説明

携帯電話学習電子メール送受信プログラム及び学習サービス提供方法

【課題】 携帯電話機ユーザーに対し選択肢形式のドリル型問題文を電子メールで送信し、回答されるメールを分析し、ユーザーの知識・教養を習得する手助けをするサービスを提供する。
【解決手段】 ユーザーの個人登録情報、学習分野・選択コース、問題に対する回答の正誤状況、得点スコア等を格納した顧客情報管理手段と、複数の選択式の問題文、問題のジャンル、難易度、正答及び回答に対するコメント文等を格納した問題情報管理手段と、データベースに学習用の問題文メールと正答テキストを用意し蓄積しており、ユーザーから返信されてくる回答メールの解答テキストと、正答テキストとを比較し差分を判別し正誤情報を格納する添削手段と、回答メールに添削結果、正答及びコメント等を付加しユーザーへメール送信する情報伝達手段と、各手段における情報を分析し、登録全ユーザー分の順位、偏差値、成績、傾向等を導きだし格納する分析手段を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の携帯電話機ユーザーに対し選択肢形式のドリル型問題文を記載した電子メールの送信し回答されるメールを分析し、ユーザーの知識・教養を習得する手助けを実行する電子メール送受信プログラムおよび学習サービス提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、通信学習の方法としては、通信教育を行うサービス提供者が受講者に対して教材を送付し、受講者が、教材に記載された問題に回答し当該業者に返送し、さらに業者から、受講者による回答を添削して受講者に再度送付するという形式が一般的であった。
【0003】
また、携帯電話機ユーザーに対しては、携帯電話機のホームページ閲覧機能を用いて、別途用意された通信教育のリンクページにアクセスし、当該ページ上で回答し、サービス提供者側が予め用意した正答に基づき添削するという形式が一般的であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記の配送業者による通信学習では、郵便や宅配便によって教材送付や回答の回収を行うため、サービス提供者と受講者との間の手続きに多大な手間、時間及び費用がかかるという問題があった。このため、受講申し込みに尻込みする、受講しても回答を送付してから添削結果を見るまでに学習内容が有効に機能しにくい、またサービス提供者、受講者ともに経済的ロスを負うなど、双方にとって非常に不便であった。また、一般に、受講者は、送付されてきた教材を用いて学習するので、教材の形態によっては、携行の便が悪いため、移動中や移動先で学習を行うことが難しいという問題があった。このため、電車の中などの空き時間を利用することができないので、受講者にとって非常に効率が悪く、不便であるという問題があった。
【0005】
また、携帯電話機のホームページ閲覧機能を用いたサービスの場合では、紙媒体の通信学習サービスと比して、サービス提供者と受講者それぞれに手続きが簡便になり、添削までの時間的ロス、通信費や印刷費などの金銭的ロスなどが大幅に改善するというメリットがあるが、問題回答ページにアクセスする手間が発生し、また、余計な通信パケット料金が発生するという問題があった。さらに、地下鉄乗車中など、通信圏外となった場合には円滑なデータ送受信ができないため、学習意欲を削ぐ原因となるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、複数の携帯電話機ユーザーに対し選択肢形式のドリル型問題文を記載した電子メールの送信し回答されるメールを分析し、ユーザーの知識・教養を習得する手助けを実行する電子メール送受信プログラムおよび学習サービスを提供し前記課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決すべく、携帯電話機をユーザーの知識・教養習得のためのゲーム機として機能させるための電子メール送受信プログラムであって、当該プログラムは複数のユーザーの個人登録情報、学習分野・選択コース、問題に対する回答の正誤状況、問題文メール送信から解答し回答メールを返信するまでに要した時間、得点スコア等を格納した顧客情報管理手段と、データベース化された複数の選択式の問題文、問題のジャンル、難易