説明

操作装置

【課題】 操作力の大きさに応じて複数の異なる操作を行えるようにした複合型の操作装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 第1の検出手段20の下方に第2の検出手段30を設ける。指が第1の接点S3に対応する位置にきたときに、指を高加重(第2の操作力)をかけて押し下げると、第2の上側導電部31cと第2の下側導電部32cとが互いに接触させられて、第2の接点T3が導通させられる。そして、この導通により、第1の上側導電部21cと第1の下側導電部22cが導通させられた位置、すなわち第1の接点S3に対応する位置で、指がさらに押し込まれたことが検知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話機やリモコン装置等の小型の電子機器に搭載される押圧式の操作装置に係り、特に、操作力の大きさに応じて複数の異なる操作を行えるようにした複合型の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、一体に形成されたプラスチックシート(21)(29)を折り合わせてなる薄膜スイッチが開示されている(第7図)。
【0003】
プラスチックシート(29)上には銅蒸着もしくは銅メッキのフィルム(30)が被着され、その上にカーボンから成る接点(31a)〜(31e)が印刷形成されている。また、プラスチックシート(21)の表面にも同様に、銅蒸着もしくは銅メッキのフィルム(22)およびカーボンからなる接点(23a)〜(23e)が印刷形成されている(前記特許文献1の第3頁左上欄第12行〜同頁左下欄第3行を参照)。下記特許文献1の第7C図に示すように、プラスチックシート(21)(29)に形成された各接点は膜厚方向にて対向した状態となり、スイッチが構成される。
【0004】
図10は従来の操作装置が搭載される携帯電話機の正面図、図11は図10の3−3線での切断断面図、図12は図10に示す操作装置を用いた機能を説明する図である。
【0005】
操作装置700では、図11に示すように、操作者が、操作面701の表面に指Fを、例えば接点R1の真上に対応する位置に載せて下方(図示Z2方向)へ押圧しながら、例えば図示X1方向に移動させると、上側導電部703aと下側導電部704aとの間(接点R1)が接触させられ、続いて上側導電部703bと下側導電部704bの間(接点R2)→接点R3・・・という順番で、各接点が順次接触させられて、導通させられる。そして、この導通順序が、たとえば図示しない制御部によって検出され、指Fの移動方向が検出される。
【0006】
上記原理によって、図12に示すように、操作装置700を指Fで押圧しながら、指Fをたとえば図示X1方向へ移動させると、指Fが図示X1方向へ移動したことが検知される。そして、検知された指Fの移動方向に応じて、選択カーソルも図示X1方向に移動する。そして、図10に示す携帯電話600の決定キー601を押圧することによって、前記選択カーソルによって強調表示された所望の機能が選択、決定される。
【特許文献1】特開昭60−30017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、図11に示す従来の操作装置700では、操作装置700自体で前記決定をするためには、操作面701の表面を叩く動作(タッピング)等を行う必要がある。タッピング等を行うときには、指Fが操作面701から一旦離れる。このときに、前記選択カーソルが、前記強調表示されていた機能から他の機能に移動してしまう。このため、所望の機能を決定することが困難であり、前記決定を行うための操作が煩雑になる。
【0008】
また、前記決定を行うためには、図12に示すような、操作装置700とは別個の決定キー601を使用しなければならない。このため、所望の機能を決定するまでの、前記選択カーソルの移動,前記選択、決定という一連の操作において、操作装置700および決定キー601の双方を利用しなければならず、操作が煩雑となる。
【0009】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、操作力の大きさに応じて複数の異なる操作を行えるようにした複合型の操作装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の操作装置は、操作面に与えられる操作力に応じてスイッチの動作状態が切り換えられる複合型の操作装置であって、
前記操作面を有するとともに最上層に設けられた操作手段と、中間層に設けられるとともに平面的に配置された複数のスイッチ部材が第1の操作力に応じて切り換えられる第1の検出手段と、最下層に設けられるとともに前記第1の操作力よりも大きな第2の操作力に応じて切り換えられる第2の検出手段とを有することを特徴とする。
【0011】
上記においては、前記第1の検出手段と前記第2の検出手段の少なくとも一方が、複数の穴部が設けられたスペーサと、前記スペーサの一方に積層された上側シートと、他方の面に積層された下側シートとを有し、
前記穴部を介して対向する前記上側シートと前記下側シートの両対向面の一方には上側導電部が、他方には下部導電部が設けられており、
前記操作手段に与えられた前記第1の操作力以上の力によって前記上側シートが撓み変形させられたときに、前記上側導電部が前記下側導電部に接触させられるメンブレンスイッチで形成されている。
【0012】
本発明は上記のような構造であるため、例えば指によって操作手段を低荷重(第1の操作力)よりも大きな高加重(第2の操作力)をかけて押し下げると、第1の上側導電部と第1の下側導電部とが互いに接触させられて、第1の接点が導通状態に切り換えられ、かつこれらに対応する第2の上側導電部と第2の下側導電部とが互いに接触させられて、第2の接点が導通状態に切り換えられる。すなわち、前記導通により、第1の接点と、これに対応する第2の接点とを同時に導通状態に設定することができる。
【0013】
また本発明では、前記第1,第2の両検出手段がメンブレンスイッチで形成されており、前記第2の検出手段の穴部の位置が、前記第1の検出手段の穴部の位置に対応して設けられており、且つ前記第2の検出手段の穴部の幅寸法が、前記第1の検出手段の幅寸法よりも小さく形成されている。
【0014】
上記においては、第2の検出手段が、第1の検出手段と同様の、いわゆるメンブレンスイッチで形成されている。このため、第2の接点を、第1の接点と同様の小さなピッチで設けることができる。その結果、操作装置において、高加重(第2の操作力)をかけて押し下げることができる部分を多く設けることができる。
【0015】
