説明

扉制御装置

【課題】戸開時に扉の反対側にいる人に扉が衝突しないようにすることを目的とする。
【解決手段】入室したい人Aは室外側カードリーダ121にIDカードのカード情報を読み取らせる。認証部210は室外側カードリーダ121により読み取られた情報に基づいて認証処理を行う。認証部210により人Aが認証された場合、カメラ制御部220は室内側カメラ142からカメラ映像を取得し、モニター制御部230は室内側を写したカメラ映像を室外側モニター131に表示する。電気錠制御部250はカメラ映像が表示された後に電気錠112を解錠する。人Aは室外側モニター131で室内側の様子を確認して扉111を開ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、戸開時の衝突事故を防止する扉制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部屋の内外に認証装置が設置され、認証装置が入退室者を認証した場合に部屋の扉を解錠するセキュリティシステムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−66958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のセキュリティシステムには、扉が内開き(または外開き)の場合に入退室者が勢いよく扉を開けた場合に扉の反対側にいる人に扉が衝突するという課題があった。
【0005】
本発明は、例えば、戸開時に扉の反対側にいる人に扉が衝突しないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の扉制御装置は、電気錠で施錠された扉の入口側と前記扉の出口側とのいずれかを操作側として前記操作側に設置される入力装置に入力された入力情報に基づいて前記電気錠を解錠するか否かをCPU(Central Proccessing Unit)を用いて判定する解錠判定部と、前記解錠判定部により前記電気錠を解錠すると判定された場合、前記扉の入口側と前記扉の出口側とのうち前記入力装置が設置されない側を非操作側として前記非操作側に設置されるカメラにより撮像された非操作側画像を前記操作側に設置される表示装置に表示する表示部と、前記表示部により非操作側画像が表示された後、前記電気錠を解錠する解錠部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば、戸開時に扉の反対側にいる人に扉が衝突しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1における扉制御システム100の構成図。
【図2】実施の形態1における扉制御システム100の概要を示す図。
【図3】実施の形態1におけるコントローラ200の扉制御方法を示すフローチャート。
【図4】実施の形態2における扉制御システム100の概要を示す図。
【図5】実施の形態2におけるコントローラ200の扉制御方法を示すフローチャート。
【図6】実施の形態3における扉制御システム100の概要を示す図。
【図7】実施の形態3におけるコントローラ200の扉制御方法(優先側)を示すフローチャート。
【図8】実施の形態3におけるコントローラ200の扉制御方法(非優先側)を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
利用者を認証した場合に、扉を解錠すると共に戸開時の衝突事故を抑止する扉制御システムについて説明する。
【0010】
図1は、実施の形態1における扉制御システム100の構成図である。
実施の形態1における扉制御システム100の構成について、図1に基づいて以下に説明する。
【0011】
扉制御システム100は、入室が制限される部屋の入り口に電気錠112(「E」と記す)により施解錠される扉111を備えると共に、扉111を挟んだ両側(室外側[入口側]、室内側[出口側])にカードリーダ、モニターおよびカメラを備える。
【0012】
カードリーダは、接触または非接触で近づけられたICカードから当該ICカードに記録されているデータを無線で読み取る。以下、ICカードに記録されているデータを「カード情報」という。
カメラは、扉前後(扉周辺)を撮像する。以下、カメラにより撮像された映像を「カメラ映像」という。
【0013】
以下、部屋の外側に設置されたカードリーダ、モニターおよびカメラを室外側カードリーダ121、室外側モニター131および室外側カメラ141という。
