説明

搬送車システム

【課題】搬送車の自動走行を継続させつつ、作業用エリアへの搬送車の侵入を防止することが可能な搬送車システムにおいて、作業用エリアでの安全性を向上させる。
【解決手段】搬送車システム1について説明する。搬送車3は、軌道2に沿って走行する。第2光電センサ48は、搬送車3に設けられている。通行禁止ゲート71は、軌道2に設置可能であり、第2光電センサ48によって検出可能なミラー87を有する。第1リミットスイッチ95は、軌道2に設けられ、通行禁止ゲート71が軌道2に設置されたことを検出する。コントローラ本体54は、第2光電センサ48からの検出結果によって通行禁止ゲート71が設置されたことを把握すれば、通行禁止ゲート71の片側を自動走行許可エリアに設定することを有効にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送車システムに関し、特に経路に通行禁止ゲートを設置可能な搬送車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
大型化したガラス基板やそれが複数収納されたカセットを搬送するための搬送車が知られている。搬送車は、工場内のクリーンルーム内を自動走行して、処理装置間で物品を搬送する。
【0003】
搬送車には、障害物との衝突を防止するために、衝突防止センサが設けられている。衝突防止センサは、例えば、投光部と受光部を有する反射型光電センサである。光は、反射型光電センサの投光部から搬送車の走行方向前側に投射され、障害物に反射して受光部に入射される。
【0004】
搬送車の走行中には、衝突防止センサが常に前方に投光しており、前方にある障害物(例えば、前を走る搬送車)から受光することにより、障害物との距離を計測する。そして、この距離が所定値以下になると、搬送車は減速・停止を行う。このようにして、天井搬送車は前方にある障害物との衝突を回避する(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−19605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
搬送車システムでは、処理装置または軌道の保守・点検を行うために、搬送車の走行を一時的に停止させることがある。その場合、制御担当者が保守担当者からの依頼に応じて製造装置の稼働状況を見ながら制御装置を操作する。しかし、保守担当者が搬送車を一時停止させる方が好ましい場合もある。
【0007】
そこで、特許文献1には、レールに仮固定可能な一時停止装置が開示されている。一時停止装置は、搬送車から発せられた光を反射させるための光反射面が設けられた光反射部を有している。
【0008】
上述の搬送車システムでは、一時停止装置の近傍においては搬送車を一時停止させることができ、それにより保守担当者が通行可能な作業用エリアを確保できる。しかし、上述のように単に一時停止装置をレールに設置するだけでは、搬送車の自動走行が継続中であるので、搬送車が作業用エリアに侵入してくることを防止できないこともある。
【0009】
本発明の課題は、作業用エリアへの搬送車の侵入を防止することが可能な搬送車システムにおいて、搬送車の自動走行を継続させつつ、作業用エリアでの安全性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0011】
本発明の一見地に係る搬送車システムは、予め定められた経路と、搬送車と、衝突防止センサと、通行禁止ゲートと、第1設置検出センサと、コントローラとを備えている。搬送車は、経路に沿って走行する。衝突防止センサは、搬送車に設けられている。通行禁止ゲートは、経路に設置可能であり、衝突防止センサによって検出可能な被検出体を有する。第1設置検出センサは、経路に設けられ、通行禁止ゲートが経路に設置されたことを検出する。コントローラは、第1設置検出センサからの検出結果によって通行禁止ゲートが設置されたことを把握すれば、通行禁止ゲートの片側を自動走行許可エリアに設定することを有効にする。
この搬送車システムでは、作業者が必要に応じて通行禁止ゲートを経路に設置する。すると、第1設置検出センサが通行禁止ゲートを検出する。これにより、コントローラが通行禁止ゲートの片側を自動走行許可エリアに設定することを有効にする。このように通行禁止ゲートの設置に基づいて自動走行許可エリアの設定が有効化されるので、搬送車の自動走行を継続させつつ、作業用エリアでの安全性が向上する。
【0012】
コントローラは、第1設置検出センサの出力を監視しており、出力が検出状態から非検出状態に切り替われば、搬送車を非常停止させてもよい。
このシステムでは、経路に設置された通行禁止ゲートが設置場所から外れてしまうと、第1設置検出センサの出力が検出状態から非検出状態に切り替わる。これにより、コントローラは搬送車を非常停止させる。つまり、通行禁止ゲートが設置場所から外れたとしても搬送車は通行禁止ゲートの設置場所からさらに作業用エリア内に進入しにくい。したがって、作業用エリアの安全性が向上する。
【0013】
通行禁止ゲートの設置位置に設けられ、通行禁止ゲートを搬送車の走行方向前側に脱落可能に支持する支持部材をさらに備えてもよい。
このシステムでは、搬送車が万が一にも通行禁止ゲートに衝突すると、通行禁止ゲートは支持部材から搬送車走行方向前側に脱落する。これにより、コントローラは搬送車を非常停止させる。つまり、搬送車は通行禁止ゲートの設置場所からさらに作業用エリア内に進入しにくい。したがって、作業用エリアの安全性が向上する。
