接触部材、電子機器の冷却装置、電子機器及び画像形成装置
【課題】本発明は、高効率で冷却可能で、かつ高耐久性を実現できる安価な接触部材、
電子機器の冷却装置、電子機器及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明の接触部材(14)は、冷却対象物(11)に分離可能に密着して
該冷却対象物の熱を奪う熱伝達部材(12)と、該熱伝達部材に分離可能に設けられ熱伝
達部材を保護する保護部材(13)と具備することに特徴がある。よって、発生する熱か
ら冷却対象物を守るため、接触部材を介して冷却手段と直接接触させて高効率に冷却させ
る際、定期的なメンテナンスにより冷却対象物を繰り返し着脱させても、高耐久性で、か
つ低接触熱抵抗を維持した高効率冷却が実現できる。
電子機器の冷却装置、電子機器及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明の接触部材(14)は、冷却対象物(11)に分離可能に密着して
該冷却対象物の熱を奪う熱伝達部材(12)と、該熱伝達部材に分離可能に設けられ熱伝
達部材を保護する保護部材(13)と具備することに特徴がある。よって、発生する熱か
ら冷却対象物を守るため、接触部材を介して冷却手段と直接接触させて高効率に冷却させ
る際、定期的なメンテナンスにより冷却対象物を繰り返し着脱させても、高耐久性で、か
つ低接触熱抵抗を維持した高効率冷却が実現できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は接触部材、電子機器の冷却装置、電子機器及び画像形成装置に関し、詳細には複写機、ファクシミリ、レーザプリンタ等の電子写真記録式画像形成装置の冷却装置取付用の接触部材に関する。
【背景技術】
【0002】
はじめに、電子機器の一つである電子写真記録式画像形成装置を例として電子機器内に発生する熱及び当該熱による不具合について概説する。
図11は電子写真記録方式画像形成装置の構成を示す概略断面図である。同図に示すように、先ず帯電装置101が像担持体である感光体104上を一様に帯電させた後、一方で図示しない光学装置が原稿を読み取り、読み取った原稿を、書込装置102が感光体104上に静電潜像として形成する。次いで、この静電潜像に現像装置103がトナーを付着させ、すなわち可視画像を形成させ、一方で積載していた一枚のシート109がシート搬送路110に沿って転写装置105に搬送され、転写装置105が静電気で可視画像をシートに転写する。この後、このシート109は定着装置107によって熱と圧力により定着され、さらにデカーラ108が冷却し、一方でクリーニング装置106が感光体104上の残トナーを清掃する。以上の一連のプロセスにより、所定のシートとしての複製物を得る構成になっている。
【0003】
このとき、図示しない光学装置では、原稿をスキャンする際、スキャナランプ、もしくはスキャナランプを駆動するスキャナモータ、およびそのドライバが発熱し、延いては光学装置全体を温度上昇させ、光学ずれや故障の原因となる場合がある。また、書込装置102では、高速回転するポリゴンミラーを駆動するモータが発熱し、書込装置全体を温度上昇させ、書込に支障を来たす場合がある。更に、現像装置103では、トナー、およびキャリアを攪拌し、トナーに帯電性を付与する際、摩擦熱を発生させ、トナーをその軟化点にまで温度上昇させ、トナーが凝集し、高精細な画像が形成されず、すなわち画像不良の原因につながる場合がある。また、定着装置107においては、定着熱が周囲の装置温度を上昇させてしまうばかりか、例えば両面記録時には、定着熱により温度上昇したシートが蓄熱源となり、シートの両面搬送各所に、具体的には現像装置103や感光体104へ熱が伝わり、画像不良の原因のみならず、各装置の耐久性の低下につながる場合がある。
【0004】
以上説明したような熱に関する不具合に対し、従来ファンによる冷却手段により装置を冷却し、各所の温度上昇を回避させていた。ところが、近年画像形成装置の高画質化・高速化・カラー化といった高機能化により発熱量が増加し、また装置の小型化により発熱密度までもが増加しつつあり、ファンによる冷却では十分な冷却が困難になってきた。そこで、熱の発生箇所、もしくは発生した熱による高温箇所に直接接触させて高効率に冷却する、ヒートパイプ、ペルチェ素子、更にはこれら冷却デバイスの冷却性能を上回る液体冷却も検討され始めている。特に、液体冷却の従来技術として、例えば特許文献1では、電子写真装置の現像装置への液体冷却が検討されている。また、特許文献2でも、特許文献1と同様に、現像装置への液体冷却が検討されているが、この場合現像装置のメンテナンスが行えるように、現像装置と液体冷却の受熱部材には着脱機構が設けられ、実使用に耐えうる構成が開示されている。更に、特許文献3においても、特許文献2と同様に、メンテナンスを考慮した現像装置への液体冷却の適用が検討されている。この場合、着脱機構としては冷媒配管途中にカプラを設け、液体冷却の受熱部材を装着した現像装置ごと、着脱可能な構成が開示されている。しかし、これらの液体冷却装置は構成が複雑で、かつ設置スペースを確保しなければならないため装置の大型化となるという欠点があった。そこで、直接接触による冷却では、通常、接触界面が粗いことによる高い接触熱抵抗を避けるために、低硬度であって、かつ熱伝導率の比較的高い、厚さの薄い、すなわち熱伝達に優れた接触部材を介在させて押し付けるか、もしくは熱伝導率の比較的高い、グリースやペーストを薄く貼付し介在させて押し付けることによって、低熱抵抗を実現している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像形成装置では、定期的に冷却対象物を保守・点検する必要があるために、画像形成装置本体より冷却対象物を繰り返し着脱する必要があった。そこで、冷却対象物を着脱するには、冷却対象物と冷却手段の間を着脱するか、もしくは冷却手段を装着したまま冷却手段と冷却対象物を共に着脱することが考えられるが、前者の場合接触部材を用いると、接触部材は一般的に低硬度であるために、着脱時に剥がれ易く、あるいは破け易くあり、細心の注意が必要であった。また、万一着脱できたとしても低硬度であるために傷が付き易く、このため数回の着脱ももたず、繰り返しの着脱には不向きであった。更に、装置内部に浮遊する塵や埃、紙粉やトナー等が接触界面に付着し、こびりつく可能性があり、そのままにして装着してしまうと、接触熱抵抗が高くなり、意図した冷却性能が得られない可能性があった。そのような場合、一旦接触部材を剥がし、接触界面を清掃し、新品の接触部材を貼り直す必要があり、コストや手間を非常にかけていた。あるいは、グリースやペーストを用いたとしても、同様にその都度塗り直しが必要で、コストや手間がかかっていた。
一方、後者の場合、例えば液体冷却をしていれば、配管の冷媒をカプラを使って遮断し、冷却対象物とこれに装着している冷却手段を、カプラの遮断個所で着脱することが考えられるが、カプラは通常圧力損失が高いため、冷媒を輸送するポンプ性能を高く選ぶ必要が生じ、コストアップとなるばかりか、耐圧を考えた配管設計が必要で、液漏れの可能性を助長させる。カプラを使わないのであれば、熱交換器を含みいれた冷却手段全体と、これを装着した冷却対象物の全てを着脱することも考えられるが、熱交換器は通常大型であり、着脱するには他のユニットのレイアウトと干渉してしまい、実際はほぼ不可能である。
【0006】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、高効率で冷却可能で、かつ高耐久性を実現できる安価な接触部材、電子機器の冷却装置、電子機器及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するために、本発明の接触部材は、冷却対象物に分離可能に密着して該冷却対象物の熱を奪う熱伝達部材と、該熱伝達部材に分離可能に設けられ熱伝達部材を保護する保護部材と具備することに特徴がある。よって、発生する熱から冷却対象物を守るため、接触部材を介して冷却手段と直接接触させて高効率に冷却させる際、定期的なメンテナンスにより冷却対象物を繰り返し着脱させても、高耐久性で、かつ低接触熱抵抗を維持した高効率冷却が実現できる。
