携帯端末、ICカード、ICカード制御方法及びソフトウェアプログラム
【課題】
搭載したアンテナとICカードを使って外部装置と非接触通信が可能な携帯電話に、複数のICカードが収納された場合でも、外部装置と通信するICカードを選択し、さらに外部装置からの応答要求に対しON/OFF制御可能になる携帯電話を提供する。
【解決手段】
ICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、複数個のICカード収納部と、ICカード収納部に収納された複数個のICカードとアンテナ部との接続を制御する制御部とを備えることで、外部装置と通信するICカードの選択または接続をオフを可能とした。
搭載したアンテナとICカードを使って外部装置と非接触通信が可能な携帯電話に、複数のICカードが収納された場合でも、外部装置と通信するICカードを選択し、さらに外部装置からの応答要求に対しON/OFF制御可能になる携帯電話を提供する。
【解決手段】
ICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、複数個のICカード収納部と、ICカード収納部に収納された複数個のICカードとアンテナ部との接続を制御する制御部とを備えることで、外部装置と通信するICカードの選択または接続をオフを可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触ICカードを使った携帯電話等の携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、金融系サービスで利用されることの多いカードサイズの接触型ICカードに加え、接点のない非接触ICカードも交通系サービスを中心に広く普及しつつある。さらに1つのカードで接触・非接触両方のI/Fを備えた、デュアルウェイI/F(インターフェイス)カードと呼ばれるICカードも登場してきている。
【0003】
また、電話番号情報が格納されたSIMサイズのICカードを装着することで利用が可能になるGSM携帯電話は、ヨーロッパを中心に以前より普及していたが、携帯電話のグローバル化に伴い、国内においてもICカードを使った携帯電話は増加傾向にある。さらにICカードに電話番号情報以外の個人情報や認証処理プログラム等を内蔵し、より高機能な使い方の検討も始まっている。携帯電話そのものも、基本的な通話機能だけでなく、メール機能やカメラ機能など高機能化が進んでおり、これらの高機能化に伴い、増大するデータを外部メモリカードを使って記録・移動するためのメモリカードスロットを備えた携帯電話も登場している。メモリカードも単純な記録媒体としての機能の他に、ICカード機能を併せ持ったものや、非接触通信にも対応できるものも出始めている。
【0004】
携帯電話のさらなる高機能化として、非接触ICカード通信用アンテナを携帯電話に内蔵し、非接触ICカードやメモリカードを携帯電話に装着することで、非接触ICカードサービスを利用可能になる環境が整いつつある。
【0005】
また、非接触ICカード通信用のアンテナではないが、携帯電話の基本通信機能をより高機能化するために、複数のアンテナを搭載し、必要に応じて最適なアンテナに切り替えるという技術が特許文献1に記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−223185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
通常携帯電話には1つの非接触ICカードと、1つの非接触ICカード通信用のアンテナが搭載されると考えられるが、今後非接触サービスの増加に伴い、複数の非接触ICカードや 非接触ICカード機能をもったメモリカード等が、1つの携帯電話に搭載される可能性が予想される。しかし非接触ICカード用のアンテナは、携帯電話程度のサイズに収納する場合、性能確保のためにはできるだけ大きなサイズをとる必要があり、上記公開技術のような複数のアンテナを搭載すること自体が難しい。そのため非接触ICカード通信の場合は、1つのアンテナを複数のICカードで共用しなければならなくなる事態が生じる。
【0008】
単純に1つのアンテナを複数のICカードに接続した場合、外部装置から供給されるRF動作磁界が不足し、所定の性能を満たせなくなることや、通信データの衝突による通信不良などの問題が生じる可能性がある。また、ある利用者が同じサービスを利用可能な複数のICカードを所持しており、それらのカードを同時に携帯電話に収納した場合は、どのカードを使うか利用者の意思で使い分けたほうが利便性が良い。また1枚の非接触ICカードだけが収納されている場合でも、外部装置の応用要求に無条件に応答させたくない場合も考えられるが、単純に非接触ICカードとアンテナを接続していると、外部からのRF動作磁界を受信すると、非接触ICカードは自動的に応答を返してしまう。
【0009】
本発明では、搭載したアンテナとICカードを使って外部装置と非接触通信が可能な携帯電話等の携帯端末に、複数のICカードが収納された場合でも、外部装置と通信するICカードを選択し、さらに外部装置からの応答要求に対しON/OFF制御可能になる携帯電話等の携帯端末、これに用いるICカード、ICカード、ICカード制御方法及びソフトウェアプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する為本発明では、ICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、ICカード収納部と、ICカード収納部に収納されたICカードとアンテナ部との接続を制御する制御部とを有するように構成し、前記制御部はICカードとアンテナ部との接続を切り替えるスイッチ部と、このスイッチ部の動作を制御するスイッチ制御部とからなるように構成した。前記制御部はICカードとの接続をオフすることを含む。
【0011】
また本発明では、ICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、複数個のICカード収納部と、このICカード収納部に収納された複数個のICカードとアンテナ部との接続を制御する制御部とを有するように構成し、前記制御部はICカードとアンテナ部との接続を切り替えるスイッチ部と、スイッチ部の動作を制御するスイッチ制御部とからなるように構成し、外部装置と通信するICカードの選択を可能とした。前記制御部はICカードとの接続をオフすることを含み、前記スイッチ制御部は、携帯端末に設けられたハードウェアスイッチまたは携帯端末上のソフトウェアで構成される。
【0012】
また本発明では、前記スイッチ制御部として、認証処理を行う認証処理手段を有し、認証処理手段の認証結果に基づいて、スイッチ部を制御するように構成した。
【0013】
また本発明では、ICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、複数個のICカード収納部と、ICカード収納部に収納された複数個の異なる通信方式のICカードとアンテナ部との接続を切り替えるスイッチ部と、スイッチ部の動作を制御するスイッチ制御部と、外部装置が発生するRF動作磁界を受信し、受信したRF動作磁界から通信方式を判別する通信方式判別手段とを有し、前記スイッチ制御部は通信方式判別手段が判別した通信方式と合致する通信方式のICカードを選択し接続するように前記スイッチ部を制御するように構成した。
