは周縁17(の方向)に向けられていることを条件に、シート保持器148は、開口163周りでフレーム35上にどのように(例えば対称にまたは非対称に)配列されてもよい。本実施形態では、成形装置1は8つのシート保持器148A、148B、148C、148D、148E、148F、148Gおよび148Hを備える。例えば図7を参照されたい。第1型部11は一般的に平面視で矩形形状を有し、シート保持器148は第1型部11の長尺側に沿って配置されるとともに第1型部11の両端に配置される。シート保持器148A、148Bおよび148Cは第1型部11の第1長尺側166に配置される。シート保持器148D、148Eおよび148Fは第1型部11の第2長尺側169に配置される。シート保持器148Gは第1端346に配置される。シート保持器148Hは第2端349に配置される(図7参照)。第1長尺側166に沿って配置されるシート保持器(148A、148Bおよび148C)は、第2長尺側169に沿って配置されるシート保持器(148D、148Eおよび148F)に対して実質的に対向しつつ対称関係に配置される。第1端346のシート保持器148Gは、第1端346の反対側の第2端349のシート保持器148Hに対して実質的に対向しつつ対称関係に配置される。
【0032】
シート保持器148は、上側面175、下側面178および前側部181を有するベース板172をさらに備える。特に図10を参照されたい。クランプ部材154は、ベース板172の前側部181の上側面183に蝶番で取り付けられる。特に、クランプ部材154は、ヒンジ部材185を介して上側面183に取り付けられる。ヒンジ部材185は、前側部181の上側面183に(相互に)対向して配置されて上側面183から上方に立ち上がるヒンジ保持部188、191に蝶番で(または回転自在に)連結される。シート保持器148のクランプ部151はクランプ部材154およびベース板172の前側部181で規定される。ベース板172の前側部181の上側面183とクランプ部材154の内側面160は共にクランプ内側157を規定する。
【0033】
ベース板172の下側面178の少なくとも一部は、フレーム35の上側面38に対してスライドする関係および隣接する関係を有する。本実施形態では、シート保持器148は、ベース板172の下側面178から延びる少なくとも1つの伸長ガイドをさらに備える。伸長ガイドは、フレーム35の上側面38内で最適な寸法の溝または隙間(図示せず)内に受け入れられる。伸長ガイドは、第1型部11の周縁17から(例えば周縁17に直交方向に)横方向に外側に向けられ、本発明の装置および方法におけるシート保持器148の横方向の動きの制御(例えば方向)を向上させる。図11を参照すると、シート保持器148は、ベース板172の下側面178から外側に(下側に)延びる第1伸長ガイド186および第2伸長ガイド189を有する。第1伸長ガイド186および第2伸長ガイド189は、フレーム35の上側面38内のスライド可能に寸法形成された溝または隙間(図示せず)にスライド式に受け入れられる。第1および第2伸長ガイド(186、189)がフレーム35の上側面38の溝にスライド式に受け入れられる結果、本発明に係る方法においてシート保持器148が横方向に再び位置決めされる際にシート保持器148は所望の方向に維持される(例えばクランプ部151が第1型部11の周縁17に面する)。
【0034】
各シート保持器148の逆進可能な横方向移動は手動で、または、通常は機械的に実現される。本実施形態では図9および図10を参照すると、シート保持器148は、第1端195および第2端198を有する第1直線アクチュエータ192をさらに備える。実施形態および請求の範囲で用いられるように、「直線アクチュエータ」の用語は直線的に逆進可能に進展可能な装置を意味する。直線アクチュエータは、シート保持器に関して用いられる際、直線ねじアクチュエータ、油圧直線アクチュエータ、空気直線アクチュエータおよびその組み合わせなどの、当分野で認められた装置から選択されればよい。シート保持器148のベース板172は、長孔(または延在孔/延在開口)201と、上側面207を有する後側部204とをさらに備える。
【0035】
第1直線アクチュエータ192の第1端195は、長孔201内に配置されてフレーム35の上側面38に固定される。第1直線アクチュエータ192の第1端195は通常、フレーム35の上側面38に取り付けられるブラケット210に旋回自在に取り付けられる。第1端195とブラケット210の旋回自在の取り付けは、ブラケット210を横方向に貫通するピンと第1端195に形成される孔といった当分野で認められた手段で実現されればよい。第1直線アクチュエータ192の第2端198は、ベース板172の後側部204の上側面207に固定される。通常、第1直線アクチュエータ192の第2端198は、ベース板172の後側部204の上側面207から上方に立ち上がるブラケット213に旋回自在に取り付けられる。第2端198とブラケット213の旋回自在の取り付けは、ブラケット213を横方向に貫通するピン237と第2端198に形成される孔といった当分野で認められた手段で実現されればよい。
【0036】
図に示されるように、第1直線アクチュエータ192は、ピストン(視認できず)を収容するシリンダ216と、第2端198に挿入されつつ連結される逆進可能の引込式アーム219とを備える。第1直線アクチュエータ192が逆進可能に直線的に伸展すると、第1型部11の周縁17に対してシート保持器148は逆進可能に横方向移動する。特に、引込式アーム219が伸展すると、シート保持器148は第1型部11の周縁17から離れる方向に横方向に(例えばシート保持器148Aの場合にはx軸に沿って、または、シート保持器148Gの場合にはy軸に沿って)移動する。対応して、引込式アーム219がシリンダ216内に引き込まれると、シート保持器148は、第1型部11の周縁17に向かって横方向に(例えばシート保持器148Aの場合にはx軸に沿って、または、シート保持器148Gの場合にはy軸に沿って)移動する。例えば図7を参照されたい。
【0037】
シート保持器148のクランプ部材154は手動で、通常は機械的に開閉されればよい。本実施形態では図9および図10を参照すると、シート保持器148は、第1端225および第2端228を有する第2直線アクチュエータ222をさらに備える。第1直線アクチュエータ192と同様に、第2直線アクチュエータ222は逆進可能に直線的に伸展自在で、例えば直線ねじアクチュエータ、油圧直線アクチュエータ、空気直線アクチュエータおよびその組み合わせといった公知の直線アクチュエータから選択されればよい。
【0038】
第2直線アクチュエータ222の第1端225はクランプ部材154の外側面231に旋回自在に取り付けられる。さらに通常は、第2直線アクチュエータ222の第1端225は、クランプ部材154の外側面231から外側に突き出るブラケットすなわち突起234に旋回自在に取り付けられる。図に示されるように、第2直線アクチュエータ222の第1端225はブラケットの形状に形成されて突起234を受け入れる。第1端225および突起234の旋回自在の取り付けは、例えば第1端225に取り付けられて、突起234に形成される孔(図では視認できず)を通って延びるピンといった当分野で認められた方法で実現されればよい。第2直線アクチュエータ222の第2端228はベース板172の後側部204の上側面207に取り付けられる。通常、第2端228は、ベース板172の後側部204の上側面207から上方に立ち上がるブラケット(例えばブラケット213)に旋回自在に取り付けられる。第2端228およびブラケット213の旋回自在の取り付けは、ブラケット213および第2端228を通って延びるピンといった当分野で認められた方法で実現されればよい。
【0039】
本実施形態では、第1直線アクチュエータ192の第2端198と第2直線アクチュエータ222の第2端228とはともに同一のブラケット(例えばブラケット213)に取り付けられる。本実施形態では図に示されるように、第2直線アクチュエータ222の第2端228はブラケット213の上側部に旋回自在に取り付けられ、第1直線アクチュエータ192の第2端198は、第2端228の取り付け点の下側でブラケット213の下側部に取り付けられる。
【0040】
図に示されるように、第2直線アクチュエータ222は、ピストン(視認できず)を収容するシリンダ240と、第1端225にねじ接続される逆進可能な引込式/伸展アーム243とをさらに備える。第2直線アクチュエータ222が逆進可能に直線的に伸展すると、クランプ部材154は閉じる(および、対応して開く)。特に、逆進可能な引込式アーム243が伸展すると、クランプ部材154は閉じ位置まで、または、閉じ位置に向かって移動し、対応して、逆進可能な引込式アーム243が(シリンダ240内に)引き込まれると、クランプ部材154は開き位置まで、または、開き位置に向かって移動する。
【0041】
油圧および/または空気で直線アクチュエータ192、222が駆動される場合、シート保持器148の直線アクチュエータ192、222にはポートが形成される。直線アクチュエータ192、222の直線的な伸展および引き込みの実現にあたって、ポートを介して流体(例えば空気および/または油圧流体/オイルといった液体)が(通常は高圧下で)導入される。図10を参照すると、第2直線アクチュエータ222は第1ポート247および第2ポート250を備える。アーム243の直線的な伸展および引き込み、その結果であるクランプ部材154の逆進可能な開閉にあたって、第1ポート247および第2ポート250を介して高圧下で流体(例えば空気および/またはオイルといった液体)が導入される。第1直線アクチュエータ192にはこうしたポート(図示せず)が同様に形成される。
【0042】
実施形態では、前述されるように、フレーム35は、下側に配置される支持フレーム36上に配置されて支持フレーム36で支持される。フレーム35の外縁142は、所定の寸法に形成されて支持フレーム36の外縁145より内側に配置される。フレーム35の外縁142が支持フレーム36の外縁145より内側に配置される結果、シート保持器148の逆進可能な横方向移動の結果として各シート保持器148の後側部204は、支持フレーム36の上側面37を越えて、上側面37上で、および、上側面37から離れて横方向に移動することができる。例えば図1、図7および図8を参照されたい。特に、本実施形態では、ベース板172の後側部204内(または下側)に配置される下側面178の一部が、支持フレーム36の上側面37を越えて、上側面37上で、および、上側面37から離れて横方向に移動することができる。こうした配列は、シート保持器148が使用される間(例えば本発明に係る方法の間)、これに限定されるわけではないが、例えば伸長ガイド186、189を含むベース板172の下側面178に潤滑剤が塗布されてもよいことを含む理由のために望ましい。
【0043】
本発明に係るシート成形工程の間、加熱された熱可塑性シート292の一部は、後述されるように、シート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157に接触する。通常、加熱された熱可塑性シート292の一部は、クランプ部材154でクランプされる加熱されたシートがクランプ内側157内に保持される前および後に前側部181の上側面183に接触する。シート保持器148のクランプ部151の付着(例えば溶融状態のまたはほぼ溶融状態の熱可塑性材料の残存)を回避または低減するために、シート保持器148の少なくとも前側部181の温度を制御(例えば冷却)することが望ましい。実施形態では、シート保持器148のベース板172には、ベース板172の前側部181内に延びる少なくとも1つの収容通路253が形成される。例えば図8のシート保持器148Bを参照すると、収容通路253の終点はベース板172の後側部204内に形成される。収容路はベース板172を通って延びればよく、または、収容路は、ベース板172の外側面(例えば上側面175)に取り付けられる導管(図示せず)の形状を有すればよい。
【0044】
収容通路253は熱交換流体の受け入れおよび通過を許容する寸法に形成される。熱交換流体は、例えば水、グリコール(例えばエチレングリコール、プロピレングリコールおよび/またはポリアルキレングリコールなどのアルキレングリコール)、アルコール(例えばメタノール、エタノール、n−プロパノールおよび/またはイソ−プロパノール)、および、それらの混合物といった当業者に既知のものから選択されればよい。例えば図9を参照すると、熱交換流体は、熱交換器(図示せず)の容器からくみ出され、ポート256を介して導入され、ポート259から取り出される(そして、熱交換器の容器に戻る)。熱交換流体は、低い温度(例えば20℃、15℃または10℃の室温といった、加熱された熱可塑性シート292の温度よりも低い温度)で収容通路253に通常は導入される。熱交換流体は収容通路253を通って前側部181(図示せず)に流れ、熱交換流体がポート259から取り出される際に熱エネルギーを取り除く。
【0045】
シート保持器148、および、ベース板172およびクランプ部材154といった様々な部品は、最適な硬い材料から製造されればよい。例えば、各シート保持器148は、例えば金属、熱硬化性プラスチック材料、熱可塑性材料、セラミック材料およびそれらの組み合わせなどから製造されればよい。通常、シート保持器148は金属(例えば鉄)から製造される。
【0046】
シート保持器148は、加熱された熱可塑性シート292の一部をクランプ部151内で保持することができるという条件で最適な寸法を有すればよい。図9および図10を参照すると、ベース板172は、通常7.62cm〜127cmの幅262を有する。ベース板172は、さらに通常は15.24cm〜101.6cmの幅262を有することが好ましく、さらに通常は30.48cm〜60.96cmの幅262を有することが好ましい。実施形態ではベース板172は50.75cmの幅262を有する。ベース板172は、7.62cm〜127cmの長さ265を有する。ベース板172は、さらに通常は15.24cm〜101.6cmの長さ265を有することが好ましく、さらに通常は30.48cm〜60.96cmの長さ265を有することが好ましい。実施形態ではベース板172は45.72cmの長さ265を有する。クランプ部材154は、通常は7.62cm〜127cmの幅268を有する。クランプ部材154は、さらに通常は15.24cm〜101.6cmの幅268を有することが好ましく、さらに通常は30.48cm〜60.96cmの幅268を有することが好ましい。実施形態ではクランプ部材154は50.75cmの幅268を有し、ベース板172の幅262と実質的に同一である。代替案としては、ベース板172の後側部204および前側部181は相互に異なる幅262を有してもよい。例えば後側部204の幅262は前側部181の幅262より大きく(または小さく)設定されてもよい。
【0047】
本発明に係るシート成形装置1は押出成形機271およびシートダイ274を備える(図2参照)。押出成形機271は、フィードポート280を有するフィード端277と、終端(または押出端)283とを備える。押出成形機271は、当業者に既知のシングルスクリュー、または、カウンター回転または協働回転ツインスクリュー押出成形機から選択されればよい。押出成形機271は、通常、バレル286の長さ方向に沿って少なくとも1つ以上の加熱領域を備え、加熱領域の温度は制御自在に形成される。熱可塑性混合物は、少なくとも1つの熱可塑性重合体(ポリマー)と任意の少なくとも1以上の添加物(例えばガラス繊維および/または酸化防止剤)とを備える。熱可塑性混合物は、フィードポート280に導入され、バレル286を通って移動する際に溶融して混合され、終端283から溶融状態の熱可塑性混合物として押し出される。
【0048】
押出成形機271の終端283はシートダイ274に流体を伝達する。終端283およびシートダイ274の間の流体の伝達は通常は導管289によって実現される。導管289は任意で加熱されてもよい。溶融状態の熱可塑性混合物は押出成形機271の終端283から導管289を通って前方に送られてシートダイ274に導入される。シートダイ274は通常、導管289に流体を伝達する少なくとも1つの内側路と、細孔(図示せず)とを備える。加えて、シートダイ274は独立して加熱されてもよく、その結果、押し出される熱可塑性材料の溶融状態を維持することができる。細孔はシートダイ274の底部に配置され、加熱された熱可塑性シート292は細孔から押し出される。溶融状態の熱可塑性材料が内側路およびシートダイ274の細孔を通過する結果、第1面295(図3)および第2面298を有する加熱された熱可塑性シート292が形成される。
【0049】
シートダイ274は多数のゲートを有する動的なシートダイであればよい。ゲートは、独立したアクチュエータ(図示せず)によってシートダイ274の細孔を横切って制御自在に往復して移動すればよく、その結果、ゲートを通過する溶融した熱可塑性材料の量、シートダイ274から押し出されて生成される加熱された熱可塑性シート292の厚さ、幅および形状を制御することができる。ゲートが駆動される結果、熱可塑性材料にはない開口(図示せず)を有する加熱された熱可塑性シート292を製造することができる。例えば加熱された熱可塑性シート292が形成されると、シートの内側部を形成するいくつかのゲートは規定の時間にわたって閉じられた後に開く。その結果、シートに開口または細孔が形成される。
【0050】
