説明

改善された性能を有するカプセル化された空間光変調器

【課題】空間光変調器の光学的性能を確実にするために、マイクロチャンバにおける望まれない散乱された光が透明な窓を出ることを防止すること。
【解決手段】カプセル化された空間光変調器であって、チャンバの中の基板上の空間光変調器と、該チャンバを部分的に画定するカプセル化カバーと、該基板と該カプセル化カバーとの間のスペーサ壁であって、該スペーサ壁は、該空間光変調器に隣接する内側表面を有する、スペーサ壁と、該スペーサ壁の該内側表面の第1の光を吸収する材料であって、該光を吸収する材料は、該チャンバ内の光を吸収するように構成されている、第1の光を吸収する材料とを備えている、カプセル化された空間光変調器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空間光変調器のパッケージングに関する。
【背景技術】
【0002】
空間光変調器を製造することにおいて、複数の空間光変調器が、通常、半導体ウェハ上に製造される。次に、空間光変調器はマイクロチャンバ内で密閉され、次いで個々のダイに分割される。マイクロチャンバは一般的に透明な窓を含み、該透明な窓を通して、空間光変調器は光学的信号を送受信する。空間光変調器の光学的性能を確実にするために、マイクロチャンバにおける望まれない散乱光が透明な窓を出ることを防止することが重要である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
1つの一般的な局面において、カプセル化された空間光変調器(SLM)が記述される。SLMは、チャンバの中の基板上の空間光変調器と、チャンバを部分的に画定するカプセル化カバーと、基板とカプセル化カバーとの間のスペーサ壁であって、該スペーサ壁は、空間光変調器に隣接する内側表面を有する、スペーサ壁と、スペーサ壁の内側表面の第1の光を吸収する材料であって、該光を吸収する材料は、チャンバ内の光を吸収するように構成されている、第1の光を吸収する材料とを含む。
【0004】
別の一般的な局面において、基板上のチャンバ内でカプセル化された傾斜可能なミラーのアレイを動作する方法が開示される。方法は以下のステップを含み得る。傾斜可能なミラーのうちの少なくとも1つがオンの位置に傾けられる。オンの位置において第1の反射された光を生成するために、傾斜可能なミラーから第1の入射光のパケットが反射される。第1の反射された光がチャンバの外に伝達され、該チャンバは、カプセル化カバーと、基板とカプセル化カバーとの間のスペーサ壁とを備えている。傾斜可能なミラーがオフの位置に傾けられる。オフの位置において第2の反射された光を生成するために、傾斜可能なミラーから第2の入射光のパケットが反射される。チャンバ内のスペーサ壁の表面の第1の光を吸収する材料によって、第2の反射された光が吸収される。
【0005】
さらに別の局面において、複数の空間光変調器のためのカプセル化デバイスを製造する方法が開示される。方法は以下のステップを含み得る。複数の開口部がカプセル化カバー内に形成される。アパーチャ層がカプセル化カバーに形成され、該アパーチャ層は、複数の開口部を備えている。スペーサ壁がカプセル化カバーに形成される。第1の光を吸収する材料の層がスペーサ壁とアパーチャ層とに形成され、それにより、カプセル化デバイスを生成し、該第1の光を吸収する材料は、チャンバ内の光を吸収するように構成されている。
【0006】
システムの実装は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。カプセル化カバーは、可視光、紫外線、または赤外線に対して透明であり得る。第1の光を吸収する材料は、酸化ジルコニウムまたは窒化ジルコニウムのようなジルコニウムの化合物を含み得る。デバイスは、カプセル化カバーの表面にアパーチャ層を含み得、該アパーチャ層は、空間光変調器の上に開口部を有する。アパーチャ層は、クロミウムの化合物のような金属酸化物または炭化物を含み得る。アパーチャ層はチャンバの内側にあり得る。SLMはアパーチャ層の表面に第2の光を吸収する材料を含み得、該第2の光を吸収する材料は、チャンバの中の光を吸収するように構成されている。第2の光を吸収する材料は、クロミウムの化合物またはジルコニウムの化合物を含み得る。SLMは基板の表面に第3の光を吸収する材料を含み得、該第3の光を吸収する材料は、チャンバの中の望ましくない光を吸収するように構成されている。第3の光を吸収する材料は、ジルコニウムの化合物を含み得る。第3の光を吸収する材料は、空間光変調器によって覆われていない基板の表面の部分にあり得る。スペーサ壁は金属の材料を含み得る。スペーサ壁は接着剤を用いてカプセル化カバーまたは基板に密閉され得る。スペーサ壁はカプセル化カバーまたは基板に接合され得る。スペーサ壁は、基板とカプセル化カバーとの間のキャビティの高さを画定し得、該キャビティの高さは、0.5ミクロンと1ミクロンとの間のような約0.2ミクロンと2.0ミクロンとの間であり得る。空間光変調器は、オンの位置とオフの位置とに傾くように構成された傾斜可能なミラー含み得る。傾斜可能なミラーがオンの位置にあるときには、傾斜可能なミラーはチャンバから外に光を反射するように構成され得る。カプセル化カバーは基板の表面に実質的に平行であり、ミラーがオンの位置にあり、オンの方向がカプセル化カバーに対して実質的に直交しているときには、ミラーはオンの方向に光を反射し得る。傾斜可能なミラーがオフの位置にあるときには、傾斜可能なミラーは第1の光を吸収する材料に向けて光を反射するように構成され得、反射された光は、第1の光を吸収する材料によって吸収される。SLMはまた基板上に電気接点を含み得、1つ以上の電気接点が、空間光変調器に電気信号を送信し、空間光変調器から電気信号を受信するように構成されている。電気接点はチャンバの外側に位置を定められ得る。SLMはカプセル化カバーの表面にアパーチャ層を含み得、SLMは傾斜可能なミラーのアレイを含み得、該アレイは、第1の横方向の寸法と、第1の寸法に実質的に直交する第2の横方向の寸法とによって特徴付けられ、アパーチャ層は、傾斜可能なミラーのアレイの上に開口部を備えている。傾斜可能なミラーのアレイの第1の横方向の寸法は、アパーチャ層内の開口部の対応する寸法よりも幅が広くなり得る。
