文字入力装置及び文字入力プログラムと携帯端末
【課題】 携帯電話端末等の携帯端末で文字入力を行う場合に、文字等の入力のための操作の煩雑さが少なく、スムーズに入力作業を行うことができるようにする。
【解決手段】
タッチパッド3は、ユーザの指等による時計回り方向及び反時計回り方向への回転操作を検知可能である。携帯電話端末は、タッチパッド3にユーザの指がタッチした時、タッチ位置を初期位置とし、初期位置から反時計回り方向には文字種別選択のための複数の入力モードを設定し、時計回り方向には現在の入力モードで入力できる各文字を設定する。タッチパッド3に指をタッチした状態で、指を反時計回り方向に移動させた後、時計回り方向に反転させると、反転位置に設定されていた入力モードが確定する。入力モードが確定している時、タッチパッド3に指をタッチした状態で、指を時計回り方向に移動した後、反時計回り方向に反転させると、反転位置に設定されていた文字の入力が確定する。
【解決手段】
タッチパッド3は、ユーザの指等による時計回り方向及び反時計回り方向への回転操作を検知可能である。携帯電話端末は、タッチパッド3にユーザの指がタッチした時、タッチ位置を初期位置とし、初期位置から反時計回り方向には文字種別選択のための複数の入力モードを設定し、時計回り方向には現在の入力モードで入力できる各文字を設定する。タッチパッド3に指をタッチした状態で、指を反時計回り方向に移動させた後、時計回り方向に反転させると、反転位置に設定されていた入力モードが確定する。入力モードが確定している時、タッチパッド3に指をタッチした状態で、指を時計回り方向に移動した後、反時計回り方向に反転させると、反転位置に設定されていた文字の入力が確定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話端末のように筐体上に搭載可能な操作デバイスの数や大きさに限度がある小型の携帯端末にて文字入力を行う場合に好適な文字入力装置及び文字入力プログラムと携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、例えば携帯電話端末のように、ユーザインターフェイスのための操作デバイス用のスペースを広くとることが困難な携帯端末においても、一般的なパーソナルコンピュータと同様に、文字入力・編集機能やインターネットへ接続してウェブページを表示するなどの機能が必須になっている。
【0003】
特に、携帯端末の代表例である携帯電話端末の場合は、文字の入力・編集のための操作デバイスとして、いわゆるテンキー(「0」〜「9」の数字キー)や「#」,「*」の記号キーが用いられている。なお、上記テンキーの十個と二個の記号キーは、まとめて12キーと呼ばれることもある。携帯電話端末の場合、それら12キーの各キーには、それぞれ複数の文字や記号が入力候補としてグループ化されて割り振られている。したがって、例えば所望の文字等を入力する際には、その所望の文字を含む入力候補グループが割り振られているキーを選び、そのキーを必要に応じて複数回押下することにより、上記入力候補グループの中から所望の文字を選び出すような操作が行われる。
【0004】
また、従来の携帯電話端末において、文字入力が行われる際には、仮名、英字、数字、記号などのような文字種別の切り替えが必要になることも多い。これら文字種別の切り替えは「入力モード変換」とも呼ばれており、当該入力モード変換は、例えば、上記文字入力用の12キー以外の別の所定キーを操作することにより行われる。また、入力モード変換が行われた場合、上記12キーの各キーへの文字の割り付けは、当該切り替えられた文字種別に含まれる各文字に自動的に切り替えられる。例えば仮名文字の入力モードにおいて、テンキーの例えば「2」キーに対しては、日本語五十音順の「か行」と「が行」に含まれる各列の文字が入力候補グループとして割り振られているが、入力モードが英文字の入力モードに切り替えられた時には、当該「2」キーに対して「a」,「b」,「c」の文字が入力候補グループとして自動的に割り振られる。
【0005】
このように、従来の携帯電話端末において、文字入力を行う場合には、仮名入力モード、英字入力モード等の各入力モードの中から所望の入力モードを選択するために、必要に応じて上記所定キーを操作し、さらに、所望の文字を含む入力候補グループが割り振られているキーを何度も押下することにより、当該入力候補グループの中から上記所望の文字を選択して入力するというような、煩雑さを伴った入力形式が主流となっている。
【0006】
一方、従来より、文字入力用の操作デバイスとして、タッチパッドやタッチセンサー等の各種接触(タッチ)検出デバイスを用いることで、上述のような煩雑さを軽便して操作性を高める技術についても幾つか開示されている。
【0007】
一例として、特開2007−193465号の公開特許公報(特許文献1)には、文字入力手段としてタッチパッドを用い、そのタッチパッド上の領域を複数に分割し且つそれら分割された各領域に対して選択候補となる情報を割り当てておき、それら各領域のうちの所望の領域が指等によりタッチされた時に、その領域を始点位置とし、さらに当該タッチした状態で指を移動させた場合には、上記始点位置を含む領域に割り当てられている選択候補を変化させ、その後、指が離された時の位置を終点とし、その終点に対応する選択候補の入力を確定するようにした入力装置が開示されている。
【0008】
また、特開2006−350409号の公開特許公報(特許文献2)には、タッチパッドに文字入力用の領域と、変換・空白用の領域と、設定・確定用の領域を設け、入力用の領域のタッチ位置に応じて、表示装置上に最初に表示される文字が確定され、さらに、指を移動させる操作によって文字を更新し、その後、指等を離すことによって文字の入力が確定するような文字入力装置が開示されている。また、この文字入力装置では、入力用の領域が複数に分割され、それら各領域には入力モード毎に異なる選択候補が割り当てられ、タッチしている指等の移動操作によってそれら選択候補を選択可能となされている。そして、それら何れの領域をタッチするかにより、選択候補となる最初の文字が決定されるようになされている。
【0009】
その他、タッチパッドやタッチセンサーとは別の操作デバイスを用いて文字等の入力を行う技術として、例えば、特開2000−241199号の公開特許公報(特許文献3)には、初期状態から回転ベゼルを或る方向に回転させると、その回転に伴って入力候補グループ表示部に例えば五十音順の行毎のグループを代表する文字がスクロール表示され、回転ベゼルを逆方向に回転させると、その時点で表示部の中央に表示されている入力候補のグループが選択されて、表示部の中央にはそのグループに属する文字(各列の文字)が表示され、さらに回転ベゼルの回転方向を変えると、その時点で表示部の中央に表示されている文字が入力され、最終的にその文字が選択されるような情報処理装置及び情報処理装置の情報入力方法が開示されている。
【0010】
また、特開2006−23891号の公開特許公報(特許文献4)には、ダイヤル式スイッチの正方向回転又は逆方向回転に対応させて、日本語仮名2次元配列上を、子音列方向や母音行方向に、文字を選択する選択点を移動させて文字を選択するようにしたダイヤル式スイッチ日本語仮名文字入力装置及び方法が開示されている。
【0011】
【特許文献1】特開2007−193465号公報(図1,図7,図8)
【特許文献2】特開2006−350409号公報(図1,図7,図8)
【特許文献3】特開2000−241199号公報(図1,図7,図8)
【特許文献4】特開2006−23891号公報(図1,図7,図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したように、例えばタッチパッドやタッチセンサー、回転ベゼル、ダイヤル式スイッチ等の操作デバイスを用いた場合には、従来の12キーを用いる手法よりも煩雑さが少なく高い操作性により文字等の入力が可能になる。特に、タッチパッドやタッチセンサーを用いた手法の場合、文字の入力を行うための作業は、先ず特定の領域を指等にてタッチし、さらに当該タッチした状態で指等を移動させることよって文字を選択し、その後、指を離すことにより文字の入力を確定するような一連のスムーズな作業となされているため、従来の12キーを用いた場合のように押下操作を複数回繰り返すような作業と比べて、煩雑さが軽減されている。また、上記回転ベゼルやダイヤル式スイッチの場合も、それら操作デバイスを回転させることで所望の文字を選択するというような、或る程度スムーズな作業により、文字の入力が可能となされている。
【0013】
しかしながら、上記タッチパッドやタッチセンサーを用いた場合でも、一度タッチした指を離し、再度タッチをし直すという作業が必要となり、その際に作業が一旦途切れることになり、文字入力の際の操作の煩雑さが多少残ってしまっている。また、上記回転ベゼル、ダイヤル式スイッチ等を用いた場合も同様であり、回転操作の他に、文字の候補を確定したりキャンセルするために別途スイッチ等を押下する作業が必要になり、文字入力の際の操作の煩雑さが軽減されていない。さらに、これらの技術の場合、文字種別を切り替えるためには、別途用意されたキーを押したり、タッチを繰り返すなどの作業が必要であり、非常に煩雑である。
【0014】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、例えば携帯電話端末のように筐体上に搭載可能な操作デバイスの数や大きさに限度がある小型の携帯端末にて文字等の入力を行う場合において、文字等の入力のための操作の煩雑さが少なく、スムーズに入力作業を行うことを可能とする文字入力装置及び文字入力プログラムと携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の文字入力装置は、少なくとも時計回り方向及び反時計回り方向へのユーザによる回転操作を検知する操作入力部と、操作入力部における時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向への各操作量に対して、少なくとも複数の文字種別の中から何れかを選択するための複数の入力モードの情報を設定し、他方の回転操作方向への各操作量に対して、現在の入力モードにて入力可能な複数の文字の情報を設定する情報設定部と、一方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記入力モードを、選択可能な入力モードの候補に設定し、操作入力部が他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記文字を、選択可能な文字の候補に設定する候補設定部と、操作入力部が少なくとも一方の回転操作方向から他方の回転操作方向へ操作された時に、入力モードの候補を確定した入力モードとする候補確定部とを有することにより、上述した課題を解決する。
【0016】
また、本発明の文字入力プログラムは、少なくとも時計回り方向及び反時計回り方向へのユーザによる回転操作を検知する操作入力部を備えた携帯端末を動作させるための文字入力プログラムであって、操作入力部における時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向への各操作量に対して、少なくとも複数の文字種別の中から何れかを選択するための複数の入力モードの情報を設定し、他方の回転操作方向への各操作量に対して、現在の入力モードにて入力可能な複数の文字の情報を設定する情報設定部と、操作入力部が一方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた入力モードを、選択可能な入力モードの候補に設定し、他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた文字を、選択可能な文字の候補に設定する候補設定部と、操作入力部が少なくとも一方の回転操作方向から他方の回転操作方向へ操作された時に、入力モードの候補を確定した入力モードとする候補確定部としして、携帯端末を機能させることにより、上述した課題を解決する。
【0017】