【0008】
また、熱伝達部材は高分子材料より成ることが好ましい。更には、保護部材はフッ素樹脂より成ることが好ましい。
【0009】
更に、冷却対象物と熱伝達部材との間に粘着部材を設けることにより、接触部材を冷却対象物に容易に固定でき、ズレによる装着ミス、延いては冷却効率の低下を回避できる。
【0010】
また、本発明の接触部材は、熱伝導性部材と、該熱伝導性部材を包む袋状部材とを含んで構成し、冷却対象物に着脱可能に密着することに特徴がある。よって、安価な接触部材を提供できる。
【0011】
更に、熱伝導性部材は、液体またはゲルであることが好ましい。
【0012】
また、熱伝導性部材の内部に相変化材料部材を設けることにより、冷却対象の温度上昇を遅らせることができ、例えば熱交換器の負担を軽減できる。具体的には熱交換器のファン風量を減らせ、延いては省エネ、および静音化も図れる。
【0013】
更に、袋状部材の表面に粘着層を設けることにより、接触部材を冷却対象物に容易に固定でき、ズレによる装着ミス、延いては冷却効率の低下を回避できる。
【0014】
また、別の発明としての電子機器の冷却装置は、電子機器内部において熱を発生する対象物又は当該熱によって温度上昇する対象物に設けられた、上記の接触部材と、該接触部材からの熱を電子機器の外部へ伝熱するための熱輸送手段とを具備することに特徴がある。よって、高効率で冷却可能で、かつ高耐久性を実現できる安価な電子機器の冷却装置を提供できる。
【0015】
更に、熱輸送手段に、ヒートパイプが少なくとも含まれることにより、冷却効率の高い電子機器の冷却装置を提供できる。
【0016】
また、熱輸送手段に、液体冷却手段が少なくとも含まれることにより、冷却効率の高い電子機器の冷却装置を提供できる。
【0017】
更に、熱輸送手段に、ペルチェ素子が少なくとも含まれることにより、高耐久性を実現でき、かつ液体冷却の場合における液漏れのない、高い信頼性を実現できる。
【0018】
また、熱輸送手段に、蒸気圧縮冷凍機が少なくとも含まれることにより、高い熱輸送効率を実現でき、よって冷却効率の高い電子機器の冷却装置を提供できる。
【0019】
更に、別の発明としての電子機器は、上記冷却装置を備えることに特徴がある。よって、正常な稼動を保証でき、高い信頼性のある電子機器を提供することができる。
【0020】
また、別の発明としての画像形成装置は、上記冷却装置を備えることに特徴がある。よって、画像形成装置内で発生する熱から冷却対象物を守るため、接触部材を介して冷却手段と直接接触させて高効率に冷却させる際、定期的なメンテナンスにより冷却対象物を繰り返し着脱させても、高耐久性で、かつ低接触熱抵抗を維持した高効率冷却が実現できる低コストの画像形成装置を提供できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の接触部材によれば、発生する熱から冷却対象物を守るため、接触部材を介して冷却手段と直接接触させて高効率に冷却させる際、定期的なメンテナンスにより冷却対象物を繰り返し着脱させても、高耐久性で、かつ低接触熱抵抗を維持した高効率冷却が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。
【図2】別の接着部材の構成を示す概略断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。
【図7】第5の実施の形態に係る冷却装置の別の構成を示す概略構成図である。
【図8】第5の実施の形態に係る冷却装置の別の構成を示す概略構成図である。
【図9】別の発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。
【図10】別の発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。
【図11】電子写真記録方式画像形成装置の構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。同図に示す本実施の形態の冷却装置10は、画像形成装置などの電子機器内部の冷却対象物11に密着し、熱伝達部材12と保護部材13より構成される接触部材14と、保護部材13上に押し付けられる受熱部材15と、受熱部材15に取り付けられ、熱を伝達させる熱輸送路16と、熱輸送路16のもう一方に設けられ、熱交換を行う熱交換器17とを含んで構成されている。
【0024】
このような構成を有する本実施の形態の冷却装置10によれば、画像形成装置などの電子機器内部の冷却対象物11は、自らの発熱もしくは近傍からの受熱によって温度上昇する。このとき、熱伝達部材12と保護部材13を介して冷却対象物11の熱は受熱部材15に、そして熱輸送路16を伝わり、熱交換器17に達して電子機器の外部に放熱される。よって、冷却対象物11は温度上昇が抑制される。
【0025】
一方、冷却対象物11をメンテナンスするために、冷却対象物11を電子機器本体から取り出す際、保護部材13と受熱部材15の間が分離され、この際、通例低硬度な熱伝達部材12にせん弾応力もかかることなく、従って剥がれたり、また破けたりすることなく、熱伝達部材12と保護部材13と共に冷却対象物11が取り出される。冷却対象物11のメンテナンス終了後、再び、電子機器本体に取り付けられる際、保護部材13と受熱部材15が押し付けられ、この際も低硬度な熱伝達部材12にせん弾応力もかかることなく、すなわち削れなどが発生することなく、熱伝達部材12と保護部材13と共に冷却対象物11が装着される。このような着脱工程は、熱伝達部材12を痛めることがないため、繰り返し行うことができる。また、万一保護部材13の表面上にごみが落ちたとしても、熱伝達部材12の低硬度に特有な比較的粘着性を有した表面とは異なり、ごみが付着しこびりつくまでには至らず、万一ごみが堆積したとしても、ウエスなどで一掃することでこびりつくことはない。これによって、接触熱抵抗が高くなることもない。
【0026】
なお、熱伝達部材12は、熱伝導率が高いことが望ましいが、ベースは高分子材料にして低硬度にし、冷却対象物11と受熱部材15の間を押し付けて、冷却対象物11の界面、もしくは受熱部材15の界面が粗いことによる接触熱抵抗の高さを軽減できることが望ましい。また、保護部材13は、フッ素樹脂にして、塵や埃、紙粉やトナー等のごみが落ちても、一掃もしくは離型し易く、こびりつかなくすることが望ましい。更に、熱伝導率が高く、低硬度の熱伝達部材12は、近年需要が高まりつつあり、金属などの熱伝導性フィラーやフレークを分散した高分子系複合材料の開発が盛んに行われている。また、高分子材料であっても、シリコーン系材料の場合、シリコーン樹脂そのものが高価であるばかりか、僅かながらシロキサンガスの発生も考えられ、これが原因で電極接点等へ付着し、二酸化珪素が生成され、接点不良を生じる可能性もあるため、アルミナ、窒化ホウ素などの熱伝導性充填剤を含有した、ゴム系、アクリル系等の熱伝導材の提案もされており、これらであっても構わない。
【0027】
また、本実施の形態では、冷却対象物11、熱伝達部材12、保護部材13、受熱部材15の順の構成で説明したが、この順序に限ったものではない。例えば、冷却対象物11、保護部材13、熱伝達部材12、受熱部材15という順でも良い。この場合、着脱は、冷却対象物11と保護部材13間で行われ、熱伝達部材12及び保護部材13から構成される接触部材14は受熱部材15に残される。
【0028】
更に、図2に示すように、接着部材14は、熱伝達部材12、保護部材13に加え、基材18、粘着部材19を有する構成としてもよい。この場合、冷却対象物11、もしくは受熱部材15に対し、容易に貼付でき、着脱時にズレも生じず使い易く望ましい。
【0029】
