説明

排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法

【課題】危険溶液で取り扱いの難しいアンモニアを使用せずに、尿素水溶液を用いながら、NOx浄化に対する選択接触還元触媒の低温活性を向上できる排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法を提供する。
【解決手段】内燃機関1の排気通路4に窒素酸化物を浄化する選択接触還元触媒16を備えて、排気ガス中の窒素酸化物を浄化する排気ガス浄化システム10において、前記選択接触還元触媒16の上流側に排気通路に還元剤を供給する還元剤排気管内供給装置14を備えると共に、内燃機関1の筒内2に還元剤を供給する還元剤筒内噴射装置15を設けて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気ガス中のNOxを選択接触還元触媒を用いて浄化する排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジン等のエンジン(内燃機関)から排出される微粒子状物質(PM)、NOx、COそしてHC等は、年々規制が強化されてきている。この規制の強化に伴い、エンジンの改良のみでは規制値への対応ができなくなってきている。そこで、エンジンに触媒を用いた排気ガス後処理装置を着装して、エンジンから排出されるこれらの物質を低減する技術が採用されている。
【0003】
この従来技術の一つに、図4に示すような、選択接触還元触媒(SCR触媒)に尿素を供給して、排気ガス中のNOxを浄化する排気ガス浄化システム20がある。このシステム20は、34%程度の尿素水溶液を貯蔵する尿素タンク21と尿素水排気管内噴射弁22を有する尿素噴射システムと、尿素加水分解機能及びアンモニア還元機能を有する選択接触還元触媒23とを有して構成される。
【0004】
この排気ガス浄化システム20では、尿素タンク21から尿素水排気管内噴射弁22により排気通路(排気管)4内に添加された尿素は、前段の加水分解機能によって、「(NH2 2 CO+H2 O→2NH3 +CO2 」の反応により、排気ガス中の熱と燃焼によって生成された水蒸気からアンモニアを生成する。
【0005】
そして、後段のアンモニア還元機能により、この生成したアンモニアを還元剤として、「6NO+4NH3 →5N2 +6H2 O」と「4NO+4NH3 +O2 →4N2 +6H2 O」の反応により、選択接触NOx還元を行いNOxを浄化する。この反応は、酸素が共存する場合でも進み、一酸化窒素(NO)の1モルに対して、アンモニア(NH3 )の1モルの反応となる。
【0006】
なお、この選択接触還元触媒23は、尿素加水分解機能を有する触媒を前段に配置し、アンモニア還元機能を有する触媒を後段に配置して形成する場合もあるが、アンモニア還元選択NOx触媒中に加水分解機能を持たせて形成する場合もある。
【0007】
しかしながら、この従来の尿素選択接触還元触媒23を用いた排気ガス浄化システム20では、NOx浄化率が、図3の実線Aで示すように、300℃位から著しく低下してしまうという問題がある。つまり、添加した尿素から前段の加水分解反応によって還元剤のアンモニアを生成しているが、この尿素加水分解反応が吸熱反応であるため、低温における活性が低く、そのために、システム全体として、低温域におけるNOx浄化活性が低下してしまうのである。
【0008】
一方、図3の破線Bで示すように、直接アンモニアを添加する場合には、選択接触還元触媒において、加水分解反応の必要が無くなるため、低温でもNOx浄化活性は高い。従って、選択接触還元触媒にアンモニアを供給すれば高い低温活性を得ることができる。しかしながら、アンモニアは、危険溶液であり、取り扱いが尿素水溶液ほど手軽にはできないという問題がある。
【0009】
