説明

撮像装置及び駆動モーター

【課題】 駆動モーターの組立性の自由度の向上を図る。
【解決手段】 軸方向における両端部に回転軸部56a、56bが設けられたシャフト56と、該シャフトを中心として回転されるマグネット57と、可動部材26、27を回動方向に応じた方向へ移動させる回動アーム58と、マグネットの回転方向と直交する方向に巻回されマグネットを外側から囲むように配置されたステーターコイル61と、該ステーターコイルが巻回され回転軸部を支持する軸受部50、51を有するコイルボビン35と、該コイルボビンの外側に配置されシャフトの軸方向に貫通された略筒状に形成されたステーターヨーク60とを設け、コイルボビンの内部に配置空間35aを形成し、コイルボビンに、軸受部の軸方向に直交する方向、かつ、ステーターコイルが巻回されない位置に開口されると共に回動アームとシャフトとマグネットを挿入して配置空間に少なくともシャフトとマグネットを配置するための挿入用開口35bを形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置及び駆動モーターについての技術分野に関する。詳しくは、アイリス又はシャッターを構成する可動部材を移動させるための駆動モーターの組立性の自由度の向上を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラやスチルカメラ等の撮像装置には、フォーカス制御やズーミングのための各種のレンズを光軸方向へ移動させるレンズ移動機構と、光量調節用のアイリス又はシャッターとを備え、アイリス又はシャッターを構成する可動部材(絞り羽根)を撮像光学系の光軸に対して直交する面内において駆動モーターの駆動力によって移動させることにより光学系の光路を開閉し光量調節を行うようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような撮像装置にあっては、例えば、駆動モーターの駆動力を可動部材に伝達する回動アームを設け、該回動アームの一部を駆動モーターのシャフト(モーター軸)に固定し、回動アームの先端部に設けた係合部を可動部材に形成した係合長孔に摺動自在に係合し、駆動モーターの回転に伴って回動される回動アームの回動力を可動部材の並進移動力に変換して可動部材を移動させるようにしている。
【0004】
特許文献1に記載された駆動モーターにあっては、マグネットを有するローターがコイルボビンの内部に回転自在に配置され、コイルボビンは中空とされた略円柱状に形成されローターの回転軸(シャフト)の軸方向において2分割されている。コイルボビンには、その外側にステーターコイルが巻回されている。このような構成とされた駆動モーターは、2分割されたコイルボビンの一方の部分である第1の部分と他方の部分である第2の部分とが、軸方向からローターを挟み込むようにして結合されることにより駆動モーターが組み立てられている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−42384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載された従来の撮像装置の駆動モーターは、上記したように、2分割されたコイルボビンの第1の部分と第2の部分とが、軸方向からローターを挟み込むようにして結合されることにより組み立てられるため、先ず、コイルボビンの内部にローターを配置し、次いで、コイルボビンの外側にステーターヨークを巻回するという手順とされていた。
【0007】
従って、組立手順が一通りに定められており、組立工程における自由度が乏しいという不都合があった。このような不都合は、例えば、生産工程において、ローターの不具合により不良が発生した場合には、ステーターコイルをコイルボビンから外した後にローターをコイルボビンの内部から取り出して不良状態を検査しなければならないが、実際には、検査工程において、このような面倒な検査を行うことが困難であるため、ローターの不良が発生した場合には駆動モーターを廃棄せざるを得ず、歩留まりの低下という問題を生じていた。
【0008】
そこで、本発明は、上記した問題点を克服し、駆動モーターの組立性の自由度の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明撮像装置は、上記した課題を解決するために、駆動モーターに、回転中心とされると共に軸方向における両端部にそれぞれ回転軸部が設けられたシャフトと、該シャフトを中心として回転されるマグネットと、可動部材に係合されると共にマグネットと一体となって回動され可動部材を回動方向に応じた方向へ移動させる回動アームと、マグネットの回転方向と直交する方向に巻回されると共にマグネットを外側から囲むように配置されたステーターコイルと、該ステーターコイルが巻回されると共に樹脂材料によって形成され上記回転軸部をそれぞれ支持する2つの軸受部を有するコイルボビンと、該コイルボビンの外側に配置されシャフトの軸方向に貫通された略筒状に形成されたステーターヨークとを設け、上記シャフトとマグネットと回動アームとを結合してローターを構成し、上記コイルボビンの内部に少なくとも上記シャフトとマグネットを配置する配置空間を形成し、上記コイルボビンに、軸受部の軸方向に直交する方向、かつ、ステーターコイルが巻回されない位置に開口されると共に回動アームとシャフトとマグネットを挿入して配置空間に少なくともシャフトとマグネットを配置するための挿入用開口を形成したものである。
【0010】
