説明

改善されたナビゲーション装置及び方法

携帯ナビゲーション装置(PND)又はナビゲーションシステムを動作させる方法について、コンピュータプログラム及びPND及びナビゲーションシステムと共に説明する。方法は、装置又はシステムにローカルに格納された地図データを参照して識別可能であり、且つオプションとして現在地であるか又は現在地を含む、特定の建物、場所又は場所範囲を少なくとも一時的にメモリに格納するための手段を提供するステップを含む。方法は、建物、場所又は範囲に関する定性情報が装置又はシステムにローカルに入力される際に使用される少なくとも1つのユーザ選択可能なオプションをユーザに提示するステップと、前記オプションの選択の結果、定性情報及び定性情報と前記識別された建物、場所又は範囲との関連が、直ちに又は後に、一次情報として記録及び格納されるステップとにより特徴付けられ、後に、一次情報がナビゲーション装置又はシステムとリモート装置との間の物理接続を介して又は無線でリモート装置に送信されることを更に特徴とする。定性情報は、整数のスケールに対するある形態の格付け指示を含むのが好ましく、オプションとして、方法は、装置又はシステムによりローカルに入力され且つ格納される英数字又は音声記述の形態での二次情報の入力及び記録を提供することを含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善されたナビゲーション装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(全地球測位システム)信号の受信及び処理手段を含む携帯ナビゲーション装置(PND)は周知であり、車載ナビゲーションシステムとして広く採用されている。実質上、現在のPNDは:
−プロセッサと、
−メモリ(揮発性及び不揮発性のうち少なくとも一方、並びに一般にはその双方)と、
−前記メモリ内に格納された地図データと、
−装置の機能性を制御し且つ種々の特徴を提供するためのソフトウェアオペレーティングシステム及びオプションとしてソフトウェアオペレーティングシステム上で実行する1つ以上の追加のプログラムと、
−場所データを含む衛星ブロードキャスト信号を受信し、その後、処理して装置の現在地を判定するGPSアンテナと、
−現在の角加速度及び直線加速度を判定し、次にGPS信号から導出される場所情報と関連して装置の速度及び相対変位及びその装置が搭載される車両を判定するために処理可能な信号を生成するオプションの電子ジャイロスコープ及び加速度計と、
−例えば表示装置(ユーザ入力を可能にするためにタッチセンシティブであってもよい)、装置のON/OFF動作又は他の特徴を制御するための1つ以上の物理ボタン、可聴出力のためのスピーカを含む入出力手段と、
−電力及びオプションとして1つ以上のデータ信号を装置に対して送信及び受信するためのオプションの1つ以上の物理コネクタと、
−移動電気通信ネットワーク、並びに例えばWi−Fi及びWi−Max GSM等の他の信号及びデータネットワークを介する通信を可能にするためのオプションの1つ以上の無線送信機/受信機とを含む。
【0003】
PNDの有用性は、特に例えば郵便番号、道路名及び番地、並びに事前に格納されている既知のお気に入りの目的地又は最近訪れた目的地等の広範な種々の方法により演算装置のユーザにより入力される出発地又は現在地と目的地との間のルートを判定する能力において明らかとなる。一般にPNDは、地図データから出発地の住所の場所と目的地の住所の場所との間の「最善」又は「最適」なルートを計算することがソフトウェアにより可能になる。「最善」又は「最適」なルートは、所定の基準に基づいて判定され、必ずしも最速又は最短のルートである必要はない。運転者を誘導するルートの選択は非常に高度である可能性があり、選択されたルートは、既存の予測された動的に且つ/又は無線で受信された交通及び道路情報、道路速度に関する履歴情報、並びに道路の選択を判定する要因に対する運転者自身の好みを考慮してもよい。更に装置は、道路状況及び交通状況を継続的に監視し、状況変化によりとられる残りの行程に対してルートを変更することを提案又は選択する。種々の技術(例えば、移動電話通話、固定カメラ、GPS車両追跡)に基づくリアルタイム交通監視システムは、交通遅延を識別し、その情報を通知システムに供給するために使用されている。
【0004】
一般にナビゲーション装置は、車両のダッシュボード上に搭載されてもよいが、車両又はカーラジオの内蔵コンピュータの一部として形成されてもよい。ナビゲーション装置は、PDA(パーソナルナビゲーション装置)、メディアプレーヤ又は移動電話等のハンドヘルドシステム(の一部)であってもよく、その場合、ハンドヘルドシステムの標準的な機能性は、ルート計算及び計算されたルートに沿うナビゲーションの双方を実行するためにソフトウェアを装置にインストールすることにより拡張される。任意のイベントにおいて、ルートが計算されると、ユーザはナビゲーション装置と対話して、オプションとして提案されたルートから所望の計算されたルートを選択する。オプションとして、ユーザは、例えばある特定のルート、道路、場所又は基準が特定の行程に対して回避されるか又は必須であると指定することにより、ルート選択処理を仲介するか又はルート選択処理を誘導してもよい。PNDのルート計算は提供される1つの主機能を形成し、そのようなルートに沿うナビゲーションは別の主機能である。計算された経路に沿うナビゲーションの間、PNDは、選択ルートに沿ってそのルートの終点、すなわち所望の目的地にユーザを案内する視覚命令及び/又は可聴命令を提供する。また、PNDは、ナビゲーションの間、地図情報を画面上に表示するのが一般的である。そのような情報は、表示される地図情報が装置の現在地及び装置が車載ナビゲーションに使用されている場合にはユーザの現在地又はユーザの車両の現在地を示すように画面上で定期的に更新される。画面上に表示されるアイコンは、一般に装置の現在地を示し、現在の道路及び周囲の道路の地図情報と共に中央に置かれ、他の地図の特徴も表示される。更にナビゲーション情報は、オプションとして表示される地図情報の上側、下側又は片側のステータスバーに表示されてもよく、ナビゲーション情報の例としては、ユーザが走行する必要のある現在の道路から次の進路変更までの距離が含まれ、場合によってはその進路変更の特性は、例えば左折又は右折である特定の種類の進路変更を示す更なるアイコンで表される。更にナビゲーション機能は、ルートに沿ってユーザを案内する際に使用される可聴命令の内容、継続時間及びタイミングを判定する。理解されるように、「100m先で左折」等の単純な命令でも、かなりの処理及び分析を必要とする。上述のように、装置とのユーザ対話は、タッチスクリーンによって行なわれてもよく、更にこれに加えて或いはこれに代えて、ステアリングコラムリモコン、音声起動又は任意の他の適切な方法によって行なわれてもよい。
【0005】
装置により提供される更なる重要な機能は、以下のイベントにおける自動的なルート再計算である。
−ユーザが事前に計算されたルートに沿うナビゲーション中にそのルートから外れた場合、
−別のルートの方が適切であることをリアルタイム交通状況が指示し且つ装置がそのような状況を自動的に認識することを適切に可能にされる場合、又は
