説明

操作入力装置

本発明の目的はアクティブ反力部(3)が動作しない場合でも車両への操作入力を可能とし、車両の運転を可能にすることにある。
本発明の一実施例においては、車両の操作入力装置において、操作力を受ける操作入力部(1)と、加えられた操作力に対して、電気的な制御による反力を前記操作入力部(1)に生成するアクティブ反力部(3)と、前記アクティブ反力部(3)と前記操作入力部(1)との間の力の伝達経路を開放するアクティブ反力切り離し部(4)とを設けることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、車両を操作するための操作入力装置に関する。
【背景技術】
車両を操作するための操作入力装置(例えばブレーキペダルやアクセルペダルなど)と、車両の挙動を決定する機構や手段(例えばブレーキやスロットルバルブなど)を持つ車両システムとを電気的手段によって接続し、操作入力装置の動作と車両の動作を独立に電気制御する技術が開発されている。
車両の操作は操作入力装置に操作力を加えることにより行われるが、上記の技術では、操作入力装置と車両の挙動を決定する機構や手段との間に、直接的に操作力を伝達する機構は存在しない。このため操作入力装置は、操作力に対して反力を返す機構を備え、運転者に適当な操作感を与える必要がある。
操作力に対して力を返す機構としては、機械的な構成により予め設定された特性を実現するパッシブ反力部(例えばバネ要素やダンパ要素を用いるもの)と、電動アクチュエータなどを用いて電気的に制御して特性を実現するアクティブ反力部とがあり、パッシブ反力部とアクティブ反力部を併用することにより小容量のアクチュエータでペダルの反力を実用範囲内で制御し可変とすることが可能となる。このようにパッシブ反力とアクティブ反力を組み合わせた操作入力装置をブレーキペダルで実現した例が特開2002−323930に記載されている。
上記のような従来技術では、アクティブ反力を発生させるアクティブ反力部が作動しない場合、摩擦抵抗やアクチュエータの逆起電力によって、操作入力装置に大きな負荷がかかり、操作入力装置が動きにくくなったり、あるいは全く動かなくなったりする場合があり、車両への操作入力が不可能になる可能性があるという問題があった。
【発明の開示】
本発明はアクティブ反力部が動作しない場合でも車両への操作入力を可能とし、車両の運転を可能にするものである。
車両の操作入力装置において、操作力を受ける操作入力部と、加えられた操作力に対して、電気的な制御による反力を前記操作入力部に生成するアクティブ反力部と、前記アクティブ反力部と前記操作入力部との間の力の伝達経路を開放するアクティブ反力切り離し部とを設ける。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例の構成を示すブロック図である。
第2図は、実施例の構成を示す模式図である。
第3図は、演算装置の機能を示すブロック図である。
第4図は、操作入力部の一例を示す模式図である。
第5図は、走査入力部の一例を示す模式図である。
第6図は、操作入力部の一例を示す模式図である。
第7図は、操作入力部の一例を示す模式図である。
第8図は、操作入力部の一例を示す模式図である。
第9図は、操作入力部の一例を示す模式図である。
第10図は、操作入力装置の反力を表すグラフである。
第11図は、操作入力装置の反力を表すグラフである。
第12図は、パッシブ反力部の一例を示す模式図である。
第13図は、パッシブ反力部の一例を示す模式図である。
第14図は、パッシブ反力部の一例を示す模式図である。
第15図は、アクティブ反力部の一例を示す模式図である。
第16図は、アクティブ反力部の一例を示す模式図である。
第17図は、アクティブ反力部の一例を示す模式図である。
第18図は、アクティブ反力部の一例を示す模式図である。
第19図は、弾力係数を求めるためのグラフである。
第20図は、減衰係数を求めるためのグラフである。
第21図は、操作入力装置の反力を求めるためのグラフである。
第22図は、操作入力装置の反力を求めるためのグラフである。
第23図は、操作力を計測する手段の一例を示す模式図である。
第24図は、操作力を計測する手段の一例を示す模式図である。
第25図は、操作幅を計測する手段の一例を示す模式図である。
第26図は、アクティブ反力切り離し部の一例を示す模式図である。
第27図は、アクティブ反力切り離し部の一例を示す模式図である。
第28図は、アクティブ反力切り離し部の一例を示す模式図である。
第29図は、アクティブ反力切り離し部の一例を示す模式図である。
第30図は、アクティブ反力部正常判断部で用いられるグラフである。
第31図は、アクティブ反力部正常判断部で用いられるグラフである。
第32図は、操作幅を求めるためのグラフである。
第33図は、操作速度を求めるためのグラフである。
第34図は、スイッチにより操作情報を得る手段の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。第1図に本発明を適用した車両の操作入力装置の一例を示す。
