説明

改善した光導波路スプリッタ

マッハツェンダー干渉計(MZI)500は、調整可能MMIカプラ504を備える調整可能マルチモード干渉(MMI)カプラを組み込んでいる。調整可能MMIカプラ504は、調整可能MMI領域516の面上の調整電極524、調整可能MMI領域内に配置された電気的絶縁領域を有する。MMI領域516は、光検出器部による光電流の検出に応じて調整することができる。このような調整課のMZIは、光スプリッタの分割比を可能にする点で、特に有用である。分割比とスプリッタは、特定の効率的な態様で制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチモード干渉カプラを備える光導波路スプリッタに関する。特に、上記光導波路スプリッタを備えるモノリシックに集積した光回路および光導波路スプリッタを制御する方式に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信部品の分野では、モノリシックに集積した光回路が広く用いられている。この光回路は一般に、光スプリッタで接続された複数の光導波路(たとえばリッジ導波管)を備える。光スプリッタにおいて、光は別の分岐導波路へ向かって、または別の分岐導波路から、分離され、または再結合される。この光回路の例は、例えばマッハツェンダー変調器(MZM)のようなマッハツェンダー干渉計(MZI)装置である。MZMは、光信号を2つの成分に分離し、一方の成分を他方に対して位相変調し、これら成分を再結合することにより、光信号を電気データ信号で変調するために用いられる。位相変調を適切に選択すると、成分間の建設的干渉および相殺的干渉が再結合時に起こり、振幅変調された結合信号を生成する。2つのMZMが光スプリッタによってモノリシックに集積された、モノリシック集積光回路の例は、米国特許第7116460号が開示する光差動4相位相変調(ODQPSK)エンコーダに記載されている。MZI装置のその他の例には、マッハツェンダースイッチおよびマッハツェンダーパルスカーバーが含まれる。
【0003】
マルチモード干渉(MMI)カプラは、MZMにおける光スプリッタおよび光再結合器として一般に用いられている。この装置において、実質的にシングルモードの導波路からの光は、ポートを通過して、光干渉領域を形成するマルチモード導波路を備えるMMI領域に達し、MMI領域の反対端の1以上のポートを介して出射する。光がMMI領域を通過すると、MMI領域の光モードを励起する。この光モードは光学的に干渉し、MMI領域の長さに沿って周期的に再結像し、MMI領域の端部において終端再結像パターンを形成する。終端ポートを介してMMI領域を出る光強度は、終端再結像パターンに対応する。
【0004】
一般的な簡易MMI設計において、MMI領域は平面内の矩形であり、長さは幅よりずっと長い。再結像パターンの強度プロファイルは、MMI領域の長さおよび幅などのいくつかの要因によって支配される。再結像パターンは、非矩形のMMI領域によって支配される場合もある。例えば、1994年European Conference on Optical CommunicationsにおけるBesse等による論文「パワー分割比を自由に選択できる新規な1×2マルチモード干渉カプラ」に記載されているような、領域の長さに沿った中間のウエスト部分が収縮(バタフライタイプ)または膨張(バレルタイプ)したものがある。
【0005】
上記のようなMMIカプラ装置の光分離性能は、MMI領域の製造精度によって制約される。さらに光分離は、熱誘導性能変化およびストレス誘導性能変化の影響を受けやすい。したがって、MMIの製造公差は、これらが集積される光回路の製造歩留まりに多大な影響を及ぼす。さらに、MMIおよびMMIが組み込まれる集積光回路の光性能は、周辺状況の変化および経年劣化の影響によって、動作寿命の間に変化する可能性がある。MZMにおいては、光性能の劣化により、振幅変調された光出力の消光比が減少する可能性がある。
【0006】
矢崎等による日本国特許公開第2001−183710号および英国特許第2438222号に記載されているように、MMI領域内の再結像パターンは、領域の面上に設けられたチューニング電極を用いることにより、制御できる。チューニング電極は、領域の1以上のキー再結像ノードにまたがるように配置され、背面電極と協調動作し、電気光学効果によって導波路材質の屈折率を変化させるために用いることができる。
【0007】
屈折率を変化させると、マルチモード導波路の対応する部分の光路長が変化し、電極の下方を通過する光の位相シフトが生じる。上記のようなMMI領域内の光位相変化を生じさせることにより、その後の再結像パターンが変化する。特に、終端再結像パターンを変化させ、各ポートを介してMMI領域を出る出力パワー強度が変化する。このようにして送信光の光分割比を制御することができる。
【0008】
MMI領域の頂部上の電極と背面電極との間を通過する電流は、不都合な態様で拡散し、屈折率がチューニング電極の範囲より広くなる領域を拡張させる。この電流拡散により、再結像ノードに最も近い電流密度が減少し、総電流注入の増加を必要とするものを補償し、装置の熱消耗をこれに応じて増加させる。さらにこの電流拡散により、MMI領域の望ましくない部位における屈折率が変化し、これにより調整可能光スプリッタの光性能が減少する。
【0009】
したがって、より改善した調整可能光スプリッタの設計へのニーズがある。これにより少なくともいくつかの従来設計の不都合を解決することが期待される。
【0010】
Electronics Letters,Vol.36,No.6,pp533〜534に掲載された、八木等による論文「部分屈折率変調領域を有する汎用マルチモード干渉光子スイッチ」は、調整可能光スプリッタのチューニング性能の数学モデルを記載している。これによれば、モデリング結果に基づき、調整可能光スプリッタを制御するための理想的な動作条件を決定し、所望の分離性能を提供することができる。
