接着剤供給装置及び接着剤供給方法
【課題】接着剤の流動防止のための線幅を細く維持しつつ、均一で高い貼り合わせ厚を確保できる接着剤供給装置及び接着剤供給方法を提供する。
【解決手段】貼り合わせ対象となるワークS1に対して、接着剤R1を線状に複数回、重ねて供給する供給部10と、供給部10が接着剤R1を供給する毎に、接着剤R1の硬化を進行させる処理を行うことにより、土手部Bを形成する硬化処理部11と、を有する。供給部10が、土手部B内に接着剤R2を充填し、貼合部において、他方のワークを貼り合わせる。
【解決手段】貼り合わせ対象となるワークS1に対して、接着剤R1を線状に複数回、重ねて供給する供給部10と、供給部10が接着剤R1を供給する毎に、接着剤R1の硬化を進行させる処理を行うことにより、土手部Bを形成する硬化処理部11と、を有する。供給部10が、土手部B内に接着剤R2を充填し、貼合部において、他方のワークを貼り合わせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、一対のワークを貼り合わせるために、ワークに接着剤を供給する技術に改良を施した接着剤供給装置及び接着剤供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶ディスプレイは、液晶モジュール、操作用のタッチパネル、表面を保護する保護パネル(カバーパネル)等を積層することにより構成されている。これらの液晶モジュール、タッチパネル、保護パネル等(以下、ワークと呼ぶ)は、液晶ディスプレイの筐体に組み込まれる。
【0003】
このようなワーク同士を貼り合わせるためには、接着シートを用いる方法と樹脂の接着剤を用いる方法がある。接着シートは、接着剤に比べて比較的高価であり、剥離紙の剥離等の工程が必要となる。このため、近年のコスト削減の要求などから、接着剤を用いた貼り合わせが主流となってきている。
【0004】
また、積層される各ワークの間に空気の層が入ると、外光反射により、液晶の表示面の視認性が低下する。これに対処するため、各ワークを貼り合せる際に、接着剤によって各ワークの間(ギャップ)を埋めることにより、接着層を形成することが行われている。
【0005】
かかる接着層は、各ワークの間のスペーサとして、ワークを保護する機能を有する。また、液晶ディスプレイの大型化などから、ワークも大面積となり、変形が生じやすい。このため、変形を吸収してワークを保護するために、接着層に要求される厚みが増える傾向にある。たとえば、数100μm厚が要求されるようになってきている。
【0006】
かかる厚みを確保すると、必要な接着剤の量が増える。すると、ワークに供給された接着剤が流動して、ワークからはみ出しやすくなる。そこで、流動の少ない高粘度の樹脂(レジン)を用いる方法が考えられる。しかし、かかる場合にも、接着剤の塗布位置等、プロセス条件調整を厳密に行わないと、貼り合わせ時に、接着剤が所定の領域からはみ出してしまう場合がある。
【0007】
これに対処するため、あらかじめ、塗布領域を規定する外周に、高粘度の樹脂、仮硬化樹脂等によってシール(以下、土手部とする)を形成するシール方式がある(特許文献1参照)。たとえば、図12に示すように、ワークS1に、樹脂による接着剤R1を枠状に塗布して仮硬化させることにより、土手部を形成する。その後、土手部の内側に樹脂による接着剤R2を充填して、ワークS2を貼り合わせる。このシール方式では、外周に土手部があるので、この土手部によって、貼り合わせ時の接着剤の流動によるはみ出しを防止できる。
【0008】
なお、光学的乱反射をなくすために、ワーク間に、ワークに屈折率が近い物質(機能材料)で充填する場合もある。この場合、充填物質は、ワークを接着する機能も担っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−66711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上記のシール方式によって形成した土手部と、内部に充填した接着剤等の充填物質との間には、境界が残る場合がある。たとえば、タッチパネル付きの液晶ディスプレイにおいて、ユーザの視野範囲内に、先に硬化した土手部と、内部の接着剤との境界が入ると、画面の視認性が阻害される。このため、図12に示すように、接着剤R1は、最終製品におけるユーザの視野範囲Wの外にあることが好ましい。
【0011】
この視野範囲については、画面の大型化の要請から、広い面積を確保することが望まれる。これに対して、装置全体には小型化が要請されている。このため、ワークにおける視野範囲以外に、充填領域を画する土手部用の接着剤を塗布するスペースを十分に確保することは困難となっている。たとえば、表面の保護パネルについては、ユーザの視野範囲は広くなるのに対して、その周囲の化粧枠の領域は狭められる傾向にある。このため、土手部のための塗布部分の幅は、可能な限り細くする必要がある。目安としては、1mm以下の細線化が望まれる。
【0012】
一方、上記のように、接着層の厚みを確保するという観点からは、土手部を高くする必要がある。たとえば、貼り合わせ時のワークの圧力による土手部の圧縮を考えると、土手部形成時には、最終的な接着層以上の高さが必要となる。
【0013】
しかし、一般的に、塗布幅を細くするためには、塗布量を少なくしなければならず、充填空間として十分な高さを確保し難い。塗布量を多くすれば、塗布厚を高くすることはできるが、塗布線幅も広くなってしまうからである。ここで、土手部の塗布線高さと塗布線幅は、大きくは塗布量と粘度に支配される。
【0014】
たとえば、図13は、塗布ノズルの径や掃引速度を一定条件として、土手部を塗布した場合で、土手部の塗布量(X軸)と土手部の塗布線高さ(Y軸)との関係(いずれも無次元)を示した一例である。また、図14は、同様に、土手部の塗布量(X軸)と土手部の塗布線幅(Y軸)との関係を示した一例である。
【0015】
これらの実験結果に示すように、塗布量が多くなるにしたがって、塗布線高さは高くなるが、塗布線幅も広くなる。これは、塗布後のレベリング(平滑化、平坦化)により、塗布線幅が拡大するため、塗布量が多くなれば、それだけレベリングが大きくなることによる。
【0016】
このため、貼り合わせ厚が決まった時点で、必要な塗布量が決まり、これにより、塗布線幅の値も決まってしまう。したがって、要求される細線化が可能となる貼り合わせ厚には、限界が存在する。
【0017】
また、レベリングの状態は粘度によっても影響される。粘度が高い場合は、レベリングし難いので、同じ塗布量であっても、図13に示す高さよりも高くなり、図14に示す幅より狭くすることができる。これとは逆に、粘度が低い場合は、レベリングし易いので、同じ塗布量であっても高さは低くなり、幅は広がる。したがって、塗布量を増やさずに、細線高さを高く、幅を細くするには、接着剤の粘度を高くすることが有効ではある。しかし、粘度を高くすると、塗布ノズルから吐き出し難くなるなど、供給量の均一性が保ち難く、供給時の制御性が低下する。
【0018】
特許文献1のように、紫外線硬化型の接着剤の塗布によって土手部を形成し、その後、紫外線照射により硬化させたとしても、レベリングは、接着剤がワークに接した瞬間から起こるため、塗布量が多いと、レベリングの影響を皆無にすることはできず、細線化には限定された効果しか望めない。