また、本発明の携帯端末は、少なくとも時計回り方向及び反時計回り方向へのユーザによる回転操作を検知する操作入力部と、操作入力部における時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向への各操作量に対して、少なくとも複数の文字種別の中から何れかを選択するための複数の入力モードの情報を設定し、他方の回転操作方向への各操作量に対して、現在の入力モードにて入力可能な複数の文字の情報を設定する情報設定部と、一方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記入力モードを、選択可能な入力モードの候補に設定し、操作入力部が他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記文字を、選択可能な文字の候補に設定する候補設定部と、操作入力部が少なくとも一方の回転操作方向から他方の回転操作方向へ操作された時に、入力モードの候補を確定した入力モードとする候補確定部とを有することにより、上述した課題を解決する。
【0018】
すなわち、本発明によれば、時計回り方向及び反時計回り方向へ操作可能な操作入力部を用い、操作入力部における時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向に対して文字種別選択のための入力モードを設定し、また、他方の回転操作方向への各操作量に対して現在の入力モードにおける文字を設定しており、特に、操作入力部が一方の回転操作方向から他方の回転操作方向へ操作された時に、入力モードを確定するようになされている。
【発明の効果】
【0019】
本発明においては、操作入力部の時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向に対して文字種別選択のための入力モードが設定され、また、他方の回転操作方向への各操作量に対して現在の入力モードにおける文字が設定され、特に、操作入力部が一方の回転操作方向から他方の回転操作方向へ操作された時に入力モードを確定することにより、例えば、ユーザが指等を回転操作部から離すことなく、回転操作部を時計回り方向や反時計回り方向に回転させる作業だけで、様々な種別の文字を入力可能となり、煩雑さが無く容易且つスムーズな文字入力が可能となっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の文字入力装置及び文字入力プログラムの一実施形態について説明する。
【0021】
なお、本実施形態では、本発明の文字入力装置及び文字入力プログラム、携帯端末が適用される装置の一例として、筐体上に搭載可能な操作デバイスの数や大きさに限度がある携帯電話端末を挙げているが、勿論それはあくまで一例であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。
【0022】
〔携帯電話端末の外観構成〕
図1には、本実施形態の携帯電話端末1の概略的な正面外観構成を示す。
【0023】
本実施形態の携帯電話端末1は、例えば液晶デバイスや有機EL(ElectroLuminescent)パネル等により構成されたディスプレイ2、少なくとも円形のタッチパッド3、図示しない受話用のスピーカや送話用のマイクロホン等を備えている。なお、図1では、タッチパッド3の接触(タッチ)検出面の形状が円形状(平面の円環状)となっている例を挙げているが、接触検出面の形状は必ずしも円形状でなくてもよく、例えば接触した状態の指等を円周方向に移動させる(つまり円環状に移動させる)ことができるだけの或る程度の広さを有していれば、四角形等の他の形状であってもよい。また、図1の例では、携帯電話端末1の筐体上の操作デバイスとして上記タッチパッド3のみを描いているが、その他にも、例えば発話キー,クリアキー,終話/電源キーなどのキー操作デバイスが設けられていてもよい。その他、図示は省略しているが、本実施形態の携帯電話端末1の筐体背面側(ディスプレイ2側に対して背面側)には、カメラ部、当該カメラ部にて撮影する際の撮影補助光を発光する撮影補助ライト等も備えられている。なお、図1にはいわゆるストレートタイプの携帯電話端末を図示しているが、本発明にかかる携帯電話端末は、例えばいわゆる折り畳み型やスライド型等の他のタイプであっても良い。
【0024】
〔携帯電話端末の概略的な内部構成〕
図2には、本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な内部構成を示す。
【0025】
図2において、通信アンテナ12は、例えば内蔵アンテナであり、通話やパケット通信のための信号電波の送受信を行う。通信回路11は、送受信信号の周波数変換、変調と復調等を行う。上記通信アンテナ12及び通信回路11の受信データが通話音声のデータである場合、その通話音声のデータはデータラインを介して音声処理部22へ送られ、それ以外の受信データは、一旦CPUである制御部10へ送られて処理された後、必要に応じて当該制御部10から各部へ送られる。
【0026】
音声処理部22は、上記通信アンテナ12及び通信回路11から通話音声の受信データが供給された時、その通話音声の受信データを復号化し、当該復号化後の通話音声データをデータラインを介してスピーカ20へ送る。
【0027】
スピーカ20は、携帯電話端末に設けられている受話用のスピーカやリンガ(着信音)、音楽再生、アラーム音出力用のスピーカであり、ディジタル/アナログ変換器と増幅器を含み、通話音声やリンガ音,再生された楽曲のデータを、ディジタル/アナログ変換及び増幅した後、出力する。
【0028】
マイクロホン21は、送話用のマイクロホンであり、アナログ/ディジタル変換器と増幅器を含む。このマイクロホン21を介して入力された通話音声信号は、増幅器により所定のレベルに増幅された後、アナログ/ディジタル変換器によりディジタル音声データに変換され、データラインを介して音声処理部22へ送られて符号化された後、データラインを介して通信回路11へ送られて変調、周波数変換等の各種処理を受け、通信アンテナ12から送信される。
【0029】
表示部13は、本実施形態の携帯電話端末の筐体上に設けられているディスプレイとそのディスプレイを駆動するためのディスプレイ駆動回路とからなる。ディスプレイ駆動回路は、画像処理部23から供給された画像信号に基づいて、上記ディスプレイを駆動する。これにより、ディスプレイには、画像や文字等が表示される。
【0030】
画像処理部23は、表示部13に表示される画像の処理を行う。また、画像処理部23は、制御部10による制御の元で、各種のユーザインターフェース画面の表示やウェブページの表示等を行う。本実施形態において、特に文字等の入力が行われる場合、当該画像処理部23は、仮名、英字、数字、記号など文字種別の入力モードや文字入力候補等を表示するためのユーザインターフェース画面を生成する。
【0031】
操作部14は、本実施形態の携帯電話端末の筐体上に設けられている上記タッチパッド3や発話キー,クリアキー,終話/電源キーなどのキー操作デバイス等を有している。特に、本実施形態の操作部14のタッチパッド3は、上記接触検出面上に指等が触れた(タッチした)時の当該接触位置を検知したり、例えば接触した状態の指等が接触検出面上で移動した際の移動方向及びその移動量,移動軌跡などを検知することが可能となされている。上記タッチパッド3の接触位置の検知信号や、接触状態の指等の移動方向及び移動量,移動軌跡などの検知信号は制御部10に送られる。なお、タッチパッド自体は既存のものを用いることができるため、本実施形態ではタッチパッド3の構造等の説明については省略する。
【0032】
メモリ部17は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、OS(Operating System)、制御部10が各部を制御するための制御プログラム、各種の初期設定値、着信音等の音データ、フォントや仮名漢字変換や予測変換に用いられる辞書データ19、本実施形態にかかる文字入力処理を実行するための文字入力プログラム18、その他、当該端末に搭載される各種のアプリケーション用のプログラム、当該端末の機器識別情報(ID)などを記憶している。このROMは、NAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)或いはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能なROMを含み、電子メールデータ、電話帳や電子メールアドレス帳のデータ、スケジュール帳のデータ、通信履歴等の様々なデータ、ユーザ辞書データ、静止画や動画データ、音データ、その他、各種のユーザ設定値等を保存することも可能となされている。RAMは、制御部10が各種のデータ処理を行う際の作業領域として、随時データを格納する。
【0033】
制御部10は、CPUからなり、メモリ部17に記憶されているOSや各種プログラムに基づいて、当該端末の様々な制御、本実施形態にかかるタッチパッド3を用いた文字入力処理等を実行する。特に、本実施形態によれば、制御部10は、文字入力プログラムの実行により、少なくとも、仮名,英字,数字,記号など文字種別の入力モードや文字入力候補等を表示するためのユーザインターフェース画像を画面上に表示させる表示制御処理や、タッチパッド3から送られてきた指等の接触位置の検知信号や指等の移動方向及び移動量,移動軌跡などの検知信号を用いて入力モードの切り替えや文字入力候補の切り替え等の制御処理を実行可能となされている。
【0034】
なお、図2では図示を省略しているが、本発明の携帯電話端末は、写真画像の撮影のためのディジタルカメラ部、キー照明や着信ライト用などのLED(発光ダイオード)とその駆動部、各部へ電力を供給するバッテリとその電力をコントロールするパワーマネージメントIC部、いわゆるブルートゥース方式(Bluetooth:登録商標)やUWB(Ultra Wide Band)方式、無線LAN(Local Area Network)などによる近距離無線通信を行うための近距離無線通信部、非接触ICカード機能とリーダライタ機能とを備えた非接触通信処理部、GPS(Global Positioning System)通信部、外部メモリ用スロット、ディジタル放送の受信チューナ部とAVコーデック部、タイマ(時計部)など、一般的な携帯電話端末に設けられる各構成要素についても備えている。
【0035】
〔本実施形態における文字入力処理の概要〕
本実施形態の携帯電話端末は、例えば前述した円形状の接触検出面を備えたタッチパッド3を用い、本実施形態の文字入力プログラムを実行することにより、指等を接触検出面へ触れたり離したりするようなタッチの繰り返し作業を必要とせず、タッチパッド3の接触検出面に触れたままの状態で指等を円周方向へ移動させる作業の繰り返しにより、仮名,英字,数字,記号など文字種別の入力モード切り替えから、文字入力候補等の切り替え処理,仮名変換等の変換処理までの、一連の文字入力処理を実現可能となされている。
【0036】
また、本実施形態の携帯電話端末では、上記タッチパッド3を用いた文字入力を開始する場合において、当該タッチパッド3の接触検出面へ指等を最初に接触させる位置についての制限はなく、上記接触検出面上の任意の位置へ指等を接触させた時に、その接触位置が文字入力の際の初期位置に設定され、その初期位置から後述するような文字入力のための作業を始めることが可能となっている。
【0037】
以下、本実施形態の携帯電話端末において、上記タッチパッド3を用いた文字入力の際にユーザが行う作業と、文字入力プログラム18に基づいて制御部10が実行する処理について説明する。
【0038】
〔初期位置の設定と分割領域の設定〕
本実施形態の携帯電話端末の制御部10は、文字入力プログラム18が起動して上記タッチパッド3を用いた文字入力が可能となっている状態で、例えばユーザの指等がタッチパッド3の接触検出面上に触れる(タッチする)と、図3に示すように、そのタッチした位置を初期位置に設定する。また、タッチパッド3から指等が一度離された後、接触検出面上の例えば別の位置(同じ位置でもよい)が指等によりタッチ(再タッチ)された場合、制御部10は、その再タッチ位置を初期位置に再設定する。
【0039】
