説明

操作制御装置

【課題】運転時において運転者以外の同乗者の使用する携帯電話端末が制限されることなく使用でき、運転時の運転者の通話を禁止することができる一方、緊急時における対応が可能な操作制御装置を提供する。
【解決手段】インタフェース部21に携帯電話端末4と接続されたことを認識すると、暗証番号要求を携帯電話端末4に送信し、入力暗証番号が登録暗証番号と一致したときにエンジン始動許可信号をエンジン制御部23に出力し、車両3が停止または走行状態にあるかを判別し、走行状態のときは携帯電話端末4を着信のみを可能とし、着信があったことを通知する機能を停止する着信制限モードに設定する制御信号を携帯電話端末4に送信し、着信制限モード時において、携帯電話端末に緊急の着信があったときのみ、緊急時の着信であることを通知可能に制御する端末制御部25を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両内における携帯電話端末の着信等の操作を制御する操作制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話機に普及に伴い、自動車運転中に携帯電話端末を使用して通話等を行うことよる事故が多発している。
そのような事故発生を防止する技術として、自動車運転中の携帯電話端末の着信を制限する着信制限システムが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された着信制限システムは、自動車内に携帯電話端末の着信を拒否する着信制御信号を送信する手段と、自動車の運転状態を検出する手段とを有している。
そして、自動車から携帯電話端末の着信を拒否する着信制限モードに設定する制御信号を送信し、携帯電話端末はその制御信号の受信/非受信に応じて着信制限モードの設定/解除を行う。
また、自動車のギアのパーキングが検出された場合には、携帯電話端末はそれに応じて着信制限モードの解除を行い、パーキング解除が検出された場合には、それに応じて着信制限モードの設定を行う。
【特許文献1】特開2005−26802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、以下に示すような不利益がある。
車両の運転者だけでなく、同乗者が所有している携帯電話端末にも制御信号が送信されるため、同乗者の携帯電話端末も運転時には使用することができない。
着信拒否と着信解除の2通りしかないため、着信者の緊急時における対応は着信拒否時には不可能となる。
ハンズフリー装置の使用時における携帯電話端末の使用は可能であるため、会話に気をとられて運転がおろそかになる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、運転時において運転者以外の同乗者の使用する携帯電話端末が制限されることなく使用でき、運転時の運転者の通話を禁止することができる一方、緊急時における対応が可能な操作制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の観点は、車両の状態に応じた制御が可能な操作制御装置であって、携帯電話端末と少なくとも通信可能に接続されるインタフェース部と、車両が停止状態にあるか走行状態にあるかを判別し、車両が走行状態にあるときは、前記携帯電話端末を着信のみを可能とし、着信があったことを通知する機能を停止する着信制限モードに設定する制御信号を、前記インタフェース部を介して前記携帯電話端末に送信する端末制御部と、を有する。
【0007】
好適には、前記端末制御部は、前記着信制限モード時において、前記携帯電話端末に緊急の着信があったときのみ、緊急時の着信であることを通知可能に制御する。
【0008】
好適には、前記端末制御部によりエンジン始動許可信号を受けると、エンジン始動可能となるように制御するエンジン制御部を有し、前記端末制御部は、前記携帯電話端末から受信した識別データが車両の登録データと一致したときのみ前記エンジン制御部にエンジン始動許可信号を出力する。
【0009】
好適には、前記端末制御部は、車両が停止状態にあると判別すると、前記携帯電話端末に対する着信制限モードの設定を行わない。
【0010】
好適には、前記端末制御装置は、前記エンジン制御部に対してエンジン始動許可を出し、車両が走行状態から停止状態となってときには、前記携帯電話端末に対する着信制限モードの設定を解除する。
【0011】
好適には、前記端末制御部は、車両のエンジンが動作している間は、前記インタフェース部における携帯電話端末との接続状態が解除できないように制御する。
