携帯電子装置の2つのパーツ間に接続される可撓性伝導体
本発明は、携帯電子装置であって、電気回路を含み、外部側面、内部側面(24)、底面とを有する第1のパーツと、同じく電気回路を含み、同じく外部側面と、内部側面(22)と、底面とを有する第2のパーツと、第1のパーツと第2のパーツの前記底面を相互に接続し、一方のパーツを他方のパーツに対して回転可能にする、少なくとも1つのヒンジ(36)と、第1のパーツの底面に隣接する前記外部側面で第1のパーツに、第2のパーツの底面に隣接する前記内部側面(22)で第2のパーツに接続された可撓性導電体の少なくとも1つの第1のセット(32)とを備える携帯電子装置の提供を目的とする。第1のパーツはまた、前記内部側面にレンズを有するカメラを備えてもよく、第2のパーツは前記内部側面にディスプレイ(28)を備えてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電子装置の分野に関し、より詳しくは、相互の周りを回転可能な装置の2つのパーツ間における電気接続と、そのような回転可能な装置における撮像部及び表示部の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
装置を小さくすると同時に、一方では使用中に2倍の大きさになるように、相互に回転可能に接続された2つのパーツによる電気回路を装置に提供するということは、携帯電子装置の分野においてますます普及しつつある。携帯電話の分野には、しばしば折畳式の電話(clamshell phone)と呼ばれる多数の電話が存在し、この語は、電話が開かれているときの様子を描写している。これらの装置の中には、装置の半分又は蓋がディスプレイを備える一方、他の半分又は主要部がデータや電話番号を入力するためのキーパッドを備えるものがある。2つの半分ずつのパーツを相互に電気的に接続するために、接続リード線(connecting leads)を備える可撓性フィルム(flex film)が提供される。可撓性フィルムは、一つの公知の例によれば、一方の半分の中央から他方の半分の中央に備えられ、その可撓性フィルムはヒンジ内の円形のループに備えられるので、そのフィルムを見ることはできない。この種の構造を備える電話モデルの1つに、日本でNTTドコモによって販売されているモデルP2102V Fomaがある。
【0003】
可撓性フィルムを備える他の装置が、米国特許第6,307,751号に開示されている。この文書は、折畳式の携帯コンピュータであって、一方の折畳部にディスプレイを、他方の折畳部にCPUを備えるものを記載している。可撓性フィルムは、装置内部とヒンジ内でコンピュータの異なるパーツ間を電気的に接続させるために備えられる。
【0004】
それぞれのパーツが相互に対して約360度回転できる、すなわち、装置の2つのパーツの内側及び外側が、ユーザの手に持ちやすいようにお互いに対向して備わるような、携帯電子装置を提供することがしばしば望まれる。このことは、電話モデルP2102V Fomaに可撓性フィルムによる手法を提供しても、不可能である。米国特許第6,307,751号における手法を採用すると、可撓性フィルムに多大な負担がかかる。
【0005】
米国特許第4,878,293号は、折畳式の構造を備える計算機を説明しており、第1のパーツは第2のパーツに対して360度近く回転することができる。その装置は、主に2つのパーツの2つの長辺側の長さのほとんどの部分に沿って備えられるヒンジを備え、2つのパーツを相互に接続する可撓性伝導体が、一方のパーツの内部から他方のパーツの内部へヒンジの内部を介して提供される。伝導体はここで、ヒンジ長のほとんどの部分に沿って提供され、計算機の一方のパーツが他方に対して回転されると、伝導体は回転運動のためにねじりの圧力を受ける。説明されている装置においてはこのことはたいした問題ではない。なぜなら、計算機はヒンジが設けられる長辺を備えるからである。この手法はしかし、ヒンジが短かったり、ヒンジの側面が短かったりする場合はあまり使用に適さない。なぜなら、ねじりの圧力はあまりに大きくなり、結果としておそらく可撓性フィルムを破壊するからである。
【0006】
それゆえ、携帯電子装置の2つのパーツ間で、約360度回転可能で、電気接点の負担を減らす、電気接点を提供する他の手法を提供することが要求される。
【特許文献1】米国特許第6307751号明細書
【特許文献2】米国特許第4878293号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はそれゆえ、相互に対して回転可能な携帯電子装置の2つのパーツ間の電気接点であって、電気接点にかかる負担を減らし、携帯通信装置においてほとんど場所を取らないものを提供する代替方法を提供することにより課題を解決することを目的とする。
【0008】
本発明の1つの目的はそれゆえ、相互に対して回転可能な2つのパーツ間の電気接点であって、特に大きな回転角度における負担を制限し、電気接点が装置内でほとんど場所を取らないものを提供する携帯電子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の特徴によれば、これらの目的は、次の携帯電子装置によって達成される。携帯電子装置(10)であって、電気回路を含み、外部側面(30)、内部側面(24)、及び上面及び底面(20)を有する第1のパーツ(12)と、電気回路を含み、外部側面(16)、内部側面(22)、及び上面及び底面(18)を有する第2のパーツ(14)と、前記第1のパーツと前記第2のパーツの前記底面を相互に接続し、一方のパーツを他方のパーツに対して回転可能にする、少なくとも1つのヒンジ(36)と、前記第1のパーツの前記底面(20)に隣接する前記外部側面(30)で前記第1のパーツ(12)に、そして、前記第2のパーツの前記底面(18)に隣接する前記内部側面(22)で前記第2のパーツ(14)に接続された可撓性導電体の少なくとも1つの第1のセット(32、34)と、を備えることを特徴とする携帯電子装置(10)。
【0010】
本発明の第2の特徴は第1の特徴を含み、前記ヒンジは、一方のパーツを他方のパーツに対して約360度回転可能にする。
【0011】
本発明の第3の特徴は第1の特徴を含み、前記第1のセットの導電体(32)は、前記装置が折畳まれているとき、前記第1のパーツ(12)の前記底面(20)の周りに伸長する。
【0012】
本発明の第4の特徴は第3の特徴を含み、前記第1のセットの可撓性導電体(32)は、一方のパーツが他方のパーツに対して約360度回転しているときは、前記第2のパーツ(14)の前記底面(18)の周りに伸長する。
【0013】
本発明の第5の特徴は第1の特徴を含み、前記セットの導電体は、前記両方の底面に対して基本的に直角に備えられる。
【0014】
本発明の他の目的は、欠陥があるときに交換が容易な可撓性導電体のセットを提供することである。
【0015】
この目的は、本発明の第1の特徴を含む第6の特徴によって達成され、前記第1のセットの可撓性導電体は、前記装置の前記ヒンジ構造から分離している。
【0016】
本発明の他の目的は、回転を安定させるための歯車の使用を不要にする導電体を提供することである。
【0017】
この目的は、本発明の第1の特徴を含む第7の特長によって達成され、前記第2のパーツの前記底面(18)に隣接する前記外部側面(16)で前記第2のパーツ(14)に、そして、前記第1のパーツの前記底面(20)に隣接する前記内部側面(24)で前記第1のパーツ(12)に接続された第2のセットの可撓性導電体をさらに備える。
【0018】
本発明の第8の特徴は第7の特徴を含み、前記装置が折畳まれているとき、前記第2のパーツの前記底面の周りに伸長する。
【0019】
本発明の第9の特徴は第1の特徴を含み、前記両方の底面は丸みを帯びた形をしている。
【0020】
本発明の第10の特徴は第1の特徴を含み、前記両方の底面は、可撓性導電体のセットを受容するための少なくとも1つの溝が設けられる。
【0021】
本発明の第11の特徴は第1の特徴を含み、前記パーツの一方はその底面に歯車(38)を備え、他方のパーツには前記歯車のかみ合う隙間(40)を備える。
【0022】
本発明の第12の特徴は第1の特徴を含み、前記少なくとも1つのヒンジ(36)は2つのセクションを有する板の形をしたものとして提供され、前記2つのセクション各々は前記板の平面で他方からずれた回転軸を規定し、各セクションは前記軸を定義する領域の中央で両側への突起(46)を有する。
【0023】
本発明の第13の特徴は第12の特徴を含み、各パーツには前記ヒンジの1つのセクションを受容するスリット(43)が設けられ、各スリットには前記パーツで前記ヒンジ(36)を取り付けるための前記セクションの突起(46)を支えるために、前記パーツ内部の両側に空洞(44)が設けられる。
【0024】
本発明の第14の特徴は第1の特徴を含み、可撓性導電体のセットは、可撓性フィルムの形態で備えられる。
【0025】
本発明の第15の特徴は第1の特徴を含み、可撓性導電体のセットは、多数のワイヤを含むケーブルとして備えられる。
【0026】
本発明の第16の特徴は第1の特徴を含み、前記第1のパーツ(12)は前記内部側面(24)にレンズ(48)を有する撮像部を備え、前記第2のパーツ(14)は前記内部側面(22)にディスプレイ(28)を備える。
【0027】
本発明の第17の特徴は第1の特徴を含み、前記携帯電子装置は移動体電話である。
【0028】
本発明の他の目的は、前記装置の1つのパーツが他方のパーツに対して約360度回転可能なときに、前記装置に備わる表示部及び撮像部の一層の活用を可能にする携帯電子装置を提供することである。
【0029】
