説明

抗菌薬としての3−(ベンゾ[D][1,3]ジオキソール−5−イルメチル)−4−(チオ)オキソ−2−(チオ)オキソ−アゾリジン−5−イリデン誘導体

本発明は、医薬品、たとえば抗菌薬として有用な、さらにそのような化合物を含む医薬組成物にとって有用な、式(I)[式中、XはS、NH、CH2またはOを意味し、YおよびWはそれぞれ独立してSまたはOを意味し、QはCHまたはNを意味し、nおよびmは0〜2の整数を意味し、R1およびR2は互いに独立して水素、場合により置換されるアリール基、場合により置換されるヘテロシクリル基、または場合により置換される(C1-10)の脂肪族基を意味し、R3は水素、低級アルキル基、ハロゲン基、低級アルコキシ基、ニトロ基を意味し、R4およびR5は互いに独立して水素、ハロゲン基、またはアルキル基を意味するが、ただし、R1およびR2の一方が水素である場合、R1およびR2のもう一方は置換型または非置換型の2-フリル基およびその塩を意味しない]の新規アゾリジン化合物に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品、たとえば抗菌薬として有用な、さらにそのような化合物を含む医薬組成物にとって有用な新規アゾリジン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
抗生物質に耐性のある病原性細菌株の広範囲にわたる発生は、公衆衛生にとって深刻な脅威となっている。耐性を獲得した結果、ある種の細菌に感染すると現存する抗生物質では治療が困難であるか、または不可能でさえある。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、メチシリン耐性凝固促進酵素陰性ブドウ球菌(MRCoNS)、ペニシリン耐性肺炎球菌、結核菌、緑膿菌、および多剤耐性フェシウム菌のような、近年のある種の細菌株の多剤耐性の発達は、この問題の深刻さを高いレベルにまで引き上げている。バンコマイシンは、以前この感染を治療する唯一の有効な抗生物質であったため、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の出現は、特に警戒すべきものであった。他の耐性のある院内病原体は、カルバペネム耐性アシネトバクター・バウマンニである。(A. El ゾーイバイ(Zoeiby)ら、Molecular Microbiology、2003、47、1-12; F. M. ウォルシュ(Walsh)ら、Current Opinion in Microbiology、2004、7、439-444)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この状況により、これまでに解明されていない標的に対して好んで作用する新規な広範囲の抗菌薬の開発が急務となっている。不可欠な細菌の細胞壁の重合体のペプチドグリカンは、原核細胞のみに発見されているため、ペプチドグリカンの合成に関係する酵素、たとえばムレインリガーゼのMurD、MurC、MurEおよびMurFは、原核生物に対する効果的な抗菌薬の優れた選択的標的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、医薬品、たとえば抗菌薬に適した新規アゾリジン化合物に関する。特に、本発明は、式

[式中、
XはS、NH、CH2またはO、好ましくはSまたはOを意味し、
YはSまたはO、好ましくはSを意味し、
WはSまたはO、好ましくはOを意味し、
QはCHまたはN、好ましくはCHを意味し、
nは0〜2の整数であり、
mは0〜2の整数であり、n+mの合計は2より大きくなく、たとえばnが1でmが1、または好ましくはnが0でmが0であり、
R1およびR2は互いに独立して水素、場合により置換されるアリール基、場合により置換されるヘテロシクリル基、または場合により置換される(C1-10)の脂肪族基を意味し、
R3は水素、低級アルキル基、ハロゲン基、低級アルコキシ基、ニトロ基を意味し、R4およびR5は互いに独立して水素、ハロゲン基、またはアルキル基を意味するが、
ただし、R1およびR2の一方が水素である場合、R1およびR2のもう一方は、置換型または非置換型の2-フリル基を意味しない]の化合物および式Iの化合物の医薬的に許容しうる塩に関する。
【0005】
特に示さない限り、本明細書では以下の定義を適用する。脂肪族という用語は、完全に飽和した、または1もしくはそれ以上の不飽和単位を含む、直鎖状の、分枝状のまたは環状の炭化水素を意味する。たとえば、適当な脂肪族基は、置換型または非置換型の、直鎖状の、分枝状のまたは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびその混成体、たとえば(シクロアルキル)アルキル基、(シクロアルケニル)アルキル基または(シクロアルキル)アルケニル基を含む。アルキル基は、(C1-20)アルキル基、特に(C1-8)アルキル基、たとえば低級アルキル基を含む。低級アルキル基は、(C1-4)アルキル基、たとえばメチル基またはエチル基を含む。アルケニル基は、(C2-20)アルケニル基、特に(C2-8)アルケニル基を含む。アルキニル基は、(C2-20)アルキニル基、特に(C2-8)アルキニル基を含む。シクロアルキル基は、(C3-18)シクロアルキル基、特に(C3-8)シクロアルキル基のような(C3-10)シクロアルキル基を含み、たとえばシクロヘキシル基、シクロペンチル基またはシクロプロピル基を含む。
【0006】
アルコキシ基は、(C1-8)アルコキシ基のような(C1-20)アルコキシ基、たとえば低級アルコキシ基を含む。低級アルコキシ基は、(C1-4)アルコキシ基、特にメトキシ基およびエトキシ基を含む。ハロゲン基は、フルオロ基およびクロロ基のような、フルオロ基、クロロ基、ヨード基およびブロモ基を含む。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびシクロアルキル基は、非置換型のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびシクロアルキル基、さらにたとえばハロゲン基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、アルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基によって置換された置換型のアルキル基、アルケニル基およびシクロアルキル基を含む。ハロゲン化アルキル基は、アルキル基を含み、ここで少なくとも一つの水素原子と最大ですべてのハロゲン原子はハロゲン基に置換され、たとえばトリフルオロメチル基のようなトリハロメチル基である。ヘテロ原子という用語は、N、OおよびSを含む。アリール基は、(C6-10)アリール基のような(C6-18)アリール基を含む。特に、アリール基は、フェニル基およびナフチル基、たとえばフェニル基を含む。アリール基は、非置換型アリール基または、たとえばアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ヒドロキシ基、アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルホンアミド基、カルボキシ基、ハロゲン基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、もしくはヘテロシクリル基によって置換された置換型のアリール基でもよい。アルキルアミノ基とジアルキルアミノ基は、上記で定義したようなアルキル基の部分をもつアルキルアミノ基とジアルキルアミノ基を含む。
【0007】
明示的に示さない限り、ここでヘテロシクリル基は、単環式で3〜7の環員数、好ましくは5〜6の環員数で少なくとも1つの炭素原子と1〜4の炭素原子以外のヘテロ原子を含むか、あるいは二環式で8〜10の環員数で、少なくとも3つの炭素原子と1〜7のヘテロ原子を含む、芳香族または脂環式のヘテロシクリル基を含む。ヘテロシクリル基は、さらに非置換型へテロシクリル基、および、たとえばオキソ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ヒドロキシ基、チオキソ基、アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルホンアミド基、カルボキシ基、ハロゲン基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、イソシアノ基またはヘテロシクリル基によって置換された置換型のヘテロシクリル基を含む。芳香族ヘテロシクリル基の例は、フラニル基; チエニル基; ピロリル基; 2H-ピロリル基; オキサゾリル基; チアゾリル基; イミダゾリル基; ピラゾリル基; イソキサゾリル基; イソチアゾリル基; 1,2,3-オキサジアゾリル基; 1,2,4-オキサジアゾリル基; 1,2,4-チアジアゾリル基; 1,3,4-オキサジアゾリル基; 1,3,4-チアジアゾリル基; 2H-ピラニル基; 4H-ピラニル基; 1,4-ジオキサン; 1,4-ジチアン; ピリダジニル基; ピリミジニル基; ピラジニル基; 1,2,3-トリアジニル基; ピリジニル基; テトラゾリル基を含む。非芳香族ヘテロシクリル基の例は、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチエニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、2H-ピロリニル基、3H-ピロリニル基、ピロリジニル基、ピペラジニル基、ピペリジニル基、2-ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基、3,6-ジヒドロ-2H-ピラニル基、1,2,3,6-テトラヒドロ-ピリジル基、チアゾリジニル基、イミダゾリジニル基、2-イミダゾリニル基、ジアゾロン基、N-置換ジアゾロン基、フタリミジニル基、ベンゾキサン基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾピロリジニル基、ベンゾピペリジニル基、1,3-ジヒドロイソベンゾフラニル基、1,3-ジヒドロイソベンゾチエニル基、テトラヒドロイソキノリニル基、デカヒドロイソキノリニル基、またはベンゾチアニル基を含む。
【0008】
好ましい実施態様では、R1およびR2からなる基の残基の一方は水素でもう一方は上記で定義したもの、たとえばR1が水素でR2が上記で定義したもの、あるいはR2が水素でR1が上記で定義したものを意味する。好ましくは、R1またはR2は、アリール基またはヘテロシクリル基を意味する。この結合におけるアリール基は、フェニル基のような非置換型アリール基、または1回もしくは数回、たとえば1〜4回、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン基、カルボキシ基、アルキルスルホンアミド基、ヘテロシクリル基によって置換された置換型アリール基でもよい。R1またはR2が好ましくはヘテロシクリル基を意味する場合、ヘテロシクリル基はたとえばピリジニル基、ピリミジニル基、オキサゾリル基、1H-インドール-3-イル基、1H-ベンゾイミダゾル-2-イル基、イミダゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル基、1,2,3-チアジアゾリル基、チアゾリル基、4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシニル基またはピリド[1,2a]ピリミジニル基で、それは非置換型かまたは1回もしくは数回、たとえば1〜4回低級アルキル基、オキソ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、モルホリノ基、ピペラジノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、(ヒドロキシアルキル)アミノ基、(ヒドロキシアルコキシアルキル)アミノ基、もしくは(ヘテロシクリルアルキル)アミノ基によって置換された置換型でもよい。
【0009】
特に好ましい実施態様では、R1が水素で、R2が式

