撮像装置
【課題】例えば横長な光学情報やパノラマ風景等の長尺な撮影対象に関して、汎用の二次元受光センサを用いながらも、高分解能の画像データを得る。
【解決手段】二次元受光センサ3に、全体の受光領域が上下2分割された分割受光領域3a,3bを設定する。結像光学系4を、各分割受光領域3a,3bに対応して、2組の結像レンズ20及び反射鏡21から構成する。左側の結像レンズ20及び反射鏡21により、左側に位置する部分撮像領域Vaの画像が、上部分割受光領域3aにより受光(撮像)され、右側に位置する結像レンズ20及び反射鏡21により、右側に位置する部分撮像領域Vbの画像が、下部分割受光領域3bにより受光される。部分撮像領域Va,Vbが、一部重なり合った状態で横方向に並ぶことにより、全体として横方向に長尺な撮影領域V(視野)が得られる。
【解決手段】二次元受光センサ3に、全体の受光領域が上下2分割された分割受光領域3a,3bを設定する。結像光学系4を、各分割受光領域3a,3bに対応して、2組の結像レンズ20及び反射鏡21から構成する。左側の結像レンズ20及び反射鏡21により、左側に位置する部分撮像領域Vaの画像が、上部分割受光領域3aにより受光(撮像)され、右側に位置する結像レンズ20及び反射鏡21により、右側に位置する部分撮像領域Vbの画像が、下部分割受光領域3bにより受光される。部分撮像領域Va,Vbが、一部重なり合った状態で横方向に並ぶことにより、全体として横方向に長尺な撮影領域V(視野)が得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば光学情報読取装置やデジタルカメラ等の二次元受光センサを備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の撮像装置として、バーコードや二次元コード等の光学情報を読取る光学情報読取装置がある。このものは、CCDセンサなどの二次元受光センサを備え、例えばバーコードが含まれた撮影対象の画像を二次元受光センサにより取込み、画像データの二値化処理及びデコード処理を行うようになっている。尚、前記二次元受光センサは、多数のCCDからなる画素を縦横に配列して構成され、一般に、横、縦の比率が4:3のサイズの二次元の受光(撮像)領域を備えている。
【0003】
ところで、このような光学情報読取装置により、データ量が比較的多い長大(横長)なバーコードを読取ろうとする場合(図3(a),図11(a)参照)、通常(比較的小形)のバーコードの読取りと同様に読取ろうとしても、バーコード全体が読取り視野内に収まりきらなくなる虞がある。あるいは、例えば読取口をバーコードから遠ざかる方向に離すことによってバーコード全体が読取り視野内に収まったとしても、バーコードが縮小状態で読取られることになるので、分解能が低くなり、ひいては読取性が低下する問題点がある。
【0004】
この場合、例えば特許文献1には、バーコード読取装置の読取範囲に合わせて、バーコードを表示するようにしたバーコード表示装置が示されているが、これでは、データ量が比較的多い長大なバーコード自体が生成できなくなり、上記問題点の根本的な解決にはなっていない。
【0005】
また、風景や人物などを撮影するデジタルカメラにおいても、CCDセンサなどの二次元受光センサを備えて構成されている。この種のデジタルカメラにおいては、いわゆるパノラマサイズ(横長)の画像を撮影できるようにしたものがある。例えば特許文献2には、パノラマ画像データを得るために、二次元受光センサの受光領域のうち上下両側の夫々1/4部分のデータを削除することにより、画像の横、縦の比を8:3とするものが開示されている。従って、この構成でも、横長な撮影対象に関しては、二次元受光センサの受光領域(画素)を有効に利用することができず、低い分解能となってしまっていた。
【特許文献1】特開2002−117372号公報
【特許文献2】特開平10−341361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、汎用の二次元受光センサを用いた撮像装置では、例えば横方向に長尺な撮影対象を撮像する場合には、二次元受光センサの受光領域(画素)を有効に利用することができず、分解能が低下してしまう問題点があったのである。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、例えば横長な光学情報やパノラマ風景等の長尺な撮影対象に関して、汎用の二次元受光センサを用いながらも、高分解能の画像データを得ることができる撮像装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、二次元受光センサと、この二次元受光センサ上に撮影対象の画像を結ぶ結像光学系と、前記二次元受光センサから出力された画像データを記憶する記憶手段とを具備するものにあって、前記二次元受光センサには、全体の受光領域が分割された複数の分割受光領域が設定されると共に、前記結像光学系は、前記複数の分割受光領域の夫々に対応して結像光学素子及び光路変更手段を備え、前記二次元受光センサの各分割受光領域における、前記各結像光学素子及び光路変更手段を通して撮影対象に向く視野が、一部が重なり合いながら連なって並ぶ複数の部分撮像領域とされるように構成されているところに特徴を有する(請求項1の発明)。
【0009】
これによれば、一部が重なり合いながら連なって並ぶ複数の異なる部分撮像領域の画像を、二次元受光センサの複数の分割受光領域により夫々撮像することができる。従って、横、縦の比率が例えば4:3のサイズの受光領域を有する汎用の二次元受光センサであっても、長尺な撮影対象に関して、それを長手方向に複数に分割した部分撮像領域として撮像することが可能となり、二次元受光センサの受光領域を有効に利用しながら、つまり分解能を低下させることなく撮像することが可能となる。またこの場合、後に、画像データの処理を行う際には、分割された形態の画像データを一つの画像データとして合成(連結)する必要があるが、部分撮像領域の一部が重なり合っていることにより、その合成も容易となり、連結部分において画像データに抜けが生ずるといったこともない。
【0010】
このとき、前記二次元受光センサの分割受光領域を、縦方向に分割するように構成すると共に、前記複数の部分撮像領域を、横方向に連なるように構成することができる(請求項2の発明)。これによれば、例えば横長な光学情報やパノラマ風景等の横方向に長尺な撮影対象に関して、高分解能の画像データを得ることができる。尚、二次元受光センサは、一般に、走査方向(データ転送方向)が水平方向であるため、受光領域の分割は縦方向に行うことが望ましい。
【0011】
また、本発明においては、前記二次元受光センサの分割受光領域の夫々に対応する画像データを、前記重なり合い部分に基づいて連結して連結画像を生成する連結画像生成手段を設けることができる(請求項3の発明)。各部分撮像領域に関する画像データを合成した全体の画像データを装置側で容易に得ることができる。更にこの場合、前記連結画像生成手段により生成された連結画像が長方形となるように余分な画像部分を除去する除去手段を設けるようにしても良い(請求項4の発明)。光学系の誤差等に起因して各部分撮像領域の画像に多少のずれがあっても、全体の画像データ領域をいわば整形して、きれいな長方形の画像にすることができる。
【0012】
そして、本発明においては、前記複数の部分撮像領域に含まれるバーコードや二次元コード等の光学情報をデコードするデコード手段を設けることができる(請求項5の発明)。これにより、本発明の撮像装置を光学情報読取装置に適用することができ、例えば横長なバーコードや二次元コードの読取りを高精度で行うことが可能となる。
【0013】
より具体的には、上記デコード手段を、前記各分割受光領域の画像データに含まれる光学情報の部分画像を二値化して明暗パターンを生成し、それら各明暗パターンを前記重なり合い部分に相当する明暗パターン部分に基づいて重ね合わせ、1つの光学情報の明暗パターンと見なしてデコードを行うように構成することができる(請求項6の発明)。あるいは、上記デコード手段を、前記各分割受光領域の画像データを前記重なり合い部分に基づいて連結した連結画像に含まれる光学情報に対してデコードを行うように構成することができる(請求項7の発明)。いずれも、例えば横長なバーコードや二次元コードの読取りを高精度で行うことが可能となる。
【0014】
本発明においては、上記した結像光学系を、以下のように構成することができる。即ち、まず、結像光学系を、前記二次元受光センサの複数の分割受光領域の夫々に対応して、縦方向に並び且つ該二次元受光センサの受光面に対して傾いて配置された複数の結像光学素子を設けると共に、それら結像光学素子と前記二次元受光センサとの間に、前記各分割受光領域間を区切るように配置された仕切板を設けて構成することができる(請求項8の発明)。
【0015】
或いは、結像光学系を、前記二次元受光センサの複数の分割受光領域の夫々に対応して、横方向に並び且つ中心軸を縦方向にずらせて配置された複数の結像光学素子を設けると共に、それら結像光学素子と前記二次元受光センサとの間に、前記各分割受光領域間を区切るように配置された仕切板を設けて構成することができる(請求項9の発明)。
【0016】
これらによれば、仕切板を設けたことにより、二次元受光センサの各分割受光領域において複数の画像が合成されることなく、一部が重なり合いながら連なって並ぶ複数の異なる部分撮像領域の画像を、各結像光学素子を通して二次元受光センサの各分割受光領域に夫々撮像させることができる。しかも、ミラーやプリズムといった、比較的高価な部材を使用せずとも、簡単な構成で結像光学系を構成することが可能となる。
【0017】
このとき、前記仕切板を、前記結像光学素子と二次元受光センサとの間に配置される作用位置と、その位置から退避する退避位置との間で移動可能に設けることができる(請求項10の発明)。さらには、仕切板を、作用位置と退避位置との間で移動させるための駆動手段を設ける構成としても良い(請求項11の発明)。
【0018】
これによれば、仕切板を作用位置に位置させることによって、各部分撮像領域の画像を、二次元受光センサの各分割受光領域により夫々撮像することが可能となり、例えば横長のバーコードなどに対応することができる。これに対し、仕切板を退避位置に位置させれば、二次元受光センサの受光領域全体に複数の画像が合成された画像が撮像されることになるが、例えば正方形に近い形状の二次元コードの読取りが可能となる。
【0019】
次に、結像光学系を、前記二次元受光センサの複数の分割受光領域の夫々に対応して、横方向に並んで配置された複数の結像光学素子を設けると共に、それら結像光学素子の前部又は後部に、各結像光学素子毎にその視野の一部を遮蔽して光を部分的に通すことにより、前記各分割受光領域に結像させるための一部遮蔽板を設けて構成することができる(請求項12の発明)。
【0020】
これによれば、一部遮蔽板を設けたことにより、二次元受光センサの各分割受光領域において複数の画像が合成されることなく、一部が重なり合いながら連なって並ぶ複数の異なる部分撮像領域の画像を、各結像光学素子を通して二次元受光センサの各分割受光領域に夫々撮像させることができる。この場合も、ミラーやプリズムといった、比較的高価な部材を使用せずとも、簡単な構成で結像光学系を構成することが可能となる。
【0021】
このとき、前記一部遮蔽板を、結像光学素子の前部又は後部に配置される作用位置と、その位置から退避する退避位置との間で移動可能に設けることができる(請求項13の発明)。さらには、一部遮蔽板を、作用位置と退避位置との間で移動させるための駆動手段を設ける構成としても良い(請求項14の発明)。
【0022】
これによれば、一部遮蔽板を作用位置に位置させることによって、各部分撮像領域の画像を、二次元受光センサの各分割受光領域により夫々撮像することが可能となり、例えば横長のバーコードなどに対応することができる。これに対し、一部遮蔽板を退避位置に位置させれば、二次元受光センサの受光領域全体に複数の画像が合成された画像が撮像されることになるが、例えば正方形に近い形状の二次元コードの読取りが可能となる。
【0023】
更に、本発明においては、前記結像光学系を、結像光学素子としてのプラスチック製の結像レンズを複数個設けて構成した場合に、それら複数個の結像レンズを、一体成形により連結されたレンズ連結体とすることができる(請求項15の発明)。これによれば、複数個の結像レンズがレンズ連結体として一体化されているので、部品数が低減されて構成が簡単となり、省スペース化、組付け作業の簡単化を図ることができる。
【0024】
このとき、撮影対象に対して撮像位置を示すためのマーカ光を照射するマーカ光照射手段を備える場合には、マーカ光照射手段を構成するレンズ又は回折格子を、そのレンズ連結体に一体に設けることができる(請求項16の発明)。これにより、より一層の構成の簡単化を図ることができる。
【0025】
上記レンズ連結体を、結像レンズ間をつないでいる部分を覆うための遮光用カバーを備えて構成することができる(請求項17の発明)。各結像レンズ部分が光学的に独立する形態となり、ひとつの結像レンズを通る光が他の結像レンズの光線の邪魔をするといった不具合を防止することができる。更にこのとき、その遮光用カバーを、レンズ連結体に対し二色成形により一体に形成するようにしても良く(請求項18の発明)、部品数の低減による構成の簡単化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を具体化したいくつかの実施例について、図面を参照しながら説明する。
(1)第1の実施例
図1ないし図5は、本発明の第1の実施例を示すものである。この第1の実施例では、本発明の撮像装置を、光学情報(情報コード)読取装置に適用している。
【0027】
まず、外観等についての詳しい図示は省略するが、本実施例に係る撮像装置たる光学情報読取装置1の全体構成について、主として図5を参照しながら述べる。この光学情報読取装置1は、ユーザが片手で把持して操作可能な本体ケース(図示せず)内の先端側部分に、光学情報を読取るための読取機構2を備えている。前記読取機構2は、例えばカラーCCDエリアセンサからなる二次元受光センサ3、この二次元受光センサ3上に撮影対象Rの画像を結ぶ結像光学系4、撮影対象Rに対して照明光を照射するための例えば複数個のLEDからなる照明部5等から構成されている。本体ケースの先端部には、横長な矩形状をなす読取口が設けられている。
【0028】
この場合、前記撮影対象Rは、例えば商品に付されたラベルやカタログ等であり、その表面には、光学情報として、バーコードB(図3(a)参照)や、「QRコード(登録商標)」等の二次元コードQ(図3(b)参照)が記されている。前記読取機構2は、照明部5により、本体ケース先端の読取口を通して撮影対象Rに照明光を照射し、その反射光を読取口を通して入射し、前記結像光学系4を介して二次元受光センサ3上に結像させることにより、光学情報の画像を取込む(撮像する)ように構成されている。結像光学系4の詳しい構成については後述する。
【0029】
また、これも詳しく図示はしないが、前記本体ケース内には、図5に示す各回路等が実装されている回路基板が設けられている。さらに、前記本体ケースの外面部には、ユーザが各種入力指示を行うためのシャッタスイッチを含む操作スイッチ6、報知用のLED7、液晶表示器8などが設けられている。本体ケース内にはエラー報知等を行うためのブザー9や、外部との通信を行うための通信インタフェイス10、駆動電源となる二次電池11なども設けられている。