【0014】
以上のように本発明によれば、搭載したアンテナとICカードを使って外部装置と非接触通信が可能な携帯電話に、複数のICカードが収納された場合でも、外部装置と通信を選択し、さらに外部装置からの応答要求に対しON/OFF制御可能になる携帯電話を提供できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ICカードを収納された携帯端末の使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の携帯について、図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る、携帯電話、通信方式の異なる非接触ICカード及び、非接触ICカードとRF動作磁界により通信を行うための通信方式の異なる複数の外部装置の構成を示した図である。
【0018】
携帯電話100は、非接触ICカード通信用アンテナ101と、非接触ICカード通信用アンテナ101からの信号を、通信方式Aの非接触ICカードA102及び通信方式Bの非接触ICカードB103に伝達するための収納(または装着)部A104及び収納部B105どちらかもしくは、OFFに切り替えるスイッチ106と、スイッチ106を制御するスイッチ制御部107を具備したものとなっている。非接触ICカードA102と収納部A104及び、非接触ICカードB103と収納部B105は、専用のアンテナ端子やISO7816の予約接触端子等で電気的に接続され、外部装置からアンテナ101を通じての信号が伝達できるようになっている。
【0019】
非接触ICカードA102は、外部装置A108がアンテナ109を通じて発する、通信方式AのRF動作磁界を受信することで動作を行う。非接触ICカードB103は、外部装置B110がアンテナ111を通じて発する、通信方式BのRF動作磁界を受信することで動作を行う。
【0020】
もちろん利用者の意思により、同じサービスや同じ通信方式のカードを複数搭載して切り替えて使いたいという要望もあるが、そのようなカードを複数搭載しても構わない。
【0021】
なお、スイッチはアンテナだけでなく、電源端子など他の接続も連動して切り替えることで、不要なICカードに対する電源供給を抑えることが可能になり、消費電流を小さくすることができる。
【0022】
図2は、携帯電話外部に取り付けられたのアンテナ切り替えハードウェアスイッチの例を示した図である。
【0023】
携帯電話100の外部に、利用者が直接操作できる手動式のアンテナ接続カード切り替えスイッチ200が取り付けられており、このスイッチにより、アンテナをどのICカードに接続するかを制御できる。カードA又はカードBの位置にスイッチをセットすることにより、通信方式の異なる非接触ICカードA102または、非接触ICカードB103のどちらのカードを通信させるかを選択することが可能となっている。また。OFFの位置にセットすることにより、どちらのカードも通信させないことを選択することができる。
【0024】
例えば、携帯電話に異なるサービスを受けることができる、2種類の通信方式の異なるカードを搭載している場合に、利用者は、店舗等で各サービスを受ける際に、スイッチを切り替えることにより、明確な意思をもってサービスを受けることができるようになる。また電子マネーのようなサービスを受けることが可能なカードを複数搭載している場合は、どのカードから支払うかを選択することが可能である。
【0025】
図3は、携帯電話が、ソフトウェア制御によりスイッチを制御する場合の選択カード切り替え画面の例を示した図である。
【0026】
スイッチ制御部がソフトウェアによる制御部を含む場合、例えばソフトウェアで携帯画面300に、アンテナと接続するカードを選択するための、ラジオスイッチを表示し、利用者に通信方式の異なる非接触ICカードA102または、非接触ICカードB103のどちらのカードを通信させるかを、カードA又はカードBのラジオスイッチを選択させることで可能となっている。また。OFFのラジオボタンにより、どちらのカードとも通信させないことを選択させることもできる。この画面での選択に基づき、ソフトウェアでスイッチに制御信号をスイッチに送信することで、アンテナとどのカードを接続するか選択可能となる。
【0027】
さらに、どのカード接続しているかは、アンテナは、アイコン等で示すと利用者にわかりやすい。301と302にアンテナ接続アイコンの例を示す。301のアイコン例では、2つのカードのうちどちらがアンテナ接続されているかが接続線でわかるものとなっている。302のアイコン例では、接続されているカードの縁取りが濃くなることで選択されるカードがわかるようになっている。
【0028】
図4は、ソフトウェア制御によりスイッチを制御する場合の処理を示す、フロー例を示した図である。
【0029】
まず携帯電話100が、利用者のアンテナ切り替えを行うためのボタン操作などで、ステップS400を呼び出し、処理がスタートし、ステップS401に進む。ステップS401では、ラジオボタン等によるアンテナとの接続カード選択画面を表示し、ステップS402に進む。ステップS402では、利用者による、アンテナ接続カード選択キー動作を受け付け、ステップS403に進む。ステップS403では、選択されたカードまたは接続がOFFかの判別を行いステップS404に進む。ステップS404では、ステップS403で判別された接続カードまたは、接続OFFの判別に従い、スイッチ200への制御信号を送信し、ステップS405に進み処理を終了する。
【0030】
図5は、携帯電話が、認証処理を行い、認証結果に応じてスイッチを制御する場合の処理を示すフロー例を示した図である。ここでの認証は、接続カードとサーバによる相互認証・片側認証や、ソフトウェアモジュールとサーバによる相互認証・片側認証、接続カードと利用者との暗証番号等による個人認証などいくつもの種類が考えられるが、その種別については特にこだわる必要はない。個人認証の場合は、利用者以外の通信を制限させることができる。カードとの認証の場合は、カードが利用可能な権限のあるものかをチェックすることができる。認証に失敗した場合はアンテナを使用させない、またはICカードを機能させないことで、外部装置との通信を制限することが可能になる。
【0031】
まず携帯電話100が、携帯電話起動時や、アンテナ使用時などに、ステップS500を呼び出し、処理がスタートし、ステップS501に進む。ステップS501では、搭載している認証処理を実行し、ステップS502に進む。ステップS502では認証結果で分岐処理を行い、成功の場合は、ステップS503に進む。ステップS503ではスイッチ制御を行い、カードとの接続を行いステップS504に進む。ここでのカード接続は、あらかじめ設定されているものでもよいし、その時点で利用者に選択させてもよい。ステップS504では認証が成功したことを示す画面を表示し、ステップS506に進み処理を終了する。ステップS502で、認証結果が失敗の場合は、ステップS506に進む。ステップS506では、スイッチ制御を行い、アンテナとの接続をOFFにしてステップS507に進む。ステップS507では、認証が失敗したことを示す画面を表示し、ステップS505に進み処理を終了する。認証を行うのは、携帯電話の基本ソフトウェアプログラムでもよいし、携帯電話上にダウンロード可能なプログラムでもよい。
