説明

改竄検知方法及び情報機器

【課題】
アンケートに対する記入内容の改竄の有無を検知する。
【解決手段】
ディスプレイ12に表示されるアンケートに対し、タッチパネル14で顧客に記入させる。携帯情報機器10は記入内容とアンケートからハッシュ値を計算する。セキュリティサーバ62のURLとハッシュ値が図形コードで携帯電話40に転送され、携帯電話40はサーバ62にハッシュ値をアップロードする。サーバ62はハッシュ値を収容するセキュリティトークンを生成する。携帯情報機器10は記入内容をデータサーバ34にアップロードする。記入内容の参照時に、携帯情報機器10は、記入内容とアンケートからハッシュ値を再計算する。携帯電話40又はセキュリティサーバ62で、記入時のハッシュ値と再計算ハッシュ値を照合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資料に対して電子的に記録される記入内容の改竄を検知する方法及びこの方法に用いる情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子ディスプレイ上に、加圧又は接触などにより位置座標を入力可能な入力機能を備えた「タッチパネルディスプレイ」の普及が進んでいる。タッチパネルディスプレイは主に、パーソナルコンピュータ(PC)及び種々の情報機器の操作及び文字入力に使われている。タッチパネルディスプレイを用いることで、ディスプレイ上に表示した書類に手書きの署名などを入力することも可能である。
【0003】
タッチパネルディスプレイを使って、署名を入力及び記録し、個人認証に使用するシステムが、特許文献1〜3に記載されている。
【0004】
また、複数者間で合意した文書を安全かつ低コストに保存することが可能な文書合意システムが特許文献4に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−271966号公報
【特許文献2】特開2003−203200号公報
【特許文献3】特開2000−194618号公報
【特許文献4】特開2009−273032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなタッチパネルディスプレイの利用方法の一例として、金融機関の外商員が顧客宅を訪問し、顧客に対して有価証券の募集または売り出しの提案交渉を行う場合を考える。外商員は目論見書を顧客に提示して説明を行う。多くの場合、外商員は、顧客が目論見書の内容を理解したことを確認する書類(以下では一般的に「アンケート」と表記する)を準備し、顧客の記入・署名を求める。アンケートは契約書ではなく、契約準備行為の証拠書類として作成・保管されるケースが多い。このアンケートの表示及び記入・署名は、タッチパネルディスプレイを用いることで電子的に処理することが可能である。しかし、電子データは本質的に改変が容易であるので、顧客が記入・署名した内容が改竄されていないことを保証する手段が必要となる。
【0007】
何らかの契約準備行為において証拠書類を作成する場合が、他にも多くある。このようなケースで、タッチパネルディスプレイを用いて電子的に記入・署名された書類の信頼性を保証するには、電子データの非改竄を証明する手段が必要となる。
【0008】
上記のアンケートの例では記入又は署名された書類の電子データを外商員が保有するPC又は携帯情報機器にそのまま保存するだけでは、非改竄を保証することは困難である。すなわち、電子データを保存すると同時にその電子データが改竄されないように保護するか、もしくはその電子データが改竄された場合にはそれを検知できるような対策を施す必要がある。
【0009】
本発明は、記入又は署名された電子化書類の非改竄を容易に検知できる改竄検知方法及びこの方法に用いる情報機器に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る改竄検知方法は、資料に対する記入内容の改竄の有無を検知する方法であって、当該資料を特定する資料特定情報と共に当該記入内容を第1の記憶手段に保管する記入内容保管ステップと、当該資料と当該記入内容を結合して所定ハッシュ関数でハッシュ値を記入時ハッシュ値として計算するハッシュ値計算ステップと、当該記入時ハッシュ値を暗号化してセキュリティトークンを生成するトークン生成ステップと、当該セキュリティトークンを、当該第1の記憶手段とは異なる場所に位置する第2の記憶手段に保管するトークン保管ステップと、当該記入内容の改竄を確認するために、当該記入内容を当該第1の記憶手段から読み出し、当該資料特定情報で特定される資料を読み出す読み出しステップと、当該読み出しステップで読み出した当該資料及び当該記入内容を結合して当該所定ハッシュ関数でハッシュ値を再計算するハッシュ値