説明

放射線硬化性ポリウレタン水性組成物

本発明は、(A)及び(B)の全重量に対して5〜95重量%の、少なくとも1個のポリエチレングリコールセグメント及び少なくとも1個の側鎖の親水基を含む少なくとも1種の水希釈性(メタ)アクリレート化ウレタン(A)、及び(A)及び(B)の全重量に対して5〜95重量%の、水分散性(メタ)アクリレート化ポリウレタン(B1)、(メタ)アクリレート化ウレタン(A)とは異なる水希釈性(メタ)アクリレート(B2)、及びそれらの混合物の群から選択される少なくとも1種の他の(メタ)アクリレート化化合物(B)を含む、水性の放射線硬化性組成物及びインク及びオーバープリントワニスの作製のためのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク及びオーバープリントワニスを作製するのに特に適した放射線硬化性ポリウレタン水性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷用インクを作製するための放射線硬化性水性組成物は、これまでにも記載されている。エネルギーで硬化されたインク又はコーティング中に水が存在すると硬度が減少し、膜の移動又は粘着(blocking)が引き起こされ、ブラッシングという現象により光沢が低減し得ることはよく知られている。米国特許第6,772,683号には、種々の水溶性アクリレート化アクリル系誘導体の混合物を含む水ベースのエネルギー硬化性インクの使用が記載されている。国際特許公開第2006/110784号には、同様のタイプのエチレン性不飽和オリゴマーとエネルギー硬化性官能基を有しない樹脂とを含む放射線硬化性組成物が記載されている。これらの特許出願に記載されている方法は、ウエットトラッピング技法には適しているかもしれないが、そこに記載されている製品は、特に高速印刷装置において用いられたときに接触に対して乾いていないインク膜を与える。その結果、印刷されたインク膜は、印刷されたインク膜が化学活性線(actinic radiation)に曝露されて硬化する前にガイド又はテンションローラーを通過しなければならない印刷装置に汚れ又は染みを付ける。それゆえ、そこに記載されている製品は、インライン又はスタック型の狭ウェブ及び中間ウェブのフレキソ印刷機及びグラビア印刷機などの、印刷されたインクが、化学活性エネルギーに曝露されて硬化する前に、ガイド又はテンションローラーを通過しなければならない印刷装置に用いられるには適していない。
【0003】
さらに、殆どの水性(waterborne)インクは、長期の粘度安定性及び相分離に対する抵抗性が悪く、経時的に印刷品質が不完全なものになり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
我々は、こうした欠点のない新規の組成物を発見した。本発明による組成物は、比較的低い印刷粘度並びに公知の水性の組成物より優れた光沢性及び耐性を有すると共に、より長期の印刷安定性(press and print stability)を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かくして、本発明は、
−(A)及び(B)の全重量に対して5〜95重量%の、少なくとも1個のポリエチレングリコールセグメント及び少なくとも1個の側鎖(pendant)親水基を含む少なくとも1種の水希釈性(メタ)アクリレート化ウレタン(A)と、
−(A)及び(B)の全重量に対して5〜95重量%の、水分散性(メタ)アクリレート化ポリウレタン(B1)、(メタ)アクリレート化ウレタン(A)とは異なる水希釈性(メタ)アクリレート(B2)、及びそれらの混合物の群から選択される少なくとも1種の他の(メタ)アクリレート化化合物(B)と
を含む、水性の放射線硬化性組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明においては、「(メタ)アクリル」という用語は、アクリル及びメタアクリルの両方の化合物又は誘導体並びにそれらの混合物を包含すると理解される。アクリレート化化合物が好ましい。
【0007】
本発明においては、水希釈性(メタ)アクリレート化ウレタン(A)とは、水と化合物(A)との全質量に対して5から75重量%の範囲の濃度の水と当該化合物を混合したときに、均質で、単一相の混合物を形成し得る化合物を指すことを意図している。
【0008】
本発明においては、水分散性(メタ)アクリレート化ポリウレタン(B1)とは、水と混合したときに、微小粒子が水に分散されている2相系を形成するポリマーを指すことを意図している。
【0009】
水希釈性(メタ)アクリレート化ウレタン(A)は、一般には、少なくとも1種のポリイソシアネート化合物(i)、少なくとも1個のポリエチレングリコールセグメント及び少なくとも1個の側鎖親水基を含む、少なくとも1種のポリオール(ii)、好ましくは、ポリエステルポリオール(vi)、及びイソシアネート基と反応し得る反応性基を少なくとも1個含む、少なくとも1種の(メタ)アクリレート化化合物(iv)の反応により得られる。水希釈性(メタ)アクリレート化脂肪族ウレタンが好ましい。
【0010】