【0032】
図6は、携帯電話が、認証処理を行い、認証結果が失敗だった場合に表示する画面の例を示した図である。
【0033】
ステップS502で認証結果が失敗の場合に、画面600のような表示を行う。この画面では、認証に失敗したためカードとの接続を行わず、非接触ICカード通信ができないことを利用者に示している。もちろん利用者に伝えることができれば音やアイコンだけの表示でも構わない。
【0034】
図7は、携帯電話内部に、共通RF受信回路と通信方式判断部を持ち、外部装置との通信方式に合致するICカードに自動的に切り替えることが可能な携帯電話の内部構成の例を示した図である。
【0035】
携帯電話100は、非接触アンテナ101を通じて、外部装置A108又は外部装置B110のどちらかが発する通信方式のRF動作磁界を共通RF受信部700で受信する。受信した通信は、通信方式判断部701によって、どの通信方式かを判断される。通信方式判断部701は判断した結果をスイッチ制御部107に送り、スイッチ制御部107はその結果に基づいてスイッチ106を制御する。このような構成により、携帯電話100は、複数の異なる通信方式のカードが搭載されている場合でも、通信方式に合致するICカードに適切に切り替えることが可能になる。もちろんこの場合どのICカード収納部にどの通信方式のカードが搭載されているかは、設定しておいたほうがよい。
【0036】
また、外部装置Aと外部装置Bの両方がRF動作磁界を発生している状況において、外部装置Aと外部装置Bの何れか一方と通信したい場合がある。この場合には、予め通信したい通信方式のICカードを設定しておけばよい。通常は、最初に通信が成立したICカードが選択されるが、通信方式判別手段が判別した通信方式と合致する通信方式のICカードが複数ある場合には、その何れかを選択できるように、携帯端末の表示画面に通信可能なICカードが複数ある場合には、その何れかを選択できるように、携帯端末の表示画面に通信可能なICカードの種類を表示するようにしてもよいし、またICカードの利用履歴に基づいて、ICカードが選択されるようにしてもよい。さらに、通信を拒否する場合には、スイッチをOFFにしておけばよい。
【0037】
また、図8は、図7と同様な動作を行うことが可能な構成として、予め、携帯電話の内部に、1個のICカードAまたはICカード機能ユニット(ICカードチップまたはLSIチップ等)を内蔵した(または組み込まれた)構成を示す図である。図8において、携帯電話に、ICカードAを内蔵する部分とICカード収納部Bとが、各々複数部分で構成されていてもよいことは言うまでもない。またICカード収納部がなく複数のICカード機能ユニットだけで構成されてもよい。
【0038】
図9は、ICカード収納部が、ICカードとのアンテナ接続用の接触端子を持たず、代わりにブースターコイルを備えている携帯電話の内部構成の例を示した図である。
【0039】
ICカードA102内にブースターコイル800を内蔵し、対向する収納部104にもブースターコイル801を搭載することで、アンテナ用の接触端子がなくても、電磁的にアンテナからの信号を伝達させることが可能となっている。
【0040】
図10は、異なる通信方式に応じた処理を個別に行う複数の通信処理部と、複数の通信処理部が共通に利用可能な共通RF処理部とを備え、外部装置との通信方式に合致する通信処理部に切り替えることが可能なICカードの内部構成の例を示した図である。
【0041】
非接触ICカード102は、アンテナ端子部900を通じて、外部装置の発するある通信方式のRF動作磁界を共通RF受信部901で受信する。受信した通信は、通信方式判断部902によって、どの通信方式か判断される。通信方式判断部902は判断した結果をスイッチ制御部903に送り、スイッチ制御部はその結果に基づいてスイッチ904を制御する。スイッチ制御により、通信方式A処理部905もしくは通信方式B処理部906が接続されることになり、適切なモジュールで通信が可能になる。このようなカードを用いることで、携帯電話にカードが1枚しか収納できない場合でも、複数の通信方式の非接触ICカード通信をサポートできるようになる。なお、スイッチはアンテナだけでなく、電源線など他の接続も連動して切り替えることで、不要な通信処理部に対する電源供給を抑えることが可能になり、消費電流を小さくすることができる。
【0042】
図11は、ICカードチップ(機能ユニット)を内蔵したメモリカードの内部構成の例を示した図である。
【0043】
メモリカード1000は、接触端子部1001と、制御部1002を備えており、コマンド種別に応じて、メモリ部1003とICカード部1005にコマンドを振り分けることで、メモリ機能とICカード機能を1枚のカードで実現可能である。さらにアンテナ端子部1004がICカードに接続されていることで、非接触ICカードと同様の機能を搭載している。このようなメモリカードを携帯電話に収納することで、メモリカードであっても非接触ICカードと同様の機能を実現できる。また非接触ICカードと同様の機能をもつLSI等でも、アンテナ端子がついているものであれば、同様の機能を実現可能である。また、RF部をモジュールの外側に出した構成を持つ非接触ICカードや、メモリカード、LSIである場合にも、アンテナを通じて、外部装置との通信を行う場合は本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施例にかかる、携帯電話、非接触ICカード、外部装置の構成を示す図。
【図2】本発明の実施例にかかる、携帯電話に取り付けられたのアンテナ切り替えハードウェアスイッチの例を示す図。
【図3】本発明の実施例にかかる、携帯電話がソフトウェア制御によりスイッチを制御する場合の選択カード切り替え画面の例を示す図。
【図4】本発明の実施例にかかる、ソフトウェア制御によりスイッチを制御する場合の処理に関するフローチャート。
【図5】本発明の実施例にかかる、携帯電話が認証処理を行い認証結果に応じてスイッチを制御する場合の処理に関するフローチャート。
【図6】本発明の実施例にかかる、携帯電話が認証処理を行い認証結果が失敗した場合を表示する画面の例を示す図。
【図7】本発明の実施例にかかる、携帯電話内部に共通RF受信回路と通信方式判断部を有する携帯電話の内部構成の例を示す図。
【図8】本発明の実施例にかかる、携帯電話内部に共通RF受信回路と通信方式判断部を有し、1枚のICカードが内蔵された携帯電話の内部構成の例を示す図。
【図9】本発明の実施例にかかる、ICカード収納部がブースターコイルを備える携帯電話の内部構成の例を示す図。
【図10】本発明の実施例にかかる、複数の通信処理部と、共通RF処理部と、通信方式判断部とを備えた非接触ICカードの内部構成の例を示す図。
【図11】本発明の実施例にかかる、ICカードチップを内蔵したメモリカードの内部構成の例を示す図。
【符号の説明】
【0045】
