説明

改良されたフレキソ処理装置

【課題】処理されるフレキソ印刷要素の種類及び大きさ両方の柔軟性を増加させるための改良されたフレキソ処理装置、及び改良されたフレキソ処理装置を使用する方法を対象とする。
【解決手段】新規の熱版処理装置システムは、システムを最小限に変更するだけで平らな及び円形の感光性印刷要素の両方を処理可能である。熱版処理装置システムは、また、同一システムに露光及び後露光/粘着除去手段も含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、同時係属出願である米国出願第10/811,763号明細書(2004年3月29日出願)の一部継続出願であり、参照することにより全体を本願に援用する。
【0002】
本発明は、処理されるフレキソ印刷要素の種類及び大きさの柔軟性(flexibility)を増すための改良されたフレキソ処理装置、及び改良されたフレキソ処理装置を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
フレキソ印刷は、一般的に大量生産に使用される印刷方法である。フレキソ印刷は、紙、板紙素材、段ボール、フィルム、フォイル、及び合板等の多様な被印刷物に対する印刷に用いられる。新聞、及び食料雑貨入れの袋(grocery bag)が主な例である。平滑性の悪い面及び伸縮性フィルムは、フレキソ印刷を用いた場合のみ経済的に印刷可能である。フレキソ刷版は、画像要素を開口領域の上方とした凸版である。このような版は、主にその耐性及び作製容易性により、多くの長所をプリンターに提供する。
【0004】
感光性ポリマー印刷要素は、一般的に「平らな」シート形状で使用されるが、用途によっては、印刷要素をcontinuous In‐The‐Round(CITR)感光性ポリマースリーブとして連続円柱形状で使用するという特別な適用及び利点がある。CITR感光性ポリマースリーブは、フレキソ印刷プロセスにデジタル画像化、正確な位置決め、速い取り付け、版のリフトが無い等の利点を付加する。CITRスリーブは、壁紙、装飾用紙、ギフト用ラッピング包装紙、及びテーブルクロス等のその他の連続デザイン等、連続デザインのフレキソ印刷に利用される。CITRスリーブは、印刷の質に関してグラビア及びオフセットに対するフレキソ印刷の競争力をより高めることができる。
【0005】
製造業者により供給される標準的なフレキソ刷版は、バック層すなわち支持層、1つ以上の未露光の光硬化層、保護層すなわちスリップフィルム、及びカバーシートの順からなる多層体である。標準的なCITR感光性ポリマースリーブは、一般的に、スリーブキャリヤ(支持層)及び該支持層の上に少なくとも1つの未露光の光硬化層を備える。
【0006】
フレキソプリプレス印刷工業では、刷版から印刷へより迅速に進めるために、レリーフ像現像において印刷要素の化学処理の必要性を無くすことも非常に望まれている。感光性ポリマー刷版を熱を使用して作製し、硬化感光性ポリマーと未硬化感光性ポリマーの溶融温度の差を利用して潜像を現像するプロセスが開発されている。このプロセスの基本パラメータは、特許文献1〜8に開示されるように公知であり、これらの各内容を、参照することにより全体を本願に援用する。これらのプロセスにより、現像溶媒を除くこと、及び該溶媒を除去するために必要な版の長い乾燥時間を除くことが可能となる。このプロセスの速度及び効率性により、迅速な納期及び高い生産性が重要である新聞及び他の出版物印刷用のフレキソ刷版の製造への該プロセスの使用が可能となる。
【0007】
光硬化層は、所望の画像形成を可能にし、かつ印刷面を提供する。使用する光硬化組成物は、概して、バインダー、モノマー、光開始剤、及びその他の性能添加剤を含む。本発明の実施に際して有用な光硬化組成物は、特許文献9に記載の組成物を含み、その内容を参照することにより全体を本願に援用する。ポリスチレン−イソプレン−スチレン、ポリスチレン−ブタジエン−スチレン、ポリウレタンに基づく様々な感光性ポリマー及び/又はバインダーとしてのチオール−エン(thiolenes)が使用され得る。好適なバインダーは、ポリスチレン−イソプレン−スチレン、及びポリスチレン−ブタジエン−スチレンであり、特に好ましくは、前記のブロック共重合体である。
【0008】
光硬化層の組成は、硬化ポリマーと未硬化ポリマーとの溶融温度に実質的な相違がなければならない。まさにこの相違によって、加熱時に光硬化層への画像形成が可能となる。未硬化感光性ポリマー(即ち、光硬化層の化学線に接触しない部分)は、溶融又は実質的に軟化するが、硬化感光性ポリマーは、選択された温度で固体のまま変わらない。よって、溶融温度の相違により、未硬化感光性ポリマーの選択的除去が可能になり、結果的に画像が形成される。
【0009】
そして、印刷要素は、化学線に選択的にさらされて露光される。選択的露光は、概して3つの関連方法の1つで成し遂げられる。第1の方法は、透過領域、及びほぼ不透過な領域を有するネガを使用して、刷版要素に対する化学線の透過を選択的に遮断する。第2の方法は、感光性ポリマー層を、自身もレーザによってアブレーションされやすい化学線が(ほぼ)不透過な層で被覆する。そして、レーザを使用して、該化学線不透過層の選択された領域を除去し、その場(in situ)でネガを形成する。そして、印刷要素を該その場(in situ)で作製したネガを介してフラッド露光する。第3の方法は、化学線の集束ビームを使用して感光性ポリマーを選択的に露光する。これらの他の方法はいずれも、感光性ポリマーを化学線に選択的に露光する能力の基準条件を満たして、許容可能な結果を生じるので、感光性ポリマー部分が選択的に硬化される。
【0010】
印刷要素の光硬化層が化学線に選択的に露光されれば、熱を使用して現像が可能となる。そのように、印刷要素は、通常少なくとも約70℃に加熱される。正確な温度は、使用される特定の感光性ポリマーの特性によって決まる。しかしながら、現像温度の決定には2つの主な要因が考慮されるべきである。
1.現像温度は、好ましくは未硬化感光性ポリマーの下限溶融温度と硬化感光性ポリマーの上限溶融温度との間で設定する。これにより、感光性ポリマーの選択的な除去が可能であるため、結果的に画像が形成される。
