説明

所定の吸入ルートによる抗精神病薬の送出

【課題】所定の吸入ルートによる抗精神病薬の送出に関する。具体的には、吸入療法に使用される抗精神病薬を含むエアロゾルの提供。
【解決手段】エアロゾルは、少なくとも5重量%の抗精神病薬を含む粒子を含む。方法態様では、抗精神病薬は、所定の吸入ルートによって哺乳類へ送出される。この方法は、a)組成物を加熱するステップであって、組成物は少なくとも5重量%の抗精神病薬を含み、蒸気を形成するステップと、b)蒸気を冷却させて、哺乳類によって吸入される粒子を含む凝縮エアロゾルを形成するステップとを含む。キットでは、所定の吸入ルートによって抗精神病薬を哺乳類へ送出するための、a)少なくとも5重量%の抗精神病薬を含む組成物と、b)哺乳類が吸入するために、組成物から抗精神病薬含有エアロゾルを形成する装置と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
[0001]本願は、2001年5月24日に出願されたRabinowitzおよびZaffaroniの米国予備特許出願第60/294,203号、発明の名称「薬剤の熱蒸気送出(Thermal Vapor Delivery of Drugs)」の優先権を主張し、その開示全体は参照してここに組み込まれる。本願は、2001年9月5日に出願されたRabinowitzおよびZaffaroniの米国予備特許出願第60/317,479号、発明の名称「エアロゾル薬剤送出(Aerosol Drug Delivery)」の優先権をさらに主張し、その開示全体は参照してここに組み込まれる。
【発明の分野】
【0002】
[0002]本発明は、所定の吸入ルート(吸入手順)による抗精神病薬の送出に関する。具体的には、吸入療法に使用される抗精神病薬を含むエアロゾルに関する。
【発明の背景】
【0003】
[0003]現在、精神病を治療するために多数の組成物が売買されている。組成物は、実際の治療効果を提供する少なくとも1つの活性成分を含む。抗精神病薬組成物に与えられる活性成分には、オランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンがある。
【0004】
[0004]活性化合物のピーク血漿濃度を即座に作る抗精神病薬用の新しい投与ルートを提供することが望ましい。そのようなルートを提供することが、本発明の目的である。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本発明は、所定の吸入ルートによる抗精神病薬の送出に関する。具体的には、吸入療法に使用される抗精神病薬を含むエアロゾルに関する。
【0006】
[0006]本発明の組成態様において、エアロゾルは、少なくとも5重量%の抗精神病薬を含む粒子を含む。好ましくは、粒子は、少なくとも10重量%の抗精神病薬を含む。より好ましくは、粒子は、少なくとも20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、97重量%、99重量%、99.5重量%または99.97重量%の抗精神病薬を含む。
【0007】
[0007]典型的に、エアロゾルは、少なくとも10μgの質量を有する。好ましくは、エアロゾルは、少なくとも100μgの質量を有する。より好ましくは、エアロゾルは、少なくとも200μgの質量を有する。
【0008】
[0008]典型的に、粒子は、10重量%未満の抗精神病薬分解生成物を含む。好ましくは、粒子は、5重量%未満の抗精神病薬分解生成物を含む。より好ましくは、粒子は、2.5、1、0.5、0.1または0.03重量%未満の抗精神病薬分解生成物を含む。
【0009】
[0009]典型的に、粒子は、90重量%未満の水を含む。好ましくは、粒子は、80重量%未満の水を含む。より好ましくは、粒子は、70重量%、60重量%、50重量%、40重量%、30重量%、20重量%、10重量%、または5重量%未満の水を含む。
【0010】
[0010]典型的に、少なくとも50重量%のエアロゾルが非晶質の形態であり、個別の粒子の性質とは関係なく、結晶質形態が総エアロゾル重量の50重量%未満を構成する。好ましくは、少なくとも75重量%のエアロゾルが非晶質の形態である。より好ましくは、少なくとも90重量%のエアロゾルが非晶質の形態である。
【0011】
[0011]典型的に、エアロゾル粒子は、5ミクロン未満の空気力学的質量中位径を有する。好ましくは、粒子は、3ミクロン未満の空気力学的質量中位径を有する。より好ましくは、粒子は、2または1ミクロン未満の空気力学的質量中位径を有する。
【0012】
[0012]典型的に、エアロゾル粒子の空気力学的質量中位径の幾何学的標準偏差は、3.0未満である。好ましくは、幾何学的標準偏差は、2.5未満である。より好ましくは、幾何学的標準偏差は、2.1未満である。
【0013】
[0013]典型的に、エアロゾルは、抗精神病薬を含む組成物を加熱して蒸気を形成し、その後、蒸気を凝縮させエアロゾルにすることによって形成される。
【0014】
[0014]典型的に、抗精神病薬は、典型抗精神病薬であるか、または異型抗精神病薬である。
【0015】
[0015]本発明の別の組成態様において、エアロゾルは、少なくとも5重量%のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンを含む粒子を含む。好ましくは、粒子は、少なくとも10重量%のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンを含む。より好ましくは、粒子は、少なくとも20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、97重量%、99重量%、99.5重量%または99.97重量%のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンを含む。
【0016】
[0016]典型的に、エアロゾルは、少なくとも10μgの質量を有する。好ましくは、エアロゾルは、少なくとも100μgの質量を有する。より好ましくは、エアロゾルは、少なくとも200μgの質量を有する。
【0017】
[0017]典型的に、粒子は、10重量%未満のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンの分解生成物を含む。好ましくは、粒子は、5重量%未満のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンの分解生成物を含む。より好ましくは、粒子は、2.5、1、0.5、0.1または0.03重量%未満のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンの分解生成物を含む。
【0018】
[0018]典型的に、粒子は、90重量%未満の水を含む。好ましくは、粒子は、80重量%未満の水を含む。より好ましくは、粒子は、70重量%、60重量%、50重量%、40重量%、30重量%、20重量%、10重量%、または5重量%未満の水を含む。
【0019】
[0019]典型的に、少なくとも50重量%のエアロゾルが非晶質の形態であり、個別の粒子の性質とは関係なく、結晶質形態が総エアロゾル重量の50重量%未満を構成する。好ましくは、少なくとも75重量%のエアロゾルが非晶質の形態である。より好ましくは、少なくとも90重量%のエアロゾルが非晶質の形態である。
【0020】
[0020]典型的に、エアロゾルがオランザピンを含む場合、エアロゾルは、0.2mg/L〜20mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、0.5mg/L〜10mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、1mg/L〜5mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0021】
[0021]典型的に、エアロゾルがトリフルオペラジンを含む場合、エアロゾルは、0.2mg/L〜10mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、0.5mg/L〜8mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、1mg/L〜5mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0022】
[0022]典型的に、エアロゾルがハロペリドールを含む場合、エアロゾルは、0.2mg/L〜10mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、0.5mg/L〜8mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、1mg/L〜5mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0023】
[0023]典型的に、エアロゾルがロクサピンを含む場合、エアロゾルは、2mg/L〜100mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、5mg/L〜80mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、10mg/L〜50mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0024】
[0024]典型的に、エアロゾルがリスペリドンを含む場合、エアロゾルは、0.1mg/L〜5mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、0.2mg/L〜3mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、0.4mg/L〜2mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0025】