100…携帯電話、101…非接触ICカード用アンテナ、102…ICカードA、103…ICカードB、104…ICカード収納部A、105…ICカード収納部B、106…スイッチ、107…スイッチ制御部、108…外部装置A、109…外部装置Aアンテナ、110…外部装置B、111…外部装置Aアンテナ、200…アンテナ接続カード切り替えスイッチ、300…アンテナ接続カード切り替え画面、301…アンテナ接続アイコン例1、302…アンテナ接続アイコン例2、600…アンテナ接続カード認証失敗画面、700…共通RF受信部、701…通信方式判断部、800…非接触ICカードブースターアンテナ、801…ICカード収納部ブースターアンテナ、900…アンテナ端子部、901…共通RF受信部、902…通信方式判断部、903…スイッチ制御部、904…スイッチ、905…通信方式A処理部、906…通信方式B処理部、1000…非接触ICカード内蔵メモリカード、1001…接触端子部、1002…制御部、1003…メモリ部、1004…アンテナ端子部、1005…ICカード部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触ICカードを使った携帯電話等の携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、金融系サービスで利用されることの多いカードサイズの接触型ICカードに加え、接点のない非接触ICカードも交通系サービスを中心に広く普及しつつある。さらに1つのカードで接触・非接触両方のI/Fを備えた、デュアルウェイI/F(インターフェイス)カードと呼ばれるICカードも登場してきている。
【0003】
また、電話番号情報が格納されたSIMサイズのICカードを装着することで利用が可能になるGSM携帯電話は、ヨーロッパを中心に以前より普及していたが、携帯電話のグローバル化に伴い、国内においてもICカードを使った携帯電話は増加傾向にある。さらにICカードに電話番号情報以外の個人情報や認証処理プログラム等を内蔵し、より高機能な使い方の検討も始まっている。携帯電話そのものも、基本的な通話機能だけでなく、メール機能やカメラ機能など高機能化が進んでおり、これらの高機能化に伴い、増大するデータを外部メモリカードを使って記録・移動するためのメモリカードスロットを備えた携帯電話も登場している。メモリカードも単純な記録媒体としての機能の他に、ICカード機能を併せ持ったものや、非接触通信にも対応できるものも出始めている。
【0004】
携帯電話のさらなる高機能化として、非接触ICカード通信用アンテナを携帯電話に内蔵し、非接触ICカードやメモリカードを携帯電話に装着することで、非接触ICカードサービスを利用可能になる環境が整いつつある。
【0005】
また、非接触ICカード通信用のアンテナではないが、携帯電話の基本通信機能をより高機能化するために、複数のアンテナを搭載し、必要に応じて最適なアンテナに切り替えるという技術が特許文献1に記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−223185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
通常携帯電話には1つの非接触ICカードと、1つの非接触ICカード通信用のアンテナが搭載されると考えられるが、今後非接触サービスの増加に伴い、複数の非接触ICカードや 非接触ICカード機能をもったメモリカード等が、1つの携帯電話に搭載される可能性が予想される。しかし非接触ICカード用のアンテナは、携帯電話程度のサイズに収納する場合、性能確保のためにはできるだけ大きなサイズをとる必要があり、上記公開技術のような複数のアンテナを搭載すること自体が難しい。そのため非接触ICカード通信の場合は、1つのアンテナを複数のICカードで共用しなければならなくなる事態が生じる。
【0008】
単純に1つのアンテナを複数のICカードに接続した場合、外部装置から供給されるRF動作磁界が不足し、所定の性能を満たせなくなることや、通信データの衝突による通信不良などの問題が生じる可能性がある。また、ある利用者が同じサービスを利用可能な複数のICカードを所持しており、それらのカードを同時に携帯電話に収納した場合は、どのカードを使うか利用者の意思で使い分けたほうが利便性が良い。また1枚の非接触ICカードだけが収納されている場合でも、外部装置の応用要求に無条件に応答させたくない場合も考えられるが、単純に非接触ICカードとアンテナを接続していると、外部からのRF動作磁界を受信すると、非接触ICカードは自動的に応答を返してしまう。
【0009】
本発明では、搭載したアンテナとICカードを使って外部装置と非接触通信が可能な携帯電話等の携帯端末に、複数のICカードが収納された場合でも、外部装置と通信するICカードを選択し、さらに外部装置からの応答要求に対しON/OFF制御可能になる携帯電話等の携帯端末、これに用いるICカード、ICカード、ICカード制御方法及びソフトウェアプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する為本発明では、ICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、ICカード収納部と、ICカード収納部に収納されたICカードとアンテナ部との接続を制御する制御部とを有するように構成し、前記制御部はICカードとアンテナ部との接続を切り替えるスイッチ部と、このスイッチ部の動作を制御するスイッチ制御部とからなるように構成した。前記制御部はICカードとの接続をオフすることを含む。
【0011】
また本発明では、ICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、複数個のICカード収納部と、このICカード収納部に収納された複数個のICカードとアンテナ部との接続を制御する制御部とを有するように構成し、前記制御部はICカードとアンテナ部との接続を切り替えるスイッチ部と、スイッチ部の動作を制御するスイッチ制御部とからなるように構成し、外部装置と通信するICカードの選択を可能とした。前記制御部はICカードとの接続をオフすることを含み、前記スイッチ制御部は、携帯端末に設けられたハードウェアスイッチまたは携帯端末上のソフトウェアで構成される。
【0012】
また本発明では、前記スイッチ制御部として、認証処理を行う認証処理手段を有し、認証処理手段の認証結果に基づいて、スイッチ部を制御するように構成した。
【0013】
また本発明では、ICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、複数個のICカード収納部と、ICカード収納部に収納された複数個の異なる通信方式のICカードとアンテナ部との接続を切り替えるスイッチ部と、スイッチ部の動作を制御するスイッチ制御部と、外部装置が発生するRF動作磁界を受信し、受信したRF動作磁界から通信方式を判別する通信方式判別手段とを有し、前記スイッチ制御部は通信方式判別手段が判別した通信方式と合致する通信方式のICカードを選択し接続するように前記スイッチ部を制御するように構成した。
【0014】
以上のように本発明によれば、搭載したアンテナとICカードを使って外部装置と非接触通信が可能な携帯電話に、複数のICカードが収納された場合でも、外部装置と通信を選択し、さらに外部装置からの応答要求に対しON/OFF制御可能になる携帯電話を提供できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ICカードを収納された携帯端末の使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の携帯について、図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る、携帯電話、通信方式の異なる非接触ICカード及び、非接触ICカードとRF動作磁界により通信を行うための通信方式の異なる複数の外部装置の構成を示した図である。