このアンモニアを使用した排気ガス浄化装置としては、アンモニア化合物添加により選択還元が行われるアンモニア化合物選択還元触媒と、排気ガスの空燃比がリーンのときにNOxを吸蔵し、排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸蔵したNOxを放出・還元するNOx吸蔵還元型触媒とを排気通路に備えて、高回転・高負荷運転のときにアンモニア化合物選択還元触媒を機能させ、その他のときにはNOx吸蔵還元型触媒を機能させる内燃機関の排気浄化装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
しかしながら、この内燃機関の排気浄化装置の場合には、NOx吸蔵還元型触媒は高温の排気ガスに曝されると劣化が激しいので、劣化対策が必要になるという問題や、排気通路の切り替えを必要とする場合には、NOxを吸蔵したNOx吸蔵還元型触媒の再生時の制御が複雑となると共にNOxが大気中へ放出されてしまうというスリップの問題も発生する。
【0011】
また、触媒を使用することなく、酸化窒素を分解させる脱硝装置として、内燃機関におけるシリンダあるいは排気ポートの排気弁の近接部に、アンモニア、または、アンモニア前駆物質(尿素等)を燃焼排ガス中に添加する噴射弁を設けて、排ガスをキヤリアガスとして適用することにより、機構の小型化、コスト節減とともに脱硝性能、信頼性を向上した内燃機関の排気脱硝装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0012】
しかしながら、この装置では、触媒作用を利用することなく、直接アンモニアで窒素酸化物を還元しているので、触媒利用よりも浄化率が低くなるという問題や、排気ガスが高温の時には、反応が進行してアンモニアが窒素酸化物になってしまうという問題がある。
【0013】
また、吸気通路、燃焼室、及び排気通路の少なくとも一つにHC等の還元剤を添加する添加装置を備えて、運転情報と添加量との関係を学習しながら、添加量を最適化しつつ、排気通路の選択還元触媒で浄化する排気浄化装置が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0014】
しかしながら、この装置では、排気系に添加したHCがスモークを発生する場合が有り、HCの燃焼により触媒が高温になるという問題がある。
【特許文献1】特許第3518398公報
【特許文献2】特許第2592119号公報
【特許文献3】特開平10−311212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明はこの問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、危険溶液で取り扱いの難しいアンモニアを使用せずに、尿素水溶液を用いながら、NOx浄化に対する選択接触還元触媒の低温活性を向上できる排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するための本発明に係る排気ガス浄化システムは、内燃機関の排気通路に窒素酸化物を浄化する選択接触還元触媒を備えて、排気ガス中の窒素酸化物を浄化する排気ガス浄化システムにおいて、前記選択接触還元触媒の上流側に排気通路に還元剤を供給する還元剤排気管内供給装置を備えると共に、内燃機関の筒内に還元剤を供給する還元剤筒内噴射装置を設けて構成される。
【0017】
この還元剤筒内噴射装置には、直接、内燃機関の筒内(シリンダ内)に還元剤を供給する装置のみならず、吸気通路に還元剤を噴射して筒内に還元剤を供給する装置も含む。
【0018】
この構成により、排気管尿素噴射に加えて、エンジンの筒内への筒内尿素噴射を併用することができるようになるので、筒内の燃焼熱を利用して尿素を加水分解して、アンモニアを生成することができる。従って、比較的取り扱いが容易な尿素を用いながら、アンモニア添加の場合の選択接触還元触媒効果も奏することができるようになる。従って、尿素添加の場合の選択接触還元触媒効果の低温における活性低下を補うことができ、選択接触還元触媒を使用した排気ガス浄化システムの低温活性を向上できる。
【0019】
そして、上記の排気ガス浄化システムにおいて、排気ガス温度が、所定の判定温度を超える場合には、前記還元剤排気管内供給装置により還元剤を排気通路に供給し、排気ガス温度が、前記所定の判定温度以下である場合には、前記還元剤筒内噴射装置により還元剤を筒内に供給するように構成される。