【0019】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、接着剤の流動防止のための線幅を細く維持しつつ、均一で高い貼り合わせ厚を確保できる接着剤供給装置及び接着剤供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の目的を達成するため、本発明は、貼り合わせ対象となるワークに対して、接着剤を供給する接着剤供給装置において、ワークに対して、接着剤を線状に複数回重ねて供給する供給部と、1回目に供給された接着剤に硬化を進行させる処理を行い、その後、重ねて供給された接着剤に接着剤の硬化を進行させる処理を行うことにより、土手部を形成する硬化処理部と、を有することを特徴とする。
【0021】
他の態様は、1回目に供給された接着剤に重ねて接着剤を供給する毎に、硬化を進行させる処理を行うことを特徴とする。
他の態様は、1回目に供給された接着剤に重ねて複数回供給した接着剤に、硬化を進行させる処理を行うことを特徴とする。
【0022】
以上のような発明では、接着剤を複数回、重ねて供給する間に、硬化を進行させる処理を行うので、レベリングを抑制して細線化を実現しつつ、重ね合わせにより土手部を高く形成できるので、高い貼り合わせ厚を確保できる。
【0023】
他の態様は、前記硬化処理部により硬化を進行させる処理を行う場合には、前記供給部による接着剤の供給とともに行われるように、前記供給部及び前記硬化処理部とが、一体的に移動可能に構成されていることを特徴とする。
以上のような態様では、接着剤の供給とともに硬化を進行させる処理を行うので、効率良く土手部を形成できる。
【0024】
他の態様は、前記接着剤は、電磁波の照射により硬化する樹脂であり、前記硬化部は、電磁波を照射する照射装置を有することを特徴とする。
以上のような態様では、接着剤の供給を重ねる毎に、電磁波が照射されるので、下層の硬化を進行させて細線を確保しつつ、上層のクッション性を維持できる。
【0025】
なお、上記の各態様は、接着剤供給方法の発明としても捉えることができる。
【発明の効果】
【0026】
以上、説明したように、本発明によれば、流動防止のための線幅を細く維持しつつ、均一で高い貼り合わせ厚を確保可能な接着剤供給装置及び接着剤供給方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態における1回目の接着剤供給及び紫外線照射(A)(B)、2回目の接着剤供給及び紫外線照射(C)(D)、接着剤の充填(E)(F)を示す説明図である。
【図2】図1の実施形態における貼合部を示す説明図である。
【図3】図1の実施形態における複数回の接着剤供給を示す説明図である。
【図4】硬化させずにワークを貼り合わせた場合の接着剤の変形例を示す説明図である。
【図5】本実施形態におけるワークを貼り合わせた場合の接着剤の変形例を示す説明図である。
【図6】本実施形態における塗布回数に応じた塗布線高さを示す説明図である。
【図7】供給部及び硬化処理部の走査例を示す説明図である。
【図8】供給部及び硬化処理部の走査例を示す説明図である。
【図9】供給部と硬化処理部の配置例を示す説明図である。
【図10】接着剤の全体に照射する硬化処理の一例を示す説明図である。
【図11】特定の領域を回避して土手部を形成した例を示す平面図である。
【図12】シール方式の貼り合わせ例を示す説明図である。
【図13】塗布量に応じた土手部の塗布線高さの例を示す説明図である。
【図14】塗布量に応じた土手部の塗布線幅の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施の形態(以下、実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。
[A.構成]
まず、本実施形態の接着剤供給装置(以下、本装置と呼ぶ)の構成を説明する。本装置は、図1及び図2に示すように、土手形成部1、貼合部2等を有している。貼り合わせの対象となるワークS1は、これらの土手形成部1及び貼合部2との間を、搬送部3によって移動可能に設けられている。
【0029】
本実施形態で用いる接着剤としては、たとえば、紫外線(UV)硬化樹脂を用いることが考えられる。なお、図1において、Bは接着剤を供給する領域を規定する土手部(シール部)であり、Fは土手部B内に接着剤を充填した充填部である。また、土手部Bを形成するための接着剤はR1、充填部Fを形成するための接着剤はR2とする。
【0030】
土手形成部1は、供給部10、硬化処理部11等を有している。供給部10は、たとえば、図示しないタンクに収容された接着剤R1、R2を、配管を介してワークS1に滴下するディスペンサを備えている。硬化処理部11は、たとえば、図示しないUV光源からのUV光を、光ファイバを介して接着剤R1に照射する照射部を備えている。なお、照射部自体を光源としてもよい。
【0031】
この照射部は、接着剤R1の幅全体に対して、UV光を照射する。この場合、放射光であってもよいが、スポット的若しくは狭い範囲に集光させる光学部材(集中部材)を備えてもよい。この光学部材としては、たとえば、集光レンズ、スリット、細線光ファイバ、導光板(たとえば、薄い矩形等に成型されたガラスやプラスチック)、反射ミラー、凹面鏡等が適用可能である。照射口径や照射幅は、かかる光学部材によっても調整可能である。照射強度は、光源の強度調整による他、かかる光学部材によっても調整可能である。
【0032】
本実施形態においては、この供給部10及び硬化処理部11は、一対で1つのユニットを構成している。たとえば、ディスペンサを走査する走査装置(図示せず)によって一体的に移動可能に構成されている。なお、照射部による照射口径、照射幅、照射強度等は、走査装置による硬化処理部11の昇降によっても調整可能である。硬化処理部11のみを独立に昇降させる昇降機構を設けて、かかる調整を行ってもよい。
【0033】
さらに、接着剤の供給に、UV照射が追従するように、ディスペンサと照射部の角度が、進行する方向に沿って変更可能に構成されている。なお、ディスペンサと照射部との間には、たとえば、散乱光がディスペンサのノズルに当たって接着剤が硬化するのを防止するために、遮光部材、遮光機構を設けることが望ましい。
【0034】
貼合部2は、図2に示すように、ワークS1の土手部B及び充填部Fに対して、ワークS2を貼り合わせる貼合装置20を有している。貼合装置20は、たとえば、真空チャンバ21、押圧装置22等を有している。
【0035】
真空チャンバ21は、貼り合わされるワークS1、S2の周囲を覆い、搬送部3との間を密閉することにより、真空室を構成するチャンバである。真空チャンバ21には、真空源(減圧装置)である減圧ポンプ(図示せず)が、配管を介して接続されている。また、真空チャンバ21は、図示しない昇降機構によって、昇降可能に設けられている。
【0036】
押圧装置22は、ワークS2を押圧することにより、ワークS1に対してワークS2を貼り付ける装置である。この押圧装置22は、たとえば、ワークS2を保持する保持部、保持部を昇降させる昇降機構などにより構成されている。
【0037】
搬送部3は、ワークS1を、土手形成部1から貼合部2へと搬送する搬送装置30を有している。搬送装置30としては、たとえば、ターンテーブル、コンベア等及びその駆動機構が考えられる。ただし、上記各部の間でワークを搬送可能な装置であれば、どのような装置であってもよい。この搬送装置30は、載置部31に載置した状態で、ワークS1を搬送する。
【0038】
[B.作用]
