説明

携帯通信端末を利用した広告表示方法およびシステム

【課題】携帯通信端末の利用者による第三者向け広告を、より大きな表示画面によって行うことを可能にする手段を提供する。
【解決手段】広告配信サーバ1に蓄積された広告の中から選択した広告を予め契約した携帯通信端末2へ配信し、携帯通信端末2で受信した前記広告を、携帯通信端末2と着脱可能に接続されかつその表面側及び裏面側にそれぞれ表示部を備えた電子ペーパー3に送信し、電子ペーパー3の裏面側に備えられた表示部に携帯通信端末2から受信した前記広告を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告配信サーバから携帯電話等の携帯通信端末に配信された広告を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話は広く普及しており、ユーザが電車内あるいは人混みの中で携帯電話を使用している姿を見る機会は多い。携帯電話機には情報を表示できるディスプレイが備えられている。そこで、この携帯電話機に備えられたディスプレイを利用して、周囲の第三者に対する広告表示を行う技術が、特許文献1〜3等に記載されている。
【0003】
例えば特許文献1に記載の発明では、携帯電話機等の携帯通信端末に備えられたステータス送信部から当該携帯通信端末のステータス(ユーザ識別情報、位置情報等)が広告表示サーバに送信されると、このステータスを受信した広告表示サーバから、当該携帯通信端末のユーザにより予め指定された広告、あるいはステータスに応じて選定された広告が、前記携帯通信端末へ送信される。
【0004】
前記携帯通信端末では、前記広告表示サーバから受信した前記広告を当該携帯通信端末の背面側ディスプレイに表示することによって、第三者に対して前記広告を提供するとともに、前記広告表示サーバに対して、広告表示中であることを示すステータスを送信する。広告表示サーバは、当該携帯通信端末から受信した広告表示中のステータスによって広告効果を測定し、測定結果としてのポイントを当該携帯通信端末へのキャッシュバックポイントとして記録することにより、広告表示の報酬を当該携帯通信端末ユーザに提供する構成が示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−087420号公報
【特許文献2】特開2004−336581号公報
【特許文献3】特開2005−073114号公報
【特許文献4】特開2002−163257号公報
【特許文献5】特開2005−165760号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1〜3に記載された広告表示システムの場合、携帯通信端末の表示部を利用して広告表示を行っているため、広告画面が非常に小さいという問題がある。そのため、この携帯端末利用者の周囲にいる第三者がそれを見ても何が表示されているのか判断できないという問題がある。また、画面が小さいために、その表示内容も単純なものに限られてしまい、第三者の興味をそそるような、より複雑な、あるいは高度な広告表示を行うことは困難であって、広告効果もそれほど期待できない。
【0007】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、携帯通信端末の利用者による第三者向け広告を、より大きな表示画面によって行うことを可能にする手段を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、携帯通信端末を利用した広告表示に伴う効果を、より容易に確認可能にする手段を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
携帯通信端末によって所望の情報を情報配信サーバに要求し、該要求に応じて情報配信サーバから送信された上記所望の情報を携帯通信端末で受信して取得すると共に、取得した情報を例えばA4サイズ大の表示画面を有する電子ペーパーに送信して表示させることにより、携帯性に優れ、かつ取得した情報を大きな画面で観賞可能にする技術が特許文献4〜5等により提案されている。
【0010】
本発明はこの電子ペーパーに着目し、携帯通信端末により広告表示サーバから受信した広告を、該電子ペーパーの表示画面を利用して第三者向け広告として表示することを可能にする手段を特徴としている。
【0011】
具体的には、本発明の広告表示方法は、広告配信サーバに蓄積された広告の中から選択した広告を予め契約した携帯通信端末へ配信し、該携帯通信端末を介して前記広告を第三者に表示する広告表示方法において、前記携帯通信端末で受信した前記広告を、該携帯通信端末と着脱可能に接続されかつその表面側及び裏面側にそれぞれ表示部を備えた電子ペーパーに送信し、該電子ペーパーの前記裏面側に備えられた表示部に表示することを特徴としている。
