説明

携帯通信端末の相対位置特定システム、方法、プログラム、携帯通信端末

【課題】GPSなどが十分な能力を発揮できず、基地局圏外である屋内、屋外フィールドの環境下にある相手に対する相対位置を特定する。
【解決手段】捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bでは無線ビーコン送受信部211,222,220で計測された最大の信号強度に対して方位計260で計測された方位、GPS計測部208,209に計測させた自局の絶対位置を無線送受信部211,210を介して捜査側の携帯通信端末200Aに送信させ、捜査側の携帯通信端末では被捜査側の携帯通信端末200Xに対して無線ビーコンを送出させ、無線ビーコン送受信部で計測された最大の信号強度に対して方位計で計測された方位、GPS計測部に計測させた自局の絶対位置と捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bから受信した方位、自局の絶対位置とから三角測量の原理に基づき被捜査側の携帯通信端末に対する相対位置を特定し表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は相手の位置捜査を行う携帯通信端末の相対位置特定システムに関する。特に、本発明は、屋内、基地局圏外などでも相手の位置捜査が可能となる携帯通信端末の相対位置特定システム、方法、プログラム、携帯通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のGPS(全地球測位システム)、基地局からの電波を利用して、迷子、遭難者、徘徊者など無線通信端末を持つ相手の位置捜査を行う方式は実用に供されているが、目的とする無線通信端末が、例えば、大規模小売店舗の屋内、樹林を含む屋外フィールドの基地局圏外などにある時には、利用できないか、又は、精度が得られないという問題がある。
【0003】
このため、GPSなどが十分な能力を発揮できず、基地局圏外である屋内、屋外フィールドなど相互に視認しにくい環境下でも無線通信端末を持つ相手の相対位置を特定できる手段を提供すべきという課題がある。
上記に関連して以下の従来技術がある。
【0004】
従来、被検索者と検索者との相対位置情報を検索者に提供するため、検索者Aは、位置情報通知装置管理者に電話をかけ、被検索者の位置情報通知を依頼し、位置情報通知装置管理者は、携帯電話基地局を用いた位置検索方法により、検索者Aの位置を特定し、位置情報通知装置管理者は検索者Aから見た被検索者の方位(θa1)を計算し、検索者Aに伝え、検索者Aに伝えられた方位は、検索者Aの携帯機器に表示され、検索者Bも、検索者Aとは異なる場所で探索活動を行い、位置情報通知装置管理者に電話をかけ、被検索者の方位θb1を得て、検索者Aと検索者Bが、それぞれの方位の延長線の交差点を求めることで被検索者の座標が得られるものもある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1では、被検索者と検索者との相対位置情報を検索者に提供するが、GPSなどが十分な能力を発揮できず、基地局圏外である屋内、屋外フィールドの環境下にある相手に対する相対位置を特定する無線通信端末ではない。
【0005】
また、従来、地図の使用が困難な携帯電話装置において、地図を使用することなく、通話相手の位置を容易に知らせ、通話の両者が互いに相手の位置を知ることができるため、自装置の位置を検出するGPS通信部と、通話相手装置の位置情報を受信する電話通信部と、表示部と、方位を検出する方位センサと、GPS通信部が検出した自装置の位置と電話通信手段が受信した通話相手装置の位置情報に基づき自装置から通話相手装置の方向を算出し、前記通話相手装置の方向を前記方位センサが検出した方位に一致させて表示部に表示させる制御回路を備えるものもある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記特許文献2では、GPSの情報を基に通話相手の位置を容易に知らせるものであるが、GPSなどが十分な能力を発揮できず、基地局圏外である屋内、屋外フィールドの環境下にある相手に対する相対位置を特定する無線通信端末ではない。
【0006】
また、従来、地図上の遭難者の位置を特定し、さらに周辺の三次元地図情報と組み合わせて遭難場所周辺の地形などいち早く救助隊などに情報提供し、早期の救助と救助活動の安全確保に役立てるための遭難者の位置特定・捜索支援システムを提供するため、ヘリコプタなどの小型航空機に搭載され、遭難者の携帯電話,無線通信機,電波ビーコンなどのいずれかから発せられる電波を受信し、その遭難者の方位角、俯角/仰角を得る受信装置と、同じく小型航空機に搭載され、GPSによる自機位置データと前記遭難者の方位角、俯角/仰角を地上局に送信するデータ送信装置と、送信された自機位置データと遭難者の方位角、俯角/仰角から位置特定手段により遭難者の正確な緯度,経度,高度データを得る地上局のデータ処理装置と、データ処理にて得た遭難者の緯度,経度,高度データを三次元地図上に表示させると共に小型航空機に返信し機上のGPS−MAPに表示させる表示・送信装置とから成るものもある(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、上記特許文献3では、地図上の遭難者の位置を特定し、さらに周辺の三次元地図情報と組み合わせて遭難場所周辺の地形などいち早く救助隊などに情報提供するが、GPSなどが十分な能力を発揮できず、基地局圏外である屋内、屋外フィールドの環境下にある相手に対する相対位置を特定する無線通信端末ではない。
【0007】
また、従来、プレーヤーに対し、目標物までの距離だけでなく、目標物の方位をも容易に認識させるため、携帯電話端末は、プレーヤーの位置とプレーヤーが向いている方位に関する情報をデータサーバに送信し、データサーバは、携帯電話端末からのプレーヤーの位置および方位に関する情報に基づいて、プレーヤーの補正後の補正位置情報、プレーヤーの位置から目標物までの距離情報、プレーヤーが向いている方位に対する目標物の角度を示す方位情報を携帯電話端末に配信し、携帯電話端末は、データサーバから配信された、補正位置情報、距離情報、方位情報を表示するものもある(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、上記特許文献4では、プレーヤーに対し、目標物までの距離だけでなく、目標物の方位をも容易に認識させるが、GPSなどが十分な能力を発揮できず、基地局圏外である屋内、屋外フィールドの環境下にある相手に対する相対位置を特定する無線通信端末ではない。
