説明

携帯型COガス検出装置及びガス発生監視装置並びにこれらを備えるガス発生監視システム

【課題】所定の領域内におけるCOガス濃度及び該COガス濃度の検出箇所を把握して、高濃度のCOガスが検出される前に対策を講ずることができる携帯型COガス検出装置、ガス発生監視装置、及び、ガス発生監視システムを提供する。
【解決手段】携帯型COガス検出装置10では、位置情報生成手段22bが、前記領域内での自らの所在位置を示す位置情報を生成し、ガス検出手段22aによってガスセンサ33の出力する信号に基づいてCOガス濃度が検出されると、情報送信手段22cが、該COガス濃度を示すCOガス濃度情報及び位置情報を、ガス発生監視システム1が備えるガス発生監視装置60に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一酸化炭素(CO)ガスの発生を検出する携帯型COガス検出装置及びガス発生監視装置並びにこれらを備えるガス発生監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスコンロやガスオーブンなどの複数のガス器具(即ち、一酸化炭素発生源)が配置された飲食店などの業務用厨房には、一酸化炭素(CO)中毒を防止するために、COガス警報器が設けられている。このようなCOガス警報器は、複数のガス器具毎に設置されることが理想ではあるところ、その分導入コストがかかってしまうのでその導入の動機が弱くなりがちであり、そのため、複数のガス器具毎ではなく、これら複数のガス器具が配置される業務用厨房の一部にしか設置されないことが多い。その場合、COガス警報器から離れた箇所でCOガスが発生したときに検出が遅れてしまうという問題があった。そして、このような問題を解決する技術が特許文献1に示されている。
【0003】
特許文献1に示されるCOガス警報器は、携帯性を備えているので、業務用厨房に立ち入る個々の作業者などに携帯させることで、複数のガス器具毎にCOガス警報器を設けることなく、いち早く危険な濃度のCOガスの発生を検出して、CO中毒を防止することができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−102571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、COガスは、通風状態の悪化やコンロの劣化が進むことなどによってその濃度が徐々に高くなる傾向にあるところ、特許文献1に示されるようなCOガス警報器では、所定の警報濃度以上のCOガスが検出されたときに警報を行うので、警報が必要となる高濃度のCOガスが発生したときに初めてCOガスの発生を認識することになり、そのような警報状態になる前に、窓を開放したりコンロを新しいものに交換したりするなどの対策を講ずることができないという問題があった。そして、上記警報状態になるよりも前にCOガスの発生状況を把握するためには、例えば、集中監視装置などを設けて、各COガス警報器において検出される上記警報濃度未満のCOガスの発生を監視する必要があるが、そのような技術は存在せず、さらには、集中監視装置において、設置場所が固定されない携帯型のCOガス警報器の所在位置、即ち、COガス濃度の検出箇所を把握することができなかった。
【0006】
本発明は、上記課題に係る問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、所定の領域内におけるCOガス濃度及び該COガス濃度の検出箇所を把握して、高濃度のCOガスが検出される前に対策を講ずることができる携帯型COガス検出装置、ガス発生監視装置、及び、ガス発生監視システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、図1の基本構成図に示すように、所定の領域内でのCOガスの発生状況を監視するガス発生監視システムが備える携帯型COガス検出装置であって、周囲環境のCOガスを検知して、この検知したCOガスの濃度に応じた信号を出力するガスセンサ33と、前記ガスセンサ33によって出力される前記信号に基づいて、COガス濃度を検出するガス検出手段22aと、を有する携帯型COガス検出装置において、前記領域内での所在位置を示す位置情報を生成する位置情報生成手段22bと、前記ガス検出手段22aによる前記COガス濃度の検出に応じて、該COガス濃度を示すCOガス濃度情報及び前記位置情報生成手段によって生成された前記位置情報を、前記ガス発生監視システムが備えるガス発生監視装置に送信する情報送信手段22cと、を有していることを特徴とする携帯型COガス検出装置である。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、図1の基本構成図に示すように、前記ガス検出手段22aによって検出された前記COガス濃度が予め定められた警報閾値以上のとき、警報を行う警報手段22dを有していることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載された発明は、上記目的を達成するために、図1の基本構成図に示すように、所定の領域内でのCOガスの発生状況を監視するガス発生監視システムが備えるガス発生監視装置であって、前記ガス発生監視システムが備える携帯型COガス検出装置から送信された該携帯型COガス検出装置によって検出されたCOガス濃度を示すCOガス濃度情報、及び、該携帯型COガス検出装置の前記領域内での所在位置を示す位置情報、を受信する情報受信手段72aと、前記情報受信手段72aによって受信された前記COガス濃度情報に示されるCOガス濃度が予め定められたガス発生閾値以上であったときの回数を、前記情報受信手段72aによって受信された前記位置情報毎に集計するガス発生回数集計手段72bと、を備えていることを特徴とするガス発生監視装置である。
