説明

携帯電子機器及び車両

【課題】消費電力の低減を図りつつ、車両が走行中から停止した時にテレビ放送が視聴可能になるまでの時間を短縮することができる携帯電子機器及び車両を提供すること。
【解決手段】携帯電話機1は、放送波を受信するチューナ部31と、チューナ部31により受信された放送波を復号して表示情報を生成するデコーダ部32と、デコーダ部32により生成される表示情報に基づいて画像を表示する表示部21と、車両の走行情報を取得する走行情報取得部38と、走行情報取得部38により取得される走行情報に基づいて、少なくともチューナ部31とデコーダ部32とを制御する制御部36とを備え、制御部36は、車両が走行している走行状態にあるとの走行情報を、走行情報取得部38から取得している間、チューナ部31の起動を間欠的に行うように制御すると共に、チューナ部31により受信された放送波のデコーダ部32によるデコードを停止するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の携帯電子機器及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電子機器としての携帯電話機において、テレビ視聴機能等が搭載され、いわゆるワンセグテレビ放送を視聴可能な機種が市場に流通されている。
【0003】
テレビ視聴機能が搭載された携帯電話機は、様々な場所でテレビ放送の視聴が可能になり有用であるが、自動車等の車両の走行中における運転者によるテレビ放送の視聴(注視)は安全面において問題である。
【0004】
テレビ視聴機能が搭載された携帯電話機において、車両の走行中におけるテレビ視聴を制御する技術としては、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献1には、携帯電話機の本体に設けられ、携帯電話機の移動速度を検出する移動速度検出手段と、移動速度検出手段の検出した移動速度が速度閾値を超えるとテレビ映像の表示のみを停止する制御手段とを備え、車両の走行中に携帯電話機でのテレビ視聴を制御する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−94136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、テレビ視聴機能が搭載された携帯電話機は、主に充電池を電源として用いている。しかし、携帯電話機にテレビ視聴機能として搭載されているテレビ放送波を受信するチューナ部及び受信された放送波をデコードするデコード部は、テレビ映像の表示のみを停止した場合、充電池の消費電力が大きくなり、充電池の持続時間が短くなる可能性がある。
【0006】
特許文献1に記載された技術を用いて車両の走行中にテレビ放送波の受信を停止すれば、携帯電話機の充電池の消費電力を低減することができる。しかし、車両が停止してからチューナ部及びデコード部を起動する必要があるため、ユーザがテレビ放送を視聴可能になるまでに時間が掛かってしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、消費電力の低減を図りつつ、車両が走行中から停止した時にテレビ放送が視聴可能になるまでの時間を短縮することができる携帯電子機器及び車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯電子機器は、上記課題を解決するために、放送波を受信するチューナ部と、前記チューナ部により受信された放送波を復号して表示情報を生成するデコーダ部と、前記デコーダ部により生成される表示情報に基づいて画像を表示する表示部と、車両の走行情報を取得する走行情報取得部と、前記走行情報取得部により取得される前記走行情報に基づいて、少なくとも前記チューナ部と前記デコーダ部とを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記車両が走行している走行状態にあるとの走行情報を、前記走行情報取得部から取得している間、前記チューナ部の起動を間欠的に行うように制御すると共に、前記チューナ部により受信された放送波の前記デコーダ部による復号を停止するように制御することを特徴とする。
【0009】
また、前記制御部は、前記走行情報取得部により取得される前記走行情報に基づいて、前記チューナ部の起動している時間を変更するように制御することが好ましい。
【0010】
また、前記走行情報取得部は、前記走行情報として、前記車両の速度に関する情報を取得し、前記制御部は、前記走行情報取得部により取得される前記車両の速度が所定の閾値を超える場合には、前記車両の速度が前記所定の閾値を超えない場合に比較して、前記チューナ部の起動している時間を短く変更するように制御することが好ましい。
【0011】
また、前記走行情報取得部は、前記走行情報として、前記車両の加速度を当該車両の進行方向を基準として取得し、前記制御部は、前記走行情報として取得された前記車両の加速度の方向が前記車両の進行方向である場合には、前記車両の加速度の方向が前記車両の進行方向と反対方向である場合に比較して、前記チューナ部の起動している時間を短く変更するように制御することが好ましい。
【0012】
また、前記制御部は、前記走行情報取得部により取得される前記走行情報に基づいて、前記チューナ部を起動させる回数を変更するように制御することが好ましい。
【0013】
また、前記走行情報取得部は、前記走行情報として、前記車両の速度に関する情報を取得し、前記制御部は、前記走行情報取得部により取得される前記車両の速度が所定の閾値を超える場合には、前記車両の速度が前記所定の閾値を超えない場合に比較して、前記チューナ部を起動させる回数を少なく変更するように制御することが好ましい。
【0014】
また、前記走行情報取得部は、前記走行情報として、前記車両の加速度を当該車両の進行方向を基準として取得し、前記制御部は、前記走行情報として取得された前記車両の加速度の方向が前記車両の進行方向である場合には、前記車両の加速度の方向が前記車両の進行方向と反対方向である場合に比較して、前記チューナ部を起動させる回数を少なく変更するように制御することが好ましい。
【0015】
また、前記走行情報取得部は、加速度を検出する加速度センサと、前記加速度センサにより検出される加速度に基づいて、前記車両が走行状態であるか否かを判定する判定部とを備えることが好ましい。
【0016】
また、前記走行情報取得部は、GPS情報を受信するGPS受信部と、前記GPS受信部により受信されたGPS情報に基づいて、前記車両が走行状態であるか否かを判定する判定部とを備えることが好ましい。