【0020】
この排気ガス温度に対する所定の判定温度には、排気ガス温度がこの所定の判定温度を超えている場合には、選択接触還元触媒が活性温度を超え、排気ガス温度がこの所定の判定温度以下の場合には、選択接触還元触媒が活性温度以下となる温度が選ばれる。
【0021】
また、上記の排気ガス浄化システムにおいては、還元剤としては、アンモニア前駆物質である尿素水溶液やカルバミン酸アンモニウム等を用いることもできるが、還元剤が尿素水溶液である場合には取り扱いが容易となるので、尿素水溶液を用いることが好ましい。
【0022】
また、上記の目的を達成するための本発明に係る排気ガス浄化方法は、内燃機関の排気通路に窒素酸化物を浄化する選択接触還元触媒を備えると共に、該選択接触還元触媒の上流側に配置され、排気通路に尿素水溶液を供給する還元剤排気管内供給装置と、内燃機関の筒内に尿素水溶液を供給する還元剤筒内噴射装置を備えて、排気ガス中の窒素酸化物を浄化する排気ガス浄化システムにおいて、前記選択接触還元触媒の温度が尿素の加水分解の活性温度を超える場合には、前記還元剤排気管内供給装置により尿素水溶液を排気通路に供給し、前記選択接触還元触媒の温度が尿素の加水分解の活性温度以下である場合には、前記還元剤筒内噴射装置により尿素水溶液を筒内に供給し、前記還元剤筒内噴射装置より供給された尿素水溶液を、内燃機関の筒内の燃焼熱により、アンモニアに加水分解し、該アンモニアにより、前記選択接触還元触媒で窒素酸化物を浄化する方法として構成される。
【0023】
この方法により、比較的取り扱いが容易な尿素を用いながら、選択接触還元触媒の温度によって、筒内尿素噴射と排気管尿素噴射を使い分けて、低温時には、筒内の燃焼熱を利用してアンモニアを選択接触還元触媒に供給することができるので、低温域におけるNOx浄化の活性低下を補うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法によれば、排気管尿素噴射に加えて、エンジンの筒内への筒内尿素噴射を併用することにより、比較的取り扱いが容易な尿素を用いながら、アンモニア添加の場合の選択接触還元触媒効果も奏することができ、尿素添加の場合の選択接触還元触媒効果の低温における活性低下を補うことができ、選択接触還元触媒を使用した排気ガス浄化システムの低温活性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、図面を参照して本発明に係る排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法の実施の形態について説明する。
【0026】
図1に、この排気ガス浄化システム10の構成を示す。この排気ガス浄化システム10では、エンジン(内燃機関)1の排気通路4に、窒素酸化物(NOx)を浄化する選択接触還元触媒(SCR触媒)16を備える。この選択接触還元触媒16は、貴金属(白金等)や遷移金属(銅、コバルト、バナジウム等)を、ゼオライト、シリカ/アルミナ、アルミナ、シリカ、チタニア等の担体に担持して形成される。
【0027】
また、それと共に、この選択接触還元触媒16の上流側に還元剤排気管内供給装置14と、エンジン1の筒内(シリンダ内)2に還元剤を供給する還元剤筒内噴射装置15を設けて構成される。
【0028】
そして、還元剤としての尿素水溶液を、還元剤排気管内供給装置14と還元剤筒内噴射装置15に供給するために、尿素水タンク11と尿素水ポンプ12と尿素水コモンレール13を設ける。また、排気通路4の選択接触還元触媒16の上流側に排気ガス温度センサ17を設ける。
【0029】
更に、燃料噴射弁3の制御等を含むエンジン1の制御と共に、還元剤噴射制御を行う制御装置(エンジンコントロールユニット:ECU)18が設けられており、排気ガス温度センサ17からの入力を基に、還元剤排気管内供給装置14と還元剤筒内噴射装置15を制御して、尿素水の供給を制御する。
【0030】
そして、この構成の排気ガス浄化システム10において、排気ガス浄化方法は、図2に例示するような制御フローに従って行われる。