【0007】
スペーサ壁は、カプセル化カバーの上に導電層を形成することと、導電層の上にマスク層を形成することであって、該マスク層は、複数の開口部を備えている、ことと、導電層の上かつマスク層の開口部内にスペーサ壁を電気めっきすることとによって形成され得る。第1の光を吸収する材料の層を形成するステップは以下のステップを含み得る:スペーサ壁と、アパーチャ層と、アパーチャ層内の開口部に対応するカプセル化カバーの表面とにフォトレジスト層をコーティングすることと、アパーチャ層の開口部内にあるフォトレジスト層の一部分を照射することと、スペーサ壁とアパーチャ層とのフォトレジスト層を取り除くことと、次に、スペーサ壁およびアパーチャ層ならびにフォトレジスト層に第1の光を吸収する材料を堆積することと、カプセル化カバーの表面のフォトレジスト層と、フォトレジスト層の上の第1の光を吸収する材料とを取り除くこととである。カプセル化デバイスのスペーサ壁は、次に、基板上に複数のチャンバを形成するために、複数の空間光変調器を有する該基板の表面に接続され得、各チャンバは、少なくとも1つの空間光変調器を含む。スペーサ壁は、接着剤によって基板の表面に密閉され得るか、またはプラズマ接合によって表面に接合され得る。基板の一部分とカプセル化カバーの一部分とは、2つ以上のダイを形成するために切断され得、各ダイは、空間光変調器の1つをカプセル化している少なくとも1つのチャンバを含んでいる。
【0008】
本明細書において記述された方法およびデバイスの様々な実装は、以下の利点のうちの1つ以上を含み得る。開示された空間光変調器は改善された光学的性能を有し得る。望ましくない光は、空間光変調器をカプセル化するマイクロチャンバに吸収され得る。従って、出力された光学的信号における光学的なノイズは減少され得る。空間光変調器の「オン」の状態と「オフ」の状態との間のコントラストがまた増加され得る。本明細書はまた、チャンバ内の望ましくない光を吸収し得る光を吸収する構成要素を含むカプセル化デバイスの製造プロセスを開示している。さらに、基板上の複数の空間光変調器は共通のプロセスでカプセル化され得る。従って、製造効率が改善される。
【0009】
本発明は複数の実施形態を参照して特に示されかつ記述されてきたが、形式および詳細に関する様々な変更が、本発明の精神および範囲を逸脱することなく行なわれ得るということが当業者には理解される。
【0010】
本発明はさらに以下の手段を提供する。
【0011】
(項目1)
カプセル化された空間光変調器であって、
チャンバの中の基板上の空間光変調器と、
該チャンバを部分的に画定するカプセル化カバーと、
該基板と該カプセル化カバーとの間のスペーサ壁であって、該スペーサ壁は、該空間光変調器に隣接する内側表面を有する、スペーサ壁と、
該スペーサ壁の該内側表面の第1の光を吸収する材料であって、該光を吸収する材料は、該チャンバ内の光を吸収するように構成されている、第1の光を吸収する材料と
を備えている、カプセル化された空間光変調器。
【0012】
(項目2)
上記カプセル化カバーは、可視光、紫外線、または赤外線に対して透明である、項目1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【0013】
(項目3)
上記第1の光を吸収する材料は、ジルコニウムの化合物を含む、項目1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【0014】
(項目4)
上記カプセル化カバーの表面にアパーチャ層をさらに備えており、該アパーチャ層は、上記空間光変調器の上に開口部を備えている、項目1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【0015】
(項目5)
上記アパーチャ層は、クロミウムの化合物を含む、項目4に記載のカプセル化された空間光変調器。
【0016】
(項目6)
上記アパーチャ層の表面に第2の光を吸収する材料をさらに含み、該第2の光を吸収する材料は、上記チャンバの中の光を吸収するように構成されている、項目5に記載のカプセル化された空間光変調器。
【0017】
(項目7)
上記第2の光を吸収する材料は、クロミウムの化合物またはジルコニウムの化合物を含む、項目6に記載のカプセル化された空間光変調器。
【0018】
(項目8)
上記基板の表面に第3の光を吸収する材料をさらに含み、該第3の光を吸収する材料は、上記チャンバの中の望ましくない光を吸収するように構成されている、項目1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【0019】
(項目9)
上記第3の光を吸収する材料は、ジルコニウムの化合物を含む、項目8に記載のカプセル化された空間光変調器。
【0020】
(項目10)
上記スペーサ壁は、金属の材料を含む、項目1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【0021】
(項目11)
上記スペーサ壁は、上記基板と上記カプセル化カバーとの間のキャビティの高さを画定しており、該キャビティの高さは、約0.2ミクロンと2.0ミクロンとの間である、項目1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【0022】
(項目12)
