説明

携帯型電子機器用の摺動構造体

【課題】安定した摺動作動が可能で、摺動動作中の摩擦が少ない携帯型電子機器用の摺動構造体を提供する。
【解決手段】少なくとも1つのガイド部を備えた第1スライダ部材と、ガイド部と摺動自在に組み合わされる収容部を備えた第2スライダ部材と、ガイド部に沿ってその間に取り付けられた第1磁石部と、互いに対向するように離隔して収容部に取り付けられた一対の第2磁石部とを備え、第1磁石部及び一対の第2磁石部の間に斥力が作用するように、第1磁石部を、一対の第2磁石部の間に配置して、第1スライダ部材及び第2スライダ部材の相対的な摺動動作をしやすくする携帯型電子機器用の摺動構造体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型電子機器用の摺動構造体に関し、より詳しくは、安定した摺動動作が可能で、摺動動作中の摩擦が少ない携帯型電子機器用の摺動構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、簡単な操作性、洗練されたデザイン性などの理由から、携帯電話、カメラ、又は携帯型マルチメディアプレーヤ(PMP)などの携帯型電子機器に摺動構造が多く使用されている。
【0003】
図1Aは、従来の摺動型携帯電話10の一例を示す概略的な斜視図である。図1Bは、図1Aで図示した従来の摺動型携帯電話の概略的な部分透視側面図である。
【0004】
図1A及び図1Bに示すように、従来の摺動型携帯電話10は、表示部2が上面に形成された受信ユニット20、及び番号キーなどのキーパッドユニット3が上面に形成された送信ユニット30を備えるものである。このような従来の摺動型携帯電話10は、従来型の摺動構造体40を備えている。従来の摺動型携帯電話10は、受信ユニット20を送信ユニット30に対して上方に摺動させた後に(又はその逆に摺動させた後に)、通話やメッセージの送受信をすることができる。
【0005】
図1Bに示すように、第1スライダ部材41、及び第1スライダ部材41の上を摺動可能な又は第1スライダ部材41に対して摺動可能な第2スライダ部材42を備える従来の摺動構造体40が、特許文献1に開示されている。
【0006】
第1スライダ部材41は、第1磁力発生手段43を備えており、第2スライダ部材42は、一対の第2磁力発生手段44a、44bを備えており、磁力を利用して摺動動作を行えるようにしている。
【0007】
このような従来の摺動構造体40では、第1スライダ部材41及び第2スライダ部材42の間で生じる摺動動作中の摩擦により、摺動機構を動作させることが難しくなることがあり、操作感が悪くなるという問題点があった。特に、摺動動作中に、第1磁力発生手段43及び第2磁力発生手段44a、44bの間に引力が作用するようにユニット20及び30が配置されると、その摩擦力がさらに増大するため、従来の摺動構造体40を操作するのにより大きな力を必要とし、摺動動作をさせることがさらに難しくなり、操作感がさらに悪くなるという問題点があった。
【0008】
【特許文献1】韓国特許第10−2005−0037649号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主な目的は、安定した摺動動作が可能で、摺動動作中の摩擦が少ない携帯型電子機器用の摺動構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、本発明の携帯型電子機器用の摺動構造体は、少なくとも1つのガイド部を備えた第1スライダ部材と、前記ガイド部の形状と相補的な形状を有し、前記ガイド部と摺動自在に組み合わされる収容部を備えた第2スライダ部材と、前記ガイド部に沿ってその間に取り付けられた第1磁石部と、互いに対向するように離隔して前記収容部に取り付けられた一対の第2磁石部とを備えるものであり、前記第1磁石部及び前記一対の第2磁石部の間に斥力が作用するように、前記第1磁石部を、前記一対の第2磁石部の間に配置して、前記第1スライダ部材及び前記第2スライダ部材の相対的な摺動動作をしやすくすることを特徴としている。
【0011】
前記摺動構造体は、前記第1スライダ部材の両側から延出する補助収容部を更に含んでも良く、前記補助収容部は前記収容部の一部を収容する。
【0012】
前記摺動構造体は、1つ又は複数の前記ガイド部及び前記収容部に、磁気シールド材が配置されることを更に含んでも良い。
【0013】
前記収容部は、略コの字形の断面形状を有するように形成されて良い。
【0014】
前記第1磁石部及び前記一対の第2磁石部の磁極は、摺動方向に対して垂直な方向に配列され得る。
【0015】
前記一対の第2磁石部の磁極は、互いに同一の順序に配列され得る。また、前記第1磁石部及び前記一対の第2磁石部が互いに反発しあうように、前記一対の第2磁石部の磁極は、前記第1磁石部の磁極の配列の順序と反対の順序に配列されるようにすることもできる。
【0016】
前記摺動構造体は、前記第1磁石部から摺動方向に対して平行な方向に離隔して前記ガイド部に取り付けられる少なくとも1つの強磁性体部材をさらに含んでも良い。
【0017】
前記少なくとも1つの強磁性体部材は、2つの強磁性体部材であることを含んでも良く、前記第1磁石部が一対の強磁性体部材の間に配置されるようにすることもできる。
【0018】
前記第1磁石部及び前記一対の第2磁石部は、前記一対の第2磁石部の長さ方向に対して垂直で、前記一対の第2磁石部の互いに対向する面を接続するような仮想線が、摺動動作中に、少なくとも前記第1磁石部の一部を通過するように配置され得る。