【0030】
図5は、本実施例の光学情報読取装置1の電気的構成を概略的に示している。前記回路基板には、マイコンを主体として構成され、全体の制御やデコード処理等を行う制御部12が設けられている。この制御部12には、前記操作スイッチ6からの信号が入力されるようになっていると共に、制御部12は、前記二次元受光センサ3や照明部5更にはマーカ光照射部等を制御するようになっており、以て、読取対象Rに記された情報コードの画像の取込み動作を実行するようになっている。また、この制御部12は、前記LED7、液晶表示器8、ブザー9を制御し、通信インタフェイス10を介して外部(管理コンピュータ等)とのデータ通信を実行する。
【0031】
さらに、前記回路基板には、増幅回路13、A/D変換回路14、メモリ15、比較回路16、特定比検出回路17、同期信号発生回路18、アドレス発生回路19などが実装され、これらも前記制御部12により制御されるようになっている。尚、前記メモリ15は画像データを記憶する記憶手段として機能する。また、このメモリ15には、条件設定領域15aが設けられている。
【0032】
これにて、受光センサ3による撮像信号が、増幅回路13にて増幅され、A/D変換回路14にてデジタル信号に変換されて画像データとしてメモリ15に記憶される。またこのとき、比較回路16及び特定比検出回路17にて画像データ中の特定パターンが検出され、情報コードの種類が判別されるようになっている。前記受光センサ3及び特定比検出回路17、アドレス発生回路19には、同期信号発生回路18から同期信号が与えられるようになっている。
【0033】
さて、前記二次元受光センサ3は、全体として数十万画素或いは数百万画素のCCD素子からなる画素を、縦横に配列してなる二次元の受光(撮像)領域を備え、その受光領域の横、縦の比率が4:3のサイズの汎用のものとされている。このとき、図1及び図2に示すように、本実施例では、二次元受光センサ3において、全体の受光領域が上下(縦方向)に2分割された分割受光領域が設定されるようになっている。以下、それら2つの分割受光領域を、上部分割受光領域3a、下部分割受光領域3bと称する。尚、これら各分割受光領域3a、3bは、その横、縦のサイズの比率が、共に、ほぼ8:3(4:1.5)の横長なものとなっている(実際には、上部分割受光領域3aと下部分割受光領域3bとの境界付近の領域に使えない画像データの領域が存在するので、8:3の3の方の値がもっと小さくなる)。
【0034】
これと共に、前記結像光学系4は、図1に示すように、前記二次元受光センサ3の各分割受光領域3a,3bの夫々に対応して、この場合2組の結像光学素子としての結像レンズ20、及び、光路を三次元的(上下方向及び左右(斜め)方向)に折曲げる光路変更手段としての反射鏡21を備えて構成されている。この場合、各組の結像レンズ20及び反射鏡21は、二次元受光センサ3の各分割受光領域3a,3bにおける、それら各結像レンズ20及び反射鏡21を通して撮影対象Rに向く視野が、一部が重なり合いながら横方向に連なって並ぶ(読取りの中心線に対して左右に並ぶ)複数(2つ)の部分撮像領域Va,Vbとされるように構成されている。
【0035】
つまり、図1で左側に位置する結像レンズ20及び反射鏡21が、上部分割受光領域3aに対応しており、図2(a)にも示すように、図で左側に位置する部分撮像領域Vaの画像が、左側の結像レンズ20を通した後、左側の反射鏡21により折曲げられて二次元受光センサ3の上部分割受光領域3aにより受光(撮像)されるようになっている。また、図1で右側に位置する結像レンズ20及び反射鏡21が、下部分割受光領域3bに対応しており、図2(b)にも示すように、図で右側に位置する部分撮像領域Vbの画像が、右側の結像レンズ20を通した後、右側の反射鏡21により折曲げられて二次元受光センサ3の下部分割受光領域3bにより受光(撮像)されるようになっている。
【0036】
このとき、部分撮像領域Va,Vbは、横、縦の比率が共に8:3とされ、それらが一部重なり合った状態で横方向に並ぶことにより、図2(c)にも示すように、全体として横方向に長尺な撮影領域V(視野)が得られるようになっているのである。尚、図1には、各部分撮像領域Va,Vbの中心を夫々点A,Bで示しており、分割受光領域3a,3bの中心を夫々点a、bで示しており、それらを結ぶ光路を夫々符号La,Lbで示している。また、前記本体ケースに設けられる読取口も、その撮影領域V(視野)に対応した横方向に長尺なものとなっている。
【0037】
そして、次の作用説明でも述べるように、本実施例では、前記制御部12は、そのソフトウエア的構成(読取りプログラムの実行)により、シャッタスイッチがオン操作されると、上記のように、読取機構2による撮影対象R(光学情報)の画像取込み(撮像)の動作を実行させる。
【0038】
その後、二次元受光センサ3から出力された画像データから、上部分割受光領域3aにおいて受光された部分撮像領域Vaの画像データと、下部分割受光領域3bにおいて受光された部分撮像領域Vbの画像データとを、重なり合い部分の検出に基づいて連結(合成)し、連結画像(全体の撮影領域Vに対応した画像データ)を得るようになっている。さらに、制御部12は、その連結画像から、画像中に含まれる光学情報のデコード(読取り)処理を行うようになっている。従って、本実施例では、制御部12が、連結画像生成手段及びデコード手段としても機能するようになっている。
【0039】
次に、上記構成の作用について述べる。上記構成の光学情報読取装置1を用いて撮影対象Rに記された光学情報(バーコードBや二次元コードQ)を読取らせるにあたっては、ユーザは、本体ケースの読取口を、撮影対象Rに記された光学情報に近接させるようにし、その状態で、シャッタスイッチをオン操作する。この際、図3(a)に示すように、光学情報がバーコードBである場合には、撮影領域V(視野)がバーコードB全体を横切るように読取口の位置合せを行い、また、図3(b)に示すように、光学情報が横方向に並ぶ複数(図では4個)の二次元コードQである場合には、撮影領域V(視野)内に全ての二次元コードQが入るように読取口の位置合せを行うようにする。
【0040】
図4のフローチャートは、シャッタスイッチがオン操作されたときに、制御部12が実行する光学情報の読取りの処理手順の概略を示している。即ち、シャッタスイッチがオン操作されると、まず、照明部5により照明光がオンされ(ステップS1)、撮影対象Rに照明光が照射される。そして、一定の露光時間を経て(ステップS2)、撮影対象Rからの反射光(光学情報の画像)が二次元受光センサ3により取込まれるようになる(ステップS3)。
【0041】
このとき、上述のように、結像光学系4(2組の結像レンズ20及び反射鏡21)の構成により、全体の撮影領域Vに対し、図1,図2で左側の部分撮像領域Vaの画像が、二次元受光センサ3の上部分割受光領域3aに取込まれ、図1,図2で右側の部分撮像領域Vbの画像が、二次元受光センサ3の下部分割受光領域3bに取込まれるようになる。部分撮像領域Vaの右端部の画像と、部分撮像領域Vbの左端部の画像とは一部重なり合っている。
【0042】
ステップS4では、二次元受光センサ3の撮像した部分撮像領域Va及び部分撮像領域Vaの両画像の特徴点検出に基づいて、重なり合う領域を検出する処理が実行される。次いで、特徴点が重なる位置に両画像の位置関係が設定され(ステップS5)、その位置関係に基づき、一方の画像から重なり画像を削除して2つの画像を連結(合成)することにより、連結画像が生成される(ステップS6)。
【0043】
次のステップS7では、生成された連結画像中に光学情報のコードパターンが含まれているかどうかが判断され、コードパターンが存在する場合には(Yes)、ステップS8にて、連結画像に含まれる光学情報に対するデコード処理が行われ、デコード結果がメモリ15の所定に記憶領域に格納される。尚、連結画像中に光学情報が含まれていない場合には(ステップS7にてNo)、そのまま処理が終了される。
【0044】
上記構成においては、図3(a)に示すような横長なバーコードBを読取る場合でも、バーコード全体が読取り視野内に収まりきらなくなる虞があった従来のものと異なり、読取口を遠ざける必要もなく、全体として横長な撮影領域V(視野)内に容易に収めて読取ることができる。また、図3(b)に示すように、複数個の二次元コードQを、撮影領域V(視野)内に収めて一括して読取ることが可能となる。しかも、二次元受光センサの受光領域のうち上下両側の夫々1/4部分を使用しないことにより横長な視野を得るようにしていた従来のものとも異なり、二次元受光センサ3の受光領域(画素)を有効に利用し、高分解能での光学情報の読取りを行うことができる。
【0045】
このように本実施例によれば、受光領域のサイズの横,縦の比が4:3である一般的な二次元受光センサ3を用いながらも、受光領域を縦方向に2分割し、それら分割受光領域3a,3bに夫々横方向に連なる異なる部分撮像領域Va、Vbの画像を取込むように構成した。これにより、二次元受光センサ3を、単位面積当たりの画素の数(解像度)を維持したままで、横,縦の比がほぼ8:3の受光領域を有する2つの受光センサを横に並べて使用した如き、横長の画像データを得ることが可能となった。さらに、部分撮像領域Va、Vbが一部重なり合っていることにより、各分割受光領域3a,3bの画像データの連結(合成)を容易且つ確実に行うことができるものである。
【0046】
この結果、汎用の二次元受光センサ3を用いたものであっても、その二次元受光センサ3の受光領域を有効に利用することができ、横長なバーコードBの読取りや、複数個の二次元コードQの一括読取りが可能となり、しかも、それら光学情報の読取り(デコード)を高精度(高分解能)で行うことができ、高い読取性能を得ることができるという優れた効果を得ることができる。
【0047】
(2)第2〜第4の実施例
図6ないし図8は、本発明の第2の実施例を示している。この実施例が上記第1の実施例と異なる点は、制御部12のソフトウエア構成にある。従って、上記第1の実施例と同一部分については、新たな図示や詳しい説明を省略し、符号も共通して使用することとする。
【0048】
即ち、図6に示すように、本実施例に係る撮像装置においては、制御部12は、上記第1の実施例と同様に、シャッタスイッチがオン操作されると、読取機構2による撮影対象R(光学情報)の画像取込み(撮像)の動作を実行させ、二次元受光センサ3から出力された画像データから、上部分割受光領域3aにおいて受光された部分撮像領域Vaの画像データと、下部分割受光領域3bにおいて受光された部分撮像領域Vbの画像データとを、重なり合い部分の検出に基づいて連結(合成)し、連結画像(全体の撮影領域Vに対応した画像データ)を得るようになっている(ステップS1〜S6)。
【0049】
そして、本実施例では、制御部12は、連結画像を生成した後、その連結画像が長方形となるように余分な画像部分を除去する処理を実行するようになっている(ステップS9)。従って、本実施例では、制御部12が除去手段として機能するようになっている。また、本実施例では、制御部12は、画像データから光学情報のデコード(読取り)を行う機能を備えておらず、得られた(整形された)連結画像のデータを、メモリ15に記憶するようになっている。この場合、その画像データが通信インタフェイス10を介して例えば外部の管理コンピュータ等に送信され、そこで必要なデコード処理等が行われる。
【0050】
上記した余分な画像部分を除去する処理(ステップS9)は、図7に示すように、例えば、結像光学系4の誤差等に起因して、部分撮像領域Vaと、部分撮像領域Vbとがやや上下にずれているような場合に行われる。図7では、重なり合う領域にハッチングを付して示しており、図7(b)のように、画像データの重なり合う部分に基づいて、画像を連結(合成)した後、図で太線からはみ出た部分を削除することにより、連結された画像データをいわば長方形に整形するものである。
【0051】
この第2の実施例によれば、上記第1の実施例と同様に、例えば横長な撮影対象に関して、汎用の二次元受光センサ3を用いながらも、高分解能の画像データを得ることができ、これに加えて、結像光学系4に多少の誤差があっても、その誤差を吸収することができ、きれいな長方形の画像を得ることができる。また、本実施例の撮像装置は、図8に示すように、デジタルカメラとして利用し、読取機構2により人物や風景等を撮影対象として撮影することができ、いわゆるパノラマサイズ(横長)の画像を高解像度で得ることが可能となる。
【0052】
図9ないし図11は、本発明の第3の実施例を示すものであり、上記第1の実施例と異なる点について、以下述べる。図9は、この第3の実施例における読取機構31の要部を概略的に示している。この読取機構31は、二次元受光センサ32、この二次元受光センサ32上に撮影対象Rの画像を結ぶ結像光学系33、撮影対象Rに対して照明光を照射するための照明部5(図示せず)等から構成されている。
【0053】
前記二次元受光センサ32は、やはり、横、縦の比率が4:3のサイズの受光領域を備える汎用のCCDエリアセンサから構成されている。このとき、図10にも示すように、本実施例では、二次元受光センサ32において、全体の受光領域が上下(縦方向)に3分割された、上部、下部、中段部の分割受光領域32a,32b,32cが設定されるようになっている。これら各分割受光領域32a,32b,32cは、夫々。その横、縦のサイズの比率が、共に、4:1の横長なものとなっている。
【0054】
一方、前記結像光学系33は、図9に示すように、前記二次元受光センサ32の各分割受光領域32a,32b,32cの夫々に対応して、3組の結像光学素子としての結像レンズ34及び光路変更手段としての反射鏡35を備えて構成されている。この場合、図10にも示すように、図で左側に位置する部分撮像領域Vaの画像が、図で左側に位置する結像レンズ34を通した後、図で左側に位置する反射鏡35により折曲げられて二次元受光センサ32の上部分割受光領域32aにより受光(撮像)されるようになっている。
【0055】
また、同様に、図で右側に位置する部分撮像領域Vbの画像が、図で右側に位置する結像レンズ34を通した後、図で右側に位置する反射鏡35により折曲げられて二次元受光センサ32の下部分割受光領域32bにより受光(撮像)される。そして、図で中央に位置する部分撮像領域Vcの画像が、図で中央に位置する結像レンズ34を通した後、図で中央に位置する反射鏡35により折曲げられて二次元受光センサ32の中段部分割受光領域32cにより受光(撮像)される。図9では、それらの光路を符号La、Lb,Lcで示している。
【0056】
このとき、部分撮像領域Va,Vc,Vbは、横、縦の比率が共に4:1とされ、部分撮像領域Va,Vc間のつながり部分及び部分撮像領域Vc,Vb間のつながり部分が、共に一部重なり合った状態で横方向に連なって並ぶことにより、全体として横方向に長尺な撮影領域V(視野)が得られるようになっているのである。この撮影領域Vは、上記第1の実施例における撮影領域Vよりも、横方向に一層細長いものとなっている。
【0057】
そして、制御部12は、読取機構31による撮影対象R(光学情報)の画像取込み(撮像)を実行させ、二次元受光センサ32から出力された画像データから、上部分割受光領域32aにおいて受光された部分撮像領域Vaの画像データと、中段部分割受光領域32cにおいて受光された部分撮像領域Vcの画像データと、下部分割受光領域32bにおいて受光された部分撮像領域Vbの画像データとを、重なり合い部分の検出に基づいて連結(合成)し、連結画像(全体の撮影領域Vに対応した画像データ)を得るようになっている。