ポリエステルポリオール(vi)は、好ましくは水希釈性である。水希釈性ポリエステルポリオールは、例えば、米国出願公開第5,006,598号及び国際公開第94/28043号に記載されている。ポリエステルポリオール(vi)は、より好ましくは、分子量が約200から5000である。ポリエステルポリオール(vi)は、より好ましくは、少なくとも1種のポリエチレングリコール、少なくとも1種のポリ酸、及び少なくとも1個の親水基を含む少なくとも1種の化合物、並びに場合により少なくとも1種の他のポリオールの反応により得られる。親水基とは、例えば、カルボキシレート基又はスルホネート基などのようにイオン性であるか、又はカルボン酸、スルホン酸、アミノ基等のように中和剤と反応した後に、塩を形成してイオン性になる基を指すことを意図している。
【0011】
ポリエチレングリコールは、好ましくは分子量が200から2000であり、より好ましくは少なくとも400である。特に、ポリエチレングリコールセグメントを、好ましくは20から80重量%、より好ましくは40から80重量%含み、少なくとも1個の親水基を含む化合物を、5から20重量%、より好ましくは5から15重量%含むポリエステルポリオールが好ましく、特に、スルホイソフタル酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、及び2,2−ジメチロールブタン酸のナトリウム塩、並びに/或いはα−、ω−ポリプロピレングリコール−ジアミン−スルホプロピレート化物のナトリウム塩である。
【0012】
水希釈性(メタ)アクリレート化ウレタンは、以前より公知である。適切な水希釈性(メタ)アクリレートは、例えば、UCECOAT(登録商標)6558、UCECOAT(登録商標)6559、EBECRYL(登録商標)2002及びEBECRYL(登録商標)2003の名称で市販されているものである。
【0013】
水分散性(メタ)アクリレート化ポリウレタン(B1)は、以前より公知である。それらは、一般に、
−少なくとも1種のポリイソシアネート化合物(i’)、
−場合により、少なくとも1種のポリオール(ii’)、
−イソシアネート基と反応し得る少なくとも1個の反応性基を含み、直接又は中和剤と反応して塩を与えた後のどちらかで、ポリウレタンを水性媒体中に分散可能とし得る、少なくとも1種の親水性化合物(iii)、
−イソシアネート基と反応し得る反応性基を少なくとも1個含む、少なくとも1種の(メタ)アクリレート化化合物(iv’)
の反応により得られる。
【0014】
それらは、より好ましくは、
−化合物(i)、(ii’)、及び(iii)の反応を含む第1のステップと、
−第1のステップの生成物と化合物(iv’)との反応を含み、その結果、末端キャップ(end−capped)エチレン性不飽和ポリウレタンが得られる第2のステップと、
−第2のステップの後に得られた前記末端キャップエチレン性不飽和ポリウレタンを水性媒体中に分散するステップと、
−場合により、化合物(iii)により提供された親水基を陰イオン性塩に変換するための中和剤との反応を含むステップと、
−場合により、第2のステップの後に得られたエチレン性不飽和ポリウレタンを連鎖延長剤(vii)と反応させるステップと
を含むプロセスにより得られる。
【0015】
適切な中和剤としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルモルフォリン、N−メチルピペラジン、N−メチルピロリジン、及びN−メチルピペリジンなどの揮発性有機三級アミン、並びに1価の金属陽イオン、好ましくは、リチウム、ナトリウム及びカリウムなどのアルカリ金属及び水酸化物、水素化物、炭酸塩、及び重炭酸塩などのそのまま分散物中に残存しない陰イオンを含む非揮発性の無機の塩基が含まれる。
【0016】
適切な水分散性の(メタ)アクリレート化ポリウレタン(B1)は、例えば、UCECOAT(登録商標)7155、UCECOAT(登録商標)7177、UCECOAT(登録商標)7570、UCECOAT(登録商標)7571、UCECOAT(登録商標)7578、UCECOAT(登録商標)7655、UCECOAT(登録商標)7674、UCECOAT(登録商標)7689、UCECOAT(登録商標)7770、UCECOAT(登録商標)7772、UCECOAT(登録商標)7773、UCECOAT(登録商標)7825及びUCECOAT(登録商標)7849の名称で市販されているものである。ポリイソシアネート化合物(i)及び(i’)は、少なくとも2個のイソシアネート基を含む有機化合物を指すことを意図している。ポリイソシアネート化合物は通常、3個以下のイソシアネート基を含む。ポリイソシアネート化合物(i)は、最も好ましくは、ジイソシアネートである。
【0017】
ポリイソシアネート化合物は一般には、脂肪族、脂環式、芳香族及び/又は複素環式のポリイソシアネート又はそれらの組合せから選択される。
【0018】
