説明

成形機

【課題】入力設定された型締力となるように型締力を自動的に設定するための自動増締の運転モードをもつ成形機において、自動増締の完了状態となった後に型厚調整が行われると、自動の成形運転をできなくようにすることで、型開閉系メカニズムの破損防止を図るようにすること。
【解決手段】入力設定された型締力となるように、型締力を自動的に設定するための自動増締の運転モードをもつ成形機において、自動増締によって型締力が設定された後に型厚調整がなされた場合には、自動成形運転を禁止して、再度の自動増締の実行を促すアラーム表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機やダイカストマシンなどの成形機に係り、特に、入力設定された型締力となるように型締力を自動的に設定するための自動増締の運転モードをもつ成形機における、型開閉系メカニズムの破損防止対策にかかわる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動増締の運転モードをもつ成形機においては、金型交換後に、型締力の入力設定用の表示画像において、作業者(オペレータ)が型締力を入力設定した後、自動増締(自動的に型締力を設定する動作)の運転を指示すると、マシン(成形機)全体の制御を司るコントローラが、型締力を自動的に設定する自動増締の運転モードを実行させるようになっている。例えば、型締機構(型開閉機構)にトグルリンク機構を用いている成形機においては、コントローラが、型厚調整用モータを駆動制御することでテールストックを前後進させると共に、型開閉用モータを駆動制御することでトグルリンク機構を伸長/折り畳み駆動して可動ダイプレートを前後進させ、例えば、金型タッチしているが型締力が出ていない状態でトグルリンク機構が伸び切った状態をとらせる。次、この状態から、型開閉用モータを駆動制御することで可動ダイプレートを後退させて、この可動ダイプレートの後退状態において、型厚調整用モータを駆動制御することでテールストックを所定量だけ前進させ、トグルリンク機構に伸び切らせた状態をとらせたときに所定の型締力を得られるようにテールストックの位置を調整し、このときのテールストックの位置を成形運転時の固定位置として保持することで、型締力の設定を行うようになっていた。
【0003】
図4は、トグルリンク機構を用いた射出成形機の型開閉系メカニズムの一般的な構成を示す図である。図4において、51は固設された固定ダイプレート、52は、固定ダイプレート51に搭載された固定側金型、53は、成形運転時には固定位置を保持され、自動増締の運転時や手動による型厚調整時には固定ダイプレート51に対して前後進駆動されるテールストック、54は、成形運転時にはその両端を固定ダイプレート51とテールストック53とにそれぞれ固定された状態となる4本のタイバー、55は、テールストック53に回転可能かつ軸方向移動不能に保持されると共に、テールストック53側に突出したタイバー54のネジ部に螺合されたギヤ付きの型厚調整用ナット、56は、テールストック53に搭載され、適宜の回転伝達機構を介して各型厚調整用ナット55のギヤ部55aに同期して回転を伝える型厚調整用モータ(型厚調整用の減速ギヤ内蔵型電動モータ)、57は、固定ダイプレート51とテールストック53との間で前後進可能な可動ダイプレート、58は、可動ダイプレート57に搭載された可動側金型、59は、テールストック53と可動ダイプレート57を連結したトグルリンク機構、60は、テールストック53に搭載された型開閉用モータ(型開閉用の電動サーボモータ)、61は、型開閉用モータ60の回転を適宜の回転伝達機構を介して伝達されて、回転運動を直線運動に変換するボールネジ機構、62は、テールストック53に図示せぬ軸受けを介して回転可能に保持されたボールネジ機構61のナット体、63は、ナット体62に螺合されてナット体62の回転で直線運動をするボールネジ機構61のネジ軸、64は、ネジ軸63の先端に固定されて、ネジ軸63と一体となって前進または後退することで、トグルリンク機構59に力を伝達するクロスヘッドである。
【0004】