【0012】
本発明では、例えばA4サイズ大の表示画面を有する電子ペーパーの裏面に設けた同サイズの表示部に広告配信サーバから配信された広告が表示されるので、この電子ペーパー付の携帯端末が電車内等で使用されている場合には、周囲の第三者に対して、電車の中つり広告のような効果を挙げることが期待できる。
【0013】
また、前記広告配信サーバに蓄積された広告にはそれぞれ年齢レーティング、広告ジャンル、当該広告を表示するエリアを指定するGPS位置範囲、あるいは二次元コードの利用情報等の広告属性を付すことができ、前記広告配信サーバは、前記携帯通信端末との間の前記契約の際の広告配信条件あるいは前記携帯通信端末の位置と適合する広告属性が付された前記広告を選択して前記携帯通信端末へ配信することにより、提示される広告の種別を状況あるいは携帯通信端末利用者に応じて制限することができる。
【0014】
本発明によれば、前記携帯通信端末が、前記電子ペーパーの裏面側に備えられた表示部に前記配信された広告を表示する処理を実行した後、前記広告配信サーバに該配信された広告を表示したことを返信し、該返信を受けて前記広告配信サーバが前記携帯通信端末に報酬を提供するための処理を実行することにより、ネットワークを通して携帯電話に接続された着脱可能な電子ペーパーに第三者向け広告を表示することにより広告を表示する利用者に広告掲載料を払うというビジネスモデルを提供することができる。
【0015】
その際、前記広告配信サーバは、前記二次元コードが付された前記広告へのアクセスがあったときには、当該携帯通信端末利用者に更なる報酬を提供することによって、広告表示へのインセンティブを高めるようにすることができる。
【0016】
また本発明の広告表示システムは、各種広告を蓄積する手段、および該蓄積された広告の中から選択した広告を、ネットワークを介して携帯通信端末へ配信する広告配信手段とを備えた広告配信サーバと、前記ネットワークを介して前記広告配信サーバから配信された広告を受信する手段、および該受信した広告を着脱可能に接続された電子ペーパーに送信する手段を備えた前記携帯通信端末と、前記携帯通信端末と着脱可能に接続されるとともに、その表面および裏面にそれぞれ表示部を有し、前記携帯通信端末から受信した前記広告を前記裏面側の表示部に表示する手段を備えた前記電子ペーパーと、によって構成されていることを特徴としている。
【0017】
また本発明のプログラムは、表面及び裏面に表示部を有する電子ペーパーと接続され、該電子ペーパーの裏面表示部に表示される広告を受信する携帯通信端末に対して、ネットワークを介して前記広告を配信する広告配信サーバのコンピュータに、前記広告を配信する携帯通信端末を特定する手順と、該携帯通信端末に配信する広告を選定する手順と、該選定された広告に付されている広告属性と前記携帯通信端末により指定されている広告配信条件とを比較し、前記広告属性が前記広告配信条件と適合しているとき該選定した広告を前記携帯通信端末に配信する手順を実行させることをその特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、広告配信サーバに蓄積された広告の中から選択した広告を予め契約した携帯通信端末へ配信し、該携帯通信端末と着脱可能に接続された電子ペーパーに表示して、第三者への広告提示を行っているので、例えば本発明の電子ペーパー付き携帯通信端末が電車内で使用されている場合には、配信した広告によって電車の中つり広告のような効果を挙げることが期待でき、それに伴い、携帯電話利用者が第三者向け広告により効率的に収入を得ることが可能になる。
【0019】
また、広告配信サーバが、サーバ上で広告に広告ジャンルや年齢レーティングの情報を属性として管理し、携帯電話利用者から提示されたポジティブリスト、ネガティブリスト等により広告をフィルタリングしているので、携帯電話利用者は、上記の広告提示の際に広告内容を広告ジャンルや年齢レーティングなどにより選別することによって、安心して配信広告の表示を行うことができる。
【0020】
また、表示画面が大きいので、QRコード(デンソーウェーブの登録商標)等の二次元コードを付加した広告を表示することができ、この二次元コードに当該携帯通信端末を識別するデジタルコードを含ませることにより広告の利便性が向上する。そして、第三者からこの携帯通信端末を識別するデジタルコードが織り込まれた二次元コードを付加した広告へのアクセスがあったときには、当該携帯通信端末利用者へ更なる報酬を提供することができ、携帯通信端末利用者の広告提示へのインセンティブを一層高めることができる。
【0021】
さらに、本発明の電子ペーパーは、携帯電話と分離しても広告が表示でき、また電子ペーパーでの表示時には電力をほとんど必要としないため、長時間の広告表示が可能であるとともに、表示に伴って携帯端末の使用時間が短縮することを抑えることができる。