【0011】
これに代えて、出力面の出力導波路から出射する光を監視することにより、調整可能光スプリッタ内で用いられる調整可能MMIカプラの光性能を決定することもできる。またカプラの制御条件をこれに合わせてセットすることもできる。しかし、このような手法は外部パワー監視部品を用いることを必要とする。この部品は出力光に整列させることが難しく、複雑さとこれに関連する工業製造プロセス内のステップの費用が増す。
【0012】
さらに本発明者らは、調整可能光スプリッタの性能が、MMI領域の製造および電極積層における製造公差の影響を受け易いものと評価している。さらにこの性能は、周辺温度、機械的ストレス、電極金属化におけるクリープなどの経年劣化の影響にともなって変化する。したがって、調整可能MMIカプラは、必ずしもモデリングに基づく光性能応答を有するとは限らず、あるいは製品寿命にわたって応答が一定であるとは限らない。
【0013】
したがって、調整可能な分割比を有するMMIデバイスを制御できるように調整された装置、および対応する制御方式に対するニーズがある。これにより、少なくともいくつかの従来技術の不都合を解決することが期待される。
【0014】
分割比が固定されたMMIを有する光スプリッタは、マッハツェンダー変調器(MZM)のような従来の光導波路マッハツェンダー干渉計において、光スプリッタ及び再結合器として用いられる。アプリケーションが異なれば、異なる光特性を有するMZIが必要になり、様々な光特性を有する様々な光電子モジュールのなかから正しいハードウェアを選択することが必要になる。そのため、様々な部品の製造業者と格納場所が必要になる。上記のようなMZIの光性能は、製造、周辺環境、経年劣化効果において様々なものが生じることになる。さらに、アプリケーションの要件が変化する場合、異なる光特性を有するモジュールを提供するため、ハードウェアを変更することが必要になる。
【0015】
長距離光通信アプリケーションにおいて、光ファイバの屈折率は一般に、送信光の波長の関数として変化する。高データレート光信号は、十分な帯域幅を有し、光信号を長距離光ファイバに沿って伝送させ、その結果として色分散による信号品質の劣化が生じる。通信アプリケーションのなかにはゼロチャープを用いることが必要であるものもあるが、他の通信アプリケーションにおいては、光出力にチャープを印加することにより、上記のような信号品質の劣化を緩和することは一般的である。
【0016】
MZMにおいて、MZMの消光比とチャープ性能は、MZMの光スプリッタおよび再結合器において用いられるMMI領域の光分割比の関数である。バランスしていない(すなわち均等でない)分割比は、MZMの光出力において非ゼロチャープを提供するために用いられる。
【0017】
したがって、光スプリッタまたは光再結合器の制御可能な分割比を有するMZI、および、制御可能なチャープを有し、光スプリッタおよび/または再結合器の分割比を制御することによってチャープレベルが制御されるMZMに対するニーズがある。
【0018】
米国特許第6,571,038号およびJournal of Lightwave Technology,Vol.19,No.5,pp−700〜707,2001年に掲載されたJoyner等による論文「調整可能パワー分割比を有するマルチモード干渉カプラ」は、調整可能パワー分割比を有するマルチモード干渉カプラおよび分割比を調整する方法を記載している。パワー分割比の調整は、マルチモード干渉領域内の部位周辺の有効屈折率を変化させることによって実現される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、調整可能MMIデバイスおよび制御方式を提供し、少なくともいくつかの従来技術の不都合を克服することを図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の1側面によれば、調整可能MMI領域を有する調整可能マルチモード干渉(MMI)カプラ、入力導波路、および光検出器部と対応する光検出器電極を有する出力導波路を備える制御可能光スプリッタが提供される。調整可能MMI領域の面上に配置される調整電極は、光検出器部が光電流を検出することに応じて、調整することができる。
【0021】
本発明の他側面によれば、調整可能マルチモード干渉(MMI)カプラを備える制御可能光スプリッタを制御する方法が提供される。調整可能MMIカプラは、調整可能MMI領域、入力導波路、光検出器部および対応する光検出器電極を有する出力導波路、調整可能MMI領域の面上に配置された調整電極を備える。上記方法は、光検出器部が光電流を検出することに応じてMMI領域を調整するステップを有する。
【0022】
本発明の他側面によれば、調整可能MMI領域、入力および出力導波路、調整電極を備える調整可能マルチモード干渉(MMI)カプラが提供される。調整可能MMI領域は表面を有し、調整電極はその面上に配置される。電気的絶縁領域が、調整可能MMI領域内に提供される。
【0023】
電気的絶縁領域は、調整電極に隣接してもよい。電気的絶縁領域は、調整電極の下方を除いて、実質的に調整可能MMI領域全体にわたって設けてもよい。これに代えて、調整可能MMI領域は、電気的絶縁領域と非電気的絶縁領域を有してもよい。
【0024】
電気的絶縁領域は、イオン注入によって形成することができる。電気的絶縁領域は、調整電極に対して自己整合することができる。
【0025】
調整可能MMIカプラは、2つの出力導波路を備えることができる。調整可能MMI領域は、調整されていない状態においてバランスしていない分割比を有するように構成することができる。調整されていない状態における分割比は、0.625:1〜1.6:1の範囲内で、バランスしないようにすることができる。
【0026】
調整可能MMIカプラは、2つの出力導波路、光検出器部および対応する光検出器電極を備えることができ、各出力導波路内に配置することができる。
【0027】