本発明駆動モーターは、上記した課題を解決するために、回転中心とされると共に軸方向における両端部にそれぞれ回転軸部が設けられたシャフトと、該シャフトを中心として回転されるマグネットと、可動部材に係合されると共にマグネットと一体となって回動され可動部材を回動方向に応じた方向へ移動させる回動アームと、マグネットの回転方向と直交する方向に巻回されると共にマグネットを外側から囲むように配置されたステーターコイルと、該ステーターコイルが巻回されると共に樹脂材料によって形成され上記回転軸部をそれぞれ支持する2つの軸受部を有するコイルボビンと、該コイルボビンの外側に配置されシャフトの軸方向に貫通された略筒状に形成されたステーターヨークとを設け、上記シャフトとマグネットと回動アームとを結合してローターを構成し、上記コイルボビンの内部に少なくとも上記シャフトとマグネットを配置する配置空間を形成し、上記コイルボビンに、軸受部の軸方向に直交する方向、かつ、ステーターコイルが巻回されない位置に開口されると共に回動アームとシャフトとマグネットを挿入して配置空間に少なくともシャフトとマグネットを配置するための挿入用開口を形成したものである。
【0011】
従って、本発明撮像装置及び駆動モーターにあっては、コイルボビンへのステーターコイルの巻回の有無に依らず配置空間へのローターの配置が可能とされる。
【発明の効果】
【0012】
本発明撮像装置は、内部に撮像光学系が配置されたレンズ鏡筒とアイリス又はシャッターを構成し撮像光学系の光路を開閉する可動部材を有する移動機構と該移動機構の駆動源となる駆動モーターとを備えた撮像装置であって、上記駆動モーターは、回転中心とされると共に軸方向における両端部にそれぞれ回転軸部が設けられたシャフトと、該シャフトを中心として回転されるマグネットと、上記可動部材に係合されると共にマグネットと一体となって回動され可動部材を回動方向に応じた方向へ移動させる回動アームと、マグネットの回転方向と直交する方向に巻回されると共にマグネットを外側から囲むように配置されたステーターコイルと、該ステーターコイルが巻回されると共に樹脂材料によって形成され上記回転軸部をそれぞれ支持する2つの軸受部を有するコイルボビンと、該コイルボビンの外側に配置されシャフトの軸方向に貫通された略筒状に形成されたステーターヨークとを備え、上記シャフトとマグネットと回動アームとが結合されてローターが構成され、上記コイルボビンの内部に少なくとも上記シャフトとマグネットを配置する配置空間を形成し、上記コイルボビンに、軸受部の軸方向に直交する方向、かつ、ステーターコイルが巻回されない位置に開口されると共に回動アームとシャフトとマグネットを挿入して配置空間に少なくともシャフトとマグネットを配置するための挿入用開口を形成したことを特徴とする。
【0013】
従って、コイルボビンへのステーターコイルの巻回の有無に依らずにコイルボビンにローターを配置することができ、組立手順が一通りに定められることがなく、組立工程における自由度の向上を図ることができる。
【0014】
特に、駆動モーターの生産工程において、ローターの不具合により不良が発生した場合においても、ステーターコイルをコイルボビンから外した後にローターをコイルボビンの内部から取り出して不良状態を検査する必要がなく、歩留まりの向上を図ることができる。
【0015】
請求項2に記載した発明にあっては、上記コイルボビンを1つの部材として各部を一体に形成したので、部品点数の削減による製造コストの低減を図ることができる。
【0016】
請求項3に記載した発明にあっては、コイルボビンの上記2つの軸受部の少なくとも一方をシャフトの軸方向に貫通する軸受孔として形成し、該軸受孔に連続して上記回転軸部の直径より幅が狭い括れ部を形成し、該括れ部を挟んで軸受孔の反対側に連続し軸受孔の直径より幅が広くされると共に回転軸部の軸受孔への挿入を案内する案内用開口を形成したので、軸受孔への回転軸部の挿入を容易かつ確実に行うことができる。
【0017】
請求項4に記載した発明にあっては、被取付孔を有すると共にコイルボビンに取り付けられ上記ステーターコイルに対する通電を行う配線板を設け、上記コイルボビンに、被取付孔に挿入されると共にステーターコイルの端末部が巻回される取付ピンを設け、該取付ピンをその先端側に位置する小径部と基端側に位置し小径部より径が大きい大径部とから成る段付形状に形成し、配線板の被取付孔の径を取付ピンの大径部が挿入可能な大きさに形成したので、取付ピンの小径部にステーターコイルの端末部を巻回することにより、配線板のコイルボビンへの取付に際して、配線板の被取付孔の開口縁によってステーターコイルの端末部が押圧され難く、ステーターコイルにストレスが生じ難い。
【0018】
本発明駆動モーターは、アイリス又はシャッターを構成する可動部材を有しレンズ鏡筒の内部に配置された撮像光学系の光路を開閉する移動機構の駆動源となる駆動モーターであって、回転中心とされると共に軸方向における両端部にそれぞれ回転軸部が設けられたシャフトと、該シャフトを中心として回転されるマグネットと、上記可動部材に係合されると共にマグネットと一体となって回動され可動部材を回動方向に応じた方向へ移動させる回動アームと、マグネットの回転方向と直交する方向に巻回されると共にマグネットを外側から囲むように配置されたステーターコイルと、該ステーターコイルが巻回されると共に樹脂材料によって形成され上記回転軸部をそれぞれ支持する2つの軸受部を有するコイルボビンと、該コイルボビンの外側に配置されシャフトの軸方向に貫通された略筒状に形成されたステーターヨークとを備え、上記シャフトとマグネットと回動アームとが結合されてローターが構成され、上記コイルボビンの内部に少なくとも上記シャフトとマグネットを配置する配置空間を形成すると共に上記2つの軸受部をコイルボビンの内部に形成し、上記コイルボビンに、軸受部の軸方向に直交する方向、かつ、ステーターコイルが巻回されない位置に開口されると共に回動アームとシャフトとマグネットを挿入して配置空間に少なくともシャフトとマグネットを配置するための挿入用開口を形成したことを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載した発明にあっては、上記コイルボビンを1つの部材として各部を一体に形成したので、部品点数の削減による製造コストの低減を図ることができる。
【0020】