第1図において、1は運転操作が入力される操作入力部、2は機械的な構成により予め設定された特性を実現するパッシブ反力部、3は発生する反力を制御可能なアクティブ反力部、5はアクティブ反力部を制御するアクティブ反力制御装置、4はアクティブ反力部3と操作入力部1との間の反力の伝達を遮断するアクティブ反力切り離し部である。
ここで、操作入力部1にはパッシブ反力部2が接続されており、操作入力部1に加えられた操作力に対して所定の反力を生成する。また、アクティブ反力部3はアクティブ反力切り離し部4を介して操作入力部1に接続されており、アクティブ反力制御部5により制御された反力を操作入力部1に生成することができる。
操作入力部1に入力された操作情報は操作情報検出部6によって検出され、アクティブ反力制御部5、後述のアクティブ反力部正常判断部7、あるいは車両システム11に伝達される。操作情報検出部6は操作入力部1の状態を検出するセンサ9とそのセンサ信号を処理するセンサ処理部10を含んでいる。また、アクティブ反力部正常判断部7は操作情報検出部6により検知された操作入力部1の操作情報を基にアクティブ反力切り離し部4の作動あるいは警報部12の作動を行う。ここで、センサ処理部10とアクティブ反力部正常判断部7とアクティブ反力制御部5は演算装置8により実現される。車両システム11は操作情報検出部6により検知された操作入力部1の操作情報を基に車両の挙動を決定する。
第1図に示す実施例の、より具体的な実施例として、操作入力部1をブレーキペダルとした場合の例を第2図に示す。
第2図において、ペダル20,パッシブ反力部21,電動アクチュエータ24,アクティブ反力切り離し部23,演算装置25,センサ22,電動キャリパ26は、それぞれ第1図における、操作入力部1,パッシブ反力部2,アクティブ反力部3,アクティブ反力切り離し部4,演算装置8,センサ9,車両システム11に相当する。
上記の構成において、パッシブ反力部21による反力に抗してペダル20が踏み込まれることにより、操作入力部が操作されることとなる。ペダル20の踏み込み幅,踏み込み速度あるいは踏み込み力はセンサ22により検出される。電動アクチュエータ24はアクティブ反力切り離し部23に接続されており、電気的に制御されることによってペダル20に反力を与える。よって、ペダル20にかかる反力はパッシブ反力部21および電動アクチュエータ24で発生した反力の合計となる。
ここで、パッシブ反力部21が基本となる反力を生成し、電動アクチュエータ24が適切な反力補正を行う構成とすれば、電動アクチュエータ24の出力を抑えつつブレーキペダルとして十分な反力を実現することができる。
また、演算装置25はセンサ22の信号から操作の検出を行い、電動アクチュエータ24を制御すると同時に、電動キャリパ26に操作情報を伝達する。ここで、電動キャリパ26は車両システム11に相当し車両の制動力を生み出すことで車両の挙動を変化させることができる。
次に、第1図の演算装置8の詳細について、第3図に基づいて説明する。
第3図において、アクティブ反力制御部46,アクティブ反力部正常判断部44,センサ処理部45は、それぞれ第1図の5,7,10に相当する。
センサ処理部45には、操作入力部1に入力された操作情報を検出するセンサ9からの情報が入力され、この情報に基づいて、アクティブ反力制御部46がアクティブ反力部3を制御することにより、反力特性を制御する。
ここで、センサ9は、第3図の30乃至37に示すような種々のセンサの中から、操作の検出に利用する物理量に応じて選択することができる。例えば、荷重センサ30や歪ゲージ31をセンサ9として、操作入力部に加えられた操作力を検出してもよいし、例えば、ストロークセンサ32,ポテンショメータ33、あるいはロータリエンコーダ34をセンサ9として、操作入力部の操作幅を検出してもよい。あるいは、タコメータ35をセンサとして操作速度を検出してもよいし、加速度センサ36をセンサ9として操作加速度を検出してもよい。またセンサ9を、操作入力部1が操作されたことを検知するスイッチ37として、操作の検出を行ってもよい。
また、アクティブ反力を発生させるアクティブ反力部3は、電動モータ38,油圧ポンプ39,ソレノイド39等が考えられ、アクティブ反力制御部46がこれらを制御することにより、操作入力部1に発生する反力を制御する。
アクティブ反力部正常判断部44については後述するが、センサ処理部45の情報に基づいて警報装置41の作動や、アクティブ反力切り離し部を作動させるための電動モータ42あるいはソレノイド43の駆動を行う。
第1図に戻って、操作入力部1について説明する。操作入力部1は、例えばペダルあるいはレバーあるいはステアリングのように車両を運転するための操作を入力する装置であり、足あるいは手により与えられた操作力によって、一定の範囲内で操作幅や操作速度が変化し、また、足あるいは手により与えられた操作力に対して一定の範囲に拘束された回転あるいは直線運動を行う装置である。操作入力部1に加えられた操作力あるいは操作入力部1の操作幅,操作速度は操作情報として車両システム11に伝達され車両の挙動を決定する。
