成形用金型、成形方法及び該方法を用いて成形された成形品
【課題】成形品を厚み方向に亘って、少なくとも2種類の成形樹脂で形成する。
【解決手段】本発明は、第1の樹脂にて形成された第1の成形体2と、該第1の樹脂とは異なる強度の樹脂から形成され、第1の成形体2の厚み方向に被さる第2の成形体7からなる芯材1を製造する金型3に関する。金型3は、固定型4と該固定型4に接近離間する可動型5を具え、両型4、5の間にキャビティ30を設けている。固定型4のキャビティ30側に、予め成形された第1の成形体2が取り付けられ可動型5の移動方向に延びた突起40を具え、可動型5に第2の成形体7を形成する樹脂をキャビティ30に充填する充填口6を設けている。突起40によって、第1の成形体2と固定型4との間に形成される第1の成形体2の厚み方向の隙間Mは、第2の成形体7を形成する樹脂によって充填される。
【解決手段】本発明は、第1の樹脂にて形成された第1の成形体2と、該第1の樹脂とは異なる強度の樹脂から形成され、第1の成形体2の厚み方向に被さる第2の成形体7からなる芯材1を製造する金型3に関する。金型3は、固定型4と該固定型4に接近離間する可動型5を具え、両型4、5の間にキャビティ30を設けている。固定型4のキャビティ30側に、予め成形された第1の成形体2が取り付けられ可動型5の移動方向に延びた突起40を具え、可動型5に第2の成形体7を形成する樹脂をキャビティ30に充填する充填口6を設けている。突起40によって、第1の成形体2と固定型4との間に形成される第1の成形体2の厚み方向の隙間Mは、第2の成形体7を形成する樹脂によって充填される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形用金型、具体的には発泡樹脂ビーズを用いて成形する成形用金型、成形方法及び該方法を用いて成形された成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
成形品として車両のシート内に埋め込まれるシート用の芯材を例示する。図7は、従来の芯材(1b)(1c)を具えた車両用シート(8)の斜視図である(特許文献1参照)。車両用シート(8)は、背もたれ部(80)と座部(81)を繋いで構成され、座部(81)に第1芯材(1b)が埋め込まれ、背もたれ部(80)に第2芯材(1c)が埋め込まれる。芯材には、乗員から荷重が加わり、以下の記載では芯材に荷重が加わる方向を、芯材の厚み方向とする。具体的には、図7の第1芯材(1b)では、矢印D方向が厚み方向である。
両芯材(1b)(1c)は合成樹脂から形成され、特に第1芯材(1b)は強度と柔らかさを併せ持つ発泡樹脂ビーズから形成されて、図8の平面図に示すように、周縁部に補強用の金属ワイヤ(82)を埋めている。尚、金属ワイヤ(82)は補強の為であり、周縁部に配備されることに限定されず、例えば両側部や水平方向の中央部に配備されてもよい。
しかし、金属ワイヤ(82)は樹脂成形品に比して重く、コストも高い。従って、芯材の両側部を高強度の樹脂で成形し、中央部を低強度の樹脂で成形して、強度を維持しつつ、コスト低減を図ったものが提案されている(特許文献2参照)。
図9は、かかる芯材(1a)の斜視図であり、図10は、図9の芯材(1a)をA−A線を含む垂直面にて破断し矢視した断面図である。芯材(1a)の両側である第1部分(11)(11)は、高強度の低倍率発泡樹脂で成形され、芯材(1a)の中央部である第2部分(12)は低強度の高倍率発泡樹脂で成形され、両部分(11)(12)を一体に成形している。
【0003】
図11は、芯材(1a)を成形する金型(3)の断面図である。周知の如く、金型(3)は固定型(4)と移動型(5)を合わせて構成され、両型(4)(5)間のキャビティ(30)に発泡樹脂ビーズを充填して、芯材(1a)が形成される。キャビティ(30)は仕切板(31)によって複数の空間S1、S2に分割され、空間S1が第1部分(11)、空間S2が第2部分(12)となる。仕切板(31)はシリンダ(32)にてキャビティ(30)内に出没可能に設けられる。可動型(5)には、空間S1、S2に応じて樹脂充填用の充填口(6)(6a)が接続されている。充填口(6)から低倍率発泡樹脂が、充填口(6a)から高倍率発泡樹脂が供給される。