【0010】
請求項4に記載された発明は、上記目的を達成するために、所定の領域内におけるCOガスの発生状況を監視するガス発生監視システムであって、請求項1又は2に記載された携帯型COガス検出装置と、請求項3に記載されたガス発生監視装置と、を備えていることを特徴とするガス発生監視システムである。
【0011】
請求項1に記載された発明によれば、位置情報生成手段22bが、前記領域内での所在位置を示す位置情報を生成し、そして、ガス検出手段22aによってガスセンサ33の出力する信号に基づいてCOガス濃度が検出されると、情報送信手段22cが、該COガス濃度を示すCOガス濃度情報及び位置情報を、ガス発生監視システムが備えるガス発生監視装置に送信する。つまり、所定の領域内での所在位置を示す位置情報を生成して、COガス濃度を検出した際に、この検出したCOガス濃度を自己の所在位置とともに、ガス発生監視システムが備えるガス発生監視装置に送信する。
【0012】
請求項2に記載された発明によれば、ガス検出手段22aによって検出されたCOガス濃度が予め定められた警報閾値以上のとき、警報手段22dが警報を行う。
【0013】
請求項3に記載された発明によれば、ガス発生監視システムが備える携帯型COガス検出装置から送信された該携帯型COガス検出装置によって検出されたCOガス濃度を示すCOガス濃度情報、及び、該携帯型COガス検出装置の前記領域内での所在位置を示す位置情報、を情報受信手段72aが受信して、ガス発生回数集計手段72bによって、COガス濃度情報に示されるCOガス濃度が予め定められたガス発生閾値以上であったときの回数を、位置情報毎に集計する。そして、集計された上記回数を位置情報に対応させてディスプレイやプリンタなどの表示手段に表示する。つまり、携帯型COガス検出装置から送られてくるCOガス濃度及び該携帯型COガス検出装置の所在位置の両方を受信して、このCOガス濃度が、COガスが発生したものとして監視を要する濃度以上で且つ警報を要する濃度より低く定められたガス発生閾値以上であったときの回数を、携帯型COガス検出装置の所在位置毎に集計する。そして、この集計した回数を所在位置に対応させて表示または印刷する。
【0014】
請求項4に記載された発明によれば、ガス発生監視システムが、請求項1又は2に記載された1又は複数の携帯型COガス検出装置と、請求項3に記載されたガス発生監視装置と、を備えている。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、請求項1に記載された発明によれば、所定の領域内での所在位置を示す位置情報を生成し、そして、COガス濃度を検出した際に、この検出したCOガス濃度を自己の所在位置とともに、ガス発生監視システムが備えるガス発生監視装置に送信するので、ガス発生監視装置において、警報の必要のない濃度についてもCOガスの発生を検出及び監視でき、且つ、COガス濃度情報とともに送られる位置情報に基づいて、所定の領域内におけるCOガス濃度の検出箇所を特定(即ち、把握)することができ、高濃度のCOガスが検出される前に対策を講ずることができる。
【0016】
請求項2に記載された発明によれば、検出されたCOガス濃度が予め定められた警報閾値以上のとき、警報を行うので、COガス濃度が事故のおそれのある警報濃度に高まったときに、COガスの発生を警報して作業者に知らせ、事故を未然に防ぐことができる。
【0017】
請求項3に記載された発明によれば、携帯型COガス検出装置が送られてくるCOガス濃度及び該携帯型COガス検出装置の所在位置の両方を受信して、このCOガス濃度が、COガスが発生したものとして監視を要する濃度以上で且つ警報を要する濃度より低く定められたガス発生閾値以上であったときの回数を、携帯型COガス検出装置の所在位置毎に集計するので、この集計した回数を所在位置に対応させて表示手段に表示または印刷することによって、携帯型COガス検出装置の所在位置、即ち、所定の領域内での各箇所において、監視を要する濃度のCOガスがどの程度の頻度(回数)で発生しているかを把握することができ、そのため、当該領域内でのガス発生状況を監視することができ、高濃度のCOガスが検出される前に対策を講ずることができる。
【0018】
請求項4に記載された発明によれば、ガス発生監視システムが、請求項1又は2に記載された携帯型COガス検出装置と、請求項3に記載されたガス発生監視装置と、を備えているので、警報の必要のない濃度についてもCOガスの発生を検出及び監視して、所定の領域内での各箇所において、監視を要する濃度のCOガスがどの程度の頻度(回数)で発生しているかを把握することができ、そのため、当該領域内でのガス発生状況を監視することができ、高濃度のCOガスが検出される前に対策を講ずることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の携帯型COガス検出装置、ガス発生監視装置、及び、ガス発生監視システムの基本構成を示す図である。