【0008】
また、従来、無線通信システムの端末位置を検出する位置検出システムで、端末周辺の複数基地局と端末間の信号到達時間を三角測量の原理によって求める位置検出方法において、位置検出時間の短縮化を図るため、端末周辺の複数基地局と端末間で送信される信号の受信電力情報と端末の位置情報とを対応させたデータベースを作成し、位置検出の際に得られる受信電力情報からデータベース検索によって位置情報を求める手段と、信号到達時間を利用して位置を求める手段を並列に処理することにより、早く位置情報が求められた手段の結果を使用することによって位置検出時間の短縮化を実現し、また、受信電力情報をもちいて、信号到達時間を利用して位置を計算する際に解の探索範囲を絞るまた、信号到達時間差を利用した位置検出で求めた位置情報と受信電力情報の対応をデータベースに記録することで、自動的にデータベースの作成・更新がなされるものもある(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、上記特許文献5では、端末周辺の複数基地局と端末間の信号到達時間を三角測量の原理によって求めるが、GPSなどが十分な能力を発揮できず、基地局圏外である屋内、屋外フィールドの環境下にある相手に対する相対位置を特定する無線通信端末ではない。
【0009】
また、従来、発信手段と受信手段の何れか一方あるいは両方に複数のアンテナを接続し、当該発信手段から発信される高周波信号を当該受信手段が受信中に当該複数のアンテナを切替えあるいは組合わせを変えた時に、当該受信手段が受信する高周波信号のタイミングあるいは振幅あるいは周波数あるいは位相あるいはこれらの組合わせの変化をリアルタイムで検知することによって、当該発信手段が位置する方向および当該発信手段と受信手段の距離を精度良く検知できるアクテイブタグ装置に関するものであり、発信手段の指向性アンテナの方向に対向して受信手段の指向性アンテナを向け、発信手段が高周波信号を発信中に指向性アンテナを切替えた時に受信した高周波信号のタイミングあるいは振幅あるいは周波数あるいは位相あるいはこれらの組合わせの変化をリアルタイムで検知し、当該発信手段が位置する方向を検知し当該発信手段と受信手段の距離を検知するものもある(例えば、特許文献6参照)。
しかしながら、上記特許文献6では、発信手段が位置する方向および発信手段と受信手段の距離を精度良く検知できるが、GPSなどが十分な能力を発揮できず、基地局圏外である屋内、屋外フィールドの環境下にある相手に対する相対位置を特定する無線通信端末ではない。
【0010】
また、従来、遊園地等の遊戯施設における宝探しやオリエンテーリング等において、磁気センサを備えた携帯電話等の携帯端末を用いて顧客を楽しませながら情報提供を行う磁気情報提供システムを提供するため、遊戯施設内で宝探しに参加している顧客は、磁気センサを備え、方位を表示する携帯端末を使用して方位をチェックしながら移動しており、地下のコイルは符号情報を磁場によって発信しており、顧客がコイルに近づくと、携帯端末はコイルからの磁場を検知し、これを解析して符号情報を得て、顧客に表示するものもある(例えば、特許文献7参照)。
しかしながら、上記特許文献7では、方位を表示する携帯端末を使用して方位をチェックしながら移動するが、GPSなどが十分な能力を発揮できず、基地局圏外である屋内、屋外フィールドの環境下にある相手に対する相対位置を特定する無線通信端末ではない。
【0011】
また、従来、社外で移動する営業マンに対する労務管理を適切に行うため、追尾対象地域内において移動する移動体から発信される所定周波数の無線信号を、該地域内のすべての位置からの上記無線信号を受信し得るように該地域内に複数設置した無指向性アンテナの一または二以上によって受信し、これによって上記無線信号の発信位置を概略的に捕獲した後、二またはそれ以上の指向性アンテナを回転させながらそれらの電界強度が最大となる方向をそれぞれ検出し、これによって三角測量法の原理を応用して上記無線信号の発信位置を確定することをもって上記移動体の位置を特定するものもある(例えば、特許文献8参照)。
しかしながら、上記特許文献8では、移動体からの無線信号を、地域内に設置された二またはそれ以上の指向性アンテナを回転させながらそれらの電界強度が最大となる方向をそれぞれ検出し、これによって三角測量法の原理を応用して無線信号の発信位置を確定するが、GPSなどが十分な能力を発揮できず、基地局圏外である屋内、屋外フィールドの環境下にある相手に対する相対位置を特定する無線通信端末ではない。
【0012】
また、従来、少なくとも2以上の基地局で移動通信体の方位を検出して移動通信体に送信し、移動通信体で、受信した方位と当該基地局の位置情報から地図情報上の現在位置を算出して、報知出力することを目的として、携帯電話は、第1基地局に方位測定要求信号を送信し、方位測定要求を行い、第1基地局は携帯電話の方向を計測して地図上の方位を算出し、この方位と自己のIDコードを携帯電話に送信し、携帯電話は、次に、第2基地局に同様に方位測定要求を行い、第2基地局が、同様に方位と自己のIDコードを送信してくると、第1基地局及び第2基地局からの方位データ及びIDコードに基づいて、予め記憶しているIDコードに対応した各基地局の位置情報及び地図情報から携帯電話の現在位置を算出し、算出した現在位置を地図上の現在位置として確定し、表示部に表示出力するものもある(例えば、特許文献9参照)。
しかしながら、上記特許文献10では、2以上の基地局で移動通信体の方位を検出して移動通信体に送信し、移動通信体で、受信した方位と当該基地局の位置情報から地図情報上の現在位置を算出して算出した現在位置を地図上の現在位置として確定し、表示出力するが、GPSなどが十分な能力を発揮できず、基地局圏外である屋内、屋外フィールドの環境下にある相手に対する相対位置を特定する無線通信端末ではない。
【0013】
また、従来、送信側と受信側とが同一平面に存在しないときにも短時間で効率よく送信側の指向性アンテナからの電波を探知できる電波探知方法を提供するため、送信側から、例えば携帯電話を通して入力される送信側の位置を利用して、受信側で計測されて受信側の位置、方位に基づいて送信側の指向性アンテナの向きを算出して受信側の指向性アンテナをその向きに向けて、送信側の指向性アンテナからの電波を探知するものもある(例えば、特許文献10参照)。
しかしながら、上記特許文献1では、送信側の指向性アンテナからの電波を探知できるが、GPSなどが十分な能力を発揮できず、基地局圏外である屋内、屋外フィールドの環境下にある相手に対する相対位置を特定する無線通信端末ではない。
【0014】
【特許文献1】特開2002−027527号公報
