説明

携帯電話機用充電器

【課題】利用者が携行可能であって、事業者が予め記憶させておいたデータを携帯電話機に送信できる携帯電話機用充電器を提供すること。
【解決手段】電気を蓄える蓄電部102と、データを記憶する記憶部103と、携帯電話機3へ給電し、データを携帯電話機3へ送信するための出力用コネクタ部11と、携帯電話機3へ給電する蓄電部制御手段101aと、データを携帯電話機3へ送信する記憶部制御手段101bと、からなる携帯電話機用充電器1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機に接続して携帯電話機の内蔵電池を充電することができる携帯電話機用充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機には、主電源装置としてリチウムイオン電池などの二次電池が内蔵されている。これら二次電池の放電容量は、携帯電話機の利用や自然放電により失われていく。そのため、携帯電話機の利用者は、二次電池の放電容量を回復させるための充電を行う必要がある。特に携帯電話機は、災害時などの緊急時や、外出先で利用されることが多く、時間や場所を問わず充電できることが望まれている。
【0003】
そこで、コンビニエンスストアや電気量販店などの事業者は、電源コンセントに接続して利用する携帯電話機用充電器を複数台設置しておき、利用者の携帯電話機を、これら携帯電話機用充電器に一定時間接続(充電)させることで、利用者から利用料金を得る充電サービスを提供している。
【0004】
また、事業者がこれら充電サービスを無料もしくは安価で提供できるように、事業者が予め携帯電話機用充電器に記憶させておいた広告などのデータを、接続してきた携帯電話機に対して送信する携帯電話機用充電器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、利用者が時間や場所を問わず所望の契機で充電できるように、利用者が携行可能で、乾電池などの一次電池を内蔵した携帯電話機用充電器が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2004−201256号公報(第1図)
【特許文献2】特開2003−70177号公報(第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1にあっては、携帯電話機への充電が必要となる状況の多くが、利用者が携帯電話機を利用しているときであり、例えば、利用者が充電サービスの提供場所から離れた場所で携帯電話機を利用しているときには、携帯電話機を充電できない。このため、携帯電話機が必要であるにも関わらず利用できなくなってしまうという問題があった。
【0008】
また、特許文献2にあっては、広告などのデータを接続された携帯電話機に対して送信できず、事業者は、携帯電話機用充電器を無料もしくは安価で利用者に提供することが難しいという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、利用者が携行可能であって、事業者が予め記憶させておいたデータを携帯電話機に送信できる携帯電話機用充電器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の携帯電話機用充電器は、
携帯電話機に給電するための電気を蓄える蓄電部と、
前記携帯電話機に送信するためのデータを記憶する記憶部と、
前記携帯電話機に接続されて、前記蓄電部に蓄えられた電気を前記携帯電話機へ給電し、前記記憶部に記憶されたデータを前記携帯電話機へ送信するための出力用コネクタ部と、
前記出力用コネクタ部が前記携帯電話機に接続されたことを条件に、前記出力用コネクタ部を介して、前記蓄電部に蓄えられた電気を前記携帯電話機へ給電する蓄電部制御手段と、
前記出力用コネクタ部が前記携帯電話機に接続されたことを条件に、前記出力用コネクタ部を介して、前記記憶部に記憶されたデータを前記携帯電話機へ送信する記憶部制御手段と、
を備える、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、利用者が携帯電話機に携帯電話機用充電器を接続したときには、時間と場所に関わらず、蓄電部に蓄えられた電気により携帯電話機を給電することができるとともに、予め記憶部に記憶されていたデータを携帯電話機に送信することができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載の携帯電話機用充電器は、請求項1に記載の携帯電話機用充電器であって、