以上のような構成を有する本実施形態の作用を、図1〜6を参照して説明する。
【0039】
まず、図1に示すように、搬送装置30は、前工程から載置部31に載置されたワークS1を、土手形成部1に搬送する。土手形成部1においては、図1(A)及び(B)に示すように、供給部10が、ワークS1に対して接着剤R1を供給する。
【0040】
たとえば、ディスペンサのノズルからワークS1に接着剤R1を滴下する。このディスペンサを、走査装置によって走査することによって、ワークS1の縁に沿って、接着剤R1を線状に供給する。たとえば、方形の枠状に接着剤R1を滴下塗布していく。
【0041】
これと同時に、供給部10とともに移動する硬化処理部11の照射部によって、UV光を接着剤R1に照射していく。UVの照射条件は、塗布と同じスピードで適度な仮硬化(半硬化)状態が得られる強度に設定することが考えられる。これは、使用する接着剤の種類によって異なる。
【0042】
また、接着剤の種類によっては、大気中等、酸素が存在する雰囲気下では、酸素阻害により硬化の進行が遅くなるため、半硬化となりやすい場合がある。ただし、硬化の程度は自由であり、外縁を本硬化させてもよい。酸素阻害を防ぎたい場合には、排気装置若しくは不活性ガス供給装置を設け、これにより酸素を排除すれば、本硬化となりやすい。なお、本発明では、使用する接着剤の種類は限定されず、酸素阻害を受けるものでも、受けないものでも使用可能である。
【0043】
これにより、線状に塗布された接着剤R1がある程度硬化するので、レベリングが抑制される。そして、接着剤R1の始端と終端が一致して閉じることにより、1段目の枠部(塗布線部)が形成される。
【0044】
次に、図1(C)及び(D)に示すように、供給部10が、1段目の枠部の上に、重ねて接着剤R1を供給する。これと同時に、照射部によって、UV光を接着剤R1に照射していく。これにより、重ねて供給された接着剤R1が、ある程度硬化する。さらに、1段目の枠部は、再度UV光の照射を受けるため、硬化が進んで硬くなる。
【0045】
このように接着剤R1を塗布し、始端と終端が一致して閉じることにより、2段目の枠部(塗布線部)が形成される。このように2回の塗布による2段の枠部によって、土手部Bが構成される。なお、2回目の塗布による上層の枠部は、UV光を1回しか浴びていないため、硬化が弱く、クッション性が維持されている。
【0046】
そして、図1(E)及び(F)に示すように、供給部10が、ワークS1の土手部Bの内部に対して、接着剤R2を供給する。たとえば、ディスペンサのノズルから接着剤R2を滴下しながら、走査装置によって走査することによって、土手部B内に、接着剤R2を充填する。これにより、土手部B内が充填部Fとなる。
【0047】
その後、搬送装置30は、土手部Bと充填部Fが形成されたワークS1を、貼合部2に搬送する。貼合部2においては、図2(A)に示すように、押圧装置22にワークS2を保持した真空チャンバ21が下降して、ワークS1、S2の周囲が密閉される。そして、減圧ポンプが作動することにより、真空チャンバ21内の減圧(排気)が開始する。
【0048】
真空引き完了後は、押圧装置22が下降することにより、ワークS1に対して、ワークS2が押し付けられる(図2(B))。このとき、2回目の塗布による上層の枠部は、上記のようにクッション性が維持されている。このため、上層の枠部によって、貼り合わせ時の歪み等は吸収される。また、1回目の塗布による下層の枠部は、上記のように硬化が進んでいる。このため、下層の枠部が、厚みを維持するスペーサの役目を果たして、潰れによる広がりを抑制できる。これにより、貼り合わせ厚の均一性を実現できる。
【0049】
たとえば、塗布毎のUV照射がない場合、図3(A)に示すように、上下の枠部の粘度はほぼ同様となっており、レベリングが進行する。そして、貼り合わせ時には、図3(B)に示すように、硬化が弱いため、潰れる量、広がる面積が大きくなってしまう。
【0050】
一方、本実施形態のように、塗布毎のUV照射を行った場合、図4(A)に示すように、下層の枠部の硬化が進んでいるので、レベリングは進行しない。そして、貼り合わせ時には、図4(B)に示すように、下層の枠部がスペーサ代わりになって潰れや面積の広がりを抑制し、上層の枠がクッションとなって歪みを吸収する。
【0051】
その後、排気路の開放等により真空破壊が行われ、真空チャンバ21が上昇することにより、貼り合わされたワークS1、S2は大気開放される。さらに、搬送装置30が、ワークS1、S2を貼合部2から次工程へと搬出する。たとえば、搬送装置30は、ワークS1、S2を、電磁波の照射により接着剤R1、R2を硬化させる硬化部へと移動させる。
【0052】
[C.効果]
以上のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。すなわち、高い土手部Bを形成して高い貼り合わせ厚を確保できるとともに、狭い塗布幅を維持できるので、狭い塗布スペースであっても、ユーザの視野範囲を阻害せずに接着層を形成できる。
【0053】
また、土手部Bによって、充填部Fの供給領域を規定できるので、貼り合わせ時の接着剤R1、R2のはみ出しが防止される。接着剤R1の供給と同時にUV照射を行うので、効率良く土手部Bを形成することができる。層を重ねる毎にUV照射を行うので、下層の硬化を進行させつつ、上層のクッション性を維持できる。
【0054】
[D.他の実施形態]
本発明は、上記のような実施形態に限定されるものではない。たとえば、接着剤の供給(塗布、滴下等)の回数(形成する層数、枠数等)は、上記の2回には限定されない。例えば、図5に示すように、3回の供給によって土手部を形成してもよい。さらに、4回以上の供給によって土手部を形成してもよい。本発明では、たとえば、図5の形成態様及び図6の実験結果に示すように、塗布回数を重ねても、塗布幅の広がりをほとんどなくして細線を維持しつつ、高さを確保できる。
【0055】
供給部及び硬化処理部の数は、装置の構造及び規模、所望のタクト、コスト等に応じて、最適な数を選択して設計すればよい。また、走査方法等は、自由である。たとえば、図7に示すように、2つの塗布ユニットが、ワークS1の直交する2辺と平行に直交移動することにより、塗布を行ってもよい。この場合、コーナーで角度を変える際に、供給部10と硬化処理部11が、軸を中心に回動することにより、塗布に硬化処理が追従するようにする必要がある。
【0056】
また、たとえば、図8に示すように、4つの塗布ユニットが、ワークのそれぞれの辺と平行に直進若しくは往復することにより、塗布を行ってもよい。これにより、供給部10と硬化処理部11との位置関係を維持するために、コーナーで角度変更する必要がなくなる。なお、各塗布ユニットの動作タイミングは、タクト短縮のために、互いに干渉することが無いように設定する。その他、複数の供給部と硬化処理部を組み合わせたユニットを構成することも可能である。多連のディスペンサや照射装置を用いることもできる。
【0057】
また、たとえば、図9(A)に示すように、搬送装置30の各ポジションに、複数の供給部10、硬化処理部11を交互に配置して、搬送装置30によってワークS1を移動させながら、接着剤の供給、硬化処理を複数回行うようにしてもよい。また、たとえば、図9(B)に示すように、ワークS1を、搬送装置30によって供給部10及び硬化処理部11の間で往復移動させながら、接着剤の供給、硬化処理を複数回行うようにしてもよい。
【0058】