本発明の第18の特徴によれば、この目的は、次の携帯電子装置によって達成される。携帯電子装置(10)であって、電気回路を含み、外部側面(30)、内部側面(24)、及び上面及び底面(20)を有する第1のパーツ(12)と、電気回路を含み、外部側面(16)、内部側面(22)、及び上面及び底面(18)を有する第2のパーツ(14)と、前記第1のパーツと前記第2のパーツの前記底面を相互に接続し、一方のパーツを他方のパーツに対して少なくとも約270度回転可能にする、少なくとも1つのヒンジ(36)と、を備え、前記第1のパーツ(12)は前記内部側面にレンズ(48)を有する撮像部を備え、前記第2のパーツ(14)は前記内部側面にディスプレイ(28)を備えることを特徴とする携帯電子装置。
【0030】
本発明の第19の特徴は第18の特徴を含み、前記ヒンジは、1つのパーツを他方のパーツに対して約360度回転可能にする。
【0031】
本発明の第20の特徴は第18の特徴を含み、可撓性導電体の少なくとも1つの第1のセット(32、34)は、前記第1のパーツと前記第2のパーツとの間に、前記第1と第2のパーツの電気回路間の電気接続を設けるために接続される。
【0032】
本発明は多数の利点を有し、1つには、2つのパーツ間における可撓性接続のセットの接続は、そこにかかる負担を制限する伝導体を提供する。
【0033】
可撓性導電体のセットの接続は、2つの半分のパーツが相互に対して約360度回転したときに最も利点となる。ここまで多く回転する必要は全く無いが。本発明の他の利点は、それが携帯通信装置においてほとんど場所を取らないことである。それゆえ、この装置は、しばしば望まれるように、小さくすることができる。
【0034】
なお、本明細書において使用されるとき、「含む(comprises/comprising)」の語は、述べられた特徴、値、工程、要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、値、工程、要素、又はそれらの組み合わせの存在又は追加を排除するものではない。
【0035】
本発明は、添付図面を参照して以下により詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明は2つのパーツを備える携帯電子装置に関し、本発明の第1の実施形態では、それぞれのパーツに電子機器を備え、相互に対して2つの半分ずつのパーツが回転することが重要な、2つの半分ずつのパーツに関する。以下、携帯電話に関して本発明を説明する。しかしながら、これは本発明を実現可能な装置の1つの種類に過ぎないことに注意が必要である。本発明は、例えば、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、電子手帳、スマートフォン、コミュニケータ、計算機、ゲーム機器など、他の種類の携帯電子装置にも用いられ得る。
【0037】
図1は、本発明における電話10の斜視図である。この電話は、上面と、底面20と、内部側面と、外部側面とを備える第1の半分パーツ12を備える。上面及び底面は、互いに対向する側に位置し、内部及び外部側面も同様である。上面及び底面は、内部及び外部側面に対して基本的に直角に備えられる。図において、上面、内部、及び外部側面は見えない。電話10はまた、外部16と、内部側面と、また、上面と、底面18とを備える第2の半分パーツ14を備える。上面及び底面は、互いに対向する側に位置し、内部及び外部側面も同様である。上面及び底面は、内部及び外部側面に対して基本的に直角に備えられる。この図において、上面及び内部側面は見えない。2つの半分パーツ12及び14の底面18及び20は、ちょうつがい式に相互に接続されている。この図において、電話は畳まれた状態であり、2つの内部側面は相互に向き合っている。底面は共に丸みを帯びた形をしており、ここでは半円である。電話の半分ずつのパーツはこれらの底面で接続されており、一方の半分パーツは他方に対して回転可能である。電話が畳まれた状態であるときは、キーパッド、ディスプレイ、カメラのような、通常は内部側面に備わるユニットは、衝撃から守られている。ディスプレイは通常、高価で脆いユニットであり、このためこれは大きな利点である。
【0038】
図2は、図1における電話の他の斜視図である。ここでは、一方の半分パーツが、電話を開くために、他方の半分パーツに対して約135度回転している。この図によれば、第1の半分パーツ12は、その内部側面24にキーパッド26を備え、第2の半分パーツ14は、その内部側面22にタッチスクリーンであるディスプレイ28を備えるのが見える。電話がこの位置に回転すると、電話をかけたり、キーパッドのキーを介して、その入力がディスプレイで見られる、情報を入力したりすることにそれを使用できる。しかしながら、タッチスクリーンを介して電話にデータを入力することには向いていない。なぜなら、電話がひっくり返る可能性があるからである。
【0039】
電話の一方の半分パーツが他方の半分パーツに対して約360度回転することができる。このことを示すために、図3では、一方の半分パーツが他方の半分パーツに対して約245度回転しているときの電話の斜視図を示す。このようにされると、内部側面は共に外側を向くようにされ、外部側面は内側で互いに向き合う。これにより、電話がよりよい方法で使用されうるようになる。電話にデータを入力するためにタッチスクリーンを使用するとき、もしそれぞれの半分パーツが、外部側面が互いに向き合うように360度まで回転されれば、そうすることがずっと容易になる。電話はそうすると、図2のように開かれている電話に比べて、手に持つことがずっと容易になり、より安定する。
【0040】
図4は、一方の半分パーツが他方の半分パーツに対して135度回転している状態の電話の分解斜視図である。2つの半分パーツの間には、2組の可撓性導電体32及び34が、伝導体の備わる2セットの可撓性フィルム32及び34の形態で備えられる。2つの伝導体は絶縁されている。これは通常、シリコン材料でフィルムを形成することによりなされる。どちらの可撓性フィルムも、第1のパーツの外部側面と第2のパーツの内部側面22に接続されており、電話が畳まれているときはそれらは第1のパーツの底面の外側を取り巻いている。電話はまた、2つのヒンジ36を備え、一方の半分パーツが他方の半分パーツに対して約360度回転できる。ヒンジ36は、それぞれ装置の回転軸を提供する2つのセクションを備える2つの板の形態である。この装置において、それらのセクションは相互接続された2つの同一半径の円として形成される。ヒンジは、第1と第2のパーツの間の隙間に配置されるようになされる。電話はさらに、第2のパーツの底面に備えられる2つの歯車38を備え、その歯車は第1のパーツに備わる対応する隙間40とかみ合うように配置される。これら歯車38は、一方のパーツの他方に対する回転をより安定にする。これらはまた、半分パーツの回転軸周りの回転を、他の半分パーツの他の回転軸周りの回転と同時に行なわれるようにし、それゆえ、よりスムーズな折畳み及び展開操作を提供する。この図はまた、撮像部を、ヒンジ構造の一部として第2のパーツに備えられるデジタルカメラ42の形態で示す。カメラ42はここで、第2の半分パーツと同時に回転する。図によれば、可撓性導電体のセットがヒンジ構造から分離して備わっているのが見える。フィルムはさらに、2つの半分パーツの底面に対して基本的に直角に備わっている。このため、欠陥のある可撓性導電体を、ヒンジ機構を分解することなく置き換えることがより容易になる。
【0041】
可撓性導電体のセットがどのように備えられるかをより良く理解するために、図5及び図6を参照する。これらは、折畳まれた状態のとき(図5)と、電話の一方の半分パーツが他方の半分パーツに対して約360度回転されたとき(図6)の、電話の2つの側面図である。電話が折畳まれているときは、可撓性フィルムは、前述のように、一端で第1のパーツの外部側面30と第2のパーツの内部側面22に接続される。このため、この状態にあるときは、可撓性フィルムが第1のパーツの底面20の端部の周りに巻きつく。この状態のこのパーツに対してフィルムをしっかりと固定することが好ましい。底面端部は望ましくは、可撓性フィルムを受けるためのレールを備える。第1のパーツの内部側面24及び第2のパーツの内部側面22が外を向くようにするために、第2のパーツが第1のパーツに対して約360度回転すると、可撓性フィルム32は第2のパーツの底面18端部の回りに巻きつくように移動する。第2のパーツは望ましくは、可撓性フィルムを受容するための溝を備える。それゆえ、見られるように、回転しても可撓性フィルムは何ら特別なひっぱり、ねじれの力を受けず、極度の曲がりも受けない。そのため、そうでなければ2つの半分パーツが360度回転した場合の結果であるような、フィルムの多大な負担を和らげる。回転に伴って、可撓性フィルムはそれゆえ、第1の半分パーツの底面20の周りに巻きついた状態から、第2の半分パーツの底面18の周りに巻きつくように動く。
【0042】
図4では、両方の可撓性フィルムが上述の方法で取り付けられている。代わりに、一方又は両方の可撓性フィルムを、図7及び図8に示すように、反対に取り付けることもできる。これらの図は、折畳まれているとき(図7)と、約360度回転されたとき(図8)の2つの電話の半分パーツの側面図を示す。ここでの違いは、可撓性フィルム32が一端で第1のパーツの内部側面24に、他端で第2のパーツの外部側面16にそれぞれ接続されていることである。可撓性フィルム32はそれゆえ、畳まれているときは第2のパーツの底面18の端部に巻きついている。一方のパーツが他方のパーツに対して約360度回転すると、可撓性フィルム32はそれゆえ、代わりに第1のパーツの底面20の端部に巻きつくように動く。この手法はそれゆえ、1番目の手法と同じ結果をもたらす。
【0043】