上記空間光変調器は、傾斜可能なミラーを備えており、該傾斜可能なミラーがオフの位置にあるときには、該傾斜可能なミラーは上記第1の光を吸収する材料に向けて光を反射するように構成されており、反射された光は、該第1の光を吸収する材料によって吸収される、項目1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【0023】
(項目13)
上記カプセル化カバーの表面にアパーチャ層をさらに備えており、上記空間光変調器は、傾斜可能なミラーのアレイを備えており、該アレイは、第1の横方向の寸法と、該第1の寸法に実質的に直交する第2の横方向の寸法とによって特徴付けられ、該アパーチャ層は、該傾斜可能なミラーのアレイの上に開口部を備え、該傾斜可能なミラーのアレイの第1の横方向の寸法は、該アパーチャ層内の該開口部の対応する寸法よりも幅が広い、項目1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【0024】
(項目14)
基板上のチャンバ内でカプセル化された傾斜可能なミラーのアレイを動作する方法であって、
該傾斜可能なミラーのうちの少なくとも1つをオンの位置に傾けることと、
該オンの位置において該傾斜可能なミラーから第1の入射光のパケットを反射し、第1の反射された光を生成することと、
該チャンバの外に該第1の反射された光を伝達することであって、該チャンバは、カプセル化カバーと、該基板と該カプセル化カバーとの間のスペーサ壁とを備えている、ことと、
該傾斜可能なミラーをオフの位置に傾けることと、
該オフの位置において該傾斜可能なミラーから第2の入射光のパケットを反射し、第2の反射された光を生成することと、
該チャンバ内の該スペーサ壁の表面の第1の光を吸収する材料によって、該第2の反射された光を吸収することと
を包含する、方法。
【0025】
(項目15)
複数の空間光変調器のためのカプセル化デバイスを製造する方法であって、
カプセル化カバー内に複数の開口部を形成することと、
該カプセル化カバーにアパーチャ層を形成することであって、該アパーチャ層は、複数の開口部を備えている、ことと、
該カプセル化カバーにスペーサ壁を形成することと、
該スペーサ壁と該アパーチャ層とに第1の光を吸収する材料の層を形成し、それにより、該カプセル化デバイスを生成することであって、該第1の光を吸収する材料は、チャンバ内の光を吸収するように構成されている、ことと
を包含する、方法。
【0026】
(項目16)
上記スペーサ壁を形成する上記ステップは、
上記カプセル化カバーの上に導電層を形成することと、
該導電層の上にマスク層を形成することであって、該マスク層は、複数の開口部を備えている、ことと、
該導電層の上かつ該マスク層の開口部内に該スペーサ壁を電気めっきすることと
を包含する、項目15に記載の方法。
【0027】
(項目17)
上記スペーサ壁のうちの少なくとも1つに第1の光を吸収する材料の層を形成する上記ステップは、
該スペーサ壁と、上記アパーチャ層と、該アパーチャ層内の開口部に対応する上記カプセル化カバーの表面とにフォトレジスト層をコーティングすることと、
該アパーチャ層の該開口部内にある該フォトレジスト層の一部分を照射することと、
該スペーサ壁と該アパーチャ層との該フォトレジスト層を取り除くことと、
次に、該スペーサ壁および該アパーチャ層ならびに該フォトレジスト層に該第1の光を吸収する材料を堆積することと、
該カプセル化カバーの該表面の該フォトレジスト層と、該フォトレジスト層の上の該第1の光を吸収する材料とを取り除くことと
を包含する、項目15に記載の方法。
【0028】
(項目18)
カプセル化された空間光変調器を形成する方法であって、
項目15に記載の方法を行うことと、
上記基板上に複数の上記チャンバを形成するために、上記複数の空間光変調器を有する該基板の表面に上記スペーサ壁を接続することであって、各チャンバは、少なくとも1つの該空間光変調器を含む、ことと
を包含する、方法。
【0029】
(項目19)
2つ以上のダイを形成するために、上記基板の一部分と上記カプセル化カバーの一部分とを切断することをさらに包含し、各該ダイは、上記空間光変調器ののうちの1つをカプセル化している少なくとも1つの上記チャンバを含んでいる、項目18に記載の方法。
【0030】
(摘要)
高いコントラストを有する空間光変調器を形成するデバイスおよび方法が開示される。光を吸収する材料が、空間光変調器を収容するチャンバ内で使用される。光を吸収する材料は、表示画像の一部分を形成することを意図されていない反射された光を吸収する。光を吸収する材料はアパーチャ層を形成し得、表示画像を形成する光は、アパーチャ層内の開口部を通って伝達される。空間光変調器のアレイは筐体の中にあり得、ダミーの空間光変調器は、アパーチャ層内に開口部を有するアレイの容易な配列を可能にするように形成され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下の図面は、本明細書の一部分において援用されかつ本明細書の一部分を形成しており、本発明の実施形態を例示しており、記述と共に、本明細書において記述されている原理、デバイスおよび方法を述べることに役立つ。
【0032】
図1Aおよび図1Bを参照すると、パッケージングされた空間光変調器100は、基板120上に形成されたまたは取り付けられた空間光変調器110を含む。空間光変調器110は、ワイヤ接合またはフリップチップ接合によって基板120上に取り付けられ得る。空間光変調器110はまた、ウェハ上の1つ以上の層に形成され得る。基板120は、電気回路127を含み得、該電気回路127は、空間光変調器110を(チャンバ135の外側の)電気接点125に電気的に接続する。電気接点125は、外部の電気信号を受信することまたは電気信号を出力することを空間光変調器110に可能にする。例えば、電気回路127は、導体金属酸化物半導体(CMOS)トランジスタを含み得る。