【特許文献2】特開2003−032719号公報
【特許文献3】特開2004−317244号公報
【特許文献4】特開2004−354315号公報
【特許文献5】特開2005−123662号公報
【特許文献6】特開2006−023261号公報
【特許文献7】特開2006−038750号公報
【特許文献8】特開平01−114127号公報
【特許文献9】特開平05−297098号公報
【特許文献10】特開平08−191266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明は上記問題点に鑑みて、GPSなどが十分な能力を発揮できず、基地局圏外である屋内、屋外フィールドの環境下にある相手に対する相対位置を特定する携帯通信端末の相対位置特定システム、方法、プログラム、携帯通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は前記問題点を解決するために、相手の相対位置を特定する携帯通信端末の相対位置特定システムにおいて、要求に応じて無線ビーコンを送出する被捜査側の携帯通信端末と、無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れた2つのアンテナを回転して無線ビーコンの信号強度を計測し前記被捜査側の携帯通信端末の方位を計測し、自局の絶対位置をGPSで計測する、捜査側の協力を行う携帯通信端末と、前記被捜査側の携帯通信端末に無線ビーコンの送出を要求し、無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れた2つのアンテナの回転に対して無線ビーコンの信号強度を計測し、計測した最大の信号強度に対して前記被捜査側の携帯通信端末の方位を計測し、自局の絶対位置をGPSで計測し、計測方位、計測自局絶対値と、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末から受信した受信方位、受信自局絶対位置とから三角測量の原理で前記被捜査側の携帯通信端末に対する相対位置を特定し表示する捜査側の携帯通信端末とを備える携帯通信端末の相対位置特定システムを提供する。
【0017】
さらに、前記捜査側の携帯通信端末は、地図上に、前記被捜査側の携帯通信端末の相対位置として、前記被捜査側の携帯通信端末の位置、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末の位置、前記捜査側の携帯通信端末の位置を表示する。
さらに、本発明は、相手の相対位置を特定する携帯通信端末の相対位置特定方法において、被捜査側の携帯通信端末から捜査側の携帯通信端末に無線ビーコンの送出を要求する工程と、前記被捜査側の携帯通信端末から要求に応じて無線ビーコンを送出する工程と、前記捜査側の携帯通信端末から捜査側の協力を行う携帯通信端末に対して前記被捜査側の携帯通信端末からの無線ビーコンの監視を要求する工程と、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末で無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れた2つのアンテナの回転に対して無線ビーコンの信号強度を計測し、計測した最大の信号強度に対して前記被捜査側の携帯通信端末の方位を計測し、自局の絶対位置をGPSで計測し、計測方位、計測絶対位置を前記捜査側の携帯通信端末に送出する工程と、前記捜査側の携帯通信端末で無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れた2つのアンテナを回転して無線ビーコンの信号強度を計測し前記被捜査側の携帯通信端末の方位を計測し、自局の絶対位置をGPSで計測し、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末から計測方位、計測絶対位置を受信する工程と、前記捜査側の携帯通信端末では前記捜査側の携帯通信端末の計測方位、計測絶対位置、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末から受信した計測方位、計測絶対位置から三角測量の原理に基づき、前記捜査側の携帯通信端末に対する相対位置を特定し表示する工程とを備えることを特徴とする携帯通信端末の相対位置特定方法を提供する。
【0018】
さらに、本発明は、前記捜査側の携帯通信端末は、地図上に、前記被捜査側の携帯通信端末の相対位置として、前記被捜査側の携帯通信端末の位置、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末の位置、前記捜査側の携帯通信端末の位置を表示する。
さらに、本発明は、相手の相対位置を特定する携帯通信端末の相対位置特定を実行するプログラムにおいて、被捜査側の携帯通信端末から捜査側の携帯通信端末に無線ビーコンの送出を要求する手順と、前記被捜査側の携帯通信端末から要求に応じて無線ビーコンを送出する手順と、前記捜査側の携帯通信端末から捜査側の協力を行う携帯通信端末に対して前記被捜査側の携帯通信端末からの無線ビーコンの監視を要求する手順と、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末で無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れた2つのアンテナの回転に対して無線ビーコンの信号強度を計測し、計測した最大の信号強度に対して前記被捜査側の携帯通信端末の方位を計測し、自局の絶対位置をGPSで計測し、計測方位、計測絶対位置を前記捜査側の携帯通信端末に送出する手順と、前記捜査側の携帯通信端末で無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れた2つのアンテナを回転して無線ビーコンの信号強度を計測し前記被捜査側の携帯通信端末の方位を計測し、自局の絶対位置をGPSで計測し、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末から計測方位、計測絶対位置を受信する手順と、前記捜査側の携帯通信端末では前記捜査側の携帯通信端末の計測方位、計測絶対位置、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末から受信した計測方位、計測絶対位置から三角測量の原理に基づき、前記捜査側の携帯通信端末に対する相対位置を特定し表示する手順とを備えることを特徴とする、携帯通信端末の相対位置特定を実行するプログラムを提供する。
【0019】