図3は本発明の第2の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。同図において、図1と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示す本実施の形態の冷却装置20において、接触部材21は熱伝達部材と保護部材としての袋状部材のパウチ22と、パウチ22に包まれた液体23とを含んで構成されている。接触部材21が画像形成装置などの電子機器内部の冷却対象物11に密着し、パウチ22上に受熱部材15が押し付けられる。冷却対象物11の熱は接触部材21に、更には受熱部材15に、そして熱輸送路16を伝わり、熱交換器17に達して電子機器の外部に放熱され、冷却対象物11は温度上昇が抑制される。ここで、パウチ22は、プラスチック材料の何種類かを張り合わせて、耐熱性、耐寒性、引っ張り強さなどを高めた包装フィルムであって、通常は生鮮食料品や加工食品などの包装に用いるものである。一般的には100μmの厚さのものや400μmの厚さのものもある。
【0030】
このような構成を有する本実施の形態の冷却装置20によれば、第1の実施の形態の冷却装置10と同様に、画像形成装置などの電子機器内部の冷却対象物11は、自らの発熱もしくは近傍からの受熱によって温度上昇する。このとき、パウチ22と液体23を介して冷却対象物11の熱が受熱部材15に、そして熱輸送路16を伝わり、熱交換器17に達して電子機器の外部に放熱され、冷却対象物11は温度上昇が抑制される。
【0031】
また、冷却対象物11をメンテナンスするために、電子機器本体から取り出す際、パウチ22と受熱部材15の間か、もしくはパウチ22と冷却対象物11の間か、もしくはパウチ22を受熱部材15と冷却対象物11の両方から分離することで、液体23がパウチ22に保護されながら(この場合液体23が漏れることなく)冷却対象物11が取り出される。冷却対象物11のメンテナンス終了後、再び、電子機器本体に取り付けられる際、液体23がパウチ22に保護されながら冷却対象物11と受熱部材15との間に押し付けられて装着される。以上の着脱工程は言うまでもなく繰り返し行える。
【0032】
なお、液体23は、ゲルであっても構わない。ただし、高い熱伝導性の物性値を有することが望ましい。
【0033】
図4は本発明の第3の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。同図において、図3と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示す本実施の形態の冷却装置30において、接触部材31は液体23の内部に相変化材料部材32を複数有して構成されている。本実施の形態の冷却装置30によれば、液体23に蓄熱効果を持たすことができ、冷却対象物11の温度上昇を遅らせることができる点で、低デューティーの印刷時であれば、温度上昇が低く抑えられ、部品の耐久性アップが期待できる。なお、相変化材料部材32の構造としては、たとえば蓄熱剤を含有したマイクロカプセル等が望ましい。蓄熱剤は融解点を有し、これは蓄熱剤の種類・量を変えることで、自由に設定が可能になる。一例としては、テトラデカン、ペンタデカン、エイコサン、ドコサンのような炭素数が10以上の脂肪族炭化水素化合物が挙げられる。炭素数を増加させることで、融解点が上昇し、目的に応じた設定が可能になる。また、マイクロカプセルの球核は、直径が10μm以下、好ましくは5μm以下にすることで、薄い接触部材とすることができる。球核の材料は、界面重合法やインサイチュ法などの手法によって得られる、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、尿素ホルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂皮膜等が挙げられる。また、図示しないが、パウチ22に粘着部材を設けることで、冷却対象物11、もしくは受熱部材15に対し、容易に貼付でき、着脱時にズレも生じず使い易く望ましい。
【0034】
図5は本発明の第4の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。同図において、図1と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示す本実施の形態の冷却装置40において、図1における熱伝達部材12と保護部材13からなる接触部材14により、冷却対象物11と受熱部材15が繰り返し着脱可能であって、さらに熱輸送路をヒートパイプにすることで、ヒートパイプの高い熱輸送性能を持つ、画像形成装置の冷却装置が実現される。つまり、図5に示すように、熱輸送路として、冷媒が封入されている配管41を備え、ポンプ42、タンク43、熱交換器17による液体冷却手段を設けることで、液体冷却による高い熱輸送性能を有する電子機器の冷却装置も実現できる。
【0035】
図6は本発明の第5の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。同図において、図1と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示す本実施の形態の冷却装置50において、熱交換器17までの熱輸送手段として、ペルチェ素子51を備え、高い冷却制御性を有した電子機器の冷却装置を実現できる。
【0036】
また、図7に示すように、熱交換器17の位置を、冷却対象物11と離間したい場合、ヒートパイプ52を使う等、別な熱輸送手段と組み合わせても構わない。ただし、図7にはアキュムレータや弁等の蒸気圧縮冷凍機に付随した器具は省略しているが有していても良い。更には、図8に示すように、冷却手段として、蒸気圧縮冷凍機を用い、相変化する冷媒が輸送される配管53を熱輸送路として設け、途中にコンプレッサ54を設けてもよい。このように、冷媒が気体から液体へ変化するコンデンサの役目をする熱交換器17、また受熱部材15は、液体が気体へ変化するエバポレータの役割を担い、冷却対象物11を冷却する。
【0037】
図9は別の発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。同図に示す本発明の画像形成装置はモノクロ画像形成装置であって、上述した発明の冷却装置を搭載しているモノクロ画像形成装置100である。同図において、図11と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。先ず帯電装置101が像担持体である感光体104上を一様に帯電させた後、一方で図示しない光学装置が原稿を読み取り、読み取った原稿を、書込装置102が感光体104上に静電潜像として形成する。次いで、この静電潜像に現像装置103がトナーを付着させ、すなわち可視画像を形成させ、一方で積載していた一枚のシート109がシート搬送路110に沿って転写装置105に搬送され、転写装置105が静電気で可視画像をシートに転写する。この後、このシート109は定着装置107によって熱と圧力により定着され、さらにデカーラ108が冷却し、一方でクリーニング装置106が感光体104上の残トナーを清掃する。そして、トナーと現像剤の攪拌で熱が発生する現像装置103に対し、受熱部材61を装着し、ポンプ62、タンク63及び熱交換器64がそれぞれ配管65によりつながれ、この配管65を矢印の方向に冷媒が輸送される。このとき、受熱部材61は、現像装置103の形状とフィットするように、押出し成型したアルミ製ジャケットを使用している。
【0038】
次に、実施例1として、図9において現像装置103と受熱部材61との間には、接触部材としての保護部材にあたる厚さ30μm、熱伝導率0.25W/mKのテフロン(登録商標)、熱伝達部材にあたる厚さ500μm、熱伝導率1.1W/mKのシリコーンゴムを有し、これを粘着剤と共に基材にあたる厚さ100μm、熱伝導率0.156W/mKのポリイミドと共に準備した。更に、液体冷却では、冷媒にはプロピレングリコールを主成分とする不凍液を使用した。ただし、防錆剤も含ませてある。以上の構成より、連続稼動(1分間に75枚の連続通紙)を3時間行った結果、現像装置103の温度は、下記の表1のような結果となった。トナーの軟化点温度より決められる現像装置103の目標温度50℃未満に対し、測定した現像装置103の温度(キャリアとトナーの混合の温度)は、50℃未満であり、現像の不具合を招く温度上昇には至らなかった。