【0017】
また、前記走行情報取得部は、前記車両から送信される走行情報を取得することが好ましい。
【0018】
本発明に係る車両は、上記課題を解決するために、前記携帯電子機器を搭載するための台座部と、前記携帯電子機器に電力を供給するための電力供給部と、前記携帯電子機器に前記走行情報を送信する送信部とを少なくとも備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、消費電力の低減を図りつつ、車両が走行中から停止した時にテレビ放送が視聴可能になるまでの時間を短縮することができる携帯電子機器及び車両を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る携帯電子機器の一例である携帯電話機1の外観斜視図を示す。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話機の形態としては特にこれに限られない。
【0021】
携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、を備えて構成される。操作部側筐体2は、表面部10に、操作ボタン群11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力される音声入力部12と、を備えて構成される。操作ボタン群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を動作させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、を備える。
【0022】
また、表示部側筐体3は、表面部20に、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力する音声出力部22と、を備える。
【0023】
また、上述した操作ボタン群11、音声入力部12、表示部21及び音声出力部22は、後述する処理部62を構成している。
【0024】
また、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とが相対的に回転することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開かれた状態(開放状態)にされたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが折り畳まれた状態(折畳み状態)にされたりすることができる。
【0025】
[第1実施形態]
図2は、携帯電話機1の機能を示す機能ブロック図である。図2に示すように、携帯電話機1は、操作ボタン群11と、表示部21と、音声出力部22と、テレビ受信アンテナ30と、チューナ部31と、デコーダ部32と、メインアンテナ33と、RF回路部34と、タイマ部35と、制御部36と、メモリ37と、走行情報取得部38とを備える。
【0026】
表示部21は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electoro Luminescence)によって構成され、デコーダ部32によりデコードされることにより生成される表示情報や各種情報に基づく画像を表示する。
音声出力部22は、例えばスピーカにより構成され、デコーダ部32により復号された音声情報を外部に出力する。
【0027】
テレビ受信アンテナ30は、地上波デジタルテレビ放送やアナログのテレビ放送等の放送波を受信する。
【0028】
チューナ部31は、制御部36からの指示に応じて、テレビ受信アンテナ30により所定の周波数帯の放送波を受信し、受信した放送波を復調する。そして、復調した信号をデコーダ部32へ出力する。
【0029】
デコーダ部32は、チューナ部31により供給された信号を復号して、表示情報及び音声情報を生成する。そして、デコーダ部32は、表示情報を表示部21へ出力し、音声情報を音声出力部22へ出力する。
【0030】
メインアンテナ33は、第1の使用周波数帯(例えば、800MHz)で基地局等と通信を行う。なお、本実施の形態では、第1の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であってもよい。
【0031】
RF回路部34は、メインアンテナ33によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部36に供給する。そして、制御部36から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ33を介して外部装置(基地局)に送信する。また、その一方で、メインアンテナ33によって受信している信号の強度を制御部36に通知する。
【0032】
タイマ部35は、制御部36からの指示に基づいて、所定の時間を計測して、制御部36に通知する。これにより、制御部36は、所定時間が経過しているか否かに応じて、処理の内容を分岐させることができる。
【0033】
制御部36は、携帯電話機1の全体を制御しており、中央処理装置(CPU)等を用いて構成される。制御部36は、少なくともチューナ部31とデコーダ部32とを制御する。
メモリ37は、ワーキングメモリを含み、制御部36による演算処理に利用され、各種情報を記憶する。なお、メモリ37は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0034】
走行情報取得部38は、GPS(Global Positioning System)受信部39と、加速度センサ40と、判定部41とを備え、車両の走行情報を検出する。
【0035】
ここで、本実施形態では、携帯電話機1が車両内に保持又は配置され、車両内に存在していることを前提とする。
また、「車両」とは、電車、自動車等、貨客を輸送するための車をいい、本明細書では特に自動車をいう。
また、「車両の走行情報」とは、車両が走行している走行状態、車両が停止している停止状態、車両の速度、車両の加速度等をいう。
【0036】
GPS受信部39は、GPS受信アンテナ42と、GPS回路部43とを備え、GPS情報を受信する。
GPS受信アンテナ42は、GPS通信のための第2の使用周波数帯(例えば、1.5GHz)でGPS衛星と通信を行う。GPS回路部43は、GPS受信アンテナ42により受信されたGPS情報に所定の処理を行い、処理後の信号を制御部36及び判定部41に供給する。
【0037】