再計算ステップと、当該ハッシュ値再計算ステップで再計算されたハッシュ値と、当該セキュリティトークンに含まれる当該記入時ハッシュ値とを照合する照合ステップとを具備することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る情報機器は、資料を表示可能なディスプレイと、当該ディスプレイの表示面に配置されるタッチパネルと、遠隔の記憶装置と接続する通信手段と、当該通信手段を介して、当該資料に対して当該タッチパネルで入力された記入内容を、当該資料を特定する資料特定情報と共に遠隔の記憶装置に格納する手段と、当該資料と当該記入内容を結合して所定ハッシュ関数でハッシュ値を記入時ハッシュ値として計算するハッシュ値計算手段と、当該記入時ハッシュ値を含む図形コードを生成して、当該ディスプレイに表示させる図形コード生成手段と、当該記入内容の改竄を確認するために、当該通信手段を介して当該遠隔の記憶装置第1の記憶手段から当該記入内容を読み出し、当該資料特定情報で特定される資料を読み出す読み出し手段と、当該読み出し手段で読み出した当該資料及び当該記入内容を結合して当該所定ハッシュ関数でハッシュ値を再計算するハッシュ値再計算手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、タッチパネルディスプレイを用いた手書き入力による記入内容の電子データの改竄の有無の客観的証明が可能となり、証拠能力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。
【図2】本実施例におけるアンケート台紙への記入時の動作フローチャートである。
【図3】記入内容を確認する際の動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。ここでは、外商員が顧客に提示したアンケートに顧客が記入するケースを例に、本実施例の機能を説明する。
【0016】
外商員は、タッチパネルディスプレイを装備する携帯情報機器10を具備する。外商員は、所持する携帯電話(外商員携帯電話)30と、携帯電話網上に構築されたVPN(Virtual Private Network)網32を介して、携帯情報機器10を自社のデータサーバ34に接続することができる。携帯情報機器10と携帯電話30は、有線又は無線で相互に接続する。携帯電話30に相当する通信モジュールを携帯情報機器10に内蔵しても良い。
【0017】
データサーバ34は、顧客に提示すべきアンケート台紙を保存しており、後述するように、顧客が記入し、署名したアンケート(記入済みアンケート)も保存できる。データサーバ34には、現在日時を計時するタイマ又はリアルタイムクロック(RTC)36が接続する。データサーバ34は、タイマ36を参照して、データファイルを保存する際に、そのデータファイルに現在日時をタイムスタンプとして埋め込む。
【0018】
携帯情報機器10は、アンケート台紙及び図形コード等の種々のデータを画像として表示可能なディスプレイ12、ディスプレイ12の表示画面に重ねて設置され、自由筆記を入力可能なタッチパネル14を具備する。ディスプレイ12及びタッチパネル14は、いわゆるタッチパネルディスプレイを構成する。省電力から、ディスプレイ12には電子ペーパが好ましい。タッチパネル14は、記入の際に表面に手が触れても感知しない方が書き込みやすいという点で電磁誘導方式が好ましい。
【0019】
携帯情報機器10は、更に、通信回路16、フラッシュメモリ18、CPU20及びメモリ22を具備する。通信回路16は、外商員携帯電話30及びVPN網32を介してデータサーバ34と通信し、データサーバ34からアンケート台紙を受信し、記入内容等をデータサーバ34に送信するのに使用される。フラッシュメモリ18は、データサーバ34からダウンロードしたアンケート台紙、記入内容、及び、その他のデータを記憶するのに使用される。CPU20はメモリ22をワークエリアとして使用して、携帯情報機器10全体を制御する。
【0020】
顧客の所持する携帯電話(顧客携帯電話)40は、図形コード読み取り機能と、公衆網(携帯電話網)60を介して、第三者の設置するセキュリティサーバ62と通信する機能を具備する。具体的には、携帯電話40は、カメラ42、ディスプレイ44、通信回路46、フラッシュメモリ48、携帯電話ID(不揮発性メモリに記憶される)50、CPU52及びメモリ54を具備する。携帯電話40にインストールされた図形コード解読ソフトウエアを使って、カメラ42により図形コードを読み取ることができる。ディスプレイ44には、読み取られた図形コードの内容等が表示される。通信回路46は公衆網60に接続可能であり、携帯電話40は、公衆網60を介してセキュリティサーバ62との間で後述するデータを送受信できる。携帯電話ID50は、携帯電話40のユーザ(顧客)を特定する情報であり、例えば、携帯電話会社から付与される携帯電話番号、又は、ユーザ識別番号である。