[0025]典型的に、エアロゾルがクロザピンを含む場合、エアロゾルは、2mg/L〜200mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、4mg/L〜150mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、10mg/L〜100mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0026】
[0026]典型的に、エアロゾルがクエチアピンを含む場合、エアロゾルは、2mg/L〜200mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、4mg/L〜150mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、10mg/L〜100mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0027】
[0027]典型的に、エアロゾルがプロマジンを含む場合、エアロゾルは、2mg/L〜200mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、4mg/L〜150mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、10mg/L〜100mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0028】
[0028]典型的に、エアロゾルがチオチキセンを含む場合、エアロゾルは、0.5mg/L〜20mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、1mg/L〜10mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、2mg/L〜8mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0029】
[0029]典型的に、エアロゾルがクロルプロマジンを含む場合、エアロゾルは、2mg/L〜200mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、4mg/L〜150mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、5mg/L〜100mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0030】
[0030]典型的に、エアロゾルがドロペリドールを含む場合、エアロゾルは、0.2mg/L〜20mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、0.5mg/L〜10mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、1mg/L〜5mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0031】
[0031]典型的に、エアロゾルがプロクロルペラジンを含む場合、エアロゾルは、0.5mg/L〜20mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、1mg/L〜15mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、2mg/L〜10mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0032】
[0032]典型的に、エアロゾルがフルフェナジンを含む場合、エアロゾルは、0.1mg/L〜10mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、0.2mg/L〜8mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、0.5mg/L〜5mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0033】
[0033]典型的に、エアロゾルは、10粒子/mLより大きい吸入可能なエアロゾル粒子密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、10粒子/mLまたは10粒子/mLより大きい吸入可能なエアロゾル粒子密度を有する。
【0034】
[0034]典型的に、エアロゾル粒子は、5ミクロン未満の空気力学的質量中位径を有する。好ましくは、粒子は、3ミクロン未満の空気力学的質量中位径を有する。より好ましくは、粒子は、2または1ミクロン未満の空気力学的質量中位径を有する。
【0035】
[0035]典型的に、エアロゾル粒子の空気力学的質量中位径の幾何学的標準偏差は、3.0未満である。好ましくは、幾何学的標準偏差は、2.5未満である。より好ましくは、幾何学的標準偏差は、2.1未満である。
【0036】
[0036]典型的に、エアロゾルは、オランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンを含む組成物を加熱して蒸気を形成し、その後、蒸気を凝縮させエアロゾルにすることによって形成される。
【0037】
[0037]本発明の方法態様において、抗精神病薬は、所定の吸入ルートによって哺乳類へ送出される。当該方法は、a)組成物を加熱するステップであって、組成物は少なくとも5重量%の抗精神病薬を含み、蒸気を形成するステップと、b)蒸気を冷却させ、それによって、哺乳類によって吸入される、粒子を含む凝縮エアロゾルを形成するステップと、を含む。好ましくは、加熱される組成物は、少なくとも10重量%の抗精神病薬を含む。より好ましくは、組成物は、少なくとも20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、97重量%、99重量%、99.5重量%、99.9重量%または99.97重量%の抗精神病薬を含む。
【0038】
[0038]典型的に、粒子は、少なくとも5重量%の抗精神病薬を含む。好ましくは、粒子は、少なくとも10重量%の抗精神病薬を含む。より好ましくは、粒子は、少なくとも20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、97重量%、99重量%、99.5重量%、99.9重量%または99.97重量%の抗精神病薬を含む。
【0039】
[0039]典型的に、凝縮エアロゾルは、少なくとも10μgの質量を有する。好ましくは、エアロゾルは、少なくとも100μgの質量を有する。より好ましくは、エアロゾルは、少なくとも200μgの質量を有する。
【0040】
[0040]典型的に、粒子は、10重量%未満の抗精神病薬分解生成物を含む。好ましくは、粒子は、5重量%未満の抗精神病薬分解生成物を含む。より好ましくは、粒子は、2.5、1、0.5、0.1または0.03重量%の抗精神病薬分解生成物を含む。
【0041】
[0041]典型的に、粒子は、90重量%未満の水を含む。好ましくは、粒子は、80重量%未満の水を含む。より好ましくは、粒子は、70重量%、60重量%、50重量%、40重量%、30重量%、20重量%、10重量%、または5重量%未満の水を含む。
【0042】
[0042]典型的に、少なくとも50重量%のエアロゾルが非晶質の形態であり、個別の粒子の性質とは関係なく、結晶質形態が総エアロゾル重量の50重量%未満を構成する。好ましくは、少なくとも75重量%のエアロゾルが非晶質の形態である。より好ましくは、少なくとも90重量%のエアロゾルが非晶質の形態である。
【0043】
[0043]典型的に、送出される凝縮エアロゾルの粒子は、5ミクロン未満の空気力学的質量中位径を有する。好ましくは、粒子は、3ミクロン未満の空気力学的質量中位径を有する。より好ましくは、粒子は、2または1ミクロン未満の空気力学的質量中位径を有する。
【0044】
[0044]典型的に、エアロゾル粒子の空気力学的質量中位径の幾何学的標準偏差は、3.0未満である。好ましくは、幾何学的標準偏差は、2.5未満である。より好ましくは、幾何学的標準偏差は、2.1未満である。
【0045】
[0045]典型的に、送出される凝縮エアロゾルの吸入可能なエアロゾル粒子形成の速度は、1秒当たり10粒子より大きい。好ましくは、エアロゾルは、1秒当たり10吸入可能粒子より大きい速度で形成される。より好ましくは、エアロゾルは、1秒当たり1010吸入可能粒子より大きい速度で形成される。
【0046】
[0046]典型的に、送出される凝縮エアロゾルは、0.5mg/秒より大きい速度で形成される。好ましくは、エアロゾルは、0.75mg/秒より大きい速度で形成される。より好ましくは、エアロゾルは、1mg/秒、1.5mg/秒または2mg/秒より大きい速度で形成される。
【0047】
[0047]典型的に、送出される凝縮エアロゾルは、結果として、1時間未満で哺乳類における抗精神病薬のピーク血漿濃度になる。好ましくは、ピーク血漿濃度は、0.5時間未満で到達する。より好ましくは、ピーク血漿濃度は、0.2、0.1、0.05、0.02、0.01または0.005時間未満で到達する(動脈測定)。
【0048】
[0048]典型的に、抗精神病薬は、典型抗精神病薬であるか、または異型抗精神病薬である。
【0049】
[0049]本発明の別の方法態様において、オランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンの1つは、所定の吸入ルートによって哺乳類へ送出される。当該方法は、a)組成物を加熱するステップであって、組成物は少なくとも5重量%のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンを含み、蒸気を形成するステップと、b)蒸気を冷却させ、それによって、哺乳類によって吸入される、粒子を含む凝縮エアロゾルを形成するステップと、を含む。好ましくは、加熱される組成物は、少なくとも10重量%のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンを含む。より好ましくは、組成物は、少なくとも20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、97重量%、99重量%、99.5重量%、99.9重量%または99.97重量%のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンを含む。
