説明

携帯電話装置

【課題】通信手段が着信又は受信したことを示す着信、受信情報が表示手段に表示されると同時に通信相手先を特定することができる携帯電話装置を提供する。
【解決手段】通話の発着信及び/又はメールの送受信を行う通信手段と、所定の情報を表示する表示手段42と、通信相手先のデータと通信相手先に対応した所定のマークとをそれぞれ対応付けて記憶可能な記憶手段40Bと、着信又は受信した通信手段の通信相手先と記憶手段40Bに記憶された通信相手先とを比較し、両者が一致した場合に、通信手段が着信又は受信したことを示す着信、受信情報を表示手段42に表示すると同時に、発呼又は送信を行った通信相手先に対応して記憶手段40Bに記憶された所定のマークを表示手段42に表示するように表示手段42を制御する制御手段36と、を有する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電話装置では、電話帳に予め登録している相手先からの電話を着信すると、相手先の氏名、電話番号等の情報がディスプレイに表示され、ユーザはディスプレイを視認することにより相手先を知ることができる。そして、ユーザが通話キーを押すことにより、相手と通話することができる。
【0003】
一方、電話着信時に通話キーを押さなければ、ディスプレイには電話が着信したことを示す着信情報(例えば「着信あり1件」)が表示され、ユーザが所定の機能キーを押すことにより、着信履歴がディスプレイに表示される。これにより、ユーザは、相手先の氏名や電話番号などの情報を知ることができる。
【0004】
なお、上記従来技術は公用の技術であり、本発明は公用の技術をもとに開発したものである。このため、出願人は、特許出願の時において本発明に関連する文献公知発明の存在を知らず、文献公知発明の名称その他の文献公知発明に関する情報の所在の記載を省略する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記携帯電話装置では、ディスプレイに表示された「着信あり1件」だけでは、誰からの着信なのかを特定することができない。このため、相手先を特定するためには、ユーザが、ディスプレイに「着信あり1件」が表示された状態から機能キーを押す必要がある。
【0006】
また、複数(例えば5件)の相手先から電話を着信すると、ディスプレイに「着信あり5件」と表示され、ユーザが機能キーを押すことにより相手先の情報がディスプレイに表示されるが、ディスプレイのスペース上の問題で、一度に5件全ての相手先の氏名、電話番号などの情報をディスプレイに表示することはできず、全ての相手先の情報を知るためには、相手先の情報が1件表示されるごとにユーザが機能キーを押さなければならない不都合がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、通信手段が着信又は受信したことを示す着信、受信情報が表示手段に表示されると同時に通信相手先を特定することができる携帯電話装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、通話の発着信又は/及びメールの送受信を行う通信手段と、所定の情報を表示する表示手段と、通信相手先のデータと前記通信相手先に対応した所定のマークとをそれぞれ対応付けて記憶可能な記憶手段と、着信又は受信した前記通信手段の通信相手先と前記記憶手段に記憶された前記通信相手先とを比較し、両者が一致した場合に、前記通信手段が着信又は受信したことを示す着信、受信情報を前記表示手段に表示すると同時に、発呼又は送信を行った通信相手先に対応して前記記憶手段に記憶された所定のマークを前記表示手段に表示するように前記表示手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、1件の着信或いは受信に対して1つの所定のマークを前記表示手段に表示させるように前記表示手段を制御することを特徴とする。
請求項3、に記載の発明は、前記制御手段は、着信又は受信の種別に応じて所定のマークを前記表示手段に複数表示させるように前記表示手段を制御することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、通話の発着信又は/及びメールの送受信を行う通信手段と、所定の情報を表示する表示手段と、通信相手先のデータと、該通信相手先に対応して前記表示手段に表示する文字及び/又はその背景の表示色とをそれぞれ対応付けて記憶可能な記憶手段と、着信又は受信した前記通信手段の通信相手先と前記記憶手段に記憶された前記通信相手先とを比較し、両者が一致した場合に、前記通信手段が着信又は受信したことを示す着信、受信情報を前記表示手段に表示すると同時に、前記受信情報及び/又はその背景を、前記着信、受信情報を発呼又は送信を行った通信相手先に対応して前記記憶手段に記憶された所定の色に施すように前記表示手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、通話の発着信又は/及びメールの送受信を行う通信手段と、所定の情報を表示する表示手段と、通信相手先のデータと、前記表示手段の表示領域の内所定の表示領域の表示色と、を対応付けて記憶可能な記憶手段と、着信又は受信した前記通信手段の通信相手先と前記記憶手段に記憶された前記通信相手先とを比較し、両者が一致した場合に、前記通信手段が着信又は受信したことを示す着信、受信情報を前記表示手段に表示すると同時に、前記記憶手段に記憶された表示色に基づいて、前記表示手段の表示領域の内所定の表示領域を、前記通信相手先に対応した色で表示させるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、着信又は受信した通信手段の通信相手先と記憶手段に記憶された通信相手先とが一致するか否かが制御手段により比較される。その結果、両者が一致した場合には、表示手段が制御手段により制御され、通信手段が着信又は受信したことを示す着信、受信情報が表示手段に表示されると同時に、発呼又は送信を行った通信相手先に対応して記憶手段に記憶された所定のマークが表示手段に表示される。これにより、ユーザが表示手段に表示された所定のマークを視認することにより、所定のキーを押すことなく、通信相手先を容易に特定することができる。