さらに、土手部内への接着剤の供給は、供給部とは別に設けた供給部(充填材供給部)によって行ってもよい。たとえば、土手部を形成するための接着剤と、内部の接着剤との種類を変える若しくは同種でも添加剤等により特性を変える場合等には、供給部を別々とすることが考えられる。この場合、土手部の接着剤は粘度を高く、内部の接着剤は粘度を低くすること、あるいは両者の硬化速度が異なるものを用いること等が考えられる。充填時の供給部の走査方向は、上下、前後左右、回転等、自由に設計可能である。この場合も、多連のディスペンサを用いて効率良く充填させてもよい。その他、ローラによって塗布する装置、スキージによって塗布する装置、スピン塗布する装置等、種々の装置が適用可能である。なお、充填材としては、土手部と同様若しくは異なる接着剤が適用可能であるが、必ずしも接着剤には限定されず、他の機能材料であってもよい。
【0059】
硬化処理部による硬化処理は、上記の例のように、接着剤の1回の供給ごとに行ってもよい。ただし、最初の1回の供給について硬化処理を行った後は、複数回に1回、硬化処理を行うように設定してもよい。使用する接着剤の種類は、紫外線硬化樹脂には限定されない。他の電磁波により硬化する樹脂や熱硬化型樹脂等、あらゆる種類の接着剤が適用できる。この場合、接着剤の種類に応じて、硬化処理部は、電磁波の照射装置、温度変更装置(加熱、冷却)、送風装置(加熱、冷却、乾燥)等、種々のものを適用することが考えられる。
【0060】
集中部としては、たとえば、赤外線による加熱により硬化する接着剤の場合、凹面鏡をはじめとする反射器等の光学部材が有効である。温風若しくは冷風を用いる場合には、集中部としてはノズル等が考えられる。マイクロ波を用いる場合には、磁気レンズ等も有効である。紫外線や赤外線の場合、レーザ光により、細い領域への照射を実現することもできる。
【0061】
また、硬化処理部による硬化処理は、接着剤の供給に追従させる必要はない。接着剤を供給後に、広範に硬化処理を行うようにすることも可能である。たとえば、図10に示すように、接着剤Rを1回塗布した後に、さらに、その後の塗布毎に若しくは複数回塗布した後に、上方に配置した電磁波の照射装置(硬化処理部11)から、全体に電磁波を照射することも可能である。温度変更装置や送風装置等の場合も、同様に塗布後の接着剤全体に対して硬化処理を行うことが可能である。
【0062】
土手部を構成する線は、その形状を問わない。方形、円形、楕円形、その他の多角形、曲線円形であってもよい。たとえば、図11に示すように、ワークS1に、接着剤を塗布すべきでない領域Zが存在する場合に、これを回避するように、土手部Bを形成することも可能である。土手部は、少なくとも一方向への接着剤の流動を抑制できればよい。このため、充填部を規定する線は、必ずしも閉じた領域を構成していなくてもよい。直線状、屈曲線状、曲線状であってもよい。したがって、充填材、充填部といっても、供給箇所の周囲が囲まれている必要はない。
【0063】
また、接着剤の供給により土手部を形成する箇所は、接着剤の供給領域の外周を規定する線には限らない。たとえば、円形のディスクの内周円上のように、供給領域の内周を規定する線であってもよい。
【0064】
また、貼合部、搬送部についても、現在又は将来において利用可能なあらゆる方法、装置が適用可能である。たとえば、貼合部について、ワークを保持する構造も、たとえば、メカチャック、静電チャック、真空チャック等、どのような構造であってもよい。真空貼り合わせを行う空間も、下側の部材が昇降して密閉、開放を行う構造でも、ワークの通路のみが開閉する構造でもよい。さらに、必ずしも真空貼合装置でなくてもよく、大気中で貼り合わせを行う装置でもよい。
【0065】
搬送装置も、たとえば、ターンテーブル、コンベア、送り機構等、どのような構造であってもよい。載置部は、たとえば、サセプタ等が考えられるが、ワークを支持できる支持体として機能するものであれば、どのような材質、形状であってもよい。水平方向に支持するものには限らない。ワークの搬送方法も、載置部に載置される場合には限定されない。移動する台上に直接載置されていてもよい。
【0066】
さらに、上記の作業の一部を手動により行う方法も考えられる。たとえば、土手部内への接着剤の供給等を、塗布、滴下等のための用具を用いて、作業者が行うこともできる。ワークの移動についても、作業者が手作業で行ってもよい。
【0067】
また、貼り合せ対象となるワークは、カバーパネルやタッチパネルと液晶モジュール若しくは液晶モジュールを構成する表示パネルとバックライト等が、典型例である。しかし、本発明の適用対象となる一対のワークは、一対の貼着対象となり得るものであれば、その大きさ、形状、材質等は問わない。たとえば、表示装置を構成する各種の部材、半導体ウェーハ、光ディスク等にも適用可能である。ワークの一方に接着剤を供給する場合のみならず、双方に供給する場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1…土手形成部
2…貼合部
3…搬送部
10…供給部
11…硬化処理部
20…貼合装置
21…真空チャンバ
22…押圧装置
30…搬送装置
31…載置部
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、一対のワークを貼り合わせるために、ワークに接着剤を供給する技術に改良を施した接着剤供給装置及び接着剤供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶ディスプレイは、液晶モジュール、操作用のタッチパネル、表面を保護する保護パネル(カバーパネル)等を積層することにより構成されている。これらの液晶モジュール、タッチパネル、保護パネル等(以下、ワークと呼ぶ)は、液晶ディスプレイの筐体に組み込まれる。
【0003】
このようなワーク同士を貼り合わせるためには、接着シートを用いる方法と樹脂の接着剤を用いる方法がある。接着シートは、接着剤に比べて比較的高価であり、剥離紙の剥離等の工程が必要となる。このため、近年のコスト削減の要求などから、接着剤を用いた貼り合わせが主流となってきている。
【0004】
また、積層される各ワークの間に空気の層が入ると、外光反射により、液晶の表示面の視認性が低下する。これに対処するため、各ワークを貼り合せる際に、接着剤によって各ワークの間(ギャップ)を埋めることにより、接着層を形成することが行われている。
【0005】
かかる接着層は、各ワークの間のスペーサとして、ワークを保護する機能を有する。また、液晶ディスプレイの大型化などから、ワークも大面積となり、変形が生じやすい。このため、変形を吸収してワークを保護するために、接着層に要求される厚みが増える傾向にある。たとえば、数100μm厚が要求されるようになってきている。
【0006】
かかる厚みを確保すると、必要な接着剤の量が増える。すると、ワークに供給された接着剤が流動して、ワークからはみ出しやすくなる。そこで、流動の少ない高粘度の樹脂(レジン)を用いる方法が考えられる。しかし、かかる場合にも、接着剤の塗布位置等、プロセス条件調整を厳密に行わないと、貼り合わせ時に、接着剤が所定の領域からはみ出してしまう場合がある。
【0007】
これに対処するため、あらかじめ、塗布領域を規定する外周に、高粘度の樹脂、仮硬化樹脂等によってシール(以下、土手部とする)を形成するシール方式がある(特許文献1参照)。たとえば、図12に示すように、ワークS1に、樹脂による接着剤R1を枠状に塗布して仮硬化させることにより、土手部を形成する。その後、土手部の内側に樹脂による接着剤R2を充填して、ワークS2を貼り合わせる。このシール方式では、外周に土手部があるので、この土手部によって、貼り合わせ時の接着剤の流動によるはみ出しを防止できる。