成形時には、仕切板(31)がキャビティ(30)内に挿入完了した状態で、各充填口(6)(6a)から所定の粒径に予備成形された発泡樹脂ビーズが空間S1、S2内に充填される。次に、シリンダ(32)によってキャビティ(30)内から仕切板(31)を後退させた後に、両型(4)(5)を加熱して、発泡樹脂ビーズを融着させる。両型を冷却後に離型して、第1部分(11)と第2部分(12)を一体に具えた芯材(1a)を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−55566号公報
【特許文献2】特開2006−123732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の芯材(1a)では、芯材(1a)の厚み方向を横切る方向に、仕切板(31)でキャビティ(30)を仕切るから、第1部分(11)、第2部分(12)は厚み全体に亘って同じ樹脂から形成される。即ち、厚み方向に亘って成形樹脂の種類を違えて成形することは出来ない。
しかし、上記のシート用芯材(1a)は、乗員の臀部の下方に位置するから、芯材(1a)の表面を低強度の柔らかい樹脂で形成し、内側を高強度の樹脂で形成して、乗員が受ける感触を柔らかくしつつ、芯材(1a)全体の強度を確保したい要請がある。従来の金型を用いた芯材(1a)では、高強度の樹脂から成る第1部分(11)が表面に露出するから、かかる要請に対応できない。
本発明の目的は、芯材のような成形品を厚み方向に亘って、少なくとも2種類の成形樹脂で形成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の樹脂にて形成された第1の成形体と、該第1の樹脂とは異なる強度の樹脂から形成され、第1の成形体に被さる第2の成形体からなる成形品を製造する金型であって、
固定型と、該固定型に接近離間する可動型を具え、両型の間にキャビティを設け、
何れか一方の型のキャビティ側に、予め成形された第1の成形体が取り付けられる突起を具え、該突起は第1の成形体の厚み方向である可動型の移動方向に延び、
何れか一方の型に第2の成形体を形成する樹脂をキャビティに充填するための充填口を設けており、突起によって、第1の成形体と突起が配備された型との間に形成される隙間は、第2の成形体を形成する樹脂によって充填される。
【発明の効果】
【0007】
成形品を成形するには、先ず固定型に対して可動型を開き、何れか一方の型のキャビティ側に設けられた突起に予め成形された第1の成形体を取り付ける。突起によって、第1の成形体と突起が配備された型との間には、第1の成形体の厚み方向に隙間が形成される。
可動型を閉じ、第2の成形体を形成する樹脂を充填口からキャビティに充填する。第2の成形体は第1の成形体と異なる強度の樹脂で形成される。第2の成形体を形成する樹脂は、前記隙間を充填する。
第1の成形体上に、第2の成形体を形成する樹脂が第1の成形体の厚み方向に被さり、固定型と可動型を加熱し、冷却後に、離型する。突起は、可動型の移動方向に延びているから、成形品を可動型の移動方向に沿って取り出す際には、突起は支障にはならない。
このようにして、第1の成形体上に、第2の成形体が第1の成形体の厚み方向に被さり、成形品を厚み方向に亘って、少なくとも2種類の成形樹脂で容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係わる金型を用いて成形された芯材の斜視図である。
【図2】図1の芯材をA−A線を含む垂直面にて破断し矢視した断面図である。
【図3】金型の断面図であり、型開き状態を示す。
【図4】金型の断面図であり、型締め状態を示す。
【図5】金型の断面図であり、型開き状態を示す。
【図6】(a)、(b)は、図4のB部の拡大図である。
【図7】従来の芯材を具えた車両用シートの斜視図である。
【図8】図7の第1芯材の平面図である。
【図9】従来の他の芯材の斜視図である。
【図10】図9の芯材をA−A線を含む垂直面にて破断し矢視した断面図である。
【図11】図9の芯材を成形する金型の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施例を図を用いて、詳述する。
図1は、本例に係わる金型(3)を用いて成形された成形品の斜視図であり、図2は、図1の成形品をA−A線を含む垂直面にて破断し矢視した断面図である。成形品は自動車内装部材であるシート用の芯材(1)であり、2種類の発泡樹脂から形成される。芯材(1)には図1のE方向に乗員の荷重が加わり、該E方向を芯材(1)の厚み方向とする。尚、本例に記載する金型及び成形方法を用いて成形される成形品はシート用の芯材(1)に限定されない。
