説明

撮像装置及びその駆動方法

【課題】ランダムノイズの影響を低減した撮像装置を提供することを課題とする。
【解決手段】入射光に応じて発生した電荷を蓄積して信号を出力する複数画素の有効画素領域及び入射光に依存しない信号を出力する複数画素の非有効画素領域を含む画素部と、前記画素部の画素の列毎に設けられる複数の垂直信号線と、前記画素部の画素を行単位に走査して選択することにより前記選択された同一行の画素の信号を前記複数の垂直信号線に出力させる垂直走査回路と、前記複数の垂直信号線の信号を走査して選択することにより前記選択された垂直信号線の信号を出力させる水平走査回路とを有し、前記垂直走査回路は、1フレームの間に前記有効画素領域の同一行の画素を行単位で1回選択し、1フレームの間に前記非有効画素領域の同一行の画素を行単位で複数回選択することを特徴とする撮像装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CMOSイメージセンサ等の撮像装置及びその処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、静止画像や動画を撮像・記録・再生する撮像装置として、固体メモリ素子を有するメモリカードを記録媒体とし、CCD、CMOS等の固体撮像素子で撮像した静止画像や動画像を記録・再生する電子カメラ等の撮像装置が既に知られている。CCDはCharge
Coupled Devicesであり、CMOSはComplementary Metal Oxide Semiconductorである

【0003】
また、撮像素子を用いて撮像する場合、撮像素子を露光しない状態で本撮影と同様に電荷蓄積を行った後に読み出した暗時画素信号と、撮像素子を露光した状態で電荷蓄積を行った後に読み出した本撮影画素信号とを用いて演算処理する。これにより、暗時ノイズ補正処理を行うことが可能である。これにより、撮像素子で発生する暗電流ノイズや読み出し回路に起因する固定パタンノイズや撮像素子固有の微小なキズによる画素欠陥等の画質劣化に対し、撮影した画素信号を補正して高品位な画像を得ることができる。
【0004】
一方、暗時画素信号を用いた補正方法は、暗時画素信号を格納するための1フレーム分の大容量メモリが必要となるため、撮像装置のコストを上昇させてしまう。また、本撮影をする前に予め1フレーム分の暗時画素信号を取得しておく必要があるために、シャッタレリーズタイムラグが増加して快適撮影の妨げになっていた。また、暗時画素信号にはランダムノイズと呼ばれるランダムな成分が含まれているため、暗時画素信号を本撮影画素信号に対して減算処理するだけでは、固定パタンノイズを完全に抑制することができない。
【0005】
この問題を解決する方法として、有効画素領域と、非有効画素領域に分割し、非有効画素領域の画素信号を平均化して有効画素領域の画素信号に対して減算処理する方法が提案されている。有効画素領域は、撮像素子の画素領域を入射光に応じて発生した電荷を蓄積した信号を出力する。非有効画素領域は、例えば有効画素領域と同じ回路構成の画素表面をアルミニウム等の遮光膜で覆った画素領域であり、入射光に依存しない信号を出力する。この方法では、非有効画素領域の画素信号を平均処理することによって平均化の母数を増やし、補正信号に含まれるランダムノイズを低減している。
【0006】
特許文献1では、複数行の非有効画素領域の画素信号に基づいて補正信号を生成し、補正信号の信頼性を高くして固定パタンノイズを抑制する固体撮像装置を提供することを目的としている。上記目的を達成するために、複数行分の遮光画素から1行分の補正信号を生成し、有効画素の画素信号を補正することを特徴とする固体撮像装置が提案されている。
【0007】
特許文献2では、非有効画素領域の画素信号から得られる画素信号を複数フレームにわたって合計し、その合計値から平均値を求めて補正信号を生成して固体パタンノイズを抑制することを特徴とする固体撮像装置が提案されている。
【0008】
特許文献3では、1フィールド期間内に各光電変換素子の読み出しを複数回行い、1フィールド期間内に複数回行われる前記読み出しをする毎に、垂直黒基準検出用素子の電荷を読み出すことを特徴とする撮像装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−16841号公報
【特許文献2】特開2004−15712号公報
【特許文献3】特開2000−138864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述のような背景技術による固定パタンノイズ抑制の方法には以下のような課題がある。
【0011】
特許文献1で提案されている固体撮像装置では、補正信号の信頼性を高くするために非有効画素領域の行数を多く設けると、チップ面積が増大してしまう課題があった。つまり、平均化に使用する非有効画素領域の行数を多くすることで、補正信号に含まれるランダムノイズの影響を低減していた。
【0012】
特許文献2で提案されている固体撮像装置では、補正信号の生成には複数フレームにわたる非有効画素領域の画素信号が必要であるために、デジタルスチルカメラでの単写といった1フレームだけの撮影モードでは使用することができない課題があった。つまり、平均化に使用する非有効画素領域の画素信号のフレーム数を多くすることで、補正信号に含まれるランダムノイズの影響を低減していた。
【0013】
特許文献2で提案されている固体撮像装置では、平均化に使用する非有効画素領域の画素信号のフレーム数を多くすることで、補正信号に含まれるランダムノイズの影響を低減していた。つまり、補正信号の生成には複数フレームにわたる非有効画素領域の画素信号が必要であるために、デジタルスチルカメラでの単写といった1フレームだけの撮影モードでは使用することができない課題があった。また、動画撮影のように複数フレームにわたって非有効画素領域の画素信号が取得できる場合であっても、非有効画素領域が少ない場合は多くのフレーム数を必要とするため撮影開始に至るレスポンスが悪化してしまう課題がある。また、非有効画素領域を大きくすることで積算するフレーム数を少なくするとチップ面積が増大してしまう課題があった。
【0014】
上記課題を解決するために、本発明ではチップ面積を増大させることなく、1フレームのみの非有効画素領域の画素信号から補正信号に含まれるランダムノイズの影響を低減した撮像装置及びその処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の撮像装置は、入射光に応じて発生した電荷を蓄積して信号を出力する複数画素の有効画素領域及び入射光に依存しない信号を出力する複数画素の非有効画素領域を含む画素部と、前記画素部の画素の列毎に設けられる複数の垂直信号線と、前記画素部の画素を行単位に走査して選択することにより前記選択された同一行の画素の信号を前記複数の垂直信号線に出力させる垂直走査回路と、前記複数の垂直信号線の信号を走査して選択することにより前記選択された垂直信号線の信号を出力させる水平走査回路とを有し、前記垂直走査回路は、1フレームの間に前記有効画素領域の同一行の画素を行単位で1回選択し、1フレームの間に前記非有効画素領域の同一行の画素を行単位で複数回選択することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の撮像装置は、入射光に応じて発生した電荷を蓄積して信号を出力する複数画素の有効画素領域及び入射光に依存しない信号を出力する複数画素の非有効画素領域を含む画素部と、前記画素部の画素の列毎に設けられる複数の垂直信号線と、前記画素部の画素を行単位に走査して選択することにより前記選択された同一行の画素の信号を前記複数の垂直信号線に出力させる垂直走査回路と、前記複数の垂直信号線の信号を走査して選択することにより前記選択された垂直信号線の信号を出力させる水平走査回路とを有し、前記水平走査回路は、1水平走査期間の間に前記非有効画素領域の同一画素を複数回選択することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の撮像装置の処理方法は、入射光に応じて発生した電荷を蓄積して信号を出力する複数画素の有効画素領域及び入射光に依