説明

携帯電話帳管理システム

【課題】携帯電話機が、電話帳管理サーバから最新の電話帳データを取得し、自機に保有する電話帳データとの同期を取ることができるようにすると共に、携帯電話機及び電話帳管理サーバに蓄積された電話帳データの情報漏えい又は不正使用を防止する電話帳管理システムを提供する。
【解決手段】電話帳データベース106を備えた電話帳管理サーバ30と、電話帳管理サーバ30から電話帳データを受信する携帯電話機40から成る電話帳管理システム20であって、電話帳管理サーバ30は、携帯電話機40ごとに利用可能な電話帳データを電話帳データベース106から読み出す電話帳データ読出し手段117と、読み出した電話帳データを、要求元の携帯電話機40に送信する電話帳データ送信手段118とを備え、携帯電話機40は、要求を行うことにより、電話帳管理サーバ30から最新の電話帳データを取得し、最新の電話帳データと、自機に保有する電話帳データ140との同期を取る電話帳データ同期手段135を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機からの要求に対して電話帳管理サーバで管理する電話帳データを送信する携帯電話帳管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の技術の向上に伴い、電話帳データを携帯電話だけで管理することは一般に行なわれている。一方、携帯電話機の操作性の問題から、電話帳データの登録、修正、削除を電話帳管理サーバで行い、携帯電話に対して自動的に最新データを反映する仕組みも知られている。
【0003】
図9は、データの登録、修正、削除を電話帳管理サーバで行い自動的に最新データを反映する公知の電話帳管理システム1の概要を示すものである。電話帳管理システム1は、電話帳管理サーバ2と、電話帳管理サーバ2から携帯公衆電話回線網及びインターネット3を介して電話帳データを受信する携帯電話機4とから構成され、電話帳管理サーバ2は、各種の指示を入力する入力部5、外部メディアとのデータ入出力を行う外部インタフェース入出力制御装置6、操作内容や実行結果を表示するディスプレイ装置7、全体を制御するデータ処理部8、入力したデータを蓄積する記憶装置9、データの処理を実行するプログラムを格納するメモリ装置10とから構成されている。
【0004】
このような構成の電話帳管理システム1に於いては、電話帳管理サーバ2から入力した登録者情報を記憶装置9に格納し、登録者情報を複数の電話帳としてまとめる。登録者情報に変更や削除が発生した場合、電話帳管理サーバ2からの入力により更新や削除を行う。
電話帳管理サーバ2は、携帯電話機4から電話帳取得要求受けると、電話帳データを携帯電話機4に送信する。
尚、本発明に関連する公知技術文献としては下記の特許文献1がある。
【特許文献1】特開2002−57798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、電話帳データの登録、修正、削除を電話帳管理サーバで行い携帯電話に対して自動的に最新データを反映する仕組みは、携帯電話機の操作性の問題からも利便性が高いものである。又、電話帳管理サーバの持つ大量のデータから選択した電話帳データを携帯電話にダウンロードすることも可能である。
【0006】
然しながら、そのような場合に於いても、携帯電話に個人情報を持つことは、紛失した場合や盗難にあった場合等に情報漏えいの危険性が高い。又、電話帳管理サーバに於いても、情報漏えい等を防止する必要がある。
そこで、電話帳管理サーバから携帯電話に対して電話帳データの最新データを反映する仕組みに於いて、携帯電話及び電話帳管理サーバの情報漏えいや、不正使用を防止することが望まれている。尚、特許文献1は前述した問題を解決するものではない。
【0007】
以上の現状に鑑み、本発明は、携帯電話機が、電話帳管理サーバから最新の電話帳データを取得し、自機に保有する電話帳データとの同期を取ることができるようにすると共に、携帯電話機及び電話帳管理サーバに蓄積された電話帳データの情報漏えい又は不正使用を防止する電話帳管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、電話帳データベースを備えた電話帳管理サーバと、該電話帳管理サーバから電話帳データを受信する携帯電話機から成る電話帳管理システムであって、
前記電話帳管理サーバは、前記電話帳データベースに電話帳データを登録する電話帳データ登録手段と、
登録された電話帳データを、名前及び電話番号をキーとして検索し更新または削除する電話帳データ更新手段と、
電話帳データの利用可否を、携帯電話機ごとに電話帳データベースに登録する電話帳データ利用可否登録手段と、
電話帳データを利用可能な携帯電話機を、電話帳データベースを参照して識別する携帯電話機識別手段と、