また、上述のように初期位置の設定(若しくは再設定)を行った時、制御部10は、上記タッチパッド3の接触検出面の上記円形状の360度分を、円形の弧の中心に対して或る角度毎に複数の領域に分割する設定を行う。
【0040】
さらに、制御部10は、上記初期位置を除く各分割領域に対しては、後述するように、複数の各文字種別を表す複数の入力モードや各入力モードにて入力可能な「行」,「文字」等の情報を設定する。そして、それら各分割領域に設定された各情報の選択は、例えばタッチパッド3の接触検出面に指等をタッチさせた状態で当該指等を反時計回り方向や時計回り方向に移動(つまり円周方向に回転)等させることで行われる。すなわち、制御部10は、タッチパッド3の接触検出面に指等がタッチした状態で当該指等が反時計回り方向や時計回り方向に移動した時の移動量と移動軌跡(つまり回転操作の操作量と回転操作方向の変化)により、今現在、上記指等が何れの分割領域上をタッチしているのかを検知すると共に、当該指等がタッチしている分割領域に設定されている情報が何であるかを認識する。
【0041】
なお、各分割領域に対して設定される情報数が、上記タッチパッド3の上記円形状の360度分の分割領域数よりも多い場合、制御部10は、上記接触検出面に指等がタッチした状態で当該指等が反時計回り方向や時計回り方向に一回転以上移動した時に、各分割領域への設定を切り替える(別の情報に再設定する)ようにする。
【0042】
〔入力モード変換〕
ここで、本実施形態において、上述のように初期位置の設定(若しくは再設定)を行った時、制御部10は、上記初期位置が含まれる分割領域から例えば反時計回り方向の幾つかの分割領域については、仮名,記号,英字,数字の各文字種別の入力モードの何れかの選択を行うための入力モード領域として設定する。
【0043】
本実施形態では、上記初期位置から反時計回り方向の各分割領域に設定される入力モードとして、上記初期位置から近い順に、例えば仮名入力モード,記号入力モード,英字入力モード,数字入力モードが設定される例を挙げる。すなわちこの場合、初期位置から反時計回り方向に一つ隣りの分割領域は仮名文字の入力モードの選択を行うための仮名入力モード領域に設定され、さらにそこから反時計回り方向に一つ隣りの分割領域は記号の入力モードの選択を行うための記号入力モード領域に設定され、以下同様に、そこからさらに反時計回り方向に一つ隣りの分割領域は英文の入力モードの選択を行うための英文入力モード領域に設定され、そこからさらに反時計回り方向に一つ隣りの分割領域は数字の入力モードの選択を行うための数字入力モード領域に設定される。
【0044】
なお、これら各入力モード領域の並び順については、上述の例に限定されず、他の並び順であってもよい。上記初期位置が含まれる分割領域から時計回り方向の分割領域の説明については後述する。
【0045】
そして、上述のように初期位置から反時計回り方向の各分割領域が各入力モード領域に設定された後、例えば、タッチパッド3の接触検出面に接触したままの状態の指等を、ユーザが上記初期位置から反時計回り方向へ移動させ、当該指等が何れかの入力モード領域の分割領域上に接触している時、制御部10は、当該指等が接触している分割領域に設定されている入力モードを選択可能な状態として扱う。なお、この時点での入力モードは未確定状態であり、したがって、文字入力時の文字種別は未だ決まっていない状態となっている。
【0046】
次に、上述のように接触したままの状態の指等をユーザが上記反時計回り方向の所望の入力モード領域まで移動させた後、当該接触したままの状態の指等をユーザが逆方向へ戻す作業(時計回り方向へ少なくとも一分割領域分だけ戻す作業)を行うと、制御部10は、上記所望の入力モード領域に設定されている入力モードを確定する。すなわち、制御部10は、文字入力時の文字種別を、上記所望の入力モード領域に設定されている入力モードの文字種別に切り替える。
【0047】
また、上述のように反時計回り方向へ移動させた後に時計回り方向へ指等の移動方向を戻す作業が行われた場合、制御部10は、当該指等の移動方向が上記反時計回り方向から時計回り方向へ変更された所の分割領域、つまり、反時計回り方向から時計回り方向へ少なくとも一分割領域分だけ戻った所の当該分割領域を初期位置に再設定する。すなわちこの場合、制御部10は、上記再設定された初期位置が含まれる分割領域から反時計回り方向の各分割領域についても、前述同様に各入力モード領域に再設定する。なお、当該初期位置の再設定後は、前述同様に、所望の入力モード領域の選択や決定が可能となる。
【0048】
〔文字入力のための候補設定〕
一方、制御部10は、上記初期位置を含む分割領域から時計回り方向の各分割領域については、文字入力プログラム18の起動後に最初に初期位置の設定がなされた場合及び文字入力プログラム18の起動後で入力モードが一度も確定していない状態で初期位置の再設定がなされた場合と、入力モードが一度確定された後に初期位置の再設定が行われた場合とで、上記初期位置から時計回り方向の各分割領域に設定する情報を変更する。
【0049】
例えば、上記文字入力プログラム18の起動後に最初に初期位置の設定がなされた場合及び文字入力プログラム18の起動後で入力モードが一度も確定していない状態で初期位置の再設定がなされた場合、制御部10は、初期位置から時計回り方向の各分割領域については、上記初期位置から近い順に、例えば日本語五十音順の仮名文字における「あ行」,「か行」,「さ行」,・・・のように各「行」の何れかの選択を行うための行選択領域、言い換えると一つの「行」を一つのグループ候補として当該グループ候補の選択を行うためのグループ選択領域として設定する。すなわちこの場合、初期位置から時計回り方向に一つ目の分割領域は「あ行」の選択を行うための行選択領域に設定され、さらにそこから時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「か行」の選択を行うための行選択領域に設定され、さらにそこから時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「さ行」の選択を行うための行選択領域に設定される。以下の各「行」についても同様である。
【0050】
また、上記入力モードが一度確定された後に初期位置の再設定が行われた場合、制御部10は、その再設定された初期位置から時計回り方向の各分割領域については、上記初期位置から近い順に、現時点で確定している入力モードにて入力される文字や記号、英字、数字等の候補の選択を行うための文字選択領域に設定される。すなわち一例として、入力モードが数字入力モードに確定している場合、初期位置から時計回り方向に一つ目の分割領域は「0」の選択を行うための文字選択領域に設定され、さらにそこから時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「1」の選択を行うための文字選択領域に設定され、さらにそこから時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「2」の選択を行うための文字選択領域に設定される。以下の各数字についても同様である。また一例として、入力モードが英字入力モードに確定している場合、初期位置から時計回り方向に一つ目の分割領域は「a」の選択を行うための文字選択領域に設定され、さらにそこから時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「b」の選択を行うための文字選択領域に設定され、さらにそこから時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「c」の選択を行うための文字選択領域に設定される。以下の各英字についても同様である。その他、入力モードが記号入力モードに設定された場合には、初期位置から時計回り方向に「、」,「。」,「?」,「@」,・・・などの各種の記号用の文字選択領域が設定されることになる。なお、勿論、確定した入力モードは上記仮名入力モードであってもよく、この場合は上述同様に初期位置から時計回り方向には各行選択領域の設定がなされる。
【0051】
そして、上述のように初期位置から時計回り方向の各分割領域が上述した行選択領域や文字選択領域に設定された後、例えば、タッチパッド3の接触検出面に接触したままの状態の指等を、ユーザが上記初期位置から時計回り方向へ移動させ、当該指等が上記各行選択領域や文字選択領域の何れかの分割領域上に接触している時、制御部10は、当該指等が接触している分割領域に設定されている「行」や「文字」を選択可能な状態として扱う。なお、この時点での「行」や「文字」は未確定状態であり、したがって、文字入力時の「行」や「文字」は未だ決まっていない状態となっている。
【0052】
次に、上述のように接触したままの状態の指等をユーザが上記時計回り方向の所望の分割領域(行選択領域や文字選択領域)まで移動させた後、当該接触したままの状態の指等をユーザが逆方向へ戻す作業(反時計回り方向へ少なくとも一分割領域分だけ戻す作業)を行うと、制御部10は、上記所望の分割領域に設定されている「行」或いは「文字」を選択する。すなわち、制御部10は、文字入力時の「行」或いは「文字」を、上記所望の分割領域に設定されている「行」或いは「文字」に切り替える。
【0053】
また、上述のように時計回り方向への移動後に反時計回り方向へ指等の移動方向を戻す作業が行われると、制御部10は、当該指等が反時計回り方向へ戻された時の分割領域に設定されている「行」或いは「文字」を選択する。
【0054】
〔仮名入力モード時の動作〕
ここで、入力モードが仮名入力モードとなされている状態で、上記時計回り方向への指等の移動後に反時計回り方向へ戻す作業により、例えば日本語五十音順の「行」の選択が行われた場合、制御部10は、当該選択された分割領域に設定されている「行」に含まれる各「列」の文字を、当該選択された分割領域から反時計回り方向の各分割領域に対して順に設定する。一例として、「さ行」が選択された場合、その選択された「さ行」が設定された分割領域から反時計回り方向に一つ目の分割領域は「さ」の選択を行うための文字選択領域に設定され、さらにそこから反時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「し」の選択を行うための文字選択領域に設定され、さらにそこから反時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「す」の選択を行うための文字選択領域に設定される。以下の「さ行」の各「列」の文字についても同様である。なお、各「行」の「列」の文字には、その「行」内の清音文字に対する濁音、半濁音、小文字なども含まれており、それら濁音,半濁音,小文字の分割領域も設定される。
【0055】
そして、上記反時計回り方向へ所望の分割領域まで移動させた後に指等を時計回り方向へ戻す作業が行われると、制御部10は、その所望の分割領域に設定されている「列」の文字を選択すると共に、当該指等が反時計回り方向へ戻された所の分割領域(時計回り方向から反時計回り方向へ少なくとも一分割領域分だけ戻った所の当該分割領域)を、初期位置に再設定する。但し、この場合、文字種別の入力モードについては変更されず、したがって、初期位置から時計回り方向の各分割領域には現時点で確定している仮名入力モードにおける各行選択領域が再設定される。
【0056】
〔仮名変換〕
また本実施形態において、入力モードが仮名入力モードとなされている場合には、例えば仮名漢字変換のような仮名変換も可能となっており、当該仮名変換のための選択領域は、一例として、初期位置から時計回り方向で「わ行」が設定された分割領域の隣りの分割領域に設定される。したがって、既に幾つかの仮名文字が選択された状態となっており、上記仮名変換の選択領域となっている分割領域まで指等を移動させる作業が行われると、制御部10は、当該仮名変換の選択領域から時計回り方向の幾つかの分割領域に対して、上記選択済みの仮名文字から仮名変換が可能な幾つかの変換候補を設定する。
【0057】