−ユーザが何らかの理由で能動的に装置にルートを再計算させる場合。
【0006】
更に、ユーザが規定する基準でルートを計算できることは周知である。例えばユーザは、装置により景色のよいルートが計算されることを好んでもよく、あるいは交通渋滞が起こる可能性が高いか、起こることが予想されるか又は現在起こっている全ての道路を回避することを要求してもよい。次に、装置のソフトウェアは種々のルートを計算し、例えば景色が美しい所としてタグ付けされる地点情報(POIとして周知である)をルートに沿って最も多く含む経路をより有利に重み付けするか、あるいは特定の道路上の交通状況を示す格納情報を使用することにより、起こる可能性のある渋滞又は遅延のレベルを考慮してそれらのレベルに関して計算ルートを順序付けする。更に他のPOIに基づくルート計算及び交通情報に基づくルート計算、並びにナビゲーション基準が可能である。
【0007】
ルート計算及びナビゲーション機能はPNDの全体的な有用性に対して必須であるが、装置を純粋な情報表示にも使用できる。すなわち、装置の現在地に関連する地図情報のみが表示され、ルートが全く計算されておらず、装置が現在ナビゲーションを全く実行していない「フリードライビング」用に使用できる。多くの場合、そのような動作モードは、移動するのに使用するように要求されるルートをユーザが既に認識しており且つナビゲーション支援を必要としない場合に適用可能である。
【0008】
より新しいPNDは、衛星信号を受信できる不可欠なGPSアンテナだけでなく、装置が移動電気通信ネットワークの一部になることを効果的に可能にする副次的な移動電気通信アンテナも備えている。一般に装置は、ネットワークに対して装置を識別するために且つ通信を可能にするネットワークに適切な信号を符号化及び復号化するために必要とされる種々のデータが提供される内蔵されるか又は取り外し可能である加入者識別モジュール(SIM)カードを更に備えてもよい。
【0009】
Bluetooth(登録商標)又はWi−Fiアンテナ等の更なる狭域無線通信手段をPND及びナビゲーションシステムに提供することが更に周知である。このような狭域無線通信手段は、装置と当該装置と同様に動作可能にされた他の装置、最も一般的には移動電気通信ハンドセットである、とのペアリングを容易にする
【0010】
これらの双方の技術は、受信GPS信号から装置の現在地を継続的に繰り返し判定することに基づいて車載ナビゲーション及びルート案内機能を単に提供する受動装置が、より広い電気通信ネットワークを介して中央データ処理サービスに情報を返送できる能動装置になることを効果的に許可する。
【0011】
この点に関して、米国特許第6,253,151号明細書(特許文献1)は、地理データを使用するナビゲーションシステムのエンドユーザが地理データにおいて知覚した誤差又は間違い、あるいは低品質なルート計算又は案内等の他の問題を容易に無線報告できる特徴について記載している。エンドユーザは、ナビゲーションシステムのユーザインタフェースを使用して、知覚した誤差、間違い又は他の問題を示す。ナビゲーションシステムは、エンドユーザの指示に応答して動作する報告プログラムを含む。報告プログラムは、誤差、間違い又は他の問題を示す情報を収集し、収集した情報を含む報告を地理データベース開発者に送出する。地理データベース開発者は、報告内の情報を使用して地理データベースを更新できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第6,253,151号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、上記システムは、地図に関係しないデータ、例えば道路工事、一時的な迂回路及び道路の閉鎖、交通渋滞、事故、並びに交通の流れ及び動きに影響を及ぼすが最終的には基礎となる地図データにおける不足をとなるわけではない他の過渡的な出来事等の過渡的な現象の提供に対して、地図データプロバイダの中央地理データベース又は地図データベースが可能な限り最新で且つ正確であることを保証することを重視している。
【0014】
本出願人は、特に場所又は場所の範囲に固有のローカルに入力された情報を送信する機能が、単なる地図データの補正及び強化よりも非常に広範な可能性を提供するという知見を得た。これは、特に、その後に行われる、装置やシステムの広くインストールされたユーザベースへの再送信により利用可能にされる場合に顕著である。
【0015】
従って、本発明の目的は、特に装置又はシステムにおいてローカルに入力されたユーザに固有の且つ/又はローカルの情報及び過渡的な現象を報告する拡張された機能を提供するPND又はナビゲーションシステム、それを動作させる方法及びそれを制御するコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によると、PND又はナビゲーションシステムを動作させる方法が提供される。前記方法は、装置又はシステムにローカルに格納された地図データを参照して識別可能である、且つオプションとして現在地であるか又は現在地を含む、特定の建物、場所又は場所範囲を少なくとも一時的にメモリに格納する手段を提供するステップを含み、方法は、更に、前記建物、場所又は範囲に関する定性情報が装置又はシステムにローカルに入力される際に使用される少なくとも1つのユーザ選択可能なオプションをユーザに提示するステップと、前記オプションの選択の結果、定性情報及び識別された建物、場所又は範囲と当該定性情報の関連が一次情報として記録及び格納されるステップとを含むことを特徴とし、その後、一次情報がリモート装置に送信されることを更に特徴とする。
【0017】
好ましくは、一次情報は無線送信され、最も好ましくは作成から数分以内に送信される。但し、本発明は、定性情報を特定の建物、場所又は範囲と関連付け、且つ物理接続を使用してリモート装置に後で送信するために、装置又はシステムのユーザが一次情報を装置又はシステムに格納する機会を与えられる実施形態を含む。そのような物理接続としては、例えば、装置又はシステムをリモートPC、あるいは適切な又は好適な装置に接続するUSBあるいは他の種類のケーブルを使用することが挙げられる。
【0018】
ユーザにより入力可能な定性情報は、少なくとも建物、場所又は場所の範囲のユーザの主観的な評価の指示を含むのが好ましい。定性情報は、ローカルに格納された所定のスケールに基づくある形態のユーザの格付けを含むのが最も好ましい。好適な一実施形態において、スケールは、オプションとしてゼロを含む、所定の数の整数にわたる。例えば、スケールは、1、2、3及び4を含む0〜5にわたる。
【0019】
好ましくは、定性情報は、英数字データ及びデジタル化オーディオデータのうちの少なくとも一方を更に含んでもよく、英数字データは、装置のタッチセンシティブスクリーンを介してユーザにより入力可能であり、デジタル化オーディオデータは、装置又はシステムの一部として提供されるマイク手段を介して記録される。
【0020】
最も好適な実施形態において、一次情報が特定の建物、場所又は場所範囲と関連付けられる格付け指示から構成される場合、方法は、建物、場所又は範囲と一次情報とのうちの一方と少なくとも一時的に関連付けられ且つ共に格納され、その後リモート装置に無線送信される二次の記述情報を記録する更なるオプションを前記ユーザに提示する更なるステップを含む。
