説明

指示装置

【課題】指示装置の指示する現在位置に拘らず被操作対象の全ての可動範囲を指示可能としかつ被操作対象からの力覚提示を可能とする指示装置を提供する。
【解決手段】被操作対象の特定方向の操作量を操作し、被操作対象の反力を操作者側にフィードバックさせる指示装置1であって、無限に回転可能に支持された回転体3と、回転体の回転数及び回転方向を検出するセンサ4と、被操作対象からの反力を操作者に力覚提示するため回転体のトルクとして伝達するアクチュエータ5を備えた構成とし、回転体を回転させて回転数及び回転方向をセンサで検出することで被操作対象の指示範囲を無限とし、被操作対象からの反力を回転体のトルクとして操作者に力覚提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハプティックデバイス等の指示装置に好適な指示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
三次元的に移動可能な被操作対象と操作者との関係において操作者の視覚情報に力覚情報を加えて被操作対象が目的の物体に接触したときに被操作対象から操作者の手に反力を伝えるようにしたハプティックデバイスが従来から知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】インターネット(URL:http://www.ddd.co.jp/tech_info/tech_phantom.htm)[平成19年4月10日検索]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のハプティックデバイスは、ハプティックデバイスの変位から被操作対象への位置指令を行おうとすると、ハプティックデバイスの可動範囲が有限であり、ハプティックデバイスが可動限界に位置する場合はそれ以上変位させることができず、当然被操作対象への指示もできない。従って、操作対象への指示範囲を広げる場合にはいわゆる「尺取虫」的な操作を繰り返して行う必要があり、操作性及び作業性が悪い。
【0004】
本発明の目的は、指示装置の指示する現在位置に拘らず被操作対象の全ての可動範囲を指示可能としかつ被操作対象からの力覚提示を可能とする指示装置を提供する。
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明に係る指示装置は、
被操作対象の特定方向の操作量を操作し、前記被操作対象の反力を操作者にフィードバックさせる指示装置であって、
無限に回転可能に軸支された回転体と、
前記回転体の回転数及び回転方向を検出するセンサと、
前記被操作対象からの反力を前記操作者に力覚提示するため前記回転体のトルクとして伝達するアクチュエータを備えたことを特徴としている。
【0006】
被操作対象の特定方向に応じて回転体を回転させることにより無限指示が可能となり、回転体の回転数及び回転方向をセンサで検出することにより、被操作対象の特定方向の操作量を無限に操作することが可能となる。そして、被操作対象からの反力をアクチュエータによりトルクを発生させ、そのトルクを、回転体を介して操作者に力覚提示する。
【0007】
これにより、指示装置の指示する現在位置に拘らず被操作対象の全ての可動範囲を指示可能としかつ被操作対象からの力覚提示を可能とすることができる。即ち、ハプティックデバイスにおいて被操作対象に相対位置指示(ハプティックデバイスの現在位置からの移動量より被操作対象への位置指令値を求める)を行う場合、ハプティックデバイスの現在位置、ならびに被操作対象の現在位置によらず、被操作対象の可動範囲を全て指示可能とすることができる。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の指示装置は、請求項1に記載の指示装置において、
被操作対象の動きに与えられた自由度のうち各自由度毎に前記指示装置側を割り当て、前記各指示装置によって被操作対象の動きに対応する自由度の方向及び操作量を操作するようにしたことを特徴としている。
【0009】
被操作対象の各自由度毎に指示装置を割り当てることにより被操作対象の動きに対応する自由度を指示することが可能であり、かつ指示範囲を無限とすることができる。そして、基本が1自由度の構成となっているため複数を組合せて多軸のハプティックデバイスを構成した場合、操作するときに他軸への干渉が無い。そのため多軸のハプティックデバイス構成で1自由度のみの位置指示を行わせたい場合に干渉抑制装置のような新たな機構を必要としない。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の指示装置は、請求項1に記載の指示装置において、
各自由度毎に指示装置を割り当てる代わりに単一の指示装置と、前記指示装置と対応する自由度を選択する切換装置とを備えたことを特徴としている。
【0011】
単一の指示装置を使用し、切換装置により指示装置を選択的に切り替えて被操作対象の自由度に対応させる。これにより、単一の指示装置により被操作対象の複数の自由度に容易に対応することが可能となり、指示装置自体の小型化を図れる。