前記記憶部に記憶するデータは、前記携帯電話機に広告を出力させるデータである、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、利用者が携帯電話機に携帯電話機用充電器を接続したときには、予め記憶部に記憶されていた広告を携帯電話機に出力させることができる。
【0012】
本発明の請求項3に記載の携帯電話機用充電器は、請求項1または2に記載の携帯電話機用充電器であって、
前記記憶部に記憶するデータは、前記携帯電話機に所定の電子メールを所定の電子メールアドレス宛に送信させるデータである、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、利用者が携帯電話機に携帯電話機用充電器を接続したときには、予め記憶部に記憶されていた電子メールアドレス宛に、予め記憶されていた内容の電子メールを携帯電話機に送信させることができる。
【0013】
本発明の請求項4に記載の携帯電話機用充電器は、請求項1〜3のいずれかに記載の携帯電話機用充電器であって、
前記携帯電話機用充電器は、
前記蓄電部は二次電池を含み、
充電器に接続されて、前記充電器から前記蓄電部へ給電するための電源入力用コネクタ部を備え、
前記蓄電部制御手段は、前記電源入力用コネクタ部が前記充電器に接続されたことを条件に、前記電源入力用コネクタ部を介して、前記充電器から給電される電気を前記蓄電部に充電する、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、利用者が充電器に携帯電話機用充電器を接続したときには、蓄電部に含まれる二次電池を充電することができるので、1台の携帯電話機用充電器を用いて、携帯電話機を複数回充電することができる。
【0014】
本発明の請求項5に記載の携帯電話機用充電器は、請求項1〜4のいずれかに記載の携帯電話機用充電器であって、
前記携帯電話機用充電器は、
前記記憶部はデータを書き込み可能なメモリを含み、
データ書き込み器に接続されて、前記データ書き込み器から前記記憶部へデータを送信するためのデータ入力用コネクタ部を備え、
前記記憶部制御手段は、前記データ入力用コネクタ部が前記充電器に接続されたことを条件に、前記データ入力用コネクタ部を介して、前記データ書き込み器から送信されるデータを前記記憶部に書き込む、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、利用者がデータ書き込み器に携帯電話機用充電器を接続したときには、メモリに新たにデータを書き込むことができるので、1台の携帯電話機用充電器であっても、携帯電話機に異なるデータを送信することができる。例えば、携帯電話機に対して、異なる広告を出力させたり、異なる電子メールを送信させることができる。
【0015】
本発明の請求項6に記載の携帯電話機用充電器は、請求項1〜5のいずれかに記載の携帯電話機用充電器であって、
前記記憶部制御手段は、前記蓄電部制御手段が前記蓄電部に蓄えられた電気を前記携帯電話機へ給電し、かつ、前記携帯電話機が利用中でないと判定したことを条件に、前記出力用コネクタ部を介して、前記記憶部に記憶されたデータを前記携帯電話機へ送信する、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、携帯電話機の電池切れを心配している利用者が、携帯電話機に携帯電話機用充電器を接続して、給電しながら携帯電話機をすぐに利用したい、といった要望をもったときに、この要望を阻害することなく広告等のデータを携帯電話機に送信することができる。
【0016】
本発明の請求項7に記載の携帯電話機用充電器は、請求項1〜6のいずれかに記載の携帯電話機用充電器であって、
前記携帯電話機用充電器は、
前記蓄電部に蓄えられた電気を給電可能な前記携帯電話機への取り付けが可能なストラップを取り付けるための取り付け手段を備える、
ことを特徴とする。
この特徴によれば、携帯電話機に取り付けられたストラップを、取り付け手段により携帯電話機用充電器に取り付けることで、携帯電話機用充電器を容易に携帯電話機と併せて携行することができる。
【0017】
本発明の携帯電話機用充電システムは、
携帯電話機用充電器と、前記携帯電話機用充電器に接続されて、電気を前記携帯電話機用充電器へ給電するための充電器と、前記携帯電話機用充電器に接続されて、データを前記携帯電話機用充電器へ送信するためのデータ書き込み器と、からなる携帯電話機用充電システムであって、
前記携帯電話機用充電器は、
前記携帯電話機に給電するための電気が蓄えられる二次電池を含む蓄電部と、
前記携帯電話機に送信するためのデータを書き込み可能なメモリを含む記憶部と、
前記携帯電話機に接続されて、前記蓄電部に蓄えられた電気を前記携帯電話機へ給電し、前記記憶部に蓄えられたデータを前記携帯電話機へ送信するための出力用コネクタ部と、