芯材(1)は、高強度の第1の樹脂から形成された平板状の第1の成形体(2)と、低強度の第2の樹脂から形成され、第1の成形体(2)を包む第2の成形体(7)を一体に具えて、直方体状に形成される。即ち、第2の成形体(7)は、第1の成形体(2)の厚み方向に被さる。第1の成形体(2)を形成する第1の樹脂は、具体的には原料ビーズを5−20倍に発泡させた低倍率の発泡樹脂ビーズであり、第2の成形体(7)を形成する第2の樹脂は、原料ビーズを15−40倍に発泡させた高倍率の発泡樹脂ビーズであるが、この発泡倍率に限定されない。発泡樹脂の種類は、後記する。
【0010】
第2の成形体(7)の表面上には、第1の成形体(2)の表面にまで延びた窪み穴(70)が設けられ、該窪み穴(70)は後記の金型(3)の突起(40)を抜いた跡である。窪み穴(70)から露出した第1の成形体(2)の表面には凹み(20)が設けられており、これは後記の如く、成形時に第1の成形体(2)を保持する為のものである。窪み穴(70)を設けていることにより、第1の成形体(2)は芯材(1)の表面から露出しない。
図3、図4、図5は、芯材(1)を成形する金型(3)の断面図であり、図3は型開き状態を、図4は型締め状態を、図5は型開き状態を夫々示す。金型(3)は固定型(4)と、該固定型(4)に水平方向に接近離間する可動型(5)を具え、該固定型(4)と可動型(5)の間に、空間であるキャビティ(30)が形成される。固定型(4)と可動型(5)は夫々内側に加熱空間(45)(55)を形成し、該加熱空間(45)(55)にバルブ(図示せず)を介して加熱蒸気又は冷却水が供給される。
固定型(4)のキャビティ(30)側、即ち内側には、軸状の突起(40)が設けられ、該突起(40)は、第1の成形体(2)の厚み方向であって可動型(5)の移動方向に延びている。突起(40)の先端部には、前記第1の成形体(2)の凹み(20)に嵌まる凸部(41)が設けられている。
可動型(5)には加熱空間(55)を通って、充填口(6)が設けられ、該充填口(6)はキャビティ(30)に繋がる。該充填口(6)からは、第2の成形体(7)を形成する発泡樹脂ビーズがキャビティ(30)に供給される。
【0011】
成形方法
以下に、シート用の芯材(1)の成形方法を記載する。
先ず予め第1の成形体(2)を公知の別の金型(図示せず)で成形しておき用意する。図3に示すように、可動型(5)を固定型(4)に対して開き、突起(40)の凸部(41)に第1の成形体(2)の凹み(20)を嵌める。第1の成形体(2)と突起(40)が配備された固定型(4)との間には、第1の成形体(2)の厚み方向に沿う隙間M(図4参照)が形成される。この後、図4に示すように、可動型(5)を固定型(4)に対して閉じる。
充填口(6)から、第2の成形体(7)を形成する発泡樹脂ビーズをキャビティ(30)に供給する。第1の成形体(2)上に、第2の成形体(7)を形成する発泡樹脂ビーズが第1の成形体(2)の厚み方向に被さり、第1の成形体(2)を包囲し、隙間Mを充填する。
充填完了後に加熱空間(45)(55)に加熱蒸気を供給する。第2の成形体(7)を形成する発泡樹脂ビーズが膨らみ。樹脂ビーズどうしが結合するとともに、第1の成形体(2)に結合する。
【0012】
次に、加熱空間(45)(55)に冷却水を流して、固定型(4)と可動型(5)を冷却し、その後、可動型(5)を開く。図5に示すように、第2の成形体(7)が第1の成形体(2)を包囲した芯材(1)が突起(40)に取り付いている。固定型(4)に設けたエジェクタピン(図示せず)にて、芯材(1)を押し出して、芯材(1)を得る。芯材(1)の押し出し方向は、可動型(5)の開き方向と同じであり、突起(40)は芯材(1)を押し出して取り出す際には、支障にはならない。突起(40)の跡が、芯材(1)の窪み穴(70)である。
このようにして、第1の成形体(2)上に、第2の成形体(7)が第1の成形体(2)の厚み方向に被さり、厚み方向に亘って、少なくとも2種類の成形樹脂を違えた芯材(1)を容易に形成することができる。
【0013】
型開き時に、芯材(1)が容易に落下すると、芯材(1)が傷付く虞れがある。従って、図6(a)に拡大して示すように、凸部(41)の径を可動型(5)の離型方向(図6(a)、(b)の矢印C)に向かって拡大するように形成し、アンダーカット効果を持たせて、芯材(1)が突起(40)から稍離れ難くしてもよい。
また、図6(a)とは逆に、図6(b)に示すように、凸部(41)の径を可動型(5)の離型方向(図6(a)、(b)の矢印C)に沿って縮小するように形成し、芯材(1)が突起(40)から離れ易くしてもよい。