【0014】
ドグと、第2設置検出センサと、ドグ検出センサとをさらに備えてもよい。ドグは、経路において通行禁止ゲートが設置される場所の近傍に設置可能である。第2設置位置検出センサは、経路に設けられ、ドグが経路に設置されたことを検出する。ドグ検出センサは、搬送車に設けられ、ドグを検出可能である。コントローラは、通行禁止ゲートの片側を自動走行許可エリアに設定するにあたり第2設置検出センサによるドグの検出も確認する。
このシステムでは、作業者がドグを経路において通行禁止ゲートが設置される場所の近傍に設置すれば、第2設置検出センサがドグを検出する。この場合は、コントローラは、ドグのみを検出した場合でも通行禁止ゲートの片側を自動走行許可エリアに設定する。このようにドグの存在に基づいても自動走行許可エリアが設定されるので、作業用エリアでの安全性が向上する。
【0015】
コントローラは、第2設置検出センサの出力を監視しており、出力が検出状態から非検出状態に切り替われば、搬送車を非常停止させてもよい。
このシステムでは、経路に設置されたドグが設置場所から外れてしまうと、第2設置検出センサの出力が検出状態から非検出状態に切り替わる。これにより、コントローラは搬送車を非常停止させる。つまり、通行禁止ゲートが設置場所から外れたとしても搬送車は通行禁止ゲートの設置場所からさらに作業用エリア内に進入しにくい。したがって、作業用エリアの安全性が向上する。
【0016】
通行禁止ゲートの設置位置は、経路の分岐部から分かれた先のいずれかにあってもよい。
このシステムでは、通行禁止ゲートを経路の分岐部から分かれた先のいずれかに設けることで、分岐部から分かれた一方の先を通行禁止ゲートによって通行禁止にするとともに、分岐部から分かれた他方の先をコントローラが自動走行可能エリアに設定できる。この結果、自動走行が可能な分岐先を利用して、自動走行が継続される。
【0017】
搬送車の経路探索において、通行禁止ゲートによって意図された作業エリアは対象から外れるように設定されてもよい。
このシステムでは、作業用エリアは搬送車の経路探索の対象にならないので、作業用エリアでの安全性がさらに向上する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る搬送車システムでは、作業用エリアへの搬送車の侵入を防止することが可能な搬送車システムにおいて、搬送車の自動走行を継続させつつ、作業用エリアでの安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態が採用された搬送車システムの模式図。
【図2】搬送車システムの軌道レイアウトの概略平面図。
【図3】搬送車システムの制御構成を示すブロック構成図。
【図4】通行禁止ゲートの設置箇所(ゲート設置状態)の概略平面図。
【図5】通行禁止ゲートの設置箇所(ゲート設置状態)の概略斜視図。
【図6】通行禁止ゲートの設置箇所(ゲート非設置状態)の概略斜視図。
【図7】図5の部分拡大図であり、通行禁止ゲートの設置状態を示す概略斜視図。
【図8】図5の部分拡大図であり、極限ドグの設置状態を示す概略斜視図。
【図9】コントローラ本体による自動走行エリア設定制御動作を示すフローチャート。
【図10】搬送経路の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(1)搬送車システム
図1を用いて本発明の一実施形態が採用された搬送車システム1について説明する。図1は、本発明の一実施形態が採用された搬送車システムの模式図である。
【0021】
搬送車システム1は、軌道2と、軌道2上を走行する搬送車3と有している。この実施形態では、軌道2は天井から吊り下げられており、さらに、軌道2の周囲はクリーンルームになっている。また、搬送車3は、自動走行時には軌道2を一方通行で走行する。
【0022】
軌道2は、走行レール4とガイドレール6を有している。走行レール4は、左右の第1走行レール4aおよび第2走行レール4bから構成されている。第1走行レール4aおよび第2走行レール4bは、平坦な走行面を有している。
【0023】
ガイドレール6は、第1ガイドレール6aおよび第2ガイドレール6bを有している。第1ガイドレール6aおよび第2ガイドレール6bは、第1走行レール4aおよび第2走行レール4bの外側端にそれぞれ設けられている。第1ガイドレール6aおよび第2ガイドレール6bは上方に延びている。
【0024】
(2)軌道レイアウト
図2を用いて、軌道2のレイアウトを説明する。図2は、搬送車システムの軌道レイアウトの概略平面図である。
図2において、軌道2は、第1直線部201と、分岐部206と、分岐部206から図右側に曲がる曲線部203と、分岐部206からそのまま直線状に延びる第2直線部202とを有している。
【0025】
第1走行レール4aと第2走行レール4bは、第1直線部201、分岐部206、曲線部203、第2直線部202にそれぞれ設けられている。
【0026】
分岐部206において、第1ガイドレール6aは第1直線部201から曲線部203にかけて連続して形成されているが、第2ガイドレール6bは設けられていない。分岐部206において、第2ガイドレール6bは第1直線部201から第2直線部202にかけて連続して形成されているが、第1ガイドレール6aは設けられていない。
【0027】
曲線部203においては、第1ガイドレール6aおよび第2ガイドレール6bはそれぞれ設けられている。
【0028】
