撮影装置、画像処理装置、撮影システム、放射線撮影装置および画像処理方法
【課題】FPD上でアナログ的に隣接画素加算する場合に、アナログ演算の非線形性により加算画素数に応じたゲイン値が得られず、入射X線量の算定が容易ではない。
【解決手段】
撮像装置は、放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器を有し、この検出器により得られる放射線の強度分布に対応するアナログ電気信号をアナログ加算する。撮像装置は、加算された信号数に対して非線形な出力を示すアナログ加算により得られた電気信号を、加算された数に対して線形となるように補正するための補正情報を取得し、アナログ加算により得られた電気信号を上記取得した補正情報により補正する。
【解決手段】
撮像装置は、放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器を有し、この検出器により得られる放射線の強度分布に対応するアナログ電気信号をアナログ加算する。撮像装置は、加算された信号数に対して非線形な出力を示すアナログ加算により得られた電気信号を、加算された数に対して線形となるように補正するための補正情報を取得し、アナログ加算により得られた電気信号を上記取得した補正情報により補正する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放射線強度分布を画像化する技術に関するものであり、さらに詳しくは医療用放射線画像撮影装に好適な撮影装置、画像処理装置、撮影システム、放射線撮影装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人体内部を非侵襲に観察し、医療診断に用いる最も一般的な手法として、人体を透過したX線の透過率分布を直接画像化することが挙げられる。その画像化の方法としては、
・蛍光体へ到達したX線に起因する蛍光分布を銀塩フィルムで画像化する旧来の方法、
・蛍光による光電子を光電子増倍管により増幅しTVカメラで映像化する方法、
・X線強度分布が輝尽性蛍光体上につくる潜像情報をレーザ光線により励起して読み取り、顕像化する方法、
・固体撮像素子で構成されたフラットパネルディテクタ(以下、FPD)を用いて、蛍光もしくはX線照射により半導体層もしくは重金属中に発生した自由電子の空間分布を画像化する方法、
などが挙げられる。
【0003】
特に、最近では、半導体技術の進歩により、人体の全体を包含できるような大規模なFPDも開発されており、医療分野でもFPDを利用した放射線画像の取得が浸透しつつある。
【0004】
FPDにおいては、上記蛍光を光電変換して得られた電荷もしくは上記自由電子を高電位下において収集した電荷を、受像面にマトリックス状に分布した画素に対応するキャパシタ内に一旦蓄積する。その後、薄膜上に形成されたスイッチング用トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)を順次通電状態にする(走査する)ことにより1次元データの集まりとして画像情報を取り出す。
【0005】
図6は、上述したFPDの動作をより具体的に説明するための図である。図6において、FPD100は、M×N個のマトリックス状に分布する画素要素101を有する。より具体的には、画素要素101は、図7(A)で表されるように、蓄積用のCxの容量を持つキャパシタ201とTFT202で構成される。キャパシタ201へは、不図示の光電変換素子から受光量に応じた電荷が蓄積される。光電変換素子は、例えば、X線に起因する蛍光体からの蛍光を電気信号に変換するフォトダイオードで構成される。或は、半導体層などが飛来するX線エネルギー粒子を捕捉した場合に発生する自由電子を高電位下において収集することにより得られた電荷を、キャパシタ201へ蓄積する構成も提案されている。
【0006】
図6において、機能要素103は出力保持用のユニットであり、マトリックス状に並ぶ画素要素101の1ライン分の画素要素101の数(図6ではM個)だけ設けられている。機能要素103は、具体的には図7(B)で表されるように、Coの容量を持つ出力保持用キャパシタ204と信号リセット用のトランジスタ203を持つユニットである。
【0007】
図6において、副走査選択制御回路102は、マトリックス状に並ぶ画素要素101の1ライン分を同時に選択するための選択制御信号1〜Nを順次選択出力する。図9は、副走査選択制御回路102による選択制御信号1〜Nの信号出力タイミングを説明するための図である。t1〜t2のタイミングでは選択制御信号1のみがON状態であり、図6の1行目のデータ(1行目のM個の画素要素からの信号)のみが機能ユニット103へ転送される。同様に、t3〜t4のタイミングでは選択制御信号2のみがON状態になり、図6の2行目のデータのみが機能ユニット103へ転送される。このような制御をN回繰り返すことにより、M×N個の画素要素からの信号が得られることになる。
【0008】
図9において、選択制御信号がON状態に保持される時間(例えば、t2−t1)は、少なくとも、図7(A)及び(B)のキャパシタCxとCoがTFT202の導通抵抗および信号線抵抗を通して実質的な並列接続となり、十分な平衡状態になるのに要する時間である。
【0009】
ある画素要素101に蓄積された電荷をQ1とすると、出力される電圧V1は、
【数1】
となる。別の画素要素101の蓄積電荷をQ2とすると、出力される電圧V2は、
【数2】
となる。
【0010】
ここで、一般に画素上のキャパシタの容量は微小であり、Cx≪Coとなる。このため、上記の式(1)及び式(2)は夫々以下の式(3)、式(4)で表される。
【数3】
【数4】
【0011】
図6に戻って、アナログマルチプレクサ回路104は、1ライン分が同時に出力され、出力保持用のM個の機能要素103で保持されたM個の電位信号を画像出力信号106として順次出力する。主走査選択制御回路105により、機能要素103からの各入力値が順次選択され、信号線106上に出力される。従って、信号線106からは、画像情報として、1次元のアナログ信号(ビデオ信号)が出力される。なお、主走査方向にアナログ加算する場合には、信号106をアナログ積分器107に入力し、加算すべき画素数ごとの出力タイミングで不図示のリセット手段にてアナログ積分器107をリセットする。このリセット直前のアナログ積分器107の出力を用いれば、主走査方向のアナログ加算結果が得られることになる。但し、以後では、主走査方向のアナログ加算を行わない出力106を用いて説明する。
【0012】
更に、アナログマルチプレクサ回路104から出力された信号がデジタル画像データとしてメモリに格納されるまでの処理を図8で説明する。FPD100は図6で説明したとおりの構成を有する。FPD100から信号線106に出力されたビデオ信号は、アナログ/デジタル変換回路108(A/D変換)によってデジタル値に変換され、メモリ109にデジタル画像として保存される。以上のようにして、M×N個のマトリックス状に並ぶ画素の電位情報がデジタル画像としてメモリ内に保存される。
【0013】
次に、上記FPD100における画素加算モードでの動作を説明する。例えば画素加算数が2の場合、図10に示すように2ラインを同時に選択するように副走査選択制御回路102を駆動する。即ち、1つのタイミングで1つの選択制御信号をONしていた上記動作(図9)から、図10に示されるように、1つのタイミングで2の選択制御信号をONする動作へ切り替える。この場合、2つの画素要素101が電気的に接続されることになる。よって、例えばある画素の電荷がQ1であり、接続される画素の電荷がQ2である場合、出力電圧V12は式(5)のようになる。
【数5】
【0014】
ここで、Cx ≪ Coである条件があると、
【数6】
となり、式(3),式(4)と比較すると、電気的接続により出力電位が加算されていることがわかる。
【0015】
また、図7(B)の出力保持回路として、図11に示すような演算増幅器205を用いた十分に入力インピーダンスの高い積分回路を構成することにより、式(3)、(4)、(6)をより正確に用いることが可能である。
【0016】
尚、上記の構成は2ライン同時選択のみならず、3ライン、4ライン同時選択を行うことにより、夫々2画素、3画素が加算された画素信号が得られる。利用されるアプリケーションによっては、空間分解能を犠牲にしてでも画像データを高速に得たい場合がある。このような場合において、上述した、画素をアナログ的に加算する機能(画素加算モード)を利用することができる。
【0017】
尚、主走査方向は、マルチプレクサの出力を順次アナログ的に加算しても良いし、一旦メモリ上に取り込んだ後にデジタル演算により加算平均することも可能であり、この走査により、加算された画素の形状を正方形に保つことができる。このように、アナログ的に隣接画素情報を加算する技術は特許文献1にも述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開平9−21879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかし、FPDを用いる操作者の立場としては、複数のラインをアナログ的に加算(ライン加算という)した場合と加算しなかった場合において、一定のX線量に対しては加算画素数にかかわらず一定値の出力情報を得ることが望まれる。しかし、半導体製品であるFPDの各容量成分およびTFTの特性などは、正確に制御し難く、アナログ的に加算した場合の電圧値は、必ずしも加算数だけの倍率にはならず、出力電圧もしくはデジタル値を加算数で割っても一定の値にはならない。このことは、多くのラインを加算することにより式(5)のCxが無視できなくなる現象であるともいえる。
【0020】
図12は、2つの異なるFPDにおける画素加算数と画素出力値のグラフを描いたものであり、横軸はライン加算数(ライン加算された画素の数)、縦軸は平均的な出力電圧を示す。図12においてAで示すラインはある1つのFPDの代表的な画素の出力電圧の特性であり、Bで示すラインは別のFPDの代表的な画素の出力電圧の特性である。また、Cで示される直線は、希望される加算数に比例した理想的な特性を示す。
【0021】
図12から明白なように、特徴としては以下の2点がある。
1)加算数が増加するにしたがって希望される直線から離れて行く
2)FPDによって特性が異なる。
【0022】
以上のようなことから鑑みて、従来のごとく単純に加算した画素値を用いていたのでは、ライン加算を行った場合の特性のばらつきにより安定した特性が得られない。即ち、ユーザは、画素加算数を意識をしてはおらず、一定のX線量を照射した場合に出力も一定になることを期待しているが、実際には画素加算数でライン加算を行った画素値を割っても正確な画素値を求めることはできない。したがって、ライン加算によって得られた画像情報から入射X線量の算定を精度良く行うことは、非常に困難であるという問題がある。
【0023】
このような課題を解決する一法として、全ての画素値を加算しない状態でデジタル的に取り込み、計算により加算画素を形成することが考えられる。しかしながら、デジタルでの転送量が大幅に増えることになるので、画素を加算してデータ量を減らすというメリットを十分に活かした解決法とは言えない。即ち、FPD上でアナログ的に隣接画素加算する場合に、アナログ演算の非線形性により加算画素数に応じたゲイン値が得られず、入射X線量の算定が容易ではない。
【0024】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、画素加算モードで得られた撮影画像における入射放射線量を正確に算定可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記の目的を達成するための本発明による撮影装置は、たとえば、以下の構成を有する。すなわち、
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器と、
該検出器により得られる放射線の強度分布に対応するアナログ電気信号をアナログ加算するアナログ加算手段と、
前記加算された信号数に対して非線形な出力を示す前記アナログ加算により得られた電気信号を、前記加算された数に対して線形となるように補正するための補正情報を取得する取得手段と、
前記アナログ加算により得られた電気信号を前記補正情報により補正する補正手段と、を有する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、画素加算モードで得られた撮影画像における入射放射線量を正確に算定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1実施形態による放射線撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態によるキャリブレーション処理を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態による撮影処理を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態による放射線撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図5】第3実施形態によるキャリブレーション処理を示すフローチャートである。
