改良された低温性能を備える流体発振装置
【課題】
【解決手段】排出流れを流体液滴の発振する噴霧の形態にて発生させるべく低温度にて使用するのに適した流体発振装置2は、加圧した流体の入口12と、加圧した流体の動きを加速する形態とされた1対のパワーノズル14と、加圧した流体がその入口12とパワーノズル14との間を流れるのを許容する流体経路10と、ノズル14に取り付けられ且つ、ノズルからの流れを受け取る相互作用室18と、噴霧が相互作用室18から排出されるときに通る流体出口20と、パワーノズル14からの流れの不安定性を増大させる手段とを有している。第一の好ましい実施の形態において、上記手段は、流体経路10の各側部から内方に伸びる突出部4を備えている。第二の好ましい実施の形態において、上記手段は、相互作用室18の床の高さに対するパワーノズル14の床の高さの位置に段部24を備えている。
【解決手段】排出流れを流体液滴の発振する噴霧の形態にて発生させるべく低温度にて使用するのに適した流体発振装置2は、加圧した流体の入口12と、加圧した流体の動きを加速する形態とされた1対のパワーノズル14と、加圧した流体がその入口12とパワーノズル14との間を流れるのを許容する流体経路10と、ノズル14に取り付けられ且つ、ノズルからの流れを受け取る相互作用室18と、噴霧が相互作用室18から排出されるときに通る流体出口20と、パワーノズル14からの流れの不安定性を増大させる手段とを有している。第一の好ましい実施の形態において、上記手段は、流体経路10の各側部から内方に伸びる突出部4を備えている。第二の好ましい実施の形態において、上記手段は、相互作用室18の床の高さに対するパワーノズル14の床の高さの位置に段部24を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の取り扱い方法及び装置に関する。より具体的には、本発明は、通常、高粘度流体と関係した低温度にて作動可能である流体発振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体発振装置は、液体ジェットを周期的に偏向させることにより広範囲の液体噴霧パターンを提供するその能力のため、先行技術にて周知である。殆どの流体発振装置の作動は、機械的な可動部品を使用せずに流体ジェットを周期的に偏向させることを特徴とする。その結果、流体発振装置の1つの有利な効果は、これら流体発振装置はその他の噴霧装置の信頼性及び作用に悪影響を与える摩耗及び引裂きを生じることはない点である。
【0003】
流体発振装置の例は、米国特許明細書3,185,166号(ホートン(Horton)及びバウレス(Bowles))、米国特許明細書3,563,462号(バウエル(Bauer))、米国特許明細書4,052,022号(ストウファー(Stouffer)及びブレイ(Bray))、米国特許明細書4,151,955号(ストウファー)、米国特許明細書4,157,161号(バウエル)、再発行特許33,158号として再発行された米国特許明細書4,231,519号(ストウファー)、米国特許明細書4,508,267号(ストウファー)、米国特許明細書5,035,361号(ストウファー)、米国特許明細書5,213,269号(スリナス(Srinath))、米国特許明細書5,971,301号(ストウファー)、米国特許明細書6,186,409号(スリナス)、米国特許明細書6,253,782号(ラフ(Raghu))を含む、多くの特許にて見ることができる。
【0004】
かかる装置から気体状環境内に排出される液体流れ中の典型的な発振の性質を示す簡単な例は、図1Aないし図1Cに示されている。この想定した二次元的流れの場合、発振装置の相互作用室内にて渦流が交番的に形成されることは、特定の時点にてその出口からの流れが下方(図1A)、上方(図1B)に交番的に拭き払い、発振装置の出力が約2θのファン角度に亙って拡げられるようにする(図1C)。
【0005】
この型式の発振する液体ジェットは、取り囲む気体状環境内にこの液体ジェットが分離するとき形成される液体の液滴を下流に分配するための多岐に亙るパターンを生じさせるであろう。かかる1つの可能な分配パターンは、図1Cに示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一部の高粘度(例えば、15ないし20センチポイズ)の液体を噴霧するために、米国特許明細書6,253,782号に開示され且つ図2に示した「茸形発振装置(mushroom oscillator)」は、特に有用であることが判明している。しかし、かかる液体の温度降下が続き、その粘度が増大する(例えば、25センチポイズ)とき、発振装置は、最早、その噴霧をかなりのファン角度に亙って分配することを許容する、性質上十分な発振状態のジェットを提供することができない程度までこの型式の発振装置の性能が劣化する可能性があることが判明している。この状況は、かかる流体発振装置を利用するフロントガラスワッシャーの用途にて特に問題となる。
【0007】
流体発振装置に関する多くの先行技術にも拘らず、依然として、より低温の環境にて使用される流体発振装置の設計を更に技術的に改良することが必要とされている。
本発明の内容を一層良く理解し且つ了知し得るよう、本発明と関係した先行技術についてかなり広く上記に概説した。この点に関して、本発明の目的及び有利な効果を考慮することも望ましい。
【0008】
本発明の1つの目的は、広範囲の作動温度に亙って空間的に均一な液滴の分布状態にて発振する流体ジェットを発生させることのできる新規な改良された流体発振装置及び流体の流動方法を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、高粘度液体にて発振する流体ジェットを発生させることのできる改良された流体発振装置及び流体の流動方法を提供することである。
本発明の更に別の目的は、表面の掃除への適用をより効果的にする性質を有する液体ジェット及び液滴の噴霧を発生させる改良された流体発振装置及び流体の流動方法を提供することである。
【0010】
本発明の上記及びその他の目的並びに有利な効果は、要約書、添付図面及び以下の詳細な説明を参照することにより一層良く理解されるから、容易に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
低温度の液体にて作動可能である改良された流体発振装置を開発する必要性を認識して、本発明は、全体として、上述した必要性を満足させ且つ、先行技術の装置及び方法にて明確にされた不利益な点を解消することを目的とするものである。
【0012】
本発明に従って、次の要素、すなわち(a)加圧した流体の入口と、(b)加圧した流体の動きを加速する形態とされた1対のパワーノズルと、(c)加圧した流体をその入口とパワーノズルとの間にて接続し且つ、その加圧した流体が流れるのを許容する流体経路と、(d)ノズルに取り付けられ且つ、ノズルからの流れを受け取る相互作用室と、(e)流体が相互作用室から排出されるときに通る流体出口と、(f)パワーノズルからの流れの不安定性を増大させる手段であって、流体経路内の位置又はパワーノズルに近接する位置から成る群から選ばれた位置に配置された上記手段とから成る流体発振装置を提供することにより、上記の必要性を満足させることができる。
【0013】
第一の好ましい実施の形態において、流れ不安定性発生手段は、流体経路の各側部から内方に伸びる突出部を備え、該突出部の下流に流れ分離領域を生じさせる。
第二の好ましい実施の形態において、流れ不安定性発生手段は、隣接する相互作用室の床の高さに対してパワーノズルの床の最高の位置に段部を備えている。
【0014】
このように、以下の詳細な説明を一層良く理解し且つ了知することのできるよう、本発明をかなり広く上記に概説した。勿論、本発明の追加的な特徴があり、これについて以下に説明し、また、これは、本発明の全ての最終的な請求項の主題事項を構成するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の少なくとも1つの実施の形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載し又は図面に示した構造の詳細及び構成要素の配置にのみその適用が限定されるものではないことを理解すべきである。本発明は、その他の実施の形態が可能であり、また、色々な仕方にて実施し且つ実行することができる。
【0016】
また、本明細書にて採用した表現及び技術用語は、単に説明の目的のためであり、限定的なものと見なすべきではないことも理解すべきである。例えば、以下の説明は、全体として液体の噴霧技術に関するが、本明細書に記載された本発明の着想は、気体、流動化した固体粒子等を含むその他の流体を分散する場合にも適用可能であることは明らかである。
【0017】
本発明は、色々な自動車のフロントガラス、ヘッドランプ、後側ガラスの掃除への適用、色々な消費者向け製品への適用(例えば、手持ち型トリガー噴霧器)にて遭遇するもののような広範囲な作動状態に亙って極めて明確で且つ制御可能な流れパターンを有して発振する、流体ジェットを発生させるのに適した型式の流体発振装置を形成する方法を含む。図3には、フロントガラスに噴霧するため、自動車のフード内に取り付けられる典型的な流体噴霧装置の一例が示されている。この流体噴霧装置は、その内部に流体インサート1が装着される特殊な形態のキャビティを有する自動車のハウジングから成っている。