【0021】
好適な1つの構成において、方法はオーディオ記録モードに入るオプションを提示するステップを含み、そのオプションを選択することにより、装置又はシステムはマイクを起動し且つマイクから受信されるオーディオ信号のデジタル化を迅速に開始し、そのような信号はデジタルオーディオファイルにストリームとして格納される。
【0022】
好ましくは、デジタルオーディオファイルと、一次情報及びその一部を形成する建物、場所又は範囲、のうちの少なくとも一方との関連付けは、記録手順の前、記録手順中又は記録手順の完了後に行なわれる。
【0023】
好適な1つの構成において、方法は、英数字入力モードに装置又はシステムが入るようにするオプションを提示するステップを含む。この英数字入力モードでは、仮想キーボードが前記装置又はシステムの表示画面上に表示され、表示された仮想キーボードを介してユーザにより入力される英数字を取り込むメモリにおいてテキストファイルが同時に又は後で作成される。
【0024】
好ましくは、テキストファイルと、一次情報及びその一部を形成する建物、場所又は範囲のうちの少なくとも一方との関連付けは、前記テキストファイルの作成時、作成中又は作成後に行われる。
【0025】
好適な一実施形態において、定性情報は、特定の場所を訪れた時又は旅行した時又は通過した時の相対的な楽しさ、興奮又は幻滅、あるいはユーザが受けた恩恵又は損失等、ユーザが記録することを選択できる任意の主観的情報を含む。例えばユーザは、特定のルート(歩行するか又は自転車に乗る携帯装置のユーザに最適である)の体験、あるいは特定のレストラン、テーマパーク又は他のPOIが楽しめたか否か及び楽しかった理由を共有したいだろう。本発明は、単純で且つ迅速で且つ実質的に容易にこの機能を提供する。
【0026】
本発明の更なる態様において、上述の方法を実行するように構成されたPND及び/又はナビゲーションシステムのように、要望に応じてコンピュータ可読媒体上に具体化されるコンピュータプログラムは上述の方法を実現するために提供される。
【0027】
別の態様において、PND又はナビゲーションシステムは、ローカル移動電話又は移動電気通信ネットワークを介して通信できる他の装置により提供される移動電気通信アンテナを備えてなくてもよい。この態様において、PND又はナビゲーションシステムは、一次情報及び二次情報が、無線電気通信ネットワークを介した後の送信のために、まずローカル移動装置に送信されるように、ローカル移動装置に対して通信を確立する時に使用される狭域無線アンテナを備えてもよい。
【0028】
本発明の更なる態様において、PND又はナビゲーションシステムは、PND又はシステムが次にナビゲーションを実行する目的地である所望の目的地をユーザが選択するために、建物、場所又は場所範囲と先に関連付けられた格付け値に基づいてPOI、建物、場所又は場所範囲の階層又は段階評価されたリストを作成及び表示できる。
【0029】
上記から理解されるように、本発明は、装置のインストールされたユーザベース間で有益に共有される種類の定性情報をリアルタイム又はほぼリアルタイムに報告する手段を提供する。例えば定性情報は、最も好ましくは無線電気通信ネットワークを使用して、照合、妥当性検査及び適切に動作可能にされた他の装置への次の再配布を行なうためにリモート装置又はシステムに送信されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】全地球測位システム(GPS)の一例を示す図である。
【図2】ナビゲーション装置の電子構成要素の一例を示すブロック図である。
【図3】ナビゲーション装置が無線通信チャネルを介して情報を受信できる方法の一例を示すブロック図である。
【図4A】、
【図4B】ナビゲーション装置の一実施形態の一実現例を示す斜視図である。
【図5】、
【図6】、
【図7】本発明の可能な一実現例の指示を示す基本的なフローチャートである。
【図8】POIへのナビゲーションが達成できる方法及び先に入力された格付け情報が選択されたPOIに対して表示される(入手可能である場合)方法を示すPNDからの種々のスクリーンショットを示す図である。
【図9】定性格付け情報が装置にローカル入力される方法を示すPNDからの複数のスクリーンショットを示す図である。
【図10】装置が使用可能にされた適切なPCに接続された後に先に入力された格付け情報を編集する方法を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下において、図面を使用して説明する実施形態を使用して、本発明について更に詳細に説明する。
【0032】
図1は、ナビゲーション装置により使用可能な全地球測位システム(GPS)の一例を示す図である。そのようなシステムは周知であり、種々の目的で使用される。一般にGPSは、連続的な位置、速度、時間及びいくつかの例においては方向情報を無数のユーザに対して判定できる衛星無線ナビゲーションシステムである。以前はNAVSTARとして周知であったGPSは、極めて正確な軌道で地球と共に動作する複数の衛星を含む。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は自身の場所を任意の数の受信装置に中継できる。
【0033】
特にGPSデータを受信できる装置がGPS衛星信号に対する無線周波数の走査を開始する場合、GPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は、複数の異なる従来の方法のうちの1つを使用してその衛星の正確な場所を判定する。殆どの例において、装置は、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置を判定する標準的な方法ではないが、2つの信号だけでも他の三角測量技術を使用して位置を判定できる)。幾何学的三角測量を実現すると、受信機は、3つの既知の位置を利用して、衛星に対する自身の2次元位置を判定する。これは、周知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算によって周知の方法でその3次元位置を計算できる。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
【0034】
図1に示すように、GPSシステム全体を図中符号100で示す。複数の衛星120は、地球124の周囲の軌道上にある。各衛星120の軌道は、他の衛星120の軌道と必ずしも同期せず、実際には非同期である可能性が高い。GPS受信機140は、種々の衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を受信するものとして示される。
【0035】