【0058】
本実施例においても、上記第1の実施例等と同様に、長尺な撮影対象Rに関して、汎用の二次元受光センサ32を用いながらも、高分解能の画像データを得ることができる。そして、上記の構成においては、図11(a)に示すように、例えばデータ量が比較的多い長大なバーコードBの高分解能での読取りが可能となる。また、図11(b)に示すように、OCR機能による、横書きの文字や記号の読取りに適用した場合には、文字数が多いものでも、一括して高精度で読取りを行うことができる。
【0059】
図12は、本発明の第4の実施例を示している。この第4の実施例では、横長な3つの部分撮像領域Va,Vc,Vbが、一部が重なり合いながら斜め方向に段階的に並ぶように連なり、これらの画像を二次元受光センサ32の各分割受光領域32a,32b,32cにより撮像するように構成され、全体としては斜め方向に長い受光領域Vを実現するようにしている。本発明は、このように複数個の部分撮像領域の組合せを様々な形態に設定でき、各種の応用が可能となる。
【0060】
(3)第5〜第7の実施例
次に、図13〜図16を参照して、本発明の第5〜第7の実施例について順に説明する。尚、以下に述べる第5〜第7の実施例においても、本発明を光学情報読取装置に適用したものであり、従って、上記第1の実施例と同一部分には同一符号を付して、新たな図示や詳しい説明を省略する。
【0061】
図13は本発明の第5の実施例を示している。この第5の実施例が上記第1の実施例と異なる点は、結像光学系41の構成にある。この実施例でも、二次元受光センサ3は、全体の受光領域が上下(縦方向)に2分割された、上部分割受光領域3a及び下部分割受光領域3bが設定されるようになっている。本実施例の結像光学系41は、二次元受光センサ3の前側に配置された2個の結像光学素子としての結像レンズ42a,42bと、仕切板43とを備えて構成されている。尚、前記各結像レンズ42a,42bは、鏡筒内に、1枚又は複数枚(例えば3枚)のレンズを収容して構成されている。
【0062】
前記2個の結像レンズ42a,42bは、二次元受光センサ3の上下部の分割受光領域3a、3bの夫々に対応しており、縦方向(上下)に並んで配設されていると共に、二次元受光センサ3の受光面に対して傾いて配置されている。この場合、上側に配置された結像レンズ42aは、その光軸(中心軸)の先方(手前)側が、側面から見てやや下向き(図13(b)参照)、且つ、上から見て図で右方を向く(図13(a)参照)ように傾斜している。また、下側に配置された結像レンズ42bは、その光軸の先方(手前)側が、側方から見てやや上向き、且つ、上から見て左方を向くように傾斜している。
【0063】
そして、前記仕切板43は、例えばプラスチック製の薄板状(上面から見て台形状)をなし、その表面は、光が反射しないように、つや消しの黒色とされている。この仕切板43は、前記二次元受光センサ3の前部に、各分割受光領域3a、3b間を上下に区切るように配置され、その先端部は、2個の結像レンズ42a,42bを上下に区画する位置まで延びている。
【0064】
これにて、図13(a)に示すように、結像レンズ42a,42bの配置(向き)及び仕切板43から光路変更手段が構成され、二次元受光センサ3の各分割受光領域3a,3bにおける、各結像レンズ42a、42bを通して撮影対象に向く視野が、一部が重なり合いながら横方向に連なって並ぶ複数(2つ)の部分撮像領域Va,Vbとされるように構成されている。
【0065】
つまり、図13(a)で右側に位置する部分撮像領域Vaの画像が、上側の結像レンズ42aを通して二次元受光センサ3の上部分割受光領域3aにより受光(撮像)されるようになっている。また、図13(a)で左側に位置する部分撮像領域Vbの画像が、下側の結像レンズ42bを通して二次元受光センサ3の下部分割受光領域3bにより受光(撮像)されるようになっている。このとき、仕切板43によって、両結像レンズ42a,42b間が光学的に分離され、各分割受光領域3a,3bに対し、他方の結像レンズ42b,42aを通した画像が結像されることがなくなり、目的とする部分撮像領域Va、Vbの画像を、上下部の分割受光領域3a、3bによって夫々撮像させることができるのである。
【0066】
従って、この第5の実施例においても、例えば横長なバーコードBを読取る場合に、読取口を遠ざける必要もなく、全体として横長な撮影領域V(視野)内に容易に収めて読取ることができ、ひいては、二次元受光センサ3の受光領域(画素)を有効に利用し、高分解能での光学情報の読取りを行うことができる。そして、この第5の実施例によれば、結像光学系41を、2個の結像レンズ42a,42bと仕切板43とから構成したので、ミラーやプリズムといった比較的高価な部材を使用せずとも、より簡単な構成で結像光学系41を構成することができるものである。
【0067】
図14は、本発明の第6の実施例を示すものである。この第6の実施例では、結像光学系44の構成が上記第5の実施例と異なっている。本実施例の結像光学系44は、二次元受光センサ3の前側に配置された2個の結像光学素子としての結像レンズ45a,45bと、仕切板46とを備えて構成されている。このとき、2個の結像レンズ45a,45bは、図14(a)に示すように、仕切板46の前端部よりやや前方に位置して、横方向(左右方向)に並び、且つ中心軸を縦方向(上下方向)にずらせて配置されている。
【0068】
この場合、図14(b)にも示すように、図で右側の結像レンズ45aは、その中心軸が、仕切板46の上側に位置し、図で左側の結像レンズ45bは、その中心軸が、仕切板46の下側に位置している。前記仕切板46は、やはり、プラスチック製の台形薄板状(をなし、その表面はつや消しの黒色とされている。この仕切板46は、前記二次元受光センサ3の前部に、各分割受光領域3a、3b間を上下に区切るように配置されている。
【0069】
これにて、図13(a)に示すように、結像レンズ45a,45bの配置及び仕切板46から光路変更手段が構成され、二次元受光センサ3の各分割受光領域3a,3bにおける、各結像レンズ45a,45bを通して撮影対象に向く視野が、一部が重なり合いながら横方向に連なって並ぶ複数(2つ)の部分撮像領域Va,Vbとされる。
【0070】
即ち、図14(a)で右側に位置する部分撮像領域Vaの画像が、右側(上側)の結像レンズ45aを通して二次元受光センサ3の上部分割受光領域3aにより受光(撮像)されるようになっている。また、図14(a)で左側に位置する部分撮像領域Vbの画像が、左側(下側)の結像レンズ45bを通して二次元受光センサ3の下部分割受光領域3bにより受光(撮像)されるようになっている。このとき、仕切板46によって、各分割受光領域3a,3bに対し他方の結像レンズ45b,45aを通した画像が結像されることがなくなり、目的とする部分撮像領域Va、Vbの画像を、上下部の分割受光領域3a、3bによって夫々撮像させることができるのである。
【0071】
従って、この第6の実施例によっても、例えば横長なバーコードBを読取る場合に、読取口を遠ざける必要もなく、全体として横長な撮影領域V(視野)内に容易に収めて読取ることができ、ひいては、二次元受光センサ3の受光領域を有効に利用し、高分解能での光学情報の読取りを行うことができる。そして、結像光学系44を、2個の結像レンズ45a,45bと仕切板46とから構成したので、ミラーやプリズムといった比較的高価な部材を使用せずとも、より簡単な構成で結像光学系44を構成することができる。
【0072】
図15及び図16は、本発明の第7の実施例を示している。この第7の実施例が上記第5の実施例(或いは第6の実施例)と異なる点は、仕切板43を、作用位置と退避位置との間で移動可能に設けると共に、駆動手段としての駆動機構47により該仕切板43を移動させるように構成したところにある。
【0073】
この場合、仕切板43の図で右側部には、作動レバー48が右方に延びて取付けられており、該作動レバー48が図で左右方向(両矢印X方向)にスライド移動可能に支持されている。前記駆動機構47は、図16に示すように、前記作動レバー48の下面に固着されたマグネット49と、そのマグネット49の外側に配置されたコイル50と、そのコイル50に通電するための通電回路(図示せず)などから構成される。尚、コイル50の外周にはヨーク50aが配されている。
【0074】
これにて、駆動機構47は、コイル50に対する通電制御(極性の切替)により、マグネット49を図で左右方向(両矢印X方向)に移動させることに基づき、作動レバー48を介して仕切板43を移動させるようになっている。このとき、仕切板43は、前記結像レンズ42a,42b(図示を省略している)と二次元受光センサ3との間に配置される作用位置と、二次元受光センサ3の前部から図で右方に退避する退避位置との間で移動される(いずれかに選択的に位置される)ようになっている。この仕切板43の移動(位置変更)は、必要に応じて(例えばユーザによるスイッチ操作に基づいて)行われる。
【0075】
これによれば、仕切板43が作用位置に位置しているときには、上記第5の実施例で述べたように、各部分撮像領域Va、Vbの画像を、二次元受光センサ3の上下部の分割受光領域3a、3bによって夫々撮像させることができ、例えば横長のバーコードBなどに対応することができる。これに対し、仕切板43を退避位置に位置させれば、結像レンズ42a,42bと二次元受光センサ3との間に仕切板43が存在しなくなるので、二次元受光センサ3の受光領域全体に、両結像レンズ42a,42bを通した画像が合成された画像が撮像されることになるが、正方形に近い形状の二次元コードQの読取りが可能となる。
【0076】
尚、仕切板43を作用位置と退避位置との間で移動可能に設ければ、駆動機構47を設けなくとも、例えば手動(ユーザによるレバー操作)により、仕切板43を移動させるように構成することもできる。
【0077】
(4)第8〜第10の実施例
次に、図17〜図21を参照して、本発明の第8〜第10の実施例について順に説明する。尚、これら第8〜第10の実施例においても、本発明を光学情報読取装置に適用したものであり、従って、上記第1の実施例と同一部分には同一符号を付して、新たな図示や詳しい説明を省略する。
【0078】
図17及び図18は、本発明の第8の実施例を示すものである。この第8の実施例における結像光学系51は、図17に示すように、二次元受光センサ3の前側に、横方向に並んで配置された2個の結像光学素子としての結像レンズ52a,52bと、それら結像レンズ52a,52bの後ろ側に配置され光路変更手段として機能する一部遮蔽板53とを備えて構成されている。二次元受光センサ3は、全体の受光領域が上下(縦方向)に2分割された、上部分割受光領域3a及び下部分割受光領域3bが設定されるようになっている。
【0079】
図18に示すように、前記一部遮蔽板53は、例えばプラスチック製のやや横長な矩形薄板状をなし、その表面は、光が反射しないように、つや消しの黒色とされている。そして、この一部遮蔽板53には、図で左側上部に位置して、やや横長な矩形状の穴53aが形成されていると共に、図で右側下部に位置して、やや横長な矩形状の穴53bが形成されている。この場合、前記穴53aは、図で左側に位置する結像レンズ52aの視野の上半部に対応しており、穴53bは、図で右側に位置する結像レンズ52bの視野の下半部に対応している。
【0080】
これにて、一部遮蔽板53により、図で左側に位置する結像レンズ52aの視野の下半部が遮蔽されると共に、図で右側に位置する結像レンズ52bの視野の上半部が遮蔽され、夫々穴53a、53b内のみを光が部分的に通される。このとき、図17に示すように、二次元受光センサ3の各分割受光領域3a,3bにおける、各結像レンズ52a、52bを通して撮影対象に向く視野が、一部が重なり合いながら横方向に連なって並ぶ複数(2つ)の部分撮像領域Vb,Vaとされるように構成されている。
【0081】
従って、図17で右側に位置する部分撮像領域Vaの画像が、右側の結像レンズ52b及び穴53bを通して二次元受光センサ3の下部分割受光領域3bに結像され、また、図17で左側に位置する部分撮像領域Vbの画像が、左側の結像レンズ52a及び穴53aを通して二次元受光センサ3の上部分割受光領域3aに結像されるようになっている。このように、目的とする部分撮像領域Vb、Vaの画像を、上下部の分割受光領域3a、3bによって夫々撮像させることができるのである。
【0082】
この第8の実施例においても、上記第5の実施例等と同様に、例えば横長なバーコードBを読取る場合に、読取口を遠ざける必要もなく、全体として横長な撮影領域V(視野)内に容易に収めて読取ることができ、ひいては、二次元受光センサ3の受光領域(画素)を有効に利用し、高分解能での光学情報の読取りを行うことができる。そして、この第8の実施例によれば、結像光学系51を、2個の結像レンズ52a,52bと一部遮蔽板53とから構成したので、ミラーやプリズムといった比較的高価な部材を使用せずとも、より簡単な構成で結像光学系51を構成することができるものである。尚、一部遮蔽板53は、結像レンズ52a,52bの前側に設けられていても良い。
【0083】
図19及び図20は、本発明の第9の実施例における結像光学系54を示すものであり、上記第8の実施例と異なる点は、一部遮蔽板55の構成にある。即ち、この一部遮蔽板55は、表面つや消しの黒色とされたプラスチック製の薄板状をなし、図20に示すように、図で左側に位置する結像レンズ52aの視野の下半部を遮蔽する矩形状部分と、図で右側に位置する結像レンズ52bの視野の上半部を遮蔽する矩形状部分とを一体的に連結した如き形状をなしている。このとき、図19に示すように、二次元受光センサ3の各分割受光領域3a,3bにおける、各結像レンズ52a、52bを通して撮影対象に向く視野が、一部が重なり合いながら横方向に連なって並ぶ複数(2つ)の部分撮像領域Vb,Vaとされるように構成されている。
【0084】
これにて、やはり、一部遮蔽板55により、結像レンズ52a,52bの光が部分的に通され、図19で右側に位置する部分撮像領域Vaの画像が、右側の結像レンズ52bを通して二次元受光センサ3の下部分割受光領域3bに結像され、また、図19で左側に位置する部分撮像領域Vbの画像が、左側の結像レンズ52aを通して二次元受光センサ3の上部分割受光領域3aに結像されるようになっている。
【0085】
従って、この第9の実施例によっても、上記第8の実施例と同様に、例えば横長なバーコードBを読取る場合に、二次元受光センサ3の受光領域(画素)を有効に利用し、高分解能での光学情報の読取りを行うことができ、しかも、結像光学系54を、2個の結像レンズ52a,52bと一部遮蔽板55とから構成したので、ミラーやプリズムといった比較的高価な部材を使用せずとも、簡単な構成で済ませることができる。尚、上記した一部遮蔽板53、55は、結像レンズ52a,52bの前側に設けられていても良く、同様の作用・効果を得ることができる。
【0086】
図21は、本発明の第10の実施例を示すものである。この第10の実施例では、上記第9の実施例における一部遮蔽板55を、作用位置と退避位置との間で移動可能に設けると共に、駆動手段としての駆動機構56により該一部遮蔽板55を移動させるようにしている。
【0087】