凸部(41)の水平方向長さHは、短すぎると成形後の芯材(1)が凸部(41)から外れ易く、長すぎると芯材(1)を取り出しにくい。この点に鑑みて、凸部(41)の水平方向長さHは、3−20mmを想定している。また、凸部(41)の径は5−30mmを想定しているが、この長さH及び径に限定されない。
図6(a)、(b)では、突起(40)に凸部(41)を設け、第1の成形体(2)に凹み(20)を設けている。しかし、これに代えて、突起(40)に凹み(20)を、第1の成形体(2)に凸部(41)を夫々設けてもよい。
【0014】
成形に用いる発泡樹脂である第1の樹脂と第2の樹脂には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂などが挙げられる。なかでも、ポリスチレンとポリエチレンとの複合樹脂を用いることが好ましい。
【0015】
本例にあっては、上記の如く、厚み方向に亘って、少なくとも2つの成形樹脂の種類を違えた芯材(1)を容易に形成することができる。その他にも、以下の効果がある。
1.図11に示す従来の金型に比して、仕切板(31)及びシリンダ(32)が不要であるから、金型構造が簡素になり、金型コストを低減することができる。
2.第1の成形体(2)は予め別の金型で成形し用意しておくから、第1の成形体(2)は任意の形状に成形することができる。従って、第1の成形体(2)を複雑な形状に成形することも可能であり、ユーザの要求に幅広く対応することが出来る。
3.芯材(1)の表面には窪み穴(70)を設けており、これにより、第1の成形体(2)は芯材(1)から露出しない。芯材(1)は車両シート内に設けられるものであるから、これにより、乗員が受ける感触を柔らかくすることができる。
【0016】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
第1、第2の成形体(2)(7)を形成する樹脂は、発泡樹脂ビーズに限定されず、例えば溶融性の熱可塑性樹脂でも可能である。また、第1の成形体(2)は高強度の樹脂から形成され、第2の成形体(7)は低強度の樹脂から形成されるとしたが、第1の成形体(2)を低強度の樹脂から形成し、第2の成形体(7)を高強度の樹脂から形成してもよい。
更に突起(40)を固定型(4)に形成したが、可動型(5)に形成してもよい。この場合、第1の成形体(2)は可動型(5)に支持される。充填口(6)を可動型(5)に形成したが、固定型(4)に形成してもよい。
【符号の説明】
【0017】
(1) 芯材
(2) 第1の成形体
(3) 金型
(4) 固定型
(5) 可動型
(6) 充填口
(7) 第2の成形体
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形用金型、具体的には発泡樹脂ビーズを用いて成形する成形用金型、成形方法及び該方法を用いて成形された成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
成形品として車両のシート内に埋め込まれるシート用の芯材を例示する。図7は、従来の芯材(1b)(1c)を具えた車両用シート(8)の斜視図である(特許文献1参照)。車両用シート(8)は、背もたれ部(80)と座部(81)を繋いで構成され、座部(81)に第1芯材(1b)が埋め込まれ、背もたれ部(80)に第2芯材(1c)が埋め込まれる。芯材には、乗員から荷重が加わり、以下の記載では芯材に荷重が加わる方向を、芯材の厚み方向とする。具体的には、図7の第1芯材(1b)では、矢印D方向が厚み方向である。
両芯材(1b)(1c)は合成樹脂から形成され、特に第1芯材(1b)は強度と柔らかさを併せ持つ発泡樹脂ビーズから形成されて、図8の平面図に示すように、周縁部に補強用の金属ワイヤ(82)を埋めている。尚、金属ワイヤ(82)は補強の為であり、周縁部に配備されることに限定されず、例えば両側部や水平方向の中央部に配備されてもよい。
しかし、金属ワイヤ(82)は樹脂成形品に比して重く、コストも高い。従って、芯材の両側部を高強度の樹脂で成形し、中央部を低強度の樹脂で成形して、強度を維持しつつ、コスト低減を図ったものが提案されている(特許文献2参照)。
図9は、かかる芯材(1a)の斜視図であり、図10は、図9の芯材(1a)をA−A線を含む垂直面にて破断し矢視した断面図である。芯材(1a)の両側である第1部分(11)(11)は、高強度の低倍率発泡樹脂で成形され、芯材(1a)の中央部である第2部分(12)は低強度の高倍率発泡樹脂で成形され、両部分(11)(12)を一体に成形している。