2.現像温度が高ければ高いほど、工程所要時間はより少なくなる。しかしながら、現像温度は、硬化感光性ポリマーの溶融温度を超える程高すぎるべきではなく、又は硬化感光性ポリマーが劣化する程高すぎるべきではない。温度は、未硬化感光性ポリマーを溶融、又は実質的に軟化するのに十分であるべきで、これにより未硬化感光性ポリマーを除去することができる。
【0011】
加熱した印刷要素が現像されると、未硬化感光性ポリマーは、溶融すなわち除去可能となる。たいていの場合、加熱した印刷要素は、軟化又は溶融した未硬化感光性ポリマーを吸収あるいは除去する材料と接触させられる。この除去プロセスは、一般的に「拭取り(blotting)」と称される。拭取りは、一般的にスクリーンメッシュ又は吸収性布を使用して達成される。織布、又は不織布が使用され、布が使用温度に耐えることができる限り、布はポリマー製、又は紙であり得る。たいていの場合、拭取りは、材料及び加熱した刷版要素を接触させるためのローラーを使用して達成される。この方法の一例が、特許文献2に開示され、その内容を参照することにより全体を本願に援用する。
【0012】
拭取プロセスの完了状態で、刷版要素は、好ましくは、同じ機械で更に化学線による後露光、次いで冷却を経て印刷機に取り付け可能な状態となる。
【0013】
特定の用途に応じて、印刷要素は、他の任意の成分も含んでもよい。例えば、取扱中に層を保護するために、光硬化層上の除去可能なカバーシートを使用することが好ましいことが多い。カバーシートを使用する場合は、カバーシートは選択的に化学線に露光する直前、又は直後のいずれかに除去される。特許文献10及び11に開示されるスリップ層、又はマスク層等の他の層も使用可能であり、その内容を参照することにより全体を本願に援用する。
【0014】
従来、フレキソ印刷版を熱処理するために設計された装置は、より大きな特定の大きさ及び形状の版を収容するために設計され、実質的により大きく、かつ高価な装置となることを必要とする。さらに、現在の熱現像システムの多くにおける主な欠点の1つは、平板を用いる場合のみ使用でき、現像後に該平板を取り付けなければならないことである。この操作は、追加的な機械、及びより長い時間を要するので、多数の版と色との相互の登録が必要である場合、精度を欠くことにもなり得る。よって、依然として、当該技術において、様々な大きさ及び形状の印刷要素を処理するために、容易に適合可能な熱現像システムが必要とされている。
【0015】
さらに、未硬化感光性ポリマーを拭取るための加熱されたロールを使用する現在の熱現像システムは、一般的に、版とほぼ同じ幅の加熱されたロールを1つだけ使用するので、異なる大きさの印刷要素の作製がより困難となる。更に、より大きい印刷要素を収容するためにサーマルシステムの拭取機械をより大きくしようとする場合に、更なる問題が生じ得る。拭取材料を印刷要素上の画像に押し込むために強大な力(約100pli)を加熱されたロールで加えなければならないことである。この強大な力は、加熱されたロールがたわむ原因になり得るため、結果的に平らでない床部(floor)となる。更に、加熱及び拭取プロセスは、未硬化感光性ポリマーを効果的に除去するためにしばしば数回繰り返さなければならない。
【0016】
特許文献12は、被覆装置から取り外さずに、印刷要素をパターン被覆してマスクを形成し、次に印刷要素を化学線にさらして露光する方法を開示し、参照することにより全体を本願に援用する。しかしながら、特許文献12には、露光及び熱現像工程が同じ装置で遂行可能であることが示されていない。
【0017】
さらに、露光、現像、及び後露光/粘着除去(detack)工程が個別の装置で従来行われている。これは、露光装置から現像装置に印刷要素を移動する追加時間を必要とし、及び印刷要素の取扱により完成版の品質に影響を及ぼす可能性がある。よって、最終製品の品質及び精度を向上するために同じ装置で露光、現像、及び後露光/粘着除去工程を遂行するのが望ましい。
【0018】
In‐The‐Round(ITR)処理装置の現在の基本設計は、円柱状板(cylindrical plate)の処理に優れており、連続型及びプレートオンスリーブ(plate‐on‐sleeve)型を含む。しかしながら、ITR処理装置は、レーザ画像形成装置の装着シリンダと同等の機能を有するデバイスを有すれば、平板型及び円柱状板(round plate)型の両方に使用可能である。例えば、円柱状板(cylindrical plate)のユーザは、既存の設備を継続して使用することができ、基礎スリーブとマンドレルとの確実な適合を保証するために必要に応じてマンドレルを交換する。ユーザが平板の処理を望む場合は、マンドレルを、真空、物体クランプ、又は他の手段を使用してシリンダの外側に平板が取り付けできる装着シリンダに交換する。レーザ画像形成装置で既に使用されているように、版は自動で取り付けできる。さらに、現在のレーザ画像形成装着シリンダは、ITR型処理装置に直接使用可能である。
【0019】
現在のレーザ画像形成装置は、装着シリンダを用いて、マスクがレーザアブレーションされるように平板材料を該シリンダの外側に取り付け可能である。例えば、クレオ社及びエスコグラフィックス社等の市販のレーザ画像形成装置が使用可能である。これらのレーザ画像形成装置のいくつかは、平板が自動で画像形成装置に引きつけられ、真空、エッジクランプ、又は真空かつエッジクランプ等の適切な手段で装着シリンダに保持される特徴を含む。熱版処理(thermal plate processing)中に、この技術の特徴を使用することが非常に望ましい。
【0020】
本発明の発明者らは、平板及びCITR印刷要素の両方を処理するために使用可能な、製造業者が大きさを容易に拡大縮小できる更なる利点を有する改良されたサーマルフレキソ処理装置を開発した。さらに、そのような装置は、単一装置を、単一システムでデジタルアブレーション、露光、処理、及び後露光工程を組み合わせることが可能な方法で、フレキソ版処理に必要な他の処理と組み合わせることができる。最終的な目的は、わずかな変更だけで平らな及び円形の感光性印刷要素の両方を処理可能な熱版処理装置(thermal plate processor)を作製し、システムのユーザにかつて無い柔軟性を提供することである。
【0021】
【特許文献1】米国特許第5,279,697号明細書
【特許文献2】米国特許第5,175,072号明細書(Martens)