なお、本実施形態では、携帯電話機1は、テレビ受信アンテナ30、メインアンテナ33及びGPS受信アンテナ42の3つのアンテナを備えているが、これに限らない。例えば、メインアンテナ33の使用周波数帯と、テレビ受信アンテナ30又はGPS受信アンテナ42のいずれかの使用周波数帯に対応したアンテナを用いて、2つのアンテナにより構成してもよい。また、メインアンテナ33、テレビ受信アンテナ30、及びGPS受信アンテナ42のいずれにも対応する1つのアンテナにより構成してもよい。
【0038】
ここで、GPS情報とは、例えば携帯電話機1の位置情報である。携帯電話機1の位置情報は、GPS受信部39によって複数のGPS衛星から受信された電波から電波の伝播時間と衛星の軌道情報が取得される。そして、走行情報取得部38により、これらの情報に基づいてGPS衛星からの距離とGPS衛星の位置が把握され、携帯電話機1の位置情報が取得される。
【0039】
加速度センサ40は、携帯電話機1に加わる加速度、すなわち車両に加わる加速度を検出し、検出結果を制御部36に出力する。
加速度センサ40は、例えばX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の加速度を検出する3軸(3次元)タイプであって、携帯電話機1の外部から加わった力(F)と携帯電話機1の質量(m)に基づいて、加速度(a)を測定する(加速度(a)=力(F)/質量(m))。なお、加速度センサ40は、車両の加速度を検出可能であればよく、上述の3軸タイプに限らず、1軸(1次元)タイプ、2軸(2次元)タイプの加速度センサを用いてもよい。
【0040】
また、加速度センサ40は、例えば、圧電素子によって携帯電話機1に加わる力を計測して軸ごとの加速度を求め、数値データ化してバッファリングする。そして、制御部36は、周期的にバッファリングされた加速度データを読み出す。なお、加速度センサ40は、圧電素子(圧電式)に限らず、ピエゾ抵抗型、静電容量型、熱検知型等によるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)式や、可動コイルを動かしてフィードバック電流によってもとに戻すサーボ式や、加速度によって生じる歪を歪ゲージによって測定する歪ゲージ式等により構成されてもよい。
【0041】
判定部41は、加速度センサ40により検出される加速度やGPS回路部43から供給されるGPS情報に基づいて、車両が走行状態であるか否かを判定する。
ここで、車両が自動車であるか電車であるか等を判定する手段としては、例えば携帯電話機1をドライブモードにすることにより判定する、GPS受信部39により受信されるGPS情報に基づく位置情報から判定する、加速度センサ40により検出される加速度のパターンから判定する等が挙げられる。
【0042】
ここで、チューナ部31及びデコーダ部32に関する制御部36の動作について説明する。制御部36は、車両が走行している走行状態にあるとの走行情報を、走行情報取得部38から取得している間、チューナ部31の起動を間欠的に行うように制御すると共に、チューナ部31により受信された放送波のデコーダ部32による復号を停止するように制御する。
【0043】
そして、制御部36は、走行情報取得部38により車両が停止している停止状態であるとの走行情報が取得されている間、チューナ部31を起動するように制御すると共に、チューナ部31により受信された放送波のデコーダ部32によるデコードを開始するように制御する。
【0044】
このように、制御部36は、車両が走行している間は、チューナ部31の起動を間欠的に行うため、チューナ部31の起動している間は、チューナ部31により放送波を受信し、復調させることができる。このため、車両が停止したときに、制御部36は、デコーダ部32を起動して、デコーダ部32により既にチューナ部31により復調された放送波をデコードさせ、デコーダ部32により生成された表示情報を表示部21に表示させることができる。したがって、携帯電話機1は、車両が停止してからテレビ放送波に基づく表示情報を表示部21に表示するまでの時間を短縮することができる。
【0045】
また、制御部36は、車両が走行している間は、チューナ部31の起動を間欠的に行う。したがって、携帯電話機1は、チューナ部31を起動した状態のまま維持した場合に比して、チューナ部31の消費電力を低減することができる。
【0046】
判定部41は、加速度センサ40により検出された加速度に基づいて、例えば車両の速度を検出し、検出した車両の速度から車両が走行状態であるか停止状態であるかを判定する。
【0047】
このように、判定部41は、加速度センサ40により検出される加速度に基づいて、車両の走行状態を判定するため、外部から車両の走行状態に関する情報を得なくともよい。
【0048】
また、判定部41は、GPS情報に基づいて、例えば車両の速度を検出し、検出した車両の速度から車両が走行状態であるか停止状態であるかを判定する。
【0049】
このように、判定部41は、GPS情報に基づいて、車両の走行状態を判定するため、外部から車両の走行状態に関する情報を得なくともよい。
【0050】
また、制御部36は、走行情報取得部38により取得される走行情報に基づいて、チューナ部31の起動している時間を変更するように制御してもよい。具体的には、例えば走行状態が継続し、停車状態になる可能性が低い場合には、走行状態であるが停車状態になる可能性が高い場合よりもチューナ部31の起動している時間を短くなるように変更する。
【0051】
これにより、走行状態が継続し、停車状態になる可能性が低い場合と、走行状態であるが停車状態になる可能性が高い場合とでは、チューナ部31の起動している時間を変更することができるため、チューナ部31の起動に必要となる電力の低減を図ることができる。
【0052】
このとき、走行情報取得部38は、走行情報として、車両の速度情報を取得する。そして、制御部36は、走行情報取得部38により取得される車両の速度が所定の閾値を超える場合には、車両の速度が所定の閾値を超えない場合に比較して、チューナ部31の起動している時間を短く変更するように制御する。走行情報としての車両の速度は、GPS受信部39により受信されるGPS情報、又は/及び加速度センサ40により検出される加速度に基づいて、走行情報取得部38により算出される。
【0053】
これにより、制御部36は、走行状態が継続し、停車状態になる可能性が低い場合には、チューナ部31の起動している時間を短くするため、チューナ部31の起動に必要となる電力の低減を図ることができる。
【0054】
走行情報取得部38は、走行情報として、車両の加速度情報を車両の進行方向を基準として取得する。そして、制御部36は、走行情報として取得された車両の加速度の方向が車両の進行方向である場合には、車両の加速度の方向が車両の進行方向と反対方向である場合に比較して、チューナ部31の起動している時間を短く変更するように制御してもよい。
