説明

揮発性有機化合物の低減されたレベルで増大したオープンタイムを示す水性ポリマー組成物

有効な可塑剤として作用することに加え、特定の酸、カルボキシレートおよびヒドロキシル官能性液体ポリエステル(25℃で液体であるもの)は、水性フィルム形成性組成物において融合剤および/または特性向上剤として従来使用される、より揮発性の有機化合物の少なくとも部分的な代替物として使用できる。得られる組成物は、同等レベルの適用特性およびコーティング特性を示す先行技術の組成物と比べて低減されたVOC値を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本件は、米国特許出願第12/126,397号(2008年5月23日出願)の継続出願であってその利益を主張するものであり、その内容の全部をこの参照により本明細書に組入れる。
【0002】
発明の分野
本発明は、水性フィルム形成性ポリマー組成物に関する。より特別には、本発明は、比較的低レベルの揮発性有機化合物(VOC)を含有する組成物であって、1)フィルム形成性ポリマーの粒子が該ポリマーのガラス転移温度未満で融合でき;2)該組成物が、凍結および融解の繰返しサイクル中に耐ゲル化性を有し;そして3)該組成物のオープンタイムが増大している、組成物に関する。これらの目的は、揮発性の先行技術の添加剤を、少なくとも部分的に、大幅により低い揮発性の本発明のポリエステルで置換することによって実現される。組成物としては、これらに限定するものではないが、コーティング(塗料等)、自己支持性フィルム、接着剤、シーラント、インク、オーバープリントワニス、コークおよび類似のポリマー組成物が挙げられる。
【背景技術】
【0003】
関連する先行技術
種々の有機ポリマー組成物のための可塑剤としてのポリエステルの使用は周知である。この用途を開示する特許としては、米国特許第6,933,337号(Langらに付与)が挙げられる。この特許において記載されるポリエステルは、非反応性末端単位を含有し、そして、単官能アルコールおよび/またはカルボン酸を、1種または複数種のジカルボン酸、ジエチレングリコールおよび少なくとも1種の追加のジオールに加えて用いて調製される。
【0004】
米国特許第6,111,004号(Biesiadaらに)は、プロパンジオールおよび直鎖脂肪族ジカルボン酸(6〜14個の炭素原子を含有するもの)に由来するポリ塩化ビニルのためのポリエステル可塑剤を開示する。ポリエステルは、モノカルボン酸で末端封止されており、従って官能性末端基を含有しない。
【0005】
官能性または非官能性の末端単位を有するポリエステルの、種々のポリマー(これに限定するものではないがポリ塩化ビニル)のための可塑剤としての用途は、以下の米国特許に記載されている:5,281,647;7,135,524;4,436,784(Earhartに);3,194,776(Caldwellに);および4,272,428(Lindnerらに)。Caldwell特許のポリエステルは、油系または水系のいずれの塗料においても使用できる。
【0006】
Azimらによる文献(Polymer International,47(3);303−10(1998)に見られる)は、ポリ塩化ビニル用の可塑剤として使用される、官能基が末端封止された多くのポリエステルの比較の物理特性評価を含む。
【0007】
水性ポリマー組成物(例えば、コーティング、インク、接着剤、コークおよびシーラントとして採用されるもの)は、典型的には、比較的揮発性の有機化合物(例えばアルコール、グリコール、エステルおよびグリコールエーテル)の存在を、所望の特性の実現のために必要とする。これらの特性としては、これらに限定するものではないが、オープンタイム、ウエットエッジ(wet edge)発現、フィルム形成性ポリマーの粒子が該ポリマーのガラス転移温度未満の温度で融合する能力、凍結および融解の繰り返しサイクル中の該組成物の耐ゲル化性、および接着、レベリング、ツールアビリティ(toolability)、光沢発現、ならびにスクラビングおよび有機溶媒に対する耐性(該組成物を用いて適用されるフィルムおよびコーティングによって示されるもの)が挙げられる。
【0008】
近年、幾つかの国および地域の政府は、揮発性有機化合物(VOC)(コーティング、インク、シーラント、接着剤および関連用途としての使用を意図する組成物中に存在する可能性がある)の量に関する制限を発令してきた。これらの制限により、これらの組成物の製造者および考案者による努力が、水性および非水性の両者のポリマー組成物中のVOCの濃度を、これらの化合物によって与えられる有益な特性への不利な影響なく、排除または少なくとも低減する手法を探すために始められている。
【0009】
米国特許第6,762,230号(L.Brandenburgerらに付与)は、ラテックスポリマーを含有する水性コーティング組成物中のVOCレベルを、従来の融合剤(例えばTexanol(登録商標)(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート))を、1)ラクトンと一価アルコールとの、または2)グリシジルエステルとモノカルボン酸との、比較的低分子量の反応生成物で置換することによって低減することを示唆する。これらの反応生成物を含有するコーティング組成物は、Texanol(登録商標)を用いて調製されるコーティングよりも低いVOC値を示した。スクラブ能力を評価した際、本発明のポリエステルを含有するコーティングおよびTexanol(登録商標)は同等であった。