脂肪族及び脂環式ポリイソシアネートの例としては、1,6−ジイソシアナトヘキサン(HDI)、1,1’−メチレンビス[4−イソシアナトシクロヘキサン](HI2MDI)、5−イソシアナト−1−イソシアナトメチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)がある。2個以上のイソシアネート基を含む脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、1,6−ジイソシアナトヘキサンビウレット及び三量体のような上記のジイソシアネートの誘導体である。
【0019】
芳香族ポリイソシアネートの例としては、1,4−ジイソシアナトベンゼン(BDI)、2,4−ジイソシアナトトルエン(TDI)、1,1’−メチレンビス[4−イソシアナトベンゼン](MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1,5−ネフタレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)及びp−フェニレンジイソシアネート(PPDI)がある。水希釈性(メタ)アクリレート化ポリウレタンプレポリマー(A)には、好ましくは、脂肪族及び脂環式ポリイソシアネート、特にはIPDIが用いられる。
【0020】
ポリオール(ii’)は、少なくとも2つの水酸基を含み、数平均分子量が少なくとも400であるポリオールを指すことを意図している。ポリオール(ii’)は、5000を超えない、好ましくは、1000を超えない数平均分子量を有することが好ましい。
【0021】
そのようなポリオールの例としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリアクリレートポリオール、並びにそれらの組合せがある。
【0022】
ポリエステルポリオールは、特に好ましく、特に、多価、好ましくは、2価アルコールとポリカルボン酸、好ましくは、ジカルボン酸又は対応する酸無水物との水酸基末端反応生成物(hydroxyl terminated reaction)並びにラクトン類の開環重合で得られる生成物が好ましい。特に好ましいのは、ネオペンチルグリコールとアジピン酸及び/又はイソフタル酸の重縮合反応で作られるポリエステルポリオールである。
【0023】
高分子量のポリオール(ii’)に加えて、プレポリマー(B1)の合成中に低分子量ポリオールを加えることもできる。低分子量ポリオールとは、少なくとも2個の水酸基を含み、分子量が400より少ないポリオールを指すことを意図している。
【0024】
親水性化合物(iii)は一般に、イオン性又は非イオン性の親水性を示すことができる官能基を含むポリオールである。好ましくは、これは、1個又は複数個の、カルボン酸塩及びスルホン酸塩の基などの陰イオン性塩の基、又はカルボン酸基又はスルホン酸基等の陰イオン性塩の基に変換し得る酸基を含むポリオールである。好ましくは、一般式(HO)R(COOH)で表されるヒドロキシカルボン酸であり、式中、Rは、1から12個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の炭化水素残基を表し、x及びyは独立に、1から3の整数である。これらのヒドロキシカルボン酸の例としては、クエン酸、リンゴ酸、乳酸及び酒石酸が含まれる。最も好ましいヒドロキシカルボン酸は、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸及び2,2−ジメチロールブタン酸などの、上記の一般式中、x=2及びy=1である、α,α−ジメチロールアルカン酸である。
【0025】
親水性化合物(iii)の量は、通常、ポリウレタンプレポリマー(A)の1から25重量%、好ましくは、4から10重量%である。
【0026】
本発明においては、(メタ)アクリル化合物(iv)及び(iv’)は、少なくとも1個の(メタ)アクリル基及びイソシアネートと反応し得る1個の求核性官能基、好ましくは、水酸基を含む化合物を指すのを意図している。好ましいのは、(メタ)アクリロイルモノヒドロキシ化合物であり、より具体的には、ポリ(メタ)アクリロイルモノヒドロキシ化合物である。アクリレートが特に好ましい。
【0027】
有用な化合物(iv)及び(iv’)としては、脂肪族及び芳香族ポリオールと(メタ)アクリル酸とのエステル化生成物であって、平均残存水酸基数が約1であるものがある。(メタ)アクリル酸と3価、4価、5価又は6価ポリオール又はそれらの混合物との部分エステル化生成物が好ましい。この文脈においては、そのようなポリオールとエチレンオキシド及び/若しくはプロピレンオキシド又はそれらの混合物との反応生成物、或いはそのようなポリオールと、開環反応においてこうしたポリオールに付加するラクトンとの反応生成物を用いることもまた可能である。適切なラクトンの例としては、γ−ブチロラクトン、並びに特に、δ−バレロラクトン及びε−カプロラクトンがある。このような修飾された又は未修飾のポリオールは、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの混合物で、所望の残存水酸基数となるまで部分的にエステル化される。
【0028】