シートダイ274は、細孔ではなく、溶融状態の熱可塑性材料を押し出す横方向に配列された多数の開口(図示せず)を備えてもよい。開口は通常、1つの開口から押し出される溶融状態の熱可塑性材料が、その開口に近接/隣接する開口から押し出される溶融状態の熱可塑性材料に合流して連続するように位置決めされ、その結果、加熱された熱可塑性シート292を形成する。横方向に配列された多数の開口は、加熱された熱可塑性シート292の形成に関して細孔として基本的に機能する。各開口は、当該開口に連結される制御自在に開閉されるゲート(図示せず)を有してもよい。
【0051】
各シート保持器148のクランプ内側157および第1型部11の内側成形面14にシートダイ274から押し出される加熱された熱可塑性シート292が接触することを条件に、シートダイ274および第1型部11、並びに、フレーム35およびシート保持器148は、いずれかの最適な方法で相互に位置決めされる。例えばシートダイ274は、(図示されるように)重力方向に下側に落下する加熱された熱可塑性シート292を製造するように位置決めされればよく、第1型部11、フレーム35およびシート保持器148は、重力方向に下側に落下する加熱された熱可塑性シート292の平面に平行になるように一体で垂直方向に(図示せず)配置されればよい。
【0052】
本発明に係る実施形態では図に示されるように、第1型部11、フレーム35およびシート保持器148は、シートダイ274の下側の平面、例えば図1のx軸およびy軸で規定される平面内に共に位置決めされる。参照の目的のために、周縁17は、図1のx軸およびy軸で規定される平面内に実質的に延びる。加熱された熱可塑性シート292が形成されてシートダイ274から垂直方向および重力方向に落下すると:(i)シートダイ274は、第1型部11、フレーム25および各シート保持器148が配置される平面の上方の平面内で往復移動すればよく:および/または(ii)第1型部11、フレーム35および各シート保持器148はシートダイ274の下側の平面内に共に位置決めされる。シートダイ274と第1型部11、フレーム35および各シート保持器148とが相対移動すると、第2面298はクランプ内側157に、および、任意に第1型部11の内側成形面14に接触する。シートダイ274はトラックまたはレール(図示せず)といった既知の手段で往復移動することができる。
【0053】
本発明に係る実施形態では、第1型部11、フレーム35および各シート保持器148は、一緒に位置決めされ、シートダイ274の下側の平面内で逆進可能に移動することができ、そしてシートダイ274は実質的に不動である。
【0054】
シートダイ274の下側の平面内での第1型部11、フレーム35およびシート保持器148の一体的な逆進可能な横方向移動の実現にあたって、第1型部11、フレーム35および各シート保持器148は基台50上に一体的に配置される。前述されるように、基台50の上側面47から上方に立ち上がる多数のIビーム44を備える支持構造41上に配置される。シート保持器148は、さらに詳細に前述されるように、基台50の上側面47に取り付けられる第1および第2ねじアクチュエータアセンブリ(53および56)に(逆進可能に垂直方向に)支持される支持フレーム36上に配置されるフレーム35の上側面38に配置される。基台50は、(例えば図1の2方向の矢印301で示されるように)y軸に沿ってシートダイ274の下側の平面内に配置されて逆進可能に移動することができる。
【0055】
基台50は、そり、キャタピラ、車輪単独、車輪とレールとの組み合わせ、および、それらの組み合わせ(図示せず)といった既知の移動手段に基づきシートダイ274の下側の平面内で逆進可能に移動することができる。基台50は、特に、天板51と、天板51の上側面である上側面47とを備えればよい。天板51自体は垂直方向に逆進可能に位置決め(例えばピストンによって、図示せず)されることができ、その結果、上側面47に配置されるものすべて、および/または、上側面47に取り付けられるものすべて(例えば第1型部11、フレーム35、シート保持器148、第1および第2ねじアクチュエータアセンブリ53、56等)はz軸に沿って一斉に垂直方向に位置決めされる。第1型部11、フレーム35およびシート保持器148の垂直方向の位置決めは、これに限定されるわけではないが、各シート保持器148のクランプ内側157の位置決め、および、任意に第1型部11の内側面14のシートダイ274への接近またはシートダイ274からの離隔、および、特に、加熱された熱可塑性シート292が押し出されるシートダイ274の細孔への接近または細孔からの離隔を含む理由のために実施される。こうした天板51の垂直移動は、限定しないが、加熱された熱可塑性シート292がクランプ内側157および第1型部11の内側面14に接触する際に、加熱された熱可塑性シート292の厚さを制御し、および、詳細は後述されるように、押し出され/加熱された熱可塑性シート292のネッキングに先立ってこうした接触を実現することを含む理由のために望ましい。
【0056】
本発明に係る方法において、第1型部11および(シート保持器148を伴って)フレーム35が初期に相互に位置決めされると、フレーム35の上側面38は第1型部11の周縁17の上側に配置される。例えば図1および図2を参照されたい。第1型部11が第1雄型部である場合(図示されるように)、フレーム35の上側面38の初期位置は、周縁17の上側に配置されることに加えて:(i)第1雄型部の内側成形面14の上側端の上側に配置され:または(ii)周縁17の上側に配置され、かつ、第1雄型部の内側成形面14の上側端の下側に配置される。図に示されるように、フレーム35の上側面38は、周縁17の上側に初期に位置決めされ、内側成形面14の上側端の上側に位置決めされる。(周縁17の下側に実質的に窪む)第1雌型部の場合、フレーム35が初期位置に配置されると、フレーム35の上側面38が周縁17および第1雌型部の内側成形面14の上側に配置される。
【0057】
フレーム35および第1型部11の相対的な位置決めは、前述されるように実現されればよい。例えば第1および第2ねじアクチュエータアセンブリ(53、56)が(例えばモータ106および様々なシャフト並びに伝達ギアボックスによって)駆動されると、支持フレーム36およびフレーム35(および、対応して、シート保持器148)はz軸に沿って垂直方向に上方に移動する。その結果、フレーム35の上側面38は周縁17の上側、および、図に示されるように、第1型部11の内側成形面14の上側に配置される。
【0058】
本発明に係る方法において、各シート保持器148のクランプ部材154は開き位置に調整される。各クランプ部材154が開き位置に位置決めされると、特にシート保持器148の上側から各クランプ内側157にアクセスすることができる。例えば図8に示されるシート保持器148Cのクランプ部材154を参照されたい。同様に、図3には、すべて開き位置に位置決めされる各シート保持器148A〜148Cのクランプ部材154が図示される。実施形態では、第2直線アクチュエータ222のアーム243が(シリンダ240内に)引っ込められると、ヒンジ部材185上で後方にクランプ部材154が回転し、クランプ部材154は開き位置に位置決めされる。
【0059】
本発明に係る方法において、第1面(例えば295)および第2面(例えば298)を有する加熱された熱可塑性シート(例えば292)は少なくとも1つの熱可塑性混合物から形成される。加熱された熱可塑性シート292は、特に、(i)各シート保持器148のクランプ内側157に接触してクランプ内側157内に保持され、(ii)第1型部11の内側成形面14に引き寄せられて内側成形面14の輪郭に密接に接触する際に、熱成形を許容する温度(例えば熱成形温度)を有する。加熱された熱可塑性シート292の温度は熱可塑性シート292の融点と同じかまたはそれを上回る温度であればよいが、加熱された熱可塑性シート292の温度はさらに通常は熱可塑性シート292の軟化点(またはガラス転移温度)と同じかまたはそれを上回る温度、かつ、熱可塑性シート292の融点より低い温度である。
【0060】
本発明に係る方法の実施形態において、加熱された熱可塑性シート292は、加熱された熱可塑性シート292の第1面295および第2面298の間に配置される内側面を有する。本実施形態では、加熱された熱可塑性シート292の温度は、第1面295、内側面および第2面298を通じて実質的に均一(例えば2℃または1℃より小さい温度で変化する、または、2℃または1℃の同じ温度で変化する)である。特に、(i)加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分が少なくとも1つのシート保持器248のクランプ内側157に接触する際、および、(ii)第1型部11の内側成形面14に対して加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分が引き寄せられる際、温度は均一である。
【0061】
加熱された熱可塑性シート292の温度は、例えば加熱された熱可塑性シート292の第1面295および第2面298に熱電対を接触させ、および、加熱された熱可塑性シート292の内側部に熱電対を差し込むといった当分野で認められた方法で測定されればよい。代替案として、または前述に加えて、加熱された熱可塑性シート292の第1面295および第2面298の温度の測定にあたって赤外線センサといった遠隔温度センサが用いられてもよい。
【0062】
実施形態および請求の範囲で用いられるように、用語「シート」、並びに、「シートダイ」および「加熱された熱可塑性シート」といった同種の用語は、用語「フィルム」、並びに、「シートフィルム」および「加熱された熱可塑性フィルム」といった同種の用語を含む。シートダイ274から、さらに通常は、シートダイ274の細孔から押し出される際、加熱された熱可塑性シート292は通常、0.5mm〜25mmの厚さを有する。加熱された熱可塑性シート292は、さらに通常は1.5mm〜15mmの厚さを有することが好ましく、さらに通常は6mm〜12mmの厚さを有することが好ましい。本発明に係る実施形態において、シートダイ274から押し出される際、加熱された熱可塑性シート292は9mmの厚さを有する。加熱された熱可塑性シート292を第1型部11の内側成形面14に引き寄せて、内側成形面14の輪郭に合わせ込んで内側成形面14の輪郭に接触させる工程の間、加熱された熱可塑性シート292の厚さは(シートダイ274の細孔から押し出される際の加熱された熱可塑性シート292に比べて)通常は減少する。本発明に係る方法によって形成される成型品である形作られた熱可塑性シートは通常は0.25mm〜12.5mmの厚さを有する。形作られた熱可塑性シートは、さらに通常は0.75mm〜8mmの厚さを有することが好ましく、さらに通常は3mm〜6mmの厚さを有することが好ましい。本発明に係る実施形態において、本発明に係る方法によって形成される成型品である形作られた熱可塑性シートは平均的に4.5mmの厚さを有する。
【0063】
本発明に係る方法の過程で形成される加熱された熱可塑性シート292は最適な幅および長さを有する。加熱された熱可塑性シート292は通常はシートダイ274によって形成されることから、幅はシートダイ274の幅、特にシートダイ274の細長いシートスロットの幅、に依存するとともに限定される。加熱された熱可塑性シート292は例えば2.5cm〜5mの幅を有する。加熱された熱可塑性シート292は、31cm〜3mの幅を有することが好ましく、61cm〜2mの幅を有することが好ましい。加熱された熱可塑性シート292は、通常は本発明に係る方法において連続的に最適な長さに形成されればよい。例えば加熱された熱可塑性シート292は31cm〜10mの長さを有する。また、加熱された熱可塑性シート292は61cm〜2mの長さを有することが好ましい。本発明に係る実施形態では、加熱された熱可塑性シート292は3m(およそ10フィート)の幅を有し、5m(およそ16.5フィート)の長さを有する。
【0064】
加熱された熱可塑性シート292は、熱可塑性混合物を溶融させて溶融状態の熱可塑性混合物を形成する工程と、溶融状態の熱可塑性混合物から加熱された熱可塑性シート292を形成する工程とを含む既知の方法によって形成される。実施形態では、前述されるように、熱可塑性混合物は、フィードポート280および終端(または押出端)283を有する押出成形機271(例えばシングルスクリュー押出成形機、または、協働回転スクリュー押出成形機またはカウンター回転ツインスクリュー押出成形機)で溶融する。押出成形機271の終端283はシートダイ274(例えば導管289によって)に流体を伝達する。溶融状態の熱可塑性混合物は、押出成形機271内で形成されて(導管289によって)前方に送られ、シートダイ274を通過する結果、加熱された熱可塑性シート(例えば292)が形成される。加熱された熱可塑性シート292は通常、シートダイ274の細孔から押し出され、そこから垂直に重力方向に落下する。シートダイ274は、前述される説明に従って選択および駆動されればよい。
【0065】
加熱された熱可塑性シート292がシートダイ274から押し出されると、加熱された熱可塑性シート292の第2面298は、シート保持器148のクランプ内側157および第1型部11の内側成形面14に面する(例えば対面する)。加熱された熱可塑性シート292の第1面295は、シート保持器148のクランプ内側157および内側成形面14に対して(例えば上側に)表向きにされる。
【0066】
本発明では、加熱された熱可塑性シート292の第2面298、および、加熱された熱可塑性シート292自体は、第1部分、第2部分および第3部分を有する。図示にあたって、図12を参照し、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分304は、シート292の終端307に一般的に近接してまたは終端307に向かって配置される。第2面298の第2部分310は加熱された熱可塑性シート292の中央領域に一般的に配置される。第2面298の第3部分313は、加熱された熱可塑性シート292の第1部分304および第2部分310の間の領域(間に挟み込まれて)に一般的に配置される。第1面295は同様に、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の反対側(例えば第1面295)に第1部分304、第2部分310および第3部分313を有する。加えて、加熱された熱可塑性シート292は一般的に、図12に示されるそれらの部分に対応する第1部分304、第2部分310および第3部分313を有するように説明される。
【0067】
加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分(例えば304)は、本発明に係る方法において、少なくとも1つのシート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157に接触する。通常、加熱された熱可塑性シート292が形成されると、加熱された熱可塑性シート292は、連続的に配置されるシート保持器148のクランプ内側157に連続的に接触する。例えば、加熱された熱可塑性シート292がシートダイ274から押し出されて下方向に広がると、フレーム35、シート保持器148および第1型部11は、例えば図3の矢印302の方向に、(前述されるように)シートダイ274の下側の平面内で(例えば図1のy軸に沿って)横方向に移動する。図1および図3を参照すると、加熱された熱可塑性シート292が形成されて、フレーム35および第1型部11が熱可塑性シート292の下で横方向に移動すると、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分304は、次の:シート保持器148G;シート保持器148C、148F;シート保持器148B、148E;シート保持器148A、148D;最後にシート保持器148Hの順番でシート保持器148のクランプ内側157に連続的に接触していく。
【0068】
本発明に係る方法において、次にクランプ部材154が閉じ位置に移動すると、加熱された熱可塑性シート292の第1部分304がクランプ内側157内でクランプして保持される。特に、クランプ部材154の一部は、熱可塑性シート292の第1面295の第1部分304に隣接しつつクランプ/保持する関係を確立すると同時に、シート292の第2面298の第1部分304が、シート保持器148のベース板172の前側部181の上側面183に保持されつつ隣接する。
【0069】
シート保持器148のクランプ部材154はすべて、加熱された熱可塑性シート292がすべてのシート保持器148のクランプ内側157に接触した後、閉じ位置に一斉に移動する。例えばシート保持器148A〜148Hのクランプ部材154が一斉に閉じ位置に移動する。代替案として、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分304がシート保持器148のクランプ内側157に連続的に接触すると、シート保持器148のクランプ部材154は連続的に閉じ位置に移動してもよい。例えば各シート保持器148のクランプ部材154は以下の:シート保持器148G;シート保持器148C、148F;シート保持器148B、148E;シート保持器148A、148D;および最後にシート保持器148Hの順番で閉じ位置に移動する。
【0070】