【0010】
米国特許第5,236,987号(1993年8月17日、William D.Arendtに付与)は、8〜12個の炭素原子を含有する一価アルコールの安息香酸エステルを、水性コーティング組成物用の従来の融合剤に対する代替物として用いることを示唆する。イソデシルベンゾエートを融合剤として含有するラテックス塗料組成物は、Texanol(登録商標)を含有するものと少なくとも同等であるスクラブ耐性値を示した。イソデシルベンゾエートのVOC含有量は約22%である。
【0011】
米国特許第6,794,434号(Collinsらに)は、界面活性剤を、水系塗料における揮発性共溶媒の代替物として使用することを示唆する。
【0012】
米国特許第5,422,392号(Floydに)は、水性コーティング組成物中の比較的揮発性の有機融合性溶媒を、フィルム形成性ポリマー(例えばポリ酢酸ビニル)を比較的低分子量のオリゴマー(例えばポリエステル)の存在下で重合することによって排除することを示唆する。ポリエステルは、官能性または非官能性の末端単位を含有できる。これらのオリゴマーの数平均分子量は、300〜10,000である。これらのオリゴマーの重合度は、2〜100の間であり、最も好ましくは2〜20の間である。
【0013】
米国特許第7,217,758号(Buckmannに)は、延長したオープンタイムを有する水性コーティング組成物を記載する。組成物は、分散したフィルム形成性ポリマーおよび架橋性オリゴマー(非架橋性オリゴマーとの組合せで使用できるもの)を含有する。オリゴマーは、複雑な数式(乾燥している塗料フィルムにおける連続相の粘度、従ってコーティング組成物のオープンタイムに作用する多くの因子を含むもの)に適合しなければならない。
【0014】
米国特許第7,144,945号(Martinらに)は、延長したオープンタイムを有する水性コーティング組成物を記載する。該組成物は、非架橋性水分散性オリゴマー、分散したフィルム形成性ポリマーおよび任意の共溶媒を含有する。該組成物は、オープンタイム少なくとも20分、ウエットエッジタイム少なくとも10分、タックフリータイム24時間未満、および平衡粘度5,000ポイズを有する。好ましいオリゴマーは水分散性であり、そしてポリエチレンオキサイドおよびオリゴマー(水分散性であるか、または、酸もしくは塩基と反応してこれらを水分散性にできる基を含有するもの)が挙げられる。オリゴマーは直鎖または分岐鎖であることができる。好適なオリゴマーとしては、ポリウレタン、ポリエステルおよびビニルポリマーが挙げられる。6つの例示的なオリゴマーとしては、1つのみの直鎖ポリエステル(アジピン酸およびブタンジオールから調製され、そして酸価40mg.KOH/gを示すもの)、が挙げられる。このポリエステルは、開示される塗料組成物のいずれにおいても評価されていない。
【0015】
本発明の1つの目的は、先行技術の比較的揮発性の融合剤を、より低い揮発性のポリエステルで置換することである。この取組みの1つの明らかな不都合は、得られる、最終生成物(コーティングまたはシーラント等)中のより高濃度のより低い揮発性の融合剤が、物理特性(例えばスクラビングおよび溶媒に対する耐性)に不利に作用すると予測されることである。
【0016】
第2の目的は、水性ポリマー組成物のVOCレベルを、先行技術の揮発性有機化合物(例えばエチレンおよびプロピレングリコール)の濃度(既定レベルのフィルム特性およびパッケージ安定性(本明細書で用いる用語は、熱安定性およびゲル化に対する耐性(凍結および融解のサイクル中のポリマー組成物の)を包含する)を実現するために要求されるもの)を低減することによって、低減することである。
【0017】
本発明は、所定の官能基的に末端封止された液体ポリエステルを、水性コーティングおよび他の種類の水性ポリマー組成物における性能を向上させるために従来使用される、より揮発性の有機化合物の少なくとも部分的な代替物として、使用できることの発見に基づく。有効な可塑剤であることに加え、これらのポリエステルは、比較的低いレベルの揮発性有機化合物で、水性ポリマー組成物のオープンタイムを延長し、パッケージ安定性を改善し、そして融合を促進する。好ましいポリエステルを使用し、実現される所望のコーティング特性(例えばスクラビングおよび溶媒に対する耐性)のレベルは、大幅により高い濃度のこれらの揮発性有機化合物を含有する組成物を使用して調製されるコーティングの特性と少なくとも同等である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
発明の要約
本発明は、より高いVOCレベルを有する組成物の特有の特性を示す低またはゼロVOC水性フィルム形成性組成物であって、
A.少なくとも1種の乳化または分散したフィルム形成性有機ポリマー;