存しない信号を出力する複数画素の非有効画素領域を含む画素部と、前記画素部の画素の列毎に設けられる複数の垂直信号線と、前記画素部の画素を行単位に走査して選択することにより前記選択された同一行の画素の信号を前記複数の垂直信号線に出力させる垂直走査回路と、前記複数の垂直信号線の信号を走査して選択することにより前記選択された垂直信号線の信号を出力させる水平走査回路とを有する撮像装置の処理方法であって、前記垂直走査回路が、1フレームの間に前記有効画素領域の同一行の画素を行単位で1回選択し、1フレームの間に前記非有効画素領域の同一行の画素を行単位で複数回選択するステップを有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の撮像装置の処理方法は、入射光に応じて発生した電荷を蓄積して信号を出力する複数画素の有効画素領域及び入射光に依存しない信号を出力する複数画素の非有効画素領域を含む画素部と、前記画素部の画素の列毎に設けられる複数の垂直信号線と、前記画素部の画素を行単位に走査して選択することにより前記選択された同一行の画素の信号を前記複数の垂直信号線に出力させる垂直走査回路と、前記複数の垂直信号線の信号を走査して選択することにより前記選択された垂直信号線の信号を出力させる水平走査回路とを有する撮像装置の処理方法であって、前記水平走査回路が、1水平走査期間の間に前記非有効画素領域の同一画素を複数回選択するステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
非有効画素領域が狭い場合でも複数回選択することにより、その画素の信号を複数行出力することができる。複数行出力された画素の信号を基に補正することにより、ランダムノイズの影響を低減することができる。非有効画素領域を狭くすることができるので、チップ面積を低減することができる。また、複数フレームにわたる非有効画素領域の画素の信号を基に補正する必要がないため、例えばデジタルスチルカメラでの単写といった1フレームだけの撮影モードでも高精度に固定パタンノイズの抑制をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態に関わる固体撮像装置の画素部平面図である。
【図2】CMOS型固体撮像装置の画素・読み出し回路・共通出力回路の回路図である。
【図3】CMOS型固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に関わる固体撮像装置のタイミングチャートである。
【図5】CMOS型固体撮像装置の垂直走査回路の回路図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に関わる固体撮像装置のタイミングチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態に関わる固体撮像装置の画素信号の信号レベルを記載した概念図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に関わる固体撮像装置の画素信号補正回路を含めたブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に関わる固体撮像装置のタイミングチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態に関わる固体撮像装置の画素信号の信号レベルを記載した概念図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に関わる固体撮像装置の画素信号の平均値とへインチ算出領域との対応を示した概念図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に関わる固体撮像装置の画素信号補正回路を含めたブロック図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に関わる固体撮像装置のタイミングチャートである。
【図14】本発明の第4の実施形態に関わる固体撮像装置の画素・読み出し回路・共通出力回路の回路図である。
【図15】本発明の第4の実施形態に関わる固体撮像装置のタイミングチャートである。
【図16】本発明の第5の実施形態に関わる固体撮像装置のタイミングチャートである。
【図17】本発明の第5の実施形態に関わる固体撮像装置の画素信号の信号レベルを記載した概念図である。
【図18】本発明の第6の実施形態に関わる固体撮像装置の平面図と、読み出した画素信号の信号レベルを記載した概念図である。
【図19】本発明の第6の実施形態に関わる固体撮像装置のタイミングチャートである。
【図20】本発明の第7の実施形態に関わる固体撮像装置の固体撮像装置の画素信号の信号レベルを記載した概念図である。
【図21】本発明の第7の実施形態に関わる固体撮像装置の画素信号の読出し方法を表した概念図である。
【図22】本発明の第7の実施形態に関わる固体撮像装置において読み出した信号の平均値と平均値算出領域の関係を示した概念図である。
【図23】本発明の第7の実施形態に関わる固体撮像装置を用いた撮像システムの構成図を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に関わる固体撮像装置の画素部平面図である。本実施形態の固体撮像装置は、入射光に応じて発生した電荷を蓄積して信号を出力する複数画素の有効画素領域101と、入射光に依存しない信号を出力する複数画素の非有効画素領域102を含む画素部100を有している。非有効画素領域102は、画素部100の垂直方向先頭に行単位に配置されている。例えば、有効画素領域101の画素には電荷を蓄積するための半導体不純物領域が形成されており、非有効画素領域102の画素には電荷を蓄積するための半導体不純物領域が形成されていない。
【0022】
図2は、CMOS型固体撮像装置の画素・読み出し回路・共通出力回路の回路図である。画素200は、以下に示すように構成されている。フォトダイオード201は、受光した光を電荷に変換する。光信号電荷を発生するフォトダイオード201は、この例ではアノード側が接地されている。フォトダイオード201のカソード側は、転送MOSトランジスタ202を介して増幅MOSトランジスタ203のゲートに接続されている。また、前記増幅MOSトランジスタ203のゲートには、これをリセットするためのリセットMOSトランジスタ204のソースが接続され、リセットMOSトランジスタ204のドレインは電源電圧Vccに接続されている。さらに、前記増幅MOSトランジスタ203のドレインは電源電圧Vccに接続され、ソースは選択MOSトランジスタ205のドレインに接続されている。
【0023】
図3は、CMOS型固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。画素部300は、単位画素301を行方向に3画素、列方向に3画素ずつ配置した3×3画素で構成されている。読み出し行を選択する垂直走査回路302、読み出し列を選択する水平走査回路303、画素信号を増幅・ノイズ除去を行う読み出し回路304によってCMOS型固体撮像装置は構成されている。単位画素301は、図2の画素200に対応する。以下に画素信号を読み出す動作を説明する。図2の垂直信号線206は、画素部100の画素301の列毎に複数設けられる。垂直走査回路302は、画素部100の画素301を行単位に走査して選択することにより前記選択された同一行の画素の信号を前記複数の垂直信号線206に出力させる。水平走査回路303は、前記複数の垂直信号線206の信号を走査して選択することにより前記選択された垂直信号線206の信号を出力させる。
【0024】