【0055】
これにより、制御部36は、走行状態が継続し、停車状態になる可能性が低い場合には、チューナ部31の起動している時間を短くするため、チューナ部31の起動に必要となる電力の低減を図ることができる。
【0056】
図3は、本実施形態の携帯電話機1のチューナ部31及びデコーダ部32に関する処理の流れについて示すフローチャートである。
【0057】
ステップS1において、制御部36は、ユーザによる操作ボタン群11の操作に応じてテレビ視聴要求を受け付ける。
ステップS2において、制御部36は、チューナ部31の初期設定を行う。具体的には、例えばチューナ部31の電源をオン状態にして、チューナ部31の初期化等を行う。
【0058】
ステップS3において、制御部36は、デコーダ部32の初期設定を行う。具体的には、例えばデコーダ部32の電源をオン状態にして、デコーダ部32の初期化等を行う。
ステップS4において、制御部36は、チューナ部31の動作設定を行う。ここで、チューナ部31の動作設定とは、テレビ受信アンテナ30による受信される放送波の受信レベルの検知や感度設定等である。これにより、チューナ部31は、テレビ受信アンテナ30により受信された放送波を復調することが可能になる。
【0059】
ステップS5において、制御部36は、デコーダ部32の動作設定を行う。これにより、デコーダ部32は、チューナ部31から供給される信号を復号することが可能になる。
ステップS6において、走行情報取得部38は、走行情報取得処理を実行し、車両の走行情報を検出する。
【0060】
ステップS7において、走行情報取得部38は、車両の走行情報から車両が停止状態であるか否かを判定する。車両が停止状態である場合(Yes)には、ステップS8へ移る。一方、車両が停止状態でない場合(No)には、ステップS12へ移る。
ステップS8において、制御部36は、デコーダ部32により復号された表示情報に基づく画像を表示部21により表示させ、音声情報を音声出力部22に出力させる。
ステップS9において、制御部36は、ユーザによる操作ボタン群11の操作に応じたテレビ視聴を停止する要求があるか否かを判定する。テレビ視聴を停止する要求がある場合(Yes)には、ステップS10へ移る。一方、テレビ視聴を停止する要求がない場合(No)には、ステップS6へ移る。
【0061】
ステップS10において、制御部36は、デコーダ部32の停止設定を行う。具体的には、例えばデコーダ部32の電源をオフ状態にする。
ステップS11において、制御部36は、チューナ部31の停止設定を行う。例えばチューナ部31の電源をオフ状態にし、本フローチャートの処理を終了する。
【0062】
ステップS12において、制御部36は、デコーダ部32の休止設定を行う。デコーダ部32の休止設定とは、デコーダ部32の電源はオン状態にしたまま、デコード処理を行わない状態にすることをいう。
【0063】
ステップS13において、制御部36は、チューナ部31の間欠制御処理を実行し、本フローチャートの処理を終了する。
【0064】
図4は、GPS受信部39により受信されるGPS情報に基づく走行情報取得処理の流れについて示すフローチャートである。
ステップS21において、GPS受信部39は、GPS情報を受信する。
【0065】
ステップS22において、GPS受信部39は、ステップS21において受信したGPS情報に基づいて、一定時間ごとに携帯電話機1の位置情報、すなわち車両の位置情報を取得する。
【0066】
ステップS23において、判定部41は、ステップS22において新規に取得された位置情報と前回に取得された位置情報とに差分があるか否かを判定する。新規に取得された位置情報と前回に取得された位置情報とに差分がある場合(Yes)には、ステップS25へ移る。一方、新規に取得された位置情報と前回に取得された位置情報とに差分がない場合(No)には、ステップS24へ移る。
【0067】
ステップS24において、判定部41は、ステップS23において新規に取得された位置情報と前回に取得された位置情報とに差分がないため、車両が停止状態であると判断し、制御部36に車両が停止状態であることを通知し、本フローチャートの処理を終了する。
【0068】
ステップS25において、判定部41は、ステップS23において新規に取得された位置情報と前回に取得された位置情報とに差分があるため、差分と位置情報を取得する時間(ステップS22における一定時間)とに基づいて、車両の速度を求める。
【0069】
ステップS26において、判定部41は、前回に取得された位置情報を更新する。そして、ステップS27において、判定部41は、ステップS23において新規に取得された位置情報と前回に取得された位置情報とに差分があるため、車両が停止状態であると判断し、制御部36に車両が停止状態であることを通知し、本フローチャートの処理を終了する。
【0070】
このように、判定部41は、GPS情報に基づいて、車両の速度を検出し、検出した車両の速度から車両が走行状態であるか停止状態であるかを判定することができる。
【0071】
図5は、加速度センサ40により検出される加速度に基づく走行情報取得処理の流れについて示すフローチャートである。
【0072】
ステップS31において、加速度センサ40は、一定時間ごとに携帯電話機1に加わる加速度、すなわち車両の加速度を検出する。
ステップS32において、判定部41は、ステップS31において検出された加速度の値が0であるか否か判定する。加速度の値が0である場合(Yes)には、ステップS34へ移る。一方、加速度の値が0でない場合(No)には、ステップS35へ移る。
【0073】
ステップS33において、判定部41は、ステップS31において検出された加速度に基づいて、携帯電話機1に加わる速度、すなわち車両の速度を算出する。
【0074】
ステップS34において、判定部41は、ステップS33において算出した車両の速度の値が0であるか否か判定する。車両の速度の値が0である場合(Yes)には、ステップS35へ移る。一方、車両の速度の値が0である場合(No)には、ステップS36へ移る。
【0075】
ステップS35において、判定部41は、ステップS34において算出された車両の速度が0であるため、車両が停止状態であると判断し、制御部36に車両が停止状態であることを通知し、本フローチャートの処理を終了する。
【0076】
ステップS36において、判定部41は、ステップS31において検出された加速度に基づいて、携帯電話機1に加わる速度、すなわち車両の速度を算出する。