実施形態では、第2直線アクチュエータ222のアーム243が(例えばシリンダ240の外側に)伸展すると、クランプ部材154は、ヒンジ部材185上で前方に回転した後に閉じ位置に位置決めされる。例えば図8を参照すると、シート保持器148Aのクランプ部材154は閉じ位置に位置決めされる。図4を参照すると、8つすべてのシート保持器148A〜148Hのクランプ部材154が閉じ位置に位置決めされ、加熱された熱可塑性シート292の第1部分304は各シート保持器148のクランプ内側157内にクランプされて保持される。加えて、図4に示されるように、フレーム35のシート保持器148内に保持される加熱された熱可塑性シート292はシートダイ274から切り離される。図4に示されていないものの、加熱された熱可塑性シート292の一部は、シートダイ274から依然として押し出されているが、シート保持器248内に保持される加熱された熱可塑性シート292から切り離される。
【0071】
前述されるように、クランプ内側157はクランプ部材154の内側面160と:(i)その下側に配置されるフレーム35の上側面38の一部との組み合わせ;および/または(ii)シート保持器148のベース板172の前側部181の上側面183との組み合わせで規定されればよい。実施形態では、加熱された熱可塑性シート292の第1部分304がクランプ内側157内に保持されると、クランプ内側157は、クランプ部材154の内側面160とシート保持器148のベース板172の前側部181の上側面183との組み合わせで規定される。したがって、加熱された熱可塑性シート292の第1部分304は、クランプ部材154の内側面160の少なくとも一部とシート保持器148のベース板172の前側部181の上側面183との間にクランプされ/保持される。
【0072】
加熱された熱可塑性シート292の第1部分304がシート保持器148のクランプ内側157内に保持されると、第1型部11およびフレーム35が相互に位置決めされ、第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分(例えば図12の310)が接触する。熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310と内側成形面14の少なくとも一部との接触を実現すべく:(i)フレーム35およびシート保持器148が垂直方向に不動に配置される一方で、第1型部11は垂直方向(例えばz軸に沿って上方)に移動すればよく;(ii)フレーム35およびシート保持器148が垂直方向(例えばz軸に沿って上方)に移動する一方で、第1型部11は垂直方向に不動に配置されればよく;または(iii)フレーム35およびシート保持器148が垂直方向(例えばz軸に沿って上方)に移動すると同時に、第1型部11が垂直方向(例えばz軸に沿って上方)に移動すればよい。
【0073】
実施形態では、図4および図5を参照すると、第1型部11は垂直方向の位置決めに関して実質的に不動に配置され、フレーム35は(シート保持器148とともに)逆進可能に制御自在に垂直方向(例えばz軸に沿って)に移動することができる。本実施形態では、フレーム35(および対応のシート保持器148)が、垂直方向に不動に配置される第1型部11に対して逆進可能に制御自在に垂直方向(例えばz軸に沿って垂直方向に下側)に移動する結果、加熱された熱可塑性シート292の第2面(298)の第2部分(例えば310)と第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部とが接触する。フレーム35はシート保持器148とともにz軸に沿って移動し、第1型部11の周縁17の下側に配置される。前述されるように、フレーム35は第1および第2ねじアクチュエータアセンブリ(53、56)によって逆進可能に垂直方向に移動することができる。
【0074】
内側成形面14に対するフレーム35の初期位置に依存して、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310と第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部とは、シート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157との/クランプ内側157内での加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分304の接触に先だって接触(またはクランプ保持)するか、接触と同時に接触するか、または、接触に連続して接触すればよい。例えばフレーム35が初期位置に位置決めされると、その上側面38は、周縁17の上方に配置されると同時に、(第1雄型部の場合に)第1型部11の内側成形面14の上側端の下側に配置される。この場合、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310は、クランプ内側157との/クランプ内側157内での加熱されたシート292の第2面298の第2部分310の接触および/または保持に先立ってまたは同時に内側成形面14の一部に接触すればよい。本発明に係る実施形態では、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310と第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部とは、シート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157との/クランプ内側157内での加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分304の接触(またはクランプ保持)の後に接触する。
【0075】
加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310と第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部との接触に先立って、接触と同時に、または、接触の後に、各シート保持器148は(そのクランプ内側157に保持される加熱されたシート292の第1部分304とともに)、第1型部11の周縁17に近づく位置、および/または、周縁17から遠ざかる位置、から選択される横位置に独立して横方向に移動する。例えばフレーム35が垂直方向に下側に移動し(および、加熱された熱可塑性シート292の第2面298が第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触すると)、各シート保持器148は第1型部11の周縁17に対して連続的に、および/または、断続的に横方向に移動する(すなわち、周縁17に近づく、および/または、周縁17か遠ざかる)。代替案として、フレーム35が垂直方向に下側に移動し、加熱された熱可塑性シート292の第2面298が対応して第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触することに先だって、各シート保持器148は周縁17に対して独立して横方向に再び位置決めされる。さらに、代替案として、フレーム35が垂直方向に下側に移動し、加熱された熱可塑性シート292の第2面298が対応して第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触した後、各シート保持器148は周縁17に対して独立して横方向に移動すればよい。
【0076】
本発明に係る方法の本実施形態において、(型11の周縁17に対して)少なくとも1つのシート保持器148を横方向に横位置に移動させる工程は、第1型部11およびフレーム35が相互に位置決めされて、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310と第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部との接触工程に先立って、工程と実質的に同時に、または、工程の後に、の少なくともいずれかで実施される。特に、相対的に横方向に少なくとも1つのシート保持器148を横位置に移動させる工程は、第1型部11およびフレーム35を相対的に位置決めする工程と実質的に同時に、および/または、工程の後に実施される。特に、相対的に横方向に少なくとも1つのシート保持器148を横位置に移動させる工程は、第1型部11およびフレーム35を相対的に位置決めする工程と実質的に同時に実施される。
【0077】
本発明に係る実施形態において前述されるように、第1直線アクチュエータ192の伸展するまたは引き込まれる逆進可能な引込式アーム219によって各シート保持器148の位置は独立して横方向に変更される。例えばアーム219がシリンダ216の外側に延びると、シート保持器148は第1型部11の周縁17から離れてx軸に沿って横方向に移動する。対応して、アーム219がシリンダ216内に引き込まれると、シート保持器148は第1型部11の周縁17の方向に向かってまたは周縁17の方向にx軸に沿って横方向に移動する。
【0078】
(クランプ内側157内に保持され/クランプされる加熱されたシート292の第1部分304とともに)シート保持器148が横方向に移動すると、第1型部11の内側成形面14に接触する加熱された熱可塑性シート292の第2部分310の少なくとも一部の厚さが制御される。加えて、(クランプ内側157内に保持され/クランプされる加熱されたシート292の第1部分304とともに)シート保持器148が横方向に移動すると、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310が第1型部11の内側成形面14の輪郭に密接に合わせ込まれて内側成形面14に接触することが補助され、促進される。
【0079】
いかなる理論に拘束される意図はないものの、手近な証拠に基づき、シート保持器148が第1型部11の周縁17に向かって横方向に移動すると、加熱されたシート292が内側成形面14に接触する際、(型が雄型であるか、または、型が雌型であるかに関わらず)大量の加熱された熱可塑性シート材料が利用される。大量の加熱された熱可塑性材料が、シート保持器148が型に近づいた部分で型に覆い被さると、その領域でシートの厚さが増大する(したがって、成型品の厚さはその領域で増大する)。対応して、シート保持器148が第1型部11の周縁17から横方向に遠ざかると、加熱されたシート292が内側成形面14に接触する際、(型が雄型であるか、または、雌型であるかに関わらず)少量の加熱された熱可塑性シート材料が利用される。少量の加熱された熱可塑性材料が、シート保持器148が型から遠ざかった部分で型に覆い被さると、その領域でシートの厚さは減少する(したがって、成型品の厚さはその領域で減少する)。
【0080】
横方向に移動自在の多数のシート保持器(例えば148A〜148H)が型の周縁17周りに配置される場合、例えばいくつかのシート保持器148は周縁17に向かって移動する一方で他のシート保持器148が型の周縁17から遠ざかって移動する結果、加熱されたシート292の厚さは型の様々な領域内/領域にわたって変化する。
【0081】
第1型部11が、複合内側成形面、例えば雄として特徴づけられる一部、および、雌として特徴づけられる他の部分を有する場合、いくつかのシート保持器148は横方向に周縁17に向かって移動する一方で、他のシート保持器148は横方向に周縁17から遠ざかって移動する。例えば雄の内側成形面14の部分に隣接するシート保持器148は横方向に周縁17から遠ざかって移動すればよい一方で;雌の内側成形面14の部分に隣接するシート保持器148は横方向に周縁17に向かって移動すればよく;逆の場合も同じである。代替案として、または前述に加えて、1つ以上のシート保持器148の横方向位置は、加熱された熱可塑性シート292の第2面298を型の内側成形面14に接触させるように調整(例えば順次に調整、および/または、連続的に調整)される。こうした横方向位置は、型の周縁17への接近、型の周縁17からの離隔、および、それらの組み合わせ、他のまたは追加の組み合わせ(例えば接近、離隔および接近、または、離隔、接近および離隔)から選択されればよい。
【0082】
各シート保持器148が、前述されるように、本発明に係る方法において横方向に位置決めされる結果、第1型部11の内側成形面14の様々な位置において加熱された熱可塑性シート292の厚さを制御することができる。実施形態では、各シート保持器148は横方向位置の端から端まで(例えば型の周縁17に接近する方向に、または、周縁17から離れる方向に)移動することができる。横方向の端から端までの距離は通常2.54cm〜91.44cmであることが好ましく、さらに通常は5.08cm〜60.96cmであることが好ましく、さらに通常は7.62cm〜30.48cmであることが好ましい。実施形態では、各シート保持器148は横方向の端から端までおよそ19.05cmの距離(例えば型の周縁17に接近する方向に、または、周縁17から離れる方向に)にわたって移動すればよい。
【0083】
加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310の一部が第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触すると、内側成形面14の多数の貫通孔(例えば26)を介して(例えば真空装置29および導管32を介して)減圧が引かれる。加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310は、(減圧に基づき)内側成形面14に引き寄せられて内側成形面14に密接に接触し、内側成形面14の輪郭に合わせ込まれる。例えば図6を参照されたい。
【0084】
第1型部11の内側成形面14は任意で加熱されてもよく、その結果、内側成形面14の輪郭に対する加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310の合わせ込みを補助することができる。しかしながら、加熱された熱可塑性シート292内に残余の熱(例えばシートダイ274からの押出といった変形時に消費される熱)が保たれる結果、本発明に係る方法では第1型部11の内側成形面14を個別に加熱することは通常は必要とされない。加えて、加熱された熱可塑性シート292内に保たれる残余の熱を考慮して、加熱された熱可塑性シート292の個別のまたは外側からの加熱は通常は本発明に係る方法において必要とされない。
【0085】
加熱された熱可塑性シート292が内側成形面14の輪郭に密接に合わせ込まれて内側成形面14の輪郭に接触し続ける間、加熱された熱可塑性シート292は冷却される。熱可塑性シート292が冷却されると、第1型部11の内側成形面14の輪郭を保持する形作られた熱可塑性シート292が成形される。加熱された熱可塑性シート292は通常、熱可塑性シート292の軟化点またはガラス転移温度より低い温度まで冷却される。軟化点またはガラス転移温度を下回る温度まで冷却されると、熱可塑性シート292は、もはや熱成形性を有さず、内側成形面14の輪郭形状を保持し続ける。
【0086】
加熱された熱可塑性シート292の冷却は既知の手段によって実現されればよい。例えば熱可塑性シート292の第1面295に冷却気流が流通してもよく、および/または、第1型部11の内側成形面14が(例えば第1型部11の内側成形面14の下側に配置される導管(図示せず)を流れる冷却流体または冷媒によって)冷却されてもよい。
【0087】
熱可塑性シート292が十分に冷却された後、結果として形作られた熱可塑性シート(または成型品)292は第1型部11から取り外される。形作られた熱可塑性シート292の第1型部11からの取り外しは、当分野で認められた技術によって実現される。例えば、1つ以上のイジェクタコア(図示せず)が内側成形面14から外側に逆進可能に伸びればよく、基本的にはイジェクタコアが第1型部11から形作られた熱可塑性シート292を押し外して引き離す。代替案として、または、前述に加えて、ガス(例えば空気)が正圧に基づき内側成形面14の多数の貫通孔(例えば26)を通過すればよく、その結果、ガスは、形作られた熱可塑性シート292を第1型部11から持ち上げて引き離す。
【0088】
本発明に係る方法に従って、熱可塑性シート292のはみ出し部分は、第1型部11の周縁(例えば17)からシート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157内に突き出る。熱可塑性シート292のこのはみ出し部分は、第1型部11の内側面14からの形作られた熱可塑性シート(または成型品)292の取り外しの補助に用いられればよい。本発明に係る方法において、図6を参照し、熱可塑性シート292が、シート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157内の(例えばクランプ内側157内で保持される)熱可塑性シート292のはみ出し部分とともに冷却されて硬化すると、支持フレーム36およびフレーム35は垂直方向に上方に移動する。その結果、形作られた熱可塑性シート(292)が第1型部11の内側成形面14から持ち上げられて取り外される。熱可塑性シート292のはみ出し部分をシート保持器148のクランプ部151内に保持した状態で、フレーム35は所定の最適な距離にわたって垂直方向に上方に移動すればよい。その結果、第1型部11から形作られた熱可塑性シート292を取り外すことができる。本発明に係る方法において、垂直方向の全距離の5%、10%、25%、50%、75%または100%でフレーム35は移動する(例えば垂直方向の全距離は図1および図6の間で規定される)。
【0089】