また、第2の検出手段に設けられた第2の穴部の幅寸法は、第1の検出手段に設けられた第1の穴部の幅寸法よりも小さく形成されている。このため、操作面を指によって低加重で押圧すると第1の検出手段を操作することができ、かつ所定の位置において、指の位置を操作面から離すことなく、そのままの位置で前記加重よりも大きな高加重(第2の操作力)でさらなる押し込み動作を行うことにより、第1の検出手段の操作と連続して第2の検出手段を確実に操作することができる。
【0016】
また、指を低加重の状態で操作面上を移動させた場合には、第1の検出手段側の第1の接点のみが接触させられ、その導通状態と非導通状態とが順番に切り換えられるが、前記低荷重(第1の操作力)は第2の検出手段には伝わらず、第2の接点の非導通状態を維持することができる。
【0017】
また本発明では、前記操作手段と前記第1の検出手段の上側シートとが対向し合う部分で、且つ前記第1の検出手段の穴部と対向する位置には、一方の対向面から他方の対向面に突出する突起が設けられている。
【0018】
このため、操作者が、操作面のうち、第1の接点に対応する部分に指を載せて、低荷重(第1の操作力)で軽く押し下げたときに、第1の突起により第1の上側シートを局部的に下方へ撓み変形させることができ、第1の上側導電部と第1の下側導電部とを、確実に互いに接触させて第1の接点を導通させることができる。
【0019】
また本発明では、前記第1の検出手段の下側シートと前記第2の検出手段の上側シートとが対向し合う部分で、且つ前記第2の検出手段の穴部と対向する位置には、一方の対向面から他方の対向面方向に突出する突起が設けられている。
【0020】
本発明では、第1の検出手段の下側シートと第2の検出手段の上側シートとの間で、第2の検出手段のスペーサに設けられた第2の穴部と対向する位置に、第2の突起が設けられている。このため、操作者が、操作面のうち、第1の接点に対応する部分に指Fを載せて、高加重(第2の操作力)で押し下げたときに、第2の突起により第2の上側シートを局部的に下方へ撓み変形させることができ、第2の上側導電部と第2の下側導電部とを、確実に互いに接触させて第2の接点を導通させることができる。
【0021】
または、本発明においては、前記第2の検出手段が、接触部を備えた反転板と、前記接触部と対向する固定部側の位置に設けられた導電部とを備え、前記第2の操作力を与えることにより前記反転板が反転し、前記接触部が前記導電部に接触させられるダイヤフラム型のスイッチである。
【0022】
あるいは、前記操作手段と前記第1の検出手段の上側シートとが対向し合う部分で、且つ前記第1の検出手段の穴部と対向する位置には、一方の対向面から他方の対向面に突出する突起が設けられており、
前記第2の検出手段が、接触部を備えた反転板と、前記接触部と対向する固定部側の位置に設けられた導電部とを備え、前記第2の操作力を与えることにより前記反転板が反転し、前記接触部が前記導電部に接触させられるダイヤフラム型のスイッチである。
【0023】
そして、前記第2の検出手段に、少なくとも1以上の前記ダイヤフラム型のスイッチが設けられている。
【0024】
上記のように、接触部と導通部とが電気的に接続され、スイッチの出力がオフからオンに切り換えられ、スイッチの出力がオンに切り換えられたことによって、第1の上側導電部と第1の下側導電部が導通させられた位置、すなわちどの第1の接点が切り換えられたかを検知することができる。
【0025】
同時に、反転板の反転動作によって生じた振動が、第1の検出手段及び操作手段を通じて操作面に接触している指に伝達され、操作者にクリック感触が与えられる。このため、操作者は前記クリック感触を通じて、第2の検出手段側のスイッチが切り換わったことを確実に知覚することができる。すなわち、各第1の接点に対応する位置で、指がさらに押し込まれたことを検知することができる。
【0026】
また、第2の検出手段として、反転板を有するダイヤフラム型のスイッチを利用している。このため、第2の検出手段の構造を単純化することができる。
【0027】
本発明では、前記操作手段が、低摩擦抵抗層で形成された前記操作面を有するとともに、少なくとも前記第1の操作力を受けて弾性変形させられる弾性体と、前記弾性体の下面側に設けられて前記弾性体が所定量以上撓むのを規制する補強部材とを有している。
【0028】
上記のような構造であるため、操作者が操作面に指を載せて、操作手段を低荷重(第1の操作力)で軽く押し下げると、弾性部材の局部的な下方への撓み変形を生じさせることができる。その結果、補強部材および第1の上側シートをも下方へ撓み変形させることができ、第1の上側導電部と第1の下側導電部とを互いに接触させて、第1の接点を導通させることができる。
【0029】
本発明では、前記操作手段が、前記穴部に対向して配置された複数のキートップと、前記キートップの下部側に設けられ、個々の前記キートップを弾性的に付勢するとともに、少なくとも前記第1の操作力を受けて弾性変形させられる弾性シートとを有している構造としてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の操作装置では、操作力の大きさに応じて複数の異なる操作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1は本発明の第1の実施の形態の操作装置を搭載した携帯電話機の正面図、図2は図1の2−2線での切断断面図、図3および図4は押圧動作によって変化する本発明の第1の実施の形態の操作装置の内部を示す、図2と同様の切断断面図である。
【0032】
図1に示すように、携帯電話機100は、第1のケース101aと第2のケース101bが軸103を支点として回動可能に連結されたケース(筐体)101を有している。第1のケース101aには複数個の押釦式のキートップK1ないしK15からなる操作手段102が配列され、第2のケース101bには液晶パネルで形成された表示部104が設けられている。
【0033】
携帯電話機100では、操作手段102が設けられた面と表示部104の面とが対向して2つに折り畳まれて非使用状態となり、第1のケース101aと第2のケース101bとがほぼ180度に近い角度まで拡開したとき(図1に示す状態になったとき)に使用状態となるように設定されている。
【0034】
図1に示す操作装置10は細長い帯状であり、例えば表示部104の側方に設けられる。表示部104の図示X1側の側方に設けられる一方の操作装置を10Aとし、図示Y2側の側方に設けられる他方の操作装置を10Bとして示している。
【0035】
図2に示すように、操作装置10A,10Bは、最上層(最も図示Z1方向に設けられる層)に設けられた操作手段11と、その下部(図示Z2方向)の中間層に設けられた第1の検出手段20と、さらにその下部の最下層に設けられた第2の検出手段30とを有している。