【0050】
[0050]典型的に、粒子は、少なくとも5重量%のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンを含む。好ましくは、粒子は、少なくとも10重量%のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンを含む。より好ましくは、粒子は、少なくとも20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、97重量%、99重量%、99.5重量%、99.9重量%または99.97重量%のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンを含む。
【0051】
[0051]典型的に、凝縮エアロゾルは、少なくとも10μgの質量を有する。好ましくは、エアロゾルは、少なくとも100μgの質量を有する。より好ましくは、エアロゾルは、少なくとも200μgの質量を有する。
【0052】
[0052]典型的に、粒子は、10重量%未満のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンの分解生成物を含む。好ましくは、粒子は、5重量%未満のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンの分解生成物を含む。より好ましくは、粒子は、2.5、1、0.5、0.1または0.03重量%のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンの分解生成物を含む。
【0053】
[0053]典型的に、粒子は、90重量%未満の水を含む。好ましくは、粒子は、80重量%未満の水を含む。より好ましくは、粒子は、70重量%、60重量%、50重量%、40重量%、30重量%、20重量%、10重量%、または5重量%未満の水を含む。
【0054】
[0054]典型的に、少なくとも50重量%のエアロゾルが非晶質の形態であり、個別の粒子の性質とは関係なく、結晶質形態が総エアロゾル重量の50重量%未満を構成する。好ましくは、少なくとも75重量%のエアロゾルが非晶質の形態である。より好ましくは、少なくとも90重量%のエアロゾルが非晶質の形態である。
【0055】
[0055]典型的に、送出される凝縮エアロゾルの粒子は、5ミクロン未満の空気力学的質量中位径を有する。好ましくは、粒子は、3ミクロン未満の空気力学的質量中位径を有する。より好ましくは、粒子は、2または1ミクロン未満の空気力学的質量中位径を有する。
【0056】
[0056]典型的に、エアロゾル粒子の空気力学的質量中位径の幾何学的標準偏差は、3.0未満である。好ましくは、幾何学的標準偏差は、2.5未満である。より好ましくは、幾何学的標準偏差は、2.1未満である。
【0057】
[0057]典型的に、エアロゾルがオランザピンを含む場合、エアロゾルは、0.2mg/L〜20mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、0.5mg/L〜10mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、1mg/L〜5mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0058】
[0058]典型的に、エアロゾルがトリフルオペラジンを含む場合、エアロゾルは、0.2mg/L〜10mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、0.5mg/L〜8mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、1mg/L〜5mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0059】
[0059]典型的に、エアロゾルがハロペリドールを含む場合、エアロゾルは、0.2mg/L〜10mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、0.5mg/L〜8mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、1mg/L〜5mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0060】
[0060]典型的に、エアロゾルがロクサピンを含む場合、エアロゾルは、2mg/L〜100mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、5mg/L〜80mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、10mg/L〜50mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0061】
[0061]典型的に、エアロゾルがリスペリドンを含む場合、エアロゾルは、0.1mg/L〜5mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、0.2mg/L〜3mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、0.4mg/L〜2mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0062】
[0062]典型的に、エアロゾルがクロザピンを含む場合、エアロゾルは、2mg/L〜200mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、4mg/L〜150mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、10mg/L〜100mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0063】
[0063]典型的に、エアロゾルがクエチアピンを含む場合、エアロゾルは、2mg/L〜200mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、4mg/L〜150mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、10mg/L〜100mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0064】
[0064]典型的に、エアロゾルがプロマジンを含む場合、エアロゾルは、2mg/L〜200mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、4mg/L〜150mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、10mg/L〜100mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0065】
[0065]典型的に、エアロゾルがチオチキセンを含む場合、エアロゾルは、0.5mg/L〜20mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、1mg/L〜10mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、2mg/L〜8mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0066】
[0066]典型的に、エアロゾルがクロルプロマジンを含む場合、エアロゾルは、2mg/L〜200mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、4mg/L〜150mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、5mg/L〜100mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0067】
[0067]典型的に、エアロゾルがドロペリドールを含む場合、エアロゾルは、0.2mg/L〜20mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、0.5mg/L〜10mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、1mg/L〜5mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0068】
[0068]典型的に、エアロゾルがプロクロルペラジンを含む場合、エアロゾルは、0.5mg/L〜20mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、1mg/L〜15mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、2mg/L〜10mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0069】
[0069]典型的に、エアロゾルがフルフェナジンを含む場合、エアロゾルは、0.1mg/L〜10mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、0.2mg/L〜8mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。より好ましくは、エアロゾルは、0.5mg/L〜5mg/Lの間の吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度を有する。
【0070】