金型交換が行われた後、型締力の入力設定用の表示画像において、作業者(オペレータ)が型締力を入力設定した後、自動増締の運転を指示すると、マシン(射出成形機)全体の制御を司るコントローラが、自動増締の運転モードを実行させる。すなわち、コントローラは、型厚調整用モータ56を適宜に駆動制御して型厚調整用ナット55を回転させることで、テールストック53を前後進させると共に、型開閉用モータ60を適宜に駆動制御してボールネジ機構61を介してトグルリンク機構59を伸長/折り畳み駆動することで、可動ダイプレート57を前後進させ、金型タッチしているが型締力が出ていない状態でトグルリンク機構59が伸び切った状態をとらせる。そして、この状態から、型開閉用モータ60を駆動制御することで可動ダイプレート57を後退させて、この可動ダイプレート57の後退状態において、型厚調整用モータ56を駆動制御することでテールストック53を所定量だけ前進させ、トグルリンク機構59に伸び切らせた状態をとらせたときに所定の型締力を得られるようにテールストック53の位置を調整し、このときのテールストック53の位置を成形運転時の固定位置として保持することで、型締力の設定(確定)を行うようになっていた。
【0005】
なお、上記の自動増締の動作の途上において、コントローラは、記憶している金型交換前の金型の型厚値と、金型タッチしているが型締力が出ていない状態となった際の金型交換前からのテールストック53の移動ストロークと、型開き位置から金型タッチしているが型締力が出ていない状態となるまでの可動ダイプレート57の移動ストロークとから、金型交換後の新たな金型の型厚値を認知して、これを保持するようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
射出成形機やダイカストマシンといった成形機では、手動操作によって型厚調整用モータ56を駆動制御することで、テールストック53を前後進させて型厚調整が行える手動型厚調整モードが設けられている。この手動型厚調整モードは、金型交換時に、金型の厚みの合わせこみを手動操作で行うために設けられているものである。
【0007】
ところが、自動増締が完了した後においても、手動型厚調整モードによって型厚の調整をすることが可能であるため、例えば、試ショットで成形品にバリが発生したので、このバリの発生を抑止するため、自動増締の完了後の状態から、手動型厚調整モードによって型厚調整を行って、無理矢理に型締力のアップを図ることがまま行われているのが、現状であった。このため、マシン(成形機)の型開閉系メカニズムが、許容値(マシンの強度仕様)を超えた型締力で使用されることがあり得て、長時間の成形運転によってタイバー54が破損するなとどといった、重大な事故を招来する要因となっているという指摘があった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、入力設定された型締力となるように型締力を自動的に設定するための自動増締の運転モードをもつ成形機において、自動増締の完了状態となった後に型厚調整が行われると、自動の成形運転をできなくようにすることで、型開閉系メカニズムの破損防止を図るようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記した目的を達成するため、入力設定された型締力となるように、型締力を自動的に設定するための自動増締の運転モードをもつ成形機において、自動増締によって型締力が設定された後に型厚調整がなされた場合には、自動成形運転を禁止して、再度の自動増締の実行を促すアラーム表示を行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、自動増締によって型締力が一旦設定(確定)された後に、型厚調整がなされた場合には、この型厚調整によって一旦設定された型締力が変更されているので、自動成形運転(全自動成形運転および半自動成形運転)を禁止することで、タイバーの破損などといった型開閉系メカニズムの破損を確実に防止することができ、また、再度の自動増締の実行を促すアラーム表示を行うことで、作業者にもう一度自動増締を行わないと、自動成形運転を実行できないことを確実に認知させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1〜図3は、本発明の一実施形態(以下、本実施形態と記す)による射出成形機に係り、本実施形態は、型締機構(型開閉機構)にトグルリンク機構を用いたマシン(射出成形機)への適用例であり、本実施形態のマシンの型開閉系メカニズムは、図4に示した構成と同一の構成をとっている。
【0012】
図1は、本実施形態のマシンにおける制御系の要部構成を示すブロック図である。