携帯電話機からの要求により、電話帳データベースから携帯電話機ごとに利用可能な電話帳データを読み出す電話帳データ読出し手段と、
読み出した電話帳データを、要求元の携帯電話機に送信する電話帳データ送信手段とを備え、
前記携帯電話機は、要求を行うことにより前記電話帳管理サーバから最新の電話帳データを取得し、該最新の電話帳データと、自機に保有する電話帳データとの同期を取る電話帳データ同期手段を備えることを特徴とする携帯電話帳管理システムを提供するものである。
【0009】
請求項2に係る発明は、電話帳データベースを備えた電話帳管理サーバと、該電話帳管理サーバから電話帳データを受信する携帯電話機から成る携帯電話帳管理システムであって、
前記電話帳管理サーバは、要求元の携帯電話機が正規の利用者か否かを認証する認証手段と、
電話帳データベースに複数の電話帳データを持ち、利用者ごとに提供可能な電話帳データを設定する提供可能電話帳データ設定手段と、
利用者ごとに電話帳データの提供可否を設定する電話帳データ提供可否設定手段と、
電話帳データを暗号化して携帯電話機に送信する電話帳データ送信手段とを備え、
前記携帯電話機は、電話帳管理サーバに対し一定間隔で認証要求を行う認証要求手段と、
一定回数認証要求に失敗した場合に、携帯電話機内の電話帳データをロックして参照不可にするロック手段と、
前記電話帳管理サーバから認証不正の回答受信時に電話帳データを強制的に削除する電話帳データ強制削除手段とを備えることを特徴とする携帯電話帳管理システムを提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1記載の発明によれば、携帯電話機が、電話帳管理サーバから最新の電話帳データを取得し、自機に保有する電話帳データとの同期を取ることができると共に、電話帳管理サーバに蓄積された電話帳データの情報漏えい又は不正使用を防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、携帯電話機が、電話帳管理サーバから最新の電話帳データを取得し、自機に保有する電話帳データとの同期を取ることができると共に、携帯電話機及び電話帳管理サーバに蓄積された電話帳データの情報漏えい又は不正使用を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1に於いて、20は、本発明の実施形態の携帯電話帳管理システムであり、携帯電話帳管理システム20は、電話帳管理サーバ30、携帯電話機40とが携帯電話公衆回線網及びインターネット50を介して通信自在に接続されている。
電話帳管理サーバ30は、ディスプレイ装置101、MPU102、キー入力装置103、外部入出力制御装置104と、後述するアプリケーションを格納するメモリ105と、記憶装置内に電話帳データベース106とを備えている。
【0012】
そして、メモリ105内には、電話帳データを利用する利用者のデータを登録及び更新するための利用者登録・更新手段111、利用者が利用する電話帳データ又は電話帳ファイルを登録する利用電話帳データ登録手段112、電話帳データ登録手段113、電話帳データ更新手段114、携帯電話機40からの電話帳データ送付要求を受信するための電話帳データ送付要求受信手段115、電話帳データベース106を参照して、電話帳データを利用可能な携帯電話機40を識別する携帯電話機識別手段116、電話帳データ読出し手段117、電話帳データ送信手段118、携帯電話機40からの認証要求を受信する認証要求受信手段119、PKI(Public
Key Infrastructure 公開鍵基盤)クライアント認証を行なう認証手段120、認証結果送信手段121等のアプリケーションが格納されている。
【0013】
又、電話帳データベース106には、利用者情報テーブル122、利用者別使用電話帳テーブル123、電話帳名称テーブル124、電話帳登録者テーブル125、電話帳所属テーブル126、ダウンロード等の履歴を蓄積する履歴テーブル127が格納されている。
【0014】
一方、携帯電話機40はMPU131と記憶メモリ132とを備え、記憶メモリ132は、アプリケーション記憶エリア133と、データ記憶エリア134とから構成される。
アプリケーション記憶エリア133は、電話帳データ同期手段135、認証要求手段136、電話帳データをロックして電話帳データの参照を不可能にするロック手段137、電話帳データ強制削除手段138、電話帳データ送付要求手段139としての各機能を持つアプリケーションを格納し、且つ、携帯電話機40としての必要な図示省略のアプリケーションを格納し、データ記憶エリア134内に電話帳データ140を持つ。
【0015】