画素11の転送MOSトランジスタ202のゲートは、横方向に延長して配置される第1の行選択線(垂直走査線)Ptx1に接続される。同じ行に配置された画素12、画素13の同様な転送MOSトランジスタ202のゲートも上記第1の行選択線Ptx1に共通に接続される。画素11のリセットMOSトランジスタ204のゲートは、横方向に延長して配置される第2の行選択線(垂直走査線)Pres1に接続される。同じ行に配置された画素12、画素13の同様なリセットMOSトランジスタ204のゲートも上記第2の行選択線Pres1に共通に接続される。画素11の選択MOSトランジスタ205のゲートは、横方向に延長して配置される第3の行選択線(垂直走査線)Psel1に接続される。同じ行に配置された画素12、画素13の同様な選択MOSトランジスタ205のゲートも上記第3の行選択線Psel1に共通に接続される。これら第1〜第3の行選択線Ptx1、Pres1、Psel1は、垂直走査回路302に接続され、信号電圧が供給される。図3に示されている残りの行においても同様な構成の画素と、行選択線が設けられる。これらの行選択線には、前記垂直走査回路302により形成された行選択信号Ptx1・Pres1・Psel1、Ptx2・Pres2・Psel2、Ptx3・Pres3・Psel3が供給される。これら前記選択MOSトランジスタ205のソースは、縦方向に延長して配置される垂直信号線206に接続される。同じ列に配置される画素の同様な選択MOSトランジスタ205のソースも前記垂直信号線206に接続される。図2の破線で囲った部分は、図3に示した読み出し回路304のブロック1列分の回路例である。各垂直信号線206には画素出力Voutが接続される。定電流源207は、垂直信号線206に接続される。帰還容量210は、増幅器211の入出力間に接続される。
【0025】
図4(a)は、図1から図3に示したCMOS型固体撮像装置の処理方法を示すタイミングチャートである。フォトダイオード201からの光信号電荷の読み出しに先立って、リセットMOSトランジスタ204のゲートPres1がハイレベルとなる。これによって、増幅MOSトランジスタ203のゲートがリセット電源電圧にリセットされる。リセットMOSトランジスタ204のゲートPres1がローレベルに復帰すると同時にクランプスイッチ209のゲートPc0rがハイレベルになった後に、選択MOSトランジスタ205のゲートPsel1がハイレベルとなる。これによって、リセットノイズが重畳されたリセット信号(ノイズ信号)が垂直信号線206に読み出され各列のクランプ容量208(C0)にクランプされる。次に、クランプスイッチ209のゲートPc0rがローレベルに復帰した後、N側転送スイッチ213のゲートPctnがハイレベルとなり、各列に設けられたノイズ保持容量215(Ctn)にリセット信号が保持される。次に、S側転送スイッチ212のゲートPctsがハイレベルとなる。次に、転送MOSトランジスタ202のゲートPtx1がハイレベルとなり、フォトダイオード201の光信号電荷が、増幅MOSトランジスタ203のゲートに転送されると同時に光信号が垂直信号線206に読み出される。次に、転送MOSトランジスタ202のゲートPtx1がローレベルに復帰した後、S側転送スイッチ212のゲートPctsがローレベルとなる。これによって、リセット信号からの変化分(光信号)が各列に設けられた信号保持容量214(Cts)に読み出される。ここまでの動作で、第1行目に接続された画素信号が、それぞれの列に接続された信号保持容量214、215(Ctn、Cts)に保持される。信号保持容量214、215に画素信号が保持された後、リセットMOSトランジスタ204のゲートPres1と転送MOSトランジスタ202のゲートPtx1がハイレベルとなることで、フォトダイオード201をリセット電源電圧にリセットする。
【0026】
信号保持容量214、215に画素信号が保持された後、水平走査回路303から供給される信号Ph(Ph1)によって、各列の水平転送スイッチ216、217のゲートが順次ハイレベルとなる。信号保持容量214、215(Cts、Ctn)に保持されていた電圧が、順次水平出力線容量218、219(Chs、Chn)に読み出され、出力アンプ222で差分処理されて出力端子OUTに順次出力される。すなわち、出力アンプ222は、水平出力線容量218の信号から水平出力線容量219の信号を減算し、ノイズ成分を除去する。各列の信号読み出しの合間でリセットスイッチ220、221によって水平出力線容量218、219(Chs、Chn)がリセット電圧Vchrs、Vchrnにリセットされる。以上で、第1行目に接続された画素の読み出しが完了する。
【0027】
図5は、図3に示した垂直走査回路302の一例を示す図である。垂直走査開始信号を図4(a)に示した垂直走査信号PVの立ち上がりエッヂに同期して、後のフリップフロップ500へと順次信号転送するシフトレジスタ回路で構成されている。列毎に設けられ論理積ゲート501の入力には、行選択信号Ptx、Pres、Pselとフリップフロップ500の出力信号Pv1〜Pv5等が接続されている。このように、垂直走査信号PVによって行毎に独立した行選択信号を生成している。
【0028】
図6は、本実施形態に関わる固体撮像装置の動作を示すタイミングチャートである。本実施形態では、図1で示した非有効画素領域102を画素部100の垂直方向先頭に1行分配置している。本実施形態では、画素部先頭に配置された1行分の非有効画素領域の画素信号を4水平走査期間出力するために、第1行目を選択する行選択信号Pv1を4水平走査期間出力したものである。この行選択信号Pv1を生成するために、図4(b)に示したように、垂直走査信号PVを2〜4水平走査期間までをローレベルとし、図5に示したシフトレジスタ回路のシフト動作を停止している。このようにして、4水平走査期間にわたって第1行目の画素信号を繰り返し出力している。
【0029】
ここで、本明細書において、1水平走査期間は、光信号を電圧変換して内部容量に転送する期間(水平ブランク期間)と画素信号を走査して読み出す期間(水平転送期間)を加えた1行分の画素信号を読み出す長さを表す。図4において、水平選択信号ph1、ph2、・・・が入力されている期間が「水平転送期間」であり、それ以前の期間が「水平ブランク期間」である。1水平走査期間は、水平同期信号の間隔である。
【0030】
その後再び、図4(a)で示したタイミングチャートを繰り返し動作させることによって、垂直走査回路302からの信号によって第2行目以降に接続された画素信号が順次読み出され、全画素の読み出しが完了する。第2行目以降は、各行の有効画素領域101の画素信号を1水平走査期間(1回)ずつ出力する。
【0031】
このように画素部100を構成する第1行目の画素信号読み出し動作の開始から、最終行の画素信号の読み出し終了までの期間を1フレーム期間と定義している。
【0032】
図7は、本実施形態に関わる固体撮像装置の読み出した画素信号の信号レベルを記載した概念図である。本実施形態では、非有効画素領域の画素は、電荷を蓄積するための半導体不純物領域を形成しないNULL画素で構成している。非有効画素領域の行数は1行である。非有効画素領域700の画素信号702はNULL画素信号であるため、撮影画像の黒レベルの基準になる信号レベルになっている。この1行しかない非有効画素領域700の画素信号を図6に示したタイミングで読み出すことで、4行に数増しして読み出すことができる。4行分のNULL画素信号702を読み出した後は、再び行選択信号を出力開始し、入射光に応じて発生した電荷を蓄積した信号を出力する有効画素領域701の有効画素信号703を行毎に出力する。
【0033】
図8は、本実施形態に関わる固体撮像装置の画素信号補正回路を含めたブロック図である。800は画素部、801は非有効画素領域、802は有効画素領域、803は垂直走査回路、804は読み出し回路、805は水平走査回路である。上述した動作によって読み出し回路804から出力されたアナログの画素信号は、AD変換器806によってデジタル化される。4行に数増しした非有効画素領域801の画素信号は、列毎の平均値が平均化回路807によって算出される。算出した列毎の平均値はメモリ808に格納しておく。格納した列毎の平均値を、有効画素領域802の画素信号に対して減算器809で減算することによって、列毎に生じる固定パタンノイズを精度良く抑制することができる。
【0034】