さらに、前記捜査側の携帯通信端末は、地図上に、前記被捜査側の携帯通信端末の相対位置として、前記被捜査側の携帯通信端末の位置、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末の位置、前記捜査側の携帯通信端末の位置を表示する。
さらに、本発明は、相手の相対位置を特定する携帯通信端末において、GPSで自局の絶対位置を計測するGPS計測部と、他の携帯通信端末と無線で送受信を行う無線送受信部と、前記携帯通信端末の回転に対して方位を計測する方位計と、無線ビーコンを送受信し無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れて配置される2つのアンテナと、被捜査側の携帯通信端末では要求に応じて前記2つのアンテナの一方から無線ビーコンを送出させ、捜査側の協力を行う携帯通信端末では前記捜査側の協力を行う携帯通信端末の回転に対して前記2つのアンテナから受信した無線ビーコンの信号の位相差から信号強度を計測し、捜査側の携帯通信端末では前記被捜査側の携帯通信端末に対して無線ビーコンの送出を要求し前記捜査側の携帯通信端末の回転に対して前記2つのアンテナから受信した無線ビーコンの信号の位相差から信号強度を計測する無線ビーコン送受信部と、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末では前記無線ビーコン送受信部で計測された最大の信号強度に対して前記方位計で計測された方位、前記GPS計測部に計測させた自局の絶対位置を、前記無線送受信部を介して、前記捜査側の携帯通信端末に送信させ、前記捜査側の携帯通信端末では前記無線ビーコン送受信部で計測された最大の信号強度に対して前記方位計で計測された方位、前記GPS計測部に計測させた自局の絶対位置、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末から受信した方位、自局の絶対位置とから三角測量の原理に基づき被捜査側の携帯通信端末に対する相対位置を特定し表示する相対位置特定部とを備えることを特徴とする携帯通信端末を提供する。
【0020】
さらに、前記捜査側の携帯通信端末は、地図上に、前記被捜査側の携帯通信端末の相対位置として、前記被捜査側の携帯通信端末の位置、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末の位置、前記捜査側の携帯通信端末の位置を表示する。
さらに、前記被捜査側の携帯通信端末は前記2つのアンテナを1つのアンテナとし、前記方位計が削除される。
さらに、前記2つのアンテナ、前記無線ビーコン送受信部は無線LANに使用されるものと共用する。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、被捜査側の携帯通信端末から捜査側の携帯通信端末に無線ビーコンの送出を要求し、前記被捜査側の携帯通信端末から要求に応じて無線ビーコンを送出し、前記捜査側の携帯通信端末から捜査側の協力を行う携帯通信端末に対して前記被捜査側の携帯通信端末からの無線ビーコンの監視を要求し、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末で無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れた2つのアンテナの回転に対して無線ビーコンの信号強度を計測し、計測した最大の信号強度に対して前記被捜査側の携帯通信端末の方位を計測し、自局の絶対位置をGPSで計測し、計測方位、計測絶対位置を前記捜査側の携帯通信端末に送出し、前記捜査側の携帯通信端末で無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れた2つのアンテナを回転して無線ビーコンの信号強度を計測し前記被捜査側の携帯通信端末の方位を計測し、自局の絶対位置をGPSで計測し、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末から計測方位、計測絶対位置を受信し、前記捜査側の携帯通信端末では前記捜査側の携帯通信端末の計測方位、計測絶対位置、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末から受信した計測方位、計測絶対位置から三角測量の原理に基づき、前記捜査側の携帯通信端末に対する相対位置を特定し表示するようにしたので、被捜査側の携帯通信端末が屋内でGPSが利用できず、基地局圏外など環境下でも被捜査側の携帯通信端末の相対位置を特定することが可能になる。
無線ビーコンの送受信に無線LAN用のものが共用可能となり、特別な付加手段を追加しなくてもよい構成が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る携帯通信端末の概略構成を示すブロック図である。本図に示すように、携帯通信端末200は、アンテナ208に接続されるGPS(全地球測位システム)受信部209、アンテナ211に接続される無線送受信部210、アンテナ221、222に接続される無線ビーコン送受信部220、表示部240、操作部250、方位計260と、これらの動作を制御する制御部230からなり、携帯通信端末200では相対位置特定がコンピュータプログラムで実行される。
【0023】
携帯通信端末200には被捜査側の携帯通信端末200X、捜査側の携帯通信端末200A、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bがある。
被捜査側の携帯通信端末200Xは、迷子、遭難者、徘徊者などが持ち、位置捜査が行われるべき対象の携帯通信端末であり、GPS、基地局からの電波を利用して、相手の携帯通信端末の位置特定を行う場合に、大規模小売店舗の屋内、樹林を含む屋外フィールドの基地局圏外などにあり、アンテナ208、GPS受信部209、アンテナ211、無線送受信部210が機能せず、これらによる自局の位置特定を行うことができないものとする。
【0024】
捜査側の携帯通信端末200A、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bの各々は、アンテナ208、GPS受信部209、アンテナ211、無線送受信部210が利用可能であり、無線ビーコンからの情報により、携帯通信端末200Xを捜査するが、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bは捜査側の携帯通信端末200Aへの協力を行う携帯通信端末とする。
ここに、アンテナ211、無線送受信部210は通話、データ送受信を行う機能を有する。