例えば、車両のブレーキに適用する場合には、操作入力部1をブレーキペダルとし、その操作情報に従って車両のブレーキシステムとなる電動キャリパあるいは油圧ポンプが作動し、車両を減速する構成が考えられる。また、車両のアクセルに適用する場合には、操作入力部1をアクセルペダルとし、その操作情報に従って電子制御スロットルが開閉し、車両を加速させる構成としてもよい。あるいは、車両の操舵に適用する場合には、操作入力部1をステアリングとし、その操作情報に従って電動ステアリング装置を作動し、車両の操舵を行う構成としてもよい。
操作入力部1の具体的な実施態様としては、第4図〜第9図に示すようなものが考えられる。
第4図は、操作入力部1をペダルとした例であり、ペダルの先端部50に操作力として力が加わると、回転軸51を中心にペダル50aが回転運動する構成である。第5図は、操作入力部1をペダルとした別の例であり、回転軸53をペダル52aの先端部52よりも下に配置する構成である。第4図及び第5図の構成は、操作入力装置を取り付ける車両の設計上の都合に応じて選択することができる。また第6図に示すように、操作入力部1は、先端部54に対して直動方向に拘束され、先端部54に加えられた力によって直動運動を行う構造としてもよい。さらに、操作入力部1を第7図のようなレバー状とし、作用点55を手で操作するような構造や、第8図のように作用部56をグリップ57と一緒に握るような構造、あるいは第9図のように軸59を中心にして作用部58を回転させるような構造としてもよい。また、図示していないが、操作入力部1をステアリングとすることも出来る。なお、上記のような操作入力部に反力を発生させる機構の詳細については後述する。
再度第1図に戻って、パッシブ反力部2について説明する。パッシブ反力部2は物質の特性あるいは機械的構造により操作入力部1の状態に応じた反力を発生する。生じる反力特性はパッシブ反力部を構成する物質の特性あるいは機械的構造によりあらかじめ決められており、電気信号あるいは電気的制御手段によってその特性を変化させることはできない。
物質の特性や機械的構造による反力には、操作幅に応じた反力を発生する弾力特性と、操作速度に応じた反力を発生する減衰特性とがあり、パッシブ反力部は少なくとも何れか一方の特性を含む。また、それらを組み合わせた反力特性を持たせることも可能である。なおパッシブ反力部の反力特性の具体例としては、例えば、第10図のように操作幅に応じて変化する特性や、第11図のように操作速度に応じて変化する特性が考えられる。
パッシブ反力部2の具体的実施態様について第12図〜第14図に示す。第12図〜第14図は、操作入力部1を第4図に示すようなペダルとした場合を例に取って説明しているが、第5図〜第9図に示すような操作入力装置の場合についても同様に適用することが出来る。
第12図は、弾力特性をもつバネ70と減衰特性をもつダンパ71を、ペダル72と基準面73とで挟むように取り付けた例であり、操作入力による変位に対してバネ70が縮むように構成した例である。これに対し第13図は、操作入力による変位に対してバネ74が伸びるように取り付けた例である。また、第14図は、操作入力装置の回転軸部75に戻しバネ76を取り付けてパッシブ反力部とした例である。
続いて、アクティブ反力部3について説明する。アクティブ反力部は、電動アクチュエータを電気的制御手段によって制御することにより、反力を生成する。ここで、電動アクチュエータは、例えば電動モータあるいはソレノイドを用いてもよいし、電動油圧ポンプを制御する構成を用いてもよい。また、アクティブ反力部はアクチュエータで生ずる力を増幅するための増幅機構あるいは減速機構を備えていてもよい。
アクティブ反力部3は、操作入力部1に対する操作量に係らず反力を変化させることが可能であり、同じ変位や同じ操作速度において、ある程度任意の反力を発生させることが可能である。よってパッシブ反力部2にアクティブ反力部を併設し、パッシブ反力部の反力に力を上乗せして大きくするか、あるいはパッシブ反力部の反力と逆向きの力を生成して操作入力部にかかる反力を小さくすることができる。
前述の通り、パッシブ反力部で生成する反力はパッシブ反力部を構成する物質と機械的構造で特性が決定されてしまうが、アクティブ反力部は電気によりアクチュエータを駆動して反力を生成するため、制御により自由に反力を変化させることが可能となる。しかし、アクティブ反力部により大きな反力を出そうとすると、アクチュエータを大型にしなければならず、電力の消費も大きくなる。そこで、必要とされる反力特性の概略をパッシブ反力部で実現し、アクティブ反力部によりペダルの反力特性を変化させる構成とすれば、アクチュエータの出力を小さくしつつ実用範囲内で特性を変えた反力を操作入力部に発生させることができる。