【図2】本発明のガス発生監視システムの概略構成を説明する図である。
【図3】図2のガス発生監視システムが備える携帯型COガス発生検出装置の概略構成図である。
【図4】図3の携帯型COガス発生検出装置のCPUにおける本発明に係るガス濃度検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】図2のガス発生監視システムが備えるガス発生監視装置の概略構成図である。
【図6】図5のガス発生監視装置のRAMにおける位置情報とCOガスの発生回数との格納イメージを示す図である。
【図7】図5のガス発生監視装置のCPUにおける本発明に係るガス発生状態監視処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】図5のガス発生監視装置のプリンタによって印刷されるCOガスの発生回数の集計結果を示す棒グラフの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る携帯型COガス検出装置及びガス発生監視装置並びにガス発生監視システムの一実施形態について、図2〜図8を参照して説明する。
【0021】
図2に示すように、ガス発生監視システム1は、ガスコンロやガスオーブンなどの複数のガス器具G(G1〜G4)が設置された飲食店などの業務用厨房(以下、厨房K)などにおいて用いられ、当該厨房K内、即ち、所定の領域内でのCOガスの発生状況を監視する。厨房Kには、複数の電波信号発信装置A〜Cが設けられている。
【0022】
複数の電波信号発信装置A〜Cは、例えば、厨房Kの天井面に、電波信号発信装置A、B、Cの順に略一列に等間隔で3つ配置されている。電波信号発信装置A〜Cは、互いに異なる周波数(即ち、固有)の微弱な電波信号Sa〜Scを発信する。電波信号発信装置A〜Cから発信される電波信号Sa〜Scは、後述する携帯型COガス検出装置10において、受信強度(電界強度)が0以上且つ500μV/m未満で受信されるようにそれぞれの出力が定められている。
【0023】
ガス発生監視システム1は、厨房K内に立ち入る作業者Hに携帯される子機としての携帯型COガス検出装置10と、例えば、厨房Kの壁面などに設置される親機(集中管理装置)としてのガス発生監視装置60と、を備えている。
【0024】
まず、携帯型COガス検出装置10について説明する。
【0025】
携帯型COガス検出装置10は、例えば、作業者Hの胸付近に取り付けられる小型の箱形のケース(図示なし)を備えており、このケースの前面及び側面には、その内部に雰囲気を取り込むための通気口が穿設されている。携帯型COガス検出装置10は、このケース内部に、制御部21と、メモリ31と、無線通信部32と、ガスセンサ33と、警報ブザー34と、電池35と、を備えている。
【0026】
制御部21は、周知のマイクロコンピュータなどで構成されており、中央演算処理装置(CPU)22、ROM23、RAM24、タイマ25、及び、図示しない外部インタフェース部を備えている。
【0027】
このCPU22は、携帯型COガス検出装置10における各種制御を司り、ROM23に記憶されている各種制御プログラムにしたがって本実施形態に係る制御を含む各種の処理を実行する。ROM23は、前記制御プログラムやこの制御プログラムに参照されるパラメータなどの各種情報を記憶している。特に、ROM23は、CPU22を、ガス検出手段22a、位置情報生成手段22b、情報送信手段22c、警報手段22d、などの各種手段として機能させるための制御プログラムを記憶している。そして、CPU22は、この制御プログラムを実行することで、前述した各種手段などとして機能する。RAM24は、CPU22が各種の処理を実行する上において必要なデータ、プログラム等が適宜記憶される。タイマ25は、CPU22が任意の時間の計時を行うために用いられる周知の計時機構である。
【0028】
メモリ31は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やフラッシュメモリなどの、電源断となってもデータを保持できる不揮発性メモリで構成されている。
【0029】
このメモリ31には、ガスセンサ33から出力された電圧と雰囲気中のCOガス濃度との関係を示す、電圧−濃度変換テーブルが格納されている。また、メモリ31には、COガス濃度の警報を行うための判定に用いられる警報閾値SHが格納されている。本実施形態において、警報閾値SHは400ppmに設定されている。この警報閾値SHの値は一例であって、例えば、血液中の一酸化炭素ヘモグロビン濃度COHb(%)などに基づいて警報を行うときなどにはそれに応じた値が設定されるなど、携帯型COガス検出装置10の使用形態等に応じて適宜定められる。
【0030】
無線通信部32は、制御部21の外部インタフェース部を介してCPU22と接続されており、CPU22の制御の下、共にケースに内蔵されたアンテナ32aから無線信号を発することにより、各種情報をガス発生監視装置60に送信する。