適切な化合物としては、アルキル基中に1から20の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのような、少なくとも1個の水酸官能基がフリーのままである、直鎖及び分岐のポリオールを有する(メタ)アクリルエステルがある。この範疇の好ましい分子は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートである。特に好ましいのは、グリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及びそれらの(ポリ)エトキシル化及び/又は(ポリ)プロポキシル化等価物などの、少なくとも2個の(メタ)アクリル官能基を含む化合物である。
【0029】
水希釈性(メタ)アクリレート(B2)は、水及び(メタ)アクリレート(B2)の全質量中に対して少なくとも15重量%の水と均質で単一相の混合物を形成し得る(メタ)アクリレートを指すことを意図している。好ましい(メタ)アクリレート(B2)としては、30重量%まで、より好ましくは、45重量%までの水で希釈し得るものである。
【0030】
水希釈性(メタ)アクリレート(B2)は、好ましくは、エポキシ(メタ)アクリレート及びポリエーテル(メタ)アクリレート及びそれらの混合物から選択され、特に、少なくとも2個の(メタ)アクリレート基を含むものである。
【0031】
より好ましいのは、ポリエーテル(メタ)アクリレートであり、特に、アルコキシル化された低分子量のポリオールの(メタ)アクリレートである。低分子量のポリオールとは、グリセロール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びビスフェノールなどの、少なくとも2個の水酸官能基を含み、400未満の分子量を有するポリオールを指すことを意図している。
【0032】
炭素に対する酸素の当量比(equivalent ratio)が、少なくとも0.2、好ましくは少なくとも0.25、より好ましくは少なくとも0.33を有するアルコキシル化されたポリオールが特に好ましい。
【0033】
特に好ましい水希釈性(メタ)アクリレート(B2)は、エトキシル化されたポリオール、特にグリセロールの(メタ)アクリレートである。
【0034】
水希釈性(メタ)アクリレートは公知である。適切な製品としては、EBECRYL(登録商標)11、EBECRYL(登録商標)12、EBECRYL(登録商標)13及びEBECRYL(登録商標)2047の名称で市販されているものを含む。
【0035】
本発明による組成物は、他の化合物を含んでもよい。本発明の特定の実施形態によれば、組成物はまた、少なくとも1種の(メタ)アクリル共重合体(C)、特に(メタ)アクリレート化されていないアクリル共重合体を含む。(メタ)アクリル共重合体は、組成物に、他の化合物(A)及び/又は(B)のうちの1種と別々に又は一緒に加えてもよい。水分散性及び水希釈性のランダム、交互及びブロックの(メタ)アクリル共重合体が好ましく、特に、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物などの、側鎖カルボン酸基又は酸無水物基を有する1種又は複数種の単官能性の(メタ)アクリルモノマー0.5から25重量%;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート及びジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの、側鎖水酸基を有する1種又は複数種の単官能性(メタ)アクリルモノマー0.5から25重量%;ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、オクチル/デシル(メタ)アクリレートなどの、1種又は複数種の単官能性アルキル又はアリール(メタ)アクリレートモノマー15から70重量%;及びスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエーテル類などの、1種又は複数種の他の単官能性ビニルモノマー0.5から50重量%から得られるものが好ましい。それ以上の化学的な修飾をすることなく固形分で25重量%まで、又は塩基を用いて側鎖のカルボン酸基又は酸無水物基を更に中和することにより60重量%まで希釈又は分散することができる水分散性及び水希釈性(メタ)アクリル共重合体が、特に好ましい。
【0036】
本発明による組成物は一般に、化合物(A)及び(B)の全重量に対して、プレポリマー(A)を20から80重量%、及び場合により(C)を含む。
【0037】
本発明による組成物は一般に、化合物(A)及び(B)の全重量に対して、(B)を20から80重量%、及び場合により(C)を含む。存在する場合には、本発明による組成物は一般に、化合物(A)、(B)及び(C)の全重量に対して、化合物(C)を、5から50重量%含む。
【0038】
水性組成物は一般に、化合物(A)を、1から50重量%、好ましくは、5から40重量%含む。
【0039】
水性組成物は一般に、化合物(B)を、1から50重量%、好ましくは、5から40重量%含む。
【0040】
存在する場合には、本発明による組成物は一般に、化合物(C)を、5から40重量%含む。
【0041】