【0019】
前記第1磁石部及び前記一対の第2磁石部は、実質的に前記摺動構造体の摺動動作全体にわたって、前記第1磁石部及び前記一対の第2磁石部の間に斥力が作用するように配置され得る。
【0020】
前記摺動構造体は、1つ又は複数の前記第1磁石部及び/又は前記一対の第2磁石部に、磁気シールド材が配置されることを更に含んでも良い。
【0021】
前記磁気シールド材は、強磁性体物質を含んでも良い。
【発明の効果】
【0022】
本発明による摺動構造体は、薄型の携帯用電子機器を具現化することができる効果があり、また、摺動動作中に、摺動構造体を構成する部材相互間の摩擦を減少させて、摺動構造体を小さな力で操作することができるようにすることにより、操作感を良くするという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付の図面に図示した実施形態を参照してさらに詳しく発明を説明する。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態に係る摺動構造体の部分分解斜視図であり、図3は、図2の摺動構造体のIII−III線に沿った断面図であり、図4は、本発明の一実施形態に係る摺動構造体の第1磁石部及び第2磁石部の配置を概略的に示す分解斜視図である。
【0025】
図2及び図3に示すように、本発明の一実施形態に係る携帯型電子機器用の摺動構造体100は、第1磁石部130を備える第1スライダ部材110、及び第2磁石部141、142を備える第2スライダ部材120を含むものである。
【0026】
第1スライダ部材110は、非磁性体であるアルミニウム合金で形成され、支持部111、ガイド部112、及び補助収容部113を備えている。
【0027】
支持部111は、略直方体の形状を有しており、支持部111の上部にて、その両側からガイド部112が外側に延出している。
【0028】
支持部111の下部にて、その両側から、補助収容部113が、ガイド部112の外端よりも外側の位置まで延出している。補助収容部113は、ガイド部112と所定の間隔をおいて離隔して形成され、補助収容部113の断面形状が略L字形を有するように、補助収容部113は、その外端が、ガイド部112の方に向けて上方に延出している。そのようなガイド部112及び補助収容部113の構造により、支持部111の両側にて、補助収容部113及びガイド部112の間に、第1収容溝114が画定される。
【0029】
本実施形態では、図2及び図3に示すように、補助収容部113は、支持部111の左右両側から外側に延出し、かつ上方に延出しているが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、本発明によれば、支持部111から補助収容部113が延出しても良いし、補助収容部113が別の形態で構成されても良い。
【0030】
本実施形態の支持部111、ガイド部112、及び補助収容部113の作成方法には特別な制限はない。例えば、ダイキャスティングによって作成されても良く、板状の材料を折り曲げて塑性変形させる方法によって作成されても良い。
【0031】
第2スライダ部材120は、非磁性体であるアルミニウム合金で形成され、基底部121及び収容部122を備えている。
【0032】
本実施形態では、第1スライダ部材110及び第2スライダ部材120はアルミニウム合金で形成されるが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、本発明によれば、第1スライダ部材110及び第2スライダ部材120の材料には特別な制限はない。例えば、第1スライダ部材110及び第2スライダ部材120は合成樹脂から形成されても良く、互いに異なる材料から形成されても良い。
【0033】
基底部121は、略平面形状を有しており、その両側から収容部122が延出している。
【0034】
収容部122は、ガイド部112の形状に対して、ガイド部112を収容するような相補的な形状をして形成されており、収容部122が第1スライダ部材110のガイド部112と摺動自在に組み合わされるようにし、その断面形状はコの字形の形状を有している。収容部122は、第1収容部122a、第2収容部122b、及び連結部122cから構成されている。
【0035】
第1収容部122a及び第2収容部122bは、互いに離隔して平行に配置されており、連結部122cは、第1収容部122a及び第2収容部122bを連結する。
【0036】
図2及び図3に示すように、第1収容部122a、第2収容部122b、及び連結部122cは、一体となって第2収容溝123を画定し、摺動構造体100を組み立てたとき、第2収容溝123にガイド部112が挿入され、収容部122及びガイド部112が、第1スライダ部材110及び第2スライダ部材120の相対的な摺動動作をガイドする機能を果たす。
【0037】
収容部122の第2収容部122b及び連結部122cの一部は、摺動構造体100を組み立てたとき、第1収容溝114に挿入され、収容部122及びガイド部112が、第1スライダ部材110及び第2スライダ部材120の相対的な摺動動作をガイドする機能を果たす。
【0038】
本実施形態の基底部121及び収容部122の作成方法には特別な制限はない。例えば、ダイキャスティングによって作成しても良く、板状の材料を折り曲げて塑性変形させる方法によって作成しても良い。