【0033】
空間光変調器110はチャンバ135内のカプセル化デバイス130によってカプセル化される。カプセル化デバイス130はカプセル化カバー140を含み、該カプセル化カバー140は、可視光、紫外線、または赤外線に透明な材料で作られ得る。不透明なアパーチャ層145は、カプセル化カバー140の下側表面に形成され得る。アパーチャ層145は、例えば、酸化クロムのような金属酸化物または炭化物のような不透明な材料で作られ得る。アパーチャ層145の下側表面は、光を吸収する材料の層152でコーティングされ得る。空間光変調器110の上の、不透明なアパーチャ層145におけるアパーチャ148は、空間光変調器110とチャンバ135の外側との間の光学的な連通のための透明な窓を画定する。アパーチャ148はアパーチャ境界148Aによって画定される。
【0034】
カプセル化デバイス130はまた、スペーサ壁150を含み得、該スペーサ壁150は、カプセル化カバー140のアパーチャ層145と基板120とに接続されている。スペーサ壁150は空間光変調器110に対面する内側表面150Bを含む。例えば、スペーサ壁150は、ポリマ接着剤によって基板120に密閉され得るか、または領域150A(スペーサ壁150とカプセル化カバー140または基板120との間の接触領域)においてプラズマによって基板120に接合され得る。スペーサ壁150はガラスのような無機材料で作られ得る。スペーサ壁150の高さは、約0.2ミクロン〜2.0ミクロンまたは0.5ミクロン〜1ミクロンであり得る。カプセル化カバー140は、任意的に、上側または下側の表面に反射防止コーティングを含み得る。
【0035】
チャンバ135の内側のスペーサ壁150の表面はまた、光を吸収する材料の層152によってコーティングされる。任意的に、スペーサ壁150の外側表面がまた、光を吸収する材料の層によってコーティングされ得る。一部の実施形態において、光を吸収する材料は、アパーチャ層145よりも効率的に光を吸収する。空間光変調器110の外側にありかつチャンバ135の内側にある基板120の上側表面はまた、図1Aに示されているように、光を吸収する材料の層122でコーティングされる。層122と層152とアパーチャ層145との光を吸収する材料は、例えば、酸化ジルコニウムまたは窒化ジルコニウムのようなジルコニウムの化合物を含み得る。
【0036】
図2Aを参照すると、空間光変調器110は複数の画素のセル210、220を含み得、該画素のセル210、220はアレイ内に分散され得、該アレイは2つの横方向の寸法「W」と「H」とによって特徴付けられる(簡潔さのために、数個の画素のセルだけが示されている)。一部の画素のセル210は、アパーチャ境界148Aによって画定されるアパーチャ148の下にある。従って、画素のセル210はアパーチャ148によって画定される窓の下にあり、容易に、チャンバ135の外から光学信号を受信し得るか、またはチャンバ135の外に光学信号を出力し得る。
【0037】
一部の実施形態において、空間光変調器110における一部の他の画素のセル220は、アパーチャ層145の下に位置を定められる。画素のセル220は、デバイスの動作の間の光学的な連通または光の変調には使用されない。画素のセル220は、ダミーの画素のセルと呼ばれ得る。ダミーの画素のセルの1つの目的は、アパーチャ148と空間光変調器110との間の起こり得る位置合わせ誤差を克服することである。カプセル化デバイス130が基板120に接合されたときに、わずかな配置誤差が空間光変調器110とアパーチャ148との間の相対的な横方向の位置に生じ得る。空間光変調器110の活性領域がアパーチャ148の活性領域と全く同じサイズにされた場合には、空間光変調器110とアパーチャ148との間のわずかな横方向の配列の誤りが、アパーチャ148の内側に不活性領域を生成し得、すなわち、アパーチャ148の下の特定の領域が空間光変調のような光学的連通のための画素のセルを含まないことがある。従って、空間光変調器110における画素のセル210、220のアレイは、起こり得る配列誤差にも関わらず画素のセル210、220がアパーチャ境界148Aの中の領域を満たすことを確実にするように、アパーチャ148よりも大きくされる。言い換えると、画素のセル210および220のアレイの横方向の寸法「W」と「H」とのうちの少なくとも1つが開口部148の対応する幅よりも広くなる。
【0038】
図2Bを参照すると、画素のセル210または220は、傾斜可能なマイクロミラー200を含み得る。傾斜可能なマイクロミラー200はミラープレート202を含み得、該ミラープレート202は、平坦な上側反射層203aと、ミラープレートに機械的な強度を提供する中間層203bと、底部層203cとを含む。上側層203aは、アルミニウム、銀、または金のような反射材料で形成され得る。層の厚さは、約600オングストロームのような約200オングストロームと1000オングストロームとの間の範囲内にあり得る。中間の層203bは、例えば、一般的には厚さが約2000オングストローム〜5000オングストロームのアモルファスシリコンのようなシリコンを基にした材料で作られ得る。底部層203cは、底部層203cの電位がステップ電極221aまたは221bに対して制御されることを可能にする導電性の材料で作られ得る。底部層203cは、チタンで作られ、約200オングストローム〜1000オングストロームの範囲内の厚さを有し得る。
【0039】
ヒンジ206が底部層203cに接続される(接続は図の面外にあり、従って、図2Bに示されていない)。ヒンジ206はヒンジポスト205によって支持されており、該ヒンジポスト205は、基盤120にしっかりと接続されている。ミラープレート202は、底部層203cに接続された2つのヒンジ206を含み得る。2つのヒンジ206はミラープレート202がその回りに傾けられ得る軸を画定する。ヒンジ206はミラープレート202の下側部分のキャビティの中に伸び得る。製造を容易にするために、ヒンジ206は底部層203cの一部分として製造され得る。