データ書き込み器と一体の充電器に接続されて、前記充電器から前記蓄電部へ給電するとともに、該充電器から前記記憶部へ送信されてくるデータを受信するための入力用コネクタ部と、
前記蓄電部を制御する蓄電部制御手段と、
前記記憶部を制御する記憶部制御手段と、
を備え、
前記蓄電部制御手段は、
前記出力用コネクタ部が前記携帯電話機に接続されたことを条件に、前記出力用コネクタ部を介して、前記蓄電部に蓄えられた電気を前記携帯電話機へ給電する給電処理手段と、
前記入力用コネクタ部が前記充電器に接続されたことを条件に、前記入力用コネクタ部を介して、前記充電器から給電される電気を前記蓄電部に充電する充電処理手段と、
を含み、
前記記憶部制御手段は、
前記出力用コネクタ部が前記携帯電話機に接続されたことを条件に、前記出力用コネクタ部を介して、前記記憶部に記憶されたデータを前記携帯電話機へ送信するデータ送信処理手段と、
前記入力用コネクタ部が前記充電器に接続されたことを条件に、前記入力用コネクタ部を介して、前記充電器から送信されるデータを前記記憶部に書き込むデータ更新処理手段と、
を含み、
前記データ書き込み器は、
前記携帯電話機用充電器へ送信するためのデータを変更するためのデータ変更手段を備える、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、データ書き込み器が携帯電話機用充電器へ送信するためのデータを変更することで、利用者が携帯電話機に携帯電話機用充電器を接続したときには、時間と場所に関わらず、蓄電部に蓄えられた電気により携帯電話機を給電することができるとともに、データ書き込み器において変更しておいたデータを携帯電話機に送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0019】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、まず図1は、本発明の実施例における携帯電話機用充電器1の全体像を示す斜視図である。
【0020】
本実施例の携帯電話機3は、図1に示すように、ボタン等からなる入力部33、液晶からなる表示部34、充電(電源の入力)やデータの入力を受け付けるための差し込みジャック31、ストラップ4を取り付けるためのストラップ取り付け部32、図示しない内蔵電池、から主に構成される通常の携帯電話機である。
【0021】
携帯電話機用充電器1は、図1に示すように、携帯電話機3の差し込みジャック31に接続するための出力用コネクタ部11、後述する充電器2と接続して充電(電源の入力)やデータの入力を受け付けるための入力用コネクタ部12、ストラップ4を取り付けるためのストラップ取り付け部13、から構成される。
【0022】
また、携帯電話機用充電器1は、後述するように二次電池からなる蓄電部102と、書き変え可能な不揮発性メモリである記憶部103を内蔵している。
【0023】
ストラップ4は、両端がリング状になっている。このため、図1に示すように、1本のストラップ4を、携帯電話機用充電器1のストラップ取り付け部13と携帯電話機3のストラップ取り付け部32に取り付けることができる。
【0024】
このように、ストラップ4を用いて携帯電話機用充電器1と携帯電話機3を併せて携行できるようになっている。
【0025】
充電器2は、図2に示すように、携帯電話機用充電器1の入力用コネクタ部12に接続するための充電器コネクタ部21を備え、電源とデータ書き換え端末5に接続されている。充電器2は、電源を充電器コネクタ部21を介して携帯電話機用充電器1に出力し、また、データ書き換え端末5から受信したデータを充電器コネクタ部21を介して携帯電話機用充電器1に出力する。尚、電源は通常の家庭用電源である。
【0026】
データ書き換え端末5は通常のコンピュータである。本発明の携帯電話機用充電器1、充電器2は、例えば、携帯電話機用充電器1を無料もしくは安価で利用者に配布した上で、充電器2をコンビニエンスストアや電気量販店等に設置して、携帯電話機用充電器1への充電サービスを提供しようとする事業者への販売を想定しており、データ書き換え端末5により事業者は、充電器2を介して利用者の携帯電話機3に送信するデータを任意に設定することができるようになっている。
【0027】
図3(a)は、携帯電話機用充電器1の構成を示すブロック図である。
【0028】
携帯電話機用充電器1は、二次電池からなる蓄電部102、書き変え可能な不揮発性メモリである記憶部103、携帯電話機3への電源の出力(給電)やデータの出力を行うための通信I/F104(出力用コネクタ部11)、充電器からの電源の入力(充電)やデータの入力を受け付けるための通信I/F105(入力用コネクタ部12)、蓄電部102に対する給電処理や充電処理を行うための蓄電部制御部101a、記憶部103に対するデータ受信処理やデータ受信送信処理を行うための記憶部制御部101b、から構成される。