アクティブ反力部3を実現するには、例えば操作入力部1をペダルとして、第15図のように回転アクチュエータ80をペダルの回転軸81に取り付け、回転アクチュエータ80から発生する回転力を反力とする方法がある。この場合、回転アクチュエータには例えば電動モータを用いてもよい。またアクティブ反力部として、第16図のように直動アクチュエータ82をペダル83に取り付け、ペダル83に反力を与える方法も考えられる。この場合直動アクチュエータにはソレノイドや直動型電動モータを用いてもよいし、また第17図のように回転アクチュエータ85の出力を回転直動変換手段84により、直動方向に変換しペダルを駆動する構成としてもよい。回転直動変換手段としては例えばウォームギアを用いてもよいし、ボールねじを用いてもよい。ここで、直動アクチュエータとしては、例えば第18図のように油圧ポンプ88で発生させた油圧によってピストン87を駆動しペダル89に反力を与える方法を用いてもよい。
第1図において、アクティブ反力制御部5は操作情報検出部6から得られる情報(例えば操作幅,操作速度,操作加速度等)を用いて、発生させる反力を算出し、アクティブ反力部3を制御して操作入力部1に反力を発生させる。
ここで、発生させる反力を求める方法としては、例えば操作幅を元にして、第19図および第20図から弾力係数Kおよび減衰係数Dを決定し、反力=(K×操作幅+D×操作速度)を計算することによって求める方法や、あらかじめ設定された質量係数Mを用いて、反力=(K×操作幅+D×操作速度+M×操作加速度)を計算しその値を反力とする方法がある。ここで例えば操作入力部1が一般的なブレーキペダルであった場合、Mは0.2kg程度の値となる。なお、第19図は操作幅に対する弾力係数のグラフであり、第20図は操作幅に対する減数係数のグラフである。また、第21図に示すような操作幅に対する反力のグラフを用いて、検出した操作幅から直接的に反力を求めてもよいし、第21図のグラフで求めた反力と操作速度を用いて第22図のグラフから求めた反力を合計して求めてもよい。
次に、第1図において、操作情報検出部6は例えば操作入力部1に作用する操作力、あるいは操作幅や操作速度あるいは操作加速度を検出する。また、あるいはスイッチにより操作入力部1が操作されたことを検知する。
操作情報検出部の具体的な実装の例を第23図〜第25図に示す。操作力を検出するセンサとして、荷重センサあるいは歪ゲージが考えられる。例えば第23図のように荷重センサ90をペダルの先端部91に取り付けてもよいし、荷重センサ92のようにペダル93と基準面94の間に取り付けてもよい。また、例えば第24図のようにパッシブ反力部96とペダル97の間に荷重センサ95を取り付けてもよい。また、ペダルの構造物に歪ゲージを取り付け、歪ゲージの微小変位による抵抗変化を計測することで操作力を検知してもよい。またペダルの速度や加速度変化から等価的に演算で求めてもよい。
操作幅を検出する手段としては例えば、ストロークセンサあるいはポテンショメータあるいはロータリエンコーダが考えられる。ここで、ストロークセンサは例えば第25図のように取り付ける。ストロークセンサ100はロッド101がペダル103に接触しており、ロッド101が押し込まれたり引き抜かれたりすると、ロッド101の移動をペダル103の操作幅として検知する。ロッド101の移動を検地する方法は、例えば可変抵抗を用いて電気抵抗の変化を検知することで行うことが出来る。あるいは磁気回路を用いて磁気抵抗の変化としてロッド101の移動幅を検出する方法も可能である。また、ペダル103の操作幅の検知方法としては、例えば回転軸102にポテンショメータ105を取り付け、ペダル103の回転角度を電気抵抗の変化で検出してもよい。ポテンショメータは例えば可変抵抗の抵抗変化により回転角度を検出する方式でもよい。また、例えばペダル103の回転軸102にロータリエンコーダを取り付けペダル103の回転角度を検知してもよい。ロータリエンコーダは例えば磁気素子を用いて、磁気の変化を検知する方式でもよいし、回転スリットを用いて光ピックアップで検知する方式でもよい。またペダル103の操作幅は、レーザ光をペダル103に照射しその反射光の位相を計測することで測定してもよい。あるいは操作速度を積分することによって演算で求めてもよい。
操作速度の検出には例えばタコメータを用いる。タコメータは例えば巻き線に対する磁束の変化により発生する起電力を用いて回転速度を計測する方式でもよい。また、操作速度は操作幅を微分することにより演算で求めてもよいし、操作加速度を積分して演算で求めてもよい。操作加速度の検知は例えば加速度センサを用いて計測してもよいし、速度を微分して演算により求めてもよい。
ここまで、アクティブ反力部を備えた操作入力装置について説明してきたが、アクティブ反力部はアクチュエータを用いて反力を生成するため、アクチュエータが故障した場合に以下に示すような問題が発生する。