【0018】
加圧された液体は、このハウジングの底部から入り且つ、上方に向けて流体インサート1の上流端の入口オリフィス内に流れる。次に、この液体は、インサート1の頂面に入念な輪郭外形にて成形された経路又は流体回路を通って流れる。
【0019】
これらの流体インサート共に使用するのに適した流体回路又は流体発振装置2の多数の周知の設計がある。これらの多くは、(a)インサートを通って圧力下にて流れる流体の動きを加速する形態とされた少なくとも1つのパワーノズルと、(b)流体が流れるときに通り、また、その内部にて流体の流れ現象が開始され、最終的に、インサートからの発振する性質の流れとなるようにする相互作用室と、(c)流体源入口と、(d)流体源入口とパワーノズルとを接続する流体経路と、(e)流体がインサートから出るときに通る流体出口又は喉部と、(f)流体経路内に配置され、また、粒子が下流のパワーのズル又は回路の出口を詰まらせる前に、インサートを通って流れる流体中に保持される任意の大きい直径の塵埃粒子をフィルタ除去する作用を果たす、フィルタポストとを含む幾つかの一般的な作用部を有している。図2参照。
【0020】
上述したように、より高粘度の液体にて作動することのできる流体発振装置を有することが望ましい。この必要性を満足させるため、本発明者達は、図4、図7及び図11に示した流体回路を発明するに至った。
【0021】
高粘度流体と共に使用される新規な流体回路又は発振装置2の形態をした本発明の第一の実施の形態は、図4のその頂面図に示されている。これは、図2に示した「茸形発振装置」の1つの改良である。該改良は、流体源入口12とパワーノズル14とを接続する流体経路10の各側壁6、8から内方に伸びる突出部4a、4bから成っている。これらのノズルは、相互作用室18内に供給し、該相互作用室から流体が発振装置2から出るための喉部又は出口20がある。
【0022】
この回路の左側部分における流れの性質は、図5に示した流れ流線形部分により伝達される。突出部が側壁から伸びる程度は、突出部の後方に流れ分離領域を確立するのを促進し得るよう選ばれる。例えば、約62.053ないし103.421kPa(9ないし15psig)の流体圧力にて作動し且つ、その出口におけるその幅が約0.37mmであるパワーノズルを有するよう設計された流体回路において、長さ1.7ないし1.8mmの突出部が側壁から伸びることが所望の程度の流れ分離状態を与えることが分かる。
【0023】
突出部の長さとパワーノズルの幅の比は2ないし6の範囲が色々な作動圧力にて有効であることが判明している。この分離現象の結果、突出部の各々の後方に狭小な渦流が形成されるのが分かる。
【0024】
これらの渦流は、パワーノズルに入る流れの変動を誘発させ、その結果、パワーノズルから相互作用室内に発するジェットは、著しく不安定となる。これらの不安定性は、相互作用室内に流れるジェット内の顕著により大きい発振する相互作用を促進することが分かる。これらの相互作用によって、発振装置の喉部からの流れは一側部から次の側部まで拭き払われ、これによりこの発振装置からの流れに対し望ましい大きいファン角度を発生させる。喉部から排出される流れがそのファン角度の何れかの限界点まで拭き払われる流れ状態を反映するこれらの2つの場合、すなわちt1及びt1+Δtのときの代表的な相互作用室を通る流れの流線形を示す、図6A及び図6Bを参照。
【0025】
全体として、かかる突出部は、流体経路内に伸びる長さがその出口におけるパワーノズルの幅の4ないし5倍程度であるとき、低温度にて連続的な発振流れを促進するのに最も効果的であることが判明した。
【0026】
かかる突出部は、側壁にのみ配設する必要がないことが分かる。例えば、これらの突出部は、流体回路の一側部にてパワーノズルに対して対称に配置される限り、経路の床又は天井(すなわち、経路の境界面のその他の部分)に配置することも可能であると考えられる。
【0027】
パワーノズルから相互作用室内に発するジェットの流れ中に不安定性を導入する第二の手段は、図7に示した流体インサート1にて示されている。このインサート1の頂面に刻み込まれた流体回路2は、同様に、標準的な「茸形発振装置」の回路の改変例であるが、この実施の形態において、回路は、流体経路内に配置されたフィルタポスト22も有する点が異なる。これらポストは、流体中の塵埃がパワーノズルを詰まらせる前に、その塵埃を捕捉する作用を果たす。
【0028】
フィルタポストを有するこの基本的な「茸形発振装置」の回路は、パワーノズルの出口の各々に段部24a、24bを追加することにより改良される。この段部24aは、図7に示したインサート1の部分断面図である図8に一層良く見ることができる。この段部は、相互作用室の床の高さに対するパワーノズルの床の高さ位置の段差すなわち変化部であることが理解される。これらの段部すなわち凹み部分の1つを亙る流れは、図9に流線形にて示されている。
【0029】
この段部の効果は、ジェットがノズルから出た後、ジェットの下方に小さい流れ分離領域を生じさせることである。パワーノズルから出る相対的に高速度のジェットが下方から伴流するより遅い速度で動く流体と混合することは、ジェットの流れ特性に望ましい不安定性を生じさせることになる。この動作は、貫通して流れる流体の温度が降下するとき、かかるインサートからの流れが連続的に発振する性質を促進することが分かる。
【0030】
インサートを通って流れる流体の温度が降下するとき、パワーノズルの高さに対する段部の相対的な高さが高ければ高い程、インサートの噴霧の発振する性質が維持される程度は益々、増大することが観察される。しかし、かかる噴霧のファン角度は、かかる温度の降下と共に、僅かに減少する傾向となることも観察される。従って、所望のより低い作動温度時、形成される噴霧のファン角度の減少が最小である十分に強力な発振流れを発生させ得るよう段部の高さとノズルの高さとの比を特定の値に設定することが最良であることが判明した。
【0031】
62.053ないし103.421kPa(9ないし15psig)の圧力にて作動する流体回路において、高さが0.85ないし0.92mmのパワーノズルの場合、0.08ないし0.16mmの範囲の段部の高さであれば、より低温度のとき、かかるインサートからファン角度の減少が最小である強力な発振流れを発生させるから、相互作用室内にて流れの十分な不安定性を生じさせるのに十分であることが実験によって分かった。段部の高さ対パワーノズルの高さの比が0.10ないし0.20の範囲にあれば、かかる茸形発振装置の低温時の性能を顕著に向上させることが判明した。0.12ないし0.15の比のとき、最適な性能が実現された。
【0032】
更に、パワーノズルから相互作用室内に発するジェットの相互作用角度は、かかる茸形発振装置の低温気候時の性能に影響を与えることが判明した。作動圧力が比較的広範囲の場合、160ないし190°の範囲のジェットの相互作用角度であれば、それらを通って流れる流体の温度が降下したとき、その性能が劣化する程度が少ない発振する噴霧がかかるインサートから提供されることが判明した。最適な性能は、ジェットの相互作用角度が175°のとき、実現された。図7を参照。
【0033】
茸形発振装置のパワーノズルの上流にてかかる流れの不安定性を生じさせる上記に開示された技術は、その他の型式の流体回路にも適用可能であることも認識すべきである。
例えば、図10には、「3ジェットアイランド発振装置」と称されるものが示されている。この回路は、3つのパワーノズル14a、14b、14cと、相互作用室18と、相互作用室18内に位置し、且つ3つのパワーノズル14の中心の下流にあるアイランド26とから成っている。相互作用室18は、上流部分18a及び下流部分18bを有し、上流部分は、1対の境界端縁18c、18dと、これらの端縁から等しく隔てられた長手方向中心線18eとを有すると見なすことができる。1つの好ましい実施の形態において、パワーノズルの各々1つは、相互作用室の上流部分の端縁18c、18dの各々に配置され、第三のパワーノズルは、相互作用室の上流部分のほぼ中心線18eに配置されることが分かる。
【0034】
更に、噴霧がチャンバの下流部分18bから出るときに通るチャンバの出口すなわち喉部21は、下流に向けて拡がる右側壁20aと、左側壁20bとを有している。アイランド26は、相互作用室の中心線18e上に配置されたパワーノズルの直ぐ下流に配置されている。
【0035】
これらの要素を適正に向き決めし且つ設計することにより、アイランドの後方に渦流を発生させることができ、この渦流は、喉部の右側壁及び、次に、その左側壁に交番的に近接するような態様にて喉部から拭き払われる。このアイランド26の第一の好ましい実施の形態として、三角形の形状が選ばれているが、その他の形状(例えば、円形)とすることが可能である。この三角形のアイランドは、その点の1つが中央パワーノズルから来る流れに面するように向き決めされる。
【0036】