【0029】
つまり、蓄電部制御部101aは本発明の蓄電部制御手段を構成し、記憶部制御部101bは本発明の記憶部制御手段を構成している。
【0030】
ここで、蓄電部制御部101a、記憶部制御部101bは、いずれもRAM(Ramdom Access Memory)やROM(Read Only Memory)やCPUからなる一般的なマイコンである。
【0031】
尚、蓄電部制御部101aと記憶部制御部101bを、1体の制御部として構成しても良い。この場合には、図3(b)に示すように、蓄電部制御部101aと記憶部制御部101bではなく、制御部101とすれば良い。具体的には、蓄電部制御部101a、記憶部制御部101bを個別に用意した場合よりも、高性能のRAMやROMやCPUからなるマイコンとすれば良い。特に、ROMには、蓄電部制御部101aのROMの記憶内容、及び、記憶部制御部101bのROMの記憶内容の双方を記憶させれば良い。
【0032】
また、通信I/F104は、前述の出力用コネクタ部11に接続されており、通信I/F105は、前述の入力用コネクタ部12に接続されている。
【0033】
図4(a)は、携帯電話機用充電器1を携帯電話機3に接続したときに、蓄電部制御部101aと記憶部制御部101bで実施される給電処理を示すフローチャートである。
【0034】
蓄電部制御部101aが、出力用コネクタ部11への携帯電話機3の接続を検知すると、Sa1のステップが実行されて、蓄電部制御部101aは、蓄電部102に蓄えられている電気を、出力用コネクタ部11を介して携帯電話機3に給電する。給電終了後、蓄電部制御部101aは記憶部制御部101bに終了した旨のデータ(信号)を送信し、Sa2のステップに進む。
【0035】
尚、データ送信の開始を給電終了後とせずに、出力用コネクタ部11への携帯電話機3の接続を検知してから所定時間が経過した後(例えば、1分後)としても良い。
【0036】
Sa2のステップにおいて、記憶部制御部101bは、記憶部103に蓄えられているデータを、出力用コネクタ部11を介して携帯電話機3に送信する。
【0037】
尚、出力用コネクタ部11への携帯電話機3の接続を検知した後、給電終了を待たずに、Sa1のステップとSa2のステップを同時に実行しても良い。
【0038】
ここで、記憶部103に蓄えられているデータについて説明すると、記憶部103に蓄えられているデータは、携帯電話機3に対して、広告を表示させたり、メールを送信させるためのデータであり、携帯電話機3を動作させるためのコマンドデータとなっている。このコマンドデータはテキストデータであり、画像データや音声データに比べて容量が小さく、このため、携帯電話機用充電器1から携帯電話機3への送信に際しての、消費電力と所要時間を低減できる。
【0039】
図4(a)に示す給電処理における携帯電話機3側での動作について、図5を参照して説明する。尚、図5の例においては、Sa1のステップとSa2のステップを同時に実行するものとする。
【0040】
まず、携帯電話機用充電器1を携帯電話機3に接続したあとに実施されるSa1のステップにおいて、携帯電話機3では、図5(a)に示すように、充電中である旨の表示がなされる。
【0041】
次に、Sa2のステップにおいて携帯電話機3に送信されるデータが、所定のホームページ(例えば、http://aaa.bbb.ccc)に掲載された広告ページに接続させるためのデータであった場合には、このデータを受信した携帯電話機3において、図5(b)に示すように、Webブラウザが起動されて、所定のホームページ(例えば、http://aaa.bbb.ccc)に接続される。
【0042】
結果として、図5(c)に示すような広告ページ(例えば、割引クーポンページ)が表示される。
【0043】
尚、所定のホームページ(例えば、http://aaa.bbb.ccc)に掲載された広告ページに接続するようにしているが、所定のホームページ(例えば、http://aaa.bbb.ccc)のアドレスを携帯電話機3のいわゆるお気に入り(ブックマーク)に登録するようにしても良い。
【0044】
また、Sa2のステップにおいて携帯電話機3に送信されるデータが、所定の電子メールアドレスに、所定の内容(空)の電子メールを送信させるためのデータであった場合には、このデータを受信した携帯電話機3において、図6(a)に示すように、電子メールプログラムが起動されて、所定のメールアドレスに電子メール(空メール)が送信される。この電子メール(空メール)には、携帯電話機3の所有者である利用者の電子メールアドレスが送信者の電子メールアドレスとして含まれている。
