説明

改良された汚物防除性を有する高アルカリ洗浄剤組成物

様々な表面上の汚物を防除するための洗浄剤組成物は、析出防止製剤、苛性物及び界面活性製剤を含む。該析出防止製剤は、スルホネート/アクリレートコポリマー、アクリレートホモポリマー及びホスホノアルカンカルボン酸を含み、約2:1〜約1:2のスルホネート/アクリレートコポリマー:アクリレートホモポリマーの質量比を有する。該洗浄剤組成物のpHは約10〜約13である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は高アルカリ洗浄剤の分野に関する。特に、本発明は、析出防止製剤(threshold system)として3つの成分の組み合わせを含む低リン高アルカリ洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
車両保護、製品洗浄及び洗濯業界で使用されている従来の洗浄剤としては、アルカリ洗浄剤が挙げられる。アルカリ洗浄剤(特に業務用及び市販用を対象としたもの)は、硬水の存在と組み合わさって、特に高温での製品洗浄用途において、制御することが難しい硬汚物(硬小片、硬スケール)を形成することが多い。汚物の制御、汚れの除去、及び/又はカルシウム、マグネシウム及び鉄などの金属イオンの封鎖に役立つように、アルカリ洗浄剤は、ポリマー、ホスホネート、ホスフェート、キレート化剤(例えば、ニトリロ三酢酸(NTA)及びエチレンジアミン四酢酸(EDTA)など)を含むことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
キレート化剤及び/又は析出防止剤(threshold agent)は、金属板を溶解させるか、及び/又はカルシウム、マグネシウム及び鉄の塩の沈殿を防ぐそれらの能力のために、高アルカリ洗浄剤に使用されることが多い。カルシウム、マグネシウム及び鉄の塩が沈殿するとき、その結晶は、洗浄されている表面に付着して、好ましくない影響を及ぼすであろう。例えば、製品の表面上の炭酸カルシウム沈殿は、その製品の美観に悪影響を及ぼして、汚れた外観を与えることがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本発明は、様々な表面上の汚物(小片、スケール)を防除するための析出防止製剤を含む。この析出防止製剤は、スルホネート/アクリレートコポリマー、アクリレートホモポリマー及びホスホノアルカンカルボン酸を含む。この析出防止製剤中のスルホネート/アクリレートコポリマー:アクリレートホモポリマーの質量比は、約2:1〜約1:2である。
【0005】
一実施形態では、析出防止製剤は、アルカリ源及び界面活性製剤も含む洗浄剤組成物中で使用される。この洗浄剤組成物は、約0.0005%〜約30%の析出防止製剤、約1%〜約75%のアルカリ源、及び約0.05%〜約25%の界面活性製剤を含む。ホスホノアルカンカルボン酸は、この洗浄剤組成物の約0.1質量%〜約5.0質量%を構成している。この洗浄剤組成物は、少なくとも約10pHを有する。
【0006】
さらに別の実施形態では、析出防止製剤は、洗浄サイクル中の汚物形成、蓄積及び/又は接着を防除する方法に使用される。その析出防止製剤をアルカリ源及び界面活性製剤と混合して、洗浄剤組成物を形成する。次に、その洗浄剤組成物を約1:10〜約1:10,000の希釈比で希釈して、使用溶液を形成する。次に、その使用溶液を被洗浄基材と接触させる。洗浄サイクルの温度は、約140華氏温度(°F)〜185°Fである。
【0007】
複数の実施形態が開示されているが、本発明の説明に役立つ実施形態を明示及び開示している下記詳細な説明によって、本発明のさらに他の実施形態が、当業者にとって明らかになるであろう。それ故に、図面及び詳細な説明は、実際には説明に役立つものと見なされ、限定的なものとは見なされない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
洗浄剤組成物
本発明は、3つの成分:スルホン化/アクリレートコポリマー、アクリレートホモポリマー及びホスホノアルカンカルボン酸の組み合わせから形成された析出防止製剤に関する。その析出防止製剤は、硬水中における汚物形成、沈殿及び/又は基材接着を効果的に減少させるか、及び/又は防除し、かつ固体ブロック形態の高アルカリ洗浄剤組成物と併用されることができる。その析出防止製剤を含む洗浄剤組成物は、生物分解性でよく、NTA及びEDTAなどのアミノカルボン酸塩を実質的に含まなくてよいので、環境保護の面で優れた洗浄剤を使用することが好ましい洗浄用途で特に有用な洗浄剤組成物を形成する。その洗浄剤組成物は、汚れを除去し、金属塩を溶解させ、そしてマグネシウム、カルシウム及び/又は鉄の塩の沈殿を防除することが好ましい任意の環境に適用されることができる。例えば、その洗浄剤組成物は、車両保護用途、製品洗浄用途、洗濯用途、並びに食料及び飲料用途において使用されることができる。そのような用途としては、限定されるものではないが:機械及び手動製品洗浄、予浸、洗濯物及びテキスタイル洗浄及び脱染、カーペット洗浄及び脱染、車両洗浄及び保護用途、表面洗浄及び脱染、キッチン及び浴場洗浄及び脱染、床洗浄及び脱染、作業場における洗浄、汎用の洗浄及び脱染、並びに工業用及び家庭用洗浄剤が挙げられる。また、本析出防止製剤を含む洗浄剤組成物を使用する方法も提供される。
【0009】
一般に、洗浄剤組成物は、前記析出防止製剤、アルカリ源及び界面活性剤又は界面活性製剤を含む。この洗浄剤組成物中の複数の成分の適切な濃度範囲としては、約0.0005質量%〜約30質量%の析出防止製剤、約1質量%〜約75質量%のアルカリ源、及び約0.05質量%〜約25質量%の界面活性剤又は界面活性製剤が挙げられる。この洗浄剤組成物中の複数の成分の特に適切な濃度範囲としては、約0.0005質量%〜約20質量%の析出防止製剤、約5質量%〜約50質量%のアルカリ源、及び約0.5質量%〜約10質量%の界面活性剤又は界面活性製剤が挙げられる。この洗浄剤組成物中の複数の成分のさらに適切な濃度範囲としては、約0.0005質量%〜約10質量%の析出防止製剤、約10質量%〜約30質量%のアルカリ源、及び約1質量%〜約5質量%の界面活性剤又は界面活性製剤が挙げられる。
【0010】
適切なスルホネート/アクリレートコポリマーの例としては、限定されるものではないが、アクリル酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(それらのアルカリ金属塩を含む)の4500の分子量を有するコポリマー、並びにアクリル酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(それらのアルカリ金属塩を含む)の5000の分子量を有するコポリマーが挙げられる。市販されているスルホネート/アクリレートコポリマーの例としては、限定されるものではないが、ペンシルバニア州フィラデルフィアのローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)社から入手できるアキュマー(Acumer)2000、及びテネシー州チャタヌーガのアルコ・ケミカル(Alco Chemical)社から入手できるアクアトリート(Aquatreat)AR−545が挙げられる。適切なアクリレートホモポリマーの例としては、限定されるものではないが、アクリル酸の2000の分子量を有するホモポリマーが挙げられる。市販されているアクリレートホモポリマーの例としては、限定されるものではないが、ローム・アンド・ハース社から入手できるアキュマー1000、及びアルコ・ケミカル社から入手できるアクアトリートAR−260が挙げられる。適切なホスホノアルカンカルボン酸の例としては、限定されるものではないが、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、及び3600の分子量を有するホスフィノポリカルボン酸が挙げられる。特に適切なホスホノアルカンカルボン酸の例としては、限定されるものではないが、ホスホノアルカン−1,2,4−トリカルボン酸が挙げられる。市販されているホスホノアルカンカルボン酸の例としては、限定されるものではないが、ペンシルバニア州ピッツバーグのランクセス(Lanxess)社から入手できるベイヒビット(Bayhibit)AM、及びローム・アンド・ハース社から入手できるアキュソール(Acusol)441が挙げられる。