【0040】
ステップ電極221aおよび221bと、着地チップ222aおよび222bと支持フレーム208とがまた、基板120上に製造され得る。ステップ電極221aおよび221bの高さは、約0.2ミクロンと3ミクロンとの間の範囲内にあり得る。ステップ電極221aは、電圧Vdが外部から制御され得る電極281に電気的に接続される。同様に、ステップ電極221bは、電圧Vaがまた外部から制御され得る電極282に電気的に接続される。ミラープレート202の底部層203cの電位は、電位Vbにおける電極283によって制御され得る。
【0041】
双極の電気パルスが電極281、282、および283に個々に適用され得る。ミラープレート202の底部層203cとステップ電極221aまたは221bとの間に、電位差がもたらされたときには、静電気力がミラープレート202上に生成され得る。ミラープレート202の両側における静電気力間の不均衡が、ミラープレート202を1つの方向から別の方向に傾けさせる。
【0042】
着地チップ222aおよび222bは、製造の簡潔さの目的で、ステップ電極221aおよび221bにおける第2のステップの高さと同じ高さを有し得る。着地チップ222aおよび222bは、各傾斜運動の後に、緩やかな機械的停止をミラープレート202に提供する。着地チップ222aおよび222bはまた、正確な角度でミラープレート202を停止し得る。さらに、着地チップ222aおよび222bが静電気力によって変形されたときには、着地チップ222aおよび222bは、弾性ひずみエネルギーを格納し得、静電気力が取り除かれたときには、弾性ひずみエネルギーを運動エネルギーに転換し得、ミラープレート202を押し離す。ミラープレート202への押し戻しは、ミラープレート202と着地チップ222aおよび222bとを離すことを助け得る。代替的に、マイクロミラー200は、着地チップ222aおよび222bを用いることなく生成され得る。
【0043】
マイクロミラーの構造および動作に関する詳細は、例えば、「High contrast spatial light modulator and method」と題される同一人に譲渡された米国特許第7,167,298号と、2006年11月28日出願の「Simplified manufacturing process for micro mirrors」と題される米国特許出願第11/564,040号とに開示されており、これらの内容は、本明細書において参考として援用される。
【0044】
図3Aおよび図3Bを参照すると、ミラープレート202に対する傾けられていない位置は、一般的に、基板120の上側表面に平行な平行方向である。ミラープレート202は、傾けられていない位置から「オン」の位置まで傾斜角度θonだけ傾けられ得る。ミラープレート202の平坦な上側反射層は入射光351を反射し得、「オン」の方向に沿って光352を生成する。入射角度(すなわち、入射光330とミラーの垂直方向との間の角度)と反射角度(すなわち、反射された光340とミラーの垂直方向との間の角度)とが同じであるので、入射光330と反射された光340とは、ミラープレート202の傾斜角度θonの2倍の大きさである角度2θonを形成する。「オン」の方向は、一般的に、基板に対して垂直になるように構成されている。
【0045】
ミラープレート202は、「オフ」の位置まで反対方向に対称的に傾けられ得る。ミラープレート202は、入射光351を反射し得、「オフ」の方向に移動する反射された光を形成する。入射光330に対する入射角度が3θonであるので、反射角度はまた3θonであるべきである。従って、光353と光353との間の角度は4θonであり、ミラープレートの傾斜角度θonの4倍である。一般的に、傾斜可能なマイクロミラー220は、実質的に横方向に移動する光353を生成するように設計されている。
【0046】
図4を参照すると、ミラープレート202によって反射された光353は、チャンバ135の内側で「オフ」の方向に移動し得る(図4は、簡潔さのために1つのミラープレートだけを例示している。空間光変調器のミラープレートの全てが、チャンバ135内で同様に位置を定められる)。光353は、スペーサ壁150の内側表面にコーティングされた光を吸収する材料の層152に衝突し、層152内の光を吸収する材料によって吸収され得る。チャンバ135内の他の望ましくない光は、チャンバ135における表面と物体とによって散乱された光を含み得る。望ましくない光はまた、基板120の表面上の層122とカプセル化カバー140の下側表面のアパーチャ層145とによって吸収され得る。ミラープレート202が「オフ」の方向に傾けられたときには、光がアパーチャ148を通ってチャンバ135の外側に移動し得ないということが望ましい。空間光変調器110の性能に対する重要な尺度は、ミラープレートが「オン」および「オフ」の方向に傾けられたときの出力された光の強度の比率である。開示されたシステムにおけるチャンバ135内の光353と他の望ましくない光との効果的な吸収が、ミラープレートが「オフ」の位置に傾けられたときの、アパーチャ148を出る望ましくない光を明らかに減少させ得る。従って、空間光変調器110のコントラストと性能とが改善され得る。
【0047】
図5は、カプセル化デバイス130を製造するステップと、カプセル化デバイス130を使用して基板120上に空間光変調器110をカプセル化するステップとを示す流れ図である。図6および図7Aを参照すると、複数の開口部315を有するカプセル化カバー140が最初に提供される(ステップ510)。上に記述されたように、カプセル化カバー140は、透明な材料で作られている。チャンバ135の間の各開口部315は、カバー140の手をつけられていない部分によって画定される。開口部315は、空間光変調器110がチャンバ135内にカプセル化された後に、基板120上の電気接点125にアクセスするために提供されている。