度、正答及び回答に対するコメント文等を格納した問題情報管理手段と、データベースに学習用の問題文メールと正答テキストを用意し蓄積しており、当該プログラムが問題文メールをユーザーへ送信し、ユーザーが問題文中予め用意された解答選択肢を選択し返信されてくる回答メールの解答テキストと、前記正答テキストとを比較し差分を判別し正誤情報を格納する添削手段と、前記回答メールに添削結果、正答及びコメント等を付加しユーザーへメール送信する情報伝達手段と、前記各手段における情報を分析し、登録全ユーザー分の順位、偏差値、成績、傾向等を導きだし格納する分析手段を具備することを特徴とするメール送受信プログラムを提供する。
【0008】
また、前記メール送受信プログラムにより、ユーザーが希望するまたは管理者側で任意に定めた時間と問題数の問題文メールをユーザーに送信し、一定時間経過しても回答メールが返信されてない場合に回答を促すコメントを記載した催促メールを送信することを特徴とする請求項1に記載のメール送受信サービスの提供方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のメール送受信プログラムは、選択式の問題を用いているため、ユーザー知識・教養の習得が容易であり、繰り返し学習することが苦にならず、楽しんで受講を続けることが可能となる。
【0010】
電子メールによる通信が可能な携帯型の情報端末装置を用いることにより、電子メールとして受信した問題に対する回答を、空き時間等を利用して手軽に作成することができ、また、回答を簡単に送信できるので、学習時のユーザーの負担を軽減させることができる。
【0011】
郵便による通信教育に比べ、ユーザーとの間の手続きに要する時間をより一層短縮することができ、ユーザーが回答を送信した直後に、添削結果とコメントを送信することができ、ユーザーは、ほとんどブランクを生じることなく毎日学習を行うことができ、学習効率をより一層高めることができる。
【0012】
ユーザーの得意、不得意の傾向が容易にデータベース化されるため対策を実践しやすいこととともに、複数の登録ユーザーとの比較を行うことで、学習意欲やモチベーション向上を図ることができる。また、学生や受験生に限らず、一般社会人等の広い年代のユーザーを対象とできる。
【0013】
問題にちなんだ広告を送信することができ、広告主の有する良好なサービスの認知度向上と本件サービス運営費用の一部を捻出することが可能となる。
【発明の実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
本発明のメール送受信プログラムは、図1に示されるように、メール送受信を用いた添削サービスの管理及び問題コンテンツの更新等の運営全般は、運営事務所1が行い、運営事務所1には添削サービスを運営するためのサーバー10が設置されている。
【0016】
サーバー10の記憶部11には、顧客情報管理手段12、問題情報管理手段13、添削手段14、情報伝達手段15、分析手段16、メール送受信プログラム17などが備えられている。サーバー10及び記憶部11は、一般に知られた形式の製品を用いることが可能である。また、サーバー10はインターネット等のオープンなネットワーク30に接続されている。
【0017】
前記顧客情報管理手段12は、複数のユーザー20の個人登録情報、学習分野・選択コース、問題に対する回答の正誤状況、問題文メール送信から解答し回答メールを返信するまでに要した時間、得点スコア等を格納する。
【0018】
前記問題情報管理手段13は、データベース化された複数の選択式の問題文、問題のジャンル、難易度、正答及び回答に対するコメント文等を格納する。
【0019】
前記添削手段14は、ユーザー20が所有する携帯電話機端末装置21へ送信し回答後返信されてくる回答メールの回答テキストと、前記正答テキストとを比較し差分を判別し正誤情報を格納する。
【0020】
前記情報伝達手段15は、前記回答メールに添削結果、正答及びコメント等を付加しユーザー20へメール送信する。また、ユーザー20、携帯電話機キャリア22、広告主23、ユーザー候補者などとのメール送信手続き全般を受け持つ。
【0021】
前記分析手段16は、前記各手段における情報を分析し、登録全ユーザー分の順位、偏差値、成績、傾向等を導きだし格納する。
【0022】
