手書き入力装置、手書き入力方法、及びコンピュータプログラム
【課題】筆跡入力であるか、ジェスチャの入力であるかを確実に判別することができ、ユーザの意図に沿った手書き入力をモード切り替え無しに行うことができる手書き入力装置、手書き入力方法、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶しておき、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する。筆跡入力を受け付けている場合、筆跡の表示データを更新する。筆跡入力が完了していない場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する。ジェスチャの入力である場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別し、ジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出し、ジェスチャの入力である旨を示す表示を行う。ジェスチャの入力が完了した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行する。
【解決手段】ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶しておき、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する。筆跡入力を受け付けている場合、筆跡の表示データを更新する。筆跡入力が完了していない場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する。ジェスチャの入力である場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別し、ジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出し、ジェスチャの入力である旨を示す表示を行う。ジェスチャの入力が完了した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタイラスペン、ペン型タブレット等のペン型入力装置を用いて、コンピュータの表示画面上の入力領域に手書きで入力することが可能な手書き入力装置、手書き入力方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スタイラスペン、ペン型タブレット等のペン型入力装置を用いて、コンピュータの表示画面上で手書き文字の筆跡の入力を行う手書き入力装置が多々開発されている。多くの手書き入力装置は、筆跡の入力であるのか、コマンドの入力であるのかを区別するために、ボタンの選択等により入力のモードを切り替える手段を備えている。例えば、表示画面上の筆跡を削除する場合には、削除モードに切り替えるコマンドを実行するためのボタンを選択し、その後に削除対象となる筆跡入力の上でペンを動かす等の操作を行う必要が有り、2段階の操作が必要となる。また、通常ボタン領域は画面の端部に設けられており、ボタン領域から離れた部分にて筆跡入力を行っていた場合、コマンド実行のためのボタンを選択するためには、ペンを大きく移動させる必要があるという不便さがあった。
【0003】
所定の条件を具備する筆跡の入力を受け付けた場合には、筆跡の入力ではなくジェスチャの入力であると判断し、該ジェスチャと対応付けて記憶されているコマンドを実行するようにすることで、ユーザが入力のモード切り替えを行うことなく筆跡の入力とコマンドの入力とを区別する方法も開示されている。この方法では、ジェスチャの入力であると判定される所定の条件を具備する筆跡の入力を行いたい場合であっても、ユーザの意図に反してジェスチャの入力であると判定されるおそれがあり、その筆跡の入力ができないという問題点があった。そこで、筆跡の入力とジェスチャの入力との区別を、ユーザの意図を反映して行うことができる方法が開示されている。
【0004】
例えば特許文献1では、ユーザが入力した筆跡入力が所定の条件を具備する場合、該筆跡入力を消去して、該ジェスチャに対応付けて記憶してある所定の記号を表示する。所定の記号がユーザにより選択された場合、消去された筆跡入力を復活させて再表示する。
【特許文献1】特開平8−006706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の手書き入力装置では、筆跡入力であるか否かを入力が完了した時点で行っていた。したがって、入力が完了するまで筆跡入力であるのかジェスチャ入力であるのか、ユーザが確認する手段が無く、ユーザの意に反してジェスチャであると判定されるおそれが残されているという問題点があった。例えば、塗りつぶし領域を検出した場合にジェスチャの入力であると判断する場合、手書き入力では十分に塗りつぶし領域とならない可能性がある。この場合、ジェスチャの入力であると判定されず、塗りつぶし途上の筆跡が筆跡入力として受け付けられてしまうという問題点があった。また、確実にジェスチャの入力であると判断されるために、必要以上に塗りつぶし入力を行う必要があり、ユーザの意図に合致した筆跡入力を行うことが困難であるという問題点が残されていた。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、筆跡入力であるか、ジェスチャの入力であるかを確実に判別することができ、ユーザの意図に沿った手書き入力をモード切り替え無しに行うことができる手書き入力装置、手書き入力方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために第1発明に係る手書き入力装置は、ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶しておき、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する手書き入力装置において、筆跡入力を受け付けているか否かを判断する第1の判断手段と、該第1の判断手段で筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新する筆跡表示更新手段と、筆跡入力の受付が完了したか否かを判断する第2の判断手段と、該第2の判断手段で受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する第3の判断手段と、該第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別する手段と、該手段で判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出す手段と、ジェスチャの入力である旨を示す表示を行うジェスチャ判断表示手段と、ジェスチャの入力が完了したか否かを判断する第4の判断手段とを備え、該第3の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行するようにしてあることを特徴とする。
【0008】
第2発明に係る手書き入力装置は、第1発明において、ジェスチャの画面上での座標値が一定であるか否かを判断する座標値判断手段と、前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記座標値判断手段で座標値が一定であると判断したとき、座標値が一定である状態で所定の時間が経過したか否かを判断する第5の判断手段を備え、該第5の判断手段で所定の時間が経過したと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更し、前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新するようにしてあることを特徴とする。
【0009】
第3発明に係る手書き入力装置は、第1発明において、前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記第4の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断したときに、ポインティングデバイスが指示している画面上の近傍にて所定のアイコンを表示する手段と、該手段で表示されたアイコンが選択されたか否かを判断する第6の判断手段とを備え、該第6の判断手段で選択されたと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更し、前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
第4発明に係る手書き入力装置は、第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させるようにしてあることを特徴とする。
【0011】
第5発明に係る手書き入力装置は、第4発明において、前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させる時間間隔を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
第6発明に係る手書き入力装置は、第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を変更するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
第7発明に係る手書き入力装置は、第6発明において、前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
第8発明に係る手書き入力装置は、第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すテキストデータを表示するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
第9発明に係る手書き入力方法は、ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶し、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する手書き入力方法において、筆跡入力を受け付けているか否かを判断し、筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新し、筆跡入力の受付が完了したか否かを判断し、受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断し、ジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別し、判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出し、ジェスチャの入力である旨を示す表示を行い、ジェスチャの入力が完了したか否かを判断し、ジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行することを特徴とする。
【0016】
第10発明に係るコンピュータプログラムは、ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶しておき、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示するコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、筆跡入力を受け付けているか否かを判断する第1の判断手段、該第1の判断手段で筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新する筆跡表示更新手段、筆跡入力の受付が完了したか否かを判断する第2の判断手段、該第2の判断手段で受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する第3の判断手段、該第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別する手段、該手段で判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出す手段、ジェスチャの入力である旨を示す表示を行うジェスチャ判断表示手段、ジェスチャの入力が完了したか否かを判断する第4の判断手段、及び該第3の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行する手段として機能させることを特徴とする。
【0017】
第1発明、第9発明及び第10発明では、ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶し、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する。筆跡入力を受け付けているか否かを判断し、筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新する。筆跡入力の受付が完了したか否かを判断し、受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する。ジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別し、判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出し、ジェスチャの入力である旨を示す表示を行う。ジェスチャの入力が完了したか否かを判断し、ジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行する。これにより、ジェスチャの入力が完了する前の時点であっても、ジェスチャの入力であると判断されている旨を表示することにより、ユーザがジェスチャの入力であると判断されたか否かを確認することができ、不要なジェスチャの入力を継続することなくジェスチャに対応付けて記憶されているコマンドを実行することが可能となる。
【0018】
第2発明では、ジェスチャの入力であると判断した場合、ジェスチャ入力の画面上の座標値が一定であると判断したとき、ジェスチャの入力が完了したと判断するまでに所定の時間が経過したか否かを判断する。所定の時間が経過したと判断した場合、ジェスチャの入力でないと判断結果を変更し、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新する。これにより、ジェスチャに割当てられている筆跡入力を行う場合には、ジェスチャであると判断され、ジェスチャの入力である旨を示す表示を確認してから所定時間以上筆跡入力を更新せずに放置することで、コマンドが実行されないよう動作を制御することができる。例えば既に筆跡入力されている文字に重ねて「×」印をジェスチャとして入力した場合、更新された表示、「×」の筆跡と交差している筆跡入力の表示データがコマンドにより削除されるよう設定されているときには、「×」印の色表示が更新された状態で一定時間放置する。このようにすることで、筆跡入力が削除されることなく「×」印の筆跡入力を受け付けることが可能となる。