図2を用いて、走行レール4に沿って設けられた複数種類の被検出部について説明する。被検出部は、反射テープ11と、バーコード13と、磁気マーク14とを含んでいる。なお、図2では、反射テープ11と、バーコード13と、磁気マーク14は、走行レール4の内側に図示されているが、実際には走行レール4上に設けられている。
反射テープ11は、曲線部203において搬送車3の位置を検出するための部材であり、図においては曲線部203に配置されている。
バーコード13は、走行レール4の原点マークおよび複数の基準マークとして機能している。
磁気マーク14は、搬送車3の停止位置を示す部材である。磁気マーク14は、鋼などの磁性体や、銅やアルミなどの反磁性体で構成されている。この実施形態では、磁気マーク14は、第1直線部201に配置されており、磁気マーク14の中間が停止位置80になっている。
【0029】
(3)搬送車
搬送車3は、搬送車本体15と、駆動走行部18と、従動走行部19を有している。搬送車本体15の構造は従来と同じであるので説明を省略する。駆動走行部18および従動走行部19は、搬送車本体15に対してそれぞれ回動自在に取り付けられるボギー台車である。
【0030】
図1を用いて、駆動走行部18を説明する。駆動走行部18は、主に、本体フレーム20と、第1駆動輪ユニット21と、第2駆動輪ユニット22と、固定ガイドローラ機構と、分岐ガイドローラ機構とを有している。
【0031】
第1駆動輪ユニット21は、本体フレーム20の右側端部に装着されており、第1駆動輪25と、第1モータ26と、第1エンコーダ27とを有している。第1駆動輪25は、第1走行レール4aの走行面の上に載っている。第1モータ26は、第1駆動輪25に連結されている。第1エンコーダ27は、第1モータ26の回転を計測して、パルス信号を送信する。これにより、第1モータ26の回転速度や回転回数を得ることができる。
【0032】
第2駆動輪ユニット22は、本体フレーム20の左側端部に装着されており、第2駆動輪28と、第2モータ29と、第2エンコーダ30とを有している。第2駆動輪28は、第2走行レール4bの走行面の上に載っている。第2モータ29は第2駆動輪28に連結されている。第2エンコーダ30は、第2モータ29の回転を計測して、パルス信号を送信する。これにより、第2モータ29の回転速度や回転回数を得ることができる。
【0033】
固定ガイドローラ機構は、一対の第1固定ガイドローラ31と、一対の第2固定ガイドローラ32とを有している。一対の第1固定ガイドローラ31は、本体フレーム20の右側端部に走行方向前後に離れて配置されている。より具体的には、第1固定ガイドローラ31は、第1駆動輪25の走行方向前後両側に離れて配置され、第1ガイドレール6aの内側に常に当接または近接している。一対の第2固定ガイドローラ32は、本体フレーム20の左側端部に走行方向前後に離れて配置されている。より具体的には、第2固定ガイドローラ32は、第2駆動輪28の走行方向前後両側に離れて配置され、第2ガイドレール6bの内側に常に当接または近接している。
【0034】
分岐ガイドローラ機構は、分岐部206において分岐動作を行うための機構であり、一対の第1分岐ガイドローラ33と、第2分岐ガイドローラ34と、第1分岐ガイドローラ駆動部35(図3)とを有している。
【0035】
第1分岐ガイドローラ33は、第1固定ガイドローラ31に対応して配置されている。第2分岐ガイドローラ34は、第2固定ガイドローラ32に対応して配置されている。第1分岐ガイドローラ駆動部35(図3)は、第1分岐ガイドローラ33と、第2分岐ガイドローラ34の位置を変更するための機構である。
【0036】
以上の構造により、第1分岐ガイドローラ駆動部35(図3)によって、第1分岐ガイドローラ33および第2分岐ガイドローラ34が第1ガイドレール6aの外側に当接または近接するガイド位置と、第1ガイドレール6aから離れた非ガイド位置との間で移動する。
【0037】
従動走行部19は、主に、本体フレーム23と、第1従動輪36と、第2従動輪37と、第2固定ガイドローラ機構と、第2分岐ガイドローラ機構とを有している。
第1従動輪36は、走行レール4の第1走行レール4aの上に載っている。第2従動輪37は、走行レール4の第2走行レール4bの上に載っている。
【0038】
第2固定ガイドローラ機構は、一対の第3固定ガイドローラ40と、一対の第4固定ガイドローラ41とを有している。第3固定ガイドローラ40は、本体フレーム23の右側端部に走行方向前後に離れて配置されている。より具体的には、第3固定ガイドローラ40は、第1従動輪36の走行方向前後両側に離れて配置され、第1ガイドレール6aの内側に常に当接または近接している。第4固定ガイドローラ41は、本体フレーム23の左側端部に走行方向前後に離れて配置されている。より具体的には、第4固定ガイドローラ41は、第2従動輪37の走行方向前後両側に離れて配置され、第2ガイドレール6bの内側に常に当接または近接している。
【0039】
分岐ガイドローラ機構は、分岐部206において分岐動作を行うための機構であり、一対の第3分岐ガイドローラ42と、第4分岐ガイドローラ43と、第2分岐ガイドローラ駆動部44(図3)とを有している。
【0040】
第1分岐ガイドローラ33は、第1固定ガイドローラ31に対応して配置されている。第2分岐ガイドローラ34は、第2固定ガイドローラ32に対応して配置されている。第2分岐ガイドローラ駆動部44(図3)は、第1分岐ガイドローラ33と、第2分岐ガイドローラ34の位置を変更するための機構である。
【0041】