B.可塑化および特性改善の添加剤としての、該有機ポリマー基準で1〜200質量パーセントの、重量平均分子量1,000〜100,000を示し、一般式−OR1O(O)CR2C(O)−の繰り返し単位、ならびに−O(O)CR2C(O)OXおよび−OR1OH(式中、R1は、2〜10個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキレン基ならびに−(R3O)n3−からなる群から選択される少なくとも1種であり、R2は、1〜10個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキレン基ならびに異性体フェニレンからなる群から選択される少なくとも1種であり、R3は、2〜8個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1種であり、Xは、水素、アルカリ金属またはNH4+からなる群から選択され、そしてnは、1〜4の整数である(1および4を含む))からなる群から選択される少なくとも1つの一般式の末端単位、を含む、ポリエステル;ならびに
C.水;
を含み、
【0019】
添加剤によって向上される特性が、オープンタイムの延長、ウエットエッジ安定性、パッケージ安定性、該組成物から形成される液体フィルムが該有機ポリマーの最低フィルム形成温度またはそれ未満の温度で融合する能力、および該組成物の適用特性の向上を含む、組成物を提供する。
【0020】
本発明のポリエステルの好ましい態様においては、R1が4〜8個の炭素原子を含有し、R3が2または3個の炭素原子を含有し、nが2または3であり、そしてポリエステルの末端単位が−O(O)CR2C(O)OHである。
【0021】
本明細書で用いる用語「パッケージ安定性」は、コーティング組成物のその容器内での熱安定性と、この組成物の、凍結および融解の繰り返しサイクル中のゲル化に対する耐性との組合せと定義する。
【0022】
本発明の組成物とともに使用するのに好適な有機ポリマーとしては、これらに限定するものではないが、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、これらのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルとスチレン、ビニルモノマーおよびエチレンとのコポリマー、酢酸ビニル/エチレンコポリマー、ポリウレタン、エポキシドポリマー、エポキシド変性アクリルポリマー、ならびに上記ポリマーの2種以上を含有する混合物が挙げられる。本発明の組成物の好ましい態様において、フィルム形成性ポリマーは、アクリル、ビニル/アクリルコポリマー、スチレン化アクリルポリマー、ポリ酢酸ビニル、および酢酸ビニル/エチレンコポリマー、からなる群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
発明の詳細な説明
本発明の液体ポリエステルは、種々の水性ポリマー組成物(これらに限定するものではないが、コーティング組成物、コーク、インク、接着剤、オーバープリントワニス、シーラント、自己支持性フィルムを形成できる組成物および類似の組成物が挙げられる)のために好適な変性剤である。本発明の液体ポリエステルに加え、ポリマー組成物は、少なくとも1種の乳化または分散したフィルム形成性有機ポリマー、水、および典型的には、1種以上の水混和性有機化合物(その機能として、これらに限定するものではないが、融合剤、界面活性剤、およびフィルム変性剤が挙げられる)を含む。
【0024】
本発明の液体ポリエステルは、水性コーティング組成物の適用特性(これらに限定するものではないが、ウエットエッジおよびオープンタイムが挙げられる)を向上させるためならびにパッケージ安定性を改善するために使用する、より揮発性の有機添加剤を少なくとも部分的に置換する。従来の先行技術の添加剤は、典型的には、揮発性の液体有機化合物であり、そしてこれらに限定するものではないが、エチレングリコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。
【0025】
本発明のポリエステルはまた、より揮発性の有機融合剤(上記のArendt特許で記載する1価アルコールのベンゾエートが挙げられる)を少なくとも部分的に置換する。従来の先行技術の有機融合剤としては、これらに限定するものではないが、アルコールのエステル、グリコールおよびエーテルが挙げられる。好ましい融合剤は、脂肪族ジオールのエステル(例えばTexanol(登録商標)およびTexanol(登録商標)イソブチレート)である。
【0026】
本発明の官能基的に末端封止されたポリエステルをここで詳細に説明する。本発明のポリエステルの繰返し単位についての先の式において、R1は、2〜10個、好ましくは4〜8個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキレン基ならびに−(R3O)n3−からなる群から選択される少なくとも1種であり、R2は、1〜10個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキレン基ならびに3つの異性体フェニレン基からなる群から選択される少なくとも1種であり、R3は、2〜8個、好ましくは2または3個の炭素原子を含有するアルキル基からなる群から選択される少なくとも1種であり、Xは、水素、アルカリ金属またはNH4+であり、そしてnは2〜4の整数(2および4を含む)、好ましくは2または3である。