【0010】
また、所定のマークは、通信手段の着信時又は受信時だけでなく、着信後又は受信後でも表示手段に表示させることができるため、ユーザが通信相手先を特定し損なうことを防止できる。
【0011】
なお、本明細書において、「情報」とは、文字、数字、アイコン、画像、マークなど、表示手段に表示される情報全てを意味するものとする。
【0012】
また、本明細書において、「通信手段」とは、電話機能による電話、電子メール機能によるEメール及びCメールを意味するものとする。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、1件の着信或いは受信に対して1つの所定のマークが表示手段に表示されるように、制御手段が表示手段を制御することにより、1件の着信或いは受信当りに表示手段に表示される所定のマークの表示スペースを必要最小限にとどめることができる。また、1件の着信或いは受信に対して1つの所定のマークが表示手段に表示されることにより、ユーザが通信相手先を容易に特定することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、着信又は受信の種別に応じて所定のマークを表示手段に複数表示させるように、制御手段が表示手段を制御することにより、複数の通信相手先からの通信手段を着信又は受信した場合にも、ユーザが表示手段を1度視認するだけで、複数の通信相手先を瞬時に特定することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、着信又は受信した通信手段の通信相手先と記憶手段に記憶された通信相手先とが一致するか否かが制御手段により比較される。その結果、両者が一致した場合には、表示手段に表示される文字及び/又は背景が所定の色に施される為、ユーザはだれからの着信であるかを一目で分かることができる。例えば、文字情報であると、表示する文字が小さい場合や文字列が長い場合には、一目見ただけではだれからの着信であるかを直ちに判断することが難しい場合があるが、例えば恋人からの着信があるとピンク色の文字及び/又は背景色に施すことにより、誰からの着信であるかを直ちに判断することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、着信時に表示領域の所定の領域に所定の色を施すものである為、誰からの着信であるかを色により一目で判別できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の一実施形態に係る携帯電話装置について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、携帯電話装置10は、アンテナ16と接続された通信部12を備えている。この通信部12は、後述のベースバンド部14からの信号をアンテナ16を介して基地局へ発信し、あるいはアンテナ16を介して基地局からの電波を受信する。
【0019】
また、通信部12は、ベースバンド部14と接続されている。ベースバンド部14は、CDMA処理回路18と、音声コーデック20と、を有している。ここで、CDMA処理回路18は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック20は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。
【0020】
また、ベースバンド部14には、切替回路22が接続されている。この切替回路22には、増幅回路24を介して第1スピーカ26が接続されている。この第1スピーカ26は、増幅回路24で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ26は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。
【0021】
また、切替回路22には、増幅回路28を介してマイクロホン30が接続されている。このマイクロホン30は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン30により出力された電気信号は、増幅回路28で増幅されてベースバンド部14に出力される。
【0022】
また、切替回路22には、増幅回路32を介して第2スピーカ34が接続されている。この第2スピーカ34は、増幅回路32で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ34は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。また、第2スピーカ34は、着信報知の鳴動も行う。なお、これらの3つの増幅回路24、28、32は、ゲインを固定しており、第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度を変更することはできないようになっている。