垂直走査回路302は、1フレームの間に画素部100の同一行の画素を行単位で複数回選択する。具体的には、垂直走査回路302は、1フレームの間に有効画素領域101の同一行の画素を行単位で1回選択し、1フレームの間に非有効画素領域102の同一行の画素を行単位で複数回選択する。例えば、第1行目の画素を4回選択する。補正回路は、図8の平均化回路807、メモリ808及び減算器809を有し、前記複数回選択されかつ前記水平走査回路303により出力された画素の信号を用いて前記有効画素領域101の画素の信号を補正する。具体的には、補正回路は、前記複数回選択された画素の信号を平均化し、前記有効画素領域101の画素の信号を補正する。
【0035】
本実施形態では、非有効画素領域の画素は、電荷を蓄積するための半導体不純物領域を形成しないNULL画素で構成した。しかし、電荷を蓄積する期間が短く、又はフォトダイオードの暗電流自身が小さい場合は、非有効画素領域の画素を、有効画素領域と同じ回路構成の画素表面をアルミニウム等の遮光膜で覆った遮光画素で構成しても本実施形態の効果は変わらない。
【0036】
本実施形態では、列毎の平均値をメモリに格納するために水平画素数分のラインメモリを必要とするが、水平画素数を幾つかの領域に分割して格納するためのメモリ数を削減しても本実施形態の効果は変わらない。
【0037】
本実施形態では、平均化する非有効画素領域の画素数を1行としたが、チップ面積を圧迫しない程度の行数を増やしても本実施形態の効果は変わらない。複数行の非有効画素領域の行を、それぞれ複数回ずつ読み出し平均化の母数を増やすことで、更に高精度な平均値を算出することできる。
【0038】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態に類する実施形態であるが、固体撮像装置の動作を示すタイミングチャートと非有効画素領域の画素信号を使用した固定パタンノイズの抑制方法が異なる。以下、本実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0039】
図9は、本発明の第2の実施形態に関わる固体撮像装置の動作例を示すタイミングチャートである。本実施形態では、図1で示した非有効画素領域102を画素部100の垂直方向先頭に2行分配置している。画素部先頭に配置された2行ある非有効画素領域の第2行目の画素信号を5行分出力するために、第2行目を選択する行選択信号Pv2を5行分出力したものである。この行選択信号Pv2を生成するために、図4(b)に示したように、垂直走査信号PVを3〜6水平走査期間までをローレベルとし、図5に示したシフトレジスタ回路のシフト動作を停止している。このようにして、5行にわたって第2行目の画素信号を繰り返し出力している。
【0040】
その後再び、図4(a)で示したタイミングチャートを繰り返し動作させることによって、垂直走査回路からの信号によって第3行目以降に接続された画素信号が順次読み出され、全画素の読み出しが完了する。第2行目以外の行は、1水平走査期間(1回)ずつ出力される。
【0041】
このように画素部を構成する第1行目の画素信号読み出し動作の開始から、最終行の画素信号の読み出し終了までの期間を1フレーム期間と定義している。
【0042】
図10は、本実施形態に関わる固体撮像装置が読み出した画素信号の信号レベルを記載した概念図である。本実施形態では、非有効画素領域の画素は、有効画素領域と同じ回路構成の画素表面をアルミニウム等の遮光膜で覆った遮光画素で構成している。非有効画素領域の行数は2行であり、第1行目を第1の非有効画素領域1000、第2行目を第2の非有効画素領域1001としている。第1の非有効画素領域1000の画素信号1003は、遮光画素信号であるため温度や蓄積時間に依存した暗電流による影響を受けた画素信号レベルが出力されている。続いて読み出す第2の非有効画素領域1001の画素信号1004は、第1の非有効画素領域1000の画素信号1003同様に暗電流による影響を受けた画素信号レベルが出力されている。図9に示したタイミングで画素信号を読み出すことにより、1行しかない第2の非有効画素領域1001の画素信号を、5行に数増しして読み出すことができる。2回目以降に読み出す画素信号は、図4(b)に示したように直前の水平走査期間でフォトダイオード並びに信号保持容量をリセットしているため、蓄積時間が1水平走査期間分の暗電流の影響を受けた画素信号1005となる。一般的な1水平走査期間の長さは数10μsec程度であり、この程度の蓄積期間では暗電流の影響をほとんど無視できる。これら非有効画素領域の画素信号を読み出した後は、再び行選択信号を出力開始し、入射光に応じて発生した電荷を蓄積した信号を出力する有効画素領域1002の有効画素信号1006を出力する。図9のタイミングにより2行しかない非有効画素領域1000及び1001で、暗電流による影響を受けた画素信号2行分のデータ1003及び1004と、暗電流の影響がほとんどない画素信号4行分のデータ1005を1フレームの間に取得することできる。
【0043】
図11は、本実施形態に関わる固体撮像装置が読み出した画素信号の平均値と平均値算出領域との対応を示した概念図である。1100は第1の非有効画素領域、1101は第2の非有効画素領域、1102は有効画素領域である。
【0044】
図12は、本実施形態に関わる固体撮像装置の画素信号補正回路を含めたブロック図である。1200は画素部、1201は第1の非有効画素領域、1202は第2の非有効画素領域、1203は有効画素領域、1204は垂直走査回路、1205は読み出し回路、1206は水平走査回路である。上述した動作によって読み出し回路1205から出力されたアナログの画素信号は、AD変換器1207によってデジタル化される。
第1の非有効画素領域1201の画素信号(第1行目の画素信号=1行目の画素信号)と第2の非有効画素領域1202の画素信号(第2行目の1回目の画素信号=2行目の画素信号)は、第1の平均化回路1208によって平均値が算出される。第1の平均化回路1208では、図11に示したように、水平方向に3つに分割した領域毎の平均値が算出され、第1のメモリ1209に格納される。列毎に平均化する方法と違い、複数画素で構成されている領域毎に平均値を算出することで平均化の母数が多く取れるので、例え2行分の画素信号からでも高精度な平均値を取得することができる。次に、第2の非有効画素領域1202の画素信号(第2行目の2回目の画素信号〜5回目の画素信号=3行目〜6行目の画素信号)は、第2の平均化回路1210によって平均値が算出される。第2の平均化回路1210では、図11に示したように、列毎の平均値が算出され、第2のメモリ1211に格納される。列毎に平均化しているため、平均化する母数を増やすために本実施形態では4行分の画素信号を使用している。このようにして算出した2つの平均値を、有効画素領域1203の画素信号に対して、それぞれの減算回路1212、1213で減算する。図12で示したように、2つの平均値を減算する影響をキャンセルする目的で、加算回路1215が減算回路1213の出力信号に黒レベル調整用のオフセット1214を加算しても良い。上記方法により、本実施形態を用いることで、固体撮像装置の暗電流による影響と、列毎に生じる固定パタンノイズを精度良く抑制することができる。
【0045】
非有効画素領域は、相互に異なる行の第1の非有効画素領域1201及び第2の非有効画素領域1202を有する。垂直走査回路1204は、1フレームの間に前記第2の非有効画素領域1202の同一行の画素を行単位で複数回選択する。補正回路は、第1の補正回路及び第2の補正回路を有し、具体的には、平均化回路1208,1210、メモリ1209,1211、減算器1212,1213及び加算器1215を有する。第1の補正回路は、平均化回路1208、メモリ1209及び減算器1212を有し、第1の非有効画素領域1201及び第2の非有効画素領域1202の1回目に選択した画素の信号を平均化して有効画素領域1203の画素の信号を補正する。第2の補正回路は、平均化回路1210、メモリ1211及び減算器1213を有し、第2の非有効画素領域1202の2回目以降に選択した画素の信号を平均化して有効画素領域1203の画素の信号を補正する。第1の補正回路は、第1の非有効画素領域1201及び第2の非有効画素領域1202の画素を水平方向に分割した複数の領域(例えば3つの領域)毎に平均化する。第2の補正回路は、第2の非有効画素領域1202の画素の信号を前記第1の補正回路よりも多い分割数で水平方向に分割した複数の領域毎に平均化する。
【0046】