アクティブ反力部には、アクチュエータの摩擦抵抗あるいはアクチュエータに取り付けられた増幅機構あるいは減速機構といったギア機構や、力の伝達機構における摩擦抵抗が存在する。また、アクチュエータが電気モータであれば逆起電力による抵抗も存在する。そのためアクチュエータが正常に動作していない場合には、操作入力部が動き難くなってしまう可能性があり、さらに増幅機構や減速機構の増幅比や減速比によっては、操作入力部1に力を加えても、アクティブ反力部が動かなくなり、操作が出来なくなってしまう可能性がある。
そのため、アクティブ反力部が正常に動作しない場合においても、操作入力部を使用可能とし、車両を操作可能とするため、アクティブ反力切り離し部を用いてアクティブ反力部を操作入力部から切り離す必要がある。
そこで、アクティブ反力切り離し部4を、アクティブ反力部3による反力が操作入力部1に伝達される部分に設置し、電気信号あるいは機械操作によってアクティブ反力部3と操作入力部1との間の力の伝達を切り離すことにより、アクティブ反力部3が固着あるいは動作不良を起こしても、操作入力部1への影響が出ないようにすることができる。
アクティブ反力部4の具体的な実施形態について、第26図〜第29図を参照して説明する。
まず、第26図は操作入力部1をペダル110とし、アクティブ反力部として回転軸にトルクを伝達可能な電動モータ113を設けた実施例である。ここで電動モータ113とペダル110の間には、アクティブ反力切り離し部としてクラッチ112を設ける。このクラッチ112は二枚の円盤からなり、円盤が接触している時には電動モータ113とペダル110とが接続されており、電動モータ113による回転力がペダル110に伝達され、操作入力部の反力となる。ここで、開放装置114に電流が流れるとクラッチ112の二枚の円盤が分離され、電動モータ113とペダル110の機械的接続が切り離されるように構成することにより、電動モータ113が固着あるいは動作不良を起こしてもペダル110を操作することが可能となる。ここで開放装置114はソレノイドあるいは電動モータによって実現することが考えられる。また、開放装置114は電流が流れなくても、例えばレバー115を操作したりスイッチ116を押したりネジ117を回すような機械的操作によって、クラッチ112の二枚の円盤を切り離すような構造とすることも出来る。
また、第27図のようにアクティブ反力部と操作入力部とが同じ中心を持つ駆動軸120および駆動軸121によって接続されており、駆動軸120と駆動軸121が拘束部品123で、固定されている構成を考える。ソレノイド122は電流を流すことにより、この拘束部品123を抜きだし、あるいは差し込むことにより駆動軸120と駆動軸121を接続、あるいは切り離すことができる構成となっている。さらにこの拘束部品123の抜き差しがレバー操作やネジ回しのような機械的操作で行えるようになっていてもよいし、あるいは手や工具により直接抜き差しできるような機構となっていてもよい。このような構成にすることで、アクティブ反力部が固着あるいは動作不良を起こしても操作入力部を操作することが可能となる。第27図の構成は、操作入力部を第9図のような構成とした場合にも適用可能である。
さらに、アクティブ反力部と操作入力部との間を第28図のような伝達機構で接続する構成としてもよい。第28図に示す実施例は、駆動軸130および駆動軸133は、伝達部131および伝達部132で接続されており、ソレノイド135に流す電流を制御することにより、伝達部131と伝達部132とを接合させたり、離したりできるような構成となっている。なお、伝達部131,132は摩擦によりトルクを伝えるものでも、噛み合いによりトルクを伝えるものでもよい。
また、例えば第29図のようにアクチュエータ140とペダル141の間を、拘束部品142で接続する構成としてもよい。拘束部品142はあらかじめ決められた大きさの引っ張り力あるいは圧縮力がかかると破壊される。アクチュエータ140が正常に動作している場合、ペダル141に加わる操作力と反力はほとんど釣り合っており、拘束部品142は破壊されない。しかし、アクチュエータ140が正常に動作しない場合、ペダル141に対する操作力と反力の差分が拘束部品142に作用し、拘束部品142が破壊される。拘束部品142の破壊によりアクチュエータ140とペダル141は切り離される。
アクティブ反力切り離し部を電気的な手段で作動させる場合、アクティブ反力部正常判断部によりアクティブ反力部が正常に動作するかどうかを判断する。アクティブ反力部正常判断部によってアクティブ反力部が正常に動作しないと判断された場合、アクティブ反力部正常判断部はアクティブ反力切り離し部に対し、アクティブ反力部を切り離すための電気的操作を行う。
ここで、アクティブ反力部正常判断部7によりアクティブ反力部3が正常に動作しないと判断される条件について説明する。