【0027】
好ましくは、R1は、4〜8個の炭素原子を含有し、R2は、4〜8個の炭素原子を含有する直鎖アルキレンおよび異性体フェニレンからなる群から選択され、そしてR3はエチレンまたはイソプロピレンである。
【0028】
本発明のポリエステル可塑剤/融合剤の重量平均分子量は、1,000〜100,000であり、好ましくは3,000〜6,000である。ポリエステルの分子量および官能基末端単位の種類(ヒドロキシルまたはカルボキシル)は、典型的には、1種または複数種のジカルボン酸の、1種または複数種の二価アルコール(ポリマーを調製するために使用するもの)に対するモル比を適合させることによって制御する。
【0029】
カルボキシル末端単位は好ましい。カルボキシレート末端ポリエステルは、カルボキシル末端ポリエステルをアルカリ金属ヒドロキシドまたはアンモニウムヒドロキシドと反応させることによって調製できる。
【0030】
カルボキシル末端ポリエステルは、典型的には、酸価1〜40mg(ポリエステルのグラム当たりのKOH)を有する。ヒドロキシル末端ポリエステルは、典型的には、ヒドロキシル価5〜60mg(ポリエステルのグラム当たりのKOH)を有する。
【0031】
本発明のオリゴマー性ポリエステルは、任意の種類の反応(比較的低分子量の官能基的に末端封止されたポリエステルを調製するために典型的に用いるもの)を用いて調製できる。液体ポリエステルの調製および精製の手順は周知であり、そして先行技術において、これらのポリマーに関して、これらを調製するためのより詳細な手順が十分に説明されている。本発明の官能基的に末端封止されたポリエステルを調製するための方法(少なくとも1種のジオールまたはグリコールと、少なくとも1種のジカルボン酸またはその好適な誘導体との、好適なエステル化触媒の存在下での反応によるもの)は当業者に公知である。
【0032】
水性ポリマー組成物
本発明のオリゴマー性カルボキシル、カルボキシレートおよびヒドロキシル末端ポリエステルは、種々の水性ポリマー組成物(これらに限定するものではないが、コーティング、シーラント、接着剤およびインクが挙げられる)における性能向上剤として好適である。分散したフィルム形成性ポリマーおよび1種以上の本発明のポリエステルに加え、これらの組成物は、典型的には、種々の上記の比較的揮発性の有機化合物(コーティング組成物および/または該組成物から形成されるフィルムの特性に影響するかまたはこれを改質するかのいずれかのもの)を含有する。
【0033】
付随する例は、本発明のポリエステルが、VOCレベルが0からより大きい程度であるラテックス塗料のオープンタイムを、相当量のVOC値を示す有機化合物および安息香酸エステルよりも延長することを示す。
【0034】
本発明の水性組成物においてフィルム形成性含有成分として使用するのに好適な有機ポリマーとしては、これらに限定するものではないが、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、これらのエステルとスチレン、ビニルモノマー、およびエチレンとのコポリマー;酢酸ビニル−エチレンコポリマー、ポリウレタン、エポキシドポリマー、エポキシ変性アクリルポリマー、ならびに上記のポリマーの2種以上の混合物が挙げられる。
【0035】
本発明の水性ポリマー組成物の最終用途としては、これらに限定するものではないが、コーティング物質(これらに限定するものではないが、塗料および工業用コーティング)、接着剤、シーラント、オーバープリントワニス、コーク、インク、および自己支持性フィルム)が挙げられる。
【0036】
本発明のポリエステルは、典型的には、約1〜約200質量パーセント、好ましくは1〜50質量パーセント(ポリマー組成物中のフィルム形成性ポリマーの質量基準で)を構成する。着色コーティング組成物(例えば塗料)を調製する場合には、本発明のポリエステルは、好ましくは、顔料および他の固体含有成分と一緒にブレンドして、最終組成物中のより安定な分散を作り出す。
【0037】
以下の例は、本発明の好ましいポリエステルを含有する好ましい水性コーティング組成物、ならびに、このポリエステルが融合剤、フィルム特性向上剤として典型的に使用される、より揮発性の有機化合物を部分的に置換すること、そしてコーティング組成物のパッケージ安定性を実現すること、の能力を説明する。例は、特許請求の範囲によって包含される操作可能な液体ポリエステルおよびフィルム形成性組成物の範囲の制限と解釈すべきでない。特記がない限り、例における全ての部およびパーセントは質量基準であり、そして特性は25℃で測定した。
【0038】
例1
この例は、本発明のポリエステルを可塑剤/融合剤として、4つの異なる市販の水系ラテックス塗料に添加した場合に実現されるオープンタイム値の増大を示す。評価する全ての市販の塗料組成物は、実質的にVOCを含有しないと公表されている。
【0039】
使用する酸官能ポリエステルは、アジピン酸とジエチレングリコールとの反応生成物であり、酸価28を示す。このポリエステルを、下記表にて添加剤1とする。
【0040】