以上の構造により、第2分岐ガイドローラ駆動部44(図3)によって、第3分岐ガイドローラ42および第4分岐ガイドローラ43が第1ガイドレール6aの外側に当接または近接するガイド位置と、第1ガイドレール6aから離れた非ガイド位置との間で移動する。
(4)センサおよび被検出部
駆動走行部18および従動走行部19には、さらに、図3に示すように、第1光電センサ47と、第2光電センサ48と、リニアスケール49と、バーコードリーダ50とが設けられている。第1光電センサ47は、反射テープ11を検出するためのものである。第2光電センサ48は、前方を走行する搬送車3の反射板53(図4)を検出することで、衝突を防止するためのセンサである(後述)。リニアスケール49は、磁気マーク14を検出するためのものである。リニアスケール49は、磁気マーク14に対する搬送車3の絶対位置、言い換えれば磁気マーク14を基準とする位置を求める。バーコードリーダ50は、バーコード13を検出するためのものである。
【0042】
(5)制御構成
図3を用いて、搬送車システム1の制御構成を説明する。図3は、搬送車システムの制御構成を示すブロック構成図である。
【0043】
搬送車システム1は、搬送車コントローラ52を有している。搬送車コントローラ52は、複数の搬送車3の走行を管理するためのコントローラである。搬送車コントローラ52は、複数の搬送車3を管理し、これらに搬送指令を割り付ける割り付け機能を有している。なお、「搬送指令」は、走行に関する指令や、荷つかみ位置と荷おろし位置に関する指令を含んでいる。
【0044】
搬送車コントローラ52は、コントローラ本体54と、第1メモリ55を有している。コントローラ本体54は、CPU、RAM、ROM等からなりプログラムを実行するコンピュータである。第1メモリ55内には、ルートマップが記憶されている。ルートマップとは、走行ルートの配置、原点の位置、原点を基準とする基準位置や移載位置の座標を記載したマップである。座標は、原点からの走行距離を搬送車のエンコーダの出力パルス数などに換算したものである。
【0045】
搬送車コントローラ52は、搬送指令を作成するために各搬送車3と連続的に通信して、各搬送車3から送信された位置データをもとにその位置情報を得ている。位置情報を取得する例としては、以下2つの方法がある。
・軌道に複数のポイントを設定しておき、搬送車3がポイントを通過したときに通過信号を搬送車コントローラ52に送信させるようにする。その上で搬送車コントローラ52が、搬送車3が直近に通過したポイントがどのポイントであるかと、ポイントを通過した時刻を記憶する。そして、そのポイント区間の規定速度と時間をもとに搬送車3の位置を演算して求める。
・エンコーダを搬送車3に設けておいて、ポイントを通過してからの走行距離を搬送車3から搬送車コントローラ52へ位置データとして送信させ、搬送車コントローラ52がこれによって搬送車3の位置を把握する。
【0046】
搬送車3は、走行制御部59を有している。走行制御部59は、CPU、RAM、ROM等からなりプログラムを実行するコンピュータである。走行制御部59は、搬送車コントローラ52からの指令に基づいて第1モータ26と第2モータ29に駆動信号を送信できる。走行制御部59は、さらに、分岐制御部60に接続されている。分岐制御部60は、搬送車コントローラ52からの指令に基づいて第1分岐ガイドローラ駆動部35および第2分岐ガイドローラ駆動部44(図3)に駆動信号を送信できる。
さらに、走行制御部59は、搬送車コントローラ52からの搬送指令に基づいて、現在位置から荷積みまたは荷おろし位置までの最適な経路を探索し、選択した経路に沿って搬送車3の走行を実行する。
【0047】
(6)通行禁止ゲートによる作業エリア確保
図4〜図8を用いて、通行禁止ゲート71及び走行極限ドグ73の設置及び設置場所について説明する。図4は、通行禁止ゲートの設置箇所(ゲート設置状態)の概略平面図である。図5は、通行禁止ゲートの設置箇所(ゲート設置状態)の概略斜視図である。図6は、通行禁止ゲートの設置箇所(ゲート非設置状態)の概略斜視図である。図7は、図5の部分拡大図であり、通行禁止ゲートの設置状態を示す概略斜視図である。図8は、図5の部分拡大図であり、極限ドグの設置状態を示す概略斜視図である。図4、図7および図8では、矢印Xは搬送車の走行方向(前後方向)を表しており、矢印Yは走行方向に直交する方向(左右方向)を表している。
図5及び図6から明らかなように、軌道2の走行レール4は、天井から吊り下げられた吊り下げ部材75及び支持枠部材77とによって支持されている。吊り下げ部材75は、軌道2のY方向両側においてX方向に複数並んで配置されている。
【0048】
通行禁止ゲート71は、一対の吊り下げ部材75に設けられたゲート支持部79によって支持される。図5は通行禁止ゲート71が軌道2に設置された状態(通行禁止状態)を示しており、図6は通行禁止ゲート71が軌道2から外された状態(通行許可状態)を示している。
【0049】
通行禁止ゲート71は、軌道2の上側で、軌道2をX方向に対して交差するように(直交するように)配置される。これにより、図4では、軌道2のレイアウトが、図上側の第1エリアAと図下側の第2エリアBとに分割されている。この実施形態では、第1エリアAが、搬送車3の進入を禁止している作業用エリアである。
【0050】