請求項7に記載した発明にあっては、コイルボビンの上記2つの軸受部の少なくとも一方をシャフトの軸方向に貫通する軸受孔として形成し、該軸受孔に連続して上記回転軸部の直径より幅が狭い括れ部を形成し、該括れ部を挟んで軸受孔の反対側に連続し軸受孔の直径より幅が広くされると共に回転軸部の軸受孔への挿入を案内する案内用開口を形成したので、軸受孔への回転軸部の挿入を容易かつ確実に行うことができる。
【0021】
請求項8に記載した発明にあっては、被取付孔を有すると共にコイルボビンに取り付けられ上記ステーターコイルに対する通電を行う配線板を設け、上記コイルボビンに、被取付孔に挿入されると共にステーターコイルの端末部が巻回される取付ピンを設け、該取付ピンをその先端側に位置する小径部と基端側に位置し小径部より径が大きい大径部とから成る段付形状に形成し、配線板の被取付孔の径を取付ピンの大径部が挿入可能な大きさに形成したので、取付ピンの小径部にステーターコイルの端末部を巻回することにより、配線板のコイルボビンへの取付に際して、配線板の被取付孔の開口縁によってステーターコイルの端末部が押圧され難く、ステーターコイルにストレスが生じ難い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明撮像装置及び駆動モーターを実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。以下に示す最良の形態は、本発明撮像装置をビデオカメラに適用し、本発明駆動モーターをビデオカメラにおいて用いられる駆動モーターに適用したものである。尚、本発明の適用範囲はビデオカメラ又はこれに用いられる駆動モーターに限られることはなく、本発明は、スチルカメラの他、動画撮影又は静止画撮影の機能を有する各種の撮像装置又はこれらに用いられる駆動モーターに広く適用することができる。
【0023】
先ず、撮像装置(ビデオカメラ)の基本構成を説明する(図1参照)。
【0024】
撮像装置1は、外筐として設けられたレンズ鏡筒2に所要の各部が配置されて成り、レンズ鏡筒2には、レンズ又はレンズ群3(図には単レンズとして簡略化して示す。)と、固体撮像素子等の撮像手段4と、アイリス若しくはシャッター又はこれらの双方の機能を兼用する移動機構5とが設けられている。
【0025】
移動機構5を構成する一対の可動部材6、6は駆動モーター7の駆動力によって移動され、可動部材6、6が移動されることにより光学系の光路が開閉される。駆動モーター7としてはローターがステーターの内側に配置された所謂インナーローター型のモーターが用いられ、駆動モーター7の駆動力が可動部材6、6に伝達されて該可動部材6、6が移動される。
【0026】
被写体からレンズ又はレンズ群3を通った光は、一対の可動部材6、6として設けられた絞り羽根やシャッターによって形成される開口を通して撮像手段4に入射される。尚、光量調節時には、可動部材6、6が光軸OLに直交する面内で並進移動されるが、本発明の適用においては、可動部材の数や形状等の如何は問わず、1つ又は複数の可動部材を用いた各種形態での実施が可能である。
【0027】
駆動モーター7としては、発生トルクを十分に確保すること及びシャッタースピードの高速化への対応等を考慮した場合に、ボイスコイル型を用いることが好ましいが、必要に応じてリニアモーター等を用いることも可能である。
【0028】
次に、撮像装置の具体的な構成例について説明する(図2乃至図14参照)。
【0029】
撮像装置8のレンズ鏡筒9には、図2に示すように、被写体側から順に、対物レンズ10、変倍レンズ11、レンズ12、移動機構13、駆動モーター14、フォーカスレンズ15及び固体撮像素子16が配置されている。移動機構13はアイリス若しくはシャッター又はこれらの双方の機能を有しているが、以下には移動機構13がアイリスとシャッターの双方の機能を有している場合について説明する。
【0030】
レンズ鏡筒9の内部には、移動機構13を挟んで光軸OL方向における互いに反対側の位置に、それぞれ光軸OLに対して平行なガイドバー17、17とガイドバー18、18が配置されている。
【0031】
変倍レンズ11はホルダー19に保持されており、該ホルダー19がガイドバー17、17に摺動自在に支持されている。ホルダー19に保持された変倍レンズ11は、変倍レンズ用駆動部20の駆動力がホルダー19に伝達されることにより光軸OLに沿う方向へ移動される。
【0032】
フォーカスレンズ15はホルダー21に保持されており、該ホルダー21がガイドバー18、18に摺動自在に支持されている。ホルダー21に保持されたフォーカスレンズ15は、フォーカスレンズ用駆動部22の駆動力がホルダー21に伝達されることにより光軸OLに沿う方向へ移動される。
【0033】
固体撮像素子16によって得られる画像出力は画像処理部23に送出されて所定の処理が行われる。画像処理部23は、制御等に必要な情報を演算処理部24に送出したり、撮影画像をビユーファインダーやモニター等に送って表示させ、あるいはユーザーの操作指示に従って画像情報等を記録媒体に記録させる。マイクロコンピュータ等を有する演算処理部24は、制御部25に制御指令信号を送出し、該制御部25から駆動モーター14、変倍レンズ用駆動部20及びフォーカスレンズ用駆動部22等に制御信号が供給されることによって各部が制御される。
【0034】
移動機構13は、図3に示すように、一対の絞り羽根及びシャッターとして機能する可動部材26、27を有しており、可動部材26、27を移動させることにより、入射光量の調節機能及びシャッター機能を兼用している。移動機構13はレンズ鏡筒9の外周面から突出されることなく、レンズ鏡筒9の内部に組み込まれているため、他の部品との干渉の問題に煩わされることがなく、小型化やコンパクト化に好適である。
【0035】
可動部材26は主部28と該主部28の左右両端部からそれぞれ下方へ突出された突部29、29とが一体に形成されて成る。可動部材26には下方に開口された開口用切欠26aが形成されている。