第1型部11の周縁17からシート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157内に突き出る熱可塑性シート292のはみ出し部は、通常、加熱された熱可塑性シート292が減圧に基づき第1型部11の内側成形面14に引き寄せられて内側成形面14の輪郭に密接に合わせ込まれて接触した後の所定の時点で周縁17に沿って切り離される。はみ出した熱可塑性シート材料は、形作られた熱可塑性シート292が第1型部11から取り外される前に、または、取り外された後に切り離されればよい。通常、はみ出した熱可塑性シート材料は、形作られた熱可塑性シート292を第1型部11から取り外した後に切り離される。
【0090】
はみ出した熱可塑性シート材料は、形作られた熱可塑性シート292が第1型部11から取り外された後に任意で切り離される。はみ出した熱可塑性シート材料は、例えば、ヤスリがけ、レーベル貼り、孔開け、留め具の挿入、および/または、塗装といった成形後の工程の間に、形作られた熱可塑性シート(成型品)292を安全に保管し輸送するために利用されればよい。成形後の工程の完了後、はみ出した熱可塑性シート材料は、その後、形作られた熱可塑性シートから切り離されればよい。
【0091】
加熱された熱可塑性シート292がシートダイ274から垂直に重力方向に落下すると、加熱された熱可塑性シート292は、その幅を減少させるネッキングに曝される。説明の目的のため、図13を参照すると、加熱された熱可塑性シート292がネッキング現象を生じた状態で示されている。加熱された熱可塑性シート292が垂直距離316にわたって落下すると、初期幅322を有するプレネック部319が形成される。加熱された熱可塑性シート292がさらに垂直距離325にわたって落下すると、ネッキング現象が発生し、様々に幅を減少させる変位部328が形成される。距離325にわたって落下した後、ネッキング現象は終了し、一定幅334を有するネック部331が形成される。ネック部331の幅334は、加熱された熱可塑性シート292の初期部319の幅322より小さく設定される。
【0092】
シートネッキング現象は、これに限定されるわけではないが、溶融状態の熱可塑性混合物、シートダイ274の構造(例えば細孔の形状)、シートダイ274から押し出される際の加熱された熱可塑性シート292の温度、および、それらの組み合わせを含む多くの原因を有する。熱可塑性シート292の幅の減少は、より幅の広い、より規模の大きい、および、より高価なシートダイ274の使用をたいていは余儀なくされることから、ネッキング現象は通常は望ましくない。
【0093】
本発明に係る実施形態では、シート保持器148のクランプ部151のクランプ内側157に、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分304を接触させる(および、任意でクランプ内側157内にシート292をクランプ/保持する)工程は、加熱された熱可塑性シート292のネッキングに先立って実施される。ネッキングに先立ってシート保持器148のクランプ内側157に、加熱された熱可塑性シート292を接触させると(および、任意でさらにクランプ内側157内に加熱されたシート272をクランプすると)、加熱された熱可塑性シート292のネッキングを実質的に回避することができる。さらに図13を参照し、例えば、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第1部分304が、垂直距離316内で(すなわち、ネッキングが発生する前に)シート保持器148のクランプ内側157に接触してクランプ内側157内に任意でクランプされ/保持されると、加熱された熱可塑性シート292のネッキングは実質的に回避され、加熱された熱可塑性シート292は(ネッキングされていない)初期幅322を保持する。
【0094】
シート成形装置1に関して前述されるように、本発明に係る方法の実施形態では、第1型部11、フレーム35および対応のシート保持器148は、シートダイ274の下側の平面(例えば図1のx軸およびy軸で規定される平面)内で共に位置決めされて移動する一方で、シートダイ274は実質的に不動に配置される。第1型部11およびフレーム35は(シート保持器148とともに)、前述の説明の通りに、シートダイ274の下側の平面内で移動自在の基台50上に共に配置される。第1成形装置11は型支持構造41上に配置される。型支持構造41は基台50の上側面47上に配置される。フレーム35は、基台50の上側面47に取り付けられる第1および第2ねじアクチュエータアセンブリ(53、56)に支持される。
【0095】
本実施形態において、方法は、熱可塑性シート292が形成される際に、第1型部11、フレーム35およびシート保持器148をシートダイ274の下側の平面内で共に移動させ、熱可塑性シート292と、各シート保持器148のクランプ内側157と、第1型部11の内側成形面14との間で接触を促進する工程をさらに備える。第1型部11および内側成形面14がシートダイ274の下側で移動すると、加熱された熱可塑性シート292は実質的にこれらの上に広がる。例えば図1〜図4を参照されたい。図3を参照すると、第1型部11、フレーム35およびシート保持器148がシートダイ274の下側を(例えば基台50上で矢印302で示される方向に)移動する直線速度と、加熱された熱可塑性シート292がシートダイ274から製造される速度とが共に制御されて、型11およびシート保持器148のクランプ内側157を横切って覆う際に加熱された熱可塑性シート292の厚さが制御される。直線移動の速度および加熱された熱可塑性シート292の成形速度は様々に独立して制御されればよく、その結果、内側成形面14を覆う加熱された熱可塑性シート292の厚さを変化させることができる。
【0096】
図3および図4において、明確化の目的のために、加熱された熱可塑性シート292は硬いものとして図示される。加熱された熱可塑性シート292はその軟化点より少なくとも高い温度を有することから、実際には、加熱された熱可塑性シート292は通常は、シート保持器148のクランプ内側157、および、任意で内側成形面14(内側成形面14上/内側成形面14内、および/または、内側成形面14の上方)を覆う。
【0097】
本発明に係る方法において、加熱された熱可塑性シート292は通常は、加熱された熱可塑性シート292がシート保持器148のクランプ内側157に接触した後、および、形作られた熱可塑性シート292が第1型部11から取り外される前の所定の時点でシートダイ274から切り離される。実施形態では、方法は、加熱された熱可塑性シート292をシートダイ274から切り離す工程を含み、この工程は:第1型部11およびフレーム35を相互に位置決めして、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触させる工程に先だって、工程と同時に、または、工程の後に実施される。図4を参照すると、加熱された熱可塑性シート292は:加熱されたシート292の第1部分304がシート保持器148のクランプ部151内に保持された後;および、第1型部11およびフレーム35を相互に位置決めして、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触させる前に、シートダイ274から切り離される。
【0098】
方法が、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に第2型部の内側成形面を押し付けつつ接触させる工程を備える場合、本発明に係るシート成形装置1は、内側成形面を有する第2型部をさらに備えればよい。加熱された熱可塑性シート292の第1面295に対する第2型部の内側成形面の接触は、:(i)加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310が、(第1型部11の内側成形面14の貫通孔26を通じて引かれる減圧によって)第1型部11の内側成形面14の輪郭に密接に合わせ込まれつつ内側成形面14に接触した後;および、(ii)加熱された熱可塑性シート292の冷却(および、形作られた熱可塑性シート292の成形)の前に、実行される。
【0099】
図14を参照すると、第2型部337は内側成形面340を有する。第1型部11および第2型部337が(例えば矢印343に沿って)相互に逆進可能に位置決めされると、第1型部11の内側成形面14および第2型部337の内側型部340は相互に対向しつつ逆進可能に位置決めされる。特に、熱可塑性シート292の第1面295および第2型部337の内側成形面340は(図示されるように)相互に対向しつつ逆進可能に位置決めされる。第2型部337が第1型部11に対して矢印343で示される方向に移動すると、第2型部337の内側成形面340は、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に押し付けられつつ接触する。第2型部337は、ピストン(図示せず)を用いた垂直レールといった既知の手段によって移動する。第2型部337は通常、(シートダイ274が配置される)加熱された熱可塑性成形位置に対して離隔押付成形位置に配置される。一般的に、基台50は、離隔押付成形位置まで既知の移動手段によって(前述されるように、例えばレール上を)移動し、第2型部337は、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に押し付けられつつ接触する。
【0100】
第2型部337の内側成形面340は通常、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に、1.0kg/cm2〜4.0kg/cm2(14psi〜57psi)の押し付け圧で押し付けられつつ接触する。内側成形面340は、さらに通常は1.2kg/cm2〜2.0kg/cm2(17psi〜28psi)の押し付け圧、さらに通常は1.3kg/cm2〜1.8kg/cm2(19psi〜27psi)の押し付け圧で押し付けられつつ接触することが好ましい。実施形態では、第2型部337の内側成形面340は通常、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に1.5kg/cm2(21psi)の押し付け圧で押し付けられつつ接触する。
【0101】
第2型部337の内側成形面340と加熱された熱可塑性シート292の第1面295との接触は、これに限定されるわけではないが、:加熱された熱可塑性シート292の第1面295に表面の造作を付与すること;シート292の厚さを制御すること;および/または、シート292の第1面295を平滑化することを含む理由のために実施される。第2型部337の内側成形面340は、平滑化された部分、または、膨らんだ部分、および/または、窪んだ部分を含んでもよい。
【0102】
本発明に係る方法の様々な工程のいくつかは、前述されるように、列挙されるように順番に実行されるか、同時に実行されるか、または、逆の順番で実行されてもよい。本発明に係る方法において、工程(a)〜工程(k)までは、前述の課題を解決するための手段で列挙されるように実質的に順番に実施される。
【0103】
本発明に係る方法のさらなる実施形態において、:(h)(第1型部11の周縁17に対して)少なくとも1つのシート保持器148を横方向に移動させる工程は、:(g)第1型部11とフレーム35とを相互に位置決めして、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触させる工程、に先だって、工程と実質的に同時に、および、工程の後に、の少なくともいずれかで実行される。本実施形態では、工程:(h)(第1型部11の周縁17に対して)少なくとも1つのシート保持器148を横方向に移動させる工程は、(g)第1型部11とフレーム35とを相互に位置決めして、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触させる工程、と実質的に同時に実行される。
【0104】
本発明に係る方法のさらなる実施形態において、:(i)第1型部11の内側成形面14の多数の貫通孔26を通じて減圧を引いて、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の輪郭に実質的に合わせ込む工程は、:(h)少なくとも1つのシート保持器148を(第1型部11の周縁17に対して)横方向に移動させる工程と同時に、および、工程の順番的に後、のいずれかで実行される。
【0105】
(g)第1型部11とフレーム35とを相互に位置決めして、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触させる工程;(h)(第1型部11の周縁17に対して)少なくとも1つのシート保持器148を横方向に移動させる工程;および(i)第1型部11の内側成形面14の多数の貫通孔26を通じて減圧を引いて、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の輪郭に実質的に合わせ込む工程は、実施形態において、実質的に同時に実行される。
【0106】
本発明に係る方法において、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14に(減圧に基づき)引き寄せて内側成形面14の輪郭に密接に合わせ込みつつ内側成形面14に接触させる工程は、加熱された熱可塑性シート292の第2面298と第1型部11の周縁17との間で密閉状態を形成することで補助され、または、促進されてもよい。特に、加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第3部分(例えば図12の313)は第1型部11の周縁17(および、特に、周縁17全体)に接触する結果、第3部分313と周縁17との間で密閉状態(シール)が確立される。シート292と周縁17との間の密閉状態の確立後、または、確立と同時に、第1型部11の内側面(例えば14)の貫通孔(例えば26)を通じて減圧を引く工程が実行される。内側成形面14の貫通孔26を通じて減圧が引かれることから、熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310および内側成形面14で規定される収容/密閉空間内で真空またはほぼ真空が確立されればよい。真空またはほぼ真空の確立の結果、加熱された熱可塑性シート292は内側成形面14に効率的に引き寄せられる。
【0107】
本発明に係る方法は、熱可塑性シート292が熱成形を許容する温度を有する間に(または、例えば熱可塑性シート292がシートダイ274から押し出された直後に)、加熱された熱可塑性シート292の形成時に加熱された熱可塑性シート292の第1面295に1以上のフィルム(例えばラベルの形状または連続的なフィルム片の形状)を結合する工程を備えてもよい。通常、シート292が形成される際、および、第1型部11およびフレーム35を相互に位置決めして加熱された熱可塑性シート292の第2面298の第2部分310を第1型部11の内側成形面14の少なくとも一部に接触させる工程に先立って、加熱された熱可塑性シート292の第1面295にフィルムが張り付けられる。
【0108】
フィルムは、単層フィルムまたは多層フィルムであればよく、熱硬化性プラスチック層、および/または、熱可塑性層から選択される少なくとも1層のプラスチック層を備える。フィルム層の熱硬化性材料および熱可塑性材料は当業者に既知の材料から選択されればよい。フィルムの熱可塑性層の熱可塑性材料は、例えば、加熱された熱可塑性シート292に関して前述される熱可塑性材料から選択されればよい。通常、フィルムは少なくとも1層の熱可塑性層(例えば直鎖性低密度ポリエチレン−LLDPE)を備える。フィルムは、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に隣接する(例えば融合して一体となった)第2面と、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に対して外側に面して、第1面295に隣接する関係を有しない第1面とを有する。
【0109】
少なくとも1層のプラスチック層に加えて、フィルムは、例えば金属層および紙層から選択される少なくとも1層の非プラスチック層を任意でさらに有してもよい。通常、非プラスチック層は、存在する場合には、2層のプラスチック層の間に挟み込まれる。少なくとも1層のプラスチック層に加えて、フィルムは、少なくとも1層の接着層をさらに任意で有してもよい。接着層は、存在する場合には、通常はフィルムの外側層または表面(例えば第2面)を規定し、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に接着されるように位置決めされる。フィルムは、塗料(例えば染料および/または顔料)、および/または、しるしをさらに有してもよい。しるしは、例えば、シンボル、文字、数字、デザイン、写真描写、および、それらの組み合わせから選択されればよい。しるしは、フィルムの第1面(外側面)に張り付けられればよく、および/または、フィルム内に埋め込まれてもよい。実施形態では、しるしは、1次元および/または2次元バーコードといったバーコードの形状を有する。
【0110】
加熱された熱可塑性シート292の第1面295に、傷付けられること(例えば引き剥がされること、および/または、溶融時に孔が形成されること)なく張り付けられ得ることを条件に、フィルムは最適な厚さを有する。例えば、フィルムは0.05mm〜0.76mmの厚さを有すればよい。また、フィルムは、0.08mm〜0.64mmの厚さを有することが好ましく、また、0.13mm〜0.51mmの厚さを有することが好ましい。実施形態では、フィルムは、0.38mmの厚さを有する単層の熱可塑性フィルム(例えば単層のLLDPEフィルム)である。
