説明

携帯電話機

【課題】バックライト付きの液晶表示パネルを備えた携帯電話機において、使用者が意図すればバックライトの自動消灯が機能しないようにする。
【解決手段】携帯電話機1は、バックライト11付きの液晶表示パネル5と、筐体側面に設けられたタッチセンサ14と、タッチセンサ14からの信号を有効化できるタッチ点灯モードにおいてバックライト11の点灯制御を行う制御部20とを備える。制御部20は、タッチ点灯モード時、タッチセンサ14からのタッチ信号が存続するかぎりバックライト11を点灯させ続ける。タッチセンサ14は筐体の両側面に配置されており、両タッチセンサに同時に接触したときのみ有効なタッチ信号が発生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバックライト付きの液晶表示パネルを備えた携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機の表示部は、バックライト付きの液晶表示パネルで構成されるのが普通である。携帯電話機を電源ONにしたり、周囲が暗いことをフォトセンサが検知したりしたときにバックライトが点灯される。特許文献1には、筐体側面に設けたタッチセンサに接触することによりバックライトを点灯できる携帯電話機が記載されている。
【特許文献1】特開2000−196742号公報([0018]−[0022]、図1−3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の携帯電話機では、電池の消耗を減らすため、バックライト点灯後所定時間が経過するとタイマが働いてバックライトが消灯する。ところで最近では大容量のメモリを備え、大量のデータ(例えば楽曲)を保存できる携帯電話機も多くなっている。保存してあるデータ量が増えるとその検索に時間がかかる。また携帯電話機にインターネット接続機能を持たせることも当たり前のことになっているが、インターネットでサイトを検索するのも結構時間がかかる。バックライトの明かりをたよりに検索している時、タイマ機能でバックライトが自動的に消灯してしまうというのでは使い勝手が悪い。バックライトの明かりを懐中電灯代わりに使うというのもしばしば行われる行為であるが、このような場合にもそれが自動的に消えてしまったのでは不都合である。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、使用者が意図すればバックライトの自動消灯が機能しないようにした携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記目的を達成するために本発明では、携帯電話機を次のように構成した。すなわちバックライト付きの液晶表示パネルと、筐体側面に設けられたタッチセンサと、このタッチセンサからの信号を有効化できるタッチ点灯モードにおいて前記バックライトの点灯制御を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記タッチ点灯モード時、前記タッチセンサからのタッチ信号が存続するかぎり前記バックライトを点灯させ続けるものとした。
【0006】
この構成によると、携帯電話機がタッチ点灯モードであれば、タッチセンサに触れているかぎりバックライトが点灯しているから、検索あるいは照明の目的を達成するまでバックライトを点灯させておくことができ、使い勝手が良い。
【0007】
(2)また本発明は、上記構成の携帯電話機において、前記バックライト点灯後に前記タッチ信号が消滅したあと、バックライトの点灯が所定時間継続されることを特徴としている。
【0008】
この構成によると、例えば携帯電話機を机の上に置いてタッチセンサから手を離した場合、所定時間はバックライトの点灯が継続しているから、改めてタッチセンサにさわり直すことなくキー入力を続行することができる。
【0009】
(3)また本発明は、上記構成の携帯電話機において、前記タッチセンサは複数のものが異なる場所に配置されており、全タッチセンサへの同時接触が有効なタッチ信号の条件であることを特徴としている。
【0010】
この構成によると、異なる場所に配置された複数のタッチセンサに同時に接触した時のみ、タッチ信号として有効なものが発生するから、その気がないのに誤ってバックライトを点灯するというミスを減らすことができる。
【0011】
(4)また本発明は、上記構成の携帯電話機において、前記タッチセンサがバックライトの点灯に関与する液晶表示パネルは折り畳み式筐体の内側の面に配置されており、前記筐体を開いたときのみ前記タッチ点灯モードが有効になることを特徴としている。
【0012】
この構成によると、バックライトが点灯しても意味がない状況下ではバックライトの点灯を許さないから、電池を無意味に消耗することがない。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、暗がりで長時間検索したり、暗がりを照明するといった必要に迫られたとき、タッチセンサにさわり続けることにより、目的を達成できるまで液晶表示パネルのバックライトの点灯を継続することができ、携帯電話機の使い勝手を著しく向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図1−3に基づき説明する。図1は携帯電話機の斜視図、図2は携帯電話機のブロック構成図、図3はバックライト点灯時のフローチャートである。
【0015】
携帯電話機1の筐体はクラムシェルタイプ、すなわち折り畳み式であって、表示部ケース2と操作部ケース3をヒンジ部4で連結した構造を備える。