【0031】
エンジン1の運転が開始され、排気ガスの浄化が始まると、図2の制御フローも開始され、ステップS11で排気ガス温度センサ17により排気ガス温度Tgの検出が行われる。そして、次のステップS12で、排気ガス温度Tgが所定の判定温度Tg0と比較される。
【0032】
この排気ガス温度Tgに対する所定の判定温度Tg0には、排気ガス温度Tgがこの所定の判定温度Tg0を超えている場合には、選択接触還元触媒16の触媒温度Tcが加水分解のための活性温度Tc0を超え、また、排気ガス温度Tgがこの所定の判定温度Tg0以下の場合には、選択接触還元触媒16の触媒温度Tcが加水分解のための活性温度Tc0以下となる温度が選ばれる。この温度は、例えば、燃焼室出口の排気ガス温度で、350℃程度、選択接触還元触媒16の入口の排気ガス温度Tgや触媒温度Tcで250℃〜300℃である。
【0033】
このステップS12の比較で、排気ガス温度Tgが所定の判定温度Tg0以下の場合には、ステップS13で、筒内尿素噴射制御を行って、還元剤筒内噴射装置15より筒内2に尿素水溶液を供給すると共に、排気管尿素噴射制御を中止して、還元剤排気管内供給装置14からの排気通路4内への尿素水溶液の供給を停止する。これを所定の時間の間、即ち、排気ガス温度Tgをチェックするインターバルの間行い、ステップS11に戻る。
【0034】
この排気ガス温度Tgが低く、NOx浄化活性が低くなるエンジン1の低負荷運転領域の極微小噴射量では、尿素を主燃焼前の圧縮始め行程でエンジン1の筒内2に噴射し、主燃焼の燃焼熱を利用して尿素加水分解反応を行わせてアンモニアを生成する。噴射量が多くなるに従い燃焼温度が高くなり、アンモニアが窒素酸化物になってしまうので、筒内2の温度が比較的低い温度のときに噴射する。
【0035】
より具体的には、低負荷運転領域でもある程度の噴射量がある場合には、メイン噴射終了後から、ATDC90°位までの範囲で尿素噴射を行う。吸熱反応であるので、ある程度の温度が必要であり、また、ADTC90°をすぎると、噴射した尿素水溶液がシリンダ内面に付着し、この尿素水溶液がエンジンオイルの希釈や錆の発生の原因となるためである。また、燃焼温度や排気ガスの温度により噴射時期を決定し、温度が高いとき程、遅い方にずらす。
【0036】
そして、この筒内2で発生したアンモニアが選択接触還元触媒16に供給される。そのため、前段尿素加水分解反応が不要となり、低温でもNOxを還元できるようになる。なお、直接、筒内2に尿素水溶液を噴射する代わりに、吸気行程中に、吸気通路(吸気管)5に尿素を噴射して筒内2に尿素を供給してもよい。
【0037】
また、ステップS12の比較で、排気ガス温度Tgが所定の判定温度Tg0を超えている場合には、ステップS14で、排気管尿素噴射制御を行って、還元剤排気管内供給装置14より排気通路4内に尿素水溶液を供給すると共に、筒内尿素噴射制御を中止して、還元剤筒内噴射装置15からの筒内2への尿素水溶液の供給を停止する。これを所定の時間の間、即ち、排気ガス温度Tgをチェックするインターバルの間行い、ステップS11に戻る。
【0038】
この排気ガス温度Tgが高く、NOx浄化活性が高くなるエンジン1の中・高負荷運転領域では、選択接触還元触媒16で尿素を加水分解できるので、排気通路4に供給された尿素を前段尿素加水分解反応によりアンモニアに変えて、NOxを浄化することができる。また、高温度域において筒内尿素水噴射を中止することにより、筒内において、尿素が高温のために反応が進行してNOxになってしまうのを防止することができる。
【0039】
そして、これらの各ステップの繰り返しが、エンジン1の運転が停止されるまで行われる。エンジンキーがオフされると、ステップS20の割り込みが生じ、ステップS21で筒内尿素噴射制御の停止と排気管尿素噴射制御の停止等の終了作業を行ってから、この制御フローをストップする。
【0040】
この制御により、排気ガス温度Tgが、所定の判定温度Tcを超える場合には、還元剤排気管内供給装置14により還元剤である尿素水溶液を排気通路4に供給し、排気ガス温度Tgが、所定の判定温度Tc以下である場合には、還元剤筒内噴射装置15により尿素水溶液を筒内2に供給することができる。