【0022】
また、サーバ管理業者は、該サーバに広告を委託した広告主から収益をあげることができ、広告を表示する携帯電話利用者への利益提供はこの収益の一部を当てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す広告表示システム図であり、図2〜図4は、本実施形態におけるサーバ、携帯電話機、および電子ペーパーの一例を示す概略ブロック図である。
【0024】
本実施形態では、ネットワーク上に配置された広告配信サーバ1と、ネットワークを介して広告配信サーバ1と通信可能な携帯電話機2と、携帯電話機2と着脱可能であって、該携帯電話機2を介してネットワーク上から受信した各種情報を表示する機能を有する例えばその表示画面サイズがA4サイズ程度の大きさを有する表示部をその表面側及び裏面側にそれぞれ備えた電子ペーパー3によって構成される。
【0025】
広告配信サーバ1は、サーバ1全体の動作を制御するCPU10と、CPU10の動作制御プログラムが格納されたROM11と、CPU10による各種制御プログラムの実行時にワークエリア等として用いられるRAMと、外部ネットワークとの間で各種情報の授受を行う入出力ポート13と、広告属性が付された広告を格納する広告データベース14と、広告を配信する契約端末の情報を格納する契約端末データベース15とが、バス16を介して相互に接続されて構成されている。
【0026】
携帯電話機2は、携帯電話機2全体の制御を行うCPU20と、CPU20による各種制御プログラムやパラメータ等を記憶するROM21と、CPU20による各種制御プログラムの実行時にワークエリア等として用いられるRAM22と、音声通信とデータ通信とに応じて、各々の通信プロトコルに対応した通信制御を行う通信制御部23と、基地局との間で無線送受信を行う送受信部24と、テンキー等の操作に応じた信号をCPU20に出力する操作部25と、CPU20の制御の下に各種情報を表示する表示部26と、マイクから取り込まれる音声信号をデジタル音声データに変換し、受信したデジタル音声データをアナログ音声信号に変換してスピーカより放音する音声入出力部27と、電子ペーパー3に接続されて電子ペーパー3との間の各種信号の送受信を制御するインタフェース部(I/F部)28とが、バス29によって相互に接続されて構成されている。
【0027】
電子ペーパー3は、電子ペーパー3全体の動作を制御するCPU30と、各種制御プログラムやパラメータ等を記憶するROM31と、各種情報を記憶するために用いられるEEPROM32と、CPU30による各種制御プログラムの実行時におけるワークエリア等として用いられるRAM33と、携帯電話機2に接続されて携帯電話機2との間の各種信号の送受信を行うインタフェース部(I/F部)34と、操作ボタンによる表示画面操作に応じた信号をCPU30に出力する操作部25と、CPU20の制御の下に情報を表示する表面側表示部36および裏面側表示部37が、バス38によって相互に接続されて構成されている。
【0028】
本実施形態の電子ペーパー3は、表面及び裏面の両面にほぼ同じサイズの表示部36,37を備えており、携帯電話機2から送信された内容の異なる表示データを、それぞれ表面及び裏面の表示部に独立に表示可能な構成となっている。例えば、電子ペーパー3の表面側表示部36に携帯電話機2を介してネットワーク上からダウンロードしたコンテンツ(ゲーム、小説等)を表示している状態において、電子ペーパー3の裏面側表示部37に広告配信サーバ1から受信した広告を表示することが可能となっている。
【0029】
広告配信サーバ1の広告データベース14には、広告属性を付された各種の広告が格納されている。本実施形態では、広告属性として広告ジャンル、年齢レーティングが設定されている。携帯電話の利用者はサーバ1の管理者と契約し、サーバ1に蓄積された広告を電子ペーパー3の裏面側表示部37に表示することにより、第三者に広告を掲示するサービスを行う。
【0030】
サーバ管理者との契約は、適宜の時点で行うことが可能であるが、例えば、本システムを搭載した携帯電話システムの梱包に本サービスへのサイトへの誘導広告を封入しておき、サイト上で契約するという形態をとることもできる。携帯電話2の利用者により第三者に提示される広告は電子ペーパー1の裏面側表示部37に表示されるので、電車内等の環境で本システムが実行されると、電車の中つり広告のような効果を挙げることが期待できる。
【0031】
図5は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。次に、図1〜図5を参照して本実施形態の動作について説明する。
【0032】