【0111】
本実施形態では、フィルムは連続したフィルム片の形状(例えばリボンやテープの形状)を有する。連続したフィルム片は、加熱された熱可塑性シート(292)の第1面(295)の上方に位置されるロール(図示せず)に巻き付けられる。加熱された熱可塑性シート292が、シートダイ274から押し出されてフレーム35およびシート保持器148を横切って覆うと、フィルムロールは回転して、シート292が形成されて下に置かれる方向(例えば図3の矢印302で示される縦方向)に実質的に配列される方向に、連続したフィルム片を供給する。連続したフィルム片の第2面は、加熱された熱可塑性シート292が形成される際に加熱された熱可塑性シート292の第1面295に接触する。連続したフィルム片の第2面は、連続したフィルム片の第1面に対して圧縮された(および、任意で加熱された)空気を吹き出すエアナイフといった最適な手段によって、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に対して押し付けられればよい。エアナイフは通常、連続したフィルム片ロールと(フレーム35を横切って覆う際の)加熱された熱可塑性シート292の第1面295との間で垂直方向に中間位置に配置されればよい。実施形態では、連続したフィルム片の第2面は、加熱された熱可塑性シート292の第1面295に/第1面295と溶着する熱可塑性層で規定される。本実施形態では、連続したフィルム片は、(例えばLLPDEを備える)単層の熱可塑性層から形成され、0.13mm〜0.51mmの厚さ(例えば0.38mmの厚さ)を有する。
【0112】
シート292が形成される際、および、シート292の形成方向に、加熱された熱可塑性シート292の第1面295の一部に連続したフィルム片を張り付けると、第1面295の少なくとも一部に沿って延びる連続したフィルム片を有する成型品が形成される。形作られた熱可塑性シート/成型品の第1面295に貼り付けられる連続したフィルム片は、(例えば暴風雨水チャンバや汚水チャンバといった多数の流体処理構造の場合に)そうした成型品の識別、および/または、多数の成型品の位置の調整にあたって用いられればよい。
【0113】
本発明に係る方法において、加熱された熱可塑性シート292は少なくとも1つの熱可塑性混合物から(例えば溶融混練/押し出しによって)形成される。熱可塑性混合物は少なくとも1つの熱可塑性材料を含む。実施形態および請求の範囲で用いられるように、用語「熱可塑性材料」およびこれに同類の用語は、軟化点および融点を有し、例えば活性水素基といった化学的な反応基とイソシアネート基を含まない基との間の共有結合を招く3次元架橋ネットワークを実質的に含まないプラスチック材料を意味する。熱可塑性混合物に含まれる熱可塑性材料の具体例は、以下に限定されるわけでないが、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレア、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ポリアミドイミド、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリカーボネート、熱可塑性ポリサルフォン、熱可塑性ポリケトン、熱可塑性ポリオレフィン、熱可塑性メタクリル酸、熱可塑性アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、熱可塑性スチレン−アクリロニトリル、熱可塑性アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸およびこれらの組み合わせ(例えば少なくとも2つのブレンド、および/または、アロイ)を含む。
【0114】
本発明に係る実施形態において、各熱可塑性混合物の熱可塑性材料はどのような場合でも熱可塑性ポリオレフィンから独立して選択される。実施形態および請求の範囲で用いられるように、用語「ポリオレフィン」並びに同類の用語「ポリアルキレン」および「熱可塑性ポリオレフィン」は、ポリオレフィン単独重合体、ポリオレフィン共重合体、均質なポリオレフィン、および/または、不均一なポリオレフィンを意味する。図示にあたって、ポリオレフィン共重合体の具体例は、例えば1−ブテン、1−ヘキセン、および/または、1−オクテンなどの、エチレンおよび少なくとも1以上の炭素数3〜12のアルファ−オレフィンから形成されるものを含む。
【0115】
各熱可塑性混合物の熱可塑性材料、すなわち、ポリオレフィンはどんな場合でも、不均一なポリオレフィン、均質なポリオレフィン、および、その組み合わせ、これらに限定されるわけではないが、から独立して選択されればよい。用語「不均一なポリオレフィン」および同類の用語は:(i)個体の重合体鎖の間の分子量(すなわち、3より大きい、または、3と同等の多分散性指数)において;および、(ii)個体の重合体鎖の間の単量体残基分布(共重合体の場合)において、比較的に多様性を有するポリオレフィンを意味する。用語「多分散性指数」(PDI)はMw/Mnの比率を意味する。Mwは重量平均分子量を意味し、Mnは数平均分子量を意味し、それぞれ、ポリエチレン標準といった最適な標準を用いるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって決定される。不均一なポリオレフィンは通常、不均一相におけるチーグラーナッタ触媒作用によって形成される。
【0116】
用語「均質なポリオレフィン」および同類の用語は:(i)個体の重合体鎖の間の分子量(すなわち、3より小さい多分散性指数)において;および、(ii)個体の重合体鎖の間の単量体残基分布(共重合体の場合)において、比較的に狭い多様性を有するポリオレフィンを意味する。不均一なポリオレフィンと対比して、均質なポリオレフィンは、個体の重合体鎖の間で似たような鎖長、重合体鎖のバックボーンの間の単量体残基で比較的に同等な分布、および、重合体鎖のバックボーンの間の単量体残基で比較的に似たような分布を有する。均質なポリオレフィンは通常、単点、メタロセン、または、拘束幾何触媒作用によって形成される。均質なポリオレフィン共重合体の単量体残基分布は、組成分布幅指数(CDBI)値によって特徴づけられる。組成分布幅指数値は、共重合用単量体メジアン総モル含有量の50%範囲内の共重合用単量体残基を有する重合体分子の重量%として規定される。ポリオレフィン単独重合体は100%のCDBI値を有する。例えば、均質なポリエチレン/アルファオレフィン共重合体は通常60%より大きい、または、70%より大きいCDBI値を有する。組成分布幅指数値は、当分野で認められた技術、例えばワイルド(Wild)他のJournal of Polymer Science、Poly. Phys. Ed.、Vol.20、441頁(1982年)や米国特許第4,798,081号明細書、米国特許第5,089,321号明細書で説明されるように、昇温溶離分別法(TREF)によって決定されればよい。均質なエチレン/アルファオレフィン共重合体の具体例は、ノバ(NOVA)ケミカルズインコーポレーテッド社から販売されているSURPASS(商標)といったポリエチレンである。
【0117】
各熱可塑性混合物の熱可塑性材料は、例えばガラス繊維、ガラスビード、炭素繊維、金属フレーク、金属繊維、ポリアミド繊維(例えばケブラー(商標)ポリアミド繊維)、セルロース繊維、ナノ粒子、タルク、および、それらの混合物から選択される強化材料を独立して任意に含んでもよい。含まれる場合には、強化材料は通常、熱可塑性材料の総重量に対して、例えば5重量%〜60重量%、または、5重量%〜70重量%の補強量で含まれればよい。強化繊維、および、特にガラス繊維は、当業者に既知のように、それらが組み込まれる熱可塑性材料への混和性および/または密着性を高めるために、繊維の表面に表面処理材料を有する。
【0118】
本発明に係る実施形態において、強化材料は繊維(例えばガラス繊維、炭素繊維、金蔵繊維、ポリアミド繊維、セルロース繊維、および、それらの2つ以上の組み合わせ)の形状を有する。繊維は通常、0.5インチ〜4インチ(1.27cm〜10.16cm)の長さ(例えば平均長さ)を有する。熱可塑性シートは、熱可塑性シートを形成する供給材料内に配置される繊維の長さの少なくとも50%または85%の長さ、例えば0.25インチ〜2インチまたは0.25インチ〜4インチ(0.64cm〜5.08cmまたは0.64cm〜10.16cm)の長さを有する繊維を備える。当分野で認められる方法に従って、熱可塑性シート内に配置される繊維の平均長さは決定される。例えば、熱可塑性シートは、当業者に既知のように、熱可塑性材料、および、その平均長さを決定するために顕微鏡観察で分析される残存したまたは残余の繊維を取り除くために熱分解されてもよい。
【0119】
繊維は通常、熱可塑性混合物内、および、したがって熱可塑性シート292内に、熱可塑性シート292の総重量(すなわち、熱可塑性材料、繊維および接着剤の重量)に対して、5重量%〜70重量%、10重量%〜60重量%、または、30重量%〜50重量%(例えば40重量%)から独立して選択される量で配置される。したがって、本発明に係る方法によって形成される形作られた熱可塑性シート292は、熱可塑性シート292の総重量に対して、5重量%〜70重量%、10重量%〜60重量%、または、30重量%〜50重量%(例えば40重量%)から独立して選択される量で含まれる。
【0120】
繊維は広い範囲の直径を有すればよい。通常、繊維は、1μm〜20μmの直径を有し、または、さらに通常は1μm〜9μmの直径を有する。一般的に、各繊維は10,000本〜20,000本の単繊維の束から構成される。
【0121】
通常、繊維は熱可塑性シート292の熱可塑性材料の至るところに不規則に配置される。繊維と熱可塑性材料との混合の間、繊維は一般的に、少なくとも繊維束ごとに少なくとも5本の繊維、好ましくは繊維束ごとに10本より少ない繊維を備える繊維束を形成する。理論に拘束される意図はないものの、手近な証拠に基づけば、10本以上の繊維を備える繊維束は、望ましくない構造強度の低い成型品(形作られた熱可塑性シート)を形成してしまう。束ごとに10本以上の繊維を備える繊維束の標準は、成型品内に存在する組み合わせの差異の特定により計測されればよい。束ごとに10本以上の繊維を備える繊維束の数は通常、顕微鏡観察で観察されうる繊維(通常は少なくとも1000本)の総数に対して、成型品の断面の顕微鏡観察評価によって特定される。組み合わせの差異は、次の方程式:100×((10本以上の繊維を備える束の数)/(観察された繊維の総数))を用いて計算される。一般的に、加熱された熱可塑性シート292および形作られた熱可塑性シート292はそれぞれ60%より低いまたは60%と同等の組み合わせの差異を有し、通常は35%より低いまたは35%と同等の組み合わせの差異を有する。
【0122】
強化材料に加えてまたは代替案として、加熱された熱可塑性シート292を形成する熱可塑性混合物は少なくとも1以上の混和剤を任意に含んでもよい。熱可塑性混合部内に配置され得る混和剤は、これに限定されるわけではないが、酸化防止剤、例えば顔料および/または染料といった塗料、離型剤、例えば炭化カルシウムといった充填剤、紫外線吸収剤、難燃剤、および、それらの混合物を含む。混和剤は、機能的に十分な量、例えば熱可塑性混合物の総重量に対して独立して0.1重量%〜10重量%の量で熱可塑性混合物内に含まれればよい。
【0123】
本発明に係る方法において、加熱された熱可塑性シート292がガラス転移温度(g)にあり、かつ、融点(m)より低い温度である間、加熱された熱可塑性シート292は、第1型部11の周縁17から遠ざかるシート保持器148の横方向移動によって長さ方向および/または幅方向に引き伸ばされてもよい。引き伸ばし作業(例えば熱可塑性シート292の温度がTg<T(sheet)<Tm)の間、固体状態にある熱可塑性シートの重合体分子が引き伸ばし方向に配向される結果、引き伸ばし方向に沿って物理的性質(例えば圧縮強さ)が向上または増大する。こうして、本発明に係る方法に従って形成される形作られた熱可塑性シート292は(重合体分子に対して)単軸または双軸で配向を示す。加えて、熱可塑性混合物が例えばガラス繊維などの繊維を含む場合、第1型部11の周縁17から遠ざかるシート保持器148の横方向移動によって長さ方向および/または幅方向に加熱された熱可塑性シート292(例えばTg<T(sheet)<Tmの条件の下で)を引き伸ばすと、繊維が単軸または双軸に配向される結果、引き伸ばし方向に沿って形作られた熱可塑性シート292の物理的性質を向上または増大させる。従って、本発明に係る方法に従って形作られる熱可塑性シート292は代替的にまたは追加として単軸または双軸で繊維の配向を示す。
【0124】
本発明に係る方法の実施形態において、加熱された熱可塑性シート292は、少なくとも2層の熱可塑性層を有する加熱された熱可塑性シート292であり、したがって、形作られた熱可塑性シート292は形作られた多層熱可塑性シートである。各熱可塑性層は別個の熱可塑性混合物または同一の熱可塑性混合物から形成されればよい。例えば各熱可塑性混合物は、溶融混合されて、当分野で認められた方法に従って多層シートダイに別個にそれぞれ供給される別個の溶融状態の熱可塑性混合物を形成する。多層シートダイは、供給される溶融状態の熱可塑性混合物から加熱された多層熱可塑性シートを形成する。
【0125】
本発明に係る方法に従って形成される形作られた熱可塑性シート292(または成型品)は、複合3次元形状、または、例えばパネル(壁パネルや壁パネルカバー)などの比較的に単純な形状を有してもよい。本発明に係る方法により形成される成型品は、これに限定されるわけではないが:例えば流体/水処理チャンバ、暴風雨水/汚水チャンバ、雨水管および排水路などの流体処理構造;支持構造すなわち基台(例えばパレット);およびシェルター(例えば犬や猫などの室内ペット用の住処)を含む。
【0126】
さらなる図示の目的のために、本発明に係る方法およびシート成形装置1は、流体処理構造(例えば流体/水処理チャンバおよび暴風雨水/汚水チャンバ)などの形作られた製品の製造/成形に用いられればよい。暴風雨水/汚水チャンバなどの流体処理構造は通常、多孔性媒体内に埋められ、さらに通常は地面または土壌の下(例えば土壌、泥、および/または、団粒材料の下)に配置され、(雨水/汚水などの)流去水を集めて迂回させることができる。こうして地面上および/または地面の上方の流去水の水たまりを回避または低減させる。暴風雨水/汚水チャンバなどの流体処理構造は通常、(例えば大型自動車両が通る)地面の下に埋められることから、流体処理構造は、地面にのしかかる重量や任意の往来による破壊に耐えうるように構造的にかつ寸法的に堅固でなければならない。
【0127】
本発明に係る方法および装置を用いて製造される暴風雨水チャンバなどの流体処理構造は通常、縦軸と、形作られた断面を有するアーチと、第1ベース側フランジと、第2ベース側フランジと、第1ベース側フランジから第2ベース側フランジに延びる膨らんだ横方向アーチを形作る多数のリブと、第1ベース側フランジから第2ベース側フランジに延びる連続した横方向アーチを形作る多数の窪みと、開放底と、外部表面と、内側表面とを有するハウジングを備える。各連続した横方向の窪みは、相互に隣接する膨らんだ横方向リブの対同士の間に配置される。流体処理構造は通常、外部表面および内側表面を有する第1末端板と、外部正面および内側表面を有する第2末端板とを備える。流体処理構造は、第1末端板および/または第2末端板を任意で備えなくてもよい。ハウジング、第1末端板および第2末端板はともに、連続した一体の構造(すなわち、連続した一体の成形流体処理構造)を規定する。各ハウジングの外部表面、第1末端板および第2末端板はいずれの場合も、(流体処理構造が成形される)加熱された熱可塑性シート292の第1面295で規定される。各ハウジングの内部表面、第1末端板および第2末端板はいずれの場合も、(流体処理構造が成形される)加熱された熱可塑性シート292の第2面298で規定される。各ハウジングの内部表面、第1末端板および第2末端板はともに流体処理構造の内部チャンバを規定する。
【0128】
第1末端板および第2末端板はそれぞれ独立して、内側チャンバに流体を伝達する少なくとも1つの開口を有する。開口は、末端板のどこにでも(例えば末端板の上側、中央側、および/または、下側)に配置されればよい。実施形態では、第1末端板は、内側チャンバに流体を伝達する第1開口を有し、内側チャンバは、ハウジングの開放底に連続する開放底を有する。同様に実施形態において、第2末端板は、内側チャンバに流体を伝達する第2開口を有し、内側チャンバは、ハウジングの開放底に連続する開放底を有する。
【0129】
本発明に係る方法およびシート成形装置1は、それによって製造される流体処理構造などの形作られた製品の様々な部品の壁厚を制御する。例えば流体処理構造のハウジング、第1末端板および第2末端板はそれぞれ実質的に同じ壁厚を有する。すなわち、ハウジング、第1末端板および第2末端板は、±10%より小さいまたは±10%と同等の(例えば5.1mm(0.2インチ)の壁厚の±10%、すなわち、4.59mm〜5.61mmの)壁厚の変化、好ましくは±5%の壁厚の変化(壁厚変化値)を有する。代替案として、流体処理構造のハウジング、第1末端板および第2末端板はそれぞれ異なる壁厚を有してもよい(例えばハウジングが、実質的に同じ壁圧を有する第1末端板および第2末端板のそれぞれの壁厚より大きい壁厚を有する)。
【0130】