【0039】
さらに摩擦を低減するために、ガイド部112の表面、収容部122の内面、及び補助収容部113の内面などの、摺動動作中に接触が生じる部分に、潤滑剤をコーティングしても良い。例えば、摺動動作中に接触が生じる面に、セラミック物質をコーティングしても良い。
【0040】
第1磁石部130は、ガイド部112に沿って、その内部に埋め込まれるように配置され、ガイド部112と結合するようにして取り付けられている。
【0041】
本実施形態の第1磁石部130は、1つの永久磁石で形成されるが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、本発明によれば、第1磁石部130は、永久磁石以外に電磁石なども使用することができる。
【0042】
本実施形態の第1磁石部130は、実質的にガイド部112の内部に埋め込まれて配置されるが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、本発明によれば、第1磁石部130は、ガイド部112の1つ又は複数の表面に配置されるようにしても良い。
【0043】
摺動動作をしやすくするために、第1磁石部130は、ガイド部112の摺動ストロークの範囲内の間に配置され得る。本実施形態では、図2に示すように、ガイド部112の摺動ストロークの中央位置(すなわち、ガイド部112の各端部から離隔した、中央部分)に配置される。
【0044】
図4に示すように、第1磁石部130の長さLは、実質的に第2磁石部141、142の長さLと同じ長さとなるように形成されるが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、本発明によれば、第1磁石部の長さには特別な制限はない。
【0045】
第1磁石部130は直方体の形状を有しており、第1磁石部130の磁極の配列は、摺動方向に対して垂直な方向となるように配列されており、第1磁石部130は、磁極の配列が、N極がS極より上側になるように配置されている。
【0046】
本実施形態では、第1磁石部130の磁極の配列形態が、N極がS極より上側になるように配置されているが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、本発明によれば、第1磁石部の磁極の配列形態は、S極がN極の上側になるように配置されても良い。ただし、その場合は、対応する第2磁石部の磁極の配列形態を、変更される第1磁石部の磁極の配列形態にあわせて変更しなければならない。
【0047】
第1磁石部130の上面及び下面に、磁気シールド材134が配置されるようにすることもできる。
【0048】
本実施形態の磁気シールド材134の配置は、図4に示すように、第1磁石部130の上面及び下面にのみ配置されるが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、本発明によれば、磁気シールド材134は、第1磁石部130の側面にも追加して配置され得る。また、本発明の磁気シールド材134は、第1磁石部130に直接配置されずに、第1磁石部130が配置されるガイド部112の一部に配置されても良い。ただし、その場合は、まずガイド部112の適切な位置に磁気シールド材134を配置した後、ガイド部112に第1磁石部130を配置するようにする。
【0049】
磁気シールド材134は、強磁性体物質で形成されて良く、第1磁石部130から発生する磁力線を遮蔽する機能を果たす。強磁性体物質は、AD−MU合金などが使用され得る。
【0050】
本実施形態では、磁気シールド材134は強磁性体物質で形成されるが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、本発明によれば、磁気シールド材134は、非磁性体物質で形成されても良い。
【0051】
一対の第2磁石部141、142は、各々が収容部122の内部に埋め込まれて配置される。
【0052】
本実施形態の第2磁石部141、142は、すべて永久磁石であるが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、本発明によれば、第2磁石部141、142は、永久磁石以外に電磁石なども使用することができる。
【0053】
本実施形態の第2磁石部141、142は、収容部122の内部に埋め込まれて配置されるが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、本発明によれば、第2磁石部141、142は、収容部122の表面に配置されるようにしても良い。
【0054】
第2磁石部141、142は直方体の形状を有しており、各々、第2収容部122b及び第1収容部122aの内部に、互いに対向するように離隔して配置され、各々、第2収容部122b及び第1収容部122aと結合するようにして取り付けられる。摺動構造体100の第1スライダ部材110及び第2スライダ部材120が組み立てられたとき、第1磁石部130及び第2磁石部141、142が、互いに、磁気的に斥力が作用するように、第1磁石部130を、第2磁石部141、142の間に配置して、第1スライダ部材110及び第2スライダ部材120の相対的な摺動動作をしやすくするように、第2磁石部141、142は構成される。
【0055】