[式中、R6はアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、(ヒドロキシアルキル)アミノ基、ジ(ヒドロキシアルキル)アミノ基、(ヘテロシクリルアルキル)アミノ基、(ヒドロキシアルコキシアルキル)アミノ基またはジ(ヒドロキシアルコキシアルキル)アミノ基を意味する。R6は好ましくは、メチルアミノ基、((テトラヒドロフラン-2-イル)-メチル)アミノ基、(ヒドロキシル(低級アルキル))アミノ基または((2-ヒドロキシエトキシ)エチル)アミノ基でもよい]で表される。
【0010】
他の好ましい実施態様では、R1およびR2からなる基の一方の残基が水素で、もう一方がアリール基または単環式もしくは二環式の芳香族ヘテロシクリル基であるが、ただし、R1またはR2は2-フラニル基ではない。たとえば、R1またはR2のアリール基または単環式もしくは二環式の芳香族ヘテロシクリル基は、フェニル基、ピリジニル基、ピペロニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾジオキシニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基またはオキサジアゾリル基を含み、たとえばフェニル基、チアジアゾリル基、ピペロニル基、トリアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾジオキシニル基、オキサゾリル基またはピリジニル基である。アリール基または単環式もしくは二環式の芳香族ヘテロシクリル基は、非置換型またはたとえば1〜4回、たとえば1〜2回置換されている置換型でもよい。適当な置換基は、たとえばハロゲン基、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホンアミド基、カルボキシ基またはヘテロシクリル基を含む。
【0011】
式Iの化合物におけるR3は、好ましくは水素、低級アルキル基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン基で、たとえば水素、トリフルオロメチル基、フルオロ基またはクロロ基を意味する。
【0012】
式Iの化合物におけるR4およびR5は、好ましくは互いに独立して水素、アルキル基またはハロゲン基を意味し、たとえばR4およびR5の両方は、水素、低級アルキル基またはハロゲン基を意味する。もっとも好ましいのは、R4およびR5の両方が水素を意味する場合である。
【0013】
本発明の特に好ましい実施態様は、式

[式中、R1、R2、W、XおよびYは上記で定義した通りである]の化合物で示される。
【0014】
当業者にとって、本発明のある化合物は、互変異性の形で存在しうることは明らかであろう。式I[式中、XはNHを、YはOまたはSを意味する]の化合物は、それぞれチオラクタムおよびチオラクチムの形で、ラクタムおよびラクチムの形で存在しうる。式Iの化合物のすべてのそのような形は、本発明の範囲内であると理解される。特に明記しない限り、ここで示す構造式は、すべての立体化学的形状を含むことを意味し、たとえばR/SまたはE/Z立体配置を含む。
【0015】
式Iの化合物の塩、たとえば式Iaの塩は、生理学的に許容しうる酸付加塩、たとえば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、およびマレイン酸塩を含む。式Iの化合物が酸性の基を含む場合、塩は金属イオンとも形成され、たとえばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、およびカルシウム塩のようなアルカリ塩またはアルカリ土類塩が形成しうる。
【0016】
式Iの化合物は、式

[式中、W、X、Y、Q、R3、n、m、R4およびR5は上記式Iで定義した通りである]の中間体化合物から製造され、式Vの化合物と、式

[式中、R1およびR2は式Iで定義した通りである]のアルデヒドまたはケトンを反応させることによって式Iの化合物が得られる。
【0017】
式Vの化合物と式VIの化合物の反応は、公知の方法、たとえばクネーフェナーゲル縮合と類似の方法によって行われ、たとえばトリアルキルアミン、たとえばトリエチルアミン、およびアルカノール、たとえばエタノールの存在下で、式Vの化合物と式VIの化合物の混合物を還流条件下で加熱またはマイクロ波照射することによって行われうる。式Vの化合物と式VIの化合物を反応させるもう一つの方法は、たとえばオーチャード(Orchard) M.G.ら、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2004、14、3975-3978に記載された方法と同じように、酢酸塩および酢酸の存在下で加熱またはマイクロ波照射を行うことによる。
【0018】
式Vの化合物は、公知の方法と類似の方法で製造され、たとえば式V[式中、XはNHを意味し、W、Y、Q、R3、R4およびR5は上記式Iで定義した通りである]の化合物は、式

[式中、Q、n、m、R4およびR5は上記式Iでの定義と同様の意味を有する]の化合物と、式

[式中、YおよびWは上記式Iで定義した通りである]の化合物との環化によって製造され、式Vの化合物が得られる。この環化のステップは、公知の方法、たとえばウールハウス(Woolhouse) A. D.ら、J. Mater. Chem. 2001、11、2271-2281に記載されたような方法と類似の条件下で行われうる。
【0019】
式V[式中、W、X、Z、Q、R3、n、m、R4およびR5は上記式Iで定義した通りである]の化合物は、式

[式中、W、XおよびYは上記式Iで定義した通りである]の化合物と、式

[式中、R3、Q、n、m、R4およびR5は上記式Iで定義した通りであり、Halはハロゲン基を意味する]の化合物を反応させることによっても製造しうる。そのような反応は、たとえば従来の製造方法と類似の条件下、たとえば式IXの化合物を適当な溶媒、たとえばDMSO、DMFまたはアセトニトリルのような非プロトン性の溶媒中で懸濁し、式Xの化合物を加えて、室温でDBU、アルカリ炭酸、アルカリ水素化物またはアルカリフッ化物のような塩基の存在下で懸濁液を撹拌することによって行われうる。反応混合物から式Vの化合物を単離するために、溶媒は従来の方法、たとえば減圧下での蒸発によって取り除かれ、式Vの化合物は場合によっては従来の方法、たとえばシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製しうる。
【0020】
もう一つの方法は、式V[式中、XはS、OまたはNHを意味し、W、Y、Q、R3、n、m、R4およびR5は上記式Iで定義した通りである]の化合物は、式

[式中、Y、Q、R3、R4、R5、nおよびmは上記式Iでの定義と同様の意味を有する]の化合物と、式

[式中、R7はアルキル基を、TはOH、SHまたはNH2を意味する]の化合物を、たとえばシム(Sim) M.M.ら、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2001、11、91-94に記載されたような従来の条件下で反応させることによって製造しうる。
【0021】
式I[式中、XはCH2を意味し、W、Y、Q、R3、n、m、R4およびR5は上記式Iで定義した通りである]の化合物は、式