このとき、一部遮蔽板55には、作動レバー57が右方に延びて取付けられており、左右方向(両矢印X方向)にスライド移動可能に支持されている。そして、前記駆動機構56も、上記第7の実施例と同様に、前記作動レバー57の下面に固着されたマグネット58、そのマグネット58の外側に配置されたコイル59、コイル59の外周のヨーク59a、コイル59に通電するための通電回路(図示せず)などから構成される。この場合も、一部遮蔽板55は、結像レンズ52a、52b(図示を省略している)と二次元受光センサ3との間に配置される作用位置と、二次元受光センサ3の前部から図で右方に退避する退避位置との間で移動される(いずれかに選択的に位置される)ようになっている。
【0088】
これにより、一部遮蔽板55を作用位置に位置させることにより、例えば横長のバーコードBなどに対応させることができ、一部遮蔽板55を退避位置に位置させることにより、二次元受光センサ3の受光領域全体に、両結像レンズ52a,52bを通した画像が合成された画像が撮像されることになるが、正方形に近い形状の二次元コードQの読取りが可能となる。
【0089】
(5)第11、第12の実施例、その他の実施例
図22〜図24は、本発明の第11の実施例を示すものである。この第11の実施例が上記第1の実施例等と異なる点は、結像光学系の構成にある。本実施例の結像光学系は、各分割受光領域3a,3bに対応した結像光学素子としてのプラスチック製の結像レンズ61を複数個この場合2個備えて構成されているのであるが、これら2個の結像レンズ61,61が、一体成形により連結されたレンズ連結体62として構成されている。
【0090】
また、詳しく図示はしないが、本実施例では、光学情報を読取る際に、撮影対象Rに対し読取り位置(読取り範囲)を示すためのマーカ光を照射するマーカ光照射手段たるマーカ光照射部を備えている。このマーカ光照射部は、例えばレーザダイオードやLEDからなる光源と、その光を集光してスポット光とするためのマーカ用レンズ63(或いは回折格子)を備えている。そして、本実施例では、このマーカ用レンズ63をも、前記レンズ連結体62に一体に設けられている。
【0091】
即ち、図22に示すように、前記レンズ連結体62は、全体として矩形板状をなし、図で左右に位置する2個の結像レンズ61,61と、中央部のそれら結像レンズ61,61の上側に位置するマーカ用レンズ63とを、外形が矩形状をなし厚み(前後)方向に薄い板状のつなぎ部62aでつないだ如き形状をなしている。また、レンズ連結体62(つなぎ部62a)の対角となる2箇所の角部には、径小な取付穴62bが形成されている。このレンズ連結体62は、上記のように、全体がプラスチックの一体成形により製造されている。
【0092】
そして、本実施例では、上記レンズ連結体62に対し、その前面側に、前記つなぎ部62aを覆うための遮光用カバー64が取付けられるようになっている。図23に示すように、この遮光用カバー64は、つや消しの黒色をなるプラスチックの薄板から構成され、全体として、レンズ連結体62の外形に対応した矩形状をなしている。そして、この遮光用カバー64には、前記2個の結像レンズ61,61及びマーカ用レンズ63に対応した3個の円形開口部64aが形成されている。さらに、この遮光用カバー64の裏面側には、前記2個の取付穴62bに対応した2個の取付ピン64bが設けられている。
【0093】
これにて、図24に示すように、遮光用カバー64は、2個の取付ピン64bを、夫々レンズ連結体62の取付穴62bに差込むようにして、レンズ連結体62の前面に装着される。これにより、各結像レンズ61及びマーカ用レンズ63部分が光学的に独立する形態となり、例えば一方の結像レンズ61を通る光が他方の結像レンズ61の光線の邪魔をするといったことがなくなるのである。
【0094】
このような第11の実施例によれば、複数個の結像レンズ61がレンズ連結体62として一体化されているので、部品数が低減されて構成が簡単となり、省スペース化、組付け作業の簡単化を図ることができる。しかも、マーカ光照射部を備えたものにあって、マーカ用レンズ63をもレンズ連結体62に一体に設けるようにしたので、より一層の構成の簡単化を図ることができる。
【0095】
図25は、本発明の第12の実施例を示すものであり、上記第11の実施例と異なるところは、遮光用カバー65を、レンズ連結体62に対し二色成形により一体に形成するようにした点にある。遮光用カバー65は、例えば黒色をなし、レンズ連結体62のつなぎ部62aの前面を覆う薄肉状に形成されている。この場合、例えば、透明ブラスチック材料によりレンズ連結体62全体が成型され、この後、黒色顔料を含んだプラスチック材料により、つなぎ部62aの前面に遮光用カバー65が一体的に成型される。この第12の実施例によれば、より一層の部品数の低減による構成の簡単化を図ることができる。
【0096】
尚、上記第11及び第12の実施例では、レンズ連結体62にマーカ用レンズ63をも一体成形するようにしたが、必ずしもマーカ用レンズ63を一体化する必要はなく、少なくとも複数の結像レンズを一体化したレンズ連結体とすることにより、構成の簡単化を図ることができる。また、上記第11及び第12の実施例では、遮光用カバー64、65を、レンズ連結体62の前面に設けるようにしたが、後面側に設けるようにしても良い。或いは、遮光用カバー64、65を省略し、その代わりに、レンズ連結体62の後ろ側に第5〜第7の実施例で示したような仕切板を設けるようにしても良い。
【0097】
その他、本発明は上記し且つ図面に示した各実施例に限定されるものではなく、以下のような拡張、変更が可能である。
即ち、上記各実施例では、各分割受光領域における画像データを連結(合成)して連結画像を生成するように構成したが、撮像装置側では、連結処理を行う前の状態で画像データを記憶しておき、その画像データを例えば外部のパソコン等に送信して画像データの連結の処理を行う構成としても良い。つまり、連結画像生成手段を、撮像装置自体が備えていなくとも、外部に設ける構成とすることができる。
【0098】
そして、上記第1の実施例では、連結画像を生成した後に光学情報のデコードの処理を行うように構成したが、各分割受光領域毎に、その画像データから光学情報の明暗パターンを抽出し、それら明暗パターンを重なり合い部分に基づいてつなぎ合せて一つの光学情報の明暗パターンとみなし、その明暗パターンに対してデコードの処理を行うように構成しても良い。
【0099】
さらに、本発明においては、結像光学系をユニット化し、本体ケースに対して着脱(交換)可能に組付けるようにし、上記した横長(パノラマ)サイズの撮影領域(視野)を得るための結像光学系のユニットと、横縦の比が4:3の通常サイズの撮影領域(視野)を得るための結像光学系のユニットとを、手動又は自動で交換できるように構成しても良い。これによれば、撮影領域(視野)を、ユーザの希望により、パノラマサイズと通常サイズとの間で切替えることが可能となる。
【0100】
また、光学情報を読取る際に撮影対象Rに対し読取り位置(撮像位置)を示すためのマーカ光を照射するマーカ光照射部を設ける場合には、マーカ光照射部を、例えばLEDを光源として2点のスポット光を照射することにより、横長な撮影領域V(視野)の左右両端部を示すように構成することもできる。マーカ光の形状等については種々の変形が可能である。
【0101】
他にも、例えば本発明の撮像装置は、上記した光学情報読取装置やデジタルカメラに限らず、携帯電話機などにも適用することができる。また、全体のハードウエア構成としても、様々な変更が可能であり、例えば、光路変更手段としては、複数のミラーを組合せたり或いはプリズム等を用いたりすることもでき、二次元受光センサとしては、CMOS型のものであっても良い等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、読取機構部分の構成を概略的に示す正面図(a)及び側面図(b)
【図2】分割受光領域と部分撮像領域との対応関係を示す図
【図3】光学情報を読取る場合の具体例を示す図
【図4】制御部が実行する光学情報の読取りの処理手順を示すフローチャート
【図5】光学情報読取装置の電気的構成を概略的に示すブロック図
【図6】本発明の第2の実施例を示すもので、撮像処理の手順を示すフローチャート
【図7】余分な画像部分を除去する様子を示す図
【図8】パノラマサイズの風景を撮像する様子を示す図
【図9】本発明の第3の実施例を示すもので、図1(a)相当図
【図10】図2(c)相当図
【図11】光学情報を読取る場合の具体例を示す図
【図12】本発明の第4の実施例を示す図2(c)相当図
【図13】本発明の第5の実施例を示すもので、結像光学系の構成を模式的に示す正面図(a)及び側面図(b)
【図14】本発明の第6の実施例を示す図13相当図
【図15】本発明の第7の実施例を示すもので、仕切板部分の模式的な平面図
【図16】駆動機構部分を概略的に示す縦断正面図
【図17】本発明の第8の実施例を示すもので、結像光学系の構成を模式的に示す正面図
【図18】一部遮蔽板の正面図
【図19】本発明の第9の実施例を示す図17相当図
【図20】図18相当図
【図21】本発明の第10の実施例を示すもので、一部遮蔽板の駆動機構部分を概略的に示す縦断正面図
【図22】本発明の第11の実施例を示すもので、レンズ連結体の正面図(a)及び側面図(b)
【図23】遮光用カバーの正面図(a)及び側面図(b)
【図24】レンズ連結体に遮光用カバーを取付けた状態の正面図(a)及び側面図(b)
【図25】本発明の第12の実施例を示すもので、レンズ連結体の正面図(a)及び側面図(b)
【符号の説明】
【0103】
図面中、1は光学情報読取装置(撮像装置)、2,31は読取機構、3,32は二次元受光センサ、3a,3b,32a,32b,32cは分割受光領域、4,33,41,44,51,54は結像光学系、5は照明部、12は制御部(デコード手段、連結画像生成手段、除去手段)、15はメモリ(記憶手段)、20,34,42a,42b、45a,45b,52a,52b,61は結像レンズ(結像光学素子)、21,35は反射鏡(光路変更手段)、43,46は仕切板、47,56は駆動機構(駆動手段)、53,55は一部遮蔽板、62はレンズ連結体、63はマーカ用レンズ、64,65は遮光用カバー、Rは撮影対象、Vは撮影領域、Va,Vb,Vcは部分撮像領域、Bはバーコード(光学情報)、Qは二次元コード(光学情報)を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば光学情報読取装置やデジタルカメラ等の二次元受光センサを備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の撮像装置として、バーコードや二次元コード等の光学情報を読取る光学情報読取装置がある。このものは、CCDセンサなどの二次元受光センサを備え、例えばバーコードが含まれた撮影対象の画像を二次元受光センサにより取込み、画像データの二値化処理及びデコード処理を行うようになっている。尚、前記二次元受光センサは、多数のCCDからなる画素を縦横に配列して構成され、一般に、横、縦の比率が4:3のサイズの二次元の受光(撮像)領域を備えている。
【0003】
ところで、このような光学情報読取装置により、データ量が比較的多い長大(横長)なバーコードを読取ろうとする場合(図3(a),図11(a)参照)、通常(比較的小形)のバーコードの読取りと同様に読取ろうとしても、バーコード全体が読取り視野内に収まりきらなくなる虞がある。あるいは、例えば読取口をバーコードから遠ざかる方向に離すことによってバーコード全体が読取り視野内に収まったとしても、バーコードが縮小状態で読取られることになるので、分解能が低くなり、ひいては読取性が低下する問題点がある。
【0004】
この場合、例えば特許文献1には、バーコード読取装置の読取範囲に合わせて、バーコードを表示するようにしたバーコード表示装置が示されているが、これでは、データ量が比較的多い長大なバーコード自体が生成できなくなり、上記問題点の根本的な解決にはなっていない。
【0005】
また、風景や人物などを撮影するデジタルカメラにおいても、CCDセンサなどの二次元受光センサを備えて構成されている。この種のデジタルカメラにおいては、いわゆるパノラマサイズ(横長)の画像を撮影できるようにしたものがある。例えば特許文献2には、パノラマ画像データを得るために、二次元受光センサの受光領域のうち上下両側の夫々1/4部分のデータを削除することにより、画像の横、縦の比を8:3とするものが開示されている。従って、この構成でも、横長な撮影対象に関しては、二次元受光センサの受光領域(画素)を有効に利用することができず、低い分解能となってしまっていた。
【特許文献1】特開2002−117372号公報
【特許文献2】特開平10−341361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、汎用の二次元受光センサを用いた撮像装置では、例えば横方向に長尺な撮影対象を撮像する場合には、二次元受光センサの受光領域(画素)を有効に利用することができず、分解能が低下してしまう問題点があったのである。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、例えば横長な光学情報やパノラマ風景等の長尺な撮影対象に関して、汎用の二次元受光センサを用いながらも、高分解能の画像データを得ることができる撮像装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、二次元受光センサと、この二次元受光センサ上に撮影対象の画像を結ぶ結像光学系と、前記二次元受光センサから出力された画像データを記憶する記憶手段とを具備するものにあって、前記二次元受光センサには、全体の受光領域が分割された複数の分割受光領域が設定されると共に、前記結像光学系は、前記複数の分割受光領域の夫々に対応して結像光学素子及び光路変更手段を備え、前記二次元受光センサの各分割受光領域における、前記各結像光学素子及び光路変更手段を通して撮影対象に向く視野が、一部が重なり合いながら連なって並ぶ複数の部分撮像領域とされるように構成されているところに特徴を有する(請求項1の発明)。
【0009】
これによれば、一部が重なり合いながら連なって並ぶ複数の異なる部分撮像領域の画像を、二次元受光センサの複数の分割受光領域により夫々撮像することができる。従って、横、縦の比率が例えば4:3のサイズの受光領域を有する汎用の二次元受光センサであっても、長尺な撮影対象に関して、それを長手方向に複数に分割した部分撮像領域として撮像することが可能となり、二次元受光センサの受光領域を有効に利用しながら、つまり分解能を低下させることなく撮像することが可能となる。またこの場合、後に、画像データの処理を行う際には、分割された形態の画像データを一つの画像データとして合成(連結)する必要があるが、部分撮像領域の一部が重なり合っていることにより、その合成も容易となり、連結部分において画像データに抜けが生ずるといったこともない。
【0010】
このとき、前記二次元受光センサの分割受光領域を、縦方向に分割するように構成すると共に、前記複数の部分撮像領域を、横方向に連なるように構成することができる(請求項2の発明)。これによれば、例えば横長な光学情報やパノラマ風景等の横方向に長尺な撮影対象に関して、高分解能の画像データを得ることができる。尚、二次元受光センサは、一般に、走査方向(データ転送方向)が水平方向であるため、受光領域の分割は縦方向に行うことが望ましい。
【0011】