電話帳データ利用者は、電話帳管理サーバ30において利用者登録を行う。利用者登録は電話帳管理サーバ管理者が行い、利用者登録・更新手段111によって利用者の個人情報、携帯電話機40の機種情報を登録し、それらの情報は、利用者情報テーブル122に格納される。
利用者の携帯電話機40からは定期的に利用者の認証を行う。一定時間電話帳管理サーバ30と接続できない場合、携帯電話機40側の機能により電話帳データの利用が行えなくなる。
【0016】
又、利用者から携帯電話機40を紛失したとの連絡があった場合や、サーバ管理者が利用者の利用を停止する判断をした場合、電話帳管理サーバ30のステータスを利用停止に変更する。この状態で携帯電話機40から認証のアクセスがあった場合、携帯電話機40での電話帳利用が行えなくなる。
携帯電話機40からの要求として、認証要求、及び、電話帳データの送付要求141等が存在する。
電話帳管理サーバ30からの応答としては、電話帳データ送信、認証結果送信142等が存在する。これらの要求と応答は携帯公衆回線網及びインターネット50を介して行なわれ、インターネットに於いては、TCP/IPで接続され、プロトコルとしてHTTPが用いられる。クライアント認証は、PKIによる暗号を用いて行なわれる。
【0017】
携帯電話機40は、電話帳管理サーバ30から携帯公衆回線網及びインターネット50を通じて取得した電話帳データ140を携帯電話機40のデータ記憶エリア134内に格納する。
本実施の形態において、電話帳データ140とは氏名、電話番号、メールアドレスを含んでいる。電話番号とメールアドレスについては、複数保持することが可能である。
【0018】
携帯電話機40は認証要求手段136によって電話帳管理サーバ30に対して認証要求を行う。これに応答して、認証結果が電話帳管理サーバ30の認証結果送信手段121によって、電話帳管理サーバ30から送られてくるが、認証に成功した場合、携帯電話機40内の電話帳データ140はそのまま維持され、この時、携帯電話機40から電話帳データ送付要求手段139によって電話帳データを送付要求すると、電話帳管理サーバ30の電話帳データ送信手段118によって履歴に基づく差分データ又は全データの電話帳データが送られてくる。
【0019】
携帯電話機40は送られてきた電話帳データにより電話帳データ同期手段135によって自機の電話帳データ140の差分の更新を行い最新の状態とする。尚、送られてきた電話帳データが全データである場合は、全データを格納、又は、上書きする。
【0020】
又、認証に失敗した場合は、認証に失敗した認証結果に基づき、電話帳データ強制削除手段138によって強制的に携帯電話機40内の電話帳データ140の削除を行う。
更に、認証時に電話帳管理サーバ30で当該利用者の電話帳利用が禁止されていた場合も、その認証結果に基づき、電話帳データ強制削除手段138によって電話帳データ140の削除を行う。
【0021】
更に又、一定期間認証が行われなかった場合、ロック手段137によって電話帳データ140のロックを行い、参照不可状態にする。電話帳データ140がロックされた場合、認証要求手段136によって電話帳管理サーバ30に対して認証要求を行い、認証が成功した時、ロック手段137によりロックの解除を行う。ロックされた状態で認証に失敗した場合、電話帳データ強制削除手段138によって電話帳データ140は記憶メモリ132上から削除される。
【0022】
携帯電話機40が、電話帳管理サーバ30から電話帳データを取得する処理の流れについて、図1及び図2を用いて更に詳細に説明する。電話帳データ登録手段113による電話帳登録処理201により、利用者が参照可能な電話帳データが、利用者別使用電話帳テーブル123内に登録されていることが前提となる。
先ず、携帯電話機40の認証要求手段136によって、電話帳管理サーバ30に対し、定時ごとの自動処理もしくは手動処理による認証要求送信202を行う。
【0023】
電話帳管理サーバ30では、認証要求受信手段119によって、携帯電話機40からの認証要求202を受信すると、携帯電話機識別手段116によって、利用者情報テーブル122を参照し、認証要求202があった携帯電話機40が登録されているかどうかについて認証処理203を行う。次に、認証手段120によって、利用者情報テーブル122を参照し、要求があった携帯電話機40の利用者が、正規の利用者であるか、即ち、利用を許可されているかどうかについての認証処理203を行う。
【0024】
認証が成功した場合は、その認証結果を認証結果送信手段121によって携帯電話機40へ送信204する。携帯電話機40側では認証が成功した認証結果を受信したのち、電話帳データ送付要求手段139によって、電話帳管理サーバ30へ電話帳データ送付要求を送信205する。尚、電話帳データ送付要求は、認証結果を受信した時に必ず行なわれる必要はなく、適宜、行なわれても良く、或いは、携帯電話機40の利用者が要求しても良い。又、電話帳データ送付要求としては、全データ要求、及び、更新データ要求がある。