また、部屋の内側に設置されたカードリーダ、モニターおよびカメラを室内側カードリーダ122、室内側モニター132および室内側カメラ142という。
【0014】
さらに、扉制御システム100は、電気錠112と室内外のカードリーダ、モニターおよびカメラを制御するコントローラ200(扉制御装置の一例)を備える。
【0015】
コントローラ200は、認証部210(解錠判定部の一例)、カメラ制御部220、モニター制御部230(表示部の一例)、カードリーダ制御部240、電気錠制御部250(解錠部の一例)およびカード情報記憶部290を備える。
【0016】
認証部210は、室外側カードリーダ121または室内側カードリーダ122により読み取られたカード情報に基づいて電気錠112を解錠するか否かをCPU(Central Proccessing Unit)を用いて判定する。
【0017】
カメラ制御部220は、室外側カメラ141および室内側カメラ142を制御し、室外側カメラ141および室内側カメラ142から扉周辺を写したカメラ映像を取得する。
【0018】
モニター制御部230は、認証部210により電気錠112を解錠すると判定された場合、室外側と室内側とのうちカード情報が読み取られた側(以下、「操作側」という)に設置されているモニターに、室外側と室内側とのうち操作側でない側(以下、「非操作側」という)に設置されているカメラにより撮像されたカメラ映像を表示する。
【0019】
カードリーダ制御部240は、モニター制御部230により操作側のモニターに非操作側のカメラ映像が表示された後、電気錠112を解錠することを知らせる所定の認証音を操作側のカードリーダから鳴らす。室外側カードリーダ121および室内側カードリーダ122は内部にスピーカーを有する。
【0020】
電気錠制御部250は、カードリーダ制御部240により操作側のカードリーダから認証音が鳴らされた後、電気錠112を解錠する。
【0021】
カード情報記憶部290は、入室を許されている利用者のIDカード(ICカードの一例)に設定されている利用者の識別情報(カード情報の一例)を登録データとして記憶する記憶装置である。
以下、登録データはカード情報記憶部290に予め記憶されているものとする。
【0022】
コントローラ200は、CPUおよび記憶装置(例えば、ROM、RAM、磁気ディスク装置)を備える(図示省略)。
【0023】
記憶装置には、OS(オペレーティングシステム)、プログラム群およびファイル群が記憶される。
【0024】
プログラム群には、実施の形態において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが含まれる。プログラムは、CPUにより読み出され実行される。すなわち、プログラムは、「〜部」としてコンピュータを機能させるものであり、また「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0025】
ファイル群には、実施の形態において説明する「〜部」で使用される各種データ(入力、出力、判定結果、計算結果、処理結果など)が含まれる。
【0026】
実施の形態において構成図およびフローチャートに含まれている矢印は主としてデータや信号の入出力を示す。
【0027】
実施の形態において「〜部」として説明するものは「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの組み合わせのいずれで実装されても構わない。
【0028】
図2は、実施の形態1における扉制御システム100の概要を示す図である。
実施の形態1における扉制御システム100の概要について、図2に基づいて以下に説明する。
【0029】
入室したい人Aは室外側カードリーダ121にIDカードのカード情報を読み取らせる。
コントローラ200の認証部210は室外側カードリーダ121により読み取られたカード情報に基づいて人Aを認証する。
認証OKの場合、モニター制御部230は室内側カメラ142により撮像された室内側の扉周辺を写したカメラ映像を室外側モニター131に表示し、電気錠制御部250は室外側モニター131に室内側のカメラ映像が表示された後に電気錠112を解錠する。
人Aは室外側モニター131で室内側の扉周辺に人Bがいるか否かを確認し、注意しながら扉111を開いて入室する。
【0030】
図3は、実施の形態1におけるコントローラ200の扉制御方法を示すフローチャートである。
実施の形態1におけるコントローラ200の扉制御方法について、図3に基づいて以下に説明する。