図1において、1は、マシン(射出成形機)全体の制御を行うシステムコントローラで、このシステムコントローラ1は、あらかじめ作成されてワークエリアに展開された各種のアプリケーションプログラムと、各種運転条件設定データと、マシンの各部に配設された各種センサ(位置センサ、圧力センサ、安全確認用センサなど)からの計測情報と、マシンの各種制御系からの状態確認用情報と、計時情報などとに基づき、マシンの各種制御系を制御する。また、システムコントローラ1は、あらかじめ作成されてワークエリアに展開された画像処理用アプリケーションプログラムと、各種の画像表示用固定データと、各種運転条件設定データや各種運転実測データなどとに基づき、表示用の画像データを生成する処理を行う。なお、システムコントローラ1は、実際には、演算機能素子やメモリなどのハードウェア資源と、予め保持された各種アプリケーションソフトなどのソフトウェア資源との協働により、各種の演算処理、データ書き込み・呼み出し処理、指令出力処理、表示制御処理等々の各種処理を実行するものであり、システムコントローラ1内に示された機能ブロックは、上記のハードウェア資源とソフトウェア資源とにより具現化されるものである。なおまた、ここでは、システムコントローラ1内には、本発明と関連する機能のブロックのみを描いてある。
【0013】
2は、マシンの前面部に配設されたキー入力装置、3は、マシンの前面部に配設されたタッチパネル入力部3a付きの表示装置(タッチパネル付きカラー液晶表示装置)であり、キー入力装置2とタッチパネル入力部3aとにより、ユーザ入力インターフェースを構成している。
【0014】
4は、システムコントローラ1からの指令で前記型厚調整用モータ56を駆動制御するモータドライバで、型厚調整用モータ56を駆動制御することで前記したようにテールストック53が前後進駆動される。5は、システムコントローラ1からの指令で前記型開閉用モータ60を駆動制御するモータドライバで、型開閉用モータ60を駆動制御することで前記したように可動ダイプレート57が前後進駆動される。
【0015】
また、システムコントローラ1内において、11は統括制御部、12は手動型厚調整指令受付部、13は自動増締制御条件格納部、14は型開閉制御条件格納部、15は型厚調整制御部、16は型開閉制御部、17は表示処理部である。
【0016】
統括制御部11は、マシンの各部の状態を監視・把握して、システムコントローラ1内の各部を制御する。本実施形態では、この統括制御部11が、自動増締によって型締力が一旦設定(確定)された後に型厚調整がなされたか否か監視し、型締力が設定(確定)された後に型厚調整がなされた場合には、増締完了状態を増締未完了状態に遷移させて、自動成形運転を禁止させ、また、アラーム表示用の画像の生成・出力を、表示処理部17に指示する。
【0017】
手動型厚調整指令受付部12は、前記ユーザ入力インターフェース2または3aを用いて作業者が手動で操作した型厚調整指令を受け付け、これに基づき型厚調整制御部15に指令を与える。
【0018】
自動増締制御条件格納部13は、前記ユーザ入力インターフェース2または3aを用いて作業者が最新に入力設定した型締力値、および、自動増締の実行前の型厚値(金型交換後の自動増締の実行前では、これは金型交換前の型厚値である)を保持し、また、自動増締のためのテールストック53の前進/後退手順やその前進/後退量、可動ダイプレート57の前進/後退手順やその前進/後退量やその前進/後退速度・圧力などを、必要に応じて演算処理をして保持する。
【0019】
型開閉制御条件格納部14は、ストロークに沿った型閉じ速度・圧力、型締ストロークおよび型締圧力、ストロークに沿った型開き速度・圧力を保持する。
【0020】
型厚調整制御部15は、統括制御部11の制御の下に、自動増締の動作の実行時には、自動増締制御条件格納部13に格納された制御条件データにしたがい、センサ情報や計時情報などを参照しつつ、モータドライバ4に指令を与える。また、型厚調整制御部15は、統括制御部11の制御の下に、手動型厚調整モードによる型厚調整の動作の実行時には、手動型厚調整指令受付部12からの指令に応じて、モータドライバ4に指令を与える。
【0021】
型開閉制御部16は、統括制御部11の制御の下に、自動増締の動作の実行時には、自動増締制御条件格納部13に格納された制御条件データにしたがい、センサ情報や計時情報などを参照しつつ、モータドライバ5に指令を与える。また、型開閉制御部16は、統括制御部11の制御の下に、自動成形運転の動作の実行時には、型開閉制御条件格納部14に格納された制御条件データにしたがい、センサ情報や計時情報などを参照しつつ、モータドライバ5に指令を与える。
【0022】