【0025】
アンテナ208、GPS受信部209は、自局の絶対位置を特定する機能を有する。
表示部240はユーザに対して各種の情報を表示する機能を有する。
操作部250は、ユーザの操作により各種の情報を入力する。
制御部230は、CPU(中央演算装置)、メモリ、ロジック回路、アナログ回路などにより、構成される。
アンテナ221、222、無線ビーコン送受信部220、方位計260を除いては、一般的な携帯通信端末200の構成である。
【0026】
アンテナ221、222は、同一の特性を有し、後述する無線ビーコンの搬送波周波数の波長λの1/2だけ離れ指向性が同一方向となるように空間的に適切に配置される。
無線ビーコン送受信部220は、無線ビーコンとなり得る信号をアンテナ221、222の一方により発信させ、アンテナ221、222の双方により電界強度を無線ビーコンの信号として受信し、受信した信号を直接合成し受信した信号の強度を計測できる機能を具備する。
【0027】
方位計260は、絶対方位を検出できる素子又は複合部品である。ここに、方位は北からの角度とする。
さらに、制御部230では相対位置特定部230Aが設けられ、被捜査側の携帯通信端末200Xの相対位置特定部230Aは、無線ビーコンの送出を制御し、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bの相対位置特定部230Aは、被捜査側の携帯通信端末200Xに対する方位算出、自局の絶対位置の算出を制御し、捜査側の携帯通信端末200Aの相対位置特定部230Aは、被捜査側の携帯通信端末200Xに対する方位算出、自局の絶対位置を制御し、かつ、捜査側の携帯通信端末200A、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bの各々の被捜査側の携帯通信端末200Xに対する方位、自局の絶対位置から三角測量の原理に基づき、被捜査側の携帯通信端末200Xの相対位置の特定を制御する。
【0028】
図2は捜査側の携帯通信端末200A、200Bの各々の図1におけるアンテナ221、222の空間的な配置例を説明する図である。本図に示すように、携帯通信端末200が2つの部分に折り畳まれる場合には、アンテナ221とアンテナ222の距離が無線ビーコンの搬送波周波数の波長λの1/2となるように、折り畳まれる一方の側にアンテナ221が内蔵され、他方の側にアンテナ222が内蔵される。
図3は捜査側の携帯通信端末200A、200Bの各々の無線ビーコン受信時の図2におけるアンテナ221、222で期待される操作例を説明する図である。本図に示すように、捜査側の携帯通信端末200A、200Bの各々で被捜査側の携帯通信端末200Xから無線ビーコンの受信を行う場合には、捜査側の携帯通信端末200A、Bの各々では、折り畳み式の場合には開いた状態にしアンテナ221、222間の距離を無線ビーコンの搬送波周波数の波長λの1/2となるようにして、アンテナ221とアンテナ222を結ぶ線を水平にし、鉛直軸に対して360度回転し、無線ビーコン送受信部220ではアンテナ221、222から受信した信号を合成し、合成した信号の強度を連続的に計測する。
【0029】
アンテナ221とアンテナ222を結ぶ線を水平にし、鉛直軸に対して360度回転するに伴って、方位計260(図1参照)は絶対方位を連続的に検出する。
携帯通信端末200A、200Bの各々の制御部230の相対位置特定部230Aでは、携帯通信端末200A、200Bの各々の回転に対して、無線ビーコン送受信部220から連続的に計測された信号の強度を入力し、方位計260から検出された絶対方位を入力し、入力した絶対方位と入力した信号の強度とを保持し、絶対方位に対する信号の強度を形成する。
【0030】
図4は図3の操作を行った際に無線ビーコン送受信部220にて計測された信号の強度の理想的な値を示した図である。本図(a)に示すように、被捜査側の携帯通信端末200Xに対する正面を0度として、図3に示すように、捜査側の携帯通信端末200A、200Bの各々を360度回転した場合には、アンテナ221とアンテナ222との間の距離による位相差があるため干渉を起こし、信号強度が変化する。すなわち、制御部230の相対位置特定部230Aでは、信号強度が最も強くなった方位に送信側の携帯通信端末が存在すると判断される。
【0031】
なお、この場合、360度の中に2箇所の信号強度最大点があるので、制御部230の制御部230では、180度違いの2つの方位であると判断される。
本図(b)に示すように、アンテナ221とアンテナ222の間隔が無線ビーコンの波長λの1/2よりも短い場合、アンテナ221とアンテナ222の回転操作に傾きがある場合には、信号強度の変化が小さくなるが、極端でなければ、大きな影響はない。
本図(c)に示すように、制御部230の相対位置特定部230Aでは、絶対方位に対する信号強度が形成され、捜査側の携帯通信端末200Xに対する方位を特定する。
【0032】
図5は相対位置を特定する場合に携帯通信端末の空間的な配置例を示す図である。本図に示すように、被捜査側の携帯通信端末200X、捜査側の携帯通信端末200A、200Bが空間的に配置されている場合、被捜査側の携帯通信端末200Xは、捜査側の携帯通信端末200Aの方位αにあり、さらに、捜査側に協力を行う携帯通信端末200Bの方位βにあるとする。
捜査側の携帯通信端末200Aにおける制御部230の相対位置特定部230Aでは、捜査側の携帯通信端末200Aの方位αを、例えば、−12度(North)又は168度(North)と特定する。
【0033】
さらに、捜査側に協力を行う携帯通信端末200Bにおける制御部230の相対位置特定部230Aでは、捜査側の携帯通信端末200Bの方位βを、例えば、58度(North)又は−122度(North)と特定する。
捜査側の携帯通信端末200Aの−12度北緯(North)又は168度北緯(North)の方位と捜査側に協力を行う携帯通信端末200Bの58度北緯(North)又は−122度北緯(North)の方位の交点に被捜査側の携帯通信端末200Xが位置することになる。これだけでは、まだ、被捜査側の携帯通信端末200Xの相対位置は特定されない。以下のように、三角測量の原理を用いて、被捜査側の携帯通信端末200Xの相対位置が特定される。
【0034】
図6は三角測量の原理を用いて被捜査側の携帯通信端末200Xの相対位置を特定する例を示す図である。本図に示すように、白いフェースマークが捜査側の携帯通信端末200A、グレーのフェースマークが捜査側に協力する携帯通信端末200Bであり、二重丸マークが被捜査側の携帯通信端末200Xである。