この3ジェットアイランド流体回路は、その性能を改良し得るよう図11に示すように改変することができる。この回路の改良点は、流体源入口12と、回路の周縁パワーノズル14a、14bとを接続する流体経路10の側壁6、8の各々から内方に伸びる突出部4a、4bにある。これらのノズルは、相互作用室18内に供給し、該相互作用室には、流体が発振装置2から出るための喉部すなわち出口20がある。これと代替的に、この回路を通る流れを不安定にし、その低温時の性能能力を向上させるよう周縁パワーノズル14a、14bの各々の段部が示されている。
【0037】
上記の開示は、本発明の好ましい実施の形態に関するものであるが、これらの詳細は、単に明確化の目的にのみ掲げたものであることが理解される。本発明の色々な変更及び改変例は、最終的に本発明の請求項に記載されるであろう本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、当該技術の当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】1Aないし1Cは、流体発振装置から気体状環境内に排出される液体の二次元的流れにおける典型的な発振装置の性質を示し、また、かかる発振装置からの噴霧液滴が2θのファン角度にて拭き払われる状態を示す図である。
【図2】米国特許明細書6,253,782号に開示されたように、相互作用領域を有し、該相互作用領域内に1対のパワーノズルからのジェットが入り、これらのジェットは相互作用して流体喉部から発振する流れを生じさせる相互作用渦流を形成する、先行技術の「茸形発振装置」の図である。
【図3】フロントガラスに噴霧すべく自動車のフード内に取り付けられた0型的な流体噴霧装置であって、その内部に流体インサートが挿入され、該流体インサートには、本明細書に開示された本発明の流体回路と同様の流体回路がその頂面に成形された、上記流体噴霧装置の一例を示す図である。
【図4】高粘度流体と共に使用される改良された流体回路又は発振装置の形態とした本発明の第一の実施の形態を示す図である。
【図5】図4に示した流体回路の左側部分における流れの性質を示す図である。
【図6】6A及び6Bは、t1、t1+Δtという2つの場合に、図4に示したものと同様の相互作用室を通る流れの性質を示す図である。
【図7】高粘度流体と共に使用される第二の改良された流体回路又は発振装置の形態とした本発明の第二の実施の形態を示す図である。
【図8】図7に示した流体インサートの断面図である。
【図9】図7に示した流体回路の段部の1つの上方を流れる流れの性質を示す図である。
【図10】3つのパワーノズルからのジェットが入る相互作用領域を有し、中央ジェットは相互作用室内に配置されたアイランドに衝突する、先行技術の「3ジェットアイランド発振装置」を示す図である。
【図11】高粘度流体と共に使用される改良された「3ジェットアイランド」流体回路又は発振装置の形態をした本発明の好ましい実施の形態を示す図である。
【図1A】
【図1B】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の取り扱い方法及び装置に関する。より具体的には、本発明は、通常、高粘度流体と関係した低温度にて作動可能である流体発振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体発振装置は、液体ジェットを周期的に偏向させることにより広範囲の液体噴霧パターンを提供するその能力のため、先行技術にて周知である。殆どの流体発振装置の作動は、機械的な可動部品を使用せずに流体ジェットを周期的に偏向させることを特徴とする。その結果、流体発振装置の1つの有利な効果は、これら流体発振装置はその他の噴霧装置の信頼性及び作用に悪影響を与える摩耗及び引裂きを生じることはない点である。
【0003】
流体発振装置の例は、米国特許明細書3,185,166号(ホートン(Horton)及びバウレス(Bowles))、米国特許明細書3,563,462号(バウエル(Bauer))、米国特許明細書4,052,022号(ストウファー(Stouffer)及びブレイ(Bray))、米国特許明細書4,151,955号(ストウファー)、米国特許明細書4,157,161号(バウエル)、再発行特許33,158号として再発行された米国特許明細書4,231,519号(ストウファー)、米国特許明細書4,508,267号(ストウファー)、米国特許明細書5,035,361号(ストウファー)、米国特許明細書5,213,269号(スリナス(Srinath))、米国特許明細書5,971,301号(ストウファー)、米国特許明細書6,186,409号(スリナス)、米国特許明細書6,253,782号(ラフ(Raghu))を含む、多くの特許にて見ることができる。
【0004】
かかる装置から気体状環境内に排出される液体流れ中の典型的な発振の性質を示す簡単な例は、図1Aないし図1Cに示されている。この想定した二次元的流れの場合、発振装置の相互作用室内にて渦流が交番的に形成されることは、特定の時点にてその出口からの流れが下方(図1A)、上方(図1B)に交番的に拭き払い、発振装置の出力が約2θのファン角度に亙って拡げられるようにする(図1C)。
【0005】
この型式の発振する液体ジェットは、取り囲む気体状環境内にこの液体ジェットが分離するとき形成される液体の液滴を下流に分配するための多岐に亙るパターンを生じさせるであろう。かかる1つの可能な分配パターンは、図1Cに示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一部の高粘度(例えば、15ないし20センチポイズ)の液体を噴霧するために、米国特許明細書6,253,782号に開示され且つ図2に示した「茸形発振装置(mushroom oscillator)」は、特に有用であることが判明している。しかし、かかる液体の温度降下が続き、その粘度が増大する(例えば、25センチポイズ)とき、発振装置は、最早、その噴霧をかなりのファン角度に亙って分配することを許容する、性質上十分な発振状態のジェットを提供することができない程度までこの型式の発振装置の性能が劣化する可能性があることが判明している。この状況は、かかる流体発振装置を利用するフロントガラスワッシャーの用途にて特に問題となる。
【0007】
流体発振装置に関する多くの先行技術にも拘らず、依然として、より低温の環境にて使用される流体発振装置の設計を更に技術的に改良することが必要とされている。
本発明の内容を一層良く理解し且つ了知し得るよう、本発明と関係した先行技術についてかなり広く上記に概説した。この点に関して、本発明の目的及び有利な効果を考慮することも望ましい。
【0008】
本発明の1つの目的は、広範囲の作動温度に亙って空間的に均一な液滴の分布状態にて発振する流体ジェットを発生させることのできる新規な改良された流体発振装置及び流体の流動方法を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、高粘度液体にて発振する流体ジェットを発生させることのできる改良された流体発振装置及び流体の流動方法を提供することである。
本発明の更に別の目的は、表面の掃除への適用をより効果的にする性質を有する液体ジェット及び液滴の噴霧を発生させる改良された流体発振装置及び流体の流動方法を提供することである。
【0010】
本発明の上記及びその他の目的並びに有利な効果は、要約書、添付図面及び以下の詳細な説明を参照することにより一層良く理解されるから、容易に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
低温度の液体にて作動可能である改良された流体発振装置を開発する必要性を認識して、本発明は、全体として、上述した必要性を満足させ且つ、先行技術の装置及び方法にて明確にされた不利益な点を解消することを目的とするものである。
【0012】
本発明に従って、次の要素、すなわち(a)加圧した流体の入口と、(b)加圧した流体の動きを加速する形態とされた1対のパワーノズルと、(c)加圧した流体をその入口とパワーノズルとの間にて接続し且つ、その加圧した流体が流れるのを許容する流体経路と、(d)ノズルに取り付けられ且つ、ノズルからの流れを受け取る相互作用室と、(e)流体が相互作用室から排出されるときに通る流体出口と、(f)パワーノズルからの流れの不安定性を増大させる手段であって、流体経路内の位置又はパワーノズルに近接する位置から成る群から選ばれた位置に配置された上記手段とから成る流体発振装置を提供することにより、上記の必要性を満足させることができる。
【0013】
第一の好ましい実施の形態において、流れ不安定性発生手段は、流体経路の各側部から内方に伸びる突出部を備え、該突出部の下流に流れ分離領域を生じさせる。
第二の好ましい実施の形態において、流れ不安定性発生手段は、隣接する相互作用室の床の高さに対してパワーノズルの床の最高の位置に段部を備えている。
【0014】
このように、以下の詳細な説明を一層良く理解し且つ了知することのできるよう、本発明をかなり広く上記に概説した。勿論、本発明の追加的な特徴があり、これについて以下に説明し、また、これは、本発明の全ての最終的な請求項の主題事項を構成するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の少なくとも1つの実施の形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載し又は図面に示した構造の詳細及び構成要素の配置にのみその適用が限定されるものではないことを理解すべきである。本発明は、その他の実施の形態が可能であり、また、色々な仕方にて実施し且つ実行することができる。