[式中、WおよびYは式Iと同様の意味を有する]の化合物と、式

の化合物を反応させることで、式

の化合物が得られ、さらに式

[式中、R1およびR2は上記式Iでの定義と同様の意味を有する]の化合物と反応させることによって、式I[式中、XはCHを意味する]の化合物が得られる。式XIの化合物と式XIIの化合物との反応は、公知の方法、たとえば光延反応として知られている条件と同じような方法で行われ、トリフェニルホスフィンの存在下、適当な溶媒中、たとえばTHF中でジ(低級アルキル)アゾジカルボン酸を式XIの化合物と式XIIの化合物の溶液に加えて、反応混合物をたとえば室温で撹拌し、たとえば減圧下での蒸発で溶媒を取り除き、最後に得られた残留物をたとえばクロマトグラフィーによって精製することで式XIIIの化合物を単離する。
【0022】
式XIIIの化合物と式VIの化合物との反応は、たとえば公知の方法と類似の方法によっても行われ、たとえば初めに式XIIIの化合物の溶液をトリフェニルホスフィンの存在下、適当な溶媒、たとえば酢酸中、還流条件下で加熱し、溶媒を取り除き、式VIの化合物を加えるために得られた残留物を適当な溶媒、たとえばトルエン中において懸濁し、温度をたとえば90-150 ℃に上げることで反応を促進することによっても行われうる。得られた式I[式中、XはCHである]の化合物は、さらに場合によっては従来の方法、たとえば濾過、洗浄および乾燥によって精製しうる。
【0023】
式VII[式中、R3、n、m、R4およびR5は上記式Iで定義した通りである]の化合物は、相当する3,4-ジヒドロキシアルデヒドと適当なケトン、ジアルキルケタールまたはアルキルエノールエーテルを、当該分野で公知の条件下(たとえばジェコン(Jae-Kon)ら、Bulletin of the Korean Chemical Society (2002)、23(5)、661-662; ヤスユキ キタ(Yasuyuki Kita)ら、JOC 1998、63、6625-6633; レディ(Reddy) TJら、JOC 2002、67、4635に記載されたような条件下)で環化させ、NaOHやトリエチルアミン等のような塩基の存在下でヒドロキシルアミンを加えることによってオキシムを形成し(J. S. バック(Buck)、W. S. イデ(Ide). Organic Syntheses、Coll. Vol. 2、p.622 (1943); Vol. 15、p.85 (1935).)、触媒的水素化または水素化物複合体還元剤(DIBAL、LiAlH4、NaBH4等)で還元することによって製造しうる(M. シュロッサー(Schlosser)、J. ゴレッカ(Gorecka)、E. カスタネッティ(Castagnetti). Eur. J. Org. Chem. 2003、452-462)。
【0024】
したがって、さらに他の態様では、本発明は以下のステップから成る上記で定義した式Iの化合物、たとえば式Iaの化合物の製造方法を提供する。
a)上記で定義した式Vの化合物と上記で定義した式IVのアルデヒドまたはケトンを反応させ、式Iの化合物を得、さらに場合によっては
c)式Iの化合物を単離する
【0025】
他の態様では、本発明は以下のステップから成る式I[式中、XはS、OまたはNHを意味する]の化合物の製造方法を提供する。
t)上記で定義した式IIIの化合物と上記で定義した式VIの化合物を反応させ、上記で定義した式V[式中、XはS、OまたはNHを意味する]の化合物を得、
b)上記で定義した式Vの化合物と上記で定義した式IVのアルデヒドまたはケトンを反応させ、式Iの化合物を得、さらに場合によっては
c)式Iの化合物を単離する
【0026】
他の態様では、本発明は以下のステップから成る上記で定義した式I[式中、XはCH2を意味する]の化合物の製造方法に関する。
i)上記で定義した式XIの化合物と上記で定義した式XIIの化合物を反応させ、上記で定義した式XIIIの化合物を得、
ii)ステップi)で定義した式XIIIの化合物と式VI[式中、R1およびR2は上記式Iでの定義と同様の意味を有する]の化合物を反応させ、式I[式中、XはCHを意味する]の化合物を得、さらに場合によっては、iii)式I[式中、XはCHを意味する]の化合物を単離する。
【0027】
上で記載したような方法におけるステップc)、それぞれのステップiii)の式Iの化合物の単離は、反応溶液から化合物を単離するための従来の方法と類似の方法で行われ、たとえばクロマトグラフィー、濾過および/または乾燥である。
【0028】
式Iの化合物、たとえば式Iaの化合物は薬理学的な活性を示し、それゆえ医薬品として有用である。特に、式Iの化合物は、MurDおよび/またはMurEのようなMurリガーゼに対して阻害活性を示す。たとえば、(Z)-3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル-メチル)-5-(2-ヒドロキシベンジリデン)-2-チオキソチアゾリジン-4-オン(実施例8の化合物)は、黄色ブドウ球菌由来のMurEに対して1.5 μMのIC50濃度(酵素活性の50%を阻害するために要求される阻害濃度)を示し、(Z)-3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル-メチル)-5-((4-オキソ-2-((テトラヒドロフラン-2-イル)メチルアミノ)-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-3-イル)メチレン)-2-チオキソチアゾリジン-4-オン(実施例3の化合物)は、MurDの酵素活性測定において分析した際に、100 μMの濃度で7%の大腸菌由来のMurDの残効性を導く。
【0029】
Murリガーゼ(MurC、MurD、MurE、MurF)は、L-アラニン、D-グルタミン酸、ジアミノ酸(通常はジアミノピメリン酸またはL-リシン)、およびジペプチドD-アラニン-X(ここでXは通常D-アラニンで、まれにXはD-乳酸またはD-セリンである)の、細胞質のペプチドグリカン前駆体UDP-MurNAcのD-ラクトイル基への段階的な付加を触媒する。(J. A. バートランド(Bertrand)ら、Journal of Molecular Biology、1999、289、579-590)
【0030】
すべての真正細菌の細胞におけるL-Ala-D-Glu結合の存在のため、Murファミリー酵素の中で、UDP-N-アセチルムラモイル-L-アラニン:D-グルタミン酸リガーゼ(MurD)は、抗菌薬の非常に優れた標的を表すと思われる。さらに、D-アミノ酸残基は、真核細胞では見つけることができない。それゆえ、本発明による式Iの化合物のようなMurD阻害剤は、選択的毒性について非常に優れた性質を有する可能性がある。
【0031】
MurE合成酵素は、メソジアミノピメリン酸またはL-リシンの基質UDP-N-アセチルムラモイル-L-アラニン:D-グルタミン酸への付加を触媒する(生物に依存する)。まれに、オルニチン、ジアミノブタン酸、ホモセリン、ランチオニン、または3-ヒドロキシ-2,6-ジアミノピメリン酸は、ペプチドサブユニットの3位に位置する(J. ヴァン エジュノール(Van Heijenoort)、Natural Product Reports、2001、18、503-519)。一般的に、MurEという名称は、UDP-N-アセチルムラモイル-L-アラニン-D-グルタミン酸:メソジアミノピメリン酸リガーゼまたはUDP-N-アセチルムラモイル-L-アラニン-D-グルタミン酸:L-リシンリガーゼを表すが、これは伸長するペプチド鎖のどの残基に酵素が付加するかに依存する。
【0032】
他の態様では、本発明は医薬品として、好ましくは抗菌剤として、たとえば抗菌薬として式Iの化合物、たとえば式Iaの化合物を提供する。
【0033】
さらに他の態様では、本発明は微生物病の治療のための薬物の製造に用いるものとして、式Iの化合物、たとえば式Iaの化合物を提供する。
【0034】
さらに他の態様では、本発明は微生物病の治療のための薬物の製造における式Iの化合物の使用を示している。
【0035】
微生物病という用語は、たとえば大腸菌株、フェカリス菌株、MRSA株を含む黄色ブドウ球菌株の細菌株のように、MurD阻害剤および/またはMurE阻害剤に対して感受性の菌のような、Murリガーゼ、たとえばMurDおよび/またはMurEリガーゼを持つ細菌によって引き起こされる疾患を含む。
【0036】
さらに他の態様では、本発明はそのような治療が必要な患者に式Iの化合物の有効量を投与することを含む微生物性、たとえば細菌性の疾患の治療方法を提供する。
【0037】
特定の患者のための適切な投与計画および治療計画はさまざまな要因に依存し、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与期間、投与経路、排出割合、薬の配合、疾患の重症度および経過、疾患に対する患者の性質および治療に当たる医師の判断を含む。しかしながら、一般的に、より大きな哺乳動物、たとえば人間における満足な結果では、式Iの化合物の指摘されている一日の投与量はおよそ0.05〜5 g、たとえば0.1〜約2.5 gの範囲で、都合よく、たとえば一日4回まで分割して投与される。異なった種類の患者および異なった疾患状態のための安全で効果的な投与は、当該分野で要求されるような臨床試験によって決定される。
【0038】
他の態様では、本発明は式Iの化合物、たとえば式Iaの化合物、またはその塩を含む医薬組成物を提供する。本発明による医薬組成物に加えて、式Iの化合物は1またはそれ以上の医薬的に許容しうる賦形剤、たとえば担体または希釈剤および場合によっては付加的な治療上効果的な化合物を含んでよい。本発明による医薬組成物は、細菌の感染を治療するために有用であるだろう。
【0039】
医薬的に許容しうる賦形剤という用語は、医薬品の分野で知られた従来の賦形剤、たとえば式Iの化合物と一緒に患者に投与され、その薬理学的な活性を破壊しない無毒性の担体を意味する。
【0040】
本発明の医薬組成物は、経口的に、非経口的に、吸引スプレーによって、局所的に、点眼用の液体または軟膏剤を通して、直腸的に、経鼻的に、口腔的に、経膣的にまたは埋め込み型リザーバーを通して投与されるだろう。ここで用いられている非経口的という用語は、皮下の、皮内の、静脈内の、筋肉内の、関節内の、滑液嚢内の、胸骨内の、くも膜下腔内の、病巣内のおよび頭蓋内の注射または注入技術を含む。
【0041】
経口的に投与できる成分は、たとえば錠剤、カプセル剤、粉末剤または顆粒剤の形であってよい。非経口的に投与できる医薬組成物は、たとえば無菌の液体中の式Iの化合物の懸濁液または溶液であってよい。
【0042】