各衛星120から連続的に送信されるスペクトル拡散信号160は、極めて正確な原子時計を使用して達成される非常に正確な周波数標準を利用する。そのデータ信号送信160の一部である各衛星120は、その特定の衛星120を示すデータストリームを送信する。一般に、GPS受信機140が、GPS受信機140に対する少なくとも3つの衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を取得し、三角測量によりその2次元位置を計算することが当業者には理解される。追加の信号を取得した結果、合計4つの衛星120から信号160を取得することになり、これによりGPS受信機140は、周知の方法でその3次元位置を計算できる。図2は、ナビゲーション装置200の電子構成要素の一例をブロック構成要素の形式で示すブロック図である。尚、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すだけである。
【0036】
ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に配置される。筐体は、入力装置220及び表示画面240に接続されるプロセッサ210を含む。入力装置220は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル及び/又は情報を入力するために利用される任意の他の周知の入力装置を含むことができ、表示画面240は、例えばLCDディスプレイ等の任意の種類の表示画面を含むことができる。入力装置220及び表示画面240は、タッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置に一体化され、その場合、ユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタンのうちの1つをアクティブにするために、表示画面240の一部分に接触するだけでよい。
【0037】
更に、他の種類の出力装置241は可聴出力装置を含むことができるが、これに限定されない。出力装置241がナビゲーション装置200のユーザに対して可聴情報を生成できるため、入力装置220は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアを更に含むことができることが同様に理解される。
【0038】
ナビゲーション装置200において、プロセッサ210は、接続225を介して入力装置220に動作可能に接続され且つ入力装置220から入力情報を受信するように設定され、情報を出力するために、表示画面240及び出力装置241のうちの少なくとも一方に出力接続245を介して動作可能に接続される。更にプロセッサ210は、接続235を介してメモリ230に動作可能に接続され、接続275を介して入出力(I/O)ポート270との間で情報を送受信するように更に構成される。ここで、I/Oポート270は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置280に接続可能である。外部I/O装置280は、例えばイヤホン等の外部聴音装置を含んでもよいが、これに限定されない。更にI/O装置280への接続は、例えばイヤホン又はヘッドフォンへの接続のため及び/又は移動電話への接続のためのハンズフリー動作及び/又は音声起動動作のために、カーステレオユニット等の任意の他の外部装置への有線接続又は無線接続であってもよい。移動電話接続は、ナビゲーション装置200とインターネット又は例えば任意の他のネットワークとの間のデータ接続を確立するため、並びに/あるいはインターネット又は例えば他のネットワークを介するサーバへの接続を確立するために使用されてもよい。
【0039】
ナビゲーション装置200は、デジタル接続(例えば、周知のBluetooth技術を介するデジタル接続等)を確立する移動装置400(移動電話、PDA及び/又は移動電話技術を有する任意の装置等)を介してサーバ302に対する「モバイル」又は電気通信ネットワーク接続を確立してもよい。その後、そのネットワークサービスプロバイダを介して、移動装置400はサーバ302とのネットワーク接続(例えば、インターネットを介する)を確立できる。従って、「モバイル」ネットワーク接続は、ナビゲーション装置200(単体での移動時及び/又は車載走行時に移動可能であり、多くの場合に移動可能となる)とサーバ302との間に確立され、情報に対する「リアルタイム」又は少なくとも「最新」のゲートウェイを提供する。
【0040】
例えばインターネット410を使用する移動装置400(サービスプロバイダを介する)とサーバ302等の別の装置との間のネットワーク接続は、周知の方法で確立される。これは、例えばTCP/IP階層プロトコルの使用を含む。移動装置400は、CDMA、GSM、WAN等の任意の数の通信規格を利用できる。
【0041】
従って、例えば移動電話又はナビゲーション装置200内の移動電話技術を介するデータ接続を介して達成されるインターネット接続が利用されてもよい。この接続の場合、サーバ302とナビゲーション装置200との間のインターネット接続が確立される。これは、例えば移動電話又は他の移動装置及びGPRS(汎用パケット無線サービス)接続を介して行なわれる(GPRS接続は、通信会社により提供される移動装置用の高速データ接続である。GPRSは、インターネットへの接続方法である)。
【0042】
更にナビゲーション装置200は、移動装置400とのデータ接続を完成し、最終的には、例えば既存のBluetooth技術を介して周知の方法でインターネット410及びサーバ302とのデータ接続を完成する。ここで、例えばデータプロトコルは、GSM規格に対するデータプロトコル規格であるGSRM等の任意の数の規格を利用できる。
【0043】
ナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200自体の内部にそれ自体の移動電話技術を含んでもよい(例えばアンテナを含み、その場合、ナビゲーション装置200の内部アンテナが更に代わりに使用可能である)。ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、上記で指定した内部構成要素を含むことができ且つ/又は例えば必要な移動電話技術及び/又はアンテナを備える挿入可能なカード(例えば、加入者識別モジュール、すなわちSIMカード)を含むことができる。従って、ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、任意の移動装置400と同様の方法で、例えばインターネット410を介してナビゲーション装置200とサーバ302との間にネットワーク接続を同様に確立できる。
【0044】
GPRS電話設定の場合、変化し続ける種々の移動電話の機種、製造業者等と共に適切に動作するために、Bluetooth対応装置が使用されてもよく、機種/製造業者別の設定は、例えばナビゲーション装置200に格納されてもよい。この情報のために格納されたデータは更新可能である。
【0045】
図2は、接続255を介するプロセッサ210とアンテナ/受信機250との間の動作可能な接続を更に示す。アンテナ/受信機250は、例えばGPSアンテナ/受信機であってもよい。図中符号250で示すアンテナ及び受信機は図示するために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は別個に配置される構成要素であってもよく、例えばアンテナはGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるだろう。