前記メール送受信プログラム17は、顧客情報管理手段12に登録されたユーザー20の携帯電話端末装置21のメールアドレスなどの個人情報と学習分野・選択コース情報を抽出し、問題情報管理手段13に登録された当該ユーザー20に相応しいジャンル、難易度、問題数の問題文を抽出し、当該問題文を記載した問題文メールを情報伝達手段15により、ネットワーク30を経由して、ユーザー20の所有する携帯電話機端末装置21に送信するものである。携帯電話機端末装置21は、インターネット接続及び電子メール送受信などの所定機能を有するものである。
【0023】
次に、前記添削システムの利用形態の一例を説明する。図2は、メール送受信による添削サービスを提供する流れの一例を模した図である。メール送受信プログラム17は、問題文メールを生成し、ユーザー20へ問題文メールを送信する(ステップS1)。通信学習を行いたいユーザー20は、問題文メールが携帯電話機端末装置21に着信する(ステップS2)と、当該携帯電話機端末装置21所定のメール返信機能を用いて選択式となっている問題に回答し、回答メールを作成し、返信操作を実行する(ステップS3)。前記問題文の解答候補は選択式となっていることとするが、添削の際に間違った選択操作を行うと後述する添削の際に不正解と判別されることを考慮して、ユーザーには選択式の回答方法を正確に実行できるように管理者側であらかじめ周知しておくことが望ましい。
【0024】
ユーザー20の携帯電話機端末装置21から返信された回答メールをメール送受信プログラム17情報伝達手段15により受信し、メール送受信プログラム17は受信した回答メールに記載されている回答テキストと、問題情報管理手段13に格納されている当該回答に対応した正答テキスト文情報とを添削手段14が照合し(ステップS4)、両者が一致すれば正解として、不一致であれば当該不一致に相当する問題については不正解としてユーザー及びジャンル毎の正誤情報をメール送受信プログラム17へ返し、メール送受信プログラム17は顧客情報管理手段13に当該ユーザー20の正誤情報を格納する(ステップS5)。
【0025】
続いて、前記正誤情報と問題情報管理手段13に格納されている当該問題に対応したコメントをメール送受信プログラム17は添削メールとしてまとめ、添削メールを情報伝達手段15によりユーザー20の携帯電話機端末装置21に送信する(ステップS6)。
【0026】
メール送受信プログラム17は、添削メールの送信情報を顧客情報管理手段13に格納する。また、それぞれの情報を各情報管理手段に格納する際に、現在時刻の計時信号を併せて格納する。
【0027】
メール送受信プログラム17は、分析手段16を用い、顧客情報管理手段12に登録されている全登録ユーザーと当該正誤情報を選択ジャンル、難易度レベル、所定の問題毎に抽出して、ユーザーの順位、偏差値、得意・不得意分野の傾向等を個人毎に演算し、分析結果として生成し、顧客情報管理手段の該当レコードに格納する(ステップS7)。
【0028】
メール送受信プログラム17は、ユーザー20に関する添削の正誤情報、前記分析結果などを情報伝達手段15の有する機能のひとつである携帯電話機アクセス用のホームページに書き込み機能を用いて当該ユーザー向け成績発表ホームページを生成する(ステップS8)。同時に、当該ホームページへの不正アクセスを防止するため、顧客情報管理手段13に登録されているユーザー20固有のID、パスワードを識別した場合にのみ当該ホームページにアクセスが可能となるようセキュリティで保護する。
【0029】
メール送受信プログラム17は、ユーザー20に対し当該ユーザー向け成績発表ホームページが生成されたことを通知する通知メールを当該成績発表ホームページへのリンクアドレスを記載し適宜作成し、情報伝達手段15によりユーザー20へ電子メールを送受信する(ステップS9)。前記通知メールは、成績を記載した成績発表メール、一定レベルの成績を収めた際に送信するお祝いメール、景品やポイントを付与するご褒美メールなどとしてもよい。
【0030】
成績発表ホームページが生成されたことなどの通知を受けたユーザー20は、当該ホームページへアクセスすることによって得意・不得意分野の確認とともに、過去の問題を復習することが可能である。当該ホームページは携帯電話機端末装置向けに制作されているため、IDとパスワードを付与されたユーザーであれば、インターネット接続機能を備えた一般の汎用PCからも適宜アクセスが可能である。