コントローラ200の各「〜部」は、以下に説明する処理(S110〜S131)をCPUを用いて実行する。
【0031】
入室(または退室)したい人はカードリーダ(室外側カードリーダ121または室内側カードリーダ122、以下同じ)にIDカードを近づける。以下、カードリーダにIDカードを近づけた人を「操作者」という。
IDカードには操作者を識別する情報がカード情報として予め記録されている。
カードリーダは近づけられたIDカードから無線通信によりカード情報を読み取り、読み取ったカード情報をコントローラ200に出力する。
以下、室外側と室内側とのうちカード情報を読み取ったカードリーダが設置されている側を「操作側」といい、室外側と室内側とのうちカード情報を読み取ったカードリーダが設置されていない側を「非操作側」という。
【0032】
<S110>
認証部210は、操作者のIDカードから読み取られたカード情報を操作側のカードリーダから入力する。
S110の後、処理はS111に進む。
【0033】
<S111>
認証部210は、S110において入力したカード情報をカード情報記憶部290に予め記憶されている複数の登録情報と照合し、カード情報がいずれかの登録情報と一致するか否かを判定する。
以下、カード情報がいずれかの登録情報と一致する場合を「照合OK」、カード情報がいずれの登録情報とも一致しない場合を「照合NG」という。
「照合OK」は、操作者を認証許可したこと(認証OK)および電気錠112を解錠することを意味する。
S111の後、処理はS112に進む。
【0034】
<S112>
S111において「照合OK」の場合(YES)、処理はS120に進む。
S111において「照合NG」の場合(NO)、扉制御方法の処理は終了する。
【0035】
<S120>
カメラ制御部220は、非操作側のカメラ(室外側カメラ141または室内側カメラ142、以下同じ)を制御して非操作側のカメラに非操作側の扉周辺を写したカメラ映像を撮像させ、非操作側のカメラからカメラ映像を入力する。
S120の後、処理はS121に進む。
【0036】
<S121>
モニター制御部230は、S120において入力された非操作側のカメラ映像を操作側のモニター(室外側モニター131または室内側モニター132、以下同じ)に出力して操作側のモニターに非操作側のカメラ映像を表示させる。
S121の後、処理はS130に進む。
【0037】
<S130>
カードリーダ制御部240は、操作側のカードリーダを制御して操作側のカードリーダに認証音を鳴らさせる。認証音は、電気錠112を解錠することを操作者に知らせるための所定の音である。
S130の後、処理はS131に進む。
【0038】
<S131>
電気錠制御部250は、電気錠112を制御して電気錠112を解錠する。
S131の後、扉制御方法の処理は終了する。
【0039】
操作者は、操作側のモニターに表示されたカメラ映像を見て、扉111の向こう側に人がいるか否かを確認する。
そして、操作者は、扉111の向こう側にいる人が扉111にぶつからないように、また扉111の向こう側にいる人と自分とがぶつからないように、注意しながら扉111を開いて入室(または退室)する。
【0040】
実施の形態1では、入(退)室の際に扉の反対側に人がいることを入(退)室者に知らせる扉制御システム100について説明した。
これにより、入(退)室者が入(退)室の際に扉の反対側にいる人を意識することができる。
【0041】
実施の形態1において、カードリーダは操作者の識別情報を入力するための入力装置の一例である。
例えば、カードリーダの代わり、指紋、指静脈、虹彩などの生体情報を読み取る生体認証装置が用いられてもよい。この場合、認証部210は生体認証装置により読み取られた生体情報を予め記憶装置に登録された登録情報と照合して操作者の認証を行う。
【0042】
非操作側のカメラ映像を操作側のモニターに表示するだけでなく、操作側のカメラ映像を非操作側のモニターに表示してもよい。
【0043】
実施の形態2.
扉の反対側にいる人が居なくなってから扉を解錠する形態について説明する。
以下、実施の形態1と異なる事項について主に説明する。説明を省略する事項は実施の形態1と同様である。
【0044】
扉制御システム100の構成は、実施の形態1(図1参照)と同じである。
カメラ制御部220(人検知部の一例)は、認証部210により電気錠112を解錠すると判定された場合、非操作側のカメラ映像に基づいて非操作側に人がいるかCPUを用いて判定する。
