説明

携帯電話装置

【課題】装置の開閉角度に関わらず最適な通信品質を確保することができる携帯電話装置の提供。
【解決手段】装置の開閉動作を検出する開閉角度センサ6と、開閉角度センサ6からの信号に基づいて装置の開閉状態を判定する装置角度判定部9と、各開閉状態でアンテナインピーダンスを最適に調整する複数のマッチング回路12−15と、装置角度判定部9からの信号に基づいて開閉状態に適したマッチング回路に切り替えるアンテナマッチング回路切替部11とを設け、ヒンジの動きに連動して回転するヒンジ歯車の動きを開閉角度センサ6で検出して装置の角度を認識し、その認識した角度情報を装置角度判定部9が受け取り、その装置角度に最適なマッチング回路を選択するようにアンテナマッチング回路切替部11に指令を送り、その指令に応じてアンテナマッチング回路切替部11がマッチング回路を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話装置に関し、特に、開閉可能な折り畳み型携帯電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話装置は、液晶画面などが配置される装置上部と、キー操作部や無線部などが配置される装置下部とがヒンジによって開閉可能に接続された折り畳み型が主流である。この種の携帯電話装置では、通常、アンテナは装置上部に配置され、配線によって装置下部に配置された無線部と接続されているため、携帯電話装置が閉じた状態であるか開いた状態であるかによってアンテナインピーダンスが変化してしまう。
【0003】
そこで、携帯電話装置が閉じた状態であっても開いた状態であっても良好なアンテナ特性が得られるように、携帯電話装置の開閉状態を検出し、開閉状態に応じてマッチング回路を切り替えてアンテナインピーダンスを調整する方法が用いられている。例えば、下記特許文献1では、上部端末機と下部端末機とが折り畳み機構を介して開・閉可能に連結され、一方にアンテナを、他方に無線部をそれぞれ配置した折り畳み機構付き携帯端末機に、アンテナと無線部とのインピーダンスの整合を開の状態においてとれるように回路定数が設定された第一の整合回路と、インピーダンスの整合を閉の状態においてとれるように回路定数が設定された第二の整合回路と、開の状態又は閉の状態を検出する開閉検出部と、開の状態の時に第一の整合回路を選択し、閉の状態の時に第二の整合回路を選択する制御部と、選択された整合回路をアンテナと無線部とに接続する切替部とを設ける構造が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−345882号公報(第3−5頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、携帯電話装置は開又は閉のいずれかの状態で使用されるとは限らず、例えば、装置上部を90度開いた状態にして充電台などの上に置き、ハンズフリーで通話するなどの使用形態も考えられる。
【0006】
しかしながら、従来の携帯電話装置は、開状態、閉状態の2パターンを認識することによってアンテナのマッチング回路を切り替えて、開閉の状態に応じた最適なアンテナインピーダンスに調整するだけであり、開閉の途中の状態であっても開状態としか認識できないため、開閉の細かい角度によってマッチング回路を切り替えることはできない。従って、開閉の途中の状態においては最適となるアンテナインピーダンスにすることができず、通話品質の完全な確保は難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、装置上部と装置下部とがヒンジによって開閉可能に支持される構造において、装置の開閉角度に関わらず通信品質を確保することができる携帯電話装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、装置上部と装置下部とがヒンジによって開閉可能に接続されてなる携帯電話装置において、前記装置上部と前記装置下部の開閉動作に応じて信号を送出する開閉角度センサと、前記開閉角度センサからの信号により設定される開閉角度と予め記憶された基準角度とを比較することによって開閉状態を判別し、該開閉状態に適したマッチング回路を選択する信号を送出する装置角度判定部と、アンテナインピーダンスを各々の開閉状態に適した値に調整する複数のマッチング回路と、前記装置角度判定部からの信号に基づいて選択されたマッチング回路をアンテナと無線部との間に接続するアンテナマッチング回路切替部と、を少なくとも備えるものである。
【0009】
本発明においては、2以上の前記基準角度が設定され、該2以上の基準角度に応じて定められる3以上の開閉状態と同数のマッチング回路が設けられている構成とすることができる。
【0010】