【0039】
【表1】
【0040】
また、現像装置103を画像形成装置より10回繰り返し着脱を行ったが、保護部材に傷等は見当たらず、また現像装置103の測定温度も殆ど変化が見られなかった。以上の実施例1では液体冷却手段を用いたが、ヒートパイプを有する構成であってももちろん構わない。
【0041】
次に、実施例2として、現像装置103と受熱部材61との間の接触部材として、厚さが60μm、熱伝導率が0.18W/mKのポリプロピレンと、厚さが7μm、熱伝導率が237W/mKのアルミニウム、厚さが33μm、熱伝導率が0.19W/mKのポリエチレンテレフタレートの3層からなるパウチと、この中に純水を封入したものを採用した。純水の量は、現像装置103と受熱部材61に装着した場合に、凡そ1mmの厚さになる程度に封入させた。その他は、上記の実施例1と変わっていない。以上の構成より、連続稼動(1分間に75枚の連続通紙)を3時間行った結果、現像装置103の温度は、下記の表2のような結果となった。トナーの軟化点温度より決められる現像装置103の目標温度50℃未満に対し、測定した現像装置103の温度(キャリアとトナーの混合の温度)は、50℃未満であり、現像の不具合を招く温度上昇には至らなかった。
【0042】
【表2】
【0043】
また、現像装置103を画像形成装置より数回繰り返し着脱を行ったが、保護部材に傷等は見当たらず、また現像装置103の測定温度も殆ど変化が見られなかった。
【0044】
図10は別の発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。同図に示すカラー画像形成装置は4連タンデム型のカラー画像形成装置であって、上述した発明の冷却装置を搭載しているカラー画像形成装置である。同図において、図9と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。本実施の形態のカラー画像形成装置200は、ブラック用作像装置201−Bk、シアン用作像装置201−C、マゼンタ用作像装置201−M、イエロー用作像装置201−Y、及び中間転写ベルト202を具備している。各色の作像装置については、ブラック用作像装置201−Bkを用いて説明すれば、構成として、帯電装置203、露光装置204、現像装置205、クリーニング装置206、感光体207を具備している。ブラック用作像装置201−Bkからイエロー用作像装置201−Yまでで作成される可視画像は、一旦中間転写ベルト202へ写し取られ、一方で、一枚のシート109が、シート搬送パス110に沿って転写装置208に搬送され、この転写装置208が静電気で、可視画像をシート109に転写する。この後、このシート109を、定着装置107による熱と加圧により定着し、さらにデカーラ108が冷却することで、所定のシートとしての複製を得るが、トナーと現像剤の攪拌で熱が発生する現像装置を備える、各色の作像装置201−Bk、201−C、201−M、201−Yでは温度が上昇する。このため、本実施の形態のカラー画像形成装置200では、各色の現像装置に対して受熱部材を装着し、つまりブラックトナー用現像装置に対して受熱部材61−Bk、シアントナー用現像装置に対して受熱部材61−C、マゼンタトナー用現像装置に対して受熱部材61−M、イエロートナー用現像装置に対して受熱部材61−Yをそれぞれ装着し、ポンプ62、タンク63、熱交換器64と共に、配管65によりつながれ、この配管65を矢印の方向に冷媒が輸送される。このとき、各色の受熱部材は、各色の現像装置の形状とフィットするように、押出し成型したアルミ製ジャケットを使用した。
【0045】
また、各色の現像装置と各色の受熱部材との間には、接触部材として、厚さが60μm、熱伝導率が0.18W/mKのポリプロピレンと、厚さが7μm、熱伝導率が237W/mKのアルミニウム、厚さが33μm、熱伝導率が0.19W/mKのポリエチレンテレフタレートの3層からなるパウチと、この中に純水と、蓄熱剤(テトラデカン、ペンタデカン、エイコサン、ドコサンの混合物)が10μmのポリスチレンより構成されるマイクロカプセルを封入したものを採用した。純水の量は、各色の現像装置と各色の受熱部材に装着した場合に、凡そ1mmの厚さになる程度に封入させた。更に、液体冷却は、冷媒にエチレングリコールとプロピレングリコールの混合物を主成分とする、防錆剤も含まれる水溶液を用いた。
【0046】
以上の構成により、連続稼動(通紙)を4時間行い、各色の現像装置の温度は、以下の表3のようになった。トナーの軟化点温度より決められる各色の現像装置の目標温度45℃未満に対し、測定結果は、表3に示すように、45℃未満であり、現像の不具合を招く温度とはならなかった。
【0047】
【表3】
【0048】
また、各色の現像装置を画像形成装置より数回繰り返し着脱を行ったが、保護部材に傷等は見当たらず、また現像装置の測定温度も殆ど変化が見られなかった。
【0049】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0050】
10,20,30,40,50;冷却装置、
11;冷却対象物、12;熱伝達部材、13;保護部材、
14,21,31;接触部材、15,61;受熱部材、
16;熱輸送路、17;熱交換器、22;パウチ、23;液体、
32;相変化材料部材、41,65;配管、42,62;ポンプ、
43,63;タンク、51;ペルチェ素子、
100;モノクロ画像形成装置、200;カラー画像形成装置。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【特許文献1】特開平11−174795号公報
【特許文献2】特開2005−164927号公報
【特許文献3】特開2006−003628号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は接触部材、電子機器の冷却装置、電子機器及び画像形成装置に関し、詳細には複写機、ファクシミリ、レーザプリンタ等の電子写真記録式画像形成装置の冷却装置取付用の接触部材に関する。
【背景技術】
【0002】
はじめに、電子機器の一つである電子写真記録式画像形成装置を例として電子機器内に発生する熱及び当該熱による不具合について概説する。
図11は電子写真記録方式画像形成装置の構成を示す概略断面図である。同図に示すように、先ず帯電装置101が像担持体である感光体104上を一様に帯電させた後、一方で図示しない光学装置が原稿を読み取り、読み取った原稿を、書込装置102が感光体104上に静電潜像として形成する。次いで、この静電潜像に現像装置103がトナーを付着させ、すなわち可視画像を形成させ、一方で積載していた一枚のシート109がシート搬送路110に沿って転写装置105に搬送され、転写装置105が静電気で可視画像をシートに転写する。この後、このシート109は定着装置107によって熱と圧力により定着され、さらにデカーラ108が冷却し、一方でクリーニング装置106が感光体104上の残トナーを清掃する。以上の一連のプロセスにより、所定のシートとしての複製物を得る構成になっている。
【0003】
このとき、図示しない光学装置では、原稿をスキャンする際、スキャナランプ、もしくはスキャナランプを駆動するスキャナモータ、およびそのドライバが発熱し、延いては光学装置全体を温度上昇させ、光学ずれや故障の原因となる場合がある。また、書込装置102では、高速回転するポリゴンミラーを駆動するモータが発熱し、書込装置全体を温度上昇させ、書込に支障を来たす場合がある。更に、現像装置103では、トナー、およびキャリアを攪拌し、トナーに帯電性を付与する際、摩擦熱を発生させ、トナーをその軟化点にまで温度上昇させ、トナーが凝集し、高精細な画像が形成されず、すなわち画像不良の原因につながる場合がある。また、定着装置107においては、定着熱が周囲の装置温度を上昇させてしまうばかりか、例えば両面記録時には、定着熱により温度上昇したシートが蓄熱源となり、シートの両面搬送各所に、具体的には現像装置103や感光体104へ熱が伝わり、画像不良の原因のみならず、各装置の耐久性の低下につながる場合がある。