捜査側の携帯通信端末200A、200Bの各々は、アンテナ208、GPS受信部209を介して、自局の絶対位置(xa、ya)を取得し、捜査側の携帯通信端末200Aは、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bから、アンテナ211、無線送受信部210を介して、携帯通信端末200Bの自局の絶対位置(xb、yb)、携帯通信端末200Bから捜査側の携帯通信端末200Xに対する方位情報を取得する。ここに、x座標は経度、y座標は緯度とする。
【0035】
捜査側の携帯通信端末200Aでは制御部230の制御部230は、自局の絶対値、被捜査側への携帯通信端末200Xへの方位情報、さらに、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bから取得した絶対位置、被捜査側の携帯通信端末200Bへの方位情報から、三角測量の原理を用いて、捜査側の携帯通信端末200Xの相対位置が特定される。
すなわち、携帯通信端末200A、200Bのそれぞれの絶対位置から携帯通信端末200Aと携帯通信端末200Bの間の距離Lが算出される。
【0036】
さらに、携帯通信端末200Aと携帯通信端末200Bの間の距離Lに対する方位がそれぞれの絶対位置を用いて算出されるので、携帯端末200A、携帯通信端末200B、携帯通信端末200Xがつくる三角形に対して、携帯通信端末200B、携帯通信端末200Xに対する携帯通信端末200Aの角度γ、携帯通信端末200A、携帯通信端末200Xに対する携帯通信端末200Bの角度ηが算出される。
ここに、L=((xa−xb)+(ya−yb)1/2
SIN(180−β−η)=(xa−xb)/L
SIN(90−α−γ)=(yb−ya)/L
このようにして、三角形の1辺の長さ(L)とこの1辺を挟む角度γ、ηが算出されるので、携帯通信端末200Xの座標位置(xx、yx)が算出可能となり、さらに、捜査側の携帯通信端末200Aから被捜査側の携帯通信端末200Xまでの距離の算出も可能になる。
【0037】
図6(a)に示すように、携帯通信端末200Aにおける制御部230の相対位置特定部230Aでは、表示部240に対して、携帯通信端末200A、200B、携帯通信端末200Xの位置を表示し、表示の方位を示し、携帯通信端末200Xに対する距離を表示する。
さらに、携帯通信端末200Aにおける制御部230の相対位置特定部230Aでは、表示部240に表示された携帯通信端末200A、200B、携帯通信端末200Xの相互の間を点線で結び、相互の位置関係を明確にし、携帯通信端末200Aから携帯通信端末200Xに向く矢印を付ける。
【0038】
図6(b)に示すように、携帯通信端末200Aにおける制御部230、相対位置特定部230Aでは、地図表示が可能である場合には、図6(a)に示した携帯通信端末200A、200B、携帯通信端末200Xの位置情報を地図情報に重ねて表示するようにしてもよい。これにより、視認性が向上可能となる。
図7は本発明に係る携帯通信端末の相対位置特定システムの一連の動作を説明するフローチャートである。本図に示すように、ステップ100において、相対位置を求めたい被捜査側の携帯通信端末200Xと捜査側の携帯通信端末200Aとその協力を行う携帯通信端末200Bがあるとき、捜査側の携帯通信端末200Aの操作者は、被捜査側の携帯通信端末200Xを捜査するため、被捜査側の携帯通信端末200X、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bを特定し、開始操作を行う。
【0039】
ステップ101において、捜査側の携帯通信端末200Aはステップ100の開始操作に従い被捜査側の携帯通信端末200Xに対して、アンテナ221、222のいずれか1つ、無線ビーコン送受信部220を介して、無線ビーコン要求を送出する。
ステップ102において、無線ビーコン要求を受信した被捜査側の携帯通信端末200Xは、アンテナ221、222のいずれか1つ、無線ビーコン送受信部220を介して、無線ビーコン要求受付を捜査側の携帯通信端末200Aに返信する。
【0040】
ステップ103において、続いて、捜査側の携帯通信端末200Aは捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bに対して監視要求を送出する。この監視要求は、アンテナ221、222のいずれか1つ、無線ビーコン送受信部220を介して、又は、アンテナ211、無線送受信部210を介して行ってもよい。
ステップ104において、監視要求受付を受領した、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bは監視要求受付を捜査側の携帯通信端末200Aに返信する。この返信は、アンテナ221、222のいずれか1つ、無線ビーコン送受信部220を介して、又は、アンテナ211、無線送受信部210を介して行ってもよい。
【0041】
ステップ105において、被捜査側の携帯通信端末200Xは無線ビーコンの送出を行い、捜査側の携帯通信端末200A、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bは無線ビーコンの監視を行う。
なお、被捜査側の携帯通信端末200Xはステップ102で無線ビーコンの送出を開始してもよい。
捜査側の携帯通信端末200A、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bの無線ビーコンの監視では、操作者は図3に示すように回転操作を行う。
【0042】
捜査側の携帯通信端末200A、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bの各々の制御部230の相対位置特定部230Aでは、無線ビーコン送受信部220にて受信された被捜査側の携帯通信端末200Xからの無線ビーコンの信号強度を連続計測し、方位計260により方位を連続計測し、その2つの計測結果を保持し、組み合わせて、信号強度が最も強くなった方位に被捜査側の携帯通信端末200Xが存在すると判断する。
この場合、同時に、捜査側の携帯通信端末200A、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bの各々では、アンテナ208、GPS受信部209を介して、自局の絶対位置を算出する。
【0043】
ステップ106において、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bは、信号強度が最大となる方位の結果報告、自局の絶対位置を捜査側の携帯通信端末200Aに対して行う。なお、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bは、自局の絶対位置を報告するタイミングとして、ステップ100〜ステップ107の間のタイミングで行えばよい。