【0077】
ステップS37において、判定部41は、前回に算出された車両の速度をステップS36において算出された車両の速度に更新する。そして、ステップS38において、判定部41は、ステップS33又はステップS36において算出された車両の速度が0でないため、車両が走行状態であると判断し、制御部36に車両が走行状態であることを通知して、本フローチャートの処理を終了する。
【0078】
このように、判定部41は、加速度センサ40により検出された加速度に基づいて、車両の速度を検出し、検出した車両の速度から車両が走行状態であるか停止状態であるかを判定することができる。
【0079】
図6は、加速度センサ40により検出される加速度と車両の速度との関係を示す図である。図6(a)は、加速度センサ40により検出される加速度の大きさ及び方向を示すグラフであり、図6(b)は、加速度センサ40により検出される加速度に基づいて算出される車両の速度について示すグラフである。
【0080】
図6(a)のグラフにおいて、縦軸は加速度の方向であり、横軸は時間である。図6(b)のグラフにおいて、縦軸は、車両の速度であり、横軸は、時間である。なお、図6(a)のグラフにおいて、加速度の正の方向は、車両の進行方向であり、加速度の負の方向は、車両の進行方向と反対の方向である。
【0081】
図6(a)及び(b)に示すように、判定部41は、加速度センサ40により加速度が正の方向に連続して検出される場合には、検出された加速度が順次積算され、車両が車両の進行方向に加速していると判定する。このとき、制御部36は、チューナ部31の起動している時間を短くなるように制御する。
【0082】
また、判定部41は、加速度センサ40により加速度が負の方向に連続して検出される場合には、検出された加速度が順次積算され、車両が車両の進行方向と反対方向に加速している、すなわち車両が減速していると判定する。このとき、制御部36は、チューナ部31の起動している時間が長くなるように制御する。
【0083】
なお、上述した実施形態では、車両の走行情報を取得するためにGPS受信部39又は加速度センサ40のいずれかを用いたがこれに限らず、GPS受信部39及び加速度センサ40の両方を用いて車両の走行情報を取得してもよい。このとき、判定部41は、GPS受信部39により受信されるGPS情報から携帯電話機1、すなわち車両の位置情報の変化が無く、且つ、加速度センサ40により検出される加速度が0である場合には、車両が停止状態であると判定し、それ以外の場合には、車両が走行状態であると判定する。
【0084】
次に、図7を参照しながらチューナ部31の間欠制御処理について説明する。図7は、チューナ部31の間欠制御処理を示すフローチャートである。
【0085】
ステップS41において、制御部36は、走行情報取得部38により取得された走行情報に基づいて、車両が走行状態であるか否かを判定する。車両が走行状態である場合(Yes)には、ステップS42へ移る。一方、車両が走行状態でない場合、すなわち車両が停止状態である場合(No)には、本フローチャートの処理を終了する。
【0086】
ステップS42において、制御部36は、チューナ部31が起動しているか否かを判定する。チューナ部31が起動している場合(Yes)には、ステップS43へ移る。一方、チューナ部31が起動していない場合(No)には、ステップS51へ移る。
【0087】
ステップS43において、制御部36は、走行情報取得部38により取得される車両の速度が閾値S1より遅いか否かを判定する。車両の速度が閾値S1より遅い場合(Yes)には、ステップS44へ移る。一方、車両の速度が閾値S1より速い場合(No)には、ステップS45へ移る。
【0088】
ステップS44において、制御部36は、タイマ部35に対してタイマ値T1を指定するように制御する。
【0089】
ステップS45において、制御部36は、走行情報取得部38により取得される車両の速度が閾値S1より速く、閾値S2より遅いか否かを判定する。車両の速度が閾値S1より速く、閾値S2より遅い場合(Yes)には、ステップS46へ移る。一方、車両の速度が閾値S1より速く、閾値S2よりも速い場合(No)には、ステップS47へ移る。
【0090】
ステップS46において、制御部36は、タイマ部35に対してタイマ値T2を指定するように制御する。
ステップS47において、制御部36は、タイマ部35に対してタイマ値T3を指定するように制御する。
【0091】
ステップS48において、制御部36は、ステップS44、ステップS46及びステップS47において指定されたタイマ値(T1、T2、T3)をそれぞれタイマ部35に対して設定し、タイマ部35は、設定されたタイマ値のカウントを開始する。また、制御部36は、チューナ部31の起動をタイマ値T1〜T3に応じて、間欠的に行うように制御する。なお、例えばT1、T2、T3は、T1>T2>T3である。
【0092】
ステップS49において、制御部36は、タイマ部35から設定されたタイマ値のカウントが終了し、タイムアウトしたことを受け付ける。そして、ステップS50において、制御部36は、チューナ部31を停止させるように制御し、再びステップS41へ戻る。
【0093】
ステップS51において、制御部36は、タイマ部35に対してタイマ値T4を指定するように制御する。
ステップS52において、制御部36は、ステップS51において指定されたタイマ値T4をタイマ部35に対して設定し、タイマ部35は、設定されたタイマ値T4のカウントを開始する。
【0094】
ステップS53において、制御部36は、タイマ部35から設定されたタイマ値T4のカウントが終了し、タイムアウトしたことを受け付ける。そして、ステップS54において、制御部36は、チューナ部31を起動させるように制御し、再びステップS41へ戻る。
【0095】
このように、制御部36は、タイマ値T1〜T3に応じてチューナ部31を起動させ、タイマ値T4に応じてチューナ部31を停止させる。したがって、制御部36は、車両の速度に応じてタイマ値T1〜T3を変更するため、車両の速度に応じたチューナ部31の間欠的な起動を行うことができる。
なお、上述した図7のフローチャートでは、チューナ部31を停止させるときのタイマ値はT4のみであったが、これに限らず、チューナ部31を起動させるときのタイマ値T1〜T3のように車両の速度に応じたタイマ値に変更してもよい。
【0096】
次に、図8を参照しながらチューナ部31の間欠制御処理について更に説明する。図8は、車両の速度に基づく、チューナ部31の起動動作、デコーダ部32の起動動作、及びチューナ部31の間欠制御について示すタイミングチャートである。