そして、上記変換候補が設定された分割領域のなかの所望の分割領域までユーザが指等を移動させた後に反時計回り方向へ戻す作業が行われると、制御部10は、その所望の分割領域に設定されている変換候補を選択すると共に、当該指等が反時計回り方向へ戻された時の当該分割領域(時計回り方向から反時計回り方向へ少なくとも一分割領域分だけ戻った所の当該分割領域)を初期位置に再設定する。但し、この場合、文字種別の入力モードについては変更されず、したがって、初期位置から時計回り方向の各分割領域には現時点で確定している仮名入力モードにおける各行選択領域が再設定される。
【0058】
その他の例として、制御部10は、例えば指等がタッチパッド3の接触検出面から離された時に、その時点での変換候補を確定するようにしてもよい。この場合、初期位置は設定されず、再度タッチした位置が初期位置に再設定される。
【0059】
〔数字入力モード、英字入力モード、記号入力モード時の動作〕
一方、入力モードが数字入力モードや英字入力モード、記号入力モードとなされている状態で、上記時計回り方向への指等の移動後に反時計回り方向へ戻す作業により、所望の数字や英字等の文字が確定された場合、制御部10は、当該指等が反時計回り方向へ戻された時の分割領域(時計回り方向から反時計回り方向へ少なくとも一分割領域分だけ戻った所の当該分割領域)を初期位置に再設定する。但し、この場合、文字種別の入力モードについては変更されず、したがって、初期位置から時計回り方向の各分割領域には現時点で確定している入力モードで入力される数字、英字、記号等の文字選択領域が再設定される。
【0060】
なお、英字入力モードや数字入力モード、記号入力モードの場合には、前述した仮名入力モードの場合のような変換候補の設定はなされず、それぞれの入力モードにおいて選択可能な文字が一通り過ぎた後には、再度選択可能な文字の最初の文字から順に設定するようになされる。
【0061】
〔入力ミス時の動作〕
前述したような各入力モードにおいて、指等が接触した状態で所望の行選択領域や文字選択領域を選ぶ作業が行われている際に、例えば指等が一旦タッチパッド3の接触検出面から離されると、制御部10は、それら行選択や文字選択を一時的に無効とし、その後、タッチパッド3の接触検出面に指等が再度タッチされた時に、その再タッチ位置を初期位置として入力作業を再開できるようにする。これにより、指等が接触した状態で所望の行選択領域や文字選択領域を選ぶ作業が行われている際に、所望の行選択領域や文字選択領域を通り過ぎてしまうような入力ミスがあった場合でも、ユーザは、再タッチにより入力作業を続行することが可能となる。
【0062】
また、本実施形態では、上記入力ミスがあった場合の対処例として、上述したように指を一旦離すことで一時的に入力を無効にし、再タッチで入力作業を再開する例の他にも、例えば、前記分割領域に設定される領域として前記行選択領域や文字選択領域とは別にクリア領域を用意し、そのクリア領域まで指等を移動させた後に当該指を逆方向に移動させることで当該クリア領域の選択を行って入力を無効にすることも可能である。この場合も、上記逆方向への移動がなされた分割領域を初期位置に再設定する。なお、クリア領域は、行選択領域や文字選択領域の端部分の分割領域に設定してもよいし、例えば初期位置に隣接する分割領域(例えば初期位置から反時計回り方向に隣接する領域)など頻繁に使う位置に設定してもよい。
【0063】
また、指等が接触した状態で所望の行選択領域や文字選択領域を選ぶ作業が行われる場合、例えば全ての行選択領域や文字選択領域を指等が通り過ぎた時には、さらにそれら同じ各行選択領域や文字選択領域を続ける繰り返し設定を行うことも可能である。この場合、ユーザは、所望の行選択領域や文字選択領域を選ぶまで一方向へ指等を移動させる作業を行うことになる。
【0064】
なお、上述した各対処法は、仮名変換時に変換候補を選ぶ際にも同様に適用される。
【0065】
〔スペース選択領域と改行選択領域〕
また、本実施形態では、前述の各入力モードにおいて、分割領域の一つとして、例えば「空白(スペース)」を入力するためのスペース選択領域や「改行」を入力するための改行選択領域についても設定される。これら、スペース選択領域や改行選択領域は、行選択領域や文字選択領域の端部分の分割領域に設定してもよいし、例えば初期位置に隣接する分割領域(例えば初期位置から反時計回り方向に隣接する領域)など頻繁に使う位置に設定してもよい。
【0066】
〔他の例〕
上述の説明では、入力モードが仮名入力モードに確定している場合には、初期位置から時計回り方向の各分割領域を行選択領域に設定し、一方、入力モードが数字入力モードや英字入力モード、記号入力モードに確定している場合には、初期位置から時計回り方向の各分割領域に各数字や各英字の文字選択領域に設定する例を述べているが、例えば、仮名入力モードに確定している場合の初期位置から時計回り方向の各分割領域に個々の仮名文字を選択するための文字選択領域を設定するようにしたり、また例えば、入力モードが数字入力モードや英字入力モード、記号入力モードに確定している場合の初期位置から時計回り方向の各分割領域に各数字や各英字を幾つかの数毎にグループに分けた各グループの選択領域に設定するようにしてもよい。このようにグループ選択領域の設定がなされている場合、上記時計回り方向への指等の移動後に反時計回り方向へ戻す作業が行われると、前述の行選択領域の確定後の処理と同様に、制御部10は、その分割領域に設定されているグループの確定を確定すると共に、その確定したグループに含まれる各文字を、当該確定した分割領域から反時計回り方向の各分割領域に設定する。
【0067】
〔具体例の説明〕
図4〜図17には、上述したような入力モードの候補選択及び確定と、「行」や「文字」の候補選択が行われる様子を模式的に示している。なお、図4〜図17は、円形状のタッチパット3に設定された各分割領域を横方向に並べて表している。
【0068】
先ず、図4〜図9を用いて、上述した入力モードの変換(選択及び確定)について具体的に説明する。
【0069】
タッチパッド3の接触検出面がユーザの指等によりタッチされると、図4に示すように、そのタッチ位置が初期位置に設定される。そして、初期位置から反時計回り方向(図4の例では初期位置から左方向)には、前述したように、仮名入力モード,記号入力モード,英字入力モード,数字入力モードの順に入力モード領域が設定される。
【0070】
次に、タッチパッド3の接触検出面に接触したままの状態の指等を、ユーザが上記初期位置から反時計回り方向(図4では左方向)へ移動させて、図5に示すように、例えば数字入力モード領域まで移動させたところで、当該接触したままの状態の指等をユーザが時計回り方向(図5では右方向)へ少なくとも一分割領域分だけ戻す作業を行うと、入力モードは数字入力モードに確定すると共に、図6に示すように、上記時計回り方向へ一分割領域分だけ戻された所の分割領域が初期位置に再設定される。
【0071】
そして、上述のように入力モードが数字入力モードに確定すると、図6に示すように、上記再設定された初期位置から時計回り方向(図6では右方向)の各分割領域には、数字入力モードにて入力可能な文字、つまり「0」,「1」,「2」,・・・の各数字が順に設定される。
【0072】
また、図6のように入力モードが数字入力モードに確定している状態で、例えば図7に示すように、タッチパッド3の接触検出面に接触したままの状態の指等を、ユーザが上記初期位置から反時計回り方向(図7では左方向)へ移動させて、さらに、図8に示すように、例えば英字入力モード領域まで移動させたところで、当該接触したままの状態の指等をユーザが時計回り方向(図8では右方向)へ少なくとも一分割領域分だけ戻す作業を行うと、入力モードは英字入力モードに確定すると共に、図9に示すように、上記ユーザが一分割領域分だけ時計回り方向へ戻された所の分割領域が初期位置に再設定される。
【0073】
そして、上述のように入力モードが英字入力モードに確定すると、図9に示すように、上記再設定された初期位置から時計回り方向(図9では右方向)の各分割領域には、英字入力モードにて入力可能な文字、つまり「a」,「b」,「c」,・・・の各英字が順に設定される。
【0074】
次に、図10〜図17を用いて、例えば入力モードが仮名入力モードに確定しており、その仮名入力モードにおいて例えば「し」と「か」の文字を入力する場合の仮名文字の選択と、それら選択された「し」と「か」の仮名文字を仮名変換することにより「鹿」の漢字を入力する場合について具体的に説明する。
【0075】
例えば図10に示すように、タッチパッド3の接触検出面がユーザの指等によりタッチされて当該タッチ位置が初期位置に設定され、当該初期位置から時計回り方向(図10の右方向)に指等を移動させ、例えば「さ行」の行選択領域まで移動した後に指等が反時計回り方向に戻されると、図11に示すように、当該選択された「さ行」に含まれる各「列」の文字(「さ」,「し」,「す」,「せ」,「そ」,「ざ」,「じ」,「ず」,・・・)が、上記「さ行」が設定された分割領域から反時計回り方向の各分割領域に対して順に設定される。
【0076】
次に、タッチパッド3の接触検出面に接触したままの状態の指等を、図11に示すように、ユーザが上記「さ行」が設定された分割領域から反時計回り方向(図11では左方向)へ例えば「し」の文字が設定された分割領域まで移動させた後、図12に示すように、当該接触したままの状態の指等をユーザが時計回り方向(図12では右方向)へ少なくとも一分割領域分だけ戻す作業を行うと、上記「し」の文字の選択が完了すると共に、図12及び図13に示すように、上記時計回り方向へ一分割領域分だけ戻された所の分割領域が初期位置に再設定される。
【0077】
次に、図13に示すように、上記タッチパッド3の接触検出面に指等を接触させたままの状態で、上記初期位置から時計回り方向(図13の右方向)に当該指等を移動させ、例えば「か行」の行選択領域まで移動した後、当該指等が反時計回り方向に戻されると、図14に示すように、当該選択された「か行」に含まれる各「列」の文字(「か」,「き」,「く」,「け」,「こ」,「が」,「ぎ」,「ぐ」,・・・)が、上記「か行」が設定された分割領域から反時計回り方向の各分割領域に対して順に設定される。
【0078】
次に、タッチパッド3の接触検出面に接触したままの状態の指等を、図14に示すように、ユーザが上記「か行」が設定された分割領域から反時計回り方向(図14では左方向)へ例えば「か」の文字が設定された分割領域まで移動させた後、当該接触したままの状態の指等をユーザが時計回り方向(図14では右方向)へ少なくとも一分割領域分だけ戻す作業を行うと、上記「か」の文字の選択が完了すると共に、図15に示すように、上記時計回り方向へ一分割領域分だけ戻された所の分割領域が初期位置に再設定される。
【0079】
次に、図15に示すように、上記タッチパッド3の接触検出面に指等を接触させたままの状態で、上記初期位置から時計回り方向(図15の右方向)に当該指等を移動させ、例えば仮名変換の選択領域(「変換」)にまで達すると、図16に示すように、当該仮名変換の選択領域から時計回り方向(図15の右方向)の幾つかの分割領域に対して、先に選択済みの「し」と「か」の仮名文字から仮名変換が可能な幾つかの変換候補(「しか」,「シカ」,「鹿」,「歯科」,・・・)が順に設定される。
【0080】
そして、図16に示したように各変換候補が設定されている状態で、タッチパッド3の接触検出面に接触したままの状態の指等を、図17に示すように、ユーザが上記「鹿」の変換候補が設定された分割領域から反時計回り方向(図17では左方向)へ少なくとも一分割領域分だけ戻す作業を行うと、上記「鹿」の変換候補の選択が完了すると共に、上記反時計回り方向へ一分割領域分だけ戻された所の分割領域が初期位置に再設定される。これにより、「鹿」の入力が実現される。
【0081】
なお、本実施形態において、文字入力処理が行われている時、前述した初期位置や入力モード、行や文字等が何れの分割領域に設定されており、また、それら各分割領域に設定されている初期位置、入力モード、行や文字等の配置関係をユーザに認識し易くさせるために、携帯電話端末の表示部13のディスプレイ画面上には、一例として前述の図4〜図17に示したような内容を表示する画像をユーザインターフェース画像として表示することが望ましい。また、タッチパッド3の接触検出面上を指等が移動することで各分割領域への設定内容が変更された場合には、その設定内容の変更に応じて上記ユーザインターフェース画像の表示内容も変化させることが望ましい。その他、タッチパッド3の接触検出面上を指等により反時計回り方向や時計回り方向に何度も回転させることで、各分割領域への設定内容が順次変更されることで、画面上に全ての設定内容を表示仕切れないような場合には、上記指等による反時計回り方向や時計回り方向に応じてユーザインターフェース画像に表示される設定内容をスクロールさせるようなことも可能である。勿論、本実施形態において、上記ユーザインターフェース画像は、前述の図4〜図17に示したような画像に限定されることはない。