[0070]典型的に、送出されるエアロゾルは、10粒子/mLより大きい吸入可能なエアロゾル粒子密度を有する。好ましくは、エアロゾルは、10粒子/mLまたは10粒子/mLより大きい吸入可能なエアロゾル粒子密度を有する。
【0071】
[0071]典型的に、送出される凝縮エアロゾルの吸入可能なエアロゾル粒子形成の速度は、1秒当たり10粒子より大きい。好ましくは、エアロゾルは、1秒当たり10吸入可能粒子より大きい速度で形成される。より好ましくは、エアロゾルは、1秒当たり1010吸入可能粒子より大きい速度で形成される。
【0072】
[0072]典型的に、送出される凝縮エアロゾルは、0.5mg/秒より大きい速度で形成される。好ましくは、エアロゾルは、0.75mg/秒より大きい速度で形成される。より好ましくは、エアロゾルは、1mg/秒、1.5mg/秒または2mg/秒より大きい速度で形成される。
【0073】
[0073]典型的に、凝縮エアロゾルがオランザピンを含む場合、0.2mg〜20mgの間のオランザピンが単一吸息で哺乳類に送出される。好ましくは、0.5mg〜10mgの間のオランザピンが単一吸息で哺乳類に送出される。より好ましくは、1mg〜5mgの間のオランザピンが単一吸息で哺乳類に送出される。
【0074】
[0074]典型的に、凝縮エアロゾルがトリフルオペラジンを含む場合、0.2mg〜10mgの間のトリフルオペラジンが単一吸息で哺乳類に送出される。好ましくは、0.5mg〜8mgの間のトリフルオペラジンが単一吸息で哺乳類に送出される。より好ましくは、1mg〜5mgの間のトリフルオペラジンが単一吸息で哺乳類に送出される。
【0075】
[0075]典型的に、凝縮エアロゾルがハロペリドールを含む場合、0.2mg〜10mgの間のハロペリドールが単一吸息で哺乳類に送出される。好ましくは、0.5mg〜8mgの間のハロペリドールが単一吸息で哺乳類に送出される。より好ましくは、1mg〜5mgの間のハロペリドールが単一吸息で哺乳類に送出される。
【0076】
[0076]典型的に、凝縮エアロゾルがロクサピンを含む場合、2mg〜100mgの間のロクサピンが単一吸息で哺乳類に送出される。好ましくは、5mg〜80mgの間のロクサピンが単一吸息で哺乳類に送出される。より好ましくは、10mg〜50mgの間のロクサピンが単一吸息で哺乳類に送出される。
【0077】
[0077]典型的に、凝縮エアロゾルがリスペリドンを含む場合、0.1mg〜5mgの間のリスペリドンが単一吸息で哺乳類に送出される。好ましくは、0.2mg〜3mgの間のリスペリドンが単一吸息で哺乳類に送出される。より好ましくは、0.4mg〜2mgの間のリスペリドンが単一吸息で哺乳類に送出される。
【0078】
[0078]典型的に、凝縮エアロゾルがクロザピンを含む場合、2mg〜200mgの間のクロザピンが単一吸息で哺乳類に送出される。好ましくは、4mg〜150mgの間のクロザピンが単一吸息で哺乳類に送出される。より好ましくは、10mg〜100mgの間のクロザピンが単一吸息で哺乳類に送出される。
【0079】
[0079]典型的に、凝縮エアロゾルがクエチアピンを含む場合、2mg〜200mgの間のクエチアピンが単一吸息で哺乳類に送出される。好ましくは、4mg〜150mgの間のクエチアピンが単一吸息で哺乳類に送出される。より好ましくは、10mg〜100mgの間のクエチアピンが単一吸息で哺乳類に送出される。
【0080】
[0080]典型的に、凝縮エアロゾルがプロマジンを含む場合、2mg〜200mgの間のプロマジンが単一吸息で哺乳類に送出される。好ましくは、4mg〜150mgの間のプロマジンが単一吸息で哺乳類に送出される。より好ましくは、10mg〜100mgの間のプロマジンが単一吸息で哺乳類に送出される。
【0081】
[0081]典型的に、凝縮エアロゾルがチオチキセンを含む場合、0.5mg〜20mgの間のチオチキセンが単一吸息で哺乳類に送出される。好ましくは、1mg〜10mgの間のチオチキセンが単一吸息で哺乳類に送出される。より好ましくは、2mg〜8mgの間のチオチキセンが単一吸息で哺乳類に送出される。
【0082】
[0082]典型的に、凝縮エアロゾルがクロルプロマジンを含む場合、2mg〜200mgの間のクロルプロマジンが単一吸息で哺乳類に送出される。好ましくは、4mg〜150mgの間のクロルプロマジンが単一吸息で哺乳類に送出される。より好ましくは、5mg〜100mgの間のクロルプロマジンが単一吸息で哺乳類に送出される。
【0083】
[0083]典型的に、凝縮エアロゾルがドロペリドールを含む場合、0.2mg〜20mg
の間のドロペリドールが単一吸息で哺乳類に送出される。好ましくは、0.5mg〜10
mgの間のドロペリドールが単一吸息で哺乳類に送出される。より好ましくは、1mg〜
5mgの間のドロペリドールが単一吸息で哺乳類に送出される。
【0084】
[0084]典型的に、凝縮エアロゾルがプロクロルペラジンを含む場合、0.5mg〜20mgの間のプロクロルペラジンが単一吸息で哺乳類に送出される。好ましくは、1mg〜15mgの間のプロクロルペラジンが単一吸息で哺乳類に送出される。より好ましくは、2mg〜10mgの間のプロクロルペラジンが単一吸息で哺乳類に送出される。
【0085】
[0085]典型的に、凝縮エアロゾルがフルフェナジンを含む場合、0.1mg〜10mgの間のフルフェナジンが単一吸息で哺乳類に送出される。好ましくは、0.2mg〜8mgの間のフルフェナジンが単一吸息で哺乳類に送出される。より好ましくは、0.5mg〜5mgの間のフルフェナジンが単一吸息で哺乳類に送出される。
【0086】
[0086]典型的に、送出される凝縮エアロゾルは、結果として、1時間未満で哺乳類におけるオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンのピーク血漿濃度になる。好ましくは、ピーク血漿濃度は、0.5時間未満で到達する。より好ましくは、ピーク血漿濃度は、0.2、0.1、0.05、0.02、0.01または0.005時間未満で到達する(動脈測定)。
【0087】
[0087]典型的に、送出される凝縮エアロゾルは、精神病を治療するために使用される。
【0088】
[0088]本発明のキット態様において、所定の吸入ルートによって抗精神病薬を哺乳類へ送出するための、a)少なくとも5重量%の抗精神病薬を含む組成物と、b)哺乳類が吸入するために、組成物から抗精神病薬エアロゾルを形成する装置と、を具備するキットが提供される。好ましくは、組成物は、少なくとも20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、97重量%、99重量%、99.5重量%、99.9重量%または99.97重量%の抗精神病薬を含む。
【0089】
[0089]典型的に、キットに含まれる装置は、a)抗精神病薬組成物を加熱して蒸気を形成する要素と、b)蒸気を冷却させてエアロゾルを形成する要素と、c)哺乳類がエアロゾルを吸入するのを可能にする要素と、を具備する。
【0090】
[0090]本発明のキット態様において、所定の吸入ルートによってオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンを哺乳類へ送出するための、a)少なくとも5重量%のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンを含む組成物と、b)哺乳類が吸入するために、組成物からオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンンのエアロゾルを形成する装置と、を具備するキットが提供される。好ましくは、組成物は、少なくとも20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、97重量%、99重量%、99.5重量%、99.9重量%または99.97重量%のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンを含む。
【0091】
[0091]典型的に、キットに含まれる装置は、a)オランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンの組成物を加熱して蒸気を形成する要素と、b)蒸気を冷却させてエアロゾルを形成する要素と、c)哺乳類がエアロゾルを吸入するのを可能にする要素と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【0092】
[定義]
[0093]所定の粒子の「空気力学的直径」は、所定の粒子と同一の沈降速度を有する1g/mLの密度(水の密度)を備えた球形の滴の直径を意味する。
【0093】
[0094]「エアロゾル」は、気体中に固体または液体の粒子が浮遊したものを意味する。
【0094】
[0095]「エアロゾル薬剤質量密度」は、エアロゾルの単位容量当たりの抗精神病薬の質量を意味する。
【0095】
[0096]「エアロゾル質量密度」は、エアロゾルの単位容量当たりの粒子状物質の質量を意味する。
【0096】
[0097]「エアロゾル粒子密度」は、エアロゾルの単位容量当たりの粒子の数を意味する。
【0097】
[0098]「非晶質粒子」は、50重量%を超える結晶性形態を含まない粒子を意味する。好ましくは、粒子は、25重量%を超える結晶性形態を含まない。より好ましくは、粒子は、10重量%を超える結晶性形態を含まない。
【0098】
[0099]「抗精神病薬分解生成物」は、抗精神病薬の化学的改質から生じる化合物を意味する。改質は、例えば、熱的にまたは光化学的に誘発された反応の結果であってもよい。そのような反応は、酸化および加水分解を含むが、これらに限定されない。
【0099】
[0100]「クロルプロマジン」は、10−(3−ジメチルアミノプロピル)−2−クロルフェノチアジンを意味する。
【0100】
[0101]「クロルプロマジン分解生成物」は、クロルプロマジンの化学的改質から生じる化合物を意味する。改質は、例えば、熱的にまたは光化学的に誘発された反応の結果であってもよい。そのような反応は、酸化および加水分解を含むが、これらに限定されない。
【0101】