【0016】
また、本明細書にて採用した表現及び技術用語は、単に説明の目的のためであり、限定的なものと見なすべきではないことも理解すべきである。例えば、以下の説明は、全体として液体の噴霧技術に関するが、本明細書に記載された本発明の着想は、気体、流動化した固体粒子等を含むその他の流体を分散する場合にも適用可能であることは明らかである。
【0017】
本発明は、色々な自動車のフロントガラス、ヘッドランプ、後側ガラスの掃除への適用、色々な消費者向け製品への適用(例えば、手持ち型トリガー噴霧器)にて遭遇するもののような広範囲な作動状態に亙って極めて明確で且つ制御可能な流れパターンを有して発振する、流体ジェットを発生させるのに適した型式の流体発振装置を形成する方法を含む。図3には、フロントガラスに噴霧するため、自動車のフード内に取り付けられる典型的な流体噴霧装置の一例が示されている。この流体噴霧装置は、その内部に流体インサート1が装着される特殊な形態のキャビティを有する自動車のハウジングから成っている。
【0018】
加圧された液体は、このハウジングの底部から入り且つ、上方に向けて流体インサート1の上流端の入口オリフィス内に流れる。次に、この液体は、インサート1の頂面に入念な輪郭外形にて成形された経路又は流体回路を通って流れる。
【0019】
これらの流体インサート共に使用するのに適した流体回路又は流体発振装置2の多数の周知の設計がある。これらの多くは、(a)インサートを通って圧力下にて流れる流体の動きを加速する形態とされた少なくとも1つのパワーノズルと、(b)流体が流れるときに通り、また、その内部にて流体の流れ現象が開始され、最終的に、インサートからの発振する性質の流れとなるようにする相互作用室と、(c)流体源入口と、(d)流体源入口とパワーノズルとを接続する流体経路と、(e)流体がインサートから出るときに通る流体出口又は喉部と、(f)流体経路内に配置され、また、粒子が下流のパワーのズル又は回路の出口を詰まらせる前に、インサートを通って流れる流体中に保持される任意の大きい直径の塵埃粒子をフィルタ除去する作用を果たす、フィルタポストとを含む幾つかの一般的な作用部を有している。図2参照。
【0020】
上述したように、より高粘度の液体にて作動することのできる流体発振装置を有することが望ましい。この必要性を満足させるため、本発明者達は、図4、図7及び図11に示した流体回路を発明するに至った。
【0021】
高粘度流体と共に使用される新規な流体回路又は発振装置2の形態をした本発明の第一の実施の形態は、図4のその頂面図に示されている。これは、図2に示した「茸形発振装置」の1つの改良である。該改良は、流体源入口12とパワーノズル14とを接続する流体経路10の各側壁6、8から内方に伸びる突出部4a、4bから成っている。これらのノズルは、相互作用室18内に供給し、該相互作用室から流体が発振装置2から出るための喉部又は出口20がある。
【0022】
この回路の左側部分における流れの性質は、図5に示した流れ流線形部分により伝達される。突出部が側壁から伸びる程度は、突出部の後方に流れ分離領域を確立するのを促進し得るよう選ばれる。例えば、約62.053ないし103.421kPa(9ないし15psig)の流体圧力にて作動し且つ、その出口におけるその幅が約0.37mmであるパワーノズルを有するよう設計された流体回路において、長さ1.7ないし1.8mmの突出部が側壁から伸びることが所望の程度の流れ分離状態を与えることが分かる。
【0023】
突出部の長さとパワーノズルの幅の比は2ないし6の範囲が色々な作動圧力にて有効であることが判明している。この分離現象の結果、突出部の各々の後方に狭小な渦流が形成されるのが分かる。
【0024】
これらの渦流は、パワーノズルに入る流れの変動を誘発させ、その結果、パワーノズルから相互作用室内に発するジェットは、著しく不安定となる。これらの不安定性は、相互作用室内に流れるジェット内の顕著により大きい発振する相互作用を促進することが分かる。これらの相互作用によって、発振装置の喉部からの流れは一側部から次の側部まで拭き払われ、これによりこの発振装置からの流れに対し望ましい大きいファン角度を発生させる。喉部から排出される流れがそのファン角度の何れかの限界点まで拭き払われる流れ状態を反映するこれらの2つの場合、すなわちt1及びt1+Δtのときの代表的な相互作用室を通る流れの流線形を示す、図6A及び図6Bを参照。
【0025】
全体として、かかる突出部は、流体経路内に伸びる長さがその出口におけるパワーノズルの幅の4ないし5倍程度であるとき、低温度にて連続的な発振流れを促進するのに最も効果的であることが判明した。
【0026】
かかる突出部は、側壁にのみ配設する必要がないことが分かる。例えば、これらの突出部は、流体回路の一側部にてパワーノズルに対して対称に配置される限り、経路の床又は天井(すなわち、経路の境界面のその他の部分)に配置することも可能であると考えられる。
【0027】
パワーノズルから相互作用室内に発するジェットの流れ中に不安定性を導入する第二の手段は、図7に示した流体インサート1にて示されている。このインサート1の頂面に刻み込まれた流体回路2は、同様に、標準的な「茸形発振装置」の回路の改変例であるが、この実施の形態において、回路は、流体経路内に配置されたフィルタポスト22も有する点が異なる。これらポストは、流体中の塵埃がパワーノズルを詰まらせる前に、その塵埃を捕捉する作用を果たす。
【0028】
フィルタポストを有するこの基本的な「茸形発振装置」の回路は、パワーノズルの出口の各々に段部24a、24bを追加することにより改良される。この段部24aは、図7に示したインサート1の部分断面図である図8に一層良く見ることができる。この段部は、相互作用室の床の高さに対するパワーノズルの床の高さ位置の段差すなわち変化部であることが理解される。これらの段部すなわち凹み部分の1つを亙る流れは、図9に流線形にて示されている。
【0029】
この段部の効果は、ジェットがノズルから出た後、ジェットの下方に小さい流れ分離領域を生じさせることである。パワーノズルから出る相対的に高速度のジェットが下方から伴流するより遅い速度で動く流体と混合することは、ジェットの流れ特性に望ましい不安定性を生じさせることになる。この動作は、貫通して流れる流体の温度が降下するとき、かかるインサートからの流れが連続的に発振する性質を促進することが分かる。
【0030】
インサートを通って流れる流体の温度が降下するとき、パワーノズルの高さに対する段部の相対的な高さが高ければ高い程、インサートの噴霧の発振する性質が維持される程度は益々、増大することが観察される。しかし、かかる噴霧のファン角度は、かかる温度の降下と共に、僅かに減少する傾向となることも観察される。従って、所望のより低い作動温度時、形成される噴霧のファン角度の減少が最小である十分に強力な発振流れを発生させ得るよう段部の高さとノズルの高さとの比を特定の値に設定することが最良であることが判明した。
【0031】
62.053ないし103.421kPa(9ないし15psig)の圧力にて作動する流体回路において、高さが0.85ないし0.92mmのパワーノズルの場合、0.08ないし0.16mmの範囲の段部の高さであれば、より低温度のとき、かかるインサートからファン角度の減少が最小である強力な発振流れを発生させるから、相互作用室内にて流れの十分な不安定性を生じさせるのに十分であることが実験によって分かった。段部の高さ対パワーノズルの高さの比が0.10ないし0.20の範囲にあれば、かかる茸形発振装置の低温時の性能を顕著に向上させることが判明した。0.12ないし0.15の比のとき、最適な性能が実現された。
【0032】
更に、パワーノズルから相互作用室内に発するジェットの相互作用角度は、かかる茸形発振装置の低温気候時の性能に影響を与えることが判明した。作動圧力が比較的広範囲の場合、160ないし190°の範囲のジェットの相互作用角度であれば、それらを通って流れる流体の温度が降下したとき、その性能が劣化する程度が少ない発振する噴霧がかかるインサートから提供されることが判明した。最適な性能は、ジェットの相互作用角度が175°のとき、実現された。図7を参照。
【0033】
茸形発振装置のパワーノズルの上流にてかかる流れの不安定性を生じさせる上記に開示された技術は、その他の型式の流体回路にも適用可能であることも認識すべきである。
例えば、図10には、「3ジェットアイランド発振装置」と称されるものが示されている。この回路は、3つのパワーノズル14a、14b、14cと、相互作用室18と、相互作用室18内に位置し、且つ3つのパワーノズル14の中心の下流にあるアイランド26とから成っている。相互作用室18は、上流部分18a及び下流部分18bを有し、上流部分は、1対の境界端縁18c、18dと、これらの端縁から等しく隔てられた長手方向中心線18eとを有すると見なすことができる。1つの好ましい実施の形態において、パワーノズルの各々1つは、相互作用室の上流部分の端縁18c、18dの各々に配置され、第三のパワーノズルは、相互作用室の上流部分のほぼ中心線18eに配置されることが分かる。