【0008】
なお、光学的乱反射をなくすために、ワーク間に、ワークに屈折率が近い物質(機能材料)で充填する場合もある。この場合、充填物質は、ワークを接着する機能も担っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−66711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上記のシール方式によって形成した土手部と、内部に充填した接着剤等の充填物質との間には、境界が残る場合がある。たとえば、タッチパネル付きの液晶ディスプレイにおいて、ユーザの視野範囲内に、先に硬化した土手部と、内部の接着剤との境界が入ると、画面の視認性が阻害される。このため、図12に示すように、接着剤R1は、最終製品におけるユーザの視野範囲Wの外にあることが好ましい。
【0011】
この視野範囲については、画面の大型化の要請から、広い面積を確保することが望まれる。これに対して、装置全体には小型化が要請されている。このため、ワークにおける視野範囲以外に、充填領域を画する土手部用の接着剤を塗布するスペースを十分に確保することは困難となっている。たとえば、表面の保護パネルについては、ユーザの視野範囲は広くなるのに対して、その周囲の化粧枠の領域は狭められる傾向にある。このため、土手部のための塗布部分の幅は、可能な限り細くする必要がある。目安としては、1mm以下の細線化が望まれる。
【0012】
一方、上記のように、接着層の厚みを確保するという観点からは、土手部を高くする必要がある。たとえば、貼り合わせ時のワークの圧力による土手部の圧縮を考えると、土手部形成時には、最終的な接着層以上の高さが必要となる。
【0013】
しかし、一般的に、塗布幅を細くするためには、塗布量を少なくしなければならず、充填空間として十分な高さを確保し難い。塗布量を多くすれば、塗布厚を高くすることはできるが、塗布線幅も広くなってしまうからである。ここで、土手部の塗布線高さと塗布線幅は、大きくは塗布量と粘度に支配される。
【0014】
たとえば、図13は、塗布ノズルの径や掃引速度を一定条件として、土手部を塗布した場合で、土手部の塗布量(X軸)と土手部の塗布線高さ(Y軸)との関係(いずれも無次元)を示した一例である。また、図14は、同様に、土手部の塗布量(X軸)と土手部の塗布線幅(Y軸)との関係を示した一例である。
【0015】
これらの実験結果に示すように、塗布量が多くなるにしたがって、塗布線高さは高くなるが、塗布線幅も広くなる。これは、塗布後のレベリング(平滑化、平坦化)により、塗布線幅が拡大するため、塗布量が多くなれば、それだけレベリングが大きくなることによる。
【0016】
このため、貼り合わせ厚が決まった時点で、必要な塗布量が決まり、これにより、塗布線幅の値も決まってしまう。したがって、要求される細線化が可能となる貼り合わせ厚には、限界が存在する。
【0017】
また、レベリングの状態は粘度によっても影響される。粘度が高い場合は、レベリングし難いので、同じ塗布量であっても、図13に示す高さよりも高くなり、図14に示す幅より狭くすることができる。これとは逆に、粘度が低い場合は、レベリングし易いので、同じ塗布量であっても高さは低くなり、幅は広がる。したがって、塗布量を増やさずに、細線高さを高く、幅を細くするには、接着剤の粘度を高くすることが有効ではある。しかし、粘度を高くすると、塗布ノズルから吐き出し難くなるなど、供給量の均一性が保ち難く、供給時の制御性が低下する。
【0018】
特許文献1のように、紫外線硬化型の接着剤の塗布によって土手部を形成し、その後、紫外線照射により硬化させたとしても、レベリングは、接着剤がワークに接した瞬間から起こるため、塗布量が多いと、レベリングの影響を皆無にすることはできず、細線化には限定された効果しか望めない。
【0019】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、接着剤の流動防止のための線幅を細く維持しつつ、均一で高い貼り合わせ厚を確保できる接着剤供給装置及び接着剤供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の目的を達成するため、本発明は、貼り合わせ対象となるワークに対して、接着剤を供給する接着剤供給装置において、ワークに対して、接着剤を線状に複数回重ねて供給する供給部と、1回目に供給された接着剤に硬化を進行させる処理を行い、その後、重ねて供給された接着剤に接着剤の硬化を進行させる処理を行うことにより、土手部を形成する硬化処理部と、を有することを特徴とする。
【0021】
他の態様は、1回目に供給された接着剤に重ねて接着剤を供給する毎に、硬化を進行させる処理を行うことを特徴とする。
他の態様は、1回目に供給された接着剤に重ねて複数回供給した接着剤に、硬化を進行させる処理を行うことを特徴とする。
【0022】
以上のような発明では、接着剤を複数回、重ねて供給する間に、硬化を進行させる処理を行うので、レベリングを抑制して細線化を実現しつつ、重ね合わせにより土手部を高く形成できるので、高い貼り合わせ厚を確保できる。
【0023】
他の態様は、前記硬化処理部により硬化を進行させる処理を行う場合には、前記供給部による接着剤の供給とともに行われるように、前記供給部及び前記硬化処理部とが、一体的に移動可能に構成されていることを特徴とする。
以上のような態様では、接着剤の供給とともに硬化を進行させる処理を行うので、効率良く土手部を形成できる。
【0024】
他の態様は、前記接着剤は、電磁波の照射により硬化する樹脂であり、前記硬化部は、電磁波を照射する照射装置を有することを特徴とする。
以上のような態様では、接着剤の供給を重ねる毎に、電磁波が照射されるので、下層の硬化を進行させて細線を確保しつつ、上層のクッション性を維持できる。
【0025】
なお、上記の各態様は、接着剤供給方法の発明としても捉えることができる。
【発明の効果】
【0026】
以上、説明したように、本発明によれば、流動防止のための線幅を細く維持しつつ、均一で高い貼り合わせ厚を確保可能な接着剤供給装置及び接着剤供給方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態における1回目の接着剤供給及び紫外線照射(A)(B)、2回目の接着剤供給及び紫外線照射(C)(D)、接着剤の充填(E)(F)を示す説明図である。
【図2】図1の実施形態における貼合部を示す説明図である。
【図3】図1の実施形態における複数回の接着剤供給を示す説明図である。
【図4】硬化させずにワークを貼り合わせた場合の接着剤の変形例を示す説明図である。
【図5】本実施形態におけるワークを貼り合わせた場合の接着剤の変形例を示す説明図である。
【図6】本実施形態における塗布回数に応じた塗布線高さを示す説明図である。
【図7】供給部及び硬化処理部の走査例を示す説明図である。
【図8】供給部及び硬化処理部の走査例を示す説明図である。
【図9】供給部と硬化処理部の配置例を示す説明図である。
【図10】接着剤の全体に照射する硬化処理の一例を示す説明図である。
【図11】特定の領域を回避して土手部を形成した例を示す平面図である。
【図12】シール方式の貼り合わせ例を示す説明図である。