サーバ1は広告を表示する携帯利用者を特定する(S1)。携帯利用者の特定方法としては、例えば携帯利用者が、電車内あるいは人混みのある環境の中で、ネットワークからダウンロードしたコンテンツを電子ペーパー3の表面側表示部36に表示して鑑賞しているような状況において、携帯端末が広告の配信要求を広告配信サーバ1に送信し、広告配信サーバ1が契約端末データベース15を参照して携帯利用者を特定する方法、あるいは広告配信サーバ1が契約端末データベース15を参照し、契約している携帯端末2に対して広告配信の可能性を確認することにより、広告配信可能な携帯利用者を特定する方法等、適宜の方法を採用することができる。
【0033】
次に、広告配信サーバ1は、当該携帯利用者が表示可能広告、表示不可能広告として登録しているポジティブリスト、ネガティブリストを、契約端末データベース15を参照して読み出す(S2)。次に、広告データベース14の中から提示広告を選択し(S3)、該選択した広告の属性が携帯利用者により指定されているポジティブリスト、ネガティブリストに適合しているか否か判断する(S4)。適合していない場合には、広告データベース14の中から別の提示広告を選択して同様の判断を行う。
【0034】
広告データベース14から選択した提示広告の属性が携帯利用者により指定されているポジティブリスト、ネガティブリストに適合している場合(S4,YES)には、選択した提示広告をサーバ1から携帯電話機2へ送信する(S5)。
【0035】
携帯電話機2は受信した提示広告を電子ペーパー3へ送信し、電子ペーパー3のCPU30は受信したデータが広告であることを認識して、該広告を裏面側表示部37に表示する(S6)。表示が完了すると携帯電話機2からサーバ1へ広告を表示した事を返信する(S7)。サーバ1は携帯利用者が広告を表示したことを確認して広告表示に伴う収入および該当携帯利用者への支払い額(ポイント)を記録する(S8)。
【0036】
図6は、本発明の第2の実施形態を示すシステム図であり、図7(a)、図7(b)は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。なお、本実施形態におけるサーバ、携帯電話機、および電子ペーパーの構成は、第1の実施形態の場合と同様であるので、その詳細説明は省略する。
【0037】
本実施形態における広告配信サーバ1の広告データベース14には、広告属性として、広告ジャンルおよび年齢レーティングが指定された広告と、広告属性として、広告ジャンル、年齢レーティングおよびGPS位置範囲が指定された広告と、広告属性として、広告ジャンル、年齢レーティング、GPS位置範囲および二次元コード利用が指定された広告とが、それぞれ格納されている。なお、広告属性の種類、組合せは、図6に示す構成例に限定されるものではなく適宜変更して実施可能である。
【0038】
本実施形態においては、広告配信サーバ1の広告データベース14に格納されている広告属性として、広告ジャンル、年齢レーティングに加えて、広告配信エリアを指定するGPS位置範囲、あるいはQRコード等の二次元コードの利用を指定可能としたことを特徴としている。即ち本発明では、広告表示手段として電子ペーパーを使用しているので、大きな表示画面を確保することができ、広告画面上にQRコード等の二次元コードを容易に表示することができる。
【0039】
本実施形態では、携帯利用者が本ビジネスモデルのサービス提供者との契約を行う際にQRコード等の二次元コード付の広告表示を行うか否かを選択することができる。二次元コード付の広告表示を行うことが選択されると、契約端末データベース15内の当該携帯利用者の情報に、二次元コードの利用が可能であることを示す情報(フラグ)が登録される。
【0040】
広告主(サーバ提供者)にとっては、QRコードによって広告の視聴者がより容易に広告の詳細情報にアクセスする手段を提供できる。また、QRコード中に携帯利用者のIDが織り込まれることにより、当該携帯利用者が提供した広告からのアクセスであることが特定できる。従って、視聴者から広告へのアクセスがあった場合、広告を提供した携帯利用者に対してアクセスによる報酬(ポイント)を加算することができる。
【0041】
次に、図6、図7及び図2〜図4を参照して本実施形態の動作、特に第1の実施形態と相違する部分の動作について説明する。
【0042】
サーバ1は広告を表示する携帯利用者を当該携帯利用者の位置データとともに特定する(S11)。携帯利用者の特定方法としては、第1の実施形態と同様の方法で実施できるが、本実施形態では携帯利用者の位置情報もサーバ1に送信される。位置情報取得手段としては、当該携帯通信端末2に備えられた位置測定手段(GPS受信機等)、あるいは当該携帯電話機2が位置している基地局情報等を利用して実現可能である。広告配信サーバ1は、契約端末データベース15を参照することにより携帯利用者を特定し、また受信した位置情報から携帯利用者の位置を特定することができる。
【0043】