説明した電話は2つの可撓性フィルムを備える必要はない。それは1つだけ備えていてもよく、図5及び図6、又は図7及び図8のように取り付けられ得る。この場合、より安定した回転を提供するために1つの歯車を備えることが好ましい。代わりに、電話は2つの可撓性フィルムを備え、1つは図5及び図6に示されるように取り付けられ、もう1つは図7及び図8に示されるように取り付けられていてもよい。後者の手法が使用されるとき、歯車は安定した回転を得るために必要ではないが、これは代わりに2つの可撓性フィルムによって達成される。上述したものと同様の方法で備えられる可撓性フィルムをより多く持つことももちろん可能である。歯車はまた、分離した車輪として備えられる必要は無く、半分パーツの筐体として使用されるプラスチックに彫りこむことによっても実現できる。対応する隙間も同様に提供され得る。他にも可能な変形がある。例えば、可撓性導電体は可撓性フィルムの形態で提供される必要は無く、ケーブルやコードの形態でもよい。他の可能性としては、それらを絶縁された導電性高分子の形態で提供することもできる。さらに、本発明による可撓性伝導体のセットの接続による限定された負担による利点を得るためには、一方の半分パーツを他方のパーツに対して完全に約360度回転させる必要もなく、より小さな角度でも可能である。
【0044】
説明した構造はいくつかの利点をもつ。1つは、可撓性導電体のセットにかかる必要以上のストレスが制限されることである。なぜなら、可撓性フィルムは危険な状態で曲がったり引っ張られたりしないからである。その構造はそれゆえ、伝導体の破壊を防ぐ。さらに、欠陥のある可撓性導電体のセットを交換することがより容易である。なぜなら、それはヒンジ構造内に備えられてはいないからである。導電体はさらに、公知の伝導体に比べて携帯電子装置内でほとんど場所を取らない。
【0045】
ヒンジ構造及びそれが電話の半分パーツに取り付けられる方法を、図9及び図10を参照して説明する。図9は、取り付け機構の半分パーツ45の斜視図であり、図10はヒンジ36の上面図である。取り付け機構は隙間43を備え、その両側には突起の後に形成される空洞44を備え、この場合、中空管の形状をしている。隙間43は電話の半分パーツの底面に備えられる。図9では、隙間43の下半分パーツと、対応する空洞44の下半分パーツが示される。ヒンジの留め具を提供するために、対応する上半分パーツが、全体としてのヒンジ取り付け機構を提供するために示される半分パーツの上部に備えられる。ヒンジ36は、2つの円形セクションを備える板の形状をしており、突起部46が円形セクションの両側に設けられ、そのようなセクションの中央で回転軸を定める。突起部はチューブの形状をしている。前述のように、一方の円形セクションに付随する突起部46はそれゆえ、一方の半分パーツに使用される1つの回転軸を提供し、他方の円形セクションに付随する突起部は他方の半分パーツに使用される他の回転軸を提供する。一方のセクションの突起部は一方の半分パーツの取り付け機構の空洞44に備え付けられ、そのヒンジの一方の円形セクションは取り付け機構の隙間40内を動く。他方の円形セクションは他方の半分パーツと同様の取り付け機構に備え付けられる。2つの回転軸とそれぞれの半分パーツの空洞の位置との間の距離は、2つの半分パーツの底面端部が接触又はほぼ接触するように選択される。2つの軸を取り巻く同じ角度での同時回転は、歯車と対応する隙間、又は相互に対抗して接続する2つの可撓性伝導体のセットによって提供される。
【0046】
この構造により、2つのパーツの約360度までの回転は容易に達成される。
【0047】
最後に、本発明の1つの主な適用を、本発明の他の実施形態を斜視図で示している図11及び図12を参照して説明する。ここで、カメラはヒンジ領域、すなわち電話の半分パーツの底面に備えられておらず、1番目の半分パーツ12の内部側面24からレンズ48が見えるように、第1の半分パーツ12の内部に備えられる。一方のパーツが他方のパーツに対して約180度回転するように電話が開かれると、第2の半分パーツ14の内部側面22に備えられるディスプレイ28は第1のパーツの内部側面に並んで備えられるようになる。電話がこの状態のときは、ビデオ会議に使用することができる。ここで、カメラは電話のユーザのビデオ映像を通話中の他のユーザに送信するために撮影し、ディスプレイは他のユーザのビデオ映像を表示する。半分パーツを他のパーツに対して約360度回転する位置まで回転させると、2つの外部側面は相互に向き合い、2つの内部側面は共に外側を向く。このとき、電話は例えば静止画を撮影するためのカメラとして使用可能であり、ディスプレイはビューファインダとして機能する。
【0048】
上述の実施形態ではそれゆえ、2つのパーツを互いに対して適切に回転させるだけで、装置がビデオ会議装置としても通常のカメラとしても使用可能となる。もちろん、それは図12に示される位置でビデオカメラとしても使用され得るし、図11の筋書きにおいて静止画としても使用可能である。この手法によれば、同一の結果を得るためにユーザが追加のモジュールやプラグイン装置を手に入れる必要無しに、存在するカメラとディスプレイを2つの異なる応用として使用することが可能となる。さらに、この二重用途を可能にするために、約360度完全に回転できるようにする必要もない。180度以上は必要であるが。それは例えば、少なくとも270度回転することができれば機能する。好ましい可能な回転はしかし、完全に約360度までである。
【0049】
例えば135度や180度といった、ある望む位置で回転を止めることを可能にするために、底面端部は、電話の半分パーツを望む位置で固定する固定装置を備えてもよい。適切な固定解除装置は、これらの固定位置を解除できる。そのような固定及び固定解除装置は、従来技術において公知であるため、これ以上は説明しない。
【0050】
本発明が変形可能な数多くの形態がある。例えば、説明した2つの半分パーツの任意の周辺を回転可能なより多くのパーツを備えることが可能である。それゆえ、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明における折畳式電話が折畳まれた状態での斜視図を概略的に示す図である。
【図2】本発明における折畳式電話が約135度まで開かれた状態での斜視図を概略的に示す図である。
【図3】本発明における折畳式電話が約315度まで開かれた状態での斜視図を概略的に示す図である。
【図4】本発明における折畳式電話が約135度まで開かれた状態での分解斜視図を概略的に示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における折畳式電話が折畳まれた状態での側面図を概略的に示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における折畳式電話が約360度まで開かれた状態での側面図を概略的に示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における折畳式電話が折畳まれた状態での側面図を概略的に示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における折畳式電話が約360度まで開かれた状態での側面図を概略的に示す図である。
【図9】折畳式電話で使用されるヒンジ取り付け機構のパーツの斜視図を示す図である。
【図10】折畳式電話で使用されるヒンジの上面図を示す図である。
【図11】折畳式電話が180度まで開かれた状態での変形例の斜視図を概略的に示す図である。
【図12】折畳式電話が360度まで開かれた状態での変形例の斜視図を概略的に示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電子装置の分野に関し、より詳しくは、相互の周りを回転可能な装置の2つのパーツ間における電気接続と、そのような回転可能な装置における撮像部及び表示部の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
装置を小さくすると同時に、一方では使用中に2倍の大きさになるように、相互に回転可能に接続された2つのパーツによる電気回路を装置に提供するということは、携帯電子装置の分野においてますます普及しつつある。携帯電話の分野には、しばしば折畳式の電話(clamshell phone)と呼ばれる多数の電話が存在し、この語は、電話が開かれているときの様子を描写している。これらの装置の中には、装置の半分又は蓋がディスプレイを備える一方、他の半分又は主要部がデータや電話番号を入力するためのキーパッドを備えるものがある。2つの半分ずつのパーツを相互に電気的に接続するために、接続リード線(connecting leads)を備える可撓性フィルム(flex film)が提供される。可撓性フィルムは、一つの公知の例によれば、一方の半分の中央から他方の半分の中央に備えられ、その可撓性フィルムはヒンジ内の円形のループに備えられるので、そのフィルムを見ることはできない。この種の構造を備える電話モデルの1つに、日本でNTTドコモによって販売されているモデルP2102V Fomaがある。
【0003】
可撓性フィルムを備える他の装置が、米国特許第6,307,751号に開示されている。この文書は、折畳式の携帯コンピュータであって、一方の折畳部にディスプレイを、他方の折畳部にCPUを備えるものを記載している。可撓性フィルムは、装置内部とヒンジ内でコンピュータの異なるパーツ間を電気的に接続させるために備えられる。
【0004】
それぞれのパーツが相互に対して約360度回転できる、すなわち、装置の2つのパーツの内側及び外側が、ユーザの手に持ちやすいようにお互いに対向して備わるような、携帯電子装置を提供することがしばしば望まれる。このことは、電話モデルP2102V Fomaに可撓性フィルムによる手法を提供しても、不可能である。米国特許第6,307,751号における手法を採用すると、可撓性フィルムに多大な負担がかかる。