化合物(A)、(B)及び場合により(C)の他に、水性組成物はまた、安定化剤、接着促進剤、アミン官能性アクリレート共重合開始剤、流動化及び平滑化剤(flow and leveling agent)、シリコーン不含有スリップ剤並びに曇り防止剤などの添加剤(D)を含んでもよい。インクを作製する場合には、特に組成物に顔料を加えてもよい。
【0042】
本発明の水性組成物は一般に、化合物(A)及び(B)、並びに場合により(C)及び/又は(D)及び/又は顔料の全含量として規定される全固形分を、約30から60重量%、好ましくは約35から45重量%有する。
【0043】
本発明の水性組成物は通常、水を40から70%含む。
【0044】
本発明による放射線硬化性組成物は、一般に光開始剤の存在下で、紫外線照射により硬化可能である。通常、光開始剤を0.5から12重量%組成物に添加し得る。組成物はまた、電子線照射により硬化でき、光開始剤を含まない組成物を使用できる。
【0045】
本発明による組成物は、粘度が低く、硬化による収縮率が低く、残留応力が低く、種々の支持体に対して良好な接着を示す。また、組成物は、光沢が高く、摩耗、引っ掻き、アルコール、家庭用クリーナー及び洗剤に対して高い抵抗性を与える。
【0046】
上記で定義したような水分散性ポリウレタン(B1)を含む本発明の組成物は、特に、インク及び不粘着性コーティング中への使用に適しており、印刷後化学活性線に曝される前に、室温の又は加熱した空気の送風で(接触に対して)乾燥している状態にすることができる。このアプローチの利点は、インライン又はスタック型の狭ウェブ及び中間ウェブのフレキソ印刷機及びグラビア印刷機などの、印刷されたインク膜が、化学活性エネルギーに曝されて硬化する前に、ガイド又はテンションローラーを通過しなければならない印刷装置で、こうした組成物を使用することが自由になる点である。
【0047】
本発明による組成物は、不適合性及び相分離の問題なしに、種々の供給業者から市販されている液体顔料分散物又は予備分散された顔料濃縮物に対して適合性がある。
【0048】
本発明は、室温で6カ月までの間非常に良好な粘度安定性及び相分離に対する抵抗性を有する組成物及び最終製品を提供する。
【0049】
本発明は、所望のライン速度又はインク/コーティングトラップのために水の存在に依存しない組成物を提供する。水は化学活性エネルギーでの硬化の前に除去されるので、得られた印刷されたインク又はコーティングは、粘着に対して耐性であり(block resistant)、光沢が高く、化学薬品及び通常の家庭用クリーナーに対する抵抗性が高い。
【0050】
本発明による組成物は、比較的低い印刷粘度、典型的には25℃で<250cP、好ましくは25℃で<100cPを有し、従来の水性の又は中性pHの系より優れた光沢性及び耐性を有すると共に、より長期の印刷安定性を与える。本発明については、長期間、フレキソ印刷機に混合されたインク又はコーティングを残すことにより印刷安定性に関して試験を行った。この期間内に印刷を完了しなかった。この期間の後に印刷を再開し、インク又はコーティングは液体に溶解可能であり、得られた印刷物は、その品質において許容できるものであった。
【0051】
本発明による組成物は、化学架橋剤なしで増強された光沢及び耐性を与えると共に、従来の水性オーバープリントワニスの粘度と同様な低粘度を与え、それゆえに保存寿命は、事実上無制限である。
【0052】
本発明による組成物は、高い光沢及び耐性を得るために、水性インクに対して高い接着性を与える。
【0053】
油ベースのリソインクをUV/EBオーバープリントワニスでオーバープリントすることは周知である。しかし、この組合せは、UV/EBオーバープリントワニスと油ベースのリソインクの間の適合性が劣るために典型的には光沢を欠く結果となる。この現象は、グラフィックアート産業ではグロスバックと呼ばれている。油ベースのインクとUV/EBオーバープリントワニスとの間に水ベースのプライマーを使用するとグロスバックの発生を著しく減少させることも周知である。本発明による組成物は、油ベースのインクに対して良好な適合性を示し、そのため、水が除去され、オーバープリントワニスがUV/EBエネルギーで硬化される場合に、高い抵抗性特性を有する高光沢のコーティングを与えるようなインクのオーバープリントワニスとして適切なものとなる。このアプローチは、グロスバックとして知られる現象に対処するために用いられる、製作プロセスにおけるステップの1つに対する必要性を除き、それによりコストを削減し生産性を向上させる。
【0054】
上記に規定したような水希釈性メタクリレート(B2)を含む本発明による組成物は、オーバープリントワニスとしての使用に対して特に適しており、高い光沢を与える。
【0055】
本発明による組成物は、インク及びオーバープリントワニスの作製に適している。本発明による組成物は、紙、板状及びフィルム状の支持体上に、フレキソグラフィー及びグラビア法により印刷されるインク及びオーバープリントワニスにおける使用に特に適している。本発明による組成物を含むフレキソグラフィー及びグラビア製品は、印刷後、印刷された膜から水を除き、次いで照射により硬化される。
【0056】
それゆえ、本発明はまた、インク又はワニスを作製するための組成物の使用、並びに上記に記載した組成物が用いられるインク又はワニスの製造プロセスに関する。