【0048】
次に、不透明なアパーチャ層145が、カプセル化カバー120の表面上に形成されかつパターン付けされる(図7B、ステップ520)。パターン付けされた層145は、それぞれが開口部315(および形成されるチャンバ135)と関連する複数のアパーチャ148を画定する。次に、複数のスペーサ壁150が、パターン付けされたアパーチャ層145上に形成される(図7C、ステップ530)。スペーサ壁は、開口部に隣接し、アパーチャ148を囲み得る。スペーサ壁150に対する材料の例は、ニッケルおよび銅のような金属を含み得る。スペーサ壁150は、最初にカプセル化カバー120上に導電層を形成することによって形成され得る。次に、マスク層が導電層の上に形成され得る。マスク層はスペーサ壁が造られる領域に開口部を有し得る。次に、スペーサ壁が、電気化学的めっきによって開口部内に形成される。スペーサ壁150は、複数の層の連続した構成によって形成され得る。電気化学的めっきを使用してスペーサ壁を形成することに関する詳細は、2007年2月28日出願の「Fabricating tall micro structure」と題される同一人に譲渡された係属中の米国特許出願第11/680,600号に開示されており、該出願のこの開示は本明細書において参考として援用される。
【0049】
次に、ネガ型フォトレジストが、スペーサ壁150と、アパーチャ層145と、アパーチャ148におけるカプセル化カバー120の一部分とにスピンコートされる(図7D、ステップ540)。フォトレジスト層710がスペーサ壁150とアパーチャ層145との表面に形成される。フォトレジスト層の一部分710Aは、アパーチャ148の中に形成される。次に、光の照射が、カプセル化カバー120のフォトレジスト層710と反対の側から加えられる(図7E、ステップ550)。アパーチャ層145は不透明であり、カプセル化カバー120は透明であるので、アパーチャ148におけるフォトレジスト層710のうちの部分710Aだけが、光の照射にさらされる。次に、フォトレジスト層710Aは加熱乾燥によって硬化される。次に、フォトレジスト層710はディベロッパーによって取り除かれるが、硬化されたフォトレジスト層715は、アパーチャ148の範囲内のカプセル化カバー120の一部分の上に残る(図7F、ステップ560)。
【0050】
次に、光を吸収する材料の層がスペーサ壁150とアパーチャ層145と硬化されたフォトレジスト層715との表面に堆積される(図7G、ステップ570)。光を吸収する材料は、酸化ジルコニウムおよび窒化ジルコニウムのようなジルコニウムの化合物を含み得る。光を吸収する材料は代替的にアモルファスカーボンを含み得る。光を吸収する材料は、化学蒸着(CVD)を使用して非等方性に堆積され得る。最後に、カプセル化デバイス130は、硬化されたフォトレジスト層715と、硬化されたフォトレジスト層715上の光を吸収する材料152の部分とを取り除くことによって形成される(図7H、ステップ580)。
【0051】
次に、カプセル化デバイス130は、基板120上に複数の空間光変調器110をカプセル化するために使用され得る(図7I、ステップ590)。スペーサ壁150の表面は、エポキシ樹脂のようなポリマ接着剤を用いて基板120の上側表面に密閉されるか、またはプラズマ接合によって基板120の上側表面に接合される。複数のチャンバ135がそれによって形成され、それぞれが1つ以上の空間光変調器110をカプセル化する。1つ以上の電気接点125が、各チャンバ135の隣の開口部315内の基板120上に位置を定められる。次に、基板120とカプセル化カバー140とがダイスされ得、カプセル化された空間光変調器110をそれぞれ含む個々のダイを形成する(ステップ600)。
【0052】
上に開示された方法およびデバイスは、以下の利点のうちの1つ以上を含み得る。開示された空間光変調器は改善された光学的性能を有し得る。望ましくない光は、空間光変調器をカプセル化するマイクロチャンバに吸収され得る。従って、出力された光学的信号における光学的なノイズは減少され得る。空間光変調器の「オン」の状態と「オフ」の状態との間のコントラストがまた増加され得る。本明細書はまた、チャンバ内の望ましくない光を吸収し得る光を吸収する構成要素を含むカプセル化デバイスの製造プロセスを開示している。さらに、基板上の複数の空間光変調器は共通のプロセスでカプセル化され得る。従って、製造効率が改善される。
【0053】
開示されたシステムおよび方法は、他の光を吸収する材料と、チャンバ内に光を吸収する材料を導入する他のプロセスとに適合するということが理解される。カプセル化カバーとスペーサ壁とは、様々な材料で作られかつ様々なプロセスによって形成され得る。スペーサ壁は、様々な密閉または接合技術によって、カプセル化カバーと基板とに接続され得る。開示されたシステムおよび方法と適合する空間光変調器は、傾斜可能なマイクロミラー以外の多数の光学的デバイスを含み得る。傾斜可能なミラーは、開示されたオンとオフとの位置よりも多くの位置に傾けられ得る。傾斜可能なミラーは、ミラープレートの傾斜運動を停止する機械的な止め具を含まないことがあり得る。傾斜可能なミラーの位置は、静電気力と弾性力との間のバランスによって画定され得る。チャンバの相対的な位置、形状因子、寸法および形状、空間光変調器、および電気接点はまた、本出願から逸脱することなく変化し得る。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1A】図1Aは、チャンバ内にカプセル化された空間光変調器の概略的断面図である。