【0012】
好適には、前記端末制御部は、前記インタフェース部において携帯電話端末と接続されたことを認識すると、暗証番号要求を当該携帯電話端末に送信し、当該携帯電話端末から入力された暗証番号が登録暗証番号と一致したときに前記エンジン始動許可信号を前記エンジン制御部に出力する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、運転時において運転者以外の同乗者の使用する携帯電話端末が制限されることなく使用できる。
また、運転時の運転者の通話を禁止することができる一方、緊急時における対応が可能となる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を添付図面に関連付けて説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る操作制御装置を採用した車両内制御システムの構成例を示す模式的に示すブロック図である。
【0016】
本制御システム1は、操作制御装置2、車両(自動車)3、および携帯電話端末4により構成される。
【0017】
本制御システム1は、車両3内に携帯電話端末4を接続可能な操作制御装置2を設置可能とし、車両3内において操作制御装置2に携帯電話端末4が接続され、かつ、携帯電話端末4からあらかじめ決められた暗証番号が入力されることで、車両3のエンジンがはじめて始動可能となる。
エンジン始動後は、車両3の状態(停止状態か動作状態か)および携帯電話端末4への緊急時の着信か否かにより、操作制御装置2から携帯電話端末4へ各種信号が送信され、携帯電話端末4の操作を可能か不可能か、または制限する。
【0018】
以下、操作制御装置2、車両3、および携帯電話端末4の具体的な構成および機能について説明する。
【0019】
図2は、本実施形態に係る操作制御装置および車両の制御基板の構成例を示すブロック図である。
【0020】
操作制御装置2は、第1インタフェース部(IF1)21、第2インタフェース部(IF2)22、エンジン制御部23、走行状態通知部24、および端末制御部25を有する。
【0021】
第1インタフェース部21は、携帯電話端末4のインタフェース部と有線による通信あるいは無線通信が可能となるように接続可能に構成され、接続状態となると、その旨を端末制御部25に報知する。
第1インタフェース部21は、たとえば有線により接続する場合には、コネクタ接続され、コネクタが接続されると、携帯電話端末2と通信可能に接続されたことを端末制御部25に報知する。
また、第1インタフェース部21は、たとえば有線によるコネクタ接続された場合には端末制御部25による制御信号CTLに応じてその接続状態が図示しないロック機構によりロックされ、取り外しができないように制御される。
具体的には、第1インタフェース部21は、端末制御部25の制御信号CTLにより、たとえば車両3のエンジンが動作している間は、この取り外しができない状態に制御される。
また、この第1インタフェース部21の接続部を通してあるいは別系統で電源ラインを形成し、車両3の図示しないバッテリ電源3aから受けた駆動電力に基づいて携帯電話端末4の充電機能電源部26を持つように構成することも可能である。
【0022】
第2インタフェース部22は、車両3の制御基板31と接続するためのインタフェースであり、制御基板31との信号の授受(交信)や制御ができるように調整する。
第2インタフェース部22は、たとえばエンジン制御部23によるエンジン制御信号の制御基板31への送信、あるいは、制御基板31からの車両3の走行状態情報、すなわち車両3が走行状態にあるのか停止状態にあるかの情報を走行状態通知部24に入力する。
また、この第2インタフェース部22の接続部を通して電源ラインを形成し、車両3の図示しないバッテリ電源3aから駆動電力の供給を受けるように構成することも可能である。
【0023】
エンジン制御部23は、端末制御部25によりエンジン始動許可を受けると、第2インタフェース部22を通して、車両3の制御基板31に設けられたエンジン制御部312を作動させ、エンジン始動可能となるように、エンジン始動のオン・オフを制御する。
車両内制御システム1は、このエンジン制御部23によりエンジン始動オンに制御されない限り、エンジンを始動させることができないように構成されている。
【0024】
走行状態通知部24は、車両3の制御基板31からの車両3が走行状態にあるのか停止状態にあるかの走行状態情報を入力し、車両3が停止状態にあるのか走行状態にあるかを端末制御部25に通知する。