【0036】
操作手段11は、主として図示Y1−Y2方向に細長く延びる弾性部材(弾性体)12と、弾性部材12の下面に設けられた第1の補強部材13とを有している。弾性部材12の表面(図示Z1方向の面)には操作面12aが形成されている。
【0037】
なお、携帯電話機100の第2のケース101bには帯状に開口する切欠き穴101b1が形成されており、操作装置10A,10Bは、操作部材12が第2のケース101bの裏側(図示Z2側)から切欠き穴101b1に挿入されており、その表側に操作面12aが露出するように設定されている。
【0038】
弾性部材12は、シリコーンゴムなどの弾性変形可能な軟質な素材で形成されている。操作面12aは低摩擦抵抗の材料を弾性部材12の表面に薄膜状に塗布または印刷することにより形成されている。操作面12aとしては、例えば無機フィラー、具体的にはシリカの粒子を含有したシリコーン樹脂などの樹脂が好ましい。
【0039】
第1の補強部材13は、弾性部材12の底面(図示Z2側の面)に固着されている。第1の補強部材13は、例えば可撓性を有するPET樹脂やポリプロピレン樹脂などをフィルム状にして形成されたものであり、弾性部材12の底面よりも側方(XY平面方向)に突出する形状である。弾性部材12及び操作面12aよりも外側に突出する部分が鍔部13aであり、鍔部13aは弾性部材12及び操作面12aの周囲全体に形成されている。
【0040】
操作手段11の下面と第1の検出手段20の上面との間には、例えば5個の半球状の第1の突起14a,14b,14c,14d,14eが設けられている。この実施の形態に示す第1の突起14a〜14eは、第1の補強部材13の下面に図示Y1−Y2方向に沿って直線状に等ピッチ間隔で設けられている。ただし、第1の突起14a〜14eは、後述する第1の検出手段20の上側シート21の上面(図示Z1方向にある面)に、上記と同様に、図示Y1−Y2方向に沿って直線状に等ピッチ間隔で形成された構成であってもよい。
【0041】
第1の突起14aよりも図示Y1側の外側には第1の支持部15aが形成されており、第1の突起14eよりも図示Y2側の外側には第1の支持部15bが形成されている。第1の突起14a〜14eおよび第1の支持部15a,15bは、いずれも紫外線硬化型の樹脂で印刷によって形成されている。ただし、第1の突起14a〜14eおよび第1の支持部15a,15bは、必ずしも紫外線硬化型の樹脂である必要はない。なお、図示していないが、第1の支持部15a,15bの下面には粘着性を有する粘着層が形成されて、第1の検出手段20の第1の上側シート21の上面と接着固定されている。
【0042】
次に、第1の検出手段20について説明する。
第1の検出手段20は、下面に第1の上側導電部21a,21b,21c,21d,21eを有する第1の上側シート21と、上面に第1の下側導電部22a,22b,22c,22d,22eを有する第1の下側シート22とを有して構成されており、第1の上側導電部21a〜21eと第1の下側導電部22a〜22eが互いに向き合うように対向させられている。
【0043】
第1の上側シート21と第1の下側シート22との間には、第1の上側導電部21a〜21eおよび第1の下側導電部22a〜22eと対向する位置に所定の幅寸法W1を有する第1の穴部23a〜23eが設けられたシート状のスペーサ23が介挿されて互いに接着固定されている。
【0044】
すなわち、第1の検出手段20はいわゆるメンブレンスイッチであり、第1の上側導電部21a〜21eと第1の下側導電部22a〜22eとがスペーサ23に設けられた第1の穴部23a〜23eを介して対向配置されることにより第1の接点S1,S2,S3,S4,S5が構成されている。
【0045】
第1の上側シート21と第1の下側シート22はPET樹脂やポリイミド樹脂など可撓性を有する樹脂素材などで形成される。第1の上側導電部21a〜21eおよび第1の下側導電部22a〜22eは印刷形成され、前記樹脂素材上に導電ペーストをスクリーン印刷等し、加熱によって溶剤を蒸発させた導電塗膜として構成される。また、前記導電塗膜上には腐食等を抑制するためのカーボン被膜が形成されている。
【0046】
第1の検出手段20の下部には、第1の補強部材13と同様の構成からなる第2の補強部材16が設けられ、さらに第2の補強部材16の下面には第1の突起14a〜14eと同様の構成からなる第2の突起17a,17b,17c,17d,17eが形成されている。
【0047】
第2の補強部材16は撓み変形可能な素材で形成されており、第1の下側シート22の下面側に設けられている。第2の補強部材16は、操作部材11に操作力が作用していないときに、第1の検出手段20の中心部が自重などにより下方に垂れ下がらないように、すなわち第1の検出手段20がXY平面に対して水平な姿勢を維持できるように補強している。
【0048】
第2の突起17a〜17eは、第2の補強部材16の下面側の位置で、且つ第1の突起14a〜14e、第1の上側導電部21a〜21eおよび第1の下側導電部22a〜22eに対応する位置に設けられている。
【0049】
第2の突起17aよりも図示Y1側の外側には第2の支持部18aが形成されており、第2の突起17eよりも図示Y2側の外側には第2の支持部18bが形成されている。第2の突起17a〜17eおよび第2の支持部18a,18bは、いずれも紫外線硬化型の樹脂で印刷によって形成されている。ただし、第2の突起17a〜17eおよび第2の支持部18a,18bは、必ずしも紫外線硬化型の樹脂である必要はない。なお、図示していないが、第2の支持部18a,18bの下面には粘着性を有する粘着層が形成されており、第2の検出手段30の第2の上側シート31の上面に接着固定されている。
【0050】
次に、第2の検出手段30について説明する。
この実施の形態に示される第2の検出手段30は、第1の検出手段20とほぼ同様のメンブレンスイッチである。すなわち、第2の検出手段30は、下面に第2の上側導電部31a〜31eを有する第2の上側シート31と、上面に第2の下側導電部32a〜32eを有する第2の下側シート32とを有して構成されており、第2の上側導電部31a〜31eと第2の下側導電部32a〜32eが互いに向き合うように対向させられている。第2の上側導電部31a〜31eおよび第2の下側導電部32a〜32eとで第2の接点T1〜T5が構成される。
【0051】
そして、第2の上側シート31と第2の下側シート32との間には、第2の上側導電部31a〜31eおよび第2の下側導電部32a〜32eと対向する位置に第2の穴部33a〜33eが設けられたシート状のスペーサ33が介挿されて、互いに接着固定されている。
【0052】