【0025】
電話帳管理サーバ30は、電話帳データ送付要求205を受信すると、それが、更新データ要求である場合、電話帳データ読出し手段117により、履歴テーブル127を参照し、履歴テーブル127の履歴に基き、利用者別使用電話帳テーブル123から要求元の携帯電話機40が利用できる最新の電話帳データとの差分情報を読出し206、読み出した電話帳データの差分情報を電話帳データ送信手段118により、携帯電話機40に対し送信207する。差分情報の電話帳データは、例えば、SSLにより暗号化して送信される。尚、電話帳データ送付要求205をしなくても、認証結果送信204と共に、或いは、その後に電話帳管理サーバ30から携帯電話機40へ自動的に電話帳データを送信するようにしても良い。
【0026】
又、電話帳データ送付要求205が全データ要求である場合は、電話帳データ読出し手段117により、利用者別使用電話帳テーブル123から要求元の携帯電話機40が利用できる電話帳データを読出し206、読み出した電話帳データを電話帳データ送信手段118により、携帯電話機40に対し送信207する。尚、全データ要求を履歴テーブル127により判断する構成にしても良い。
携帯電話機40は、電話帳データ同期手段135により、取得した差分情報で、自機の電話帳データ140を同期処理208して更新する。尚、全データを受信した場合は、そのまま、又は、前データがある時は前データを削除し、或いは、前データに上書きして格納する。
【0027】
電話帳管理サーバ30からの電話帳取得に失敗する場合の流れを、図1及び図3を用いて詳細に説明する。電話帳登録201から認証処理203までは、図2の動作と同じ流れであるので説明を省略する。
【0028】
認証処理203に於ける認証時に、携帯電話機40のクライアント認証に失敗した場合と、携帯電話機40の利用者が利用停止状態になっている場合、認証結果送信手段121により、携帯電話機40に対してエラー応答の認証結果送信301を行う。
携帯電話機40は、エラー応答の認証結果送信301の信号を受信した場合、電話帳データ強制削除手段138による電話帳データ強制削除処理302によって記憶メモリ132上の電話帳データ140を全て削除する。
【0029】
次に、携帯電話機40の電話帳データ140を保持する状態の遷移を、図1及び図4を用いて詳細に説明する。初期状態401では携帯電話機40には電話帳データ140を持たない(初期状態)。
認証成功405の場合、電話帳管理サーバ30から電話帳データ140を取得し、データ記憶エリア134に格納して、電話帳データ使用可能状態403となり、電話帳データ140を参照することができる。
電話帳データ使用可能状態403で定期的な認証要求による認証成功404が続くと、そのままの状態を維持する。
【0030】
電話帳データ使用可能状態403に於いて、定期的な認証要求による認証時に、認証エラー406となると、電話帳データ140は削除されて初期状態401に遷移する。
電話帳データ使用可能状態403で一定期間認証未実行407となった場合、電話帳ロック状態408に遷移する。電話帳ロック状態408においては電話帳データ140はロックされ、電話帳データ140の使用及び参照はできないが、電話帳データ140は保持している。
【0031】
次に、電話帳ロック状態408に於いて認証成功409となった場合、電話帳データ140のロックは解除され、ロック電話帳使用可能状態403に遷移する。
電話帳ロック状態408で認証エラー410となった場合、電話帳データ140が削除され、初期状態401に遷移する。
【0032】
前述した電話帳データを取得する一連の流れについて、図1及び図5を用いて更に詳細に説明する。まず認証要求手段136によって電話帳管理サーバ30との接続501を行う。
接続ができなかった場合、電話帳データ強制削除手段138によって、前回接続後の規定時間経過確認504を行い、規定時間経過していた場合、不正な状態にあると判断し携帯電話機40上の電話帳データ140を電話帳強制削除処理506する。
【0033】
前回接続から規定時間内だった場合、次のタイミングで電話帳管理サーバ30との接続を行う。電話帳管理サーバ30との接続が行えた場合、認証要求手段136による認証要求に基づき、電話帳管理サーバ30は、認証手段120によって認証処理503を実行する。
【0034】
認証処理判定505で認証が正しく行えた場合は、携帯電話機40は、電話帳管理サーバ30から携帯電話機40が利用できる電話帳データ140の差分情報或いは全情報を取得し、電話帳データ同期手段135によって、携帯電話機40上の電話帳データ140に電話帳同期処理507、即ち、反映を行う。