本実施形態では、平均化する非有効画素領域の画素数を2行としたが、チップ面積を圧迫しない程度の行数を増やしても本実施形態の効果は変わらない。複数行の非有効画素領域の行を、それぞれ複数回ずつ読み出し平均化の母数を増やすことで、更に高精度な平均値を算出することできる。
【0047】
本実施形態では、非有効画素領域を有効画素領域と同じ回路構成の画素表面をアルミニウム等の遮光膜で覆った遮光画素で構成している。しかし、第2の非有効画素領域の画素は、電荷を蓄積するための半導体不純物領域を形成しないNULL画素として暗電流の影響を受けた画素信号を1行、暗電流の影響をほとんど受けない画素信号を5行として平均値を算出しても、本実施形態の効果は変わらない。
【0048】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態は、第1の実施形態に類する実施形態であるが、繰り返し読み出す非有効画素領域における固体撮像装置の動作を示すタイミングチャートが異なる。以下、本実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0049】
図9は、本発明の第3の実施形態に関わる固体撮像装置の動作を示すタイミングチャートである。本実施形態では、図1で示した非有効画素領域102を画素部100の垂直方向先頭に2行分配置している。画素部先頭に配置された2行ある非有効画素領域の第2行目の画素信号を5水平走査期間出力するために、第2行目を選択する行選択信号Pv2を5水平走査期間出力したものである。この行選択信号Pv2を生成するために、図13に示したように、垂直走査信号PVを3〜6水平走査期間までをローレベルとし、図5に示したシフトレジスタ回路のシフト動作を停止している。このようにして、5水平走査期間にわたって第2行目の画素信号を繰り返し出力している。繰り返し読み出す第2行目の動作は、光信号電荷を、選択信号Ptx1により増幅MOSトランジスタ203に転送させない点のみ異なる。図13に示したタイミングで読み出した画素信号はフォトダイオードで発生した暗電流に依存しない黒レベル出力となる。
【0050】
その後再び、図4(a)で示したタイミングチャートを繰り返し動作させることによって、垂直走査回路からの信号によって第3行目以降に接続された画素信号が順次読み出され、全画素の読み出しが完了する。
【0051】
このように画素部を構成する第1行目の画素信号読み出し動作の開始から、最終行の画素信号の読み出し終了までの期間を1フレーム期間と定義している。
【0052】
非有効画素領域の画素信号を用いて、有効画素領域の固定パタンノイズを抑制する方法については、第1の実施形態と同様なため説明を省略する。
【0053】
本実施形態では、非有効画素領域の画素は、電荷を蓄積するための半導体不純物領域を形成しないNULL画素でも、有効画素領域と同じ回路構成の画素表面をアルミニウム等の遮光膜で覆った遮光画素でも、有効画素領域と同じ回路構成の画素で構成してもよい。
【0054】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態は、第1の実施形態に類する実施形態であるが、繰り返し読み出す非有効画素領域における固体撮像装置の動作を示すタイミングチャートが異なる。以下、本実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0055】
図14は、本発明の第4の実施形態における固体撮像装置の画素・読み出し回路・共通出力回路の回路図を示す。本実施形態と第1〜第3の実施形態との違いは、垂直信号線1406の電圧レベルを基準電圧VoutrにリセットするためのMOSトランジスタスイッチ1423を配置している点である。MOSトランジスタスイッチ1423は、垂直信号線1406毎に設けられ、垂直信号線1406を基準電圧Voutrに接続するためのスイッチである。図15に繰り返し読み出す非有効画素領域の行の動作タイミングを示す。
【0056】
フォトダイオード1401で発生した電荷を読み出す必要がないため、リセットMOSトランジスタ1404のゲートPres1はハイレベルのまま保持されている。これによって、増幅MOSトランジスタ1403のゲートはリセット電源電圧にリセットされ続ける。垂直信号線1406はMOSトランジスタスイッチ1423のゲートPvoutr1をハイレベルにすることによってリセット電圧Voutrにリセットされている。このとき、クランプスイッチ1409のゲートPc0rがハイレベルになった後に、選択MOSトランジスタ1405のゲートPsel1がハイレベルとなることで、リセット信号Voutrが、各列のクランプ容量1408(C0)にクランプされる。次に、クランプスイッチ1409のゲートPc0rがローレベルに復帰した後、N側転送スイッチ1413のゲートPctnがハイレベルとなり、各列に設けられたノイズ保持容量1415(Ctn)にリセット信号が保持される。次に、N側転送スイッチ1413のゲートPctnがローレベルとなり、S側転送スイッチ1412のゲートPctsがハイレベルとなる。次に、S側転送スイッチ1412のゲートPctsがローレベルとなる。これによって、再びリセット信号が各列に設けられた信号保持容量1414(Cts)に読み出される。ここまでの動作で、第1行目に接続されたリセット信号が、それぞれの列に接続された信号保持容量1414、1415(Ctn、Cts)に保持される。定電流源1407は、垂直信号線1406に接続される。帰還容量1410は、増幅器1411の入出力間に接続される。
【0057】
信号保持容量1414、1415に画素信号が保持された後、水平走査回路から供給される信号Ph1によって、各列の水平転送スイッチ1416、1417のゲートが順次ハイレベルとなる。信号保持容量1414、1415(Cts、Ctn)に保持されていた電圧が、順次水平出力線容量1418、1419(Chs、Chn)に読み出され、出力アンプ1422で差分処理されて出力端子OUTに順次出力される。各列の信号読み出しの合間でリセットスイッチ1420、1421によって水平出力線1418、1419(Chs、Chn)がリセット電圧Vchrs、Vchrnにリセットされる。以上で、第1行目に接続された画素の読み出しが完了する。
【0058】
本実施形態では、2つある信号保持容量1414、1415には垂直信号線1406のリセット電圧Voutrに応じた同じ電荷が保持されているので、出力アンプ1422で差分処理された出力端子OUTには、黒レベル信号が出力される。
【0059】
その後再び、図4(a)で示したタイミングチャートを繰り返し動作させることによって、垂直走査回路からの信号によって第3行目以降に接続された画素信号が順次読み出され、全画素の読み出しが完了する。
【0060】
このように画素部を構成する第1行目の画素信号読み出し動作の開始から、最終行の画素信号の読み出し終了までの期間を1フレーム期間と定義している。
【0061】
非有効画素領域の画素信号を用いて、有効画素領域の固定パタンノイズを抑制する方法については、第1の実施形態と同様なため説明を省略する。
【0062】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態は、第1の実施形態に類する実施形態であるが、固体撮像装置の動作を示すタイミングチャートと非有効画素領域の画素信号を使用した固定パタンノイズの抑制方法が異なる。以下、本実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0063】
図16は、本発明の第5の実施形態に関わる固体撮像装置の動作を示すタイミングチャートである。本実施形態では、図1で示した非有効画素領域102を画素部100の垂直方向先頭に2行分配置している。画素部先頭に配置された2行ある非有効画素領域を2行ずつ出力するために、第1行目を選択する行選択信号Pv1と第2行目を選択する行選択信号Pv2を2行分出力したものである。本実施形態では、2行目の行選択信号の出力後に図5に示した垂直走査回路のスタート信号である垂直捜査開始信号PVSTを再び入力することによって行選択信号を1行目に戻している。
【0064】