光検出器部は、アーム光検出器部でもよい。アーム光検出器部は、干渉計アーム内に設けることができる。アーム光検出器部は、光再結合器に隣接する各干渉計アーム内に配置することができる。アーム光検出器部は、光制御部として機能するように調整することができる。これに代えて、光検出器部は、光検出器部に特化することもできる。光検出器部は、出力光検出器部でもよい。出力光検出器部は、干渉計出力導波路内に配置することができる。光検出器部は、光再結合器に隣接する各干渉計出力導波路内に配置することができる。
【0028】
調整電流は、ディザー信号を含むことができる。
【0029】
干渉計には、光再結合器に隣接する各干渉計アーム内にアーム光検出器部を設けることができる。干渉計は、光再結合器に隣接する各干渉計出力導波路内に配置された出力光検出器部を有する第1および第2干渉計出力導波路を備える。光再結合器は、制御可能な光スプリッタである。上記方法はさらに、アーム光検出器部内の光強度の有効分割比(SR)を測定するステップ、出力光検出器部内の光強度の出力比(Rout)を測定するステップ、有効分割比(SR)に対応して調整電極への調整電流を制御するステップ、を有する。
【0030】
上記方法は、調整電極への調整電流を制御し、各出力光検出器部内の光強度の出力比(Rout)とアーム光検出器部内の光強度の有効分割比(SR)が、Rout=(SR+1/SR)/2という関係になるようにするステップを有することができる。
【0031】
本発明をより理解し、どのように実現されるかをより明確に示すため、例示目的のみで、添付する図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】組み込まれた調整可能MMIカプラの概略図である。
【図2】組み込まれた調整可能MMIカプラの別の概略図である。
【図3】電気制御システムを有する制御可能光スプリッタの概略平面図である。
【図4】電気制御システムを有するマッハツェンダー変調器の概略平面図である。
【図5】電気制御システムを有する別のマッハツェンダー変調器の概略平面図である。
【図6】電気制御システムを有さない別の1×2マッハツェンダー変調器の概略平面図である。
【図7】電気制御システムを有さない別の2×2マッハツェンダー変調器の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本発明に基づく調整可能マルチモード干渉(MMI)カプラ100の概略を示す。調整可能MMIカプラ100は、基板102の前面上に形成されたリッジ導波管構造の一部として形成されている。調整可能MMIカプラ100は、MMI領域104、導波路106A〜106D、調整電極108を備える。
【0034】
導波路106A〜106Dは、実質的に単一モードであり、光学的にMMI領域104に接続されている。
【0035】
調整電極108は、MMI領域102の面上に配置されている。基板102の調整電極108から反対側には、背面に背面電極110が設けられている。
【0036】
MMI領域104はバレル形状で、各端部112Aと112Bからウエスト114中間へ向かって領域の長さ方向に沿って外向きに先細る側部を有する。MMI領域104は、調整電極108に覆われ、MMI領域104に隣接する電気的絶縁領域116を有する。
【0037】
使用時には、実質的に単一モードの光が、導波路106A〜106Dを介して、調整可能MMIカプラ100に入射する。MMI領域104の光モードが励起され、光は領域の長さに沿って再結像パターンを形成する。調整電極108は、MMI領域のキー光再結像ノードの上に配置される。
【0038】
分割比は、ある出力導波路を介して伝搬する光強度に対する、別の出力導波路を介して伝搬する光強度の比率である。分割比は、調整電極の下方のMMI領域においてもたらされる屈折率変化によって調整することができる。
【0039】
屈折率変化は、調整電極を背面電極110に対して調整することにより、調整電極108の下方において生じ得る。バイアスは、キャリア誘起の屈折率変化効果を生じさせるフォワードバイアスである場合もあるし、電界誘起の電気光学効果を生じさせる逆バイアスである場合もある。あるバイアスについて、電界誘起効果よりもキャリア誘起効果の方が通常は大きく、導波路に対する依存度が小さい。
【0040】
バランスした分割比条件(すなわち、均等な分割比)に中心を持つ分割比の動作範囲を有する調整可能MMIカプラの場合、MMI領域(例えば1×2または2×2MMI領域)は、調整されていない状態で実質的にバランスした分割比で製造することができ、調整電極のフォワードバイアスと逆バイアスの双方を用いて、キャリア誘起屈折率変化効果と電界誘起の電気光学効果の双方を利用し、光分割比をバランスした分割比条件から離れて調整することができる。これに代えてMMIは、調整していない状態でバランスしていない(すなわち、均等な分割比からオフセットしている)分割比で製造することができる。このような単一バイアス極性(例えば、キャリア誘起屈折率変化効果)を用いて、バランスした条件の両側における分割比範囲にわたって調整することができる。分割比の動作範囲がバランスしていないことが求められる場合にも、同様の事項が適用される。
【0041】
調整可能MMIカプラの分割比の動作範囲は、調整されていない状態におけるMMI領域の分割比と、調整電流によってMMI領域内に誘起される屈折率変化レベルとの関数である。例えば、調整していない状態における分割比1.6:1のMMI領域は、フォワードバイアスの下で分割比0.4:1へ調整することができる。
【0042】
より多ポートのMMI(一般にはN×MのMMI、例えば4×4MMI)は、面電極と電気的絶縁領域で製造することができる。電極は、MMIの出力ポートにおける一部または全てのパワーのバランスを調整するように構成することができる。
【0043】
