説明

投光ユニット、および物体検出装置

【課題】長さ方向における光強度分布のばらつきを抑えた線状の光を投光することができる投光ユニットを提供する。
【解決手段】LD11が出射したレーザ光は、ライトガイド12に入射され、ライトガイド12内で屈折を繰り返し、出射面に伝搬する。ライトガイド12の出射面から出射されるレーザ光の形状は、横幅w×縦幅hの矩形形状である。また、ライトガイド12の出射面は、投光レンズ13の焦点距離fを半径とする曲面を横幅方向に形成しているので、投光レンズ13の光学中心から、ライトガイド12の出射面までの距離が、ライトガイド12の横幅方向において等しい。このため、投光レンズ13を通って前方に投光されるレーザ光は、横幅方向において、この投光レンズ13の収差の影響が抑えられる。したがって、長さ方向における光強度分布が略均一な、線状のレーザ光を投光することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レーザダイオード(LD)等の発光素子から出射された光を投光する投光ユニット、および、この投光ユニットを適用した物体検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザダイオード(LD)等の発光素子を利用し、線状に形成した光を投光する投光ユニットが提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1では、発光素子から出射された光の利用効率を向上させる提案がなされている。具体的には、発光素子であるLDから出射された光を、コリメート光学系で拡がり角を抑えた平行光とし、この平行光をシリンドリカルレンズで一方向に拡げる。また、矩形形状の開口部を設けた遮光板を用いて、シリンドリカルレンズで一方向に拡げた光の不要部分を遮光する。この矩形形状は、シリンドリカルレンズが光を拡げた方向が、この方向に垂直な方向よりも長い。そして、遮光板で不要部分を遮光した光が、フォーカシングレンズを通して前方に投光される。これにより、シリンドリカルレンズで拡げた方向に延びる線状の光の投光が行える。
【0003】
ところで、線状の光は、レンズを介して投光すると、このレンズの収差による影響を受け、長さ方向(特許文献1の構成では、シリンドリカルレンズで拡げた方向)における光強度分布にばらつきが生じる。すなわち、長さ方向における光強度分布が略均一な線状の光を投光することができなかった。
【0004】
また、前方に照射したレーザ光の反射光を検出することによって、このレーザ光を照射した方向に存在する物体の検出や、検出した物体までの距離を測定するレーザレーダ装置が実用化されている。このレーザレーダ装置は、例えば、車両に搭載され、前方を走行する先行車両や、前方に存在する障害物等を検出する装置として利用されている。
【特許文献1】特開平6−186493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的は、長さ方向における光強度分布のばらつきを抑えた線状の光を投光することができる投光ユニットを提供することにある。
【0006】
また、この発明は、上記投光ユニットを適用することによって、線状の光を投光した投光領域内に存在する物体や、その物体の位置を精度よく検出することができる物体検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の投光ユニットは、上記目的を達するために、以下のように構成している。
【0008】
投光レンズが、光源である発光素子から出射された光を投光する。光源としては、小型で、指向性のよいレーザ光を出射するレーザダイオードが適している。発光素子と、投光レンズと、の間に配置したライトガイドが、この発光素子から出射された光を投光レンズに導く光導波路を形成する。すなわち、発光素子から出射された光は、ライトガイドが形成する光導波路を通って、投光レンズに入射される。
【0009】
また、投光レンズに対向するライトガイドの出射面の外形形状は、横幅が縦幅よりも長い矩形である。ライトガイドの出射面から出射される光の形状は、このライトガイドの出射面の外形形状と同じ形状である。また、ライトガイドに入射された光は、ライトガイド内で屈折を繰り返して出射面に伝搬するので、このライトガイドの出射面から出射される光の強度分布は略均一である。
【0010】
また、ライトガイドの出射面は、投光レンズの焦点距離を半径とする曲面を横幅方向に形成した凹面形状であるので、ライトガイドの出射面から出射される光は、この出射面に曲面を形成した横幅方向に拡がる。さらに、投光レンズの光学中心と、ライトガイドの出射面の中心と、の間隔が、この投光レンズの焦点距離であるので、ライトガイドの横幅方向において、投光レンズの光学中心と、ライトガイドの出射面と、の距離が等しい。