【0016】
表示部ケース2と操作部ケース3に配置される構成要素を、図2を参照しつつ説明する。
折り畳んだとき内側になる面、すなわち内面側には次の構成要素が設けられる。表示部ケース2には、表示部を構成する液晶表示パネル5と、内蔵された受話ユニット6の音を出す聴話孔7が設けられている。操作部ケース3には、テンキーや各種のファンクションキーを配置したキー入力部8と、内蔵された送話ユニット9に音声を届かせる通話孔10が設けられている。液晶表示パネル5にはバックライト11が組み合わせられている。
【0017】
折り畳んだとき外側になる面、すなわち外面側には次の構成要素が配置される。表示部ケース2には、内蔵されたカメラユニット12のレンズ部分が設けられている。操作部ケース3には着信音などを鳴らす拡声スピーカ13が配置されている。また操作部ケース3の両側面にはタッチセンサ14が設けられる。タッチセンサ14は、ヒンジ部4に程近い箇所に、左右対称的に配置されている。
【0018】
携帯電話機1の制御を統括するのは制御部20である。制御部20には、液晶表示パネル5、バックライト11、受話ユニット6、カメラユニット12、キー入力部8、送話ユニット9、拡声スピーカ13、タッチセンサ14といった既出要素の他、送受信部21と、制御部20を機能させるのに必要な情報あるいは携帯電話機1の動作に必要な情報を記憶するメモリ22が接続されている。
【0019】
携帯電話機1の動作は次の通りである。最初に所定のキー操作を行い、携帯電話機1のモードを「タッチ点灯モード」にする。これにより、タッチセンサ14からの信号を有効化できることになる。タッチ点灯モードにはしたがまだタッチセンサ14に触れていないという状態は図3のステップS101であり、バックライト11は消灯したままである。ここでタッチセンサ14に手を接触させると、それも片側のタッチセンサ14だけでなく両側のタッチセンサ14に同時に接触させると(操作部ケース3を握ることによりこの条件が達成される)、有効なタッチ信号が発生する。これがステップS102である。
【0020】
ステップS103では携帯電話機1がタッチ点灯モードになっているかどうかを確認する。タッチ点灯モードであればステップS104に進み、そうでなければステップS101に戻る。
【0021】
ステップS104では携帯電話機1の筐体が開いているかどうかを確認する。開いていればステップS105に進み、そうでなければステップS101に戻る。
【0022】
ステップS105ではバックライト11が点灯する。ステップS106では有効なタッチ信号が存続しているかどうかを確認する。存続していればステップS105に戻り、バックライト11の点灯が継続される。操作部ケース3を握りしめ、両側のタッチセンサ14に手が接触しているかぎり、バックライト11は点灯し続けることになる。
【0023】
タッチセンサ14の一方からでも手が離れれば、有効なタッチ信号は消滅する。その時は、バックライト11の点灯が所定時間継続された後、ステップS101に戻る。携帯電話機1を机の上に置いた場合など、バックライト11の点灯が継続し、液晶表示パネル5が明るくなっている間にキー入力を続行することができる。
【0024】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明はバックライト付きの液晶表示パネルを備えた携帯電話機に広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】携帯電話機の斜視図
【図2】携帯電話機のブロック構成図
【図3】バックライト点灯時のフローチャート
【符号の説明】
【0027】
1 携帯電話機
5 液晶表示パネル
8 キー入力部
11 バックライト
14 タッチセンサ
20 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライト付きの液晶表示パネルと、筐体側面に設けられたタッチセンサと、このタッチセンサからの信号を有効化できるタッチ点灯モードにおいて前記バックライトの点灯制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記タッチ点灯モード時、前記タッチセンサからのタッチ信号が存続するかぎり前記バックライトを点灯させ続けることを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
前記バックライト点灯後に前記タッチ信号が消滅したあと、バックライトの点灯が所定時間継続されることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記タッチセンサは複数のものが異なる場所に配置されており、全タッチセンサへの同時接触が有効なタッチ信号の条件であることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電話機。
【請求項4】
前記タッチセンサがバックライトの点灯に関与する液晶表示パネルは折り畳み式筐体の内側の面に配置されており、前記筐体を開いたときのみ前記タッチ点灯モードが有効になることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−235321(P2007−235321A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51976(P2006−51976)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】