調整電極のフォワードバイアスの場合における電流拡散は、MMI領域を電気的に絶縁させることによって減少する。電気的絶縁領域116は、当該分野で知られている手法によって形成することができる。例えば、所望領域に高エネルギーイオンを注入するイオン注入である。このイオンは例えば、目標領域を電気的に絶縁させる水素またはヘリウムである。マスクを用いてイオン注入を遮蔽し、所望領域のみが絶縁されるようにする。シリカ(SiO)マスクのような分離した遮蔽マスクを用いることができる。これに代えて、調整電極108の金属化によってイオン注入を少なくとも部分的に遮蔽し、電気的絶縁領域を電極に自己整合させることもできる。電気的絶縁領域を形成する他の手法には、量子井戸混合またはエッチング/再成長が含まれる。
【0044】
調整電極周辺の電気的絶縁領域の効果は、調整電極108と背面電極110の間に電流が流れると、電流の拡散が必然的に防止され、調整電極に対して実質的に垂直に流れる、MMI領域の光活性部を通過する電流が生じる、というものである。調整電極と背面電極の間を流れる電流の拡散を防止することにより、調整電極下方の電流密度が高レベルに維持され、キー光再結像ノードが生じる調整電極下方における屈折率変化が最大化される。さらに、電流が電気的に絶縁されている領域へ拡散することを防止することにより、調整電極の周辺領域における屈折率の望ましくない変化を防止し、これにともなう調整可能MMIカプラの光性能の劣化を回避することができる。
【0045】
調整可能MMIカプラの性能を最適化するため、調整電極と電気的絶縁領域の間に境界が存在することが望ましい。これに代えて、電気的絶縁領域は調整電極の端部をアンダーカットすることができる。
【0046】
電気的絶縁領域が自己整合プロセスによって作成されている場合において、同領域は調整電極をアンダーカットする場合がある。例えば、電気的絶縁領域がイオン注入によって作成されている場合において、注入の間におけるイオン散乱によりイオンが拡散し、調整電極の端部をアンダーカットする場合がある。
【0047】
図1において、電気的絶縁領域116は、調整電極108の直下の領域を除き、調整可能MMIカプラ100の全体を覆っている。しかし、イオン注入により、光デバイスの注入領域を介して伝搬する光の光学的損失が生じる場合がある。したがって、図2に示す調整可能光カプラ100’の代替設計において、電気的絶縁領域116’は、調整電極に隣接する調整可能MMIカプラ100’の長さ部分にのみ延設されるように、制限することができる。これにより調整電極108は、電気的絶縁領域116’によってMMI領域104’の非電気的絶縁領域118’から実質的に絶縁される。
【0048】
バレル形状のMMI領域102を有する調整可能MMI100を記載しているが、本発明は異なる形状のMMI領域を有する調整可能MMIカプラにも同等に適用されることが理解されよう。例えば、側壁が直線状のもの、またはバタフライ形状で各端部から中間ウエスト部分へ領域の長さに沿って内向きに先細る壁部を有するもの、などである。
【0049】
当業者は、図1と図2に示すスケールが正確なものではなく、通常はMMI領域の長さが幅よりも数倍長いことを理解するであろう。例えばMMI領域の長さは、少なくとも幅の5倍である。調整可能MMIカプラのサイズ例は、幅4〜14μm、長さ50〜250μmである。
【0050】
図3は、モノリシックに集積された光回路302と電気制御システム304を有する制御可能光スプリッタ300を示す。光回路302は、調整可能MMIカプラ306と光検出器部308を備える。調整可能MMIカプラ306は、入力導波路310、出力導波路(すなわちモニタ導波路)312、調整可能MMI領域314、調整電極316を備える。図3の場合、調整可能MMIカプラ306は2つの出力導波路312を有する。
【0051】
導波路310と312は、調整可能MMI領域314へ光学的に接続されている。調整電極316は、MMI領域の面上に配置されている。調整可能MMIカプラ306は、MMI領域314と調整電極316を有する。光検出器部308は、出力導波路312内に配置され、個々の光検出器電極(図示せず)が設けられている。電気制御システム304は、調整電極316と光検出器電極へ電気的に接続されている。基板318は、制御可能光スプリッタ300から見て基板の反対側に配置された背面電極(図示せず)を有する。
【0052】
入力導波路310と出力導波路312は、実質的に単一モードである。1以上の入力導波路310からMMI領域314へ向かって通過する光は、MMI領域の光モードを励起する。これは、光がMMI領域を出る出力導波路312のポートにおいて再結像する。調整電極316は、MMI領域のキー再結像ノード上方のMMI領域314上に配置されている。
【0053】
各出力導波路312に沿って通過する光の強度は、調整可能MMIカプラ306の光分割比によって定まる。光検出器部308は、出力導波路312に沿って通過する光をサンプリングする。電気制御システム304は、対応する光検出器部から光電流320を受け取る。光電流320は、各出力導波路308に沿って通過する光の強度に対応している。したがって、光電流320は、調整可能MMIカプラ306の光分割比に対応している。
【0054】
電気制御システム304は、調整電極316下方のMMI領域314を流れる調整電流322を駆動する。調整電流322は、MMI領域を通過し、MMI領域の屈折率の局所変化を生じさせる。その結果、調整電極316下方の調整電流322を通過する光は位相が変化し、これにより出力導波路312間の光の光分割比が決定される。したがって、電気制御システム304は、調整電流322を光検出器電極からの光電流320に対応させることにより、調整可能MMIカプラ306の光分割比を制御する。
【0055】
背面電極は、電気制御システム304に接続され、調整電極316および光検出器電極と協調して機能する。背面電極は共通電極であり、電気的にグランドしてもよい。
【0056】