電話帳管理サーバ30の認証処理503においてエラーと判定された場合、携帯電話機40に対して電話帳管理サーバ30から認証結果送信手段121によってエラー応答がされる。携帯電話機40はエラー応答を受信した場合、電話帳データ強制削除手段138による電話帳強制削除処理508により携帯電話機40上の電話帳123を削除する。
【0035】
電話帳管理サーバ30での利用者情報管理について、図1及び図6を用いて説明する。電話帳データを利用する携帯電話機40の利用者について、利用者登録・更新手段111であるサーバ利用者情報登録画面によって、電話帳管理サーバ30上で登録を行う。また登録した情報について、更新と削除も可能とする。
【0036】
利用者情報は一覧として表示ができるが、登録及び更新時は1人につき1画面以上の画面として表示を行う。利用者単位に電話番号601、利用者氏名602、社員番号603、証明書ID604、利用電話帳データ登録手段112である利用可能な個別電話帳名称605、利用中か否か等の利用状態を表示する利用状態606の登録・更新欄を持つ。
前記データについて登録/更新607押下により登録もしくは更新を行い、削除608押下で削除を行う。
【0037】
利用可能な電話帳データとは、複数の個別電話帳名称を登録するので利用者ごとに参照権限を与えるために設定される電話帳データである。例えば顧客A社の担当者情報、顧客B社の担当者情報をそれぞれ別の社員に参照させるという使い方ができる。A社担当社員にはA社の情報のみ、B社の担当社員にはB社の情報のみといった見せ方が可能となる。又、会社の中でも自部署の全社員の電話帳、他部署については管理職のみといった分け方も可能となる。
【0038】
登録する情報について、利用者情報は利用者情報テーブル122に格納を行う。利用者情報の持ち方としては、利用者情報テーブル122に電話番号、氏名、社員番号、証明書ID、利用状態を持つ。
利用者ごとに参照可能な電話帳は、利用者別使用電話帳テーブル123で規定する。社員番号と利用電話帳IDで1レコードとして登録する。社員番号をキーに選択すれば、利用可能な電話帳IDが取得できる。電話帳IDと電話帳データの日本語名称は、電話帳名称テーブル124で規定する。電話帳IDごとの日本語表記を定義する。又、1人の社員が参照可能な電話帳データの数も、自由に設定できる。
【0039】
携帯電話帳管理の方法について、図7を用いて説明する。電話帳データは前述の通り複数定義可能である。電話帳データごとに、登録情報を設定可能とする。
電話帳管理サーバ30の電話帳データ登録手段113である登録画面において電話帳名称701の表示、電話帳ID702の表示、電話帳データ703の表示及び入力を行う。登録/更新704押下により追加及び更新を行う。削除705押下で選択した登録者の削除を行う。登録情報としては、氏名、電話番号、メールアドレス等がある。電話番号とメールアドレスについては、複数の登録を可能とする。登録者情報は電話帳登録者テーブル125に持つ。
【0040】
各登録者ごとに固有のIDである登録者IDを持ち、登録者IDをキーとする。登録者IDと電話帳IDを電話帳所属テーブル126で関連付ける。これは登録者が複数の電話帳登録者テーブル125に登録される場合、データの一元管理を行うためである。
複数の電話帳登録者テーブル125に登録されるケースとして、同一組織内に複数の電話帳登録者テーブルが存在する場合がある。A社総務部電話帳登録者テーブル、A社営業部電話帳登録者テーブル、A社管理職電話帳登録者テーブルといった持ち方をする場合が例として挙げられる。
【0041】
図8に携帯電話機40に表示する警告画面を示す。規定時間内に認証が行えなかった場合、手動認証を促す警告画面801を表示する。本画面801が表示された場合、図4の状態遷移に示す電話帳データロック状態408となる。この時、電話帳データ140の使用はできず、この状態で、更に、認証に失敗した場合は電話帳データ140が削除されることとなる。電話帳データロック状態408から、認証に成功した場合は、再び電話帳データ140が使用可能、又は、参照可能となる。
認証した結果、エラー応答が返却された場合、警告画面802が表示される。この画面が表示された場合は図4に示す携帯電話機40の状態遷移の初期状態401に遷移し、携帯電話機40上に保持していた電話帳データ140が全て削除されたことを示す。
【0042】
斯くして、本発明の携帯電話帳管理システム20において、携帯電話機40は、電話帳管理サーバ30から最新の電話帳データを取得し、その最新の電話帳データと、自機に保有する電話帳データ140との同期を取ることができる。