【0082】
〔タッチパッドを用いた文字入力時の処理フロー〕
図18〜図20には、本実施形態の携帯電話端末における文字入力処理の流れを示している。なお、この図18〜図20に示したフローチャートは、メモリ部17の文字入力プログラム18を制御部10が実行することによる文字入力処理のうち、特にタッチパッド3からの接触位置の検知信号,接触状態の指等の移動方向及び移動量,移動軌跡などの検知信号に基づいて制御部10が行う文字入力処理の流れを示して得る。
【0083】
〔入力モードの選択及び確定処理のフロー〕
先ず、図18を用いて、制御部10により行われる入力モードの選択及び確定処理のフローチャートを説明する。
【0084】
図18において、文字入力プログラムが起動した後、制御部10は、初期状態としてタッチパッド3からの検出信号を監視しており、タッチパッド3から指等のタッチ(接触)による検出信号が供給されると、ステップS1の処理として、当該指等のタッチ位置(接触位置)を初期位置に設定すると共に、当該初期位置が存在する分割領域を含むように、上記タッチパッド3の接触検出面を前述のように複数の領域へ分割する。制御部10は、当該ステップS1の処理後は、ステップS2へ処理を進める。
【0085】
ステップS2の処理に進むと、制御部10は、タッチパッド3からの検出信号を監視することにより、当該タッチパッド3から指等が離されたか否か判断し、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合には初期状態に戻り、一方、指等が離されていない場合には処理をステップS3へ進める。
【0086】
制御部10は、ステップS3の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記初期位置から反時計回り方向に移動(反時計回りに回転)したことを検知すると、その反時計回りの移動の際の移動量と移動軌跡から現在指等でタッチされている分割領域が何れの領域かを認識し、当該指等にてタッチされている分割領域に設定されている入力モードが何れの入力モードであるかを認識する。
【0087】
また、制御部10は、ステップS4の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、指等が接触検出面から離されたか否か判断しており、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合には初期状態に戻り、指等が離されていない場合には処理をステップS5へ進める。
【0088】
制御部10は、ステップS5の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記初期位置から時計回り方向に少なくとも一分割領域分だけ戻る(時計回りに回転)したことを検知すると、上記反時計回り方向から時計回り方向に反転した所の分割領域に設定されている入力モードの選択を確定すると共に、上記反時計回り方向から時計回り方向に反転した後に指等が移動した上記一分割領域を初期位置に再設定する。
【0089】
その後、制御部10は、処理を初期状態に戻す。
【0090】
〔仮名入力モード時の文字の選択及び仮名変換の処理フロー〕
次に、図19を用いて、仮名入力モード時に制御部10により行われる文字の選択及びと仮名変換の処理のフローチャートを説明する。
【0091】
図19において、文字入力プログラムが起動し、例えば入力モードが仮名入力モードに設定されている時、制御部10は、初期状態としてタッチパッド3からの検出信号を監視しており、タッチパッド3から指等のタッチによる検出信号が供給されると、ステップS11の処理として、当該指等のタッチ位置を初期位置に設定すると共に、当該初期位置が存在する分割領域を含むように、上記タッチパッド3の接触検出面を前述のように複数の領域へ分割する。制御部10は、当該ステップS11の処理後は、ステップS12へ処理を進める。
【0092】
ステップS12の処理に進むと、制御部10は、タッチパッド3からの検出信号を監視することにより、当該タッチパッド3から指等が離されたか否か判断し、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合には初期状態に戻り、一方、指等が離されていない場合には処理をステップS13へ進める。
【0093】
制御部10は、ステップS13の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記初期位置から時計回り方向に移動したことを検知すると、その時計回りの移動の際の移動量と移動軌跡から現在指等でタッチされている分割領域が何れの領域かを認識し、当該指等にてタッチされている分割領域が何れの行選択領域に設定されているかを認識する。
【0094】
また、制御部10は、ステップS14の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、指等が接触検出面から離されたか否か判断しており、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合にはステップS27にて現在入力途中(選択途中)の「行」や「列」があればそれらをクリアした後に初期状態へ戻り、指等が離されていない場合には処理をステップS15へ進める。
【0095】
制御部10は、ステップS15の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が時計回り方向に移動を続けて前述の変換領域が設定された分割領域にまで移動したか否か判断し、指等の現在の位置が変換領域ではないと判断した場合にはステップS16へ処理を進め、一方、指等の現在の位置が変換領域に達したと判断した場合にはステップS20へ処理を進める。
【0096】
制御部10は、ステップS16の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が反時計回り方向に戻った(反時計回りに回転した)ことを検知すると、上記時計回り方向から反時計回り方向に反転した所の分割領域に設定されていた「行」が選択されたと判断し、当該時計回り方向から反時計回り方向に反転した所の分割領域から反時計回り方向の各分割領域に対して、上記選択された「行」の「列」に含まれる各仮名文字を当該列の文字順に設定する。
【0097】
また、制御部10は、ステップS17の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、指等が接触検出面から離されたか否か判断しており、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合にはステップS27にて現在入力途中の「行」や「列」があればそれらをクリアした後に初期状態へ戻り、指等が離されていない場合には処理をステップS18へ進める。
【0098】
制御部10は、ステップS18の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記反時計回り方向の移動から時計回り方向に少なくとも一分割領域分だけ移動したことを検知すると、上記反時計回り方向の移動の際の移動量と移動軌跡から現在指等でタッチされている分割領域が何れの領域かを認識し、当該指等にてタッチされている分割領域に設定されている文字(その列内の文字)がユーザにより選択(入力)されたと認識する。
【0099】
次に、制御部10は、ステップS19へ処理を進め、上記入力された文字を未変換状態の文字にすると共に、上記ステップS18にて上記反時計回り方向から時計回り方向に反転した後に指等が移動した上記一分割領域を初期位置に再設定する。
【0100】
その後、制御部10は、処理を初期状態に戻す。
【0101】
また、ステップS15にて上記指等の現在の位置が変換領域に達したと判断してステップS20の処理に進んだ場合、制御部10は、現時点で未変換文字が存在するか否か判断し、存在しないと判断した場合には初期状態へ戻り、一方、存在すると判断した場合にはステップS21へ処理を進める。
【0102】
ステップS21の処理に進むと、制御部10は、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記時計回り方向の移動から反時計回り方向に少なくとも一分割領域分だけ移動したか否か判断し、時計回り方向から反時計回り方向へ反転したと判断した場合には初期状態へ戻り、一方、時計回り方向から反時計回り方向へ反転したていないと判断した場合にはステップS22へ処理を進める。
【0103】
制御部10は、ステップS22の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が時計回り方向に移動したことを検知すると、その時計回りの移動の際の移動量と移動軌跡から現在指等でタッチされている分割領域が何れの領域かを認識し、当該指等にてタッチされている分割領域が何れの変換候補が設定されているかを認識する。
【0104】
また、制御部10は、ステップS23の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、指等が接触検出面から離されたか否か判断しており、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合にはステップS26にて現在入力途中(選択途中)の変換候補を決定した後に初期状態へ戻り、指等が離されていない場合には処理をステップS24へ進める。
【0105】
ステップS24の処理に進むと、制御部10は、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記時計回り方向の移動から反時計回り方向に少なくとも一分割領域分だけ移動したことを検知すると、ステップS25の処理として、上記変換候補を確定すると共に、上記ステップS24にて上記反時計回り方向から時計回り方向に反転した後に指等が移動した上記一分割領域を初期位置に再設定する。
【0106】
その後、制御部10は、処理を初期状態に戻す。
【0107】
〔英字入力モード、数字入力モード、記号入力モード時の文字選択の処理フロー〕
次に、図20を用いて、英字入力モード、数字入力モード、記号入力モード時に制御部10により行われる文字の選択及び確定処理のフローチャートを説明する。
【0108】
図20において、文字入力プログラムが起動し、例えば入力モードが英字入力モード、数字入力モード、記号入力モードに設定されている時、制御部10は、初期状態としてタッチパッド3からの検出信号を監視しており、タッチパッド3から指等のタッチによる検出信号が供給されると、ステップS31の処理として、当該指等のタッチ位置を初期位置に設定すると共に、当該初期位置が存在する分割領域を含むように、上記タッチパッド3の接触検出面を前述のように複数の領域へ分割する。制御部10は、当該ステップS31の処理後は、ステップS32へ処理を進める。
【0109】
ステップS32の処理に進むと、制御部10は、タッチパッド3からの検出信号を監視することにより、当該タッチパッド3から指等が離されたか否か判断し、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合には初期状態に戻り、一方、指等が離されていない場合には処理をステップS33へ進める。
【0110】
制御部10は、ステップS33の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記初期位置から時計回り方向に移動したことを検知すると、その時計回りの移動の際の移動量と移動軌跡から現在指等でタッチされている分割領域が何れの領域かを認識し、当該指等にてタッチされている分割領域が何れの文字(この場合は現在設定されている入力モードに応じた文字となる。)に設定されているかを認識する。