電気錠制御部250は、カメラ制御部220により非操作側に人がいないと判定されたときと、所定の時間が経過したときとのいずれか早いときに、電気錠112を解錠する。
カードリーダ制御部240(注意部の一例)は、前記所定の時間が経過したとき、非操作側のカードリーダから音を鳴らし、非操作側にいる人に注意を促すと共に、操作側のカードリーダから音を鳴らし、操作者に注意を促す。
【0045】
図4は、実施の形態2における扉制御システム100の概要を示す図である。
実施の形態2における扉制御システム100の概要について、図4に基づいて以下に説明する。
【0046】
退室したい人Bは室内側カードリーダ122にIDカードのカード情報を読み取らせる。
コントローラ200の認証部210は室内側カードリーダ122により読み取られたカード情報に基づいて人Bを認証する。
認証OKの場合、モニター制御部230は室外側カメラ141により撮像されたカメラ映像を室内側モニター132に表示し、カメラ制御部220は室外側カメラ141により撮像されたカメラ映像に基づいて室外側の扉周辺に人がいるか否かを判定する。
電気錠制御部250は室外側の扉周辺に人がいなくなるのを待って電気錠112を解錠する。
一定時間を経過しても室外側の扉周辺から人がいなくならない場合、カードリーダ制御部240は室外側カードリーダ121から注意音を鳴らし、電気錠制御部250は電気錠112を解錠する。
人Bは室内側モニター132で室外側の扉周辺に人Aがいることを確認し、注意しながら扉111を開いて退室する。また、人Aは室外側カードリーダ121からの注意音を聞いて扉111から離れる。
【0047】
図5は、実施の形態2におけるコントローラ200の扉制御方法を示すフローチャートである。
実施の形態2におけるコントローラ200の扉制御方法について、図5に基づいて以下に説明する。
【0048】
<S110〜S112>
認証部210は、実施の形態1と同じく、カード情報を登録情報と照合して認証処理を行う。
「照合OK」の場合、処理はS113に進み、「照合NG」の場合、扉制御方法の処理は終了する。
【0049】
<S113>
カメラ制御部220は、「0」を設定して変数「n」を初期化する。変数nは、後述するループ処理(S120〜S116)が処理された回数(ループ回数)をカウントするための変数である。
S113の後、処理はS120に進む。
【0050】
<S120〜S121>
実施の形態1と同じく、カメラ制御部220は非操作側のカメラからカメラ映像を入力し(S120)、モニター制御部230は非操作側のカメラ映像を操作側のモニターに表示する(S121)。
S121の後、処理はS122に進む。
【0051】
<S122>
カメラ制御部220は、S120において入力した非操作側のカメラ映像に基づいて、非操作側の扉周辺に人がいるか否かを判定する。
例えば、特許文献1に開示されている技術を用いることにより、カメラ映像に基づいて人がいるか否かを判定することができる。
S122の後、処理はS123に進む。
【0052】
<S123>
S122において非操作側の扉周辺に人がいると判定された場合(YES)、処理はS114に進む。
S122において非操作側の扉周辺に人がいないと判定された場合(NO)、処理はS130aに進む。
【0053】
<S114>
カメラ制御部220は、変数nと所定の閾値「M」とを大小比較する。閾値Mはループ処理(S120〜S116)が処理されるループ回数の最大値を示す。
「n>=M」の場合(YES)、処理はS130bに進む。
「n<M」の場合(NO)、処理はS115に進む。
【0054】
<S115>
カメラ制御部220は、変数nに「1」を加算する。
S115の後、処理はS116に進む。
【0055】
<S116>
ここで、一定時間「T」の間、処理は停止する。一定時間Tは、予め定められているものとする。
一定時間Tの経過後、処理はS120に戻る。
【0056】
以後、S123において非操作側の扉周辺に人がいないと判定されるか、S114において「n>=M」になるまで、S120〜S116が繰り返し実行される。
【0057】
<S130a>
S123において非操作側の扉周辺に人がいないと判定された場合(NO)、カードリーダ制御部240は、実施の形態1のS130と同様に、操作側のカードリーダから認証音Aを鳴らす。
S130aの後、処理はS131に進む。
【0058】
<S130b>
S114において「n>=M」の場合(YES)、カードリーダ制御部240は、非操作側のカードリーダを制御して非操作側のカードリーダに注意音を鳴らさせる。注意音は、扉111が開くことを非操作側にいる人に知らせるための所定の音である。