表示処理部17は、統括制御部11の制御の下に、あらかじめ用意された画像処理用アプリケーションプログラムと、各種の画像表示用固定データと、各種運転条件設定データや各種運転実測データなどとに基づき、各種の表示モードの画像を生成し、これを表示装置3に表示させる。
【0023】
本実施形態では、自動増締を実行させるための型締力の入力設定は、所定の表示モードの画像を用いて行われるようになっている。図2は、ユーザ入力インターフェース2または3aを用いた作業者の適宜の操作によって、表示装置3上に呼び出された自動モード画像の要部の表示例を示している。自動モード画像は複数画像が用意されていて、例えば、自動モード画像の第1画像を呼び出した後、ユーザ入力インターフェース2または3aを用いて、次画像の表示を順に指示することによって、図2に示すような自動モード画像が表示される。この図2の自動モード画像は、型締力の入力設定用の表示画像となっており、図2中の型締力の数値入力欄21に、作業者がユーザ入力インターフェース2または3aを用いて数値入力を行うことによって、型締力の入力設定が行えるようになっていて、図2に示した例では型締力として490kNが入力設定されている。なお、数値入力された型締力値がマシンの能力を超えた数値である場合には、図示していないが、統括制御部11は、「入力された型締力値はマシンの能力を超えています。再入力してください」という旨のアラームメッセージの表示を、表示処理部17に行わせるようになっている。
【0024】
型締力の数値入力欄21に、マシンの能力が許容する範囲内での型締力値を入力した後、図2の自動モード画像上の「自動増締」ボタン22をタッチすると、統括制御部11の指令を受けた型厚調整制御部15および型開閉制御部16の制御の下に、背景技術で先に述べたような自動増締の動作が実行される。そして、自動増締の動作が完了して型締力が設定(確定)されると、自動増締の動作の過程で計測した型厚値が、型厚測定値の表示欄23に表示され、また、「増締完了」の文字24が表示されるようになっている。
【0025】
上記した自動増締が完了した後に、手動型厚調整モードによって、作業者が型厚調整の操作を行って型厚値を変更すると、統括制御部11は、手動型厚調整指令受付部12から通知によって、自動増締によって型締力が設定された後に型厚調整が行われたことを認知して、自動増締の完了状態を未完了状態に遷移させるフラグを内部に立てて、自動による成形運転(全自動成形運転および半自動成形運転)の実行を禁止させると共に、例えば、図3に示すように、「型厚が変化しました。自動増締を行ってください」というアラームメッセージ26を、表示処理部17に行わせる。また、自動増締の未完了状態となると、統括制御部11は、手動型開閉制御モードによって作業者が型開閉の操作を行った際には、型締力が出ていない金型タッチまでの状態への遷移は許容するも、それ以上の可動ダイプレート57の前進操作に対しては、極めて低速、低圧で型開閉用モータ60を駆動するように指令を出して、実質的に型締力がでないように動作を制御するようになっている。
【0026】
上記の再度の自動増締の実行を促すアラームメッセージ(アラーム表示)26は、本実施形態では、どのような表示モードの画像の表示状態であっても、強制的に割り込みウインドウで表示され、この表示と同時に、アラーム音が発生され、かつ、アラーム表示灯が点灯されるようになっている。ただし、アラームメッセージ26の表示およびアラーム音の発生およびアラーム表示灯の点灯は、自動増締によって型締力が設定された後に、最初に型厚調整がなされた場合にのみ所定の期間だけ行われ、自動増締によって型締力が設定された後の2回目以降の型厚調整では、作業者に煩わし感を与えないために、アラームメッセージ26の表示およびアラーム音の発生およびアラーム表示灯の点灯は、行われないようになっている。
【0027】
自動増締が完了した後に型厚調整が行われると、先の図2の自動モード画像(型締力の入力設定用の表示画像)は図3に示したようなものとなり、現在マシンが自動増締の未完了状態であることを示す「増締未完了」の文字25が表示され、型厚測定値の表示欄23には、自動増締の完了後の型厚調整で変化した数値が表示されるようになっている。
【0028】
自動増締の未完了状態となってから、再度の自動増締が実行されてこれが完了すると、統括制御部11は、自動増締の未完了状態を完了状態に遷移させるフラグを内部に立てて、自動による成形運転(全自動成形運転および半自動成形運転)の実行を許可する状態となり、型締力の入力設定用の表示画像には、図2に示すように、「増締完了」の文字24が表示される。
【0029】