また、本発明においては、前記二次元受光センサの分割受光領域の夫々に対応する画像データを、前記重なり合い部分に基づいて連結して連結画像を生成する連結画像生成手段を設けることができる(請求項3の発明)。各部分撮像領域に関する画像データを合成した全体の画像データを装置側で容易に得ることができる。更にこの場合、前記連結画像生成手段により生成された連結画像が長方形となるように余分な画像部分を除去する除去手段を設けるようにしても良い(請求項4の発明)。光学系の誤差等に起因して各部分撮像領域の画像に多少のずれがあっても、全体の画像データ領域をいわば整形して、きれいな長方形の画像にすることができる。
【0012】
そして、本発明においては、前記複数の部分撮像領域に含まれるバーコードや二次元コード等の光学情報をデコードするデコード手段を設けることができる(請求項5の発明)。これにより、本発明の撮像装置を光学情報読取装置に適用することができ、例えば横長なバーコードや二次元コードの読取りを高精度で行うことが可能となる。
【0013】
より具体的には、上記デコード手段を、前記各分割受光領域の画像データに含まれる光学情報の部分画像を二値化して明暗パターンを生成し、それら各明暗パターンを前記重なり合い部分に相当する明暗パターン部分に基づいて重ね合わせ、1つの光学情報の明暗パターンと見なしてデコードを行うように構成することができる(請求項6の発明)。あるいは、上記デコード手段を、前記各分割受光領域の画像データを前記重なり合い部分に基づいて連結した連結画像に含まれる光学情報に対してデコードを行うように構成することができる(請求項7の発明)。いずれも、例えば横長なバーコードや二次元コードの読取りを高精度で行うことが可能となる。
【0014】
本発明においては、上記した結像光学系を、以下のように構成することができる。即ち、まず、結像光学系を、前記二次元受光センサの複数の分割受光領域の夫々に対応して、縦方向に並び且つ該二次元受光センサの受光面に対して傾いて配置された複数の結像光学素子を設けると共に、それら結像光学素子と前記二次元受光センサとの間に、前記各分割受光領域間を区切るように配置された仕切板を設けて構成することができる(請求項8の発明)。
【0015】
或いは、結像光学系を、前記二次元受光センサの複数の分割受光領域の夫々に対応して、横方向に並び且つ中心軸を縦方向にずらせて配置された複数の結像光学素子を設けると共に、それら結像光学素子と前記二次元受光センサとの間に、前記各分割受光領域間を区切るように配置された仕切板を設けて構成することができる(請求項9の発明)。
【0016】
これらによれば、仕切板を設けたことにより、二次元受光センサの各分割受光領域において複数の画像が合成されることなく、一部が重なり合いながら連なって並ぶ複数の異なる部分撮像領域の画像を、各結像光学素子を通して二次元受光センサの各分割受光領域に夫々撮像させることができる。しかも、ミラーやプリズムといった、比較的高価な部材を使用せずとも、簡単な構成で結像光学系を構成することが可能となる。
【0017】
このとき、前記仕切板を、前記結像光学素子と二次元受光センサとの間に配置される作用位置と、その位置から退避する退避位置との間で移動可能に設けることができる(請求項10の発明)。さらには、仕切板を、作用位置と退避位置との間で移動させるための駆動手段を設ける構成としても良い(請求項11の発明)。
【0018】
これによれば、仕切板を作用位置に位置させることによって、各部分撮像領域の画像を、二次元受光センサの各分割受光領域により夫々撮像することが可能となり、例えば横長のバーコードなどに対応することができる。これに対し、仕切板を退避位置に位置させれば、二次元受光センサの受光領域全体に複数の画像が合成された画像が撮像されることになるが、例えば正方形に近い形状の二次元コードの読取りが可能となる。
【0019】
次に、結像光学系を、前記二次元受光センサの複数の分割受光領域の夫々に対応して、横方向に並んで配置された複数の結像光学素子を設けると共に、それら結像光学素子の前部又は後部に、各結像光学素子毎にその視野の一部を遮蔽して光を部分的に通すことにより、前記各分割受光領域に結像させるための一部遮蔽板を設けて構成することができる(請求項12の発明)。
【0020】
これによれば、一部遮蔽板を設けたことにより、二次元受光センサの各分割受光領域において複数の画像が合成されることなく、一部が重なり合いながら連なって並ぶ複数の異なる部分撮像領域の画像を、各結像光学素子を通して二次元受光センサの各分割受光領域に夫々撮像させることができる。この場合も、ミラーやプリズムといった、比較的高価な部材を使用せずとも、簡単な構成で結像光学系を構成することが可能となる。
【0021】
このとき、前記一部遮蔽板を、結像光学素子の前部又は後部に配置される作用位置と、その位置から退避する退避位置との間で移動可能に設けることができる(請求項13の発明)。さらには、一部遮蔽板を、作用位置と退避位置との間で移動させるための駆動手段を設ける構成としても良い(請求項14の発明)。
【0022】
これによれば、一部遮蔽板を作用位置に位置させることによって、各部分撮像領域の画像を、二次元受光センサの各分割受光領域により夫々撮像することが可能となり、例えば横長のバーコードなどに対応することができる。これに対し、一部遮蔽板を退避位置に位置させれば、二次元受光センサの受光領域全体に複数の画像が合成された画像が撮像されることになるが、例えば正方形に近い形状の二次元コードの読取りが可能となる。
【0023】
更に、本発明においては、前記結像光学系を、結像光学素子としてのプラスチック製の結像レンズを複数個設けて構成した場合に、それら複数個の結像レンズを、一体成形により連結されたレンズ連結体とすることができる(請求項15の発明)。これによれば、複数個の結像レンズがレンズ連結体として一体化されているので、部品数が低減されて構成が簡単となり、省スペース化、組付け作業の簡単化を図ることができる。
【0024】
このとき、撮影対象に対して撮像位置を示すためのマーカ光を照射するマーカ光照射手段を備える場合には、マーカ光照射手段を構成するレンズ又は回折格子を、そのレンズ連結体に一体に設けることができる(請求項16の発明)。これにより、より一層の構成の簡単化を図ることができる。
【0025】
上記レンズ連結体を、結像レンズ間をつないでいる部分を覆うための遮光用カバーを備えて構成することができる(請求項17の発明)。各結像レンズ部分が光学的に独立する形態となり、ひとつの結像レンズを通る光が他の結像レンズの光線の邪魔をするといった不具合を防止することができる。更にこのとき、その遮光用カバーを、レンズ連結体に対し二色成形により一体に形成するようにしても良く(請求項18の発明)、部品数の低減による構成の簡単化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を具体化したいくつかの実施例について、図面を参照しながら説明する。
(1)第1の実施例
図1ないし図5は、本発明の第1の実施例を示すものである。この第1の実施例では、本発明の撮像装置を、光学情報(情報コード)読取装置に適用している。
【0027】
まず、外観等についての詳しい図示は省略するが、本実施例に係る撮像装置たる光学情報読取装置1の全体構成について、主として図5を参照しながら述べる。この光学情報読取装置1は、ユーザが片手で把持して操作可能な本体ケース(図示せず)内の先端側部分に、光学情報を読取るための読取機構2を備えている。前記読取機構2は、例えばカラーCCDエリアセンサからなる二次元受光センサ3、この二次元受光センサ3上に撮影対象Rの画像を結ぶ結像光学系4、撮影対象Rに対して照明光を照射するための例えば複数個のLEDからなる照明部5等から構成されている。本体ケースの先端部には、横長な矩形状をなす読取口が設けられている。
【0028】
この場合、前記撮影対象Rは、例えば商品に付されたラベルやカタログ等であり、その表面には、光学情報として、バーコードB(図3(a)参照)や、「QRコード(登録商標)」等の二次元コードQ(図3(b)参照)が記されている。前記読取機構2は、照明部5により、本体ケース先端の読取口を通して撮影対象Rに照明光を照射し、その反射光を読取口を通して入射し、前記結像光学系4を介して二次元受光センサ3上に結像させることにより、光学情報の画像を取込む(撮像する)ように構成されている。結像光学系4の詳しい構成については後述する。
【0029】
また、これも詳しく図示はしないが、前記本体ケース内には、図5に示す各回路等が実装されている回路基板が設けられている。さらに、前記本体ケースの外面部には、ユーザが各種入力指示を行うためのシャッタスイッチを含む操作スイッチ6、報知用のLED7、液晶表示器8などが設けられている。本体ケース内にはエラー報知等を行うためのブザー9や、外部との通信を行うための通信インタフェイス10、駆動電源となる二次電池11なども設けられている。
【0030】
図5は、本実施例の光学情報読取装置1の電気的構成を概略的に示している。前記回路基板には、マイコンを主体として構成され、全体の制御やデコード処理等を行う制御部12が設けられている。この制御部12には、前記操作スイッチ6からの信号が入力されるようになっていると共に、制御部12は、前記二次元受光センサ3や照明部5更にはマーカ光照射部等を制御するようになっており、以て、読取対象Rに記された情報コードの画像の取込み動作を実行するようになっている。また、この制御部12は、前記LED7、液晶表示器8、ブザー9を制御し、通信インタフェイス10を介して外部(管理コンピュータ等)とのデータ通信を実行する。
【0031】
さらに、前記回路基板には、増幅回路13、A/D変換回路14、メモリ15、比較回路16、特定比検出回路17、同期信号発生回路18、アドレス発生回路19などが実装され、これらも前記制御部12により制御されるようになっている。尚、前記メモリ15は画像データを記憶する記憶手段として機能する。また、このメモリ15には、条件設定領域15aが設けられている。
【0032】
これにて、受光センサ3による撮像信号が、増幅回路13にて増幅され、A/D変換回路14にてデジタル信号に変換されて画像データとしてメモリ15に記憶される。またこのとき、比較回路16及び特定比検出回路17にて画像データ中の特定パターンが検出され、情報コードの種類が判別されるようになっている。前記受光センサ3及び特定比検出回路17、アドレス発生回路19には、同期信号発生回路18から同期信号が与えられるようになっている。
【0033】
さて、前記二次元受光センサ3は、全体として数十万画素或いは数百万画素のCCD素子からなる画素を、縦横に配列してなる二次元の受光(撮像)領域を備え、その受光領域の横、縦の比率が4:3のサイズの汎用のものとされている。このとき、図1及び図2に示すように、本実施例では、二次元受光センサ3において、全体の受光領域が上下(縦方向)に2分割された分割受光領域が設定されるようになっている。以下、それら2つの分割受光領域を、上部分割受光領域3a、下部分割受光領域3bと称する。尚、これら各分割受光領域3a、3bは、その横、縦のサイズの比率が、共に、ほぼ8:3(4:1.5)の横長なものとなっている(実際には、上部分割受光領域3aと下部分割受光領域3bとの境界付近の領域に使えない画像データの領域が存在するので、8:3の3の方の値がもっと小さくなる)。
【0034】
これと共に、前記結像光学系4は、図1に示すように、前記二次元受光センサ3の各分割受光領域3a,3bの夫々に対応して、この場合2組の結像光学素子としての結像レンズ20、及び、光路を三次元的(上下方向及び左右(斜め)方向)に折曲げる光路変更手段としての反射鏡21を備えて構成されている。この場合、各組の結像レンズ20及び反射鏡21は、二次元受光センサ3の各分割受光領域3a,3bにおける、それら各結像レンズ20及び反射鏡21を通して撮影対象Rに向く視野が、一部が重なり合いながら横方向に連なって並ぶ(読取りの中心線に対して左右に並ぶ)複数(2つ)の部分撮像領域Va,Vbとされるように構成されている。
【0035】
つまり、図1で左側に位置する結像レンズ20及び反射鏡21が、上部分割受光領域3aに対応しており、図2(a)にも示すように、図で左側に位置する部分撮像領域Vaの画像が、左側の結像レンズ20を通した後、左側の反射鏡21により折曲げられて二次元受光センサ3の上部分割受光領域3aにより受光(撮像)されるようになっている。また、図1で右側に位置する結像レンズ20及び反射鏡21が、下部分割受光領域3bに対応しており、図2(b)にも示すように、図で右側に位置する部分撮像領域Vbの画像が、右側の結像レンズ20を通した後、右側の反射鏡21により折曲げられて二次元受光センサ3の下部分割受光領域3bにより受光(撮像)されるようになっている。
【0036】
このとき、部分撮像領域Va,Vbは、横、縦の比率が共に8:3とされ、それらが一部重なり合った状態で横方向に並ぶことにより、図2(c)にも示すように、全体として横方向に長尺な撮影領域V(視野)が得られるようになっているのである。尚、図1には、各部分撮像領域Va,Vbの中心を夫々点A,Bで示しており、分割受光領域3a,3bの中心を夫々点a、bで示しており、それらを結ぶ光路を夫々符号La,Lbで示している。また、前記本体ケースに設けられる読取口も、その撮影領域V(視野)に対応した横方向に長尺なものとなっている。
【0037】
そして、次の作用説明でも述べるように、本実施例では、前記制御部12は、そのソフトウエア的構成(読取りプログラムの実行)により、シャッタスイッチがオン操作されると、上記のように、読取機構2による撮影対象R(光学情報)の画像取込み(撮像)の動作を実行させる。
【0038】
その後、二次元受光センサ3から出力された画像データから、上部分割受光領域3aにおいて受光された部分撮像領域Vaの画像データと、下部分割受光領域3bにおいて受光された部分撮像領域Vbの画像データとを、重なり合い部分の検出に基づいて連結(合成)し、連結画像(全体の撮影領域Vに対応した画像データ)を得るようになっている。さらに、制御部12は、その連結画像から、画像中に含まれる光学情報のデコード(読取り)処理を行うようになっている。従って、本実施例では、制御部12が、連結画像生成手段及びデコード手段としても機能するようになっている。
【0039】
次に、上記構成の作用について述べる。上記構成の光学情報読取装置1を用いて撮影対象Rに記された光学情報(バーコードBや二次元コードQ)を読取らせるにあたっては、ユーザは、本体ケースの読取口を、撮影対象Rに記された光学情報に近接させるようにし、その状態で、シャッタスイッチをオン操作する。この際、図3(a)に示すように、光学情報がバーコードBである場合には、撮影領域V(視野)がバーコードB全体を横切るように読取口の位置合せを行い、また、図3(b)に示すように、光学情報が横方向に並ぶ複数(図では4個)の二次元コードQである場合には、撮影領域V(視野)内に全ての二次元コードQが入るように読取口の位置合せを行うようにする。
【0040】
図4のフローチャートは、シャッタスイッチがオン操作されたときに、制御部12が実行する光学情報の読取りの処理手順の概略を示している。即ち、シャッタスイッチがオン操作されると、まず、照明部5により照明光がオンされ(ステップS1)、撮影対象Rに照明光が照射される。そして、一定の露光時間を経て(ステップS2)、撮影対象Rからの反射光(光学情報の画像)が二次元受光センサ3により取込まれるようになる(ステップS3)。