S131bの後、処理はS130cに進む。
【0059】
<S130c>
カードリーダ制御部240は、実施の形態1のS130と同様に、操作側のカードリーダから認証音Bを鳴らす。認証音Bは、認証音Aと異なる音であり、電気錠112を解錠することと扉111の向こう側に人がいることとを操作者に知らせる。
S130cの後、処理はS131に進む。
【0060】
<S131>
電気錠制御部250は、電気錠112を制御して電気錠112を解錠する。
S131の後、扉制御方法の処理は終了する。
【0061】
変数n(扉前の状態確認回数)、一定時間T(扉前の状態確認間隔)および閾値M(状態確認最大回数)は設置場所に応じて設定するとよい。
扉前の状態確認回数(n)の値を調整することは、認証を遅らすことで扉前にいる人がすぐに移動する場合に、操作者に意識させることなく衝突を防止させることに効果的である。
扉前の状態確認間隔(T)の値は、コントローラ200の処理能力が高いほど小さく(短く)でき、コントローラ200の処理能力が低いほど大きく(長く)しなければならない。扉前の状態確認間隔(T)が小さくなると、扉の向こう側にいた人がいなくなったことを検知できるまでの時間が短くなる。逆に、扉前の状態確認間隔(T)が大きくなると、扉の向こう側にいた人がいなくなったことを検知できるまでの時間が長くなる。
状態確認最大回数(M)の値は、運用によって変わる。認証遅延時間が長くなっても、できるだけ扉111の向こう側に人がいない状態で扉111を開けるようにしたい場合、状態確認最大回数(M)を大きく設定する。逆に、交通量が多いなどの理由で認証遅延時間を短くし、操作者と扉111の向こう側にいる人との両方に注意を促すだけでよい場合、状態確認最大回数(M)を小さく設定する。
【0062】
図5で説明した処理により、扉111の向こう側にいる人が最大認証遅延時間(T×M)以内に移動した場合、操作者に意識させることなく操作者に扉111の向こう側に人がいなくなってから扉111を開けさせることができる。これにより、操作者と扉111の向こう側にいる人との衝突を防ぐことができる。
また、扉111の向こう側にいる人が最大認証遅延時間(T×M)以内に移動しなかった場合、操作者と扉111の向こう側にいる人との両者に注意を促し、操作者と扉111の向こう側にいる人との衝突を防ぐことができる。
【0063】
実施の形態2において、認証音や注意音は操作者および扉111の反対側にいる人に注意を促す情報の一例である。
例えば、認証音や注意音をカードリーダから出力する代わりに、操作者に電気錠112を解錠することを知らせるメッセージ(文字や画像)、操作者に扉111の向こう側に人がいることを知らせるメッセージおよび扉111の反対側にいる人に扉111が開くことを知らせるメッセージをモニターに表示してもよい。
【0064】
カメラは人を検知するセンサの一例である。扉111の反対側に人がいるか否かはカメラ以外の人感センサ(例えば、赤外線センサ)を用いて判定してもよい。
【0065】
実施の形態3.
扉の両側で同時に入退室の操作が行われた場合に二人の操作者がぶつからないようにする形態について説明する。
以下、実施の形態1、2と異なる事項について主に説明する。説明を省略する事項は実施の形態1、2と同様である。
【0066】
扉制御システム100の構成は、実施の形態1(図1参照)と同じである。
以下、室外側と室内側との一方が「優先側」として定められ、他方が「非優先側」として定められているものとする。
認証部210は、優先側のカードリーダによりカード情報が読み取られた場合、優先側のカードリーダにより読み取られたカード情報を優先側カード情報として優先側カード情報に基づいて電気錠112を解錠するか否かを判定する。また、認証部210は、非優先側のカードリーダによりカード情報が読み取られた場合、非優先側のカードリーダにより読み取られたカード情報を非優先側カード情報として非優先側カード情報に基づいて電気錠112を解錠するか否かを判定する。
カメラ制御部220は、認証部210により優先側カード情報に基づいて電気錠112を解錠すると判定された場合、非優先側に人がいるか判定する。
電気錠制御部250は、認証部210により優先側カード情報に基づいて電気錠112を解錠すると判定された場合、カメラ制御部220により非優先側に人がいないと判定されたときと所定の時間が経過したときと認証部210により非優先側カード情報に基づいて電気錠112を解錠すると判定されたときとのいずれか早いときに電気錠112を解錠する。
【0067】