【0018】
携帯電話100は、非接触ICカード通信用アンテナ101と、非接触ICカード通信用アンテナ101からの信号を、通信方式Aの非接触ICカードA102及び通信方式Bの非接触ICカードB103に伝達するための収納(または装着)部A104及び収納部B105どちらかもしくは、OFFに切り替えるスイッチ106と、スイッチ106を制御するスイッチ制御部107を具備したものとなっている。非接触ICカードA102と収納部A104及び、非接触ICカードB103と収納部B105は、専用のアンテナ端子やISO7816の予約接触端子等で電気的に接続され、外部装置からアンテナ101を通じての信号が伝達できるようになっている。
【0019】
非接触ICカードA102は、外部装置A108がアンテナ109を通じて発する、通信方式AのRF動作磁界を受信することで動作を行う。非接触ICカードB103は、外部装置B110がアンテナ111を通じて発する、通信方式BのRF動作磁界を受信することで動作を行う。
【0020】
もちろん利用者の意思により、同じサービスや同じ通信方式のカードを複数搭載して切り替えて使いたいという要望もあるが、そのようなカードを複数搭載しても構わない。
【0021】
なお、スイッチはアンテナだけでなく、電源端子など他の接続も連動して切り替えることで、不要なICカードに対する電源供給を抑えることが可能になり、消費電流を小さくすることができる。
【0022】
図2は、携帯電話外部に取り付けられたのアンテナ切り替えハードウェアスイッチの例を示した図である。
【0023】
携帯電話100の外部に、利用者が直接操作できる手動式のアンテナ接続カード切り替えスイッチ200が取り付けられており、このスイッチにより、アンテナをどのICカードに接続するかを制御できる。カードA又はカードBの位置にスイッチをセットすることにより、通信方式の異なる非接触ICカードA102または、非接触ICカードB103のどちらのカードを通信させるかを選択することが可能となっている。また。OFFの位置にセットすることにより、どちらのカードも通信させないことを選択することができる。
【0024】
例えば、携帯電話に異なるサービスを受けることができる、2種類の通信方式の異なるカードを搭載している場合に、利用者は、店舗等で各サービスを受ける際に、スイッチを切り替えることにより、明確な意思をもってサービスを受けることができるようになる。また電子マネーのようなサービスを受けることが可能なカードを複数搭載している場合は、どのカードから支払うかを選択することが可能である。
【0025】
図3は、携帯電話が、ソフトウェア制御によりスイッチを制御する場合の選択カード切り替え画面の例を示した図である。
【0026】
スイッチ制御部がソフトウェアによる制御部を含む場合、例えばソフトウェアで携帯画面300に、アンテナと接続するカードを選択するための、ラジオスイッチを表示し、利用者に通信方式の異なる非接触ICカードA102または、非接触ICカードB103のどちらのカードを通信させるかを、カードA又はカードBのラジオスイッチを選択させることで可能となっている。また。OFFのラジオボタンにより、どちらのカードとも通信させないことを選択させることもできる。この画面での選択に基づき、ソフトウェアでスイッチに制御信号をスイッチに送信することで、アンテナとどのカードを接続するか選択可能となる。
【0027】
さらに、どのカード接続しているかは、アンテナは、アイコン等で示すと利用者にわかりやすい。301と302にアンテナ接続アイコンの例を示す。301のアイコン例では、2つのカードのうちどちらがアンテナ接続されているかが接続線でわかるものとなっている。302のアイコン例では、接続されているカードの縁取りが濃くなることで選択されるカードがわかるようになっている。
【0028】
図4は、ソフトウェア制御によりスイッチを制御する場合の処理を示す、フロー例を示した図である。
【0029】
まず携帯電話100が、利用者のアンテナ切り替えを行うためのボタン操作などで、ステップS400を呼び出し、処理がスタートし、ステップS401に進む。ステップS401では、ラジオボタン等によるアンテナとの接続カード選択画面を表示し、ステップS402に進む。ステップS402では、利用者による、アンテナ接続カード選択キー動作を受け付け、ステップS403に進む。ステップS403では、選択されたカードまたは接続がOFFかの判別を行いステップS404に進む。ステップS404では、ステップS403で判別された接続カードまたは、接続OFFの判別に従い、スイッチ200への制御信号を送信し、ステップS405に進み処理を終了する。
【0030】
図5は、携帯電話が、認証処理を行い、認証結果に応じてスイッチを制御する場合の処理を示すフロー例を示した図である。ここでの認証は、接続カードとサーバによる相互認証・片側認証や、ソフトウェアモジュールとサーバによる相互認証・片側認証、接続カードと利用者との暗証番号等による個人認証などいくつもの種類が考えられるが、その種別については特にこだわる必要はない。個人認証の場合は、利用者以外の通信を制限させることができる。カードとの認証の場合は、カードが利用可能な権限のあるものかをチェックすることができる。認証に失敗した場合はアンテナを使用させない、またはICカードを機能させないことで、外部装置との通信を制限することが可能になる。
【0031】
まず携帯電話100が、携帯電話起動時や、アンテナ使用時などに、ステップS500を呼び出し、処理がスタートし、ステップS501に進む。ステップS501では、搭載している認証処理を実行し、ステップS502に進む。ステップS502では認証結果で分岐処理を行い、成功の場合は、ステップS503に進む。ステップS503ではスイッチ制御を行い、カードとの接続を行いステップS504に進む。ここでのカード接続は、あらかじめ設定されているものでもよいし、その時点で利用者に選択させてもよい。ステップS504では認証が成功したことを示す画面を表示し、ステップS506に進み処理を終了する。ステップS502で、認証結果が失敗の場合は、ステップS506に進む。ステップS506では、スイッチ制御を行い、アンテナとの接続をOFFにしてステップS507に進む。ステップS507では、認証が失敗したことを示す画面を表示し、ステップS505に進み処理を終了する。認証を行うのは、携帯電話の基本ソフトウェアプログラムでもよいし、携帯電話上にダウンロード可能なプログラムでもよい。
【0032】
図6は、携帯電話が、認証処理を行い、認証結果が失敗だった場合に表示する画面の例を示した図である。
【0033】
ステップS502で認証結果が失敗の場合に、画面600のような表示を行う。この画面では、認証に失敗したためカードとの接続を行わず、非接触ICカード通信ができないことを利用者に示している。もちろん利用者に伝えることができれば音やアイコンだけの表示でも構わない。
【0034】
図7は、携帯電話内部に、共通RF受信回路と通信方式判断部を持ち、外部装置との通信方式に合致するICカードに自動的に切り替えることが可能な携帯電話の内部構成の例を示した図である。
【0035】