【0011】
このため、ライトガイドの出射面から出射され、投光レンズを通して前方に投光される光に対して、この投光レンズの収差の影響が抑えられる。また、ライトガイドの出射面は、横幅が縦幅よりも長い矩形であり、且つ投光レンズを通して前方に投光される光は、ライトガイドの横幅方向の拡がりが、縦幅方向の拡がりよりも大きいので、線状の光になる。したがって、長さ方向における光強度分布のばらつきを抑えた線状の光を投光することができる。
【0012】
また、この発明の物体検出装置は、上記投光ユニットを適用している。受光ユニットは、ライトガイドの出射面の横幅方向(すなわち、投光される線状の光の長さ方向)に区分した複数の物体検出方向毎に、投光ユニットが投光した光の反射光を検出する。測定ユニットは、物体検出方向毎に、反射光を検出したかどうかによって、物体が存在しているかどうかを検出する。また、投光ユニットが光を投光してから、受光ユニットが反射光を受光するまでの経過時間によって、検出した物体までの距離を測定する。
【0013】
上述したように、投光ユニットは、長さ方向における光強度分布のばらつきを抑えた線状の光を投光するができる。このため、各物体検出方向に対して、反射光の有無(すなわち、物体の有無)を判定する受光レベルの閾値が、同じレベルに設定できる。したがって、投光ユニットによって線状の光が投光される投光領域内に存在する物体や、その物体の位置を精度よく検出することができる。
【0014】
また、この物体検出装置を車両に搭載することにより、車両の前方に位置する先行車両等の障害物を検出することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、長さ方向における光強度分布のばらつきを抑えた線状の光を投光することができる。
【0016】
また、線状の光を投光した投光領域内に存在する物体や、その物体の位置を精度よく検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態について説明する。
【0018】
図1は、この発明の実施形態である投光ユニットの概略の構成を示す図である。この投光ユニット1は、線状の光を投光するユニットである。投光ユニット1の上面図を図1(A)に示す。図1(A)においては、図の上下方向を投光される線状の光の長さ方向と呼ぶ。投光ユニット1の側面図を図1(B)に示す。図1(B)では、図の上下方向を投光される線状の光の太さ方向と呼ぶ。この投光ユニット1は、駆動制御回路10と、レーザダイオード11(以下、LD11と言う。)と、ライトガイド12と、投光レンズ13と、を備えている。駆動制御回路10は、発光素子であるLD11の発光を制御する。LD11から出射されたレーザ光は、ライトガイド12、および投光レンズ13を、この順番に通って、投光レンズ13の前方に投光される。
【0019】
LD11の発光面は、ライトガイド12の入射面に対向している。また、ライトガイド12の出射面は、投光レンズ13に対向している。ライトガイド12は、入射面の中心をLD11が出射するレーザ光の光軸に合わせている。また、投光レンズ13の光学中心は、ライトガイド12の出射面から出射されるレーザ光の光軸(ライトガイド12の出射面の中心)に合わせている。ライトガイド12に入射されたレーザ光は、ライトガイド12内部で屈折を繰り返して出射面まで伝搬し、ライトガイド12の出射面から出射される。ライトガイド12の出射面から出射されるレーザ光の形状は、ライトガイド12の出射面の外形形状である。また、ライトガイド12の出射面から出射されるレーザ光の光強度分布は、略均一である。このように、ライトガイド12は、LD11から出射されたレーザ光を投光レンズ13に導く光導波路を形成する。また、ここでは、投光レンズ13の焦点距離をfとして以下の説明を行う。
【0020】
次に、ライトガイド12について詳細に説明する。図2(A)は、ライトガイドの入射面側から見た斜視図である。図2(B)は、ライトガイドの出射面側から見た斜視図である。図2(C)は、ライトガイドの上面図である。図2(D)は、ライトガイドの側面図である。ライトガイド12は、図2に示すように、その外形が略直方体形状である。ライトガイド12は、横幅(図中に示すw)が縦幅(図中に示すh)よりも長い。縦幅hは数mm(例えば1〜2mm)であり、横幅wは数10mm(例えば、20〜30mm)である。
【0021】