【0031】
図3は、携帯電話機端末装置を所有するユーザーが当該携帯電話機端末装置を用いて会員登録を行う場合の添削サービスの入会ページ表示画面の一例を示したイメージ図である。本件特許の添削サービスは、ユーザーの所有する当該携帯電話機端末装置のホームページ閲覧機能を用い、ホームページ上から入会を行うこととすると、個人認証、個人情報登録手続きが円滑に進み、利便性が高まる。方法は、時宜にかなった一般的な方法でもよいものとする。
【0032】
図4は、携帯電話機端末装置を所有するユーザーが当該携帯電話機端末装置を用いて会員登録を行う場合の添削サービスの受講ジャンル選択画面の一例を示したイメージ図である。本件特許の添削サービスは、学生、特に受験生というユーザーに限らず、大人の一般教養、資挌取得、ビジネスなどの様々なマナー、外国語会話、料理、趣味などの各世代のユーザーに日々の基礎知識の習得を目指してもらうこととし、ゲーム性を活かした繰り返しサービスを利用してもらえる方法とする。
【0033】
本実施例では、携帯電話機キャリアの公式サイトとして記載したものであるため課金システムについては説明していないが、一般的に各ユーザーに対し設問のジャンル、問題数、出題頻度等に応じて一定の金額の有料サービスであるため、時宜にかなった一般的な課金手段を具備するものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係るシステムの構成を示す概略図である。
【図2】 本発明の添削サービスにおける処理手順を示すブロック図である。
【図3】 本発明の添削サービスにおける入会手続き画面を示すイメージ図である。
【図4】 本発明の添削サービスにおける受講ジャンル選択手続き画面を示すイメージ図である。
【符号の説明】
1 運営事務所
10 サーバー
11 記憶部
12 顧客情報管理手段
13 問題情報管理手段
14 添削手段
15 情報伝達手段
16 分析手段
17 メール送受信プログラム
20 ユーザー
21 携帯電話機端末装置
22 携帯電話機キャリア
30 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話機をユーザーの知識・教養習得のためのゲーム機として機能させるための電子メール送受信プログラムであって、当該プログラムは複数のユーザーの個人登録情報、学習分野・選択コース、問題に対する回答の正誤状況、問題文メール送信から解答し回答メールを返信するまでに要した時間、得点スコア等を格納した顧客情報管理手段と、データベース化された複数の選択式の問題文、問題のジャンル、難易度、正答及び回答に対するコメント文等を格納した問題情報管理手段と、データベースに学習用の問題文メールと正答テキストを用意し蓄積しており、当該プログラムが問題文メールをユーザーへ送信し、ユーザーが問題文中予め用意された解答選択肢を選択し返信されてくる回答メールの解答テキストと、前記正答テキストとを比較し差分を判別し正誤情報を格納する添削手段と、前記回答メールに添削結果、正答及びコメント等を付加しユーザーへメール送信する情報伝達手段と、前記各手段における情報を分析し、登録全ユーザー分の順位、偏差値、成績、傾向等を導きだし格納する分析手段を具備することを特徴とするメール送受信プログラム。
【請求項2】
前記メール送受信プログラムにより、ユーザーが希望するまたは管理者側で任意に定めた時間と問題数の問題文メールをユーザーに送信し、一定時間経過しても回答メールが返信されてない場合に回答を促すコメントを記載した催促メールを送信することを特徴とする請求項1に記載のメール送受信サービスの提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−155542(P2006−155542A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−381613(P2004−381613)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【出願人】(505003609)
【出願人】(503056436)ピー・エフ・アイコンサルティング株式会社 (1)
【Fターム(参考)】