【0046】
更に、図2に示す電子構成要素が従来の方法で電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当業者により理解されるように、図2に示す構成要素の種々の構成は本発明の範囲内であると考えられる。例えば図2に示す構成要素は、有線接続及び/又は無線接続等を介して互いに通信していてもよい。従って、本発明のナビゲーション装置200の範囲は、携帯又はハンドヘルドナビゲーション装置200を含む。
【0047】
更に、図2の携帯又はハンドヘルドナビゲーション装置200は、例えば自動車又はボート等の電動の乗り物に周知の方法で接続又は「ドッキング」される。そのようなナビゲーション装置200は、携帯又はハンドヘルドナビゲーションとして使用するために、ドッキング場所から取り外し可能である。
【0048】
図3は、汎用通信チャネル318を介して通信できるサーバ302及びナビゲーション装置200の一例を示すブロック図である。通信チャネル318を介する接続がサーバ302とナビゲーション装置200との間に確立される場合、サーバ302及びナビゲーション装置200は通信可能である(尚、そのような接続は、移動装置を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介する直接接続等であってもよい)。
【0049】
サーバ302は、図示しない他の構成要素に加えて、メモリ306に動作可能に接続され且つ有線又は無線接続314を介して大容量データ記憶装置312に動作可能に更に接続されるプロセッサ304を含む。更にプロセッサ304は、通信チャネル318を介してナビゲーション装置200との間で情報を送信及び送出するために、送信機308及び受信機310に動作可能に接続される。送受信される信号は、データ信号、通信信号及び/又は他の伝搬信号を含んでもよい。送信機308及び受信機310は、ナビゲーションシステム200の通信設計において使用される通信要件及び通信技術に従って選択又は設計されてもよい。尚、送信機308及び受信機310の機能は、信号トランシーバに組み合わされてもよい。サーバ302は、大容量記憶装置312に更に接続される(又は大容量記憶装置312を含む)。尚、大容量記憶装置312は、通信リンク314を介してサーバ302に結合されてもよい。大容量記憶装置312は、大量のナビゲーションデータ及び地図情報を含み、サーバ302とは別個の装置であってもよく又はサーバ302に組み込まれてもよい。
【0050】
ナビゲーション装置200は、通信チャネル318を介してサーバ302と通信するように構成され、図2に関して上述したように、プロセッサ、メモリ等、並びに通信チャネル318を介して信号及び/又はデータを送出する送信機320及び受信する受信機322を含む。尚、これらの装置は、サーバ302以外の装置と通信するためにも使用可能である。また、送信機320及び受信機322は、ナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信要件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機320及び受信機322の機能は、単一のトランシーバに組み合わされてもよい。
【0051】
サーバのメモリ306に格納されるソフトウェアは、プロセッサ304に命令を提供し、サーバ302がナビゲーション装置200にサービスを提供できるようにする。サーバ302により提供される1つのサービスは、ナビゲーション装置200からの要求を処理すること及び大容量データ記憶装置312からナビゲーション装置200にナビゲーションデータを送信することを含む。サーバ302により提供される別のサービスは、所望のアプリケーションに対して種々のアルゴリズムを使用してナビゲーションデータを処理すること及びナビゲーション装置200にそれらの計算の結果を送出することを含む。
【0052】
一般に通信チャネル318は、ナビゲーション装置200とサーバ302とを接続する伝搬媒体又はパスを表す。サーバ302及びナビゲーション装置200の双方は、通信チャネルを介してデータを送信する送信機及び通信チャネルを介して送信されたデータを受信する受信機を含む。通信チャネル318は、特定の通信技術に限定されない。更に通信チャネル318は、単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル318は、種々の技術を使用するいくつかの通信リンクを含んでもよい。例えば通信チャネル318は、電気通信、光通信及び/又は電磁通信等のためのパスを提供するように構成される。従って、通信チャネル318は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、変換器、無線周波数(rf)波、大気、空所等のうちの1つ又はそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。更に通信チャネル318は、例えばルータ、中継器、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含むことができる。
【0053】
例えば通信チャネル318は、電話及びコンピュータネットワークを含む。更に通信チャネル318は、無線周波数、マイクロ波周波数、赤外線通信等の無線通信に対応できてもよい。また、通信チャネル318は衛星通信に対応できる。
【0054】
通信チャネル318を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされるか又は要求される信号を含むが、それらに限定されない。例えば信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、汎ヨーロッパデジタル移動通信システム(GSM)等のセルラ通信技術において使用されるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル318を介して送信可能である。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号及び/又は圧縮信号であってもよい。
【0055】
サーバ302は、無線チャネルを介してナビゲーション装置200によりアクセス可能であるリモートサーバを含む。サーバ302は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に配置されるネットワークサーバを含んでもよい。
【0056】
サーバ302は、デスクトップ又はラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル318は、パーソナルコンピュータとナビゲーション装置200との間に接続されるケーブルであってもよい。あるいは、パーソナルコンピュータは、ナビゲーション装置200とサーバ302との間に接続されて、サーバ302とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立してもよい。あるいは、移動電話又は他のハンドヘルド装置は、インターネットを介してナビゲーション装置200をサーバ302に接続するためにインターネットに対する無線接続を確立してもよい。