【0019】
第3発明では、ジェスチャの入力であると判断された場合、ジェスチャの入力が完了したと判断されたときに、ポインティングデバイスが指示している画面上の近傍にて所定のアイコンを表示する。表示されたアイコンが選択された場合、ジェスチャの入力でないと判断結果を変更し、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新する。これにより、アイコンを選択することで、ジェスチャの入力が完了した後であってもジェスチャであるとの判断を容易にキャンセルすることができ、ジェスチャに対応付けられているコマンドを実行することなく筆跡入力を画面に再表示することが可能となる。
【0020】
第4及び第5発明では、ジェスチャの入力であると判断した場合、ジェスチャの入力であると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させる。また、ジェスチャの入力であると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させる時間間隔は、判別されたジェスチャの種類に応じて変更することが好ましい。
【0021】
第6及び第7発明では、ジェスチャの入力であると判断した場合、ジェスチャの入力であると判断された筆跡入力に係る表示データの色を変更する。また、ジェスチャの入力であると判断された筆跡入力に係る表示データの色は、判別されたジェスチャの種類に応じて変更することが好ましい。
【0022】
第8発明では、ジェスチャの入力であると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すテキストデータを表示する。もちろん表示するテキストデータは、判別されたジェスチャの種類に応じて変更することが好ましい。
【0023】
これらの他、ジェスチャの入力であると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すアイコンを表示しても良いし、ジェスチャの入力であると判断された筆跡入力に係る表示データを指示するカーソルの形状を変更して表示しても良い。いずれも判別されたジェスチャの種類に応じて表示を変更することが好ましいことは言うまでもない。
【0024】
このように、ジェスチャの入力であると判断された旨を、視覚により確実に判断することができ、ユーザの意図に応じて継続して筆跡入力する、又はジェスチャの入力を完了することにより、モード切替ボタンを用いることなく、ユーザの意図に沿った筆跡入力を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
第1発明、第9発明及び第10発明によれば、ジェスチャの入力が完了する前の時点であっても、ジェスチャの入力であると判断された時点でその旨が表示されることにより、ユーザが視覚によりジェスチャの入力であると判断された旨を確認することができ、不要なジェスチャの入力を継続することなくジェスチャに対応付けて記憶されているコマンドを実行することが可能となる。
【0026】
第2発明によれば、ジェスチャに割当てられている筆跡入力を行う場合には、ジェスチャであると判断され、ジェスチャの入力であると判断された旨が表示されたのを確認してから所定時間以上筆跡入力を更新せずに放置することで、コマンドが実行されないよう動作を制御することができる。例えば既に筆跡入力されている文字に重ねて「×」印をジェスチャとして入力した場合、更新された表示、「×」の筆跡と交差している筆跡入力の表示データがコマンドにより削除されるよう設定されているときには、「×」印の色表示が更新された状態で一定時間放置する。このようにすることで、筆跡入力が削除されることなく「×」印の筆跡入力を受け付けることが可能となる。
【0027】
第3発明によれば、アイコンを選択することで、ジェスチャの入力が完了した後であってもジェスチャであるとの判断を容易にキャンセルすることができ、ジェスチャに対応付けられているコマンドを実行することなく筆跡入力を画面に表示することが可能となる。
【0028】
第4乃至第8発明によれば、ジェスチャの入力であると判断された旨を、視覚により確実に判断することができ、ユーザの意図に応じて継続して筆跡入力する、又はジェスチャの入力を完了することにより、モード切替ボタンを用いることなく、ユーザの意図に沿った筆跡入力を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明の実施の形態に係る手書き入力装置1の構成を示すブロック図である。手書き入力装置1は、装置全体を制御するCPU等の制御手段11、本発明の実施の形態に係る手書き入力装置1で実行可能なコンピュータプログラム101及びデータ等の各種情報を記録したCD−ROM等の記録媒体102から各種情報を読み取るCD−ROMドライブ等の補助記憶手段12、補助記憶手段12により読み取った各種情報を記録するハードディスク等の記録手段13を備えている。そして記録手段13から本発明に係るコンピュータプログラム101及びデータ等の各種情報を読み取り、情報を一時的に記憶するRAM等の記憶手段14に記憶させてコンピュータプログラム101に含まれる各種手順を制御手段11により実行することで、コンピュータは、本発明に係る手書き入力装置1として動作する。
【0030】
手書き入力装置1は、さらに外部とデータ通信する通信手段15、スタイラスペン、ペン型タブレット等の手書き入力手段16、及びモニタ等の表示手段17を備えている。手書き入力手段16は表示手段17と一体化されており、表示手段17に表示されている画像に対して筆跡、ジェスチャ等の入力を受け付け、受け付けた入力は、内部バス18を介して制御手段11へ送られる。
【0031】
図2は、本発明の実施の形態に係る手書き入力装置1の制御手段11の手書き入力処理の手順を示すフローチャートである。手書き入力装置1の制御手段11は、筆跡の入力を受け付けたか否かを判断し(ステップS201)、制御手段11は筆跡の入力を受け付けるまで待ち状態となる(ステップS201:NO)。制御手段11が、筆跡の入力を受け付けたと判断した場合(ステップS201:YES)、制御手段11は、受け付けた筆跡入力の画面上での座標値を取得する(ステップS202)。制御手段11は、取得した座標値を記憶手段14に1ストローク単位で記憶する(ステップS203)。なお、1ストロークの座標値とは、画面上にペンダウンしてからペンアップするまでの連続した座標群を意味しており、以下、筆跡入力情報という。制御手段11は、取得した座標値に基づいて表示手段17の筆跡表示を更新する(ステップS204)。
【0032】
図3は、本発明の実施の形態に係る手書き入力装置1の記憶手段14に記憶される筆跡入力情報の一例を示す図である。本実施の形態では、入力される筆跡ごとに筆跡を識別する情報である筆跡IDを付与し、筆跡IDごとにペンダウンした画面上の座標値、ペンダウンしてから一定のサンプリング時間ごとに取得した画面上の座標値、ペンアップした画面上の座標値として記憶手段14に記憶する。画面上に表示する場合には、サンプリングされた座標値に基づいて例えばスプライン補間等により補間して表示する。もちろん、サンプリング時間間隔を短くし、隣接する座標間を一次近似して表示しても良い。これにより、ペンダウンしてからペンアップするまでの筆跡を画面に表示することができる。
【0033】
制御手段11は、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する(ステップS205)。筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する手段は特に限定されるものではない。本実施の形態では、筆跡入力が一定数以上の鋭角部分を有するか否かでジェスチャの入力であるか否かを判断する。もちろん、判断するための条件はこれに限定されるものではなく、略閉曲線を所定数以上繰り返す、閉領域を塗りつぶす等、筆跡が特定可能な条件であれば何でも良い。
【0034】
図4は、手書き文字「あいえ」を入力した表示画面の例示図である。図4の例では、ユーザが、手書き文字「え」を削除する目的で、ジグザグ線31を入力している。ジグザグ線31は、鋭角に折れ曲がる折部を複数箇所有することから、ペンダウンしてからの筆跡の座標値に基づいて、折部の数を計数する。
【0035】
記憶手段14には、ジェスチャの入力として判断される条件が記憶されている。図5は、本発明の実施の形態に係る手書き入力装置1の記憶手段14に記憶されているジェスチャ情報記憶部のデータ構成の例示図である。
【0036】
ジェスチャ情報記憶部には、ジェスチャの種類を識別する情報であるジェスチャIDに対応付けて、該ジェスチャと判断されるために必要な一又は複数の条件、及び該ジェスチャに対応付けた実行コマンドが記憶されている。制御手段11が、筆跡入力がジェスチャの入力ではないと判断した場合(ステップS205:NO)、筆跡の入力の受け付けが完了したか否かを判断する(ステップS206)。制御手段11が、筆跡の入力の受け付けが完了していないと判断した場合(ステップS206:NO)、制御手段11は、処理をステップS201へ戻し、上述した処理を繰り返す。制御手段11が、筆跡の入力の受け付けが完了したと判断した場合(ステップS206:YES)、制御手段11は、通常の筆跡入力として処理する(ステップS207)。
【0037】
制御手段11が、筆跡入力がジェスチャの入力であると判断した場合(ステップS205:YES)、制御手段11は、ジェスチャ情報記憶部から、該条件に合致するジェスチャの種類を示すジェスチャIDを特定して、特定されたジェスチャIDに対応する実行コマンドを読み出す(ステップS208)。続いて制御手段11は、表示部17にジェスチャの判定結果の表示を行う(ステップS209)。制御手段11は、ジェスチャの入力が完了したか否か、すなわちペンアップしたか否かを判断する(ステップS210)。
【0038】
制御手段11が、ジェスチャの入力が完了していないと判断した場合(ステップS210:NO)、制御手段11は、処理をステップS201へ戻し、上述した処理を繰り返す。図6は、手書き文字「あいえ」を入力した表示画面上で入力された実線のジグザグ線31が、ジェスチャの入力であると判断された旨を示す表示として破線のジグザグ線32へ更新された場合の例示図である。
【0039】
このようにジェスチャの入力途上であっても、ジャスチャの入力であると判断された時点でジェスチャの入力である旨を示す表示がなされることにより、ユーザは視覚的にジェスチャの入力であると認識された旨を知ることができる。したがって、ユーザが該ジェスチャの入力により何らかのコマンドを実行したい場合には、これ以上筆跡の入力を継続する必要が無く、筆跡の入力を完了する、すなわちペンアップすることで、無駄な筆跡入力を行うことなく所望のコマンドを実行することができる。
【0040】
図7は、手書き文字「あいえ」を入力した表示画面上でペンアップによりコマンドが実行された場合の表示例を示す図である。図7の例では、ジェスチャの入力により実行するコマンドが、入力されたジェスチャと交差している、既に入力された筆跡データの削除である場合を示している。図7に示すように、ペンアップすることによりジェスチャの入力が完了し、該ジェスチャに対応するコマンドが実行され、ジェスチャと交差している手書き文字「え」が削除されている。
【0041】
なお、ジェスチャの入力である旨を表示する手段は、実線を破線に更新することに限定されるものではない。例えば、筆跡の表示データを点滅表示させても良い。この場合、点滅表示させる時間間隔を、ジェスチャの種類に応じて変更することにより、どのコマンドが実行されるのかユーザが視覚的に把握することが可能となる。
【0042】
また、筆跡の表示データの表示色を変更しても良い。例えば通常の筆跡入力は‘黒’で表示するのに対し、ジェスチャの入力であると判断された筆跡は‘赤’等で表示する。また、表示色をジェスチャの種類に応じて変更することにより、どのコマンドが実行されるのかユーザが視覚的に把握することが可能となる。
【0043】
さらに、筆跡が表示されている画面上の位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すテキストデータを表示しても良い。この場合、表示するテキストデータを、ジェスチャの種類に応じて変更することにより、どのコマンドが実行されるのかユーザが視覚的に把握することが可能となる。
【0044】
また、筆跡が表示されている画面上の位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すアイコンを表示しても良い。この場合も、表示するアイコンを、ジェスチャの種類に応じて変更することにより、どのコマンドが実行されるのかユーザが視覚的に把握することが可能となる。
【0045】
さらに、画面上に表示されている筆跡(ジェスチャ)の表示データを指示するカーソルの形状を変更して表示しても良い。例えばジェスチャの入力であると判断されるまではペン型のカーソルを表示し、ジェスチャの入力であると判断された後は、消しゴム型のカーソルを表示する。もちろん、表示するカーソルを、ジェスチャの種類に応じて変更することにより、どのコマンドが実行されるのかユーザが視覚的に把握することが可能となる。
【0046】
制御手段11が、ジェスチャの入力が完了したと判断した場合(ステップS210:YES)、制御手段11は、読み出した実行コマンドを実行する(ステップS211)。これにより、ユーザが意識したタイミング、すなわちジェスチャの入力を停止したタイミングでジェスチャに対応付けられたコマンドを実行することが可能となる。
【0047】
以上のように本実施の形態によれば、ジェスチャの入力が完了する前の時点であっても、入力された筆跡がジェスチャの入力であると判断された時点でジェスチャの入力である旨を示す表示がなされることにより、ユーザが視覚的にジェスチャの入力であると認識された事実を確認することができ、不要なジェスチャの入力を継続することなくジェスチャに対応付けて記憶されているコマンドを実行することが可能となる。
【0048】
なお、入力された筆跡がジェスチャの入力であると判断された場合に、一定時間ジェスチャの筆跡の入力が継続されなかった場合には、ジェスチャの入力ではないと判断されることが好ましい。すなわちユーザはジェスチャを入力していると意図していないのに、手書き入力装置1の制御手段11はジェスチャであると誤認識した事実を、ジェスチャの入力であると判断された旨を示す表示がなされたことによりユーザが把握した場合、斯かる制御手段11の判断をキャンセルする方法を準備しておくべきだからである。図8は、本発明の実施の形態に係る手書き入力装置1の制御手段11のジェスチャの入力である場合の処理手順を示すフローチャートである。
【0049】
手書き入力装置1の制御手段11が、入力された筆跡はジェスチャの入力であると判断した場合(ステップS205:YES)、制御手段11は、ジェスチャ情報記憶部から、該条件に合致するジェスチャの種類を示すジェスチャIDを特定して、特定されたジェスチャIDに対応する実行コマンドを読み出す(ステップS801)。制御手段11は、表示部17にジェスチャの判定結果の表示を行い(ステップS802)、ジェスチャの入力が完了したか否か、すなわちペンアップしたか否かを判断する(ステップS803)。