全ての塗料のオープンタイム値は、各組成物を、ぞれぞれ、3インチ幅ブラシを用いて垂直ストロークで紙基材(“BH chart”としてLenettaから入手可能)上に適用することによって評価した。塗料の適用直後、図形「X」を各々の塗料サンプル上に、ブラシの柄を用いて刻み、そしてタイマーを開始させた。既定時間間隔で、ブラシを塗料で再度濡らして水平ストライプを「X」に交差させて塗る。この後の、「X」の直近の既に適用された塗料層の部分が新たに適用された塗料とブレンドされることができる最長の間隔を「オープンタイム」という。
【0041】
【表1】

【0042】
添加剤:
1 ジエチレングリコール/アジピン酸コポリマー(酸価28を示すもの)
2c ジエチレングリコールジベンゾエートとジプロピレングリコールジベンゾエートとの1/1質量比混合物
3c 分子量200のポリエチレングリコールのジベンゾエート
4c トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)
【0043】
市販塗料は以下の通り指定される:
A=Sherwin Williams,Zero VOC,エチレン−酢酸ビニルコポリマー,interior flat(内部平坦)
B=Dulux Zero VOC,100%アクリルラテックス,interior semi−gloss(内部半光沢)
C=Pittsburgh Paints,Zero VOC,100%アクリルラテックス,interior flat(内部平坦)
D=Pittsburgh Paints,Zero VOC,100%アクリルラテックス,interior semi−gloss(内部半光沢)
【0044】
表1中のデータは、評価した8つの配合物のうち6つで、本発明の酸末端ポリエステルの存在が、配合物のオープンタイムを最大105秒、非変性対照と比べて増大させたことを示す。1つの場合のみで、すなわちPittsburgh Paints Interior Semi−Glossで、ポリエステルのより高レベルの7.5質量パーセントでの存在が、非変性組成物のオープンタイムに対して不利な効果を有した。Dulux(登録商標)塗料においてのみ、先行技術の融合剤(この場合にはトリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)は、本発明のポリエステルよりも長いオープンタイムを与えた。
【0045】
例2
この例は、コーティング組成物用の従来の添加剤の揮発性成分量を、本発明の酸官能ポリエステル添加剤の揮発性成分量と比較する。揮発性成分量は、ASTM試験法D2369を用いて評価した。使用する酸官能ポリエステルは、アジピン酸とジエチレングリコールとの反応生成物であり、酸価28を示し、そして下記表にて添加剤1とする。評価する従来の添加剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、Texanol、TXIBおよび2−エチルヘキシルベンゾエートであった。
【0046】
【表2】

【0047】
例3
この例は、パッケージ安定性,すなわち凍結−融解サイクル中のゲル化に対する耐性、の改善(市販で入手可能なゼロVOCコーティングに対して、1)本発明のポリエステル、ならびに2)エチレンおよびプロピレングリコール、この目的のために使用する2つの従来の添加剤、によって与えられるもの)を比較する。コーティングは、Glidden(登録商標) Evermore(登録商標) Interior Latex Enamel Semi−gloss,Pure−whiteであった。使用した酸官能ポリエステルは、アジピン酸とジエチレングリコールとの反応生成物(先の例2で添加剤1としたもの)であった。エチレングリコールまたはプロピレングリコールを含有する同じコーティングを比較の目的で評価した。
【0048】
凍結−融解サイクル中のゲル化に対する組成物の耐性は、2オンス容量瓶を評価すべきサンプルで3/4満たすことによって評価した。サンプルを次いで−10℃の冷凍庫内に最低16時間置き、次いでこれらを16時間25℃に曝露することによって状態調整した。これは1回の凍結−融解サイクルに相当する。状態調整後、サンプルを試験し、そして厚み、稠度および物質のクランプ(凝集)の存在について評定した。サンプルを、0から10に、表4で纏める基準を用いて評定した。
【0049】
【表3】

【0050】
【表4】

【0051】
表3中のデータは、本発明の酸末端ポリエステルの存在下で評価した4サンプルのうち3つでは、配合物の凍結−融解サイクル中のゲル化に対する耐性が顕著に改善されたことを示す。1つの場合のみ、すなわち7%プロピレングリコールで、配合物の性能が本発明のポリエステルと比べて改善された。
【0052】
例4
この例は、本発明の酸官能ポリエステルの融合効果を、従来の可塑剤/融合助剤と比較する。使用したポリエステルは、先の表1および表5で「添加剤1」とされるものである。
【0053】
本発明のポリエステルの効果は、これを構造コーティング配合物中に、配合物の質量の1%、3%および7%でブレンドすることによって評価する。ジエチレンおよびジプロピレングリコールのモノ−およびジベンゾエートの混合物(Velate(登録商標)375として入手可能)を、次いで、増大する濃度で、得られる配合物が連続フィルムを6mil湿潤厚みおよび4.4℃で形成するまでブレンドする。連続フィルムを形成するために必要なベンゾエート混合物の最小濃度を表5に列挙する。