【0003】
図11は、芯材(1a)を成形する金型(3)の断面図である。周知の如く、金型(3)は固定型(4)と移動型(5)を合わせて構成され、両型(4)(5)間のキャビティ(30)に発泡樹脂ビーズを充填して、芯材(1a)が形成される。キャビティ(30)は仕切板(31)によって複数の空間S1、S2に分割され、空間S1が第1部分(11)、空間S2が第2部分(12)となる。仕切板(31)はシリンダ(32)にてキャビティ(30)内に出没可能に設けられる。可動型(5)には、空間S1、S2に応じて樹脂充填用の充填口(6)(6a)が接続されている。充填口(6)から低倍率発泡樹脂が、充填口(6a)から高倍率発泡樹脂が供給される。
成形時には、仕切板(31)がキャビティ(30)内に挿入完了した状態で、各充填口(6)(6a)から所定の粒径に予備成形された発泡樹脂ビーズが空間S1、S2内に充填される。次に、シリンダ(32)によってキャビティ(30)内から仕切板(31)を後退させた後に、両型(4)(5)を加熱して、発泡樹脂ビーズを融着させる。両型を冷却後に離型して、第1部分(11)と第2部分(12)を一体に具えた芯材(1a)を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−55566号公報
【特許文献2】特開2006−123732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の芯材(1a)では、芯材(1a)の厚み方向を横切る方向に、仕切板(31)でキャビティ(30)を仕切るから、第1部分(11)、第2部分(12)は厚み全体に亘って同じ樹脂から形成される。即ち、厚み方向に亘って成形樹脂の種類を違えて成形することは出来ない。
しかし、上記のシート用芯材(1a)は、乗員の臀部の下方に位置するから、芯材(1a)の表面を低強度の柔らかい樹脂で形成し、内側を高強度の樹脂で形成して、乗員が受ける感触を柔らかくしつつ、芯材(1a)全体の強度を確保したい要請がある。従来の金型を用いた芯材(1a)では、高強度の樹脂から成る第1部分(11)が表面に露出するから、かかる要請に対応できない。
本発明の目的は、芯材のような成形品を厚み方向に亘って、少なくとも2種類の成形樹脂で形成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の樹脂にて形成された第1の成形体と、該第1の樹脂とは異なる強度の樹脂から形成され、第1の成形体に被さる第2の成形体からなる成形品を製造する金型であって、
固定型と、該固定型に接近離間する可動型を具え、両型の間にキャビティを設け、
何れか一方の型のキャビティ側に、予め成形された第1の成形体が取り付けられる突起を具え、該突起は第1の成形体の厚み方向である可動型の移動方向に延び、
何れか一方の型に第2の成形体を形成する樹脂をキャビティに充填するための充填口を設けており、突起によって、第1の成形体と突起が配備された型との間に形成される隙間は、第2の成形体を形成する樹脂によって充填される。
【発明の効果】
【0007】
成形品を成形するには、先ず固定型に対して可動型を開き、何れか一方の型のキャビティ側に設けられた突起に予め成形された第1の成形体を取り付ける。突起によって、第1の成形体と突起が配備された型との間には、第1の成形体の厚み方向に隙間が形成される。
可動型を閉じ、第2の成形体を形成する樹脂を充填口からキャビティに充填する。第2の成形体は第1の成形体と異なる強度の樹脂で形成される。第2の成形体を形成する樹脂は、前記隙間を充填する。
第1の成形体上に、第2の成形体を形成する樹脂が第1の成形体の厚み方向に被さり、固定型と可動型を加熱し、冷却後に、離型する。突起は、可動型の移動方向に延びているから、成形品を可動型の移動方向に沿って取り出す際には、突起は支障にはならない。
このようにして、第1の成形体上に、第2の成形体が第1の成形体の厚み方向に被さり、成形品を厚み方向に亘って、少なくとも2種類の成形樹脂で容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係わる金型を用いて成形された芯材の斜視図である。
【図2】図1の芯材をA−A線を含む垂直面にて破断し矢視した断面図である。
【図3】金型の断面図であり、型開き状態を示す。
【図4】金型の断面図であり、型締め状態を示す。
【図5】金型の断面図であり、型開き状態を示す。