【0050】
制御手段11が、ジェスチャの入力が完了していないと判断した場合(ステップS803:NO)、制御手段11は、ジェスチャの入力が停止したか否かを判断する(ステップS804)。ジェスチャの入力が停止したか否かは、ペンアップされずに筆跡入力が更新されているか否かにより判断する。
【0051】
制御手段11が、ジェスチャの入力が停止していないと判断した場合(ステップS804:NO)、制御手段11は、ユーザがジェスチャを意識して入力しているものと判断し、処理をステップS201へ戻す。制御手段11が、ジェスチャの入力が停止したと判断した場合(ステップS804:YES)、制御手段11は、内蔵しているタイマ等を用いて計時をリセット・開始し(ステップS805)、所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS806)。制御手段11が、所定時間経過していないと判断した場合(ステップS806:NO)、制御手段11は、ジェスチャの入力停止が継続しているか否かを判断する(ステップS807)。
【0052】
制御手段11が、ジェスチャの入力停止が継続していると判断した場合(ステップS807:YES)、制御手段11は、処理をステップS806へ戻す。制御手段11が、ジェスチャの入力停止が継続していないと判断した場合(ステップS807:NO)、制御手段11は、処理をステップS201へ戻す。
【0053】
制御手段11が、所定時間経過したと判断した場合(ステップS806:YES)、制御手段11は、ユーザが意図していないジェスチャの入力であると判断し、表示手段17に表示されているジェスチャの入力であるか否かの判定結果を、ジェスチャの入力ではない旨の表示へ更新する(ステップS808)。図9は、手書き文字「あいえ」を入力した表示画面上でジェスチャと判定された旨を示す破線のジグザグ線32が、ジェスチャと判定される前のジグザグ線31と同様の実線のジグザグ線33へ更新された例示図である。このように、一定時間ペンアップせずに待機することにより、ユーザはジェスチャではないという意思表示をすることができ、ジェスチャに対応付けられた実行コマンドの実行を未然に防止することが可能となる。
【0054】
制御手段11が、ジェスチャの入力が完了したと判断した場合(ステップS803:YES)、制御手段11は、読み出した実行コマンドを実行する(ステップS809)。これにより、ユーザが意識したタイミング、すなわちジェスチャの入力を停止したタイミングでジェスチャに対応付けられたコマンドを実行することが可能となる。
【0055】
また、入力された筆跡がジェスチャの入力であると判断された場合に、ジェスチャの入力が完了したと判断された時点で、ポインティングデバイスが指示している画面上の近傍にて実行コマンドのキャンセルを指示するためのアイコンを一定時間表示しても良い。この場合、ジェスチャであると意識していないユーザが誤ってペンアップしたことにより、実行コマンドが実行され、例えば本来は削除する意思のない筆跡入力が削除された場合であっても、一定時間表示されているアイコンを選択することにより、復元することが可能となる。
【0056】
図10は、本発明の実施の形態に係る手書き入力装置1の制御手段11のジェスチャの入力を完了した場合の復元処理の手順を示すフローチャートである。手書き入力装置1の制御手段11が、ジェスチャの入力が完了したと判断した場合(ステップS803:YES)、制御手段11は、読み出した実行コマンドを実行する(ステップS1001)。制御手段11は、実行されたコマンドのキャンセルを指示するアイコンを画面上に表示し(ステップS1002)、内蔵しているタイマ等により計時を開始する(ステップS1003)。
【0057】
制御手段11は、表示されたアイコンが選択されたか否かを判断する(ステップS1004)。制御手段11が、アイコンが選択されていないと判断した場合(ステップS1004:NO)、制御手段11は、所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS1005)。
【0058】
制御手段11が、所定の時間経過していないと判断した場合(ステップS1005:NO)、制御手段11は、処理をステップS1004へ戻し、上述の処理を繰り返す。制御手段11が、所定の時間経過したと判断した場合(ステップS1005:YES)、制御手段11は、ユーザがジェスチャにより実行された実行コマンドをキャンセルする意思がないものと判断し、表示されているアイコンを削除する(ステップS1006)。
【0059】
制御手段11が、アイコンが選択されたと判断した場合(ステップS1004:YES)、制御手段11は、該ジェスチャにより実行された実行コマンドが、ユーザの意図する処理ではないと判断し、実行された実行コマンドをキャンセルする(ステップS1007)。例えば実行コマンドが、ジェスチャと交差している筆跡の削除であった場合には、筆跡及びジェスチャが画面上に復元して表示される。
【0060】
このようにすることで、アイコンを選択することにより、ジェスチャの入力が完了した後であってもジェスチャであるとの判断を容易にキャンセルすることができ、ジェスチャに対応付けられているコマンドを実行することなく筆跡入力を画面に再表示することが可能となる。
【0061】
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0062】
(付記1)
ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶しておき、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する手書き入力装置において、
筆跡入力を受け付けているか否かを判断する第1の判断手段と、
該第1の判断手段で筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新する筆跡表示更新手段と、
筆跡入力の受付が完了したか否かを判断する第2の判断手段と、
該第2の判断手段で受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する第3の判断手段と、
該第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別する手段と、
該手段で判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出す手段と、
ジェスチャの入力である旨を示す表示を行うジェスチャ判断表示手段と、
ジェスチャの入力が完了したか否かを判断する第4の判断手段と
を備え、
該第3の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行するようにしてあることを特徴とする手書き入力装置。
【0063】
(付記2)
ジェスチャの画面上での座標値が一定であるか否かを判断する座標値判断手段と、
前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記座標値判断手段で座標値が一定であると判断したとき、座標値が一定である状態で所定の時間が経過したか否かを判断する第5の判断手段を備え、
該第5の判断手段で所定の時間が経過したと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更し、
前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新するようにしてあることを特徴とする付記1記載の手書き入力装置。
【0064】
(付記3)
前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記第4の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断したときに、ポインティングデバイスが指示している画面上の近傍にて所定のアイコンを表示する手段と、
該手段で表示されたアイコンが選択されたか否かを判断する第6の判断手段と
を備え、
該第6の判断手段で選択されたと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更し、
前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新するようにしてあることを特徴とする付記1記載の手書き入力装置。
【0065】
(付記4)
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させるようにしてあることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の手書き入力装置。
【0066】
(付記5)
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させる時間間隔を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記4記載の手書き入力装置。
【0067】
(付記6)
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を変更するようにしてあることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の手書き入力装置。
【0068】
(付記7)
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記6記載の手書き入力装置。
【0069】
(付記8)
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すテキストデータを表示するようにしてあることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の手書き入力装置。
【0070】
(付記9)
前記ジェスチャ判断表示手段は、前記テキストデータを、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記8記載の手書き入力装置。
【0071】
(付記10)
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すアイコンを表示するようにしてあることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の手書き入力装置。
【0072】
(付記11)
前記ジェスチャ判断表示手段は、前記アイコンを、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記10記載の手書き入力装置。
【0073】
(付記12)
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを指示するカーソルの形状を変更して表示するようにしてあることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の手書き入力装置。
【0074】
(付記13)
前記ジェスチャ判断表示手段は、前記カーソルの形状を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記12記載の手書き入力装置。
【0075】
(付記14)
ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶し、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する手書き入力方法において、
筆跡入力を受け付けているか否かを判断し、
筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新し、
筆跡入力の受付が完了したか否かを判断し、
受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断し、
ジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別し、
判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出し、
ジェスチャの入力である旨を示す表示を行い、
ジェスチャの入力が完了したか否かを判断し、
ジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行することを特徴とする手書き入力方法。
【0076】
(付記15)
ジェスチャの画面上での座標値が一定であるか否かを判断し、
ジェスチャの入力であると判断した場合、座標値が一定であると判断したとき、座標値が一定である状態で所定の時間が経過したか否かを判断し、
所定の時間が経過したと判断した場合、ジェスチャの入力でないと判断結果を変更し、
ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新することを特徴とする付記14記載の手書き入力方法。
【0077】
(付記16)
ジェスチャの入力であると判断した場合、ジェスチャの入力が完了したと判断したときに、ポインティングデバイスが指示している画面上の近傍にて所定のアイコンを表示し、
表示されたアイコンが選択されたか否かを判断し、
選択されたと判断した場合、ジェスチャの入力でないと判断結果を変更し、
ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新することを特徴とする付記14記載の手書き入力方法。
【0078】
(付記17)
ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させることを特徴とする付記14乃至16のいずれか1つに記載の手書き入力方法。
【0079】
(付記18)
ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させる時間間隔を、判別したジェスチャの種類に応じて変更することを特徴とする付記17記載の手書き入力方法。
【0080】
(付記19)
ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を変更することを特徴とする付記14乃至16のいずれか1つに記載の手書き入力方法。
【0081】
(付記20)
ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を、判別したジェスチャの種類に応じて変更することを特徴とする付記19記載の手書き入力方法。
【0082】
(付記21)
ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すテキストデータを表示することを特徴とする付記14乃至16のいずれか1つに記載の手書き入力方法。
【0083】
(付記22)
前記テキストデータを、判別したジェスチャの種類に応じて変更することを特徴とする付記21記載の手書き入力方法。
【0084】
(付記23)
ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すアイコンを表示することを特徴とする付記14乃至16のいずれか1つに記載の手書き入力方法。