【0011】
析出防止製剤は、スルホネート/アクリレートコポリマー、アクリレートホモポリマー及びホスホノアルカンカルボン酸を含む。スルホネート/アクリレートコポリマー:アクリレートホモポリマーの質量比は、約2:1〜約1:2である。特に、スルホネート/アクリレートコポリマー:アクリレートホモポリマーの質量比は、約1以上:1である。より詳細には、スルホネート/アクリレートコポリマー:アクリレートホモポリマーの質量比は、約1:1である。アクリレートホモポリマー:ホスホノアルカンカルボン酸の質量比は、約4:1〜1:4である。析出防止製剤中のホスホノアルカンカルボン酸:スルホネート/アクリレートコポリマー及びアクリレートホモポリマーの比は、スルホネート/アクリレートコポリマー:アクリレートホモポリマーの比ほど重要ではないが、好ましい汚物防止性を提供するために、最低量のホスホノアルカンカルボン酸は、析出防止製剤中に存在するべきである。一実施形態では、ホスホノアルカンカルボン酸は、析出防止製剤の約1質量%〜約50質量%、詳細には析出防止製剤の約5質量%〜約30質量%を構成する。
【0012】
また、洗浄剤組成物は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、又はアルカリ金属ケイ酸塩などのアルカリ源を含む。適切なアルカリ源の例としては、限定されるものではないが:水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、又はアルカリ金属(水酸化ナトリウム)とアルカリ金属炭酸塩の混合物が挙げられる。使用溶液を形成するために水が洗浄剤組成物に加えられるとき、このアルカリ源は、得られた溶液のpHを制御する。十分な洗浄力性能を提供するために、使用溶液のpHは、アルカリ性の範囲内に維持されなければならない。一実施形態では、使用溶液のpHは約10〜約13である。特に、使用溶液のpHは約10〜約12である。別の実施形態では、使用溶液のpHは約10.3〜約13である。特に、使用溶液のpHは約10.3〜約12である。使用溶液のpHが低すぎる(例えば、約10未満)ならば、使用溶液は、適切な洗浄力性能を提供しないであろう。使用溶液のpHが高すぎる(例えば、約13を超える)ならば、使用溶液は、アルカリ性になりすぎて、被洗浄表面を攻撃するか、又は被洗浄表面に損傷を与えるであろう。
【0013】
また、アルカリ源は、固体鋳物を形成するために水和性塩(hydratable salt)として機能してもよい。その水和性塩は、実質的な無水物ということができる。実質的な無水物とは、その成分が、水和性成分の質量を基準として約2質量%未満の水を含むことを意味する。水の量は、約1質量%未満でよく、そして約0.5質量%未満でよい。水和性成分が完全な無水物である必要はない。
【0014】
また、洗浄剤組成物は、水和物(アルカリ源/水和性塩)への水和の水も含む。この水への言及は、水和水及び遊離水を含むことを理解されたい。用語「水和水」とは、何らかの形で非水分子に引き付けられて結合する水をいう。引力の典型的な形態としては、水素結合が挙げられる。水和性塩に加えて、水和水も、複数の成分の分離を防ぐために処理及び冷却中に混合物の粘度を増加させるように機能する。洗浄剤組成物中の水和水の量は、アルカリ源/水和性塩に応じて決まるであろう。
【0015】
また、洗浄剤組成物は、界面活性剤又は界面活性製剤を含む。アニオン性、非イオン性、カチオン性及び両イオン性界面活性剤を含む、様々な界面活性剤が使用されることができる。界面活性剤の検討のために、参照により本明細書に援用される「Kirk−Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, Third Edition, volume 8, pages 900−912」を参照されたい。
【0016】
洗浄剤組成物に有用である適切なアニオン性界面活性剤の例としては、限定されるものではないが:アルキルカルボキシレート(カルボン酸塩)及びポリアルコキシカルボキシレート、アルコールエトキシレートカルボキシレート、ノニルフェノールエトキシレートカルボキシレートなどのようなカルボキシレート;アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルアリールスルホネート、スルホン化脂肪酸エステルなどのようなスルホネート;硫酸化アルコール、硫酸化アルコールエトキシレート、硫酸化アルキルフェノール、アルキルスルフェート、スルホサクシネート、アルキルエーテルスルフェートなどのようなスルフェートが挙げられる。幾つかの特に適切なアニオン性界面活性剤としては、限定されるものではないが:ナトリウムアルキルアリールスルホネート、α−オレフィンスルホネート、及び脂肪族アルコールスルフェートが挙げられる。
【0017】
洗浄剤組成物に有用な非イオン性界面活性剤としては、界面活性剤分子の一部分としてポリアルキレンオキシドポリマーを有するものが挙げられる。適切な非イオン性界面活性剤の例としては、限定されるものではないが:脂肪族アルコールの塩素−、ベンジル−、メチル−、エチル−、プロピル、ブチル−及びアルキル−キャッピング化ポリエチレングリコールエーテル;アルキルポリグルコシドなどのポリアルキレンオキシドフリー非イオン性物質;ソルビタン及びスクロースエステル並びにそれらのエトキシレート;アルコキシ化エチレンジアミン;アルコールエトキシレートプロポキシレート、アルコールプロポキシレート、アルコールプロポキシレートエトキシレートプロポキシレート、アルコールエトキシレートブトキシレートなどのようなアルコールアルコキシレート;ノニルフェノールエトキシレート、ポリオキシエチレングリコールエーテルなど;脂肪酸のグリセロールエステル、ポリオキシエチレンエステル、エトキシ化物及びグリコールエステルなどのようなカルボン酸エステル類;ジエタノールアミン濃縮物、モノアルカノールアミン濃縮物、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどのようなカルボン酸アミド;並びにエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーを含むポリアルキレンオキシドブロックコポリマーが挙げられる。適切な市販されている非イオン性界面活性剤の例としては、限定されるものではないが:ニュージャージー州フローラムのBASF社から入手できるプルロニック(PLURONIC)、及びバージニア州ホープウェルのゴールドシュミット(Goldschmidt)社から入手できるABIL B8852が挙げられる。
【0018】