図17は、本実施形態に関わる固体撮像装置の読み出した画素信号の信号レベルを記載した概念図である。本実施形態では、非有効画素領域1700の画素は、電荷を蓄積するための半導体不純物領域を形成しないNULL画素で構成している。非有効画素領域1700の行数は2行である。非有効画素領域1700の画素信号1702はNULL画素信号であるため、撮影画像の黒レベルの基準になる信号レベルになっている。本来2行しかない非有効画素領域の画素信号を図16に示したタイミングで読み出すことで、4行に数増しして読み出すことができる。4行分のNULL画素信号1702を読み出した後は、再び行選択信号を出力開始し、入射光に応じて発生した電荷を蓄積した信号を出力する有効画素領域1701の有効画素信号1703を出力する。
【0065】
その後再び、図4(a)で示したタイミングチャートを繰り返し動作させることによって、垂直走査回路からの信号によって第2行目以降に接続された画素信号が順次読み出され、全画素の読み出しが完了する。
【0066】
このように画素部を構成する第1行目の画素信号読み出し動作の開始から、最終行の画素信号の読み出し終了までの期間を1フレーム期間と定義している。
【0067】
非有効画素領域1700の画素信号を用いて、有効画素領域1701の固定パタンノイズを抑制する方法については、第1の実施形態と同様なため説明を省略する。
【0068】
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図18は、本発明の第6の実施形態に関わる固体撮像装置の画素部平面図、及び読み出した画素信号の信号レベルを記載した概念図である。本実施形態の固体撮像装置は、入射光に応じて発生した電荷を蓄積して信号を出力する複数画素の有効画素領域1801と、入射光に依存しない信号を出力する複数画素の非有効画素領域1802からなる画素部1800を有している。本実施形態では、画素部1800の水平方向先頭に1列配置した非有効画素領域1802の画素信号を1水平走査期間に4回繰り返して読み出している。
【0069】
本実施形態に関する固体撮像装置の回路構成、及びブロック図は、第1の実施形態と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0070】
図19は、本実施形態に関わる固体撮像装置の1水平走査期間のタイミングチャートである。1列目を選択する水平選択信号Ph1を4回繰り返して選択し、2列目以降は水平選択信号Ph2〜Ph5等を順次選択することによって、1列目の画素信号のみ4回読み出すことができる。このときに、1列目を選択している間は信号保持容量のリセット信号Pchresをローレベルに固定することによって、1列目の画素信号を信号保持容量に保持したまま複数回読み出すことができる。
【0071】
図8に、画素部800を除き本実施形態に関わる固体撮像装置の画素信号補正回路を含めたブロック図を示す。画素部800の代わりに、図18の画素部1800が設けられる。上述した動作によって読み出し回路804から出力されたアナログの画素信号は、AD変換器806によってデジタル化される。4列に数増しした非有効画素の画素信号の行平均値を平均化回路807によって算出する。算出した行平均値はメモリ808に格納しておく。格納した行平均値を、有効画素領域802の画素信号に対して減算器809で減算する。同様に順次行単位で上述した行平均値算出動作と減算処理を行うことで、行毎に生じる横縞状の固定パタンノイズを精度良く抑制することができる。
【0072】
以上のように、本実施形態によれば、水平走査回路805は、1水平走査期間の間に前記画素部1800の同一画素を複数回選択する。具体的には、水平走査回路805は、1水平走査期間の間に非有効画素領域1802の同一画素を複数回選択する。例えば、4回選択する。有効画素領域1801の画素には電荷を蓄積するための半導体不純物領域が形成され、非有効画素領域1802の画素には電荷を蓄積するための半導体不純物領域が形成されていない。補正回路は、平均化回路807、メモリ808及び減算器809を有し、前記複数回選択されかつ前記水平走査回路805により出力された画素の信号を用いて前記有効画素領域1801の画素の信号を補正する。具体的には、補正回路は、前記複数回選択された画素の信号を平均化し、前記有効画素領域1801の画素の信号を補正する。
【0073】
本実施形態では、非有効画素領域の画素を、有効画素領域と同じ回路構成の画素表面をアルミニウム等の遮光膜で覆った遮光画素で構成しても、電荷を蓄積するための半導体不純物領域を形成しないNULL画素で構成してもよい。
【0074】
本実施形態では、平均化する非有効画素領域の画素数を1列としたが、チップ面積を圧迫しない程度の列数を増やしても本実施形態の効果は変わらない。複数列の非有効画素領域の列を、それぞれ複数回ずつ読み出し平均化の母数を増やすことで、更に高精度な平均値を算出することできる。
【0075】
(第7の実施形態)
図20は、本発明の第7の実施形態に関わる固体撮像装置の画素部平面図、及び読み出した画素信号の信号レベルを記載した概念図である。本実施形態の固体撮像装置は、入射光に応じて発生した電荷を蓄積した信号を出力する有効画素領域2002と、第1の非有効画素領域2000と、第2の非有効画素領域2001の3つの画素領域から成っている。第1の非有効画素領域2000は、有効画素領域2002と同じ回路構成の画素表面をアルミニウム等の遮光膜で覆った遮光画素で構成される。第2の非有効画素領域2001は、電荷を蓄積するための不純物領域を形成しないNULL画素で構成される。
【0076】
2行ある第1の非有効画素領域2000の画素信号は、遮光画素信号であるため温度や蓄積時間に依存した暗電流による影響を受けた画素信号レベル2003が出力されている。2行ある第2の非有効画素領域2001の画素信号は、NULL画素信号であるため撮影画像の黒レベルの基準になる信号レベル2005が出力されている。2004は、有効画素領域2002の画素信号レベルを示す。
【0077】
図21は、本実施形態に関わる固体撮像装置の駆動方法を表した概念図で、いわゆるフォーカルプレーンシャッタ動作を行っている。1フレームの時間は、例えば1/60秒である。図21では、第1の非有効画素領域2000と有効画素領域2002の蓄積時間は1フレーム(1/60秒)になっているが、読出し走査とリセット走査を別々に行うことで1フレーム以下の蓄積時間を実現しても本実施形態の効果は変わらない。この実施形態では画素信号を、第1の非有効画素領域2000−有効画素領域2002−第2の非有効画素領域2001の順番で読出している。動画撮影のように1フレームの期間が固定である場合は、有効画素領域2002を読出した後の余剰時間に第2の非有効画素領域2001を複数回繰り返し読み出すことで数多くのNULL画素信号を取得することができる。図21では、例えば2行しかない第2の非有効画素領域2001を1フレームの間に6回繰り返し走査することで12行分のNULL画素信号を取得している。
【0078】
本実施形態では、有効画素領域2002を読み出した後の余剰時間に第2の非有効画素領域2001を複数回繰り返して読み出しているため、フレームレートを維持したまま平均化するNULL画素信号の母数を増やして高精度な補正データを取得することができる。
【0079】
さらに、取得したNULL画素信号を複数フレームにわたって加算平均することで、さらに平均化するNULL画素信号の母数を増やして高精度な補正データを取得しても本実施形態の効果は変わらない。
【0080】
図22は、本実施形態に関わる固体撮像装置が読み出した画素信号の平均値と平均値算出領域との対応を示した概念図である。説明の簡略化のため、第1の非有効画素領域2200を2行、有効画素領域2202を98行、第2の非有効画素領域2201を2行としている。第1の非有効画素領域2200は行を水平方向に3分割した領域ごとに平均値を算出する。第2の非有効画素領域2201は列ごとに平均値を算出する。
【0081】
図23は、本実施形態に関わる固体撮像装置の画素信号補正回路を含めたブロック図である。図12と同様に、2300は画素部、2301は第1の非有効画素領域、2302は第2の非有効画素領域、2303は有効画素領域、2304は垂直走査回路、2305は読み出し回路、2306は水平走査回路である。