【0012】
位置指示の場合だけでなく、その他の物理量を操作したい場合にも適用が可能である。例えば、相対力指示を行う場合では、ハプティックデバイスの現在位置からの移動量より被操作対象への力指令値を求める。このときに本発明を用いればハプティクデバイスの現在位置によらず、ならびに被操作対象の現在出力している力の値によらず、被操作対象の出力可能な力の範囲を全て指示可能とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、被操作対象の特定方向に応じて回転体を回転させることにより無限指示が可能となり、指示装置の指示する現在位置に拘らず被操作対象の全ての可動範囲を指示可能としかつ被操作対象からの力覚提示を可能とすることができる。これにより、「尺取虫」的な操作の繰り返しが不要となり、操作性及び作業性の向上が図られる。
【0014】
また、被操作対象の各自由度毎に指示装置を割り当てることにより被操作対象の動きに対応する自由度を指示することが可能となる。そして、基本が1自由度の構成となっているため複数を組合せて多軸のハプティックデバイスを構成した場合、操作するときに他軸への干渉が無い。そのため多軸のハプティックデバイス構成で1自由度のみの位置指示を行わせたい場合に干渉抑制装置のような新たな機構を必要としない。
【0015】
更に、切換装置により指示装置を選択的に切り替えて被操作対象の自由度に対応させることにより、単一の指示装置により被操作対象の複数の自由度に容易に対応することが可能であり、指示装置の部品点数の削減と、これに伴うコストの低減及び小型化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る指示装置について図面に基づいて説明する。図1に示すように指示装置1は、ブラケット2と、回転体3と、センサ4と、アクチュエータ5により構成されている。ブラケット2は、側面から見て略L字状をなし垂直部2aに対して直角をなす一側端(図中上端)の水平部が支持板2bとされ、支持板2cが垂直部2aの他側端(図中下端)に支持板2bと平行に対向して配設固定され、支持板2dがこれらの支持板2b,2cとの間に平行に対向して配設されて垂直部2aに固定されている。そして、これらの支持板2b,2c,2dの略中央位置に図示しない軸穴が一直線上に形成されている。
【0017】
回転体3は、操作者が回転させることにより被操作対象の位置を指示するためのもので、円柱状をなすローラ(以下「ローラ3」という)とされ、外周面3aに滑り止め用のローレット目が形成されている。このローラ3は、支持板2bの外側(図中上側)に配置され、回転軸3bが支持板2bの前記軸穴に図示しない軸受けを介して回転自在に軸支されている。そして、回転軸3bは、支持板2bを貫通して支持板2d側に延在している。
【0018】
センサ4は、ローラ3の回転方向及び回転数を検出して前記被操作対象の位置決めを行うためのもので、例えばエンコーダ(以下「エンコーダ4」という)が使用されている。このエンコーダ4は、ブラケット2の支持板2cの外側(図中下側)に配設固定されており、回転軸4aが当該支持板2cの前記軸穴を遊貫して支持板2d側に突出している。
【0019】
アクチュエータ5は、前記被操作対象からの反力を、ローラ3を介してフィードバックして操作者に力覚として提示(伝達)するためのもので、例えばDCモータ等の電気モータ(以下「モータ5」という)で構成されている。このモータ5は、ブラケット2の支持板2dと支持板2cとの間に配置されて支持板2dに固定され、回転軸5aの一側端部が前記軸穴を遊貫して支持板2b側に突出している。そして、モータ5は、回転軸5aの一側端がローラ3の回転軸3bと対向し、他側端がエンコーダ4の回転軸4aと対向している。
【0020】
そして、ローラ3の回転軸3bとモータ5の回転軸5aの一側端がカップリング6により連結され、回転軸5aの他側端とエンコーダ4の回転軸4aがカップリング7により連結されている。これにより、ローラ3を回転することによりモータ5とエンコーダ4が一体に回転可能とされている。
【0021】
以下に上記指示装置1の作用を説明する。操作者が被操作対象(例えば、ロボット)に指示を与える際にはローラ3を回転させる。このときモータ5は自由回転し、エンコーダ4がローラ3の回転方向及び回転数(回転角度)を計測し、その計測値を、被操作対象への指示値とする。ローラ3は、無限に回転可能であり、従って、被操作対象の指示範囲を無限とすることが可能となり、指示装置の現在位置によらず、被操作対象の可動範囲全域が指示可能となる。被操作対象が何かに当たった場合、その反力を図示しない力センサや圧力センサ等により検出してフィードバックしてモータ5にトルクを発生させて操作者に力覚提示する。即ち、操作者は、ローラ3を介してモータ5のトルクを受けることにより被操作対象が何かに当たったことを力覚することができる。
【0022】