【0025】
端末制御部25は、車両3内に携帯電話端末4を持ち込まれ、携帯電話端末4が第1インタフェース部21に接続されたことを第1インタフェース部21より知らせを受けると、第1インタフェース部21を通して携帯電話端末4に対して識別データとしての暗証番号を要求する。
端末制御部25は、暗証番号要求に応答して携帯電話端末4から暗証番号に送信されてくると、入力した暗証番号が車両3のキーとしてあらかじめ設定された登録データとしての登録暗証番号と一致するかを判定し、携帯電話端末4により、正しい暗証番号が入力されたか否かを判別する。
【0026】
端末制御部25は、携帯電話端末4より入力された暗証番号が正しい場合には、エンジン制御部25にエンジン始動許可信号を出力する。これにより、エンジン制御部23により車両のエンジン制御部312が作動され、車両のエンジン始動が可能となる。
一方、入力された暗証番号が正しくない場合には、端末制御部23はエンジン始動許可信号をエンジン制御部23に出力しない。したがって、車両3のエンジンは始動不可能となる。
すなわち、携帯電話端末4から入力される暗証番号を第1の鍵(キー)とし、車両3自体のキーを第2のキーとすると、第1のキーと第2のキーが一致したときのみ、車両3のエンジン始動が可能となる。
【0027】
なお、たとえば運転手の携帯電話端末4から発せられる識別番号と、車両3の記憶装置にあらかじめ記憶し登録してあるキーデータとが一致したときにエンジンが始動するように構成することも可能である。
【0028】
また、端末制御部25は、エンジン始動許可を出した後に、走行状態通知部24により車両3が停止状態にあるか走行状態にあるかが通知された場合、車両が停止状態のときは、携帯電話端末4に対して操作を制限するような信号は送信せず、携帯電話端末4の全ての操作が通常通り可能となるように制御し、車両3が走行状態のときは、携帯電話端末4を着信制限モードへと変更する制御信号を携帯電話端末4に送信する。
端末制御部25は、車両3が停止状態になったことを示す情報を走行状態通知部24から通知されると着信制限モードを解除する信号を携帯電話端末4に送信する。
端末制御部25は、車両3のエンジンが動作している間は、第1インタフェース部21に対して制御信号CTLを出力し、携帯電話端末4との接続状態が図示しないロック機構によりロックされ、取り外しができないように制御する。
【0029】
なお、本実施形態においては、車両3が停止状態でエンジンがオンの状態のときは第1インタフェース部21の携帯電話端末4との接続が可能(オン)となる。
また、車両3が停止状態でエンジンがオフの状態のときは第1インタフェース部21の携帯電話端末4との接続ができなくなる(オフとなる)。
【0030】
車両3の制御基板31は、図2に示すように、たとえば車両3の全体的な動作や状態を制御する図示しない主制御部を有すると共に、インタフェース部311、エンジン制御部312、および走行状態感知部313を有している。
【0031】
インタフェース部311は、操作制御装置2の第2インタフェース部22と接続可能で、操作制御装置2との間の信号授受(交信)や制御ができるように調整する。
【0032】
エンジン制御部312は、インタフェース部311を介して操作制御装置2のエンジン制御部25の要求により実際にエンジンを始動させる機能を有する。
【0033】
走行状態感知部313は、車両3が走行状態にあるか停止状態にあるかを示す走行状態情報を、インタフェース部311を通して操作制御装置2の走行状態通知部24に送信する。
【0034】
図3は、本実施形態に係る携帯電話端末の構成例を示すブロック図である。
【0035】
携帯電話端末4は、図3に示すように、インタフェース部41、無線通信部42、表示部43、操作部44、音声処理部45、記憶部46、および制御部47を有する。
【0036】
インタフェース41は、操作制御装置2の第1インタフェース部21と接続可能で、操作制御装置2との間の信号授受(交信)や制御ができるように調整する。
【0037】
無線通信部42は、制御部47の制御の下、図示しない通信網を介してサーバや他の携帯電話端末との無線通信処理を行う。
表示部43は、液晶表示デバイス(LCD)等により構成され、制御部47の制御の下、機能操作に応じた情報を表示する。たとえば操作制御装置2から暗証番号要求を受けた場合、制御部47によりその旨が表示され、運転者等に暗証番号の入力要求があることを報知する。