携帯電話100は、非接触アンテナ101を通じて、外部装置A108又は外部装置B110のどちらかが発する通信方式のRF動作磁界を共通RF受信部700で受信する。受信した通信は、通信方式判断部701によって、どの通信方式かを判断される。通信方式判断部701は判断した結果をスイッチ制御部107に送り、スイッチ制御部107はその結果に基づいてスイッチ106を制御する。このような構成により、携帯電話100は、複数の異なる通信方式のカードが搭載されている場合でも、通信方式に合致するICカードに適切に切り替えることが可能になる。もちろんこの場合どのICカード収納部にどの通信方式のカードが搭載されているかは、設定しておいたほうがよい。
【0036】
また、外部装置Aと外部装置Bの両方がRF動作磁界を発生している状況において、外部装置Aと外部装置Bの何れか一方と通信したい場合がある。この場合には、予め通信したい通信方式のICカードを設定しておけばよい。通常は、最初に通信が成立したICカードが選択されるが、通信方式判別手段が判別した通信方式と合致する通信方式のICカードが複数ある場合には、その何れかを選択できるように、携帯端末の表示画面に通信可能なICカードが複数ある場合には、その何れかを選択できるように、携帯端末の表示画面に通信可能なICカードの種類を表示するようにしてもよいし、またICカードの利用履歴に基づいて、ICカードが選択されるようにしてもよい。さらに、通信を拒否する場合には、スイッチをOFFにしておけばよい。
【0037】
また、図8は、図7と同様な動作を行うことが可能な構成として、予め、携帯電話の内部に、1個のICカードAまたはICカード機能ユニット(ICカードチップまたはLSIチップ等)を内蔵した(または組み込まれた)構成を示す図である。図8において、携帯電話に、ICカードAを内蔵する部分とICカード収納部Bとが、各々複数部分で構成されていてもよいことは言うまでもない。またICカード収納部がなく複数のICカード機能ユニットだけで構成されてもよい。
【0038】
図9は、ICカード収納部が、ICカードとのアンテナ接続用の接触端子を持たず、代わりにブースターコイルを備えている携帯電話の内部構成の例を示した図である。
【0039】
ICカードA102内にブースターコイル800を内蔵し、対向する収納部104にもブースターコイル801を搭載することで、アンテナ用の接触端子がなくても、電磁的にアンテナからの信号を伝達させることが可能となっている。
【0040】
図10は、異なる通信方式に応じた処理を個別に行う複数の通信処理部と、複数の通信処理部が共通に利用可能な共通RF処理部とを備え、外部装置との通信方式に合致する通信処理部に切り替えることが可能なICカードの内部構成の例を示した図である。
【0041】
非接触ICカード102は、アンテナ端子部900を通じて、外部装置の発するある通信方式のRF動作磁界を共通RF受信部901で受信する。受信した通信は、通信方式判断部902によって、どの通信方式か判断される。通信方式判断部902は判断した結果をスイッチ制御部903に送り、スイッチ制御部はその結果に基づいてスイッチ904を制御する。スイッチ制御により、通信方式A処理部905もしくは通信方式B処理部906が接続されることになり、適切なモジュールで通信が可能になる。このようなカードを用いることで、携帯電話にカードが1枚しか収納できない場合でも、複数の通信方式の非接触ICカード通信をサポートできるようになる。なお、スイッチはアンテナだけでなく、電源線など他の接続も連動して切り替えることで、不要な通信処理部に対する電源供給を抑えることが可能になり、消費電流を小さくすることができる。
【0042】
図11は、ICカードチップ(機能ユニット)を内蔵したメモリカードの内部構成の例を示した図である。
【0043】
メモリカード1000は、接触端子部1001と、制御部1002を備えており、コマンド種別に応じて、メモリ部1003とICカード部1005にコマンドを振り分けることで、メモリ機能とICカード機能を1枚のカードで実現可能である。さらにアンテナ端子部1004がICカードに接続されていることで、非接触ICカードと同様の機能を搭載している。このようなメモリカードを携帯電話に収納することで、メモリカードであっても非接触ICカードと同様の機能を実現できる。また非接触ICカードと同様の機能をもつLSI等でも、アンテナ端子がついているものであれば、同様の機能を実現可能である。また、RF部をモジュールの外側に出した構成を持つ非接触ICカードや、メモリカード、LSIである場合にも、アンテナを通じて、外部装置との通信を行う場合は本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施例にかかる、携帯電話、非接触ICカード、外部装置の構成を示す図。
【図2】本発明の実施例にかかる、携帯電話に取り付けられたのアンテナ切り替えハードウェアスイッチの例を示す図。
【図3】本発明の実施例にかかる、携帯電話がソフトウェア制御によりスイッチを制御する場合の選択カード切り替え画面の例を示す図。
【図4】本発明の実施例にかかる、ソフトウェア制御によりスイッチを制御する場合の処理に関するフローチャート。
【図5】本発明の実施例にかかる、携帯電話が認証処理を行い認証結果に応じてスイッチを制御する場合の処理に関するフローチャート。
【図6】本発明の実施例にかかる、携帯電話が認証処理を行い認証結果が失敗した場合を表示する画面の例を示す図。
【図7】本発明の実施例にかかる、携帯電話内部に共通RF受信回路と通信方式判断部を有する携帯電話の内部構成の例を示す図。
【図8】本発明の実施例にかかる、携帯電話内部に共通RF受信回路と通信方式判断部を有し、1枚のICカードが内蔵された携帯電話の内部構成の例を示す図。
【図9】本発明の実施例にかかる、ICカード収納部がブースターコイルを備える携帯電話の内部構成の例を示す図。
【図10】本発明の実施例にかかる、複数の通信処理部と、共通RF処理部と、通信方式判断部とを備えた非接触ICカードの内部構成の例を示す図。
【図11】本発明の実施例にかかる、ICカードチップを内蔵したメモリカードの内部構成の例を示す図。
【符号の説明】
【0045】
100…携帯電話、101…非接触ICカード用アンテナ、102…ICカードA、103…ICカードB、104…ICカード収納部A、105…ICカード収納部B、106…スイッチ、107…スイッチ制御部、108…外部装置A、109…外部装置Aアンテナ、110…外部装置B、111…外部装置Aアンテナ、200…アンテナ接続カード切り替えスイッチ、300…アンテナ接続カード切り替え画面、301…アンテナ接続アイコン例1、302…アンテナ接続アイコン例2、600…アンテナ接続カード認証失敗画面、700…共通RF受信部、701…通信方式判断部、800…非接触ICカードブースターアンテナ、801…ICカード収納部ブースターアンテナ、900…アンテナ端子部、901…共通RF受信部、902…通信方式判断部、903…スイッチ制御部、904…スイッチ、905…通信方式A処理部、906…通信方式B処理部、1000…非接触ICカード内蔵メモリカード、1001…接触端子部、1002…制御部、1003…メモリ部、1004…アンテナ端子部、1005…ICカード部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、
ICカード収納部と、