【0097】
ここで、図8では、チューナ部31の起動している状態をON、停止している状態をOFFと表し、デコーダ部32の起動している状態をON、停止している状態をOFFと表す。また、チューナ部31の間欠制御を行う時間をTM1〜TM6で表し、タイマ部35に設定されるタイマ値をT1〜T3と表す。タイマ値T1〜T3は、図8で説明したタイマ値T1〜T3に対応する。
【0098】
まず、車両の速度が0の場合、すなわち車両が停止状態である場合において、制御部36は、チューナ部31を起動させ、デコーダ部32も起動させる。これにより、車両の停止状態では、放送波をチューナ部31により復調し、デコーダ部32によりデコードすることができる。
【0099】
次に、車両の速度が閾値S1より遅い場合(時間TM1〜TM2)において、制御部36は、チューナ部31の起動をタイマ値T1に応じて、間欠的に行うように制御する。また、制御部36は、デコーダ部32を停止させ、再び車両が走行状態になるまで停止させるように制御する。
【0100】
車両の速度が閾値S1より速く、閾値S2より遅い場合(時間TM2〜TM3)において、制御部36は、チューナ部31の起動をタイマ値T2に応じて、間欠的に行うように制御する。このとき、制御部36は、時間TM2〜TM3においてチューナ部31が起動してから停止するまでの期間及び停止してから起動するまでの期間を、時間TM1〜TM2においてチューナ部31が起動してから停止するまでの期間及び停止してから起動するまでの期間よりも短い期間に変更するように制御する。
【0101】
車両の速度が閾値S2より速い場合(時間TM3〜TM4)において、制御部36は、チューナ部31の起動をタイマ値T3に応じて、間欠的に行うように制御する。このとき、制御部36は、チューナ部31が起動してから停止するまでの期間及び停止してから起動するまでの期間を、時間TM2〜TM3においてチューナ部31が起動してから停止するまでの期間及び停止してから起動するまでの期間よりも短い期間に変更するように制御する。
【0102】
車両の速度が閾値S2より遅く、S1より速い場合(時間TM4〜TM5)において、制御部36は、チューナ部31の起動をタイマ値T2に応じて、間欠的に行うように制御する。このとき、制御部36は、チューナ部31が起動してから停止するまでの期間及び停止してから起動するまでの期間を、時間TM3〜TM4においてチューナ部31が起動してから停止するまでの期間及び停止してから起動するまでの期間よりも長い期間に変更するように制御する。
【0103】
車両の速度が閾値S1より遅い場合(時間TM5〜TM6)において、制御部36は、チューナ部31の起動をタイマ値T1に応じて、間欠的に行うように制御する。このとき、制御部36は、チューナ部31が起動してから停止するまでの期間及び停止してから起動するまでの期間を、時間TM4〜TM5においてチューナ部31が起動してから停止するまでの期間及び停止してから起動するまでの期間よりも長い期間に変更するように制御する。
【0104】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、携帯電話機1は、GPS受信部39及び加速度センサ40により車両の走行情報を取得したがこれに限らず、車両から直接的にその走行情報を取得し、取得した走行情報に基づいて、制御部36によりチューナ部31の起動を間欠的に行うように制御し、且つ、デコーダ部32のデコードを停止するように制御してもよい。
【0105】
なお、上述した実施形態においては、携帯電話機1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、PHS(登録商標:Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、例えばノートパソコン等の携帯型パーソナルコンピュータ等であってもよい。
【0106】
また、上述した実施形態では、制御部36は、走行情報取得部38により取得される走行情報に基づいて、チューナ部31の起動している時間を変更するように制御したが、これに限らない。
【0107】
例えば、制御部36は、走行情報取得部38により取得される走行情報に基づいて、チューナ部31を起動させる回数を変更するように制御してもよい。
【0108】
具体的には、例えば走行状態が継続し、停車状態になる可能性が低い場合には、走行状態であるが停車状態になる可能性が高い場合よりもチューナ部31を起動させる回数を少なく変更するように制御する。
【0109】
これにより、走行状態が継続し、停車状態になる可能性が低い場合と、走行状態であるが停車状態になる可能性が高い場合とでは、チューナ部31を起動させる時間を変更することができるため、チューナ部31の起動に必要となる電力の低減を図ることができる。
【0110】
このとき、走行情報取得部38は、走行情報として、車両の速度情報を取得する。そして、制御部36は、走行情報取得部38により取得される車両の速度が所定の閾値を超える場合には、車両の速度が所定の閾値を超えない場合に比較して、チューナ部31の起動している回数を少なく変更するように制御する。走行情報としての車両の速度は、GPS受信部39により受信されるGPS情報、又は/及び加速度センサ40により検出される加速度に基づいて、走行情報取得部38により算出される。
【0111】
これにより、制御部36は、走行状態が継続し、停車状態になる可能性が低い場合には、チューナ部31を起動させる回数を少なくするため、チューナ部31の起動に必要となる電力の低減を図ることができる。
【0112】
また、走行情報取得部38は、走行情報としての車両の加速度情報を、車両の進行方向を基準として取得する。そして、制御部36は、走行情報として取得された車両の加速度の方向が車両の進行方向である場合には、車両の加速度の方向が車両の進行方向と反対方向である場合に比較して、チューナ部31を起動させる回数を少なく変更するように制御してもよい。
【0113】
これにより、制御部36は、走行状態が継続し、停車状態になる可能性が低い場合には、チューナ部31を起動させる回数を少なく変更するため、チューナ部31の起動に必要となる電力の低減を図ることができる。
【0114】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下、第2実施形態における携帯電話機1について第1実施形態における携帯電話機1と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成及び動作については説明を簡略又は省略する。
【0115】