【0036】
主部28には、一方の側縁に上下に長い被案内孔28aが形成され、上端部に左右に長い係合長孔28bが形成されている。
【0037】
突部29、29にはそれぞれ上下に長い被案内孔29a、29aが形成されている。
【0038】
可動部材27は主部30と該主部30の一方の側縁部から上方へ突出された突部31とが一体に形成されて成る。可動部材27には上方に開口された開口用切欠27aが形成されている。主部30には、左右両側縁にそれぞれ上下に長い被案内孔30a、30aが形成されている。
【0039】
突部31には上下に長い被案内孔31aが形成されている。突部31の上端部には左右に長い係合長孔31bが形成されている。
【0040】
可動部材26、27はそれぞれベース体32に上下方向へ移動自在に支持される(図4及び図5参照)。
【0041】
ベース体32は縦長の形状に形成され、左右両側縁にそれぞれ取付溝32a、32aを有している。ベース体32には上下左右に離隔して4つの案内ピン32b、32b、・・・が設けられている。ベース体32の略中央部には透過孔32cが形成され、光学系の光軸OLが透過孔32cの中心を通る位置に設定されている。
【0042】
ベース体32の3つの案内ピン32b、32b、32bは、それぞれ可動部材26の被案内孔28a、29a、29aに挿入されて摺動自在に係合される。また、ベース体32の3つの案内ピン32b、32b、32bは、それぞれ可動部材27の被案内孔30a、30a、31aに挿入されて摺動自在に係合される。即ち、2つの案内ピン32b、32bは可動部材26の被案内孔29a、29aと可動部材27の被案内孔30a、30aとに係合され、別の案内ピン32bは可動部材26の被案内孔28aのみに係合され、また別の案内ピン32bは可動部材27の被案内孔31aのみに係合される。
【0043】
ベース体32に可動部材26、27が支持された状態において、カバー体33が取り付けられる。カバー体33は縦長の形状に形成され、カバー体33の中央部には大きな開口33aが形成されている。カバー体33の左右両側縁にはそれぞれ被取付突部33b、33bが設けられている。カバー体33には4つの被取付孔33c、33c、・・・が形成されている。
【0044】
カバー体33は被取付突部33b、33bがそれぞれ取付溝32a、32aに取り付けられると共に被取付孔33c、33c、・・・にそれぞれ案内ピン32b、32b、・・・が挿入されることにより、可動部材26、27を覆うようにしてベース体32に取り付けられる(図5参照)。カバー体33の開口33aはベース体32の透過孔32cより大きくされており、カバー体33がベース体32に取り付けられた状態において、開口33a内に透過孔32cが位置される。
【0045】
ベース体32の上端部にはモーター取付部材34が取り付けられる(図4及び図5参照)。モーター取付部材34には左右に離隔して挿入孔34a、34aが形成され、該挿入孔34a、34aはそれぞれ外方へ凸の円弧状に形成されている。
【0046】
駆動モーター14はインナーローター型であり、ローターにマグネットを設けステーターにコイルを設けた可動マグネットタイプである(図6参照)。
【0047】
駆動モーター14はコイルボビン35を備え、該コイルボビン35は樹脂材料によって各部が一体に形成されている(図6及び図7参照)。
【0048】
コイルボビン35は、図6乃至図10に示すように、互いに対向して平行な状態で位置する側面部36、37と該側面部36、37の3つの側縁をそれぞれ連結する天面部38、底面部39及び連結面部40とを有している。
【0049】
側面部36、37はそれぞれ略長方形状に形成され、各短縁がそれぞれ天面部38と底面部39によって連結され、一方の長縁の一部が連結面部40によって連結されている。
【0050】
側面部36の2つの長縁にはそれぞれ外方へ突出され該長縁方向に延びる厚肉の柱部41、42が設けられ、該柱部41、42の底面部39寄りの位置にそれぞれ段差部41a、42aが設けられている。柱部41、42は、段差部41a、42aによって底面部39寄りの部分が僅かに外方へ膨出されている。柱部41、42の外周面はそれぞれ円弧面に形成されている。柱部41には段差部41aより天面部38側の部分に天面部38側及び外周方向へ開口された凹溝41bが形成されている。柱部41の底面部39側の端部には外方へ突出された張出部43が設けられている。
【0051】
側面部37の2つの長縁にはそれぞれ外方へ突出され該長縁方向に延びる厚肉の柱部44、45が設けられ、該柱部44、45の底面部39寄りの位置にそれぞれ段差部44a、45aが設けられている。柱部44、45は、段差部44a、45aによって底面部39寄りの部分が僅かに外方へ膨出されている。柱部44、45の外周面はそれぞれ円弧面に形成されている。柱部45には段差部45aより天面部38側の部分に天面部38側及び外周方向へ開口された凹溝45bが形成されている。柱部44、45の底面部39側の端部には、それぞれ外方へ突出された張出部46、47が設けられている。張出部47にはネジ挿通孔47aが形成されている。
【0052】
柱部44、45の長手方向における天面部38側の端面には、それぞれ取付ピン48、49が設けられている。取付ピン48、49はそれぞれ先端側に位置する小径部48a、49aと基端側に位置する大径部48b、49bとから成り、小径部48a、49aと大径部48b、49bとの間にそれぞれ段差面48c、49cが形成されている。
【0053】
天面部38には軸受孔50が形成され、該軸受孔50は連結面部40と反対方向へ開口され、略円形状に形成されている。軸受孔50は後述する者a府との回転軸部を回転自在に支持する軸受部として機能する。軸受孔50の連結面部40と反対側の開口は、軸受孔50の径より小さくされた括れ部50aとして形成されている。
【0054】