本発明による医薬組成物は、たとえば医薬品の分野で公知の、従来の方法および技術と類似の方法で製造され、公知の抗生物質、たとえばシプロフロキサシンまたはエンロフロキサシンのようなフルオロキノロンの使用と類似の方法で製造しうる。
【0043】
本発明の化合物は、哺乳類、たとえば人間または動物において細菌によって媒介される細菌の感染を制御し、疾患を治療または症状の進行もしくは重症度を軽減するための従来の方法に利用しうる。そのような治療方法では、その投与量および必要量は当業者によって利用できる方法および技術の中から選択されるであろう。
【0044】
我々は、本発明の多くの実施例を記載してきたが、我々の基本的な構成は、本発明の化合物、方法および組成を利用する他の実施態様を提供するために変更しうるのは明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
実施例
3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)ロダニンの合成のための一般的製法A
ステップ1. 3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-2-チオキソチアゾリジン-4-オンの製造
1M NaOH中のピペロニルアミン(16.5 mmol、2.50 g)の懸濁液を10分間還流し、室温まで冷却する。次いで、ビス(カルボキシメチル)トリチオ炭酸(3.74 g、16.5 mmol)を加えて、反応混合物を一晩還流し、沈殿を得て濾過で取り除き、水で洗浄する(3x 20 mL)。残留物をメタノールとイソプロパノールの混合液(1:1、25 mL)に懸濁し、10分間還流する。冷却した反応混合物を濾過し、固体残留物をより低温で乾燥させ、メタノールから再結晶し、3.12 gの3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-2-チオキソチアゾリジン-4-オンを得る。
【0046】
ステップ2. アルデヒドまたはケトンの3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-2-チオキソチアゾリジン-4-オンへのカップリング
製法a)トリエチルアミンおよびエタノールを用いたカップリング製法
エタノール(3 mL)中、3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-2-チオキソチアゾリジン-4-オン(100 mg、0.374 mmol)、相当するアルデヒドR1CHOまたはケトンR1(CO)R2(0.374 mmol)およびトリエチルアミン(0.104 mL、0.748 mmol)の溶液を、マイクロ波反応器の中で2時間加熱する。反応混合物を室温まで冷却し、得られた沈殿を濾過で取り除き、エタノール(2x5 mL)およびメタノール(2x5 mL)で洗浄し、高温で乾燥させる。
【0047】
製法b)酢酸ナトリウムおよび酢酸を用いたカップリング製法
酢酸(3 mL)中、80 mg (=0.299 mmol)の3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-2-チオキソチアゾリジン-4-オン、相当するアルデヒドR1HCO(0.299 mmol)および酢酸ナトリウム(127.4 mg、1.50 mmol)の溶液を、マイクロ波反応器の中で2時間、130 ℃付近で加熱する。反応混合物を室温まで冷却し、得られた沈殿を濾過で取り除き、エタノール(2x5 mL)およびメタノール(2x5 mL)で洗浄し、高温で乾燥させる。
【0048】
3-((2,2-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)メチル)ロダニンの合成のための一般的製法B
ステップ1. 2,2-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルバルデヒドの合成
五酸化リン(226 mmol、32.1 g)を、トルエン(230 mL)中の3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド(113 mmol、15.6 g)およびアセトン(16.6 mL、226 mmol)の溶液に加えて、室温で2時間撹拌する。次いで、さらにアセトン(25 mL)および五酸化リン(106 mmol、15.0 g)を加える。反応混合物を室温で2.5時間撹拌し、水(1 L)中の炭酸カリウム(140 g)の溶液に注ぐ。酢酸エチルを加えて、画分を分離する。有機画分を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、減圧下で溶媒を取り除く。得られた油性の残留物を減圧蒸留し、収量2.2 g(11%)の2,2-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルバルデヒドを得る。
【0049】
ステップ2. 2,2-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルバルデヒドオキシムの合成
水中の水酸化ナトリウム(18.5 mmol、0.741 g)溶液を、エタノール(50 mL)中の2,2-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルバルデヒド(12.4 mmol、2.20 g)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(14.8 mmol、1.03 g)の溶液に加えて、反応混合物を一晩撹拌する。次いで、ジエチルエーテル(50 mL)を加えて、飽和NaCl溶液(2 x 30 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で溶媒を取り除く。生成物をヘキサンで洗浄し、収量1.87 g(78%)の2,2-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルバルデヒドオキシムを得る。
【0050】
ステップ3. (2,2-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)メタンアミンの合成
2,2-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルバルデヒドオキシム(8.85 mmol、1.71 g)を、乾燥ジエチルエーテル(25 mL)中のLiAlH4(17.7 mmol、0.672 g)の懸濁液に加えて、4時間還流する。反応が完結した後、反応混合物に酢酸エチル(60 mL)および水(10 mL)をゆっくりと加える。画分を分離し、有機画分をさらに飽和NaCl溶液(30 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させる。溶媒を減圧下で取り除き、油性の残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル; 酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミン = 1/1/0.01)で精製し、収量0.90 g(57%)の(2,2-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)メタンアミンを得る。
【0051】
ステップ4. 3-((2,2-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)メチル)-2-チオキソチアゾリジン-4-オンの合成
3-((2,2-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)メチル)-2-チオキソチアゾリジン-4-オンの合成は、実施例62で記載する方法と類似の方法で行われる。
【0052】
ステップ5. アルデヒドの3-((2,2-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)メチル)-2-チオキソチアゾリジン-4-オンへのカップリング
式R1CHOのアルデヒドの3-((2,2-ジメチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)メチル)-2-チオキソチアゾリジン-4-オンへのカップリングは、一般的製法Aで記載した方法と類似の方法で行われる。
【0053】
5-置換 3-((6-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)メチル)-2-チオキソチアゾリジン-4-オンの合成のための一般的製法C
ステップ1. 3-((6-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)メチル)-2-チオキソチアゾリジン-4-オンの合成
DMF(10 mL)中、チアゾリジン-2,4-ジオン(5.0 mmol、0.586 g)、5-クロロ-6-(クロロメチル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(5.0 mmol、1.03 g)およびフッ化カリウム(5.0 mmol、0.291 g)の懸濁液を室温で一晩撹拌する。溶媒を減圧下で取り除き、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル; 酢酸エチル/ヘキサン=1/4)で精製し、0.649 g(45%)の3-((6-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)メチル)-2-チオキソチアゾリジン-4-オンを得る。
【0054】
ステップ2. アルデヒドの3-((6-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)メチル)-2-チオキソチアゾリジン-4-オンへのカップリング
アルデヒドの3-((6-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)メチル)-2-チオキソチアゾリジン-4-オンへのカップリングは、一般的製法Aで記載した方法と類似の方法で行われる。
【0055】
Table 1: 実施例1〜50および55〜61の化合物は、一般的製法Aに従って製造され、実施例51〜52の化合物は、一般的製法Bに従って製造され、上記に示したように相当する式R1HCOのアルデヒドとの反応から製造される。実施例54の化合物は、実施例62の方法に従って製造される; 実施例55の化合物は、上で記載した一般的製法Cに従って製造される。
【0056】
【表1】