この報告は、アンテナ211、無線送受信部210を介して、行われる。なお、この報告は、目視による方法、電話連絡など、方法は種々考えられる。
【0044】
ステップ107において、捜査側の携帯通信端末200Aにおける制御部230、相対位置特定部230Aでは、被捜査側の携帯通信端末200Xに対する捜査側の携帯通信端末200A、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bの各々の方位と、捜査側の携帯通信端末200A、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bの各々の自局の絶対位置から、捜査側の携帯通信端末200Aと捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bの間の距離、捜査側の協力を行う携帯通信端末200B、被捜査側の携帯通信端末200Xに対する捜査側の携帯通信端末200Aの角度、被捜査側の携帯通信端末200X、捜査側の携帯通信端末200Aに対する捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bの角度から三角測量の原理を用いて、被捜査側の携帯通信端末200Xに対する相対位置を特定する。
【0045】
この相対位置の特定を表示部240に表示し、さらに、地図上に相対位置の特定を重ねて表示するようにしてもよい。
したがって、本発明によれば、捜査側の携帯通信端末200A、捜査側の協力を行う携帯通信端末200Bは、被捜査側の携帯通信端末200Xに対して、アンテナ221、222、無線ビーコン送受信部220を用いて通信を行い、被捜査側の携帯通信端末200Xが屋内、基地局圏外などにあってアンテナ208、GPS受信部209、アンテナ211、無線送受信部210が利用できない環境下でも被捜査側の携帯通信端末200Xの相対位置を特定することが可能になる。
【実施例1】
【0046】
図1におけるアンテナ221、222、無線ビーコン送受信部220は専用のものでなくても無線LAN(Local Area Network)用のものを共用してもよい。これにより、特別な付加手段を追加しなくてもよい構成となる。
【実施例2】
【0047】
被捜査側専用の携帯通信端末200Xでは、図1において、2つのアンテナ221、222を1つにし、無線ビーコン送受信部220では送受信の機能だけにし、回転に対して信号の強度を計測せず、さらに、方位計260も設けなくてもよい。被捜査側の携帯通信端末200Xの構成を簡単化するためである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上、携帯通信端末について説明したが、これに限らず、携帯電話機、PHS(簡易携帯電話機)、PDA(携帯情報端末)にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る携帯通信端末の概略構成を示すブロック図である。
【図2】捜査側の携帯通信端末200A、200Bの各々の図1におけるアンテナ221、222の空間的な配置例を説明する図である。
【図3】捜査側の携帯通信端末200A、200Bの各々の無線ビーコン受信時の図2におけるアンテナ221、222で期待される操作例を説明する図である。
【図4】図3の操作を行った際に無線ビーコン送受信部220にて計測された信号の強度の理想的な値を示した図である。
【図5】相対位置を特定する場合に携帯通信端末の空間的な配置例を示す図である。
【図6】三角測量の原理を用いて被捜査側の携帯通信端末200Xの相対位置を特定する例を示す図である。
【図7】本発明に係る携帯通信端末の相対位置特定システムの一連の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
200…携帯通信端末
200X…被捜査側の携帯通信端末
200A…捜査側の携帯通信端末
200B…捜査側の協力を行う携帯通信端末
208、211、221、222…アンテナ
209…GPS受信部
210…無線送受信部
220…ビーコン送受信部
230…制御部
230A…相対位置特定部
240…表示部
250…操作部
260…方位計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手の相対位置を特定する携帯通信端末の相対位置特定システムにおいて、
要求に応じて無線ビーコンを送出する被捜査側の携帯通信端末と、
無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れた2つのアンテナを回転して無線ビーコンの信号強度を計測し前記被捜査側の携帯通信端末の方位を計測し、自局の絶対位置をGPSで計測する、捜査側の協力を行う携帯通信端末と、
前記被捜査側の携帯通信端末に無線ビーコンの送出を要求し、無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れた2つのアンテナの回転に対して無線ビーコンの信号強度を計測し、計測した最大の信号強度に対して前記被捜査側の携帯通信端末の方位を計測し、自局の絶対位置をGPSで計測し、計測方位、計測自局絶対値と、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末から受信した受信方位、受信自局絶対位置とから三角測量の原理で前記被捜査側の携帯通信端末に対する相対位置を特定し表示する捜査側の携帯通信端末とを備える携帯通信端末の相対位置特定システム。
【請求項2】
前記捜査側の携帯通信端末は、地図上に、前記被捜査側の携帯通信端末の相対位置として、前記被捜査側の携帯通信端末の位置、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末の位置、前記捜査側の携帯通信端末の位置を表示することを特徴とする、請求項1に記載の携帯通信端末の相対位置特定システム。
【請求項3】
相手の相対位置を特定する携帯通信端末の相対位置特定方法において、
被捜査側の携帯通信端末から捜査側の携帯通信端末に無線ビーコンの送出を要求する工程と、
前記被捜査側の携帯通信端末から要求に応じて無線ビーコンを送出する工程と、
前記捜査側の携帯通信端末から捜査側の協力を行う携帯通信端末に対して前記被捜査側の携帯通信端末からの無線ビーコンの監視を要求する工程と、