【0111】
また、制御部10は、ステップS34の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、指等が接触検出面から離されたか否か判断しており、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合には初期状態へ戻り、指等が離されていない場合には処理をステップS35へ進める。
【0112】
制御部10は、ステップS35の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記時計回り方向の移動から反時計回り方向に少なくとも一分割領域分だけ移動したことを検知すると、上記時計回り方向の移動の際の移動量と移動軌跡から現在指等でタッチされている分割領域が何れの領域であったかを認識し、当該指等にてタッチされている分割領域に設定されている文字がユーザにより選択(入力)されたと認識する。
【0113】
次に、制御部10は、ステップS36へ処理を進め、上記入力された文字を確定すると共に、上記ステップS35にて上記時計回り方向から反時計回り方向に反転した後に指等が移動した上記一分割領域を初期位置に再設定する。
【0114】
その後、制御部10は、処理を初期状態に戻す。
【0115】
〔まとめ〕
以上説明したように、本実施形態の携帯電話端末によれば、円形のタッチパッド3の接触検出面の任意の位置に指等をタッチした時、そのタッチ位置が初期位置に設定され、また、タッチパッド3の接触検出面上に指等を接触させた状態で例えば初期位置から反時計回り方向に指等を移動させ、その上で当該指等の移動を時計回り方向に反転させるだけで、所望の入力モードを選択及び確定することができる。また、本実施形態の携帯電話端末によれば、入力モードが決定された後、タッチパッド3の接触検出面上に指等を接触させた状態のまま、時計回り方向や反時計回り方向へ指等を移動させることだけで、仮名文字の入力や仮名変換、数字、英字、記号等の入力が可能となっている。このように、本実施形態の携帯電話端末によれば、円形のタッチパッド3を用い、タッチパッド3の接触検出面の任意の位置から文字入力を開始することができ、また、タッチパッド3の接触検出面から指等を離すことなく、当該指等を時計回り方向や反時計回り方向に移動(つまり回転方向に移動)させる作業だけで、様々な種別の文字を、煩雑さが無く容易且つスムーズに入力することが可能となっている。
【0116】
なお、上述した実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0117】
上述の実施形態では、文字入力のための操作デバイスとして円形のタッチパッドを用いた例を挙げたが、本発明は、例えばタッチセンサーや各種ジョグダイヤルなどの操作デバイスを用いる場合にも適用可能である。
【0118】
また、本発明は上述した実施形態に挙げた携帯電話端末に限定されず、PDA(PDA:Personal Digital Assistants)、カーナビゲーションシステムやAV機器のリモートコントローラ等、様々な携帯端末において文字入力を行う場合にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な正面外観図である。
【図2】本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な内部構成を示すブロック図である。
【図3】円形のタッチパッドに設定された初期位置と入力モード変換及び文字入力時の操作方向の説明に用いる図である。
【図4】入力モードの変換を行う際の初期位置と各入力モードが設定される分割領域の配置例の説明に用いる図である。
【図5】入力モードの変換の一例として、数字入力モードが選択される際の説明に用いる図である。
【図6】入力モードの変換により数字入力モードが設定された時の各文字選択領域の説明に用いる図である。
【図7】入力モードが数字入力モードに設定されている状態で、さらに入力モードを変更する際の説明に用いる図である。
【図8】入力モードが数字入力モードに設定されている状態で、入力モードの変換により英字入力モードを選択する際の説明に用いる図である。
【図9】入力モードが英字入力モードに設定された時の各文字選択領域の説明に用いる図である。
【図10】初期状態で仮名入力モードが設定されているか若しくは入力モード変換により仮名入力モードが設定された時の各行選択領域の説明に用いる図である。
【図11】仮名入力モードにおいて例えば「さ行」が選択された時の各文字選択領域の説明に用いる図である。
【図12】仮名入力モードにおいて「さ行」の「列」の各文字から所望の文字として「し」の文字が選択された時の説明に用いる図である。
【図13】仮名入力モードにおいて「か行」を選択する際の各文字選択領域の説明に用いる図である。
【図14】仮名入力モードにおいて例えば「か行」が選択された時の各文字選択領域の説明に用いる図である。
【図15】仮名入力モードにおいて「か行」の「列」の各文字から所望の文字として「か」の文字が選択され、さらに変換候補の選択を行う際の説明に用いる図である。
【図16】仮名入力モードにおいて「し」と「か」の文字が未確定文字となされ、それら「しか」に応じた変換候補が設定され、さらに「鹿」の漢字が選択された際の説明に用いる図である。
【図17】仮名入力モードにおいて「鹿」の変換候補が選択された後の初期状態に戻った様子の説明に用いる図である。
【図18】制御部により行われる入力モードの選択及び確定処理のフローチャートである。
【図19】仮名入力モード時に制御部により行われる文字の選択及びと仮名変換の処理のフローチャートである。
【図20】英字入力モード、数字入力モード、記号入力モード時に制御部により行われる文字の選択及び確定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0120】
1 携帯電話端末、2 ディスプレイ、3 タッチパッド、10 制御部、11 通信回路、12 通信用のアンテナ、13 表示部、14 操作部、17 メモリ部、18 文字入力プログラム、19 文字・辞書データ、20 スピーカ、21 マイクロホン、22 音声処理部、23 画像処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話端末のように筐体上に搭載可能な操作デバイスの数や大きさに限度がある小型の携帯端末にて文字入力を行う場合に好適な文字入力装置及び文字入力プログラムと携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、例えば携帯電話端末のように、ユーザインターフェイスのための操作デバイス用のスペースを広くとることが困難な携帯端末においても、一般的なパーソナルコンピュータと同様に、文字入力・編集機能やインターネットへ接続してウェブページを表示するなどの機能が必須になっている。
【0003】
特に、携帯端末の代表例である携帯電話端末の場合は、文字の入力・編集のための操作デバイスとして、いわゆるテンキー(「0」〜「9」の数字キー)や「#」,「*」の記号キーが用いられている。なお、上記テンキーの十個と二個の記号キーは、まとめて12キーと呼ばれることもある。携帯電話端末の場合、それら12キーの各キーには、それぞれ複数の文字や記号が入力候補としてグループ化されて割り振られている。したがって、例えば所望の文字等を入力する際には、その所望の文字を含む入力候補グループが割り振られているキーを選び、そのキーを必要に応じて複数回押下することにより、上記入力候補グループの中から所望の文字を選び出すような操作が行われる。
【0004】
また、従来の携帯電話端末において、文字入力が行われる際には、仮名、英字、数字、記号などのような文字種別の切り替えが必要になることも多い。これら文字種別の切り替えは「入力モード変換」とも呼ばれており、当該入力モード変換は、例えば、上記文字入力用の12キー以外の別の所定キーを操作することにより行われる。また、入力モード変換が行われた場合、上記12キーの各キーへの文字の割り付けは、当該切り替えられた文字種別に含まれる各文字に自動的に切り替えられる。例えば仮名文字の入力モードにおいて、テンキーの例えば「2」キーに対しては、日本語五十音順の「か行」と「が行」に含まれる各列の文字が入力候補グループとして割り振られているが、入力モードが英文字の入力モードに切り替えられた時には、当該「2」キーに対して「a」,「b」,「c」の文字が入力候補グループとして自動的に割り振られる。
【0005】
このように、従来の携帯電話端末において、文字入力を行う場合には、仮名入力モード、英字入力モード等の各入力モードの中から所望の入力モードを選択するために、必要に応じて上記所定キーを操作し、さらに、所望の文字を含む入力候補グループが割り振られているキーを何度も押下することにより、当該入力候補グループの中から上記所望の文字を選択して入力するというような、煩雑さを伴った入力形式が主流となっている。
【0006】
一方、従来より、文字入力用の操作デバイスとして、タッチパッドやタッチセンサー等の各種接触(タッチ)検出デバイスを用いることで、上述のような煩雑さを軽便して操作性を高める技術についても幾つか開示されている。
【0007】
一例として、特開2007−193465号の公開特許公報(特許文献1)には、文字入力手段としてタッチパッドを用い、そのタッチパッド上の領域を複数に分割し且つそれら分割された各領域に対して選択候補となる情報を割り当てておき、それら各領域のうちの所望の領域が指等によりタッチされた時に、その領域を始点位置とし、さらに当該タッチした状態で指を移動させた場合には、上記始点位置を含む領域に割り当てられている選択候補を変化させ、その後、指が離された時の位置を終点とし、その終点に対応する選択候補の入力を確定するようにした入力装置が開示されている。
【0008】
また、特開2006−350409号の公開特許公報(特許文献2)には、タッチパッドに文字入力用の領域と、変換・空白用の領域と、設定・確定用の領域を設け、入力用の領域のタッチ位置に応じて、表示装置上に最初に表示される文字が確定され、さらに、指を移動させる操作によって文字を更新し、その後、指等を離すことによって文字の入力が確定するような文字入力装置が開示されている。また、この文字入力装置では、入力用の領域が複数に分割され、それら各領域には入力モード毎に異なる選択候補が割り当てられ、タッチしている指等の移動操作によってそれら選択候補を選択可能となされている。そして、それら何れの領域をタッチするかにより、選択候補となる最初の文字が決定されるようになされている。
【0009】
その他、タッチパッドやタッチセンサーとは別の操作デバイスを用いて文字等の入力を行う技術として、例えば、特開2000−241199号の公開特許公報(特許文献3)には、初期状態から回転ベゼルを或る方向に回転させると、その回転に伴って入力候補グループ表示部に例えば五十音順の行毎のグループを代表する文字がスクロール表示され、回転ベゼルを逆方向に回転させると、その時点で表示部の中央に表示されている入力候補のグループが選択されて、表示部の中央にはそのグループに属する文字(各列の文字)が表示され、さらに回転ベゼルの回転方向を変えると、その時点で表示部の中央に表示されている文字が入力され、最終的にその文字が選択されるような情報処理装置及び情報処理装置の情報入力方法が開示されている。
【0010】
また、特開2006−23891号の公開特許公報(特許文献4)には、ダイヤル式スイッチの正方向回転又は逆方向回転に対応させて、日本語仮名2次元配列上を、子音列方向や母音行方向に、文字を選択する選択点を移動させて文字を選択するようにしたダイヤル式スイッチ日本語仮名文字入力装置及び方法が開示されている。
【0011】
【特許文献1】特開2007−193465号公報(図1,図7,図8)
【特許文献2】特開2006−350409号公報(図1,図7,図8)
【特許文献3】特開2000−241199号公報(図1,図7,図8)