【0005】
米国特許第4,878,293号は、折畳式の構造を備える計算機を説明しており、第1のパーツは第2のパーツに対して360度近く回転することができる。その装置は、主に2つのパーツの2つの長辺側の長さのほとんどの部分に沿って備えられるヒンジを備え、2つのパーツを相互に接続する可撓性伝導体が、一方のパーツの内部から他方のパーツの内部へヒンジの内部を介して提供される。伝導体はここで、ヒンジ長のほとんどの部分に沿って提供され、計算機の一方のパーツが他方に対して回転されると、伝導体は回転運動のためにねじりの圧力を受ける。説明されている装置においてはこのことはたいした問題ではない。なぜなら、計算機はヒンジが設けられる長辺を備えるからである。この手法はしかし、ヒンジが短かったり、ヒンジの側面が短かったりする場合はあまり使用に適さない。なぜなら、ねじりの圧力はあまりに大きくなり、結果としておそらく可撓性フィルムを破壊するからである。
【0006】
それゆえ、携帯電子装置の2つのパーツ間で、約360度回転可能で、電気接点の負担を減らす、電気接点を提供する他の手法を提供することが要求される。
【特許文献1】米国特許第6307751号明細書
【特許文献2】米国特許第4878293号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はそれゆえ、相互に対して回転可能な携帯電子装置の2つのパーツ間の電気接点であって、電気接点にかかる負担を減らし、携帯通信装置においてほとんど場所を取らないものを提供する代替方法を提供することにより課題を解決することを目的とする。
【0008】
本発明の1つの目的はそれゆえ、相互に対して回転可能な2つのパーツ間の電気接点であって、特に大きな回転角度における負担を制限し、電気接点が装置内でほとんど場所を取らないものを提供する携帯電子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の特徴によれば、これらの目的は、次の携帯電子装置によって達成される。携帯電子装置(10)であって、電気回路を含み、外部側面(30)、内部側面(24)、及び上面及び底面(20)を有する第1のパーツ(12)と、電気回路を含み、外部側面(16)、内部側面(22)、及び上面及び底面(18)を有する第2のパーツ(14)と、前記第1のパーツと前記第2のパーツの前記底面を相互に接続し、一方のパーツを他方のパーツに対して回転可能にする、少なくとも1つのヒンジ(36)と、前記第1のパーツの前記底面(20)に隣接する前記外部側面(30)で前記第1のパーツ(12)に、そして、前記第2のパーツの前記底面(18)に隣接する前記内部側面(22)で前記第2のパーツ(14)に接続された可撓性導電体の少なくとも1つの第1のセット(32、34)と、を備えることを特徴とする携帯電子装置(10)。
【0010】
本発明の第2の特徴は第1の特徴を含み、前記ヒンジは、一方のパーツを他方のパーツに対して約360度回転可能にする。
【0011】
本発明の第3の特徴は第1の特徴を含み、前記第1のセットの導電体(32)は、前記装置が折畳まれているとき、前記第1のパーツ(12)の前記底面(20)の周りに伸長する。
【0012】
本発明の第4の特徴は第3の特徴を含み、前記第1のセットの可撓性導電体(32)は、一方のパーツが他方のパーツに対して約360度回転しているときは、前記第2のパーツ(14)の前記底面(18)の周りに伸長する。
【0013】
本発明の第5の特徴は第1の特徴を含み、前記セットの導電体は、前記両方の底面に対して基本的に直角に備えられる。
【0014】
本発明の他の目的は、欠陥があるときに交換が容易な可撓性導電体のセットを提供することである。
【0015】
この目的は、本発明の第1の特徴を含む第6の特徴によって達成され、前記第1のセットの可撓性導電体は、前記装置の前記ヒンジ構造から分離している。
【0016】
本発明の他の目的は、回転を安定させるための歯車の使用を不要にする導電体を提供することである。
【0017】
この目的は、本発明の第1の特徴を含む第7の特長によって達成され、前記第2のパーツの前記底面(18)に隣接する前記外部側面(16)で前記第2のパーツ(14)に、そして、前記第1のパーツの前記底面(20)に隣接する前記内部側面(24)で前記第1のパーツ(12)に接続された第2のセットの可撓性導電体をさらに備える。
【0018】
本発明の第8の特徴は第7の特徴を含み、前記装置が折畳まれているとき、前記第2のパーツの前記底面の周りに伸長する。
【0019】
本発明の第9の特徴は第1の特徴を含み、前記両方の底面は丸みを帯びた形をしている。
【0020】
本発明の第10の特徴は第1の特徴を含み、前記両方の底面は、可撓性導電体のセットを受容するための少なくとも1つの溝が設けられる。
【0021】
本発明の第11の特徴は第1の特徴を含み、前記パーツの一方はその底面に歯車(38)を備え、他方のパーツには前記歯車のかみ合う隙間(40)を備える。
【0022】
本発明の第12の特徴は第1の特徴を含み、前記少なくとも1つのヒンジ(36)は2つのセクションを有する板の形をしたものとして提供され、前記2つのセクション各々は前記板の平面で他方からずれた回転軸を規定し、各セクションは前記軸を定義する領域の中央で両側への突起(46)を有する。
【0023】
本発明の第13の特徴は第12の特徴を含み、各パーツには前記ヒンジの1つのセクションを受容するスリット(43)が設けられ、各スリットには前記パーツで前記ヒンジ(36)を取り付けるための前記セクションの突起(46)を支えるために、前記パーツ内部の両側に空洞(44)が設けられる。
【0024】
本発明の第14の特徴は第1の特徴を含み、可撓性導電体のセットは、可撓性フィルムの形態で備えられる。
【0025】
本発明の第15の特徴は第1の特徴を含み、可撓性導電体のセットは、多数のワイヤを含むケーブルとして備えられる。
【0026】
本発明の第16の特徴は第1の特徴を含み、前記第1のパーツ(12)は前記内部側面(24)にレンズ(48)を有する撮像部を備え、前記第2のパーツ(14)は前記内部側面(22)にディスプレイ(28)を備える。
【0027】
本発明の第17の特徴は第1の特徴を含み、前記携帯電子装置は移動体電話である。
【0028】
本発明の他の目的は、前記装置の1つのパーツが他方のパーツに対して約360度回転可能なときに、前記装置に備わる表示部及び撮像部の一層の活用を可能にする携帯電子装置を提供することである。
【0029】
本発明の第18の特徴によれば、この目的は、次の携帯電子装置によって達成される。携帯電子装置(10)であって、電気回路を含み、外部側面(30)、内部側面(24)、及び上面及び底面(20)を有する第1のパーツ(12)と、電気回路を含み、外部側面(16)、内部側面(22)、及び上面及び底面(18)を有する第2のパーツ(14)と、前記第1のパーツと前記第2のパーツの前記底面を相互に接続し、一方のパーツを他方のパーツに対して少なくとも約270度回転可能にする、少なくとも1つのヒンジ(36)と、を備え、前記第1のパーツ(12)は前記内部側面にレンズ(48)を有する撮像部を備え、前記第2のパーツ(14)は前記内部側面にディスプレイ(28)を備えることを特徴とする携帯電子装置。
【0030】
本発明の第19の特徴は第18の特徴を含み、前記ヒンジは、1つのパーツを他方のパーツに対して約360度回転可能にする。
【0031】
本発明の第20の特徴は第18の特徴を含み、可撓性導電体の少なくとも1つの第1のセット(32、34)は、前記第1のパーツと前記第2のパーツとの間に、前記第1と第2のパーツの電気回路間の電気接続を設けるために接続される。
【0032】
本発明は多数の利点を有し、1つには、2つのパーツ間における可撓性接続のセットの接続は、そこにかかる負担を制限する伝導体を提供する。
【0033】
可撓性導電体のセットの接続は、2つの半分のパーツが相互に対して約360度回転したときに最も利点となる。ここまで多く回転する必要は全く無いが。本発明の他の利点は、それが携帯通信装置においてほとんど場所を取らないことである。それゆえ、この装置は、しばしば望まれるように、小さくすることができる。
【0034】
なお、本明細書において使用されるとき、「含む(comprises/comprising)」の語は、述べられた特徴、値、工程、要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、値、工程、要素、又はそれらの組み合わせの存在又は追加を排除するものではない。
【0035】
本発明は、添付図面を参照して以下により詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明は2つのパーツを備える携帯電子装置に関し、本発明の第1の実施形態では、それぞれのパーツに電子機器を備え、相互に対して2つの半分ずつのパーツが回転することが重要な、2つの半分ずつのパーツに関する。以下、携帯電話に関して本発明を説明する。しかしながら、これは本発明を実現可能な装置の1つの種類に過ぎないことに注意が必要である。本発明は、例えば、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、電子手帳、スマートフォン、コミュニケータ、計算機、ゲーム機器など、他の種類の携帯電子装置にも用いられ得る。
【0037】