【図6】一般的なFPDの構成を説明するブロック図である。
【図7】FPDの画素内の構成を説明するブロック図である。
【図8】FPD出力をデジタル変換してメモリへ格納するブロック図である。
【図9】隣接画素加算を行わないときのタイミングチャートである。
【図10】隣接画素加算を行うときのタイミングチャートである。
【図11】隣接画素加算を演算増幅器で行う時の構成図である。
【図12】アナログ的な隣接画素加算数と平均値の関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0029】
<第1実施形態>
FPDでのX線撮像に不可欠な補正に画素毎のゲイン補正がある。FPDは半導体製品であるため、画素ごとの容量成分などの正確な制御が製造上困難であり、一般に画素毎のゲイン値が大きくばらつく。ゲイン補正は、そのようなゲイン値のばらつきを補正するものである。通常、キャリブレーションと呼ばれる操作によって、被写体のない状態でX線分布を撮像した画像データ(以下、白画像)を取得し、その白画像と実際の被写体がある状態での撮像画像の画素毎の比率を計算することにより、ゲインのばらつきをなくす。
【0030】
以下の実施形態では、このキャリブレーション操作を応用することにより、ライン加算を行った場合と行っていない場合とで画素値が一定となるような補正を可能とする。まずアナログ的に隣接画素が加算されるモードが選択できるFPDにおいて設定できる全ての画素加算モード(以下の例では2×2画素、3×3画素、4×4画素加算モード)において、キャリブレーション操作におけるX線量をすべて同じに設定する。そして、夫々の白画像データの全部もしくは一部分の平均値を記憶する。X線撮影においてゲイン補正を行う際には、被写体の無い状態で撮影されたX線分布画像データとの画素毎の比率計算を行った後、画素加算を行わなかった場合と画素加算を行った場合の画素値が一定になるように、上記平均値を用いた補正を行う。以下、詳細に説明する。
【0031】
図1は、第1実施形態によるX線撮影装置の構成を示すブロック図である。図1において、X線発生源1は、破線の矢印の方向へX線を放射する。FPD3は、X線発生源1から放射され、被写体2を透過したX線の強度分布を画像化する。本実施形態において、被写体2として人体を適用することが可能であり、本実施形態のX線撮影装置は医療画像撮影用として用いることができる。撮影コントローラ4は、X線発生源1及びFPD3を制御し、X線発生源1によるX線発生とFPD3の動作を同期させる。
【0032】
本実施形態においてFPDは4つの画素加算モードをもつ。モード1は、画素加算をしないモードとする。モード2は横2画素/縦2画素、即ち合計4画素をアナログ加算するモード、モード3は横3画素/縦3画素、即ち合計9画素をアナログ加算するモード、モード4は横4画素/縦4画素、即ち合計16画素をアナログ加算するモードである。尚、上述したように主走査方向に関してはデジタル化した後に加算する構成としてもよい。これらのモードにおける動作は主コントローラ18によって制御される。主コントローラ18は不図示のCPU、ROMを具備し、ROMに格納された制御プログラムをCPUが実行することにより各種制御を実現する。
【0033】
A/D変換部5は、FPD3からのアナログ出力を順次デジタル値に変換する(アナログ−デジタル変換)する。フレームメモリ6は、A/D変換部5によりA/D変換されて得られたデジタル画像を一時的に記憶する。
【0034】
メモリ8は、X線を放射しない状態での画像出力値(以下、ダーク画像と称する)を保存しておくためのメモリである。切替スイッチ7をB側に切り替え、X線放射のない状態でFPD3から画像を取得することにより、メモリ8にダーク画像が保存される。FPD3は画素ごとに固有のオフセット出力があり、ダーク画像は各画素の固有のオフセット値を表す。そして、実際の被写体画像を取得した際に、予め取得され、メモリ8に保持されているダーク画像を差し引くことで、オフセット補正を行う。このオフセット補正のための減算は減算器9で行われる。
【0035】
対数参照テーブル10(以下、対数ルックアップテーブル又は対数LUT)は、後段のゲイン補正を行うために、オフセット補正された画像データに対数変換を施す。セレクタ11は、対数LUT10により対数変換された画像データの出力先を選択する。出力先の選択は、主コントローラ18によって制御される。キャリブレーションのために、被写体2が無い状態でX線撮影を行って白画像を得た場合、セレクタ11による出力先はメモリ12〜15のいずれかに設定される。メモリ12〜15は、対数変換された白画像データを保持するためのメモリである。モード1で撮影された白画像は、対数変換された後、セレクタ11の出力Dを経て、メモリ12に格納される。同様にモード2で白画像が撮影された場合は、セレクタ11の出力Eが選択され、メモリ13に対数変換された白画像が格納される。モード3の場合は、セレクタ11の出力Fが選択され、対数変換された白画像の格納先はメモリ14となる。更に、モード4の場合は、セレクタ11の出力Gが選択され、対数変換された白画像の格納先はメモリ15となる。また、被写体2を撮影した場合(通常撮影の場合)には、コントローラ18はセレクタ11の選択先をCに設定する。
【0036】
マルチプレクサ17は、メモリ12〜15の各白画像のうち、どの白画像データを使うかを選択する。モード1での撮影の場合は、メモリ12に格納された白画像を選択するべく、マルチプレクサ17の入力Hが選択される。同様にモード2での撮影が行われた場合はマルチプレクサ17の入力Iが、モード3で撮影された場合は入力Jが、モード4で撮影された場合は入力Kが選択され、対応するメモリ内の白画像が減算器16へ出力される。減算器16は、被写体2が撮影された画像データを対数変換した画像から、撮影されたモードに対応した白画像の対数変換された画像を減算する。対数変換された値の減算なので、減算器16では、実質的には除算が行われていることになる。
【0037】
メモリ23は、FPD3中に存在する欠陥画素の位置を示す欠陥画素位置情報を保持する。補正部24は、メモリ23に保持された欠陥画素位置情報で示される画素位置の画素値を補正することにより、FPD3中に存在する不良画素(欠陥画素)の出力値を補正する。不良画素の補正は、例えば、不良でない周辺の画素値から画素値を推定することで行われ、画素値の推定には一般的に周辺画素の平均値が用いられる。
【0038】
加算器25は、補正部24から得られた画像データに所望の値を加算する。但し、対数変換された画像データに加算を行うため、実質的には乗算を行うことになる。以下で説明するように、加算器25は、画素値を、対応する画素に入射するX線量および画素加算数に比例する値に変換する。変換された最終的な画像は、磁気ディスクなどを用いたデータ格納装置26へ格納され、以後表示、転送、画像プリントなどの画像診断の用に供されることになる。
【0039】
メモリ19〜22は、夫々モード1、モード2、モード3、モード4の撮影画像に対する補正値を格納するメモリである。メモリ12〜15に保持されている各白画像からコントローラ18が算出した補正値が格納される。即ち、コントローラ18の制御下で、設定されたモードに応じた補正値がマルチプレクサ27により選択され、加算器25に出力される。こうして、各モードで撮影された画像に対して、モードに対応する補正値が加算器25により加算(実質的に乗算)されることにより、画素加算数およびX線量に比例した画素値に変換される。
【0040】
メモリ19〜22に保持される上記補正値について、以下、説明する。尚、本実施形態のX線撮影装置は白画像で補正するため、出力される画素値は白画像からの比率で表される数値となる。
【0041】
任意の出力画素値をF、入力されたA/D変換値をG、基準となる白画像値をRefと表現すると、
F=K・ln(G/Ref)+P=K・ln(G)−K・ln(Ref)+P …式(7)
で表すことができる。ここで、K、Pは以下の2条件で決定される定数であり、lnは自然対数関数を表す。
条件1)入力されたA/D変換値Gが基準値RefのLmin倍である場合:F=Fmin
条件2)入力されたA/D変換値Gが基準値RefのLmax倍である場合:F=Fmax
【0042】
ここでLmin、Lmaxは基準値からのラチチュードであるということができ、Fmin、Fmaxはそれぞれ出力画素値の有効な最小値、最大値を表す。通常は、Fmin=0、Fmax=4095(12ビットデータの場合)となる。また、Refの値は白画像の一部分もしくは全体の平均的な値から求める。なお、白画像の一部分を用いる場合には、X線照射強度にシェーディング(周辺部分の強度低下)がある場合に、強度低下のない画像データの中心部分(一部分)を用いる。
【0043】
上記条件1),2)および、式(7)よりK、Pは以下のように求まる。
K=(Fmax−Fmin)/(ln(Lmax)−ln(Lmin)) …式(8)
P=(Fmax・ln(Lmin)−Fmin・ln(Lmax))/(ln(Lmin)−ln(Lmax)) …式(9)
【0044】
次に、異なるモードで同じX線量を照射した場合の画素出力値について考える。同じX線量で照射した場合のモード1での画素出力値をF1、モード2での画素出力値をF2、モード3での画素出力値をF3、モード4での画素出力値をF4とすると、これらの画素出力値は全て同一でなければならない。従って、以下の関係が得られる。
F2=F1 …式(10)
F3=F1 …式(11)
F4=F1 …式(12)
【0045】
ここで、基準値Refはモードが異なっても変化しない値である。キャリブレーション操作で白画像を撮影した場合における、当該白画像の一部分もしくは全体的な平均値を、モード1の場合をA1、モード2の場合をA2、モード3の場合をA3、モード4の場合をA4とする。モード1の場合、式(7)に当てはめると、上記画素出力値F1は以下の式で表現できる。
F1=K・ln(A1)−K・ln(Ref)+P+C1 …式(13)
ここでC1はモード1に対応した補正値である。
【0046】
式(13)で求められた画素値F1に対して、式(10)〜式(12)の関係を保つ必要がある。そこで、それぞれRef2〜Ref4を用いた各モードでのA/D変換値G2、G3、G4を用いた式(7)の変換式に対して補正値C2、C3、C4を加算することで、式(10)〜式(12)の関係を維持する。
【0047】
F2=K・ln(A2)−K・ln(Ref)+P+C2 …式(14)
F3=K・ln(A3)−K・ln(Ref)+P+C3 …式(15)
F4=K・ln(A4)−K・ln(Ref)+P+C4 …式(16)
【0048】
式(10)〜式(12)及び式(14)〜式(16)を用いて補正値C2〜C3を求めると以下で表すことができる。
C2=K・ln(A1)−K・ln(A2)=K・ln(A1/A2) …式(17)
C3=K・ln(A1)−K・ln(A3)=K・ln(A1/A3) …式(18)
C4=K・ln(A1)−K・ln(A4)=K・ln(A1/A4) …式(19)
以上のようにして算出された補正値C1〜C4は、モード1〜モード4の補正値としてメモリ19〜22に保持される。
【0049】
従って、メモリ19〜22に保持すべき補正値C1〜C4を計算するフローチャートは図2で表すことができる。図2は本装置で実際に被写体を撮影する前に行われるキャリブレーション操作時のコントローラ18における処理を示すフローチャートである。
【0050】
まず、ステップS1においてFPD3の画素加算モードをモード1に設定し、ステップS2において規定値のX線量にて被写体を置かずにX線画像を撮影することにより、モード1における白画像を得る。次にステップS3においてセレクタ11の出力先をDに設定することにより、モード1における白画像はメモリ12に格納される。そして、ステップS4において、メモリ12に格納された画像データを読み取り、白画像の一部分もしくは全体の平均値を算出し、これをA1とする。尚、この平均値を計算する際、フローチャートでは不図示であるが、メモリ23に保持されている欠陥画素位置の情報を用いて欠陥位置での画素値を除外して平均値を計算するようにしてもよい。
【0051】
また、さらに説明すると、平均値を計算する際には、メモリ12〜15に格納されている値は対数変換された値であるため、一旦逆対数変換を行ってリニアな値にしてから計算する必要がある。しかし、平均する数値が似通っている場合には、対数値のまま平均しても誤差は小さいため、対数のまま平均することも通常は可能である。
【0052】