操作部44は、テンキー等の操作キーを含む。たとえば暗証番号の入力は操作部44の操作キーの操作により行われる。
音声処理部45は、マイクロフォンやスピーカを有し、制御部47の制御の下、音声入力処理または音声出力処理を行う。
記憶部46は、制御部47を通してアクセスされ、プログラムやメッセージデータ、アドレスデータ、電話番号等を記憶する。
【0038】
制御部47は、携帯電話端末4の全体的な機能制御やインタフェース部41を介して操作制御装置2と接続状態が確立された場合の車両内システム1における通信処理やモード制御、あるいは送信データ、受信データ対する所定の処理やそれに応じた記憶部46へのアクセスを行う。
なお、無線通信部42、表示部43、操作部44、音声処理部45、記憶部46、および制御部47により、通常の携帯電話としての電話部が構成される。
【0039】
制御部47は、インタフェース部41を介して操作制御装置2による暗証番号要求を受けると、暗証番号要求を受けたので暗証番号の入力を喚起するメッセージを表示部43に表示し、あるいは音声処理部45により音声によるメッセージを出力する。
制御部47は、操作部44により暗証番号が入力されると、入力された暗証番号を、インタフェース41を介して操作制御装置2に送信する。
【0040】
制御部47は、インタフェース部41を介して操作制御装置2により着信制限モードへと変更する制御信号を受信すると、携帯電話端末4を着信制限モードに設定する。
制御部47は、着信制御モード下において、着信があると着信履歴(メール受信履歴も含む)は記憶部46を記憶して携帯電話端末4内に残すが、運転中の気をそらせないため、着信音およびバイブ音は作動させないように制御する。
また、制御部47は、着信制限モード下における着信時は、発呼者に無線通信部42を通して運転中であることを知らせるとともに、緊急時の連絡であるか否かを音声アナウンスにより確認し、緊急時であれば、発呼者が被着信者に緊急時であることを通知可能となるように制御する。
制御部47は、着信制限モード時は、受信のみ可能とし、着信があったことを通知する機能を停止し、着信制限モードを解除しない限り携帯電話端末4の操作は一切できないように制御する。
【0041】
制御部47は、インタフェース部41を介して操作制御装置2により着信制限モードを解除する制御信号を受信すると着信制限モードを解除し、携帯電話端末4の操作が可能となるように制御する。
【0042】
次に、上記構成による動作を、操作制御装置の端末制御部25の制御動作を中心に、図4のフローチャートに関連付けて説明する。
【0043】
車両3内に携帯電話端末4を持ち込まれた場合、操作制御装置2の端末制御部25が、携帯電話端末4がたとえば図示しない接続ケーブルにより操作制御装置2の第1インタフェース部21に接続された否かを判別する(ST1)。
ステップST1において、携帯電話端末4が接続された判別すると、操作制御装置2の端末制御部25より携帯電話端末4に対して暗証番号要求を送信する。
この暗証番号要求が携帯電話端末4に送信されたことに伴い、携帯電話端末4よりあらかじめ登録された暗証番号が入力可能となる。
携帯電話端末4において、暗証番号要求に応答して暗証番号が入力され、その入力暗証暗号が送られてくると、端末制御部25は、携帯電話端末4から入力した暗証番号と登録暗証番号とを比較し、携帯電話端末4から入力した暗証番号が正しい暗証番号であるか否かを判別する(ST2)。
【0044】
ステップ2において、携帯電話端末4より入力された暗証番号が正しいと判別した場合には、端末制御部25は操作制御装置2のエンジン制御部23により車両のエンジン制御部を作動させる。これにより、車両のエンジン始動が可能となる(ST3)。
一方、暗証番号が正しくない場合には、操作制御装置2のエンジン制御部23により車両のエンジン制御部311を作動させない。したがって、車両のエンジンは始動不可能となる。
【0045】
車両のエンジン始動が可能となり、車両のエンジンが始動された後は、車両の走行状態感知部312が作動し、停止状態か走行状態かが、操作制御装置2の走行状態通知部24に送信され、停止状態にあるか走行状態にあるかが端末制御部25に通知される(ST4)。
また、エンジンが始動されると、端末制御部25は、制御信号CTLにより第1インタフェース部21の接続部のロック状態として、操作制御装置2から携帯電話端末4を取り外すことはできない状態とする。
【0046】