図1は、本発明における電話10の斜視図である。この電話は、上面と、底面20と、内部側面と、外部側面とを備える第1の半分パーツ12を備える。上面及び底面は、互いに対向する側に位置し、内部及び外部側面も同様である。上面及び底面は、内部及び外部側面に対して基本的に直角に備えられる。図において、上面、内部、及び外部側面は見えない。電話10はまた、外部16と、内部側面と、また、上面と、底面18とを備える第2の半分パーツ14を備える。上面及び底面は、互いに対向する側に位置し、内部及び外部側面も同様である。上面及び底面は、内部及び外部側面に対して基本的に直角に備えられる。この図において、上面及び内部側面は見えない。2つの半分パーツ12及び14の底面18及び20は、ちょうつがい式に相互に接続されている。この図において、電話は畳まれた状態であり、2つの内部側面は相互に向き合っている。底面は共に丸みを帯びた形をしており、ここでは半円である。電話の半分ずつのパーツはこれらの底面で接続されており、一方の半分パーツは他方に対して回転可能である。電話が畳まれた状態であるときは、キーパッド、ディスプレイ、カメラのような、通常は内部側面に備わるユニットは、衝撃から守られている。ディスプレイは通常、高価で脆いユニットであり、このためこれは大きな利点である。
【0038】
図2は、図1における電話の他の斜視図である。ここでは、一方の半分パーツが、電話を開くために、他方の半分パーツに対して約135度回転している。この図によれば、第1の半分パーツ12は、その内部側面24にキーパッド26を備え、第2の半分パーツ14は、その内部側面22にタッチスクリーンであるディスプレイ28を備えるのが見える。電話がこの位置に回転すると、電話をかけたり、キーパッドのキーを介して、その入力がディスプレイで見られる、情報を入力したりすることにそれを使用できる。しかしながら、タッチスクリーンを介して電話にデータを入力することには向いていない。なぜなら、電話がひっくり返る可能性があるからである。
【0039】
電話の一方の半分パーツが他方の半分パーツに対して約360度回転することができる。このことを示すために、図3では、一方の半分パーツが他方の半分パーツに対して約245度回転しているときの電話の斜視図を示す。このようにされると、内部側面は共に外側を向くようにされ、外部側面は内側で互いに向き合う。これにより、電話がよりよい方法で使用されうるようになる。電話にデータを入力するためにタッチスクリーンを使用するとき、もしそれぞれの半分パーツが、外部側面が互いに向き合うように360度まで回転されれば、そうすることがずっと容易になる。電話はそうすると、図2のように開かれている電話に比べて、手に持つことがずっと容易になり、より安定する。
【0040】
図4は、一方の半分パーツが他方の半分パーツに対して135度回転している状態の電話の分解斜視図である。2つの半分パーツの間には、2組の可撓性導電体32及び34が、伝導体の備わる2セットの可撓性フィルム32及び34の形態で備えられる。2つの伝導体は絶縁されている。これは通常、シリコン材料でフィルムを形成することによりなされる。どちらの可撓性フィルムも、第1のパーツの外部側面と第2のパーツの内部側面22に接続されており、電話が畳まれているときはそれらは第1のパーツの底面の外側を取り巻いている。電話はまた、2つのヒンジ36を備え、一方の半分パーツが他方の半分パーツに対して約360度回転できる。ヒンジ36は、それぞれ装置の回転軸を提供する2つのセクションを備える2つの板の形態である。この装置において、それらのセクションは相互接続された2つの同一半径の円として形成される。ヒンジは、第1と第2のパーツの間の隙間に配置されるようになされる。電話はさらに、第2のパーツの底面に備えられる2つの歯車38を備え、その歯車は第1のパーツに備わる対応する隙間40とかみ合うように配置される。これら歯車38は、一方のパーツの他方に対する回転をより安定にする。これらはまた、半分パーツの回転軸周りの回転を、他の半分パーツの他の回転軸周りの回転と同時に行なわれるようにし、それゆえ、よりスムーズな折畳み及び展開操作を提供する。この図はまた、撮像部を、ヒンジ構造の一部として第2のパーツに備えられるデジタルカメラ42の形態で示す。カメラ42はここで、第2の半分パーツと同時に回転する。図によれば、可撓性導電体のセットがヒンジ構造から分離して備わっているのが見える。フィルムはさらに、2つの半分パーツの底面に対して基本的に直角に備わっている。このため、欠陥のある可撓性導電体を、ヒンジ機構を分解することなく置き換えることがより容易になる。
【0041】
可撓性導電体のセットがどのように備えられるかをより良く理解するために、図5及び図6を参照する。これらは、折畳まれた状態のとき(図5)と、電話の一方の半分パーツが他方の半分パーツに対して約360度回転されたとき(図6)の、電話の2つの側面図である。電話が折畳まれているときは、可撓性フィルムは、前述のように、一端で第1のパーツの外部側面30と第2のパーツの内部側面22に接続される。このため、この状態にあるときは、可撓性フィルムが第1のパーツの底面20の端部の周りに巻きつく。この状態のこのパーツに対してフィルムをしっかりと固定することが好ましい。底面端部は望ましくは、可撓性フィルムを受けるためのレールを備える。第1のパーツの内部側面24及び第2のパーツの内部側面22が外を向くようにするために、第2のパーツが第1のパーツに対して約360度回転すると、可撓性フィルム32は第2のパーツの底面18端部の回りに巻きつくように移動する。第2のパーツは望ましくは、可撓性フィルムを受容するための溝を備える。それゆえ、見られるように、回転しても可撓性フィルムは何ら特別なひっぱり、ねじれの力を受けず、極度の曲がりも受けない。そのため、そうでなければ2つの半分パーツが360度回転した場合の結果であるような、フィルムの多大な負担を和らげる。回転に伴って、可撓性フィルムはそれゆえ、第1の半分パーツの底面20の周りに巻きついた状態から、第2の半分パーツの底面18の周りに巻きつくように動く。
【0042】
図4では、両方の可撓性フィルムが上述の方法で取り付けられている。代わりに、一方又は両方の可撓性フィルムを、図7及び図8に示すように、反対に取り付けることもできる。これらの図は、折畳まれているとき(図7)と、約360度回転されたとき(図8)の2つの電話の半分パーツの側面図を示す。ここでの違いは、可撓性フィルム32が一端で第1のパーツの内部側面24に、他端で第2のパーツの外部側面16にそれぞれ接続されていることである。可撓性フィルム32はそれゆえ、畳まれているときは第2のパーツの底面18の端部に巻きついている。一方のパーツが他方のパーツに対して約360度回転すると、可撓性フィルム32はそれゆえ、代わりに第1のパーツの底面20の端部に巻きつくように動く。この手法はそれゆえ、1番目の手法と同じ結果をもたらす。
【0043】
説明した電話は2つの可撓性フィルムを備える必要はない。それは1つだけ備えていてもよく、図5及び図6、又は図7及び図8のように取り付けられ得る。この場合、より安定した回転を提供するために1つの歯車を備えることが好ましい。代わりに、電話は2つの可撓性フィルムを備え、1つは図5及び図6に示されるように取り付けられ、もう1つは図7及び図8に示されるように取り付けられていてもよい。後者の手法が使用されるとき、歯車は安定した回転を得るために必要ではないが、これは代わりに2つの可撓性フィルムによって達成される。上述したものと同様の方法で備えられる可撓性フィルムをより多く持つことももちろん可能である。歯車はまた、分離した車輪として備えられる必要は無く、半分パーツの筐体として使用されるプラスチックに彫りこむことによっても実現できる。対応する隙間も同様に提供され得る。他にも可能な変形がある。例えば、可撓性導電体は可撓性フィルムの形態で提供される必要は無く、ケーブルやコードの形態でもよい。他の可能性としては、それらを絶縁された導電性高分子の形態で提供することもできる。さらに、本発明による可撓性伝導体のセットの接続による限定された負担による利点を得るためには、一方の半分パーツを他方のパーツに対して完全に約360度回転させる必要もなく、より小さな角度でも可能である。
【0044】
説明した構造はいくつかの利点をもつ。1つは、可撓性導電体のセットにかかる必要以上のストレスが制限されることである。なぜなら、可撓性フィルムは危険な状態で曲がったり引っ張られたりしないからである。その構造はそれゆえ、伝導体の破壊を防ぐ。さらに、欠陥のある可撓性導電体のセットを交換することがより容易である。なぜなら、それはヒンジ構造内に備えられてはいないからである。導電体はさらに、公知の伝導体に比べて携帯電子装置内でほとんど場所を取らない。
【0045】
ヒンジ構造及びそれが電話の半分パーツに取り付けられる方法を、図9及び図10を参照して説明する。図9は、取り付け機構の半分パーツ45の斜視図であり、図10はヒンジ36の上面図である。取り付け機構は隙間43を備え、その両側には突起の後に形成される空洞44を備え、この場合、中空管の形状をしている。隙間43は電話の半分パーツの底面に備えられる。図9では、隙間43の下半分パーツと、対応する空洞44の下半分パーツが示される。ヒンジの留め具を提供するために、対応する上半分パーツが、全体としてのヒンジ取り付け機構を提供するために示される半分パーツの上部に備えられる。ヒンジ36は、2つの円形セクションを備える板の形状をしており、突起部46が円形セクションの両側に設けられ、そのようなセクションの中央で回転軸を定める。突起部はチューブの形状をしている。前述のように、一方の円形セクションに付随する突起部46はそれゆえ、一方の半分パーツに使用される1つの回転軸を提供し、他方の円形セクションに付随する突起部は他方の半分パーツに使用される他の回転軸を提供する。一方のセクションの突起部は一方の半分パーツの取り付け機構の空洞44に備え付けられ、そのヒンジの一方の円形セクションは取り付け機構の隙間40内を動く。他方の円形セクションは他方の半分パーツと同様の取り付け機構に備え付けられる。2つの回転軸とそれぞれの半分パーツの空洞の位置との間の距離は、2つの半分パーツの底面端部が接触又はほぼ接触するように選択される。2つの軸を取り巻く同じ角度での同時回転は、歯車と対応する隙間、又は相互に対抗して接続する2つの可撓性伝導体のセットによって提供される。