【特許文献3】米国特許第3,264,103号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2003/0180655号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2003/0211423号明細書
【特許文献6】国際公開第01/88615号パンフレット
【特許文献7】国際公開第01/18604号パンフレット
【特許文献8】欧州特許出願公開第1239329号明細書
【特許文献9】米国特許出願第10/353,446号明細書(2003年1月29日出願)
【特許文献10】米国特許第5,925,500号明細書(Yang他)
【特許文献11】米国特許第6,238,837号明細書(Fan)
【特許文献12】米国特許第6,180,325号明細書(Gelbart)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、異なる大きさ及び形状の印刷要素を早急かつ容易に交換可能に処理できる改良された版処理装置システムを提供することである。
さらに、本発明の目的は、製造プロセスの複数工程を単一システムで行うことができる改良された版処理装置システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
そのため、本発明は、フレキソ印刷要素を製造するための改良された版処理装置システムを対象とし、版処理装置システムは下記を備える。
駆動システム、
駆動システムに交換可能に連結する回転支持体、
フレキソ印刷要素を回転支持体に固定する手段、
フレキソ印刷要素の画像形成表面を化学線にさらすことにより露光する手段、
フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面を熱現像する手段、及び
任意で、フレキソ印刷要素を後露光、及び粘着除去する手段。
【0024】
本発明は、また、従来よりも大幅な柔軟性を有するフレキソ印刷要素を製造するための本発明の版処理装置システムの使用方法を対象とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、平板及びCITR印刷要素の両方の処理に使用できる改良されたサーマルフレキソ処理装置を対象とし、製造業者が大きさを容易に拡大縮小できるという利点を更に有する。ほとんどのフレキソ版処理装置の欠点は、印刷要素を取り付けるシリンダの長さによって制限されることである。従って、本発明の新規のフレキソ版処理装置の主な利点は、様々な大きさ及び形状の印刷要素が処理可能なことである。
【0026】
本発明は、機械をより長くするために追加可能な様々な大きさのスペーサを用いて設計される単一の機械を対象とするので、より広範囲の大きさの版を処理可能である。このように設計される版処理装置は、使用されるマンドレル又はシリンダの長さにだけ制限されるため、同様の機械設計を広範囲の機械サイズにわたって容易に用いることができる。このことは、処理デバイス、圧力及び拭取ロールユニットが、一度に幅全体を横切るというよりもむしろシリンダの長さ方向を横切って移動するため可能である。この変更を有効にするために、シリンダの大きさ及び長さが異なることが必要であるが、版の大きさ毎に異なるシステムを必要とする場合に比べて、本発明の改良されたシステムの最終的な複雑性及び費用は極めて少ない。
【0027】
また、他の実施形態は、処理時間を早めるために、第2又は第3の処理装置を本発明のより大きいシステムに加えることも出来る。
【0028】
改良された本発明の熱処理装置は、また、版を製造時の状態から印刷可能な状態にするために必要な他のプロセスと非常に組み合わせやすい。レーザマスクアブレーション、紫外線露光、及び後露光等の他のプロセスが容易に適合でき、本発明の版及びスリーブ用熱処理システムを用いて直線的に次々と操作する。個別のユニットで必要とされる小さなスペース部分だけを使用して、本発明の全ての機能を実施できる単一システムを使用することもできる。
【0029】
本発明は、改良されたフレキソ版処理装置システム、及びフレキソ印刷要素を製造するためのフレキソ版処理装置システムの使用方法に関する。改良されたフレキソ版処理装置システムは、同一システムで版製造プロセスのいくつかの工程を組み合わせたものであり、画像形成、露光、現像及び後露光/粘着除去工程のいくつか又は全てを含む。
【0030】
本発明のフレキソ版処理装置で処理されるフレキソ印刷要素は、概して、光硬化性印刷ブランクを画像形成して、印刷要素の表面上にレリーフ像を形成することにより作製される。この画像形成工程は、一般的に光硬化性材料を化学線に選択的に露光することで達成され、該露光は、照射領域で光硬化性材料を硬化すなわち架橋するように作用し、フレキソ版処理装置で行われるか、又は本発明のフレキソ版処理装置システムにより版が処理される前に行われるのがよい。画像形成工程で架橋すなわち硬化しない領域は、次の現像工程で除去される。
【0031】
好適な実施形態において、本発明の新規の熱現像システムは、露光装置と一体化されているため、印刷要素を露光装置から取り除いて現像システムに取り付ける必要がなく、印刷要素が同じシステムで露光及び現像される。他の実施形態において、本発明のシステムは、露光及び現像された印刷要素の後露光/粘着除去手段も備える。
【0032】
光硬化性印刷ブランクは、適切なバック層上に未硬化の光硬化性材料からなる層を1つ以上備える。光硬化性印刷ブランクは、連続(シームレス)スリーブの形態が、すなわち、キャリアスリーブに取り付ける平板として、可能である。
【0033】
本発明は、印刷スリーブ及び平板の両方を含むフレキソ印刷要素を製造するための改良された版処理装置システム(10)を対象とする。改良された版処理装置システム(10)は、駆動システム(6)及び駆動システム(6)に交換可能に連結する回転支持体(2)を備える。回転支持体(2)は、回転支持体(2)にフレキソ印刷要素(16)を固定する手段を備える。改良された版処理装置システム(10)は、また、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面を熱現像する手段も備える。好ましくは、本発明の改良された版処理装置システム(10)は、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面を化学線にさらすことにより露光する手段を備える。好ましくは、本発明の改良された版処理装置システム(10)は、また、フレキソ印刷要素(16)の後露光及び粘着除去手段を任意に備える。