【0041】
このとき、上述のように、結像光学系4(2組の結像レンズ20及び反射鏡21)の構成により、全体の撮影領域Vに対し、図1,図2で左側の部分撮像領域Vaの画像が、二次元受光センサ3の上部分割受光領域3aに取込まれ、図1,図2で右側の部分撮像領域Vbの画像が、二次元受光センサ3の下部分割受光領域3bに取込まれるようになる。部分撮像領域Vaの右端部の画像と、部分撮像領域Vbの左端部の画像とは一部重なり合っている。
【0042】
ステップS4では、二次元受光センサ3の撮像した部分撮像領域Va及び部分撮像領域Vaの両画像の特徴点検出に基づいて、重なり合う領域を検出する処理が実行される。次いで、特徴点が重なる位置に両画像の位置関係が設定され(ステップS5)、その位置関係に基づき、一方の画像から重なり画像を削除して2つの画像を連結(合成)することにより、連結画像が生成される(ステップS6)。
【0043】
次のステップS7では、生成された連結画像中に光学情報のコードパターンが含まれているかどうかが判断され、コードパターンが存在する場合には(Yes)、ステップS8にて、連結画像に含まれる光学情報に対するデコード処理が行われ、デコード結果がメモリ15の所定に記憶領域に格納される。尚、連結画像中に光学情報が含まれていない場合には(ステップS7にてNo)、そのまま処理が終了される。
【0044】
上記構成においては、図3(a)に示すような横長なバーコードBを読取る場合でも、バーコード全体が読取り視野内に収まりきらなくなる虞があった従来のものと異なり、読取口を遠ざける必要もなく、全体として横長な撮影領域V(視野)内に容易に収めて読取ることができる。また、図3(b)に示すように、複数個の二次元コードQを、撮影領域V(視野)内に収めて一括して読取ることが可能となる。しかも、二次元受光センサの受光領域のうち上下両側の夫々1/4部分を使用しないことにより横長な視野を得るようにしていた従来のものとも異なり、二次元受光センサ3の受光領域(画素)を有効に利用し、高分解能での光学情報の読取りを行うことができる。
【0045】
このように本実施例によれば、受光領域のサイズの横,縦の比が4:3である一般的な二次元受光センサ3を用いながらも、受光領域を縦方向に2分割し、それら分割受光領域3a,3bに夫々横方向に連なる異なる部分撮像領域Va、Vbの画像を取込むように構成した。これにより、二次元受光センサ3を、単位面積当たりの画素の数(解像度)を維持したままで、横,縦の比がほぼ8:3の受光領域を有する2つの受光センサを横に並べて使用した如き、横長の画像データを得ることが可能となった。さらに、部分撮像領域Va、Vbが一部重なり合っていることにより、各分割受光領域3a,3bの画像データの連結(合成)を容易且つ確実に行うことができるものである。
【0046】
この結果、汎用の二次元受光センサ3を用いたものであっても、その二次元受光センサ3の受光領域を有効に利用することができ、横長なバーコードBの読取りや、複数個の二次元コードQの一括読取りが可能となり、しかも、それら光学情報の読取り(デコード)を高精度(高分解能)で行うことができ、高い読取性能を得ることができるという優れた効果を得ることができる。
【0047】
(2)第2〜第4の実施例
図6ないし図8は、本発明の第2の実施例を示している。この実施例が上記第1の実施例と異なる点は、制御部12のソフトウエア構成にある。従って、上記第1の実施例と同一部分については、新たな図示や詳しい説明を省略し、符号も共通して使用することとする。
【0048】
即ち、図6に示すように、本実施例に係る撮像装置においては、制御部12は、上記第1の実施例と同様に、シャッタスイッチがオン操作されると、読取機構2による撮影対象R(光学情報)の画像取込み(撮像)の動作を実行させ、二次元受光センサ3から出力された画像データから、上部分割受光領域3aにおいて受光された部分撮像領域Vaの画像データと、下部分割受光領域3bにおいて受光された部分撮像領域Vbの画像データとを、重なり合い部分の検出に基づいて連結(合成)し、連結画像(全体の撮影領域Vに対応した画像データ)を得るようになっている(ステップS1〜S6)。
【0049】
そして、本実施例では、制御部12は、連結画像を生成した後、その連結画像が長方形となるように余分な画像部分を除去する処理を実行するようになっている(ステップS9)。従って、本実施例では、制御部12が除去手段として機能するようになっている。また、本実施例では、制御部12は、画像データから光学情報のデコード(読取り)を行う機能を備えておらず、得られた(整形された)連結画像のデータを、メモリ15に記憶するようになっている。この場合、その画像データが通信インタフェイス10を介して例えば外部の管理コンピュータ等に送信され、そこで必要なデコード処理等が行われる。
【0050】
上記した余分な画像部分を除去する処理(ステップS9)は、図7に示すように、例えば、結像光学系4の誤差等に起因して、部分撮像領域Vaと、部分撮像領域Vbとがやや上下にずれているような場合に行われる。図7では、重なり合う領域にハッチングを付して示しており、図7(b)のように、画像データの重なり合う部分に基づいて、画像を連結(合成)した後、図で太線からはみ出た部分を削除することにより、連結された画像データをいわば長方形に整形するものである。
【0051】
この第2の実施例によれば、上記第1の実施例と同様に、例えば横長な撮影対象に関して、汎用の二次元受光センサ3を用いながらも、高分解能の画像データを得ることができ、これに加えて、結像光学系4に多少の誤差があっても、その誤差を吸収することができ、きれいな長方形の画像を得ることができる。また、本実施例の撮像装置は、図8に示すように、デジタルカメラとして利用し、読取機構2により人物や風景等を撮影対象として撮影することができ、いわゆるパノラマサイズ(横長)の画像を高解像度で得ることが可能となる。
【0052】
図9ないし図11は、本発明の第3の実施例を示すものであり、上記第1の実施例と異なる点について、以下述べる。図9は、この第3の実施例における読取機構31の要部を概略的に示している。この読取機構31は、二次元受光センサ32、この二次元受光センサ32上に撮影対象Rの画像を結ぶ結像光学系33、撮影対象Rに対して照明光を照射するための照明部5(図示せず)等から構成されている。
【0053】
前記二次元受光センサ32は、やはり、横、縦の比率が4:3のサイズの受光領域を備える汎用のCCDエリアセンサから構成されている。このとき、図10にも示すように、本実施例では、二次元受光センサ32において、全体の受光領域が上下(縦方向)に3分割された、上部、下部、中段部の分割受光領域32a,32b,32cが設定されるようになっている。これら各分割受光領域32a,32b,32cは、夫々。その横、縦のサイズの比率が、共に、4:1の横長なものとなっている。
【0054】
一方、前記結像光学系33は、図9に示すように、前記二次元受光センサ32の各分割受光領域32a,32b,32cの夫々に対応して、3組の結像光学素子としての結像レンズ34及び光路変更手段としての反射鏡35を備えて構成されている。この場合、図10にも示すように、図で左側に位置する部分撮像領域Vaの画像が、図で左側に位置する結像レンズ34を通した後、図で左側に位置する反射鏡35により折曲げられて二次元受光センサ32の上部分割受光領域32aにより受光(撮像)されるようになっている。
【0055】
また、同様に、図で右側に位置する部分撮像領域Vbの画像が、図で右側に位置する結像レンズ34を通した後、図で右側に位置する反射鏡35により折曲げられて二次元受光センサ32の下部分割受光領域32bにより受光(撮像)される。そして、図で中央に位置する部分撮像領域Vcの画像が、図で中央に位置する結像レンズ34を通した後、図で中央に位置する反射鏡35により折曲げられて二次元受光センサ32の中段部分割受光領域32cにより受光(撮像)される。図9では、それらの光路を符号La、Lb,Lcで示している。
【0056】
このとき、部分撮像領域Va,Vc,Vbは、横、縦の比率が共に4:1とされ、部分撮像領域Va,Vc間のつながり部分及び部分撮像領域Vc,Vb間のつながり部分が、共に一部重なり合った状態で横方向に連なって並ぶことにより、全体として横方向に長尺な撮影領域V(視野)が得られるようになっているのである。この撮影領域Vは、上記第1の実施例における撮影領域Vよりも、横方向に一層細長いものとなっている。
【0057】
そして、制御部12は、読取機構31による撮影対象R(光学情報)の画像取込み(撮像)を実行させ、二次元受光センサ32から出力された画像データから、上部分割受光領域32aにおいて受光された部分撮像領域Vaの画像データと、中段部分割受光領域32cにおいて受光された部分撮像領域Vcの画像データと、下部分割受光領域32bにおいて受光された部分撮像領域Vbの画像データとを、重なり合い部分の検出に基づいて連結(合成)し、連結画像(全体の撮影領域Vに対応した画像データ)を得るようになっている。
【0058】
本実施例においても、上記第1の実施例等と同様に、長尺な撮影対象Rに関して、汎用の二次元受光センサ32を用いながらも、高分解能の画像データを得ることができる。そして、上記の構成においては、図11(a)に示すように、例えばデータ量が比較的多い長大なバーコードBの高分解能での読取りが可能となる。また、図11(b)に示すように、OCR機能による、横書きの文字や記号の読取りに適用した場合には、文字数が多いものでも、一括して高精度で読取りを行うことができる。
【0059】
図12は、本発明の第4の実施例を示している。この第4の実施例では、横長な3つの部分撮像領域Va,Vc,Vbが、一部が重なり合いながら斜め方向に段階的に並ぶように連なり、これらの画像を二次元受光センサ32の各分割受光領域32a,32b,32cにより撮像するように構成され、全体としては斜め方向に長い受光領域Vを実現するようにしている。本発明は、このように複数個の部分撮像領域の組合せを様々な形態に設定でき、各種の応用が可能となる。
【0060】
(3)第5〜第7の実施例
次に、図13〜図16を参照して、本発明の第5〜第7の実施例について順に説明する。尚、以下に述べる第5〜第7の実施例においても、本発明を光学情報読取装置に適用したものであり、従って、上記第1の実施例と同一部分には同一符号を付して、新たな図示や詳しい説明を省略する。
【0061】
図13は本発明の第5の実施例を示している。この第5の実施例が上記第1の実施例と異なる点は、結像光学系41の構成にある。この実施例でも、二次元受光センサ3は、全体の受光領域が上下(縦方向)に2分割された、上部分割受光領域3a及び下部分割受光領域3bが設定されるようになっている。本実施例の結像光学系41は、二次元受光センサ3の前側に配置された2個の結像光学素子としての結像レンズ42a,42bと、仕切板43とを備えて構成されている。尚、前記各結像レンズ42a,42bは、鏡筒内に、1枚又は複数枚(例えば3枚)のレンズを収容して構成されている。
【0062】
前記2個の結像レンズ42a,42bは、二次元受光センサ3の上下部の分割受光領域3a、3bの夫々に対応しており、縦方向(上下)に並んで配設されていると共に、二次元受光センサ3の受光面に対して傾いて配置されている。この場合、上側に配置された結像レンズ42aは、その光軸(中心軸)の先方(手前)側が、側面から見てやや下向き(図13(b)参照)、且つ、上から見て図で右方を向く(図13(a)参照)ように傾斜している。また、下側に配置された結像レンズ42bは、その光軸の先方(手前)側が、側方から見てやや上向き、且つ、上から見て左方を向くように傾斜している。
【0063】
そして、前記仕切板43は、例えばプラスチック製の薄板状(上面から見て台形状)をなし、その表面は、光が反射しないように、つや消しの黒色とされている。この仕切板43は、前記二次元受光センサ3の前部に、各分割受光領域3a、3b間を上下に区切るように配置され、その先端部は、2個の結像レンズ42a,42bを上下に区画する位置まで延びている。
【0064】
これにて、図13(a)に示すように、結像レンズ42a,42bの配置(向き)及び仕切板43から光路変更手段が構成され、二次元受光センサ3の各分割受光領域3a,3bにおける、各結像レンズ42a、42bを通して撮影対象に向く視野が、一部が重なり合いながら横方向に連なって並ぶ複数(2つ)の部分撮像領域Va,Vbとされるように構成されている。
【0065】
つまり、図13(a)で右側に位置する部分撮像領域Vaの画像が、上側の結像レンズ42aを通して二次元受光センサ3の上部分割受光領域3aにより受光(撮像)されるようになっている。また、図13(a)で左側に位置する部分撮像領域Vbの画像が、下側の結像レンズ42bを通して二次元受光センサ3の下部分割受光領域3bにより受光(撮像)されるようになっている。このとき、仕切板43によって、両結像レンズ42a,42b間が光学的に分離され、各分割受光領域3a,3bに対し、他方の結像レンズ42b,42aを通した画像が結像されることがなくなり、目的とする部分撮像領域Va、Vbの画像を、上下部の分割受光領域3a、3bによって夫々撮像させることができるのである。
【0066】
従って、この第5の実施例においても、例えば横長なバーコードBを読取る場合に、読取口を遠ざける必要もなく、全体として横長な撮影領域V(視野)内に容易に収めて読取ることができ、ひいては、二次元受光センサ3の受光領域(画素)を有効に利用し、高分解能での光学情報の読取りを行うことができる。そして、この第5の実施例によれば、結像光学系41を、2個の結像レンズ42a,42bと仕切板43とから構成したので、ミラーやプリズムといった比較的高価な部材を使用せずとも、より簡単な構成で結像光学系41を構成することができるものである。
【0067】
図14は、本発明の第6の実施例を示すものである。この第6の実施例では、結像光学系44の構成が上記第5の実施例と異なっている。本実施例の結像光学系44は、二次元受光センサ3の前側に配置された2個の結像光学素子としての結像レンズ45a,45bと、仕切板46とを備えて構成されている。このとき、2個の結像レンズ45a,45bは、図14(a)に示すように、仕切板46の前端部よりやや前方に位置して、横方向(左右方向)に並び、且つ中心軸を縦方向(上下方向)にずらせて配置されている。
【0068】
この場合、図14(b)にも示すように、図で右側の結像レンズ45aは、その中心軸が、仕切板46の上側に位置し、図で左側の結像レンズ45bは、その中心軸が、仕切板46の下側に位置している。前記仕切板46は、やはり、プラスチック製の台形薄板状(をなし、その表面はつや消しの黒色とされている。この仕切板46は、前記二次元受光センサ3の前部に、各分割受光領域3a、3b間を上下に区切るように配置されている。
【0069】
これにて、図13(a)に示すように、結像レンズ45a,45bの配置及び仕切板46から光路変更手段が構成され、二次元受光センサ3の各分割受光領域3a,3bにおける、各結像レンズ45a,45bを通して撮影対象に向く視野が、一部が重なり合いながら横方向に連なって並ぶ複数(2つ)の部分撮像領域Va,Vbとされる。
【0070】