【0004】
以上説明したような熱に関する不具合に対し、従来ファンによる冷却手段により装置を冷却し、各所の温度上昇を回避させていた。ところが、近年画像形成装置の高画質化・高速化・カラー化といった高機能化により発熱量が増加し、また装置の小型化により発熱密度までもが増加しつつあり、ファンによる冷却では十分な冷却が困難になってきた。そこで、熱の発生箇所、もしくは発生した熱による高温箇所に直接接触させて高効率に冷却する、ヒートパイプ、ペルチェ素子、更にはこれら冷却デバイスの冷却性能を上回る液体冷却も検討され始めている。特に、液体冷却の従来技術として、例えば特許文献1では、電子写真装置の現像装置への液体冷却が検討されている。また、特許文献2でも、特許文献1と同様に、現像装置への液体冷却が検討されているが、この場合現像装置のメンテナンスが行えるように、現像装置と液体冷却の受熱部材には着脱機構が設けられ、実使用に耐えうる構成が開示されている。更に、特許文献3においても、特許文献2と同様に、メンテナンスを考慮した現像装置への液体冷却の適用が検討されている。この場合、着脱機構としては冷媒配管途中にカプラを設け、液体冷却の受熱部材を装着した現像装置ごと、着脱可能な構成が開示されている。しかし、これらの液体冷却装置は構成が複雑で、かつ設置スペースを確保しなければならないため装置の大型化となるという欠点があった。そこで、直接接触による冷却では、通常、接触界面が粗いことによる高い接触熱抵抗を避けるために、低硬度であって、かつ熱伝導率の比較的高い、厚さの薄い、すなわち熱伝達に優れた接触部材を介在させて押し付けるか、もしくは熱伝導率の比較的高い、グリースやペーストを薄く貼付し介在させて押し付けることによって、低熱抵抗を実現している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像形成装置では、定期的に冷却対象物を保守・点検する必要があるために、画像形成装置本体より冷却対象物を繰り返し着脱する必要があった。そこで、冷却対象物を着脱するには、冷却対象物と冷却手段の間を着脱するか、もしくは冷却手段を装着したまま冷却手段と冷却対象物を共に着脱することが考えられるが、前者の場合接触部材を用いると、接触部材は一般的に低硬度であるために、着脱時に剥がれ易く、あるいは破け易くあり、細心の注意が必要であった。また、万一着脱できたとしても低硬度であるために傷が付き易く、このため数回の着脱ももたず、繰り返しの着脱には不向きであった。更に、装置内部に浮遊する塵や埃、紙粉やトナー等が接触界面に付着し、こびりつく可能性があり、そのままにして装着してしまうと、接触熱抵抗が高くなり、意図した冷却性能が得られない可能性があった。そのような場合、一旦接触部材を剥がし、接触界面を清掃し、新品の接触部材を貼り直す必要があり、コストや手間を非常にかけていた。あるいは、グリースやペーストを用いたとしても、同様にその都度塗り直しが必要で、コストや手間がかかっていた。
一方、後者の場合、例えば液体冷却をしていれば、配管の冷媒をカプラを使って遮断し、冷却対象物とこれに装着している冷却手段を、カプラの遮断個所で着脱することが考えられるが、カプラは通常圧力損失が高いため、冷媒を輸送するポンプ性能を高く選ぶ必要が生じ、コストアップとなるばかりか、耐圧を考えた配管設計が必要で、液漏れの可能性を助長させる。カプラを使わないのであれば、熱交換器を含みいれた冷却手段全体と、これを装着した冷却対象物の全てを着脱することも考えられるが、熱交換器は通常大型であり、着脱するには他のユニットのレイアウトと干渉してしまい、実際はほぼ不可能である。
【0006】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、高効率で冷却可能で、かつ高耐久性を実現できる安価な接触部材、電子機器の冷却装置、電子機器及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するために、本発明の接触部材は、冷却対象物に分離可能に密着して該冷却対象物の熱を奪う熱伝達部材と、該熱伝達部材に分離可能に設けられ熱伝達部材を保護する保護部材と具備することに特徴がある。よって、発生する熱から冷却対象物を守るため、接触部材を介して冷却手段と直接接触させて高効率に冷却させる際、定期的なメンテナンスにより冷却対象物を繰り返し着脱させても、高耐久性で、かつ低接触熱抵抗を維持した高効率冷却が実現できる。
【0008】
また、熱伝達部材は高分子材料より成ることが好ましい。更には、保護部材はフッ素樹脂より成ることが好ましい。
【0009】
更に、冷却対象物と熱伝達部材との間に粘着部材を設けることにより、接触部材を冷却対象物に容易に固定でき、ズレによる装着ミス、延いては冷却効率の低下を回避できる。
【0010】
また、本発明の接触部材は、熱伝導性部材と、該熱伝導性部材を包む袋状部材とを含んで構成し、冷却対象物に着脱可能に密着することに特徴がある。よって、安価な接触部材を提供できる。
【0011】
更に、熱伝導性部材は、液体またはゲルであることが好ましい。
【0012】
また、熱伝導性部材の内部に相変化材料部材を設けることにより、冷却対象の温度上昇を遅らせることができ、例えば熱交換器の負担を軽減できる。具体的には熱交換器のファン風量を減らせ、延いては省エネ、および静音化も図れる。
【0013】
更に、袋状部材の表面に粘着層を設けることにより、接触部材を冷却対象物に容易に固定でき、ズレによる装着ミス、延いては冷却効率の低下を回避できる。
【0014】
また、別の発明としての電子機器の冷却装置は、電子機器内部において熱を発生する対象物又は当該熱によって温度上昇する対象物に設けられた、上記の接触部材と、該接触部材からの熱を電子機器の外部へ伝熱するための熱輸送手段とを具備することに特徴がある。よって、高効率で冷却可能で、かつ高耐久性を実現できる安価な電子機器の冷却装置を提供できる。
【0015】
更に、熱輸送手段に、ヒートパイプが少なくとも含まれることにより、冷却効率の高い電子機器の冷却装置を提供できる。
【0016】
また、熱輸送手段に、液体冷却手段が少なくとも含まれることにより、冷却効率の高い電子機器の冷却装置を提供できる。
【0017】
更に、熱輸送手段に、ペルチェ素子が少なくとも含まれることにより、高耐久性を実現でき、かつ液体冷却の場合における液漏れのない、高い信頼性を実現できる。
【0018】
また、熱輸送手段に、蒸気圧縮冷凍機が少なくとも含まれることにより、高い熱輸送効率を実現でき、よって冷却効率の高い電子機器の冷却装置を提供できる。
【0019】
更に、別の発明としての電子機器は、上記冷却装置を備えることに特徴がある。よって、正常な稼動を保証でき、高い信頼性のある電子機器を提供することができる。
【0020】
また、別の発明としての画像形成装置は、上記冷却装置を備えることに特徴がある。よって、画像形成装置内で発生する熱から冷却対象物を守るため、接触部材を介して冷却手段と直接接触させて高効率に冷却させる際、定期的なメンテナンスにより冷却対象物を繰り返し着脱させても、高耐久性で、かつ低接触熱抵抗を維持した高効率冷却が実現できる低コストの画像形成装置を提供できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の接触部材によれば、発生する熱から冷却対象物を守るため、接触部材を介して冷却手段と直接接触させて高効率に冷却させる際、定期的なメンテナンスにより冷却対象物を繰り返し着脱させても、高耐久性で、かつ低接触熱抵抗を維持した高効率冷却が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。
【図2】別の接着部材の構成を示す概略断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。