【0046】
この構造により、2つのパーツの約360度までの回転は容易に達成される。
【0047】
最後に、本発明の1つの主な適用を、本発明の他の実施形態を斜視図で示している図11及び図12を参照して説明する。ここで、カメラはヒンジ領域、すなわち電話の半分パーツの底面に備えられておらず、1番目の半分パーツ12の内部側面24からレンズ48が見えるように、第1の半分パーツ12の内部に備えられる。一方のパーツが他方のパーツに対して約180度回転するように電話が開かれると、第2の半分パーツ14の内部側面22に備えられるディスプレイ28は第1のパーツの内部側面に並んで備えられるようになる。電話がこの状態のときは、ビデオ会議に使用することができる。ここで、カメラは電話のユーザのビデオ映像を通話中の他のユーザに送信するために撮影し、ディスプレイは他のユーザのビデオ映像を表示する。半分パーツを他のパーツに対して約360度回転する位置まで回転させると、2つの外部側面は相互に向き合い、2つの内部側面は共に外側を向く。このとき、電話は例えば静止画を撮影するためのカメラとして使用可能であり、ディスプレイはビューファインダとして機能する。
【0048】
上述の実施形態ではそれゆえ、2つのパーツを互いに対して適切に回転させるだけで、装置がビデオ会議装置としても通常のカメラとしても使用可能となる。もちろん、それは図12に示される位置でビデオカメラとしても使用され得るし、図11の筋書きにおいて静止画としても使用可能である。この手法によれば、同一の結果を得るためにユーザが追加のモジュールやプラグイン装置を手に入れる必要無しに、存在するカメラとディスプレイを2つの異なる応用として使用することが可能となる。さらに、この二重用途を可能にするために、約360度完全に回転できるようにする必要もない。180度以上は必要であるが。それは例えば、少なくとも270度回転することができれば機能する。好ましい可能な回転はしかし、完全に約360度までである。
【0049】
例えば135度や180度といった、ある望む位置で回転を止めることを可能にするために、底面端部は、電話の半分パーツを望む位置で固定する固定装置を備えてもよい。適切な固定解除装置は、これらの固定位置を解除できる。そのような固定及び固定解除装置は、従来技術において公知であるため、これ以上は説明しない。
【0050】
本発明が変形可能な数多くの形態がある。例えば、説明した2つの半分パーツの任意の周辺を回転可能なより多くのパーツを備えることが可能である。それゆえ、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明における折畳式電話が折畳まれた状態での斜視図を概略的に示す図である。
【図2】本発明における折畳式電話が約135度まで開かれた状態での斜視図を概略的に示す図である。
【図3】本発明における折畳式電話が約315度まで開かれた状態での斜視図を概略的に示す図である。
【図4】本発明における折畳式電話が約135度まで開かれた状態での分解斜視図を概略的に示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における折畳式電話が折畳まれた状態での側面図を概略的に示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における折畳式電話が約360度まで開かれた状態での側面図を概略的に示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における折畳式電話が折畳まれた状態での側面図を概略的に示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における折畳式電話が約360度まで開かれた状態での側面図を概略的に示す図である。
【図9】折畳式電話で使用されるヒンジ取り付け機構のパーツの斜視図を示す図である。
【図10】折畳式電話で使用されるヒンジの上面図を示す図である。
【図11】折畳式電話が180度まで開かれた状態での変形例の斜視図を概略的に示す図である。
【図12】折畳式電話が360度まで開かれた状態での変形例の斜視図を概略的に示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電子装置(10)であって、
電気回路を含み、外部側面(30)、内部側面(24)、及び上面及び底面(20)を有する第1のパーツ(12)と、
電気回路を含み、外部側面(16)、内部側面(22)、及び上面及び底面(18)を有する第2のパーツ(14)と、
前記第1のパーツと前記第2のパーツの前記底面を相互に接続し、一方のパーツを他方のパーツに対して回転可能にする、少なくとも1つのヒンジ(36)と、
前記第1のパーツの前記底面(20)に隣接する前記外部側面(30)で前記第1のパーツ(12)に、そして、前記第2のパーツの前記底面(18)に隣接する前記内部側面(22)で前記第2のパーツ(14)に接続された可撓性導電体の少なくとも1つの第1のセット(32、34)と、
を備えることを特徴とする携帯電子装置(10)。
【請求項2】
前記ヒンジは、一方のパーツを他方のパーツに対して約360度回転可能にすることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子装置。
【請求項3】
前記第1のセットの導電体(32)は、前記装置が折畳まれているとき、前記第1のパーツ(12)の前記底面(20)の周りに伸長することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯電子装置。
【請求項4】
前記第1のセットの可撓性導電体(32)は、一方のパーツが他方のパーツに対して約360度回転しているときは、前記第2のパーツ(14)の前記底面(18)の周りに伸長することを特徴とする請求項3に記載の携帯電子装置。
【請求項5】
前記セットの導電体は、前記両方の底面に対して基本的に直角に備えられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項6】
前記第1のセットの可撓性導電体は、前記装置の前記ヒンジ構造から分離していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項7】
前記第2のパーツの前記底面(18)に隣接する前記外部側面(16)で前記第2のパーツ(14)に、そして、前記第1のパーツの前記底面(20)に隣接する前記内部側面(24)で前記第1のパーツ(12)に接続された第2のセットの可撓性導電体をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項8】
前記第2のセットの可撓性導電体は、前記装置が折畳まれているとき、前記第2のパーツの前記底面の周りに伸長することを特徴とする請求項7に記載の携帯電子装置。
【請求項9】
前記両方の底面は丸みを帯びた形をしていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項10】
前記両方の底面は、可撓性導電体のセットを受容するための少なくとも1つの溝が設けられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項11】
前記パーツの一方はその底面に歯車(38)を備え、他方のパーツには前記歯車のかみ合う隙間(40)を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのヒンジ(36)は2つのセクションを有する板の形をしたものであり、前記2つのセクション各々は前記板の平面で他方からずれた回転軸を規定し、各セクションは前記軸を定義する領域の中央で両側への突起(46)を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項13】
各パーツには1つのセクションを受容するスリット(43)が設けられ、各スリットには前記パーツで前記ヒンジ(36)を取り付けるための前記セクションの突起(46)を支えるために、前記パーツ内部の両側に空洞(44)が設けられることを特徴とする請求項12に記載の携帯電子装置。
【請求項14】
可撓性導電体のセットは、可撓性フィルムの形態で備えられることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項15】
可撓性導電体のセットは、多数のワイヤを含むケーブルとして備えられることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項16】
前記第1のパーツ(12)は前記内部側面(24)にレンズ(48)を有する撮像部を備え、前記第2のパーツ(14)は前記内部側面(22)にディスプレイ(28)を備えることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項17】
前記装置は移動体電話であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項18】
携帯電子装置(10)であって、
電気回路を含み、外部側面(30)、内部側面(24)、及び上面及び底面(20)を有する第1のパーツ(12)と、
電気回路を含み、外部側面(16)、内部側面(22)、及び上面及び底面(18)を有する第2のパーツ(14)と、
前記第1のパーツと前記第2のパーツの前記底面を相互に接続し、一方のパーツを他方のパーツに対して少なくとも約270度回転可能にする、少なくとも1つのヒンジ(36)と、