即ち、図14(a)で右側に位置する部分撮像領域Vaの画像が、右側(上側)の結像レンズ45aを通して二次元受光センサ3の上部分割受光領域3aにより受光(撮像)されるようになっている。また、図14(a)で左側に位置する部分撮像領域Vbの画像が、左側(下側)の結像レンズ45bを通して二次元受光センサ3の下部分割受光領域3bにより受光(撮像)されるようになっている。このとき、仕切板46によって、各分割受光領域3a,3bに対し他方の結像レンズ45b,45aを通した画像が結像されることがなくなり、目的とする部分撮像領域Va、Vbの画像を、上下部の分割受光領域3a、3bによって夫々撮像させることができるのである。
【0071】
従って、この第6の実施例によっても、例えば横長なバーコードBを読取る場合に、読取口を遠ざける必要もなく、全体として横長な撮影領域V(視野)内に容易に収めて読取ることができ、ひいては、二次元受光センサ3の受光領域を有効に利用し、高分解能での光学情報の読取りを行うことができる。そして、結像光学系44を、2個の結像レンズ45a,45bと仕切板46とから構成したので、ミラーやプリズムといった比較的高価な部材を使用せずとも、より簡単な構成で結像光学系44を構成することができる。
【0072】
図15及び図16は、本発明の第7の実施例を示している。この第7の実施例が上記第5の実施例(或いは第6の実施例)と異なる点は、仕切板43を、作用位置と退避位置との間で移動可能に設けると共に、駆動手段としての駆動機構47により該仕切板43を移動させるように構成したところにある。
【0073】
この場合、仕切板43の図で右側部には、作動レバー48が右方に延びて取付けられており、該作動レバー48が図で左右方向(両矢印X方向)にスライド移動可能に支持されている。前記駆動機構47は、図16に示すように、前記作動レバー48の下面に固着されたマグネット49と、そのマグネット49の外側に配置されたコイル50と、そのコイル50に通電するための通電回路(図示せず)などから構成される。尚、コイル50の外周にはヨーク50aが配されている。
【0074】
これにて、駆動機構47は、コイル50に対する通電制御(極性の切替)により、マグネット49を図で左右方向(両矢印X方向)に移動させることに基づき、作動レバー48を介して仕切板43を移動させるようになっている。このとき、仕切板43は、前記結像レンズ42a,42b(図示を省略している)と二次元受光センサ3との間に配置される作用位置と、二次元受光センサ3の前部から図で右方に退避する退避位置との間で移動される(いずれかに選択的に位置される)ようになっている。この仕切板43の移動(位置変更)は、必要に応じて(例えばユーザによるスイッチ操作に基づいて)行われる。
【0075】
これによれば、仕切板43が作用位置に位置しているときには、上記第5の実施例で述べたように、各部分撮像領域Va、Vbの画像を、二次元受光センサ3の上下部の分割受光領域3a、3bによって夫々撮像させることができ、例えば横長のバーコードBなどに対応することができる。これに対し、仕切板43を退避位置に位置させれば、結像レンズ42a,42bと二次元受光センサ3との間に仕切板43が存在しなくなるので、二次元受光センサ3の受光領域全体に、両結像レンズ42a,42bを通した画像が合成された画像が撮像されることになるが、正方形に近い形状の二次元コードQの読取りが可能となる。
【0076】
尚、仕切板43を作用位置と退避位置との間で移動可能に設ければ、駆動機構47を設けなくとも、例えば手動(ユーザによるレバー操作)により、仕切板43を移動させるように構成することもできる。
【0077】
(4)第8〜第10の実施例
次に、図17〜図21を参照して、本発明の第8〜第10の実施例について順に説明する。尚、これら第8〜第10の実施例においても、本発明を光学情報読取装置に適用したものであり、従って、上記第1の実施例と同一部分には同一符号を付して、新たな図示や詳しい説明を省略する。
【0078】
図17及び図18は、本発明の第8の実施例を示すものである。この第8の実施例における結像光学系51は、図17に示すように、二次元受光センサ3の前側に、横方向に並んで配置された2個の結像光学素子としての結像レンズ52a,52bと、それら結像レンズ52a,52bの後ろ側に配置され光路変更手段として機能する一部遮蔽板53とを備えて構成されている。二次元受光センサ3は、全体の受光領域が上下(縦方向)に2分割された、上部分割受光領域3a及び下部分割受光領域3bが設定されるようになっている。
【0079】
図18に示すように、前記一部遮蔽板53は、例えばプラスチック製のやや横長な矩形薄板状をなし、その表面は、光が反射しないように、つや消しの黒色とされている。そして、この一部遮蔽板53には、図で左側上部に位置して、やや横長な矩形状の穴53aが形成されていると共に、図で右側下部に位置して、やや横長な矩形状の穴53bが形成されている。この場合、前記穴53aは、図で左側に位置する結像レンズ52aの視野の上半部に対応しており、穴53bは、図で右側に位置する結像レンズ52bの視野の下半部に対応している。
【0080】
これにて、一部遮蔽板53により、図で左側に位置する結像レンズ52aの視野の下半部が遮蔽されると共に、図で右側に位置する結像レンズ52bの視野の上半部が遮蔽され、夫々穴53a、53b内のみを光が部分的に通される。このとき、図17に示すように、二次元受光センサ3の各分割受光領域3a,3bにおける、各結像レンズ52a、52bを通して撮影対象に向く視野が、一部が重なり合いながら横方向に連なって並ぶ複数(2つ)の部分撮像領域Vb,Vaとされるように構成されている。
【0081】
従って、図17で右側に位置する部分撮像領域Vaの画像が、右側の結像レンズ52b及び穴53bを通して二次元受光センサ3の下部分割受光領域3bに結像され、また、図17で左側に位置する部分撮像領域Vbの画像が、左側の結像レンズ52a及び穴53aを通して二次元受光センサ3の上部分割受光領域3aに結像されるようになっている。このように、目的とする部分撮像領域Vb、Vaの画像を、上下部の分割受光領域3a、3bによって夫々撮像させることができるのである。
【0082】
この第8の実施例においても、上記第5の実施例等と同様に、例えば横長なバーコードBを読取る場合に、読取口を遠ざける必要もなく、全体として横長な撮影領域V(視野)内に容易に収めて読取ることができ、ひいては、二次元受光センサ3の受光領域(画素)を有効に利用し、高分解能での光学情報の読取りを行うことができる。そして、この第8の実施例によれば、結像光学系51を、2個の結像レンズ52a,52bと一部遮蔽板53とから構成したので、ミラーやプリズムといった比較的高価な部材を使用せずとも、より簡単な構成で結像光学系51を構成することができるものである。尚、一部遮蔽板53は、結像レンズ52a,52bの前側に設けられていても良い。
【0083】
図19及び図20は、本発明の第9の実施例における結像光学系54を示すものであり、上記第8の実施例と異なる点は、一部遮蔽板55の構成にある。即ち、この一部遮蔽板55は、表面つや消しの黒色とされたプラスチック製の薄板状をなし、図20に示すように、図で左側に位置する結像レンズ52aの視野の下半部を遮蔽する矩形状部分と、図で右側に位置する結像レンズ52bの視野の上半部を遮蔽する矩形状部分とを一体的に連結した如き形状をなしている。このとき、図19に示すように、二次元受光センサ3の各分割受光領域3a,3bにおける、各結像レンズ52a、52bを通して撮影対象に向く視野が、一部が重なり合いながら横方向に連なって並ぶ複数(2つ)の部分撮像領域Vb,Vaとされるように構成されている。
【0084】
これにて、やはり、一部遮蔽板55により、結像レンズ52a,52bの光が部分的に通され、図19で右側に位置する部分撮像領域Vaの画像が、右側の結像レンズ52bを通して二次元受光センサ3の下部分割受光領域3bに結像され、また、図19で左側に位置する部分撮像領域Vbの画像が、左側の結像レンズ52aを通して二次元受光センサ3の上部分割受光領域3aに結像されるようになっている。
【0085】
従って、この第9の実施例によっても、上記第8の実施例と同様に、例えば横長なバーコードBを読取る場合に、二次元受光センサ3の受光領域(画素)を有効に利用し、高分解能での光学情報の読取りを行うことができ、しかも、結像光学系54を、2個の結像レンズ52a,52bと一部遮蔽板55とから構成したので、ミラーやプリズムといった比較的高価な部材を使用せずとも、簡単な構成で済ませることができる。尚、上記した一部遮蔽板53、55は、結像レンズ52a,52bの前側に設けられていても良く、同様の作用・効果を得ることができる。
【0086】
図21は、本発明の第10の実施例を示すものである。この第10の実施例では、上記第9の実施例における一部遮蔽板55を、作用位置と退避位置との間で移動可能に設けると共に、駆動手段としての駆動機構56により該一部遮蔽板55を移動させるようにしている。
【0087】
このとき、一部遮蔽板55には、作動レバー57が右方に延びて取付けられており、左右方向(両矢印X方向)にスライド移動可能に支持されている。そして、前記駆動機構56も、上記第7の実施例と同様に、前記作動レバー57の下面に固着されたマグネット58、そのマグネット58の外側に配置されたコイル59、コイル59の外周のヨーク59a、コイル59に通電するための通電回路(図示せず)などから構成される。この場合も、一部遮蔽板55は、結像レンズ52a、52b(図示を省略している)と二次元受光センサ3との間に配置される作用位置と、二次元受光センサ3の前部から図で右方に退避する退避位置との間で移動される(いずれかに選択的に位置される)ようになっている。
【0088】
これにより、一部遮蔽板55を作用位置に位置させることにより、例えば横長のバーコードBなどに対応させることができ、一部遮蔽板55を退避位置に位置させることにより、二次元受光センサ3の受光領域全体に、両結像レンズ52a,52bを通した画像が合成された画像が撮像されることになるが、正方形に近い形状の二次元コードQの読取りが可能となる。
【0089】
(5)第11、第12の実施例、その他の実施例
図22〜図24は、本発明の第11の実施例を示すものである。この第11の実施例が上記第1の実施例等と異なる点は、結像光学系の構成にある。本実施例の結像光学系は、各分割受光領域3a,3bに対応した結像光学素子としてのプラスチック製の結像レンズ61を複数個この場合2個備えて構成されているのであるが、これら2個の結像レンズ61,61が、一体成形により連結されたレンズ連結体62として構成されている。
【0090】
また、詳しく図示はしないが、本実施例では、光学情報を読取る際に、撮影対象Rに対し読取り位置(読取り範囲)を示すためのマーカ光を照射するマーカ光照射手段たるマーカ光照射部を備えている。このマーカ光照射部は、例えばレーザダイオードやLEDからなる光源と、その光を集光してスポット光とするためのマーカ用レンズ63(或いは回折格子)を備えている。そして、本実施例では、このマーカ用レンズ63をも、前記レンズ連結体62に一体に設けられている。
【0091】
即ち、図22に示すように、前記レンズ連結体62は、全体として矩形板状をなし、図で左右に位置する2個の結像レンズ61,61と、中央部のそれら結像レンズ61,61の上側に位置するマーカ用レンズ63とを、外形が矩形状をなし厚み(前後)方向に薄い板状のつなぎ部62aでつないだ如き形状をなしている。また、レンズ連結体62(つなぎ部62a)の対角となる2箇所の角部には、径小な取付穴62bが形成されている。このレンズ連結体62は、上記のように、全体がプラスチックの一体成形により製造されている。
【0092】
そして、本実施例では、上記レンズ連結体62に対し、その前面側に、前記つなぎ部62aを覆うための遮光用カバー64が取付けられるようになっている。図23に示すように、この遮光用カバー64は、つや消しの黒色をなるプラスチックの薄板から構成され、全体として、レンズ連結体62の外形に対応した矩形状をなしている。そして、この遮光用カバー64には、前記2個の結像レンズ61,61及びマーカ用レンズ63に対応した3個の円形開口部64aが形成されている。さらに、この遮光用カバー64の裏面側には、前記2個の取付穴62bに対応した2個の取付ピン64bが設けられている。
【0093】
これにて、図24に示すように、遮光用カバー64は、2個の取付ピン64bを、夫々レンズ連結体62の取付穴62bに差込むようにして、レンズ連結体62の前面に装着される。これにより、各結像レンズ61及びマーカ用レンズ63部分が光学的に独立する形態となり、例えば一方の結像レンズ61を通る光が他方の結像レンズ61の光線の邪魔をするといったことがなくなるのである。
【0094】
このような第11の実施例によれば、複数個の結像レンズ61がレンズ連結体62として一体化されているので、部品数が低減されて構成が簡単となり、省スペース化、組付け作業の簡単化を図ることができる。しかも、マーカ光照射部を備えたものにあって、マーカ用レンズ63をもレンズ連結体62に一体に設けるようにしたので、より一層の構成の簡単化を図ることができる。
【0095】
図25は、本発明の第12の実施例を示すものであり、上記第11の実施例と異なるところは、遮光用カバー65を、レンズ連結体62に対し二色成形により一体に形成するようにした点にある。遮光用カバー65は、例えば黒色をなし、レンズ連結体62のつなぎ部62aの前面を覆う薄肉状に形成されている。この場合、例えば、透明ブラスチック材料によりレンズ連結体62全体が成型され、この後、黒色顔料を含んだプラスチック材料により、つなぎ部62aの前面に遮光用カバー65が一体的に成型される。この第12の実施例によれば、より一層の部品数の低減による構成の簡単化を図ることができる。
【0096】
尚、上記第11及び第12の実施例では、レンズ連結体62にマーカ用レンズ63をも一体成形するようにしたが、必ずしもマーカ用レンズ63を一体化する必要はなく、少なくとも複数の結像レンズを一体化したレンズ連結体とすることにより、構成の簡単化を図ることができる。また、上記第11及び第12の実施例では、遮光用カバー64、65を、レンズ連結体62の前面に設けるようにしたが、後面側に設けるようにしても良い。或いは、遮光用カバー64、65を省略し、その代わりに、レンズ連結体62の後ろ側に第5〜第7の実施例で示したような仕切板を設けるようにしても良い。
【0097】
その他、本発明は上記し且つ図面に示した各実施例に限定されるものではなく、以下のような拡張、変更が可能である。
即ち、上記各実施例では、各分割受光領域における画像データを連結(合成)して連結画像を生成するように構成したが、撮像装置側では、連結処理を行う前の状態で画像データを記憶しておき、その画像データを例えば外部のパソコン等に送信して画像データの連結の処理を行う構成としても良い。つまり、連結画像生成手段を、撮像装置自体が備えていなくとも、外部に設ける構成とすることができる。
【0098】
そして、上記第1の実施例では、連結画像を生成した後に光学情報のデコードの処理を行うように構成したが、各分割受光領域毎に、その画像データから光学情報の明暗パターンを抽出し、それら明暗パターンを重なり合い部分に基づいてつなぎ合せて一つの光学情報の明暗パターンとみなし、その明暗パターンに対してデコードの処理を行うように構成しても良い。
【0099】
さらに、本発明においては、結像光学系をユニット化し、本体ケースに対して着脱(交換)可能に組付けるようにし、上記した横長(パノラマ)サイズの撮影領域(視野)を得るための結像光学系のユニットと、横縦の比が4:3の通常サイズの撮影領域(視野)を得るための結像光学系のユニットとを、手動又は自動で交換できるように構成しても良い。これによれば、撮影領域(視野)を、ユーザの希望により、パノラマサイズと通常サイズとの間で切替えることが可能となる。