通行禁止ゲート71は、上部の枠部材81と、枠部材81から下方に延びる板状部材83とを有している。板状部材83は、Y方向に長い矩形状である。板状部材83の第2エリアB側の面には、例えば、「進入禁止」と書いたラベル85が貼られている。さらに、板状部材83には、第2エリアB側の面に、被検出体としてのミラー87が貼られている。ミラー87は、第2光電センサ48の投光を反射するための部材である。
【0051】
図4に示すように第2エリアBから第1エリアAに向かう搬送車3が通行禁止ゲート71の手前にくると、第2光電センサ48がミラー87を検出する。その結果、走行制御部59は搬送車3を停止させる。このようにして、搬送車3が第2エリアBから第1エリアAに進入しないようになっている。
【0052】
図5及び図6に示すように、板状部材83の下端には、Y方向両側に離れた切り欠き89が形成されている。切り欠き89は、走行レール4に対応して設けられている。
【0053】
ゲート支持部79は、図7に示すように、吊り下げ部材75からX方向片側に延びる板状部材91と、板状部材91の先端に設けられた受け部材93と、板状部材91の片側の面に設けられた第1リミットスイッチ95とから構成されている。板状部材91は、両平面がY方向両側を向くように配置されている。受け部材93は、例えば、例えば細い針金状の部材であり、板状部材91から水平方向に延びる受け部(図示せず)と、そこから上側に延びる脱落防止部93aとを有している。一対の第1リミットスイッチ95は、第1設置検出センサとして、通行禁止ゲート71の設置を検出するための装置であり、被駆動部95aを有している。
【0054】
通行禁止ゲート71の枠部材81の両端の片側面には、図7に示すように、一対の固定部材97が固定されている。一対の固定部材97は、Y方向にわずかに離れており、間に隙間97aを有している。
【0055】
通行禁止ゲート71がゲート支持部79に支持される場合は、図7に示すように、枠部材81の端部が受け部材93に載置されると共に、一対の固定部材97の一方が第1リミットスイッチ95の被駆動部95aを下方に押し下げる。このとき、一対の固定部材97の隙間97a間に、板状部材91の端部が挿入されている。この状態で、通行禁止ゲート71は、ゲート支持部79に対してX方向両側及びY方向両側に移動不能になっている。
【0056】
この搬送車システム1では、作業者が通行禁止ゲート71を軌道2に設置すると、第1リミットスイッチ95が通行禁止ゲート71を検出する。これにより、コントローラ本体54が通行禁止ゲート71の片側である第2エリアBを自動走行許可エリアの設定を有効にする。なお、自動走行許可エリアの設定は作業者によって行われる。このように通行禁止ゲート71の存在に基づいて自動走行許可エリアが有効にされるので、作業用エリアでの安全性が向上する。
【0057】
コントローラ本体54は、第1リミットスイッチ95の出力を監視しており、出力が検出状態から非検出状態に切り替われば、搬送車3を非常停止させる。これにより、搬送車3は第2エリアBから第1エリアAに進入しにくい。したがって、作業用エリアの安全性が向上する。なお、出力が検出状態から非検出状態に切り替わるとは、通行禁止ゲート71が人為的にまたは事故によってゲート支持部79から外れたことを意味する。
【0058】
(7)ドグによる作業エリア確保
走行極限ドグ73は、搬送車3が走行極限ドグ73に到達すると、搬送車3をその位置で強制的に停止させるための部材である。走行極限ドグは、一般には、ルートエンドに配置される部材である。この実施形態では、走行極限ドグ73は、通行禁止ゲート71の設置場所の近傍に配置されるようになっている。
【0059】
走行極限ドグ73は、第1極限ドグ103と、第2極限ドグ105とを有している。第1極限ドグ103は、搬送車3が第2領域Bから第1領域Aに向かって進行しようとする場合に、搬送車3を停止させるための構造である。第2極限ドグ105は、搬送車3が第1領域Aから第1領域Bに向かって進行しようとする場合に、搬送車3を停止させるための構造である。
【0060】
第1極限ドグ103は、例えば、第2走行レール4bから第1走行レール4a側に延びる第1ドグ支持部111によって支持される。第1極限ドグ103は、図4に示すように、X方向に長く延びており、第1エリアAと第2エリアBとにまたがって配置されている。第1ドグ支持部111は、Y方向に延びる一対の支持棒115と、支持棒115の先端に固定された支持プレート117と、支持プレート117の側面に固定された第2リミットスイッチ119とを有している。
【0061】
支持棒115は、先端が第1走行レール4aと第2走行レール4bとの中間に配置されている。支持プレート117は、図8に示すように、支持棒115から水平方向に延びる受け部117aと、その先端側に固定された脱落防止部117bとを有している。第2リミットスイッチ119は、第2設置検出センサとして、第1極限ドグ103の設置を検出するための装置であり、被駆動部119aを有している。
【0062】
第1極限ドグ103の両端の片側面には、図8に示すように、一対の固定部材121が固定されている。
【0063】
第1極限ドグ103が第1ドグ支持部111に支持される場合は、図8に示すように、第1極限ドグ103の端部が支持プレート117に載置されると共に、一対の固定部材121の一方が第2リミットスイッチ119の被駆動部119aを下方に押し下げる。この状態で、第1極限ドグ103は、第1ドグ支持部111に対してX方向両側及びY方向両側に移動不能になっている。
【0064】