[0102]「クロザピン」は、8−クロロ−11−(4−メチル−1−ピペラジニル)−5H−ジベンゾ[b,e]−[1,4]ベンゾジアゼピンを意味する。
【0102】
[0103]「クロザピン分解生成物」は、クロザピンの化学的改質から生じる化合物を意味する。改質は、例えば、熱的にまたは光化学的に誘発された反応の結果であってもよい。そのような反応は、酸化および加水分解を含むが、これらに限定されない。分解生成物の例として、分子式C12OおよびC13Clの化合物が挙げられる。
【0103】
[0104]「ドロペリドール」は、1−[1−[4−(4−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンズイミダゾール−2−オンを意味する。
【0104】
[0105]「ドロペリドール分解生成物」は、ドロペリドールの化学的改質から生じる化合物を意味する。改質は、例えば、熱的にまたは光化学的に誘発された反応の結果であってもよい。そのような反応は、酸化および加水分解を含むが、これらに限定されない。分解生成物の例は、2−ヒドロキシ−ベンズイミダゾールである。
【0105】
[0106]「凝縮エアロゾル」は、物質を蒸発させ、その後、その物質をエアロゾルに凝縮することによって形成されるエアロゾルを意味する。
【0106】
[0107]「フルフェナジン」は、4−[3−[2−(トリフルオロメチル)−10H−フェノチアジン−10−yl]プロピル]−1−ピペラジン−エタノールを意味する。
【0107】
[0108]「フルフェナジン分解生成物」は、フルフェナジンの化学的改質から生じる化合物を意味する。改質は、例えば、熱的にまたは光化学的に誘発された反応の結果であってもよい。そのような反応は、酸化および加水分解を含むが、これらに限定されない。分解生成物の例として、C13NSF(窒素から置換プロピル鎖を除去)およびC13NOSF(C13NSFの酸化)が挙げられる。
【0108】
[0109]「ハロペリドール」は、4−[4−(ρ−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジノール]−4’−フルオロブチロフェノンを意味する。
【0109】
[0110]「ハロペリドール分解生成物」は、ハロペリドールの化学的改質から生じる化合物を意味する。改質は、例えば、熱的にまたは光化学的に誘発された反応の結果であってもよい。そのような反応は、酸化および加水分解を含むが、これらに限定されない。分解生成物の例として、分子式C1114NOCl(窒素から置換プロピル側鎖を除去)の化合物が挙げられる。
【0110】
[0111]「吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度」は、吸入装置によって生成され典型的な患者1回換気量に送出されるエアロゾル薬剤質量密度を意味する。
【0111】
[0112]「吸入可能なエアロゾル質量密度」は、吸入装置によって生成され典型的な患者1回換気量に送出されるエアロゾル質量密度を意味する。
【0112】
[0113]「吸入可能なエアロゾル粒子密度」は、吸入装置によって生成され典型的な患者1回換気量に送出される100nm〜5ミクロンの間のサイズの粒子のエアロゾル粒子密度を意味する。
【0113】
[0114]「ロクサピン」は、2−クロロ−11−(4−メチル−1−ピペラジニル)−ジベンズ[b,f]−[1,4]ジアゼピンを意味する。
【0114】
[0115]「ロクサピン分解生成物」は、ロクサピンの化学的改質から生じる化合物を意味する。改質は、例えば、熱的にまたは光化学的に誘発された反応の結果であってもよい。そのような反応は、酸化および加水分解を含むが、これらに限定されない。
【0115】
[0116]エアロゾルの「空気力学的質量中位径」または「MMAD」は、エアロゾルの粒子質量の半分がMMADよりも大きい空気力学的直径を有する粒子によって導かれ半分がMMADよりも小さい空気力学的直径を有する粒子によって導かれる空気力学的直径を意味する。
【0116】
[0117]「オランザピン」は、2−メチル−4−(4−メチル)−1−ピペラジニル)−10H−チエノ[2,3−b][1,5]ベンゾジアゼピンを意味する。
【0117】
[0118]「オランザピン分解生成物」は、オランザピンの化学的改質から生じる化合物を意味する。改質は、例えば、熱的にまたは光化学的に誘発された反応の結果であってもよい。そのような反応は、酸化および加水分解を含むが、これらに限定されない。分解生成物の例として、C1210OS(ピペラジン基のOHとの交換)およびC12(1−メチルピペラジン)が挙げられる。
【0118】
[0119]「プロクロルペラジン」は、2−クロロ−10−[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)プロピル]−10H−フェノチアジンを意味する。
【0119】
[0120]「プロクロルペラジン分解生成物」は、プロクロルペラジンの化学的改質から生じる化合物を意味する。改質は、例えば、熱的にまたは光化学的に誘発された反応の結果であってもよい。そのような反応は、酸化および加水分解を含むが、これらに限定されない。
【0120】
[0121]「プロマジン」は、N,N−ジメチル−10H−フェノチアジン−10−プロパンアミンを意味する。
【0121】
[0122]「プロマジン分解生成物」は、プロマジンの化学的改質から生じる化合物を意味する。改質は、例えば、熱的にまたは光化学的に誘発された反応の結果であってもよい。そのような反応は、酸化および加水分解を含むが、これらに限定されない。
【0122】
[0123]「クエチアピン」は、2−[2−(4−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−11−yl−1−ピペラジニル)−エトキシ]−エタノールを意味する。
【0123】
[0124]「クエチアピン分解生成物」は、クエチアピンの化学的改質から生じる化合物を意味する。改質は、例えば、熱的にまたは光化学的に誘発された反応の結果であってもよい。そのような反応は、酸化および加水分解を含むが、これらに限定されない。
【0124】
[0125]「エアロゾル形成の速度」は、単位時間当たりに吸入装置によって生成されるエアロゾル化された粒子状物質の質量を意味する。
【0125】
[0126]「吸入可能なエアロゾル粒子形成の速度」は、単位時間当たりに吸入装置によって生成される100nm〜5ミクロンの間のサイズの粒子の数を意味する。
【0126】
[0127]「薬剤エアロゾル形成の速度」は、単位時間当たりに吸入装置によって生成されるエアロゾル化された抗精神病薬の質量を意味する。
【0127】
[0128]「リスペリドン」は、3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンジゾキサゾール−3−yl)−1−ピペリジニル]エチル]6,7,8,9−テトラヒドロ−2−メチル−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンを意味する。
【0128】
[0129]「リスペリドン分解生成物」は、リスペリドンの化学的改質から生じる化合物を意味する。改質は、例えば、熱的にまたは光化学的に誘発された反応の結果であってもよい。そのような反応は、酸化および加水分解を含むが、これらに限定されない。
【0129】
[0130]「沈降速度」は、空気中で重力沈降を受けるエアロゾル粒子の終端速度を意味する。
【0130】
[0131]「チオチキセン」は、シス−9−[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)プロピリデン]−2−(ジメチルスルホンアミド)チオキサンテンを意味する。
【0131】
[0132]「チオチキセン分解生成物」は、チオチキセンの化学的改質から生じる化合物を意味する。改質は、例えば、熱的にまたは光化学的に誘発された反応の結果であってもよい。そのような反応は、酸化および加水分解を含むが、これらに限定されない。分解生成物の例は、分子式C13NOの化合物である。
【0132】
[0133]「トリフルオペラジン」は、2−トリフルオロ−メチル−10−[3’−(1−メチル−4−ピペラジニル)−プロピル]フェノチアジンを意味する。
【0133】
[0134]「トリフルオペラジン分解生成物」は、トリフルオペラジンの化学的改質から生じる化合物を意味する。改質は、例えば、熱的にまたは光化学的に誘発された反応の結果であってもよい。そのような反応は、酸化および加水分解を含むが、これらに限定されない。分解生成物の例は、C11NSF(窒素から置換プロピル側鎖を除去)である。
【0134】
[0135]「典型的な患者1回換気量」は、成人患者では1L、および、小児患者では15mL/kgを意味する。
【0135】
[0136]「蒸気」は気体を意味し、「蒸気相」は、気体相を意味する。「熱蒸気」という用語は、好ましくは加熱によって形成される、蒸気相、エアロゾル、または、エアロゾル−蒸気相の混合物を意味する。
[抗精神病薬含有エアロゾルの形成]
【0136】
[0137]任意の適切な方法を使用して、本発明のエアロゾルを形成する。しかし、好適な方法は、抗精神病薬を含む組成物を加熱して蒸気を形成し、その後、蒸気を冷却し、これが凝縮して抗精神病薬含有エアロゾル(凝縮エアロゾル)を提供するようにすることに関与する。組成物は、次の4つの形態の1つで加熱される。すなわち、純粋な活性化合物(例えば、純粋なオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドールまたはフルフェナジン)として、活性化合物と製薬的に受け入れ可能な賦形剤との混合物として、純粋な活性化合物の塩形態として、および、活性化合物の塩形態と製薬的に受け入れ可能な賦形剤との混合物として、である。
【0137】
[0138]抗精神病薬(例えば、オランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジン)の塩形態は、市販されているか、または、業界でよく知られた方法を使用して対応する遊離塩基から得られるか、のいずれかである。様々な製薬的に受け入れ可能な塩が、エアロゾル化に適切である。そのような塩として、下記の、塩化水素酸、臭化水素酸、酢酸、マレイン酸、蟻酸、および、フマル酸の塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0138】