前記ICカード収納部に収納された前記ICカードと前記アンテナ部との接続を制御する制御部とを有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記制御部は前記ICカードと前記アンテナ部との接続を切り替えるスイッチ部と、
前記スイッチ部の動作を制御するスイッチ制御部とから構成されることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記制御部は前記ICカードとの接続をオフすることを含むことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
ICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、
複数個のICカード収納部と、
前記ICカード収納部に収納された複数個のICカードと前記アンテナ部との接続を制御する制御部とを備え、
前記外部装置と通信する前記ICカードの選択を可能としたことを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
前記制御部は前記ICカードと前記アンテナ部との接続を切り替えるスイッチ部と、
前記スイッチ部の動作を制御するスイッチ制御部とから構成されることを特徴とする請求項4記載の携帯端末。
【請求項6】
前記制御部は前記ICカードとの接続をオフすることを含むことを特徴とする請求項4記載の携帯端末。
【請求項7】
前記スイッチ制御部は、前記携帯端末に設けられたハードウェアスイッチで構成されることを特徴とする請求項2または請求項5の何れか1項に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記スイッチ制御部は、前記携帯端末上のソフトウェアにより構成されることを特徴とする請求項2または請求項5の何れか1項に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記スイッチ制御部は認証処理を行う認証処理手段を有し、
前記認証処理手段の認証結果に基づいて、前記スイッチ部を制御することを特徴とする請求項2または請求項5の何れか1項に記載の携帯端末。
【請求項10】
ICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、
複数個のICカード収納部と、
前記ICカード収納部に収納された複数個の異なる通信方式の前記ICカードと前記アンテナ部との接続を切り替えるスイッチ部と、
前記スイッチ部の動作を制御するスイッチ制御部と、
前記外部装置が発生するRF動作磁界を受信し、前記受信したRF動作磁界から通信方式を判別する通信方式判別手段とを有し、
前記スイッチ制御部は前記通信方式判別手段が判別した通信方式と合致する通信方式の前記ICカードを選択し接続するように前記スイッチ部を制御することを特徴とする携帯端末。
【請求項11】
前記スイッチ制御部は前記選択されていないICカードの電源供給をオフすることを特徴とする請求項10記載の携帯端末。
【請求項12】
前記携帯端末は表示手段を有しており、
前記表示手段に前記ICカードと前記アンテナ部との接続状態を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の携帯端末。
【請求項13】
前記ICカード収納部はブースターコイルを有し、
非接触ICカードのアンテナと電磁的に接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の携帯端末。
【請求項14】
複数個のICカード機能ユニットが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、
前記複数個のICカード機能ユニットと前記アンテナ部との接続を制御する制御部を備え、
前記外部装置と通信するICカード機能ユニットの選択を可能としたことを特徴とする携帯端末。
【請求項15】
ICカードまたはICカード機能ユニットが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、
ICカード収納部と、
前記ICカード機能ユニットまたは前記ICカード収納部に収納されたICカードと前記アンテナ部との接続を制御する制御部を備え、
前記外部装置と通信するICカード機能ユニットとICカードの何れかが前記外部装置と通信するかを選択可能としたことを特徴とする携帯端末。
【請求項16】
前記外部装置が複数あり、前記複数の外部装置が発生するRF動作磁界を受信した場合、最初に通信が成立したICカードを選択することを特徴とする請求項10に記載の携帯端末。
【請求項17】
前記携帯端末は表示手段を有しており、
前記通信方式判別手段が判別した通信方式と合致する通信方式のICカードが複数ある場合には、その何れかを選択できるように、前記表示手段に通信可能な前記ICカードの種類を表示することを特徴とする請求項10に記載の携帯端末。
【請求項18】
前記通信方式判別手段が判別した通信方式と合致する通信方式のICカードが複数ある場合には、前記ICカードの利用履歴に基づいて接続するICカードを選択することを特徴とする請求項10に記載の携帯端末。
【請求項19】
外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部と、異なる通信方式に応じた処理を個別に行う複数の通信処理部とを備えたICカードにおいて、
前記アンテナ部と前記複数の通信処理部との接続を切り替えるスイッチ部と、
前記スイッチ部の動作を制御するスイッチ制御部と、
前記外部装置が発生するRF動作磁界を受信し、前記受信したRF動作磁界から通信方式を判別する通信方式判別手段とを有し、
前記スイッチ制御部は前記通信方式判別手段が判別した通信方式と合致する通信方式の通信処理部を選択し接続するように前記スイッチ部を制御することを特徴とするICカード。
【請求項20】
ICカード収納部に収納された複数個の異なる通信方式のICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末におけるICカード制御方法において、
前記外部装置が発生するRF動作磁界を受信し、前記受信したRF動作磁界から前記外部装置の通信方式を判別するステップと、
前記判別した通信方式と合致する通信方式の前記ICカードを選択し、前記アンテナ部と接続するように制御するステップとを有することを特徴とするICカード制御方法。
【請求項21】
ICカード収納部に収納された複数個の異なる通信方式のICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末に、
前記外部装置が発生するRF動作磁界を受信し、前記受信したRF動作磁界から前記外部装置の通信方式を判別するステップと、
前記判別した通信方式と合致する通信方式の前記ICカードを選択し前記アンテナ部と接続するように制御するステップとを実行させることを特徴とするソフトウェアプログラム。
【請求項1】
ICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、
ICカード収納部と、
前記ICカード収納部に収納された前記ICカードと前記アンテナ部との接続を制御する制御部とを有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記制御部は前記ICカードと前記アンテナ部との接続を切り替えるスイッチ部と、