【0034】
一実施形態において、フレキソ印刷要素(16)は平板であり、回転支持体(2)は装着シリンダである。この実施形態において、装着シリンダ(回転支持体(2))にフレキソ印刷要素(16)を固定する手段は、好ましくは、物体クランプ、磁気クランプ、真空、及びこれらの組合せからなる群より選択される。装着シリンダ(2)にフレキソ印刷要素(16)を固定する他の手段もまた、当業者に公知であり、本発明で使用可能である。
【0035】
他の実施形態において、フレキソ印刷要素(16)は、実質的にシームレス感光性印刷スリーブであり、回転支持体(2)は、マンドレルである。印刷スリーブは、米国出願第10/754,297号明細書(2004年1月9日出願)に開示されるようにマンドレルに一体形成され、この内容を参照することにより全体を本願に援用する。また、印刷スリーブは予備形成され、そして、両面テープ等の接着剤を使用してマンドレルに取り付けられる。
【0036】
駆動システム(6)は、回転支持体(2)の回転等の運動を制御するために使用する。様々な長さの回転支持体(2)を収容するために、1つ以上のスペーサ(4)が回転支持体(2)を駆動システム(6)に連結するために使用するのがよい。単一版処理装置システムで処理される様々な形状又は大きさのフレキソ印刷要素の処理において、柔軟性をさらに増すことができるため、これは、本発明のシステムの主要な特徴である。
【0037】
本発明のシステムの他の主要な特徴は、制御部(7)、一般的には、マイクロプロセッサの使用である。制御部(7)は、本発明のフレキソ版処理装置システムで処理されるフレキソ版の様々な寸法に対するデータをプログラミングする。さらに、1つ以上のセンサがフレキソ印刷要素の寸法を決めるために使用され、制御部に連結しデータを制御部に提供する。制御部(7)は、駆動システム(6)に連結可能であり、露光手段、熱現像手段、及び/又は後露光/粘着除去手段の少なくとも1つの運動を制御する往復キャリッジ(26)(図2に最良に示す)に連結可能でもある。よって、キャリッジの速度及び往復運動と同様に回転支持体の回転速度は、良好な結果を得るために制御部(7)により調整可能であり、もって、良好な結果が得られる。
【0038】
図2に示すように、本発明の版処理装置システム(10)は、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面を熱現像するための熱現像装置(11)を備える。熱現像装置(11)は、フレキソ印刷要素(16)の露光された画像形成表面上の未架橋感光性ポリマーを軟化又は溶融する手段、フレキソ印刷要素(16)の露光された画像形成表面上の軟化又は溶融した未架橋感光性ポリマーを除去するために、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)と接触可能で且つフレキソ印刷要素(16)の画像形成表面の少なくとも一部上を移動可能な少なくとも1つのロール(12)、及び少なくとも1つのロール(12)とフレキソ印刷要素(16)の露光された画像形成表面との接触を維持する手段を備える。
【0039】
熱現像装置は、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)の少なくとも一部上で少なくとも1つのロール(12)を回転して、フレキソ印刷要素の画像形成表面(14)から未架橋感光性ポリマーを除去する。好ましくは、少なくとも1つのロール(12)は、第1方向(30)に回転し、且つ円柱状フレキソ印刷要素(16)は、少なくとも1つのロール(12)とは反対方向(32)に回転する。
【0040】
熱現像装置は、少なくとも1つのロール(12)を円柱状フレキソ印刷要素の長さ方向に沿って横移動可能にする手段(図2)を備え、該手段は、通常1つ以上の往復キャリッジ(26)を備える。この設計上の特徴の利点は、印刷要素の表面を横切るロールの移動により、本発明の改良された熱現像装置が様々な長さ及び直径の印刷要素に対応して調整可能となることである。この場合、少なくとも1つのロール(12)は、印刷要素を長さ方向すなわち外周に沿って回転し、また、印刷要素の幅方向に沿って回転軸に平行な方向にも移動する。
【0041】
フレキソ印刷要素(16)の露光された画像形成表面上の未架橋感光性ポリマーを軟化又は溶融する手段は、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)の少なくとも一部上を移動する少なくとも1つのロール(12)の加熱、及び/又は、ロール(12)の前に配置された外部加熱源(50)を含み、フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面上の未架橋感光性ポリマーが軟化又は溶融され、そして、ロール(12)により除去される。外部加熱源(50)もまた、加熱したロール(12)と連動して使用される。外部加熱源(50)が用いられる場合には、一般的に、赤外線加熱器又は熱風加熱器であるが、他の加熱源もまた本発明の実施に使用可能であり、当業者に公知である。加熱源は、好ましくは、赤外線加熱器である。
【0042】
好適な実施形態において、フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面に接触する少なくとも1つのロールを加熱することで、フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面上の未架橋感光性ポリマーが溶融又は軟化する。他の実施形態において、未架橋感光性ポリマーを軟化又は溶融するために加熱器をフレキソ印刷要素の露光された画像形成表面に隣接配置することでフレキソ印刷要素の露光された画像形成表面上の未架橋感光性ポリマーは溶融又は軟化され、そして、少なくとも1つのロールにより除去される。加熱されたロール及び赤外線加熱器は、また、未架橋感光性ポリマーの除去を更に促進するために一緒に使用される。使用される場合は、少なくとも1つの加熱されたロールは、通常、未硬化感光性ポリマーの下限溶融温度と硬化感光性ポリマーの上限溶融温度との間の温度に維持される。これにより、感光性ポリマーの選択的な除去が可能となり、画像が形成される。好ましくは、少なくとも1つの加熱されたロールは、約華氏350度から約華氏450度の温度に維持される。