操作入力部1における反力はパッシブ反力部2あるいはアクティブ反力部3によって生成されるが、アクティブ反力部3はその駆動に電気力を必要とするため、車両の電源にアクティブ反力部3を駆動するだけの電気容量が残っていないか、または、アクティブ反力部3が所属する電気系統に電力が供給されていない場合は、アクティブ反力部3で反力を生成することができない。そのため、アクティブ反力部3に供給される電源の電流や電圧に異常があった時、あるいは車両の電源の充電と放電の関係から車両の電源にアクティブ反力部3を駆動するだけの容量が確保されていないと推定される場合、アクティブ反力部正常判断部7はアクティブ反力部3が正常に動作しないと判断する。
また、例えばアクティブ反力部3におけるアクチュエータ自身に異常が発生した場合、あるいはアクティブ反力制御部5に異常があった場合、あるいは操作情報検出部6に異常があった場合、あるいは操作情報検出部6から得られた操作情報に異常または矛盾があった場合、あるいは操作情報検出部6やアクティブ反力部3との間の信号線,電源線に異常があった場合、アクティブ反力部3を正常に動作させることができないと判断する。以下、異常判断の例を示す。
例えば、操作入力部1の操作幅と操作速度を用いて、(Kv×操作幅+Dv×操作速度)を求め、その値と操作入力部1に加えられた操作力の差の絶対値が、あらかじめ決められた値Δvより大きかった場合アクティブ反力部3が正常に動作していないと判断することができる。ここで、Kvは第30図のグラフで求められ、Dvは第31図のグラフで求められるとしてもよい。またΔvは(Kv×操作幅+Dv×操作速度)の10%としてもよい。また、例えばパッシブ反力部とアクティブ反力部の反力の合計値に対して、操作入力部に加えられた操作力の差の絶対値が予め定めた値より大きい場合に、アクティブ反力部が正常に動作していないと判断してもよい。パッシブ反力部が生成している反力は操作入力部の操作幅と操作速度から推定してもよいし、荷重センサで検出してもよい。
また、アクティブ反力部正常判断部7はアクティブ反力部3が正常に動作しないと判断される場合、警報部12を駆動することによってアクティブ反力部が正常に動作しないことを明示する。警報部12は例えば、ブザーあるいは音声といった聴覚の情報によるものでもよいし、また例えば、ランプあるいは文字といった視覚の情報によるものでもよい。また例えば、機械的操作によりアクティブ反力切り離し部7を作動させアクティブ反力部を操作入力部から切り離すことを促すものであってもよい。
次に、アクティブ反力部が正常に作動する場合でもアクティブ反力部を切り離す場合について説明する。
操作入力部1はパッシブ反力部2およびアクティブ反力部3に接続しており、アクティブ反力部3による反力が無い場合でもパッシブ反力部2のみでペダルに反力を生成する。そのため、アクティブ反力部が正常に動作する場合でも、アクティブ反力部3を切り離してパッシブ反力部2のみでペダルに反力を生成することにより、電力の消費やアクチュエータの駆動音を抑えることができる。また、ペダルが出す必要のある反力とパッシブ反力部2により生成される反力が同じ場合、アクティブ反力部3の出力は0とすることが理想となる。
しかし、操作入力部の反力をパッシブ反力部のみで生成しようとした場合、アクティブ反力部が操作入力部と機械的に接続していると、アクティブ反力部の逆起電力や摩擦抵抗により、操作入力部に余分な負荷がかかり、操作入力部が動かないあるいは非常に動きづらくなる。そこで、アクティブ反力部が必要ない場合はアクティブ反力切り離し部を用いてアクティブ反力部をペダルから切り離すことを考える。
具体的には例えばパッシブ反力部が生成する反力の計測値あるいはパッシブ反力部が生成しているであろう反力の推定値がアクティブ反力部を用いて実現しようとしている反力に等しい場合、アクティブ反力部を切り離す。あるいは、例えばスイッチやレバーによりアクティブ反力部を無効にする設定が選択されていた場合、アクティブ反力部を切り離す。
この実施例によれば、パッシブ反力部のみで所望の反力特性を実現できる場合に、アクティブ反力部の摩擦抵抗等の影響を切り離すことが可能となり、制御性の向上及び消費電力の低減が図られる。
次に、操作情報検出部6で検知した操作入力部1の操作情報を、車両システム11に伝達することを考える。車両システム11は伝達された操作情報を元に車両の挙動を変化させる。操作情報には操作入力部1の操作幅や操作速度あるいは操作入力部1に加えられた操作力の内少なくとも一つが含まれている。
ここで、操作入力装置のアクティブ反力部3に異常が発生した場合、アクティブ反力部3に含まれるアクチュエータや伝達機構の抵抗によって、操作入力部が動かない、あるいは動きにくくなるため、操作入力部1に異常な抵抗が加わった場合、操作入力部1の操作幅あるいは操作速度を正確に検出することができなくなる。そのため、車両システム11で操作入力部1の操作幅あるいは操作速度を元にして車両の挙動を変化させた場合、正常な車両運転が行えず、車両が危険な挙動を行う可能性がある。しかし、操作入力部1に加えられた操作力は操作入力部1に異常な抵抗が加わった場合でも検出することが可能であるため、アクティブ反力部に異常が発生した場合、操作情報伝達部は操作入力部の操作力に基づいた操作情報を車両システムに伝達する方法が有効となる。