【0021】
フラッシュメモリ48は、セキュリティサーバ62とやりとりするデータを記憶するのに使用される。CPU52はメモリ54をワークエリアとして使用して、携帯電話40の全体を制御する。CPU52上で、図形読み取りのプログラムが動作する。
【0022】
セキュリティサーバ62は、詳細を後述するように、顧客が記入した内容の改竄の有無を確認可能にするために設置される。セキュリティサーバ62には、現在日時を計時するタイマ又はリアルタイムクロック(RTC)64が接続する。セキュリティサーバ62は、タイマ64を参照して現在日時データを取得する。
【0023】
図2は、携帯情報機器10、携帯電話30、携帯電話40、データサーバ34及びセキュリティサーバ62間の動作フローを示す。図2を参照して、本実施例の動作を説明する。
【0024】
外商員は、顧客と対面する前に又は対面しつつ、携帯情報機器10に携帯電話30を接続し、データサーバ34からアンケート台紙をダウンロードする(S1)。そして、顧客の面前でディスプレイ12にアンケート台紙を表示する(S2)。顧客は、タッチパネル14及びこれに付属のスタイラスを使って、表示されたアンケート台紙の各設問に記入する(S3)。
【0025】
携帯情報機器10のCPU20は、アンケート台紙と記入内容とを一定の方法で結合又は一体化し、その結合結果に対して特定のハッシュ関数を用いてハッシュ値を計算する(S4)。CPU20は、セキュリティサーバ62のURLとハッシュ値とを示す図形コードを生成して、ディスプレイ12に表示し(S5)、外商員は、面前の顧客に図形コードの読み取りを促す。
【0026】
顧客は、自己の携帯電話40の図形コード読み取り機能を使って、携帯情報機器10のディスプレイ12に表示される図形コードを読み取らせる(S6)。携帯電話40のCPU52は、読み取った図形コードに含まれるURL及びハッシュ値をディスプレイ44に表示し、ユーザの接続指示に従い、当該URLで示されるサーバ、すなわち、セキュリティサーバ62にアクセスする。セキュリティサーバ62ではウェブアプリケーションケーションが起動し、顧客が、ウェブアプリケーション上で「登録」を選択すると、図形コードで読み取られたハッシュ値と自己の携帯電話40を特定する携帯電話ID50がセキュリティサーバ62にアップロードされる(S7)。
【0027】
セキュリティサーバ62は、受信したハッシュ値及び携帯電話IDを一体に保管し(S8)、ハッシュ値にタイマ64からの現在日時を加えて公開鍵暗号方式の秘密鍵で暗号化してセキュリティトークンを生成する(S9)。よく知られているとおり、公開鍵暗号方式で暗号化されたこのセキュリティトークンは、セキュリティサーバ62が公開している公開鍵で容易に復号化できるが、公開鍵だけの情報でセキュリティトークンを改竄することは極めて困難である。セキュリティサーバ62は、生成したセキュリティトークンと、秘密鍵に対応する公開鍵を携帯電話40に返信する(S10)。また、事後の照合のために、セキュリティサーバ62は、一定期間、セキュリティトークンを携帯電話IDに関連付けて保管し、期間経過後に消去する。
【0028】
携帯電話40は、セキュリティサーバ62からのセキュリティトークンと公開鍵をフラッシュメモリ48に格納し、セキュリティトークンの正常受信をディスプレイ44に表示する(S11)。顧客は、ディスプレイ44の画面でセキュリティトークンの正常受信を確認すると、携帯情報機器10のディスプレイ12に表示されるアップロードボタンを操作して、アンケート記入内容のアップロードを指示する(S12)。この指示に従い、携帯情報機器10は、アンケート用紙を特定する台紙番号、アンケート記入内容、及び、顧客を特定する顧客IDをデータサーバ34にアップロードする(S13)。なお、顧客情報(住所、電話番号及び顧客ID等)、アンケート用紙を特定する台紙番号、携帯電話30に通常装備されるGPS装置からの現在位置情報及び現在日時が、データサーバ34へのアップロードに際して、アンケート記入内容にメタ情報として付加される。データサーバ34は、アップロードされた台紙番号、アンケート記入内容及び顧客IDに、タイマ36からの現在日時データをタイムスタンプとして付加して、保管する(S14)。なお、台紙番号は、データサーバ34上でのデータ管理の目的で付加されているバージョン情報を含む。
【0029】
図3は、事後に顧客がアンケート記入内容を確認する際の動作フローを示す。例えば、外商員が顧客を再訪し、先のアンケート結果に基づき、更なる商談を進めるようなケースである。
【0030】