ライトガイド12の出射面は、投光レンズ13の焦点距離fを半径とする曲面を横幅方向に形成した凹面形状である。また、ライトガイド12の出射面の中心と、投光レンズ13の光学中心との距離は、この投光レンズ13の焦点距離fである。すなわち、投光レンズ13の光学中心から、ライトガイド12の出射面までの距離が、ライトガイド12の横幅方向において等しい。また、ライトガイド12の入射面は、ここでは平面形状にしている。
【0022】
なお、図1(A)における上下方向が、ライトガイド12の横幅方向であり、図1(B)における上下方向が、ライトガイド12の縦幅方向である。
【0023】
この投光ユニット1が投光するレーザ光について説明する。駆動制御回路10が、LD11の発光を制御する。LD11から出射されるレーザ光は、楕円形状である。LD11が出射したレーザ光は、ライトガイド12に入射される。ライトガイド12に入射されたレーザ光は、ライトガイド12内で屈折を繰り返し、出射面に伝搬する。ライトガイド12の出射面から出射されるレーザ光の形状は、この出射面の外形形状と同じである。すなわち、ライトガイド12の出射面から出射されるレーザ光の形状は、横幅w×縦幅hの矩形形状である。また、横幅は、縦幅の数十倍であることが好ましい。
【0024】
また、上述したように、ライトガイド12の出射面は、投光レンズ13の焦点距離fを半径とする曲面を横幅方向に形成しているので、投光レンズ13の光学中心から、ライトガイド12の出射面までの距離が、ライトガイド12の横幅方向において等しい。このため、投光レンズ13を通って前方に投光されるレーザ光は、横幅方向において、この投光レンズ13の収差の影響が抑えられる。
【0025】
さらに、ライトガイド12の出射面は、横幅が縦幅よりも長く、且つ、この出射面に形成している曲面によって、出射面から出射されるレーザ光は、横幅方向の拡がりが縦幅方向に比べて大きい。したがって、投光レンズ13を通して、ライトガイド12の横幅方向に長い線状のレーザ光を投光レンズ13の前方に投光することができる。また、上述したように、横幅方向において、投光レンズ13の収差の影響が抑えられるので、投光される線状のレーザ光の長さ方向(ライトガイド12の横幅方向)における、光強度分布のばらつきが抑えられる。すなわち、長さ方向における光強度分布が略均一な、線状のレーザ光を投光レンズ13の前方に投光することができる。
【0026】
なお、投光レンズ13を通って前方に投光されるレーザ光は、横幅方向への拡がりが、縦幅方向への拡がりよりも大きいので、投光されたレーザ光は、投光レンズ13から離れるにしたがって、横幅方向に対する縦幅方向の比率が小さくなる。
【0027】
図3は、この実施形態の投光ユニットによって投光される線状のレーザ光、この線状のレーザ光の長さ方向における光強度分布(水平角に対する光強度分布)、および、この線状のレーザ光の幅方向(ライトガイド12の縦幅方向)における光強度分布(垂直角に対する光強度分布)を示している。また、比較のため、出射面を平面としたライトガイドを用いた投光ユニットが投光する線状のレーザ光の光強度分布を、図4、および図5に示す。
【0028】
図4(B)は、図4(A)に示すように、ライトガイドの出射面の中心と、投光レンズの光学中心との距離を、この投光レンズの焦点距離fとした場合に、投光される線状のレーザ光、この線状のレーザ光の長さ方向における光強度分布(水平角に対する光強度分布)、および、この線状のレーザ光の幅方向(ライトガイドの縦幅方向)における光強度分布(垂直角に対する光強度分布)を示している。この場合、光軸中心に焦点が一致するように、光学系が設計されている。このため、ライトガイドの出射面の相当する像の端部に収差が生じる。すなわち、水平角において、光量の分布がなだらかになり、水平角の絶対値が大きい位置では、レーザ光がぼやける。
【0029】
図5(B)は、図5(A)に示すように、横幅方向におけるライトガイドの出射面の端部と、投光レンズの中心との距離を、この投光レンズの焦点距離fとした場合において、投光される線状のレーザ光、この線状のレーザ光の長さ方向における光強度分布(水平角に対する光強度分布)、および、この線状のレーザ光の幅方向(ライトガイドの縦幅方向)における光強度分布(垂直角に対する光強度分布)を示している。この場合、ライトガイドの出射面に相当する像の端部に焦点が一致するように、光学系が設計されている。このため、光軸中心付近において、収差が生じる。さらに、垂直角において、レーザ光が広がっている。このためレーザ光の光軸中心において、レーザ光がぼやける。
【0030】