【図13】塗布量に応じた土手部の塗布線高さの例を示す説明図である。
【図14】塗布量に応じた土手部の塗布線幅の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施の形態(以下、実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。
[A.構成]
まず、本実施形態の接着剤供給装置(以下、本装置と呼ぶ)の構成を説明する。本装置は、図1及び図2に示すように、土手形成部1、貼合部2等を有している。貼り合わせの対象となるワークS1は、これらの土手形成部1及び貼合部2との間を、搬送部3によって移動可能に設けられている。
【0029】
本実施形態で用いる接着剤としては、たとえば、紫外線(UV)硬化樹脂を用いることが考えられる。なお、図1において、Bは接着剤を供給する領域を規定する土手部(シール部)であり、Fは土手部B内に接着剤を充填した充填部である。また、土手部Bを形成するための接着剤はR1、充填部Fを形成するための接着剤はR2とする。
【0030】
土手形成部1は、供給部10、硬化処理部11等を有している。供給部10は、たとえば、図示しないタンクに収容された接着剤R1、R2を、配管を介してワークS1に滴下するディスペンサを備えている。硬化処理部11は、たとえば、図示しないUV光源からのUV光を、光ファイバを介して接着剤R1に照射する照射部を備えている。なお、照射部自体を光源としてもよい。
【0031】
この照射部は、接着剤R1の幅全体に対して、UV光を照射する。この場合、放射光であってもよいが、スポット的若しくは狭い範囲に集光させる光学部材(集中部材)を備えてもよい。この光学部材としては、たとえば、集光レンズ、スリット、細線光ファイバ、導光板(たとえば、薄い矩形等に成型されたガラスやプラスチック)、反射ミラー、凹面鏡等が適用可能である。照射口径や照射幅は、かかる光学部材によっても調整可能である。照射強度は、光源の強度調整による他、かかる光学部材によっても調整可能である。
【0032】
本実施形態においては、この供給部10及び硬化処理部11は、一対で1つのユニットを構成している。たとえば、ディスペンサを走査する走査装置(図示せず)によって一体的に移動可能に構成されている。なお、照射部による照射口径、照射幅、照射強度等は、走査装置による硬化処理部11の昇降によっても調整可能である。硬化処理部11のみを独立に昇降させる昇降機構を設けて、かかる調整を行ってもよい。
【0033】
さらに、接着剤の供給に、UV照射が追従するように、ディスペンサと照射部の角度が、進行する方向に沿って変更可能に構成されている。なお、ディスペンサと照射部との間には、たとえば、散乱光がディスペンサのノズルに当たって接着剤が硬化するのを防止するために、遮光部材、遮光機構を設けることが望ましい。
【0034】
貼合部2は、図2に示すように、ワークS1の土手部B及び充填部Fに対して、ワークS2を貼り合わせる貼合装置20を有している。貼合装置20は、たとえば、真空チャンバ21、押圧装置22等を有している。
【0035】
真空チャンバ21は、貼り合わされるワークS1、S2の周囲を覆い、搬送部3との間を密閉することにより、真空室を構成するチャンバである。真空チャンバ21には、真空源(減圧装置)である減圧ポンプ(図示せず)が、配管を介して接続されている。また、真空チャンバ21は、図示しない昇降機構によって、昇降可能に設けられている。
【0036】
押圧装置22は、ワークS2を押圧することにより、ワークS1に対してワークS2を貼り付ける装置である。この押圧装置22は、たとえば、ワークS2を保持する保持部、保持部を昇降させる昇降機構などにより構成されている。
【0037】
搬送部3は、ワークS1を、土手形成部1から貼合部2へと搬送する搬送装置30を有している。搬送装置30としては、たとえば、ターンテーブル、コンベア等及びその駆動機構が考えられる。ただし、上記各部の間でワークを搬送可能な装置であれば、どのような装置であってもよい。この搬送装置30は、載置部31に載置した状態で、ワークS1を搬送する。
【0038】
[B.作用]
以上のような構成を有する本実施形態の作用を、図1〜6を参照して説明する。
【0039】
まず、図1に示すように、搬送装置30は、前工程から載置部31に載置されたワークS1を、土手形成部1に搬送する。土手形成部1においては、図1(A)及び(B)に示すように、供給部10が、ワークS1に対して接着剤R1を供給する。
【0040】
たとえば、ディスペンサのノズルからワークS1に接着剤R1を滴下する。このディスペンサを、走査装置によって走査することによって、ワークS1の縁に沿って、接着剤R1を線状に供給する。たとえば、方形の枠状に接着剤R1を滴下塗布していく。
【0041】
これと同時に、供給部10とともに移動する硬化処理部11の照射部によって、UV光を接着剤R1に照射していく。UVの照射条件は、塗布と同じスピードで適度な仮硬化(半硬化)状態が得られる強度に設定することが考えられる。これは、使用する接着剤の種類によって異なる。
【0042】
また、接着剤の種類によっては、大気中等、酸素が存在する雰囲気下では、酸素阻害により硬化の進行が遅くなるため、半硬化となりやすい場合がある。ただし、硬化の程度は自由であり、外縁を本硬化させてもよい。酸素阻害を防ぎたい場合には、排気装置若しくは不活性ガス供給装置を設け、これにより酸素を排除すれば、本硬化となりやすい。なお、本発明では、使用する接着剤の種類は限定されず、酸素阻害を受けるものでも、受けないものでも使用可能である。
【0043】
これにより、線状に塗布された接着剤R1がある程度硬化するので、レベリングが抑制される。そして、接着剤R1の始端と終端が一致して閉じることにより、1段目の枠部(塗布線部)が形成される。
【0044】
次に、図1(C)及び(D)に示すように、供給部10が、1段目の枠部の上に、重ねて接着剤R1を供給する。これと同時に、照射部によって、UV光を接着剤R1に照射していく。これにより、重ねて供給された接着剤R1が、ある程度硬化する。さらに、1段目の枠部は、再度UV光の照射を受けるため、硬化が進んで硬くなる。
【0045】
このように接着剤R1を塗布し、始端と終端が一致して閉じることにより、2段目の枠部(塗布線部)が形成される。このように2回の塗布による2段の枠部によって、土手部Bが構成される。なお、2回目の塗布による上層の枠部は、UV光を1回しか浴びていないため、硬化が弱く、クッション性が維持されている。
【0046】
そして、図1(E)及び(F)に示すように、供給部10が、ワークS1の土手部Bの内部に対して、接着剤R2を供給する。たとえば、ディスペンサのノズルから接着剤R2を滴下しながら、走査装置によって走査することによって、土手部B内に、接着剤R2を充填する。これにより、土手部B内が充填部Fとなる。
【0047】
その後、搬送装置30は、土手部Bと充填部Fが形成されたワークS1を、貼合部2に搬送する。貼合部2においては、図2(A)に示すように、押圧装置22にワークS2を保持した真空チャンバ21が下降して、ワークS1、S2の周囲が密閉される。そして、減圧ポンプが作動することにより、真空チャンバ21内の減圧(排気)が開始する。
【0048】