搬送車3の下面には、一対の第3リミットスイッチ123が設けられている。第3リミットスイッチ123は、第1極限ドグ103の上面に乗り上げ可能な位置に配置されている。第3リミットスイッチ123がオンされると、走行制御部59は搬送車3を停止させる。具体的には、搬送車3の電源がオフされ、さらにブレーキが働く。
【0065】
第2極限ドグ105は、例えば、第2走行レール4bから第1走行レール4a側に延びる第2ドグ支持部131によって支持される。第2極限ドグ105は、図4に示すように、X方向方向に長く延びており、第1極限ドグ103の図上側に配置されている。つまり、第2極限ドグ105は第1エリアA内に配置されている。第2極限ドグ105は第1極限ドグ103に比較して短くなっている。これは、第1エリアAが搬送車3の自動走行エリアであるのに対して、第2エリアBが搬送車3を作業者が手動で走行させているので搬送車3の走行速度が低いからである。第2ドグ支持部131の構造は第1ドグ支持部111と同様であり、Y方向に延びる一対の支持棒と、支持棒の先端に固定された支持プレートと、支持プレートの側面に固定された第2リミットスイッチとを有している。
【0066】
この搬送車システム1では、作業者が第1極限ドグ103及び第2極限ドグ105の一方又は両方を軌道2に設置すると、第2リミットスイッチ119が第1極限ドグ103及び第2極限ドグ105の一方又は両方を検出する。コントローラ本体54は、通行禁止ゲート71の片側を自動走行許可エリアに設定するにあたり、第2リミットスイッチ119による第1極限ドグ103及び第2極限ドグ105の一方又は両方の検出も確認する。このように第1極限ドグ103及び第2極限ドグ105の一方又は両方の存在に基づいても自動走行許可エリアが設定されるので、作業用エリアでの安全性が向上する。なお、ドグをも設けることで、メンテナンス作業を行っている側の手動操作中の台車が、操作ミスにより自動走行側へ飛び出すことを防げる。
【0067】
コントローラ本体54は、第2リミットスイッチ119の出力を監視しており、出力が検出状態から非検出状態に切り替われば、搬送車3を非常停止させる。このシステムでは、軌道2に設置された第1ドグ103及び第2極限ドグ105の一方または両方が支持部から突然外れてしまうと、第2リミットスイッチ119の出力が検出状態から非検出状態に切り替わる。これにより、コントローラ本体54は搬送車3を非常停止させる。したがって、搬送車3は第2エリアBから第1エリアAに進入しにくい。したがって、作業用エリアの安全性が向上する。
【0068】
(8)自動走行エリア設定制御
図9を用いて、コントローラ本体54による搬送車システム1における自動走行エリア設定制御を説明する。図9は、コントローラ本体による自動走行エリア設定制御動作を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、説明の便宜のために、第1極限ドグ103と第2極限ドグ105の説明を簡略化して、第1極限ドグ103に一本化して説明する。
【0069】
ステップS1では、コントローラ本体54は、自動走行エリアが設定されるのを待つ。通常、自動走行エリアは、作業者が通行禁止ゲート71を自ら設置した後に、作業者が図示しない操作盤を操作することで設定される。
ステップS2では、コントローラ本体54は、第1リミットスイッチ95からの検出結果に基づいて、通行禁止ゲート71がゲート支持部79に設置されているか否かを判断する。YesであればプロセスはステップS4に移行し、NoであればプロセスはステップS3に移行する。
【0070】
ステップS3では、コントローラ本体54は、第2リミットスイッチ119からの検出結果に基づいて、走行極限ドグ73が第1ドグ支持部111に設置されているか否かを判断する。YesであればプロセスはステップS4に移行し、NoであればプロセスはステップS1に戻る。
【0071】
ステップS4では、コントローラ本体54は、通行禁止ゲート71または走行極限ドグ73の片側のエリア(例えば、図4では第2エリアB)を自動走行エリアとしての設定を有効化して、搬送車3の自動走行を許可する。
さらに、コントローラ本体54は、通行禁止ゲート71または第1極限ドグ103の自動走行エリアと反対側のエリア(例えば、図4では第1エリアA)を、ルートダウン設定する。つまり、当該エリアを搬送車3による経路探索候補から外す。具体的には、コントローラ本体54は、搬送車3に予めまたは搬送指令を割り付けるときに、搬送車3にその旨を通知する。このように作業用エリアは搬送車の経路探索の対象にならないので、作業用エリアでの安全性がさらに向上する。
【0072】
ステップS5では、コントローラ本体54は、作業者が図示しない操作盤を操作して自動走行エリア設定を解除する作業を実行しているかどうかを判断する。YesであればプロセスはステップS6に分岐し、NoであればプロセスはステップS8に分岐する。
【0073】
ステップS6では、コントローラ本体54は、通行禁止ゲート71及び第1極限ドグ103が共に外れるのを待つ。Yesになると、プロセスはステップS7に移行する。
【0074】
ステップS7では、コントローラ本体54は、自動走行エリア設定を解除する。そして、プロセスはステップS1に戻る。
【0075】
ステップS8では、コントローラ本体54は、通行禁止ゲート71および第1極限ドグ103の一方が外れているか否かを判断する。YesであればプロセスはステップS9に移行し、NoであればプロセスはステップS5に戻る。
【0076】
ステップS9では、コントローラ本体54は、ステップS4で設定した自動走行設定の有効化を取り消す。さらに、コントローラ本体54は、搬送車システム1のシステム全体を停止する。これにより、全ての自動走行中の搬送車3が緊急停止する。