洗浄剤組成物中の含有物に有用なカチオン性界面活性剤としては、限定されるものではないが:C18アルキル又はアルケニル鎖を有する一級、二級及び三級アミン、エトキシ化アルキルアミン、エチレンジアミンのアルコキシレートなどのようなアミン;1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン、2−アルキル−1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリンなどのようなイミダゾール;並びに、例えば、n−アルキル(C12−C18)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、n−テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド一水和物などのアルキル四級アンモニウムクロリド界面活性剤、及びジメチル−1−ナフチルメチルアンモニウムクロリドなどのナフタレン置換化四級アンモニウムクロリドなどの四級アンモニウム塩が挙げられる。界面活性剤のより広範囲の一覧については、参照により本明細書に援用される「McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents」を参照されたい。
【0019】
追加の機能性材料
洗浄剤組成物は、好ましい性質及び機能性を洗浄剤組成物に提供する他の機能性材料を含んでよい。本願の目的では、用語「機能性材料」は、水溶液などの使用及び/又は濃縮溶液に分散又は溶解させられるときに、特定の用途において有益な性質を提供する材料を含む。そのような機能性材料の例としては、限定されるものではないが:有機洗浄剤、洗浄剤;すすぎ助剤;漂白剤;殺菌剤/抗菌剤;活性剤;洗浄剤ビルダー又は充填剤;消泡剤、再付着防止剤;染料/着臭剤;二次硬化剤/溶解性改質剤など、又は本組成物の好ましい特性及び/又は機能性に応じて決まる幅広い種類の他の機能性材料が挙げられる。
【0020】
特に、洗浄剤組成物は、本願と同日に出願されており、かつ参照により本明細書に援用される共に継続中の出願(名称「Development of an Aluminum Hydroxycarboxylate Builder」)の明細書に開示されているようなアルミニウムグルコネートビルダーを含んでよい。機能性材料の幾つかのより詳細な例は、下記でより詳細に検討されるが、本技術分野及び他分野の当業者であれば、検討される特定の材料は単なる一例として与えられること、及び幅広い種類の機能性材料が使用されてよいことを理解されたい。例えば、下記で検討される多くの機能性材料は、洗浄及び脱染の用途において使用される材料に関するが、他の実施形態が、他の用途で用いる機能性材料を含んでよいことを理解されたい。
【0021】
すすぎ助剤
所望により、洗浄剤組成物は、すすぎ助剤組成物、例えば、結合剤を用いて形成された固体組成物中の他の任意の含有物と組み合わせた湿潤及びシーティング(sheeting)剤を含むすすぎ助剤配合物を含むことができる。すすぎ助剤成分は、シーティング作用を促進するか、及び/又は、例えば製品洗浄プロセスにおいて、すすぎが終わった後にビーズ付き水によって発生する染み(spotting)又は条痕(streaking)を防ぐために、すすぎ水の表面張力を減らすことができる。シーティング剤の例としては、限定されるものではないが:エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はホモポリマー又はブロック若しくは異種(heteric)コポリマー構造の混合物から調製されるポリエーテル化合物が挙げられる。そのようなポリエーテル化合物は、ポリアルキレンオキシドポリマー、ポリオキシアルキレンポリマー又はポリアルキレングリコールポリマーとして知られている。そのようなシーティング剤は、界面活性をその分子に提供するために、相対的に疎水性の領域及び相対的に親水性の領域を必要とする。
【0022】
漂白剤
所望により、洗浄剤組成物は、基材を美白化又は増白化するための漂白剤を含むことができ、そして典型的には洗浄プロセス中に引き起こされる条件下では、Cl、Br、−OCl−及び/又は−OBr−などのような活性ハロゲン種を遊離させることができる漂白化合物を含むことができる。適切な漂白剤の例としては、限定されるものではないが:塩素、次亜塩素酸塩又はクロルアミンなどの塩素含有化合物が挙げられる。適切なハロゲン放出化合物の例としては、限定されるものではないが:アルカリ金属ジクロロイソシアヌレート、アルカリ金属次亜塩素酸塩、モノクロルアミン、及びジクロロアミンが挙げられる。また、カプセル化された塩素種が、本組成物中の塩素源の安定性を増強するために使用されることができる[例えば、米国特許出願第4,618,914号及び第4,830,773号(それらの開示内容は参照により本明細書に援用される)を参照されたい]。また、漂白剤は、活性酸素源を含むか、又は活性酸素源として機能している化学物質を含んでよい。活性酸素化合物は、活性酸素源を提供するために機能し、そして水溶液中に活性酸素を放出することができる。活性酸素化合物は、無機物、有機物又はそれらの混合物でよい。適切な活性酸素化合物の例としては、限定されるものではないが:テトラアセチルエチレンジアミンなどの活性剤の有無によらず、過酸素化合物、過酸素化合物付加体、過酸化水素、過ホウ酸塩、炭酸ナトリウム過酸化水和物、リン酸塩過酸化水和物、過モノ硫酸カリウム、並びに過ホウ酸ナトリウム一及び四水和物が挙げられる。
【0023】
殺菌剤/抗菌剤
所望により、洗浄剤組成物は、殺菌剤(又は抗菌剤)を含むことができる。抗菌剤としても知られる殺菌剤は、材料系、表面などの微生物汚染及び劣化を防ぐために使用されることができる化学組成物である。一般に、これらの材料は、フェノール性物質、ハロゲン化合物、四級アンモニウム化合物、金属誘導体、アミン、アルカノールアミン、ニトロ誘導体、アニリド、有機硫黄及び硫黄−窒素化合物、並びに混合された化合物を含む特定の種類に属する。
【0024】
化学組成及び濃度に応じて決まる所定の抗菌剤は、多数の微生物のさらなる拡散を制限するか、又は微生物個体群の全て又は一部分を破壊することができる。典型的には、用語「微生物(microbe)」及び「微生物(microorganism)」とは、主として細菌、ウィルス、酵母、胞子、及び真菌類をいう。使用時には、典型的には、抗菌剤は固体機能性材料として形成され、該固体機能性材料は、希釈又は分散されるときに、所望により、例えば水流を用いて、水性殺菌剤又は殺菌剤組成物を形成し、そして該水性殺菌剤又は殺菌剤組成物は、様々な表面と接触して、微生物個体群の一部分の成長を防止するか、又は微生物個体群の一部分を殺菌できる。微生物個体群の3log減少が殺菌剤組成物になる。抗菌剤は、例えば、その安定性を向上させるために、カプセル化されることができる。
【0025】
適切な抗菌剤の例としては、限定されるものではないが、ペンタクロロフェノールなどのフェノール抗菌剤;オルトフェニルフェノール;クロロ−p−ベンジルフェノール;p−クロロ−m−キシレノール;アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドなどの四級アンモニウム化合物;アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド;オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド;ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド;及びジデシルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。適切なハロゲン含有抗細菌剤の例としては、限定されるものではないが:ナトリウムトリクロロイソシアヌレート、ナトリウムジクロロイソシアネート(無水物又は二水和物)、ヨウ素−ポリ(ビニルピロリジノン)複合体、臭素化合物(例えば、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールなど)、及び四級抗菌剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、コリンジヨードクロリド、及びテトラメチルホスホニウムトリブロミドなど)が挙げられる。ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン、ナトリウムジメチルジチオカルバメートなどのジチオカルバメート、様々な他の材料などの他の抗菌剤組成物が、それらの抗菌性について当技術分野で知られている。