【0057】
ナビゲーション装置200は、情報ダウンロードを介してサーバ302から情報を提供されてもよい。情報は、ユーザがナビゲーション装置200をサーバ302に接続する場合に定期的に更新されてもよく且つ/又は例えば無線移動接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ302とナビゲーション装置200との間により継続して又は頻繁に接続が確立される場合に更に動的であってもよい。多くの動的計算のために、サーバ302内のプロセッサ304が大量の処理要求に対処するために使用されてもよい。しかし、多くの場合サーバ302への接続に依存せずに、ナビゲーション装置200のプロセッサ210も多くの処理及び計算に対処できる。
【0058】
図2において上記で示したように、ナビゲーション装置200は、プロセッサ210、入力装置220及び表示画面240を含む。例えば、入力装置220及び表示画面240は一体型入力表示装置に組み込まれ、タッチパネルスクリーンを介する情報の入力(直接入力、メニュー選択等を介する)及び情報の表示の双方を可能にする。例えばそのような画面は、当業者には周知のタッチ入力LCD画面であってもよい。また、ナビゲーション装置200は、例えばオーディオ入出力装置等の任意の追加の入力装置220及び/又は任意の追加の出力装置241を更に含むことができる。
【0059】
図4A及び図4Bは、ナビゲーション装置200を示す斜視図である。図4Aに示すように、ナビゲーション装置200は、一体型入力表示装置290(例えば、タッチパネルスクリーン)及び図2の他の構成要素(内部GPS受信機250、マイクロプロセッサ210、電源、メモリシステム220等を含むが、それらに限定されない)を含むユニットであってもよい。
【0060】
ナビゲーション装置200は、大きな吸着カップ294を使用して車両のダッシュボード/窓等に固定され得るアーム292上に位置してもよい。このアーム292は、ナビゲーション装置200がドッキングされるドッキングステーションの一例である。図4Bに示すように、ナビゲーション装置200は、例えばナビゲーション装置292をアーム292に嵌合接続することによりドッキングステーションのアーム292にドッキングされるか又は接続される(ドッキングステーションに接続するための他の周知の方法が本発明の範囲内であるため、これは単なる一例である)。図4Bの矢印で示すように、ナビゲーション装置200はアーム292を中心に回転可能であってもよい。ナビゲーション装置200とドッキングステーションとの間の接続を解放するために、例えばナビゲーション装置200上のボタンが押下されてもよい(ドッキングステーションに対して切断するための他の周知の方法が本発明の範囲内であるため、これは単なる一例である)。
【0061】
図5〜図7を参照すると、一実施形態において本発明が実現される方法を示す一連の概略的なフローチャートが示される。図5において、目的地入力ルーチンが概略的に示される。図中、500において装置の電源が投入され、次に502においてメインメニュー画面が装置の表示画面に提示される。その後、適切な表示メニュー項目を選択すると、504においてPOIメニューが表示され、506においてユーザはそのPOIメニューから特定の種類のPOIを選択する。ルーチンのこの時点において、ユーザは、行きたいPOIの特定の名称又は住所を知っているかを508で尋ねられる。周知のPOI名又は住所が入手可能でない場合、510において、装置は先に選択された特定の種類のPOIのリストを提示する。特定の種類のPOIは、後述するように、装置のユーザのグループにより先に入力された格納されている格付け情報に従って順序付けされ、装置のメモリに先にダウンロードされている。この時点において、ユーザは、512で一覧表示されるPOIのうちの1つを選択するか、あるいは514で更に詳細な格付け及び定性情報を調査することを選択することができる。ここで、更に詳細な格付け及び定性情報とは、たとえば特定の格付け値または更に詳細なオーディオ又はテキスト情報であり、装置のメモリに格納されている。これらはたとえば、ダウンロードされているか又は別個のファイルではあるものの装置のメモリにインストールされた地図情報の本体の一部を形成する。図示される実施形態において、調査及び選択された特定のPOIは516でユーザにより最終的に選択されるホテルであるが、当然、本発明は分類される任意の種々のPOIに適用されてもよい。例としては、レストラン、公園及び他のレジャー施設、一般向けの宿及びバー、並びに劇場及び舞台芸術のための他の会場等が含まれる。
【0062】
516でPOIがユーザによりナビゲーションの目的地として選択されると、電話番号情報がそのPOIに対して入手可能であり且つ装置が内蔵移動電気通信機能を備えるか又は例えばBluetooth(登録商標)等の狭域無線通信プロトコルを使用してそのような目的で適切な移動電話と対にされるという条件の下、518において、装置は選択したPOIに電話をかけるというオプションを提供してもよい。ユーザによりどの特定のオプションが選択されたかに関わらず、520において、装置は先に選択されたPOI及び従来の方法で地図データにおいて識別される対応する地理的座標を使用してナビゲーションモードに入る。
【0063】
ユーザが行きたいPOIの名称及び/又は住所を既に認識している場合、ユーザは、508においてこのことを装置に示す。この時、装置は522においてそのような情報が装置に入力されることを可能にする。当然、図は、そのような情報が一般に仮想キーボードに形態で装置の画面上に表示される英数字を使用してタイプ入力することにより物理的に入力されてもよいことを示すが、装置がマイク及び音声処理ソフトウェアにより適切に使用可能にされる場合、そのような情報は音声入力されてもよい。どのように達成されるかに関わらず、この情報の入力により、524においてPOIが選択される。この時、装置は、518で上述されたようにそのPOIに電話をかけるオプションを提示してもよい。最後に、ナビゲーションは520で開始し得る。
【0064】
図6を参照すると、ルーチンが概略的に示される。そのルーチンにより、ユーザは、例えば特に楽しめた結果又は気に入らなかった結果としてある説明をするために、装置によりナビゲートされ且つユーザより見つけられたルートを形成する可能性のある特定のPOI、場所又は場所の範囲に対する格付け又は他の定性情報を入力できる。例えば、一般に先に入力された目的地にナビゲートした後に装置の電源が落とされるため、530の起動時に、ソフトウェアは以下のうちの1つ以上を判定してもよい。
−以前のナビゲーションに対する先に入力された目的地がPOIであったこと。
−装置がそのPOIに正常にナビゲートしたこと。
−起動時の装置の現在地が特定のPOIである以前のナビゲーション目的地と一致すること。
−装置が以前にナビゲーションを完了し、電源が落とされ且つ再び電源が投入された時間。
【0065】