次に、広告配信サーバ1は、当該携帯利用者が登録しているポジティブリスト、ネガティブリスト等を読み出す(S12)。次に、提示広告を広告の中から選択し(S13)、選択した広告がポジティブリスト、ネガティブリストに適合しているか、GPS位置範囲内か、QRコード利用が携帯利用者に許可されているかを判断し(S14)、適合していない場合には提示広告を選択して同様の判断を行う。選択した提示広告がこれらの判断条件に適合している場合には、その広告を提示広告として選択し、サーバ1から携帯電話機2へ送信する(S15)。
【0044】
その際、QRコード利用が携帯利用者に許可されている場合において、QRコード利用の広告属性が付された広告が適合広告として選択されたときには、広告配信サーバ1は、提供する広告のQRコードに当該携帯利用者を特定するIDを織り込んで配信する。
【0045】
例えば、QRコードにエンコードされたURLに次の下線部のようにIDを付加することにより、広告を表示した携帯利用者を特定できるようにする。
http://koukoku.com/001?ID=0001
ここで、koukoku.com/001は、表示広告のページを示している。
【0046】
携帯電話機2は受信した提示広告を電子ペーパー3へ送信し、電子ペーパー3のCPU30は受信したデータが広告であることを認識して、該広告を裏面側表示部37に表示する(S16)。表示が完了すると携帯電話機2からサーバ1へ広告を表示した事を返信する(S17)。サーバ1は携帯利用者が広告を表示したことを確認して広告表示に伴う収入および該当携帯利用者への支払い(ポイント)を記録する(S18)。その際、携帯利用者にGPS位置範囲を指定した広告が配信された場合には、該当携帯利用者への支払い(ポイント)を多くするように設定することができる。
【0047】
なお、例えば選択した広告の広告属性として、広告ジャンル、年齢レーティングとともに、GPS位置範囲の指定がある場合、広告ジャンル、年齢レーティングは携帯利用者が登録しているポジティブリスト、ネガティブリストと適合しているが、携帯利用者のGPS位置範囲をエリアとして指定している広告がない場合には、GPS位置範囲を広告属性で指定していない広告を選択して配信することも可能である。
【0048】
また、QRコード利用が携帯利用者に許可されている場合には、広告属性としてQRコード利用が付されている広告が重点的に選択されて適合判断が実施されるが、QRコード利用が付されている広告の中に他の広告属性の適合性を満たす広告がない場合には、QRコード利用が付されていない広告を選択し、QRコード利用以外の判断条件に適合するものがあれば、QRコードが付されていない広告を当該携帯利用者に配信するようにしても良い。
【0049】
図7(b)は、広告配信サーバ1がQRコード付の広告を配信した後、配信した広告に付されたQRコードによる当該広告へのアクセスがあった場合のフローチャートである。
【0050】
配信したQRコードでのアクセスがあった場合(S21)には、サーバ1は、アクセスされたQRコード中に織り込まれている携帯利用者のIDから携帯利用者を特定し(S22)、携帯利用者に対して、広告がアクセスされたことに対する収入(ポイント)を記録する。従ってこの場合、携帯利用者は、広告を提示したことによる収入と、広告がアクセスされたことに対する収入の両方を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す広告配信システム図である。
【図2】本実施形態におけるサーバの概略を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態における携帯電話機の概略を示すブロック図である。
【図4】本実施形態における電子ペーパーの概略を示すブロック図である。
【図5】本実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す広告配信システム図である。
【図7】第2実施形態の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
1 広告配信サーバ
2 携帯電話機(携帯通信端末)
3 電子ペーパー
10,20,30 CPU
11,21,31 ROM
12,22、33 RAM
13 入出力ポート
14 広告データベース
15 契約端末データベース
16,29,38 バス
23 通信制御部
24 送受信部
25,35 操作部
26 表示部
27 音声入出力部
28,34 I/F部
36 表面側表示部
37 裏面側表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告配信サーバに蓄積された広告の中から選択した広告を予め契約した携帯通信端末へ配信し、該携帯通信端末を介して前記広告を第三者に表示する広告表示方法において、