ステップS5〜S8では、画素加算モード2について上記ステップS1〜S4と同様の処理が実行され、モード2における白画像の平均値A2がメモリ13に保持される。ステップS9〜S12では、画素加算モード3について上記ステップS1〜S4と同様の処理が実行され、モード3における白画像の平均値A3がメモリ14に保持される。更に、ステップS13〜S16では、画素加算モード4について上記ステップS1〜S4と同様の処理が実行され、モード4における白画像の平均値A4がメモリ14に保持される。この場合に注意することは、各画素加算モードにて白画像を撮影する際のX線量を同一にすることである。従って、ステップS1〜S16の処理は連続して実行することが望ましい。
【0053】
次に、ステップS17〜S20において、各補正値C1〜C4を式(17)〜(20)によって計算し、メモリ19〜22に保存する。尚、本実施形態ではモード1を基準としているため、補正値C1は0とし、これをメモリ19に保持している。但し、基準となるモードはモード1に限られるものではなく、モード1〜4のどのモードを基準としてもよい。即ち、式(10)〜式(16)において、基準となるモードにおける補正値を0とおいて、他のモードの各補正値を計算し、得られた補正値を各モードのキャリブレーションに用いることができる。以上の処理により、画素加算モード1〜4に対する補正値C1〜C4がメモリ19〜メモリ22に保持される。
【0054】
次に、実際に被写体を撮影する場合の処理を図3のフローチャートを参照して説明する。
【0055】
ステップS21において、所望の画素加算モードが設定され、撮影が指示されると、まず、ステップS22、S23の処理によりダーク画像が取り込まれる。即ち、ステップS22において切替スイッチ7をB側に接続し、ステップS23においてX線を曝射せずにFPD3を駆動してダーク画像を取り込むことにより、メモリ8にダーク画像が記録される。
【0056】
次に、通常の撮影をするために、切り替えスイッチ7をA側に接続し、セレクタ11の出力を出力Cにセットする。そして、ステップS26〜S36により、ステップS21で設定された画素加算モードに従ってマルチプレクサ17,27を設定する。例えば画素加算モード1の場合、メモリ12に保持されたモード1用の白画像を用いるべくマルチプレクサ17の入力をHに設定する(ステップS26、S27)。そして、メモリ19に保持されたモード1用の補正値を用いるべくマルチプレクサ27の入力をLに設定する(ステップS28)。同様に、画素加算モード2の場合は、マルチプレクサ17の入力をIに設定し、マルチプレクサ27の入力をMに設定する(ステップS29、S30,S31)。画素加算モード3の場合は、マルチプレクサ17の入力をJに設定し、マルチプレクサ27の入力をNに設定する(ステップS32、S33,S34)。同様に、画素加算モード4の場合は、マルチプレクサ17の入力をKに設定し、マルチプレクサ27の入力をOに設定する(ステップS32、S35,S36)。
【0057】
以上のようにして画素加算モードに応じてマルチプレクサ17,27を設定した後、ステップS37において被写体2のX線撮影が行われる。即ち、FPD3から、設定された画素加算モードに従って画素加算されたX線画像が出力されると、X線画像はA/D変換器5でデジタル画像に変換されてメモリ6に保持される。メモリ6に保持されたデジタル画像は、減算器9によりメモリ8に保持されているダーク画像を用いたオフセット補正が施され、更に、LUT10により対数変換が施される。対数変換されたデジタル画像は、減算器16により、設定された画素加算モードに対応した白画像を用いたゲイン補正が施され、補正部24により不良画素(欠陥画素)の出力値補正が施される。そして、加算器25により、設定された画素加算モードに対応した補正値が加算されてデータ格納装置26に格納される。こうして、設定された画素加算モードに応じた白画像や補正値を用いたキャリブレーションが施されたX線画像(被写体画像)が得られることになる。
【0058】
尚、データ格納装置26には対数変換された画像が格納されるので、可視画像化する際には逆対数変換を行う必要がある。
【0059】
また図3のフローチャートでは不図示であるが、事前に欠陥画素位置情報がFPD製造時もしくは別途行う画像解析にて明白になった場合、欠陥位置情報をメモリ23へ格納する。
【0060】
また、本実施形態において、モード2〜4における加算画素数を4画素、9画素、16画素と設定したがこれに限られるものではない。画素加算モードにおける、隣接画素の加算の形態はいかなる態様であっても本実施形態を適用することができる。
【0061】
また、本実施形態では、FPD上でアナログ的に隣接画素の加算を行ったが、アナログ的に加算するのであれば、FPD上に限らず、その後段で行っても同様の効果が得られることは明白である。
又、上記実施形態では、ゲイン補正における白画像を利用して画素加算モードに起因する非線形性の補正を行ったがこれに限られるものではない。同一の照射条件及び同一の被写体条件の下で、各画素加算モードにより得られた画像を利用して、補正値C1、C2、C3、C4を求めてもよいことは明らかである。
【0062】
以上説明したように、第1実施形態によれば、アナログ的に画素加算を行った場合に生じる理想値からの乖離の影響を低減し、各画素加算モードにおいて良好な撮影画像を得ることができる。即ち、上記実施形態によれば、アナログ加算されていない白画像とアナログ加算された白画像に基づいてFPD100のアナログ加算に起因する非線形性が排除する補正値を取得して各画素加算モードで利用することが可能となる。このため、画素加算モードで得られた撮影画像における入射X線量を正確に算定することが可能となる。
【0063】
<第2実施形態>
第1実施形態では、対数変換を施した画像についてゲイン補正や、画素加算モードに応じた補正を行ったが、対数変換を用いない系においても本発明は適用可能である。第2実施形態では、対数変換を省略した場合の、画素加算モードに対応した補正処理を説明する。
【0064】
図4は第2実施形態によるX線撮影装置の構成を示すブロック図である。図4において図1と同様の構成には同一の参照番号を付してある。図4の構成では、減算器16の代わりに除算器28が、加算器25の代わりに乗算器29が設けられている。即ち、図1の対数変換LUT10を用いず、画像データに対して直接に除算と乗算を行うことで第1実施形態と同様の補正を行う。この場合、補正値C1〜C4からは対数表現が取れ、下式で示されるように計算される。
【0065】
C1=1 …(20)
C2=(A1/A2) …(21)
C3=(A1/A3) …(22)
C4=(A1/A4) …(23)
【0066】
図2のステップS17〜S20では、上記式(20)〜(23)により算出された補正値C1〜C4が夫々メモリ19〜22に格納されることになる。そして、図3のステップS37では、設定された画素加算モードに応じて上記補正値を用いた補正が行われ、補正された画像がデータ格納装置26に格納される。即ち、FPD3から、設定された画素加算モードに従って画素加算されたX線画像が出力されると、X線画像はA/D変換器5でデジタル画像に変換されてメモリ6に保持される。メモリ6に保持されたデジタル画像は、減算器9によりメモリ8に保持されているダーク画像を用いたオフセット補正が施される。オフセット補正されたデジタル画像は、除算器28により、設定された画素加算モードに対応した白画像を用いたゲイン補正が施され、補正部24により不良画素(欠陥画素)の出力値補正が施される。そして、乗算器29により、設定された画素加算モードに対応した補正値が乗算されてデータ格納装置26に格納される。こうして、設定された画素加算モードに応じた白画像や補正値を用いたキャリブレーションが施されたX線画像(被写体画像)が得られることになる。
【0067】
以上説明したように、第1及び第2実施形態によれば、FPD3上でアナログ的に隣接画素加算した場合において、加算する画素数に依存しない一定のな画素値が得られ、得られる画像情報から入射X線量の算定が容易に行えるようになる。
【0068】
<第3実施形態>
上記第1及び第2実施形態では、画素加算モードにおける画素の加算数に関係なく、一定の出力値が得られるように補正を行った。しかしながら、画素加算モードでは画素出力を単純加算したという意識から、出力値が加算数の倍率で得られることを期待する場合がある。従って、第3実施形態では、加算された画素数に応じた倍率の出力値を得るX線撮影装置を説明する。但し、装置の構成は第1実施形態(図1)と略同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0069】
さて、異なる画素加算モードで同じX線量を照射した場合の画素出力値について考える。同じX線量で照射した場合のモード1での画素出力値をF1、モード2での画素出力値をF2、モード3での画素出力値をF3、モード4での画素出力値をF4とすると、これらの画素出力値は加算画素数に応じた乗数倍になっていなければならない。従って、第3実施形態では、第1実施形態の式(10)〜(12)に代えて、以下の関係が用いられる。
【0070】
F2=F1+K・ln(4) …式(10')
F3=F1+K・ln(9) …式(11')
F4=F1+K・ln(16) …式(12')
【0071】
第1実施形態と同様に、モード1に対応した補正値をC1とした場合に、
F1=K・ln(A1)−K・ln(Ref)+P+C1 …(13)
で求められた画素値F1に対して、式(10')〜式(12')の関係を保つ必要がある。そこで、第1実施形態と同様に、それぞれRef2〜Ref4を用いた各モードでのA/D変換値G2〜G4を用いた式(7)の変換式に対して補正値C2、C3、C4を加算し、
F2=K・ln(A2)−K・ln(Ref)+P+C2 …式(14)
F3=K・ln(A3)−K・ln(Ref)+P+C3 …式(15)
F4=K・ln(A4)−K・ln(Ref)+P+C4 …式(16)
とすることで、式(10')〜式(12')の関係を維持する。
【0072】
式(10')〜式(12')及び式(14)〜式(16)を用いて補正値C2〜C3を求めると以下で表すことができる。
C2=K・ln(A1)−K・ln(A2)+K・ln(4)=K・ln(4・A1/A2) …(17')
C3=K・ln(A1)−K・ln(A3)+K・ln(9)=K・ln(9・A1/A3) …(18')
C4=K・ln(A1)−K・ln(A4)+K・ln(16)=K・ln(16・A1/A4) …(19')
【0073】
第3実施形態では、モード1を基準として、補正値C1=0と、上記式(17')〜(19')で得られた補正値C2〜C4をメモリ19〜22に保持する。そして、画素加算モードに応じた補正値を用いてキャリブレーションを行うことにより、加算画素数に応じた乗数倍の出力値(加算された画素の数を乗じた値に対応する出力値)を得ることができる。
【0074】
図5は第3実施形態によるキャリブレーション処理を説明するフローチャートである。ステップS1〜S16は第1実施形態と同様である。ステップS17'〜S20'では、補正値C1=0と、上記式(17')〜(19')で得られた補正値C2〜C4をメモリ19〜22に保持する。そして、図3のフローチャートで説明した処理により、画素加算モードに応じた補正値を用いてキャリブレーションを行うことにより、加算画素数に応じた乗数倍の出力値を得ることができる。
【0075】
以上説明したように、第3実施形態によれば、アナログ的に画素加算を行った場合に生じる理想値からの乖離の影響を低減し、各画素加算モードにおいて、より正確に加算画素数に応じて乗数倍された出力値を得ることができる。
【0076】
<第4実施形態>
第3実施形態では、対数変換を施した画像についてゲイン補正や、画素加算モードに応じた補正を行ったが、対数変換を用いない系においても本発明は適用可能である。第4実施形態では、対数変換を省略した場合の、画素加算モードに対応した補正処理を説明する。第4実施形態のX線撮影装置の構成は第2実施形態(図4)と同様である。即ち、図1の対数変換LUT10を用いず、画像データに対して直接に除算と乗算を行うことで第1実施形態と同様の補正を行う。この場合、補正値C1〜C4からは対数表現が取れ、下式で示されるように計算される。
【0077】
C1=1 …(20')
C2=(4・A1/A2) …(21')
C3=(9・A1/A3) …(22')
C4=(16・A1/A4) …(23')
【0078】
図5のステップS17'〜S20'では、上記式(20')〜(23')により算出された補正値C1〜C4が夫々メモリ19〜22に格納されることになる。そして、図3のステップS37では、設定された画素加算モードに応じて上記補正値を用いた補正が行われ、補正された画像がデータ格納装置26に格納される。
【0079】
以上説明したように、第3及び第4実施形態によれば、FPD3上でアナログ的に隣接画素加算した場合において、加算する画素数に従った乗数を掛けた画素値をより正確に得ることができ、得られた画像情報から入射X線量の算定が容易に行えるようになる。