【0043】
フレキソ印刷要素(16)の露光された画像形成表面に接触する少なくとも1つのロールは、互いに近接及び離間して対向配置可能であり且つフレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)との接触をそれぞれ維持可能である2つのロール(12)及び(24)を有する。2つのロール(12)及び(24)が、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)と接触する際に、2つのロール(12)及び(24)は、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)に対してセルフセンタリングする。
【0044】
図5に示す他の実施形態において、熱現像装置は、円柱状フレキソ印刷要素(16)の反対側の対向位置に配置可能な1つ以上の追加的なロール(40)及び(42)を更に備える。1つ以上の追加的なロール(40)及び(42)は、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)の少なくとも一部との接触を維持可能である。1つ以上の追加的なロール(40)及び(42)は、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)と接触する際に、画像形成速度だけでなくフレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)からの樹脂の除去量も増加可能である。2つの追加的なロール(40)及び(42)の使用により、大きな平面機械において平らでない床部(floor)を生じる可能性があるロールのたわみ、及び機械の剛性設計問題も排除し得る。また、拭取材料と樹脂とが互いに反発し合うので、拭取材料を樹脂に押し込むために高い押力が必要である。よって、本発明の改良された設計上の特徴により、プロセス間に印刷スリーブを支持するための非常により軽い材料(すなわち、スチール製支持軸の代わりにファイバーグラス)の使用が可能となる。
【0045】
印刷要素は、化学線に選択的に露光される。好適な実施形態において、印刷要素は、レーザアブレーションされやすい一般的にカーボンブラックを含む化学線(ほぼ)不透過層で被覆する感光性ポリマー層を有する。レーザは、好ましくは、赤外線レーザであり、該化学線不透過層の選択された領域を除去するために使用され、その場(in situ)でネガを形成する。この手法は公知であり、米国特許第5,262,275及び6,238,837号明細書(Fan)、並びに米国特許第5,925,500号明細書(Yang他)に開示され、これらの各内容を参照することにより全体を本願に援用する。
【0046】
そして、レーザアブレーション間に露呈された感光性ポリマー層の選択領域は、化学線に露光され、その場(in situ)で作製したネガに覆われていない感光性ポリマー層部分が架橋及び硬化する。使用する放射線の種類は、光重合可能な層中の光開始剤の種類によって決まる。光重合可能な層上に残る赤外線感光層中の放射線不透過材料は、その下にある材料の放射線照射を防止するため、放射線不透過材料によって保護されるこれらの領域は重合しない。放射線不透過材料に保護されない領域は、化学線照射されて重合し、架橋及び硬化する。
【0047】
図2に示す本発明の改良された版処理装置システム(10)は、通常、フレキソ印刷要素(16)の長さ方向を横移動可能な往復キャリッジ(26)に取り付けられた1つ以上の化学線源(52)を含む。1つ以上の化学線源(52)は、通常、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)を選択的に露光及び硬化可能な1つ以上の紫外線源を備える。この露光工程に使用可能な従来の化学線源は、適切な可視線、すなわち紫外線源は、カーボンアーク、水銀アーク、蛍光灯、電子フラッシュ装置、電子ビーム装置、及び写真用フラッドランプ等が挙げられる。必要であれば、1つ以上の化学線源は、フレキソ印刷要素(16)の過度の加熱を防ぐためにフィルターを含む。
【0048】
往復キャリッジ(26)は、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)の長さ方向上を1つ以上の化学線源(52)を横移動してフレキソ印刷要素(16)を硬化する。キャリッジ(26)がフレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)の長さ方向を横移動する間に、フレキソ印刷要素(16)は、第1方向(30)に継続的に回転し、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面全体が露光されてフレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)が硬化する。
【0049】
少なくとも1つのロール(12)は、1つ以上の化学線源(52)と同じキャリッジ(26)に取り付けられるか、又は、1つ以上の化学線源(52)とは別のキャリッジ(不図示)に取り付けられる。図3に示すように、装置は、また、少なくとも1つのロール(12)とフレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)との間で接触を維持する手段(18)を備える。
【0050】
次に、印刷要素の感光性ポリマー層が熱現像されて、感光性ポリマー層の硬化部分に支障をきたさずに感光性ポリマーの未硬化(すなわち、未架橋)部分が除去され、所望のレリーフ像が形成される。少なくとも1つのロール(12)は、1つ以上の化学線源(52)が予め横移動したフレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)の少なくとも一部上を移動して、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)上の未架橋感光性ポリマーを除去する。
【0051】