調整電極316に隣接しているMMI領域314は、例えば水素やヘリウムのような高エネルギーイオンを注入することにより、電気的に絶縁することができる。電気的絶縁領域は、調整電極316周辺のMMI領域314の全部または一部をカバーすることができる。
【0057】
図3に示すMMI領域314は、各端部に2つのポートを有する2×2MMI領域である。しかし本発明は、入力端および出力端の一方または双方に複数ポートを有する任意のMMI領域へ適用することができる。これにより、光スプリッタまたは再結合器として用いることができる。さらなる例として、本発明は1×3MMIに適用することもできる。
【0058】
図4は、モノリシックに集積された光回路と電気制御システム402を有するマッハツェンダー変調器(MZM)400を示す。光回路は、第1調整可能MMIカプラ404、第2MMIカプラ406、変調器アーム408、第1光検出器部410、第2光検出器部412を備える。第1調整可能MMIカプラ404は、第1入力導波路414、変調器アーム408となる第1出力導波路、第1調整可能MMI領域416、第1調整電極418を備える。第2調整可能MMIカプラ406は、変調器アーム408となる第2入力導波路、第2出力導波路420、第2調整可能MMI領域422、第2調整電極424を備える。
【0059】
MZM入力導波路は第1入力導波路414によって提供され、MZM出力導波路は第2出力導波路420によって提供される。
【0060】
第1MMI領域416と第2MMI領域422は、2×2MMIである。第1光検出器部410は、導波路アーム408内に配置されている。第2光検出器部412は、出力導波路420内に配置されている。光検出器部は、対応する光検出器電極(図示せず)を有する。RF変調部426とDC位相制御部428は、導波路アーム408内に配置され、対応する電極(図示せず)を有する。MZM400は、背面電極(図示せず)を有する。
【0061】
第1入力導波路414から第1MMI領域416へ向かって通過する光は、第1調整可能MMIカプラ404によって変調器アーム408間で分離される。第1光検出器部410は、強度をサンプリングする。変調器アーム408に沿って通過する光は、RF変調部426内のRF電気データで変調される。変調器アーム408からの光は、第2調整可能MMIカプラ406内で再結合され、第2出力導波路420間で分離される。第2光検出器部412は、強度をサンプリングする。第2出力導波路420のうち1つに沿って通過する光は、MZM400のRF変調光出力である。他方の第2出力導波路420内の光は、その光補完であり、通常はMZMから出力されない。電気制御システム402は、光検出器部410および412を通過する光強度を監視し、調整電極418および424への駆動電流をこれら光強度に応じて制御する。見易さのため、RF変調、位相制御または背面電極に関する電気制御手段402の要素は、図4には示していない。
【0062】
調整されていない状態において、MZIの第1および/または第2MMIカプラは、バランスした光分割比(1:1)を有することができる。反対に、調整されていない状態において、MZIの第1および/または第2MMIカプラは、バランスしていない光分割比を有することもできる。調整されていない状態において、一方または双方の調整可能MMIカプラの分割比は、0.625:1〜1.6:1の範囲でバランスしないようにすることができる。さらに、調整されていない状態における分割比は、0.4:0.6〜0.6:0.4の範囲内にすることができる。さらに、調整されていない状態における分割比は、0.45:0.55〜0.55:0.45の範囲内にすることができる。
【0063】
動作時において、MZIの第1および/または第2MMIカプラは、バランスした光分割比(1:1)を有することができる。これにより例えば、RF変調光出力のゼロチャープを生成し、またはMZIの消光比を最大化することができる。反対に、動作時において、MZIの第1および/または第2MMIカプラは、バランスしていない光分割比を有することもできる。これにより例えば、RF変調光出力の非ゼロチャープを生成することができる。動作時において、一方または双方の調整可能MMIカプラの分割比は、0.625:1〜1.6:1の範囲でバランスしないようにすることができる。さらに、動作時の分割比は、0.4:0.6〜0.6:0.4の範囲内でもよい。さらに、動作時の分割比は、0.45:0.55〜0.55:0.45の範囲内でもよい。
【0064】
調整可能MMIを有するMZIを用いて、製造公差、周辺環境の効果、MZIの経年劣化を補償し、デバイスを製品寿命にわたって所望の光性能に維持することができる。監視および制御可能な調整可能MMIを有するMZMを用いることにより、MZMの光チャープを最適化し、製品寿命にわたって更新することができる。
【0065】
MZMは、一方または双方のMMIカプラとともに製造することができる。このMMIカプラは、調整されていない状態において実質的に等しい分割比を有し、調整電極のフォワードバイアスおよび逆バイアスを用いてキャリア誘起屈折率変化効果と電界誘起電気光学効果の双方を利用して正チャープから負チャープにわたって調整する。これに代えてMZMは、調整していない状態においてバランスしていない分割比を有する一方または双方のMMIカプラとともに製造することができる。これにより、キャリア誘起電気光学屈折率変化効果および電界誘起電気光学効果を用いて、正チャープ値、ゼロチャープ値、負チャープ値にわたってMZMを調整することができる。
【0066】
図4に示す実施形態において、MMI領域416と422の双方は調整可能である。専用の第1光検出器部410と第2光検出器部412は、変調器アーム408上および第2出力導波路420上に配置される。代替実施形態において、専用の光検出器部410と412に代えて、変調器アーム408内の光強度を検出する機能は、導波路アーム内の他の光制御部が追加的に実施することができる。例えばRF変調部426やDC位相制御部428である。さらに、第1MMI領域416と第2MMI領域422のうち1つを調整可能とし、他方は調整しないものとすることができる。さらに他の実施形態において、光検出器部は、変調器アーム上のみ、または第2出力導波路420上のみに設けることができる。