【0057】
さらに、本発明は、本発明による組成物を含むインク及びワニスに関する。
【実施例】
【0058】
以下の実施例は、制限することなく本発明を例示する。
【0059】
(例1)
ポリエステルジオール、ジメチロールプロピオン酸、芳香族ジオール、TDIを反応させ、ジトリメチロールプロパントリアクリレートでアクリレート化して得た、アクリレート化ポリウレタンを23重量%、及びアクリル共重合体を13重量%含む、芳香族アクリルポリウレタンの水性分散物1,400gと、ポリエチレングリコール61重量%及びスルホイソフタル酸12重量%を含むポリエステルポリオール55重量%をIPDI30重量%と反応させ、ヒドロキシエチルアクリレートでアクリレート化して得たウレタンアクリレート50重量%を含む、脂肪族ウレタンアクリレート水溶液600gとを混合して組成物を作った。
【0060】
上記の組成物600gを顔料分散物480g及び光開始剤120gと混合してインクを作製した。
【0061】
このインクを使用して、COMCO(登録商標)フレキソ印刷機を用いて紙及びポリプロピレン支持体上に印刷した。加熱空気を送風して印刷したインクから水を除去した。印刷物上を指で擦って試験したところインクは乾燥していた。その後乾燥した印刷された膜をUV照射により硬化した。
【0062】
得られた印刷物を試験し、表1に示したように、その結果を従来の溶液及び乳化物インクと比較した。
【0063】
擦り抵抗性は、Sutherland擦り試験機で測定した。クリーナー及び溶媒に対する抵抗性を、綿を取り付けたアプリケーターの綿の先端を湿らせ、インクを擦り取るように軽い指圧を与え、インクの表面が破れるのを視認して決定した。接着は、3Mの300又は610テープの適当な長さを取り、テープを硬化表面に指圧で貼り付け、次いで被覆面に対して垂直方向に1回の急速な動作で表面からテープを引きはがして試験した。接着は、コーティングが、テープ剥離の後、支持体に完全に無傷で接着して残存する場合に合格とした。
【0064】
(例2)
平均で12個のエトキシ基を含むエトキシル化グリセロールトリアクリレート1,000gと、例1において記載した脂肪族ウレタンアクリレート水溶液1,000gとを混合して組成物を作製した。
【0065】
上記の組成物1,800gと光開始剤200gとを混合してオーバープリントワニスを作製した。
【0066】
このオーバープリントワニスを使用して、紙及びポリプロピレン支持体上に、COMCO(登録商標)フレキソ印刷機を用いて、例1で記載したインクの上に印刷した。加熱空気を送風して水を除去し、次いでオーバープリントワニスをUV照射で硬化させた。
【0067】
高光沢を得るための設計によりオーバープリントワニスは水を除去した後には接触に対して乾燥してはいなかった。
【0068】
得られた印刷物を試験し、表1に示したように、その結果を従来の溶液及び樹脂乳化物で得られたものと比較した。
【0069】
(例3)
脂肪族ポリエステルポリウレタンとアクリル共重合体の分散物1,720gと、例1で記載した脂肪族ウレタンアクリレート水溶液280gとの混合物を含む組成物を使用した以外は同様にして、例2を繰り返した。
【0070】
オーバープリントワニスは水を除去した後に接触に対して乾燥していた。得られた印刷物を試験し、表1に示したように、その結果を従来の溶液及び樹脂乳化物で得られたものと比較した。
【0071】
(例4)
例1に記載した脂肪族ウレタンアクリレート溶液19gと、米国特許第5,596,065号に記載されているような、HDI、ジメチロールプロピオン酸及びエトキシル化トリメチロールプロパンのジアクリレートの反応で得られるアクリレート化ポリウレタンを40重量%含むアクリレート化ポリウレタン分散物75gとを5分間混合して組成物を作った。次いで、光開始剤6gを加え、混合物をさらに2分間混合した。混合物はZahn#3で25℃で、19秒の粘度を有した。混合物は、少なくとも24時間、粘度は安定していた。
【0072】
この組成物を、紙支持体に、手で保持したアプリケーターロッドで展開した。加熱空気を送風して印刷した組成物から水を除いた。印刷物は、印刷物上を指で擦って試験したところ接触に対して乾燥していた。次いで乾燥した印刷膜をUV照射により硬化させた。得られた印刷物は、60°で65超の光沢を有した。
【0073】
(例5)
脂肪族ウレタンアクリレート溶液9g及びアクリレート化ポリウレタン分散物85gを用いた他は同じにして例4を繰り返した。
【0074】
混合物は、25℃で、Zahn#3で粘度が12.5秒であった。混合物は少なくとも24時間粘度が安定していた。
【0075】
この組成物を手持ち式のアプリケーターロッドで紙支持体に展開した。加熱空気を送風して印刷した組成物から水を除去した。印刷物は、印刷物上を指で擦って試験したところ接触に対して乾燥していた。次いで乾燥した印刷膜をUV照射で硬化した。得られた印刷物は60°で65超の光沢を有した。
【0076】
(例6)