底面部39は天面部38に対向する側の面が略球面状に形成されている。底面部39には略円形状に形成された軸受孔51が形成されている。軸受孔51は、軸受孔51と同様に、後述するシャフトの回転軸部を回転自在に支持する軸受部として機能する。底面部39には、連結面部40の反対側において軸受孔51に連続し略円形状を為す案内用開口52が形成され、該案内用開口52は軸受孔51より径が大きくされている。案内用開口52と軸受孔51との境界部分は、軸受孔51の径より幅が小さい括れ部53として形成されている。
【0055】
連結面部40は側面部36、37の各一方の長縁のうち底面部39寄りの部分を除く部分間を連結し、連結面部40には側面部36、37間の中央部に底面部39側に開口されたスリット40aが形成されている。連結面部40の底面部39側の端部には、それぞれ外方へ突出された受け突部40b、40bが設けられている。
【0056】
コイルボビン35の内部空間は配置空間35aとして形成され、該配置空間35aに連通する連結面部40と反対側の開口が挿入用開口35bとされ、配置空間35aに連通する連結面部40と底面部39との間の開口が突出用開口35cとされている。
【0057】
コイルボビン35の外面側には柱部41、42間と柱部44、45間に跨るようにして周方向に延びる凹溝が形成され、該凹溝がコイル巻回部54として形成されている。コイル巻回部54の形成位置は、挿入用開口35b及び突出用開口35cが形成されていない位置とされている。
【0058】
駆動モーター14のローター55は、シャフト56とマグネット57を有している(図6参照)。
【0059】
シャフト56は軸方向が光軸OL(図1及び図2参照)に沿うように配置され、軸方向における両端部がそれぞれ回転軸部56a、56bとして設けられている。回転軸部56a、56bの径は、それぞれコイルボビン35の軸受孔50、51の径より僅かに小さく、括れ部50a、53の幅より大きくされている。
【0060】
シャフト56はコイルボビン35の内部においてそれぞれ回転軸部56a、57aがそれぞれ天面部38の軸受孔50と底面部39の軸受孔51に回転自在に支持されている。
【0061】
マグネット57は円筒状に形成され、例えば、2極着磁されている。マグネット57はシャフト56の回転軸部56a、57aを除いた部分に外嵌状に固定されている。
【0062】
回動アーム58はシャフト56に一体に形成されている。回動アーム58はアーム部58a、58aと該アーム部58a、58aの各先端部に設けられた係合軸部58b、58bとから成る。アーム部58a、58aはシャフト56に連続され、該シャフト56の軸方向と略直交する互いに略反対方向へ突出されている。係合軸部58b、58bはシャフト56の軸方向へ延びるようにそれぞれアーム部58a、58aから同じ方向へ突出されている。
【0063】
回動アーム58は、アーム部58a、58aの先端部及び係合軸部58b、58bがそれぞれコイルボビン35の挿入用開口35b、突出用開口35cから外方へ突出される(図11及び図12参照)。
【0064】
駆動モーター14のステーター59は、ステーターヨーク60とステーターコイル61を有している(図6参照)。
【0065】
ステーターヨーク60は、例えば、磁性金属材料によって略円筒状に形成されている。ステーターヨーク60は周面部62と該周面部62からそれぞれ内方へ突出された突部63、63とから成り、該突部63、63は周面部62の180°反対側において互いに近付く方向へ突出されている。突部63、63は、ステーターコイル61への非通電時におけるマグネット57とステーターヨーク60との間の磁気的な平衡状態を保持する磁気平衡保持部として機能する。
【0066】
駆動モーター14にはステーターヨーク60の周面部62によって周方向において閉じた閉磁路が形成される。
【0067】
ステーターヨーク60はコイルボビン35に外嵌状に取り付けられ、ステーターヨーク60がコイルボビン35に取り付けられた状態においては、突部63、63がそれぞれコイルボビン35の凹溝41b、45bに挿入されて位置される。
【0068】
ステーターコイル61はコイルボビン35のコイル巻回部54に巻回され、一部がコイルボビン35とステーターヨーク60の間に位置される。従って、ステーターコイル61はマグネット57の回転方向と直交する方向に巻回されている。ステーターコイル61の端末部61a、61bは、それぞれコイルボビン35の取付ピン48、49に巻回されて端末処理される(図13参照)。ステーターコイル61の端末部61a、61bは、それらの大部分がそれぞれ取付ピン48、49の小径部48a、49aに巻回される。
【0069】
コイルボビン35には、例えば、フレキシブルプリント配線板である配線板64が取り付けられる(図11及び図12参照)。配線板64には被取付孔64a、64bが形成され、該被取付孔64a、64bの径はそれぞれコイルボビン35の取付ピン48、49の大径部48b、49bの径より僅かに大きくされている。被取付孔64a、64bの開口縁にはステーターコイル61の端末部61a、61bが接続される図示しない端子部がそれぞれ設けられている。
【0070】
配線板64は被取付孔64a、64bにそれぞれ取付ピン48、49が挿入されてコイルボビン35に取り付けられる(図14参照)。被取付孔64a、64bにそれぞれ取付ピン48、49が挿入されるときに、上記したように、ステーターコイル61の端末部61a、61bの大部分がそれぞれ取付ピン48、49の小径部48a、49aに巻回されている。従って、配線板64のコイルボビン35への取付に際して、配線板64の被取付孔64a、64bの開口縁によってステーターコイル61の端末部61a、61bが押圧され難く、ステーターコイル61にストレスが生じ難い。
【0071】
配線板64の被取付孔64a、64bにそれぞれ取付ピン48、49が挿入されると、ステーターコイル61の端末部61a、61bが、例えば、半田によって取付ピン48、49に固定され、端末部61a、61bが配線板64の各端子部に接続される。