【0054】
【表5】

【0055】
表5中のデータは、本発明のポリエステル(添加剤1)の濃度が増大するのに従って、先行技術の融合剤、ベンゾエートエステルの混合物(Velate(登録商標)375)の連続フィルムを形成するのに必要な濃度が低下することによって、本発明のポリエステルの融合能力を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
より高いVOCレベルを有する組成物に特有の特性を示す、低またはゼロVOC水性フィルム形成性組成物であって:
A.少なくとも1種の乳化または分散したフィルム形成性有機ポリマー;
B.可塑化および特性改善の添加剤としての、該有機ポリマー基準で1〜200質量パーセントの、重量平均分子量1,000〜100,000を示し、一般式−OR1O(O)CR2C(O)−の繰り返し単位、ならびに−O(O)CR2C(O)OXおよび−OR1OH(式中、R1は、2〜10個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキレン基ならびに−(R3O)n3−からなる群から選択される少なくとも1種であり、R2は、1〜10個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキレンならびに異性体フェニレンからなる群から選択される少なくとも1種であり、R3は、2〜8個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキル基からなる群から選択される少なくとも1種であり、nは、1〜4の整数であり(1および4を含む)、そしてXは、水素、アルカリ金属およびNH4+からなる群から選択される)からなる群から選択される少なくとも1つの一般式の末端単位、を含む、ポリエステル;ならびに
C.水;
を含み、該添加剤によって向上される特性が、オープンタイムの延長、パッケージ安定性、該組成物が該有機ポリマーの最低フィルム形成温度またはそれ未満の温度で融合する能力、および該組成物の適用特性の向上を含む、組成物。
【請求項2】
1が4〜8個の炭素原子を含有し、R2が4〜8個の炭素原子を含有する直鎖アルキレンおよび異性体フェニレンからなる群から選択され、R3がエチレンまたはイソプロピレンであり、nが2または3であり、該フィルム形成性有機ポリマーが、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、これらのエステルとスチレン、ビニルモノマーおよびエチレンとのコポリマー;酢酸ビニル−エチレンコポリマー、ポリウレタン、エポキシドポリマー、ならびにエポキシ変性アクリルポリマーからなる群から選択される少なくとも1種であり;該ポリエステルの重量平均分子量が3,000〜6,000であり、そして該ポリエステルの濃度が該フィルム形成性ポリマーの質量基準で1〜50パーセントである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
該組成物が、塗料、工業用コーティング、コーク、シーラント、インク、およびオーバープリントワニスからなる群から選択され、そして、該組成物が、二価アルコール、グリコール、オリゴマー性グリコール、該アルコールおよびグリコールのエステル、ならびにエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の有機特性改善添加剤を更に含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
該フィルム形成性ポリマーが、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、該エステルとビニル化合物とのコポリマー、該エステルとスチレンとのコポリマー、ならびに酢酸ビニル/エチレンコポリマーからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
該添加剤によって向上される、該組成物から形成されるフィルムの特性が、スクラビング耐性、溶媒および塩での曇り、濡れ性、ウエットエッジ、レベリング、光沢発現、接着ならびにツールアビリティからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1種のフィルム形成性ポリマーを含有する低またはゼロVOC水性フィルム形成性組成物を用いて形成されるフィルムの特性を向上させる方法であって:
A.少なくとも1種の乳化または分散したフィルム形成性有機ポリマー;
B.可塑化および特性改善の添加剤としての、該有機ポリマー基準で1〜200質量パーセントの、重量平均分子量1,000〜100,000を示し、一般式−OR1O(O)CR2C(O)−の繰り返し単位、ならびに−(O)CR2C(O)OXおよび−OR1OH(式中、R1は、2〜10個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキレン基ならびに−(R3O)n3−からなる群から選択される少なくとも1種であり、R2は、1〜10個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキレンならびに異性体フェニレンからなる群から選択される少なくとも1種であり、R3は、2〜8個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキル基からなる群から選択される少なくとも1種であり、nは、1〜4の整数であり(1および4を含む)、そしてXは、水素、アルカリ金属またはNH4+である)からなる群から選択される少なくとも1つの一般式の末端単位、を含む、ポリエステル;ならびに