真空引き完了後は、押圧装置22が下降することにより、ワークS1に対して、ワークS2が押し付けられる(図2(B))。このとき、2回目の塗布による上層の枠部は、上記のようにクッション性が維持されている。このため、上層の枠部によって、貼り合わせ時の歪み等は吸収される。また、1回目の塗布による下層の枠部は、上記のように硬化が進んでいる。このため、下層の枠部が、厚みを維持するスペーサの役目を果たして、潰れによる広がりを抑制できる。これにより、貼り合わせ厚の均一性を実現できる。
【0049】
たとえば、塗布毎のUV照射がない場合、図3(A)に示すように、上下の枠部の粘度はほぼ同様となっており、レベリングが進行する。そして、貼り合わせ時には、図3(B)に示すように、硬化が弱いため、潰れる量、広がる面積が大きくなってしまう。
【0050】
一方、本実施形態のように、塗布毎のUV照射を行った場合、図4(A)に示すように、下層の枠部の硬化が進んでいるので、レベリングは進行しない。そして、貼り合わせ時には、図4(B)に示すように、下層の枠部がスペーサ代わりになって潰れや面積の広がりを抑制し、上層の枠がクッションとなって歪みを吸収する。
【0051】
その後、排気路の開放等により真空破壊が行われ、真空チャンバ21が上昇することにより、貼り合わされたワークS1、S2は大気開放される。さらに、搬送装置30が、ワークS1、S2を貼合部2から次工程へと搬出する。たとえば、搬送装置30は、ワークS1、S2を、電磁波の照射により接着剤R1、R2を硬化させる硬化部へと移動させる。
【0052】
[C.効果]
以上のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。すなわち、高い土手部Bを形成して高い貼り合わせ厚を確保できるとともに、狭い塗布幅を維持できるので、狭い塗布スペースであっても、ユーザの視野範囲を阻害せずに接着層を形成できる。
【0053】
また、土手部Bによって、充填部Fの供給領域を規定できるので、貼り合わせ時の接着剤R1、R2のはみ出しが防止される。接着剤R1の供給と同時にUV照射を行うので、効率良く土手部Bを形成することができる。層を重ねる毎にUV照射を行うので、下層の硬化を進行させつつ、上層のクッション性を維持できる。
【0054】
[D.他の実施形態]
本発明は、上記のような実施形態に限定されるものではない。たとえば、接着剤の供給(塗布、滴下等)の回数(形成する層数、枠数等)は、上記の2回には限定されない。例えば、図5に示すように、3回の供給によって土手部を形成してもよい。さらに、4回以上の供給によって土手部を形成してもよい。本発明では、たとえば、図5の形成態様及び図6の実験結果に示すように、塗布回数を重ねても、塗布幅の広がりをほとんどなくして細線を維持しつつ、高さを確保できる。
【0055】
供給部及び硬化処理部の数は、装置の構造及び規模、所望のタクト、コスト等に応じて、最適な数を選択して設計すればよい。また、走査方法等は、自由である。たとえば、図7に示すように、2つの塗布ユニットが、ワークS1の直交する2辺と平行に直交移動することにより、塗布を行ってもよい。この場合、コーナーで角度を変える際に、供給部10と硬化処理部11が、軸を中心に回動することにより、塗布に硬化処理が追従するようにする必要がある。
【0056】
また、たとえば、図8に示すように、4つの塗布ユニットが、ワークのそれぞれの辺と平行に直進若しくは往復することにより、塗布を行ってもよい。これにより、供給部10と硬化処理部11との位置関係を維持するために、コーナーで角度変更する必要がなくなる。なお、各塗布ユニットの動作タイミングは、タクト短縮のために、互いに干渉することが無いように設定する。その他、複数の供給部と硬化処理部を組み合わせたユニットを構成することも可能である。多連のディスペンサや照射装置を用いることもできる。
【0057】
また、たとえば、図9(A)に示すように、搬送装置30の各ポジションに、複数の供給部10、硬化処理部11を交互に配置して、搬送装置30によってワークS1を移動させながら、接着剤の供給、硬化処理を複数回行うようにしてもよい。また、たとえば、図9(B)に示すように、ワークS1を、搬送装置30によって供給部10及び硬化処理部11の間で往復移動させながら、接着剤の供給、硬化処理を複数回行うようにしてもよい。
【0058】
さらに、土手部内への接着剤の供給は、供給部とは別に設けた供給部(充填材供給部)によって行ってもよい。たとえば、土手部を形成するための接着剤と、内部の接着剤との種類を変える若しくは同種でも添加剤等により特性を変える場合等には、供給部を別々とすることが考えられる。この場合、土手部の接着剤は粘度を高く、内部の接着剤は粘度を低くすること、あるいは両者の硬化速度が異なるものを用いること等が考えられる。充填時の供給部の走査方向は、上下、前後左右、回転等、自由に設計可能である。この場合も、多連のディスペンサを用いて効率良く充填させてもよい。その他、ローラによって塗布する装置、スキージによって塗布する装置、スピン塗布する装置等、種々の装置が適用可能である。なお、充填材としては、土手部と同様若しくは異なる接着剤が適用可能であるが、必ずしも接着剤には限定されず、他の機能材料であってもよい。
【0059】
硬化処理部による硬化処理は、上記の例のように、接着剤の1回の供給ごとに行ってもよい。ただし、最初の1回の供給について硬化処理を行った後は、複数回に1回、硬化処理を行うように設定してもよい。使用する接着剤の種類は、紫外線硬化樹脂には限定されない。他の電磁波により硬化する樹脂や熱硬化型樹脂等、あらゆる種類の接着剤が適用できる。この場合、接着剤の種類に応じて、硬化処理部は、電磁波の照射装置、温度変更装置(加熱、冷却)、送風装置(加熱、冷却、乾燥)等、種々のものを適用することが考えられる。
【0060】
集中部としては、たとえば、赤外線による加熱により硬化する接着剤の場合、凹面鏡をはじめとする反射器等の光学部材が有効である。温風若しくは冷風を用いる場合には、集中部としてはノズル等が考えられる。マイクロ波を用いる場合には、磁気レンズ等も有効である。紫外線や赤外線の場合、レーザ光により、細い領域への照射を実現することもできる。
【0061】
また、硬化処理部による硬化処理は、接着剤の供給に追従させる必要はない。接着剤を供給後に、広範に硬化処理を行うようにすることも可能である。たとえば、図10に示すように、接着剤Rを1回塗布した後に、さらに、その後の塗布毎に若しくは複数回塗布した後に、上方に配置した電磁波の照射装置(硬化処理部11)から、全体に電磁波を照射することも可能である。温度変更装置や送風装置等の場合も、同様に塗布後の接着剤全体に対して硬化処理を行うことが可能である。
【0062】
土手部を構成する線は、その形状を問わない。方形、円形、楕円形、その他の多角形、曲線円形であってもよい。たとえば、図11に示すように、ワークS1に、接着剤を塗布すべきでない領域Zが存在する場合に、これを回避するように、土手部Bを形成することも可能である。土手部は、少なくとも一方向への接着剤の流動を抑制できればよい。このため、充填部を規定する線は、必ずしも閉じた領域を構成していなくてもよい。直線状、屈曲線状、曲線状であってもよい。したがって、充填材、充填部といっても、供給箇所の周囲が囲まれている必要はない。
【0063】
また、接着剤の供給により土手部を形成する箇所は、接着剤の供給領域の外周を規定する線には限らない。たとえば、円形のディスクの内周円上のように、供給領域の内周を規定する線であってもよい。
【0064】