前記スイッチ部の動作を制御するスイッチ制御部とから構成されることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記制御部は前記ICカードとの接続をオフすることを含むことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項4】
ICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、
複数個のICカード収納部と、
前記ICカード収納部に収納された複数個のICカードと前記アンテナ部との接続を制御する制御部とを備え、
前記外部装置と通信する前記ICカードの選択を可能としたことを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
前記制御部は前記ICカードと前記アンテナ部との接続を切り替えるスイッチ部と、
前記スイッチ部の動作を制御するスイッチ制御部とから構成されることを特徴とする請求項4記載の携帯端末。
【請求項6】
前記制御部は前記ICカードとの接続をオフすることを含むことを特徴とする請求項4記載の携帯端末。
【請求項7】
前記スイッチ制御部は、前記携帯端末に設けられたハードウェアスイッチで構成されることを特徴とする請求項2または請求項5の何れか1項に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記スイッチ制御部は、前記携帯端末上のソフトウェアにより構成されることを特徴とする請求項2または請求項5の何れか1項に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記スイッチ制御部は認証処理を行う認証処理手段を有し、
前記認証処理手段の認証結果に基づいて、前記スイッチ部を制御することを特徴とする請求項2または請求項5の何れか1項に記載の携帯端末。
【請求項10】
ICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、
複数個のICカード収納部と、
前記ICカード収納部に収納された複数個の異なる通信方式の前記ICカードと前記アンテナ部との接続を切り替えるスイッチ部と、
前記スイッチ部の動作を制御するスイッチ制御部と、
前記外部装置が発生するRF動作磁界を受信し、前記受信したRF動作磁界から通信方式を判別する通信方式判別手段とを有し、
前記スイッチ制御部は前記通信方式判別手段が判別した通信方式と合致する通信方式の前記ICカードを選択し接続するように前記スイッチ部を制御することを特徴とする携帯端末。
【請求項11】
前記スイッチ制御部は前記選択されていないICカードの電源供給をオフすることを特徴とする請求項10記載の携帯端末。
【請求項12】
前記携帯端末は表示手段を有しており、
前記表示手段に前記ICカードと前記アンテナ部との接続状態を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の携帯端末。
【請求項13】
前記ICカード収納部はブースターコイルを有し、
非接触ICカードのアンテナと電磁的に接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の携帯端末。
【請求項14】
複数個のICカード機能ユニットが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、
前記複数個のICカード機能ユニットと前記アンテナ部との接続を制御する制御部を備え、
前記外部装置と通信するICカード機能ユニットの選択を可能としたことを特徴とする携帯端末。
【請求項15】
ICカードまたはICカード機能ユニットが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末において、
ICカード収納部と、
前記ICカード機能ユニットまたは前記ICカード収納部に収納されたICカードと前記アンテナ部との接続を制御する制御部を備え、
前記外部装置と通信するICカード機能ユニットとICカードの何れかが前記外部装置と通信するかを選択可能としたことを特徴とする携帯端末。
【請求項16】
前記外部装置が複数あり、前記複数の外部装置が発生するRF動作磁界を受信した場合、最初に通信が成立したICカードを選択することを特徴とする請求項10に記載の携帯端末。
【請求項17】
前記携帯端末は表示手段を有しており、
前記通信方式判別手段が判別した通信方式と合致する通信方式のICカードが複数ある場合には、その何れかを選択できるように、前記表示手段に通信可能な前記ICカードの種類を表示することを特徴とする請求項10に記載の携帯端末。
【請求項18】
前記通信方式判別手段が判別した通信方式と合致する通信方式のICカードが複数ある場合には、前記ICカードの利用履歴に基づいて接続するICカードを選択することを特徴とする請求項10に記載の携帯端末。
【請求項19】
外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部と、異なる通信方式に応じた処理を個別に行う複数の通信処理部とを備えたICカードにおいて、
前記アンテナ部と前記複数の通信処理部との接続を切り替えるスイッチ部と、
前記スイッチ部の動作を制御するスイッチ制御部と、
前記外部装置が発生するRF動作磁界を受信し、前記受信したRF動作磁界から通信方式を判別する通信方式判別手段とを有し、
前記スイッチ制御部は前記通信方式判別手段が判別した通信方式と合致する通信方式の通信処理部を選択し接続するように前記スイッチ部を制御することを特徴とするICカード。
【請求項20】
ICカード収納部に収納された複数個の異なる通信方式のICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末におけるICカード制御方法において、
前記外部装置が発生するRF動作磁界を受信し、前記受信したRF動作磁界から前記外部装置の通信方式を判別するステップと、
前記判別した通信方式と合致する通信方式の前記ICカードを選択し、前記アンテナ部と接続するように制御するステップとを有することを特徴とするICカード制御方法。
【請求項21】
ICカード収納部に収納された複数個の異なる通信方式のICカードが外部装置と非接触通信を行うためのアンテナ部を有する携帯端末に、
前記外部装置が発生するRF動作磁界を受信し、前記受信したRF動作磁界から前記外部装置の通信方式を判別するステップと、
前記判別した通信方式と合致する通信方式の前記ICカードを選択し前記アンテナ部と接続するように制御するステップとを実行させることを特徴とするソフトウェアプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−3932(P2006−3932A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−176347(P2004−176347)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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