又、電話帳管理サーバ30は、携帯電話機識別手段116、認証手段120を備え、携帯電話機40は、認証要求手段136と、ロック手段137と、電話帳データ強制削除手段135とを備えるので、電話帳管理サーバ30に格納された携帯電話帳データ及び携帯電話機40に蓄積された電話帳データ140の情報漏えい又は不正使用を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明による携帯電話帳管理システムを概略的に示す説明図である。
【図2】本発明による携帯電話帳管理システムに於いて、認証成功時の電話帳データ取得シーケンス図である。
【図3】本発明による携帯電話帳管理システムに於いて、認証失敗時の電話帳データ取得シーケンス図である。
【図4】本発明による携帯電話帳管理システムに於いて、携帯電話の電話帳データの保持状態の遷移を示す説明図である。
【図5】本発明の携帯電話帳管理システムに於ける認証及び電話帳データ処理フローである。
【図6】(a)本発明の携帯電話帳管理システムに於けるサーバ利用者情報登録画面である。(b)テーブルの説明図である。
【図7】(a)本発明の携帯電話帳管理システムに於けるサーバ電話帳データ登録画面である。(b)テーブルの説明図である。
【図8】(a)本発明の携帯電話帳管理システムに於ける携帯電話に表示される警告画面である。(b)本発明の携帯電話帳管理システムに於ける携帯電話に表示される電話帳データ削除を知らせる画面である。
【図9】従来例による携帯電話帳管理システムを概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0044】
20 電話帳管理システム
30 電話帳管理サーバ
40 携帯電話機
106 電話帳データベース
111 利用者登録・更新手段
112 利用電話帳データ登録手段
113 電話帳データ登録手段
114 電話帳データ更新手段
115 電話帳データ送付要求受信手段
116 携帯電話機識別手段
117 電話帳データ読出し手段
118 電話帳データ送信手段
119 認証要求受信手段
120 認証手段
121 認証結果送信手段
135 電話帳データ同期手段
136 認証要求手段
137 ロック手段
138 電話帳データ強制削除手段
140 電話帳データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話帳データベースを備えた電話帳管理サーバと、該電話帳管理サーバから電話帳データを受信する携帯電話機から成る電話帳管理システムであって、
前記電話帳管理サーバは、前記電話帳データベースに前記携帯電話機の利用者を登録及び更新する利用者登録・更新手段と、
携帯電話機ごとに、利用する電話帳データを登録する利用電話帳データ登録手段と、
電話帳データを登録する電話帳データ登録手段と、
登録された電話帳データを、名前及び電話番号をキーとして検索し更新または削除する電話帳データ更新手段と、
携帯電話機からの電話帳データ送付要求を受信する電話帳データ送付要求受信手段と
携帯電話機からの要求により、電話帳データベースを参照して、電話帳データを利用可能な携帯電話機を識別する携帯電話機識別手段と、
携帯電話機ごとに利用可能な電話帳データを電話帳データベースから読み出す電話帳データ読出し手段と、
読み出した電話帳データを、要求元の携帯電話機に送信する電話帳データ送信手段とを備え、
前記携帯電話機は、要求を行うことにより、前記電話帳管理サーバから最新の電話帳データを取得し、該最新の電話帳データと、自機に保有する電話帳データとの同期を取る電話帳データ同期手段を備えることを特徴とする携帯電話帳管理システム。
【請求項2】
電話帳データベースを備えた電話帳管理サーバと、該電話帳管理サーバから電話帳データを受信する携帯電話機から成る携帯電話帳管理システムであって、
前記電話帳管理サーバは、前記携帯電話機からの認証要求を受信する認証要求受信手段と、
要求元の携帯電話機が正規の利用者か否かを認証する認証手段と、
認証結果を前記携帯電話機に送信する認証結果送信手段と、
携帯電話機からの電話帳データ送付要求を受信する電話帳データ送付要求受信手段と
電話帳データを暗号化して携帯電話機に送信する電話帳データ送信手段とを備え、
前記携帯電話機は、電話帳管理サーバに対し一定間隔で認証要求を行う認証要求手段と、
一定回数認証要求に失敗した場合に、携帯電話機内の電話帳データをロックして参照不可にするロック手段と、
前記電話帳管理サーバから認証不正の回答受信時に電話帳データを強制的に削除する電話帳データ強制削除手段とを備えることを特徴とする携帯電話帳管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−123959(P2007−123959A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−309048(P2005−309048)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】