ただし、第2の穴部33a〜33eの幅寸法W2が第1の穴部23a〜23eの幅寸法W1よりも狭くなっている点が異なっている。
【0053】
次に、図3および図4を用いて、操作装置10A,10Bの動作について説明する。
図3に示すように、操作者が、操作面12aのうち、第1の接点S1に対応する部分に指(操作体)Fを載せて、例えば196[mN](=20gf)程度の低荷重(第1の操作力)で軽く押し下げると、弾性部材12に対し第1の接点S1に相当する部分に下方への撓み変形が局部的に生じる。そして、弾性部材12の前記変形に伴って、第1の補強部材13も下方へ撓み変形する。このとき、第1の突起14aにより第1の上側シート21が局部的に下方へ撓み変形し、第1の上側導電部21aと第1の下側導電部22aとが互いに接触して第1の接点S1が導通する。
【0054】
この状態から、指Fを例えば図示Y2方向に移動させると、第1の接点S2→第1の接点S3→・・・という順番で各第1の接点が順番に接触させられ、第1の接点S1〜S5の導通状態と非導通状態とが順番に切り換わる。そして、第1の上側シート21と第1の下側シート22との間に所定の電圧を印加しておくことにより、各第1の接点S1〜S5の導通の順序が、たとえば図示しない制御部によって検出され、指Fの移動方向が検出される。
【0055】
本発明では、第1の検出手段20に設けられた第1の穴部23a〜23eの幅寸法W1は、第2の検出手段30に設けられた第2の穴部33a〜33eの幅寸法W2よりも広くなっている。このため、上記のように指Fを低加重の状態で操作面12a上を移動させた場合には、第1の検出手段20側の第1の接点S1〜S5のみが接触させられ、その導通状態と非導通状態とが順番に切り換えられるが、前記低荷重(第1の操作力)は第2の検出手段30には伝わらず、第2の接点T1〜T5は非導通状態が維持される。
【0056】
また、本発明では、操作手段11の下面と第1の検出手段20の上側シート21との間で、第1の検出手段20のスペーサ23に設けられた第1の穴部23a〜23eと対向する位置に、第1の突起14a〜14eが設けられている。このため、操作者が、操作面12aのうち、第1の接点S1〜S5に対応する部分に指(操作体)Fを載せて、前記低荷重(第1の操作力)で軽く押し下げたときに、第1の突起14a〜14eにより第1の上側シート21を局部的に下方へ撓み変形させることができ、第1の上側導電部と第1の下側導電部とを、確実に互いに接触させて第1の接点S1〜S5を導通させることができる。
【0057】
一方、図4に示すように、指Fの図示Y2方向への移動の途中で、例えば指Fが第1の接点S3に対応する位置にきたときに、指Fの図示Y2方向への移動を止め、指Fを前記加重よりも大きな加重、例えば前記低荷重(第1の操作力)よりも5倍ほど大きな高加重(第2の操作力)980[mN](=100gf)をかけて押し下げると、下方へ撓み変形させられた第1の検出手段20の第1の下側シート22が、さらに第2の補強部材16を下方へ撓み変形させる。そして、第2の補強部材16が下方へ撓み変形すると、第2の突起17cも押し下げられるため、第2の突起17cにより、第2の検出手段30側の第2の上側シート31が局部的に下方へ撓み変形させられ、このとき第2の上側導電部31cと第2の下側導電部32cとが互いに接触させられて、第2の接点T3を導通状態に切り換えることができる。そして、この導通により、第1の検出手段20側の第1の接点S3と第2の検出手段30の第1の接点T3とを同時に導通状態に設定することができる。
【0058】
以上の動作は、他の第2の接点T1,T2,T4,T5についても同様であり、第1の接点S1〜S5と、これに対応する第2の接点T1〜T4とを同時に導通させることが可能である。
【0059】
本発明では、第1の検出手段20の下側シート22と第2の検出手段30の上側シート31との間で、第2の検出手段30のスペーサ33に設けられた第2の穴部33a〜33eと対向する位置に、第2の突起17a〜17eが設けられている。このため、操作者が、操作面12aのうち、第1の接点S1〜S5に対応する部分に指(操作体)Fを載せて、前記高加重(第2の操作力)で押し下げたときに、第2の突起17a〜17eにより第2の上側シート31を局部的に下方へ撓み変形させることができ、第2の上側導電部と第2の下側導電部とを、確実に互いに接触させて第2の接点T1〜T5を導通させることができる。
【0060】
図5のA〜Fは図1に示す操作装置の使用例を説明する図である。なお、図5では、図1に示す携帯電話機100の第2のケース101b側に設けられた表示部104と操作手段10A,10Bを示している。
【0061】
図5Aに示すように、表示部104には、たとえば機能表示[1](メール)ないし[5](スケジュール)で示される構成からなるメニュー画面105が表示されている。
【0062】
操作者が、操作装置10Aの操作面12aに指Fを載せ、前記低加重を掛けた状態で指Fを図示Y1方向またはY2方向に滑らせると、上記原理によって、第1の接点S1〜S5が移動方向の順にを切り換えられる。このとき、第1の接点S1〜S5の導通状態に、表示部104に表示されている選択カーソル106の位置を対応させることにより、指Fの移動に応じて選択カーソル106が示す機能表示を切り換えることが可能となる。
【0063】
たとえば、指Fが第1の接点S1の位置にあるときに、これに対応する選択カーソル106は機能表示[1](メール)の位置にある。図5A,Bに示すように、この状態から、指Fを図示Y2方向に移動させると、上記原理によって、第1の接点S1〜S5は、第1の接点S1→第1の接点S2→第1の接点S3→・・・という順番で各第1の接点が順次接触させられ、これに対応する選択カーソル106の位置も、機能表示[1](メール)→機能表示[2](ムービー)→機能表示[3](カメラ)→・・・という順番で移動して、選択カーソル106が各機能表示の位置に移動させられる。
【0064】
そして、選択カーソル106が、たとえば機能表示[3](カメラ)の位置にきたときに、指Fの図示Y2方向への移動を止め、前記低加重よりも大きな高加重(第2の操作力)をかけて指Fをそのまま押し下げると、上記原理によって、第2の接点T3を導通状態に設定せることができる。これにより、メニュー画面105に表示された機能表示[3](カメラ)を選択し、且つ決定することができる。そして、図5Cに示すように、決定された機能表示[3](カメラ)に対応する機能として、たとえばカメラモード機能が起動され、表示部104に、携帯電話機100に内蔵されているカメラが映し出した画像が表示させられる。
【0065】