【0077】
(9)通行禁止ゲートの設置場所
図10を用いて、通行禁止ゲートの設置場所を説明する。図10は、搬送経路の模式図である。図10では、搬送車3は、搬送路200を一方通行で走行可能になっている。
図10に示す搬送路200のレイアウトは、第1ループ301および第2ループ303と、第1ループ301と第2ループ303の間に延びる第1連絡路305および第2連絡路307とを有している。第1ループ301には、第1連絡路305とループの連続部分とに分岐する第1分岐部309と、第2連絡路307とループの一部が合流する第1合流部311とが形成されている。第2ループ303には、第2連絡路307とループの連続部分とに分岐する第2分岐部313と、第1連絡路305とループの一部が合流する第2合流部315とが形成されている。
【0078】
通行禁止ゲート71が設置される設置箇所は、例えば、第1分岐部309の分岐先両側の第1設置箇所317及び第2設置箇所319である。さらに、第2分岐部313の分岐先両側の第3設置箇所321及び第4設置箇所323である。
【0079】
例えば、通行禁止ゲート71が第1設置箇所317に設置されると、コントローラ本体54は、第1連絡路305以外のエリアを自動走行エリアに設定する。この結果、搬送車3は、第1ループ301の周回、第2ループ303の周回および第2連絡路307を通行可能である。
さらに、通行禁止ゲート71が第2設置箇所319に設置されると、コントローラ本体54は、第1ループ301の第1分岐部309と第1合流部311との間のエリア以外のエリアを自動走行エリアに設定する。この結果、搬送車3は、第1ループ301の外側、第2連絡路305,第2ループ303の周回および第2連絡路307を通行可能である。
【0080】
このシステムでは、通行禁止ゲート71を軌道の分岐部から分かれた先のいずれかに設けることで、分岐部から分かれた一方の先を通行禁止にするとともに、分岐部から分かれた他方の先を自動走行可能エリアに設定する。
【0081】
(10)特徴
上記実施形態は、下記のように表現可能である
【0082】
搬送車システム1は、予め定められた軌道2と、搬送車3と、第2光電センサ48(衝突防止センサ)と、通行禁止ゲート71と、第1リミットスイッチ95(第1設置検出センサ)と、コントローラ本体54(コントローラ)とを備えている。搬送車3は、軌道2に沿って走行する。第2光電センサ48は、搬送車3に設けられている。通行禁止ゲート71は、軌道2に設置可能であり、第2光電センサ48によって検出可能なミラー87(被検出体)を有する。第1リミットスイッチ95は、軌道2に設けられ、通行禁止ゲート71が軌道2に設置されたことを検出する。コントローラ本体54は、第2光電センサ48からの検出結果によって通行禁止ゲート71が設置されたことを把握すれば、通行禁止ゲート71の片側を自動走行許可エリアに設定することを有効にする。
この搬送車システム1では、作業者が必要に応じて通行禁止ゲート71を軌道2に設置する。すると、第1リミットスイッチ95が通行禁止ゲート71を検出する。これにより、コントローラ本体54が通行禁止ゲート71の片側を自動走行許可エリアに設定することを有効にする。このように通行禁止ゲート71の設置に基づいて自動走行許可エリアの設定が有効化されるので、搬送車3の自動走行を継続しつつ、作業用エリアでの安全性が向上する。
【0083】
コントローラ本体54は、第2光電センサ48の出力を監視しており、出力が検出状態から非検出状態に切り替われば、搬送車3を非常停止させる。
このシステムでは、軌道2に設置された通行禁止ゲート71が設置場所から外れてしまうと、第1リミットスイッチ95の出力が検出状態から非検出状態に切り替わる。これにより、コントローラ本体54は搬送車3を非常停止させる。つまり、搬送車3は通行禁止ゲート71の設置場所からさらに作業用エリア内に進入しにくい。したがって、作業用エリアの安全性が向上する。
【0084】
(11)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態および変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
【0085】
前記実施形態は搬送車はレール上を走行していたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。搬送車はレールに沿って走行すればよいので、搬送車はレールから吊り下げられて走行してもよい。
【0086】
前記実施形態では搬送車システムは有軌道式搬送車システムであったが、本発明はそのような実施形態に限定されない。搬送車は予め定められた経路を走行すればよいので、物理的な軌道が設けられていなくてもよい。
【0087】
前記実施形態では通行禁止ゲートは支持部材によって脱落不能に保持されていたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、支持部材は、通行禁止ゲートを搬送車の走行方向前側に脱落可能に支持してもよい。そのような構造は、例えば、図7の構造において、ゲート支持部79と通行禁止ゲート71の構造及び位置関係X方向に逆転して、さらに、受け部材93の脱落防止部93aを省略することによって実現される。