【特許文献4】特開2006−23891号公報(図1,図7,図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したように、例えばタッチパッドやタッチセンサー、回転ベゼル、ダイヤル式スイッチ等の操作デバイスを用いた場合には、従来の12キーを用いる手法よりも煩雑さが少なく高い操作性により文字等の入力が可能になる。特に、タッチパッドやタッチセンサーを用いた手法の場合、文字の入力を行うための作業は、先ず特定の領域を指等にてタッチし、さらに当該タッチした状態で指等を移動させることよって文字を選択し、その後、指を離すことにより文字の入力を確定するような一連のスムーズな作業となされているため、従来の12キーを用いた場合のように押下操作を複数回繰り返すような作業と比べて、煩雑さが軽減されている。また、上記回転ベゼルやダイヤル式スイッチの場合も、それら操作デバイスを回転させることで所望の文字を選択するというような、或る程度スムーズな作業により、文字の入力が可能となされている。
【0013】
しかしながら、上記タッチパッドやタッチセンサーを用いた場合でも、一度タッチした指を離し、再度タッチをし直すという作業が必要となり、その際に作業が一旦途切れることになり、文字入力の際の操作の煩雑さが多少残ってしまっている。また、上記回転ベゼル、ダイヤル式スイッチ等を用いた場合も同様であり、回転操作の他に、文字の候補を確定したりキャンセルするために別途スイッチ等を押下する作業が必要になり、文字入力の際の操作の煩雑さが軽減されていない。さらに、これらの技術の場合、文字種別を切り替えるためには、別途用意されたキーを押したり、タッチを繰り返すなどの作業が必要であり、非常に煩雑である。
【0014】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、例えば携帯電話端末のように筐体上に搭載可能な操作デバイスの数や大きさに限度がある小型の携帯端末にて文字等の入力を行う場合において、文字等の入力のための操作の煩雑さが少なく、スムーズに入力作業を行うことを可能とする文字入力装置及び文字入力プログラムと携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の文字入力装置は、少なくとも時計回り方向及び反時計回り方向へのユーザによる回転操作を検知する操作入力部と、操作入力部における時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向への各操作量に対して、少なくとも複数の文字種別の中から何れかを選択するための複数の入力モードの情報を設定し、他方の回転操作方向への各操作量に対して、現在の入力モードにて入力可能な複数の文字の情報を設定する情報設定部と、一方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記入力モードを、選択可能な入力モードの候補に設定し、操作入力部が他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記文字を、選択可能な文字の候補に設定する候補設定部と、操作入力部が少なくとも一方の回転操作方向から他方の回転操作方向へ操作された時に、入力モードの候補を確定した入力モードとする候補確定部とを有することにより、上述した課題を解決する。
【0016】
また、本発明の文字入力プログラムは、少なくとも時計回り方向及び反時計回り方向へのユーザによる回転操作を検知する操作入力部を備えた携帯端末を動作させるための文字入力プログラムであって、操作入力部における時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向への各操作量に対して、少なくとも複数の文字種別の中から何れかを選択するための複数の入力モードの情報を設定し、他方の回転操作方向への各操作量に対して、現在の入力モードにて入力可能な複数の文字の情報を設定する情報設定部と、操作入力部が一方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた入力モードを、選択可能な入力モードの候補に設定し、他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた文字を、選択可能な文字の候補に設定する候補設定部と、操作入力部が少なくとも一方の回転操作方向から他方の回転操作方向へ操作された時に、入力モードの候補を確定した入力モードとする候補確定部としして、携帯端末を機能させることにより、上述した課題を解決する。
【0017】
また、本発明の携帯端末は、少なくとも時計回り方向及び反時計回り方向へのユーザによる回転操作を検知する操作入力部と、操作入力部における時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向への各操作量に対して、少なくとも複数の文字種別の中から何れかを選択するための複数の入力モードの情報を設定し、他方の回転操作方向への各操作量に対して、現在の入力モードにて入力可能な複数の文字の情報を設定する情報設定部と、一方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記入力モードを、選択可能な入力モードの候補に設定し、操作入力部が他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記文字を、選択可能な文字の候補に設定する候補設定部と、操作入力部が少なくとも一方の回転操作方向から他方の回転操作方向へ操作された時に、入力モードの候補を確定した入力モードとする候補確定部とを有することにより、上述した課題を解決する。
【0018】
すなわち、本発明によれば、時計回り方向及び反時計回り方向へ操作可能な操作入力部を用い、操作入力部における時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向に対して文字種別選択のための入力モードを設定し、また、他方の回転操作方向への各操作量に対して現在の入力モードにおける文字を設定しており、特に、操作入力部が一方の回転操作方向から他方の回転操作方向へ操作された時に、入力モードを確定するようになされている。
【発明の効果】
【0019】
本発明においては、操作入力部の時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向に対して文字種別選択のための入力モードが設定され、また、他方の回転操作方向への各操作量に対して現在の入力モードにおける文字が設定され、特に、操作入力部が一方の回転操作方向から他方の回転操作方向へ操作された時に入力モードを確定することにより、例えば、ユーザが指等を回転操作部から離すことなく、回転操作部を時計回り方向や反時計回り方向に回転させる作業だけで、様々な種別の文字を入力可能となり、煩雑さが無く容易且つスムーズな文字入力が可能となっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の文字入力装置及び文字入力プログラムの一実施形態について説明する。
【0021】
なお、本実施形態では、本発明の文字入力装置及び文字入力プログラム、携帯端末が適用される装置の一例として、筐体上に搭載可能な操作デバイスの数や大きさに限度がある携帯電話端末を挙げているが、勿論それはあくまで一例であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。
【0022】
〔携帯電話端末の外観構成〕
図1には、本実施形態の携帯電話端末1の概略的な正面外観構成を示す。
【0023】
本実施形態の携帯電話端末1は、例えば液晶デバイスや有機EL(ElectroLuminescent)パネル等により構成されたディスプレイ2、少なくとも円形のタッチパッド3、図示しない受話用のスピーカや送話用のマイクロホン等を備えている。なお、図1では、タッチパッド3の接触(タッチ)検出面の形状が円形状(平面の円環状)となっている例を挙げているが、接触検出面の形状は必ずしも円形状でなくてもよく、例えば接触した状態の指等を円周方向に移動させる(つまり円環状に移動させる)ことができるだけの或る程度の広さを有していれば、四角形等の他の形状であってもよい。また、図1の例では、携帯電話端末1の筐体上の操作デバイスとして上記タッチパッド3のみを描いているが、その他にも、例えば発話キー,クリアキー,終話/電源キーなどのキー操作デバイスが設けられていてもよい。その他、図示は省略しているが、本実施形態の携帯電話端末1の筐体背面側(ディスプレイ2側に対して背面側)には、カメラ部、当該カメラ部にて撮影する際の撮影補助光を発光する撮影補助ライト等も備えられている。なお、図1にはいわゆるストレートタイプの携帯電話端末を図示しているが、本発明にかかる携帯電話端末は、例えばいわゆる折り畳み型やスライド型等の他のタイプであっても良い。
【0024】
〔携帯電話端末の概略的な内部構成〕
図2には、本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な内部構成を示す。
【0025】
図2において、通信アンテナ12は、例えば内蔵アンテナであり、通話やパケット通信のための信号電波の送受信を行う。通信回路11は、送受信信号の周波数変換、変調と復調等を行う。上記通信アンテナ12及び通信回路11の受信データが通話音声のデータである場合、その通話音声のデータはデータラインを介して音声処理部22へ送られ、それ以外の受信データは、一旦CPUである制御部10へ送られて処理された後、必要に応じて当該制御部10から各部へ送られる。
【0026】
音声処理部22は、上記通信アンテナ12及び通信回路11から通話音声の受信データが供給された時、その通話音声の受信データを復号化し、当該復号化後の通話音声データをデータラインを介してスピーカ20へ送る。
【0027】
スピーカ20は、携帯電話端末に設けられている受話用のスピーカやリンガ(着信音)、音楽再生、アラーム音出力用のスピーカであり、ディジタル/アナログ変換器と増幅器を含み、通話音声やリンガ音,再生された楽曲のデータを、ディジタル/アナログ変換及び増幅した後、出力する。
【0028】
マイクロホン21は、送話用のマイクロホンであり、アナログ/ディジタル変換器と増幅器を含む。このマイクロホン21を介して入力された通話音声信号は、増幅器により所定のレベルに増幅された後、アナログ/ディジタル変換器によりディジタル音声データに変換され、データラインを介して音声処理部22へ送られて符号化された後、データラインを介して通信回路11へ送られて変調、周波数変換等の各種処理を受け、通信アンテナ12から送信される。
【0029】
表示部13は、本実施形態の携帯電話端末の筐体上に設けられているディスプレイとそのディスプレイを駆動するためのディスプレイ駆動回路とからなる。ディスプレイ駆動回路は、画像処理部23から供給された画像信号に基づいて、上記ディスプレイを駆動する。これにより、ディスプレイには、画像や文字等が表示される。
【0030】
画像処理部23は、表示部13に表示される画像の処理を行う。また、画像処理部23は、制御部10による制御の元で、各種のユーザインターフェース画面の表示やウェブページの表示等を行う。本実施形態において、特に文字等の入力が行われる場合、当該画像処理部23は、仮名、英字、数字、記号など文字種別の入力モードや文字入力候補等を表示するためのユーザインターフェース画面を生成する。
【0031】
操作部14は、本実施形態の携帯電話端末の筐体上に設けられている上記タッチパッド3や発話キー,クリアキー,終話/電源キーなどのキー操作デバイス等を有している。特に、本実施形態の操作部14のタッチパッド3は、上記接触検出面上に指等が触れた(タッチした)時の当該接触位置を検知したり、例えば接触した状態の指等が接触検出面上で移動した際の移動方向及びその移動量,移動軌跡などを検知することが可能となされている。上記タッチパッド3の接触位置の検知信号や、接触状態の指等の移動方向及び移動量,移動軌跡などの検知信号は制御部10に送られる。なお、タッチパッド自体は既存のものを用いることができるため、本実施形態ではタッチパッド3の構造等の説明については省略する。
【0032】