図9は、携帯電話機1及び車両100の機能を示す機能ブロック図である。図9に示すように、携帯電話機1は、操作ボタン群11と、表示部21と、音声出力部22と、テレビ受信アンテナ30と、チューナ部31と、デコーダ部32と、メインアンテナ33と、RF回路部34と、タイマ部35と、制御部36と、メモリ37と、走行情報受信アンテナ50と、走行情報取得部51とを備える。また、車両100は、走行情報取得部101と、走行情報送信部102と、走行情報送信アンテナ103とを備える。
【0116】
操作ボタン群11、表示部21、音声出力部22、テレビ受信アンテナ30、チューナ部31、デコーダ部32、メインアンテナ33、RF回路部34、タイマ部35、制御部36、及びメモリ37については、第1実施形態と同様の構成であり、動作及び機能も同様であるため説明を省略する。
【0117】
走行情報受信アンテナ50は、車両100の走行情報送信アンテナ103から送信された走行情報を含む信号を受信する。
【0118】
走行情報取得部51は、走行情報受信アンテナ50により受信された信号を復調処理し、処理後の信号を制御部36に供給する。
【0119】
走行情報取得部101は、例えば、車両100のエンジンの始動信号や速度信号等を車両100の走行情報として取得する。
【0120】
そして、走行情報送信部102は、走行情報取得部101により取得された走行情報に変調処理等を行い、走行情報送信アンテナ103を介して携帯電話機1へ送信する。
【0121】
このように、本実施形態の携帯電話機1によれば、走行情報取得部51は、車両100から走行情報を取得することができるため、より高い精度の走行情報を取得することができる。
そして、走行情報の取得のタイミングを所定の周期、例えば数秒〜数十秒の周期毎に設定してもよいが、以下に述べる様に設定してもよい。
【0122】
以下、図10を参照しながら本実施形態に係る走行情報取得部51の処理の一例について説明する。図10は、車両100からの走行情報に基づく、走行情報送信部102の動作、及び走行情報取得部51の動作について示すタイミングチャートである。
【0123】
ここで、図10では、走行情報送信部102が携帯電話機1へ走行情報を送信している状態をON、送信を停止している状態をOFFと表し、走行情報取得部51が走行情報送信部102から送信された走行情報を受信している状態をON、受信を停止している状態をOFFと表す。また、受信間隔T11、T12、T13は、それぞれ走行情報取得部51が走行情報の受信を停止してから、走行情報の受信を開始するまでの期間である。
【0124】
まず、車両100の停車中には、走行情報取得部51は、受信間隔T11で走行情報送信部102から送信された全ての走行情報を受信する。
【0125】
次に、車両100が走行を開始し、車両100の速度が閾値S11より遅い場合においても、走行情報取得部51は、受信間隔T11で走行情報送信部102から送信された全ての走行情報を受信する。
【0126】
車両100が加速して、車両100の速度が閾値S11より速く、閾値S12よりも遅い場合において、走行情報取得部51は、受信間隔T11よりも長い受信間隔T12で走行情報送信部102から送信された走行情報を受信する。このため、受信間隔T12では、走行情報取得部51は、走行情報送信部102から走行情報を受信する回数が受信間隔T11よりも減少する。
【0127】
車両100がさらに加速して、車両100の速度が閾値S12より速い場合において、走行情報取得部51は、受信間隔T12よりも長い受信間隔T13で走行情報送信部102から送信された走行情報を受信する。このため、受信間隔T13では、走行情報取得部51は、走行情報送信部102から走行情報を受信する回数が受信間隔T12よりも減少する。
【0128】
また、車両100が減速して、車両100の速度が閾値S11より速く、閾値S12よりも遅い場合において、走行情報取得部51は、受信間隔T13よりも短い受信間隔T12で走行情報送信部102から送信された走行情報を受信する。このため、受信間隔T12では、走行情報取得部51は、走行情報送信部102から走行情報を受信する回数が受信間隔T13よりも増加する。
【0129】
車両100がさらに減速して、車両100の速度が閾値S11より遅い場合において、走行情報取得部51は、受信間隔T12よりも短い受信間隔T11で走行情報送信部102から送信された走行情報を受信する。このため、受信間隔T11では、走行情報取得部51は、走行情報送信部102から走行情報を受信する回数が受信間隔T13よりも増加する。
【0130】
このように本実施形態の携帯電話機1によれば、車両100が加速し、停車状態になる可能性が低い場合には、走行情報取得部51は、車両100から走行情報を受信する回数が減少するため、走行情報取得部51による走行情報の受信に必要となる電力の低減を図ることができる。
【0131】
また、車両100が減速し、停車状態になる可能性が高い場合には、走行情報取得部51が車両100から走行情報を受信する回数が増加するため、走行情報取得部51による走行情報の受信を確実に行うことができる。
【0132】
ここで、本発明に係る車両100の構成について図11を参照しながら説明する。図11に示すように、車両100のインパネ104には、少なくとも台座部105、電力供給部106、及び走行情報送信アンテナ103が設けられている。
【0133】
台座部105は、インパネ104の中央に設けられ、本発明に係る携帯電話機1を搭載することができる。車両100のドライバーは、台座部105に搭載された携帯電話機1の表示部21に表示される画像を視認することができる。
【0134】
電力供給部106は、携帯電話機1に電力を供給するための給電端子が設けられている。なお、電力供給部106は台座部105に設けられているが、これに限らず、例えばシガーソケットから電力を供給するように構成されていてもよい。
【0135】
走行情報送信アンテナ103は、図9に示したように無線通信により携帯電話機1に走行情報を送信する。
【0136】
このように本実施形態の車両100によれば、台座部105を設けたため、携帯電話機1の位置が安定し、携帯電話機1に表示される画像をドライバーが視認しやすくなる。また、電力供給部106を設けたため、車両100の走行中においても携帯電話機1に電力を供給することができる。
【0137】
以上、本発明の第2実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、走行情報の取得のタイミングを一定周期毎や、図10に示したタイミングチャートに伴い行うものとしたが、走行情報の基本情報(速度、加速度等)が一定の閾値以上変化した場合に取得するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本実施形態の携帯電話機の一例である携帯電話機1の外観斜視図である。