を備え、
前記第1のパーツ(12)は前記内部側面にレンズ(48)を有する撮像部を備え、前記第2のパーツ(14)は前記内部側面にディスプレイ(28)を備えることを特徴とする携帯電子装置。
【請求項19】
前記ヒンジは、1つのパーツを他方のパーツに対して約360度回転可能にすることを特徴とする請求項18に記載の携帯電子装置。
【請求項20】
可撓性導電体の少なくとも1つの第1のセット(32、34)は、前記第1のパーツと前記第2のパーツとの間に、前記第1と第2のパーツの電気回路間の電気接続を設けるために接続されることを特徴とする請求項18又は19に記載の携帯電子装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電子装置(10)であって、
電気回路を含み、外部側面(30)、内部側面(24)、及び上面及び底面(20)を有する第1のパーツ(12)と、
電気回路を含み、外部側面(16)、内部側面(22)、及び上面及び底面(18)を有する第2のパーツ(14)と、
前記第1のパーツと前記第2のパーツの前記底面を相互に接続し、一方のパーツを他方のパーツに対して約360度回転可能にする、少なくとも1つのヒンジ(36)と、
前記第1のパーツの前記底面(20)に隣接する前記外部側面(30)で前記第1のパーツ(12)に、そして、前記第2のパーツの前記底面(18)に隣接する前記内部側面(22)で前記第2のパーツ(14)に接続された可撓性導電体の少なくとも1つの第1のセット(32、34)と、
を備えることを特徴とする携帯電子装置(10)。
【請求項2】
前記第1のセットの導電体(32)は、前記装置が折畳まれているとき、前記第1のパーツ(12)の前記底面(20)の周りに伸長することを特徴とする請求項1に記載の携帯電子装置。
【請求項3】
前記第1のセットの可撓性導電体(32)は、一方のパーツが他方のパーツに対して約360度回転しているときは、前記第2のパーツ(14)の前記底面(18)の周りに伸長することを特徴とする請求項2に記載の携帯電子装置。
【請求項4】
前記セットの導電体は、前記両方の底面に対して基本的に直角に備えられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項5】
前記第1のセットの可撓性導電体は、前記装置の前記ヒンジ構造から分離していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項6】
前記第2のパーツの前記底面(18)に隣接する前記外部側面(16)で前記第2のパーツ(14)に、そして、前記第1のパーツの前記底面(20)に隣接する前記内部側面(24)で前記第1のパーツ(12)に接続された第2のセットの可撓性導電体をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項7】
前記第2のセットの可撓性導電体は、前記装置が折畳まれているとき、前記第2のパーツの前記底面の周りに伸長することを特徴とする請求項6に記載の携帯電子装置。
【請求項8】
前記両方の底面は丸みを帯びた形をしていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項9】
前記両方の底面は、可撓性導電体のセットを受容するための少なくとも1つの溝が設けられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項10】
前記パーツの一方はその底面に歯車(38)を備え、他方のパーツには前記歯車のかみ合う隙間(40)を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのヒンジ(36)は2つのセクションを有する板の形をしたものであり、前記2つのセクション各々は前記板の平面で他方からずれた回転軸を規定し、各セクションは前記軸を定義する領域の中央で両側への突起(46)を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項12】
各パーツには1つのセクションを受容するスリット(43)が設けられ、各スリットには前記パーツで前記ヒンジ(36)を取り付けるための前記セクションの突起(46)を支えるために、前記パーツ内部の両側に空洞(44)が設けられることを特徴とする請求項11に記載の携帯電子装置。
【請求項13】
可撓性導電体のセットは、可撓性フィルムの形態で備えられることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項14】
可撓性導電体のセットは、多数のワイヤを含むケーブルとして備えられることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項15】
前記第1のパーツ(12)は前記内部側面(24)にレンズ(48)を有する撮像部を備え、前記第2のパーツ(14)は前記内部側面(22)にディスプレイ(28)を備えることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項16】
前記装置は移動体電話であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項17】
携帯電子装置(10)であって、
電気回路を含み、外部側面(30)、内部側面(24)、及び上面及び底面(20)を有する第1のパーツ(12)と、
電気回路を含み、外部側面(16)、内部側面(22)、及び上面及び底面(18)を有する第2のパーツ(14)と、
前記第1のパーツと前記第2のパーツの前記底面を相互に接続し、一方のパーツを他方のパーツに対して少なくとも約270度回転可能にする、少なくとも1つのヒンジ(36)と、
を備え、
前記第1のパーツ(12)は前記内部側面にレンズ(48)を有する撮像部を備え、前記第2のパーツ(14)は前記内部側面にディスプレイ(28)を備えることを特徴とする携帯電子装置。
【請求項18】
前記ヒンジは、1つのパーツを他方のパーツに対して約360度回転可能にすることを特徴とする請求項17に記載の携帯電子装置。
【請求項19】
可撓性導電体の少なくとも1つの第1のセット(32、34)は、前記第1のパーツと前記第2のパーツとの間に、前記第1と第2のパーツの電気回路間の電気接続を設けるために接続されることを特徴とする請求項17又は18に記載の携帯電子装置。
【請求項1】
携帯電子装置(10)であって、
電気回路を含み、外部側面(30)、内部側面(24)、及び上面及び底面(20)を有する第1のパーツ(12)と、
電気回路を含み、外部側面(16)、内部側面(22)、及び上面及び底面(18)を有する第2のパーツ(14)と、
前記第1のパーツと前記第2のパーツの前記底面を相互に接続し、一方のパーツを他方のパーツに対して回転可能にする、少なくとも1つのヒンジ(36)と、
前記第1のパーツの前記底面(20)に隣接する前記外部側面(30)で前記第1のパーツ(12)に、そして、前記第2のパーツの前記底面(18)に隣接する前記内部側面(22)で前記第2のパーツ(14)に接続された可撓性導電体の少なくとも1つの第1のセット(32、34)と、
を備えることを特徴とする携帯電子装置(10)。
【請求項2】
前記ヒンジは、一方のパーツを他方のパーツに対して約360度回転可能にすることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子装置。
【請求項3】
前記第1のセットの導電体(32)は、前記装置が折畳まれているとき、前記第1のパーツ(12)の前記底面(20)の周りに伸長することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯電子装置。
【請求項4】
前記第1のセットの可撓性導電体(32)は、一方のパーツが他方のパーツに対して約360度回転しているときは、前記第2のパーツ(14)の前記底面(18)の周りに伸長することを特徴とする請求項3に記載の携帯電子装置。
【請求項5】
前記セットの導電体は、前記両方の底面に対して基本的に直角に備えられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項6】
前記第1のセットの可撓性導電体は、前記装置の前記ヒンジ構造から分離していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項7】
前記第2のパーツの前記底面(18)に隣接する前記外部側面(16)で前記第2のパーツ(14)に、そして、前記第1のパーツの前記底面(20)に隣接する前記内部側面(24)で前記第1のパーツ(12)に接続された第2のセットの可撓性導電体をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項8】
前記第2のセットの可撓性導電体は、前記装置が折畳まれているとき、前記第2のパーツの前記底面の周りに伸長することを特徴とする請求項7に記載の携帯電子装置。
【請求項9】
前記両方の底面は丸みを帯びた形をしていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項10】
前記両方の底面は、可撓性導電体のセットを受容するための少なくとも1つの溝が設けられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項11】
前記パーツの一方はその底面に歯車(38)を備え、他方のパーツには前記歯車のかみ合う隙間(40)を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのヒンジ(36)は2つのセクションを有する板の形をしたものであり、前記2つのセクション各々は前記板の平面で他方からずれた回転軸を規定し、各セクションは前記軸を定義する領域の中央で両側への突起(46)を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項13】