【0085】
(付記24)
前記アイコンを、判別したジェスチャの種類に応じて変更することを特徴とする付記23記載の手書き入力方法。
【0086】
(付記25)
ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを指示するカーソルの形状を変更して表示することを特徴とする付記14乃至16のいずれか1つに記載の手書き入力方法。
【0087】
(付記26)
前記カーソルの形状を、判別したジェスチャの種類に応じて変更することを特徴とする付記25記載の手書き入力方法。
【0088】
(付記27)
ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶しておき、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示するコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータを、
筆跡入力を受け付けているか否かを判断する第1の判断手段、
該第1の判断手段で筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新する筆跡表示更新手段、
筆跡入力の受付が完了したか否かを判断する第2の判断手段、
該第2の判断手段で受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する第3の判断手段、
該第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別する手段、
該手段で判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出す手段、
ジェスチャの入力である旨を示す表示を行うジェスチャ判断表示手段、
ジェスチャの入力が完了したか否かを判断する第4の判断手段、及び
該第3の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行する手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【0089】
(付記28)
前記コンピュータを、
ジェスチャの画面上での座標値が一定であるか否かを判断する座標値判断手段、
前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記座標値判断手段で座標値が一定であると判断したとき、座標値が一定である状態で所定の時間が経過したか否かを判断する第5の判断手段、
該第5の判断手段で所定の時間が経過したと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更する手段、及び
前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新する手段
として機能させることを特徴とする付記27記載のコンピュータプログラム。
【0090】
(付記29)
前記コンピュータを、
前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記第4の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断したときに、ポインティングデバイスが指示している画面上の近傍にて所定のアイコンを表示する手段、
該手段で表示されたアイコンが選択されたか否かを判断する第6の判断手段、
該第6の判断手段で選択されたと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更する手段、及び
前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新する手段
として機能させることを特徴とする付記27記載のコンピュータプログラム。
【0091】
(付記30)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させるようにしてあることを特徴とする付記27乃至29のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム。
【0092】
(付記31)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させる時間間隔を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記30記載のコンピュータプログラム。
【0093】
(付記32)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を変更するようにしてあることを特徴とする付記27乃至29のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム。
【0094】
(付記33)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記32記載のコンピュータプログラム。
【0095】
(付記34)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すテキストデータを表示するようにしてあることを特徴とする付記27乃至29のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム。
【0096】
(付記35)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、前記テキストデータを、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記34記載のコンピュータプログラム。
【0097】
(付記36)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すアイコンを表示するようにしてあることを特徴とする付記27乃至29のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム。
【0098】
(付記37)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、前記アイコンを、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記36記載のコンピュータプログラム。
【0099】
(付記38)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを指示するカーソルの形状を変更して表示するようにしてあることを特徴とする付記27乃至29のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム。
【0100】
(付記39)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、前記カーソルの形状を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記38記載のコンピュータプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施の形態に係る手書き入力装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る手書き入力装置の制御手段の手書き入力処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係る手書き入力装置の記憶手段に記憶される筆跡入力情報の一例を示す図である。
【図4】手書き文字を入力した表示画面の例示図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る手書き入力装置の記憶手段に記憶されているジェスチャ情報記憶部のデータ構成の例示図である。
【図6】手書き文字を入力した表示画面上で入力された実線のジグザグ線が、ジェスチャの入力であると判断された旨を示す表示として破線のジグザグ線へ更新された場合の例示図である。
【図7】手書き文字を入力した表示画面上でペンアップによりコマンドが実行された場合の表示例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る手書き入力装置の制御手段のジェスチャの入力である場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】手書き文字を入力した表示画面上でジェスチャと判定された旨を示す破線のジグザグ線が、実線のジグザグ線へ更新された例示図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る手書き入力装置の制御手段のジェスチャの入力を完了した場合の復元処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1 手書き入力装置
11 制御手段
14 記憶手段
17 手書き入力手段
101 コンピュータプログラム
102 記録媒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタイラスペン、ペン型タブレット等のペン型入力装置を用いて、コンピュータの表示画面上の入力領域に手書きで入力することが可能な手書き入力装置、手書き入力方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スタイラスペン、ペン型タブレット等のペン型入力装置を用いて、コンピュータの表示画面上で手書き文字の筆跡の入力を行う手書き入力装置が多々開発されている。多くの手書き入力装置は、筆跡の入力であるのか、コマンドの入力であるのかを区別するために、ボタンの選択等により入力のモードを切り替える手段を備えている。例えば、表示画面上の筆跡を削除する場合には、削除モードに切り替えるコマンドを実行するためのボタンを選択し、その後に削除対象となる筆跡入力の上でペンを動かす等の操作を行う必要が有り、2段階の操作が必要となる。また、通常ボタン領域は画面の端部に設けられており、ボタン領域から離れた部分にて筆跡入力を行っていた場合、コマンド実行のためのボタンを選択するためには、ペンを大きく移動させる必要があるという不便さがあった。
【0003】
所定の条件を具備する筆跡の入力を受け付けた場合には、筆跡の入力ではなくジェスチャの入力であると判断し、該ジェスチャと対応付けて記憶されているコマンドを実行するようにすることで、ユーザが入力のモード切り替えを行うことなく筆跡の入力とコマンドの入力とを区別する方法も開示されている。この方法では、ジェスチャの入力であると判定される所定の条件を具備する筆跡の入力を行いたい場合であっても、ユーザの意図に反してジェスチャの入力であると判定されるおそれがあり、その筆跡の入力ができないという問題点があった。そこで、筆跡の入力とジェスチャの入力との区別を、ユーザの意図を反映して行うことができる方法が開示されている。
【0004】
例えば特許文献1では、ユーザが入力した筆跡入力が所定の条件を具備する場合、該筆跡入力を消去して、該ジェスチャに対応付けて記憶してある所定の記号を表示する。所定の記号がユーザにより選択された場合、消去された筆跡入力を復活させて再表示する。
【特許文献1】特開平8−006706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の手書き入力装置では、筆跡入力であるか否かを入力が完了した時点で行っていた。したがって、入力が完了するまで筆跡入力であるのかジェスチャ入力であるのか、ユーザが確認する手段が無く、ユーザの意に反してジェスチャであると判定されるおそれが残されているという問題点があった。例えば、塗りつぶし領域を検出した場合にジェスチャの入力であると判断する場合、手書き入力では十分に塗りつぶし領域とならない可能性がある。この場合、ジェスチャの入力であると判定されず、塗りつぶし途上の筆跡が筆跡入力として受け付けられてしまうという問題点があった。また、確実にジェスチャの入力であると判断されるために、必要以上に塗りつぶし入力を行う必要があり、ユーザの意図に合致した筆跡入力を行うことが困難であるという問題点が残されていた。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、筆跡入力であるか、ジェスチャの入力であるかを確実に判別することができ、ユーザの意図に沿った手書き入力をモード切り替え無しに行うことができる手書き入力装置、手書き入力方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために第1発明に係る手書き入力装置は、ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶しておき、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する手書き入力装置において、筆跡入力を受け付けているか否かを判断する第1の判断手段と、該第1の判断手段で筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新する筆跡表示更新手段と、筆跡入力の受付が完了したか否かを判断する第2の判断手段と、該第2の判断手段で受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する第3の判断手段と、該第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別する手段と、該手段で判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出す手段と、ジェスチャの入力である旨を示す表示を行うジェスチャ判断表示手段と、ジェスチャの入力が完了したか否かを判断する第4の判断手段とを備え、該第3の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行するようにしてあることを特徴とする。
【0008】
第2発明に係る手書き入力装置は、第1発明において、ジェスチャの画面上での座標値が一定であるか否かを判断する座標値判断手段と、前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記座標値判断手段で座標値が一定であると判断したとき、座標値が一定である状態で所定の時間が経過したか否かを判断する第5の判断手段を備え、該第5の判断手段で所定の時間が経過したと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更し、前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新するようにしてあることを特徴とする。
【0009】