また、本発明は、装置上部と装置下部とがヒンジによって開閉可能に接続されてなる携帯電話装置において、前記装置上部と前記装置下部の開閉動作に応じて信号を送出する開閉角度センサと、前記開閉角度センサからの信号により設定される開閉角度と予め記憶された基準角度とを比較することによって開閉状態を判別し、該開閉状態に適したアンテナを選択する信号を送出する装置角度判定部と、複数のアンテナと、前記装置角度判定部からの信号に基づいて選択されたアンテナを無線部に接続するアンテナ接続切替回路と、を少なくとも備えるものである。
【0011】
本発明においては、前記開閉角度センサは、前記ヒンジ内部のヒンジ歯車近傍に配置される光源に対して、前記ヒンジ歯車を挟んで対向する位置に配置され、前記ヒンジ歯車の回転による光の通過/遮断に応じて信号を送出する構成とすることができる。
【0012】
このように、本発明の携帯電話装置では、開状態、閉状態だけでなく、開閉角度を細かく判別してマッチング回路又はアンテナに切り替えることができるため、様々な使用形態において通話品質を確保することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の携帯電話装置によれば、開状態及び閉状態のみならず、開閉の途中の状態でも通話品質を高めることができる。
【0014】
その理由は、携帯電話装置に、開閉角度センサと、装置角度判定部と、3つ以上のマッチング回路と、アンテナマッチング回路切替部とを設けているため、開状態と閉状態の2種類のみならず開閉途中の状態でもアンテナインピーダンスを最適に調整することができるからである。
【0015】
また、携帯電話装置に、開閉角度センサと、装置角度判定部と、2種類以上のアンテナと、アンテナ接続切替回路とを設けているため、開状態と閉状態の2種類のみならず開閉途中の状態でも利得の高いアンテナを選択することができるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
従来技術で示したように、従来より開状態及び閉状態の2つの状態でアンテナインピーダンスを適正な値に調整することができる携帯電話装置が提案されているが、携帯電話装置は開状態又は閉状態のいずれかで使用されるとは限らず、開閉途中の状態で使用される場合もあり、この場合に通話品質を確保することができないという問題があった。
【0017】
そこで、本発明では、携帯電話装置に、装置の開閉動作を検出する開閉角度センサと、開閉角度センサからの信号に基づいて装置の開閉状態を判別する装置角度判定部と、開状態と閉状態と少なくとも1つの開閉途中の状態の各々の状態でアンテナインピーダンスを最適に調整する3つ以上のマッチング回路と、装置角度判定部からの信号に基づいて開閉状態に適したマッチング回路に切り替えるアンテナマッチング回路切替部とを設け、例えば、ヒンジの動きに連動して回転するヒンジ歯車の動きを開閉角度センサで検出して装置の角度を認識し、その認識した角度情報を装置角度判定部が受け取り、その装置角度に最適なマッチング回路を選択するようにアンテナマッチング回路切替部に指令を送り、その指令に応じてアンテナマッチング回路切替部がマッチング回路を選択するようにする。これにより、開状態及び閉状態のみならず、開閉途中の状態でもアンテナインピーダンスを適正な値に調整することができ、使用形態にかかわらず通話品質を確保することができる。
【0018】
なお、装置の開閉角度に応じてアンテナインピーダンスを連続的に変化させることも可能であるが、この場合は装置の構造が複雑になると共に、携帯電話装置の価格の上昇や重量の増加、サイズの増加を招いてしまい、また、開閉角度の微妙な変化に応じてアンテナインピーダンスが変化すると、かえって通話状態が不安定になることも予想される。一方、携帯電話装置の実際の使用形態を考慮すると、開状態と、閉状態と、1以上の中間の状態を想定すれば十分であり、また、アンテナインピーダンスは上記状態で調整すれば十分にマッチングさせることができる。従って、アンテナインピーダンスを連続的に変化させる構造よりも、開状態と閉状態と少なくとも1つの開閉途中の状態を段階的に変化させる本発明の構造の方が優れている。
【実施例1】
【0019】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る携帯電話装置について、図1乃至図5を参照して説明する。図1及び図2は、本実施例の携帯電話装置の構成を模式的に示す図であり、図1は開状態、図2は開閉途中の状態を示している。また、図3は、開閉角度センサの角度認識機構の具体的構成を示す斜視図であり、図4は、本実施例の携帯電話装置の主要な構成及び動作を示す図である。また、図5は、本実施例の携帯電話装置を用いたマッチング回路の選択手順を示すフローチャート図及び開閉状態を模式的に示す図である。
【0020】