例1で記載した脂肪族ウレタンアクリレート溶液10gと例4で記載したアクリレート化ポリウレタン分散物60gとを5分間混合して組成物を作製し、次いで、例2に記載したエトキシル化ポリエーテルトリアクリレート20gを加え、混合をさらに5分間継続した。次いで、光開始剤10gを加え、混合物をさらに2分間混合した。混合物は、25℃で、Zahn#3で粘度が15秒であった。混合物は少なくとも24時間粘度が安定していた。
【0077】
この組成物を、手持ちのアプリケーターロッドで紙支持体に展開した。加熱空気を送風して印刷した組成物から水を除去した。印刷物は、印刷物上を指で擦って試験したところ接触に対して乾燥していなかった。次いで乾燥した印刷膜をUV照射で硬化した。得られた印刷物は60°で75超の光沢を有した。
【0078】
(例7)
脂肪族ポリエステルポリウレタン及びアクリル共重合体の分散物50gと脂肪族ウレタンアクリレート溶液40gとを光開始剤10gと共に用いた他は同じに例3を繰り返した。
【0079】
混合物は、25℃で、Zahn#3で粘度が20秒であった。混合物は少なくとも24時間粘度が安定していた。
【0080】
この組成物を、手持ち式のアプリケーターロッドで紙支持体に展開した。加熱空気を送風して印刷した組成物から水を除去した。印刷物は、印刷物上を指で擦って試験したところ接触に対して乾燥していた。次いで乾燥した印刷膜をUV照射で硬化した。得られた印刷物は60°で65超の光沢を有した。
【0081】
(例8)
脂肪族ウレタンアクリレート溶液47g及び例2に記載したエトキシル化ポリエーテルトリアクリレート47gを含む混合物を5分間混合した。次いで、光開始剤3gを加え混合をさらに2分間続け、次いで、メチルジエタノールアミン3gを加え、混合をさらに2分間継続した。
【0082】
混合物は、25℃で、Zahn#3で粘度が14.5秒であった。混合物は少なくとも24時間粘度が安定していた。
【0083】
この組成物を、手持ち式の実験用anilox試験機で紙支持体に印刷した。揮発性の材料を除くために熱風を与え、次いで、印刷物を化学活性線に曝して硬化した。得られた印刷物は、テープ接着、光沢、擦り抵抗性及び保持性/平滑性(lay/leveling)において良好であった。
【0084】
(例9)
組成物が、脂肪族ウレタンアクリレート溶液43g、エトキシル化ポリエーテルトリアクリレート43g、光開始剤5g、アクリレート化アミン5g及びポリエーテルで修飾したポリシロキサン化合物5gを含む以外は同様に、例8を再現した。
【0085】
反応性、接着、耐水性及び擦り抵抗性は、例8の組成物で得られたものと同様であった。光沢は例8で得られた結果より低く、保持性/平滑性は例8で得られた結果よりも優れていた。
【0086】
(例10)
例1及び2に記載したようにアクリレート化ウレタン溶液10g、エトキシル化ポリエーテルトリアクリレート20g及びアクリレート化ポリウレタン分散物60gを室温で5分間混合した。光開始剤10gをさらに加えた。
【0087】
混合物は、25℃で、Zahn#3で粘度が15秒であった。混合物は少なくとも24時間粘度が安定していた。
【0088】
この組成物を、手持ち式の実験用anilox試験機で紙支持体に印刷した。揮発性の材料を除くために熱風を与え、次いで、印刷物を化学活性線に曝して硬化した。得られた印刷物は、許容できる光沢及び耐水性と共に、優れた保持性/平滑性、耐熱性、擦り抵抗性及び接着性を示した。
【0089】
(比較例11R)
例1に記載のアクリレート化ポリウレタン分散物60g及びEBECRYL(登録商標)40の名称で市販されているポリエーテルテトラアクリレート30gを室温で5分間で混合した。次いで、光開始剤10gを加え、混合を2分間継続した。
【0090】
混合物は、許容できない粘度を有し、上記に記載したように印刷するには適していなかった。
【0091】
(比較例12R)
ポリエーテルテトラアクリレートの代わりに、ジメチロールプロパンテトラアクリレート30gを用いる以外は同様に、比較例11Rを再現した。
【0092】
混合物は、許容できない粘度を有し、上記に記載したように印刷するには適していなかった。
【表1】


接着及び擦り抵抗性:1=劣る(著しく除去された)〜10=良好(除去がほとんどない/まったくなし)。
409(登録商標)クリーナー、イソプロパノール及びメチルエチルケトンに対する抵抗性:回数が大きいほど抵抗性が高い。
【0093】
(例13)
ポリエステルジオール、ジメチロールプロピオン酸、芳香族ジオール、TDIを反応させ、ジトリメチロールプロパントリアクリレートでアクリレート化して得られたアクリレート化ポリウレタンを23重量%含む、芳香族アクリルポリウレタン水性分散物140gと、例1で記載した脂肪族ウレタンアクリレート溶液600gとを混合して組成物を作製した。
【0094】
上記した組成物50gと顔料分散物40g及び光開始剤10gとを混合してインクを作った。このインクを、紙及びポリプロピレン支持体上で、例1で得たものと比較した。加熱空気を送風して印刷されたインクから水を除いた。印刷物上を指で擦って試験したところインクは乾燥していた。次いで乾燥した印刷されたインク膜をUV照射により硬化した。例13からのインクは、同じ照射条件下で、例1のインクよりも前に傷がつかない状態を達成することで実証されたように、反応性がより速いことが観察された。両方のインクとも、視覚的光沢は等しく、接着性も同じであった。接着性の試験は、3Mの300又は610テープの適当な長さを取り、テープを硬化させた表面に指圧で貼り付け、次いで被覆面に対して垂直に、1回の急速な動作で表面からテープを引きはがして試験した。