C.水;
を含む組成物を用いることを含み、
該添加剤によって向上される特性が、これらに限定されるものではないが、オープンタイムの延長、より大きいパッケージ安定性、該組成物が該有機ポリマーの最低フィルム形成温度またはそれ未満の温度で融合する能力、および該組成物の適用特性の向上を含む、方法。
【請求項7】
1が4〜8個の炭素原子を含有し、R2が4〜8個の炭素原子を含有する直鎖アルキレンであり、R3がエチレンまたはイソプロピレンであり、nが2または3であり、該フィルム形成性有機ポリマーが、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルとスチレン、ビニルモノマーまたはエチレンとのコポリマー;酢酸ビニル−エチレンコポリマー、ポリウレタン、エポキシドポリマー、エポキシド変性アクリルポリマーからなる群から選択される少なくとも1種であり;該ポリエステルの重量平均分子量が3,000〜6,000であり、そして該ポリエステルの濃度が該フィルム形成性ポリマーの質量基準で1〜50パーセントである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該組成物が、塗料、工業用コーティング、コーク、シーラント、インク、およびオーバープリントワニスからなる群から選択され、そして、該組成物が、二価アルコール、グリコール、オリゴマー性グリコール、該アルコールおよびグリコールのエステル、ならびにエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の有機特性改善添加剤を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
該フィルム形成性有機ポリマーが、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、該エステルとビニル化合物とのコポリマー、該エステルとスチレンとのコポリマー、ならびに酢酸ビニル/エチレンコポリマーからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
該添加剤によって向上される、該組成物から形成されるフィルムの特性が、スクラビング耐性、溶媒および塩での曇り、濡れ性、ウエットエッジ、レベリング、光沢発現、接着ならびにツールアビリティからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
低またはゼロVOC可塑化水性ポリマー組成物を製造する方法であって:
A.少なくとも1種の乳化または分散したフィルム形成性有機ポリマー;
B.可塑化および特性改善の添加剤としての、該有機ポリマー基準で1〜200質量パーセントの、重量平均分子量1,000〜100,000を示し、一般式−OR1O(O)CR2C(O)−の繰り返し単位、ならびに−OR1O−(O)CR2C(O)OXおよびOR1OH(式中、R1は、2〜10個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキレン基ならびに−(R3O)n3−からなる群から選択される少なくとも1種であり、R2は、1〜10個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキレンならびに異性体フェニレンからなる群から選択される少なくとも1種であり、R3は、2〜8個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1種であり、nは、1〜4の整数であり(1および4を含む)、そしてXは、水素、アルカリ金属およびNH4+からなる群から選択される)からなる群から選択される少なくとも1つの一般式の末端単位、を含む、ポリエステル;ならびに
C.水;
を含む均質含有成分をブレンドすることを含む、方法。
【請求項12】
1が4〜8個の炭素原子を含有し、R2が4〜8個の炭素原子を含有する直鎖アルキレンであり、R3がエチレンまたはイソプロピレンであり、nが2または3であり、該フィルム形成性有機ポリマーが、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、これらのエステルとスチレン、ビニルモノマーおよびエチレンとのコポリマー;酢酸ビニル−エチレンコポリマー、ポリウレタン、エポキシドポリマー、エポキシ変性アクリルポリマーからなる群から選択される少なくとも1種であり;該ポリエステルの重量平均分子量が3,000〜6,000であり、そして該添加剤の濃度が該フィルム形成性ポリマーの質量基準で1〜50パーセントである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