【0067】
小さい振幅を有する周波数変調信号(「ディザー」信号として一般に知られている)を、調整可能MMIカプラの一方または双方への駆動電流に適用することができる。光検出器部が第2出力導波路上にのみ設けられ、双方のMMIが調整可能である場合において、上記のようなディザー信号を用いることにより、1以上の調整可能MMIを独立に監視し制御することを促進することができる。
【0068】
本明細書におけるモノリシックに集積された光回路は、より複雑な光回路へ組み込むことができる。例えば、本明細書におけるMZMペアを、光差動4位相シフトキーイング変調器(ODQPSK)内で並行にモノリシック集積することができる。他の例において、上記ODQPSK変調器ペアを並行にモノリシック集積し、さらに複雑な光差動位相シフトキーイング変調器を形成することができる。これは例えば、フィルタリングされ共通偏光維持光ファイバに沿って伝送するために偏光される、2つのODQPSK信号を出力する変調器内において実施することができる。
【0069】
上記の図4を参照した記載は、より多ポートのMMI(例えば4×4MMI)へ適用できることが理解されるであろう。この場合の差異点は、8個の光検出器が必要になり、伝記制御システムを光検出器に合わせて調整することのみである。
【0070】
図5は、モノリシックに集積された光回路と電気制御手段502を有し、ゼロチャープ光出力を生成するように構成された、別のMZM500を示す。光回路は、第1MMIカプラ504、第2MMIカプラ506、2つの変調器アーム508と508、2つの第1光検出器部510と510、2つの第2光検出器部512と512を備える。第1MMIカプラ504は、2つの第1入力導波路514と514、変調器アーム508と508となる2つの第1出力導波路、MMI領域516を備える。第1MMIカプラ504は、固定分割比を有し、調整電極を有していない。第2MMIカプラ506は、調整可能な分割比を有し、2つの変調器アーム508と508となる2つの第2入力導波路、2つの第2出力導波路520と520、調整可能MMI領域522、2つの調整電極524を備える。MZM入力導波路は第1入力導波路514と514によって提供され、MZM出力導波路は第2出力導波路520と520によって提供される。
【0071】
第1MMI領域516と第2MMI領域522は、2×2MMIである。第1光検出器部510と510は、第2MMI506の入力ポートに隣接する導波路アーム508と508内に配置されている。第2光検出器部512と512は、第2MMI506に隣接する出力導波路520と520内に配置されている。光検出器部は、対応する光検出器電極(図示せず)を有する。RF変調部526および526とDC位相制御部528および528は、導波路アーム508と508内に配置され、対応する電極(図示せず)を備える。MZM500は、背面電極(図示せず)を有する。
【0072】
使用時において、第1入力導波路514に沿って伝搬し第1MMI領域516に向かって通過する強度IR0の光は、第1調整可能カプラ504によって、個々の変調器アーム508と508へ向かって伝搬する強度IL1とIR1の光へ分離される。光IL1とIR1は、変調器アーム508と508に沿って伝搬し、RF変調部526および526とDC位相制御部528および528を通過する。変調器アーム508と508を通過する際に、光は減衰し、通常は各変調器アーム内の減衰は異なる。第1光検出器部510と510は、変調器アーム508と508内の光強度をサンプリングし、第2MMIカプラ506へ向かって伝搬する光IL2とIR2の強度を測定する。変調器アーム508と508からの光は、第2MMIカプラ506内で再結合され、第2出力導波路520と520間で分離される。第2MMIカプラへ入射する光の光強度IL3とIR3は、第2光検出器部512と512によってサンプリングされる。第2出力導波路520へ向かって通過する光IR3は、MZM500のRF変調光出力として用いられる。第2出力導波路520へ向かって通過する光IL3は、その光補完であり、通常はMZMから出力されない。電気制御システム502は、光検出器部510、510、512、512を監視し、調整電極524への駆動電流を制御する。見易さのため、RF変調、位相制御または背面電極に関する電気制御手段502の要素は、図5には示していない。
【0073】
使用時において、MZM500を通過する光は、高ビットレートデータストリームで変調することができる。光検出器510、510、512、512は、高ビットレートデータストリームに応答することができる。光検出器から検出された信号は、時間平均することができる。これに代えて光検出器は、高ビットレートデータストリームの速度で応答せず、光検出器から検出された信号を時間平均することもできる。
【0074】
第1MMIカプラ504の分割比は、バランスしていない。第1MMIカプラへ向かって伝搬する光IR0は、第1分割比SRに基づき分離され、強度IL1とIR1の光は変調器アームへ入射する。SR=IL1/IR1(例えば、SR>1)である。変調器アーム508と508に沿った伝搬中に生じる光の差動減衰により、第2MMIカプラ506へ入射する光IL1とIR1の強度比は、変調器アームへ入射する光の強度比(SR)とは、通常は異なる。したがって、第2MMIカプラ506の入力ポートに入射する光IL1とIR1は、有効分割比SR=IL2/IR2を有する。これは通常は第1MMIカプラ504の分割比SRとは異なる。第1光検出器部510と510により、電気制御システム502は、第1光検出器部を通過する光の強度を測定することによって有効分割比SRを測定することとができる。第2MMIカプラ506の調整可能な分割比は、測定した有効分割比に応じて調整することができる。