第3発明に係る手書き入力装置は、第1発明において、前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記第4の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断したときに、ポインティングデバイスが指示している画面上の近傍にて所定のアイコンを表示する手段と、該手段で表示されたアイコンが選択されたか否かを判断する第6の判断手段とを備え、該第6の判断手段で選択されたと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更し、前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
第4発明に係る手書き入力装置は、第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させるようにしてあることを特徴とする。
【0011】
第5発明に係る手書き入力装置は、第4発明において、前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させる時間間隔を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
第6発明に係る手書き入力装置は、第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を変更するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
第7発明に係る手書き入力装置は、第6発明において、前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
第8発明に係る手書き入力装置は、第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すテキストデータを表示するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
第9発明に係る手書き入力方法は、ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶し、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する手書き入力方法において、筆跡入力を受け付けているか否かを判断し、筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新し、筆跡入力の受付が完了したか否かを判断し、受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断し、ジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別し、判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出し、ジェスチャの入力である旨を示す表示を行い、ジェスチャの入力が完了したか否かを判断し、ジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行することを特徴とする。
【0016】
第10発明に係るコンピュータプログラムは、ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶しておき、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示するコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、筆跡入力を受け付けているか否かを判断する第1の判断手段、該第1の判断手段で筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新する筆跡表示更新手段、筆跡入力の受付が完了したか否かを判断する第2の判断手段、該第2の判断手段で受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する第3の判断手段、該第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別する手段、該手段で判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出す手段、ジェスチャの入力である旨を示す表示を行うジェスチャ判断表示手段、ジェスチャの入力が完了したか否かを判断する第4の判断手段、及び該第3の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行する手段として機能させることを特徴とする。
【0017】
第1発明、第9発明及び第10発明では、ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶し、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する。筆跡入力を受け付けているか否かを判断し、筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新する。筆跡入力の受付が完了したか否かを判断し、受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する。ジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別し、判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出し、ジェスチャの入力である旨を示す表示を行う。ジェスチャの入力が完了したか否かを判断し、ジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行する。これにより、ジェスチャの入力が完了する前の時点であっても、ジェスチャの入力であると判断されている旨を表示することにより、ユーザがジェスチャの入力であると判断されたか否かを確認することができ、不要なジェスチャの入力を継続することなくジェスチャに対応付けて記憶されているコマンドを実行することが可能となる。
【0018】
第2発明では、ジェスチャの入力であると判断した場合、ジェスチャ入力の画面上の座標値が一定であると判断したとき、ジェスチャの入力が完了したと判断するまでに所定の時間が経過したか否かを判断する。所定の時間が経過したと判断した場合、ジェスチャの入力でないと判断結果を変更し、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新する。これにより、ジェスチャに割当てられている筆跡入力を行う場合には、ジェスチャであると判断され、ジェスチャの入力である旨を示す表示を確認してから所定時間以上筆跡入力を更新せずに放置することで、コマンドが実行されないよう動作を制御することができる。例えば既に筆跡入力されている文字に重ねて「×」印をジェスチャとして入力した場合、更新された表示、「×」の筆跡と交差している筆跡入力の表示データがコマンドにより削除されるよう設定されているときには、「×」印の色表示が更新された状態で一定時間放置する。このようにすることで、筆跡入力が削除されることなく「×」印の筆跡入力を受け付けることが可能となる。
【0019】
第3発明では、ジェスチャの入力であると判断された場合、ジェスチャの入力が完了したと判断されたときに、ポインティングデバイスが指示している画面上の近傍にて所定のアイコンを表示する。表示されたアイコンが選択された場合、ジェスチャの入力でないと判断結果を変更し、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新する。これにより、アイコンを選択することで、ジェスチャの入力が完了した後であってもジェスチャであるとの判断を容易にキャンセルすることができ、ジェスチャに対応付けられているコマンドを実行することなく筆跡入力を画面に再表示することが可能となる。
【0020】
第4及び第5発明では、ジェスチャの入力であると判断した場合、ジェスチャの入力であると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させる。また、ジェスチャの入力であると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させる時間間隔は、判別されたジェスチャの種類に応じて変更することが好ましい。
【0021】
第6及び第7発明では、ジェスチャの入力であると判断した場合、ジェスチャの入力であると判断された筆跡入力に係る表示データの色を変更する。また、ジェスチャの入力であると判断された筆跡入力に係る表示データの色は、判別されたジェスチャの種類に応じて変更することが好ましい。
【0022】
第8発明では、ジェスチャの入力であると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すテキストデータを表示する。もちろん表示するテキストデータは、判別されたジェスチャの種類に応じて変更することが好ましい。
【0023】
これらの他、ジェスチャの入力であると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すアイコンを表示しても良いし、ジェスチャの入力であると判断された筆跡入力に係る表示データを指示するカーソルの形状を変更して表示しても良い。いずれも判別されたジェスチャの種類に応じて表示を変更することが好ましいことは言うまでもない。
【0024】
このように、ジェスチャの入力であると判断された旨を、視覚により確実に判断することができ、ユーザの意図に応じて継続して筆跡入力する、又はジェスチャの入力を完了することにより、モード切替ボタンを用いることなく、ユーザの意図に沿った筆跡入力を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
第1発明、第9発明及び第10発明によれば、ジェスチャの入力が完了する前の時点であっても、ジェスチャの入力であると判断された時点でその旨が表示されることにより、ユーザが視覚によりジェスチャの入力であると判断された旨を確認することができ、不要なジェスチャの入力を継続することなくジェスチャに対応付けて記憶されているコマンドを実行することが可能となる。
【0026】
第2発明によれば、ジェスチャに割当てられている筆跡入力を行う場合には、ジェスチャであると判断され、ジェスチャの入力であると判断された旨が表示されたのを確認してから所定時間以上筆跡入力を更新せずに放置することで、コマンドが実行されないよう動作を制御することができる。例えば既に筆跡入力されている文字に重ねて「×」印をジェスチャとして入力した場合、更新された表示、「×」の筆跡と交差している筆跡入力の表示データがコマンドにより削除されるよう設定されているときには、「×」印の色表示が更新された状態で一定時間放置する。このようにすることで、筆跡入力が削除されることなく「×」印の筆跡入力を受け付けることが可能となる。
【0027】
第3発明によれば、アイコンを選択することで、ジェスチャの入力が完了した後であってもジェスチャであるとの判断を容易にキャンセルすることができ、ジェスチャに対応付けられているコマンドを実行することなく筆跡入力を画面に表示することが可能となる。
【0028】
第4乃至第8発明によれば、ジェスチャの入力であると判断された旨を、視覚により確実に判断することができ、ユーザの意図に応じて継続して筆跡入力する、又はジェスチャの入力を完了することにより、モード切替ボタンを用いることなく、ユーザの意図に沿った筆跡入力を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明の実施の形態に係る手書き入力装置1の構成を示すブロック図である。手書き入力装置1は、装置全体を制御するCPU等の制御手段11、本発明の実施の形態に係る手書き入力装置1で実行可能なコンピュータプログラム101及びデータ等の各種情報を記録したCD−ROM等の記録媒体102から各種情報を読み取るCD−ROMドライブ等の補助記憶手段12、補助記憶手段12により読み取った各種情報を記録するハードディスク等の記録手段13を備えている。そして記録手段13から本発明に係るコンピュータプログラム101及びデータ等の各種情報を読み取り、情報を一時的に記憶するRAM等の記憶手段14に記憶させてコンピュータプログラム101に含まれる各種手順を制御手段11により実行することで、コンピュータは、本発明に係る手書き入力装置1として動作する。
【0030】
手書き入力装置1は、さらに外部とデータ通信する通信手段15、スタイラスペン、ペン型タブレット等の手書き入力手段16、及びモニタ等の表示手段17を備えている。手書き入力手段16は表示手段17と一体化されており、表示手段17に表示されている画像に対して筆跡、ジェスチャ等の入力を受け付け、受け付けた入力は、内部バス18を介して制御手段11へ送られる。
【0031】
図2は、本発明の実施の形態に係る手書き入力装置1の制御手段11の手書き入力処理の手順を示すフローチャートである。手書き入力装置1の制御手段11は、筆跡の入力を受け付けたか否かを判断し(ステップS201)、制御手段11は筆跡の入力を受け付けるまで待ち状態となる(ステップS201:NO)。制御手段11が、筆跡の入力を受け付けたと判断した場合(ステップS201:YES)、制御手段11は、受け付けた筆跡入力の画面上での座標値を取得する(ステップS202)。制御手段11は、取得した座標値を記憶手段14に1ストローク単位で記憶する(ステップS203)。なお、1ストロークの座標値とは、画面上にペンダウンしてからペンアップするまでの連続した座標群を意味しており、以下、筆跡入力情報という。制御手段11は、取得した座標値に基づいて表示手段17の筆跡表示を更新する(ステップS204)。
【0032】
図3は、本発明の実施の形態に係る手書き入力装置1の記憶手段14に記憶される筆跡入力情報の一例を示す図である。本実施の形態では、入力される筆跡ごとに筆跡を識別する情報である筆跡IDを付与し、筆跡IDごとにペンダウンした画面上の座標値、ペンダウンしてから一定のサンプリング時間ごとに取得した画面上の座標値、ペンアップした画面上の座標値として記憶手段14に記憶する。画面上に表示する場合には、サンプリングされた座標値に基づいて例えばスプライン補間等により補間して表示する。もちろん、サンプリング時間間隔を短くし、隣接する座標間を一次近似して表示しても良い。これにより、ペンダウンしてからペンアップするまでの筆跡を画面に表示することができる。
【0033】
制御手段11は、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する(ステップS205)。筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する手段は特に限定されるものではない。本実施の形態では、筆跡入力が一定数以上の鋭角部分を有するか否かでジェスチャの入力であるか否かを判断する。もちろん、判断するための条件はこれに限定されるものではなく、略閉曲線を所定数以上繰り返す、閉領域を塗りつぶす等、筆跡が特定可能な条件であれば何でも良い。
【0034】
図4は、手書き文字「あいえ」を入力した表示画面の例示図である。図4の例では、ユーザが、手書き文字「え」を削除する目的で、ジグザグ線31を入力している。ジグザグ線31は、鋭角に折れ曲がる折部を複数箇所有することから、ペンダウンしてからの筆跡の座標値に基づいて、折部の数を計数する。