【0026】
また、漂白剤の項目において上述されたものなどの活性酸素化合物は、抗菌剤として機能してもよく、かつ抗菌活性を提供することさえもできると理解されたい。実際に、幾つかの実施形態では、活性酸素化合物の抗菌剤として機能する能力が、組成物内での追加の抗菌剤の必要性を低減させる。例えば、過炭酸塩組成物は、優れた抗菌作用を提供することが証明されている。
【0027】
活性剤
幾つかの実施形態では、洗浄剤組成物の抗菌活性又は漂白活性は、その洗浄剤組成物が使用時に入れられたときに活性酸素と反応して活性化成分を形成する材料の追加により、改良されることができる。例えば、幾つかの実施形態では、過酸又は過酸塩が形成される。例えば、幾つかの実施形態では、テトラアセチルエチレンジアミンが、洗浄剤組成物内に包含され、活性酸素と反応して抗菌剤として機能する過酸又は過酸塩を形成することができる。活性酸素活性剤の他の例としては、遷移金属及びそれらの化合物;カルボン酸、ニトリル又はエステル部分を含む化合物;又は当技術分野で知られているような他の化合物が挙げられる。実施形態では、活性剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン;カルボン酸、ニトリル、アミン又はエステル部分を含む遷移金属;化合物;又はそれらの混合物が挙げられる。幾つかの実施形態では、活性酸素化合物のための活性剤は、活性酸素と合わさって、抗菌剤を形成する。
【0028】
幾つかの実施形態では、洗浄剤組成物は固体ブロックの形態であり、そして活性酸素のための活性剤材料がその固体ブロックと結合させられる。その活性剤は、ある固体洗浄剤組成物を別のものと結合させるための様々な任意の方法のいずれかにより、固体ブロックと結合させられることができる。例えば、その活性剤は、固体ブロックと結合するか、貼着するか、接着するか、さもなければ粘着する固体の形態でよい。また、固体活性剤は、そのブロックの周囲を包み込むように形成されることができる。さらなる例としては、固体活性剤は、洗浄剤組成物のための容器又は包装により、例えばプラスチック又は収縮包装又はフィルムなどにより、固体ブロックと結合させられることができる。
【0029】
洗浄剤ビルダー又は充填剤
所望により、洗浄剤組成物は、少量ではあるが有効量の1つ以上の洗浄剤充填剤(それは、必ずしも洗浄剤そのものとして機能するものではないが、組成物の全体的な洗浄能力を強化するために洗浄剤と協調できる)を含むことができる。適切な充填剤の例としては、限定されるものではないが:硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、デンプン、糖類、及びプロピレングリコールなどのC−C10アルキレングリコールが挙げられる。
【0030】
pH緩衝剤
さらに、水系操作において、例えば水系洗浄操作において、使用中に、洗浄水が所望のpHを有し得るように、洗浄剤組成物は配合されることができる。例えば、つけおき洗剤組成物を提供するのに用いるように設計された組成物は、水系洗浄操作における使用中に洗浄水が約6.5〜約12の範囲(幾つかの実施形態では約7.5〜約11の範囲)のpHを有し得るように、配合されることができる。幾つかの実施形態における液体製品配合物は、約7.5〜約11.0(そして幾つかの実施形態では、約7.5〜約9.0の範囲)の(10%希釈)pHを有する。
【0031】
例えば、テキスタイルのpHが特有の処理pHと概ね適合するように、酸洗い剤が洗浄剤組成物へ加えられることができる。衣類がヒトの皮膚と接触するときにテキスタイルが皮膚を刺激しないように、酸洗い剤は、残りのアルカリ性物質を中和してテキスタイルのpHを減らすために使用される弱酸である。適切な酸洗い剤の例としては、限定されるものではないが:リン酸、ギ酸、酢酸、ヒドロフルオロケイ酸、飽和脂肪酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。飽和脂肪酸の例としては、限定されるものではないが:パルミチン酸、ステアリン酸、及びアラキジン酸(C20)などの10個以上の炭素原子を有するものが挙げられる。ジカルボン酸の例としては、限定されるものではないが:シュウ酸、酒石酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、及びスルファミン酸が挙げられる。トリカルボン酸の例としては、限定されるものではないが:クエン酸及びトリカルバリル酸が挙げられる。適切な市販されている酸洗い剤の例としては、限定されるものではないが:ターボライザー(TurboLizer)、インジェクション・サワー(Injection Sour)、ターボプレックス(TurboPlex)、アドヴァケアー120サワー(AdvaCare 120 Sour)、アドヴァケアー120サニタイジング・サワー(AdvaCare 120 Sanitizing Sour)、カルボブライト(CarboBrite)、及びエコノ・サワー(Econo Sour)[全てミネソタ州セント・ポールのイーコラブ(Ecolab)社から入手できる]が挙げられる。
【0032】
消泡剤
所望により、洗浄剤組成物は、少量であるが有効量の、泡の安定性を減少させるための消泡剤を含むことができる。適切な消泡剤の例としては、限定されるものではないが:シリコーン化合物(例えば、ポリジメチルシロキサンに分散されたシリカなど)、脂肪アミド、炭化水素ワックス、脂肪酸、脂肪族エステル、脂肪族アルコール、脂肪酸せっけん、エトキシレート、鉱油、ポリエチレングリコールエステル、及びアルキルリン酸エステル(例えば、モノステアリルホスフェートなど)が挙げられる。消泡剤の検討については、例えば、Martinらの米国特許第3,048,548号明細書、Brunelleらの米国特許第3,334,147号明細書、及びRueらの米国特許第3,442,242号明細書(これらの開示内容は参照により本明細書に援用される。)を参照されたい。
【0033】
再付着防止剤
所望により、洗浄剤組成物は、洗浄剤溶液の持続的な懸濁を促進し、かつ除去された汚れが洗浄されている基材に再付着することを防ぐことができる再付着防止剤を含むことができる。適切な再付着防止剤の例としては、限定されるものではないが:脂肪酸アミド、フッ化炭素界面活性剤、複合リン酸エステル、ポリアクリル酸エステル、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、及びセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)が挙げられる。
【0034】
安定化剤
洗浄剤組成物は安定化剤を含んでもよい。適切な安定化剤の例としては、限定されるものではないが:ホウ酸塩、カルシウム/マグネシウムイオン、プロピレングリコール、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0035】
分散剤
洗浄剤組成物は分散剤を含んでもよい。固体洗浄剤組成物に使用されることができる適切な分散剤の例としては、限定されるものではないが:マレイン酸/オレフィンコポリマー、ポリアクリル酸、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0036】
染料/着臭剤