第2磁石部141、142の磁極は、摺動方向に対して垂直な方向に配列され、さらに、各々の磁極の配列の順序が、いずれも同一の配列の順序となるように配置される。すなわち、図4に示すように、第2磁石部141、142の磁極は、両者とも、S極がN極の上側になるように配置される。
【0056】
上述の第2磁石部141、142の磁極の配列の順序は、第1磁石部130の磁極の配列の順序とは逆の配列の順序をしており、第2磁石部141、142及び第1磁石部130が互いに反発しあうように、両者の間で斥力が作用するようにして、摺動動作をしやすくする。
【0057】
本実施形態では、第2磁石部141、142の長さ方向に対して垂直で、かつ第2磁石部141、142の互いに対向する面を接続する仮想線が、摺動動作中に、少なくとも第1磁石部130の一部を通過することができるように、第1磁石部130及び第2磁石部141、142が配置されている。このような摺動構造体100の構成では、第1磁石部130及び第2磁石部141、142の間に斥力が作用する。したがって、第2磁石部141、142を備えた第2スライダ部材120が、第1磁石部130を備えた第1スライダ部材110の上を摺動するとき、摩擦は最小限に抑えられる。なぜなら、斥力により、第2スライダ部材120が、第1スライダ部材110から浮き上がるからである。この場合、第2スライダ部材120が浮き上がる程度は、作用する磁力の大きさに関連しており、具体的には、使用される磁石の大きさ及び特性に関連している。
【0058】
本実施形態では、上述したように、第2磁石部141、142の長さ方向に対して垂直で、かつ第2磁石部141、142の互いに対向する面を接続する仮想線が、摺動動作中に、少なくとも第1磁石部130の一部を通過することができるように、第1磁石部130及び第2磁石部141、142が配置されているが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、本発明によれば、垂直仮想線は、第1磁石部を通過しなくても良い。しかし、その場合、摺動動作中の摩擦を低減するために、第1磁石部130及び第2磁石部141、142の間の距離をできる限り短くして、第1磁石部130及び第2磁石部141、142の間に斥力が作用するように構成することが望ましい。
【0059】
図3及び図4に示すように、第2磁石部141の下面及び第2磁石部142の上面に、各々磁気シールド材143a、143bが配置される。
【0060】
磁気シールド材143a、143bの材料及び機能は、上述の磁気シールド材134の材料及び機能と実質的に同一であるため、その説明は省略する。
【0061】
本実施形態の磁気シールド材143a、143bは、第2磁石部141の下面及び第2磁石部142の上面にのみ配置されるが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、本発明によれば、磁気シールド材は、第2磁石部141の上面及び第2磁石部142の下面にも追加して配置されて良く、さらに、第2磁石部141、142の側面にも配置されるようにすることもできる。また、磁気シールド材143a、143bは、第2磁石部141、142に直接配置せずに、第2磁石部141、142を実質的に取り囲んでいる収容部122の1つ又は複数の外面に配置されても良い。その場合、まず、磁気シールド材143a、143bを収容部122の適切な位置に配置した後、第2磁石部141、142を収容部122に配置するようにする。
【0062】
上述したような構成の摺動構造体100が、携帯電話、カメラ、PMPなどの携帯型電子機器に用いられるとき、第1スライダ部材110及び第2スライダ部材120のうちの一方が、バッテリなどの電気部品、又は電子機器のメインチップセットなどが内蔵された携帯型電子機器のメインボディに組み込まれ、第1スライダ部材110及び第2スライダ部材120のうちのもう一方が、比較的簡素な構造を有する携帯型電子機器のサブボディに組み込まれるような形態で、摺動動作が行われる。
【0063】
また、場合によっては、第1スライダ部材110及び第2スライダ部材120のうちの一方を、メインボディを直接加工することによって形成し、第1スライダ部材110及び第2スライダ部材120のうちのもう一方を、サブボディを直接加工することによって形成するようにすることもできる。その場合、各スライダ部材によって占められる必要な体積を減少させることができるため、摺動動作可能な薄型の携帯型電子機器を具現化することができる。
【0064】
以下、上述の摺動構造体100の内部構造を参考にして、本実施形態に係る摺動構造体100の動作の実施例を説明する。
【0065】
図5は、第2スライダ部材が初期位置にある場合を示す斜視図であり、図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図であり、図7は、第2スライダ部材が中間位置にある場合を示す斜視図であり、図8は、図7のVIII−VIII線に沿った断面図であり、図9は、第2スライダ部材が最終位置にある場合を示す斜視図であり、図10は、図9のX−X線に沿った断面図である。
【0066】
まず、図5及び図6は、第2スライダ部材120が初期位置にあるときの状態を示しており、第2スライダ部材120は、第1スライダ部材110の下部に配置されている。
【0067】
図6に示すように、第1磁石部130の一部が、第2磁石部141、142の間に配置されている。この場合、第2磁石部141、142の磁極の極性及び第1磁石部130の磁極の極性が逆であるため、第2磁石部141、142及び第1磁石部130の間に、斥力が作用する。