【0082】
上記のように、垂直走査回路2304は、第2の非有効画素領域2302の最終行の選択後に再び第2の非有効画素領域2302の第1行を選択して第2の非有効画素領域2302の行を順次走査する。これによって、第2の非有効画素領域2302を繰り返し走査する。図21に示すように、垂直走査回路2304は、Nフレーム目の有効画素領域2303の走査完了からN+1フレーム目の有効画素領域2303の走査開始までの期間に第2の非有効画素領域2302を繰り返し走査する。
【0083】
上述した動作によって読み出し回路2305から出力された画素信号は、AD変換器2307によってデジタル化される。デジタル化した画素信号はフレームメモリ2316に蓄えられ、適時、第1の平均化回路2308と第2の平均化回路2310と減算回路2312に読み出される。
【0084】
フレームメモリ2316から読み出された、第1の非有効画素領域2301の画素信号(第1行目〜第2行目の画素信号=フレームメモリの1行目〜2行目に書き込まれた画素信号)は、第1の平均化回路2308によって平均値が算出される。第1の平均化回路2308では、図22に示したように、水平方向に3つに分割した領域ごとの平均値が算出され、第1のメモリ2309に格納される。列ごとに平均化する方法と違い、複数画素で構成されている領域ごとに平均値を算出することで平均化の母数が多く取れるので、たとえ2行と少ない画素領域からでも高精度な平均値を取得することができる。
【0085】
フレームメモリ2316から読み出された第2の非有効画素領域2302の画素信号(第100行目〜第101行目の画素信号×6回=フレームメモリの100行目〜111行目に書き込まれた画素信号)は、第2の平均化回路2310によって平均値が算出される。第2の平均化回路2310では、図22に示したように、列ごとの平均値を算出され、第2のメモリ2311に格納される。列ごとに平均化しているため、平均化する母数を増やすために本実施形態では12行分の画素信号を使用している。
【0086】
次に、フレームメモリ2316から有効画素領域2303の画素信号(第3行目〜第99行目の画素信号=フレームメモリの3行目〜99行目に書き込まれた画素信号)に対して、算出した2つの平均値をそれぞれの減算回路2312、2313で減算する。図23で示したように、2つの平均値を減算する影響をキャンセルする目的で、加算回路2315が減算回路2313の出力信号に黒レベル調整用のオフセット2314を加算しても良い。
【0087】
非有効画素領域は、相互に異なる行の第1の非有効画素領域2301及び第2の非有効画素領域2302を有する。第1の非有効画素領域2301の画素は、電荷を蓄積するための半導体不純物領域が形成された画素の表面を遮光膜で覆った遮光画素である。第2の非有効画素領域2302の画素は、電荷を蓄積するための半導体不純物領域が形成されていない画素である。垂直走査回路2304は、1フレームの間に有効画素領域2303の同一行の画素を行単位で1回選択し、1フレームの間に第2の非有効画素領域2302の同一行の画素を行単位で複数回選択する。補正回路は、第1の補正回路及び第2の補正回路を有する。第1の補正回路は、第1の平均化回路2308及び減算回路2312を有し、第1の非有効画素領域2301の画素の信号を平均化して有効画素領域2303の画素の信号を補正する。第2の補正回路は、第2の平均化回路2310及び減算回路2313を有し、第2の非有効画素領域2302の画素の信号を平均化して有効画素領域2302の画素の信号を補正する。
【0088】
上記方法により、固体撮像装置の暗電流による影響と、列ごとに生じる固定パタンノイズを精度良く抑制することができる。
【0089】
本実施形態では、AD変換器2307によってデジタル化した第1の非有効画素領域2301の画素信号を使って有効画素領域2303の画素信号の減算処理を行うことで、固体撮像装置の暗電流による影響を抑制した。その代わりに、第1の非有効画素領域2301の画素信号をAD変換器2307の黒レベル調整に用いることでAD変換器2307によってAD変換後の画素信号に含まれる暗電流成分を抑制しても良い。
【0090】
本実施形態では、AD変換器2307によってデジタル化した画素信号を一旦フレームメモリ2316に蓄えたが、フレームメモリ2316を廃した構成でも構わない。例えば、図21のようなフォーカルプレーン読出しではNフレーム目の第2の非有効画素領域2302の画素信号を第2の平均化回路2310で平均化して第1のメモリ2309に格納する。そして、N+1フレーム目の第1の非有効画素領域2301の画素信号を第1の平均化回路2308で平均化して第2のメモリ2311に格納する。得られた2つの平均値をN+1フレーム目の有効画素領域2303の画素信号に対して減算すればフレームメモリ2316を省略することができる。
【0091】
以上のように、第1〜第5の実施形態によれば、平均化するための非有効画素領域の行数が少ない場合でも、1フレームの間に垂直選択信号を複数行期間選択することによって、その画素信号を複数行出力することができる。複数行期間にわたって出力された画素信号を平均化して補正信号を算出することによって、補正信号に含まれるランダムノイズの影響を低減することができる。第6及び第7の実施形態も同様である。また、背景技術のように非有効画素領域の行数を多く持つ必要がないため、チップ面積を低減することができる。
【0092】
また、背景技術のように複数フレームにわたる非有効画素領域の画素信号を平均化する必要がないため、デジタルスチルカメラでの単写といった1フレームだけの撮影モードでも高精度に固定パタンノイズの抑制をすることができる。
【0093】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0094】
100、300、800、1200、1800 画素部
101、700、801、1700、1802 非有効画素領域
102、701、802、1002、1101、1701、1801、2002、2202、2303 有効画素領域
200、301、1400 画素
201、1401 フォトダイオード
202、1402 転送MOSトランジスタ
203、1403 増幅MOSトランジスタ
204、1404 リセットMOSトランジスタ
205、1405 選択MOSトランジスタ
206、1406 垂直信号線
207、1407 定電流源
208、1408 クランプ容量
209、1409 クランプスイッチ
210、1410 帰還容量
211、222、1411、1422 増幅器
212、1412 S側転送スイッチ
213、1413 N側転送スイッチ
214、1414 S側信号保持容量
215、1415 N側信号保持容量
216、1416 S側水平転送スイッチ
217、1417N側水平転送スイッチ
218、1418 S側水平出力線
219、1419 N側水平出力線
220、1420 S側水平出力線リセットスイッチ
221、1421 N側水平出力線リセットスイッチ
302、803、1204、2304 垂直走査回路
303、805、1206、2306 水平走査回路
304、804、1205、2305 読み出し回路
500 Dフリップフロップ
501 ANDゲート
702、1702 非有効画素領域の画素信号レベル(NULL画素)
703、1006、1703、2004 有効画素領域の画素信号レベル
806、1207、2307 AD変換器
807、1208、1210、2308、2310 平均化回路
808、1209、1211、2309、2311 メモリ
809、1212、1213、2312、2313 減算器
1000、1201、2000、2200、2301 第1の非有効画素領域
1001、1202、2001、2201、2302 第2の非有効画素領域
1003、2003 第1の非有効画素領域の画素信号レベル(暗電流成分を含む)
1004 第2の非有効画素領域の画素信号レベル(暗電流成分を含む)
1005 第2の非有効画素領域の画素信号レベル(暗電流成分はほぼ無視できる)
1100 第1の非有効画素領域の平均値算出領域
1101 第2の非有効画素領域の平均値算出領域
1214、2314 黒レベル調整用オフセット値
1215、2315 加算器
1423 垂直信号線リセットスイッチ