様々な染料、香料を含む着臭剤、及び他の美観向上剤も洗浄剤組成物に含有されることができる。適切な市販されている染料の例としては、限定されるものではないが:インド、アーメダバードのマック・ダイケム・インダストリーズ(Mac Dye−Chem Industries)社から入手できるダイレクト・ブルー(Direct Blue)86;ペンシルバニア州ピッツバーグのモベイ・ケミカル(Mobay Chemical)社から入手できるファスツソール・ブルー(Fastusol Blue);ニュージャージー州ウェインのアメリカン・シアナミド・カンパニー(American Cyanamid Company)社から入手できるアシッド・オレンジ(Acid Orange)7;ニュージャージー州プリンストンのサンド(Sandoz)社から入手できるベイシック・バイオレット(Basic Violet)10及びサンドラン・ブルー/アシッド・ブルー(Sandolan Blue/Acid Blue)182;独国Regenstaufのケモス(Chemos)社から入手できるアシッド・イエロー(Acid Yellow)23;ミズーリ州セント・ルイスのシグマ・ケミカル(Sigma Chemical)社から入手できるアシッド・イエロー(Acid Yellow)17;イリノイ州シカゴのキーストン・アナライン・アンド・ケミカル(Keyston Analine and Chemical)社から入手できるサップ・グリーン(Sap Green)及びメタニル・イエロー(Metanil Yellow);オハイオ州シンシナティのエメラルド・ヒルトン・デイヴィス(Emerald Hilton Davis)社から入手できるアシッド・ブルー(Acid Blue)9;ニュージャージー州ニューアークのキャピトル・カラー・アンド・ケミカル・カンパニー(Capitol Color and Chemical Company)社から入手できるハイゾル・ファスト・レッド(Hisol Fast Red)及びフルオレセイン(Fluorescein);並びにノースカロライナ州グリーンボロのチバ・スペシャリティ・ケミカルズ・コーポレーション(Ciba Specialty Chemicals Corporation)社から入手できるアシッド・グリーン(Acid Green)25が挙げられる。
【0037】
適切な芳香剤又は香料の例としては、限定されるものではないが:シトロネロールなどのテルペノイド、桂皮アルデヒドなどのアルデヒド、C1S−ジャスミン又はジャスマルなどのジャスミン、及びバニリンが挙げられる。
【0038】
撥水剤
洗浄剤組成物は、撥水性を強化するためにテキスタイルに適用されることができる撥水剤を含むことができる。適切な撥水剤の例としては、限定されるものではないが:ペルフルオロアクリレートコポリマー、炭化水素ワックス、及びポリシロキサンが挙げられる。
【0039】
硬化剤/溶解性改質剤
洗浄剤組成物は、少量であるが有効量の硬化剤を含んでよい。適切な硬化剤の例としては、限定されるものではないが:アミド(例えば、ステアリン酸モノエタノールアミド又はラウリル酸ジエタノールアミド、アルキルアミドなど)、固体ポリエチレングリコール、固体EO/POブロックコポリマー、酸又はアルカリ処理プロセスを通して水溶性にされているデンプン類、及び冷却工程において、加熱された組成物に凝固性を与える様々な無機物が挙げられる。また、洗浄剤及び/又は他の活性含有物が長時間に亘って固体組成物から分配されることができるように、そのような化合物は、使用時に水性媒体中の組成物の溶解性を変えることができる。
【0040】
他の含有物
所望の性質又は機能性を含むように配合されている特定の組成物を提供するのに有用な様々な他の含有物が、含有されてもよい。例えば、洗浄剤組成物は、他の活性含有物、洗浄酵素、担体、加工助剤などを含んでよい。
【0041】
実施形態
本発明は、析出防止製剤、アルカリ源、及び界面活性剤又は界面活性製剤を含む固体ブロック洗浄剤組成物に関する。例えば、洗浄剤組成物は、析出防止製剤を含む成形化固体として提供される。用語「固体」とは、固体洗浄剤組成物の貯蔵及び使用の予想される条件下における洗浄剤組成物の状態をいうことを理解されたい。一般に、洗浄剤組成物は、約100°F以下又は約120°F未満の温度で提供されるときに固体のままであろうと予想される。
【0042】
固体ブロック製品洗浄組成物として提供されるときの洗浄剤組成物の複数の成分に関する典型的な範囲を表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
洗浄剤組成物は、濃縮組成物を含むか、又は使用組成物を形成するために希釈されてよい。一般に、濃縮物とは、水で希釈されて、物体と接触して好ましい洗浄、すすぎ等を提供する使用溶液を提供することを目的としている組成物をいう。被洗浄物品と接触する洗浄剤組成物を使用組成物ということができる。使用溶液は、追加の機能性含有物を洗浄、すすぎ等に適した濃度で含むことができる。
【0045】
所望の洗浄能力を有する使用溶液を提供する希釈比で、水を用いて濃縮物を希釈することにより、使用溶液は濃縮物から調製されることができる。濃縮物を希釈して使用組成物を形成するために使用される水は、希釈水又は希釈剤ということができ、ある場所から別の場所まで異なることができる。典型的な希釈係数は、約1〜約10,000であるが、水硬度、被除去汚れの量などを含む因子に応じて決まるであろう。実施形態では、濃縮物は、約1:10〜約1:10000の濃縮物:水の比で希釈される。特に、濃縮物は、約1:100〜約1:5000の濃縮物:水の比で希釈される。より詳細には、濃縮物は、約1:250〜約1:2000の濃縮物:水の比で希釈される。
【0046】
洗浄剤組成物において、析出防止製剤の濃度及び析出防止製剤の個々の成分は、洗浄剤組成物が濃縮物又は使用溶液として提供されるかどうかによって変わるであろうことを理解されたい。例えば、濃縮物中の析出防止製剤の適切な濃度範囲は、約0.1質量%〜約30質量%、特に約1質量%〜約20質量%、より詳細には約1質量%〜約10質量%である。濃縮物中のスルホネート/アクリレートコポリマーの適切な濃度範囲は、約1%〜約15質量%、特に約1%〜約10質量%、より詳細には約1%〜約5質量%である。濃縮物中のアクリレートホモポリマーの適切な濃度範囲は、約1%〜約15質量%、特に約1%〜約10質量%、より詳細には約1%〜約5質量%である。濃縮物中のホスホノアルカンカルボン酸の適切な濃度範囲は、約0.1%〜約5質量%、特に約0.1%〜約3.5質量%、より詳細には約0.1%〜約2質量%である。
【0047】
使用溶液中の析出防止製剤の適切な濃度範囲は、約0.0005%〜約0.15質量%、特に約0.0005%〜約0.075質量%、より詳細には0.0005%〜約0.04質量%である。使用溶液中のスルホネート/アクリレートコポリマーの適切な濃度範囲は、約0.0001%〜約0.05質量%、特に約0.0001%〜約0.02質量%である。使用溶液中のアクリレートホモポリマーの適切な濃度範囲は、約0.0001%〜約0.05質量%、特に約0.0001%〜約0.02質量%である。使用溶液中のホスホノアルカンカルボン酸の適切な濃度範囲は、約0.0001%〜約0.02質量%、特に約0.0001%〜約0.01質量%である。
【0048】
使用組成物は、洗浄剤組成物の浪費を避けながら所望の程度の洗浄能力を提供するために十分な固形分含有率を有することができる。固形分濃度とは、使用組成物中の非水成分の濃度をいう。本組成物が使用溶液として提供される実施形態では、使用組成物は、約50〜約5,000百万分率(ppm)の固形分含有率を有し、所望の程度の洗浄を提供することができる。特に、使用溶液は、約200〜約3,000ppmの固形分含有率を有することができる。