【0045】
これら所定のメールアドレス宛ての電子メール(空メール)を受信する電子メール用サーバコンピュータは、電子メール(空メール)を受信すると、送信者の電子メールアドレス、すなわち携帯電話機3の利用者に対して広告メール(例えば、割引クーポンメール)を送信する。
【0046】
結果として、広告メールが図6(b)に示すように受信されて、図6(c)に示すように表示される。
【0047】
図4(b)は、携帯電話機用充電器1を充電器2に接続したときに、蓄電部制御部101aと記憶部制御部101bで実施される充電処理を示すフローチャートである。
【0048】
蓄電部制御部101aが、入力用コネクタ部12への充電器2の接続を検知すると、Sb1のステップが実行されて、蓄電部制御部101aは、蓄電部102に蓄えられている電気を、入力用コネクタ部12を介して充電器2から供給される電気により充電する。充電終了後、蓄電部制御部101aは記憶部制御部101bに終了した旨のデータ(信号)を送信し、Sb2のステップに進む。
【0049】
ここで、充電器2から供給される電気とは、図2に示すように電源から供給される電気である。
【0050】
尚、データ受信の開始を充電終了後とせずに、入力用コネクタ部12への充電器2の接続を検知してから所定時間が経過した後(例えば、1分後)としても良い。
【0051】
Sb2のステップにおいて、記憶部制御部101bは、記憶部103に蓄えられているデータを、入力用コネクタ部12を介して充電器2から受信されるデータにより更新する。
【0052】
ここで、充電器2からから受信されるデータとは、図2に示すようにデータ書き換え端末5により、予め設定されて、充電器2に記憶されていたデータである。このデータが、前述したように、Sa2のステップにおいて携帯電話機3に送信されるデータである。
【0053】
尚、入力用コネクタ部12への充電器2の接続を検知した後、充電終了を待たずに、Sb1のステップとSb2のステップを同時に実行しても良い。
【0054】
以上説明したように、図1に示すように、ストラップ4を用いて携帯電話機用充電器1と携帯電話機3を併せて携行できる。
【0055】
また、図2、図4(b)に示すように、携帯電話機用充電器1を充電器2に接続して携帯電話機用充電器1の蓄電部102を充電したり、データ書き換え端末5により充電器2に設定したデータを、特には、充電器2を設置することで充電サービスを提供する事業者が設定した広告データを、携帯電話機用充電器1の記憶部103に書き込んだりできるようになっている。
【0056】
また、図4(a)、図5に示すように、携帯電話機用充電器1を携帯電話機3に接続して携帯電話機3の内蔵電池を充電することに加え、携帯電話機用充電器1の記憶部103に書き込んだデータを携帯電話機3に送信できて、広告ページに接続させたり、広告メールを受信させたりできるようになっている。
【0057】
ここで、携帯電話機3の電源が切られている状態や、携帯電話機3が完全に電池切れとなった状態で、携帯電話機用充電器1を携帯電話機3に接続したときの動作について説明する。
【0058】
本実施例の携帯電話機用充電器1の構成によれば、携帯電話機3はデータを受け付ける状態ではないので、携帯電話機用充電器1は給電のみを行う。
【0059】
一方、本実施例の変形例における携帯電話機用充電器1の構成によれば、携帯電話機用充電器1は、携帯電話機3への給電を開始した後に携帯電話機3の電源を入れさせるためのデータを送信するようになっている。このようにすれば、携帯電話機3がデータを受け付ける状態ではなくても、携帯電話機用充電器1が携帯電話機3に給電したことにより、携帯電話機3は電源を入れるのに十分な電気を得るので、携帯電話機3を入れることができる。そして、電源を入れられた携帯電話機3は、携帯電話機用充電器1からデータを受け付けることができる。
【0060】
すなわち、本実施例の変形例によれば、電源が切られている状態や携帯電話機3が完全に電池切れとなった状態であっても、携帯電話機3に広告を提供できる。
【0061】
以上、本実施例によれば、利用者が携帯電話機3に携帯電話機用充電器1を接続したときには、時間と場所に関わらず、蓄電部102に蓄えられた電気が携帯電話機3に給電されるとともに、予め記憶部103に記憶されていたデータが携帯電話機3に送信される。
【0062】
すなわち、利用者が携帯電話機3に携帯電話機用充電器1を接続することにより、例えば広告等のデータが送信されるので、利用者に確実に提供できる。
【0063】
また、本実施例によれば、利用者が携帯電話機3に携帯電話機用充電器1を接続したときには、予め記憶部103に記憶されていた広告(図5(c)、割引クーポンページ等)を携帯電話機に出力させることができる。