その場合、搬送車3が万が一にも通行禁止ゲート71に衝突すると、通行禁止ゲート71はゲート支持部79から搬送車走行方向前側に脱落する。これにより、コントローラは搬送車3を非常停止させる。つまり、搬送車3は通行禁止ゲート71の設置場所からさらに作業用エリア内に進入しにくい。したがって、搬送車3の自動走行を継続しつつ、作業用エリアの安全性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、経路に通行禁止ゲートを設置可能な搬送車システムに広く適用できる。
【符号の説明】
【0089】
1 搬送車システム
2 軌道
3 搬送車
4 走行レール
4a 第1走行レール
4b 第2走行レール
6 ガイドレール
6a 第1ガイドレール
6b 第2ガイドレール
11 反射テープ
13 バーコード
14 磁気マーク
15 搬送車本体
18 駆動走行部
19 従動走行部
20 本体フレーム
21 第1駆動輪ユニット
22 第2駆動輪ユニット
23 本体フレーム
25 第1駆動輪
26 第1モータ
27 第1エンコーダ
28 第2駆動輪
29 第2モータ
30 第2エンコーダ
31 第1固定ガイドローラ
32 第2固定ガイドローラ
33 第1分岐ガイドローラ
34 第2分岐ガイドローラ
35 第1分岐ガイドローラ駆動部
36 第1従動輪
37 第2従動輪
40 第3固定ガイドローラ
41 第4固定ガイドローラ
42 第3分岐ガイドローラ
43 第4分岐ガイドローラ
44 第2分岐ガイドローラ駆動部
47 第1光電センサ
48 第2光電センサ(衝突防止センサ)
49 リニアスケール
50 バーコードリーダ
52 搬送車コントローラ
54 コントローラ本体(コントローラ)
55 第1メモリ
59 走行制御部
60 分岐制御部
71 通行禁止ゲート
73 走行極限ドグ
75 吊り下げ部材
77 支持枠部材
79 ゲート支持部
80 停止位置
81 枠部材
83 板状部材
85 ラベル
87 ミラー(被検出体)
89 切り欠き
91 板状部材
93 受け部材
93a 脱落防止部
95 第1リミットスイッチ(第1設置検出センサ)
95a 被駆動部
97 固定部材
97a 隙間
103 第1極限ドグ
105 第2極限ドグ
111 第1ドグ支持部
115 支持棒
117 支持プレート
117a 受け部
117b 脱落防止部
119 第2リミットスイッチ(第2設置検出センサ)
119a 被駆動部
121 固定部材
123 第3リミットスイッチ(ドグ検出センサ)
131 第2ドグ支持部
201 第1直線部
202 第2直線部
203 曲線部
206 分岐部
300 搬送路
301 第1ループ
303 第2ループ
305 第1連絡路
307 第2連絡路
309 第1分岐部
311 第1合流部
313 第2分岐部
315 第2合流部
317 第1設置箇所
319 第2設置箇所
321 第3設置箇所
323 第4設置箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた経路と、
前記経路に沿って走行する搬送車と、
前記搬送車に設けられた衝突防止センサと、
前記経路に設置可能であり、前記衝突防止センサによって検出可能な被検出体を有する通行禁止ゲートと、
前記経路に設けられ、前記通行禁止ゲートが前記経路に設置されたことを検出可能な第1設置検出センサと、
前記第1設置検出センサからの検出結果によって前記通行禁止ゲートが設置されたことを把握すれば、前記通行禁止ゲートの片側を自動走行許可エリアに設定することを許可するコントローラと、
を備えた搬送車システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記第1設置検出センサの出力を監視しており、前記出力が検出状態から非検出状態に切り替われば、前記搬送車を非常停止させる、請求項1に記載の搬送車システム。
【請求項3】
前記通行禁止ゲートの設置位置に設けられ、前記通行禁止ゲートを前記搬送車の走行方向前側に脱落可能に支持する支持部材をさらに備えている、請求項2に記載の搬送車システム。
【請求項4】
前記経路において前記通行禁止ゲートが設置される場所の近傍に設置可能なドグと、
前記経路に設けられ、前記ドグが前記経路に設置されたことを検出するための第2設置検出センサと、
前記搬送車に設けられ、前記ドグを検出可能なドグ検出センサと、をさらに備え、
前記コントローラは、前記通行禁止ゲートの片側を前記自動走行許可エリアに設定するにあたり前記第2設置検出センサによる前記ドグの検出も確認する、請求項1〜3のいずれかに記載の搬送車システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記第2設置検出センサの出力を監視しており、前記出力が検出状態から非検出状態に切り替われば、前記搬送車を非常停止させる、請求項4に記載の搬送車システム。
【請求項6】
前記通行禁止ゲートの設置位置は、前記経路の分岐部から分かれた先のいずれかにある、請求項1〜5のいずれかに記載の搬送車システム。
【請求項7】
前記搬送車の経路探索において、前記通行禁止ゲートによって意図された作業エリアは対象から外れるように設定される、請求項1〜6のいずれかに記載の搬送車システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−63920(P2012−63920A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206816(P2010−206816)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】