【0068】
斥力により、第2スライダ部材120は、安定的に初期位置に配置され得る。また、斥力により、第2スライダ部材120が、第1スライダ部材110からある程度浮き上がることによって、次の摺動動作において摩擦を少なくすることができる。
【0069】
ユーザが、第2スライダ部材120を、図5及び図6の初期位置から中間位置まで上方に摺動させるとき、第2磁石部141、142は、第1磁石部130全体が、その両者の間に配置されるまで上方に移動する。したがって、第2磁石部141、142及び第1磁石部130の間の斥力は増大する。
【0070】
この場合、ユーザが素早く第2スライダ部材120を上方に摺動させたとしても、第2磁石部141、142及び第1磁石部130の間に斥力が作用する。そのため、第2スライダ部材120の急な移動が防止され、摺動構造体100への衝撃を防止する効果がある。また、斥力より、第2スライダ部材120が第1スライダ部材110から浮き上がるため、摺動動作中の摩擦を低減することができる。
【0071】
ユーザが、第2スライダ部材120を初期位置から上方に摺動し続けると、摺動構造体100の第2スライダ部材120は、図7及び図8に示す中間位置の状態に達する。
【0072】
図7は、第2スライダ部材120が中間位置にある場合を示す図であり、図8に示すように、第1磁石部130は、実質的にその全長が第2磁石部141、142の間に配置され、第2磁石部141、142及び第1磁石部130の間に斥力が強く作用する。
【0073】
したがって、第2スライダ部材120が、図7及び図8に示す中間位置に配置されている、又は中間位置に近接して配置されているとき、第2磁石部141、142及び第1磁石部130の間に作用する斥力によって、ユーザは、弱い力を加えるか、又はほとんど力を加えなくても、第2スライダ部材120を上方に摺動させることができる。
【0074】
すなわち、この場合、第2スライダ部材120の摺動がしやすくなるため、ユーザは第2スライダ部材120を摺動させるときに特に力を加える必要がなくなり、ユーザが加える力によって摺動構造体100に過度の衝撃が与えられるようなことが防止される。また、斥力により、第2スライダ部材120が第1スライダ部材110から浮き上がるため、摺動動作中の摩擦を低減することができる。
【0075】
ユーザが第2スライダ部材120を上方に摺動し続けると、摺動構造体100の第2スライダ部材120は、図9及び図10に示す最終位置の状態に達する。
【0076】
図9に示す摺動構造体100の状態では、第2磁石部141、142の磁極の配列及び第1磁石部130の磁極の配列により、第1磁石部130及び第2磁石部141、142の間に斥力が作用する。
【0077】
この斥力により、第2スライダ部材120は、最終位置に安定的に配置される、又は確実に保持される。また、斥力により、第2スライダ部材120が第1スライダ部材110からある程度浮き上がることによって、ユーザが第2スライダ部材120を再び下方に摺動させるとき、摩擦を低減することができる。
【0078】
本実施形態では、第2スライダ部材120を上方に摺動させる場合のみを説明したが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、本発明によれば、第2スライダ部材120を、図9及び図10の最終位置を初期位置とする位置から、図5及び図6の初期位置を最終位置とする位置まで下方に摺動させるようにすることもでき、その場合には、上述の摺動動作に関する説明の内容は、方向だけを変えてそのまま適用される。
【0079】
以上、本実施形態の摺動構造体100は、上述したような構造を備えることによって、摺動動作中に発生し得る過度の衝撃を防止することができる、又は実質的に最小限にすることができる。
【0080】
また、本実施形態に係る摺動構造体100の構造は、第1スライダ部材110及び第2スライダ部材120のうちの一方を、メインボディを直接加工することによって形成し、第1スライダ部材110及び第2スライダ部材120のうちのもう一方を、サブボディを直接加工することによって形成することもできるため、各スライダ部材によって占められる必要な体積を減少させることができ、摺動動作可能な薄型の携帯型電子機器を具現化することができるという利点がある。
【0081】
また、本実施形態の摺動構造体100は、上述したような構造を備えることによって、磁力により浮き上がらせることができるため、摺動動作中の摩擦を低減して、摺動構造体100を操作するのに必要な力を軽減することができるという利点がある。
【0082】
以下、図11から図14を参照して、本発明に係る別の実施形態の摺動構造体について、上述の実施形態と異なる事項を中心に説明する。
【0083】
図11は、本発明に係る別の実施形態の摺動構造体の部分分解斜視図であり、図12は、図11のXII−XII線に沿った断面図であり、図13は、図11のXIII−XIII線に沿った断面図であり、図14は、図11の摺動構造体の第1磁石部及び第2磁石部の配置態様を概略的に示す分解斜視図である。
【0084】
図11及び図12に示すように、本発明の別の実施形態に係る携帯型電子機器用の摺動構造体200は、第1磁石部230を備える第1スライダ部材210、及び第2磁石部241、242を備える第2スライダ部材220を含む。
【0085】
第1スライダ部材210は、非磁性体である合成樹脂で形成されて良く、支持部211及びガイド部212を備えている。