【0034】
更に、噴霧がチャンバの下流部分18bから出るときに通るチャンバの出口すなわち喉部21は、下流に向けて拡がる右側壁20aと、左側壁20bとを有している。アイランド26は、相互作用室の中心線18e上に配置されたパワーノズルの直ぐ下流に配置されている。
【0035】
これらの要素を適正に向き決めし且つ設計することにより、アイランドの後方に渦流を発生させることができ、この渦流は、喉部の右側壁及び、次に、その左側壁に交番的に近接するような態様にて喉部から拭き払われる。このアイランド26の第一の好ましい実施の形態として、三角形の形状が選ばれているが、その他の形状(例えば、円形)とすることが可能である。この三角形のアイランドは、その点の1つが中央パワーノズルから来る流れに面するように向き決めされる。
【0036】
この3ジェットアイランド流体回路は、その性能を改良し得るよう図11に示すように改変することができる。この回路の改良点は、流体源入口12と、回路の周縁パワーノズル14a、14bとを接続する流体経路10の側壁6、8の各々から内方に伸びる突出部4a、4bにある。これらのノズルは、相互作用室18内に供給し、該相互作用室には、流体が発振装置2から出るための喉部すなわち出口20がある。これと代替的に、この回路を通る流れを不安定にし、その低温時の性能能力を向上させるよう周縁パワーノズル14a、14bの各々の段部が示されている。
【0037】
上記の開示は、本発明の好ましい実施の形態に関するものであるが、これらの詳細は、単に明確化の目的にのみ掲げたものであることが理解される。本発明の色々な変更及び改変例は、最終的に本発明の請求項に記載されるであろう本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、当該技術の当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】1Aないし1Cは、流体発振装置から気体状環境内に排出される液体の二次元的流れにおける典型的な発振装置の性質を示し、また、かかる発振装置からの噴霧液滴が2θのファン角度にて拭き払われる状態を示す図である。
【図2】米国特許明細書6,253,782号に開示されたように、相互作用領域を有し、該相互作用領域内に1対のパワーノズルからのジェットが入り、これらのジェットは相互作用して流体喉部から発振する流れを生じさせる相互作用渦流を形成する、先行技術の「茸形発振装置」の図である。
【図3】フロントガラスに噴霧すべく自動車のフード内に取り付けられた0型的な流体噴霧装置であって、その内部に流体インサートが挿入され、該流体インサートには、本明細書に開示された本発明の流体回路と同様の流体回路がその頂面に成形された、上記流体噴霧装置の一例を示す図である。
【図4】高粘度流体と共に使用される改良された流体回路又は発振装置の形態とした本発明の第一の実施の形態を示す図である。
【図5】図4に示した流体回路の左側部分における流れの性質を示す図である。
【図6】6A及び6Bは、t1、t1+Δtという2つの場合に、図4に示したものと同様の相互作用室を通る流れの性質を示す図である。
【図7】高粘度流体と共に使用される第二の改良された流体回路又は発振装置の形態とした本発明の第二の実施の形態を示す図である。
【図8】図7に示した流体インサートの断面図である。
【図9】図7に示した流体回路の段部の1つの上方を流れる流れの性質を示す図である。
【図10】3つのパワーノズルからのジェットが入る相互作用領域を有し、中央ジェットは相互作用室内に配置されたアイランドに衝突する、先行技術の「3ジェットアイランド発振装置」を示す図である。
【図11】高粘度流体と共に使用される改良された「3ジェットアイランド」流体回路又は発振装置の形態をした本発明の好ましい実施の形態を示す図である。
【図1A】
【図1B】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体発振装置(2)であって、前記発振装置を通って流れる加圧した流体に作用して流体液滴の発振する噴霧の形態にて排出流れを発生させる前記流体発振装置(2)において、
前記加圧した流体の入口(12)と、
前記ノズルを通って流れる前記加圧した流体の動きを加速する形態とされた少なくとも1対のパワーノズル(14)と、
前記入口(12)と前記パワーノズル(14)とを接続し且つ前記入口(12)と前記パワーノズル(14)との間にて前記流体が流れるのを許容する経路(10)であって、1対の側壁(6、8)を有する境界面を備える前記経路(10)と、
前記ノズル(14)に取り付けられ且つ、前記ノズルからの前記流れを受け取る相互作用室(18)と、
前記噴霧が前記相互作用室(18)から排出されるときに通る出口(20)と、
前記パワーノズル(14)からの前記流れの不安定性を増大させる手段であって、前記経路(10)内の位置又は前記パワーノズル(14)に近接する位置から成る群から選ばれた位置に配置された前記手段とを備える、流体発振装置。
【請求項2】
請求項1に記載の流体発振装置(2)において、前記流れ不安定化手段は、前記流体経路(10)の境界面から内方に伸びる1対の突出部(4)であって、前記突出部の下流にて流れ分離領域を発生させる形態とされた前記突出部(4)を備える、流体発振装置。
【請求項3】
請求項1に記載の流体発振装置(2)において、前記流れ不安定化手段は、前記経路(10)の前記側壁(6、8)の各々から内方に伸びる突出部(4)であって、前記突出部の下流にて流れ分離領域を発生させる形態とされた前記突出部(4)を備える、流体発振装置。
【請求項4】
請求項3に記載の流体発振装置(2)において、前記パワーノズル(14)は前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体発振装置。
【請求項5】
請求項3に記載の流体発振装置(2)において、前記パワーノズル(14)は前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体発振装置。
【請求項6】
請求項3に記載の流体発振装置(2)において、
前記突出部(14)は、前記突出部が前記側壁(6、8)から伸びる特定の長さを有し、前記パワーノズル(14)は前記相互作用室(18)とのその接続部にて特定の幅を有し、
前記突出部(4)の前記伸長長さと前記パワーノズル(14)の前記幅との比は、2ないし6の範囲にある、流体発振装置。
【請求項7】
請求項6に記載の流体発振装置(2)において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体発振装置。
【請求項8】
請求項6に記載の流体発振装置(2)において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体発振装置。
【請求項9】
請求項1に記載の流体発振装置(2)において、前記流れ不安定化手段は、前記相互作用室(18)の床の高さに対する前記パワーノズル(14)の床の高さ位置に段部(24)を備える、流体発振装置。
【請求項10】
請求項9に記載の流体発振装置(2)において、
前記段部(24)は特定の高さを有し、前記パワーノズル(14)は特定の高さを有し、
前記段部の高さと前記パワーノズルの高さとの比は、0.10ないし0.20の範囲にある、流体発振装置。
【請求項11】
請求項10に記載の流体発振装置(2)において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体発振装置。
【請求項12】
請求項10に記載の流体発振装置(2)において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体発振装置。
【請求項13】
請求項1に記載の流体発振装置(2)において、
前記相互作用室(18)は、前記対のパワーノズル(14a、14b)の間にてほぼ等しく隔てられた長手方向中心線(18e)を有し、
前記相互作用室の長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置され、前記加圧した流体が供給され且つ、前記相互作用室内に排出する第三のパワーノズル(14c)と、
前記相互作用室(18)内に配置されたアイランド(26)とを更に備え、
前記アイランド(26)は、前記相互作用室の前記長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置された前記パワーノズル(14c)の下流に配置される、流体発振装置。
【請求項14】
請求項3に記載の流体発振装置(2)において、
前記相互作用室(18)は、前記対のパワーノズル(14a、14b)の間にてほぼ等しく隔てられた長手方向中心線(18e)を有し、
前記相互作用室の長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置され、前記加圧した流体が供給され且つ、前記相互作用室内に排出する第三のパワーノズル(14c)と、
前記相互作用室(18)内に配置されたアイランド(26)とを更に備え、
前記アイランド(26)は、前記相互作用室の前記長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置された前記パワーノズル(14c)の下流に配置される、流体発振装置。