ここで、例えば、アクティブ反力部に異常が発生した場合に、車両システムに伝達する操作情報として操作力のみを用い、車両システムが操作力を基に車両の挙動を決定してもよい。しかし、車両システムが操作幅あるいは操作速度を基準に車両の挙動を決定している場合、アクティブ反力部に異常が発生しても、操作入力装置からは操作幅あるいは操作速度を車両システムに伝達したほうが有効である。そこで、例えばアクティブ反力部に異常が発生した場合、操作入力部1に加えられる操作力から、第32図のようなグラフを元に操作入力部1の操作幅を計算する方法が考えられる。あるいは操作入力部1の操作力の変化量あるいは操作力の微分値を用いて、第33図のようなグラフを元に操作入力装置の操作速度を計算する方法も考えられる。
さらに、アクティブ反力部が正常に動作しない場合でかつ操作力も検出できない場合を考える。ここで、第34図の様に、操作入力部150とアクティブ反力部151の間にスイッチ152を設けることにより、操作入力部150に力が加わるとアクティブ反力部151の動作に関わらずスイッチ152が押された状態になり、操作入力部150に力が加わっていないときはスイッチが押されていない状態になる。アクティブ反力部に異常が発生した場合でも、スイッチ152が押されているかどうかを判定することにより、操作入力部1に力が加わっているかどうかを判断することができる。そこで、アクティブ反力部151が正常に動作しない場合にスイッチ152が押されて場合はあらかじめ決められた操作情報を車両システムに伝達する。
以上のように、本実施例では、アクティブ反力部が切り離せず、操作入力部が動き難い、あるいは、動かない場合でも、操作入力部に対する操作情報を算出して外部システムに伝達するため、最低限車両が危険な挙動を行うことを防ぐことができ、より信頼性の高い操作入力装置を実現することができる。
以上で説明した通り、アクティブ反力部が正常に作動しない場合やアクティブ反力が必要ない場合はアクティブ反力部を切り離し、パッシブ反力のみで操作入力装置の反力を確保して車両の操作を可能とする。
アクティブ反力切り離し部がアクティブ反力部を切り離す方法としては、アクティブ反力部正常判断部により電気的操作を用いて行われる方法や、機械的操作を用いて行われる方法が考えられる。
また、機械的操作を促すため、アクティブ反力部正常判断部が音あるいは光の情報によってアクティブ反力部が正常に動作しないことを明示することもできる。これにより運転者にアクティブ反力部の異常を報知することが可能となる。
また、操作情報検出部は操作入力装置に加えられた操作力あるいは操作入力装置の操作幅や操作速度を操作情報として検出し、検出された操作情報を車両システムに伝達することにより、車両の操作を可能とする。
また、アクティブ反力部が正常に動作せず、操作入力装置の操作幅や操作速度の情報が得られない場合、操作力あるいはスイッチ情報を用いて操作情報を算出し車両システムに伝達する。これにより、車両の操作が可能となる。
【産業上の利用可能性】
アクティブ反力部が正常に動作しない場合やアクティブ反力が必要のない場合でも、操作入力部に反力を発生させることができ、車両の操作を行うことが可能となる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作力を受ける操作入力部と、
加えられた操作力に対して、電気的な制御による反力を前記操作入力部に生成するアクティブ反力部と、
前記アクティブ反力部と前記操作入力部との間の力の伝達経路を開放するアクティブ反力切り離し部とを備えることを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項2】
請求項1において、
加えられた操作力に対して、物質の特性及び/又は構造による反力を前記操作入力部に生成するパッシブ反力部を有し、
前記パッシブ反力部による反力が、前記アクティブ反力部による反力よりも大きいことを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記アクティブ反力部の異常を検出するアクティブ反力部正常判断部を備え、
該アクティブ反力部正常判断部が前記アクティブ反力部の異常を検出した場合は、前記アクティブ反力切り離し部により、前記アクティブ反力部と前記操作入力部との間の力の伝達経路を開放することを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記アクティブ反力部正常判断部がアクティブ反力部の異常を検出した場合、警報を発することを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項5】
請求項3において、
前記アクティブ反力部正常判断部が前記アクティブ反力部の異常を検出する条件として、
前記操作入力部に加えられた操作力が、前記操作入力部の操作幅あるいは操作速度を基準として決められる所定の範囲から逸脱したことが含まれることを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記操作入力部の操作情報を検出する操作情報検出部と、