【0031】
ガスセンサ33は、周囲環境(雰囲気)におけるCOガスを検知して、この検知したCOガスの濃度に応じた電圧(即ち、信号)を出力する周知の一酸化炭素ガスセンサである。ガスセンサ33は、電池にて駆動可能なものであれば、特に原理は問わず、電気化学式、半導体式、接触燃焼式、熱線半導体式などの何れのものであってもよい。このガスセンサ33を携帯型COガス検出装置10のケース内に収容するに当たっては、雰囲気に十分に触れるように、ケースに穿たれた通気口に近接して配置する。ガスセンサ33は、制御部21の外部インタフェース部が備えるA/Dコンバータを介して、CPU22に接続されている。
【0032】
警報ブザー34は、パルス信号を印加することによって警報音を発する、周知の圧電式ブザーである。警報ブザー34は、制御部21が備える外部インタフェース部に設けられた出力ポートを介して、CPU22に接続されている。なお、このような警報ブザーに代えて、COガスが発生したことを通知する音声信号(例えば、「一酸化炭素ガスが検出されました」など)を生成する音声IC及びスピーカなどで構成されていてもよい。
【0033】
電池35は、周知の乾電池、又は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの充電可能な二次電池、などを用いており、携帯型COガス検出装置10は、この電池35によって供給される電力で動作する。
【0034】
電波信号受信部36は、例えば、図示しないアンテナやデジタルシグナルプロセッサなどで構成されており、複数の電波信号発信装置A〜Cから発信された電波信号Sa〜Scを受信して、それぞれの電波信号Sa〜Scについての受信強度(電界強度)を示す受信強度信号Ra〜Rcを出力する。電波信号受信部36は、制御部21の備える外部インタフェース部を介して、CPU22に接続されている。
【0035】
上述した携帯型COガス検出装置10のCPU22における本発明に係る動作(COガス濃度検出処理)について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0036】
携帯型COガス検出装置10に電池35が取り付けられたのち、図示しない電源スイッチがオンされるなどして電力が供給されると、CPU22が動作を開始し、所定の初期化処理を行った後、ステップS110に進む。
【0037】
ステップS110では、COガスの検出間隔を調整するためにタイマ25を用いて所定時間(例えば、1分間)の待ち処理を行った後に、電波信号受信部36から出力される各電波信号Sa〜Scについての電界強度を示す受信強度信号Rを受信(取得)する。そして、ステップS120に進む。
【0038】
ステップS120では、ステップS110において受信した受信強度信号Ra〜Rcに基づいて、厨房Kにおける自己の所在位置を示す位置情報Pを生成する。
【0039】
具体的には、各受信強度信号Ra〜Rcを、その大きさ毎に区分けされた受信レベルに分類する。本実施形態においては、受信強度信号Rが、0≦R<10μV/mのとき、受信レベルを「小」とし、受信強度信号Rが、10≦R<100μV/mのとき、受信レベルを「中」とし、受信強度信号Rが、100≦R<500μV/mのとき、受信レベルを「大」とする。
【0040】
そして、各受信強度信号Ra〜Rcの受信レベルの組み合わせに応じて、位置情報Pを生成する。本実施形態においては、Ra、Rb、Rcの受信レベルが、
(1)「大」、「中」、「小」のとき、位置情報Pを「1」とし、
(2)「中」、「中」、「小」のとき、位置情報Pを「2」とし、
(3)「中」、「大」、「中」のとき、位置情報Pを「3」とし、
(4)「小」、「中」、「中」のとき、位置情報Pを「4」とし、
(5)「小」、「中」、「大」のとき、位置情報Pを「5」として生成する。
【0041】
これら受信強度信号Ra〜Rcの大きさ(即ち、電波信号の強さ)は、各電波信号発信装置A〜Cからの距離に比例し、このことから、位置情報Pが「1」のときは、所在位置が電波信号発信装置Aの近くであることを示し、位置情報Pが「2」のときは、所在位置が電波信号発信装置Aと電波信号発信装置Bとの間であることを示し、位置情報Pが「3」のときは、所在位置が電波信号発信装置Bの近くであることを示し、位置情報Pが「4」のときは、所在位置が電波信号発信装置Bと電波信号発信装置Cとの間であることを示し、位置情報Pが「5」のときは、所在位置が電波信号発信装置Cの近くであることを示している。表1に、これら組み合わせをまとめて示す。
【0042】
【表1】

【0043】
そして、位置情報Pを生成した後、ステップS130に進む。
【0044】
ステップS130では、ガスセンサ33を駆動するとともに、A/Dコンバータによってデジタル値に変換されたガスセンサ33が出力した電圧を取得して、この取得した電圧をメモリ31に格納された電圧−濃度変換テーブルに当てはめて、当該電圧によって示された雰囲気中のCOガス濃度dを検出(取得)する。そして、ステップS140に進む。
【0045】