【0064】
また、本実施例によれば、利用者が携帯電話機3に携帯電話機用充電器1を接続したときには、予め記憶部103に記憶されていた電子メールアドレス宛に、予め記憶されていた内容の電子メール(図6(a)、空メール)を携帯電話機3に送信させることができる。
【0065】
また、本実施例によれば、利用者が充電器2に携帯電話機用充電器1を接続したときには、蓄電部102に含まれる二次電池を充電することができるので、1台の携帯電話機用充電器1を用いて、携帯電話機3を複数回充電することができる。
【0066】
また、本実施例によれば、利用者がデータ書き込み器(データ書き換え端末5)に携帯電話機用充電器1を接続したときには、メモリ(記憶部103)に新たにデータを書き込むことができるので、1台の携帯電話機用充電器1であっても、携帯電話機3に異なるデータを送信することができる。
【0067】
例えば、利用者が携帯電話機用充電器1を充電しにくる毎に、例えば、新しい広告ページのアドレスに接続させるためのデータや、新しい電子メールアドレス宛に電子メールを送信させるためのデータを提供できる。
【0068】
また、本実施例によれば、利用者がデータ書き込み器(データ書き換え端末5)と一体に形成された充電器2に携帯電話機用充電器1を接続したときには、この1回の接続により、蓄電部102に含まれる二次電池を充電することとともに、メモリ(記憶部103)に新たにデータを書き込むこともできる。このため、1台の携帯電話機用充電器1を用いて、携帯電話機3を複数回充電することができる。また、1台の携帯電話機用充電器1であっても、携帯電話機3に異なるデータを送信することができる。
【0069】
例えば、利用者が携帯電話機用充電器1を充電しにくる毎に、例えば、新しい広告ページのアドレスに接続させるためのデータや、新しい電子メールアドレス宛に電子メールを送信させるためのデータを提供できる。
【0070】
また、本実施例によれば、携帯電話機3に取り付けられたストラップ4を、取り付け手段(ストラップ取り付け部13)により携帯電話機用充電器1に取り付けることで、携帯電話機用充電器1を容易に携帯電話機3と併せて携行することができる。
【0071】
また、本実施例によれば、データ書き込み器(データ書き換え端末5)が携帯電話機用充電器1へ送信するためのデータを変更することで、利用者が携帯電話機3に携帯電話機用充電器1を接続したときには、時間と場所に関わらず、蓄電部102に蓄えられた電気により携帯電話機3を給電することができるとともに、データ書き込み器(データ書き換え端末5)において変更しておいたデータを携帯電話機3に送信することができる。
【0072】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0073】
例えば、前記実施例では、図4(a)の給電処理に示すように、Sa1のステップにおいて給電が終了したことを条件に、Sa2のステップのデータ送信を行う構成としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、出力用コネクタ部11への携帯電話機3の接続を検知した後、携帯電話機3が利用中でないと判定したことを条件に、Sa2のステップに進んでも良い。
【0074】
携帯電話機3が利用中でないと判定する条件は、携帯電話機3が通話中でないこと、携帯電話機3がパケット通信を行っていないこと、入力部33への入力が一定時間ないこと、のうちいずれか1以上の状態を確認できたことを条件に判定すれば良い。また、これら携帯電話機3の状態の確認が、携帯電話機用充電器1において不可能な場合には、携帯電話機用充電器1において、給電を開始してから、所定時間(例えば、3分間)が経過したことを条件に、利用中でないと判定すれば良い。
【0075】
この構成は本発明の請求項6に該当し、この構成によれば、携帯電話機3の電池切れを心配している利用者が、携帯電話機3に携帯電話機用充電器1を接続して、給電しながら携帯電話機3をすぐに利用したい、といった要望をもったときに、この要望を阻害することがないように給電を優先して行い、給電後に広告等のデータを携帯電話機3に確実に送信することができる。
【0076】
また、前記実施例では、携帯電話機用充電器1に蓄電部102と記憶部103を設けて、携帯電話機3への充電とデータの送信の双方をできるようにしているが、どちらか一方でも良い。
【0077】
また、前記実施例では、携帯電話機用充電器1の蓄電部102を、二次電池とすることで充電できるようにしているが、乾電池などの一次電池としても良い。
【0078】
また、前記実施例では、携帯電話機用充電器1の記憶部103を書き換え可能な不揮発性メモリとしているが、書き換え不可能な不揮発性メモリとしても良い。あるいは1度だけ書き込み可能な不揮発性メモリとしても良い。