また、図5Dに示すように、表示部104にメニュー画面105が表示されている状態において、操作者が、操作装置10Bの操作面12a上に載せた低荷重(第1の操作力)の指Fを図示X1からX2方向に滑らせると、上記同様に、操作装置10Bの第1の接点S1〜S5が指Fの移動に応じて切り換えられるため、選択カーソル107の位置が「メニュー」→「アドレス」→「データ」の順で移動させられる。
【0066】
そして、選択カーソル107が、たとえば「アドレス」の位置にきたときに、指Fの図示X2方向への移動を止め、前記低加重よりも大きな高加重(第2の操作力)をかけて指Fをそのまま押し下げることにより、操作装置10Bの第2の接点T3を導通させることができる。よって、表示部104の表示をアドレズ画面108に切り換えることができる。
【0067】
図5Fに示すように、この実施の形態に示すアドレア画面108では、各個人の氏名が縦方向(図示Y1−Y2方向)に並んでいる。このため、操作者は、操作装置10Aを用いて、前記メニュー画面のモード設定の場合と同様に、操作手段10Aに対して低荷重(第1の操作力)による操作を行うことにより所望の氏名を選択することができ、選択後にそのまま高加重(第2の操作力)をかけて押し込むことにより、選択した氏名に対応するファイルを開き、その内容を見ることが可能となる。
【0068】
本発明では、第1の検出手段20の下方に、第2の穴部33a〜33eの幅寸法が第1の検出手段20の第1の穴部23a〜23eよりも狭いスペーサ33を有する第2の検出手段30が設けられている。このため、操作面12aを低加重で押圧すると第1の検出手段20を操作することができ、かつ所定の位置において、前記加重よりも大きな高加重(第2の操作力)でさらなる押し込み動作を行うことにより第2の検出手段30を操作することができる。その結果、たとえば図5A〜Fに示したように、選択操作後の指Fの位置を操作面12aから離すことなく、そのままの位置でさらなる押し込み動作を行うことにより、第1の検出手段20に対する選択操作に続く第2の検出手段30に対する決定操作を連続的に行うことができる。このため、選択操作の後、決定操作を行うまでの間に、前記選択操作において所定の位置に移動させた選択カーソルが、前記所定の位置から他の位置にずれることがなく、前記所望の前記選択・決定操作を確実に行うことができる。
【0069】
また、本実施の形態では、第2の検出手段30が、第1の検出手段20と同様の、いわゆるメンブレンスイッチの構造となっており、第2の接点T1〜T5を、第1の接点S1〜S5と同様の小さなピッチで設けることができる。このため、操作装置10A,10Bにおいて、前記さらなる押し込み動作を行うことができる部分を多く設けることができる。すなわち、第1の接点S1〜S5および第2の接点T1〜T5は5つに限られるものではなく、より多く配置することができ、たとえば、メニュー画面105に含まれる、選択、決定可能な前記機能表示を多く設けることができる。その結果、携帯電話機100に内蔵される機能が多くても対応可能な操作装置とすることができる。
【0070】
図6は本発明の第2の実施の形態の操作装置を示す、図2と同様の切断断面図である。
図6において、図2に示す操作装置10と同様の部材等には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0071】
本実施の形態の操作装置40においては、第1の検出手段20は操作装置10の場合と同じ構成であるが、第2の検出手段40Aとしてダイヤフラム型のメタルコンタクトスイッチが用いられている点で、操作装置10の場合と異なっている。
【0072】
ただし、図6に示す実施の形態では、第1の検出手段20の接点数が、上記第1の実施の形態に示す操作装置10の場合よりも少ない場合として示している。すなわち、図6に示すものでは、操作手段11の第1の補強部材13の下面の3ヶ所に第1の突起14a,14b,14cが設けられ、第1の検出手段20の3ヶ所にも第1の接点S1,S2,S3が設けられている。また、第2の補強部材16の下方の3ヶ所には第2の突起17a,17b,17cが設けられており、この第2の突起17a〜17cの下方に第2の検出手段40Aが設けられている。
【0073】
図6に示すように、第2の検出手段40Aは、基板40aと、基板40a上に第1の検出手段20の第1の接点S1〜S3と同じ数量(この実施の形態では3つ)からなるスイッチ41,42,43とで構成されている。
【0074】
なお、スイッチ41〜43は、第1の接点S1〜S3(第1の上側導電部21a〜21cおよび第1の下側導電部22a〜22c)と、第1の突起14a〜14cおよび第2の突起17a〜17cのそれぞれに対応する位置に設けられている。
【0075】
スイッチ41は、基板40a上に固定部側として設けられた導電性の導通部41dと、可動部側として導通部41dを覆うように設けられたドーム状(または凸状)の反転板41aとで構成されている。反転板41aは薄い金属板で形成されており、導通部41dに対向する反転板41aの下面は接触部41bとされている。また、反転板41aの外周部41cは、前記基板40a上に固定されている。前記反転板41aの外周部41cには基板40a上に配線された導電パターンが接続されており(図示せず)、また導通部41dには基板40aの下面側に配線された導電パターンがスルーホールを介して接続されている(図示せず)。
【0076】
反転板41aの表面に図示Z2方向の加重を加えると、スイッチ41は凸状の反転板41aが凹状に反転し、接触部41bが導通部41dに接触させされるダイヤフラム型のメタルコンタクトスイッチとして機能する。
【0077】
なお、他のスイッチ42,43の構造もスイッチ41と同様であり、ともに反転板42a,43a、接触部42b,43b、外周部42c,43cおよび導通部42d,43dを有している。
【0078】
なお、反転板41a〜43aが反転前の凸形状の状態にあるときには、反転板41a〜43aが、第2の突起17a〜17cを図示Z1方向に付勢し、第2の補強部材16、第1の検知手段20および操作手段11を持ち上げている。
【0079】
次に、第2の実施の形態に示す操作装置40の動作を説明する。
指(操作体)Fを操作手段11の操作面12a上に低加重で載せた状態で、指Fを図示Y2方向へ移動させると、上記第1の実施の形態と同様に、第1の検出手段20を第1の接点S1→第1の接点S2→第1の接点S3の順番で動作させることができる。
【0080】