好適な実施形態において、フレキソ印刷要素(16)は、第1方向(30)に回転すると同時に、ロール(12)が第2方向(32)に回転する。フレキソ印刷要素(16)は、露光及び現像工程間に第1方向(30)に継続的に回転することで、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)全体が露光及び現像可能となる。キャリッジ(26)がフレキソ印刷要素(16)の長さ方向を横移動するにつれて印刷要素が回転するこのプロセスの螺旋性が、全ての大きさの印刷要素(16)の全域で均一な露光及び現像を確実にする。
【0052】
少なくとも1つのロール(12)とフレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)との接触を維持するための手段(18)は、通常、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)に対して少なくとも1つのロール(12)を押し付けるように作動する空気シリンダ又は油圧シリンダを含む。少なくとも1つのロール(12)とフレキソ印刷要素(16)との接触を維持する他の手段もまた当業者に公知である。
【0053】
好適な実施形態において、拭取材料(20)は、少なくとも1つのロール(12)の少なくとも一部上に配置される。よって、少なくとも1つのロール(12)が加熱されてフレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)と接触する際に、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)上の未架橋感光性ポリマーは、加熱されたロール(12)により溶融され、及び拭取材料(20)により除去される。また、加熱源(50)は、未架橋感光性ポリマーを溶融又は軟化し、少なくとも1つのロールの少なくとも一部に配置する拭取材料(20)が溶融又は軟化したポリマーを除去する。
【0054】
拭取材料(20)は、通常、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)と接触する少なくとも1つのロール(12)の少なくとも一部の下部、及び周りに掛架される。拭取材料(20)は、拭取材料(20)の離れた材料源(不図示)から少なくとも1つのロール(12)に継続的に供給される。巻取装置(不図示)は、除去した未架橋感光性ポリマーを含んだ拭取材料(20)を取り除くために使用される。拭取材料は、好ましくは、紙、織布又は不織布を含む。使用可能な拭取材料は、スクリーンメッシュ、及び吸収性布を含み、ポリマー製、及び非ポリマー製の布を含む。
【0055】
他の実施形態において、熱現像装置は、少なくとも1つのロール(12)又は(24)に隣接配置可能であるドクターブレード(28)を含み、第2のロール(24)に隣接配置されて示される。ドクターブレードは、拭取ロールの代わりに使用される。少なくとも1つのロール(24)がフレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)から未架橋感光性ポリマーを除去する際に、ドクターブレード(28)は、少なくとも1つのロール(24)の表面から未架橋感光性ポリマーを拭取る。
【0056】
拭取材料(20)は、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)と接触可能な第1のロール(12)の少なくとも一部の下部及び周りに拭取材料(20)を掛架し、2つのロール(12)及び(24)の間に配置される1つ以上の軌道ロール(36)の周りに拭取材料(20)を掛架し、そして、フレキソ印刷要素(16)の画像形成表面(14)と接触可能な第2のロール(24)の少なくとも一部の下部及び周りに拭取材料(20)を掛架することで、2つのロール(12)及び(24)に継続的に供給され得る。
【0057】
図2に示すとおり、本発明の改良された版処理装置システム(10)は、フレキソ印刷要素(16)が1つ以上の紫外線(52)で露光され、且つ少なくとも1つのロール(12)で熱現像されるとすぐに、フレキソ印刷要素(16)を粘着除去、及び後硬化する装置(54)を更に含む。本発明の改良された版処理装置システム(10)内で粘着除去、及び後硬化する装置(54)を使用すると、印刷要素の取扱、すなわち、印刷要素を次の装置に移動する必要が無くなり、より正確で精密な印刷要素を提供する。
【0058】
本発明は、また、フレキソ印刷要素の製造方法を対象とする。好適な実施形態において、熱現像工程において未架橋感光性ポリマーを除去する直前に、フレキソ印刷要素を選択的に化学線に露光して、フレキソ印刷要素の画像形成部分を選択的に架橋及び硬化する。
【0059】
方法は、概して、次の工程を含む。
a)フレキソ印刷要素を適切な(すなわち回転可能な)支持体に固定する工程。
b)回転支持体を駆動システムに連結し、回転支持体を回転させる工程。
c)フレキソ印刷要素の画像形成表面を化学線にさらすことにより露光して架橋及び硬化する工程。
d)フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面上の未架橋感光性ポリマーの溶融及び軟化のいずれかを行う工程。
e)フレキソ印刷要素の画像形成表面と少なくとも1つのロールとを接触させる工程。
f)フレキソ印刷要素の画像形成表面の少なくとも一部に対して少なくとも1つのロールを回転して、フレキソ印刷要素の画像形成表面から軟化及び溶融のいずれかを行った未架橋感光性ポリマーを除去する工程。
g)任意で、好ましくは、画像形成及び現像されたフレキソ印刷要素を後露光及び粘着除去する工程。
【0060】
少なくとも1つのロールは、円柱状フレキソ印刷要素を長さ方向に螺旋状に、又は段階的に横移動可能である。好適な実施形態において、全ての未架橋感光性ポリマーがフレキソ印刷要素の画像形成表面から除去されるまで、少なくとも1つのロールは、フレキソ印刷要素を長さ方向に1回、又は複数回横移動する。ロールは、回転軸がフレキソ印刷要素の回転軸と平行でなく、フレキソ印刷要素の回転軸に対して直角であるような角度も成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、本発明の熱版処理装置システムの一実施形態を示す図である。
【図2】図2は、本発明の熱版処理装置システムの異なる図であり、印刷要素を露光、現像、及び後露光/粘着除去するための往復キャリッジを示す図である。