ステップST4において、端末制御部25は、車両3が走行状態にあると判別すると、携帯電話端末4を着信制限モードへと変更することを指示する制御信号を、第1インタフェース部21を通して携帯電話端末4に送信する。
携帯電話端末4において、制御部47が操作制御装置2からの着信制限モードへの変更を指示する制御信号を受信すると、着信制限モード時は、受信のみ可能とし、着信があったことを通知する機能を停止し、着信制限モードを解除しない限り携帯電話端末4の操作は一切不可能となる(ST5)。
【0047】
着信制限モードにおいて、携帯電話端末4の制御部47は無線通信部42を通して着信があったか否かの判別を行う(ST6)。
ステップST6において、着信があったと判別すると、制御部47は、緊急時の着信であるか否かを判別する(ST7)。
ステップST7において、着信があったが緊急時の着信でないと判別すると、制御部47は、着信履歴(メール受信履歴も含む)は携帯電話端末に残すが、運転中の気をそらせないため、着信音およびバイブ音は作動させない。そして、ステップST5からの処理を繰り返す。
【0048】
一方、ステップST7において、制御部47無線通信部42を介して発呼者に運転中であることをメッセージ等で知らせるとともに、緊急時の連絡であるか否かを音声アナウンスにより確認し、緊急時であれば、緊急時の着信であることを通知可能とする。
緊急時である旨が操作制御装置2の端末制御装置25に通知され、端末制御装置25の許可を受けて緊急時の着信があったことを音声処理部45により音声メッセージにより、あるいは鳴動により、あるいはLEDを点滅させる等の方法により、車両3内の運転者に報知する(ST8)。
【0049】
このように、車両3の運転時においても、緊急時の着信の際は、運転者にその旨を知らせることで、車両3を停止させ携帯の操作を行うか否かを運転者にゆだねることが可能となる。
【0050】
次に、操作制御装置2の端末制御部25は、車両3が走行状態にあるか停止状態にあるかを判別する(ST9)。
ステップST9において、いまだ走行状態にあると判別すると、端末制御部25は着信制限モードを解除しない。したがって、携帯電話端末4の制御部47は、ステップST5の処理を繰り返す。
【0051】
一方、ステップST9またはステップST4において、車両3が停止状態にあると判別すると、操作制御装置2の端末制御部25は、着信制限モード解除を指示する制御信号を携帯電話端末4に送信する。
着信制限モード解除を指示する制御信号を受信した携帯電話端末4の制御部47は、着信制限モードの設定を解除する。着信制限モードが解除されたことに伴い、携帯電話端末4の全ての操作が通常通り可能となる(ST10)。
【0052】
次に、操作制御装置2の端末制御部25は、エンジンが停止された否かを判別する(ST11)。
ステップST11において、エンジンが停止されたと判別すると、端末制御部25は、制御信号CTLにより第1インタフェース部21の接続部のロック状態を解除する。これにより、携帯電話端末4は操作制御装置2から取り外すことが可能となる(ST12)。
一方、ステップST11において、エンジンが停止されていないと判別すると、端末制御部25は、第1インタフェース部21の接続部のロック状態を解除しない。したがって、エンジンが停止されない限り、操作制御装置2から携帯電話端末4を取り外すことはできない(ST13)。
【0053】
以上説明したように、本実施形態によれば、携帯電話端末と通信可能に接続されるインタフェース部21と、エンジン始動許可信号を受けると、エンジン始動可能となるように制御するエンジン制御部23と、インタフェース部21において携帯電話端末4と接続されたことを認識すると、暗証番号要求を携帯電話端末4に送信し、携帯電話端末4から入力された暗証番号が登録暗証番号と一致したときにエンジン始動許可信号をエンジン制御部23に出力する端末制御部25と、を有し、端末制御部は、車両が停止状態にあるか走行状態にあるかを判別し、車両が走行状態にあるときは、携帯電話端末4を着信のみを可能とし、着信があったことを通知する機能を停止する着信制限モードに設定する制御信号を、インタフェース部21を介して携帯電話端末4に送信し、着信制限モード時において、前記携帯電話端末に緊急の着信があったときのみ、緊急時の着信であることを通知可能に制御することから、以下の効果を得ることができる。
【0054】
携帯電話端末4が車両3内に配置された操作制御装置2に接続され、携帯電話端末4に暗証番号を入力することではじめてエンジン始動が可能になることから、車両の盗難防止を図ることができる。
【0055】