【図6】(a)、(b)は、図4のB部の拡大図である。
【図7】従来の芯材を具えた車両用シートの斜視図である。
【図8】図7の第1芯材の平面図である。
【図9】従来の他の芯材の斜視図である。
【図10】図9の芯材をA−A線を含む垂直面にて破断し矢視した断面図である。
【図11】図9の芯材を成形する金型の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施例を図を用いて、詳述する。
図1は、本例に係わる金型(3)を用いて成形された成形品の斜視図であり、図2は、図1の成形品をA−A線を含む垂直面にて破断し矢視した断面図である。成形品は自動車内装部材であるシート用の芯材(1)であり、2種類の発泡樹脂から形成される。芯材(1)には図1のE方向に乗員の荷重が加わり、該E方向を芯材(1)の厚み方向とする。尚、本例に記載する金型及び成形方法を用いて成形される成形品はシート用の芯材(1)に限定されない。
芯材(1)は、高強度の第1の樹脂から形成された平板状の第1の成形体(2)と、低強度の第2の樹脂から形成され、第1の成形体(2)を包む第2の成形体(7)を一体に具えて、直方体状に形成される。即ち、第2の成形体(7)は、第1の成形体(2)の厚み方向に被さる。第1の成形体(2)を形成する第1の樹脂は、具体的には原料ビーズを5−20倍に発泡させた低倍率の発泡樹脂ビーズであり、第2の成形体(7)を形成する第2の樹脂は、原料ビーズを15−40倍に発泡させた高倍率の発泡樹脂ビーズであるが、この発泡倍率に限定されない。発泡樹脂の種類は、後記する。
【0010】
第2の成形体(7)の表面上には、第1の成形体(2)の表面にまで延びた窪み穴(70)が設けられ、該窪み穴(70)は後記の金型(3)の突起(40)を抜いた跡である。窪み穴(70)から露出した第1の成形体(2)の表面には凹み(20)が設けられており、これは後記の如く、成形時に第1の成形体(2)を保持する為のものである。窪み穴(70)を設けていることにより、第1の成形体(2)は芯材(1)の表面から露出しない。
図3、図4、図5は、芯材(1)を成形する金型(3)の断面図であり、図3は型開き状態を、図4は型締め状態を、図5は型開き状態を夫々示す。金型(3)は固定型(4)と、該固定型(4)に水平方向に接近離間する可動型(5)を具え、該固定型(4)と可動型(5)の間に、空間であるキャビティ(30)が形成される。固定型(4)と可動型(5)は夫々内側に加熱空間(45)(55)を形成し、該加熱空間(45)(55)にバルブ(図示せず)を介して加熱蒸気又は冷却水が供給される。
固定型(4)のキャビティ(30)側、即ち内側には、軸状の突起(40)が設けられ、該突起(40)は、第1の成形体(2)の厚み方向であって可動型(5)の移動方向に延びている。突起(40)の先端部には、前記第1の成形体(2)の凹み(20)に嵌まる凸部(41)が設けられている。
可動型(5)には加熱空間(55)を通って、充填口(6)が設けられ、該充填口(6)はキャビティ(30)に繋がる。該充填口(6)からは、第2の成形体(7)を形成する発泡樹脂ビーズがキャビティ(30)に供給される。
【0011】
成形方法
以下に、シート用の芯材(1)の成形方法を記載する。
先ず予め第1の成形体(2)を公知の別の金型(図示せず)で成形しておき用意する。図3に示すように、可動型(5)を固定型(4)に対して開き、突起(40)の凸部(41)に第1の成形体(2)の凹み(20)を嵌める。第1の成形体(2)と突起(40)が配備された固定型(4)との間には、第1の成形体(2)の厚み方向に沿う隙間M(図4参照)が形成される。この後、図4に示すように、可動型(5)を固定型(4)に対して閉じる。
充填口(6)から、第2の成形体(7)を形成する発泡樹脂ビーズをキャビティ(30)に供給する。第1の成形体(2)上に、第2の成形体(7)を形成する発泡樹脂ビーズが第1の成形体(2)の厚み方向に被さり、第1の成形体(2)を包囲し、隙間Mを充填する。
充填完了後に加熱空間(45)(55)に加熱蒸気を供給する。第2の成形体(7)を形成する発泡樹脂ビーズが膨らみ。樹脂ビーズどうしが結合するとともに、第1の成形体(2)に結合する。
【0012】
次に、加熱空間(45)(55)に冷却水を流して、固定型(4)と可動型(5)を冷却し、その後、可動型(5)を開く。図5に示すように、第2の成形体(7)が第1の成形体(2)を包囲した芯材(1)が突起(40)に取り付いている。固定型(4)に設けたエジェクタピン(図示せず)にて、芯材(1)を押し出して、芯材(1)を得る。芯材(1)の押し出し方向は、可動型(5)の開き方向と同じであり、突起(40)は芯材(1)を押し出して取り出す際には、支障にはならない。突起(40)の跡が、芯材(1)の窪み穴(70)である。