【0075】
MZM500を用いてゼロチャープ出力IR3を生成するとき、第2MMIカプラ506の調整可能な分割比は、第2MMIカプラの出力導波路520と520へ入射する光IL3とIR3の強度の出力比Routが上述の関係Rout=(SR+1/SR)/2となるように調整することができる。第2MMIカプラから出力される光IL3とIR3の強度は、第2光検出器512と512によって測定される。
【0076】
第2MMIカプラ506の分割比は、調整されていない状態において、調整された状態よりもずっと小さくなるように設計される。これにより、調整可能な分割比を、例えばキャリア誘起屈折率変化効果のような単一の電気光学効果によって、意図している動作条件を含む分割比範囲にわたって調整することができる。このような調整範囲を提供することにより、デバイスを電気制御手段502によって制御し、製造公差、周辺環境の効果、MZMの経年劣化によって生じる光特性の差異を克服し、デバイスを製品寿命にわたって所望の光性能に維持することができる。
【0077】
当業者は、図5においてMMIカプラの一方または双方を調整可能にできることを理解するであろう。光検出器ペアは、第2MMIカプラの入出力の双方に隣接して配置される。これにより、調整可能MMIを調整し、変調器アームに沿って伝搬する光の差分損失、製造公差、周辺環境の効果、経年劣化効果を補償することができる。
【0078】
当業者は、上述の図5に関する設計的特徴は非ゼロチャープ出力を生成できるMZMにも適用できることを理解するであろう。
【0079】
あるいは、(調整可能MMIの)分割比と導波路アームの相対損失が十分安定に維持できる場合は、電気制御システムは必ずしも必要でない。上記技術の最も厳密な実装は、調整か能MMIの分割比調整メカニズムの効率が、MMIの寿命にわたって変化または経年劣化しないことである。このような技術は、「セットするだけ」の技術と呼ばれる。この技術において、MZの分割比は製造時にセットされ、調整可能MMIの調整技術を調整して所望の分割比を得る。この分割比は、MZアーム上または出力導波路上に配置された光検出器によって測定することができる。
【0080】
電気制御システムを用いる調整技術の主要な特徴は、調整していない状態における調整可能MMI分割比が1.0(調整可能MMI上の反対側の分割比をともなう)からオフセットされていることであるという点は、言及する価値がある。これは、調整可能MMIが調整されるのにともなって変化する、MZ出力検出器光電流比(データ伝送の間に時間平均されている)が得られるからである。しかし、「セットするだけ」技術において、調整可能MMIは、調整していない状態において任意の分割比を有する場合がある。
【0081】
図6は、電気制御システムを有さないが、1×2スプリッタMMI501、再結合器502、出力導波路検出器504を組み込んだ、1×2MZMを示す。再結合器502は、所望の出力導波路検出器(504)光電流比が得られるように、製造時に調整された値にセットされる。
【0082】
図7は、図4に示すMZM(2×2MZM)の変形例を示す。電気制御システムは省略され、調整可能MMI2×2入力スプリッタ601、再結合器MMI602、出力導波路検出器604が提供される。この実施形態において、調整可能MMI2×2入力スプリッタ601は、製造時に調整され、出力導波路検出器604からの光電流比を用いて、所望のMZ分割比を提供する。再結合器MMI602は、任意の分割比を有することができる。
【0083】
本実施形態の背面電極は、導波路部上に配置されている個々の光回路、調整電極および他の電極から見て光基板の反対側に配置されているものとして記載されているが、当業者は、共通電極を提供するためのその他の配置も可能であり、全ての電極を基板の同じ側に提供することも可能であることを理解するであろう。
【0084】
入出力端に対する光デバイスについて説明したが、光は光導波路およびMMI領域に沿って双方向に通過できること、これら用語およびスプリッタと再結合器という用語は光伝送の方向を限定するものではないことを、当業者は理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整可能マルチモード干渉(MMI)カプラを備え、
前記調整可能MMIカプラは、調整可能MMI領域、入力導波路、光検出器部および対応する光検出器電極を有する出力導波路を備え、
調整電極が前記調整可能MMI領域の面上に配置され、
前記MMI領域は、前記光検出器部による光電流の検出に応じて調整することができる
ことを特徴とする制御可能光スプリッタ。
【請求項2】
前記光検出器部による光電流の検出に応じて前記調整電極への調整電流を制御する電気制御システムを備える
ことを特徴とする請求項1記載の制御可能光スプリッタ。
【請求項3】
前記調整電極は、セットアップ中に設定を手動調整することができ、前記光検出器部はその調整を測定することができる
ことを特徴とする請求項1記載の制御可能光スプリッタ。
【請求項4】
前記調整可能MMIカプラは2つの出力導波路を有し、前記調整可能MMI領域は、調整されていない状態において任意の分割比を有するように構成されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の制御可能光スプリッタ。
【請求項5】
前記調整可能MMIカプラは2つの出力導波路を有し、前記調整可能MMI領域は、調整されていない状態において、バランスしていない分割比を有するように構成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の制御可能光スプリッタ。
【請求項6】
調整されていない状態における前記分割比は、0.625:1〜1.6:1の範囲で、バランスしない値になっている
ことを特徴とする請求項5記載の制御可能光スプリッタ。
【請求項7】
調整可能なマッハツェンダー干渉計であって、