【0086】
支持部211は、略平面形状を有し、その両側からガイド部212が延出している。
【0087】
ガイド部212は、略L字形の断面形状を有するように形成され、第1収容溝213が、ガイド部212の上部及び支持部211の間に画定される。
【0088】
第2スライダ部材220も、非磁性体である合成樹脂で形成されて良く、基底部221及び収容部222を備えている。
【0089】
本実施形態では、第1スライダ部材210及び第2スライダ部材220は合成樹脂で形成されているが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、本発明によれば、第1スライダ部材及び第2スライダ部材の材料には特別な制限はない。
【0090】
基底部221は、略直方体の形状を有しており、その両側から収容部222が延出している。
【0091】
収容部222は、第1収容部222a、第2収容部222b、及び連結部222cから構成され、収容部222の各部222a、222b、及び222cは、収容部222が、コの字形の断面形状を形成するように構成される。
【0092】
第1収容部222a及び第2収容部222bは、互いに離隔して平行に配置されており、連結部222cは、第1収容部222a及び第2収容部222bを連結し、かつ基底部221と連結して一体となるように構成されている。
【0093】
第1収容部222a、第2収容部222b、及び連結部222cは、共同的に第2収容溝223を画定し、摺動構造体200が組み立てられたとき、ガイド部212が第2収容溝223に挿入され、摺動動作をガイドする機能を果たす。
【0094】
収容部222の第2収容部222bは、摺動構造体200が組み立てられたとき、第1収容溝213に挿入され、摺動動作をガイドする機能を果たす。
【0095】
第1磁石部230は、ガイド部212に沿って、その内部に埋め込まれるように配置され、ガイド部212と結合するようにして取り付けられ、第2磁石部241、242は、各々、第2収容部222b及び第1収容部222aの内部に埋め込まれるように配置され、各々、第2収容部222b及び第1収容部222aと結合するようにして取り付けられる。
【0096】
本発明の別の実施形態の第1磁石部230は、上述の実施形態の第1磁石部130と実質的に同じ構造をしていて良い。すなわち、本発明の別の実施形態の第1磁石部230は、上述の第1磁石部130の形状、磁極の配列方向及び配列形態と同一であり得る。
【0097】
図11、図13及び図14に示すように、一対の強磁性体部材251、252が、第1磁石部230から離隔してガイド部212に配置され、ガイド部212と結合するようにして取り付けられることもでき、一対の強磁性体部材251、252の間に第1磁石部230が配置されるように構成され得る。
【0098】
強磁性体部材251、252は、鉄などの強磁性の性質をもつ材料で形成され、略直方体の形状を有し、強磁性体部材251、252は、各々第1磁石部230から所定距離をもって離隔して配置されている。
【0099】
本発明の別の実施形態の2つの強磁性体部材251、252は、一対となったものであるが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、本発明によれば、強磁性体部材の数には特別な制限はない。例えば、必要に応じて、1つの強磁性体部材が、第1磁石部230の片側に配置されても良く、又は3つ以上の強磁性体部材が、第1磁石部230の片側或いは両側に配置されても良い。
【0100】
図14に示すように、強磁性体部材251、252は、いずれも同じ長さLを有しているが、長さLは、第1磁石部230の長さLより短くなるように構成される。
【0101】
本発明の別の実施形態の強磁性体部材251、252の長さLは、図11から図14に示すように、第1磁石部230の長さLより概ね短い長さとなるように形成されるが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、必要に応じて、強磁性体部材251、252の長さLは、第1磁石部230の長さLより長い長さ、又は同じ長さであっても良い。
【0102】
本発明の別の実施形態の強磁性体部材251、252は、安定した摺動動作をしやすくするためのものである。すなわち、第2磁石部241、242が、強磁性体部材251、252に引き付けられることによって、安定した摺動動作をしやすくするが、その具体的な動作は後述する。
【0103】
また、本発明の別の実施形態の第2磁石部241、242は、図11から図14に示すように、上述の実施形態の図2から図10の第2磁石部141、142と実質的に同じ構造を有していて良い。すなわち、本発明の別の実施形態の第2磁石部241、242は、形状、並びに磁極の配列方向及び配列形態が、上述の第2磁石部141、142と同じであって良い。
【0104】
また、第2磁石部241、242の長さLは、第1磁石部230の長さLと同じであっても良いが、本発明は、これに実施例を限定するものではない。すなわち、必要に応じて、第2磁石部241、242の長さLは、第1磁石部230の長さLより長い長さ、又は短い長さで構成されることもある。
【0105】
図12から図14に示すように、第1磁石部230の上面及び下面に、磁気シールド材234が配置され、第2磁石部241の下面及び第2磁石部242の上面に、各々磁気シールド材243a、243bが配置される。