【0072】
配線板64の先端部にはマグネット57の回転方向及び回転位置を検出する位置検出手段として機能するホール素子65が設けられている(図11参照)。ホール素子65が設けられた配線板64の先端部は折り曲げられてコイルボビン35の連結面部40の外面に沿って配置され、受け突部40b、40bによって底面部39側への突出が規制される。ホール素子65はマグネット57の外周面に対向した位置に配置される。
【0073】
駆動モーター14はモーター取付部材34に取り付けられる(図4及び図5参照)。駆動モーター14はコイルボビン35の張出部47に形成されたネジ挿通孔47aに取付ネジ66が挿通され、該取付ネジ66がモーター取付部材34に螺合されることにより該モーター取付部材34に取り付けられる。駆動モーター14がモーター取付部材34に取り付けられた状態においては、回動アーム58の係合軸部58b、58bがそれぞれ挿入孔34a、34aに挿入されて可動部材26、27の係合長孔28b、31bに摺動自在に係合される。
【0074】
回動アーム58の係合軸部58b、58bがそれぞれ可動部材26、27の係合長孔28b、31bに係合されることにより、ローター55の回転に伴って回動アーム58が回動されると、可動部材26、27が案内ピン32b、32b、・・・に案内されて互いに離接する方向へ並進移動される。
【0075】
例えば、ローター55は図15に示す角度θ(=60°)の範囲で回動され、ステーターコイル61への通電によるローター55の回転に伴って回動アーム58が、図15に示す時計回り方向(CW)へ回転されると、図16に示すように、可動部材26、27が互いに離れる方向へ移動され、可動部材26、27の開口用切欠26a、27aによって形成される開口67の面積が大きくなり透過孔32cが開放されていくことにより入射光量が増加する。逆に、回動アーム58が、図15に示す反時計回り方向(CCW)へ回転されると、図17に示すように、可動部材26、27が互いに近づく方向へ移動され、可動部材26、27の開口用切欠26a、27aによって形成される開口67の面積が小さくなり透過孔32cが閉塞されていくことにより入射光量が減少する。
【0076】
従って、ベース体32の透過孔32cを透過する光については、可動部材26、27による開口67の大きさによって光量調節が行われる。
【0077】
駆動モーター14にあっては、ステーターコイル61への通電が停止されたときに、突部63、63がマグネット57のN極の中央部又はS極の中央部に引き寄せられることにより、常に、回転開始前の初期状態に戻るようにされている。従って、駆動モーター14への電力の供給が遮断されたとしても、確実に光学系の光路が閉塞され、固体撮像素子16を保護することができる。
【0078】
尚、ローター55が回転されるときには、ホール素子65によってローター55の回転方向及び回転位置の検出が行われる。
【0079】
以下に、駆動モーター14の組立手順について説明する(図18乃至図24参照)。
【0080】
先ず、図18に示すように、コイルボビン35の挿入用開口35bからローター55及びこれと一体に設けられた回動アーム58を挿入する(組立手順1)。コイルボビン35への挿入は、回動アーム58の一方のアーム部58aを挿入し、該一方のアーム部58aを連結面部40のスリット40a及び突出用開口35cから外方へ突出させる(図18参照)。
【0081】
続いて、図19及び図20に示すように、シャフト56の回転軸部56bを底面部39の軸受孔51に挿入する(組立手順2)。回転軸部56bの軸受孔51への挿入は、先ず、回転軸部56bを案内用開口52に挿入し(図19参照)、続いて、括れ部53側へ押し込むことにより行う(図20参照)。回転軸部56bを括れ部53側へ押し込むと該括れ部53が弾性変形し、さらに押し込むことによって括れ部53が弾性復帰して回転軸部56bが軸受孔51に回転自在に挿入される。
【0082】
続いて、図21及び図22に示すように、シャフト56の回転軸部56aを天面部38の軸受孔50に挿入する(組立手順3)。回転軸部56aの軸受孔50への挿入は、先ず、回転軸部56aを括れ部50a側へ押し込むことにより行う(図21参照)。回転軸56aを括れ部50a側へ押し込むと該括れ部50aが弾性変形し、さらに押し込むことによって括れ部50aが弾性復帰して回転軸部56aが軸受孔50に回転自在に挿入される(図22参照)。
【0083】
上記のようにシャフト56の回転軸部56a、56bをそれぞれ軸受孔50、51に挿入することにより、ローター55がコイルボビン35の配置空間35aに配置される。
【0084】
続いて、図23に示すように、コイルボビン35のコイル巻回部54にステーターコイル61を巻回する(組立手順4)。ステーターコイル61の端末部61a、61bは、上記したように、コイルボビン35の取付ピン48、49に巻回する。
【0085】
続いて、図24に示すように、コイルボビン35にステーターヨーク60を挿入して取り付ける(組立手順5)。ステーターヨーク60のコイルボビン35への挿入は、天面部38側から行う。このときステーターヨーク60の突部63、63がそれぞれコイルボビン35の柱部41、45の凹溝41b、45bに挿入されるように位置合わせを行う。
【0086】
ステーターヨーク60がコイルボビン35に取り付けられた状態においては、ステーターヨーク60の底面部39側に位置する端縁が、柱部41、42、43、44の段差部41a、42a、43a、44aに突き当てられ、ステーターヨーク60のコイルボビン35に対する位置決めが行われる。
【0087】
最後に、回路基板64をコイルボビン35に取り付けて(組立手順6)、駆動モーター14の組立を完了する。
【0088】
尚、上記した駆動モーター14の組立手順は一例を示したものであり、例えば、先に、組立手順4を行ってコイルボビン35にステーターコイル61を巻回し、その後、組立手順1乃至組立手順3を行いコイルボビン35にローター55を取り付けるようにしてもよい。