【0035】
記憶手段14には、ジェスチャの入力として判断される条件が記憶されている。図5は、本発明の実施の形態に係る手書き入力装置1の記憶手段14に記憶されているジェスチャ情報記憶部のデータ構成の例示図である。
【0036】
ジェスチャ情報記憶部には、ジェスチャの種類を識別する情報であるジェスチャIDに対応付けて、該ジェスチャと判断されるために必要な一又は複数の条件、及び該ジェスチャに対応付けた実行コマンドが記憶されている。制御手段11が、筆跡入力がジェスチャの入力ではないと判断した場合(ステップS205:NO)、筆跡の入力の受け付けが完了したか否かを判断する(ステップS206)。制御手段11が、筆跡の入力の受け付けが完了していないと判断した場合(ステップS206:NO)、制御手段11は、処理をステップS201へ戻し、上述した処理を繰り返す。制御手段11が、筆跡の入力の受け付けが完了したと判断した場合(ステップS206:YES)、制御手段11は、通常の筆跡入力として処理する(ステップS207)。
【0037】
制御手段11が、筆跡入力がジェスチャの入力であると判断した場合(ステップS205:YES)、制御手段11は、ジェスチャ情報記憶部から、該条件に合致するジェスチャの種類を示すジェスチャIDを特定して、特定されたジェスチャIDに対応する実行コマンドを読み出す(ステップS208)。続いて制御手段11は、表示部17にジェスチャの判定結果の表示を行う(ステップS209)。制御手段11は、ジェスチャの入力が完了したか否か、すなわちペンアップしたか否かを判断する(ステップS210)。
【0038】
制御手段11が、ジェスチャの入力が完了していないと判断した場合(ステップS210:NO)、制御手段11は、処理をステップS201へ戻し、上述した処理を繰り返す。図6は、手書き文字「あいえ」を入力した表示画面上で入力された実線のジグザグ線31が、ジェスチャの入力であると判断された旨を示す表示として破線のジグザグ線32へ更新された場合の例示図である。
【0039】
このようにジェスチャの入力途上であっても、ジャスチャの入力であると判断された時点でジェスチャの入力である旨を示す表示がなされることにより、ユーザは視覚的にジェスチャの入力であると認識された旨を知ることができる。したがって、ユーザが該ジェスチャの入力により何らかのコマンドを実行したい場合には、これ以上筆跡の入力を継続する必要が無く、筆跡の入力を完了する、すなわちペンアップすることで、無駄な筆跡入力を行うことなく所望のコマンドを実行することができる。
【0040】
図7は、手書き文字「あいえ」を入力した表示画面上でペンアップによりコマンドが実行された場合の表示例を示す図である。図7の例では、ジェスチャの入力により実行するコマンドが、入力されたジェスチャと交差している、既に入力された筆跡データの削除である場合を示している。図7に示すように、ペンアップすることによりジェスチャの入力が完了し、該ジェスチャに対応するコマンドが実行され、ジェスチャと交差している手書き文字「え」が削除されている。
【0041】
なお、ジェスチャの入力である旨を表示する手段は、実線を破線に更新することに限定されるものではない。例えば、筆跡の表示データを点滅表示させても良い。この場合、点滅表示させる時間間隔を、ジェスチャの種類に応じて変更することにより、どのコマンドが実行されるのかユーザが視覚的に把握することが可能となる。
【0042】
また、筆跡の表示データの表示色を変更しても良い。例えば通常の筆跡入力は‘黒’で表示するのに対し、ジェスチャの入力であると判断された筆跡は‘赤’等で表示する。また、表示色をジェスチャの種類に応じて変更することにより、どのコマンドが実行されるのかユーザが視覚的に把握することが可能となる。
【0043】
さらに、筆跡が表示されている画面上の位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すテキストデータを表示しても良い。この場合、表示するテキストデータを、ジェスチャの種類に応じて変更することにより、どのコマンドが実行されるのかユーザが視覚的に把握することが可能となる。
【0044】
また、筆跡が表示されている画面上の位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すアイコンを表示しても良い。この場合も、表示するアイコンを、ジェスチャの種類に応じて変更することにより、どのコマンドが実行されるのかユーザが視覚的に把握することが可能となる。
【0045】
さらに、画面上に表示されている筆跡(ジェスチャ)の表示データを指示するカーソルの形状を変更して表示しても良い。例えばジェスチャの入力であると判断されるまではペン型のカーソルを表示し、ジェスチャの入力であると判断された後は、消しゴム型のカーソルを表示する。もちろん、表示するカーソルを、ジェスチャの種類に応じて変更することにより、どのコマンドが実行されるのかユーザが視覚的に把握することが可能となる。
【0046】
制御手段11が、ジェスチャの入力が完了したと判断した場合(ステップS210:YES)、制御手段11は、読み出した実行コマンドを実行する(ステップS211)。これにより、ユーザが意識したタイミング、すなわちジェスチャの入力を停止したタイミングでジェスチャに対応付けられたコマンドを実行することが可能となる。
【0047】
以上のように本実施の形態によれば、ジェスチャの入力が完了する前の時点であっても、入力された筆跡がジェスチャの入力であると判断された時点でジェスチャの入力である旨を示す表示がなされることにより、ユーザが視覚的にジェスチャの入力であると認識された事実を確認することができ、不要なジェスチャの入力を継続することなくジェスチャに対応付けて記憶されているコマンドを実行することが可能となる。
【0048】
なお、入力された筆跡がジェスチャの入力であると判断された場合に、一定時間ジェスチャの筆跡の入力が継続されなかった場合には、ジェスチャの入力ではないと判断されることが好ましい。すなわちユーザはジェスチャを入力していると意図していないのに、手書き入力装置1の制御手段11はジェスチャであると誤認識した事実を、ジェスチャの入力であると判断された旨を示す表示がなされたことによりユーザが把握した場合、斯かる制御手段11の判断をキャンセルする方法を準備しておくべきだからである。図8は、本発明の実施の形態に係る手書き入力装置1の制御手段11のジェスチャの入力である場合の処理手順を示すフローチャートである。
【0049】
手書き入力装置1の制御手段11が、入力された筆跡はジェスチャの入力であると判断した場合(ステップS205:YES)、制御手段11は、ジェスチャ情報記憶部から、該条件に合致するジェスチャの種類を示すジェスチャIDを特定して、特定されたジェスチャIDに対応する実行コマンドを読み出す(ステップS801)。制御手段11は、表示部17にジェスチャの判定結果の表示を行い(ステップS802)、ジェスチャの入力が完了したか否か、すなわちペンアップしたか否かを判断する(ステップS803)。
【0050】
制御手段11が、ジェスチャの入力が完了していないと判断した場合(ステップS803:NO)、制御手段11は、ジェスチャの入力が停止したか否かを判断する(ステップS804)。ジェスチャの入力が停止したか否かは、ペンアップされずに筆跡入力が更新されているか否かにより判断する。
【0051】
制御手段11が、ジェスチャの入力が停止していないと判断した場合(ステップS804:NO)、制御手段11は、ユーザがジェスチャを意識して入力しているものと判断し、処理をステップS201へ戻す。制御手段11が、ジェスチャの入力が停止したと判断した場合(ステップS804:YES)、制御手段11は、内蔵しているタイマ等を用いて計時をリセット・開始し(ステップS805)、所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS806)。制御手段11が、所定時間経過していないと判断した場合(ステップS806:NO)、制御手段11は、ジェスチャの入力停止が継続しているか否かを判断する(ステップS807)。
【0052】
制御手段11が、ジェスチャの入力停止が継続していると判断した場合(ステップS807:YES)、制御手段11は、処理をステップS806へ戻す。制御手段11が、ジェスチャの入力停止が継続していないと判断した場合(ステップS807:NO)、制御手段11は、処理をステップS201へ戻す。
【0053】
制御手段11が、所定時間経過したと判断した場合(ステップS806:YES)、制御手段11は、ユーザが意図していないジェスチャの入力であると判断し、表示手段17に表示されているジェスチャの入力であるか否かの判定結果を、ジェスチャの入力ではない旨の表示へ更新する(ステップS808)。図9は、手書き文字「あいえ」を入力した表示画面上でジェスチャと判定された旨を示す破線のジグザグ線32が、ジェスチャと判定される前のジグザグ線31と同様の実線のジグザグ線33へ更新された例示図である。このように、一定時間ペンアップせずに待機することにより、ユーザはジェスチャではないという意思表示をすることができ、ジェスチャに対応付けられた実行コマンドの実行を未然に防止することが可能となる。
【0054】
制御手段11が、ジェスチャの入力が完了したと判断した場合(ステップS803:YES)、制御手段11は、読み出した実行コマンドを実行する(ステップS809)。これにより、ユーザが意識したタイミング、すなわちジェスチャの入力を停止したタイミングでジェスチャに対応付けられたコマンドを実行することが可能となる。
【0055】
また、入力された筆跡がジェスチャの入力であると判断された場合に、ジェスチャの入力が完了したと判断された時点で、ポインティングデバイスが指示している画面上の近傍にて実行コマンドのキャンセルを指示するためのアイコンを一定時間表示しても良い。この場合、ジェスチャであると意識していないユーザが誤ってペンアップしたことにより、実行コマンドが実行され、例えば本来は削除する意思のない筆跡入力が削除された場合であっても、一定時間表示されているアイコンを選択することにより、復元することが可能となる。
【0056】
図10は、本発明の実施の形態に係る手書き入力装置1の制御手段11のジェスチャの入力を完了した場合の復元処理の手順を示すフローチャートである。手書き入力装置1の制御手段11が、ジェスチャの入力が完了したと判断した場合(ステップS803:YES)、制御手段11は、読み出した実行コマンドを実行する(ステップS1001)。制御手段11は、実行されたコマンドのキャンセルを指示するアイコンを画面上に表示し(ステップS1002)、内蔵しているタイマ等により計時を開始する(ステップS1003)。
【0057】
制御手段11は、表示されたアイコンが選択されたか否かを判断する(ステップS1004)。制御手段11が、アイコンが選択されていないと判断した場合(ステップS1004:NO)、制御手段11は、所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS1005)。
【0058】
制御手段11が、所定の時間経過していないと判断した場合(ステップS1005:NO)、制御手段11は、処理をステップS1004へ戻し、上述の処理を繰り返す。制御手段11が、所定の時間経過したと判断した場合(ステップS1005:YES)、制御手段11は、ユーザがジェスチャにより実行された実行コマンドをキャンセルする意思がないものと判断し、表示されているアイコンを削除する(ステップS1006)。
【0059】
制御手段11が、アイコンが選択されたと判断した場合(ステップS1004:YES)、制御手段11は、該ジェスチャにより実行された実行コマンドが、ユーザの意図する処理ではないと判断し、実行された実行コマンドをキャンセルする(ステップS1007)。例えば実行コマンドが、ジェスチャと交差している筆跡の削除であった場合には、筆跡及びジェスチャが画面上に復元して表示される。
【0060】
このようにすることで、アイコンを選択することにより、ジェスチャの入力が完了した後であってもジェスチャであるとの判断を容易にキャンセルすることができ、ジェスチャに対応付けられているコマンドを実行することなく筆跡入力を画面に再表示することが可能となる。
【0061】
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0062】
(付記1)
ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶しておき、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する手書き入力装置において、
筆跡入力を受け付けているか否かを判断する第1の判断手段と、
該第1の判断手段で筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新する筆跡表示更新手段と、
筆跡入力の受付が完了したか否かを判断する第2の判断手段と、
該第2の判断手段で受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する第3の判断手段と、
該第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別する手段と、
該手段で判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出す手段と、
ジェスチャの入力である旨を示す表示を行うジェスチャ判断表示手段と、
ジェスチャの入力が完了したか否かを判断する第4の判断手段と
を備え、
該第3の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行するようにしてあることを特徴とする手書き入力装置。
【0063】
(付記2)
ジェスチャの画面上での座標値が一定であるか否かを判断する座標値判断手段と、
前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記座標値判断手段で座標値が一定であると判断したとき、座標値が一定である状態で所定の時間が経過したか否かを判断する第5の判断手段を備え、
該第5の判断手段で所定の時間が経過したと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更し、
前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新するようにしてあることを特徴とする付記1記載の手書き入力装置。
【0064】
(付記3)
前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記第4の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断したときに、ポインティングデバイスが指示している画面上の近傍にて所定のアイコンを表示する手段と、
該手段で表示されたアイコンが選択されたか否かを判断する第6の判断手段と
を備え、
該第6の判断手段で選択されたと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更し、