説明の目的のため、図16および図17を参照し、本発明に係る方法およびシート成形装置1を用いて製造される流体処理構造400(例えば暴風雨水/汚水チャンバ400)が図示される。特に、流体処理構造400は、前述される方法および装置に従って加熱された熱可塑性シート292から製造される。流体処理構造400は、縦軸406を有するハウジング(または本体)403を備える。ハウジング403は、縦軸406に直交するアーチ形状の幾何学断面409を有する。ハウジング403は、第1ベース側フランジ412と、第2ベース側フランジ415とをさらに備える。各第1および第2ベース側フランジ412、415は、ハウジング403から横方向に外側に延び、縦軸406に実質的に平行であり、結果的に、対向する第1および第2ベース側フランジ(412、415)を形成する。ハウジング403は、第1ベース側フランジから第2ベース側フランジ(412〜415)まで延びる膨らんだ実質的に連続した多数の横方向リブ418と、第1ベース側フランジから第2ベース側フランジ(412〜415)まで延びる連続した多数の横方向窪み(谷)421とを備える。各連続した横方向窪み421は、相互に隣接する膨らんだ横方向リブ418の対(例えば図16の膨らんだ横方向リブ424の隣接する対)の間に配置される。膨らんだ横方向リブ418および横方向窪み421は:相互に実質的に平行であり;および、いずれの場合でも縦軸406に実質的に直交する方向に延びる。ハウジング403は、開放底427と、外部表面430と、内部表面433とを備える。
【0131】
流体処理構造400はさらに:外側表面439および内側表面442(図では視認できず)を有する第1末端板436;および、外側表面448(図では視認できず)および内側表面451を有する第2末端板445をさらに備える。ハウジング403、第1末端板436および第2末端板445はともに実質的に連続した一体の構造(すなわち、実質的に連続した一体の流体処理構造400)を規定する。第1末端板436は、そこから横方向に外側に延びる第1末端板ベースフランジ454を任意で有してもよい。第2末端板445は、そこから横方向に外側に延びる第2末端板ベースフランジ457を任意で有してもよい。第1末端板ベースフランジ454および第2末端板ベースフランジ457はそれぞれ、ハウジング403の第1ベース側フランジ412および第2ベース側フランジ415のそれぞれに実質的に連続する。
【0132】
実施形態において、構造400の第1端および/または第2端が開口する場合、流体処理構造400は第1末端板436および第2末端板445を備えなくてもよい。第1末端板436および第2末端板445の両方がない場合、流体処理構造400はハウジング403から構成され、かつ、流体処理構造400の第1端および第2端はそれぞれ開放される。
【0133】
ハウジング403の外部表面430、第1末端板436の外側表面439および第2末端板445の外側表面448はいずれの場合にも熱可塑性シート292の第1面295で規定される。
【0134】
ハウジング403の内側表面433、第1末端板436の内側表面442および第2末端板445の内側表面451はいずれの場合にも熱可塑性シート292の第2面298で規定される。例えば図17を参照されたい。加えて、ハウジング403の内側表面433、第1末端板436の内側表面442および第2末端板445の内側表面451はともに流体処理構造400の内側チャンバ460(図17)を規定する。
【0135】
第1末端板436は、内側チャンバ460に流体を伝達する第1開口463を有する。第1末端板436の第1開口463は、ハウジング403の開放底427に連続する開放底466を有する。第2末端板445は、内側チャンバ460に流体を伝達する第2開口469を有する。第2末端板445の第2開口469は、ハウジング403の開放底427に連続する開放底472を有する。末端板の第1開口463および第2開口469は、内側チャンバ460内へおよび内側チャンバ460から外側に水などの流体を通過させることができる。加えて、第1開口および/または第2開口(463、469)は、管(図示せず)などの最適な手段によって隣接する流体処理構造(図示せず)の第1開口および/または第2開口に接続されればよい。代替案として、第1開口または第2開口(463、469)のいずれかには、特に流体処理構造が末端の流体処理構造である場合に蓋が取り付けられればよい。
【0136】
開放底(例えば466、472)を有する開口(例えば463、469)に加えて、または、その代替案として、第1および第2末端板はそれぞれ、内側チャンバ460に流体を伝達する開口を独立して有してもよいが、ハウジング403の開放底427に連続する開放底(例えば466、472)を備えなくてもよい。第1末端板436が切り抜きの任意の蓋481を有する結果、第1末端板436は、内側チャンバ460に流体を伝達する開口(図示せず)を有してもよいが、開放底427に連続した開放底を有しなくてもよい。第2末端板445は蓋481に同種の任意の蓋(図では視認できず)を有する。
【0137】
流体処理構造400内におよび/または流体処理構造400の外に水などの流体をさらに効率よく収集および/または排出するために、ハウジング403は多数の孔475をさらに備えてもよい。孔475は、膨らんだ横方向リブ418および/または連続した横方向窪み421内にあってもよい。図に示されるように、ハウジング403の孔475は連続した横方向窪み421内に配置される(膨らんだ横方向リブ418には孔475は形成されない)。孔475は、構造400が埋められる周囲の媒体(例えば土壌)から内側チャンバ460内に水などの流体を通過させて内側チャンバ460内に集めることができ、集められた流体は第1末端板開口463および/または第2末端板開口469を通って外側に排出されることができる。代替案として、または、前述に加えて、孔475は、内側チャンバ460から、構造400が埋められる周囲の媒体(例えば土壌)に水などの流体を排出することができる。加えて、水などの流体は、ハウジング403の開放底427を通過して内側チャンバ460に流入し、第1末端板開口463および/または第2末端板開口469および/または孔475を通って排出される。孔475は、加熱された熱可塑性シート292から流体処理構造400を成形する間に形成されればよく、または、成形後の工程(例えば成形後のドリル工程または穴あけ工程)で形成されてもよい。
【0138】
流体処理構造のハウジングは、検査口構造などの追加の成形時の特徴を有して製造されてもよい。流体処理構造400のハウジング403は(ハウジング403の頂上または頂点に配置される)検査口構造478を有する。検査口構造478は、流体処理構造の構造的および/または寸法的に完全であることに欠陥を生じさせることなく流体処理構造400が地下に埋められた後に、ハウジング403の内側チャンバ460にアクセスして検査する手段を提供する。例えば、地下に構造を埋めた後に構造に覆い被さる土壌の一部が除去されると、検査口構造478が露出する。検査口構造478は、切って開けられ(通常は部分的に切って開けられ、かつ、引き抜かれ、または、引き戻され)ればよく、内側チャンバ460にアクセスし、内側チャンバ460を視覚的に検査することができる。内側チャンバ460の視覚的な検査が完了した後、検査口構造478は最適な手段(例えば電子加熱および/または高周波溶接、および/または、接着剤)で密閉され、土壌材料で再び覆われる。
【0139】
本発明は、特定の実施形態の特定の詳細に関して説明された。こうした詳細は、添付の請求の範囲に含まれる範囲および限度において、発明の範囲を限定するものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成型品の形成方法において:
(a)成形装置であって、
(i)輪郭および多数の貫通孔を有する内側成形面、および、周縁を有する第1型部と、
(ii)前記第1型部の前記周縁の少なくとも一部を取り囲み、上側面を有し、前記第1型部との間で相互に逆進可能に垂直方向に位置決め自在のフレームと、
(iii)逆進可能に閉じ自在のクランプ部材と、前記クランプ部材の一部に規定されるクランプ内側とを備えつつ前記第1型部の前記周縁に面するクランプ部を有し、前記フレームの前記上側面に独立して逆進可能に横方向に取り付けられて、前記周縁に対して逆進可能に横方向に前記クランプ部を位置決め自在にする少なくとも1つのシート保持器と、を備える成形装置を用意する工程と;
(b)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記周縁の上方に前記フレームの前記上側面を配置する工程と;
(c)前記クランプ内側へアクセスできるように各前記シート保持器の前記クランプ部材を開き位置に位置決めする工程と;
(d)少なくとも1つの熱可塑性混合物から、熱成形が可能な温度を有し第1面および第2面を有する加熱された熱可塑性シートを形成する工程と;
(e)少なくとも1つのシート保持器のクランプ内側に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の第1部分を接触させる工程と;
(f)前記シート保持器の前記クランプ部材を閉じ位置に位置決めして、前記加熱された熱可塑性シートの前記第1部分を前記クランプ内側内にクランプして保持する工程と;
(g)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記第1型部の前記内側成形面の少なくとも一部に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の第2部分を接触させる工程と;
(h)前記周縁に近づく位置、前記周縁から遠ざかる位置、および、それらを組み合わせた位置から構成される群から選択される横方向位置まで横方向に少なくとも1つの前記シート保持器を移動させる工程であって、前記シート保持器の横方向移動により、前記第1型部の前記内側成形面に接触する前記加熱された熱可塑性シートの前記第2部分の少なくとも一部の厚さが制御される工程と;
(i)前記第1型部の前記内側成形面の多数の前記貫通孔を通じて減圧をかけて、前記第1型部の前記内側成形面の前記輪郭に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を実質的に合わせ込む工程と;
(j)前記加熱された熱可塑性シートを冷却して、前記第1型部の前記内側成形面の前記輪郭を保持する形作られた熱可塑性シートを形成する工程と;および、
(k)前記第1型部から前記形作られた熱可塑性シートを取り外す工程とを備え、前記形作られた熱可塑性シートは前記成型品であることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
前記第1型部は垂直方向の位置決めに対して実質的に不動に位置決めされ、前記フレームは逆進可能に制御自在に垂直方向に位置決め自在で、
前記フレームが前記第1型部に対して逆進可能に制御自在に垂直方向に位置決めされると、前記第1型部の前記内側成形面の少なくとも一部に前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を接触させることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項3】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、前記成形装置は少なくとも2つのシート保持器を備えることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項4】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
前記シート保持器は、上側面、下側面および前側部を有するベース板をさらに備え、
前記クランプ部材は前記ベース板の前記前側部の上側面に蝶番で取り付けられ、前記クランプ部材および前記ベース板の前記前側部は前記シート保持器の前記クランプ部を規定し、前記前側部の上側面および前記クランプ部材の内側面は共に前記クランプ内側を規定し、
前記ベース板の前記下側面の少なくとも一部は前記フレームの前記上側面にスライド接合することを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項5】
請求項4に記載の成型品の形成方法において、
前記シート保持器は、第1端および第2端を有し、逆進可能に直線的に伸展自在の第1直線アクチュエータをさらに備え、前記ベース板は長孔および後側部をさらに備え、
前記第1直線アクチュエータの前記第1端は、前記長孔内に配置されて、前記フレームの上側面に固定され、前記第1直線アクチュエータの前記第2端は前記ベース板の前記後側部の上側面に固定され、
前記第1直線アクチュエータが逆進可能に直線伸展すると、前記第1型部の前記周縁に対して前記シート保持器は逆進可能に横方向移動することを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項6】
請求項5に記載の成型品の形成方法において、
前記シート保持器は、第1端および第2端を有し、逆進可能に直線的に伸展自在の第2直線アクチュエータをさらに備え、
前記第2直線アクチュエータの第1端は前記クランプ部材の外側表面に旋回自在に取り付けられ、前記第2直線アクチュエータの第2端は前記ベース板の前記後側部の上側面に取り付けられ、
前記第2直線アクチュエータが逆進可能に直線伸展すると、前記クランプ部材は逆進可能に閉じられることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項7】
請求項4に記載の成型品の形成方法において、前記シート保持器の前記ベース板は、前記ベース板の前記前側部内に延びる少なくとも1つの閉じた通路をさらに備え、前記閉じた通路は、熱交換流体を通過させる寸法を有し、これにより前記シート保持器の前記クランプ部の少なくとも一部の温度制御が提供されることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項8】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
前記熱可塑性シートは、前記加熱された熱可塑性シートの前記第1面および前記第2面の間に挟み込まれる内側部を有し、
前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第1部分が、少なくとも1つの前記シート保持器のクランプ内側に接触する際、および、
前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分が、前記第1型部の前記内側成形面に引き寄せられる際、
前記加熱された熱可塑性シートの前記温度は、前記加熱された熱可塑性シートの前記第1面、前記内側面および前記第2面を通して実質的に均一であることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項9】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
シートダイと流体接続する終端を有する押出成形機内で前記熱可塑性混合物を溶融させて溶融状態の熱可塑性混合物を形成する工程と、
前記溶融状態の熱可塑性混合物を前記シートダイに通過させて、前記加熱された熱可塑性シートを形成する工程とをさらに備えることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項10】
請求項9に記載の成型品の形成方法において、
前記シート保持器の前記クランプ内側に前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第1部分を接触させる工程は、前記加熱された熱可塑性シートのネッキングに先立って実施され、
さらに、前記シート保持器の前記クランプ内側内に前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第1部分を保持する工程により、前記加熱された熱可塑性シートのネッキングが実質的に防がれることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項11】
請求項9に記載の成型品の形成方法において、
前記第1型部および前記フレームは、実質的に不動である前記シートダイの下側の平面内で共に移動し、
前記方法は、前記加熱された熱可塑性シートが形成される際に、前記シートダイの下側の前記平面内で前記第1型部および前記フレームを共に移動させて、前記加熱された熱可塑性シートおよび前記シート保持器の前記クランプ内側の間の接触を促進する工程をさらに備えることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項12】
請求項9に記載の成型品の形成方法にがさらに、
(g)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記第1型部の前記内側成形面の少なくとも一部に前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を接触させる工程に先立って、工程と同時に、および、工程の後のいずれかに、
前記シートダイから前記加熱された熱可塑性シートを取り外す工程を備えることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項13】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