また、携帯電話端末4を車両内に持ち込んだ際は、携帯電話端末4を操作制御装置2に接続しなければ車両3のエンジン始動が不可能となり、車両3の運転時における携帯電話端末4の操作を不可能とし、携帯電話端末4の使用による交通事故を未然に防ぐことが可能となる。
車両停止中は、携帯電話端末の操作は可能とし、エンジン始動時でも停止中は携帯電話端末の操作は可能である。
【0056】
操作制御装置2と携帯電話端末4を接続することで、操作制御装置2より携帯電話端末4への充電が可能となる。
車両3の運転時においても、緊急時の着信の際は、運転者にその旨を知らせることで、車両3を停止させ携帯の操作を行うか否かを運転者にゆだねることが可能となる。
【0057】
また、携帯電話端末4との通信は、近距離無線、赤外線通信、あるいは有線による通信するように構成するが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態に係る操作制御装置を採用した車両内制御システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る操作制御装置および車両の制御基板の構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る携帯電話端末の構成例を示すブロック図である。
【図4】本実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1・・・車両内制御システム、2・・・操作制御装置、21・・・第1インタフェース部(IF1)、22・・・第2インタフェース部(IF2)、23・・・エンジン制御部、24・・・走行状態通知部、25・・・端末制御部、3・・・車両、4・・・携帯電話端末。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の状態に応じた制御が可能な操作制御装置であって、
携帯電話端末と少なくとも通信可能に接続されるインタフェース部と、
車両が停止状態にあるか走行状態にあるかを判別し、車両が走行状態にあるときは、前記携帯電話端末を着信のみを可能とし、着信があったことを通知する機能を停止する着信制限モードに設定する制御信号を、前記インタフェース部を介して前記携帯電話端末に送信する端末制御部と、
を有することを特徴とする操作制御装置。
【請求項2】
前記端末制御部は、前記着信制限モード時において、前記携帯電話端末に緊急の着信があったときのみ、緊急時の着信であることを通知可能に制御する
ことを特徴とする請求項1記載の操作制御装置。
【請求項3】
前記端末制御部によりエンジン始動許可信号を受けると、エンジン始動可能となるように制御するエンジン制御部を有し、
前記端末制御部は、前記携帯電話端末から受信した識別データが車両の登録データと一致したときのみ前記エンジン制御部にエンジン始動許可信号を出力する
ことを特徴とする請求項1または2記載の操作制御装置。
【請求項4】
前記端末制御部は、車両が停止状態にあると判別すると、前記携帯電話端末に対する着信制限モードの設定を行わない
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載の操作制御装置。
【請求項5】
前記端末制御装置は、前記エンジン制御部に対してエンジン始動許可を出し、車両が走行状態から停止状態となってときには、前記携帯電話端末に対する着信制限モードの設定を解除する
ことを特徴とする請求項4記載の操作制御装置。
【請求項6】
前記端末制御部は、車両のエンジンが動作している間は、前記インタフェース部における携帯電話端末との接続状態が解除できないように制御する
ことを特徴とする請求項3から5のいずれか一に記載の操作制御装置。
【請求項7】
前記端末制御部は、前記インタフェース部において携帯電話端末と接続されたことを認識すると、暗証番号要求を当該携帯電話端末に送信し、当該携帯電話端末から入力された暗証番号が登録暗証番号と一致したときに前記エンジン始動許可信号を前記エンジン制御部に出力する
ことを特徴とする請求項3から6のいずれか一に記載の操作制御装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−300233(P2007−300233A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−124504(P2006−124504)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】