各パーツには1つのセクションを受容するスリット(43)が設けられ、各スリットには前記パーツで前記ヒンジ(36)を取り付けるための前記セクションの突起(46)を支えるために、前記パーツ内部の両側に空洞(44)が設けられることを特徴とする請求項12に記載の携帯電子装置。
【請求項14】
可撓性導電体のセットは、可撓性フィルムの形態で備えられることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項15】
可撓性導電体のセットは、多数のワイヤを含むケーブルとして備えられることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項16】
前記第1のパーツ(12)は前記内部側面(24)にレンズ(48)を有する撮像部を備え、前記第2のパーツ(14)は前記内部側面(22)にディスプレイ(28)を備えることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項17】
前記装置は移動体電話であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項18】
携帯電子装置(10)であって、
電気回路を含み、外部側面(30)、内部側面(24)、及び上面及び底面(20)を有する第1のパーツ(12)と、
電気回路を含み、外部側面(16)、内部側面(22)、及び上面及び底面(18)を有する第2のパーツ(14)と、
前記第1のパーツと前記第2のパーツの前記底面を相互に接続し、一方のパーツを他方のパーツに対して少なくとも約270度回転可能にする、少なくとも1つのヒンジ(36)と、
を備え、
前記第1のパーツ(12)は前記内部側面にレンズ(48)を有する撮像部を備え、前記第2のパーツ(14)は前記内部側面にディスプレイ(28)を備えることを特徴とする携帯電子装置。
【請求項19】
前記ヒンジは、1つのパーツを他方のパーツに対して約360度回転可能にすることを特徴とする請求項18に記載の携帯電子装置。
【請求項20】
可撓性導電体の少なくとも1つの第1のセット(32、34)は、前記第1のパーツと前記第2のパーツとの間に、前記第1と第2のパーツの電気回路間の電気接続を設けるために接続されることを特徴とする請求項18又は19に記載の携帯電子装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電子装置(10)であって、
電気回路を含み、外部側面(30)、内部側面(24)、及び上面及び底面(20)を有する第1のパーツ(12)と、
電気回路を含み、外部側面(16)、内部側面(22)、及び上面及び底面(18)を有する第2のパーツ(14)と、
前記第1のパーツと前記第2のパーツの前記底面を相互に接続し、一方のパーツを他方のパーツに対して約360度回転可能にする、少なくとも1つのヒンジ(36)と、
前記第1のパーツの前記底面(20)に隣接する前記外部側面(30)で前記第1のパーツ(12)に、そして、前記第2のパーツの前記底面(18)に隣接する前記内部側面(22)で前記第2のパーツ(14)に接続された可撓性導電体の少なくとも1つの第1のセット(32、34)と、
を備えることを特徴とする携帯電子装置(10)。
【請求項2】
前記第1のセットの導電体(32)は、前記装置が折畳まれているとき、前記第1のパーツ(12)の前記底面(20)の周りに伸長することを特徴とする請求項1に記載の携帯電子装置。
【請求項3】
前記第1のセットの可撓性導電体(32)は、一方のパーツが他方のパーツに対して約360度回転しているときは、前記第2のパーツ(14)の前記底面(18)の周りに伸長することを特徴とする請求項2に記載の携帯電子装置。
【請求項4】
前記セットの導電体は、前記両方の底面に対して基本的に直角に備えられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項5】
前記第1のセットの可撓性導電体は、前記装置の前記ヒンジ構造から分離していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項6】
前記第2のパーツの前記底面(18)に隣接する前記外部側面(16)で前記第2のパーツ(14)に、そして、前記第1のパーツの前記底面(20)に隣接する前記内部側面(24)で前記第1のパーツ(12)に接続された第2のセットの可撓性導電体をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項7】
前記第2のセットの可撓性導電体は、前記装置が折畳まれているとき、前記第2のパーツの前記底面の周りに伸長することを特徴とする請求項6に記載の携帯電子装置。
【請求項8】
前記両方の底面は丸みを帯びた形をしていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項9】
前記両方の底面は、可撓性導電体のセットを受容するための少なくとも1つの溝が設けられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項10】
前記パーツの一方はその底面に歯車(38)を備え、他方のパーツには前記歯車のかみ合う隙間(40)を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのヒンジ(36)は2つのセクションを有する板の形をしたものであり、前記2つのセクション各々は前記板の平面で他方からずれた回転軸を規定し、各セクションは前記軸を定義する領域の中央で両側への突起(46)を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項12】
各パーツには1つのセクションを受容するスリット(43)が設けられ、各スリットには前記パーツで前記ヒンジ(36)を取り付けるための前記セクションの突起(46)を支えるために、前記パーツ内部の両側に空洞(44)が設けられることを特徴とする請求項11に記載の携帯電子装置。
【請求項13】
可撓性導電体のセットは、可撓性フィルムの形態で備えられることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項14】
可撓性導電体のセットは、多数のワイヤを含むケーブルとして備えられることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項15】
前記第1のパーツ(12)は前記内部側面(24)にレンズ(48)を有する撮像部を備え、前記第2のパーツ(14)は前記内部側面(22)にディスプレイ(28)を備えることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項16】
前記装置は移動体電話であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の携帯電子装置。
【請求項17】
携帯電子装置(10)であって、
電気回路を含み、外部側面(30)、内部側面(24)、及び上面及び底面(20)を有する第1のパーツ(12)と、
電気回路を含み、外部側面(16)、内部側面(22)、及び上面及び底面(18)を有する第2のパーツ(14)と、
前記第1のパーツと前記第2のパーツの前記底面を相互に接続し、一方のパーツを他方のパーツに対して少なくとも約270度回転可能にする、少なくとも1つのヒンジ(36)と、
を備え、
前記第1のパーツ(12)は前記内部側面にレンズ(48)を有する撮像部を備え、前記第2のパーツ(14)は前記内部側面にディスプレイ(28)を備えることを特徴とする携帯電子装置。
【請求項18】
前記ヒンジは、1つのパーツを他方のパーツに対して約360度回転可能にすることを特徴とする請求項17に記載の携帯電子装置。
【請求項19】
可撓性導電体の少なくとも1つの第1のセット(32、34)は、前記第1のパーツと前記第2のパーツとの間に、前記第1と第2のパーツの電気回路間の電気接続を設けるために接続されることを特徴とする請求項17又は18に記載の携帯電子装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2006−507726(P2006−507726A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−552668(P2004−552668)
【出願日】平成15年11月20日(2003.11.20)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013000
【国際公開番号】WO2004/046900
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(502087507)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年11月20日(2003.11.20)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013000
【国際公開番号】WO2004/046900
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(502087507)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】
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