前記成形装置は、内側成形面を有する第2型部をさらに備え、
前記方法がさらに、、 前記熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を前記第1型部の前記内側成形面に引き寄せて接触させた後であって、
前記加熱された熱可塑性シートの冷却の前に、
前記加熱された熱可塑性シートの前記第1面に前記第2型部の前記内側成形面を押し付けつつ接触させる工程を備えることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項14】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
(h)前記横方向位置に少なくとも1つのシート保持器を横方向に移動させる工程は、
(g)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記第1型部の前記内側成形面の少なくとも一部に前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を接触させる工程に先だって、工程と実質的に同時に、および、工程の後、の少なくともいずれかに実施されることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項15】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
(h)前記横方向位置に少なくとも1つのシート保持器を横方向に移動させる工程は、
(g)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記第1型部の前記内側成形面の少なくとも一部に前記加熱された熱可塑性シートの第2面の前記第2部分を接触させる工程と実質的に同時に実施されることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項16】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
(i)前記第1型部の前記内側成形面の多数の前記貫通孔を通じて減圧をかけて、前記第1型部の前記内側成形面の前記輪郭に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を実質的に合わせ込む工程は、
(h)前記横方向位置に少なくとも1つのシート保持器を横方向に移動させる工程と同時に、および、連続的に後に、のいずれかに実施されることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項17】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
前記第1型部の前記周縁に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の第3部分を接触させて、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第3部分および前記周縁の間にシールを形成する工程をさらに備え、その後、連続的に、
(i)前記第1型部の前記内側成形面の多数の前記貫通孔を通じて減圧をかけて、前記第1型部の前記内側成形面の前記輪郭に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を実質的に合わせ込む工程を実施することを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項18】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
第1面、および、熱可塑性フィルム層で規定される第2面を有する連続したフィルム片を用意する工程と、
前記加熱された熱可塑性シートが形成される際に前記加熱された熱可塑性シートの前記第1面の一部に前記連続したフィルム片を連続的にあてがって、前記連続したフィルム片の前記第2面および前記加熱された熱可塑性シートの前記第1面の前記一部をともに融合させる工程とをさらに備え、
(g)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記第1型部の前記内側成形面の少なくとも一部に前記加熱された熱可塑性シートの第2面の前記第2部分を接触させる工程に先だって、前記加熱された熱可塑性シートが形成される際に、前記連続したフィルム片の前記第2面は前記加熱された熱可塑性シートの前記第1面にあてがわれることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項19】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、各熱可塑性混合物は、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレア、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ポリアミドイミド、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリカーボネート、熱可塑性ポリサルフォン、熱可塑性ポリケトン、熱可塑性ポリオレフィン、熱可塑性メタクリル酸、熱可塑性アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、熱可塑性スチレン−アクリロニトリル、熱可塑性アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸およびこれらの組み合わせから構成される群から独立して選択される熱可塑性材料を含むことを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項20】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、各熱可塑性混合物は、ガラス繊維、ガラスビード、炭素繊維、金属フレーク、金属繊維、ポリアミド繊維、セルロース繊維、ナノ粒子クレイ、タルク、および、これらの組み合わせから構成される群から独立して選択される強化材料を含むことを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項21】
請求項20に記載の成型品の形成方法において、前記強化材料は、1.27cm〜10.16cmの長さを有するガラス繊維から選択されることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項22】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、前記加熱された熱可塑性シートは、少なくとも2層の熱可塑性層を備える加熱された多層熱可塑性シートであることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項23】
(a)輪郭および多数の貫通孔を有する内側成形面、および、周縁を有する第1型部と、
(b)前記第1型部の前記周縁の少なくとも一部を取り囲み、上側面を有し、前記第1型部との間で相互に逆進可能に垂直方向に位置決め自在のフレームと、
(c)逆進可能に閉じ自在のクランプ部材と、前記クランプ部材の一部に規定されるクランプ内側とを備えつつ前記第1型部の前記周縁の方に面するクランプ部を有し、前記フレームの前記上側面に独立して逆進可能に横方向に取り付けられて、前記周縁に対して逆進可能に横方向に前記クランプ部を位置決め自在にする少なくとも1つのシート保持器と、
(d)前記第1型部に流体接続され、前記第1型部の前記内側成形面の多数の前記貫通孔を通じて減圧を制御自在にかける真空装置とを備え、
前記シート保持器の前記クランプ部の前記クランプ内側は、前記クランプ部材が閉じ位置に位置決めされる際に、加熱された熱可塑性シートの第2面の第1部分を受け入れて保持する寸法を有し、
前記シート保持器が前記クランプ部材内に保持される前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第1部分と共に逆進可能に横方向に移動すると、前記第1型部に接触する前記熱可塑性シートの第2部分の少なくとも一部の厚さが制御されることを特徴とするシート成形装置。
【請求項24】
請求項23に記載のシート成形装置において、
前記シート保持器は、上側面、下側面および前側部を有するベース板をさらに備え、
前記クランプ部材は前記ベース板の前記前側部の上側面に蝶番で取り付けられ、前記クランプ部材および前記ベース板の前記前側部は共に前記シート保持器の前記クランプ部を規定し、前記前側部の上側面および前記クランプ部材の内側面は共に前記クランプ内側を規定し、
前記ベース板の前記下側面の少なくとも一部は前記フレームの前記上側面にスライド接合することを特徴とするシート成形装置。
【請求項25】
請求項24に記載のシート成形装置において、
前記シート保持器は、第1端および第2端を有し、逆進可能に直線的に伸展自在の第1直線アクチュエータと、第1端および第2端を有し、逆進可能に直線的に伸展自在の第2直線アクチュエータとをさらに備え、前記ベース板は長孔および後側部をさらに備え、
前記第1直線アクチュエータの前記第1端は、前記長孔内に配置されて前記フレームの上側面に固定され、前記第1直線アクチュエータの前記第2端は前記ベース板の前記後側部の上側面に固定され、
前記第1直線アクチュエータが逆進可能に直線伸展すると、前記第1型部の前記周縁に対して前記シート保持器が逆進可能に横方向移動し、
前記第2直線アクチュエータの前記第1端は前記クランプ部材の外側表面に旋回自在に取り付けられ、前記第2直線アクチュエータの前記第2端は前記ベース板の前記後側部の上側面に取り付けられ、
前記第2直線アクチュエータが逆進可能に直線伸展すると、前記クランプ部材は逆進可能に閉じられることを特徴とするシート成形装置。
【請求項26】
請求項1に記載の方法で用意される流体処理構造であって、当該流体処理構造は、
縦軸、アーチ形状の断面、第1ベース側フランジ、第2ベース側フランジ、前記第1ベース側フランジから前記第2ベース側フランジまで延びる膨らんだ複数の横方向リブ、前記第1ベース側フランジから前記第2ベース側フランジまで延び、隣り合う膨らんだリブ同士の間に配置される連続した複数の横方向窪み、開放底、外側表面、および、内側表面を有するハウジングと、
外側表面および内側表面を有する第1末端板と、
外側表面および内側表面を有する第2末端板とを備え、
前記ハウジング、前記第1末端板および前記第2末端板は共に連続した一体的構造を規定し、
前記ハウジングの前記外側表面、前記第1末端板の前記外側表面および前記第2末端板の前記外側表面はそれぞれ、加熱された熱可塑性シートの前記第1面で規定され、
前記ハウジングの前記内側表面、前記第1末端板の前記内側表面および前記第2末端板の前記内側表面はそれぞれ、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面で規定され、
前記ハウジングの前記内側表面、前記第1末端板の前記内側表面および前記第2末端板の前記内側表面は共に内側チャンバを規定し、
前記第1末端板は、前記内側チャンバに流体接続する第1開口を有し、
前記第2末端板は、前記内側チャンバに流体接続する第2開口を有し、
さらに、前記ハウジングはハウジング壁厚を有し、前記第1末端板は第1末端板壁厚を有し、前記第2末端板は第2末端板壁厚を有し、前記ハウジング壁厚、前記第1末端板壁厚および前記第2末端板壁厚は実質的に同一であることを特徴とする流体処理構造。
【請求項27】
請求項26に記載の流体処理構造において、前記ハウジング壁厚、前記第1末端板壁厚および前記第2末端板壁厚は、±10%より小さいか等しい壁厚変化値を有することを特徴とする流体処理構造。
【請求項28】
請求項26に記載の流体処理構造において、
前記第1末端板の前記第1開口は、前記ハウジングの前記開放底に連続する開放底を有し、
前記第2末端板の前記第2開口は、前記ハウジングの前記開放底に連続する開放底を有することを特徴とする流体処理構造。
【請求項1】
成型品の形成方法において:
(a)成形装置であって、
(i)輪郭および多数の貫通孔を有する内側成形面、および、周縁を有する第1型部と、
(ii)前記第1型部の前記周縁の少なくとも一部を取り囲み、上側面を有し、前記第1型部との間で相互に逆進可能に垂直方向に位置決め自在のフレームと、
(iii)逆進可能に閉じ自在のクランプ部材と、前記クランプ部材の一部に規定されるクランプ内側とを備えつつ前記第1型部の前記周縁に面するクランプ部を有し、前記フレームの前記上側面に独立して逆進可能に横方向に取り付けられて、前記周縁に対して逆進可能に横方向に前記クランプ部を位置決め自在にする少なくとも1つのシート保持器と、を備える成形装置を用意する工程と;
(b)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記周縁の上方に前記フレームの前記上側面を配置する工程と;
(c)前記クランプ内側へアクセスできるように各前記シート保持器の前記クランプ部材を開き位置に位置決めする工程と;
(d)少なくとも1つの熱可塑性混合物から、熱成形が可能な温度を有し第1面および第2面を有する加熱された熱可塑性シートを形成する工程と;
(e)少なくとも1つのシート保持器のクランプ内側に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の第1部分を接触させる工程と;
(f)前記シート保持器の前記クランプ部材を閉じ位置に位置決めして、前記加熱された熱可塑性シートの前記第1部分を前記クランプ内側内にクランプして保持する工程と;
(g)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記第1型部の前記内側成形面の少なくとも一部に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の第2部分を接触させる工程と;
(h)前記周縁に近づく位置、前記周縁から遠ざかる位置、および、それらを組み合わせた位置から構成される群から選択される横方向位置まで横方向に少なくとも1つの前記シート保持器を移動させる工程であって、前記シート保持器の横方向移動により、前記第1型部の前記内側成形面に接触する前記加熱された熱可塑性シートの前記第2部分の少なくとも一部の厚さが制御される工程と;
(i)前記第1型部の前記内側成形面の多数の前記貫通孔を通じて減圧をかけて、前記第1型部の前記内側成形面の前記輪郭に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を実質的に合わせ込む工程と;
(j)前記加熱された熱可塑性シートを冷却して、前記第1型部の前記内側成形面の前記輪郭を保持する形作られた熱可塑性シートを形成する工程と;および、
(k)前記第1型部から前記形作られた熱可塑性シートを取り外す工程とを備え、前記形作られた熱可塑性シートは前記成型品であることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
前記第1型部は垂直方向の位置決めに対して実質的に不動に位置決めされ、前記フレームは逆進可能に制御自在に垂直方向に位置決め自在で、
前記フレームが前記第1型部に対して逆進可能に制御自在に垂直方向に位置決めされると、前記第1型部の前記内側成形面の少なくとも一部に前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を接触させることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項3】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、前記成形装置は少なくとも2つのシート保持器を備えることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項4】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
前記シート保持器は、上側面、下側面および前側部を有するベース板をさらに備え、
前記クランプ部材は前記ベース板の前記前側部の上側面に蝶番で取り付けられ、前記クランプ部材および前記ベース板の前記前側部は前記シート保持器の前記クランプ部を規定し、前記前側部の上側面および前記クランプ部材の内側面は共に前記クランプ内側を規定し、
前記ベース板の前記下側面の少なくとも一部は前記フレームの前記上側面にスライド接合することを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項5】
請求項4に記載の成型品の形成方法において、
前記シート保持器は、第1端および第2端を有し、逆進可能に直線的に伸展自在の第1直線アクチュエータをさらに備え、前記ベース板は長孔および後側部をさらに備え、
前記第1直線アクチュエータの前記第1端は、前記長孔内に配置されて、前記フレームの上側面に固定され、前記第1直線アクチュエータの前記第2端は前記ベース板の前記後側部の上側面に固定され、
前記第1直線アクチュエータが逆進可能に直線伸展すると、前記第1型部の前記周縁に対して前記シート保持器は逆進可能に横方向移動することを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項6】
請求項5に記載の成型品の形成方法において、
前記シート保持器は、第1端および第2端を有し、逆進可能に直線的に伸展自在の第2直線アクチュエータをさらに備え、