前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新するようにしてあることを特徴とする付記1記載の手書き入力装置。
【0065】
(付記4)
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させるようにしてあることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の手書き入力装置。
【0066】
(付記5)
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させる時間間隔を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記4記載の手書き入力装置。
【0067】
(付記6)
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を変更するようにしてあることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の手書き入力装置。
【0068】
(付記7)
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記6記載の手書き入力装置。
【0069】
(付記8)
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すテキストデータを表示するようにしてあることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の手書き入力装置。
【0070】
(付記9)
前記ジェスチャ判断表示手段は、前記テキストデータを、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記8記載の手書き入力装置。
【0071】
(付記10)
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すアイコンを表示するようにしてあることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の手書き入力装置。
【0072】
(付記11)
前記ジェスチャ判断表示手段は、前記アイコンを、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記10記載の手書き入力装置。
【0073】
(付記12)
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを指示するカーソルの形状を変更して表示するようにしてあることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1つに記載の手書き入力装置。
【0074】
(付記13)
前記ジェスチャ判断表示手段は、前記カーソルの形状を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記12記載の手書き入力装置。
【0075】
(付記14)
ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶し、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する手書き入力方法において、
筆跡入力を受け付けているか否かを判断し、
筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新し、
筆跡入力の受付が完了したか否かを判断し、
受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断し、
ジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別し、
判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出し、
ジェスチャの入力である旨を示す表示を行い、
ジェスチャの入力が完了したか否かを判断し、
ジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行することを特徴とする手書き入力方法。
【0076】
(付記15)
ジェスチャの画面上での座標値が一定であるか否かを判断し、
ジェスチャの入力であると判断した場合、座標値が一定であると判断したとき、座標値が一定である状態で所定の時間が経過したか否かを判断し、
所定の時間が経過したと判断した場合、ジェスチャの入力でないと判断結果を変更し、
ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新することを特徴とする付記14記載の手書き入力方法。
【0077】
(付記16)
ジェスチャの入力であると判断した場合、ジェスチャの入力が完了したと判断したときに、ポインティングデバイスが指示している画面上の近傍にて所定のアイコンを表示し、
表示されたアイコンが選択されたか否かを判断し、
選択されたと判断した場合、ジェスチャの入力でないと判断結果を変更し、
ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新することを特徴とする付記14記載の手書き入力方法。
【0078】
(付記17)
ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させることを特徴とする付記14乃至16のいずれか1つに記載の手書き入力方法。
【0079】
(付記18)
ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させる時間間隔を、判別したジェスチャの種類に応じて変更することを特徴とする付記17記載の手書き入力方法。
【0080】
(付記19)
ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を変更することを特徴とする付記14乃至16のいずれか1つに記載の手書き入力方法。
【0081】
(付記20)
ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を、判別したジェスチャの種類に応じて変更することを特徴とする付記19記載の手書き入力方法。
【0082】
(付記21)
ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すテキストデータを表示することを特徴とする付記14乃至16のいずれか1つに記載の手書き入力方法。
【0083】
(付記22)
前記テキストデータを、判別したジェスチャの種類に応じて変更することを特徴とする付記21記載の手書き入力方法。
【0084】
(付記23)
ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すアイコンを表示することを特徴とする付記14乃至16のいずれか1つに記載の手書き入力方法。
【0085】
(付記24)
前記アイコンを、判別したジェスチャの種類に応じて変更することを特徴とする付記23記載の手書き入力方法。
【0086】
(付記25)
ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを指示するカーソルの形状を変更して表示することを特徴とする付記14乃至16のいずれか1つに記載の手書き入力方法。
【0087】
(付記26)
前記カーソルの形状を、判別したジェスチャの種類に応じて変更することを特徴とする付記25記載の手書き入力方法。
【0088】
(付記27)
ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶しておき、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示するコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータを、
筆跡入力を受け付けているか否かを判断する第1の判断手段、
該第1の判断手段で筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新する筆跡表示更新手段、
筆跡入力の受付が完了したか否かを判断する第2の判断手段、
該第2の判断手段で受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する第3の判断手段、
該第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別する手段、
該手段で判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出す手段、
ジェスチャの入力である旨を示す表示を行うジェスチャ判断表示手段、
ジェスチャの入力が完了したか否かを判断する第4の判断手段、及び
該第3の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行する手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【0089】
(付記28)
前記コンピュータを、
ジェスチャの画面上での座標値が一定であるか否かを判断する座標値判断手段、
前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記座標値判断手段で座標値が一定であると判断したとき、座標値が一定である状態で所定の時間が経過したか否かを判断する第5の判断手段、
該第5の判断手段で所定の時間が経過したと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更する手段、及び
前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新する手段
として機能させることを特徴とする付記27記載のコンピュータプログラム。
【0090】
(付記29)
前記コンピュータを、
前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記第4の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断したときに、ポインティングデバイスが指示している画面上の近傍にて所定のアイコンを表示する手段、
該手段で表示されたアイコンが選択されたか否かを判断する第6の判断手段、
該第6の判断手段で選択されたと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更する手段、及び
前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新する手段
として機能させることを特徴とする付記27記載のコンピュータプログラム。
【0091】
(付記30)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させるようにしてあることを特徴とする付記27乃至29のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム。
【0092】
(付記31)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させる時間間隔を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記30記載のコンピュータプログラム。
【0093】
(付記32)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を変更するようにしてあることを特徴とする付記27乃至29のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム。
【0094】
(付記33)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記32記載のコンピュータプログラム。
【0095】
(付記34)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すテキストデータを表示するようにしてあることを特徴とする付記27乃至29のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム。
【0096】
(付記35)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、前記テキストデータを、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記34記載のコンピュータプログラム。
【0097】
(付記36)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すアイコンを表示するようにしてあることを特徴とする付記27乃至29のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム。
【0098】
(付記37)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、前記アイコンを、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記36記載のコンピュータプログラム。
【0099】
(付記38)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを指示するカーソルの形状を変更して表示するようにしてあることを特徴とする付記27乃至29のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム。
【0100】
(付記39)
前記コンピュータを、
前記ジェスチャ判断表示手段にて、前記カーソルの形状を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする付記38記載のコンピュータプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施の形態に係る手書き入力装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る手書き入力装置の制御手段の手書き入力処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係る手書き入力装置の記憶手段に記憶される筆跡入力情報の一例を示す図である。
【図4】手書き文字を入力した表示画面の例示図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る手書き入力装置の記憶手段に記憶されているジェスチャ情報記憶部のデータ構成の例示図である。
【図6】手書き文字を入力した表示画面上で入力された実線のジグザグ線が、ジェスチャの入力であると判断された旨を示す表示として破線のジグザグ線へ更新された場合の例示図である。