[0139]製薬的に受け入れ可能な賦形剤は、揮発性であっても非揮発性であってもよい。揮発性の賦形剤は、加熱されるときには、同時に揮発され、エアロゾル化され、抗精神病薬とともに吸入される。そのような賦形剤のクラスは業界では公知であり、気体状、超臨界流体、液体および固体の溶剤を含むが、これらに限定されない。下記は、クラス内の例示的なキャリヤのリストである。すなわち、水;テルペン、例えばメントール;アルコール、例えばエタノール、プロピレングリコール、グリセロールおよび他の類似アルコール;ジメチルホルムアミド;ジメチルアセトアミド;ワックス;超臨界二酸化炭素;ドライアイス;およびこれらの混合物である。
【0139】
[0140]組成物が上で加熱される固体サポートは様々な形状である。そのような形状の例として、直径1.0mm未満の円筒形、厚さ1.0mm未満のボックス、および、小さな(例えば1.0mm未満のサイズの)孔によって浸透される実質的に任意の形状が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、固体サポートは、大きな表面積対体積比(例えば1メートル当たり100を超える)および大きな表面積対質量比(例えば1グラム当たり1cmを超える)を提供する。
【0140】
[0141]1つの形状の固体サポートを、異なる特性を有する別の形状に変形することもできる。例えば、厚さ0.25mmの平らなシートは、1メートル当たりおよそ8,000の表面積対体積比を有する。シートを直径1cmの中空シリンダ内に転がして、元々のシートの高い表面積対質量比を維持するがより低い表面積対体積比(1メートル当たり約400)を有するサポートを製造する。
【0141】
[0142]多くの異なる材料を使用して、固体サポートを作る。そのような材料のクラスとして、金属、無機材料、炭質材料およびポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。下記は材料クラスの例である。すなわち、アルミニウム、銀、金、ステンレス鋼、銅およびタングステン;シリカ、ガラス、シリコンおよびアルミナ;グラファイト、多孔性カーボン、カーボンヤーンおよびカーボンフェルト;ポリテトラフルオロエチレンおよびポリエチレングリコールである。材料の組み合わせおよび材料のコーティングされた変形も同様に使用される。
【0142】
[0143]アルミニウムが固体サポートとして使用される場合には、アルミニウム箔が適切な材料である。シリカ、アルミナおよびシリコン系材料の例として、非晶質シリカS−5631(シグマ(Sigma)、ミズーリ州セントルイス(St. Louis, MO))、BCR171(オールドリッチ(Aldrich)、ミズーリ州セントルイス製の2m/gよりも大きい規定された表面積のアルミナ)および半導体業界で使用されるようなシリコンウエーハが挙げられる。カーボンヤーンおよびフェルトは、アメリカン・キノール社(American Kynol, Inc.)、ニューヨーク州ニューヨーク(New York, NY)から入手可能である。多孔性シリカに化学的に結合されたオクタデシルシラン等のクロマトグラフ樹脂は、シリカの例示的なコーティングされた変形である。
【0143】
[0144]抗精神病薬組成物の加熱は、任意の適切な方法を使用して行われる。熱を発生させることができる方法の例として、下記が挙げられる。すなわち、電気抵抗要素を通る電流の通過;マイクロ波またはレーザー光線等の電磁放射線の吸収;および、発熱溶媒化、自然発火材料の水和および可燃性材料の酸化等の発熱化学反応である。
[抗精神病薬含有エアロゾルの送出]
【0144】
[0145]本発明の抗精神病薬含有エアロゾルは、吸入装置を使用して哺乳類に送出される。エアロゾルが凝縮エアロゾルである場合には、装置は少なくとも3つの要素を含む。すなわち、抗精神病薬含有組成物を加熱して蒸気を形成するための要素;蒸気を冷却させ、それによって凝縮エアロゾルを提供する要素;および、哺乳類がエアロゾルを吸入するのを可能にする要素である。様々な適切な加熱方法が上述されている。冷却させる要素は、そのもっとも簡単な形態において、加熱手段を吸入手段に連結するための不活性通路である。吸入を可能にする要素は、冷却要素と哺乳類の呼吸系との間の接続を形成するエアロゾル出入り口である。
【0145】
[0146]抗精神病薬含有エアロゾルを送出するために使用される1つの装置は、図1を参照して説明される。送出装置100は、近位端102および遠位端104と、加熱モジュール106と、電源108と、マウスピース110と、を有する。抗精神病薬組成物は、加熱モジュール106の表面112に置かれる。ユーザ作動スイッチ114が作動されると、電源108は加熱モジュール106の加熱を開始する(例えば、可燃性燃料の点火によってまたは抵抗加熱要素を通る電流の通過によって)。抗精神病薬組成物は、加熱モジュール106の加熱のため揮発し、装置の近位端102でマウスピース110に到達する前に凝縮して凝縮エアロゾルを形成する。装置遠位端104からマウスピース110へ移動する空気の流れは、凝縮エアロゾルをマウスピース110へ運び、そこで哺乳類によって吸入される。
【0146】
[0147]装置は、所望により、抗精神病薬含有エアロゾルの送出を容易にするための様々な構成要素を含む。例えば、装置は、吸入に対する薬剤エアロゾル化のタイミングを制御するために(例えば呼吸作動)、吸入の速度および/または容量に関して患者にフィードバックを提供するために、過剰な使用を防止するために(すなわち「ロックアウト」特徴)、権限のない人による使用を防止するために、且つ/または、投与歴を記録するために、業界で公知のいずれの構成要素を含んでもよい。
[抗精神病薬含有エアロゾルの投与量]
【0147】
[0148]エアロゾル形態の抗精神病薬の投与量は、一般に、経口で与えられる薬剤の標準投与量の2倍を超えない。例えば、オランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール
ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンまたはフルフェナジンは、それぞれ、精神病を治療するために、10mg、7.5mg〜10mg、2mg、30mg〜50mg、2mg〜8mg、150mg、75mg、50mg〜100mg、10mg、10mg〜100mg、1mg、5mgおよび1mgの強さで与えられる。エアロゾルとして、オランザピンの0.2mg〜20mg、トリフルオペラジンの0.2mg〜10mg、ハロペリドールの0.2mg〜10mg、ロクサピンの2mg〜100mg、リスペリドンの0.1mg〜5mg、クロザピンの2mg〜200mg、クエチアピンの2mg〜200mg、プロマジンの2mg〜200mg、チオチキセンの0.5mg〜20mg、クロルプロマジンの2mg〜200mg、ドロペリドールの0.2mg〜20mg、プロクロルペラジンの0.5mg〜20mg、および、フルフェナジンの0.1mg〜10mgが一般に、同一の適応症用に吸息ごとに提供される。抗精神病薬含有エアロゾルの典型的な投与量は、単一の吸入としてかまたは1時間以内に取られる一連の吸入としてかのいずれかで、投与される(投与量は吸入された量の合計に等しい)。薬剤が一連の吸入として投与される場合には、各吸入では異なる量が送出されてもよい。
【0148】
[0149]動物実験および投与量決定(フェーズI/II)臨床試験等の方法を使用して、特定の状態を治療するために抗精神病薬含有エアロゾルの適切な投与量を決定することができる。1つの動物実験は、動物をエアロゾルに露出した後にその動物における薬剤の血漿濃度を測定することに関与する。イヌまたは霊長類等の哺乳類は、その呼吸系がヒトのものと類似するため、このような試験に典型的に使用される。ヒトにおける検査の当初投与量レベルは一般に、結果としてヒトにおける治療効果に関連する血漿薬剤レベルになった哺乳類モデルにおける投与量より少ないかまたはこれに等しい。次いで、最適な治療的反応が得られるかまたは用量制限毒性に遭遇するまで、ヒトにおける段階的投与量増加が行われる。
[抗精神病薬含有エアロゾルの分析]
【0149】
[0150]抗精神病薬含有エアロゾルの純度は多くの方法を使用して決定され、その例は、Sekineら著「法科学ジャーナル(Journal of Forensic Science)」32:1271〜1280(1987)およびMartinら著「分析毒物ジャーナル(Journal of Analytic Toxicology)」13:158〜162(1989)に記載されている。1つの方法は、気体の流れ(例えば空気の流れ)が一般に0.4〜60L/分の間の速度に維持される装置にエアロゾルを形成することに関与する。気体の流れはエアロゾルを1つ以上のトラップ内に運ぶ。トラップから離れた後に、エアロゾルは、気体または液体のクロマトグラフ等の分析技術を受け、それによって組成物の純度を決定することができる。
【0150】
[0151]エアロゾル収集用に様々な異なるトラップが使用される。下記のリストは、そのようなトラップの例を含む。すなわち、フィルタ;ガラスウール;インピンジャー;溶剤トラップ、例えば、様々なpH値の、ドライアイスで冷却されたエタノール、メタノール、アセトンおよびジクロロメタンのトラップ;エアロゾルを試料採取するシリンジ;エアロゾルが中に引かれる空で低圧(例えば真空)の容器;および、エアロゾル生成装置を完全に囲繞し封入する空の容器である。ガラスウール等の固体が使用される場合には、典型的にエタノール等の溶剤で抽出される。溶剤抽出物は、固体(すなわちガラスウール)自体よりも分析を受ける。シリンジまたは容器が使用される場合には、容器は同様に溶剤で抽出される。
【0151】
[0152]上記に検討された気体または液体のクロマトグラフは、検出システム(すなわちデテクタ)を含む。そのような検出システムは、業界ではよく知られており、例えば、フレームイオン化デテクタ、フォトン吸収デテクタ、および、質量分析デテクタを含む。質量分析デテクタの利点は、これを使用して、抗精神病薬分解生成物の構造を決定することができることである。