【0023】
この切替回路22は、ベースバンド部14との接続を、第1スピーカ26用の増幅回路24とマイクロホン30用の増幅回路28側にするか、あるいは拡声用の第2スピーカ34用の増幅回路32とマイクロホン30用の増幅回路28側にするかを切り替える。
【0024】
また、通信部12、ベースバンド部14及び切替回路22には、制御回路36がそれぞれ接続されている。この制御回路36の制御により上述した切替回路22による切り替えが行われる。また、制御回路36によりベースバンド部14の音声コーデック20が制御され、音声コーデック20により第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度が変更される。制御回路36は、ROM38と接続されており、ROM38に格納されているシステムプログラムに基づき各部を制御する。また、制御回路36は、制御回路36の動作に必要な所定の情報が記憶されているRAM40と接続されている。
【0025】
ここで、図3に示すように、RAM40は、メールデータ記憶部40Aと、判別ルール記憶部40Bと、を有している。
【0026】
メールデータ記憶部40Aには、受信したEメール(電子メール)の内容及びCメール(電子メール)の内容が一時的に記憶されている。なお、本明細書では、「電子メール」には、EメールとCメールとがそれぞれ含まれるものとする。
【0027】
判別ルール記憶部40Bには、LED素子(詳細は後述)を発光させるきっかけとなる特定の通信相手先のデータ(例えば、通信相手先の電話番号、Eメールアドレス)と、通信相手先とLED素子の各色との対応関係を示すデータと、がそれぞれ記憶されている。
【0028】
また、制御回路36は、着信した電話又は受信したCメールの電話番号や、受信したEメールのメールアドレスが、判別ルール記憶部40Bに記憶された通信相手先のデータと一致しているか否かを判断する。
【0029】
さらに、着信した電話又は受信したCメールの電話番号や、受信したEメールのメールアドレスが、判別ルール記憶部40Bに記憶された通信相手先のデータと一致していると判別した場合には、制御回路36は、所定のLED素子が発光する命令を照明部46(後述)に出力する。
【0030】
なお、着信した電話又は受信したCメールの電話番号や、受信したEメールのメールアドレスが、判別ルール記憶部40Bに記憶された通信相手先のデータと一致していないと判別した場合には、発光命令は照明部46に出力されない。
【0031】
また、制御回路36には、液晶のディスプレイ42が接続されている。このディスプレイ42には、電話、Eメール又はCメールが着信又は受信したことを示す着信、受信情報等の所定の情報が表示される。電話番号、電話、Eメール又はCメールが着信又は受信したことを示す着信、受信情報としては、例えば、「着信あり」、「Eメールあり」、「Cメールあり」などがある。
【0032】
また、制御回路36には、入力部44が接続されている。この入力部44は、電話番号等の入力を行うテンキー48と、通話の開始を操作する通話キー50と、通話の終了を操作する切キー52と、各種機能の設定を行う機能キー54と、を有している。
【0033】
また、制御回路36には、「赤色」、「青色」、「黄色」など複数の各色のLED素子を備えた照明部46が接続されている。照明部46の各LED素子の発光により、電話番号、電話、Eメール又はCメールが着信又は受信したことを示す着信、受信情報(例えば、「着信あり」、「Eメールあり」、「Cメールあり」)の文字が、通信相手先と対応した各色に施される。
【0034】
次に、本実施形態に係る携帯電話装置10を用いた通信相手先判別方法について、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0035】
なお、携帯電話装置10がEメールを受信した場合を例にとり以下に説明する。
【0036】
図2に示すように、各色のLED素子を発光させるきっかけとなる特定の通信相手先のデータ(例えば、Eメールアドレス)と、通信相手先とLED素子の各色との対応関係を示すデータと、をRAM40の判別ルール記憶部40Bに記憶させる(ステップ100)。
【0037】
アンテナ16を介してEメールが通信部12に受信される(ステップ110)と、受信したEメールの送信者のメールアドレスがRAM40の判別ルール記憶部40Bに記憶された通信相手先のメールアドレスと一致するか否かが制御回路36により判別される(判別工程、ステップ120)。このとき、制御回路36は、受信したEメールの送信者のメールアドレスがRAM40の判別ルール記憶部40Bに記憶された通信相手先のメールアドレスと一致すると判断した場合には、判別ルール記憶部40Bに記憶された通信相手先とLED素子の各色との対応関係に基づいて所定のLED素子が発光する命令を照明部46に出力する(制御工程、ステップ130)。照明部46の各LED素子の発光により(ステップ140)、Eメールを受信したことを示す受信情報(例えば、「Eメールあり」)が、通信相手先と対応した各色に施される。これにより、ユーザがディスプレイ42に表示された受信情報の色を視認することにより、所定のキーを押すことなく、通信相手先を容易に特定することができる。
【0038】
また、受信情報は、ユーザが所定のキーを押さなければ、Eメールの受信時だけでなく、受信後でもディスプレイ42にそのまま表示させることができるため、ユーザが通信相手先を特定し損なうことを防止できる。