【図7】第5の実施の形態に係る冷却装置の別の構成を示す概略構成図である。
【図8】第5の実施の形態に係る冷却装置の別の構成を示す概略構成図である。
【図9】別の発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。
【図10】別の発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。
【図11】電子写真記録方式画像形成装置の構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。同図に示す本実施の形態の冷却装置10は、画像形成装置などの電子機器内部の冷却対象物11に密着し、熱伝達部材12と保護部材13より構成される接触部材14と、保護部材13上に押し付けられる受熱部材15と、受熱部材15に取り付けられ、熱を伝達させる熱輸送路16と、熱輸送路16のもう一方に設けられ、熱交換を行う熱交換器17とを含んで構成されている。
【0024】
このような構成を有する本実施の形態の冷却装置10によれば、画像形成装置などの電子機器内部の冷却対象物11は、自らの発熱もしくは近傍からの受熱によって温度上昇する。このとき、熱伝達部材12と保護部材13を介して冷却対象物11の熱は受熱部材15に、そして熱輸送路16を伝わり、熱交換器17に達して電子機器の外部に放熱される。よって、冷却対象物11は温度上昇が抑制される。
【0025】
一方、冷却対象物11をメンテナンスするために、冷却対象物11を電子機器本体から取り出す際、保護部材13と受熱部材15の間が分離され、この際、通例低硬度な熱伝達部材12にせん弾応力もかかることなく、従って剥がれたり、また破けたりすることなく、熱伝達部材12と保護部材13と共に冷却対象物11が取り出される。冷却対象物11のメンテナンス終了後、再び、電子機器本体に取り付けられる際、保護部材13と受熱部材15が押し付けられ、この際も低硬度な熱伝達部材12にせん弾応力もかかることなく、すなわち削れなどが発生することなく、熱伝達部材12と保護部材13と共に冷却対象物11が装着される。このような着脱工程は、熱伝達部材12を痛めることがないため、繰り返し行うことができる。また、万一保護部材13の表面上にごみが落ちたとしても、熱伝達部材12の低硬度に特有な比較的粘着性を有した表面とは異なり、ごみが付着しこびりつくまでには至らず、万一ごみが堆積したとしても、ウエスなどで一掃することでこびりつくことはない。これによって、接触熱抵抗が高くなることもない。
【0026】
なお、熱伝達部材12は、熱伝導率が高いことが望ましいが、ベースは高分子材料にして低硬度にし、冷却対象物11と受熱部材15の間を押し付けて、冷却対象物11の界面、もしくは受熱部材15の界面が粗いことによる接触熱抵抗の高さを軽減できることが望ましい。また、保護部材13は、フッ素樹脂にして、塵や埃、紙粉やトナー等のごみが落ちても、一掃もしくは離型し易く、こびりつかなくすることが望ましい。更に、熱伝導率が高く、低硬度の熱伝達部材12は、近年需要が高まりつつあり、金属などの熱伝導性フィラーやフレークを分散した高分子系複合材料の開発が盛んに行われている。また、高分子材料であっても、シリコーン系材料の場合、シリコーン樹脂そのものが高価であるばかりか、僅かながらシロキサンガスの発生も考えられ、これが原因で電極接点等へ付着し、二酸化珪素が生成され、接点不良を生じる可能性もあるため、アルミナ、窒化ホウ素などの熱伝導性充填剤を含有した、ゴム系、アクリル系等の熱伝導材の提案もされており、これらであっても構わない。
【0027】
また、本実施の形態では、冷却対象物11、熱伝達部材12、保護部材13、受熱部材15の順の構成で説明したが、この順序に限ったものではない。例えば、冷却対象物11、保護部材13、熱伝達部材12、受熱部材15という順でも良い。この場合、着脱は、冷却対象物11と保護部材13間で行われ、熱伝達部材12及び保護部材13から構成される接触部材14は受熱部材15に残される。
【0028】
更に、図2に示すように、接着部材14は、熱伝達部材12、保護部材13に加え、基材18、粘着部材19を有する構成としてもよい。この場合、冷却対象物11、もしくは受熱部材15に対し、容易に貼付でき、着脱時にズレも生じず使い易く望ましい。
【0029】
図3は本発明の第2の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。同図において、図1と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示す本実施の形態の冷却装置20において、接触部材21は熱伝達部材と保護部材としての袋状部材のパウチ22と、パウチ22に包まれた液体23とを含んで構成されている。接触部材21が画像形成装置などの電子機器内部の冷却対象物11に密着し、パウチ22上に受熱部材15が押し付けられる。冷却対象物11の熱は接触部材21に、更には受熱部材15に、そして熱輸送路16を伝わり、熱交換器17に達して電子機器の外部に放熱され、冷却対象物11は温度上昇が抑制される。ここで、パウチ22は、プラスチック材料の何種類かを張り合わせて、耐熱性、耐寒性、引っ張り強さなどを高めた包装フィルムであって、通常は生鮮食料品や加工食品などの包装に用いるものである。一般的には100μmの厚さのものや400μmの厚さのものもある。
【0030】
このような構成を有する本実施の形態の冷却装置20によれば、第1の実施の形態の冷却装置10と同様に、画像形成装置などの電子機器内部の冷却対象物11は、自らの発熱もしくは近傍からの受熱によって温度上昇する。このとき、パウチ22と液体23を介して冷却対象物11の熱が受熱部材15に、そして熱輸送路16を伝わり、熱交換器17に達して電子機器の外部に放熱され、冷却対象物11は温度上昇が抑制される。
【0031】
また、冷却対象物11をメンテナンスするために、電子機器本体から取り出す際、パウチ22と受熱部材15の間か、もしくはパウチ22と冷却対象物11の間か、もしくはパウチ22を受熱部材15と冷却対象物11の両方から分離することで、液体23がパウチ22に保護されながら(この場合液体23が漏れることなく)冷却対象物11が取り出される。冷却対象物11のメンテナンス終了後、再び、電子機器本体に取り付けられる際、液体23がパウチ22に保護されながら冷却対象物11と受熱部材15との間に押し付けられて装着される。以上の着脱工程は言うまでもなく繰り返し行える。
【0032】
なお、液体23は、ゲルであっても構わない。ただし、高い熱伝導性の物性値を有することが望ましい。
【0033】
図4は本発明の第3の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。同図において、図3と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示す本実施の形態の冷却装置30において、接触部材31は液体23の内部に相変化材料部材32を複数有して構成されている。本実施の形態の冷却装置30によれば、液体23に蓄熱効果を持たすことができ、冷却対象物11の温度上昇を遅らせることができる点で、低デューティーの印刷時であれば、温度上昇が低く抑えられ、部品の耐久性アップが期待できる。なお、相変化材料部材32の構造としては、たとえば蓄熱剤を含有したマイクロカプセル等が望ましい。蓄熱剤は融解点を有し、これは蓄熱剤の種類・量を変えることで、自由に設定が可能になる。一例としては、テトラデカン、ペンタデカン、エイコサン、ドコサンのような炭素数が10以上の脂肪族炭化水素化合物が挙げられる。炭素数を増加させることで、融解点が上昇し、目的に応じた設定が可能になる。また、マイクロカプセルの球核は、直径が10μm以下、好ましくは5μm以下にすることで、薄い接触部材とすることができる。球核の材料は、界面重合法やインサイチュ法などの手法によって得られる、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、尿素ホルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂皮膜等が挙げられる。また、図示しないが、パウチ22に粘着部材を設けることで、冷却対象物11、もしくは受熱部材15に対し、容易に貼付でき、着脱時にズレも生じず使い易く望ましい。