外商員は、携帯情報機器10を使って、訪問先の顧客によるアンケート記入内容をデータサーバ34上で検索し、発見された記入内容のメタデータから該当するバージョンのアンケート台紙も特定する(S21)。そして、データサーバ34から、アンケート台紙と記入内容を携帯情報機器10にダウンロードする(S22)。
【0031】
携帯情報機器10は、顧客の面前で、ダウンロードしたアンケート台紙とその記入内容をディスプレイ12に表示する(S23)。外商員又は顧客がタッチパネル14上の改竄確認ボタンを操作すると、携帯情報機器10は、アンケート台紙と記入内容から、アンケート記入時と同様のハッシュ関数に従いハッシュ値を再計算する(S24)。携帯情報機器10は、セキュリティサーバ62のURLと、再計算したハッシュ値と、記入内容をデータサーバ34に保管した日時とを示す図形コードを作成してディスプレイ12に表示する(S25)。
【0032】
顧客は、自己の携帯電話40で図形コードを読み取り、セキュリティサーバ62のURL、再計算ハッシュ値及び保管日時を復元する(S26)。携帯電話40のCPU52は、携帯情報機器10に表示されるアンケート台紙の記入内容に対するセキュリティトークンをフラッシュメモリ48に保持しているか否かを調べる(S27)。
【0033】
セキュリティトークンをフラッシュメモリ48に保持している場合、当該セキュリティトークンを公開鍵で解読して、アンケート記入時のハッシュ値を復元する(S28)。複数のセキュリティトークンを保持している場合、図形コードに含まれる記入内容の保管日時と、セキュリティトークンの保管日時を照合することで、対応するセキュリティトークンを決定できる。もちろん、日時が厳密に一致することは無いので、一定時間幅で検索することになる。携帯電話40のCPU52は、再計算ハッシュ値とアンケート記入時のハッシュ値を照合し(S29)、照合結果をディスプレイ44に表示する(S30)。
【0034】
対応するセキュリティトークンをフラッシュメモリ48に保持していない場合、携帯電話40は、図形コードに記載されたURLのセキュリティサーバ62にアクセスし、図形コードに含まれる再計算ハッシュ値と保管日時情報に携帯電話ID50を付加して、セキュリティサーバ62に送信する(S31)。
【0035】
セキュリティサーバ62は、携帯電話ID及び保管日時情報を参照し、アンケート記入時のセキュリティトークンを検索する(S32)。セキュリティトークンの保管日時を携帯電話40からの保管日時情報と一定の時間差範囲内で対比することで、該当するセキュリティトークンを限定できる。
【0036】
セキュリティサーバ62は、検索されたセキュリティトークンのハッシュ値(アンケート記入時のハッシュ値)と、再計算ハッシュ値を照合し(S33)、照合結果を携帯電話40に送信する(S34)。同一携帯電話IDに対して複数のセキュリティトークンが発見された場合、セキュリティサーバ62は、ハッシュ値の一致するものが見つかるまで、発見されたセキュリティトークンの解読とハッシュ値の照合(S33)を実行する。携帯電話40は、セキュリティサーバ62からの照合結果をディスプレイ44に表示する(S30)。
【0037】
照合結果として両ハッシュ値が一致する場合、記入内容は改竄されていないことになり、一致しない場合、携帯情報機器10に表示される記入内容は改竄されていたことになる。
【0038】
セキュリティサーバ62に格納するセキュリティトークン又は、その元となるハッシュ値及び携帯電話IDには、使用したアンケート台紙を特定する台紙番号を付加しても良い。こうすることにより、記入内容を照合する対象を特定しやすくなる。台紙番号に、外商員の勤務先の会社を特定する番号を含めることで、複数の会社のアンケートにも対応可能となることは明らかである。
【0039】
セキュリティトークンがセキュリティサーバ62に保管されておらず、携帯電話40にのみ保管されている場合、セキュリティサーバ62が、記入時のハッシュちと再計算ハッシュ値の照合を行っても良い。この場合、携帯電話40は、図形コードに含まれるハッシュ値と、フラッシュメモリ48に記憶されるセキュリティトークン及びその公開鍵とをセキュリティサーバ62に送信し、セキュリティサーバ62は、ステップS33,S34を実行する。これはまた、携帯電話30に、公開鍵によりセキュリティトークンを復号化するアプリケーションケーションがインストールされていない場合、又は、インストールできない場合に、適用可能である。
【0040】
以上に詳述したように、本実施例によると、顧客は外商員の会社が保有する機器を利用しながらも、記入内容の改竄の有無を、顧客自身が保有する携帯電話を用いて、主体的かつ客観的に確認できるようになる。顧客自身が行う作業は特別なアプリケーションを必要とせず、通信内容もハッシュ値化されたデータであるので容量は小さく、通信料金の負担も僅かである。