この操作の途中で、指Fが第1の接点S2に対応する位置にきたときに、指Fの図示Y2方向への移動を止め、指Fを前記低荷重(第1の操作力)よりも大きな高加重(第2の操作力)をかけて押し下げると、前記第1の接点S2の下部側に位置する第1の下側シート22が局部的に下方へ撓み変形し、第2の補強部材16が全体として下方へ押し下げられる。しかし、第2の突起17bと17aとの間、および第2の突起17bと17cとの間は所定間隔離れているため、第2の補強部材16のうち、第1の接点S2に対応する部分が下方へ最も撓み変形させられ、第2の突起17bが下方へ最も移動する。これにより、第2の突起17bによって、第1のスイッチ42に設けられた反転板42aの中心部が凹状に変形させられて反転し、接触部42bと導通部42dとが電気的に接続され、スイッチ42の出力がオフからオンに切り換えられる。そして、スイッチ42の出力がオンに切り換えられたことによって、第1の上側導電部21bと第1の下側導電部22bが導通させられた位置、すなわち第1の接点S2が切り換えられたことが検知される。
【0081】
同時に、反転板42aの反転動作によって生じた振動が、第1の検出手段20及び操作手段11を通じて操作面12aに接触している指Fに伝達され、操作者にクリック感触を与えることができる。よって、操作者は前記クリック感触を通じて、第2の検出手段40A側のスイッチが切り換わったことを確実に知覚することができる。
【0082】
なお、他のスイッチ41,43についても同様の動作によって、前記クリック感触が発生し、同時に各スイッチでの出力がオンに切り換えられ、各第1の接点に対応する位置で、前記指がさらに押し込まれたことが検知される。
【0083】
本実施の形態では、第2の検出手段40Aとして、反転板41a〜43aを有するダイヤフラム型のスイッチ41〜43を利用している。このため、第2の検出手段40Aの構造を単純化することができる。
【0084】
図7は本発明の第3の実施の形態の操作装置を示す、図2と同様の切断断面図である。
図7において、図2に示す操作装置10および図6に示す操作装置40と同様の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0085】
第3の実施の形態に示す操作装置50は、操作手段11、第1の検出手段20および第2の検出手段50Aとしてのダイヤフラム型のスイッチを有する点で、第2の実施の形態に示す操作装置40と同様である。
【0086】
ただし、第3の実施の形態に示す操作装置50では、第2の検出手段50Aが以下の点で相違している。
【0087】
すなわち、操作装置50は、基板50a上に図示Z1−Z2方向に延びる支柱58,58を有している。操作手段11を構成する第1の補強部材13の鍔部13aには、所定の径寸法からなる案内孔13b,13bが穿設されており、案内孔13b,13bに支柱58,58が挿入されている。
【0088】
また、第2の検出手段50Aでは、第2の補強部材16の長手方向(図示Y1−Y2方向)の下面の中央の位置に第2の突起17aが設けられており、基板50a上で且つ第2の突起17aと対向する位置にはスイッチ53が1つ設けられている。
【0089】
スイッチ53の構造は、スイッチ41〜43の構造と同様であり、反転板53a、接触部53b、外周部53cおよび導通部53dを有している。スイッチ53は、第2の突起17aおよび第1の接点S3に対応する位置に設けられている。
【0090】
なお、反転板53aが反転前の凸形状の状態にあるときには、反転板53aが有する付勢力が第2の突起17aを図示Z1方向に付勢し、第2の補強部材16、第1の検知手段20および操作手段11を持ち上げている。このとき、操作手段11の案内孔13b,13bを備えた第1の補強部材13は、基板50aに対し水平な姿勢に設定されている。
【0091】
次に、第3の実施の形態の操作装置50の動作を説明する。
指(操作体)Fを操作手段11の操作面12a上に低加重で載せた状態で、指Fを図示Y2方向へ移動させると、第1の検出手段20の第1の接点S1ないしS5は、上記第1および第2の実施の形態と同様に、第1の接点S1→第1の接点S2→・・・→第1の接点S5の順番で動作させることができる。
【0092】
指Fが、例えば第1の接点S5に対応する位置(図示Y2側の端部)にきたときに、指Fの図示Y2方向への移動を止め、指Fに前記低荷重(第1の操作力)よりも大きな高加重(第2の操作力)をかけて押し下げると、操作手段11、第1の検出手段20および第2の突起17aを有する第2の補強部材16が、反転板53aの付勢力に抗しながら図示Z2方向に押し下げられる。このとき、操作手段11は、第1の補強部材13に設けられた案内孔13b,13b内と支柱58,58にガイドされながら鉛直方向(図示Z1−Z2方向)に移動するため、操作手段11、第1の検出手段20および第2の補強部材16は、ほぼ水平姿勢を維持した状態で下方へ移動させられる。
【0093】
そして、このときの第2の突起17aの下方への移動により、反転板53aが反転させられ、スイッチ53の動作状態を切り換えられるとともに、クリック感触が発生する。
【0094】
なお、他の第1の接点S1〜S4に対応する位置においても、同様の動作によって前記クリック感触が発生し、同時にスイッチ53での出力がオンに切り換えられる。
【0095】
第3の実施の形態では、第1の補強部材13の案内孔13b,13bと支柱58、58とが、操作手段11、第1の検出手段20および第2の補強部材16がほぼ水平姿勢を維持されて鉛直方向に移動するのを案内するガイド部材として機能している。このため、指Fを、操作面12aのうちの、どの第1の接点に対応する位置で下方へ押し込んだ場合でも、第2の補強部材16をスムーズに図示下方へ移動させることが可能となる。よって、第2の突起17aに対応して設けられたスイッチ53の動作状態の切り換えと、クリック感触の発生とを同時に実現することができる。
【0096】
その結果、例えば第2の検出手段50Aを設ける目的が、決定キーとしての機能のみであるような場合には、第1の検出手段20の下方にダイヤフラム型のスイッチ53だけを設けた構成とすることで、すなわち第2の検出手段50Aのスイッチを各第1の接点S1〜S5に対応して設ける構成としない場合であっても、スイッチ切換え機能(決定キー機能)と、この操作に対するクリック感触の発生機能を同時に果たすことができる。このため、第2の検出手段50Aの構造をより簡単にすることができる。
【0097】
本発明の操作装置10,40,50は、上記のような、携帯電話機に搭載されて操作されることには限定されない。
【0098】
たとえば、ハイブリッドレコーダーのリモコンに搭載され、前記レコーダーの画面に映し出された所定の日付におけるテレビ番組表において、指Fを、操作面12a上で低加重で押圧させながら所定の方向に移動させることで、選択カーソルを所定の方向に移動させるようにしてもよい。この場合、例えば前記選択カーソルが所望の番組部分にきたときに、指Fの移動を止め、指Fを前記低加重よりも大きな高加重(第2の操作力)をかけて押し下げると、前記所望の番組が選択、決定され、決定された番組の詳細が前記画面に映し出されるようにできる。