【0049】
濃縮物は、使用場所で水により希釈されて、使用溶液を提供することができる。次に、その使用溶液は、表面から汚れを除去するのに十分な時間に亘って、表面上に適用される。典型的な実施形態では、使用溶液は、表面から汚れを効果的に除去するために、その表面に少なくとも約5秒留まる。次に、使用溶液は表面からすすがれる。
【0050】
洗浄剤組成物は、様々な実施形態のいずれかで提供されることができる。一実施形態では、リン含有率は、洗浄剤組成物の濃縮された配合物の0.5%を超えない。別の実施形態では、固体洗浄剤組成物をより環境的に許容可能なものにするために、洗浄剤組成物は、ニトリロ三酢酸(NTA)及びエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのアミノカルボン酸塩を実質的に含まない。しかし、洗浄剤組成物は、約0.1%〜約30質量%の生物分解性アミノカルボン酸塩、詳細には約0.1%〜約20質量%の生物分解性アミノカルボン酸塩、より詳細には約0.1%〜約15質量%の生物分解性アミノカルボン酸塩を含んでよい。生物分解性アミノカルボン酸塩の例としては、限定されるものではないが、「VERSENE HEIDA」の製品名でダウ・ケミカル・カンパニー(DOW Chemical Company)社から入手できるヒドロキシエチルイミノ二酢酸二ナトリウム塩(HEIDA)、「Trilon M」の製品名でBASF社から入手できるメチルグリシン二酢酸(MGDA)三ナトリウム塩、及び「Dissolvine GL」の製品名でアクゾ・ノーベル(Akzo Nobel)社から入手できるグルタミン酸−N,N−二酢酸四ナトリウム塩が挙げられる。「実質的にNTA及び/又はEDTAを含まない」とは、NTA及び/又はEDTAが、汚染によって、得られた組成物中において、約10質量%未満、約5質量%未満、約1質量%未満、約0.5質量%未満、約0.1質量%未満、多くの場合には約0.01質量%未満のNTA及び/又はEDTA濃度で存在する組成をいう。使用溶液に希釈されるとき、洗浄剤組成物は、約100ppm未満、詳細には約10ppm未満、最も詳細には約1ppm未満のNTA及びEDTA濃度を含む。洗浄剤組成物がアミノカルボン酸塩を含まないときには、洗浄剤組成物は、再付着防止及び染み除去剤として機能する塩素とも適合する。
【0051】
分配器及び水源を用いてスプレーされることができる非常に濃縮された生成物を提供するために、洗浄剤組成物は成形された固体として提供される。析出防止製剤、アルカリ源、界面活性剤又は界面活性製剤及び他の機能性含有物を含む洗浄剤組成物が、高温で混合される。その混合物は、複数の成分を部分的に又は完全に溶解させて、均質な最終組成物を形成するのに十分な時間に亘って混合される。典型的な実施形態では、洗浄剤組成物の複数の成分は、約10分間混合される。次に、混合物は、モールド(型)に注がれて、固体ブロックへと硬化させられる。その固化は、「凍結」、溶液からの沈殿などを含む1つ以上の物理−化学機構を伴うことができる。
【0052】
混合物が固化した後、成形された組成物は、その型の剥き出しのままの上面を除いて、その型の全ての面に囲まれて接触している。成形された洗浄剤とそれが形成された交換可能な型との組み合わせは、実質的に1つの面のみから、つまり型内で開放されているか、又は支えられていない面であった上面から、溶解した固体を分配できる市販製品を提供する。ある実施形態では、固体洗浄剤組成物は、約1ポンド〜約30ポンドの質量の固体として提供される。
【0053】
成形された洗浄剤組成物は、それが成形された交換可能な型に残っていてよい。また、いずれの場合でも、前述の通り、成形された洗浄剤は1つの面を除く全ての面に囲まれているので、成形された洗浄剤は、離型されて、その型と実質的に同じ構造を有する安価な容器又は貯蔵器に挿入される。そのように囲まれている成形化洗浄剤は、その露出面を洗浄剤分配装置内の(好ましくは固定されている)排出可能部位に置くことにより、使用される。固定された排出可能部位とは、前述の囲まれていない露出面が水平線及び液体の潜在的な衝突スプレーに対して固定されるものである。水平線から数度(例えば、10°〜90°)の傾斜、又は90°を超える傾斜(すなわち、完全に反転しているか、若しくは下を向いている位置までか、その位置を含む、部分的又は完全な反転)のいずれかのために、前述の囲まれていない露出面は、それからの重力流を可能にする。継続的に適切に制御された排出可能(傾斜しているか、又は反転している)面に衝突している液体のスプレーが、該排出可能面から流れ出て洗濯器(その中へ、洗浄剤が分配されることになる)へ向かう液体洗浄剤の排出動作又は重力流を提供する。衝突持続時間(したがって、下降流の持続時間)に亘る制御は、洗濯器中の洗浄剤の濃度を制御する効果を有する。分配装置は、液体洗浄剤の流れがスプレー動作により形成されるときとほぼ同じ程度に速く、液体洗浄剤の流れを分配するので、その分配装置は貯水型ではない。一実施形態では、固体ブロック洗浄剤組成物は、約140〜約185華氏温度、特に約145〜約160華氏温度の水源温度を有する製品洗浄装置の洗浄サイクルにおいて使用される。
【実施例】
【0054】
実施例
本発明の範囲内にある多数の改良及び変化が当業者にとって明らかであろうから、説明のみを目的としている下記実施例において、本発明をより詳細に説明する。特に明示しない限り、下記実施例で示される全ての部、パーセント、及び比は、質量を基準としており、そして該実施例で使用される全ての試薬は、後述する化学物質製造業者から得られるか、若しくは入手可能であるか、又は従来の技術により合成されることができる。
【0055】
100サイクル製品洗浄試験
様々な洗浄剤組成物が製品から染み及び膜を除去する能力を決定するために、リビーガラス(Libbey glass)製品の表面から全ての膜及び異物を除去して、6個のリビーガラス製品を用意した。次に、食器洗い器に適量の水を充填して、その水を硬度について試験した。その値を記録した後、タンクヒーターのスイッチを入れた。次に、その食器洗い器のスイッチを入れて、その食器洗い器によって、約150F〜約160Fの洗浄温度及び約175F〜約190Fのすすぎ温度に達するまで洗浄/すすぎサイクルを行なった。次に、コントローラーをセットして、適量の洗浄剤を洗浄タンク中に分配した。その洗浄タンク内の溶液を滴定して洗浄剤濃度を確認した。
【0056】
6個の洗浄ガラス製品をレーバンラック(Raburn rack)に対角線上に置き、4個のプラスチックタンブラーをレーバンラックに対角線から離して置き(下記配置図を参照)、そのラックを食器洗い器の内部に置いた(P=プラスチックタンブラー;G=ガラスタンブラー)。
【化1】

【0057】
次に、100サイクル試験を開始した。各洗浄サイクルの開始時に、適量の洗浄剤を製品洗浄装置中に自動的に分配して、初期洗浄剤濃度を維持した。その洗浄剤濃度を伝導度により制御した。
【0058】
各サイクルの完了時に、特定の量の洗浄剤を製品洗浄装置中に分配して、初期濃度を維持した。100サイクルの完了時に、ラックを製品洗浄装置から取り出して、ガラス及びプラスチックタンブラーを終夜で乾燥させた。次に、強光源を用いて、ガラス及びプラスチックタンブラーを染み及び膜蓄積について等級分けした。ガラス製品上の染み及び膜の量を1〜5段階で等級付けした。1の等級は、染みも膜も無いことを示した。2の等級は、表面の約4分の1未満を覆う任意の量の染み、及び強いスポットライト条件下で辛うじて知覚できる微量の膜を示した。3の等級は、表面の約4分の1が染みで覆われており、かつ蛍光源まで用いたときに微量の膜が存在することを示した。4の等級は、表面の約2分の1が染みで覆われており、かつ蛍光源まで用いたときに表面が霞むように中程度の量の膜が存在することを示した。5の等級は、表面全体が染みで被覆されており、かつ蛍光源まで用いたときに表面が曇って見えるように大量の膜が存在することを示した。