前記携帯通信端末で受信した前記広告を、該携帯通信端末と着脱可能に接続されかつその表面側及び裏面側にそれぞれ表示部を備えた電子ペーパーに送信し、該電子ペーパーの前記裏面側に備えられた表示部に表示することを特徴とする広告表示方法。
【請求項2】
前記広告配信サーバに蓄積された広告にはそれぞれ広告属性が付されており、前記広告配信サーバは、前記携帯通信端末との間の広告配信条件と適合する広告属性が付された前記広告を選択して前記携帯通信端末へ配信することを特徴とする請求項1に記載の広告表示方法。
【請求項3】
前記広告属性には二次元コード付の広告であることを示す情報が含まれており、前記広告配信サーバは、前記携帯通信端末との間の前記契約の際の広告配信条件として前記二次元コードの利用指定がなされているときには、前記二次元コード付の広告を選択するとともに、該二次元コードに前記携帯通信端末を識別するためのデジタルコードを織り込んで配信することを特徴とする請求項2に記載の広告表示方法。
【請求項4】
前記広告属性には年齢レーティングが含まれており、前記広告配信サーバは、前記携帯通信端末との間の前記契約の際の広告配信条件として年齢レーティング指定がなされているときには、該指定された年齢レーティングと適合した広告属性の前記広告を選択して前記携帯通信端末へ配信することを特徴とする請求項2または3に記載の広告表示方法。
【請求項5】
前記広告属性には広告ジャンルが含まれており、前記広告配信サーバは、前記携帯通信端末との間の前記契約の際の広告配信条件として前記広告ジャンルの指定がなされているときには、該指定された広告ジャンルと適合した広告属性の前記広告を選択して前記携帯通信端末へ配信することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の広告表示方法。
【請求項6】
前記広告ジャンルの指定は、ポジティブリストとして指定されていることを特徴とする請求項5に記載の広告表示方法。
【請求項7】
前記広告ジャンルの指定は、ネガティブリストとして指定されていることを特徴とする請求項5に記載の広告表示方法。
【請求項8】
前記広告属性には当該広告を表示するエリアを指定するGPS位置範囲が含まれており、前記広告配信サーバは、前記携帯通信端末が前記GPS位置範囲のエリア内に位置しているとき前記GPS位置範囲と適合した広告属性が付されている前記広告を選択して前記携帯通信端末へ配信することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の広告表示方法。
【請求項9】
前記携帯通信端末は、前記電子ペーパーの裏面側に備えられた表示部に、前記配信された広告を表示する処理を実行した後、前記広告配信サーバに該配信された広告を表示したことを返信し、該返信を受けて前記広告配信サーバが前記携帯通信端末に報酬を提供するためのポイント処理を実行することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の広告表示方法。
【請求項10】
前記広告配信サーバは、前記二次元コードが付された前記広告への第三者からのアクセスがあったとき、該アクセスに対する報酬を当該携帯通信端末に提供するためのポイント処理を実行することを特徴とする請求項3に記載の広告表示方法。
【請求項11】
各種広告を蓄積する手段、および該蓄積された広告の中から選択した広告を、ネットワークを介して携帯通信端末へ配信する広告配信手段とを備えた広告配信サーバと、
前記ネットワークを介して前記広告配信サーバから配信された広告を受信する手段、および該受信した広告を着脱可能に接続された電子ペーパーに送信する手段を備えた前記携帯通信端末と、
前記携帯通信端末と着脱可能に接続されるとともに、その表面および裏面にそれぞれ表示部を有し、前記携帯通信端末から受信した前記広告を前記裏面側の表示部に表示する手段を備えた前記電子ペーパーと、
によって構成されていることを特徴とする広告表示システム。
【請求項12】
前記広告配信サーバに蓄積された広告にはそれぞれ広告属性が付されており、前記広告配信サーバの広告配信手段は、前記携帯通信端末との間で予め契約された広告配信条件と適合する広告属性が付された前記広告を選択して前記携帯通信端末へ配信する機能を備えていることを特徴とする請求項11に記載の広告表示システム。
【請求項13】
前記広告属性には二次元コード付の広告であることを示す情報が含まれており、前記広告配信サーバの広告配信手段は、前記携帯通信端末への広告配信条件に前記二次元コード利用の指定があるときには、前記二次元コード付の広告を選択するとともに、前記携帯通信端末を識別するためのデジタルコードを該選択した広告の二次元コードに織り込んで配信する機能を備えていることを特徴とする請求項12に記載の広告表示システム。
【請求項14】