図2は、図1に示した指示装置1を無限回転可能にした構造に加えて作業性を向上させた変形例を示している。図1に示した指示装置1と同一部材には同一の符号を付し、対応する部材に対応する符号を付して詳細な説明を省略する。指示装置1’は、回転体としてのローラ3’の外周面3a’の形状を、上部3c’を小径に、下部3d’を大径にしてテーパ状をなす円錐台形状としたものである。ローラ3’の回転軸3b’は、カップリング6を介してモータ5の回転軸5aに連結されている。
【0023】
ローラ3’をこのような形状とすることにより図1に示した指示装置の作用に加えてローラ3’の回転を調節することが可能となる。即ち、ローラ3’を速く回転させたい場合には小径の上部3c’を回転操作し、遅く回転させたい場合には大径の下部3d’を回転操作する。例えば、被操作対象を所定位置に指示する場合、操作者がローラ3’の上部3c’を回転させることにより前記所定位置近傍まで迅速に指示し、次いでローラ3’の下部3d’を回転させて微調節して所定位置に正確に指示する。これにより、作業性の向上が図られる。
【0024】
図3は本発明に係る指示装置の第1の適用例を示し、被操作対象の動きに与えられた自由度のうち各自由度毎に指示装置を割り当て、各指示装置によって被操作対象の動きに対応する自由度の方向及び操作量を操作し、かつ指示範囲を無限にする構成としたものである。指示装置11は、被操作対象を例えばX軸、Y軸、及びこれらのX軸、Y軸により形成されるXY平面とは別の軸線方向であるZ軸方向(例えば、ロボットであれば高さ方向)の3軸分の位置指示をすると共に指示範囲を無限にするもので、側面から見て逆L字形状のブラケット12と、ブラケット12の垂直部12aに一列に横並びに配設固定された3個の指示装置13,14,15からなる。
【0025】
指示装置13は、図1に示した指示装置1と基本的な構成は同じであり、回転体としてのローラ21と、センサ(エンコーダ)とアクチュエータ(モータ)を一体に構成した検出部22と、ローラ21の回転軸21bと検出部22の回転軸22aとを連結するギヤ機構23により構成されている。ローラ21の回転軸21bと検出部22の回転軸22aは直交して配置されており、ギヤ機構23により連結されている。
【0026】
ギヤ機構23は、直交するローラ21の回転軸21bと検出部22の回転軸22aとを連結するためのもので、ブラケット24と、直角に噛合する2つのベベルギヤ25,26からなる。このギヤ機構23は、ブラケット12の水平部12bの直ぐ下方位置に配置され、ブラケット24が垂直部12aに固定されている。
【0027】
ローラ21は、回転軸21bがブラケット12の水平部12bと平行(水平)に配置されてギヤ機構23のブラケット24の両側壁24aを貫通して回転自在に軸支され、かつベベルギヤ25に固定されている。そして、ローラ21は、外周面21aの上部がブラケット12の水平部12bに形成された窓12cから露出しており、操作者が指先を外周面21aに当てて回転操作可能とされている。また、検出部22は、ギヤ機構23の下方位置に配置されており、回転軸22aがギヤ機構23のベベルギヤ26の図示しない回転軸にカップリング27で連結されている。
【0028】
指示装置14,15は、指示装置13と同様に構成されており、詳細な説明を省略する。尚、指示装置14,15は、指示装置13のローラ21、検出部22と対応させてローラ21’、ローラ21”及び検出部22’、検出部22”で示してある。そして、指示装置13が被操作対象の動きに与えられたX軸、指示装置14がY軸、指示装置15がZ軸方向の位置を指示するようになっている。これにより、被操作対象の動きに与えられたX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の自由度に対して指示装置13、指示装置14、指示装置15によって被操作対象の動きに対応する自由度の方向に指示範囲を無限に操作することができ、指示装置の現在位置によらず、被操作対象の可動範囲全域が指示可能となる。
【0029】
図4は、本発明に係る指示装置の第2の適用例を示し、指示装置11’は、各自由度毎に指示装置を割り当てる代わりに1個の指示装置13と、この指示装置13と対応する自由度を選択する切換装置16とを備えた構成としたものである。尚、図3に示した指示装置11と同一又は対応する部材には同一又は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0030】
切換装置16は、ブラケット12の水平部12bにローラ21と並んで設けられており、指示装置13と電気的に接続されており、摘み部16aにより指示装置13を被操作対象のX軸方向に切り換えるX軸切換位置と、Y軸方向に切り換えるY軸切換位置と、Z軸方向に切り換えるZ軸切換位置が設けられており、任意の切換位置に切り換え可能とされている。これにより、1個の指示装置13と1個の切換装置16とにより3軸方向の指示を行うことが可能となり、部品点数の低減及びこれに伴うコストの低減、指示装置の小型化を図ることが可能となる。
【0031】