図6は、実施の形態3における扉制御システム100の概要を示す図である。
実施の形態3における扉制御システム100の概要について、図6に基づいて以下に説明する。
【0068】
入室したい人Aは室外側カードリーダ121にIDカードのカード情報を読み取らせる。また、退室したい人Bは室内側カードリーダ122にIDカードのカード情報を読み取らせる。
コントローラ200の認証部210は室外側カードリーダ121により読み取られたカード情報に基づいて人Aを認証すると共に、室内側カードリーダ122により読み取られたカード情報に基づいて人Bを認証する。
人A、人Bが共に認証OKの場合、モニター制御部230は室内側カメラ142により撮像されたカメラ映像を室外側モニター131に表示すると共に、室外側カメラ141により撮像されたカメラ映像を室内側モニター132に表示する。
さらに、カードリーダ制御部240は室外側カードリーダ121と室内側カードリーダ122とから音を鳴らして人Aと人Bとに注意を促す。
その後、電気錠制御部250は電気錠112を解錠する。
人Aおよび人Bは、扉111の向こう側に人がいることをモニターの表示とカードリーダの音とで確認し、注意しながら扉111を開いて入退室する。
【0069】
図7は、実施の形態3におけるコントローラ200の扉制御方法(優先側)を示すフローチャートである。
図8は、実施の形態3におけるコントローラ200の扉制御方法(非優先側)を示すフローチャートである。
実施の形態3におけるコントローラ200の扉制御方法について、図7および図8に基づいて以下に説明する。
【0070】
まず、優先側のカードリーダによりカード情報が読み取られた場合の扉制御方法について、図7に基づいて説明する。
図7に示すフローチャートは、実施の形態2(図5)にS124を追加したものである。以下、S124について説明し、他の処理について説明を省略する。
図7において、実施の形態2の図5に記した「操作側」を「優先側」に置き換え、実施の形態2の図5に記した「非操作側」を「非優先側」に置き換える。
【0071】
<S124>
S123において非優先側の扉周辺に人がいると判定された場合(YES)、認証部210は、非優先側のカードリーダによりカード情報が読み取られ、このカード情報を照合した結果(以下、「非優先側の照合結果」という)が「照合OK」であったか判定する。以下、非優先側の照合結果が「照合OK」であったことを「非優先側で認証された」という。
非優先側で認証された場合(YES)、処理はS130bに進む。
非優先側で認証されていない場合(NO)、処理はS114に進む。
【0072】
次に、非優先側のカードリーダによりカード情報が読み取られた場合の扉制御方法について、図8に基づいて説明する。
図8に示すフローチャートは、実施の形態2(図5)にS125およびS130dを追加したものである。以下、S125およびS130dについて説明し、他の処理について説明を省略する。
図8において、実施の形態2の図5に記した「操作側」を「非優先側」に置き換え、実施の形態2の図5に記した「非操作側」を「優先側」に置き換える。
【0073】
<S125>
S123において優先側の扉周辺に人がいると判定された場合(YES)、認証部210は、優先側で認証されたか判定する。
優先側で認証された場合(YES)、処理はS130dに進む。
優先側で認証されていない場合(NO)、処理はS114に進む。
【0074】
<S130d>
カードリーダ制御部240は、S130cと同様に、非優先側のカードリーダから認証音Bを鳴らす。
S130dの後、扉制御方法(非優先側)の処理は終了する。
電気錠112は、扉制御方法(優先側)の処理(S131)で解錠される。
【0075】
実施の形態3では、入(退)室の際に扉111の反対側に人がいる場合、認証後、電気錠112の解錠タイミングを遅らせる扉制御システム100について説明した。
これにより、扉111の両側にいる二人の扉111を開けるタイミングをずらし、入(退)室の際の衝突を回避することができる。
【0076】
例えば、扉111が内開きであり、外側の操作者がドアノブを持っている時に内側から扉111が開かれた場合、外側の操作者は扉111に引っ張られることになり危険である。これらの危険を回避するには、内側の操作者が気をつけるだけでは難しい。外側の操作者にも扉の反対側の人の存在を意識させる為、カメラ、モニターは扉111の両側にあった方がよい。
【符号の説明】
【0077】