なお、次に成形運転を行うための成形運転条件が記録媒体から読み込まれることなどによって、新たな成形運転条件がシステムコントローラ1に設定された場合には、統括制御部11は増締未完了の状態のフラグを立てて、先に述べたような増締未完了の状態の制御を行うようになっている。
【0030】
以上のように、本実施形態では、自動増締によって型締力が一旦設定(確定)された後に、型厚調整がなされた場合には、この型厚調整によって一旦設定された型締力が変更されているので、自動成形運転(全自動成形運転および半自動成形運転)を禁止することで、タイバーの破損などといった型開閉系メカニズムの破損を確実に防止することができ、また、再度の自動増締の実行を促すアラーム表示を行うことで、作業者にもう一度自動増締を行わないと、自動成形運転を実行できないことを確実に認知させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係る射出成形機の制御系の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る射出成形機における、表示画像の例を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る射出成形機における、表示画像の例を示す説明図である。
【図4】トグルリンク機構を用いた射出成形機の型開閉系メカニズムの、一般的な構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1 システムコントローラ
2 キー入力装置
3 表示装置
3a タッチパネル入力部
4 モータドライバ
5 モータドライバ
11 統括制御部
12 手動型厚調整指令受付部
13 自動増締制御条件格納部
14 型開閉制御条件格納部
15 型厚調整制御部
16 型開閉制御部
17 表示処理部
21 型締力の数値入力欄
22 「自動増締」ボタン
23 型厚測定値の表示欄
24 「増締完了」の文字
25 「増締未完了」の文字
26 アラームメッセージ
51 固定ダイプレート
52 固定側金型
53 テールストック
54 タイバー
55 型厚調整用ナット
55a ギヤ部
56 型厚調整用モータ
57 可動ダイプレート
58 可動側金型
59 トグルリンク機構
60 型開閉用モータ
61 ボールネジ機構
62 ナット体
63 ネジ軸
64 クロスヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力設定された型締力となるように、型締力を自動的に設定するための自動増締の運転モードをもつ成形機において、
前記自動増締によって型締力が設定された後に型厚調整がなされた場合には、自動成形運転を禁止して、再度の自動増締の実行を促すアラーム表示を行わせるコントローラを備えたことを特徴とする成形機。
【請求項2】
請求項1に記載の成形機において、
前記コントローラは、前記再度の自動増締の実行を促すアラーム表示を、前記自動増締によって型締力が設定された後に最初に型厚調整がなされた場合にのみ行わせることを特徴とする成形機。
【請求項3】
請求項1に記載の成形機において、
前記自動増締によって型締力が設定された後に型厚調整がなされた場合には、前記コントローラは、増締完了の状態を増締未完了の状態に遷移させることを特徴とする成形機。
【請求項4】
請求項3に記載の成形機において、
前記自動増締によって型締力が設定された後に型厚調整がなされた場合には、前記コントローラは、型締力の入力設定用の表示画像に増締未完了の旨の表示を行わせ、再度の自動増締が実行・完了されると、型締力の入力設定用の前記表示画像に増締完了の旨の表示を行わせることを特徴とする成形機。
【請求項5】
請求項3に記載の成形機において、
新たな成形運転条件が設定された場合には、前記コントローラは、増締未完了の状態とすることを特徴とする成形機。
【請求項6】
請求項3に記載の成形機において、
増締未完了の状態で手動の型閉じ動作の操作がなされた場合には、前記コントローラは、実質的に型締力が生じないように動作を制御することを特徴とする成形機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−230193(P2008−230193A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−76873(P2007−76873)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000222587)東洋機械金属株式会社 (299)
【Fターム(参考)】