【0106】
磁気シールド材234、及び磁気シールド材243a、243bは、強磁性体物質で形成され、第1磁石部230及び第2磁石部241、242から発生する磁力線の力を遮蔽する機能を果たす。強磁性体物質には、AD−MU合金などが用いられ得る。
【0107】
上述の本発明の別の実施形態に係る摺動構造体200が、携帯電話、カメラ、PMPなどの携帯型電子機器に用いられるとき、第1スライダ部材210及び第2スライダ部材220のうちの一方が、バッテリなどの電気部品、又は電子機器のメインチップセットなどが内蔵された携帯型電子機器のメインボディに組み込まれ、第1スライダ部材210及び第2スライダ部材220のうちのもう一方が、比較的簡素な構造を有する携帯型電子機器のサブボディに組み込まれるような形態で、摺動動作が行われる。
【0108】
また、場合によっては、第1スライダ部材210及び第2スライダ部材220のうちの一方を、メインボディを直接加工することによって形成し、第1スライダ部材210及び第2スライダ部材220のうちのもう一方を、サブボディを直接加工することによって形成しても良い。その場合、各スライダ部材によって占められる必要な体積を減少させることができるため、摺動動作可能な薄型の携帯型電子機器を具現化することができる。
【0109】
本発明の別の実施形態に係る摺動構造体200の摺動動作は、上述の摺動構造体100の摺動動作と実質的に同じであるため、その説明は繰り返さない。
【0110】
しかし、本発明の別の実施形態に係る摺動構造体200は、強磁性体部材251、252を備えているため、第2スライダ部材220を、初期位置及び最終位置により安定的に配置することができ(すなわち、確実に保持することができ)、また、初期位置及び最終位置まで容易に移動させることができる。すなわち、第1スライダ部材210の長さ方向の両端に配置された強磁性体部材251、252によって、第2磁石部241、242は、強磁性体部材251、252が配置されている初期位置及び最終位置まで引き付けられるようになり、第2スライダ部材220をより安定的に配置することができる。
【0111】
また、第2磁石部241、242及び強磁性体部材251、252の間に作用する引力によって、より容易に第2スライダ部材220の摺動動作をすることができるようになる。例えば、第2スライダ部材220を、中間位置から最終位置まで上方に摺動させる場合、第2磁石部241、242及び第1磁石部230の間に斥力が作用するだけではなく、第2磁石部241、242及び強磁性体部材251、252の間に引力も作用する。したがって、ユーザは、第2スライダ部材220に弱い力を加えるか、又はほとんど力を加えなくても、第2スライダ部材220を上方に摺動させることができる。
【0112】
本発明の別の実施形態に係る摺動構造体200は、上述の実施形態に係る摺動構造体100が備える補助収容部113を備えていないため、その構造がより単純なものとなり、容易に製造することができる。
【0113】
また、本発明の別の実施形態に係る摺動構造体200は、強磁性体部材251、252を備えているため、第2磁石部241、242及び強磁性体部材251、252の間に作用する引力によって、摺動動作がより容易になる。
【0114】
本発明の別の実施形態に係る摺動構造体200に関して本明細書で説明した構成、作用及び効果以外の、本発明の別の実施形態に係る摺動構造体200の構成、作用及び効果については、先に上述した本発明の実施形態に係る摺動構造体100の構成、作用及び効果と同一であるため、その説明は省略する。
【0115】
本発明は図面に図示された実施形態を参照しつつ説明してきたが、これは例示的なものに過ぎず、これより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということは当業者ならば理解できるであろう。したがって、本発明で保護されるべき技術的範囲は、特許請求の範囲に記載された請求項によってのみ規定される。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明に係る携帯型電子機器用の摺動構造体を電子機器に適用することによって、薄型の携帯型電子機器を具現化することができ、摺動動作中の摩擦を低減して、操作するのに必要な力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1A】摺動構造体を有する従来の携帯電話の一例を示す概略的な斜視図である。
【図1B】図1Aの従来の携帯電話の摺動構造体の概略的な部分透視側面図である。
【図1C】従来の別の摺動構造体を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る摺動構造体の部分分解斜視図である。
【図3】図2の摺動構造体のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図2の摺動構造体の第1磁石部及び第2磁石部の配置態様を概略的に示す斜視図である。
【図5】第2スライダ部材が初期位置にあるときの図2の摺動構造体の組立形態を示す斜視図である。
【図6】図5の摺動構造体のVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】第2スライダ部材が中間位置にあるときの図2の摺動構造体の組立形態を示す斜視図である。