【図1B】図1Bは、図1Aに示されたチャンバ内にカプセル化された空間光変調器の概略的上面図である。
【図2A】図2Aは、それぞれがマイクロミラーを含んでいる画素のセルのアレイを含んでいる空間光変調器の概略的拡大上面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの空間光変調器における例示的なマイクロミラーの断面図である。
【図3A】図3Aおよび図3Bは、空間光変調器の画素のセルにおけるマイクロミラープレートが「オン」と「オフ」との位置にそれぞれ傾けられたときの、入射光と反射された光との方向を例示する。
【図3B】図3Aおよび図3Bは、空間光変調器の画素のセルにおけるマイクロミラープレートが「オン」と「オフ」との位置にそれぞれ傾けられたときの、入射光と反射された光との方向を例示する。
【図4】図4は、空間光変調器の画素のセルにおけるマイクロミラープレートが「オフ」の位置に傾けられたときの、チャンバ内の入射光と反射された光とを示している概略図である。
【図5】図5は、カプセル化デバイスを製造するステップと、カプセル化デバイスを使用して基板上に空間光変調器をカプセル化するステップとを示している流れ図である。
【図6】図6は、カプセル化カバーアセンブリの上面図である。
【図7A】図7A〜図7Iは、図6におけるA−A線に沿った断面図であり、カプセル化デバイスを製造するステップと、カプセル化デバイスを使用して基板上に空間光変調器をカプセル化するステップとを示している。
【図7B】図7A〜図7Iは、図6におけるA−A線に沿った断面図であり、カプセル化デバイスを製造するステップと、カプセル化デバイスを使用して基板上に空間光変調器をカプセル化するステップとを示している。
【図7C】図7A〜図7Iは、図6におけるA−A線に沿った断面図であり、カプセル化デバイスを製造するステップと、カプセル化デバイスを使用して基板上に空間光変調器をカプセル化するステップとを示している。
【図7D】図7A〜図7Iは、図6におけるA−A線に沿った断面図であり、カプセル化デバイスを製造するステップと、カプセル化デバイスを使用して基板上に空間光変調器をカプセル化するステップとを示している。
【図7E】図7A〜図7Iは、図6におけるA−A線に沿った断面図であり、カプセル化デバイスを製造するステップと、カプセル化デバイスを使用して基板上に空間光変調器をカプセル化するステップとを示している。
【図7F】図7A〜図7Iは、図6におけるA−A線に沿った断面図であり、カプセル化デバイスを製造するステップと、カプセル化デバイスを使用して基板上に空間光変調器をカプセル化するステップとを示している。
【図7G】図7A〜図7Iは、図6におけるA−A線に沿った断面図であり、カプセル化デバイスを製造するステップと、カプセル化デバイスを使用して基板上に空間光変調器をカプセル化するステップとを示している。
【図7H】図7A〜図7Iは、図6におけるA−A線に沿った断面図であり、カプセル化デバイスを製造するステップと、カプセル化デバイスを使用して基板上に空間光変調器をカプセル化するステップとを示している。
【図7I】図7A〜図7Iは、図6におけるA−A線に沿った断面図であり、カプセル化デバイスを製造するステップと、カプセル化デバイスを使用して基板上に空間光変調器をカプセル化するステップとを示している。
【符号の説明】
【0055】
100 パッケージングされた空間光変調器
110 空間光変調器
120 基板
122 光を吸収する材料の層
125 電気接点
127 電気回路
130 カプセル化デバイス
135 チャンバ
140 カプセル化カバー
145 アパーチャ層
148 アパーチャ
148A アパーチャ境界
150 スペーサ壁
150B 内側表面
152 光を吸収する材料の層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル化された空間光変調器であって、
チャンバの中の基板上の空間光変調器と、
該チャンバを部分的に画定するカプセル化カバーと、
該基板と該カプセル化カバーとの間のスペーサ壁であって、該スペーサ壁は、該空間光変調器に隣接する内側表面を有する、スペーサ壁と、
該スペーサ壁の該内側表面の第1の光を吸収する材料であって、該光を吸収する材料は、該チャンバ内の光を吸収するように構成されている、第1の光を吸収する材料と
を備えている、カプセル化された空間光変調器。
【請求項2】
前記カプセル化カバーは、可視光、紫外線、または赤外線に対して透明である、請求項1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【請求項3】
前記第1の光を吸収する材料は、ジルコニウムの化合物を含む、請求項1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【請求項4】
前記カプセル化カバーの表面にアパーチャ層をさらに備えており、該アパーチャ層は、前記空間光変調器の上に開口部を備えている、請求項1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【請求項5】
前記アパーチャ層は、クロミウムの化合物を含む、請求項4に記載のカプセル化された空間光変調器。
【請求項6】
前記アパーチャ層の表面に第2の光を吸収する材料をさらに含み、該第2の光を吸収する材料は、前記チャンバの中の光を吸収するように構成されている、請求項5に記載のカプセル化された空間光変調器。
【請求項7】
前記第2の光を吸収する材料は、クロミウムの化合物またはジルコニウムの化合物を含む、請求項6に記載のカプセル化された空間光変調器。
【請求項8】
前記基板の表面に第3の光を吸収する材料をさらに含み、該第3の光を吸収する材料は、前記チャンバの中の望ましくない光を吸収するように構成されている、請求項1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【請求項9】