【図3】図3は、本発明の熱版処理装置システムの熱現像部を示す図である。
【図4】図4は、印刷要素の長さ方向を横移動する加熱ロールの運動を示す熱版処理装置システムの熱現像部を示す他の図である。
【図5】図5は、対向するヘッドを使用して、画像形成速度を向上させ、ロールのたわみ、及び機械の剛性設計問題を排除した本発明の熱版処理装置システムの他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
2 回転支持体
4 スペーサ
6 駆動システム
7 制御部
10 版処理装置システム
14 画像形成表面
16 フレキソ印刷要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動システム、
前記駆動システムに交換可能に連結する回転支持体、
フレキソ印刷要素を前記回転支持体に固定する手段、
前記フレキソ印刷要素の画像形成表面を化学線にさらすことにより露光する手段、及び
前記フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面を熱現像する手段を備え、
前記フレキソ印刷要素を後露光及び粘着除去する手段を任意に備える
ことを特徴とするフレキソ印刷要素を製造するための版処理装置システム。
【請求項2】
フレキソ印刷要素は平板であり、回転支持体は装着シリンダである請求項1に記載の版処理装置システム。
【請求項3】
フレキソ印刷要素を装着シリンダに固定する手段は、物体クランプ、磁気クランプ、真空、及びこれらの組合せからなる群より選択される請求項2に記載の版処理装置システム。
【請求項4】
フレキソ印刷要素は、実質的にシームレス感光性印刷スリーブであり、回転支持体はマンドレルである請求項1に記載の版処理装置システム。
【請求項5】
印刷スリーブをマンドレルに固定する手段は、前記印刷スリーブを前記マンドレルに一体形成する請求項4に記載の版処理装置システム。
【請求項6】
印刷スリーブをマンドレルに固定する手段は、接着剤である請求項4に記載の版処理装置システム。
【請求項7】
駆動システムは、前記駆動システムに回転支持体を連結する1つ以上のスペーサを含み、前記1つ以上のスペーサは、様々な長さの回転支持体を使用可能にする請求項1に記載の版処理装置システム。
【請求項8】
フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面を熱現像する手段は、
a)前記フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面上の未架橋感光性ポリマーの軟化及び溶融のいずれかを行う手段、
b)前記フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面上で軟化及び溶融のいずれかが行われた未架橋感光性ポリマーを除去するために、前記フレキソ印刷要素の画像形成表面と接触可能で且つフレキソ印刷要素の画像形成表面の少なくとも一部上を移動可能な少なくとも1つのロール、及び
c)前記少なくとも1つのロールと前記フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面との接触を維持する手段
を備える請求項1に記載の版処理装置システム。
【請求項9】
駆動システムを制御する手段を備え、前記駆動システムを制御する手段はマイクロプロセッサを備える請求項1に記載の版処理装置システム。
【請求項10】
露光手段、熱現像手段、及び後露光/粘着除去手段の少なくとも1つの操作を制御する手段を更に備える請求項9に記載の版処理装置システム。
【請求項11】
露光手段、熱現像手段、及び後露光/粘着除去手段の少なくとも1つの操作を制御する手段は、フレキソ印刷要素の寸法を検出し、前記フレキソ印刷要素の寸法に関する情報を駆動システムの制御部に伝える1つ以上のセンサを更に備える請求項10に記載の版処理装置システム。
【請求項12】
フレキソ印刷要素の画像形成表面を化学線にさらすことにより露光する手段は、1つ以上の紫外線を備える請求項1に記載の版処理装置システム。
【請求項13】
1つ以上の紫外線は、往復キャリッジに取り付けられ、フレキソ印刷要素が第1方向に回転するにつれて、前記往復キャリッジは、前記フレキソ印刷要素の長さ方向を横移動する請求項12に記載の版処理装置システム。
【請求項14】
拭取材料が、少なくとも1つのロールの少なくとも一部上に配置され、前記少なくとも1つのロールがフレキソ印刷要素の画像形成表面と接触する際に、前記フレキソ印刷要素の画像形成表面上の未架橋感光性ポリマーが前記拭取材料により除去される請求項8に記載の版処理装置システム。
【請求項15】
拭取材料が、フレキソ印刷要素の画像形成表面と接触する前記少なくとも1つのロールの少なくとも一部の下部及び周りに掛架される請求項14に記載の版処理装置システム。
【請求項16】
拭取材料が、離れた拭取材料源から少なくとも1つのロールに継続的に供給される請求項15に記載の版処理装置システム。
【請求項17】
除去した未架橋感光性ポリマーを含む拭取材料を取り除く巻取装置を更に備える請求項15に記載の版処理装置システム。
【請求項18】
少なくとも1つの加熱可能なロールとフレキソ印刷要素の画像形成表面との接触を維持する手段は、前記少なくとも1つの加熱可能なロールを前記フレキソ印刷要素の画像形成表面に対して押し付ける空気シリンダ及び油圧シリンダのいずれかを備える請求項8に記載の版処理装置システム。
【請求項19】
少なくとも1つのロールは、フレキソ印刷要素の画像形成表面の少なくとも一部上を回転する請求項8に記載の版処理装置システム。
【請求項20】
少なくとも1つのロールが、第1方向に回転し、フレキソ印刷要素が、前記少なくとも1つのロールとは反対方向に回転する請求項19に記載の版処理装置システム。
【請求項21】
少なくとも1つのロールが、フレキソ印刷要素の長さ方向を横移動可能にする手段を更に備える請求項8に記載の版処理装置システム。
【請求項22】
フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面上の未架橋感光性ポリマーの軟化及び溶融のいずれかを行う手段は、前記フレキソ印刷要素の画像形成表面と接触可能な少なくとも1つのロールを加熱する請求項8に記載の版処理装置システム。