また、貼合部、搬送部についても、現在又は将来において利用可能なあらゆる方法、装置が適用可能である。たとえば、貼合部について、ワークを保持する構造も、たとえば、メカチャック、静電チャック、真空チャック等、どのような構造であってもよい。真空貼り合わせを行う空間も、下側の部材が昇降して密閉、開放を行う構造でも、ワークの通路のみが開閉する構造でもよい。さらに、必ずしも真空貼合装置でなくてもよく、大気中で貼り合わせを行う装置でもよい。
【0065】
搬送装置も、たとえば、ターンテーブル、コンベア、送り機構等、どのような構造であってもよい。載置部は、たとえば、サセプタ等が考えられるが、ワークを支持できる支持体として機能するものであれば、どのような材質、形状であってもよい。水平方向に支持するものには限らない。ワークの搬送方法も、載置部に載置される場合には限定されない。移動する台上に直接載置されていてもよい。
【0066】
さらに、上記の作業の一部を手動により行う方法も考えられる。たとえば、土手部内への接着剤の供給等を、塗布、滴下等のための用具を用いて、作業者が行うこともできる。ワークの移動についても、作業者が手作業で行ってもよい。
【0067】
また、貼り合せ対象となるワークは、カバーパネルやタッチパネルと液晶モジュール若しくは液晶モジュールを構成する表示パネルとバックライト等が、典型例である。しかし、本発明の適用対象となる一対のワークは、一対の貼着対象となり得るものであれば、その大きさ、形状、材質等は問わない。たとえば、表示装置を構成する各種の部材、半導体ウェーハ、光ディスク等にも適用可能である。ワークの一方に接着剤を供給する場合のみならず、双方に供給する場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1…土手形成部
2…貼合部
3…搬送部
10…供給部
11…硬化処理部
20…貼合装置
21…真空チャンバ
22…押圧装置
30…搬送装置
31…載置部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貼り合わせ対象となるワークに対して、接着剤を供給する接着剤供給装置において、
ワークに対して、接着剤を線状に複数回重ねて供給する供給部と、
1回目に供給された接着剤に硬化を進行させる処理を行い、その後、重ねて供給された接着剤に接着剤の硬化を進行させる処理を行うことにより、土手部を形成する硬化処理部と、
を有することを特徴とする接着剤供給装置。
【請求項2】
1回目に供給された接着剤に重ねて接着剤を供給する毎に、硬化を進行させる処理を行うことを特徴とする請求項1記載の接着剤供給装置。
【請求項3】
1回目に供給された接着剤に重ねて複数回供給した接着剤に、硬化を進行させる処理を行うことを特徴とする請求項1記載の接着剤供給装置。
【請求項4】
前記硬化処理部により硬化を進行させる処理を行う場合には、前記供給部による接着剤の供給とともに行われるように、前記供給部及び前記硬化処理部とが、一体的に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤供給装置。
【請求項5】
前記接着剤は、電磁波の照射により硬化する樹脂であり、
前記硬化処理部は、電磁波を照射する照射装置を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤供給装置。
【請求項6】
貼り合わせ対象となるワークに対して、接着剤を供給する接着剤供給方法において、
ワークに対して、接着剤を線状に供給し、
供給された接着剤に硬化を進行させる処理を行い、
1回目に供給された接着剤に重ねて接着剤を供給する毎に、接着剤の硬化を進行させる処理を行うことにより、土手部を形成することを特徴とする接着剤供給方法。
【請求項7】
貼り合わせ対象となるワークに対して、接着剤を供給する接着剤供給方法において、
ワークに対して、接着剤を線状に供給し、
供給された接着剤に硬化を進行させる処理を行い、
1回目に供給された接着剤に重ねて複数回供給した接着剤に、硬化を進行させる処理を行うことにより、土手部を形成することを特徴とする接着剤供給方法。
【請求項8】
硬化を進行させる処理を行う場合には、接着剤の供給とともに行うことを特徴とする請求項6又は請求項7記載の接着剤供給方法。
【請求項9】
前記接着剤は、電磁波の照射により硬化する樹脂であり、
前記硬化を進行させる処理は、電磁波の照射であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の接着剤供給方法。
【請求項1】
貼り合わせ対象となるワークに対して、接着剤を供給する接着剤供給装置において、
ワークに対して、接着剤を線状に複数回重ねて供給する供給部と、
1回目に供給された接着剤に硬化を進行させる処理を行い、その後、重ねて供給された接着剤に接着剤の硬化を進行させる処理を行うことにより、土手部を形成する硬化処理部と、
を有することを特徴とする接着剤供給装置。
【請求項2】
1回目に供給された接着剤に重ねて接着剤を供給する毎に、硬化を進行させる処理を行うことを特徴とする請求項1記載の接着剤供給装置。
【請求項3】
1回目に供給された接着剤に重ねて複数回供給した接着剤に、硬化を進行させる処理を行うことを特徴とする請求項1記載の接着剤供給装置。
【請求項4】
前記硬化処理部により硬化を進行させる処理を行う場合には、前記供給部による接着剤の供給とともに行われるように、前記供給部及び前記硬化処理部とが、一体的に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤供給装置。
【請求項5】
前記接着剤は、電磁波の照射により硬化する樹脂であり、
前記硬化処理部は、電磁波を照射する照射装置を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤供給装置。
【請求項6】
貼り合わせ対象となるワークに対して、接着剤を供給する接着剤供給方法において、
ワークに対して、接着剤を線状に供給し、
供給された接着剤に硬化を進行させる処理を行い、
1回目に供給された接着剤に重ねて接着剤を供給する毎に、接着剤の硬化を進行させる処理を行うことにより、土手部を形成することを特徴とする接着剤供給方法。
【請求項7】
貼り合わせ対象となるワークに対して、接着剤を供給する接着剤供給方法において、
ワークに対して、接着剤を線状に供給し、
供給された接着剤に硬化を進行させる処理を行い、
1回目に供給された接着剤に重ねて複数回供給した接着剤に、硬化を進行させる処理を行うことにより、土手部を形成することを特徴とする接着剤供給方法。
【請求項8】
硬化を進行させる処理を行う場合には、接着剤の供給とともに行うことを特徴とする請求項6又は請求項7記載の接着剤供給方法。
【請求項9】
前記接着剤は、電磁波の照射により硬化する樹脂であり、
前記硬化を進行させる処理は、電磁波の照射であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の接着剤供給方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−120985(P2012−120985A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274121(P2010−274121)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】
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