【請求項15】
流体液滴の発振する噴霧を形成する方法において、
加圧した流体が入口(12)内に流れるようにするステップと、
少なくとも1対のパワーノズル(14)を前記入口(12)から下流に配置し且つ、前記流体が前記ノズルを通って流れるとき、前記加圧した流体の動きを加速するような前記ノズルの形態とするステップと、
流体経路(10)を使用して前記流体入口(12)と前記パワーノズル(14)とを接続し且つ、前記流体入口(12)と前記パワーノズル(14)との間にて前記流体が流れるのを許容し、前記経路は1対の側壁(6、8)を含む境界面を有するようにするステップと、
相互作用室(18)を前記ノズル(14)の下流に取り付け且つ、前記ノズルから前記流れを受け取るような前記室の形態とするステップと、
前記室に対し流体出口(20)を設け、前記噴霧は前記流体出口(20)を通って前記相互作用室(18)から排出されるようにするステップと、
前記流体経路(10)内の位置又は前記パワーノズル(14)に近接する位置から成る群から選ばれた位置に配置された手段を使用して、前記パワーノズル(14)からの前記流れの不安定性を増大させるステップとを備える、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、前記流れ不安定化手段は、前記流体経路(10)の境界面から内方に伸びる1対の突出部(4)であって、前記突出部の下流にて流れ分離領域を発生させる形態とされた前記突出部(4)を備える、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法において、前記流れ不安定化手段は、前記経路(10)の前記側壁(6、8)の各々から内方に伸びる突出部(4)であって、前記突出部の下流にて流れ分離領域を発生させる形態とされた前記突出部(4)を備える、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法において、
前記突出部(14)は、前記突出部は前記側壁(6、8)から伸びる特定の長さを有し、前記パワーノズル(14)は前記相互作用室(18)とのその接続部にて特定の幅を有し、
前記突出部(4)の前記伸長長さと前記パワーノズル(14)の前記幅との比は、2ないし6の範囲にある、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、方法。
【請求項23】
請求項15に記載の方法において、前記流れ不安定化手段は、前記相互作用室(18)の床の高さに対する前記パワーノズル(14)の床の高さ位置に段部(24)を備える、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、
前記段部(24)は特定の高さを有し、前記パワーノズル(14)は特定の高さを有し、
前記段部の高さと前記パワーノズルの高さとの比は、0.10ないし0.20の範囲にある、方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、方法。
【請求項26】
請求項24に記載の方法において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、方法。
【請求項27】
請求項15に記載の方法において、
前記相互作用室(18)は、前記対のパワーノズル(14a、14b)の間にてほぼ等しく隔てられた長手方向中心線(18e)を有し、
前記相互作用室の長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置され、前記加圧した流体が供給され且つ、前記相互作用室内に排出する第三のパワーノズル(14c)と、
前記相互作用室(18)内に配置されたアイランド(26)とを更に備え、
前記アイランド(26)は、前記相互作用室の前記長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置された前記パワーノズル(14c)の下流に配置される、方法。
【請求項28】
請求項17に記載の方法において、
前記相互作用室(18)は、前記対のパワーノズル(14a、14b)の間にてほぼ等しく隔てられた長手方向中心線(18e)を有し、
前記相互作用室の長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置され、前記加圧した流体が供給され且つ、前記相互作用室内に排出する第三のパワーノズル(14c)と、
前記相互作用室(18)内に配置されたアイランド(26)とを更に備え、
前記アイランド(26)は、前記相互作用室の前記長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置された前記パワーノズル(14c)の下流に配置される、方法。
【請求項29】
流体噴霧装置において、
流体インサート(1)であって、前記インサートを通って流れる加圧した流体に作用して流体液滴の発振する噴霧の形態にて排出流れを発生させ、前記インサート(1)内に成形された流体回路(2)を有する前記流体インサート(1)を備え、
前記流体回路は、
前記加圧した流体の入口(12)と、
前記ノズルを通って流れる前記加圧した流体の動きを加速する形態とされた少なくとも1対のパワーノズル(14)と、
前記入口(12)と前記パワーノズル(14)とを接続し且つ前記入口(12)と前記パワーノズル(14)との間にて前記流体が流れるのを許容する経路(10)であって、1対の側壁(6、8)を含む境界面を有する前記経路(10)と、
前記ノズル(14)に取り付けられ且つ、前記ノズルから前記流れを受け取る相互作用室(18)と、
前記噴霧が前記相互作用室(18)から排出されるときに通る出口(20)と、
前記パワーノズル(14)からの前記流れの不安定性を増大させる手段であって、前記経路(10)内の位置又は前記パワーノズル(14)に近接する位置から成る群から選ばれた位置に配置された前記手段とを有する、流体噴霧装置。
【請求項30】
請求項29に記載の流体噴霧装置において、前記流れ不安定化手段は、前記流体経路(10)の境界面から内方に伸びる1対の突出部(4)であって、前記突出部の下流にて流れ分離領域を発生させる形態とされた前記1対の突出部
(4)を備える、流体噴霧装置。
【請求項31】
請求項29に記載の流体噴霧装置において、前記流れ不安定化手段は、前記経路(10)の前記側壁(6、8)の各々から内方に伸びる突出部(4)であって、前記突出部の下流にて流れ分離領域を発生させる形態とされた前記突出部(4)を備える、流体噴霧装置。
【請求項32】
請求項31に記載の流体噴霧装置において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体噴霧装置。
【請求項33】
請求項31に記載の流体噴霧装置において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体噴霧装置。
【請求項34】
請求項31に記載の流体噴霧装置において、
前記突出部(14)は、前記突出部が前記側壁(6、8)から伸びる特定の長さを有し、前記パワーノズル(14)は前記相互作用室(18)とのその接続部にて特定の幅を有し、
前記突出部(4)の前記伸長長さと前記パワーノズル(14)の前記幅との比は、2ないし6の範囲にある、流体噴霧装置。
【請求項35】
請求項34に記載の流体噴霧装置において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体噴霧装置。
【請求項36】
請求項34に記載の流体噴霧装置において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体噴霧装置。
【請求項37】
請求項29に記載の流体噴霧装置において、前記流れ不安定化手段は、前記相互作用室(18)の床の高さに対する前記パワーノズル(14)の床の高さ位置に段部(24)を備える、流体噴霧装置。
【請求項38】
請求項37に記載の流体噴霧装置において、
前記段部(24)は特定の高さを有し、前記パワーノズル(14)は特定の高さを有し、
前記段部の高さと前記パワーノズルの高さとの比は、0.10ないし0.20の範囲にある、流体噴霧装置。
【請求項39】
請求項38に記載の流体噴霧装置において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体噴霧装置。
【請求項40】
請求項38に記載の流体噴霧装置において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体噴霧装置。
【請求項41】
請求項29に記載の流体噴霧装置において、
前記相互作用室(18)は、前記対のパワーノズル(14a、14b)の間にてほぼ等しく隔てられた長手方向中心線(18e)を有し、
前記相互作用室の長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置され、前記加圧した流体が供給され且つ、前記相互作用室内に排出する第三のパワーノズル(14c)と、
前記相互作用室(18)内に配置されたアイランド(26)とを更に備え、