【0057】
【表2】

【0058】
【表3】

【0059】
【表4】

【0060】
【表5】

【0061】
【表6】

【0062】
【表7】

【0063】
【表8】

【0064】
【表9】

【0065】
【表10】

【0066】
【表11】

【0067】
【表12】

【0068】
上記の実施例の分析データ:
【実施例1】
【0069】
1H NMR (300MHz、DMSO-d6) δ 1.76 (2H、q、J = 6.5 Hz)、3.49 (2H、m)、3.55 (2H、m)、4.52 (1H、t、J = 5.1 Hz)、5.13 (2H、s)、5.99 (2H、s)、6.80-7.00 (3H、m)、7.13 (1H、tm、J = 6.9 Hz)、7.34 (1H、d、J = 8.9)、7.74 (1H、s)、7.89 (1H、m)、8.16 (1H、t、J = 5.4 Hz)、8.76 (1H、d、J = 7.1 Hz); EI MS m/z 496 [M+]、FAB MS m/z 497 [MH+]
【実施例2】
【0070】
1H NMR (300MHz、DMSO-d6) δ 2.97 (2H、d、J = 4.4)、5.14 (2H、s)、5.99 (2H、s)、6.80-6.96 (3H、m)、7.14 (1H、tm、J = 6.9 Hz)、7.37 (1H、d、J = 8.9)、7.73 (1H、s)、7.90 (1H、m)、8.15 (1H、m)、8.78 (1H、d、J = 7.3 Hz); EI MS m/z 452 [M+]、FAB MS m/z 453 [MH+]
【実施例3】
【0071】
1H NMR (300MHz、DMSO-d6) δ 1.63 (1H、m)、1.86 (3H、m)、3.44-3.70 (3H、m)、3.80 (1H、m)、4.10 (1H、m)、5.14 (2H、s)、5.99 (2H、s)、6.80-7.00 (3H、m)、7.14 (1H、tm、J = 7.0 Hz)、7.34 (1H、d、J = 8.8)、7.75 (1H、s)、7.89 (1H、m)、8.28 (1H、t、J = 5.5)、8.77 (1H、d、J = 7.0 Hz); EI MS m/z 522 [M+]、FAB MS m/z 523 [MH+]
【実施例4】
【0072】
1H NMR (300MHz、DMSO-d6) δ 3.58 (4H、m)、4.78 (1H、m)、5.14 (2H、s)、5.99 (2H、s)、6.80-6.96 (3H、m)、7.13 (1H、tm、J = 6.9 Hz)、7.34 (1H、d、J = 8.9)、7.76 (1H、s)、7.89 (1H、m)、8.15 (1H、m)、8.77 (1H、dm、J = 7.0 Hz); EI MS m/z 482 [M+]、FAB MS m/z 483 [MH+]
【実施例5】
【0073】
1H NMR (300MHz、DMSO-d6) δ 3.42-3.75 (8H、m)、4.59 (1H、m)、5.14 (2H、s)、5.99 (2H、s)、6.80-6.96 (3H、m)、7.14 (1H、td、J = 7.0 Hz、1.1 Hz)、7.36 (1H、d、J = 8.8)、7.74 (1H、s)、7.90 (1H、m)、8.22 (1H、t、J = 5.0 Hz)、8.78 (1H、d、J = 7.1 Hz); EI MS m/z 526 [M+]、FAB MS m/z 527 [MH+]
【実施例6】
【0074】
1H NMR (300MHz、DMSO-d6) δ 5.15 (2H、s)、5.99 (2H、s)、6.79-6.95 (3H、m)、7.46 (1H、m)、7.87 (1H、s)、7.97 (2H、m)、8.81 (1H、d、J = 4.5 Hz); EI MS m/z 356 [M+]、FAB MS m/z 357 [MH+]
【実施例7】
【0075】
1H NMR (300MHz、DMSO-d6) δ 5.16 (2H、s)、6.00 (2H、s)、6.80-6.98 (3H、m)、7.85 (1H、t、J = 8.0 Hz)、8.03 (1H、s)、8.06 (1H、dm、J = 8.1 Hz)、8.33 (1H、dm、J = 8.2 Hz)、8.52 (1H、m); EI MS m/z 400 [M+]、FAB MS m/z 401 [MH+]
【実施例8】
【0076】
1H NMR (300MHz、DMSO-d6) δ 5.13 (2H、s)、5.98 (2H、s)、6.78-7.02 (5H、m)、7.30-7.40 (2H、m)、8.01 (1H、s)、10.77 (1H、s); EI MS m/z 371 [M+]、FAB MS m/z 372 [MH+]
【実施例9】
【0077】
1H NMR (300MHz、DMSO-d6) δ 3.60 (4H、m)、3.77 (4H、m)、5.11 (2H、s)、5.99 (2H、s)、6.78-6.89 (2H、m)、6.91 (1H、s)、6.78-6.94 (3H、m)、7.32 (1H、s); EI MS m/z 456 [M+]、FAB MS m/z 457 [MH+]
【実施例10】
【0078】
1H NMR (300MHz、DMSO-d6) δ 5.14 (2H、s)、5.99 (2H、s)、6.80-6.96 (4H、m)、7.02 (1H、t、J = 1.9 Hz)、7.10 (1H、d、J =7.9 Hz)、7.36 (1H、d、J = 7.9 Hz)、7.75 (1H、s)、9.90 (1H、s); EI MS m/z 371 [M+]、FAB MS m/z 372 [MH+]
【実施例11】
【0079】
1H NMR (300MHz、DMSO-d6) δ 3.04 (6H、s)、5.12 (2H、s)、5.98 (2H、s)、6.75-6.95 (5H、m)、7.48 (2H、m)、7.71 (1H、s); EI MS m/z 398 [M+]、FAB MS m/z 399 [MH+]
【実施例12】
【0080】
1H NMR (300MHz、DMSO-d6) δ 1.13 (6H、t、J = 7.0 Hz)、3.45 (4H、q、J = 7.1 Hz)、5.13 (2H、s)、5.99 (2H、s)、6.78-6.94 (5H、m)、7.46 (2H、m)、7.69 (1H、s); FAB MS m/z 427 [MH+]
【実施例13】
【0081】
1H NMR (300MHz、DMSO-d6) δ 3.91 (3H、s)、5.14 (2H、s)、5.99 (2H、s)、6.80-6.89 (2H、m)、6.92 (1H、d、J = 1.3 Hz)、7.12 (1H、t、J = 7.5 Hz)、7.18 (1H、d、J = 8.4 Hz)、7.46 (1H、dd、J = 7.8 Hz、1.5 Hz)、7.53 (1H、m)、7.79 (1H、s); FAB MS m/z 386 [MH+]
【実施例14】
【0082】
1H NMR (300MHz、DMSO-d6) δ 3.86 (3H、s)、3.92 (3H、s)、5.13 (2H、s)、5.99 (2H、s)、6.68-6.93 (5H、m)、7.41 (1H、d、J = 8.5 Hz)、7.92 (1H、s); FAB MS m/z 416 [MH+]
【実施例15】
【0083】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 3.83 (s、3H)、5.13 (s、2H)、5.98 (s、2H)、6.81 (dd、1H、J = 8.0 Hz、1.4 Hz)、6.85 (d、1H、J = 8.0 Hz)、6.90 (d、1H、J = 1.4 Hz)、7.12 (d、2H、J = 9.0 Hz)、7.62 (d、2H、J = 9.0 Hz)、7.81 (s、1H); EI MS m/z 385 [M+].
【実施例16】
【0084】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 3.82 (s、3H)、3.84 (s、3H)、5.13 (s、2H)、5.98 (s、2H)、6.81 (dd、1H、J = 8.0 Hz、1.3 Hz)、6.86 (d、1H、J = 8.0 Hz)、6.91 (d、1H、J = 1.3 Hz)、7.21 (d、1H、J = 8.4 Hz)、7.22 (dd、1H、J1 = 5.7 Hz、1.9 Hz)、7.26 (d、1H、J = 2.0 Hz)、7.80 (s、1H). EI MS m/z 415 [M+].
【実施例17】
【0085】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 1.37 (t、3H、J = 6.9 Hz)、4.10 (q、2H)、5.14 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.82 (dd、1H、J1 = 8.0 Hz、1.4 Hz)、6.86 (d、1H、J = 8.0 Hz)、6.91 (d、1H、J = 1.4 Hz)、6.97 (d、1H、J = 8.4 Hz)、7.14 (dd、1H、J = 8.4 Hz、1.8 Hz)、7.18 (d、1H、J = 1.8 Hz)、7.76 (s、1H)、10.08 (s、1H). EI MS m/z 415 [M+].
【実施例18】
【0086】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 3.85 (s、3H)、5.15 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.82 (dd、1H、J = 8.1 Hz、1.4 Hz)、6.87 (d、1H、J = 8.1 Hz)、6.92 (d、1H、J= 1.4 Hz)、6.96 (d、1H、J = 8.3 Hz)、7.15 (dd、1H、J = 8.3 Hz、2.0 Hz)、7.21 (d、1H、J= 2.0 Hz)、7.77 (s、1H)、10.15 (s、1H). EI MS m/z 401.
【実施例19】
【0087】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.16 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.81-6.94 (m、3H)、7.21 -7.30 (m、2H)、7.52 (d、1H、J = 7.6 Hz)、7.92-7.98 (m、2H)、8.13 (s、1H)、12.39 (s、1H). EI MS m/z 394 [M+].
【実施例20】
【0088】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 3.82 (s、3H)、3.87 (s、3H)、5.15 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.84 (dd、J = 8.2 Hz、1.0 Hz)、6.88 (d、1H、J = 8.2 Hz)、6.94 (d、1H、J = 1.0 Hz)、7.06-7.09 (m、1H)、7.25 (d、1H、J = 2.1 Hz)、7.27 (s、1H)、7.92 (s、1H). FAB MS m/z 416 [M+1].
【実施例21】
【0089】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.15 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.83 (dd、1H、J = 8.0 Hz、1.4 Hz)、6.87 (d、1H、J = 8.0 Hz)、6.92 (d、1H、J = 1.4 Hz)、7.62 (dd、2H、J = 6.6 Hz、2.2 Hz)、7.68 (dd、2H、J = 6.6 Hz、2.2 Hz)、7.85 (s、1H). EI MS m/z 389 [M+].
【実施例22】
【0090】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.15 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.84 (dd、1H、J = 7.9 Hz、1.5 Hz)、6.88 (d、1H、J = 7.9 Hz)、6.93 (d、1H、J = 1.5 Hz)、7.57-7.59 (m、3H)、7.75 (s、1H)、7.85 (s、1H). EI MS m/z 389 [M+].
【実施例23】
【0091】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.15 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.83 (dd、1H、J = 7.9 Hz、1.2 Hz)、6.88 (d、1H、J = 7.9 Hz)、6.93 (d、1H、J = 1.2 Hz)、7.83 (d、2H、J = 8.4 Hz)、7.91 (s、1H)、8.01 (d、2H、J = 8.4 Hz). FAB MS m/z 380 [M+1].
【実施例24】
【0092】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.16 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.83-6.93 (m、3H)、7.74-7.79 (m、1H)、7.88-7.99 (m、3H)、8.15 (s、1H). EI MS m/z 380 [M+].
【実施例25】
【0093】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.13 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.82 (dd、1H、J = 8.1 Hz、1.5 Hz)、6.85-6.88 (m、3H)、6.91 (s、1H)、7.04-7.11 (m、2H)、7.67 (s、1H)、9.80 (bs、2H). EI MS m/z 387 [M+].
【実施例26】
【0094】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 3.85 (s、3H)、5.14 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.83 (dd、1H、J = 7.9 Hz、1.7 Hz)、6.87 (d、1H、J = 7.9 Hz)、6.92 (m、1H)、7.07 (d、1H、J = 2.2 Hz)、7.10 (d、1H、J = 8.5 Hz)、7.17 (dd、1H、J = 8.5 Hz、2.2 Hz)、7.71 (s、1H)、9.59 (s、1H). EI MS m/z 401 [M+].
【実施例27】
【0095】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 3.94 (s、3H)、5.15 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.83 (d、1H、J = 8.0 Hz)、6.87 (d、1H、J = 8.0 Hz)、6.92 (s、1H)、7.02 (d、1H、J = 8.8 Hz)、7.86 (s、1H)、7.93 (dd、1H、J = 8.8 Hz、2.3 Hz)、8.57 (d、1H、J = 2.3 Hz). FAB MS m/z 387 [M+1].