図5は、本発明に係る指示装置の第3の適用例を示し、被操作対象の自由度が6の場合における指示装置を示し、3個の指示装置と1個の切換装置を備えた構成としたものである。尚、図3に示した指示装置11と同一又は対応する部材には同一又は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0032】
指示装置11”は、被操作対象の動きに与えられたX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3つの自由度、及びX軸における回転方向α、Y軸における回転方向β、Z軸における回転方向γの3つの自由度を同時にかつ指示範囲を無限に操作することができ、被操作対象の姿勢を指示することが可能とされている。指示装置13、指示装置14、指示装置15は、前述したように被操作対象のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の動きに対応する指示範囲を無限に操作することができ、指示装置の現在位置によらず、被操作対象の可動範囲全域が指示可能となる。
【0033】
切換装置17は、被操作対象のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の指示と、X軸における回転方向α、Y軸における回転方向β、Z軸における回転方向γの指示とを切り換えるためのものである。切換装置17は、ブラケット12の水平部12bにローラ21,21’,21”と並んで設けられており、指示装置13,14,15と電気的に接続されている。切換装置17は、指示装置13,14,15を被操作対象のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に指示するための第1の切換位置と、これらの指示装置13,14,15をX軸における回転方向α、Y軸における回転方向β、Z軸における回転方向γに指示するための第2の切換位置が選択可能に設けられている。これにより、被操作対象の自由度が6の場合における指示装置11”を3個のセンサと3個のアクチュエータと1個の切換装置により構成することができる。
【0034】
そして、被操作対象の姿勢を指示する場合、切換装置17の摘み部17aを第1の切換位置に切り換えて各指示装置13,14,15のローラ21,21’,21”を回転操作して被操作対象のX軸、Y軸、Z軸方向の位置決めを行った後、切換装置17を第2の切換位置に切り換えて各指示装置13,14,15のローラ21,21’,21”を回転操作して前記被操作対象の姿勢、即ちX軸における回転方向α、Y軸における回転方向β、Z軸における回転方向γ姿勢を指示する。これにより、前記被操作対象のX,Y,Z空間における姿勢を指示することができる。尚、上述と反対に切換装置17の切換位置を先に第2の切換位置に切り換えて被操作対象の姿勢、即ちX軸における回転方向α、Y軸における回転方向β、Z軸における回転方向γを指示し、次いで第1の切換位置に切り換えて前記被操作対象のX軸、Y軸、Z軸空間における位置を指示するようにしても良い。
【0035】
また、図4に示した指示装置11’において、切換装置16をX軸方向の切換位置、Y軸方向の切換位置、Z軸方向の切換位置に加えてX軸における回転方向αの切換位置、Y軸における回転方向βの切換位置、Z軸における回転方向γの切換位置を設定し、1個の指示装置13と1個の切換装置16により被操作対象の6つの自由度を指示することも可能である。
【0036】
図6は、本発明に係る指示装置の第4の適用例を示し、指示装置31は、周知の直動型指示装置に本発明に係る指示装置を適用したもので、図示しないメインテーブル上に載置されて矢印X−X’方向に移動可能なX軸ステージ32と、X軸ステージ32上に載置されてX−X’方向と直交するY―Y’方向に移動可能なY軸ステージ33と、Y軸ステージ33上に載置固定されてZ軸方向の指示装置34により構成されている。
【0037】
X軸ステージ32は、Y―Y’方向に長い長方形状をなし、一側端部に固定されたスライダ35と前記メインテーブル上にX−X’方向に沿って配設されているガイドロッド36によりX−X’方向に移動可能とされている。
【0038】
ガイドロッド36の両側にセンサとしてのエンコーダ41とアクチュエータとしてのモータ42が配設されており、各回転軸に歯付プーリ43,44が固定されている。歯付ベルト45は、歯付プーリ43、44に掛けられかつスライダ35に固定されており、X軸ステージ32の移動に応じてエンコーダ41とモータ42を回転させる。
【0039】
Y軸ステージ33は、一側部に固定されたスライダ37とX軸ステージ32上にY−Y’方向に沿って配設されているガイドロッド38によりY−Y’方向に移動可能とされている。また、Y軸ステージ33のスライダ37と反対側に操作用のハンドル54が設けられている。従って、操作者は、ハンドル54によりX軸ステージ32、Y軸ステージ33を容易に移動操作することが可能となる。尚、ハンドル54は、本発明においては必ずしも必要とはしない。