【0039】
一方、受信したEメールの送信者のメールアドレスがRAM40の判別ルール記憶部40Bに記憶された通信相手先のメールアドレスと一致しないと制御回路36が判断した場合には、LED素子が発光する命令は照明部46に出力されない。
【0040】
なお、上記実施形態では、携帯電話装置10がEメールを受信した場合に基づいて説明したが、Eメールを受信した場合に限られることはなく、携帯電話装置10に電話着信がある時や、電話着信後の着信ありの表示を行う場合やCメールを受信した場合において、ディスプレイ42に表示される着信、受信情報を通信相手先に対応した所定の色に施すようにしてもよく、また、後述のように、着信、受信情報とともに通信相手先に対応した所定のマークをディスプレイ42に表示するようにしてもよい。
【0041】
次に、上記実施形態の携帯電話装置10の変形例について説明する。
【0042】
上記実施形態の携帯電話装置10では、受信したEメールの送信者のメールアドレスがRAM40の判別ルール記憶部40Bに記憶された通信相手先のメールアドレスと一致すると制御回路36が判断した場合に、照明部46の各LED素子の発光により、Eメールが受信したことを示す受信情報(例えば、「Eメールあり」)の文字が、通信相手先と対応した各色に施される構成を例にとり説明したが、これに限られるものではない。
【0043】
例えば、予めユーザが各通信相手先と対応した所定のマークをRAM40の判別ルール記憶部40Bに記憶させておき、受信したEメールの送信者のメールアドレスや着信した電話の相手側の電話番号がRAM40の判別ルール記憶部40Bに記憶された通信相手先のメールアドレスや電話番号と一致すると制御回路36が判断した場合には、ディスプレイ42が制御回路36により制御され、Eメールを受信したことを示す受信情報(例えば、Eメールあり)や、着信があったことを示す着信情報(例えば、着信あり)をディスプレイ42に表示すると同時に、所定のマークがディスプレイ42に表示されるようにしてもよい。例えば、図4(a)に示すように、ディスプレイ42に、所定のマークとEメールあり等の受信又は着信があったことを示す着信、受信情報を表示する構成としても良い。具体的には、例えば、RAM40の判別ルール記憶部40Bに、相手先Aさん(AさんのEメールアドレスや電話番号等)に対応して所定のマーク(例えば、図4(a)に示すような笑った顔のアイコン)、相手先Bさんに対応して所定のマーク(例えば図4(a)に示すような怒った顔のアイコン)、相手先Cさんに対応して所定のマーク(例えば、図4(a)に示すようなすねた顔のアイコン)をそれぞれ記憶しておき、AさんからEメールがあった場合には、Eメールありの文字の近くにAさんのアイコンを表示させ、Bさんから着信があった場合には、着信ありの文字の近くにBさんのアイコンを表示させ、CさんからCメールがあった場合には、Cメールありの文字の近くにCさんのアイコンを表示させるようにしてもよい。
【0044】
なお、通話着信やCメール受信がなく、Eメールの受信件数が1件のみある場合には、Eメールありの横にアイコンが1つ表示され、Cメールあり、着信ありは表示されない。また、判別ルール記憶部40Bには1人分の通信相手先のデータだけを登録しても良いし、複数人分の通信相手先のデータを登録しても良い。
【0045】
また、図4(b)に示すように、Eメールの受信が複数あった場合には、Eメールありの文字の近くに、Eメールを送信してきた通信相手側に対応するアイコンを複数表示する構成としても良いし、電話の着信が複数あった場合にも同様に通信相手側に対応するアイコンを複数表示する構成としても良い。
【0046】
これにより、ユーザがディスプレイ42を視認することにより、所定のキーを押すことなく、通信相手先を容易に特定することができる。特に、マークの種類と通信相手先とを対応付けて判別ルール記憶部40Bに記憶させることにより、通信相手先に応じたマークをディスプレイ42に表示させることができ、ユーザが通信相手先を容易に特定することができる。
【0047】
また、1件の着信或いは受信に対して1つの所定のマークがディスプレイ42に表示されるように、制御回路36がディスプレイ42を制御することにより、1件の着信或いは受信当りにディスプレイ42に表示される所定のマークの表示スペースを必要最小限にとどめることができる。また、1件の着信或いは受信に対して1つの所定のマークがディスプレイ42に表示されることにより、ユーザが通信相手先を容易に特定することができる。
【0048】
また、複数の通信相手先からのEメール又はCメールを受信した場合や電話が着信した場合にも、1件の着信或いは受信に対して1つの所定のマークがディスプレイ42に表示されるとともに所定のマークの表示領域を通信相手先の氏名等の情報の表示領域と比較して小さくすることができるため、全てのマークを一度にディスプレイ42に表示することができる。これにより、ユーザは、何らキー操作することなく、ディスプレイ42を一度視認するだけで、複数の通信相手先を瞬時に特定することができる。
【0049】
また、本願発明では、照明部26の所定のLED素子を発光することにより、Eメールのタイトル文字又はタイトル文字を表示している行が赤色に施される例を説明したが、制御回路36が、特定のタイトル文字又はタイトル文字を表示している行のデータを、他の表示領域と異なる色を付けたデータにしてディスプレイ42に送信し、ディスプレイ42に色の付いた文字データ等を表示する構成としても良い。このような構成とすることにより、液晶表示装置のバックライト、即ち、照明部46として白色LED素子のみを用いた場合にも、色の異なる文字や行をディスプレイ42に表示することが可能であり、LED素子のコストダウンを実現することができる。