【実施例28】
【0096】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.15 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.82-6.92 (m、3H)、7.19-7.25 (m、3H)、7.27-7.30 (m、1H)、7.43-7.49 (m、2H)、7.86 (s、1H)、8.06 (dd、1H、J = 8.7 Hz、2.0 Hz)、8.50 (d、1H、J = 2.0 Hz). EI MS m/z 448 [M+].
【実施例29】
【0097】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 2.56 (s、3H)、5.14 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.81-6.94 (m、3H)、7.33-7.38 (m、1H)、7.45-7.51 (m、3H)、7.99 (s、1H). EI MS m/z 401 [M+].
【実施例30】
【0098】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.15 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.84 (dd、1H、J = 8.0 Hz、1.1 Hz)、6.87 (d、1H、J = 8.9 Hz)、6.93 (d、1H、J = 1.1 Hz)、7.71 (d、2H、J = 8.4 Hz)、7.88 (s、1H)、8.05 (d、2H、J = 8.4 Hz). EI MS m/z 399 [M+].
【実施例31】
【0099】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.15 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.84 (dd、1H、J = 8.0 Hz、1.4 Hz)、6.87 (d、1H、J = 8.0 Hz)、6.93 (d、1H、J= 1.4 Hz)、7.57 (dd、2H、J = 4.6 Hz、1.6 Hz)、7.81 (s、1H)、8.75 (dd、J = 4.6 Hz、1.6 Hz). EI MS m/z 356 [M+].
【実施例32】
【0100】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.15 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.84-6.94 (m、3H)、7.42-7.48 (m、1H)、7.59 (d、2H、J = 4.2 Hz)、7.84 (d、1 H、J = 7.8 Hz)、7.90 (s、1H). EI MS m/z 433 [M+].
【実施例33】
【0101】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.15 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.81-6.94 (m、3H)、7.59-7.63 (m、2H)、7.71-7.78 (m、1H)、8.02 (d、1H、J = 7.8 Hz)、8.46 (s、1H). EI MS m/z 399 [M+].
【実施例34】
【0102】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 4.03 (s、3H)、5.18 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.85 (dd、1H、J = 7.9 Hz、1.5 Hz)、6.88 (d、1H、J = 7.9 Hz)、6.94 (d、1H、J = 1.5 Hz)、7.30-7.43 (m、2H)、7.69 (d、1H、J = 7.9 Hz)、7.80 (d、1H、J = 7.9 Hz)、7.88 (s、1H). EI MS m/z 409 [M+].
【実施例35】
【0103】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.16 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.84 (dd、1H、J = 7.9 Hz、1.2 Hz)、6.88 (d、1H、J = 7.9 Hz)、6.93 ( d、1H、J = 1.2 Hz)、7.97 (s、1H)、8.06 (d、1H、J = 8.1 Hz)、8.27 (dd、1H、J = 8.1 Hz、1.8 Hz)、9.01 (d、1H、J = 1.8 Hz). EI MS m/z 424 [M+].
【実施例36】
【0104】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.13 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.82 (dd、1H、J = 8.0 Hz、1.1 Hz)、6.86 (d、1H、J = 8.0 Hz)、6.92 ( d、1H、J = 1.1 Hz)、6.98 (dd、1H、J = 8.6 Hz、1.8 Hz)、7.20 (d、1H、J = 1.8 Hz)、7.72 (s、1H)、7.93 (d、1H、J = 8.6 Hz). EI MS m/z 416 [M+].
【実施例37】
【0105】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.16 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.79-6.93 (m、3H)、7.68 (t、1H、J = 7.7 Hz)、7.89 (d、1H、J = 8.1 Hz)、7.93 (s、1H)、8.05 (d、1H、J = 7.5 Hz)、8.18 (s、1H). EI MS 399 [M+].
【実施例38】
【0106】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.15 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.83-6.93 (m、3H)、7.58 (t、1H、J = 5.7 Hz)、7.72 (s、1H)、8.61 (d、1H、J = 4.8 Hz)、8.77 (d、1H、J = 2.1 Hz). EI MS m/z 374 [M+].
【実施例39】
【0107】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.14 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.16 (s、2H)、6.81-6.92 (m、3H)、7.10-7.24 (m、3H)、7.78 (s、1H). EI MS m/z 399 [M+].
【実施例40】
【0108】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.16 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.83-6.94 (m、3H)、8.12 (s、1H)、9.70 (s、1H). EI MS m/z 363 [M+].
【実施例41】
【0109】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.14 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.82 (dd、1H、J = 8.0 Hz、1.4 Hz)、6.87 (d、1H、J = 8.0 Hz)、6.92 (d、1H、J = 1.4 Hz)、8.09 (s、1H)、8.11 (d、1H、J = 3.0 Hz)、8.24 (d、1H、J = 3.0 Hz). EI MS m/z 362 [M+].
【実施例42】
【0110】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.17 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.84 (dd、1H、J = 7.9 Hz、1.0 Hz)、6.88 (d、1H、J = 7.9 Hz)、6.94 (d、1H、J = 1.0 Hz)、7.86 (d、2H、J = 8.9 Hz)、7.91 (s、1H)、8.07 (d、2H、J = 8.9 Hz)、8.31 (s、1H)、9.43 (s、1H). EI MS m/z 422 [M+].
【実施例43】
【0111】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.12 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.82 (dd、1H、J = 7.9 Hz、1.5 Hz)、6.86 (d、1H、J = 7.9 Hz)、6.91 (d、1H、J = 1.5 Hz)、7.39 (s、1H)、7.51 (s、1H)、7.53 (s、1H)、12.97 (s、1H). EI MS m/z 345 [M+].
【実施例44】
【0112】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 3.18 (t、4H、J = 4.4 Hz)、3.77 (t、4H、J = 4.2 Hz)、5.15 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.87-6.95 (m、3H)、7.33 (d、1H、J = 7.3 Hz)、7.72 (s、1H)、8.26 (d、1H、J = 2.7 Hz)、8.30 (dd、1H、J = 7.3 Hz、2.7 Hz). EI MS m/z 485 [M+].
【実施例45】
【0113】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.14 (s、2H)、5.51 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.83 (dd、1H、J = 8.0 Hz、1.3 Hz)、6.86 (d、1H、J = 8.0 Hz)、6.92 (d、1H、J = 1.3 Hz)、7.42 (d、2H、J = 8.3 Hz)、7.64 (d、2H、J = 8.3 Hz)、7.82 (s、1H)、8.01 (s、1H)、8.69 (s、1H). EI MS m/z 436 [M+].
【実施例46】
【0114】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 4.99 (s、2H)、5.14 (s、2H)、5.41 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.83 (d、1H、J = 8.0 Hz)、6.87 (d、1H、J = 8.0 Hz)、6.92 (s、1H)、7.16 (d、1H、J = 9.0 Hz)、7.20 (d、1H、J = 9.0 Hz)、7.82 (s、1H). EI MS m/z 431 [M+].
【実施例47】
【0115】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 3.50 (t、4H、J = 4.8 Hz)、3.72 (t、4H、J = 4.8 Hz)、5.15 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.81 (dd、1H、J = 6.6 Hz、1.2 Hz)、6.84 (d、1H、J = 1.2 Hz)、6.87 (d、1H、J = 6.6 Hz)、6.92 (d、1H、J = 1.3 Hz)、7.04 (s、1H)、7.72 (s、1H)、8.28 (d、1H、J = 5.1 Hz). EI MS m/z 441 [M+].
【実施例48】
【0116】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 5.16 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.85 (dd、1H、J = 7.9 Hz、1.4 Hz)、6.88 (d、1H、J = 7.9 Hz)、6.94 (d、1H、J = 1.4 Hz)、7.39-7.43 (m、1H)、7.77 (d、2H、J = 8.6 Hz)、7.90 (s、1H)、7.94 (dd、1H、J = 7.7 Hz、1.8 Hz)、8.07 (d、1H、J = 8.1 Hz)、8.28 (d、2H、J = 8.6 Hz)、8.70-8.72 (m、1H). EI MS m/z 432 [M+].
【実施例49】
【0117】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ 3.07 (s、3H)、5.15 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.83 (dd、1H、J = 8.0 Hz、1.1 Hz)、6.87 (d、1H、J = 8.0 Hz)、6.93 (d、1H、J = 1.1 Hz)、7.32 (d、1H、J = 7.8 Hz)、7.40 (d、1H、J = 8.1 Hz)、7.45 (s、1H)、7.51 (t、1H、J = 8.0 Hz)、7.80 (s、1H)、10.35 (bs、1H). EI MS m/z 448 [M+].
【実施例50】
【0118】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ (ppm) 3.18 (t、4H、J = 4.4 Hz)、3.71 (t、4H、J = 4.4 Hz)、5.15 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.85-6.93 (m、3H)、7.42 (d、1H、J = 9 Hz)、7.77 (dd、1H、J = 9 Hz、2.3 Hz)、7.85 (s、1H)、8.17 (d、1H、J = 2.3 Hz). EI MS m/z 485 [M+].
【実施例51】
【0119】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ (ppm) 1.60 (s、6H)、5.13 (s、2H)、6.75-6.84 (m、3H)、7.81-7.86 (m、1H)、8.01 (s、1H)、8.03-8.06 (m、1H)、8.32 (ddd、1H、J = 8.2 Hz、2.3 Hz、0.9 Hz)、8.50-8.51 (m、1H). EI MS m/z 428 [M+].
【実施例52】