【0152】
[0153]抗精神病薬含有エアロゾルの粒子サイズ分布は、業界における任意の適切な方法(例えばカスケードインパクション)を使用して決定される。モックスロート(USPスロート(USP throat)、アンダーセン・インスツルメンツ(Andersen Instruments)、ジョージア州スミルナ(Smyrna, GA))によって炉チューブに連結されたアンダーセン8ステージノンバイアブルカスケードインパクター(Andersen Eight Stage Non−viable Cascade Impactor)(アンダーセン・インスツルメンツ、ジョージア州スミルナ)が、カスケードインパクション検査に使用される1つのシステムである。
【0153】
[0154]吸入可能なエアロゾル質量密度は、例えば、薬剤含有エアロゾルを吸入装置を経由して制限されたチャンバ内に送出し、チャンバに収集された質量を測定することによって決定される。典型的に、エアロゾルは、装置とチャンバとの間に圧力勾配を有することによってチャンバ内に引かれ、チャンバは装置よりも低い圧力である。チャンバの容量は、吸入している患者の1回換気量に近似するものでなければならない。
【0154】
[0155]吸入可能なエアロゾル薬剤質量密度は、例えば、薬剤含有エアロゾルを吸入装置を経由して制限されたチャンバ内に送出し、チャンバに収集された活性薬剤化合物の量を測定することによって決定される。典型的に、エアロゾルは、装置とチャンバとの間に圧力勾配を有することによってチャンバ内に引かれ、チャンバは装置よりも低い圧力である。チャンバの容量は、吸入している患者の1回換気量に近似するものでなければならない。チャンバに収集された活性薬剤化合物の量は、チャンバを抽出し、抽出物のクロマトグラフ分析を行い、クロマトグラフ分析の結果を公知の量の薬剤を含む標準のものと比較することによって決定される。
【0155】
[0156]吸入可能なエアロゾル粒子密度は、例えば、エアロゾル相の薬剤を吸入装置を経由して制限されたチャンバ内に送出し、チャンバに収集された所定のサイズの粒子の数を測定することによって決定される。所定のサイズの粒子の数は、粒子の光散乱特性に基づいて直接測定されてもよい。あるいは、所定のサイズの粒子の数は、所定のサイズ範囲内の粒子の質量を測定し、下記のように、質量に基づいて粒子の数を計算することによって決定される。すなわち、粒子の総数=各サイズ範囲における粒子の数の合計(サイズ範囲1からサイズ範囲Nまで)。所定のサイズ範囲における粒子の数=サイズ範囲における質量/サイズ範囲における典型的な粒子の質量。所定のサイズ範囲における典型的な粒子の質量=π*D3*φ/6、ただし、Dはミクロンでのサイズ範囲(一般に、平均境界MMADがサイズ範囲を規定する)における典型的な粒子の直径であり、φは粒子密度(g/mL)であり、質量はピコグラム(g−12)の単位で与えられる。
【0156】
[0157]吸入可能なエアロゾル粒子形成の速度は、例えば、エアロゾル相の薬剤を吸入装置を経由して制限されたチャンバ内に送出することによって決定される。送出は設定された時間期間(例えば3秒)で行われ、チャンバに収集された所定のサイズの粒子の数は、上記に概略されたように決定される。粒子形成の速度は、収集された100nm〜5ミクロン粒子の数を収集時間の持続時間で割ったものに等しい。
【0157】
[0158]エアロゾル形成の速度は、例えば、エアロゾル相の薬剤を吸入装置を経由して制限されたチャンバ内に送出することによって決定される。送出は設定された時間期間(例えば3秒)で行われ、収集された粒子状物質の質量は、粒子状物質を送出する前および後に、制限されたチャンバの重さを量ることによって決定される。エアロゾル形成の速度は、チャンバの質量の増加を収集時間の持続時間で割ったものに等しい。あるいは、送出装置またはその構成要素の質量の変化が、エアロゾル相の粒子状物質の解放によってのみ発生することができる場合には、粒子状物質の質量は、エアロゾルの送出中に装置または構成要素から失われる質量と等しいと考えられてもよい。この場合、エアロゾル形成の速度は、送出事象中の装置または構成要素の質量の減少を送出事象の持続時間で割ったものに等しい。
【0158】
[0159]薬剤エアロゾル形成の速度は、例えば、抗精神病薬含有エアロゾルを設定された時間期間(例えば3秒)にわたって、吸入装置を経由して制限されたチャンバ内に送出することによって決定される。エアロゾルが純粋な抗精神病薬である場合、チャンバに収集された薬剤の量は上述のように測定される。薬剤エアロゾル形成の速度は、チャンバに収集された抗精神病薬の量を収集時間の持続時間で割ったものに等しい。抗精神病薬含有エアロゾルが製薬的に受け入れ可能な賦形剤を含む場合には、エアロゾル形成の速度にエアロゾル内の抗精神病薬のパーセンテージを掛けたものが、薬剤エアロゾル形成の速度を提供する。
[抗精神病薬含有エアロゾルの有用性]
【0159】
[0160]本発明の抗精神病薬含有エアロゾルは典型的に、精神病の治療のために使用される。
【0160】
[0161]下記の実施例は、本発明を限定するのではなく、例示することを意味する。
【0161】
[0162]トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、二マレイン酸プロクロルペラジンおよびフルフェナジンは、シグマ(Sigma)(www.sigma−aldrich.com)から購入した。リスペリドンは、シグマRBI(Sigma RBI)(www.sigma−aldrich.com)から購入した。クエチアピンは、セロケル(SEROQUEL(登録商標))錠として薬局から購入した。クロザピンおよびオランザピンは、レディ/ケミノール(Reddy/Cheminor)からギフトとして受け取った。クロザピンおよびオランザピンは、市販もされている(それぞれ、クロザリル(CLOZARIL(登録商標))およびジプレキサ(ZYPREXA(登録商標))から業界における標準の方法を使用して分離する)。他の抗精神病薬も同様に得ることができる。
(実施例1)
[化合物塩の遊離塩基を得るための一般手順]
【0162】
[0163]およそ1gの塩(例えば、一塩酸塩)が、脱イオン水(〜30mL)に溶解される。3当量の水酸化ナトリウム(1NNaOHaq)が1滴ごと溶液に加えられ、これが塩基性であることを確実にするためにpHがチェックされる。水溶液がジクロロメタン(〜50mL)で4回抽出され、抽出物が化合され、乾燥され(NaSO)、濾過される。濾過された有機溶液はロータリーエバポレータを使用して濃縮され、所望の遊離塩基を提供する。必要に応じて、遊離塩基の純化は、クロマトグラフまたは再結晶等の標準方法を使用して行われる。
(実施例2)
[ハロゲンバルブから化合物を揮発するための一般手順]
【0163】
[0164]およそ120μLジクロロメタンの薬剤の溶液が、アルミニウム箔の3.5cm×7.5cmの片(アセトンで前処理された)に塗布される。ジクロロメタンを蒸発させる。塗布された箔は、300ワットのハロゲンチューブ(フェイト電気会社(Feit Electric Company)、カリフォルニア州ピコリベラ(Pico Rivera, CA))のまわりを包み、これは、一端がゴムストッパーで封止されたガラスチューブ内に挿入される。90Vまたは108V(プロクロルペラジン)の交流(バリアックによって制御されたラインパワーによって駆動される)を3.5秒間または2.25秒間(プロクロルペラジン)(0.01mg〜8mgの薬剤コーティング)または5秒間(薬剤コーティング>8mg)バルブに流すことによって、熱蒸気(エアロゾルを含む)を生じ、これはガラスチューブ壁に収集される。225nm光の吸収による検出を備えた逆相HPLC分析を使用して、エアロゾルの純度を決定する。(所望により、システムは、揮発前にアルゴンでフラッシュされる。)より高純度のエアロゾルを得るために、より少ない量の薬剤を塗布することができ、加熱すべきより薄いフィルムを産する。フィルム厚さの一次減少が、不純物の一次減少に関連する。
【0164】
[0165]下記の表1は、上記に引用された一般手順を使用して揮発した薬剤からのデータを提供する。
【表1】

(実施例3)
[オランザピンエアロゾルの粒子サイズ、粒子密度、および、吸入可能な粒子形成の速度]
【0165】
[0166]200μLジクロロメタンの12.9mgオランザピンの溶液が、アルミニウム箔の3.5cm×7cmシートの中心部分の薄い層に広げられた。ジクロロメタンを蒸発させた。アルミニウム箔は、300ワットのハロゲンチューブのまわりを包み、これは、T字型のガラスチューブ内に挿入された。チューブの両方の開口はパラフィルムで封止され、これは、流れのために15針で穿刺された。第3の開口は、1リットル3ネックのガラスフラスコに接続された。ガラスフラスコは、フラスコを通って1.1リットルの空気を引くことができる大きなピストンにさらに接続された。110Vラインパワーに接続されたバリアックを使用して90Vを加えることによって、交流がハロゲンバルブを通って流れた。1秒以内に、エアロゾルが表れ、ピストンを使用して1Lフラスコ内に引かれ、エアロゾルの収集は6秒後に終了した。エアロゾルは、1Lフラスコを8ステージアンダーセンノンバイアブルカスケードインパクターへ接続することによって、分析された。結果は表1に示される。収集されたエアロゾルのMMADは、1.7の幾何学的標準偏差で1.6ミクロンであった。表1には、カスケードインパクターの様々なステージで収集された粒子の数も示され、ステージで収集された質量をそのステージでトラップされた典型的な粒子の質量で割ったものによって与えられる。直径Dの単一粒子の質量は、粒子の容量、πD/6に薬剤の密度(1g/cmであるとされる)を掛けたものによって与えられる。吸入可能なエアロゾル粒子密度は、インパクターステージ3〜8で収集された粒子の数の合計を、1Lの収集容量で割ったものであり、4.5×10粒子/mLの吸入可能なエアロゾル粒子密度を与える。吸入可能なエアロゾル粒子形成の速度は、インパクターステージ3〜8で収集された粒子の数の合計を、6秒の形成時間で割ったものであり、7.6×10粒子/秒の吸入可能なエアロゾル粒子形成の速度を与える。