【0079】
また、前記実施例では、携帯電話機用充電器1にストラップ取り付け部13を設け、ストラップ4により携帯電話機3と併せて携行できるようにしているが、ストラップ取り付け部13を設けなくても良いし、あるいは、ストラップ以外の取り付け手段(例えば、ホルダー等)にて取り付けても良い。
【0080】
また、前記実施例では、携帯電話機用充電器1の記憶部103に記憶されるデータ、つまり携帯電話機に送信するためのデータとして、携帯電話機3を動作させるためのテキストデータ(コマンドデータ)が適用されていたが、このデータはテキストデータに限定されるものではなく、例えば携帯電話機3に画像広告を表示するためのコマンドデータや、実際に表示する画像データ等であってもよい。
【0081】
また、前記実施例では、図4(a)のSa2のステップにおいて携帯電話機3に送信されるデータとして、言い換えると、データ書き換え端末5により充電器2に設定するデータとして、所定のホームページに接続させるデータと、所定の電子メールアドレスに所定の電子メールを送信させるデータの2種類を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定の電話番号に電話をかけさせるデータや、所定の電話番号にショートメッセージを送信させるデータなどでも良い。
【0082】
また、データは、携帯電話機3に携帯電話機用充電器1を接続した後に、直ちに通信を開始させるデータに限らず、携帯電話機3に携帯電話機用充電器1を接続すると、予め携帯電話機用充電器1に記憶しておいた広告データを携帯電話機用充電器1に出力させた後に、利用者の操作に応じて、通信を開始させるデータであっても良い。
【0083】
具体的には、利用者が携帯電話機3に携帯電話機用充電器1を接続すると、携帯電話機3には、図7(a)に示すように、充電中である旨の表示がなされる。
【0084】
次に、図7(b)に示すように、Webブラウザが起動されて、所定の広告ページが表示される。広告ページの内容は、携帯電話機用充電器1から携帯電話機3に送信されるデータに含まれている。すなわち、この広告ページも、データ書き換え端末5により充電器2に設定されるデータの一部である。
【0085】
ここで、利用者が、所定の広告ページを構成するリンク部分(図7(b)中の「コチラ」の文字)の選択操作を行うと、図7(c)に示すように、選択されたリンクに対応付けられた所定のホームページ(例えば、http://aaa.bbb.ccc)に接続されて、図7(d)に示すような広告ページ(例えば、割引クーポンページ)が表示される。
【0086】
また、利用者が、所定の広告ページを構成するリンク部分(図7(b)中の「コチラ」の文字)の選択操作を行わなければ、例えば、直ちに所定の広告ページを閉じる操作を行った場合には、通信が行われることがない。
【0087】
尚、所定の広告ページを構成するリンク部分(図7(b)中の「コチラ」の文字)の選択操作を行うと、図5(b)に示すように、電子メールプログラムが起動されて、選択されたリンクに対応付けられた所定のメールアドレスに電子メール(空メール)が送信されるようにしても良い。
【0088】
また、データは、広告に限らず、充電器2を設置して充電サービスを提供する事業者が適宜に設定すれば良い。例えば、災害時においては、災害用伝言板ページのアドレスとしても良いし、あるいは、災害用伝言ダイヤル等の電話番号(録音や再生のための電話番号等を含む)に電話をかけさせるデータであってもよい。
【0089】
特に、災害時の用途において説明する。災害時においては、携帯電話機3は携帯電話網への接続が困難になる。そこで、携帯電話機用充電器1に、短距離もしくは中距離の無線通信が可能な小型の通信部をさらに備える構成とする。これにより、利用者が、災害時に短距離もしくは中距離の通信を、携帯電話網を用いずにできるようにすることができる。例えば、携帯電話機用充電器1を、携帯電話機3と併せて普段から携行していれば、出口のない空間やがれきに閉じ込められたなど、緊急時に効果的に利用することができる。短距離もしくは中距離の無線通信が可能な小型の通信部としては、例えば、ZigBee(登録商標)という家電向けの短距離無線通信規格に準拠した機器が好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】は本発明の実施例における携帯電話機用充電器の全体像を示す斜視図である。
【図2】は本発明の実施例における充電器の全体像を示す斜視図である。
【図3】(a)は本発明の実施例における携帯電話機用充電器の全体像を示すブロック図であり、(b)は本発明の実施例における変形例としての携帯電話機用充電器の全体像を示すブロック図である。