【0041】
外商員携帯電話30の識別情報、携帯情報機器の固有識別情報、及び、セキュリティトークンを生成した時の顧客の携帯電話30の位置情報といった付加的な情報をセキュリティトークンに埋め込むようにしても良い。すなわち、これらの情報を図形コードで顧客携帯電話40に転送し、携帯電話40がセキュリティサーバ62に転送する。これらの情報は、外商員が用いた機器類やそれを用いた場所の特定に役立つので、証拠能力を強化できる。
【0042】
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
10:携帯情報機器
12:ディスプレイ
14:タッチパネル
16:通信回路
18:フラッシュメモリ
20:CPU
22:メモリ
30:外商員携帯電話
32:VPN網
34:データサーバ
36:タイマ(RTC)
40:顧客携帯電話
42:カメラ
44:ディスプレイ
46:通信回路
48:フラッシュメモリ
50:携帯電話ID
52:CPU
54:メモリ
60:公衆網
62:セキュリティサーバ
64:タイマ(RTC)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
資料に対する記入内容の改竄の有無を検知する方法であって、
当該資料を特定する資料特定情報と共に当該記入内容を第1の記憶手段に保管する記入内容保管ステップと、
当該資料と当該記入内容を結合して所定ハッシュ関数でハッシュ値を記入時ハッシュ値として計算するハッシュ値計算ステップと、
当該記入時ハッシュ値を暗号化してセキュリティトークンを生成するトークン生成ステップと、
当該セキュリティトークンを、当該第1の記憶手段とは異なる場所に位置する第2の記憶手段に保管するトークン保管ステップと、
当該記入内容の改竄を確認するために、当該記入内容を当該第1の記憶手段から読み出し、当該資料特定情報で特定される資料を読み出す読み出しステップと、
当該読み出しステップで読み出した当該資料及び当該記入内容を結合して当該所定ハッシュ関数でハッシュ値を再計算するハッシュ値再計算ステップと、
当該ハッシュ値再計算ステップで再計算されたハッシュ値と、当該セキュリティトークンに含まれる当該記入時ハッシュ値とを照合する照合ステップ
とを具備することを特徴とする改竄検知方法。
【請求項2】
更に、
当該記入時ハッシュ値を含む図形コードを生成する図形コード生成ステップと、
当該図形コードを携帯端末で読み取り、当該図形コードに含まれる当該記入時ハッシュ値をセキュリティサーバに送信するハッシュ値送信ステップ
とを具備し、
当該トークン生成ステップが、セキュリティサーバが、当該記入時ハッシュ値と現在日時を示す日時情報とを公開鍵暗号化方式の秘密鍵で暗号化してセキュリティトークンを生成するステップを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の改竄検知方法。
【請求項3】
当該第2の記憶手段が、当該セキュリティサーバ及び当該携帯端末の何れかであることを特徴とする請求項2に記載の改竄検知方法。
【請求項4】
更に、当該資料をタッチパネルディスプレイで表示し、当該記入内容の記入を受け入れるステップを具備することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の改竄検知方法。
【請求項5】
資料を表示可能なディスプレイと、
当該ディスプレイの表示面に配置されるタッチパネルと、
遠隔の記憶装置と接続する通信手段と、
当該通信手段を介して、当該資料に対して当該タッチパネルで入力された記入内容を、当該資料を特定する資料特定情報と共に遠隔の記憶装置に格納する手段と、
当該資料と当該記入内容を結合して所定ハッシュ関数でハッシュ値を記入時ハッシュ値として計算するハッシュ値計算手段と、
当該記入時ハッシュ値を含む図形コードを生成して、当該ディスプレイに表示させる図形コード生成手段と、
当該記入内容の改竄を確認するために、当該通信手段を介して当該遠隔の記憶装置第1の記憶手段から当該記入内容を読み出し、当該資料特定情報で特定される資料を読み出す読み出し手段と、
当該読み出し手段で読み出した当該資料及び当該記入内容を結合して当該所定ハッシュ関数でハッシュ値を再計算するハッシュ値再計算手段
とを具備することを特徴とする情報機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−128757(P2012−128757A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281169(P2010−281169)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】