【0080】
以上、実施形態を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0081】
尚、本発明は、ソフトウェアのプログラムをシステム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによって前述した実施形態の機能が達成される場合を含む。この場合、供給されるプログラムは実施形態で図に示したフローチャートに対応したプログラムである。
【0082】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0083】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0084】
プログラムを供給するための記録媒体としては以下が挙げられる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などである。
【0085】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることが挙げられる。この場合、ダウンロードされるプログラムは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルであってもよい。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0086】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布するという形態をとることもできる。この場合、所定の条件をクリアしたユーザに、インターネットを介してホームページから暗号を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用して暗号化されたプログラムを実行し、プログラムをコンピュータにインストールさせるようにもできる。
【0087】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどとの協働で実施形態の機能が実現されてもよい。この場合、OSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0088】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれて前述の実施形態の機能の一部或いは全てが実現されてもよい。この場合、機能拡張ボードや機能拡張ユニットにプログラムが書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行なう。
【技術分野】
【0001】
本発明は放射線強度分布を画像化する技術に関するものであり、さらに詳しくは医療用放射線画像撮影装に好適な撮影装置、画像処理装置、撮影システム、放射線撮影装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人体内部を非侵襲に観察し、医療診断に用いる最も一般的な手法として、人体を透過したX線の透過率分布を直接画像化することが挙げられる。その画像化の方法としては、
・蛍光体へ到達したX線に起因する蛍光分布を銀塩フィルムで画像化する旧来の方法、
・蛍光による光電子を光電子増倍管により増幅しTVカメラで映像化する方法、
・X線強度分布が輝尽性蛍光体上につくる潜像情報をレーザ光線により励起して読み取り、顕像化する方法、
・固体撮像素子で構成されたフラットパネルディテクタ(以下、FPD)を用いて、蛍光もしくはX線照射により半導体層もしくは重金属中に発生した自由電子の空間分布を画像化する方法、
などが挙げられる。
【0003】
特に、最近では、半導体技術の進歩により、人体の全体を包含できるような大規模なFPDも開発されており、医療分野でもFPDを利用した放射線画像の取得が浸透しつつある。
【0004】
FPDにおいては、上記蛍光を光電変換して得られた電荷もしくは上記自由電子を高電位下において収集した電荷を、受像面にマトリックス状に分布した画素に対応するキャパシタ内に一旦蓄積する。その後、薄膜上に形成されたスイッチング用トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)を順次通電状態にする(走査する)ことにより1次元データの集まりとして画像情報を取り出す。
【0005】
図6は、上述したFPDの動作をより具体的に説明するための図である。図6において、FPD100は、M×N個のマトリックス状に分布する画素要素101を有する。より具体的には、画素要素101は、図7(A)で表されるように、蓄積用のCxの容量を持つキャパシタ201とTFT202で構成される。キャパシタ201へは、不図示の光電変換素子から受光量に応じた電荷が蓄積される。光電変換素子は、例えば、X線に起因する蛍光体からの蛍光を電気信号に変換するフォトダイオードで構成される。或は、半導体層などが飛来するX線エネルギー粒子を捕捉した場合に発生する自由電子を高電位下において収集することにより得られた電荷を、キャパシタ201へ蓄積する構成も提案されている。
【0006】
図6において、機能要素103は出力保持用のユニットであり、マトリックス状に並ぶ画素要素101の1ライン分の画素要素101の数(図6ではM個)だけ設けられている。機能要素103は、具体的には図7(B)で表されるように、Coの容量を持つ出力保持用キャパシタ204と信号リセット用のトランジスタ203を持つユニットである。
【0007】
図6において、副走査選択制御回路102は、マトリックス状に並ぶ画素要素101の1ライン分を同時に選択するための選択制御信号1〜Nを順次選択出力する。図9は、副走査選択制御回路102による選択制御信号1〜Nの信号出力タイミングを説明するための図である。t1〜t2のタイミングでは選択制御信号1のみがON状態であり、図6の1行目のデータ(1行目のM個の画素要素からの信号)のみが機能ユニット103へ転送される。同様に、t3〜t4のタイミングでは選択制御信号2のみがON状態になり、図6の2行目のデータのみが機能ユニット103へ転送される。このような制御をN回繰り返すことにより、M×N個の画素要素からの信号が得られることになる。
【0008】
図9において、選択制御信号がON状態に保持される時間(例えば、t2−t1)は、少なくとも、図7(A)及び(B)のキャパシタCxとCoがTFT202の導通抵抗および信号線抵抗を通して実質的な並列接続となり、十分な平衡状態になるのに要する時間である。
【0009】
ある画素要素101に蓄積された電荷をQ1とすると、出力される電圧V1は、
【数1】
となる。別の画素要素101の蓄積電荷をQ2とすると、出力される電圧V2は、
【数2】
となる。
【0010】
ここで、一般に画素上のキャパシタの容量は微小であり、Cx≪Coとなる。このため、上記の式(1)及び式(2)は夫々以下の式(3)、式(4)で表される。
【数3】
【数4】
【0011】
図6に戻って、アナログマルチプレクサ回路104は、1ライン分が同時に出力され、出力保持用のM個の機能要素103で保持されたM個の電位信号を画像出力信号106として順次出力する。主走査選択制御回路105により、機能要素103からの各入力値が順次選択され、信号線106上に出力される。従って、信号線106からは、画像情報として、1次元のアナログ信号(ビデオ信号)が出力される。なお、主走査方向にアナログ加算する場合には、信号106をアナログ積分器107に入力し、加算すべき画素数ごとの出力タイミングで不図示のリセット手段にてアナログ積分器107をリセットする。このリセット直前のアナログ積分器107の出力を用いれば、主走査方向のアナログ加算結果が得られることになる。但し、以後では、主走査方向のアナログ加算を行わない出力106を用いて説明する。
【0012】
更に、アナログマルチプレクサ回路104から出力された信号がデジタル画像データとしてメモリに格納されるまでの処理を図8で説明する。FPD100は図6で説明したとおりの構成を有する。FPD100から信号線106に出力されたビデオ信号は、アナログ/デジタル変換回路108(A/D変換)によってデジタル値に変換され、メモリ109にデジタル画像として保存される。以上のようにして、M×N個のマトリックス状に並ぶ画素の電位情報がデジタル画像としてメモリ内に保存される。
【0013】
次に、上記FPD100における画素加算モードでの動作を説明する。例えば画素加算数が2の場合、図10に示すように2ラインを同時に選択するように副走査選択制御回路102を駆動する。即ち、1つのタイミングで1つの選択制御信号をONしていた上記動作(図9)から、図10に示されるように、1つのタイミングで2の選択制御信号をONする動作へ切り替える。この場合、2つの画素要素101が電気的に接続されることになる。よって、例えばある画素の電荷がQ1であり、接続される画素の電荷がQ2である場合、出力電圧V12は式(5)のようになる。
【数5】
【0014】
ここで、Cx ≪ Coである条件があると、
【数6】
となり、式(3),式(4)と比較すると、電気的接続により出力電位が加算されていることがわかる。
【0015】
また、図7(B)の出力保持回路として、図11に示すような演算増幅器205を用いた十分に入力インピーダンスの高い積分回路を構成することにより、式(3)、(4)、(6)をより正確に用いることが可能である。
【0016】
尚、上記の構成は2ライン同時選択のみならず、3ライン、4ライン同時選択を行うことにより、夫々2画素、3画素が加算された画素信号が得られる。利用されるアプリケーションによっては、空間分解能を犠牲にしてでも画像データを高速に得たい場合がある。このような場合において、上述した、画素をアナログ的に加算する機能(画素加算モード)を利用することができる。
【0017】
尚、主走査方向は、マルチプレクサの出力を順次アナログ的に加算しても良いし、一旦メモリ上に取り込んだ後にデジタル演算により加算平均することも可能であり、この走査により、加算された画素の形状を正方形に保つことができる。このように、アナログ的に隣接画素情報を加算する技術は特許文献1にも述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開平9−21879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかし、FPDを用いる操作者の立場としては、複数のラインをアナログ的に加算(ライン加算という)した場合と加算しなかった場合において、一定のX線量に対しては加算画素数にかかわらず一定値の出力情報を得ることが望まれる。しかし、半導体製品であるFPDの各容量成分およびTFTの特性などは、正確に制御し難く、アナログ的に加算した場合の電圧値は、必ずしも加算数だけの倍率にはならず、出力電圧もしくはデジタル値を加算数で割っても一定の値にはならない。このことは、多くのラインを加算することにより式(5)のCxが無視できなくなる現象であるともいえる。
【0020】
図12は、2つの異なるFPDにおける画素加算数と画素出力値のグラフを描いたものであり、横軸はライン加算数(ライン加算された画素の数)、縦軸は平均的な出力電圧を示す。図12においてAで示すラインはある1つのFPDの代表的な画素の出力電圧の特性であり、Bで示すラインは別のFPDの代表的な画素の出力電圧の特性である。また、Cで示される直線は、希望される加算数に比例した理想的な特性を示す。
【0021】
図12から明白なように、特徴としては以下の2点がある。
1)加算数が増加するにしたがって希望される直線から離れて行く
2)FPDによって特性が異なる。
【0022】
以上のようなことから鑑みて、従来のごとく単純に加算した画素値を用いていたのでは、ライン加算を行った場合の特性のばらつきにより安定した特性が得られない。即ち、ユーザは、画素加算数を意識をしてはおらず、一定のX線量を照射した場合に出力も一定になることを期待しているが、実際には画素加算数でライン加算を行った画素値を割っても正確な画素値を求めることはできない。したがって、ライン加算によって得られた画像情報から入射X線量の算定を精度良く行うことは、非常に困難であるという問題がある。
【0023】
このような課題を解決する一法として、全ての画素値を加算しない状態でデジタル的に取り込み、計算により加算画素を形成することが考えられる。しかしながら、デジタルでの転送量が大幅に増えることになるので、画素を加算してデータ量を減らすというメリットを十分に活かした解決法とは言えない。即ち、FPD上でアナログ的に隣接画素加算する場合に、アナログ演算の非線形性により加算画素数に応じたゲイン値が得られず、入射X線量の算定が容易ではない。