一方、ライトガイド12の出射面を曲面とした、この実施形態の投光ユニット1では、図3に示すように、投光される線状のレーザ光の強度分布が、垂直角の光量分布において、光量の分布の両端が垂直角を示す横軸に対してほぼ垂直に切り立っている。さらに、水平角の光量分布において、光量の分布の両端が水平角を示す横軸に対してほぼ垂直に切り立っている。また、垂直角および水平角において、レーザ光は必要以上に広がっていない。このため、レーザ光の光軸中心および端部のいずれにおいても、収差が生じていない。また、レーザ光のそれぞれの強度分布は、光軸を中心とした矩形形状で、ライトガイドの主斜面に対してほぼ相似形状である。これは、収差の少ないレーザ光が得られていることを示している。
【0031】
また、上記の実施形態では、ライトガイド12は、その外形形状が直方体形状であるとしたが、図6(A)、(B)に示すような形状にしてもよい。図6(A)、(B)は、ライトガイドの上面図を示す。図6(A)は、入射面と、出射面と、が直交するライトガイド12であり、ライトガイド12に入射されたレーザ光は、このライトガイド12内を伝搬しているときに、90°曲がる。また、図6(B)は、入射面に比べて、出射面を大きくしたライトガイド12である。さらに、上記の説明では、ライトガイド12の入射面は平面であるとしたが、出射面と同様の曲面を形成してもよい。
【0032】
次に、図1に示した投光ユニット1を適用した物体検出装置について説明する。図7は、この物体検出装置の主要部の構成を示す図である。この物体検出装置5は、車両に搭載され、この車両の前方に存在する物体を検出する。この物体検出装置5は、上述した投光ユニット1と、受光ユニット2と、測定ユニット3と、を備えている。投光ユニット1は、搭載された車両の前方に線状のレーザ光を投光する。受光ユニット2は、投光ユニット1が投光したレーザ光の反射光を検出する。測定ユニット3は、受光ユニット2における反射光の検出結果に基づいて、車両の前方に位置する物体の検出や、検出した物体の位置を測定する。
【0033】
投光ユニット1は、上述した構成であり、レーザ光を車両の前方に投光する向きに取り付けている。投光ユニット1は、図8に示すように、ライトガイド12の横幅方向を車幅方向に合わせて取り付ける。したがって、投光ユニット1は、車幅方向に延びる線状のレーザ光を、この車両の前方に投光する。
【0034】
なお、図8は、車両に対するライトガイド12の向きを説明するための図であり、投光ユニット1は、車両のフロントグリルや、フロントバンパ等に取り付けられる。また、車両に対するライトガイド12の大きさを、実際よりも大きく示した図である。
【0035】
受光ユニット2は、A/D変換回路20と、受光部21と、受光レンズ23と、を備えている。受光ユニット2の受光レンズ23と、投光ユニット1の投光レンズ13とは、図9に示すように、車両の幅方向に並べて取り付けている。受光部21は、複数の受光素子21aをライン状に並べたラインセンサである。各受光素子21aは、受光面が受光レンズ23に対向している。また、複数の受光素子21aは、車幅方向に並んでいる。受光レンズ23に入射した光は、車幅方向における入射角に応じた受光素子21aで受光される。すなわち、受光部21は、車両の幅方向に区分した複数の方向(この発明で言う物体検出方向)について、その方向毎に入射光を検出する受光素子21aを有している。A/D変換回路20は、受光素子21a毎に、その受光素子21aの出力をA/D変換するA/Dコンバータを有している。
【0036】
測定ユニット3は、投光ユニット1の駆動制御回路10に対してLD11の発光を指示するとともに、A/D変換回路20から入力された各受光素子21aの受光量に基づいて、車両の前方に存在する物体の検出や、検出した物体の位置を測定する。
【0037】
この物体検出装置5の動作について説明する。測定ユニット3は、予め定めた時間間隔で、投光ユニット1の駆動制御回路10に対してLD11の発光を指示する。駆動制御回路10は、この指示にしたがってLD11を発光させ、搭載されている車両の前方にレーザ光を投光する。上述したように、投光ユニット1は、車両の幅方向に延びる線状のレーザ光を投光する。また、この線状のレーザ光は、車両の幅方向における光強度分布が略均一である。
【0038】
車両の前方に存在する物体に当たって反射したレーザ光(反射光)は、受光レンズ23に入射する。この反射光は、車両の幅方向における物体の位置に応じた入射角で受光レンズ23に入射し、この入射角に応じた受光素子21aで受光される。A/D変換回路20は、各受光素子21aの出力をA/D変換し、測定ユニット3に入力する。
【0039】
測定ユニット3は、受光素子21a毎に反射光を受光したかどうかを判定する。上述したように、投光ユニット1は、車両の幅方向における光強度分布が略均一である線状のレーザ光を投光することができる。したがって、各受光素子21aに対して、反射光の有無を判定する受光レベルの閾値が、同じレベルに設定できる。このため、受光素子21a毎に反射光を受光したかどうかの判定が精度よく行える。