【0041】
上記の構成の排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法によれば、排気通路4内への尿素水噴射に加えて、エンジン1の筒内2への尿素水噴射を併用することができるようになるので、筒内2の燃焼熱を利用して尿素を加水分解して、アンモニアを生成することができる。そのため、比較的取り扱いが容易な尿素を用いながら、アンモニア添加の場合の選択接触還元触媒効果も奏することができるようになる。
【0042】
従って、尿素添加の場合の選択接触還元触媒効果の低温における活性低下を補うことができ、選択接触還元触媒16を使用した排気ガス浄化システム10のNOxの浄化に対する低温活性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る実施の形態の排気ガス浄化システムの構成を示す図である。
【図2】本発明に係る実施の形態の排気ガス浄化方法の制御の例を示す図である。
【図3】尿素添加とアンモニア添加の場合の選択接触還元触媒のNOx浄化率と触媒温度との関係を示す図である。
【図4】従来技術の排気ガス浄化システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 エンジン(内燃機関)
2 筒内(シリンダ内)
3 燃焼噴射弁
4 排気通路(排気管)
10 排気ガス浄化システム
11 尿素水タンク
12 尿素水ポンプ
13 尿素水コモンレール
14 還元剤排気管内供給装置
15 還元剤筒内噴射装置
16 選択接触還元触媒(SCR触媒)
17 排気ガス温度センサ
18 制御装置(ECU)
Tg 排気ガス温度
Tg0 所定の判定温度
Tc 触媒温度
Tc0 加水分解のための活性温度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気通路に窒素酸化物を浄化する選択接触還元触媒を備えて、排気ガス中の窒素酸化物を浄化する排気ガス浄化システムにおいて、前記選択接触還元触媒の上流側に排気通路に還元剤を供給する還元剤排気管内供給装置を備えると共に、内燃機関の筒内に還元剤を供給する還元剤筒内噴射装置を設けたことを特徴とする排気ガス浄化システム。
【請求項2】
排気ガス温度が、所定の判定温度を超える場合には、前記還元剤排気管内供給装置により還元剤を排気通路に供給し、排気ガス温度が、前記所定の判定温度以下である場合には、前記還元剤筒内噴射装置により還元剤を筒内に供給することを特徴とする請求項1記載の排気ガス浄化システム。
【請求項3】
前記還元剤が、尿素水溶液であることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化システム。
【請求項4】
内燃機関の排気通路に窒素酸化物を浄化する選択接触還元触媒を備えると共に、該選択接触還元触媒の上流側に配置され、排気通路に尿素水溶液を供給する還元剤排気管内供給装置と、内燃機関の筒内に尿素水溶液を供給する還元剤筒内噴射装置を備えて、排気ガス中の窒素酸化物を浄化する排気ガス浄化システムにおいて、前記選択接触還元触媒の温度が尿素の加水分解の活性温度を超える場合には、前記還元剤排気管内供給装置により尿素水溶液を排気通路に供給し、前記選択接触還元触媒の温度が尿素の加水分解の活性温度以下である場合には、前記還元剤筒内噴射装置により尿素水溶液を筒内に供給し、前記還元剤筒内噴射装置より供給された尿素水溶液を、内燃機関の筒内の燃焼熱により、アンモニアに加水分解し、該アンモニアにより、前記選択接触還元触媒で窒素酸化物を浄化することを特徴とする排気ガス浄化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−29147(P2006−29147A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−206425(P2004−206425)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】