【0024】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、画素加算モードで得られた撮影画像における入射放射線量を正確に算定可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記の目的を達成するための本発明による撮影装置は、たとえば、以下の構成を有する。すなわち、
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器と、
該検出器により得られる放射線の強度分布に対応するアナログ電気信号をアナログ加算するアナログ加算手段と、
前記加算された信号数に対して非線形な出力を示す前記アナログ加算により得られた電気信号を、前記加算された数に対して線形となるように補正するための補正情報を取得する取得手段と、
前記アナログ加算により得られた電気信号を前記補正情報により補正する補正手段と、を有する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、画素加算モードで得られた撮影画像における入射放射線量を正確に算定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1実施形態による放射線撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態によるキャリブレーション処理を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態による撮影処理を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態による放射線撮影装置の構成を示すブロック図である。
【図5】第3実施形態によるキャリブレーション処理を示すフローチャートである。
【図6】一般的なFPDの構成を説明するブロック図である。
【図7】FPDの画素内の構成を説明するブロック図である。
【図8】FPD出力をデジタル変換してメモリへ格納するブロック図である。
【図9】隣接画素加算を行わないときのタイミングチャートである。
【図10】隣接画素加算を行うときのタイミングチャートである。
【図11】隣接画素加算を演算増幅器で行う時の構成図である。
【図12】アナログ的な隣接画素加算数と平均値の関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0029】
<第1実施形態>
FPDでのX線撮像に不可欠な補正に画素毎のゲイン補正がある。FPDは半導体製品であるため、画素ごとの容量成分などの正確な制御が製造上困難であり、一般に画素毎のゲイン値が大きくばらつく。ゲイン補正は、そのようなゲイン値のばらつきを補正するものである。通常、キャリブレーションと呼ばれる操作によって、被写体のない状態でX線分布を撮像した画像データ(以下、白画像)を取得し、その白画像と実際の被写体がある状態での撮像画像の画素毎の比率を計算することにより、ゲインのばらつきをなくす。
【0030】
以下の実施形態では、このキャリブレーション操作を応用することにより、ライン加算を行った場合と行っていない場合とで画素値が一定となるような補正を可能とする。まずアナログ的に隣接画素が加算されるモードが選択できるFPDにおいて設定できる全ての画素加算モード(以下の例では2×2画素、3×3画素、4×4画素加算モード)において、キャリブレーション操作におけるX線量をすべて同じに設定する。そして、夫々の白画像データの全部もしくは一部分の平均値を記憶する。X線撮影においてゲイン補正を行う際には、被写体の無い状態で撮影されたX線分布画像データとの画素毎の比率計算を行った後、画素加算を行わなかった場合と画素加算を行った場合の画素値が一定になるように、上記平均値を用いた補正を行う。以下、詳細に説明する。
【0031】
図1は、第1実施形態によるX線撮影装置の構成を示すブロック図である。図1において、X線発生源1は、破線の矢印の方向へX線を放射する。FPD3は、X線発生源1から放射され、被写体2を透過したX線の強度分布を画像化する。本実施形態において、被写体2として人体を適用することが可能であり、本実施形態のX線撮影装置は医療画像撮影用として用いることができる。撮影コントローラ4は、X線発生源1及びFPD3を制御し、X線発生源1によるX線発生とFPD3の動作を同期させる。
【0032】
本実施形態においてFPDは4つの画素加算モードをもつ。モード1は、画素加算をしないモードとする。モード2は横2画素/縦2画素、即ち合計4画素をアナログ加算するモード、モード3は横3画素/縦3画素、即ち合計9画素をアナログ加算するモード、モード4は横4画素/縦4画素、即ち合計16画素をアナログ加算するモードである。尚、上述したように主走査方向に関してはデジタル化した後に加算する構成としてもよい。これらのモードにおける動作は主コントローラ18によって制御される。主コントローラ18は不図示のCPU、ROMを具備し、ROMに格納された制御プログラムをCPUが実行することにより各種制御を実現する。
【0033】
A/D変換部5は、FPD3からのアナログ出力を順次デジタル値に変換する(アナログ−デジタル変換)する。フレームメモリ6は、A/D変換部5によりA/D変換されて得られたデジタル画像を一時的に記憶する。
【0034】
メモリ8は、X線を放射しない状態での画像出力値(以下、ダーク画像と称する)を保存しておくためのメモリである。切替スイッチ7をB側に切り替え、X線放射のない状態でFPD3から画像を取得することにより、メモリ8にダーク画像が保存される。FPD3は画素ごとに固有のオフセット出力があり、ダーク画像は各画素の固有のオフセット値を表す。そして、実際の被写体画像を取得した際に、予め取得され、メモリ8に保持されているダーク画像を差し引くことで、オフセット補正を行う。このオフセット補正のための減算は減算器9で行われる。
【0035】
対数参照テーブル10(以下、対数ルックアップテーブル又は対数LUT)は、後段のゲイン補正を行うために、オフセット補正された画像データに対数変換を施す。セレクタ11は、対数LUT10により対数変換された画像データの出力先を選択する。出力先の選択は、主コントローラ18によって制御される。キャリブレーションのために、被写体2が無い状態でX線撮影を行って白画像を得た場合、セレクタ11による出力先はメモリ12〜15のいずれかに設定される。メモリ12〜15は、対数変換された白画像データを保持するためのメモリである。モード1で撮影された白画像は、対数変換された後、セレクタ11の出力Dを経て、メモリ12に格納される。同様にモード2で白画像が撮影された場合は、セレクタ11の出力Eが選択され、メモリ13に対数変換された白画像が格納される。モード3の場合は、セレクタ11の出力Fが選択され、対数変換された白画像の格納先はメモリ14となる。更に、モード4の場合は、セレクタ11の出力Gが選択され、対数変換された白画像の格納先はメモリ15となる。また、被写体2を撮影した場合(通常撮影の場合)には、コントローラ18はセレクタ11の選択先をCに設定する。
【0036】
マルチプレクサ17は、メモリ12〜15の各白画像のうち、どの白画像データを使うかを選択する。モード1での撮影の場合は、メモリ12に格納された白画像を選択するべく、マルチプレクサ17の入力Hが選択される。同様にモード2での撮影が行われた場合はマルチプレクサ17の入力Iが、モード3で撮影された場合は入力Jが、モード4で撮影された場合は入力Kが選択され、対応するメモリ内の白画像が減算器16へ出力される。減算器16は、被写体2が撮影された画像データを対数変換した画像から、撮影されたモードに対応した白画像の対数変換された画像を減算する。対数変換された値の減算なので、減算器16では、実質的には除算が行われていることになる。
【0037】
メモリ23は、FPD3中に存在する欠陥画素の位置を示す欠陥画素位置情報を保持する。補正部24は、メモリ23に保持された欠陥画素位置情報で示される画素位置の画素値を補正することにより、FPD3中に存在する不良画素(欠陥画素)の出力値を補正する。不良画素の補正は、例えば、不良でない周辺の画素値から画素値を推定することで行われ、画素値の推定には一般的に周辺画素の平均値が用いられる。
【0038】
加算器25は、補正部24から得られた画像データに所望の値を加算する。但し、対数変換された画像データに加算を行うため、実質的には乗算を行うことになる。以下で説明するように、加算器25は、画素値を、対応する画素に入射するX線量および画素加算数に比例する値に変換する。変換された最終的な画像は、磁気ディスクなどを用いたデータ格納装置26へ格納され、以後表示、転送、画像プリントなどの画像診断の用に供されることになる。
【0039】
メモリ19〜22は、夫々モード1、モード2、モード3、モード4の撮影画像に対する補正値を格納するメモリである。メモリ12〜15に保持されている各白画像からコントローラ18が算出した補正値が格納される。即ち、コントローラ18の制御下で、設定されたモードに応じた補正値がマルチプレクサ27により選択され、加算器25に出力される。こうして、各モードで撮影された画像に対して、モードに対応する補正値が加算器25により加算(実質的に乗算)されることにより、画素加算数およびX線量に比例した画素値に変換される。
【0040】
メモリ19〜22に保持される上記補正値について、以下、説明する。尚、本実施形態のX線撮影装置は白画像で補正するため、出力される画素値は白画像からの比率で表される数値となる。
【0041】
任意の出力画素値をF、入力されたA/D変換値をG、基準となる白画像値をRefと表現すると、
F=K・ln(G/Ref)+P=K・ln(G)−K・ln(Ref)+P …式(7)
で表すことができる。ここで、K、Pは以下の2条件で決定される定数であり、lnは自然対数関数を表す。
条件1)入力されたA/D変換値Gが基準値RefのLmin倍である場合:F=Fmin
条件2)入力されたA/D変換値Gが基準値RefのLmax倍である場合:F=Fmax
【0042】
ここでLmin、Lmaxは基準値からのラチチュードであるということができ、Fmin、Fmaxはそれぞれ出力画素値の有効な最小値、最大値を表す。通常は、Fmin=0、Fmax=4095(12ビットデータの場合)となる。また、Refの値は白画像の一部分もしくは全体の平均的な値から求める。なお、白画像の一部分を用いる場合には、X線照射強度にシェーディング(周辺部分の強度低下)がある場合に、強度低下のない画像データの中心部分(一部分)を用いる。
【0043】
上記条件1),2)および、式(7)よりK、Pは以下のように求まる。
K=(Fmax−Fmin)/(ln(Lmax)−ln(Lmin)) …式(8)
P=(Fmax・ln(Lmin)−Fmin・ln(Lmax))/(ln(Lmin)−ln(Lmax)) …式(9)
【0044】
次に、異なるモードで同じX線量を照射した場合の画素出力値について考える。同じX線量で照射した場合のモード1での画素出力値をF1、モード2での画素出力値をF2、モード3での画素出力値をF3、モード4での画素出力値をF4とすると、これらの画素出力値は全て同一でなければならない。従って、以下の関係が得られる。
F2=F1 …式(10)
F3=F1 …式(11)
F4=F1 …式(12)
【0045】
ここで、基準値Refはモードが異なっても変化しない値である。キャリブレーション操作で白画像を撮影した場合における、当該白画像の一部分もしくは全体的な平均値を、モード1の場合をA1、モード2の場合をA2、モード3の場合をA3、モード4の場合をA4とする。モード1の場合、式(7)に当てはめると、上記画素出力値F1は以下の式で表現できる。
F1=K・ln(A1)−K・ln(Ref)+P+C1 …式(13)
ここでC1はモード1に対応した補正値である。
【0046】
式(13)で求められた画素値F1に対して、式(10)〜式(12)の関係を保つ必要がある。そこで、それぞれRef2〜Ref4を用いた各モードでのA/D変換値G2、G3、G4を用いた式(7)の変換式に対して補正値C2、C3、C4を加算することで、式(10)〜式(12)の関係を維持する。
【0047】
F2=K・ln(A2)−K・ln(Ref)+P+C2 …式(14)
F3=K・ln(A3)−K・ln(Ref)+P+C3 …式(15)
F4=K・ln(A4)−K・ln(Ref)+P+C4 …式(16)
【0048】
式(10)〜式(12)及び式(14)〜式(16)を用いて補正値C2〜C3を求めると以下で表すことができる。
C2=K・ln(A1)−K・ln(A2)=K・ln(A1/A2) …式(17)
C3=K・ln(A1)−K・ln(A3)=K・ln(A1/A3) …式(18)
C4=K・ln(A1)−K・ln(A4)=K・ln(A1/A4) …式(19)
以上のようにして算出された補正値C1〜C4は、モード1〜モード4の補正値としてメモリ19〜22に保持される。
【0049】