図1に示すように、本実施例の携帯電話装置は、LCD(Liquid Crystal Display)3や有機EL(electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置やアンテナ5などが配置される装置上部4と、キー操作部や各種回路(無線部や制御部など)が配置される装置下部1とが、ヒンジ2によって開閉可能に接続されている。また、ヒンジ2には内部にヒンジ歯車7が設けられており、開閉動作に際してヒンジ歯車7が回転するようになっている。なお、携帯電話装置は図1の構成に限定されず適宜変更が可能である。例えば、図1では装置上部4の先端側にアンテナ5を配置しているが、装置上部4のヒンジ2側にアンテナ5を配置してもよい。また、図1では、伸縮可能なアンテナ5を示しているが、内蔵型のアンテナとしてもよい。
【0021】
また、本実施例の携帯電話装置の主要な構成は図4に示すようになり、アンテナ5と、各開閉角度でアンテナインピーダンスが最適な値となるように設定された3つ以上のマッチング回路(ここでは170度で最適なマッチング回路A12と、90度から170度で最適なマッチング回路B13と、45度から90度で最適なマッチング回路C14と、45度以下で最適なマッチング回路D15の4つのマッチング回路)と、アンテナマッチング回路切替部11と、無線部10と、制御部8と、制御部8中に構成される装置角度判定部9と、開閉角度センサ6などで構成される。
【0022】
開閉角度センサ6は、装置の開閉動作を認識し、装置角度判定部9に角度情報を出力する。装置角度判定部9は、開閉角度センサ6からの角度情報を元に最適なマッチング回路を判定し、アンテナマッチング回路切替部11にマッチング回路切替指令を送る。アンテナマッチング回路切替部11は、指令されたマッチング回路を選択する。アンテナ5は選択されたマッチング回路を通して電波の送受信を行う。なお、開閉角度の検出機能は特に限定されないが、例えば、図3に示すように、ヒンジ歯車7近傍に赤外線20などの光を照射する光源19を設け、ヒンジ歯車7を挟んでその光源19に対向する位置に光源19から照射された光を検出する開閉角度センサ6を設け、ヒンジ歯車7の回転による光のON/OFFに基づいて開閉角度を検出する構成とすることができる。
【0023】
次に、本実施例の携帯電話装置の動作について、図1及び図2の携帯電話装置の外観図、図3の開閉角度センサの角度認識機構、図4のブロック図、図5のフローチャート図を用いて説明する。
【0024】
携帯電話装置が、例えば、図1の状態(開状態)から図2の状態(開閉途中の状態)に変化した時(図2の矢印方向に装置が折りたたまれた時)、ヒンジ2の内部にある図3のヒンジ歯車7が回転する。ヒンジ歯車7が回転すると開閉角度センサ6に対向する位置に配置された光源19から出力されている赤外線20(ここでは赤外線とするが可視光であってもよい。)がヒンジ歯車7によりさえぎられる。この赤外線20がヒンジ歯車7にさえぎられた回数をカウントすることにより、ヒンジ歯車7の動いた角度(=装置が開閉された角度)を開閉角度センサ6が感知して装置の角度を認識する。なお、携帯電話装置が開こうとしているのか閉じようとしているのかを判別できるようにするために、開閉角度センサ6を2つ並べて配置し、光の透過/遮断の時間のずれに基づいて動作方向を判定するようにしてもよい。
【0025】
そして、上記開閉角度センサ6で開閉動作を感知したら、図5のフローチャート図に従ってマッチング回路の選択を行う。具体的には、開閉角度センサ6が装置の角度の変化を認識した時(S11)、S12で装置角度判定部9は開閉角度が170度であるか判定し、170度である場合はマッチング回路A12を選択する指令をアンテナマッチング回路切替部11に送り(S13)、マッチング回路A12に切り替える(S19)。また、170度でなかった場合は、装置角度判定部9は開閉角度が90度以上であるか判定し(S14)、90度以上である場合はマッチング回路B13を選択する指令をアンテナマッチング回路切替部11に送り(S15)、マッチング回路B13に切り替える(S19)。また、90度以上でなかった場合は、装置角度判定部9は開閉角度が45度以上であるか判定し(S16)、45度以上である場合はマッチング回路C14を選択する指令をアンテナマッチング回路切替部11に送り(S17)、マッチング回路C14に切り替える(S19)。更に45度以上でなかった場合は、装置角度判定部9は開閉角度が45度以下であると判定し、マッチング回路D15を選択する指令をアンテナマッチング回路切替部11に送り(S18)、マッチング回路D15に切り替える(S19)。
【0026】
なお、ここでは170度、90度及び45度の3つの角度を基準にしてマッチング回路の切り替えを行ったが、基準となる角度は実際の使用形態やアンテナインピーダンスの変動を考慮して適宜設定することができ、例えば、開状態の基準値を180度にしたり、開閉途中の状態の基準値を90度のみにしたり、135度などの基準値を追加してもよく、開閉角度の基準値の増減に応じてマッチング回路を増減することができる。
【0027】