このようにして、第1の成形体(2)上に、第2の成形体(7)が第1の成形体(2)の厚み方向に被さり、厚み方向に亘って、少なくとも2種類の成形樹脂を違えた芯材(1)を容易に形成することができる。
【0013】
型開き時に、芯材(1)が容易に落下すると、芯材(1)が傷付く虞れがある。従って、図6(a)に拡大して示すように、凸部(41)の径を可動型(5)の離型方向(図6(a)、(b)の矢印C)に向かって拡大するように形成し、アンダーカット効果を持たせて、芯材(1)が突起(40)から稍離れ難くしてもよい。
また、図6(a)とは逆に、図6(b)に示すように、凸部(41)の径を可動型(5)の離型方向(図6(a)、(b)の矢印C)に沿って縮小するように形成し、芯材(1)が突起(40)から離れ易くしてもよい。
凸部(41)の水平方向長さHは、短すぎると成形後の芯材(1)が凸部(41)から外れ易く、長すぎると芯材(1)を取り出しにくい。この点に鑑みて、凸部(41)の水平方向長さHは、3−20mmを想定している。また、凸部(41)の径は5−30mmを想定しているが、この長さH及び径に限定されない。
図6(a)、(b)では、突起(40)に凸部(41)を設け、第1の成形体(2)に凹み(20)を設けている。しかし、これに代えて、突起(40)に凹み(20)を、第1の成形体(2)に凸部(41)を夫々設けてもよい。
【0014】
成形に用いる発泡樹脂である第1の樹脂と第2の樹脂には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂などが挙げられる。なかでも、ポリスチレンとポリエチレンとの複合樹脂を用いることが好ましい。
【0015】
本例にあっては、上記の如く、厚み方向に亘って、少なくとも2つの成形樹脂の種類を違えた芯材(1)を容易に形成することができる。その他にも、以下の効果がある。
1.図11に示す従来の金型に比して、仕切板(31)及びシリンダ(32)が不要であるから、金型構造が簡素になり、金型コストを低減することができる。
2.第1の成形体(2)は予め別の金型で成形し用意しておくから、第1の成形体(2)は任意の形状に成形することができる。従って、第1の成形体(2)を複雑な形状に成形することも可能であり、ユーザの要求に幅広く対応することが出来る。
3.芯材(1)の表面には窪み穴(70)を設けており、これにより、第1の成形体(2)は芯材(1)から露出しない。芯材(1)は車両シート内に設けられるものであるから、これにより、乗員が受ける感触を柔らかくすることができる。
【0016】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
第1、第2の成形体(2)(7)を形成する樹脂は、発泡樹脂ビーズに限定されず、例えば溶融性の熱可塑性樹脂でも可能である。また、第1の成形体(2)は高強度の樹脂から形成され、第2の成形体(7)は低強度の樹脂から形成されるとしたが、第1の成形体(2)を低強度の樹脂から形成し、第2の成形体(7)を高強度の樹脂から形成してもよい。
更に突起(40)を固定型(4)に形成したが、可動型(5)に形成してもよい。この場合、第1の成形体(2)は可動型(5)に支持される。充填口(6)を可動型(5)に形成したが、固定型(4)に形成してもよい。
【符号の説明】
【0017】
(1) 芯材
(2) 第1の成形体
(3) 金型
(4) 固定型
(5) 可動型
(6) 充填口
(7) 第2の成形体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の樹脂にて形成された第1の成形体と、該第1の樹脂とは異なる強度の樹脂から形成され、第1の成形体に被さる第2の成形体からなる成形品を製造する金型であって、
固定型と該固定型に接近離間する可動型を具え、両型の間にキャビティを設け、
何れか一方の型のキャビティ側に、予め成形された第1の成形体が取り付けられる突起を具え、該突起は第1の成形体の厚み方向である可動型の移動方向に延び、何れか一方の型に第2の成形体を形成する樹脂をキャビティに充填するための充填口を設け、
突起によって、第1の成形体と突起が配備された型との間に形成される隙間は、第2の成形体を形成する樹脂によって充填されることを特徴とする金型。