従って、メモリ19〜22に保持すべき補正値C1〜C4を計算するフローチャートは図2で表すことができる。図2は本装置で実際に被写体を撮影する前に行われるキャリブレーション操作時のコントローラ18における処理を示すフローチャートである。
【0050】
まず、ステップS1においてFPD3の画素加算モードをモード1に設定し、ステップS2において規定値のX線量にて被写体を置かずにX線画像を撮影することにより、モード1における白画像を得る。次にステップS3においてセレクタ11の出力先をDに設定することにより、モード1における白画像はメモリ12に格納される。そして、ステップS4において、メモリ12に格納された画像データを読み取り、白画像の一部分もしくは全体の平均値を算出し、これをA1とする。尚、この平均値を計算する際、フローチャートでは不図示であるが、メモリ23に保持されている欠陥画素位置の情報を用いて欠陥位置での画素値を除外して平均値を計算するようにしてもよい。
【0051】
また、さらに説明すると、平均値を計算する際には、メモリ12〜15に格納されている値は対数変換された値であるため、一旦逆対数変換を行ってリニアな値にしてから計算する必要がある。しかし、平均する数値が似通っている場合には、対数値のまま平均しても誤差は小さいため、対数のまま平均することも通常は可能である。
【0052】
ステップS5〜S8では、画素加算モード2について上記ステップS1〜S4と同様の処理が実行され、モード2における白画像の平均値A2がメモリ13に保持される。ステップS9〜S12では、画素加算モード3について上記ステップS1〜S4と同様の処理が実行され、モード3における白画像の平均値A3がメモリ14に保持される。更に、ステップS13〜S16では、画素加算モード4について上記ステップS1〜S4と同様の処理が実行され、モード4における白画像の平均値A4がメモリ14に保持される。この場合に注意することは、各画素加算モードにて白画像を撮影する際のX線量を同一にすることである。従って、ステップS1〜S16の処理は連続して実行することが望ましい。
【0053】
次に、ステップS17〜S20において、各補正値C1〜C4を式(17)〜(20)によって計算し、メモリ19〜22に保存する。尚、本実施形態ではモード1を基準としているため、補正値C1は0とし、これをメモリ19に保持している。但し、基準となるモードはモード1に限られるものではなく、モード1〜4のどのモードを基準としてもよい。即ち、式(10)〜式(16)において、基準となるモードにおける補正値を0とおいて、他のモードの各補正値を計算し、得られた補正値を各モードのキャリブレーションに用いることができる。以上の処理により、画素加算モード1〜4に対する補正値C1〜C4がメモリ19〜メモリ22に保持される。
【0054】
次に、実際に被写体を撮影する場合の処理を図3のフローチャートを参照して説明する。
【0055】
ステップS21において、所望の画素加算モードが設定され、撮影が指示されると、まず、ステップS22、S23の処理によりダーク画像が取り込まれる。即ち、ステップS22において切替スイッチ7をB側に接続し、ステップS23においてX線を曝射せずにFPD3を駆動してダーク画像を取り込むことにより、メモリ8にダーク画像が記録される。
【0056】
次に、通常の撮影をするために、切り替えスイッチ7をA側に接続し、セレクタ11の出力を出力Cにセットする。そして、ステップS26〜S36により、ステップS21で設定された画素加算モードに従ってマルチプレクサ17,27を設定する。例えば画素加算モード1の場合、メモリ12に保持されたモード1用の白画像を用いるべくマルチプレクサ17の入力をHに設定する(ステップS26、S27)。そして、メモリ19に保持されたモード1用の補正値を用いるべくマルチプレクサ27の入力をLに設定する(ステップS28)。同様に、画素加算モード2の場合は、マルチプレクサ17の入力をIに設定し、マルチプレクサ27の入力をMに設定する(ステップS29、S30,S31)。画素加算モード3の場合は、マルチプレクサ17の入力をJに設定し、マルチプレクサ27の入力をNに設定する(ステップS32、S33,S34)。同様に、画素加算モード4の場合は、マルチプレクサ17の入力をKに設定し、マルチプレクサ27の入力をOに設定する(ステップS32、S35,S36)。
【0057】
以上のようにして画素加算モードに応じてマルチプレクサ17,27を設定した後、ステップS37において被写体2のX線撮影が行われる。即ち、FPD3から、設定された画素加算モードに従って画素加算されたX線画像が出力されると、X線画像はA/D変換器5でデジタル画像に変換されてメモリ6に保持される。メモリ6に保持されたデジタル画像は、減算器9によりメモリ8に保持されているダーク画像を用いたオフセット補正が施され、更に、LUT10により対数変換が施される。対数変換されたデジタル画像は、減算器16により、設定された画素加算モードに対応した白画像を用いたゲイン補正が施され、補正部24により不良画素(欠陥画素)の出力値補正が施される。そして、加算器25により、設定された画素加算モードに対応した補正値が加算されてデータ格納装置26に格納される。こうして、設定された画素加算モードに応じた白画像や補正値を用いたキャリブレーションが施されたX線画像(被写体画像)が得られることになる。
【0058】
尚、データ格納装置26には対数変換された画像が格納されるので、可視画像化する際には逆対数変換を行う必要がある。
【0059】
また図3のフローチャートでは不図示であるが、事前に欠陥画素位置情報がFPD製造時もしくは別途行う画像解析にて明白になった場合、欠陥位置情報をメモリ23へ格納する。
【0060】
また、本実施形態において、モード2〜4における加算画素数を4画素、9画素、16画素と設定したがこれに限られるものではない。画素加算モードにおける、隣接画素の加算の形態はいかなる態様であっても本実施形態を適用することができる。
【0061】
また、本実施形態では、FPD上でアナログ的に隣接画素の加算を行ったが、アナログ的に加算するのであれば、FPD上に限らず、その後段で行っても同様の効果が得られることは明白である。
又、上記実施形態では、ゲイン補正における白画像を利用して画素加算モードに起因する非線形性の補正を行ったがこれに限られるものではない。同一の照射条件及び同一の被写体条件の下で、各画素加算モードにより得られた画像を利用して、補正値C1、C2、C3、C4を求めてもよいことは明らかである。
【0062】
以上説明したように、第1実施形態によれば、アナログ的に画素加算を行った場合に生じる理想値からの乖離の影響を低減し、各画素加算モードにおいて良好な撮影画像を得ることができる。即ち、上記実施形態によれば、アナログ加算されていない白画像とアナログ加算された白画像に基づいてFPD100のアナログ加算に起因する非線形性が排除する補正値を取得して各画素加算モードで利用することが可能となる。このため、画素加算モードで得られた撮影画像における入射X線量を正確に算定することが可能となる。
【0063】
<第2実施形態>
第1実施形態では、対数変換を施した画像についてゲイン補正や、画素加算モードに応じた補正を行ったが、対数変換を用いない系においても本発明は適用可能である。第2実施形態では、対数変換を省略した場合の、画素加算モードに対応した補正処理を説明する。
【0064】
図4は第2実施形態によるX線撮影装置の構成を示すブロック図である。図4において図1と同様の構成には同一の参照番号を付してある。図4の構成では、減算器16の代わりに除算器28が、加算器25の代わりに乗算器29が設けられている。即ち、図1の対数変換LUT10を用いず、画像データに対して直接に除算と乗算を行うことで第1実施形態と同様の補正を行う。この場合、補正値C1〜C4からは対数表現が取れ、下式で示されるように計算される。
【0065】
C1=1 …(20)
C2=(A1/A2) …(21)
C3=(A1/A3) …(22)
C4=(A1/A4) …(23)
【0066】
図2のステップS17〜S20では、上記式(20)〜(23)により算出された補正値C1〜C4が夫々メモリ19〜22に格納されることになる。そして、図3のステップS37では、設定された画素加算モードに応じて上記補正値を用いた補正が行われ、補正された画像がデータ格納装置26に格納される。即ち、FPD3から、設定された画素加算モードに従って画素加算されたX線画像が出力されると、X線画像はA/D変換器5でデジタル画像に変換されてメモリ6に保持される。メモリ6に保持されたデジタル画像は、減算器9によりメモリ8に保持されているダーク画像を用いたオフセット補正が施される。オフセット補正されたデジタル画像は、除算器28により、設定された画素加算モードに対応した白画像を用いたゲイン補正が施され、補正部24により不良画素(欠陥画素)の出力値補正が施される。そして、乗算器29により、設定された画素加算モードに対応した補正値が乗算されてデータ格納装置26に格納される。こうして、設定された画素加算モードに応じた白画像や補正値を用いたキャリブレーションが施されたX線画像(被写体画像)が得られることになる。
【0067】
以上説明したように、第1及び第2実施形態によれば、FPD3上でアナログ的に隣接画素加算した場合において、加算する画素数に依存しない一定のな画素値が得られ、得られる画像情報から入射X線量の算定が容易に行えるようになる。
【0068】
<第3実施形態>
上記第1及び第2実施形態では、画素加算モードにおける画素の加算数に関係なく、一定の出力値が得られるように補正を行った。しかしながら、画素加算モードでは画素出力を単純加算したという意識から、出力値が加算数の倍率で得られることを期待する場合がある。従って、第3実施形態では、加算された画素数に応じた倍率の出力値を得るX線撮影装置を説明する。但し、装置の構成は第1実施形態(図1)と略同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0069】
さて、異なる画素加算モードで同じX線量を照射した場合の画素出力値について考える。同じX線量で照射した場合のモード1での画素出力値をF1、モード2での画素出力値をF2、モード3での画素出力値をF3、モード4での画素出力値をF4とすると、これらの画素出力値は加算画素数に応じた乗数倍になっていなければならない。従って、第3実施形態では、第1実施形態の式(10)〜(12)に代えて、以下の関係が用いられる。
【0070】
F2=F1+K・ln(4) …式(10')
F3=F1+K・ln(9) …式(11')
F4=F1+K・ln(16) …式(12')
【0071】
第1実施形態と同様に、モード1に対応した補正値をC1とした場合に、
F1=K・ln(A1)−K・ln(Ref)+P+C1 …(13)
で求められた画素値F1に対して、式(10')〜式(12')の関係を保つ必要がある。そこで、第1実施形態と同様に、それぞれRef2〜Ref4を用いた各モードでのA/D変換値G2〜G4を用いた式(7)の変換式に対して補正値C2、C3、C4を加算し、
F2=K・ln(A2)−K・ln(Ref)+P+C2 …式(14)
F3=K・ln(A3)−K・ln(Ref)+P+C3 …式(15)
F4=K・ln(A4)−K・ln(Ref)+P+C4 …式(16)
とすることで、式(10')〜式(12')の関係を維持する。
【0072】
式(10')〜式(12')及び式(14)〜式(16)を用いて補正値C2〜C3を求めると以下で表すことができる。
C2=K・ln(A1)−K・ln(A2)+K・ln(4)=K・ln(4・A1/A2) …(17')
C3=K・ln(A1)−K・ln(A3)+K・ln(9)=K・ln(9・A1/A3) …(18')
C4=K・ln(A1)−K・ln(A4)+K・ln(16)=K・ln(16・A1/A4) …(19')
【0073】
第3実施形態では、モード1を基準として、補正値C1=0と、上記式(17')〜(19')で得られた補正値C2〜C4をメモリ19〜22に保持する。そして、画素加算モードに応じた補正値を用いてキャリブレーションを行うことにより、加算画素数に応じた乗数倍の出力値(加算された画素の数を乗じた値に対応する出力値)を得ることができる。
【0074】
図5は第3実施形態によるキャリブレーション処理を説明するフローチャートである。ステップS1〜S16は第1実施形態と同様である。ステップS17'〜S20'では、補正値C1=0と、上記式(17')〜(19')で得られた補正値C2〜C4をメモリ19〜22に保持する。そして、図3のフローチャートで説明した処理により、画素加算モードに応じた補正値を用いてキャリブレーションを行うことにより、加算画素数に応じた乗数倍の出力値を得ることができる。
【0075】
以上説明したように、第3実施形態によれば、アナログ的に画素加算を行った場合に生じる理想値からの乖離の影響を低減し、各画素加算モードにおいて、より正確に加算画素数に応じて乗数倍された出力値を得ることができる。