前記アイランド(26)は、前記相互作用室の前記長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置された前記パワーノズル(14c)の下流に配置される、流体噴霧装置。
【請求項42】
請求項31に記載の流体噴霧装置において、
前記相互作用室(18)は、前記対のパワーノズル(14a、14b)の間にてほぼ等しく隔てられた長手方向中心線(18e)を有し、
前記相互作用室の長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置され、前記加圧した流体が供給され且つ、前記相互作用室内に排出する第三のパワーノズル(14c)と、
前記相互作用室(18)内に配置されたアイランド(26)とを更に備え、
前記アイランド(26)は、前記相互作用室の前記長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置された前記パワーノズル(14c)の下流に配置される、流体噴霧装置。
【請求項1】
流体発振装置(2)であって、前記発振装置を通って流れる加圧した流体に作用して流体液滴の発振する噴霧の形態にて排出流れを発生させる前記流体発振装置(2)において、
前記加圧した流体の入口(12)と、
前記ノズルを通って流れる前記加圧した流体の動きを加速する形態とされた少なくとも1対のパワーノズル(14)と、
前記入口(12)と前記パワーノズル(14)とを接続し且つ前記入口(12)と前記パワーノズル(14)との間にて前記流体が流れるのを許容する経路(10)であって、1対の側壁(6、8)を有する境界面を備える前記経路(10)と、
前記ノズル(14)に取り付けられ且つ、前記ノズルからの前記流れを受け取る相互作用室(18)と、
前記噴霧が前記相互作用室(18)から排出されるときに通る出口(20)と、
前記パワーノズル(14)からの前記流れの不安定性を増大させる手段であって、前記経路(10)内の位置又は前記パワーノズル(14)に近接する位置から成る群から選ばれた位置に配置された前記手段とを備える、流体発振装置。
【請求項2】
請求項1に記載の流体発振装置(2)において、前記流れ不安定化手段は、前記流体経路(10)の境界面から内方に伸びる1対の突出部(4)であって、前記突出部の下流にて流れ分離領域を発生させる形態とされた前記突出部(4)を備える、流体発振装置。
【請求項3】
請求項1に記載の流体発振装置(2)において、前記流れ不安定化手段は、前記経路(10)の前記側壁(6、8)の各々から内方に伸びる突出部(4)であって、前記突出部の下流にて流れ分離領域を発生させる形態とされた前記突出部(4)を備える、流体発振装置。
【請求項4】
請求項3に記載の流体発振装置(2)において、前記パワーノズル(14)は前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体発振装置。
【請求項5】
請求項3に記載の流体発振装置(2)において、前記パワーノズル(14)は前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体発振装置。
【請求項6】
請求項3に記載の流体発振装置(2)において、
前記突出部(14)は、前記突出部が前記側壁(6、8)から伸びる特定の長さを有し、前記パワーノズル(14)は前記相互作用室(18)とのその接続部にて特定の幅を有し、
前記突出部(4)の前記伸長長さと前記パワーノズル(14)の前記幅との比は、2ないし6の範囲にある、流体発振装置。
【請求項7】
請求項6に記載の流体発振装置(2)において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体発振装置。
【請求項8】
請求項6に記載の流体発振装置(2)において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体発振装置。
【請求項9】
請求項1に記載の流体発振装置(2)において、前記流れ不安定化手段は、前記相互作用室(18)の床の高さに対する前記パワーノズル(14)の床の高さ位置に段部(24)を備える、流体発振装置。
【請求項10】
請求項9に記載の流体発振装置(2)において、
前記段部(24)は特定の高さを有し、前記パワーノズル(14)は特定の高さを有し、
前記段部の高さと前記パワーノズルの高さとの比は、0.10ないし0.20の範囲にある、流体発振装置。
【請求項11】
請求項10に記載の流体発振装置(2)において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体発振装置。
【請求項12】
請求項10に記載の流体発振装置(2)において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体発振装置。
【請求項13】
請求項1に記載の流体発振装置(2)において、
前記相互作用室(18)は、前記対のパワーノズル(14a、14b)の間にてほぼ等しく隔てられた長手方向中心線(18e)を有し、
前記相互作用室の長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置され、前記加圧した流体が供給され且つ、前記相互作用室内に排出する第三のパワーノズル(14c)と、
前記相互作用室(18)内に配置されたアイランド(26)とを更に備え、
前記アイランド(26)は、前記相互作用室の前記長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置された前記パワーノズル(14c)の下流に配置される、流体発振装置。
【請求項14】
請求項3に記載の流体発振装置(2)において、
前記相互作用室(18)は、前記対のパワーノズル(14a、14b)の間にてほぼ等しく隔てられた長手方向中心線(18e)を有し、
前記相互作用室の長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置され、前記加圧した流体が供給され且つ、前記相互作用室内に排出する第三のパワーノズル(14c)と、
前記相互作用室(18)内に配置されたアイランド(26)とを更に備え、
前記アイランド(26)は、前記相互作用室の前記長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置された前記パワーノズル(14c)の下流に配置される、流体発振装置。
【請求項15】
流体液滴の発振する噴霧を形成する方法において、
加圧した流体が入口(12)内に流れるようにするステップと、
少なくとも1対のパワーノズル(14)を前記入口(12)から下流に配置し且つ、前記流体が前記ノズルを通って流れるとき、前記加圧した流体の動きを加速するような前記ノズルの形態とするステップと、
流体経路(10)を使用して前記流体入口(12)と前記パワーノズル(14)とを接続し且つ、前記流体入口(12)と前記パワーノズル(14)との間にて前記流体が流れるのを許容し、前記経路は1対の側壁(6、8)を含む境界面を有するようにするステップと、
相互作用室(18)を前記ノズル(14)の下流に取り付け且つ、前記ノズルから前記流れを受け取るような前記室の形態とするステップと、
前記室に対し流体出口(20)を設け、前記噴霧は前記流体出口(20)を通って前記相互作用室(18)から排出されるようにするステップと、
前記流体経路(10)内の位置又は前記パワーノズル(14)に近接する位置から成る群から選ばれた位置に配置された手段を使用して、前記パワーノズル(14)からの前記流れの不安定性を増大させるステップとを備える、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、前記流れ不安定化手段は、前記流体経路(10)の境界面から内方に伸びる1対の突出部(4)であって、前記突出部の下流にて流れ分離領域を発生させる形態とされた前記突出部(4)を備える、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法において、前記流れ不安定化手段は、前記経路(10)の前記側壁(6、8)の各々から内方に伸びる突出部(4)であって、前記突出部の下流にて流れ分離領域を発生させる形態とされた前記突出部(4)を備える、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法において、
前記突出部(14)は、前記突出部は前記側壁(6、8)から伸びる特定の長さを有し、前記パワーノズル(14)は前記相互作用室(18)とのその接続部にて特定の幅を有し、
前記突出部(4)の前記伸長長さと前記パワーノズル(14)の前記幅との比は、2ないし6の範囲にある、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、方法。
【請求項23】
請求項15に記載の方法において、前記流れ不安定化手段は、前記相互作用室(18)の床の高さに対する前記パワーノズル(14)の床の高さ位置に段部(24)を備える、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、
前記段部(24)は特定の高さを有し、前記パワーノズル(14)は特定の高さを有し、