【0034】
図5は本発明の第4の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。同図において、図1と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示す本実施の形態の冷却装置40において、図1における熱伝達部材12と保護部材13からなる接触部材14により、冷却対象物11と受熱部材15が繰り返し着脱可能であって、さらに熱輸送路をヒートパイプにすることで、ヒートパイプの高い熱輸送性能を持つ、画像形成装置の冷却装置が実現される。つまり、図5に示すように、熱輸送路として、冷媒が封入されている配管41を備え、ポンプ42、タンク43、熱交換器17による液体冷却手段を設けることで、液体冷却による高い熱輸送性能を有する電子機器の冷却装置も実現できる。
【0035】
図6は本発明の第5の実施の形態に係る冷却装置の構成を示す概略構成図である。同図において、図1と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示す本実施の形態の冷却装置50において、熱交換器17までの熱輸送手段として、ペルチェ素子51を備え、高い冷却制御性を有した電子機器の冷却装置を実現できる。
【0036】
また、図7に示すように、熱交換器17の位置を、冷却対象物11と離間したい場合、ヒートパイプ52を使う等、別な熱輸送手段と組み合わせても構わない。ただし、図7にはアキュムレータや弁等の蒸気圧縮冷凍機に付随した器具は省略しているが有していても良い。更には、図8に示すように、冷却手段として、蒸気圧縮冷凍機を用い、相変化する冷媒が輸送される配管53を熱輸送路として設け、途中にコンプレッサ54を設けてもよい。このように、冷媒が気体から液体へ変化するコンデンサの役目をする熱交換器17、また受熱部材15は、液体が気体へ変化するエバポレータの役割を担い、冷却対象物11を冷却する。
【0037】
図9は別の発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。同図に示す本発明の画像形成装置はモノクロ画像形成装置であって、上述した発明の冷却装置を搭載しているモノクロ画像形成装置100である。同図において、図11と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。先ず帯電装置101が像担持体である感光体104上を一様に帯電させた後、一方で図示しない光学装置が原稿を読み取り、読み取った原稿を、書込装置102が感光体104上に静電潜像として形成する。次いで、この静電潜像に現像装置103がトナーを付着させ、すなわち可視画像を形成させ、一方で積載していた一枚のシート109がシート搬送路110に沿って転写装置105に搬送され、転写装置105が静電気で可視画像をシートに転写する。この後、このシート109は定着装置107によって熱と圧力により定着され、さらにデカーラ108が冷却し、一方でクリーニング装置106が感光体104上の残トナーを清掃する。そして、トナーと現像剤の攪拌で熱が発生する現像装置103に対し、受熱部材61を装着し、ポンプ62、タンク63及び熱交換器64がそれぞれ配管65によりつながれ、この配管65を矢印の方向に冷媒が輸送される。このとき、受熱部材61は、現像装置103の形状とフィットするように、押出し成型したアルミ製ジャケットを使用している。
【0038】
次に、実施例1として、図9において現像装置103と受熱部材61との間には、接触部材としての保護部材にあたる厚さ30μm、熱伝導率0.25W/mKのテフロン(登録商標)、熱伝達部材にあたる厚さ500μm、熱伝導率1.1W/mKのシリコーンゴムを有し、これを粘着剤と共に基材にあたる厚さ100μm、熱伝導率0.156W/mKのポリイミドと共に準備した。更に、液体冷却では、冷媒にはプロピレングリコールを主成分とする不凍液を使用した。ただし、防錆剤も含ませてある。以上の構成より、連続稼動(1分間に75枚の連続通紙)を3時間行った結果、現像装置103の温度は、下記の表1のような結果となった。トナーの軟化点温度より決められる現像装置103の目標温度50℃未満に対し、測定した現像装置103の温度(キャリアとトナーの混合の温度)は、50℃未満であり、現像の不具合を招く温度上昇には至らなかった。
【0039】
【表1】
【0040】
また、現像装置103を画像形成装置より10回繰り返し着脱を行ったが、保護部材に傷等は見当たらず、また現像装置103の測定温度も殆ど変化が見られなかった。以上の実施例1では液体冷却手段を用いたが、ヒートパイプを有する構成であってももちろん構わない。
【0041】
次に、実施例2として、現像装置103と受熱部材61との間の接触部材として、厚さが60μm、熱伝導率が0.18W/mKのポリプロピレンと、厚さが7μm、熱伝導率が237W/mKのアルミニウム、厚さが33μm、熱伝導率が0.19W/mKのポリエチレンテレフタレートの3層からなるパウチと、この中に純水を封入したものを採用した。純水の量は、現像装置103と受熱部材61に装着した場合に、凡そ1mmの厚さになる程度に封入させた。その他は、上記の実施例1と変わっていない。以上の構成より、連続稼動(1分間に75枚の連続通紙)を3時間行った結果、現像装置103の温度は、下記の表2のような結果となった。トナーの軟化点温度より決められる現像装置103の目標温度50℃未満に対し、測定した現像装置103の温度(キャリアとトナーの混合の温度)は、50℃未満であり、現像の不具合を招く温度上昇には至らなかった。
【0042】
【表2】
【0043】
また、現像装置103を画像形成装置より数回繰り返し着脱を行ったが、保護部材に傷等は見当たらず、また現像装置103の測定温度も殆ど変化が見られなかった。
【0044】
図10は別の発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。同図に示すカラー画像形成装置は4連タンデム型のカラー画像形成装置であって、上述した発明の冷却装置を搭載しているカラー画像形成装置である。同図において、図9と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。本実施の形態のカラー画像形成装置200は、ブラック用作像装置201−Bk、シアン用作像装置201−C、マゼンタ用作像装置201−M、イエロー用作像装置201−Y、及び中間転写ベルト202を具備している。各色の作像装置については、ブラック用作像装置201−Bkを用いて説明すれば、構成として、帯電装置203、露光装置204、現像装置205、クリーニング装置206、感光体207を具備している。ブラック用作像装置201−Bkからイエロー用作像装置201−Yまでで作成される可視画像は、一旦中間転写ベルト202へ写し取られ、一方で、一枚のシート109が、シート搬送パス110に沿って転写装置208に搬送され、この転写装置208が静電気で、可視画像をシート109に転写する。この後、このシート109を、定着装置107による熱と加圧により定着し、さらにデカーラ108が冷却することで、所定のシートとしての複製を得るが、トナーと現像剤の攪拌で熱が発生する現像装置を備える、各色の作像装置201−Bk、201−C、201−M、201−Yでは温度が上昇する。このため、本実施の形態のカラー画像形成装置200では、各色の現像装置に対して受熱部材を装着し、つまりブラックトナー用現像装置に対して受熱部材61−Bk、シアントナー用現像装置に対して受熱部材61−C、マゼンタトナー用現像装置に対して受熱部材61−M、イエロートナー用現像装置に対して受熱部材61−Yをそれぞれ装着し、ポンプ62、タンク63、熱交換器64と共に、配管65によりつながれ、この配管65を矢印の方向に冷媒が輸送される。このとき、各色の受熱部材は、各色の現像装置の形状とフィットするように、押出し成型したアルミ製ジャケットを使用した。