【図4】(a)は本発明の実施例における給電処理の流れを示すフローチャートであり、(b)は本発明の実施例における充電処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】(a)〜(c)は本発明の実施例における給電処理の携帯電話機側の動作を示す図である。
【図6】(a)〜(c)は本発明の実施例における給電処理の携帯電話機側の動作を示す図である。
【図7】(a)〜(d)は本発明の変形例における給電処理の携帯電話機側の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1 携帯電話機用充電器
2 充電器
3 携帯電話機
4 ストラップ
5 データ書き換え端末
11 出力用コネクタ部
12 入力用コネクタ部
13 ストラップ取り付け部
101a 蓄電部制御部(蓄電部制御手段)
101b 記憶部制御部(記憶部制御手段)
102 蓄電部
103 記憶部
104 通信I/F(出力用コネクタ部)
105 通信I/F(入力用コネクタ部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話機に給電するための電気を蓄える蓄電部と、
前記携帯電話機に送信するためのデータを記憶する記憶部と、
前記携帯電話機に接続されて、前記蓄電部に蓄えられた電気を前記携帯電話機へ給電し、前記記憶部に記憶されたデータを前記携帯電話機へ送信するための出力用コネクタ部と、
前記出力用コネクタ部が前記携帯電話機に接続されたことを条件に、前記出力用コネクタ部を介して、前記蓄電部に蓄えられた電気を前記携帯電話機へ給電する蓄電部制御手段と、
前記出力用コネクタ部が前記携帯電話機に接続されたことを条件に、前記出力用コネクタ部を介して、前記記憶部に記憶されたデータを前記携帯電話機へ送信する記憶部制御手段と、
を備える、
ことを特徴とする携帯電話機用充電器。
【請求項2】
前記記憶部に記憶するデータは、前記携帯電話機に広告を出力させるデータである、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機用充電器。
【請求項3】
前記記憶部に記憶するデータは、前記携帯電話機に所定の電子メールを所定の電子メールアドレス宛に送信させるデータである、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電話機用充電器。
【請求項4】
前記携帯電話機用充電器は、
前記蓄電部は二次電池を含み、
充電器に接続されて、前記充電器から前記蓄電部へ給電するための電源入力用コネクタ部を備え、
前記蓄電部制御手段は、電源入力用コネクタ部を介して、前記充電器から給電される電気を前記蓄電部に充電する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の携帯電話機用充電器。
【請求項5】
前記携帯電話機用充電器は、
前記記憶部はデータを書き込み可能なメモリを含み、
データ書き込み器に接続されて、前記データ書き込み器から前記記憶部へデータを送信するためのデータ入力用コネクタ部を備え、
前記記憶部制御手段は、データ入力用コネクタ部を介して、前記データ書き込み器から送信されるデータを前記記憶部に書き込む、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の携帯電話機用充電器。
【請求項6】
前記記憶部制御手段は、前記蓄電部制御手段が前記蓄電部に蓄えられた電気を前記携帯電話機へ給電し、かつ、前記携帯電話機が利用中でないと判定したことを条件に、前記出力用コネクタ部を介して、前記記憶部に記憶されたデータを前記携帯電話機へ送信する、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の携帯電話機用充電器。
【請求項7】
前記携帯電話機用充電器は、
前記蓄電部に蓄えられた電気を給電可能な前記携帯電話機への取り付けが可能なストラップを取り付けるための取り付け手段を備える、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の携帯電話機用充電器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−27261(P2009−27261A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185915(P2007−185915)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(594176969)株式会社オーシマ・デザイン設計 (7)
【Fターム(参考)】