ステップS140では、ステップS130において取得したCOガス濃度dが、メモリ31に格納された警報閾値SH以上であるか否かを判定して、COガス濃度dが警報閾値SH以上のとき、雰囲気中のCOガス濃度が警報を要する高濃度であるものとしてステップS150に進み(S140でY)、COガス濃度dが警報閾値SH未満のとき、警報が不要な濃度であるものとしてステップS160に進む(S140でN)。
【0046】
または、ステップS140では、ステップS130において取得したCOガス濃度dに基づいて、血液中の一酸化炭素ヘモグロビン濃度COHbを算出するとともに、この一酸化炭素ヘモグロビン濃度COHbが所定の警報閾値以上であるか否かを判定するようにしてもよい。このようにすることで、一過性のCOガス発生による誤警報を回避することができる。
【0047】
ステップS150では、警報ブザー34を駆動して警報音を鳴動させる。そして、ステップS160に進む。
【0048】
ステップS160では、ステップS130において検出したCOガス濃度dをCOガス濃度情報Dとして、ステップS120において生成した位置情報Pとともに、無線通信部32を介して、ガス発生監視装置60に送信する。そして、ステップS110に戻る。以降、上述した処理を繰り返す。なお、受信強度を取得して位置情報Pを生成する処理(S110、S120)と、COガス濃度を検出する処理(S130)と、において、これら処理の間隔を極力小さくすることが好ましい。このようにすることでCOガス濃度とその検出箇所とのずれが小さくなる。
【0049】
上述したステップS110は、受信強度取得手段に相当し、ステップS120は、請求項中の位置情報生成手段に相当し、ステップS130は、請求項中のガス検出手段に相当し、ステップS160は、請求項中の情報送信手段に相当し、ステップS150は、請求項中の警報手段に相当する。
【0050】
なお、本実施形態では、警報閾値SH以上のCOガス濃度dを検出したときに、警報ブザー34を鳴動させて警報を行うものであったが、これに限定するものではない。例えば、携帯型COガス検出装置10に、警報ブザー34を備えず、また、上記フローチャートのステップS140、S150を省略して、携帯型COガス検出装置10では警報を行わずに、ガス発生監視装置60において、携帯型COガス検出装置10から送信されるCOガス濃度情報Dに基づいて警報を行うようにしてもよい。このようにすることで、COガス濃度の判定を省略して、CPU22の処理を軽減できる。
【0051】
次に、ガス発生監視装置60について説明する。
【0052】
ガス発生監視装置60装置は、図5に示すように、制御部71と、メモリ81と、無線通信部82と、プリンタ91と、を備えている。このガス発生監視装置60は、例えば、交流100Vの商用電源PSから供給される電力によって動作する。
【0053】
制御部71は、携帯型COガス検出装置10と同様に、周知のマイクロコンピュータなどで構成されており、中央演算処理装置(CPU)72、ROM73、RAM74、タイマ75、及び、図示しない外部インタフェース部を備えている。
【0054】
このCPU72は、ガス発生監視装置60における各種制御を司り、ROM73に記憶されている各種制御プログラムにしたがって本実施形態に係る制御を含む各種の処理を実行する。ROM73は、前記制御プログラムやこの制御プログラムに参照されるパラメータなどの各種情報を記憶している。特に、ROM73は、CPU72を、情報受信手段72a、ガス発生回数集計手段72b、表示制御手段72c、などの各種手段として機能させるための制御プログラムを記憶している。そして、CPU72は、この制御プログラムを実行することで、前述した各種手段として機能する。
【0055】
RAM74は、CPU72が各種の処理を実行する上において必要なデータ、プログラム等が適宜記憶される。特に、RAM74には、携帯型COガス検出装置10で検出されたCOガス濃度が、後述するガス発生閾値以上であったときの回数(発生回数N)を、そのCOガス濃度と同時に受信した携帯型COガス検出装置10の所在位置を示す位置情報Pと関連づけて記憶するガス発生回数集計領域Mが設けられている。このガス発生回数集計領域Mは、日毎、周毎、月毎の集計用に3つ用意されている。RAM74に設けられたガス発生回数集計領域Mのイメージを、図6に示す。タイマ75は、CPU72が時刻や日付を含む任意の時間の計時を行うために用いられる周知の計時機構である。
【0056】
メモリ81は、例えば、EEPROMやフラッシュメモリなどの、電源断となってもデータを保持できる不揮発性メモリで構成されている。
【0057】
このメモリ81には、COガスが発生したものとして監視を要する濃度以上で且つ警報を要する濃度より低く定められたガス発生閾値STが格納されている。本実施形態において、このガス発生閾値STは300ppmに設定されている。このガス発生閾値STの値は一例であって、ガス発生監視装置60の使用形態等に応じて適宜定められる。
【0058】
無線通信部82は、制御部71の外部インタフェース部を介してCPU72と接続されており、CPU72の制御の下、アンテナ82aによって無線信号を受けることにより、各種情報を携帯型COガス検出装置10から受信する。
【0059】