【請求項2】
第1の成形体は、高強度の樹脂から形成され、第2の成形体は低強度の樹脂から形成される、請求項1に記載の金型。
【請求項3】
高強度の樹脂は、低倍率の発泡樹脂ビーズであり、低強度の樹脂は、高倍率の発泡樹脂ビーズである、請求項2に記載の金型。
【請求項4】
突起の先端部には、第1の成形体が有する凹部又は凸部に対応して、それらに嵌まる凸部又は凹部が設けられた、請求項1乃至3の何れかに記載の金型。
【請求項5】
凸部は、可動型の離型方向に沿って、径が拡大又は縮小して形成された請求項4に記載の金型。
【請求項6】
第1の樹脂にて形成された第1の成形体と、該第1の樹脂とは異なる強度の樹脂から形成され、第1の成形体に被さる第2の成形体からなる成形品を金型を用いて製造する方法であって、
金型は、固定型と該固定型に接近離間する可動型を具え、固定型と可動型の間にキャビティを設け、何れか一方の型のキャビティ側に、予め成形された第1の成形体が取り付けられ突起を具え、該突起は第1の成形体の厚み方向である可動型の移動方向に延び、何れか一方の型に第2の成形体を形成する樹脂をキャビティに充填する充填口を設け、
可動型を固定型に対して開き、予め成形された第1の成形体を突起に取り付ける工程と、 可動型を固定型に対して閉じる工程と、
第2の成形体を形成する樹脂を充填口からキャビティに充填し、突起によって、第1の成形体と突起が配備された型との間に形成される第1の成形体の厚み方向に沿う隙間を、該樹脂にて充填する工程を有する方法。
【請求項7】
請求項6の方法で形成され、表面に突起の跡である窪み穴を形成した成形品。
【請求項1】
第1の樹脂にて形成された第1の成形体と、該第1の樹脂とは異なる強度の樹脂から形成され、第1の成形体に被さる第2の成形体からなる成形品を製造する金型であって、
固定型と該固定型に接近離間する可動型を具え、両型の間にキャビティを設け、
何れか一方の型のキャビティ側に、予め成形された第1の成形体が取り付けられる突起を具え、該突起は第1の成形体の厚み方向である可動型の移動方向に延び、何れか一方の型に第2の成形体を形成する樹脂をキャビティに充填するための充填口を設け、
突起によって、第1の成形体と突起が配備された型との間に形成される隙間は、第2の成形体を形成する樹脂によって充填されることを特徴とする金型。
【請求項2】
第1の成形体は、高強度の樹脂から形成され、第2の成形体は低強度の樹脂から形成される、請求項1に記載の金型。
【請求項3】
高強度の樹脂は、低倍率の発泡樹脂ビーズであり、低強度の樹脂は、高倍率の発泡樹脂ビーズである、請求項2に記載の金型。
【請求項4】
突起の先端部には、第1の成形体が有する凹部又は凸部に対応して、それらに嵌まる凸部又は凹部が設けられた、請求項1乃至3の何れかに記載の金型。
【請求項5】
凸部は、可動型の離型方向に沿って、径が拡大又は縮小して形成された請求項4に記載の金型。
【請求項6】
第1の樹脂にて形成された第1の成形体と、該第1の樹脂とは異なる強度の樹脂から形成され、第1の成形体に被さる第2の成形体からなる成形品を金型を用いて製造する方法であって、
金型は、固定型と該固定型に接近離間する可動型を具え、固定型と可動型の間にキャビティを設け、何れか一方の型のキャビティ側に、予め成形された第1の成形体が取り付けられ突起を具え、該突起は第1の成形体の厚み方向である可動型の移動方向に延び、何れか一方の型に第2の成形体を形成する樹脂をキャビティに充填する充填口を設け、
可動型を固定型に対して開き、予め成形された第1の成形体を突起に取り付ける工程と、 可動型を固定型に対して閉じる工程と、
第2の成形体を形成する樹脂を充填口からキャビティに充填し、突起によって、第1の成形体と突起が配備された型との間に形成される第1の成形体の厚み方向に沿う隙間を、該樹脂にて充填する工程を有する方法。
【請求項7】
請求項6の方法で形成され、表面に突起の跡である窪み穴を形成した成形品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−194701(P2011−194701A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63627(P2010−63627)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
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