光スプリッタと、干渉計出力導波路を有する光再結合器との間に光学的に接続された干渉計アームのペアを備え、
前記光スプリッタと前記光再結合器のうち少なくとも1つは、請求項1から6のいずれか1項記載の制御可能光スプリッタである
ことを特徴とする干渉計。
【請求項8】
前記光検出器部は、干渉計アーム内に配置されたアーム光検出器部である
ことを特徴とする請求項7記載の干渉計。
【請求項9】
前記アーム光検出器部は、前記光再結合器に隣接する前記干渉計アーム内に配置されている
ことを特徴とする請求項8記載の干渉計。
【請求項10】
前記アーム光検出器部は、光制御部として機能するように調整されている
ことを特徴とする請求項8または9記載の干渉計。
【請求項11】
前記光検出器部は、前記干渉計出力導波路内に配置された出力光検出器部である
ことを特徴とする請求項7から10のいずれか1項記載の干渉計。
【請求項12】
前記光検出器部は、前記光再結合器に隣接する前記出力導波路内に配置されている
ことを特徴とする請求項11記載の干渉計。
【請求項13】
前記調整電流は、ディザー信号を含む
ことを特徴とする請求項7から12のいずれか1項記載の干渉計。
【請求項14】
調整可能マルチモード干渉計(MMI)カプラを備える制御可能光スプリッタを制御する方法であって、
前記制御可能MMIカプラは、調整可能MMI領域、入力導波路、光検出器部と対応する光検出器電極を有する出力導波路を備え、
調整電極が前記調整可能MMI領域の面上に配置されており、
前記方法は、前記光検出器部による光電流の検出に応じて前記MMI領域を調整するステップを有する
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記光検出器部による光電流の検出に応じて前記調整電極への調整電流を制御する電気制御システムが提供される
ことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記調整電極は、セットアップ中に手動調整して、前記光検出器部が検出した光電流の要求値に対応する設定にすることができる
ことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
光スプリッタと光再結合器との間に光学的に接続された干渉計アームのペアを備える調整可能マッハツェンダー干渉計を制御する方法であって、
前記光再結合器は、干渉計出力導波路を有し、
前記光スプリッタと前記光再結合器のうち少なくとも1つは、制御可能光スプリッタであり、
前記制御可能光スプリッタは、請求項1から5のいずれか1項記載の調整可能マルチモード干渉計(MMI)カプラを備え、
前記方法は、前記光検出器部による光電流の検出に応じて前記MMI電極を調整するステップを有する
ことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記干渉計には、前記光再結合器に隣接する各干渉計アーム内に光検出器部が設けられており、
前記干渉計は、前記光再結合器に隣接する各干渉計出力導波路内に配置された出力光検出器部を有する第1および第2干渉計出力導波路を備え、
前記光再結合器は、制御可能光スプリッタであり、
前記方法は、
前記アーム光検出器部内の光強度の有効分割比(SR)を測定するステップ、
前記出力光検出器部内の光強度の出力比(Rout)を測定するステップ、
前記調整電極への前記調整電流を前記有効分割比(SR)に応じて制御するステップ、
を有することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記調整電極への前記調整電流を制御して、前記出力比(Rout)と前記有効分割比(SR)がRout=(SR+1/SR)/2となるようにするステップを有する
ことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
調整可能マルチモード干渉(MMI)カプラであって、
調整可能MMI領域、入力導波路、出力導波路、調整電極を備え、
前記調整可能MMI領域は面を有し、
前記調整電極は前記面上に配置されており、
電気的絶縁領域が前記調整可能MMI領域内に設けられている
ことを特徴とする調整可能MMIカプラ。
【請求項21】
前記電気的絶縁領域は、前記調整電極に隣接している
ことを特徴とする請求項20記載の調整可能MMIカプラ。
【請求項22】
前記電気的絶縁領域は、前記調整電極の下方を除いて、実質的に前記調整可能MMI領域全体にわたって設けられている
ことを特徴とする請求項20または21記載の調整可能MMIカプラ。
【請求項23】
前記調整可能MMI領域は、電気的に絶縁されていない領域を有する
ことを特徴とする請求項20または21記載の調整可能MMIカプラ。
【請求項24】
前記電気的絶縁領域は、イオン注入によって形成されている
ことを特徴とする請求項20から23のいずれか1項記載の調整可能MMIカプラ。
【請求項25】
前記電気的絶縁領域は、前記調整電極に対して自己整合している
ことを特徴とする請求項20から24のいずれか1項記載の調整可能MMIカプラ。
【請求項26】
請求項20から25のいずれか1項記載の調整可能MMIカプラを備えることを特徴とするマッハツェンダー干渉計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−519873(P2012−519873A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552519(P2011−552519)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050370
【国際公開番号】WO2010/100489
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(505318606)オクラロ テクノロジー リミテッド (17)
【Fターム(参考)】