プリンタ91は、周知のロール紙プリンタであり、制御部71の外部インタフェース部を介してCPU72と接続されている。プリンタ91は、CPU72の制御の下、ガス発生状況を示す文字情報又は図形情報などをロール紙に印刷して表示する。プリンタ91は、請求項中の表示手段に相当する。
【0060】
上述したガス発生監視装置60のCPU72における本発明に係る動作(ガス発生状態監視処理)について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0061】
ガス発生監視装置60に商用電源PSから電源が供給されると、CPU72が動作を開始し、所定の初期化処理を行った後、ステップT110に進む。
【0062】
ステップT110では、携帯型COガス検出装置10からCOガス濃度情報D及び位置情報Pの両方を受信するまで待ち(T110でN)、これらCOガス濃度情報D及び位置情報Pの両方を受信すると、ステップT120に進む(T110でY)。
【0063】
ステップT120では、ステップT110において受信したCOガス濃度情報Dに示されるCOガス濃度が、メモリ81に格納されたガス発生閾値ST以上であるか否かを判定し、COガス濃度がガス発生閾値ST以上であるとき、監視を要する濃度のCOガスが発生しているものとして、ステップT130に進み(T120でY)、COガス濃度がガス発生閾値ST未満であるとき、COガスの発生は無いものとして、ステップT140に進む(T120でN)。
【0064】
ステップT130では、RAM74に設けられた日毎、周毎、月毎のガス発生回数集計領域Mにおいて、ステップT110で受信した位置情報Pに対応する発生回数Nを1増加する。そして、ステップT140に進む。
【0065】
ステップT140では、タイマ75を参照して、ガス発生回数集計領域Mに示されるガス発生状況の集計結果を表示する時刻であるか否かを判定する。集計結果を表示する時刻(例えば、毎日22:00、毎週日曜日の22:00、毎月20日の22:00など)であれば、ステップT150に進み(T140でY)、集計結果を表示する時刻でなければ、ステップT110に戻る(T140でN)。
【0066】
ステップT150では、ガス発生回数集計領域Mに示されるガス発生状況の集計結果をプリンタ91に送信して、ロール紙に印刷して表示する。そして、集計結果の表示に用いたガス発生回数集計領域Mの各発生回数Nをクリアして、ステップT110に戻る。以降、上述した処理を繰り返す。
【0067】
上述したステップT110は、請求項中の情報受信手段に相当し、ステップT130は、請求項中のガス発生回数集計手段に相当し、ステップT150は、表示制御手段に相当する。
【0068】
次に、上述したガス発生監視システム1における本発明に係る動作の一例について、説明する。
【0069】
ガス発生監視システム1が備える携帯型COガス検出装置10は、厨房Rに立ち入る作業者Hに携帯され、厨房R内に設置された各電波信号発信装置A〜Cから発信される電波信号Sa〜Scにおける受信強度に基づいて、自己の所在位置である位置情報Pを生成する(S110、S120)。そして、厨房R内の雰囲気中のCOガス濃度の検出動作を行い(S130)、この検出したCOガス濃度が警報の必要な高濃度であれば警報を発する(S150)。また、この検出したCOガス濃度を示すCOガス濃度情報Dを生成した位置情報Pとともに、ガス発生監視装置60に送信する(S160)。
【0070】
ガス発生監視装置60は、COガス濃度情報D及び位置情報Pの両方を受信して(T110)、この受信したCOガス濃度情報Dに示されるCOガス濃度が、監視を要する濃度以上であれば、同時に受信した位置情報P、即ち、この位置情報Pに示される厨房Kの箇所においてCOガスが発生したものとして、当該箇所でのCOガスの発生回数Nとして集計する(T130)。そして、予め定められた時刻になると、集計したCOガスの発生回数をプリンタ91に印刷して表示する(T150)。
【0071】
例えば、携帯型COガス検出装置10において、電波信号発信装置A〜Cが発する電波信号Sa〜Scを受信して、それぞれの受信強度信号Ra〜Rcが、50μV/m、60μV/m、3μV/m、であったとすると、Ra、Rb、Rcの受信レベルが「中」、「中」、「小」となり、位置情報Pとして、「2」が生成される。そして、その周囲のCOガス濃度を検出して、検出したCOガス濃度が120ppmのとき、警報ブザー34を鳴動させることなく、COガス濃度情報D「120ppm」及び位置情報P「2」をガス発生監視装置60に送信する。ガス発生監視装置60では、これらCOガス濃度情報D及び位置情報Pの両方を受信すると、COガス濃度情報Dに示されるCOガス濃度をガス発生閾値STと比較して、このCOガス濃度(120ppm)がガス発生閾値ST未満であると判定し、集計動作は行わずに、次のCOガス濃度情報D及び位置情報Pの受信を待つ。
【0072】