このように、本実施例の携帯電話装置では、開閉角度センサ6からの信号に基づいて装置角度判定部9で角度を判定し、その角度と予め設定した基準角度とを比較し、マッチング回路を選択して選択指示をアンテナマッチング回路切替部11に送信し、アンテナマッチング回路切替部11で指示されたマッチング回路を選択してアンテナ5に接続する制御を行うため、現状の装置状態に適したマッチング回路に切り替えることができ、これにより、使用形態にかかわらず通話品質を確保することができる。
【実施例2】
【0028】
次に、本発明の第2の実施例に係る携帯電話装置について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、第2の実施例に係る携帯電話装置の主要な構成及び動作を示す図であり、図7は、本実施例の携帯電話装置を用いたマッチング回路の選択手順を示すフローチャート図及び開閉状態を模式的に示す図である。なお、基本的構成は第1の実施例と同様であるが、アンテナ5をメインアンテナ17とサブアンテナ18の2つに分けて、アンテナマッチング回路切替部11をアンテナ接続切替回路16に置き換えている。
【0029】
図6に示すように、本実施例の携帯電話装置は、メインアンテナ17とサブアンテナ18の2つのアンテナを有しており、各々のアンテナは開閉角度によってアンテナ利得が変化する。なお、メインアンテナ17及びサブアンテナ18の構造や配置は任意であるが、一方のアンテナ(本実施例ではメインアンテナ17)は開閉角度が大きい場合にアンテナ利得が大きく、他方のアンテナ(本実施例ではサブアンテナ18)は開閉角度が小さい場合にアンテナ利得が大きくなるように構成されていることが好ましい。
【0030】
次に、本実施例の携帯電話装置の動作について、図7のフローチャート図を用いて説明する。まず、第1の実施例と同様に、ヒンジ2の内部にあるヒンジ歯車7が回転すると光源19から出力されている光(例えば赤外線20)がヒンジ歯車7によりさえぎられ、このさえぎられた回数をカウントすることにより、ヒンジ歯車7の動いた角度を開閉角度センサ6が感知して装置の角度を認識する。
【0031】
そして、上記開閉角度センサ6で開閉動作を感知したら、図7のフローチャート図に従ってアンテナの選択を行う。具体的には、開閉角度センサ6が装置の開閉角度が変化した時(S21)、S22で装置角度判定部9は装置の開閉角度が170度であるか判定し、170度(装置開状態)である場合は170度にて利得が高くなるメインアンテナ17を選択する指令をアンテナ接続切替回路16に送り(S23)、メインアンテナ17に切り替える(S29)。170度でなかった場合は、装置角度判定部9は開閉角度が90度以上であるか判定し(S24)、90度以上である場合は170度未満90以上にて利得が高くなるメインアンテナを選択する指令をアンテナ接続切替回路16に送り(S25)、メインアンテナ17に切り替える(S29)。90度以上でなかった場合は、装置角度判定部9は開閉角度が45度以上であるか判定し(S26)、45度以上である場合は90度未満45度以上で利得が高くなるサブアンテナを選択する指令をアンテナ接続切替回路16に送り(S27)、サブアンテナ18に切り替える(S29)。45度以上でなかった場合は、装置角度判定部9は開閉角度が45度以下であると判定し、45度未満0度以上で利得が高くなるサブアンテナ17を選択する指令をアンテナ接続切替回路16に送り(S28)、サブアンテナ18に切り替える。
【0032】
なお、本実施例においても、基準となる角度は実際の使用形態やアンテナ特性を考慮して適否設定することができ、例えば、開状態の基準値を180度にしたり、開閉途中の状態の基準値を90度のみにしたり、135度などの基準値を追加してもよい。また、本実施例ではメインアンテナ17とサブアンテナ18の2つのアンテナを設けているが、3つ以上のアンテナを設け、各々の開閉角度で最もアンテナ利得が大きいアンテナが選択されるようにしてもよい。
【0033】
このように、本実施例の携帯電話装置では、開閉角度センサ6からの信号に基づいて装置角度判定部9で角度を判定し、その角度と予め設定した基準角度とを比較してアンテナの選択指示をアンテナ接続切替回路16に送信し、アンテナ接続切替回路16で指示されたアンテナを選択する制御を行うため、装置角度に応じた最適にアンテナを選択することができ、これにより、使用形態にかかわらず通話品質を確保することができる。
【0034】
なお、上記各実施例では、装置上部4と装置下部1とがヒンジ2によって開閉可能に接続される構造を示したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、装置上部4と装置下部1の位置関係が変化する構造全般に対して適用することができ、例えば、装置上部4と装置下部1とが2軸のヒンジによって開閉かつ回転可能に接続される構造や、装置上部4と装置下部1とがスライド可能に接続される構造などについても同様に適用することができる。
【0035】