【0040】
測定ユニット3は、反射光を受光したと判定した受光素子21aが対応する方向に物体が存在すると判定する。すなわち、測定ユニット3は、反射光を受光したと判定した受光素子21aに基づいて、物体が存在する方位を検出する。また、投光ユニット1がレーザ光を投光してから、その受光素子21aが反射光を受光するまでの時間から、物体までの距離を測定する。測定ユニット3は、検出した物体毎に、その方位、および距離を車両側の制御装置(不図示)に通知する。
【0041】
車両側の制御装置は、測定ユニット3からの通知に基づいて、先行車両に対する追従走行等にかかる車両の走行制御を行う。
【0042】
このように、この物体検出装置5は、車両の幅方向に延びる線状のレーザ光を投光することができるので、レーザ光を走査することなく、車両の幅方向における物体の検出が行える。すなわち、レーザ光を走査する機構部を必要としないので、物体検出装置5の小型化、およびコストダウンが図れる。
【0043】
また、上述したように、投光ユニット1は、長さ方向(車幅方向)における光強度分布が略均一である線状のレーザ光を投光することができるので、この投光ユニット1が線状のレーザ光を投光する投光領域内に存在する物体からの反射光を精度よく検出することができる。
【0044】
また、図9に示す構成では、物体を検出する方位の分可能が受光素子21aの大きさによる制限を受けるが、図10に示すように、受光レンズ23と、各受光素子21aとの間にライトガイド22を設ければ、受光素子21aの大きさによる制限を抑え、物体を検出する方位の分可能を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】投光ユニットの概略の構成を示す図である。
【図2】ライトガイドの外観を示す図である。
【図3】この投光ユニットにより投光される線状のレーザ光の光強度分布を示す図である。
【図4】従来の投光ユニットにより投光される線状のレーザ光の光強度分布を示す図である。
【図5】従来の投光ユニットにより投光される線状のレーザ光の光強度分布を示す図である。
【図6】他の形状のライトガイドを示す図である。
【図7】物体検出装置の主要部の構成を示す図である。
【図8】車両に対する、ライトガイドの向きを示す図である。
【図9】投光ユニットと、受光ユニットと、の配置関係を示す図である。
【図10】投光ユニットと、受光ユニットと、の配置関係を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1−投光ユニット
2−受光ユニット
3−測定ユニット
5−物体検出装置
11−レーザダイオード(LD)
12−ライトガイド
13−投光レンズ
20−A/D変換回路
21−受光部
21a−受光素子
23−受光レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源である発光素子から出射された光を投光する投光レンズと、
前記発光素子と、前記投光レンズと、の間に配置し、前記発光素子から出射された光を前記投光レンズに導く光導波路を形成するライトガイドと、を備え、
前記投光レンズに対向する前記ライトガイドの出射面の外形形状は、横幅が縦幅よりも長い矩形であり、
前記ライトガイドの出射面は、前記投光レンズの焦点距離を半径とする曲面を横幅幅方向に形成した凹面形状であり、
さらに、前記投光レンズの光学中心と、前記ライトガイドの出射面の中心と、の間隔が、この投光レンズの焦点距離である、投光ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の投光ユニットと、
前記ライトガイドの出射面の横幅方向に区分した複数の物体検出方向毎に、前記投光ユニットが投光した光の反射光を検出する受光ユニットと、
前記物体検出方向毎に、前記受光ユニットが検出した反射光に基づいて、その方向に位置する物体の有無を検出するとともに、検出した物体までの距離を測定する測定ユニットと、を備えた物体検出装置。
【請求項3】
前記ライトガイドの出射面の横幅方向が、前記物体検出装置本体を搭載した車両の車幅方向に合わせられており、
前記投光ユニットが、この車両の前方に光を投光する、請求項2に記載の物体検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−60298(P2010−60298A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223103(P2008−223103)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】