【0099】
あるいは、デジタルカメラに搭載され、前記デジタルカメラの画像中に表示されている複数のメニューにおいて、指Fを、操作面12a上で前記低加重で押圧させながら所定の方向に移動させることで、選択カーソルを所定の方向に移動させるようにすることも可能である。この場合には、前記選択カーソルが所望のメニューにきたときに、指Fの移動を止め、前記指を前記低加重よりも大きな高加重(第2の操作力)をかけて押し下げると、前記所望のメニューに含まれる複数のサブメニューが、前記画像中に別途表示される。そして、さらに指Fを、操作面12a上で低加重で押圧させながら所定の方向に移動させることで、前記選択カーソルを所定の方向に移動させ、前記サブメニューの中から所望の前記サブメニューを選択することができるようになる。
【0100】
図8は本発明の第2の実施の形態の他の変形例としてキートップK4,K5,K6の断面を示す図1の8b−8b線での切断断面図である。なお、その他8a−8a線,8c−8c線,8d−8d線,8e−8e線の断面も8b−8b線での断面図と同じである。
【0101】
図8において、図2に示す操作装置10および図6に示す操作装置40と同様の部材等には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0102】
本変形例の操作装置60が、上記第2の実施の形態に示す操作装置40と大きく異なる点は、操作手段11の弾性部材12の代わりに、携帯電話機100の第1のケース101aにマトリックス状に形成された開口部に対応するように設けられた複数のキートップK1ないしK15に分割された操作手段102が形成されている点にある。本変形例では、縦方向(図示Y1−Y2方向)5行、横方向(図示X1−X2方向)3列からなる合計15ヶのキートップK1ないしK15が設けられている。したがって、第1の補強部材13に設けられた第1の突起14aなどや、第1の検出手段20に設けられた第1の接点および第2の検出手段40Aに設けられるスイッチなどもそれぞれ5行3列からなるマトリックス状に配置されている。
【0103】
なお、キートップK1ないしK15は、上記各実施の形態と同様に、弾性部材で形成されていてもよいし、プラスチック等の硬質な樹脂で形成されているものであってもよい。
【0104】
図8に示すように、各キートップK1ないしK15の下面には、弾性シート13Aが設けられている。弾性シート13Aの下面には第1の突起14a,14b,14c等がマトリックス状に配置されている。弾性シート13AはキートップK1ないしK15を図示Z1方向に付勢している。弾性シート13Aの下面には、第1の接点S1〜S15がマトリックス状(5行3列)に形成された第1の検出手段20が設けられている。なお、図8には第1の接点S1〜S3のみが示されている。
【0105】
図1に示すように、キートップK1ないしK15の表面には、それぞれ異なる文字、数字あるいは記号などが印刷等されている。例えば、キートップK4の表面には数字「1」が、キートップK8の表面には数字「5」が印刷されている。
【0106】
第1の検出手段20を形成する第1の下側シート22の下方の、第1の上側導電部21a〜21cおよび第1の下側導電部22a〜22cに対応する位置には、第2の突起17a,17b,17cが設けられている。
【0107】
そして、この操作装置60では、上記第2の実施の形態に示す操作装置40と同様に、第2の突起17a〜17cが設けられた第2の補強部材16の下方に第2のスイッチ41,42,43を有する第2の検出手段40Aが設けられている。なお、第2の突起17a〜17c、第2のスイッチ41〜43もそれぞれ5行3列のマトリックス状に配置されている。
【0108】
次に、操作装置60の動作を説明する。
図9Aないし図9Cは図8に示す操作装置の使用例を説明する図である。
【0109】
図9Aに示すように、携帯電話機100の表示部104に、例えば15ヶのキー操作手段102のキー配列に対応して複数のサムネイル画面t1〜t15が割り当てられて表示されているとする。
【0110】
操作者が、例えば数字「1」が印刷されているキートップK4の操作面12aに指(操作体)Fを載せた状態で、軽く(低加重で)押し下げると、操作装置10と同様に、このキートップK4に対応する第1の接点S4が導通するため、表示部104にはキートップK4に対応して割り当てられたサムネイル画像t4の枠部が明るく点灯したりするなどして強調表示される。
【0111】
また図9Bに示すように、低荷重(第1の操作力)の状態で指FをキートップK8に移動させると、今度はキートップK8に対応する第1の接点S8が導通され、表示部104にはキートップK8に対応して割り当てられたサムネイル画像t8が強調表示される。なお、第1の接点S4は非導通状態に戻るため、サムネイル画像t4の強調表示が解除される。
【0112】
次に、指Fを高加重(第2の操作力)をかけてキートップK8をさらに押し下げると、
第1の下側シート22が下方へ撓み変形し、第2の突起17bが下方へ移動するため、第2の検知手段40Aに設けられた反転板42aが反転してキートップK8に対応するスイッチ42がオン状態に切り換えられる。また同時に、反転板42aがクリック感触を発生させる。このときのスイッチ情報は携帯電話機100内に設けられた制御手段に送られ、例えば図9Cに示すように、決定キーが操作されたものと判断し、キートップK8に対応するサムネイル画像t8が拡大して表示されるような制御が行われる。
【0113】
なお、他のキートップK1ないしK15に対応する位置においても上記と同様の動作によって、各サムネイル画像t1ないしt15を拡大表示し、且つ操作の際に前記クリック感触を発生させることが可能である。
【0114】
上記変形例では、第2の検出手段40Aとして使用した反転板等を有する各スイッチ41,42,43が、一つの部材でスイッチとしての機能とクリック感触を発生させる機能の双方を有しており、クリック感触を発生させる専用の部材を別途必要としないため、第2の検出手段40Aの構造を単純にすることができる。また、キートップK1ないしK15に対応するスイッチがオンに切り換えられるときに、同時にクリック感触が発生するため、操作者は、キートップK1ないしK15に対応するスイッチが押圧されたことを確実に知覚することができる。
【0115】