【0059】
ガラス製品の等級を平均化して、平均ガラス等級値を決定し、そしてプラスチックタンブラーの等級を平均化して、平均プラスチック等級値を決定した。個々のガラス及びプラスチックタンブラーの等級も平均化して、析出防止製剤に関する平均染み及び膜等級値を決定した。
【0060】
実施例1、2及び3並びに比較例A、B、C、D、E、F、G、H及びI
実施例1、2及び3は、本発明の析出防止製剤を用いる洗浄剤組成物を含んでいた。実施例1〜3の組成物は、スルホネート/アクリレートコポリマー、アクリレートホモポリマー及びホスホノアルカンカルボン酸を異なる比率で含んでいた。使用したスルホネート/アクリレートコポリマーは、テネシー州チャタヌーガのアルコ・ケミカル社から入手できる、5000g/モルの分子量を有するアクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸コポリマー「アクアトリートAR−545」であった。使用したアクリレートホモポリマーは、アルコ・ケミカル社から入手できる、2000g/モルの分子量を有するアクリル酸ホモポリマー「アクアトリートAR−260」であった。使用したホスホノアルカンカルボン酸は、ペンシルバニア州ピッツバーグのランクセス社からベイヒビットAMの製品名で入手できるホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸であった。また、実施例1〜3の組成物は、28質量%の水酸化ナトリウムビーズ、10質量%の水酸化ナトリウム(50%の有効成分)、30質量%の重灰、13.9質量%の硫酸ナトリウム及び残余の水も含んでいた。
【0061】
また、比較例A〜Iは、異なる比率のスルホネート/アクリレートコポリマー、アクリレートホモポリマー及びホスホノアルカンカルボン酸を含んでいた。特に、比較例Aはスルホネート/アクリレートコポリマーのみを含み;比較例Bはアクリレートホモポリマーのみを含み;比較例Cはホスホノアルカンカルボン酸のみを含み;比較例D及びEはスルホネート/アクリレートコポリマー及びアクリレートホモポリマーを含み;比較例F及びGはスルホネート/アクリレートコポリマー及びホスホノアルカンカルボン酸を含み;そして比較例H及びIはアクリレートホモポリマー及びホスホノアルカンカルボン酸を含んでいた。実施例1〜3の組成物と同様に、比較例A〜Iの組成物も28質量%の水酸化ナトリウムビーズ、10質量%の水酸化ナトリウム(50%の有効成分)、30質量%の重灰、13.9質量%の硫酸ナトリウム及び残余の水を含んでいた。
【0062】
実施例1〜3及び比較例A〜Iの洗浄剤組成物の成分濃度を下記表2に示す。
【0063】
【表2】

【0064】
表3には、実施例1〜3及び比較例A〜Iの組成物について、析出防止製剤の三成分の比、ガラス評価等級値、プラスチック評価等級値及び平均評価等級値を列挙する。一般に、3以上の平均評価は容認できないものと見なされる。
【0065】
【表3】

【0066】
表3に示されるように、三成分を異なる比で含んでいた実施例1、2及び3の組成物は、1つか2つの成分しか含んでいない組成物よりも汚物の除去に効果的であった。特に、約2:1:0.33のスルホネート/アクリレートコポリマー:アクリレートホモポリマー:ホスホノアルカンカルボン酸の比を有していた実施例1の組成物は、2.2の平均等級値を有し;約1:2:0.33のスルホネート/アクリレートコポリマー:アクリレートホモポリマー:ホスホノアルカンカルボン酸の比を有していた実施例2の組成物は、2.7の平均等級値を有し;そして約1:1:1のスルホネート/アクリレートコポリマー:アクリレートホモポリマー:ホスホノアルカンカルボン酸の比を有していた実施例3の組成物は、2.2の平均等級値を有した。三成分の全てを含んでいた組成物は様々な比で効果的であったが、アクリレートホモポリマーに対するスルホネート/アクリレートコポリマーの比が約1以上であった実施例1及び3の組成物は、ガラス及びプラスチックからの汚物の除去に最も効果的であった。
【0067】
一方で、1つか2つの成分しか含んでいない組成物は、容認できない平均評価等級値を有した。比較例A、B及びCの組成物(それぞれは、1つの成分しか含んでいなかった)は、3.8以上の容認できない平均評価等級値を有した。比較例D及びEの組成物(ホスホノアルカンカルボン酸を含まなかった)は、許容可能なガラス評価等級値になったが、それらは、容認できないプラスチック及び平均評価等級値になった。また、スルホネート/アクリレートコポリマー及びホスホノアルカンカルボン酸しか含んでいなかった比較例F及びGの組成物は、容認できない平均評価等級値を有した。最後に、アクリレートホモポリマー及びホスホノアルカンカルボン酸しか含んでいなかった比較例H及びIの組成物は、ガラスから効果的に汚物を除去したが、プラスチックから汚物を実質的に除去していなかった。全体的に、比較例H及びIの組成物の平均評価等級値は容認できないものであった。
【0068】
実施例1、2及び3並びに比較例J、K、L、M、N、O、P、Q及びR
スルホネート/アクリレートコポリマー及びアクリレートホモポリマーと併用したホスホノアルカンカルボン酸が、ガラス及びプラスチックにおける汚物の防除に効果的であることが決定された(実施例1−3)後に、スルホネート/アクリレートコポリマー及びアクリレートホモポリマーを他のホスホネートと混合して、他のホスホネートが同様に効果的かどうか決定した。
【0069】
特に、比較例J、K及びLは、スルホネート/アクリレートコポリマー、アクリレートホモポリマー及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(60%の有効成分)を異なる比で含んでいた。比較例M、N及びOは、スルホネート/アクリレートコポリマー、アクリレートホモポリマー、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン)酸(25%の有効成分)及びナトリウム塩を含んでいた。比較例P、Q及びRは、スルホネート/アクリレートコポリマー、アクリレートホモポリマー及びヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン)酸カリウム塩(酸形態で23%の有効成分)を含んでいた。実施例1〜3の組成物と同様に、比較例J〜Rの組成物も28質量%の水酸化ナトリウムビーズ、10質量%の水酸化ナトリウム(50%)、30質量%の重灰、13.9質量%の硫酸ナトリウム及び残余の水を含んでいた。
【0070】
実施例1〜3及び比較例J〜Rの組成物の成分濃度を下記表4に示す。
【0071】
【表4】

【0072】
表5には、実施例1〜3及び比較例J〜Rの組成物について、析出防止製剤の三成分の比、ガラス評価等級値、プラスチック評価等級値、及び平均評価等級値を列挙する。一般に、3以上の平均等級値は、容認できないものと一般に見なされる。
【0073】
【表5】

【0074】
表5から、スルホネート/アクリレートコポリマー及びアクリレートホモポリマーと併用したホスホノアルカンカルボン酸は、他のホスホネートよりガラス及びプラスチックからの汚物の除去に効果的であるという予期せぬ結果が得られた。ホスホノアルカンカルボン酸を含んでいた実施例1〜3の組成物は、ガラス及びプラスチックの両方について許容できる評価等級値を全て有した。
【0075】