【0089】
以上に記載した通り、駆動モーター14にあっては、コイルボビン35に軸受孔50、51の軸方向に直交する方向、かつ、ステーターコイル61が巻回されない位置に開口された挿入用開口35bを形成し、該挿入用開口35bからローター55及び回動アーム58を挿入しているため、コイルボビン35へのステーターコイル61の巻回の有無に依らずにコイルボビン35にローター55を配置することができる。
【0090】
従って、組立手順が一通りに定められることがなく、組立工程における自由度の向上を図ることができる。特に、駆動モーター14の生産工程において、ローター55の不具合により不良が発生した場合においても、ステーターコイル61をコイルボビン35から外した後にローター55をコイルボビン35の内部から取り出して不良状態を検査する必要がなく、歩留まりの向上を図ることができる。
【0091】
また、コイルボビン35を1つの部材として各部を一体に形成しているため、部品点数の削減による製造コストの低減を図ることができる。
【0092】
さらに、軸受孔51に括れ部53を介して連続する案内用開口52を形成してシャフト56の回転軸部56bを軸受孔51に挿入しているため、軸受孔51への回転軸部56bの挿入を容易かつ確実に行うことができる。
【0093】
尚、上記には、コイルボビン35の天面部38に括れ部50aに連続する軸受孔50を形成し底面部39に案内用開口52及び括れ部53に連続する軸受孔51を形成した例を示したが、逆に天面部に案内用開口及び括れ部に連続する軸受孔を形成し底面部に括れ部に連続する軸受孔を形成し、シャフト56の回転軸部56a、56bを各軸受孔に挿入するようにしてもよい。
【0094】
また、天面部と底面部の双方に、それぞれ案内用開口及び括れ部に連続する軸受孔を形成し、シャフト56の回転軸部56a、56bを各軸受孔に挿入するようにしてもよい。
【0095】
さらに、上記には、各部が一体に形成され1つの部材から成るコイルボビン35を例として示したが、コイルボビン35は一体に形成されているものに限られることはなく、例えば、シャフト56の軸方向において2分割された形状やこの軸方向に直交する方向に2分割された形状を有するコイルボビンを用いるようにしてもよい。このように2分割された場合には、これらの2分割された各部を、例えば、一方の部材にピンを設け他方の部材に穴を形成して結合してもよく、また、接着等の適宜の手段により結合してもよい。
【0096】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】図2乃至図24と共に本発明撮像装置及び駆動モーターの最良の形態を示すものであり、本図は、撮像装置の基本構成を示す概念図である。
【図2】撮像装置の構成例を示す断面図である。
【図3】可動部材の拡大背面図である。
【図4】移動機構と駆動モーターを示す分解斜視図である。
【図5】移動機構と駆動モーターを示す拡大斜視図である。
【図6】駆動モーターの拡大分解斜視図である。
【図7】コイルボビンを図6とは異なる方向から見た状態で示す拡大斜視図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図7のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】図7のX−X線に沿う断面図である。
【図11】駆動モーターを配線板を取り外した状態で示す拡大斜視図である。
【図12】駆動モーターを示す拡大斜視図である。
【図13】ステーターコイルの端末部が取付ピンに巻回された状態を示す拡大平面図である。
【図14】コイルボビンに配線板が取り付けられた状態を示す拡大平面図である。
【図15】マグネットの回転可能角度を示す概念図である。
【図16】図17と共に可動部材の動作を示すものであり、本図は透過孔が開放された状態を示す拡大背面図である。
【図17】透過孔が閉塞された状態を示す拡大背面図である。
【図18】図19乃至図24とともに駆動モーターの組立手順を示すものであり、本図はコイルボビンに回動アームが挿入される状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図19】シャフトの一方の回転軸部が案内用開口に挿入された状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図20】シャフトの一方の回転軸部が軸受孔に挿入された状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図21】シャフトの他方の回転軸部が軸受孔に挿入される直前の状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図22】シャフトの他方の回転軸部が軸受孔に挿入された状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図23】コイルボビンにステーターコイルが巻回された状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図24】コイルボビンにステーターヨークが取り付けられた状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【符号の説明】
【0098】