2005 第2の非有効画素領域の画素信号レベル(NULL画素)
2316 フレームメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光に応じて発生した電荷を蓄積して信号を出力する複数画素の有効画素領域及び入射光に依存しない信号を出力する複数画素の非有効画素領域を含む画素部と、
前記画素部の画素の列毎に設けられる複数の垂直信号線と、
前記画素部の画素を行単位に走査して選択することにより前記選択された同一行の画素の信号を前記複数の垂直信号線に出力させる垂直走査回路と、
前記複数の垂直信号線の信号を走査して選択することにより前記選択された垂直信号線の信号を出力させる水平走査回路とを有し、
前記垂直走査回路は、1フレームの間に前記有効画素領域の同一行の画素を行単位で1回選択し、1フレームの間に前記非有効画素領域の同一行の画素を行単位で複数回選択することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記垂直走査回路は、前記非有効画素領域の最終行の選択後に再び前記非有効画素領域の第1行を選択して非有効画素領域の行を順次走査することによって、前記非有効画素領域を繰り返し走査することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記垂直走査回路は、Nフレーム目の有効画素領域の走査完了からN+1フレーム目の有効画素領域の走査開始までの期間に前記非有効画素領域を繰り返し走査することを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
さらに、前記垂直信号線毎に設けられ、前記垂直信号線を基準電圧に接続するためのスイッチを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記有効画素領域の画素には電荷を蓄積するための半導体不純物領域が形成され、前記非有効画素領域の画素には電荷を蓄積するための半導体不純物領域が形成されていないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
さらに、前記複数回選択されかつ前記水平走査回路により出力された画素の信号を用いて前記有効画素領域の画素の信号を補正する補正回路を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記補正回路は、前記複数回選択された画素の信号を平均化し、前記有効画素領域の画素の信号を補正することを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
【請求項8】
前記非有効画素領域は、相互に異なる行の第1の非有効画素領域及び第2の非有効画素領域を有し、
前記垂直走査回路は、1フレームの間に前記第2の非有効画素領域の同一行の画素を行単位で複数回選択し、
前記補正回路は、前記第1の非有効画素領域の画素の信号を平均化して前記有効画素領域の画素の信号を補正する第1の補正回路と、前記第2の非有効画素領域の画素の信号を平均化して前記有効画素領域の画素の信号を補正する第2の補正回路とを有することを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第1の非有効画素領域の画素は、電荷を蓄積するための半導体不純物領域が形成された画素の表面を遮光膜で覆った遮光画素であり、前記第2の非有効画素領域の画素は、電荷を蓄積するための半導体不純物領域が形成されていない画素であることを特徴とする請求項8記載の撮像装置。
【請求項10】
前記非有効画素領域は、相互に異なる行の第1の非有効画素領域及び第2の非有効画素領域を有し、
前記垂直走査回路は、1フレームの間に前記第2の非有効画素領域の同一行の画素を行単位で複数回選択し、
前記補正回路は、前記第1及び第2の非有効画素領域の1回目に選択した画素の信号を平均化して前記有効画素領域の画素の信号を補正する第1の補正回路と、前記第2の非有効画素領域の2回目以降に選択した画素の信号を平均化して前記有効画素領域の画素の信号を補正する第2の補正回路とを有することを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第1の補正回路は、前記第1及び第2の非有効画素領域の画素を水平方向に分割した複数の領域毎に平均化し、
前記第2の補正回路は、前記第2の非有効画素領域の画素の信号を前記第1の補正回路よりも多い分割数で水平方向に分割した複数の領域毎に平均化することを特徴とする請求項10記載の撮像装置。
【請求項12】
入射光に応じて発生した電荷を蓄積して信号を出力する複数画素の有効画素領域及び入射光に依存しない信号を出力する複数画素の非有効画素領域を含む画素部と、
前記画素部の画素の列毎に設けられる複数の垂直信号線と、
前記画素部の画素を行単位に走査して選択することにより前記選択された同一行の画素の信号を前記複数の垂直信号線に出力させる垂直走査回路と、
前記複数の垂直信号線の信号を走査して選択することにより前記選択された垂直信号線の信号を出力させる水平走査回路とを有し、
前記水平走査回路は、1水平走査期間の間に前記非有効画素領域の同一画素を複数回選択することを特徴とする撮像装置。
【請求項13】
前記有効画素領域の画素には電荷を蓄積するための半導体不純物領域が形成され、前記非有効画素領域の画素には電荷を蓄積するための半導体不純物領域が形成されていないことを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
【請求項14】
さらに、前記複数回選択されかつ前記水平走査回路により出力された画素の信号を用いて前記有効画素領域の画素の信号を補正する補正回路を有することを特徴とする請求項12又は13記載の撮像装置。
【請求項15】
前記補正回路は、前記複数回選択された画素の信号を平均化し、前記有効画素領域の画素の信号を補正することを特徴とする請求項14記載の撮像装置。
【請求項16】
入射光に応じて発生した電荷を蓄積して信号を出力する複数画素の有効画素領域及び入射光に依存しない信号を出力する複数画素の非有効画素領域を含む画素部と、
前記画素部の画素の列毎に設けられる複数の垂直信号線と、
前記画素部の画素を行単位に走査して選択することにより前記選択された同一行の画素の信号を前記複数の垂直信号線に出力させる垂直走査回路と、
前記複数の垂直信号線の信号を走査して選択することにより前記選択された垂直信号線の信号を出力させる水平走査回路とを有する撮像装置の処理方法であって、
前記垂直走査回路が、1フレームの間に前記有効画素領域の同一行の画素を行単位で1回選択し、1フレームの間に前記非有効画素領域の同一行の画素を行単位で複数回選択するステップを有することを特徴とする撮像装置の処理方法。
【請求項17】
入射光に応じて発生した電荷を蓄積して信号を出力する複数画素の有効画素領域及び入射光に依存しない信号を出力する複数画素の非有効画素領域を含む画素部と、
前記画素部の画素の列毎に設けられる複数の垂直信号線と、
前記画素部の画素を行単位に走査して選択することにより前記選択された同一行の画素の信号を前記複数の垂直信号線に出力させる垂直走査回路と、
前記複数の垂直信号線の信号を走査して選択することにより前記選択された垂直信号線の信号を出力させる水平走査回路とを有する撮像装置の処理方法であって、
前記水平走査回路が、1水平走査期間の間に前記非有効画素領域の同一画素を複数回選択するステップを有することを特徴とする撮像装置の処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−62859(P2013−62859A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−251228(P2012−251228)
【出願日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【分割の表示】特願2007−337461(P2007−337461)の分割
【原出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】