例えば、2軸のヒンジによって開閉かつ回転可能に接続される構造の場合は、回転角度を検出するセンサ(例えば、開閉角度センサ6と同様の構造のセンサ)を設け、開閉角度に代えて又は開閉角度と共に回転角度に応じてマッチング回路やアンテナが段階的に切り替わるようにしてもよいし、スライド可能に接続される構造の場合は、スライド量を検出するセンサ(例えば、スライド方向に接点を配列したセンサ)を設け、スライド量に応じてマッチング回路やアンテナが段階的に切り替わるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、装置上部と装置下部の位置関係に応じてアンテナ特性が変化する任意の無線機器、例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、携帯端末機器、ゲーム機等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施例に係る携帯電話装置の構造(開状態)を模式的に示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る携帯電話装置の構造(開閉途中の状態)を模式的に示す側面図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る開閉角度センサの角度認識機構の具体的構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る携帯電話装置の主要構成及び動作を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る携帯電話装置を用いたマッチング回路の選択手順を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る携帯電話装置の主要構成及び動作を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る携帯電話装置を用いたマッチング回路の選択手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0038】
1 装置下部
2 ヒンジ
3 LCD
4 装置上部
5 アンテナ
6 開閉角度センサ
7 ヒンジ歯車
8 制御部
9 装置角度判定部
10 無線部
11 アンテナマッチング回路切替部
12 マッチング回路A
13 マッチング回路B
14 マッチング回路C
15 マッチング回路D
16 アンテナ接続切替回路
17 メインアンテナ
18 サブアンテナ
19 光源
20 赤外線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置上部と装置下部とがヒンジによって開閉可能に接続されてなる携帯電話装置において、
前記装置上部と前記装置下部の開閉動作に応じて信号を送出する開閉角度センサと、前記開閉角度センサからの信号により設定される開閉角度と予め記憶された基準角度とを比較することによって開閉状態を判別し、該開閉状態に適したマッチング回路を選択する信号を送出する装置角度判定部と、アンテナインピーダンスを各々の開閉状態に適した値に調整する複数のマッチング回路と、前記装置角度判定部からの信号に基づいて選択されたマッチング回路をアンテナと無線部との間に接続するアンテナマッチング回路切替部と、を少なくとも備えることを特徴とする携帯電話装置。
【請求項2】
2以上の前記基準角度が設定され、該2以上の基準角度に応じて定められる3以上の開閉状態と同数のマッチング回路が設けられていることを特徴とする請求項1記載の携帯電話装置。
【請求項3】
装置上部と装置下部とがヒンジによって開閉可能に接続されてなる携帯電話装置において、
前記装置上部と前記装置下部の開閉動作に応じて信号を送出する開閉角度センサと、前記開閉角度センサからの信号により設定される開閉角度と予め記憶された基準角度とを比較することによって開閉状態を判別し、該開閉状態に適したアンテナを選択する信号を送出する装置角度判定部と、複数のアンテナと、前記装置角度判定部からの信号に基づいて選択されたアンテナを無線部に接続するアンテナ接続切替回路と、を少なくとも備えることを特徴とする携帯電話装置。
【請求項4】
前記開閉角度センサは、前記ヒンジ内部のヒンジ歯車近傍に配置される光源に対して、前記ヒンジ歯車を挟んで対向する位置に配置され、前記ヒンジ歯車の回転による光の通過/遮断に応じて信号を送出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の携帯電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−43410(P2007−43410A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−224383(P2005−224383)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】