一方で、比較例J〜Lの組成物は、様々な量の1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸を含んでいた。比較例Kの組成物は、許容できるプラスチック評価等級値を有したが、比較例J〜Lの組成物の全ては、容認できないガラス及び平均評価等級値を有する。したがって、特定の比のスルホネート/アクリレートコポリマー:アクリレートホモポリマーとともに使用されるとき、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸は、プラスチックからの汚物の除去に効果的かもしれないが、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸は、スルホネート/アクリレートコポリマー及びアクリレートホモポリマーと併用されるとき、汚物の除去において一般に効果的ではないであろう。
【0076】
比較例M〜Oの組成物は、様々な量のジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン)酸を含んでいた。表5において分かるように、比較例M〜Oの組成物の全ては、4を超える容認できないガラス、プラスチック及び平均評価等級値を有した。したがって、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン)酸は、スルホネート/アクリレートコポリマー及びアクリレートホモポリマーと併用されるとき、汚物の除去において効果的ではないであろう。
【0077】
比較例P〜Rの組成物は、様々な量のヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン)酸を含んでいた。比較例P〜Rの組成物を析出防止製剤として用いても、ガラス又はプラスチックから除去される汚物は実質的にない。したがって、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン)酸は、スルホネート/アクリレートコポリマー及びアクリレートホモポリマーと併用されるとき、汚物の除去において効果的ではないであろう。
【0078】
本発明の範囲から逸脱することなく、様々な改良及び変形が、説明された典型的な実施形態に対して行われることができる。例えば、上述の実施形態は特定の要件について言及されているが、本発明の範囲は、上記要件の全てを含まない要件及び実施形態の様々な組み合わせを有する実施形態も含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)スルホネート/アクリレートコポリマー;
(b)アクリレートホモポリマー(ただし、スルホネート/アクリレートコポリマー:アクリレートホモポリマーの質量比は約2:1〜約1:2である);及び
(c)ホスホノアルカンカルボン酸
を含む、様々な表面で汚物を防除するための析出防止製剤。
【請求項2】
約1以上:1のスルホネート/アクリレートコポリマー:アクリレートホモポリマーの質量比を有する、請求項1に記載の析出防止製剤。
【請求項3】
アクリレートホモポリマー:ホスホノアルカンカルボン酸の質量比が、約4:1〜1:4である、請求項1に記載の析出防止製剤。
【請求項4】
前記ホスホノアルカンカルボン酸は、前記析出防止製剤の約1質量%〜50質量%を構成する、請求項1に記載の析出防止製剤。
【請求項5】
前記スルホネート/アクリレートコポリマーは、アクリル酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の約4500の分子量を有するコポリマー、並びにアクリル酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の約5000の分子量を有するコポリマーの一方を含む、請求項1に記載の析出防止製剤。
【請求項6】
前記アクリレートホモポリマーは、アクリル酸の約2000の分子量を有するホモポリマーを含む、請求項1に記載の析出防止製剤。
【請求項7】
前記ホスホノアルカンカルボン酸は、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸及び約3600の分子量を有するホスフィノポリカルボン酸の一方を含む、請求項1に記載の析出防止製剤。
【請求項8】
洗浄剤組成物であって、該洗浄剤組成物は:
(a)該組成物の約1質量%〜約75質量%を構成しているアルカリ源;
(b)該組成物の約0.05質量%〜約25質量を構成している界面活性製剤;及び
(c)該組成物の約0.0005質量%〜約30質量%を構成している析出防止製剤
を含み、
(d)該析出防止製剤は、スルホネート/アクリレートコポリマー、アクリレートホモポリマー及びホスホノアルカンカルボン酸を含み、そして該ホスホノアルカンカルボン酸は、該組成物の約0.1質量%〜約5質量%を構成しており;そして
(e)該洗浄剤組成物は少なくとも約10のpHを有する、前記洗浄剤組成物。
【請求項9】
前記析出防止製剤は、約2:1〜約1:2のスルホネート/アクリレートコポリマー:アクリレートホモポリマーの質量比を有する、請求項8に記載の洗浄剤組成物。
【請求項10】
前記析出防止製剤は、約1以上:1のスルホネート/アクリレートコポリマー:アクリレートホモポリマーの質量比を有する、請求項8に記載の洗浄剤組成物。
【請求項11】
前記析出防止製剤は、約4:1〜1:4のアクリレートホモポリマー:ホスホノアルカンカルボン酸の質量比を有する、請求項8に記載の洗浄剤組成物。
【請求項12】
約10〜約13のpHを有する、請求項8に記載の洗浄剤組成物。
【請求項13】
約0.01質量%〜約5.0質量%のホスホノアルカンカルボン酸濃度を有する、請求項8に記載の洗浄剤組成物。
【請求項14】
固体ブロックの形態である、請求項8に記載の洗浄剤組成物。
【請求項15】
(a)スルホネート/アクリレートコポリマー、アクリレートホモポリマー及びホスホノアルカンカルボン酸を含む析出防止製剤を混合する工程;
(b)該析出防止製剤にアルカリ源及び界面活性製剤を混合して、洗浄剤組成物を形成する工程;
(c)該洗浄剤組成物を約1:10〜約1:10,000の希釈比で希釈して、使用溶液を形成する工程;及び
(d)該使用溶液を被洗浄基材と接触させる工程;
を含む、洗浄サイクル中に汚物を除去する方法であって、
(e)該洗浄サイクルの温度が約140華氏温度(°F)〜185°Fである、前記方法。
【請求項16】
前記使用溶液は約10以上のpHを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記洗浄剤組成物を希釈する工程前に、前記洗浄剤組成物を成形して固体ブロックにする工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記スルホネート/アクリレートコポリマーと前記アクリレートホモポリマーを約2:1〜約1:2の質量比で混合する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記洗浄剤組成物は、約0.0001質量%〜約0.02質量%のホスホノアルカンカルボン酸濃度を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記使用溶液を基材に接触させる工程は、前記使用溶液をガラス及びプラスチックの一方に適用する工程を含む、請求項15に記載の方法。

【公表番号】特表2012−516372(P2012−516372A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−547043(P2011−547043)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050398
【国際公開番号】WO2010/086821
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】