【図8】図7の摺動構造体のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【図9】第2スライダ部材が最終位置にあるときの図2の摺動構造体の組立形態を示す斜視図である。
【図10】図9の摺動構造体のX−X線に沿った断面図である。
【図11】本発明の別の実施形態に係る摺動構造体の部分分解斜視図である。
【図12】図11の摺動構造体のXII−XII線に沿った断面図である。
【図13】図11の摺動構造体のXIII−XIII線に沿った断面図である。
【図14】図11の摺動構造体の第1磁石部及び第2磁石部の配置態様を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0118】
100、200 摺動構造体
110、210 第1スライダ部材
111、211 支持部
112、212 ガイド部
113 補助収容部
120、220 第2スライダ部材
121、221 基底部
122、222 収容部
130、230 第1磁石部
141、142、241、242 第2磁石部
251、252 強磁性体部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのガイド部を備えた第1スライダ部材と、
前記ガイド部の形状と相補的な形状を有し、前記ガイド部と摺動自在に組み合わされる収容部を備えた第2スライダ部材と、
前記ガイド部に沿ってその間に取り付けられた第1磁石部と、
互いに対向するように離隔して前記収容部に取り付けられた一対の第2磁石部とを備え、
前記第1磁石部及び前記一対の第2磁石部の間に斥力が作用するように、前記第1磁石部を、前記一対の第2磁石部の間に配置して、前記第1スライダ部材及び前記第2スライダ部材の相対的な摺動動作をしやすくすることを特徴とする携帯型電子機器用の摺動構造体。
【請求項2】
前記第1スライダ部材の両側から延出する補助収容部を更に含み、前記補助収容部が、前記収容部の一部を収容することを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器用の摺動構造体。
【請求項3】
1つ又は複数の前記ガイド部及び前記収容部に、磁気シールド材が配置されることを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器用の摺動構造体。
【請求項4】
前記収容部は、コの字形の断面形状を有するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器用の摺動構造体。
【請求項5】
前記第1磁石部及び前記一対の第2磁石部の磁極は、摺動方向に対して垂直な方向に配列されるようにすることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器用の摺動構造体。
【請求項6】
前記一対の第2磁石部の磁極は、互いに同一の順序に配列されるようにすることを特徴とする請求項5に記載の携帯型電子機器用の摺動構造体。
【請求項7】
前記一対の第2磁石部の磁極は、前記第1磁石部の磁極の配列の順序と反対の順序に配列されるようにし、前記第1磁石部及び前記一対の第2磁石部が互いに反発しあうようにすることを特徴とする請求項6に記載の携帯型電子機器用の摺動構造体。
【請求項8】
前記第1磁石部から摺動方向に対して平行な方向に離隔して前記ガイド部に取り付けられる少なくとも1つの強磁性体部材を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器用の摺動構造体。
【請求項9】
前記少なくとも1つの強磁性体部材は、2つの強磁性体部材であることを含み、前記第1磁石部が一対の強磁性体部材の間に配置されるようにすることを特徴とする請求項8に記載の携帯型電子機器用の摺動構造体。
【請求項10】
前記第1磁石部及び前記一対の第2磁石部は、前記一対の第2磁石部の長さ方向に対して垂直で、前記一対の第2磁石部の互いに対向する面を接続するような仮想線が、前記摺動構造体の摺動動作中に、少なくとも前記第1磁石部の一部を通過するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器用の摺動構造体。
【請求項11】
前記第1磁石部及び前記一対の第2磁石部は、実質的に前記摺動構造体の摺動動作全体にわたって、前記第1磁石部及び前記一対の第2磁石部の間に斥力が作用するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器用の摺動構造体。
【請求項12】
1つ又は複数の前記第1磁石部及び前記一対の第2磁石部に、磁気シールド材が配置されることを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器用の摺動構造体。
【請求項13】
前記磁気シールド材は、強磁性体物質を含むことを特徴とする請求項3又は12に記載の携帯型電子機器用の摺動構造体。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−170000(P2008−170000A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300328(P2007−300328)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(500548884)三星テクウィン株式会社 (156)
【Fターム(参考)】