【0095】
(例14)
例13に記載のポリウレタン水性分散物86gと例1に記載の脂肪族ウレタンアクリレート溶液14gを混合して組成物を作製した。上記の組成物90gと光開始剤10gを混合してオーバープリントワニスを作製した。
【0096】
例14から得たオーバープリントワニスを、Leneta(登録商標)カード上に手持ち式のaniloxロール試験機で印刷して、例3から得たオーバープリントワニスと比較した。印刷後、印刷物を加熱空気の送風に曝して水を除去した。水除去後は両方の印刷物とも接触に対して乾燥していた。乾燥した印刷物を、実験用Aetek(登録商標)硬化装置を用いるUV照射に曝し、その特性を試験/観察した。例14からのオーバープリントワニスは、より少ない活性線照射で、傷がつかない状態を達成することが判明した通り、より高い反応性を示し、指の爪の背でテストしたところ引っ掻きに対してより抵抗性であった。両方のオーバープリントワニスとも、等しい視覚光沢及びテープ接着を有した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)及び(B)の全重量に対して5〜95重量%の、少なくとも1個のポリエチレングリコールセグメント及び少なくとも1個の側鎖(pendant)の親水基を含む少なくとも1種の水希釈性(メタ)アクリレート化ウレタン(A)と、
(A)及び(B)の全重量に対して5〜95重量%の、水分散性(メタ)アクリレート化ポリウレタン(B1)、(メタ)アクリレート化ウレタン(A)とは異なる水希釈性(メタ)アクリレート(B2)、及びそれらの混合物の群から選択される少なくとも1種の他の(メタ)アクリレート化化合物(B)と
を含む、水性の放射線硬化性組成物。
【請求項2】
前記水希釈性(メタ)アクリレート化ウレタン(A)が、少なくとも1種のポリイソシアネート化合物(i)、少なくとも1個のポリエチレングリコールセグメント及び少なくとも1個の側鎖(pendant)の親水基を含む、少なくとも1種のポリエステルポリオール(vi)、及びイソシアネート基と反応し得る反応性基を少なくとも1個含む、少なくとも1種の(メタ)アクリレート化化合物(iv)の反応により得られる、請求項1に記載の放射線硬化性組成物。
【請求項3】
前記ポリエステルポリオール(vi)が、20から80重量%のポリエチレングリコールセグメント及び5から20重量%の少なくとも1個の親水基を含む化合物を含む、請求項2に記載の放射線硬化性組成物。
【請求項4】
前記水分散性(メタ)アクリレート化ウレタン(B1)が、
少なくとも1種のポリイソシアネート化合物(i’)、
場合により、少なくとも1種のポリオール(ii”)、
イソシアネート基と反応し得る反応性基を少なくとも1個含み、直接に又は中和剤と反応して塩を与えた後のどちらかで、前記ポリウレタンを水性媒体中に分散可能とし得る、少なくとも1種の親水性化合物(iii)、
イソシアネート基と反応し得る反応性基を少なくとも1個含む、少なくとも1種の(メタ)アクリレート化化合物(iv’)
の反応により得られる、請求項1に記載の放射線硬化性組成物。
【請求項5】
前記水希釈性(メタ)アクリレート(B2)が、エポキシ(メタ)アクリレート及びポリエーテル(メタ)アクリレート並びにそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の放射線硬化性組成物。
【請求項6】
前記水希釈性(メタ)アクリレート(B2)が、エトキシル化されたグリセロール(メタ)アクリレートから選択される、請求項5に記載の放射線硬化性組成物。
【請求項7】
少なくとも1種の(メタ)アクリル共重合体(C)及び/又は少なくとも1種の添加剤(D)及び/又は少なくとも1種の顔料を含む、請求項1に記載の放射線硬化性組成物。
【請求項8】
化合物(A)及び(B)、並びに場合により(C)及び/又は(D)及び/又は顔料の全含量として規定される、全固形分約30から60重量%を含む、請求項7に記載の放射線硬化性組成物。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の放射線硬化性組成物を含む、インク又はワニス。
【請求項10】
フレキソ印刷又はグラビア印刷のための、請求項9に記載のインク又はワニスの使用。

【公表番号】特表2011−516632(P2011−516632A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500177(P2011−500177)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/053075
【国際公開番号】WO2009/115489
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(505365965)サイテック サーフェース スペシャリティーズ、エス.エイ. (38)
【Fターム(参考)】