前記段部の高さと前記パワーノズルの高さとの比は、0.10ないし0.20の範囲にある、方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、方法。
【請求項26】
請求項24に記載の方法において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、方法。
【請求項27】
請求項15に記載の方法において、
前記相互作用室(18)は、前記対のパワーノズル(14a、14b)の間にてほぼ等しく隔てられた長手方向中心線(18e)を有し、
前記相互作用室の長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置され、前記加圧した流体が供給され且つ、前記相互作用室内に排出する第三のパワーノズル(14c)と、
前記相互作用室(18)内に配置されたアイランド(26)とを更に備え、
前記アイランド(26)は、前記相互作用室の前記長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置された前記パワーノズル(14c)の下流に配置される、方法。
【請求項28】
請求項17に記載の方法において、
前記相互作用室(18)は、前記対のパワーノズル(14a、14b)の間にてほぼ等しく隔てられた長手方向中心線(18e)を有し、
前記相互作用室の長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置され、前記加圧した流体が供給され且つ、前記相互作用室内に排出する第三のパワーノズル(14c)と、
前記相互作用室(18)内に配置されたアイランド(26)とを更に備え、
前記アイランド(26)は、前記相互作用室の前記長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置された前記パワーノズル(14c)の下流に配置される、方法。
【請求項29】
流体噴霧装置において、
流体インサート(1)であって、前記インサートを通って流れる加圧した流体に作用して流体液滴の発振する噴霧の形態にて排出流れを発生させ、前記インサート(1)内に成形された流体回路(2)を有する前記流体インサート(1)を備え、
前記流体回路は、
前記加圧した流体の入口(12)と、
前記ノズルを通って流れる前記加圧した流体の動きを加速する形態とされた少なくとも1対のパワーノズル(14)と、
前記入口(12)と前記パワーノズル(14)とを接続し且つ前記入口(12)と前記パワーノズル(14)との間にて前記流体が流れるのを許容する経路(10)であって、1対の側壁(6、8)を含む境界面を有する前記経路(10)と、
前記ノズル(14)に取り付けられ且つ、前記ノズルから前記流れを受け取る相互作用室(18)と、
前記噴霧が前記相互作用室(18)から排出されるときに通る出口(20)と、
前記パワーノズル(14)からの前記流れの不安定性を増大させる手段であって、前記経路(10)内の位置又は前記パワーノズル(14)に近接する位置から成る群から選ばれた位置に配置された前記手段とを有する、流体噴霧装置。
【請求項30】
請求項29に記載の流体噴霧装置において、前記流れ不安定化手段は、前記流体経路(10)の境界面から内方に伸びる1対の突出部(4)であって、前記突出部の下流にて流れ分離領域を発生させる形態とされた前記1対の突出部
(4)を備える、流体噴霧装置。
【請求項31】
請求項29に記載の流体噴霧装置において、前記流れ不安定化手段は、前記経路(10)の前記側壁(6、8)の各々から内方に伸びる突出部(4)であって、前記突出部の下流にて流れ分離領域を発生させる形態とされた前記突出部(4)を備える、流体噴霧装置。
【請求項32】
請求項31に記載の流体噴霧装置において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体噴霧装置。
【請求項33】
請求項31に記載の流体噴霧装置において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体噴霧装置。
【請求項34】
請求項31に記載の流体噴霧装置において、
前記突出部(14)は、前記突出部が前記側壁(6、8)から伸びる特定の長さを有し、前記パワーノズル(14)は前記相互作用室(18)とのその接続部にて特定の幅を有し、
前記突出部(4)の前記伸長長さと前記パワーノズル(14)の前記幅との比は、2ないし6の範囲にある、流体噴霧装置。
【請求項35】
請求項34に記載の流体噴霧装置において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体噴霧装置。
【請求項36】
請求項34に記載の流体噴霧装置において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体噴霧装置。
【請求項37】
請求項29に記載の流体噴霧装置において、前記流れ不安定化手段は、前記相互作用室(18)の床の高さに対する前記パワーノズル(14)の床の高さ位置に段部(24)を備える、流体噴霧装置。
【請求項38】
請求項37に記載の流体噴霧装置において、
前記段部(24)は特定の高さを有し、前記パワーノズル(14)は特定の高さを有し、
前記段部の高さと前記パワーノズルの高さとの比は、0.10ないし0.20の範囲にある、流体噴霧装置。
【請求項39】
請求項38に記載の流体噴霧装置において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が160ないし190°の範囲の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体噴霧装置。
【請求項40】
請求項38に記載の流体噴霧装置において、前記パワーノズル(14)は、前記パワーノズルの出口からの中心線が約175°の角度にて交差するように前記相互作用室(18)に対して配置される、流体噴霧装置。
【請求項41】
請求項29に記載の流体噴霧装置において、
前記相互作用室(18)は、前記対のパワーノズル(14a、14b)の間にてほぼ等しく隔てられた長手方向中心線(18e)を有し、
前記相互作用室の長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置され、前記加圧した流体が供給され且つ、前記相互作用室内に排出する第三のパワーノズル(14c)と、
前記相互作用室(18)内に配置されたアイランド(26)とを更に備え、
前記アイランド(26)は、前記相互作用室の前記長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置された前記パワーノズル(14c)の下流に配置される、流体噴霧装置。
【請求項42】
請求項31に記載の流体噴霧装置において、
前記相互作用室(18)は、前記対のパワーノズル(14a、14b)の間にてほぼ等しく隔てられた長手方向中心線(18e)を有し、
前記相互作用室の長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置され、前記加圧した流体が供給され且つ、前記相互作用室内に排出する第三のパワーノズル(14c)と、
前記相互作用室(18)内に配置されたアイランド(26)とを更に備え、
前記アイランド(26)は、前記相互作用室の前記長手方向中心線(18e)に近接する位置に配置された前記パワーノズル(14c)の下流に配置される、流体噴霧装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−517762(P2008−517762A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538876(P2007−538876)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/036429
【国際公開番号】WO2006/049622
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(596116972)ボールズ・フルイディクス・コーポレーション (3)
【氏名又は名称原語表記】Bowles Fluidics Corporation
【住所又は居所原語表記】6625 Dobbin Road,Columbia,Maryland 21045,United Statesof America
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/036429
【国際公開番号】WO2006/049622
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(596116972)ボールズ・フルイディクス・コーポレーション (3)
【氏名又は名称原語表記】Bowles Fluidics Corporation
【住所又は居所原語表記】6625 Dobbin Road,Columbia,Maryland 21045,United Statesof America
【Fターム(参考)】
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