前記捜査側の協力を行う携帯通信端末で無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れた2つのアンテナの回転に対して無線ビーコンの信号強度を計測し、計測した最大の信号強度に対して前記被捜査側の携帯通信端末の方位を計測し、自局の絶対位置をGPSで計測し、計測方位、計測絶対位置を前記捜査側の携帯通信端末に送出する工程と、
前記捜査側の携帯通信端末で無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れた2つのアンテナを回転して無線ビーコンの信号強度を計測し前記被捜査側の携帯通信端末の方位を計測し、自局の絶対位置をGPSで計測し、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末から計測方位、計測絶対位置を受信する工程と、
前記捜査側の携帯通信端末では前記捜査側の携帯通信端末の計測方位、計測絶対位置、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末から受信した計測方位、計測絶対位置から三角測量の原理に基づき、前記捜査側の携帯通信端末に対する相対位置を特定し表示する工程とを備えることを特徴とする携帯通信端末の相対位置特定方法。
【請求項4】
前記捜査側の携帯通信端末は、地図上に、前記被捜査側の携帯通信端末の相対位置として、前記被捜査側の携帯通信端末の位置、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末の位置、前記捜査側の携帯通信端末の位置を表示することを特徴とする、請求項2に記載の携帯通信端末の相対位置特定方法。
【請求項5】
相手の相対位置を特定する携帯通信端末の相対位置特定を実行するプログラムにおいて、
被捜査側の携帯通信端末から捜査側の携帯通信端末に無線ビーコンの送出を要求する手順と、
前記被捜査側の携帯通信端末から要求に応じて無線ビーコンを送出する手順と、
前記捜査側の携帯通信端末から捜査側の協力を行う携帯通信端末に対して前記被捜査側の携帯通信端末からの無線ビーコンの監視を要求する手順と、
前記捜査側の協力を行う携帯通信端末で無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れた2つのアンテナの回転に対して無線ビーコンの信号強度を計測し、計測した最大の信号強度に対して前記被捜査側の携帯通信端末の方位を計測し、自局の絶対位置をGPSで計測し、計測方位、計測絶対位置を前記捜査側の携帯通信端末に送出する手順と、
前記捜査側の携帯通信端末で無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れた2つのアンテナを回転して無線ビーコンの信号強度を計測し前記被捜査側の携帯通信端末の方位を計測し、自局の絶対位置をGPSで計測し、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末から計測方位、計測絶対位置を受信する手順と、
前記捜査側の携帯通信端末では前記捜査側の携帯通信端末の計測方位、計測絶対位置、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末から受信した計測方位、計測絶対位置から三角測量の原理に基づき、前記捜査側の携帯通信端末に対する相対位置を特定し表示する手順とを備えることを特徴とする、携帯通信端末の相対位置特定を実行するプログラム。
【請求項6】
前記捜査側の携帯通信端末は、地図上に、前記被捜査側の携帯通信端末の相対位置として、前記被捜査側の携帯通信端末の位置、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末の位置、前記捜査側の携帯通信端末の位置を表示することを特徴とする、請求項5に記載の携帯通信端末の相対位置特定を実行するプログラム。
【請求項7】
相手の相対位置を特定する携帯通信端末において、
GPSで自局の絶対位置を計測するGPS計測部と、
他の携帯通信端末と無線で送受信を行う無線送受信部と、
前記携帯通信端末の回転に対して方位を計測する方位計と、
無線ビーコンを送受信し無線ビーコンの搬送周波数の波長の1/2だけ離れて配置される2つのアンテナと、
被捜査側の携帯通信端末では要求に応じて前記2つのアンテナの一方から無線ビーコンを送出させ、捜査側の協力を行う携帯通信端末では前記捜査側の協力を行う携帯通信端末の回転に対して前記2つのアンテナから受信した無線ビーコンの信号の位相差から信号強度を計測し、捜査側の携帯通信端末では前記被捜査側の携帯通信端末に対して無線ビーコンの送出を要求し前記捜査側の携帯通信端末の回転に対して前記2つのアンテナから受信した無線ビーコンの信号の位相差から信号強度を計測する無線ビーコン送受信部と、
前記捜査側の協力を行う携帯通信端末では前記無線ビーコン送受信部で計測された最大の信号強度に対して前記方位計で計測された方位、前記GPS計測部に計測させた自局の絶対位置を、前記無線送受信部を介して、前記捜査側の携帯通信端末に送信させ、前記捜査側の携帯通信端末では前記無線ビーコン送受信部で計測された最大の信号強度に対して前記方位計で計測された方位、前記GPS計測部に計測させた自局の絶対位置、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末から受信した方位、自局の絶対位置とから三角測量の原理に基づき被捜査側の携帯通信端末に対する相対位置を特定し表示する相対位置特定部とを備えることを特徴とする携帯通信端末。
【請求項8】
前記捜査側の携帯通信端末は、地図上に、前記被捜査側の携帯通信端末の相対位置として、前記被捜査側の携帯通信端末の位置、前記捜査側の協力を行う携帯通信端末の位置、前記捜査側の携帯通信端末の位置を表示することを特徴とする、請求項7に記載の携帯通信端末。
【請求項9】
前記被捜査側の携帯通信端末は前記2つのアンテナを1つのアンテナとし、前記方位計が削除されることを特徴とする、請求項7に記載の携帯通信端末。
【請求項10】
前記2つのアンテナ、前記無線ビーコン送受信部は無線LANに使用されるものと共用することを特徴とする、請求項7に記載の携帯通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−227685(P2008−227685A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−59858(P2007−59858)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】