【請求項23】
フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面上の未架橋感光性ポリマーの軟化及び溶融のいずれかを行う手段は、前記フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面を加熱する加熱器に隣接配置される請求項8に記載の版処理装置システム。
【請求項24】
加熱器が赤外線加熱器及び熱風加熱器のいずれかである請求項23に記載の版処理装置システム。
【請求項25】
フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面上の未架橋感光性ポリマーの軟化及び溶融のいずれかを更に行うために、前記フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面に隣接配置される加熱器を更に含む請求項22に記載の版処理装置システム。
【請求項26】
a)フレキソ印刷要素を回転支持体に固定する工程、
b)前記回転支持体を駆動システムに連結し、前記回転支持体を回転させる工程、
c)前記フレキソ印刷要素の画像形成表面を化学線にさらすことにより露光して架橋及び硬化する工程、
d)前記フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面上の未架橋感光性ポリマーの溶融及び軟化のいずれかを行う工程、
e)前記フレキソ印刷要素の画像形成表面と少なくとも1つのロールとを接触させる工程、及び
f)前記フレキソ印刷要素の画像形成表面の少なくとも一部に対して前記少なくとも1つのロールを回転して、前記フレキソ印刷要素の画像形成表面から前記軟化及び溶融のいずれかを行った未架橋感光性ポリマーを除去する工程を含み、
g)画像形成及び現像されたフレキソ印刷要素を後露光及び粘着除去する工程を任意に含むフレキソ印刷要素の製造方法。
【請求項27】
フレキソ印刷要素は平板であり、回転支持体は装着シリンダである請求項26に記載の方法。
【請求項28】
フレキソ印刷要素は、物体クランプ、磁気クランプ、真空、及びこれらの組合せからなる群より選択される手段により装着シリンダに固定される請求項27に記載の方法。
【請求項29】
フレキソ印刷要素は、実質的にシームレス印刷スリーブであり、回転支持体はマンドレルである請求項26に記載の方法。
【請求項30】
印刷スリーブは、マンドレルに一体形成される請求項29に記載の方法。
【請求項31】
印刷スリーブは、接着剤を使用してマンドレルに固定される請求項29に記載の方法。
【請求項32】
駆動システムは、前記駆動システムに回転支持体を連結する1つ以上のスペーサを含むことで、様々な長さの回転支持体が使用される請求項26に記載の方法。
【請求項33】
1つ以上の化学線源が、1つ以上の紫外線を含む請求項26に記載の方法。
【請求項34】
1つ以上の化学線源が、フレキソ印刷要素の長さ方向を横移動する請求項33に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも1つのロールが、フレキソ印刷要素の長さ方向を横移動する請求項26に記載の方法。
【請求項36】
少なくとも1つのロールが、フレキソ印刷要素の長さ方向を複数回横移動する請求項35に記載の方法。
【請求項37】
少なくとも1つのロールが、フレキソ印刷要素の長さ方向を螺旋状及び段階的のいずれかで横移動する請求項36に記載の方法。
【請求項38】
少なくとも1つのロールが、第1方向に回転し、フレキソ印刷要素が、前記少なくとも1つのロールとは反対方向に回転する請求項35に記載の方法。
【請求項39】
空気シリンダ及び油圧シリンダのいずれかは、少なくとも1つのロールとフレキソ印刷要素の画像形成表面との接触を維持するために使用される請求項35に記載の方法。
【請求項40】
フレキソ印刷要素の画像形成表面と接触する少なくとも1つのロールの少なくとも一部が拭取材料で覆われ、前記拭取材料が、前記フレキソ印刷要素の画像形成表面から未架橋感光性ポリマーを除去する請求項35に記載の方法。
【請求項41】
拭取材料が、フレキソ印刷要素の画像形成表面と接触する少なくとも1つのロールの少なくとも一部の下部及び周りに掛架される請求項40に記載の方法。
【請求項42】
拭取材料が、離れた拭取材料源から少なくとも1つのロールに継続的に供給される請求項41に記載の方法。
【請求項43】
除去した未架橋感光性ポリマーを含む拭取材料が、巻取装置に巻き取られる請求項42に記載の方法。
【請求項44】
フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面上の未架橋感光性ポリマーは、前記フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面と接触する少なくとも1つのロールを加熱することで溶融及び軟化のいずれかが行われる請求項40に記載の方法。
【請求項45】
フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面上の未架橋感光性ポリマーは、前記フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面に加熱器を隣接配置することで溶融及び軟化のいずれかが行われる請求項40に記載の方法。
【請求項46】
更に未架橋感光性ポリマーの溶融及び軟化のいずれかを行うために、フレキソ印刷要素の露光された画像形成表面に隣接配置される加熱器を更に備える請求項44に記載の方法。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−533508(P2008−533508A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555180(P2007−555180)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/004377
【国際公開番号】WO2006/086441
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(506314391)マクダーミッド プリンティング ソリューションズ, エルエルシー (23)
【Fターム(参考)】