100 扉制御システム、111 扉、112 電気錠、121 室外側カードリーダ、122 室内側カードリーダ、131 室外側モニター、132 室内側モニター、141 室外側カメラ、142 室内側カメラ、200 コントローラ、210 認証部、220 カメラ制御部、230 モニター制御部、240 カードリーダ制御部、250 電気錠制御部、290 カード情報記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気錠で施錠された扉の入口側と前記扉の出口側とのいずれかを操作側として前記操作側に設置される入力装置に入力された入力情報に基づいて前記電気錠を解錠するか否かをCPU(Central Proccessing Unit)を用いて判定する解錠判定部と、
前記解錠判定部により前記電気錠を解錠すると判定された場合、前記扉の入口側と前記扉の出口側とのうち前記入力装置が設置されない側を非操作側として前記非操作側に設置されるカメラにより撮像された非操作側画像を前記操作側に設置される表示装置に表示する表示部と、
前記表示部により非操作側画像が表示された後、前記電気錠を解錠する解錠部と
を備えたことを特徴とする扉制御装置。
【請求項2】
前記扉制御装置は、さらに、
前記解錠判定部により前記電気錠を解錠すると判定された場合、前記非操作側に人がいるかCPUを用いて判定する人検知部を備え、
前記解錠部は、前記人検知部により前記非操作側に人がいないと判定された場合に前記電気錠を解錠する
ことを特徴とする請求項1記載の扉制御装置。
【請求項3】
前記解錠部は、前記人検知部により前記非操作側に人がいないと判定されたときと所定の時間が経過したときとのいずれか早いときに前記電気錠を解錠する
ことを特徴とする請求項2記載の扉制御装置。
【請求項4】
前記扉制御装置は、さらに、
前記所定の時間が経過したとき、前記非操作側に設置される出力装置を用いて、前記非操作側にいる人に注意を促す注意部を備えた
ことを特徴とする請求項3記載の扉制御装置。
【請求項5】
前記注意部は、前記所定の時間が経過したとき、前記非操作側に設置される出力装置を用いて、前記非操作側にいる人に注意を促すと共に、前記操作側に設置される出力装置を用いて、前記操作側にいる人に注意を促す
ことを特徴とする請求項4記載の扉制御装置。
【請求項6】
前記解錠判定部は、前記扉の入口側と前記扉の出口側とのいずれかを優先側として前記優先側に設置される優先側入力装置に情報が入力された場合、前記優先側入力装置に入力された情報を優先側入力情報として前記優先側入力情報に基づいて前記電気錠を解錠するか否かを判定し、前記扉の入口側と前記扉の出口側とのうち前記優先側入力装置が設置されない側を非優先側として前記非優先側に設置される非優先側入力装置に情報が入力された場合、前記非優先側入力装置に入力された情報を非優先側入力情報として前記非優先側入力情報に基づいて前記電気錠を解錠するか否かを判定し、
前記人検知部は、前記解錠判定部により前記優先側入力情報に基づいて前記電気錠を解錠すると判定された場合、前記非優先側に人がいるか判定し、
前記解錠部は、前記解錠判定部により前記優先側入力情報に基づいて前記電気錠を解錠すると判定された場合、前記人検知部により前記非優先側に人がいないと判定されたときと所定の時間が経過したときと前記解錠判定部により前記非優先側入力情報に基づいて前記電気錠を解錠すると判定されたときとのいずれか早いときに前記電気錠を解錠する
ことを特徴とする請求項2〜請求項5いずれかに記載の扉制御装置。
【請求項7】
電気錠で施錠された扉の入口側と前記扉の出口側とのいずれかを操作側として前記操作側に設置される入力装置に入力された入力情報に基づいて前記電気錠を解錠するか否かをCPU(Central Proccessing Unit)を用いて判定する解錠判定部と、
前記解錠判定部により前記電気錠を解錠すると判定された場合、前記扉の入口側と前記扉の出口側とのうち前記入力装置が設置されない側を非操作側として前記非操作側に人がいるかCPUを用いて判定する人検知部と、
前記人検知部により前記非操作側に人がいないと判定された場合、前記電気錠を解錠する解錠部と
を備えたことを特徴とする扉制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−174589(P2010−174589A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21396(P2009−21396)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】