【0166】
【表2】

(実施例4)
[オランザピンエアロゾルの薬剤質量密度および薬剤エアロゾル形成の速度]
【0167】
[0168]200μLジクロロメタンの11.3mgオランザピンの溶液が、アルミニウム箔の3.5cm×7cmシートの中心部分の薄い層に広げられた。ジクロロメタンを蒸発させた。アルミニウム箔は、300ワットのハロゲンチューブのまわりを包み、これは、T字型のガラスチューブ内に挿入された。チューブの両方の開口はパラフィルムで封止され、これは、流れのために15針で穿刺された。第3の開口は、1リットル3ネックのガラスフラスコに接続された。ガラスフラスコは、フラスコを通って1.1リットルの空気を引くことができる大きなピストンにさらに接続された。110Vラインパワーに接続されたバリアックを使用して90Vを加えることによって、交流がハロゲンバルブを通って流れた。数秒以内に、エアロゾルが表れ、ピストンを使用して1Lフラスコ内に引かれ、エアロゾルの形成は6秒後に終了した。エアロゾルを、およそ30分の間、1Lフラスコの壁に堆積させた。次いでフラスコはアセトニトリルで抽出され、抽出物は225nmで光吸収による検出を備えたHPLCによって分析された。公知の量のオランザピンを含む標準と比較することによって、1.2mgの>99%純粋オランザピンがフラスコに収集されたことがわかり、結果として1.2mg/Lのエアロゾル薬剤質量密度になった。オランザピンが先に塗布されていたアルミニウム箔は、実験後に重量測定された。アルミニウムに元々塗布された11.3mgのうち、7.1mgの物質が、6秒の時間期間にエアロゾル化したことがわかり、1.2mg/秒の薬剤エアロゾル形成の速度を暗に示した。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】図1は、所定の吸入ルートによって抗精神病薬エアロゾルを哺乳類へ送出するのに使用される装置の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンおよびフルフェナジンからなる群より選ばれる抗精神病薬を含む、吸入療法に使用するための凝縮エアロゾルであって、
a)10重量%未満の前記抗精神病薬の分解生成物を含む粒子を含有し、
b)5μm未満の空気力学的質量中位径を有し、
ここで前記凝縮エアロゾルは、前記抗精神病薬を含む組成物を被覆した固体サポートを加熱し、前記抗精神病薬を蒸発させ、そして蒸気を凝縮して粒子を形成することによって形成される、凝縮エアロゾル。
【請求項2】
前記蒸気の凝縮が、前記蒸気を冷却することにより行われる、請求項1に記載の凝縮エアロゾル。
【請求項3】
前記粒子が、5重量%未満の抗精神病薬の分解生成物を含む、請求項1または2に記載の凝縮エアロゾル。
【請求項4】
前記粒子が、2.5重量%未満の抗精神病薬の分解生成物を含む、請求項1または2に記載の凝縮エアロゾル。
【請求項5】
少なくとも5重量%の前記抗精神病薬を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の凝縮エアロゾル。
【請求項6】
少なくとも90重量%の前記抗精神病薬を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の凝縮エアロゾル。
【請求項7】
3μm未満の空気力学的質量中位径を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の凝縮エアロゾル。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の凝縮エアロゾルを含む、前記抗精神病薬を送出するための組成物。
【請求項9】
吸入療法に使用するための凝縮エアロゾルの形態である抗精神病薬を製造する方法であって、
a)オランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンおよびフルフェナジンからなる群より選ばれる抗精神病薬を、前記抗精神病薬の蒸気を形成するのに有効な条件下で蒸発させる工程であって、ここで前記蒸発は少なくとも5重量%の前記抗精神病薬を含む組成物を加熱することを含む工程と、
b)前記蒸気を凝縮させることにより、10重量%未満の抗精神病薬の分解生成物を含む粒子を含有し、5μm未満の空気力学的質量中位径を有する凝縮エアロゾルを形成する工程と、
を含み、ここで工程a)は前記抗精神病薬を含む組成物を被覆した固体サポートを加熱し、前記抗精神病薬を蒸発させることを含む、方法。
【請求項10】
前記工程a)が、前記抗精神病薬を含む組成物が上に置かれた固体サポートを加熱し、前記抗精神病薬を前記組成物から蒸発させることを含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記工程b)が、前記蒸気を冷却して前記凝縮エアロゾルを形成することを含む、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記粒子が、5重量%未満の抗精神病薬の分解生成物を含む、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記粒子が、2.5重量%未満の抗精神病薬の分解生成物を含む、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記凝縮エアロゾルが、少なくとも90重量%の前記抗精神病薬を含む、請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記粒子が、0.5mg/秒より大きい速度で形成される、請求項9〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記粒子が、1mg/秒より大きい速度で形成される、請求項9〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記凝縮エアロゾルが、3μm未満の空気力学的質量中位径を有する、請求項9〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
吸入療法に使用するための抗精神病薬を送出するためのキットであって、
a)少なくとも5重量%のオランザピン、トリフルオペラジン、ハロペリドール、ロクサピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、プロマジン、チオチキセン、クロルプロマジン、ドロペリドール、プロクロルペラジンおよびフルフェナジンからなる群より選ばれる抗精神病薬を含む組成物と、
b)前記組成物から、前記抗精神病薬を含む凝縮エアロゾルを形成する装置と、
を具備し、
前記装置が、
1)前記抗精神病薬を含む組成物を被覆した固体サポートを加熱し、前記抗精神病薬を蒸発させて蒸気を形成する要素と、
2)前記蒸気を冷却して凝縮エアロゾルを形成する要素と、
3)前記エアロゾルを吸入するのを可能にする要素と、
を具備するキット。
【請求項19】
前記凝縮エアロゾルが、請求項1〜7のいずれか一項に記載の凝縮エアロゾルである、請求項18に記載のキット。
【請求項20】
ロクサピンを含む、吸入療法に使用するための凝縮エアロゾルであって、
a)10重量%未満のロクサピンの分解生成物を含む粒子を含有し、
b)5μm未満の空気力学的質量中位径を有し、
ここで前記凝縮エアロゾルは、ロクサピンを含む組成物を被覆した固体サポートを加熱し、ロクサピンを蒸発させ、そして蒸気を凝縮して粒子を形成することによって形成される、凝縮エアロゾル。
【請求項21】
ロクサピンを含む、吸入療法に使用するための凝縮エアロゾルを形成する方法であって

a)ロクサピンの蒸気を形成するのに有効な条件下でロクサピンを蒸発させ、ここで前記蒸発は少なくとも5重量%のロクサピンを含む組成物を加熱することを含む工程と、
b)前記蒸気を凝縮させることにより、10重量%未満のロクサピンの分解生成物を含む粒子を含有し、5μm未満の空気力学的質量中位径を有する凝縮エアロゾルを形成する工程と、
を含み、ここで工程a)はロクサピンを含む組成物を被覆した固体サポートを加熱し、ロクサピンを蒸発させることを含む、方法。
【請求項22】
プロクロルペラジンを含む、吸入療法に使用するための凝縮エアロゾルであって、
a)10重量%未満のプロクロルペラジンの分解生成物を含む粒子を含有し、
b)5μm未満の空気力学的質量中位径を有し、
ここで前記凝縮エアロゾルは、プロクロルペラジンを含む組成物を被覆した固体サポートを加熱し、プロクロルペラジンを蒸発させ、そして蒸気を凝縮して粒子を形成することによって形成される、凝縮エアロゾル。
【請求項23】
プロクロルペラジンを含む、吸入療法に使用するための凝縮エアロゾルを形成する方法であって、
a)プロクロルペラジンの蒸気を形成するのに有効な条件下でプロクロルペラジンを蒸発させ、ここで前記蒸発は少なくとも5重量%のプロクロルペラジンを含む組成物を加熱することを含む工程と、
b)前記蒸気を凝縮させることにより、10重量%未満のプロクロルペラジンの分解生成物を含む粒子を含有し、5μm未満の空気力学的質量中位径を有する凝縮エアロゾルを形成する工程と、
を含み、ここで工程a)はプロクロルペラジンを含む組成物を被覆した固体サポートを加熱し、プロクロルペラジンを蒸発させることを含む、方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−270138(P2010−270138A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165688(P2010−165688)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【分割の表示】特願2002−590955(P2002−590955)の分割
【原出願日】平成14年5月20日(2002.5.20)
【出願人】(503412296)アレックザ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (15)
【Fターム(参考)】