【0120】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ (ppm) 1.60 (s、6H)、5.11 (s、2H)、6.74-6.84 (m、3H)、6.91 (ddd、1H、J = 8.1 Hz、2.38 Hz、0.82 Hz)、7.00-7.02 (m、1H)、7.07-7.11 (m、1H)、7.32-7.37 (m、1H)、7.74 (s、1H). EI MS m/z 399 [M+].
【実施例53】
【0121】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ (ppm) 5.23 (s、2H)、6.92 (ddd、1H、J = 8.2 Hz、2.4 Hz、0.8 Hz)、7.01-7.03 (m、1H)、7.08-7.09 (m、1H)、7.13 (dd、1H、J = 8.4 Hz、1.7 Hz)、7.33-7.41 (m、3H)、7.75 (s、1H)、9.90 (s 1H). EI MS m/z 407 [M+].
【実施例54】
【0122】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ (ppm) 4.20 (s、4H)、5.12 (s、2H)、6.81-6.85 (m、3H)、7.81-7.86 (m、1H)、8.01-8.06 (m、2H)、8.32 (d、1H、J = 8.1 Hz)、8.50 (s 1H). EI MS m/z 414 [M+].
【実施例55】
【0123】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ (ppm) 4.80 (s、2H)、6.07 (s、2H)、6.89-7.11 (m、5H)、7.32-7.38 (m、1H)、7.85 (s、1H)、9.87 (s、1H). EI MS m/z 418 [M+].
【実施例56】
【0124】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ (ppm) 4.60 (s、2H)、5.90-5.98 (m、4H)、6.52 (d、1H、J = 7.9 Hz)、6.84 (s、1H)、7.42 (d、1H、J = 7.8 Hz)、7.45-7.54 (m、1H)、7.83 (s、1H)、8.07 (bs、1H)、8.18-8.21 (m、1H). EI MS m/z 367 [M+].
【実施例57】
【0125】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ (ppm) 4.74 (s、2H)、5.99 (s、2H)、6.81 (dd、1H、J = 8.1 Hz、1.7 Hz)、6.86 (s、1H)、6.88 (d、1H、J = 1.8 Hz)、7.80-7.85 (m、1H)、8.02-8.04 (m、1H)、8.11 (s、1H)、8.30 (ddd、1H、J = 8.3 Hz、2.3 Hz、0.9 Hz)、8.47-8.48 (m、1H). EI MS m/z 384 [M+].
【実施例58】
【0126】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ (ppm) 4.73 (s、2H)、6.00 (s、2H)、6.80 (dd、1H、J = 8.1 Hz、1.6 Hz)、6.86-6.92 (m、3H)、7.00-7.05 (m、2H)、7.30-7.35 (m、1H)、7.85 (s、1H). ES+ MS m/z 356 [MH+].
【実施例59】
【0127】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ (ppm) 3.01 (s、6H)、4.70 (s、2H)、5.98 (s、2H)、6.78-6.87 (m、5H)、7.45 (d、2H、J = 8.9 Hz)、7.81 (s、1H). ES+ MS m/z 383 [MH+].
【実施例60】
【0128】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ (ppm) 3.70 (s、2H)、4.57 (s、2H)、5.97 (s、2H)、6.76-6.86 (m、4H)、7.00 (s、1H)、7.06 (d、1H、J = 7.8)、7.24-7.29 (m、1H)、7.37 (s、1H)、9.66 (s、1H). EI MS m/z 337 [M+].
【実施例61】
【0129】
1H NMR (300 MHz、DMSO-d6) δ (ppm) 4.91 (s、2H)、5.98 (s、2H)、6.78-6.93 (m、4H)、7.67-7.72 (m、1H)、8.12 (d、1H、J = 7.8 Hz)、8.19 (dd、1H、J1 = 9.7 Hz、1.53 Hz)、8.49 (s、1H)、12.74 (bs、1H). EI MS m/z 383 [M+].
【実施例62】
【0130】
3-((2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)メチル)-5-(3-ニトロベンジリデン)イミダゾリジン-2,4-ジオン(実施例54の化合物)の合成
ステップ1. 3-((2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)メチル)-2-イミダゾリジン-4-オンの製造
1M NaOH中、(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ダイオキシン-6-イル)-メチルアミン(16.5 mmol、2.73 g)の懸濁液を10分間還流し、室温まで冷却する。次いで、トリチオ炭酸ビス(カルボキシメチル)(3.74 g、16.5 mmol)を加えて、反応混合物を一晩還流し、沈殿を得、それを濾過で取り除き、水(3x 20 mL)で洗浄する。残留物をメタノールおよびイソプロパノールの混合液(1:1、25 mL)中で懸濁し、10分間還流する。冷却した反応混合物を濾過し、固体残留物をより低温で乾燥させ、メタノールから再結晶し、3.29 gの3-((2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)メチル)-イミダゾリジン-2,4-ジオンを得る。
【0131】
ステップ2. アルデヒドまたはケトンの3-((2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)メチル)-イミダゾリジン-2,4-ジオンへのカップリング
酢酸(3 mL)中、74.5 mg(=0.3 mmol)の3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-2-チオキソチアゾリジン-4-オン、相当するアルデヒドR1HCO(0.3 mmol)および酢酸ナトリウム(127.4 mg、1.50 mmol)の溶液を、マイクロ波反応器中、130 ℃付近で2時間加熱する。反応混合物を室温まで冷却し、得られた沈殿を濾過で取り除き、エタノール(2x5 mL)およびメタノール(2x5 mL)で洗浄し、高温で乾燥させる。
【実施例63】
【0132】
3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-5-(3-ニトロベンジリデン)イミダゾリジン-2,4-ジオン
ステップ1. 5-(3-ニトロベンジリデン)イミダゾリジン-2,4-ジオンの合成
アルデヒドのイミダゾリジン-2,4-ジオンへのカップリングは、実施例62で記載した方法と類似の方法で行われる。
【0133】
ステップ2. 3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-5-(3-ニトロベンジリデン)イミダゾリジン-2,4-ジオンの合成
0 ℃でDBU(3.82 mmol、0.961 g)を5-(3-ニトロベンジリデン)イミダゾリジン-2,4-ジオン(3.19 mmol、0.743 g)の溶液に加えて、溶液を室温になるまで放置する。5-(クロロメチル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(6.37 mmol、2.174 g、50% CH2Cl2溶液中)を加えて、反応混合物を3時間撹拌する。次いで、0.5 M HCL溶液を加えて、酢酸エチル(2 x 50 mL)で抽出し、MgSO4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で取り除く。得られた生成物をジイソプロピルエーテルから再結晶し、収量0.13 (11%)の3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-5-(3-ニトロベンジリデン)イミダゾリジン-2,4-ジオンを産出する。
【実施例64】
【0134】
3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)チアゾリジン-2,4-ジオンの合成
チアゾリジン-2,4-ジオン(10.0 mmol、1.17 g)、5-(クロロメチル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(10.0 mmol、50% CH2Cl2溶液中)およびフッ化カリウム(10.0 mmol、0.581 g)の懸濁液を、室温で一晩撹拌する。溶媒を減圧下で取り除き、残留物を水(50 mL)に溶解し、ジクロロメタン(3 x 20 mL)に抽出する。混合性の有機画分をNa2SO4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で取り除く。得られた油性の生成物をジエチルエーテルで洗浄し、1.590 g(64%)の3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)チアゾリジン-2,4-ジオンの白色沈殿を得る。
【0135】
一般的製法D: 1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-3-置換-ピロリジン-2,5-ジオンの合成
ステップ1. 1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオンの合成
アゾジカルボン酸ジエチル(20.0 mmol、3.15 mL)を、THF(100 mL)中のマレイミド(20.0 mmol、1.94 g)、ピペロニルアルコール(20.0 mmol、3.043 g)およびトリフェニルホスフィン(20.0 mmol、5.246 g)の溶液に加えて、室温で1時間撹拌する。溶媒を減圧下で取り除き、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル; 酢酸エチル/へキサン=1/2)で精製し、収量2.26 g(49%)の1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオンを得る。
【0136】
ステップ2. アルデヒドの1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオンへのカップリング
酢酸中の1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(0.87 mmol、0.20 g)およびトリフェニルホスフィン(0.87 mmol、0.227 g)の溶液を110 ℃で1時間加熱し、溶媒を減圧下で取り除く。残った油性の残留物をトルエン(3 mL)中で懸濁し、相当するアルデヒド(0.87 mmol)を加えて、反応混合物を100 ℃で30分間加熱する。得られた沈殿を濾過で取り除き、THFで洗浄し、高温で乾燥させる。
【実施例65】
【0137】
3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-2-チオキソイミダゾリジン-4-オンの合成
DMF(10 mL)中のグリシンエチルエステル塩酸塩(2.0 mmol、0.297 g)、5-(イソチオシアナトメチル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール(2.00 mmol、0.386 g)および炭酸水素ナトリウム(3.0 mmol、0.252 g)の溶液を室温で1時間撹拌し、その後65 ℃で一晩撹拌する。溶媒を減圧下で取り除き、油性の残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル; 酢酸エチル/へキサン=1/2)で精製し、収量0.339 g(68%)の3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-2-チオキソイミダゾリジン-4-オンを得る。
【実施例66】
【0138】
酵素活性測定およびIC50決定
方法A: MurD酵素活性測定
化合物が、0.1 M Tris-HCl、pH 8.6、5 mM MgCl2、5 mM ATP、25 μM UDP-MurNAc-L-Ala、25 μM D-[14C]Glu、阻害剤(100 μM)、DMSO(5%、v/v)、および酵素を含む混合液(50 μl)中で、UDP-MurNAc-L-Ala-D-[14C]Gluの形成を阻害する能力を分析する。37 ℃で30分間反応させた後、酢酸(10 μl)を加えて反応を停止する。凍結乾燥後、逆相HPLCでD-[14C]GluおよびUDP-MurNAc-L-Ala-D-[14C]Gluを分離し、オンラインのシンチレーション測定で定量する。5% DMSO存在下および阻害剤非存在下での活性測定(100%とする)についての残効性を決定する。示された値は、2回測定した平均値である。
【0139】
IC50値は、いくつかの阻害剤濃度で、下記のヒル式を用いて決定される
log[vi/(vo-vi)] = -n log[I] + logK'
[式中、voは阻害剤非存在下での速度、viは阻害剤存在下での速度、nはヒル係数である]。
【0140】
方法B: MurE酵素活性測定
化合物が、0.1 M Tris-HCl、pH 8.6、15 mM MgCl2、5 mM ATP、100 μM UDP-MurNAc-L-Ala-γ-D-Glu、200 μM L-[14C]Lys (50,000 cpm)、阻害剤(100 μM)、DMSO (5%、v/v)、および黄色ブドウ球菌由来の酵素を含む混合液(50 μl)中で、UDP-MurNAc-L-Ala-γ-D-Glu-L-[14C]Lysの形成を阻害する能力を分析する。37 ℃で30分間反応させた後、酢酸(10 μl)を加えて反応を停止する。凍結乾燥後、L-[14C]LysおよびUDP-MurNAc-L-Ala-γ-D-Glu-L-[14C]Lysを、50 mM ギ酸アンモニウム、pH 4.7中、Nucleosil 100C18 5U (150x4.6 mm)を充填した逆相HPLCで、0.6 ml/minで分離し、Quicksafe Flow 2シンチレーション液を用いてオンラインのシンチレーション測定で定量する。5% DMSO存在下および阻害剤非存在下での活性測定(100%とする)についての残効性を決定する。示された値は、2回測定した平均値である。
【0141】
IC50値は、いくつかの阻害剤濃度で、下記のヒル式を用いて決定される
log[vi/(vo-vi)] = -n log[I] + logK'
[式中、voは阻害剤非存在下での速度、viは阻害剤存在下での速度、nはヒル係数である]。
【0142】
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】