【図2】第1実施形態の携帯電話機の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】第1実施形態の携帯電話機のチューナ部及びデコーダ部に関する処理の流れについて示すフローチャートである。
【図4】GPS受信部により受信されるGPS情報に基づく走行情報検出処理の流れについて示すフローチャートである。
【図5】加速度センサにより検出される加速度に基づく走行情報検出処理の流れについて示すフローチャートである。
【図6】加速度センサにより検出される加速度と車両の速度との関係を示す図である。
【図7】チューナ部の間欠制御処理を示すフローチャートである。
【図8】車両の速度に基づく、チューナ部の起動動作、デコーダ部の起動動作、及びチューナ部の間欠制御について示すタイミングチャートである。
【図9】第2実施形態の携帯電話機及び車両の機能を示す機能ブロック図である。
【図10】車両からの走行情報に基づく、走行情報送信部の動作、及び走行情報取得部の動作について示すタイミングチャートである。
【図11】本発明に係る車両の構成について示す模式図である。
【符号の説明】
【0139】
1 携帯電話機
11 操作ボタン群
21 表示部
22 音声出力部
30 テレビ受信アンテナ
31 チューナ部
32 デコーダ部
33 メインアンテナ
34 RF回路部
35 タイマ部
36 制御部
37 メモリ
38 走行情報取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波を受信するチューナ部と、
前記チューナ部により受信された放送波を復号して表示情報を生成するデコーダ部と、
前記デコーダ部により生成される表示情報に基づいて画像を表示する表示部と、
車両の走行情報を取得する走行情報取得部と、
前記走行情報取得部により取得される前記走行情報に基づいて、少なくとも前記チューナ部と前記デコーダ部とを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記車両が走行している走行状態にあるとの走行情報を、前記走行情報取得部から取得している間、前記チューナ部の起動を間欠的に行うように制御すると共に、前記チューナ部により受信された放送波の前記デコーダ部による復号を停止するように制御することを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記走行情報取得部により取得される前記走行情報に基づいて、前記チューナ部の起動している時間を変更するように制御することを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記走行情報取得部は、前記走行情報として、前記車両の速度に関する情報を取得し、
前記制御部は、前記走行情報取得部により取得される前記車両の速度が所定の閾値を超える場合には、前記車両の速度が前記所定の閾値を超えない場合に比較して、前記チューナ部の起動している時間を短く変更するように制御することを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記走行情報取得部は、前記走行情報として、前記車両の加速度を当該車両の進行方向を基準として取得し、
前記制御部は、前記走行情報として取得された前記車両の加速度の方向が前記車両の進行方向である場合には、前記車両の加速度の方向が前記車両の進行方向と反対方向である場合に比較して、前記チューナ部の起動している時間を短く変更するように制御することを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記走行情報取得部により取得される前記走行情報に基づいて、前記チューナ部を起動させる回数を変更するように制御することを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記走行情報取得部は、前記走行情報として、前記車両の速度に関する情報を取得し、
前記制御部は、前記走行情報取得部により取得される前記車両の速度が所定の閾値を超える場合には、前記車両の速度が前記所定の閾値を超えない場合に比較して、前記チューナ部を起動させる回数を少なく変更するように制御することを特徴とする請求項5に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記走行情報取得部は、前記走行情報として、前記車両の加速度を当該車両の進行方向を基準として取得し、
前記制御部は、前記走行情報として取得された前記車両の加速度の方向が前記車両の進行方向である場合には、前記車両の加速度の方向が前記車両の進行方向と反対方向である場合に比較して、前記チューナ部を起動させる回数を少なく変更するように制御することを特徴とする請求項5に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記走行情報取得部は、
加速度を検出する加速度センサと、
前記加速度センサにより検出される加速度に基づいて、前記車両が走行状態であるか否かを判定する判定部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記走行情報取得部は、
GPS情報を受信するGPS受信部と、
前記GPS受信部により受信されたGPS情報に基づいて、前記車両が走行状態であるか否かを判定する判定部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記走行情報取得部は、前記車両から送信される走行情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項11】
請求項10に記載の携帯電子機器を搭載するための台座部と、
前記携帯電子機器に電力を供給するための電力供給部と、
前記携帯電子機器に前記走行情報を送信する送信部とを少なくとも備えたことを特徴とする車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−81565(P2010−81565A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278383(P2008−278383)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】