上記の各実施の形態では、操作装置が携帯電話機100に搭載されて操作されるもので説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、ハイブリッドレコーダーのリモコンに搭載され、操作者が、所定の操作面に指(図示せず)を載せて、軽く押し下げると、前記操作面を有する操作釦に割り当てられた機能が前記レコーダーの画面に表示され、前記指を前記加重よりも大きな加重をかけて押し下げると、前記機能が選択、決定されるものとして使用するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の第1の実施の形態の操作装置を搭載した携帯電話機の正面図、
【図2】図1の2−2線での切断断面図、
【図3】押圧動作によって変化する本発明の第1の実施の形態の操作装置の内部を示す、図2と同様の切断断面図、
【図4】押圧動作によって変化する本発明の第1の実施の形態の操作装置の内部を示す、図2と同様の切断断面図、
【図5】図5A〜図5Fは図1に示す操作装置の使用例を説明する図、
【図6】本発明の第2の実施の形態の操作装置を示す、図2と同様の切断断面図、
【図7】本発明の第3の実施の形態の操作装置を示す、図2と同様の切断断面図、
【図8】本発明の第2の実施の形態の他の変形例としてキートップK4,K5,K6の断面を示す図1の8b−8b線での切断断面図、
【図9】図9Aないし図9Cは図8に示す操作装置の使用例を説明する図、
【図10】従来の操作装置が搭載される携帯電話機の正面図、
【図11】図10の3−3線での切断断面図、
【図12】図10に示す操作装置を用いた機能を説明する図
【符号の説明】
【0117】
10,10A,10B,40,50,60, 操作装置
11 操作手段
12 弾性部材
12a 操作面
13 第1の補強部材
13A 弾性シート
13b 案内孔
14a,14b,14c,14d,14e 第1の突起
16 第2の補強部材
17a,17b,17c,17d,17e 第2の突起
20 第1の検出手段
21 第1の上側シート
21a,21b,21c,21d,21e 第1の上側導電部
22 第1の下側シート
22a,22b,22c,22d,22e 第1の下側導電部
23,33 スペーサ
23a,23b,23c,23d,23e 第1の穴部
30,40A,50A 第2の検出手段
31 第2の上側シート
31a,31b,31c,31d,31e 第2の上側導電部
32 第2の下側シート
32a,32b,32c,32d,32e 第2の下側導電部
33a,33b,33c,33d,33e 第2の穴部
41,42,43,53 スイッチ
41a,42a,43a,53a 反転板
58 支柱
K1,K4,K5,K6,K8 キートップ
S1,S2,S3,S4,S5 第1の接点
T1,T2,T3,T4,T5 第2の接点
W1,W2 幅寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作面に与えられる操作力に応じてスイッチの動作状態が切り換えられる複合型の操作装置であって、
前記操作面を有するとともに最上層に設けられた操作手段と、中間層に設けられるとともに平面的に配置された複数のスイッチ部材が第1の操作力に応じて切り換えられる第1の検出手段と、最下層に設けられるとともに前記第1の操作力よりも大きな第2の操作力に応じて切り換えられる第2の検出手段とを有することを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記第1の検出手段と前記第2の検出手段の少なくとも一方が、複数の穴部が設けられたスペーサと、前記スペーサの一方に積層された上側シートと、他方の面に積層された下側シートとを有し、
前記穴部を介して対向する前記上側シートと前記下側シートの両対向面の一方には上側導電部が、他方には下部導電部が設けられており、
前記操作手段に与えられた前記第1の操作力以上の力によって前記上側シートが撓み変形させられたときに、前記上側導電部が前記下側導電部に接触させられるメンブレンスイッチで形成されている請求項1記載の操作装置。
【請求項3】
前記第1,第2の両検出手段がメンブレンスイッチで形成されており、前記第2の検出手段の穴部の位置が、前記第1の検出手段の穴部の位置に対応して設けられており、且つ前記第2の検出手段の穴部の幅寸法が、前記第1の検出手段の幅寸法よりも小さく形成されている請求項2記載の操作装置。
【請求項4】
前記操作手段と前記第1の検出手段の上側シートとが対向し合う部分で、且つ前記第1の検出手段の穴部と対向する位置には、一方の対向面から他方の対向面に突出する突起が設けられている請求項2または3記載の操作装置。
【請求項5】
前記第1の検出手段の下側シートと前記第2の検出手段の上側シートとが対向し合う部分で、且つ前記第2の検出手段の穴部と対向する位置には、一方の対向面から他方の対向面方向に突出する突起が設けられている請求項3または4記載の操作装置。
【請求項6】
前記第2の検出手段が、接触部を備えた反転板と、前記接触部と対向する固定部側の位置に設けられた導電部とを備え、前記第2の操作力を与えることにより前記反転板が反転し、前記接触部が前記導電部に接触させられるダイヤフラム型のスイッチである請求項1または2記載の操作装置。
【請求項7】
前記操作手段と前記第1の検出手段の上側シートとが対向し合う部分で、且つ前記第1の検出手段の穴部と対向する位置には、一方の対向面から他方の対向面に突出する突起が設けられており、
前記第2の検出手段が、接触部を備えた反転板と、前記接触部と対向する固定部側の位置に設けられた導電部とを備え、前記第2の操作力を与えることにより前記反転板が反転し、前記接触部が前記導電部に接触させられるダイヤフラム型のスイッチである請求項1または2記載の操作装置。
【請求項8】
前記第2の検出手段に、少なくとも1以上の前記ダイヤフラム型のスイッチが設けられている請求項6または7記載の操作装置。
【請求項9】
前記操作手段が、低摩擦抵抗層で形成された前記操作面を有するとともに、少なくとも前記第1の操作力を受けて弾性変形させられる弾性体と、前記弾性体の下面側に設けられて前記弾性体が所定量以上撓むのを規制する補強部材とを有している請求項1ないし8のいずれかに記載の操作装置。
【請求項10】
前記操作手段が、前記穴部に対向して配置された複数のキートップと、前記キートップの下部側に設けられ、個々の前記キートップを弾性的に付勢するとともに、少なくとも前記第1の操作力を受けて弾性変形させられる弾性シートとを有している請求項2記載の操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−134609(P2006−134609A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−319666(P2004−319666)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】