【0076】
<第4実施形態>
第3実施形態では、対数変換を施した画像についてゲイン補正や、画素加算モードに応じた補正を行ったが、対数変換を用いない系においても本発明は適用可能である。第4実施形態では、対数変換を省略した場合の、画素加算モードに対応した補正処理を説明する。第4実施形態のX線撮影装置の構成は第2実施形態(図4)と同様である。即ち、図1の対数変換LUT10を用いず、画像データに対して直接に除算と乗算を行うことで第1実施形態と同様の補正を行う。この場合、補正値C1〜C4からは対数表現が取れ、下式で示されるように計算される。
【0077】
C1=1 …(20')
C2=(4・A1/A2) …(21')
C3=(9・A1/A3) …(22')
C4=(16・A1/A4) …(23')
【0078】
図5のステップS17'〜S20'では、上記式(20')〜(23')により算出された補正値C1〜C4が夫々メモリ19〜22に格納されることになる。そして、図3のステップS37では、設定された画素加算モードに応じて上記補正値を用いた補正が行われ、補正された画像がデータ格納装置26に格納される。
【0079】
以上説明したように、第3及び第4実施形態によれば、FPD3上でアナログ的に隣接画素加算した場合において、加算する画素数に従った乗数を掛けた画素値をより正確に得ることができ、得られた画像情報から入射X線量の算定が容易に行えるようになる。
【0080】
以上、実施形態を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0081】
尚、本発明は、ソフトウェアのプログラムをシステム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによって前述した実施形態の機能が達成される場合を含む。この場合、供給されるプログラムは実施形態で図に示したフローチャートに対応したプログラムである。
【0082】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0083】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0084】
プログラムを供給するための記録媒体としては以下が挙げられる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などである。
【0085】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることが挙げられる。この場合、ダウンロードされるプログラムは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルであってもよい。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0086】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布するという形態をとることもできる。この場合、所定の条件をクリアしたユーザに、インターネットを介してホームページから暗号を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用して暗号化されたプログラムを実行し、プログラムをコンピュータにインストールさせるようにもできる。
【0087】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどとの協働で実施形態の機能が実現されてもよい。この場合、OSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0088】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれて前述の実施形態の機能の一部或いは全てが実現されてもよい。この場合、機能拡張ボードや機能拡張ユニットにプログラムが書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行なう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器と、
該検出器により得られる放射線の強度分布に対応するアナログ電気信号をアナログ加算するアナログ加算手段と、
前記加算された信号数に対して非線形な出力を示す前記アナログ加算により得られた電気信号を、前記加算された数に対して線形となるように補正するための補正情報を取得する取得手段と、
前記アナログ加算により得られた電気信号を前記補正情報により補正する補正手段と、を有することを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器と、
該検出器により得られる放射線の強度分布に対応するアナログ電気信号をアナログ加算するアナログ加算手段と、
前記アナログ加算により得られた電気信号を、前記アナログ加算によるアナログ電気信号の変化分が前記加算された数に対して線形となるように補正するための補正情報を取得する取得手段と、
前記アナログ加算されたアナログ電気信号に基づく画像を前記補正情報により補正する補正手段と、を有することを特徴とする撮影装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記画像の画素値を前記加算した数および前記検出素子が検出したX線量に比例した画素値に補正することを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記アナログ加算されたアナログ電気信号をデジタル値に変換するA/D変換器をさらに有し、
前記補正手段は前記アナログ加算されたのち前記A/D変換器によりデジタル値に変換され得られた画像データに対して前記補正情報により補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項5】
デジタル値をデジタル加算するデジタル加算手段をさらに有し、
前記アナログ加算手段は、第一の方向に隣接して並ぶ検出素子からのアナログ電気信号をアナログ加算し、
前記デジタル加算手段は、前記第一の方向と直交する第二の方向に隣接して並ぶ検出素子から得られたアナログ電気信号に基づくデジタル値をデジタル加算することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記アナログ加算手段によりアナログ加算されない信号に基づく画像を得る第一の画像形成手段と、
前記アナログ加算手段によりアナログ加算された信号に基づく画像を得る第二の画像形成手段と、をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項7】
前記取得手段は、前記検出素子における放射線の強度に応じた電荷を蓄積するための第一の容量と、前記加算手段の前段に配置され前記検出素子から読み出された電荷を保持する第二の容量とに基づき生ずる、前記アナログ加算の加算数に対して非線形な値を示すアナログ電気信号を補正する補正情報を取得する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項8】
前記取得手段は、同一の放射線量で同一の撮影を行った場合に、前記第一及び第二の画像形成手段で形成される各画像情報の全体もしくは一部の画素の平均値を等しくする補正情報を取得することを特徴とする請求項6に記載の撮影装置。
【請求項9】
前記取得手段は、同一の放射線量で且つ被写体の無い状態で撮影を行って前記第一及び第二の画像形成手段により第一及び第二の白画像情報を形成し、前記第一及び第二の白画像情報の全体もしくは一部における画素値の平均値を等しくするように前記補正情報を決定することを特徴とする請求項8に記載の撮影装置。
【請求項10】
前記取得手段は、同一の放射線量で同一の撮影を行った場合に、前記第一及び第二の画像形成手段で形成される2つの画像情報の全体もしくは一部の画素値の平均値の比を、前記第二の画像形成手段において加算される画素値の数に一致させる補正情報を取得することを特徴とする請求項6に記載の撮影装置。
【請求項11】
前記取得手段は、同一の放射線量で且つ被写体の無い状態で撮影を行って前記第一及び第二の画像形成手段により第一及び第二の白画像情報を形成し、前記第一及び第二の白画像情報の全体もしくは一部における画素値の平均値の比が前記第二の画像形成手段において加算される画素の数に一致するように前記補正情報を決定することを特徴とする請求項10に記載の撮影装置。
【請求項12】
前記第一及び第二の白画像を保持するメモリと、
前記第一又は第二の白画像を用いて前記第一又は第二の画像形成手段で形成される画像情報のゲイン補正を行う第2補正手段とを更に備えることを特徴とする請求項9又は11に記載の撮影装置。
【請求項13】
前記第一又は第二の画像形成手段で形成された画像を対数変換する変換手段を更に備え、
前記第2補正手段は、対数変換された画像情報の画素値と白画像情報の対応する画素値との減算により前記ゲイン補正を行い、
前記補正手段は、前記ゲイン補正された画像情報の画素値に前記補正情報を加算することを特徴とする請求項12に記載の撮影装置。
【請求項14】
前記第2補正手段は、前記第一又は第二の画像形成手段で形成された画像情報の画素値を白画像情報の対応する画素値で除算することにより前記ゲイン補正を行い、
前記補正手段は、前記ゲイン補正された画像情報の画素値に前記補正情報を乗算することを特徴とする請求項12に記載の撮影装置。
【請求項15】
前記第二の画像形成手段は、隣接する画素の加算数を切り替えることが可能であり、
前記取得手段は、前記加算数に対応した補正情報を取得し、メモリに保持することを特徴とする請求項8乃至14のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項16】
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器と、
前記放射線強度に対応して前記検出器より得られるアナログ電気信号をアナログ加算するアナログ加算手段と、
前記アナログ加算の非線形な特性を示す値を取得する取得手段と、
前記特性を示す値に基づいて前記アナログ加算により得られた電気信号を補正する補正手段と、を有することを特徴とする撮影装置。
【請求項17】
前記補正手段は、前記アナログ加算の非線形な特性に起因する前記電気信号への影響を排除する補正をすることを特徴とする請求項16に記載の撮影装置。
【請求項18】
前記放射線はX線であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の撮影装置。
【請求項19】
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器と、該検出器により得られる放射線の強度分布に対応するアナログ電気信号をアナログ加算する加算手段とを有する撮影装置から得られる画像を処理する画像処理装置であって、
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器で得られたアナログ信号をアナログ加算し得られた画像を取得する画像取得手段と、
前記加算された信号数に対して非線形な出力を示す前記アナログ加算により得られた電気信号を、前記加算された数に対して線形となるように補正するための補正情報を取得する補正情報取得手段と、
前記画像を前記補正情報により補正する補正手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項20】
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器と、
該検出器により得られる放射線の強度分布に対応するアナログ電気信号をデジタル値に変換して画像を得る変換手段と、
所定数の前記検出素子からそれぞれ得られる前記アナログ電気信号をアナログ加算するアナログ加算手段と、
前記加算された信号数に対して非線形な出力を示す前記アナログ加算により得られた電気信号を、前記加算された数に対して線形となるように補正するための補正情報を取得する取得手段と、
前記変換手段により得られた画像を前記補正情報により補正する補正手段と、を有することを特徴とする撮影システム。
【請求項21】
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器と、該検出器により得られる放射線の強度分布に対応するアナログ電気信号をアナログ加算するアナログ加算手段とを有する撮影装置から得られる画像の画像処理方法であって、
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器で得られたアナログ信号をアナログ加算し得られた画像を取得するステップと、
前記加算された信号数に対して非線形な出力を示す前記アナログ加算により得られた電気信号を、前記加算された数に対して線形となるように補正するための補正情報を取得するステップと、