前記第3の光を吸収する材料は、ジルコニウムの化合物を含む、請求項8に記載のカプセル化された空間光変調器。
【請求項10】
前記スペーサ壁は、金属の材料を含む、請求項1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【請求項11】
前記スペーサ壁は、前記基板と前記カプセル化カバーとの間のキャビティの高さを画定しており、該キャビティの高さは、約0.2ミクロンと2.0ミクロンとの間である、請求項1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【請求項12】
前記空間光変調器は、傾斜可能なミラーを備えており、該傾斜可能なミラーがオフの位置にあるときには、該傾斜可能なミラーは前記第1の光を吸収する材料に向けて光を反射するように構成されており、反射された光は、該第1の光を吸収する材料によって吸収される、請求項1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【請求項13】
前記カプセル化カバーの表面にアパーチャ層をさらに備えており、前記空間光変調器は、傾斜可能なミラーのアレイを備えており、該アレイは、第1の横方向の寸法と、該第1の寸法に実質的に直交する第2の横方向の寸法とによって特徴付けられ、該アパーチャ層は、該傾斜可能なミラーのアレイの上に開口部を備え、該傾斜可能なミラーのアレイの第1の横方向の寸法は、該アパーチャ層内の該開口部の対応する寸法よりも幅が広い、請求項1に記載のカプセル化された空間光変調器。
【請求項14】
基板上のチャンバ内でカプセル化された傾斜可能なミラーのアレイを動作する方法であって、
該傾斜可能なミラーのうちの少なくとも1つをオンの位置に傾けることと、
該オンの位置において該傾斜可能なミラーから第1の入射光のパケットを反射し、第1の反射された光を生成することと、
該チャンバの外に該第1の反射された光を伝達することであって、該チャンバは、カプセル化カバーと、該基板と該カプセル化カバーとの間のスペーサ壁とを備えている、ことと、
該傾斜可能なミラーをオフの位置に傾けることと、
該オフの位置において該傾斜可能なミラーから第2の入射光のパケットを反射し、第2の反射された光を生成することと、
該チャンバ内の該スペーサ壁の表面の第1の光を吸収する材料によって、該第2の反射された光を吸収することと
を包含する、方法。
【請求項15】
複数の空間光変調器のためのカプセル化デバイスを製造する方法であって、
カプセル化カバー内に複数の開口部を形成することと、
該カプセル化カバーにアパーチャ層を形成することであって、該アパーチャ層は、複数の開口部を備えている、ことと、
該カプセル化カバーにスペーサ壁を形成することと、
該スペーサ壁と該アパーチャ層とに第1の光を吸収する材料の層を形成し、それにより、該カプセル化デバイスを生成することであって、該第1の光を吸収する材料は、チャンバ内の光を吸収するように構成されている、ことと
を包含する、方法。
【請求項16】
前記スペーサ壁を形成する前記ステップは、
前記カプセル化カバーの上に導電層を形成することと、
該導電層の上にマスク層を形成することであって、該マスク層は、複数の開口部を備えている、ことと、
該導電層の上かつ該マスク層の開口部内に該スペーサ壁を電気めっきすることと
を包含する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記スペーサ壁のうちの少なくとも1つに第1の光を吸収する材料の層を形成する前記ステップは、
該スペーサ壁と、前記アパーチャ層と、該アパーチャ層内の開口部に対応する前記カプセル化カバーの表面とにフォトレジスト層をコーティングすることと、
該アパーチャ層の該開口部内にある該フォトレジスト層の一部分を照射することと、
該スペーサ壁と該アパーチャ層との該フォトレジスト層を取り除くことと、
次に、該スペーサ壁および該アパーチャ層ならびに該フォトレジスト層に該第1の光を吸収する材料を堆積することと、
該カプセル化カバーの該表面の該フォトレジスト層と、該フォトレジスト層の上の該第1の光を吸収する材料とを取り除くことと
を包含する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
カプセル化された空間光変調器を形成する方法であって、
請求項15に記載の方法を行うことと、
前記基板上に複数の前記チャンバを形成するために、前記複数の空間光変調器を有する該基板の表面に前記スペーサ壁を接続することであって、各チャンバは、少なくとも1つの該空間光変調器を含む、ことと
を包含する、方法。
【請求項19】
2つ以上のダイを形成するために、前記基板の一部分と前記カプセル化カバーの一部分とを切断することをさらに包含し、各該ダイは、前記空間光変調器ののうちの1つをカプセル化している少なくとも1つの前記チャンバを含んでいる、請求項18に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図7I】
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【公開番号】特開2008−242451(P2008−242451A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48127(P2008−48127)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(506141557)スペイシャル フォトニックス, インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】