【0040】
ガイドロッド38の両側にセンサとしてのエンコーダ46とアクチュエータとしてのモータ47が配設されており、各回転軸に歯付プーリ48,49が固定されている。歯付ベルト50は、歯付プーリ48,49に掛けられかつスライダ37に固定されており、Y軸ステージ33の移動に応じてエンコーダ46とモータ47を回転させる。
【0041】
指示装置34は、図1に示した指示装置1と同様回転体としてのローラ51と、センサとしてのエンコーダ52と、アクチュエータとしてのモータ53とにより構成されており、詳細な説明を省略する。
【0042】
操作者は、ハンドル54により指示装置31のX軸ステージ32、Y軸ステージ33を移動操作する。指示装置31は、X軸ステージ32の移動操作により被操作対象のX軸方向の位置を指示し、Y軸ステージ33の移動操作により被操作対象のY軸方向の位置を指示し、指示装置34のローラ51により被操作対象のZ軸方向の位置を指示する。このとき、操作者は、ハンドル54を握った状態で例えば人差し指の指先で指示装置34のローラ51を回転させてZ軸方向の位置を指示することができる。このように、指示装置31は、X軸方向及びY軸方向の指示範囲は有限であるが、Z軸方向の指示範囲を無限とすることができ、指示装置の現在位置によらず、被操作対象の可動範囲全域が指示可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る指示装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示した指示装置の変形例を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る指示装置の第1の適用例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る指示装置の第2の適用例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る指示装置の第3の適用例を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る指示装置の第4の適用例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1,1’ 指示装置
2 ブラケット
2a 垂直部
2b,2c,2d 支持板
3 回転体(ローラ)
3a 外周面
3b 回転軸
3’ 回転体(ローラ)
3a’ 外周面
3b’ 回転軸
3c’ 外周面3a’の上部
3d’ 外周面3a’の下部
4 センサ(エンコーダ)
4a 回転軸
5 アクチュエータ(モータ)
5a 回転軸
6,7 カップリング
11,11’,11” 指示装置
12 ブラケット
12a 垂直部
12b 水平部
12c 窓
13,14,15 指示装置
16,17 切換装置
16a,17a 摘み部
21,21’,21” 回転体(ローラ)
21a 外周面
21b 回転軸
22,22’,22” 検出部
22a 回転軸
23 ギヤ機構
24 ブラケット
24a 側壁
25,26 ベベルギヤ
27 カップリング
31 指示装置
32 X軸ステージ
33 Y軸ステージ
34 指示装置
35,37 スライダ
36,38 ガイドロッド
41,46 センサ(エンコーダ)
42,47 アクチュエータ(モータ)
43,44,48,49 歯付プーリ
45,50 歯付ベルト
51 回転体(ローラ)
52 センサ(エンコーダ)
53 アクチュエータ(モータ)
54 ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被操作対象の特定方向の操作量を操作し、前記被操作対象の反力を操作者にフィードバックさせる指示装置であって、
無限に回転可能に軸支された回転体と、
前記回転体の回転数及び回転方向を検出するセンサと、
前記被操作対象からの反力を前記操作者に力覚提示するため前記回転体のトルクとして伝達するアクチュエータを備えたことを特徴とする指示装置。
【請求項2】
被操作対象の動きに与えられた自由度のうち各自由度毎に前記指示装置側を割り当て、前記各指示装置によって被操作対象の動きに対応する自由度の方向及び操作量を操作するようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の指示装置。
【請求項3】
各自由度毎に指示装置を割り当てる代わりに単一の指示装置と、
前記指示装置と対応する自由度を選択する切換装置とを備えたことを特徴とする、請求項1に記載の指示装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−276675(P2008−276675A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122209(P2007−122209)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】