【図7】手書き文字を入力した表示画面上でペンアップによりコマンドが実行された場合の表示例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る手書き入力装置の制御手段のジェスチャの入力である場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】手書き文字を入力した表示画面上でジェスチャと判定された旨を示す破線のジグザグ線が、実線のジグザグ線へ更新された例示図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る手書き入力装置の制御手段のジェスチャの入力を完了した場合の復元処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1 手書き入力装置
11 制御手段
14 記憶手段
17 手書き入力手段
101 コンピュータプログラム
102 記録媒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶しておき、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する手書き入力装置において、
筆跡入力を受け付けているか否かを判断する第1の判断手段と、
該第1の判断手段で筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新する筆跡表示更新手段と、
筆跡入力の受付が完了したか否かを判断する第2の判断手段と、
該第2の判断手段で受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する第3の判断手段と、
該第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別する手段と、
該手段で判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出す手段と、
ジェスチャの入力である旨を示す表示を行うジェスチャ判断表示手段と、
ジェスチャの入力が完了したか否かを判断する第4の判断手段と
を備え、
該第3の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行するようにしてあることを特徴とする手書き入力装置。
【請求項2】
ジェスチャの画面上での座標値が一定であるか否かを判断する座標値判断手段と、
前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記座標値判断手段で座標値が一定であると判断したとき、座標値が一定である状態で所定の時間が経過したか否かを判断する第5の判断手段を備え、
該第5の判断手段で所定の時間が経過したと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更し、
前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新するようにしてあることを特徴とする請求項1記載の手書き入力装置。
【請求項3】
前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記第4の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断したときに、ポインティングデバイスが指示している画面上の近傍にて所定のアイコンを表示する手段と、
該手段で表示されたアイコンが選択されたか否かを判断する第6の判断手段と
を備え、
該第6の判断手段で選択されたと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更し、
前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新するようにしてあることを特徴とする請求項1記載の手書き入力装置。
【請求項4】
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させるようにしてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の手書き入力装置。
【請求項5】
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させる時間間隔を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする請求項4記載の手書き入力装置。
【請求項6】
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を変更するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の手書き入力装置。
【請求項7】
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする請求項6記載の手書き入力装置。
【請求項8】
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すテキストデータを表示するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の手書き入力装置。
【請求項9】
ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶し、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する手書き入力方法において、
筆跡入力を受け付けているか否かを判断し、
筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新し、
筆跡入力の受付が完了したか否かを判断し、
受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断し、
ジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別し、
判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出し、
ジェスチャの入力である旨を示す表示を行い、
ジェスチャの入力が完了したか否かを判断し、
ジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行することを特徴とする手書き入力方法。
【請求項10】
ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶しておき、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示するコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータを、
筆跡入力を受け付けているか否かを判断する第1の判断手段、
該第1の判断手段で筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新する筆跡表示更新手段、
筆跡入力の受付が完了したか否かを判断する第2の判断手段、
該第2の判断手段で受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する第3の判断手段、
該第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別する手段、
該手段で判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出す手段、
ジェスチャの入力である旨を示す表示を行うジェスチャ判断表示手段、
ジェスチャの入力が完了したか否かを判断する第4の判断手段、及び
該第3の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行する手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶しておき、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する手書き入力装置において、
筆跡入力を受け付けているか否かを判断する第1の判断手段と、
該第1の判断手段で筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新する筆跡表示更新手段と、
筆跡入力の受付が完了したか否かを判断する第2の判断手段と、
該第2の判断手段で受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する第3の判断手段と、
該第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別する手段と、
該手段で判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出す手段と、
ジェスチャの入力である旨を示す表示を行うジェスチャ判断表示手段と、
ジェスチャの入力が完了したか否かを判断する第4の判断手段と
を備え、
該第3の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行するようにしてあることを特徴とする手書き入力装置。
【請求項2】
ジェスチャの画面上での座標値が一定であるか否かを判断する座標値判断手段と、
前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記座標値判断手段で座標値が一定であると判断したとき、座標値が一定である状態で所定の時間が経過したか否かを判断する第5の判断手段を備え、
該第5の判断手段で所定の時間が経過したと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更し、
前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新するようにしてあることを特徴とする請求項1記載の手書き入力装置。
【請求項3】
前記第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、前記第4の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断したときに、ポインティングデバイスが指示している画面上の近傍にて所定のアイコンを表示する手段と、
該手段で表示されたアイコンが選択されたか否かを判断する第6の判断手段と
を備え、
該第6の判断手段で選択されたと判断した場合、前記第3の判断手段の判断結果を、ジェスチャの入力でないと変更し、
前記ジェスチャ判断表示手段での表示を、ジェスチャの入力でないと判断された旨を示す表示へ更新するようにしてあることを特徴とする請求項1記載の手書き入力装置。
【請求項4】
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させるようにしてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の手書き入力装置。
【請求項5】
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを点滅表示させる時間間隔を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする請求項4記載の手書き入力装置。
【請求項6】
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を変更するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の手書き入力装置。
【請求項7】
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データの色を、判別したジェスチャの種類に応じて変更するようにしてあることを特徴とする請求項6記載の手書き入力装置。
【請求項8】
前記ジェスチャ判断表示手段は、ジェスチャであると判断された筆跡入力に係る表示データを表示する位置の近傍に、ジェスチャの入力であると判断された旨を示すテキストデータを表示するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の手書き入力装置。
【請求項9】
ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶し、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示する手書き入力方法において、
筆跡入力を受け付けているか否かを判断し、
筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新し、
筆跡入力の受付が完了したか否かを判断し、
受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断し、
ジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別し、
判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出し、
ジェスチャの入力である旨を示す表示を行い、
ジェスチャの入力が完了したか否かを判断し、
ジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行することを特徴とする手書き入力方法。
【請求項10】
ジェスチャの種類に対応付けた実行コマンドを記憶しておき、画面上で受け付けた該ジェスチャを含む筆跡入力の画面上での座標値を取得して筆跡を表示するコンピュータで実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータを、
筆跡入力を受け付けているか否かを判断する第1の判断手段、
該第1の判断手段で筆跡入力を受け付けていると判断した場合、筆跡の表示データを更新する筆跡表示更新手段、
筆跡入力の受付が完了したか否かを判断する第2の判断手段、
該第2の判断手段で受付が完了していないと判断した場合、該筆跡入力がジェスチャの入力であるか否かを判断する第3の判断手段、
該第3の判断手段でジェスチャの入力であると判断した場合、該ジェスチャの画面上での座標値に基づいてジェスチャの種類を判別する手段、
該手段で判別したジェスチャの種類に対応する実行コマンドを読み出す手段、
ジェスチャの入力である旨を示す表示を行うジェスチャ判断表示手段、
ジェスチャの入力が完了したか否かを判断する第4の判断手段、及び
該第3の判断手段でジェスチャの入力が完了したと判断した場合、該ジェスチャの入力に対応した実行コマンドを実行する手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−27082(P2008−27082A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−197408(P2006−197408)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]