該組成物が、塗料、工業用コーティング、コーク、シーラント、インク、およびオーバープリントワニスからなる群から選択され、そして、該組成物が、二価アルコール、グリコール、オリゴマー性グリコール、該アルコールおよびグリコールのエステル、ならびにエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の有機特性改善添加剤を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
該フィルム形成性ポリマーが、アクリル酸およびメタクリル酸と、1〜8個の炭素原子を含有するアルコールとのエステル、該エステルとビニル化合物、エチレンおよびスチレンとのコポリマー、ならびに酢酸ビニル/エチレンコポリマーからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
該有機化合物によって向上される、該組成物から形成されるフィルムの特性が、スクラビング耐性、溶媒および塩での曇り、濡れ性、ウエットエッジ、レベリング、光沢発現、接着ならびにツールアビリティからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
より高いVOCレベルを有する組成物の特性を示す融合した低またはゼロVOC水性フィルム形成性組成物のフィルムでコートされた固体基質であって、該組成物が:
A.少なくとも1種の乳化したフィルム形成性有機ポリマー;
B.可塑剤および特性向上添加剤としての、該有機ポリマー基準で1〜200質量パーセントの、重量平均分子量1,000〜13,000を示し、一般式−OR1O(O)CR2C(O)−の繰り返し単位、ならびに−OR1O−(O)CR2C(O)OXおよび−OR1OH(式中、R1は、2〜10個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキレン基ならびに−(R3O)n3−からなる群から選択される少なくとも1種であり、R2は、1〜10個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキレンからなる群から選択される少なくとも1種であり、R3は、2〜8個の炭素原子を含有する直鎖および分岐鎖のアルキル基からなる群から選択される少なくとも1種であり、nは、1〜4の整数であり(1および4を含む)、そしてXは、水素、アルカリ金属またはNH4+である)からなる群から選択される少なくとも1つの一般式の末端単位、を含む、ポリエステル;ならびに
C.水;
を含む、固体基質。
【請求項17】
1が4〜8個の炭素原子を含有し、R2が4〜8個の炭素原子を含有する直鎖アルキレンであり、R3がエチレンまたはイソプロピレンであり、nが2または3であり、該乳化したポリマーが、アクリル酸およびメタクリル酸と1〜8個の炭素原子を含有するアルコールとのエステルのホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルとスチレン、ビニルモノマーおよびエチレンとのコポリマー、酢酸ビニル/エチレンコポリマー、エポキシドポリマー、ポリウレタン、エポキシドポリマー、エポキシド変性アクリルポリマー、ならびに該乳化したポリマーの2種以上を含有する混合物からなる群から選択され;該ポリエステルの重量平均分子量が3,000〜6,000であり、そして該ポリエステルの濃度が該フィルム形成性ポリマーの質量基準で1〜50質量パーセントである、請求項16に記載の固体基質。
【請求項18】
該組成物が、塗料、工業用コーティング、コーク、シーラント、インク、およびオーバープリントワニスからなる群から選択され、そして、該組成物が、二価アルコール、グリコール、オリゴマー性グリコール、該アルコールおよびグリコールのエステル、ならびにエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の有機特性改善添加剤を更に含む、請求項17に記載の固体基質。
【請求項19】
該フィルム形成性ポリマーが、アクリルポリマー、ビニル/アクリルコポリマー、ならびにスチレン/アクリルおよび酢酸ビニル/エチレンコポリマーからなる群から選択される、請求項17に記載の固体基質。
【請求項20】
該有機化合物によって向上される、該組成物から形成されるフィルムの特性が、スクラビング耐性、溶媒および塩での曇り、濡れ性、ウエットエッジ、レベリング、光沢発現、接着ならびにツールアビリティからなる群から選択される、請求項19に記載の固体基質。

【公表番号】特表2011−521086(P2011−521086A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510680(P2011−510680)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/044682
【国際公開番号】WO2009/143248
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(510153939)イーストマン スペシャルティーズ ホールディングス コーポレイション (7)
【Fターム(参考)】