ユーザがPOIを訪れることを体験したため、そのPOIに対する評価を形成できることが、その情報から装置により推定され得る。従って、532において、装置は各付け又は他の定性情報を入力するというオプションをユーザに提示してもよい。その後、そのオプションが選択された場合、ユーザは一般に534において示される1つ以上のデータ提出画面を使用して情報入力処理を誘導され、536で入力されたデータは以前のナビゲーションの基礎を形成した特定のPOI、場所、建物又は場所の範囲との関連と共に格納され、538において装置の動作はメインメニューの表示により通常動作に戻る。当然、装置は、ユーザがあるPOIを最近訪れたか又は定性的な説明が広い層のユーザに有用だと考えられるナビゲーションを実行したことをプリエンプティブに判定してもよいが、これは本発明の重要な要件ではない。実際には、本発明は、以前にナビゲートしていなくても装置に格納される地図データの一部として識別される任意のPOIに対する定性情報又は格付け情報を入力することにも適用されてもよい。更に、景色が美しい場所又は事故多発地点、あるいは運転するのに特に楽しめる道路の範囲又は運転するのに危険があるか又は困難であることで有名な道路の範囲等の特定の場所が定性情報を与える可能性があると考えられる。
【0066】
図7を参照すると、格納された定性格付け情報の送信に対する1つの可能な実施形態を示す。例えばPNDは、540で示されるように、USBケーブルを使用してユーザのホームPCに物理的に接続されてもよい。PCは、一般に適切なアプリケーションをインストールしている。例えば本出願人から市販されているTomTom HOME(商標)ソフトウェアがある。このソフトウェアは、インターネットと接続されるのが望ましいPCとPNDとの間の情報の転送を容易にする等の種々の機能を提供する。このように、地図データ更新ファイル、POI更新ファイル、スピードカメラ更新ファイル及び装置のコアナビゲーションアプリケーションソフトウェアに対する更新データがアップロードされてもよい。更に、上記の任意の機能を含む先にインストールされたアドオン機能は装置の固有のメモリから除去されてもよい。
【0067】
従って、542において接続がPCソフトウェアにより認識されると、ユーザは544で先にローカルに入力された定性情報を編集するための画面上(PC)でのオプションを提示される。装置上に提供されたソフトウェアルーチンで一般に提供される表示される画面上のキーボード及びタッチセンシティブスクリーンを使用して非常に長いテキストの説明を入力することが相対的に困難であるため、このオプションは非常に制限される可能性がある。そのようなオプションが選択される場合、PCのユーザは、548で情報のアップロードが行なわれる前に、546においてローカルのPCキーボード(及び可能性として他のローカルに接続された周辺機器)を使用して格付け及び記述テキストを編集できる。
【0068】
このように、任意のオーディオ及びテキストの記述情報を含むユーザにより生成された定性情報は、装置からPCに単純に転送されてもよく、そのような情報が装置の全体のユーザに後で配信されるために均一に再パッケージ化されるように、最終的にはインターネット接続を介してバックエンド処理、妥当性検査及び/又は照合機能に転送されてもよい。
【0069】
図5に示す処理の特定の側面に対するスクリーンショットの例を提供し且つ対応する図中符号を使用する図8を参照すると、適切なメインナビゲーションメニューが502で表示され、そのメニューから「navigate to...」アイコン503がユーザにより選択される。次の画面505が表示され、丸で囲まれたアイコン507により示されるように、現在地に最近接するPOIにナビゲートするための選択がその画面から行なわれる。その後、特定の種類のPOIの選択を可能にする更なる画面が506で表示され、丸で囲まれた「Hotel/Motel」アイコン509はそのユーザ選択を示す。
【0070】
オプション画面508が表示され、図において丸で囲まれた「no」オプションを選択すると、510で示されるように、装置は指定された領域におけるその種類のPOIに適用される種々の格付けの処理を行なう。当然、指定された領域において格付けされていないその種類のPOIが存在してもよく、その場合、格付け情報なしで通常のリストが表示される。リスト中のエントリのうち1つを選択することにより、514でより詳細な情報が表示される。514は、それぞれが選択したPOIに電話をかける手段(図5の518)、更に詳細な情報を表示する手段及び現在地からPOIへのナビゲーションを開始する手段(図5の520)を提供する選択可能な更なるオプション514A、514B、514Cを含む。
【0071】
図9において、定性格付け情報のエントリを装置においてローカルに入力できる方法であるスクリーンショットの例が提供され、図6に示すルーチンを例示する。例えば、図8において選択されるPOIへのナビゲーションが実行された後、装置は、電源が落とされているか又は所定期間の間関連するPOIから所定距離内で静止しているかを認識できる。装置の電源が投入されると、又は待機モードを終了すると、あるいはこの期間後に再度使用可能にされると、531で示されるような画面が表示され、先に識別されたPOIから出発するところであることを装置に対して示す機会をユーザに与える。これに対して肯定的な指示を選択すると、格付け定性情報入力画面534が表示される。基本的な情報が非常に迅速に入力可能であることがこの画面において分かるだろう。その後、装置はメインメニューの表示に戻る。
【0072】
最後にPCを用いた概略図及び図7に示すルーチンを例示するスクリーンショットを提供する図10を参照すると、PND550はUSBケーブルを使用してラップトップ又はパーソナルコンピュータ552に接続される。当然、そのような装置間の接続は、双方の装置が適切に使用可能にされる場合に無線で行なわれてもよい。装置の接続を認識するコンピュータにインストールされたソフトウェアアプリケーション内から、ユーザは画面546における先に装置においてローカルに入力された格付け情報及び他の定性情報を画面544において編集し且つそれらの情報に追加するように入力要求される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯ナビゲーション装置又はナビゲーションシステムを動作させる方法であり、前記装置又は前記システムにローカルに格納された地図データを参照して識別可能であり、且つオプションとして現在地であるか又は現在地を含む、特定の建物、場所又は場所範囲を少なくとも一時的にメモリに格納する手段を提供するステップを含む方法であって、更に、前記建物、場所又は範囲に関する定性情報を前記装置又は前記システムにローカルに入力する際に使用される少なくとも1つのユーザ選択可能なオプションを前記ユーザに提示するステップと、前記オプションの選択の結果、前記定性情報及び当該定性情報と前記識別された建物、場所又は範囲との関連を一次情報として記録及び格納するステップとを含むことを特徴とし、さらに、その後に前記一次情報がリモート装置に送信されることを特徴とする方法。
【請求項2】