前記画像を前記補正情報により補正するステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項22】
放射線を検出しアナログ信号を得る複数の検出素子と前記アナログ信号をアナログ加算する加算回路とを備える放射線検出器により得られる放射線画像を処理する画像処理装置であって、
前記アナログ信号に基づく第一の放射線画像と、前記アナログ加算された信号に基づく第二の放射線画像を取得する取得手段と、
同一の被写体を撮影して得られる前記第一の放射線画像と前記第二の放射線画像における対応する領域の画素値を揃えるための係数を記憶する記憶手段と、
前記係数を用いて前記第一の放射線画像と前記第二の放射線画像の少なくともいずれか一方を補正する補正手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項23】
放射線を検出しアナログ信号を得る複数の検出素子と、
前記アナログ信号をアナログ加算する加算回路と、
前記アナログ信号に基づく第一の放射線画像と、前記アナログ加算された信号に基づく第二の放射線画像と、を形成可能な画像形成手段と、
同一の被写体を撮影して得られた前記第一の放射線画像と前記第二の放射線画像において対応する領域の画素値を揃えるための係数を記憶する記憶手段と、
前記係数を用いて前記第一の放射線画像と前記第二の放射線画像の少なくともいずれか一方を補正する補正手段と、
を有することを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項1】
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器と、
該検出器により得られる放射線の強度分布に対応するアナログ電気信号をアナログ加算するアナログ加算手段と、
前記加算された信号数に対して非線形な出力を示す前記アナログ加算により得られた電気信号を、前記加算された数に対して線形となるように補正するための補正情報を取得する取得手段と、
前記アナログ加算により得られた電気信号を前記補正情報により補正する補正手段と、を有することを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器と、
該検出器により得られる放射線の強度分布に対応するアナログ電気信号をアナログ加算するアナログ加算手段と、
前記アナログ加算により得られた電気信号を、前記アナログ加算によるアナログ電気信号の変化分が前記加算された数に対して線形となるように補正するための補正情報を取得する取得手段と、
前記アナログ加算されたアナログ電気信号に基づく画像を前記補正情報により補正する補正手段と、を有することを特徴とする撮影装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記画像の画素値を前記加算した数および前記検出素子が検出したX線量に比例した画素値に補正することを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記アナログ加算されたアナログ電気信号をデジタル値に変換するA/D変換器をさらに有し、
前記補正手段は前記アナログ加算されたのち前記A/D変換器によりデジタル値に変換され得られた画像データに対して前記補正情報により補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項5】
デジタル値をデジタル加算するデジタル加算手段をさらに有し、
前記アナログ加算手段は、第一の方向に隣接して並ぶ検出素子からのアナログ電気信号をアナログ加算し、
前記デジタル加算手段は、前記第一の方向と直交する第二の方向に隣接して並ぶ検出素子から得られたアナログ電気信号に基づくデジタル値をデジタル加算することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記アナログ加算手段によりアナログ加算されない信号に基づく画像を得る第一の画像形成手段と、
前記アナログ加算手段によりアナログ加算された信号に基づく画像を得る第二の画像形成手段と、をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項7】
前記取得手段は、前記検出素子における放射線の強度に応じた電荷を蓄積するための第一の容量と、前記加算手段の前段に配置され前記検出素子から読み出された電荷を保持する第二の容量とに基づき生ずる、前記アナログ加算の加算数に対して非線形な値を示すアナログ電気信号を補正する補正情報を取得する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項8】
前記取得手段は、同一の放射線量で同一の撮影を行った場合に、前記第一及び第二の画像形成手段で形成される各画像情報の全体もしくは一部の画素の平均値を等しくする補正情報を取得することを特徴とする請求項6に記載の撮影装置。
【請求項9】
前記取得手段は、同一の放射線量で且つ被写体の無い状態で撮影を行って前記第一及び第二の画像形成手段により第一及び第二の白画像情報を形成し、前記第一及び第二の白画像情報の全体もしくは一部における画素値の平均値を等しくするように前記補正情報を決定することを特徴とする請求項8に記載の撮影装置。
【請求項10】
前記取得手段は、同一の放射線量で同一の撮影を行った場合に、前記第一及び第二の画像形成手段で形成される2つの画像情報の全体もしくは一部の画素値の平均値の比を、前記第二の画像形成手段において加算される画素値の数に一致させる補正情報を取得することを特徴とする請求項6に記載の撮影装置。
【請求項11】
前記取得手段は、同一の放射線量で且つ被写体の無い状態で撮影を行って前記第一及び第二の画像形成手段により第一及び第二の白画像情報を形成し、前記第一及び第二の白画像情報の全体もしくは一部における画素値の平均値の比が前記第二の画像形成手段において加算される画素の数に一致するように前記補正情報を決定することを特徴とする請求項10に記載の撮影装置。
【請求項12】
前記第一及び第二の白画像を保持するメモリと、
前記第一又は第二の白画像を用いて前記第一又は第二の画像形成手段で形成される画像情報のゲイン補正を行う第2補正手段とを更に備えることを特徴とする請求項9又は11に記載の撮影装置。
【請求項13】
前記第一又は第二の画像形成手段で形成された画像を対数変換する変換手段を更に備え、
前記第2補正手段は、対数変換された画像情報の画素値と白画像情報の対応する画素値との減算により前記ゲイン補正を行い、
前記補正手段は、前記ゲイン補正された画像情報の画素値に前記補正情報を加算することを特徴とする請求項12に記載の撮影装置。
【請求項14】
前記第2補正手段は、前記第一又は第二の画像形成手段で形成された画像情報の画素値を白画像情報の対応する画素値で除算することにより前記ゲイン補正を行い、
前記補正手段は、前記ゲイン補正された画像情報の画素値に前記補正情報を乗算することを特徴とする請求項12に記載の撮影装置。
【請求項15】
前記第二の画像形成手段は、隣接する画素の加算数を切り替えることが可能であり、
前記取得手段は、前記加算数に対応した補正情報を取得し、メモリに保持することを特徴とする請求項8乃至14のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項16】
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器と、
前記放射線強度に対応して前記検出器より得られるアナログ電気信号をアナログ加算するアナログ加算手段と、
前記アナログ加算の非線形な特性を示す値を取得する取得手段と、
前記特性を示す値に基づいて前記アナログ加算により得られた電気信号を補正する補正手段と、を有することを特徴とする撮影装置。
【請求項17】
前記補正手段は、前記アナログ加算の非線形な特性に起因する前記電気信号への影響を排除する補正をすることを特徴とする請求項16に記載の撮影装置。
【請求項18】
前記放射線はX線であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の撮影装置。
【請求項19】
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器と、該検出器により得られる放射線の強度分布に対応するアナログ電気信号をアナログ加算する加算手段とを有する撮影装置から得られる画像を処理する画像処理装置であって、
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器で得られたアナログ信号をアナログ加算し得られた画像を取得する画像取得手段と、
前記加算された信号数に対して非線形な出力を示す前記アナログ加算により得られた電気信号を、前記加算された数に対して線形となるように補正するための補正情報を取得する補正情報取得手段と、
前記画像を前記補正情報により補正する補正手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項20】
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器と、
該検出器により得られる放射線の強度分布に対応するアナログ電気信号をデジタル値に変換して画像を得る変換手段と、
所定数の前記検出素子からそれぞれ得られる前記アナログ電気信号をアナログ加算するアナログ加算手段と、
前記加算された信号数に対して非線形な出力を示す前記アナログ加算により得られた電気信号を、前記加算された数に対して線形となるように補正するための補正情報を取得する取得手段と、
前記変換手段により得られた画像を前記補正情報により補正する補正手段と、を有することを特徴とする撮影システム。
【請求項21】
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器と、該検出器により得られる放射線の強度分布に対応するアナログ電気信号をアナログ加算するアナログ加算手段とを有する撮影装置から得られる画像の画像処理方法であって、
放射線強度を検出する複数の検出素子を有する検出器で得られたアナログ信号をアナログ加算し得られた画像を取得するステップと、
前記加算された信号数に対して非線形な出力を示す前記アナログ加算により得られた電気信号を、前記加算された数に対して線形となるように補正するための補正情報を取得するステップと、
前記画像を前記補正情報により補正するステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項22】
放射線を検出しアナログ信号を得る複数の検出素子と前記アナログ信号をアナログ加算する加算回路とを備える放射線検出器により得られる放射線画像を処理する画像処理装置であって、
前記アナログ信号に基づく第一の放射線画像と、前記アナログ加算された信号に基づく第二の放射線画像を取得する取得手段と、
同一の被写体を撮影して得られる前記第一の放射線画像と前記第二の放射線画像における対応する領域の画素値を揃えるための係数を記憶する記憶手段と、
前記係数を用いて前記第一の放射線画像と前記第二の放射線画像の少なくともいずれか一方を補正する補正手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項23】
放射線を検出しアナログ信号を得る複数の検出素子と、
前記アナログ信号をアナログ加算する加算回路と、
前記アナログ信号に基づく第一の放射線画像と、前記アナログ加算された信号に基づく第二の放射線画像と、を形成可能な画像形成手段と、
同一の被写体を撮影して得られた前記第一の放射線画像と前記第二の放射線画像において対応する領域の画素値を揃えるための係数を記憶する記憶手段と、
前記係数を用いて前記第一の放射線画像と前記第二の放射線画像の少なくともいずれか一方を補正する補正手段と、
を有することを特徴とする放射線撮影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−120200(P2012−120200A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−2459(P2012−2459)
【出願日】平成24年1月10日(2012.1.10)
【分割の表示】特願2006−41654(P2006−41654)の分割
【原出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年1月10日(2012.1.10)
【分割の表示】特願2006−41654(P2006−41654)の分割
【原出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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