また、携帯型COガス検出装置10において、電波信号発信装置A〜Cが発する電波信号Sa〜Scを受信して、それぞれの受信強度信号Ra〜Rcが、50μV/m、200μV/m、80μV/m、であったとすると、Ra、Rb、Rcの受信レベルが「中」、「大」、「中」となり、位置情報Pとして、「3」が生成される。そして、その周囲のCOガス濃度を検出して、検出したCOガス濃度が350ppmのとき、警報ブザー34を鳴動させることなく、COガス濃度情報D「350ppm」及び位置情報P「3」をガス発生監視装置60に送信する。ガス発生監視装置60では、これらCOガス濃度情報D及び位置情報Pの両方を受信すると、COガス濃度情報Dに示されるCOガス濃度をガス発生閾値STと比較して、このCOガス濃度(350ppm)がガス発生閾値ST以上であると判定し、ガス発生回数集計領域Mにおける位置情報Pに対応する発生回数Nを1増加させる。
【0073】
そして、ガス発生監視装置60では、COガスの発生回数の集計結果を表示する時間、例えば、毎日22:00、毎週日曜日の22:00、又は、毎月20日の22:00になると自動的に、図8に示すように、日毎、周毎又は月毎に用意された各ガス発生回数集計領域Mに集計されたCOガスの発生回数Nを位置情報P毎に示した棒グラフとして、ロール紙に印刷する。
【0074】
図8のグラフから、位置情報P「3」におけるCOガスの発生回数Nが最も多く、その次に位置情報P「2」におけるCOガスの発生回数Nが多いことが判り、これにより、図2に示す厨房Rにおいて電波信号発信装置B付近で且つ電波信号発信装置A寄りの箇所にCOガスの発生源が存在することが判る。そして、厨房Rにおける複数のガス器具Gの配置から、当該箇所に設置されたガス器具G2でCOガスが発生しているものと推定できる。そこで、このガス器具G2のメンテナンス(例えば、交換又は新たな換気扇の設置など)を行うことで、CO中毒事故が発生する以前に対策を講ずることができる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態の携帯型COガス検出装置10では、電波受信信号部36が、厨房K内に互いに間隔をあけて配置された複数の電波信号発信装置A〜Cから発信された、これら複数の電波信号発信装置A〜C毎に固有の電波信号Sa〜Scをそれぞれ受信すると、CPU22が、受信した電波信号Sa〜Scのそれぞれについて受信強度信号Ra〜Rcを取得して、これら受信強度信号Ra〜Rcに基づいて、前記領域内での所在位置を示す位置情報Pを生成する。そして、CPU22によってガスセンサ33の出力する信号に基づいてCOガス濃度が検出されると、該COガス濃度を示すCOガス濃度情報D及び位置情報Pを、ガス発生監視装置60に送信する。つまり、複数の電波信号発信装置A〜Cから発信された電波信号Sa〜Scに基づいて、厨房K内での所在位置を示す位置情報Pを生成し、そして、COガス濃度を検出した際に、この検出したCOガス濃度(COガス濃度情報D)及び自己の所在位置(位置情報P)を、ガス発生監視装置60に送信する。
【0076】
また、検出されたCOガス濃度が予め定められた警報閾値SH以上のとき、CPU22が警報を行う。
【0077】
また、本実施形態のガス発生監視装置60では、携帯型COガス検出装置10から送信された該携帯型COガス検出装置10によって検出されたCOガス濃度を示すCOガス濃度情報D、及び、該携帯型COガス検出装置10の厨房K内での所在位置を示す位置情報P、をCPU72が受信して、COガス濃度情報Dに示されるCOガス濃度が予め定められたガス発生閾値ST以上であったときの回数を、位置情報P毎に集計する。そして、CPU72が、集計された上記回数をプリンタ91に印刷する。つまり、携帯型COガス検出装置10から送られてくるCOガス濃度及び該携帯型COガス検出装置10の所在位置を受信して、このCOガス濃度が、COガスが発生したものとして監視を要する濃度以上で且つ警報を要する濃度より低く定められたガス発生閾値ST以上であったときの回数、即ち、監視を要する濃度のCOガスの発生回数を、携帯型COガス検出装置10の所在位置毎に集計する。そして、この集計した回数を所在位置毎の棒グラフとして印刷(表示)する。
【0078】
以上説明したように、本発明によれば、複数の電波信号発信装置A〜Cから発信された電波信号Sa〜Scに基づいて、厨房K内での所在位置を示す位置情報Pを生成し、そして、COガス濃度を検出した際に、この検出したCOガス濃度(COガス濃度情報D)及び自己の所在位置(位置情報P)を、ガス発生監視装置60に送信するので、ガス発生監視装置60において、警報の必要のない濃度についてもCOガスの発生を検出及び監視でき、且つ、COガス濃度情報Dとともに送られる位置情報Pに基づいて、所定の領域内におけるCOガス濃度の検出箇所を特定(即ち、把握)することができ、高濃度のCOガスが検出される前に対策を講ずることができる。
【0079】
また、検出されたCOガス濃度が予め定められた警報閾値SH以上のとき、警報を行うので、COガス濃度が事故のおそれのある警報濃度に高まったときに、COガスの発生を警報して作業者に知らせ、事故を未然に防ぐことができる。
【0080】
また、携帯型COガス検出装置10から送られてくるCOガス濃度及び該携帯型COガス検出装置10の所在位置を受信して、このCOガス濃度が、COガスが発生したものとして監視を要する濃度以上で且つ警報を要する濃度より低く定められたガス発生閾値ST以上であったときの回数、即ち、監視を要する濃度のCOガスの発生回数を、携帯型COガス検出装置10の所在位置毎に集計するので、この集計した回数を所在位置に対応させて印刷(表示)することによって、携帯型COガス検出装置10の所在位置、即ち、厨房K内での各箇所において、監視を要する濃度のCOガスがどの程度の頻度(回数)で発生しているかを把握することができ、そのため、当該厨房K内でのガス発生状況を監視することができ、高濃度のCOガスが検出される前に対策を講ずることができる。