後に、前記一次情報が無線送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一次情報は、後に物理接続によりリモート装置に送信されるために、前記装置又は前記システムに格納されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザにより入力可能な前記定性情報は、少なくとも前記建物、場所又は場所の範囲に対するユーザの主観的な評価の指示を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記定性情報は、ローカルに格納された所定のスケールに基づく、特定の形態によるユーザの格付けを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記定性情報は、英数字データ及びデジタル化オーディオデータのうちの少なくとも一方を含み、前記英数字データは前記装置のタッチセンシティブスクリーンを介して前記ユーザにより入力可能であり、前記デジタル化オーディオデータは前記装置又は前記システムの一部として提供されるマイク手段を介して記録されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記建物、場所又は範囲及び一次情報のうちの一方と少なくとも一時的に関連付けられ且つ共に格納され、後にリモート装置に送信される二次の記述情報を記録する更なるオプションを前記ユーザに提示するステップを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
オーディオ記録モードに入るオプションを提示するステップを含み、前記オプションを選択することにより、前記装置又は前記システムは、マイクを起動し且つ前記マイクから受信される前記オーディオ信号のデジタル化を直ちに開始し、デジタルオーディオファイルにストリームとして格納することを特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記デジタルオーディオファイルと、前記一次情報及びその一部を形成する前記建物、場所又は範囲のうちの少なくとも一方と、の関連付けは、前記デジタル化手順の前、前記デジタル化手順の最中又は前記デジタル化手順の完了後に行なわれることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、英数字入力モードに前記装置又は前記システムが入るようにするオプションを提示するステップを含み、前記英数字入力モードでは、仮想キーボードが前記装置又は前記システムの表示画面上に表示され、且つ前記表示された仮想キーボードを介して前記ユーザにより入力される前記英数字を取り込むメモリにおいてテキストファイルが同時に又は後で作成されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記テキストファイルと前記一次情報及びその一部を形成する前記建物、場所又は範囲のうちの少なくとも一方との関連付けは、前記テキストファイルの作成時、作成中又は作成後に行われることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記建物、場所又は範囲に関する定性情報がローカルに入力される際に使用される少なくとも1つのユーザ選択可能なオプションを前記ユーザに提示するステップは、前記ユーザがナビゲーションの目的地として前記建物、場所又は範囲のうちの1つを入力し且つ前記装置又は前記システムが前記ナビゲーションの目的地までのナビゲーションを完了したことを判定した後にトリガされることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
定性情報が格納される際に使用される少なくとも1つのユーザ選択可能なオプションを前記ユーザに提示するステップは、ナビゲーションが行なわれた所望の目的地として先に入力された建物、場所又は範囲から前記ユーザが出発するところであることが前記装置又は前記システムにより判定された後に行なわれることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータに、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の各ステップを実行させるコンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14記載のコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項16】
少なくとも全地球測位システム信号受信手段、処理手段、メモリ及びディスプレイを具備する携帯ナビゲーション装置であり、前記メモリにローカルに格納された地図データを参照して識別可能であり、且つオプションとして現在地であるか又は現在地を含む、特定の建物、場所又は場所範囲を前記地図データとは別に少なくとも前記メモリに一時的に格納する手段を提供する携帯ナビゲーション装置であって、前記携帯ナビゲーション装置は、前記建物、場所又は範囲に関する定性的な記述がローカルに入力され且つ格納される際に使用される情報の表示を行ない、前記定性的な記述を前記識別された建物、場所又は範囲と関連付けて共に一次情報を形成することを特徴とし、前記携帯ナビゲーション装置は、後に、前記一次情報をリモート装置に送信する手段を更に含むことを特徴とする携帯ナビゲーション装置。
【請求項17】
請求項2乃至13のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されたことを特徴とする請求項16に記載の携帯ナビゲーション装置。
【請求項18】
少なくともGPS信号受信手段、処理手段、メモリ及びディスプレイを具備するナビゲーションシステムであり、前記メモリにローカルに格納された地図データを参照して識別可能であり、且つオプションとして現在地であるか又は現在地を含む、特定の建物、場所又は場所範囲を前記地図データとは別に少なくとも前記メモリに一時的に格納する手段を提供するシステムであって、前記システムは、前記建物、場所又は範囲に関する定性的な記述がローカルに入力され且つ格納される際に使用される情報の表示を行ない、前記定性的な記述を前記識別された建物、場所又は範囲と関連付けて共に一次情報を形成することを特徴とし、前記システムは、後に、前記一次情報をリモート装置に送信する手段を含むことを更に特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項19】
請求項2乃至13のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されたことを特徴とする請求項18に記載のナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−509397(P2011−509397A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538351(P2010−538351)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際出願番号】PCT/EP2007/011242
【国際公開番号】WO2009/080066
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】