検出した操作情報を車両システムに伝達する送信部とを備えることを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記操作情報検出部が検出する操作情報は、少なくとも操作入力部の操作幅,操作速度,操作力の何れか一つを含むことを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項8】
請求項6において、
前記操作入力部の操作幅あるいは操作速度が検出できない場合、前記操作入力部に加えられる操作力に基づいて操作情報を算出し、車両システムへ送信することを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項9】
請求項6において、
前記アクティブ反力部の異常を検出した場合、前記操作入力部への操作力に基づいて操作情報を算出し、車両システムへ送信することを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項10】
請求項6において、
前記アクティブ反力部の異常を検出した場合、前記操作入力部への操作をスイッチによって検出し、検出したスイッチ情報に基づいて操作情報を算出し、車両システムへ送信することを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項11】
請求項3において、
加えられた操作力に対して、物質の特性及び/又は構造による反力を前記操作入力部に生成するパッシブ反力部を有し、
前記操作入力部に加えられる操作力に対して発生させるべき反力が、前記パッシブ反力部のみで実現可能である場合に、
前記アクティブ反力切り離し部により、前記アクティブ反力部と前記操作入力部との間の力の伝達経路を開放することを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項12】
一端が回転軸を中心に回動可能にとりつけられ、他の一端に操作力を受けて回動するブレーキペダルと、
前記ブレーキペダルに対する操作量および/または操作力を検出する操作入力検出部と、
前記ブレーキペダルに加えられた操作力に対して、物質の特性及び/又は構造による反力を前記ブレーキペダルに生成するパッシブ反力部と、
前記ブレーキペダルに加えられた操作力に対して、電気的な制御による反力を前記ブレーキペダルに生成するアクティブ反力部と、
前記アクティブ反力部と前記操作入力部との間の力の伝達経路を開放するアクティブ反力切り離し部とを備えることを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項13】
請求項12において、
前記アクティブ反力部の異常を検出するアクティブ反力部正常判断部を備え、
該アクティブ反力部正常判断部が前記アクティブ反力部の異常を検出した場合は、前記アクティブ反力切り離し部により、前記アクティブ反力部と前記操作入力部との間の力の伝達経路を開放することを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項14】
請求項12において、
前記アクティブ反力部は、前記回転軸にトルク伝達可能に設けられた電動モータであることを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項15】
請求項12において、
前記パッシブ反力部は、前記ブレーキペダルの回動に応じて変位を生じるバネ機構であることを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項16】
請求項12において、前記アクティブ反力切り離し部は、前記アクティブ反力部と前記ブレーキペダルとの間に設けたクラッチ機構であることを特徴とする車両の操作入力装置。
【請求項17】
操作力を受ける操作入力部と、
加えられた操作力に対して、電気的な制御による反力を前記操作入力部に生成するアクティブ反力部と、
前記アクティブ反力部と前記操作入力部との間の力の伝達経路を開放するアクティブ反力切り離し部とを備えた車両の操作入力装置を制御する車両用制御装置であって、
前記アクティブ反力部の異常を検出した場合は、前記アクティブ反力切り離し部を制御して、前記アクティブ反力部と前記操作入力部との間の力の伝達経路を開放することを特徴とする車両用制御装置。

【国際公開番号】WO2005/056357
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【発行日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−511671(P2005−511671)
【国際出願番号】PCT/JP2003/015791
【国際出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】