【0045】
また、各色の現像装置と各色の受熱部材との間には、接触部材として、厚さが60μm、熱伝導率が0.18W/mKのポリプロピレンと、厚さが7μm、熱伝導率が237W/mKのアルミニウム、厚さが33μm、熱伝導率が0.19W/mKのポリエチレンテレフタレートの3層からなるパウチと、この中に純水と、蓄熱剤(テトラデカン、ペンタデカン、エイコサン、ドコサンの混合物)が10μmのポリスチレンより構成されるマイクロカプセルを封入したものを採用した。純水の量は、各色の現像装置と各色の受熱部材に装着した場合に、凡そ1mmの厚さになる程度に封入させた。更に、液体冷却は、冷媒にエチレングリコールとプロピレングリコールの混合物を主成分とする、防錆剤も含まれる水溶液を用いた。
【0046】
以上の構成により、連続稼動(通紙)を4時間行い、各色の現像装置の温度は、以下の表3のようになった。トナーの軟化点温度より決められる各色の現像装置の目標温度45℃未満に対し、測定結果は、表3に示すように、45℃未満であり、現像の不具合を招く温度とはならなかった。
【0047】
【表3】
【0048】
また、各色の現像装置を画像形成装置より数回繰り返し着脱を行ったが、保護部材に傷等は見当たらず、また現像装置の測定温度も殆ど変化が見られなかった。
【0049】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0050】
10,20,30,40,50;冷却装置、
11;冷却対象物、12;熱伝達部材、13;保護部材、
14,21,31;接触部材、15,61;受熱部材、
16;熱輸送路、17;熱交換器、22;パウチ、23;液体、
32;相変化材料部材、41,65;配管、42,62;ポンプ、
43,63;タンク、51;ペルチェ素子、
100;モノクロ画像形成装置、200;カラー画像形成装置。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【特許文献1】特開平11−174795号公報
【特許文献2】特開2005−164927号公報
【特許文献3】特開2006−003628号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却対象物に分離可能に密着して該冷却対象物の熱を奪う熱伝達部材と、該熱伝達部材に分離可能に設けられ前記熱伝達部材を保護する保護部材と具備することを特徴とする接触部材。
【請求項2】
前記熱伝達部材は高分子材料より成ることを特徴とする請求項1記載の接触部材。
【請求項3】
前記保護部材はフッ素樹脂より成ることを特徴とする請求項1記載の接触部材。
【請求項4】
前記冷却対象物と前記熱伝達部材との間に粘着部材を設けることを特徴とする請求項1記載の接触部材。
【請求項5】
熱伝導性部材と、該熱伝導性部材を包む袋状部材とを含んで構成し、冷却対象物に着脱可能に密着することを特徴とする接触部材。
【請求項6】
前記熱伝導性部材は、液体またはゲルであることを特徴とする請求項5記載の接触部材。
【請求項7】
前記熱伝導性部材の内部に相変化材料部材を設けることを特徴とする請求項5又は6に記載の接触部材。
【請求項8】
前記袋状部材の表面に粘着層を設けることを特徴とする請求項5記載の接触部材。
【請求項9】
電子機器内部において熱を発生する対象物又は当該熱によって温度上昇する対象物に設けられた、請求項1〜8のいずれか1項に記載の接触部材と、該接触部材からの熱を電子機器の外部へ伝熱するための熱輸送手段とを具備することを特徴とする電子機器の冷却装置。
【請求項10】
前記熱輸送手段に、ヒートパイプが少なくとも含まれることを特徴とする請求項9記載の電子機器の冷却装置。
【請求項11】
前記熱輸送手段に、液体冷却手段が少なくとも含まれることを有することを特徴とする請求項9記載の電子機器の冷却装置。
【請求項12】
前記熱輸送手段に、ペルチェ素子が少なくとも含まれることを特徴とする請求項9記載の電子機器の冷却装置。
【請求項13】
前記熱輸送手段に、蒸気圧縮冷凍機が少なくとも含まれることを特徴とする請求項9記載の電子機器の冷却装置。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれか1項に記載の電子機器の冷却装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項15】
請求項9〜13のいずれか1項に記載の電子機器の冷却装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
冷却対象物に分離可能に密着して該冷却対象物の熱を奪う熱伝達部材と、該熱伝達部材に分離可能に設けられ前記熱伝達部材を保護する保護部材と具備することを特徴とする接触部材。
【請求項2】
前記熱伝達部材は高分子材料より成ることを特徴とする請求項1記載の接触部材。
【請求項3】
前記保護部材はフッ素樹脂より成ることを特徴とする請求項1記載の接触部材。
【請求項4】
前記冷却対象物と前記熱伝達部材との間に粘着部材を設けることを特徴とする請求項1記載の接触部材。
【請求項5】
熱伝導性部材と、該熱伝導性部材を包む袋状部材とを含んで構成し、冷却対象物に着脱可能に密着することを特徴とする接触部材。
【請求項6】
前記熱伝導性部材は、液体またはゲルであることを特徴とする請求項5記載の接触部材。
【請求項7】
前記熱伝導性部材の内部に相変化材料部材を設けることを特徴とする請求項5又は6に記載の接触部材。
【請求項8】
前記袋状部材の表面に粘着層を設けることを特徴とする請求項5記載の接触部材。
【請求項9】
電子機器内部において熱を発生する対象物又は当該熱によって温度上昇する対象物に設けられた、請求項1〜8のいずれか1項に記載の接触部材と、該接触部材からの熱を電子機器の外部へ伝熱するための熱輸送手段とを具備することを特徴とする電子機器の冷却装置。
【請求項10】
前記熱輸送手段に、ヒートパイプが少なくとも含まれることを特徴とする請求項9記載の電子機器の冷却装置。
【請求項11】
前記熱輸送手段に、液体冷却手段が少なくとも含まれることを有することを特徴とする請求項9記載の電子機器の冷却装置。
【請求項12】
前記熱輸送手段に、ペルチェ素子が少なくとも含まれることを特徴とする請求項9記載の電子機器の冷却装置。
【請求項13】
前記熱輸送手段に、蒸気圧縮冷凍機が少なくとも含まれることを特徴とする請求項9記載の電子機器の冷却装置。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれか1項に記載の電子機器の冷却装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項15】
請求項9〜13のいずれか1項に記載の電子機器の冷却装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−109604(P2012−109604A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−26014(P2012−26014)
【出願日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【分割の表示】特願2007−122269(P2007−122269)の分割
【原出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【分割の表示】特願2007−122269(P2007−122269)の分割
【原出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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