前記広告属性には年齢レーティングが含まれており、前記広告配信サーバの広告配信手段は、前記携帯通信端末への広告配信条件に前記年齢レーティング指定があるときには、該指定された年齢レーティングと適合した広告属性の前記広告を選択して前記携帯通信端末へ配信する機能を備えていることを特徴とする請求項12または13に記載の広告表示システム。
【請求項15】
前記広告属性には広告ジャンルが含まれており、前記広告配信サーバの広告配信手段は、前記携帯通信端末への広告配信条件に前記広告ジャンルの指定があるときには、該指定された広告ジャンルと適合した広告属性の前記広告を選択して前記携帯通信端末へ配信する機能を備えていることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の広告表示システム。
【請求項16】
前記広告ジャンルの指定は、ポジティブリストとして指定されていることを特徴とする請求項15に記載の広告表示システム。
【請求項17】
前記広告ジャンルの指定は、ネガティブリストとして指定されていることを特徴とする請求項15に記載の広告表示システム。
【請求項18】
前記広告属性には当該広告を表示するエリアを指定するGPS位置範囲が含まれており、前記広告配信サーバの広告配信手段は、前記携帯通信端末の位置を検出する機能と、前記携帯通信端末が前記GPS位置範囲のエリア内に位置していることを検出したとき前記GPS位置範囲と適合した広告属性が付されている前記広告を選択して前記携帯通信端末へ配信する機能を備えていることを特徴とする請求項12〜17のいずれか1項に記載の広告表示システム。
【請求項19】
前記電子ペーパーは、前記携帯通信端末から受信した広告を前記裏面側表示部に表示したことを前記携帯通信端末へ通知する手段を備え、前記携帯通信端末は前記電子ペーパーからの前記通知を受けて、前記配信された広告の表示を実行したことを示す信号を前記ネットワークを介して前記広告配信サーバに返信する手段を備え、前記広告配信サーバは前記返信を受けて、前記携帯通信端末に報酬を提供するためのポイント処理を実行する手段を備えていることを特徴とする請求項11〜18のいずれか1項に記載の広告表示システム。
【請求項20】
前記広告配信サーバは、前記二次元コードが付された前記広告への第三者からのアクセスを検出する手段と、前記アクセスが検出されたとき、該アクセスに対する報酬を前記携帯通信端末に提供するためのポイント処理を実行する手段を備えていることを特徴とする請求項13に記載の広告表示システム。
【請求項21】
請求項11〜20のいずれか1項に記載の広告表示システムに用いられる広告配信サーバであって、
各種広告を蓄積する手段と、該蓄積された広告の中から選択した広告を、ネットワークを介して携帯通信端末へ配信する広告配信手段とを備えていることを特徴とする広告配信サーバ。
【請求項22】
請求項11〜20のいずれか1項に記載の広告表示システムに用いられる広告表示装置であって、
ネットワークを介して広告配信サーバから配信された広告を受信する手段と、該受信した広告を着脱可能に接続された電子ペーパーに送信する手段を備えた携帯通信端末と、該携帯通信端末と着脱可能に接続されるとともに、その表面および裏面にそれぞれ表示部を有し、前記携帯通信端末から受信した前記広告を前記裏面側の表示部に表示する手段を備えた前記電子ペーパーと、によって構成されていることを特徴とする広告表示装置。
【請求項23】
表面及び裏面に表示部を有する電子ペーパーと接続され、該電子ペーパーの裏面表示部に表示される広告を受信する携帯通信端末に対して、ネットワークを介して前記広告を配信する広告配信サーバのコンピュータに、前記広告を配信する携帯通信端末を特定する手順と、該携帯通信端末に配信する広告を選定する手順と、該選定された広告に付されている広告属性と前記携帯通信端末により指定されている広告配信条件とを比較し、前記広告属性が前記広告配信条件と適合しているとき該選定した広告を前記携帯通信端末に配信する手順を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項24】
前記携帯通信端末から前記配信した広告を前記電子ペーパーの裏面表示部に表示したことを示す返信を受信して、前記携帯通信端末に前記広告表示に対する報酬を提供するためのポイントを記録する手順を実行させることを特徴とする請求項23に記載のプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−37044(P2009−37044A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−201851(P2007−201851)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】