前記第2直線アクチュエータの第1端は前記クランプ部材の外側表面に旋回自在に取り付けられ、前記第2直線アクチュエータの第2端は前記ベース板の前記後側部の上側面に取り付けられ、
前記第2直線アクチュエータが逆進可能に直線伸展すると、前記クランプ部材は逆進可能に閉じられることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項7】
請求項4に記載の成型品の形成方法において、前記シート保持器の前記ベース板は、前記ベース板の前記前側部内に延びる少なくとも1つの閉じた通路をさらに備え、前記閉じた通路は、熱交換流体を通過させる寸法を有し、これにより前記シート保持器の前記クランプ部の少なくとも一部の温度制御が提供されることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項8】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
前記熱可塑性シートは、前記加熱された熱可塑性シートの前記第1面および前記第2面の間に挟み込まれる内側部を有し、
前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第1部分が、少なくとも1つの前記シート保持器のクランプ内側に接触する際、および、
前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分が、前記第1型部の前記内側成形面に引き寄せられる際、
前記加熱された熱可塑性シートの前記温度は、前記加熱された熱可塑性シートの前記第1面、前記内側面および前記第2面を通して実質的に均一であることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項9】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
シートダイと流体接続する終端を有する押出成形機内で前記熱可塑性混合物を溶融させて溶融状態の熱可塑性混合物を形成する工程と、
前記溶融状態の熱可塑性混合物を前記シートダイに通過させて、前記加熱された熱可塑性シートを形成する工程とをさらに備えることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項10】
請求項9に記載の成型品の形成方法において、
前記シート保持器の前記クランプ内側に前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第1部分を接触させる工程は、前記加熱された熱可塑性シートのネッキングに先立って実施され、
さらに、前記シート保持器の前記クランプ内側内に前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第1部分を保持する工程により、前記加熱された熱可塑性シートのネッキングが実質的に防がれることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項11】
請求項9に記載の成型品の形成方法において、
前記第1型部および前記フレームは、実質的に不動である前記シートダイの下側の平面内で共に移動し、
前記方法は、前記加熱された熱可塑性シートが形成される際に、前記シートダイの下側の前記平面内で前記第1型部および前記フレームを共に移動させて、前記加熱された熱可塑性シートおよび前記シート保持器の前記クランプ内側の間の接触を促進する工程をさらに備えることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項12】
請求項9に記載の成型品の形成方法にがさらに、
(g)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記第1型部の前記内側成形面の少なくとも一部に前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を接触させる工程に先立って、工程と同時に、および、工程の後のいずれかに、
前記シートダイから前記加熱された熱可塑性シートを取り外す工程を備えることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項13】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
前記成形装置は、内側成形面を有する第2型部をさらに備え、
前記方法がさらに、、 前記熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を前記第1型部の前記内側成形面に引き寄せて接触させた後であって、
前記加熱された熱可塑性シートの冷却の前に、
前記加熱された熱可塑性シートの前記第1面に前記第2型部の前記内側成形面を押し付けつつ接触させる工程を備えることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項14】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
(h)前記横方向位置に少なくとも1つのシート保持器を横方向に移動させる工程は、
(g)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記第1型部の前記内側成形面の少なくとも一部に前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を接触させる工程に先だって、工程と実質的に同時に、および、工程の後、の少なくともいずれかに実施されることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項15】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
(h)前記横方向位置に少なくとも1つのシート保持器を横方向に移動させる工程は、
(g)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記第1型部の前記内側成形面の少なくとも一部に前記加熱された熱可塑性シートの第2面の前記第2部分を接触させる工程と実質的に同時に実施されることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項16】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
(i)前記第1型部の前記内側成形面の多数の前記貫通孔を通じて減圧をかけて、前記第1型部の前記内側成形面の前記輪郭に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を実質的に合わせ込む工程は、
(h)前記横方向位置に少なくとも1つのシート保持器を横方向に移動させる工程と同時に、および、連続的に後に、のいずれかに実施されることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項17】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
前記第1型部の前記周縁に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の第3部分を接触させて、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第3部分および前記周縁の間にシールを形成する工程をさらに備え、その後、連続的に、
(i)前記第1型部の前記内側成形面の多数の前記貫通孔を通じて減圧をかけて、前記第1型部の前記内側成形面の前記輪郭に、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第2部分を実質的に合わせ込む工程を実施することを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項18】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、
第1面、および、熱可塑性フィルム層で規定される第2面を有する連続したフィルム片を用意する工程と、
前記加熱された熱可塑性シートが形成される際に前記加熱された熱可塑性シートの前記第1面の一部に前記連続したフィルム片を連続的にあてがって、前記連続したフィルム片の前記第2面および前記加熱された熱可塑性シートの前記第1面の前記一部をともに融合させる工程とをさらに備え、
(g)前記第1型部および前記フレームを相互に位置決めして、前記第1型部の前記内側成形面の少なくとも一部に前記加熱された熱可塑性シートの第2面の前記第2部分を接触させる工程に先だって、前記加熱された熱可塑性シートが形成される際に、前記連続したフィルム片の前記第2面は前記加熱された熱可塑性シートの前記第1面にあてがわれることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項19】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、各熱可塑性混合物は、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレア、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ポリアミドイミド、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリカーボネート、熱可塑性ポリサルフォン、熱可塑性ポリケトン、熱可塑性ポリオレフィン、熱可塑性メタクリル酸、熱可塑性アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、熱可塑性スチレン−アクリロニトリル、熱可塑性アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸およびこれらの組み合わせから構成される群から独立して選択される熱可塑性材料を含むことを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項20】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、各熱可塑性混合物は、ガラス繊維、ガラスビード、炭素繊維、金属フレーク、金属繊維、ポリアミド繊維、セルロース繊維、ナノ粒子クレイ、タルク、および、これらの組み合わせから構成される群から独立して選択される強化材料を含むことを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項21】
請求項20に記載の成型品の形成方法において、前記強化材料は、1.27cm〜10.16cmの長さを有するガラス繊維から選択されることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項22】
請求項1に記載の成型品の形成方法において、前記加熱された熱可塑性シートは、少なくとも2層の熱可塑性層を備える加熱された多層熱可塑性シートであることを特徴とする成型品の形成方法。
【請求項23】
(a)輪郭および多数の貫通孔を有する内側成形面、および、周縁を有する第1型部と、
(b)前記第1型部の前記周縁の少なくとも一部を取り囲み、上側面を有し、前記第1型部との間で相互に逆進可能に垂直方向に位置決め自在のフレームと、
(c)逆進可能に閉じ自在のクランプ部材と、前記クランプ部材の一部に規定されるクランプ内側とを備えつつ前記第1型部の前記周縁の方に面するクランプ部を有し、前記フレームの前記上側面に独立して逆進可能に横方向に取り付けられて、前記周縁に対して逆進可能に横方向に前記クランプ部を位置決め自在にする少なくとも1つのシート保持器と、
(d)前記第1型部に流体接続され、前記第1型部の前記内側成形面の多数の前記貫通孔を通じて減圧を制御自在にかける真空装置とを備え、
前記シート保持器の前記クランプ部の前記クランプ内側は、前記クランプ部材が閉じ位置に位置決めされる際に、加熱された熱可塑性シートの第2面の第1部分を受け入れて保持する寸法を有し、
前記シート保持器が前記クランプ部材内に保持される前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面の前記第1部分と共に逆進可能に横方向に移動すると、前記第1型部に接触する前記熱可塑性シートの第2部分の少なくとも一部の厚さが制御されることを特徴とするシート成形装置。
【請求項24】
請求項23に記載のシート成形装置において、
前記シート保持器は、上側面、下側面および前側部を有するベース板をさらに備え、
前記クランプ部材は前記ベース板の前記前側部の上側面に蝶番で取り付けられ、前記クランプ部材および前記ベース板の前記前側部は共に前記シート保持器の前記クランプ部を規定し、前記前側部の上側面および前記クランプ部材の内側面は共に前記クランプ内側を規定し、
前記ベース板の前記下側面の少なくとも一部は前記フレームの前記上側面にスライド接合することを特徴とするシート成形装置。
【請求項25】
請求項24に記載のシート成形装置において、
前記シート保持器は、第1端および第2端を有し、逆進可能に直線的に伸展自在の第1直線アクチュエータと、第1端および第2端を有し、逆進可能に直線的に伸展自在の第2直線アクチュエータとをさらに備え、前記ベース板は長孔および後側部をさらに備え、
前記第1直線アクチュエータの前記第1端は、前記長孔内に配置されて前記フレームの上側面に固定され、前記第1直線アクチュエータの前記第2端は前記ベース板の前記後側部の上側面に固定され、
前記第1直線アクチュエータが逆進可能に直線伸展すると、前記第1型部の前記周縁に対して前記シート保持器が逆進可能に横方向移動し、
前記第2直線アクチュエータの前記第1端は前記クランプ部材の外側表面に旋回自在に取り付けられ、前記第2直線アクチュエータの前記第2端は前記ベース板の前記後側部の上側面に取り付けられ、
前記第2直線アクチュエータが逆進可能に直線伸展すると、前記クランプ部材は逆進可能に閉じられることを特徴とするシート成形装置。
【請求項26】
請求項1に記載の方法で用意される流体処理構造であって、当該流体処理構造は、
縦軸、アーチ形状の断面、第1ベース側フランジ、第2ベース側フランジ、前記第1ベース側フランジから前記第2ベース側フランジまで延びる膨らんだ複数の横方向リブ、前記第1ベース側フランジから前記第2ベース側フランジまで延び、隣り合う膨らんだリブ同士の間に配置される連続した複数の横方向窪み、開放底、外側表面、および、内側表面を有するハウジングと、
外側表面および内側表面を有する第1末端板と、
外側表面および内側表面を有する第2末端板とを備え、
前記ハウジング、前記第1末端板および前記第2末端板は共に連続した一体的構造を規定し、
前記ハウジングの前記外側表面、前記第1末端板の前記外側表面および前記第2末端板の前記外側表面はそれぞれ、加熱された熱可塑性シートの前記第1面で規定され、
前記ハウジングの前記内側表面、前記第1末端板の前記内側表面および前記第2末端板の前記内側表面はそれぞれ、前記加熱された熱可塑性シートの前記第2面で規定され、
前記ハウジングの前記内側表面、前記第1末端板の前記内側表面および前記第2末端板の前記内側表面は共に内側チャンバを規定し、
前記第1末端板は、前記内側チャンバに流体接続する第1開口を有し、
前記第2末端板は、前記内側チャンバに流体接続する第2開口を有し、
さらに、前記ハウジングはハウジング壁厚を有し、前記第1末端板は第1末端板壁厚を有し、前記第2末端板は第2末端板壁厚を有し、前記ハウジング壁厚、前記第1末端板壁厚および前記第2末端板壁厚は実質的に同一であることを特徴とする流体処理構造。
【請求項27】
請求項26に記載の流体処理構造において、前記ハウジング壁厚、前記第1末端板壁厚および前記第2末端板壁厚は、±10%より小さいか等しい壁厚変化値を有することを特徴とする流体処理構造。
【請求項28】
請求項26に記載の流体処理構造において、
前記第1末端板の前記第1開口は、前記ハウジングの前記開放底に連続する開放底を有し、
前記第2末端板の前記第2開口は、前記ハウジングの前記開放底に連続する開放底を有することを特徴とする流体処理構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2010−537864(P2010−537864A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524076(P2010−524076)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/072567
【国際公開番号】WO2009/032473
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(509285768)エルアールエム インダストリーズ インターナショナル,インク. (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/072567
【国際公開番号】WO2009/032473
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(509285768)エルアールエム インダストリーズ インターナショナル,インク. (3)
【Fターム(参考)】
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