【0050】
例えば、相手先の電話番号や氏名と、それに対応して表示する色の情報を予めメモリに記憶しておき、着信時に受信した発呼側の電話番号と対応する電話番号がメモリに格納されている場合には、着信時或いは着信後に表示されている所定の情報(例えば、「Eメール受信中」、「Eメールあり」、「着信中」、「着信あり」、「着信中、田中さん」)といった文字を表示する列のみ背景の表示色と異なる色としても良い。このような構成とすることにより、だれからの着信又はメール受信であるかを一目でわかることができる。
【0051】
又、同様にして、表示する背景の色、表示する文字の所定の文字の色、表示する領域の内所定の領域の色を発呼側の相手先に対応付けた色で表示することも可能である。
【0052】
このような構成としても、ユーザはだれからの着信であるかを一目でわかることが可能である。
【0053】
さらに、本実施形態では、メール受信時や電話の着信時に判別ルール記憶部40Bに記憶された通信相手先の情報と発呼側の情報とが一致しなければ、照明部46を消灯させる構成としたが、点灯させる構成としても良い。
【0054】
また、所定のマークは、例えば図4に示すように、アイコンのようなものでも良いし、動画、静止画を問わず、写真画像、アニメ画像、絵画画像等でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置の作用を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る携帯電話装置を構成するRAMの概略構成図である。
【図4】(a)、(b)ともに本発明の一実施形態に係る携帯電話装置の表示手段に表示された着信、受信情報と所定のマークの概念図である。
【符号の説明】
【0056】
10 携帯電話装置
36 制御回路(制御手段)
40B 判別ルール記憶部(記憶手段)
42 ディスプレイ(表示手段)
46 照明部(発光手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話の発着信又は/及びメールの送受信を行う通信手段と、
所定の情報を表示する表示手段と、
通信相手先のデータと前記通信相手先に対応した所定のマークとをそれぞれ対応付けて記憶可能な記憶手段と、
着信又は受信した前記通信手段の通信相手先と前記記憶手段に記憶された前記通信相手先とを比較し、両者が一致した場合に、前記通信手段が着信又は受信したことを示す着信、受信情報を前記表示手段に表示すると同時に、発呼又は送信を行った通信相手先に対応して前記記憶手段に記憶された所定のマークを前記表示手段に表示するように前記表示手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項2】
前記制御手段は、1件の着信或いは受信に対して1つの所定のマークを前記表示手段に表示させるように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の携帯電話装置。
【請求項3】
前記制御手段は、着信又は受信の種別に応じて所定のマークを前記表示手段に複数表示させるように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯電話装置。
【請求項4】
通話の発着信又は/及びメールの送受信を行う通信手段と、
所定の情報を表示する表示手段と、
通信相手先のデータと、該通信相手先に対応して前記表示手段に表示する文字及び/又はその背景の表示色とをそれぞれ対応付けて記憶可能な記憶手段と、
着信又は受信した前記通信手段の通信相手先と前記記憶手段に記憶された前記通信相手先とを比較し、両者が一致した場合に、前記通信手段が着信又は受信したことを示す着信、受信情報を前記表示手段に表示すると同時に、前記受信情報及び/又はその背景を、前記着信、受信情報を発呼又は送信を行った通信相手先に対応して前記記憶手段に記憶された所定の色に施すように前記表示手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項5】
通話の発着信又は/及びメールの送受信を行う通信手段と、
所定の情報を表示する表示手段と、
通信相手先のデータと、前記表示手段の表示領域の内所定の表示領域の表示色と、を対応付けて記憶可能な記憶手段と、
着信又は受信した前記通信手段の通信相手先と前記記憶手段に記憶された前記通信相手先とを比較し、両者が一致した場合に、前記通信手段が着信又は受信したことを示す着信、受信情報を前記表示手段に表示すると同時に、前記記憶手段に記憶された表示色に基づいて、前記表示手段の表示領域の内所定の表示領域を、前記通信相手先に対応した色で表示させるように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする携帯電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−50501(P2006−50501A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−232456(P2004−232456)
【出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】