1…撮像装置、2…レンズ鏡筒、5…移動機構、6…可動部材、7…駆動モーター、8…撮像装置、9…レンズ鏡筒、13…移動機構、14…駆動モーター、26…可動部材、27…可動部材、35…コイルボビン、35a…配置空間、35b…挿入用開口、48…取付ピン、48a…小径部、48b…大径部、49…取付ピン、49a…小径部、49b…大径部、50…軸受孔(軸受部)、51…軸受孔(軸受部)、52…案内用開口、53…括れ部、55…ローター、56…シャフト、56a…回転軸部、56b…回転軸部、57…マグネット、58…回動アーム、60…ステーターヨーク、61…ステーターコイル、62…周面部、64…配線板、64a…被取付孔、64b…被取付孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に撮像光学系が配置されたレンズ鏡筒とアイリス又はシャッターを構成し撮像光学系の光路を開閉する可動部材を有する移動機構と該移動機構の駆動源となる駆動モーターとを備えた撮像装置であって、
上記駆動モーターは、
回転中心とされると共に軸方向における両端部にそれぞれ回転軸部が設けられたシャフトと、
該シャフトを中心として回転されるマグネットと、
上記可動部材に係合されると共にマグネットと一体となって回動され可動部材を回動方向に応じた方向へ移動させる回動アームと、
マグネットの回転方向と直交する方向に巻回されると共にマグネットを外側から囲むように配置されたステーターコイルと、
該ステーターコイルが巻回されると共に樹脂材料によって形成され上記回転軸部をそれぞれ支持する2つの軸受部を有するコイルボビンと、
該コイルボビンの外側に配置されシャフトの軸方向に貫通された略筒状に形成されたステーターヨークとを備え、
上記シャフトとマグネットと回動アームとが結合されてローターが構成され、
上記コイルボビンの内部に少なくとも上記シャフトとマグネットを配置する配置空間を形成し、
上記コイルボビンに、軸受部の軸方向に直交する方向、かつ、ステーターコイルが巻回されない位置に開口されると共に回動アームとシャフトとマグネットを挿入して配置空間に少なくともシャフトとマグネットを配置するための挿入用開口を形成した
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
上記コイルボビンを1つの部材として各部を一体に形成した
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
コイルボビンの上記2つの軸受部の少なくとも一方をシャフトの軸方向に貫通する軸受孔として形成し、
該軸受孔に連続して上記回転軸部の直径より幅が狭い括れ部を形成し、
該括れ部を挟んで軸受孔の反対側に連続し軸受孔の直径より幅が広くされると共に回転軸部の軸受孔への挿入を案内する案内用開口を形成した
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
被取付孔を有すると共にコイルボビンに取り付けられ上記ステーターコイルに対する通電を行う配線板を設け、
上記コイルボビンに、被取付孔に挿入されると共にステーターコイルの端末部が巻回される取付ピンを設け、
該取付ピンをその先端側に位置する小径部と基端側に位置し小径部より径が大きい大径部とから成る段付形状に形成し、
配線板の被取付孔の径を取付ピンの大径部が挿入可能な大きさに形成した
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
アイリス又はシャッターを構成する可動部材を有しレンズ鏡筒の内部に配置された撮像光学系の光路を開閉する移動機構の駆動源となる駆動モーターであって、
回転中心とされると共に軸方向における両端部にそれぞれ回転軸部が設けられたシャフトと、
該シャフトを中心として回転されるマグネットと、
上記可動部材に係合されると共にマグネットと一体となって回動され可動部材を回動方向に応じた方向へ移動させる回動アームと、
マグネットの回転方向と直交する方向に巻回されると共にマグネットを外側から囲むように配置されたステーターコイルと、
該ステーターコイルが巻回されると共に樹脂材料によって形成され上記回転軸部をそれぞれ支持する2つの軸受部を有するコイルボビンと、
該コイルボビンの外側に配置されシャフトの軸方向に貫通された略筒状に形成されたステーターヨークとを備え、
上記シャフトとマグネットと回動アームとが結合されてローターが構成され、
上記コイルボビンの内部に少なくとも上記シャフトとマグネットを配置する配置空間を形成すると共に上記2つの軸受部をコイルボビンの内部に形成し、
上記コイルボビンに、軸受部の軸方向に直交する方向、かつ、ステーターコイルが巻回されない位置に開口されると共に回動アームとシャフトとマグネットを挿入して配置空間に少なくともシャフトとマグネットを配置するための挿入用開口を形成した
ことを特徴とする駆動モーター。
【請求項6】
上記コイルボビンを1つの部材として各部を一体に形成した
ことを特徴とする請求項5に記載の駆動モーター。
【請求項7】
コイルボビンの上記2つの軸受部の少なくとも一方をシャフトの軸方向に貫通する軸受孔として形成し、
該軸受孔に連続して上記回転軸部の直径より幅が狭い括れ部を形成し、
該括れ部を挟んで軸受孔の反対側に連続し軸受孔の直径より幅が広くされると共に回転軸部の軸受孔への挿入を案内する案内用開口を形成した
ことを特徴とする請求項5に記載の駆動モーター。
【請求項8】
被取付孔を有すると共にコイルボビンに取り付けられ上記ステーターコイルに対する通電を行う配線板を設け、
上記コイルボビンに、被取付孔に挿入されると共にステーターコイルの端末部が巻回される取付ピンを設け、
該取付ピンをその先端側に位置する小径部と基端側に位置し小径部より径が大きい大径部とから成る段付形状に形成し、
配線板の被取付孔の径を取付ピンの大径部が挿入可能な大きさに形成した
ことを特徴とする請求項5に記載の駆動モーター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2006−30779(P2006−30779A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211643(P2004−211643)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】