[式中、
XはSを意味し、
YはSを意味し、
WはOを意味し、
R1は水素で、R2は式

[式中、R6はアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、(ヒドロキシアルキル)アミノ基、ジ(ヒドロキシアルキル)アミノ基、(ヘテロシクリルアルキル)アミノ基、(ヒドロキシアルコキシアルキル)アミノ基、またはジ(ヒドロキシアルコキシアルキル)アミノ基を意味する]
で表される]
の化合物および式Iaの化合物の医薬的に許容しうる塩。
【請求項2】
R6がメチルアミノ基、((テトラヒドロフラン-2-イル)-メチル)アミノ基、(ヒドロキシル(低級アルキル))アミノ基、または((2-ヒドロキシエトキシ)エチル)アミノ基である、請求項1の化合物。
【請求項3】
R6が((テトラヒドロフラン-2-イル)-メチル)アミノ基である、前述の請求項のいずれかの化合物。
【請求項4】
医薬品としての前述の請求項のいずれかの化合物。
【請求項5】
医薬品が抗生物質である、請求項4の化合物。
【請求項6】
細菌性疾患の治療のための薬物の製造における、請求項1で定義した式Iaの化合物の使用。
【請求項7】
細菌性疾患が、MurD活性および/またはMurDリガーゼ活性を示す細菌株によって引き起こされる、請求項6の使用。
【請求項8】
以下のステップからなる請求項1で定義した式Iaの化合物の製造方法。
a)式

[式中、
XはSを意味し、
YはSを意味し、
WはOを意味し、
QはCHを意味し、
nは0であり、
mは0であり、
R3は水素を意味し、
R4およびR5は互いに独立して水素を意味する]
の化合物と、式

のアルデヒドまたはケトン[式中、R1およびR2は請求項1の式Iaで定義した通りである]を反応させ、式Iaの化合物を得、場合によっては
c)式Iaの化合物を単離する。
【請求項9】
以下のステップからなる請求項1で定義した式Iaの化合物の製造方法。
t)式

[式中、
QはCHを意味し、
nは0であり、
mは0であり、
R3は水素を意味し、
R4およびR5は互いに独立して水素を意味する]
の化合物と、式

[式中、R7はアルキル基を意味する]の化合物を反応させ、式

[式中、
XはSを意味し、
YはSを意味し、
WはOを意味し、
QはCHを意味し、
nは0であり、
mは0であり、
R3は水素を意味し、
R4およびR5は互いに独立して水素を意味する]
の化合物を得、
b)ステップt)で定義した式Vの化合物と、式

のアルデヒドまたはケトン[式中、R1およびR2は請求項1の式Iaで定義した通りである]を反応させ、式Iaの化合物を得、場合によっては
c)式Iaの化合物を単離する。
【請求項10】
請求項1で定義した式Iaの化合物またはその塩を含む医薬組成物、および1またはそれ以上の医薬的に許容しうる賦形剤。

【公表番号】特表2010−505904(P2010−505904A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531818(P2009−531818)
【出願日】平成19年10月8日(2007.10.8)
【国際出願番号】PCT/EP2007/060655
【国際公開番号】WO2008/043733
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(504359293)レツク・フアーマシユーテイカルズ・デー・デー (60)
【Fターム(参考)】