【0081】
本実施形態においては、厨房K内での各箇所における、監視を要する濃度のCOガスの発生回数を集計して、所定の時刻にプリンタ91において印刷するものであったが、これに限定するものではない。例えば、ガス発生監視装置60に周知の液晶ディスプレイ装置を備えて、厨房Kの平面視を模式的に表す図形(例えば、長方形)を表示するとともに、この図形上における位置情報Pに対応する箇所を、該位置情報Pでの発生回数Nに応じた色で表示するようにしてもよい。例えば、発生回数Nが0のときは白色、発生回数が1〜5のときは黄色、発生回数6〜15のときは赤色などにして当該箇所を表示する。このようにすることで、リアルタイムにCOガスの発生状況を監視できる。
【0082】
また、本実施形態においては、COガス濃度を、雰囲気中における割合(ppm)で検出するものであったが、これに限らず、例えば、COガス濃度を、血液中の一酸化炭素ヘモグロビン濃度(COHb)に換算して検出するものであっても良い。
【0083】
また、本実施形態においては、位置情報Pを、各電波信号発信装置A〜Cから発信される電波信号Sa〜Sbの受信強度に基づいて生成するものであったが、これに限らず、例えば、携帯型COガス検出装置10に、加速度センサを備えて、この加速度センサによって検知された加速度、移動方向、移動時間などに基づいて位置情報Pを生成するなど、本発明の目的に反しない限り、自己の所在位置を示す位置情報Pの生成方法は任意である。
【0084】
また、本実施形態においては、3つの電波信号発信装置A〜Cを一列に並べるものであったが、これに限らず、4つ以上の電波信号発信装置を用いてもよく、さらにこれら電波信号発信装置を一列(一次元)ではなく平面(二次元)に配置してもよい。
【0085】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0086】
1 ガス発生監視システム
10 携帯型COガス検出装置
22 CPU(ガス検出手段、位置情報生成手段、情報送信手段、警報手段)
31 メモリ
33 ガスセンサ
36 電波信号受信部
60 ガス発生監視装置
72 CPU(情報受信手段、ガス発生集計手段)
81 メモリ
91 プリンタ(表示手段)
A、B、C 電波信号発信装置
K 厨房(所定の領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の領域内でのCOガスの発生状況を監視するガス発生監視システムが備える携帯型COガス検出装置であって、周囲環境のCOガスを検知して、この検知したCOガスの濃度に応じた信号を出力するガスセンサと、前記ガスセンサによって出力される前記信号に基づいて、COガス濃度を検出するガス検出手段と、を有する携帯型COガス検出装置において、
前記領域内における所在位置を示す位置情報を生成する位置情報生成手段と、
前記ガス検出手段による前記COガス濃度の検出に応じて、該COガス濃度を示すCOガス濃度情報及び前記位置情報生成手段によって生成された前記位置情報を、前記ガス発生監視システムが備えるガス発生監視装置に送信する情報送信手段と、を有している
ことを特徴とする携帯型COガス検出装置。
【請求項2】
前記ガス検出手段によって検出された前記COガス濃度が予め定められた警報閾値以上のとき、警報を行う警報手段を有していることを特徴とする請求項1に記載の携帯型COガス検出装置。
【請求項3】
所定の領域内でのCOガスの発生状況を監視するガス発生監視システムが備えるガス発生監視装置であって、
前記ガス発生監視システムが備える携帯型COガス検出装置から送信された該携帯型COガス検出装置によって検出されたCOガス濃度を示すCOガス濃度情報、及び、該携帯型COガス検出装置の前記領域内での所在位置を示す位置情報、を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段によって受信された前記COガス濃度情報に示されるCOガス濃度が予め定められたガス発生閾値以上であったときの回数を、前記情報受信手段によって受信された前記位置情報毎に集計するガス発生回数集計手段と、を備えている
ことを特徴とするガス発生監視装置。
【請求項4】
所定の領域内におけるCOガスの発生状況を監視するガス発生監視システムであって、
請求項1又は2に記載された携帯型COガス検出装置と、
請求項3に記載されたガス発生監視装置と、を備えている
ことを特徴とするガス発生監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−3458(P2012−3458A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137045(P2010−137045)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】