【0100】
また、光学情報を読取る際に撮影対象Rに対し読取り位置(撮像位置)を示すためのマーカ光を照射するマーカ光照射部を設ける場合には、マーカ光照射部を、例えばLEDを光源として2点のスポット光を照射することにより、横長な撮影領域V(視野)の左右両端部を示すように構成することもできる。マーカ光の形状等については種々の変形が可能である。
【0101】
他にも、例えば本発明の撮像装置は、上記した光学情報読取装置やデジタルカメラに限らず、携帯電話機などにも適用することができる。また、全体のハードウエア構成としても、様々な変更が可能であり、例えば、光路変更手段としては、複数のミラーを組合せたり或いはプリズム等を用いたりすることもでき、二次元受光センサとしては、CMOS型のものであっても良い等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、読取機構部分の構成を概略的に示す正面図(a)及び側面図(b)
【図2】分割受光領域と部分撮像領域との対応関係を示す図
【図3】光学情報を読取る場合の具体例を示す図
【図4】制御部が実行する光学情報の読取りの処理手順を示すフローチャート
【図5】光学情報読取装置の電気的構成を概略的に示すブロック図
【図6】本発明の第2の実施例を示すもので、撮像処理の手順を示すフローチャート
【図7】余分な画像部分を除去する様子を示す図
【図8】パノラマサイズの風景を撮像する様子を示す図
【図9】本発明の第3の実施例を示すもので、図1(a)相当図
【図10】図2(c)相当図
【図11】光学情報を読取る場合の具体例を示す図
【図12】本発明の第4の実施例を示す図2(c)相当図
【図13】本発明の第5の実施例を示すもので、結像光学系の構成を模式的に示す正面図(a)及び側面図(b)
【図14】本発明の第6の実施例を示す図13相当図
【図15】本発明の第7の実施例を示すもので、仕切板部分の模式的な平面図
【図16】駆動機構部分を概略的に示す縦断正面図
【図17】本発明の第8の実施例を示すもので、結像光学系の構成を模式的に示す正面図
【図18】一部遮蔽板の正面図
【図19】本発明の第9の実施例を示す図17相当図
【図20】図18相当図
【図21】本発明の第10の実施例を示すもので、一部遮蔽板の駆動機構部分を概略的に示す縦断正面図
【図22】本発明の第11の実施例を示すもので、レンズ連結体の正面図(a)及び側面図(b)
【図23】遮光用カバーの正面図(a)及び側面図(b)
【図24】レンズ連結体に遮光用カバーを取付けた状態の正面図(a)及び側面図(b)
【図25】本発明の第12の実施例を示すもので、レンズ連結体の正面図(a)及び側面図(b)
【符号の説明】
【0103】
図面中、1は光学情報読取装置(撮像装置)、2,31は読取機構、3,32は二次元受光センサ、3a,3b,32a,32b,32cは分割受光領域、4,33,41,44,51,54は結像光学系、5は照明部、12は制御部(デコード手段、連結画像生成手段、除去手段)、15はメモリ(記憶手段)、20,34,42a,42b、45a,45b,52a,52b,61は結像レンズ(結像光学素子)、21,35は反射鏡(光路変更手段)、43,46は仕切板、47,56は駆動機構(駆動手段)、53,55は一部遮蔽板、62はレンズ連結体、63はマーカ用レンズ、64,65は遮光用カバー、Rは撮影対象、Vは撮影領域、Va,Vb,Vcは部分撮像領域、Bはバーコード(光学情報)、Qは二次元コード(光学情報)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元受光センサと、
この二次元受光センサ上に撮影対象の画像を結ぶ結像光学系と、
前記二次元受光センサから出力された画像データを記憶する記憶手段とを具備してなる撮像装置であって、
前記二次元受光センサには、全体の受光領域が分割された複数の分割受光領域が設定されると共に、
前記結像光学系は、前記複数の分割受光領域の夫々に対応して、結像光学素子及び光路変更手段を備え、
前記二次元受光センサの各分割受光領域における、前記各結像光学素子及び光路変更手段を通して撮影対象に向く視野が、一部が重なり合いながら連なって並ぶ複数の部分撮像領域とされるように構成されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記二次元受光センサの分割受光領域は、縦方向に分割されるように構成されていると共に、前記複数の部分撮像領域は、横方向に連なるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記二次元受光センサの分割受光領域の夫々に対応する画像データを、前記重なり合い部分に基づいて連結して連結画像を生成する連結画像生成手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記連結画像生成手段により生成された連結画像が長方形となるように余分な画像部分を除去する除去手段を備えることを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記複数の部分撮像領域に含まれるバーコードや二次元コード等の光学情報をデコードするデコード手段を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
前記デコード手段は、前記各分割受光領域の画像データに含まれる光学情報の部分画像を二値化して明暗パターンを生成し、それら各明暗パターンを前記重なり合い部分に相当する明暗パターン部分に基づいて重ね合わせ、1つの光学情報の明暗パターンと見なしてデコードを行うことを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【請求項7】
前記デコード手段は、前記各分割受光領域の画像データを前記重なり合い部分に基づいて連結した連結画像に含まれる光学情報に対してデコードを行うことを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【請求項8】
前記結像光学系は、前記二次元受光センサの複数の分割受光領域の夫々に対応して、縦方向に並び且つ該二次元受光センサの受光面に対して傾いて配置された複数の結像光学素子を備えると共に、それら結像光学素子と前記二次元受光センサとの間に、前記各分割受光領域間を区切るように配置された仕切板を備えて構成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項9】
前記結像光学系は、前記二次元受光センサの複数の分割受光領域の夫々に対応して、横方向に並び且つ中心軸を縦方向にずらせて配置された複数の結像光学素子を備えると共に、それら結像光学素子と前記二次元受光センサとの間に、前記各分割受光領域間を区切るように配置された仕切板を備えて構成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項10】
前記仕切板は、前記結像光学素子と二次元受光センサとの間に配置される作用位置と、その位置から退避する退避位置との間で移動可能に設けられていることを特徴とする請求項8又は9記載の撮像装置。
【請求項11】
前記仕切板を、前記作用位置と退避位置との間で移動させるための駆動手段を備えることを特徴とする請求項10記載の撮像装置。
【請求項12】
前記結像光学系は、前記二次元受光センサの複数の分割受光領域の夫々に対応して、横方向に並んで配置された複数の結像光学素子を備えると共に、それら結像光学素子の前部又は後部に、各結像光学素子毎にその視野の一部を遮蔽して光を部分的に通すことにより、前記各分割受光領域に結像させるための一部遮蔽板を備えて構成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項13】
前記一部遮蔽板は、前記結像光学素子の前部又は後部に配置される作用位置と、その位置から退避する退避位置との間で移動可能に設けられていることを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
【請求項14】
前記一部遮蔽板を、前記作用位置と退避位置との間で移動させるための駆動手段を備えることを特徴とする請求項13記載の撮像装置。
【請求項15】
前記結像光学系は、結像光学素子としてのプラスチック製の結像レンズを複数個備え、それら複数個の結像レンズが、一体成形により連結されたレンズ連結体として構成されていることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項16】
撮影対象に対して撮像位置を示すためのマーカ光を照射するマーカ光照射手段を備えるものであって、前記マーカ光照射手段を構成するレンズ又は回折格子が、前記レンズ連結体に一体に設けられていることを特徴とする請求項15記載の撮像装置。
【請求項17】
前記レンズ連結体は、前記結像レンズ間をつないでいる部分を覆うための遮光用カバーを備えることを特徴とする請求項14又は15記載の撮像装置。
【請求項18】
前記遮光用カバーは、前記レンズ連結体に対し二色成形により一体に形成されていることを特徴とする請求項17記載の撮像装置。
【請求項1】
二次元受光センサと、
この二次元受光センサ上に撮影対象の画像を結ぶ結像光学系と、
前記二次元受光センサから出力された画像データを記憶する記憶手段とを具備してなる撮像装置であって、
前記二次元受光センサには、全体の受光領域が分割された複数の分割受光領域が設定されると共に、
前記結像光学系は、前記複数の分割受光領域の夫々に対応して、結像光学素子及び光路変更手段を備え、
前記二次元受光センサの各分割受光領域における、前記各結像光学素子及び光路変更手段を通して撮影対象に向く視野が、一部が重なり合いながら連なって並ぶ複数の部分撮像領域とされるように構成されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記二次元受光センサの分割受光領域は、縦方向に分割されるように構成されていると共に、前記複数の部分撮像領域は、横方向に連なるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記二次元受光センサの分割受光領域の夫々に対応する画像データを、前記重なり合い部分に基づいて連結して連結画像を生成する連結画像生成手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記連結画像生成手段により生成された連結画像が長方形となるように余分な画像部分を除去する除去手段を備えることを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記複数の部分撮像領域に含まれるバーコードや二次元コード等の光学情報をデコードするデコード手段を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
前記デコード手段は、前記各分割受光領域の画像データに含まれる光学情報の部分画像を二値化して明暗パターンを生成し、それら各明暗パターンを前記重なり合い部分に相当する明暗パターン部分に基づいて重ね合わせ、1つの光学情報の明暗パターンと見なしてデコードを行うことを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【請求項7】
前記デコード手段は、前記各分割受光領域の画像データを前記重なり合い部分に基づいて連結した連結画像に含まれる光学情報に対してデコードを行うことを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【請求項8】
前記結像光学系は、前記二次元受光センサの複数の分割受光領域の夫々に対応して、縦方向に並び且つ該二次元受光センサの受光面に対して傾いて配置された複数の結像光学素子を備えると共に、それら結像光学素子と前記二次元受光センサとの間に、前記各分割受光領域間を区切るように配置された仕切板を備えて構成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項9】
前記結像光学系は、前記二次元受光センサの複数の分割受光領域の夫々に対応して、横方向に並び且つ中心軸を縦方向にずらせて配置された複数の結像光学素子を備えると共に、それら結像光学素子と前記二次元受光センサとの間に、前記各分割受光領域間を区切るように配置された仕切板を備えて構成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項10】
前記仕切板は、前記結像光学素子と二次元受光センサとの間に配置される作用位置と、その位置から退避する退避位置との間で移動可能に設けられていることを特徴とする請求項8又は9記載の撮像装置。
【請求項11】
前記仕切板を、前記作用位置と退避位置との間で移動させるための駆動手段を備えることを特徴とする請求項10記載の撮像装置。
【請求項12】
前記結像光学系は、前記二次元受光センサの複数の分割受光領域の夫々に対応して、横方向に並んで配置された複数の結像光学素子を備えると共に、それら結像光学素子の前部又は後部に、各結像光学素子毎にその視野の一部を遮蔽して光を部分的に通すことにより、前記各分割受光領域に結像させるための一部遮蔽板を備えて構成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項13】
前記一部遮蔽板は、前記結像光学素子の前部又は後部に配置される作用位置と、その位置から退避する退避位置との間で移動可能に設けられていることを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
【請求項14】
前記一部遮蔽板を、前記作用位置と退避位置との間で移動させるための駆動手段を備えることを特徴とする請求項13記載の撮像装置。
【請求項15】
前記結像光学系は、結像光学素子としてのプラスチック製の結像レンズを複数個備え、それら複数個の結像レンズが、一体成形により連結されたレンズ連結体として構成されていることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項16】
撮影対象に対して撮像位置を示すためのマーカ光を照射するマーカ光照射手段を備えるものであって、前記マーカ光照射手段を構成するレンズ又は回折格子が、前記レンズ連結体に一体に設けられていることを特徴とする請求項15記載の撮像装置。
【請求項17】
前記レンズ連結体は、前記結像レンズ間をつないでいる部分を覆うための遮光用カバーを備えることを特徴とする請求項14又は15記載の撮像装置。
【請求項18】
前記遮光用カバーは、前記レンズ連結体に対し二色成形により一体に形成されていることを特徴とする請求項17記載の撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2007−133851(P2007−133851A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−109809(P2006−109809)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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