メモリ部17は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、OS(Operating System)、制御部10が各部を制御するための制御プログラム、各種の初期設定値、着信音等の音データ、フォントや仮名漢字変換や予測変換に用いられる辞書データ19、本実施形態にかかる文字入力処理を実行するための文字入力プログラム18、その他、当該端末に搭載される各種のアプリケーション用のプログラム、当該端末の機器識別情報(ID)などを記憶している。このROMは、NAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)或いはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能なROMを含み、電子メールデータ、電話帳や電子メールアドレス帳のデータ、スケジュール帳のデータ、通信履歴等の様々なデータ、ユーザ辞書データ、静止画や動画データ、音データ、その他、各種のユーザ設定値等を保存することも可能となされている。RAMは、制御部10が各種のデータ処理を行う際の作業領域として、随時データを格納する。
【0033】
制御部10は、CPUからなり、メモリ部17に記憶されているOSや各種プログラムに基づいて、当該端末の様々な制御、本実施形態にかかるタッチパッド3を用いた文字入力処理等を実行する。特に、本実施形態によれば、制御部10は、文字入力プログラムの実行により、少なくとも、仮名,英字,数字,記号など文字種別の入力モードや文字入力候補等を表示するためのユーザインターフェース画像を画面上に表示させる表示制御処理や、タッチパッド3から送られてきた指等の接触位置の検知信号や指等の移動方向及び移動量,移動軌跡などの検知信号を用いて入力モードの切り替えや文字入力候補の切り替え等の制御処理を実行可能となされている。
【0034】
なお、図2では図示を省略しているが、本発明の携帯電話端末は、写真画像の撮影のためのディジタルカメラ部、キー照明や着信ライト用などのLED(発光ダイオード)とその駆動部、各部へ電力を供給するバッテリとその電力をコントロールするパワーマネージメントIC部、いわゆるブルートゥース方式(Bluetooth:登録商標)やUWB(Ultra Wide Band)方式、無線LAN(Local Area Network)などによる近距離無線通信を行うための近距離無線通信部、非接触ICカード機能とリーダライタ機能とを備えた非接触通信処理部、GPS(Global Positioning System)通信部、外部メモリ用スロット、ディジタル放送の受信チューナ部とAVコーデック部、タイマ(時計部)など、一般的な携帯電話端末に設けられる各構成要素についても備えている。
【0035】
〔本実施形態における文字入力処理の概要〕
本実施形態の携帯電話端末は、例えば前述した円形状の接触検出面を備えたタッチパッド3を用い、本実施形態の文字入力プログラムを実行することにより、指等を接触検出面へ触れたり離したりするようなタッチの繰り返し作業を必要とせず、タッチパッド3の接触検出面に触れたままの状態で指等を円周方向へ移動させる作業の繰り返しにより、仮名,英字,数字,記号など文字種別の入力モード切り替えから、文字入力候補等の切り替え処理,仮名変換等の変換処理までの、一連の文字入力処理を実現可能となされている。
【0036】
また、本実施形態の携帯電話端末では、上記タッチパッド3を用いた文字入力を開始する場合において、当該タッチパッド3の接触検出面へ指等を最初に接触させる位置についての制限はなく、上記接触検出面上の任意の位置へ指等を接触させた時に、その接触位置が文字入力の際の初期位置に設定され、その初期位置から後述するような文字入力のための作業を始めることが可能となっている。
【0037】
以下、本実施形態の携帯電話端末において、上記タッチパッド3を用いた文字入力の際にユーザが行う作業と、文字入力プログラム18に基づいて制御部10が実行する処理について説明する。
【0038】
〔初期位置の設定と分割領域の設定〕
本実施形態の携帯電話端末の制御部10は、文字入力プログラム18が起動して上記タッチパッド3を用いた文字入力が可能となっている状態で、例えばユーザの指等がタッチパッド3の接触検出面上に触れる(タッチする)と、図3に示すように、そのタッチした位置を初期位置に設定する。また、タッチパッド3から指等が一度離された後、接触検出面上の例えば別の位置(同じ位置でもよい)が指等によりタッチ(再タッチ)された場合、制御部10は、その再タッチ位置を初期位置に再設定する。
【0039】
また、上述のように初期位置の設定(若しくは再設定)を行った時、制御部10は、上記タッチパッド3の接触検出面の上記円形状の360度分を、円形の弧の中心に対して或る角度毎に複数の領域に分割する設定を行う。
【0040】
さらに、制御部10は、上記初期位置を除く各分割領域に対しては、後述するように、複数の各文字種別を表す複数の入力モードや各入力モードにて入力可能な「行」,「文字」等の情報を設定する。そして、それら各分割領域に設定された各情報の選択は、例えばタッチパッド3の接触検出面に指等をタッチさせた状態で当該指等を反時計回り方向や時計回り方向に移動(つまり円周方向に回転)等させることで行われる。すなわち、制御部10は、タッチパッド3の接触検出面に指等がタッチした状態で当該指等が反時計回り方向や時計回り方向に移動した時の移動量と移動軌跡(つまり回転操作の操作量と回転操作方向の変化)により、今現在、上記指等が何れの分割領域上をタッチしているのかを検知すると共に、当該指等がタッチしている分割領域に設定されている情報が何であるかを認識する。
【0041】
なお、各分割領域に対して設定される情報数が、上記タッチパッド3の上記円形状の360度分の分割領域数よりも多い場合、制御部10は、上記接触検出面に指等がタッチした状態で当該指等が反時計回り方向や時計回り方向に一回転以上移動した時に、各分割領域への設定を切り替える(別の情報に再設定する)ようにする。
【0042】
〔入力モード変換〕
ここで、本実施形態において、上述のように初期位置の設定(若しくは再設定)を行った時、制御部10は、上記初期位置が含まれる分割領域から例えば反時計回り方向の幾つかの分割領域については、仮名,記号,英字,数字の各文字種別の入力モードの何れかの選択を行うための入力モード領域として設定する。
【0043】
本実施形態では、上記初期位置から反時計回り方向の各分割領域に設定される入力モードとして、上記初期位置から近い順に、例えば仮名入力モード,記号入力モード,英字入力モード,数字入力モードが設定される例を挙げる。すなわちこの場合、初期位置から反時計回り方向に一つ隣りの分割領域は仮名文字の入力モードの選択を行うための仮名入力モード領域に設定され、さらにそこから反時計回り方向に一つ隣りの分割領域は記号の入力モードの選択を行うための記号入力モード領域に設定され、以下同様に、そこからさらに反時計回り方向に一つ隣りの分割領域は英文の入力モードの選択を行うための英文入力モード領域に設定され、そこからさらに反時計回り方向に一つ隣りの分割領域は数字の入力モードの選択を行うための数字入力モード領域に設定される。
【0044】
なお、これら各入力モード領域の並び順については、上述の例に限定されず、他の並び順であってもよい。上記初期位置が含まれる分割領域から時計回り方向の分割領域の説明については後述する。
【0045】
そして、上述のように初期位置から反時計回り方向の各分割領域が各入力モード領域に設定された後、例えば、タッチパッド3の接触検出面に接触したままの状態の指等を、ユーザが上記初期位置から反時計回り方向へ移動させ、当該指等が何れかの入力モード領域の分割領域上に接触している時、制御部10は、当該指等が接触している分割領域に設定されている入力モードを選択可能な状態として扱う。なお、この時点での入力モードは未確定状態であり、したがって、文字入力時の文字種別は未だ決まっていない状態となっている。
【0046】
次に、上述のように接触したままの状態の指等をユーザが上記反時計回り方向の所望の入力モード領域まで移動させた後、当該接触したままの状態の指等をユーザが逆方向へ戻す作業(時計回り方向へ少なくとも一分割領域分だけ戻す作業)を行うと、制御部10は、上記所望の入力モード領域に設定されている入力モードを確定する。すなわち、制御部10は、文字入力時の文字種別を、上記所望の入力モード領域に設定されている入力モードの文字種別に切り替える。
【0047】
また、上述のように反時計回り方向へ移動させた後に時計回り方向へ指等の移動方向を戻す作業が行われた場合、制御部10は、当該指等の移動方向が上記反時計回り方向から時計回り方向へ変更された所の分割領域、つまり、反時計回り方向から時計回り方向へ少なくとも一分割領域分だけ戻った所の当該分割領域を初期位置に再設定する。すなわちこの場合、制御部10は、上記再設定された初期位置が含まれる分割領域から反時計回り方向の各分割領域についても、前述同様に各入力モード領域に再設定する。なお、当該初期位置の再設定後は、前述同様に、所望の入力モード領域の選択や決定が可能となる。
【0048】
〔文字入力のための候補設定〕
一方、制御部10は、上記初期位置を含む分割領域から時計回り方向の各分割領域については、文字入力プログラム18の起動後に最初に初期位置の設定がなされた場合及び文字入力プログラム18の起動後で入力モードが一度も確定していない状態で初期位置の再設定がなされた場合と、入力モードが一度確定された後に初期位置の再設定が行われた場合とで、上記初期位置から時計回り方向の各分割領域に設定する情報を変更する。
【0049】
例えば、上記文字入力プログラム18の起動後に最初に初期位置の設定がなされた場合及び文字入力プログラム18の起動後で入力モードが一度も確定していない状態で初期位置の再設定がなされた場合、制御部10は、初期位置から時計回り方向の各分割領域については、上記初期位置から近い順に、例えば日本語五十音順の仮名文字における「あ行」,「か行」,「さ行」,・・・のように各「行」の何れかの選択を行うための行選択領域、言い換えると一つの「行」を一つのグループ候補として当該グループ候補の選択を行うためのグループ選択領域として設定する。すなわちこの場合、初期位置から時計回り方向に一つ目の分割領域は「あ行」の選択を行うための行選択領域に設定され、さらにそこから時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「か行」の選択を行うための行選択領域に設定され、さらにそこから時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「さ行」の選択を行うための行選択領域に設定される。以下の各「行」についても同様である。
【0050】
また、上記入力モードが一度確定された後に初期位置の再設定が行われた場合、制御部10は、その再設定された初期位置から時計回り方向の各分割領域については、上記初期位置から近い順に、現時点で確定している入力モードにて入力される文字や記号、英字、数字等の候補の選択を行うための文字選択領域に設定される。すなわち一例として、入力モードが数字入力モードに確定している場合、初期位置から時計回り方向に一つ目の分割領域は「0」の選択を行うための文字選択領域に設定され、さらにそこから時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「1」の選択を行うための文字選択領域に設定され、さらにそこから時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「2」の選択を行うための文字選択領域に設定される。以下の各数字についても同様である。また一例として、入力モードが英字入力モードに確定している場合、初期位置から時計回り方向に一つ目の分割領域は「a」の選択を行うための文字選択領域に設定され、さらにそこから時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「b」の選択を行うための文字選択領域に設定され、さらにそこから時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「c」の選択を行うための文字選択領域に設定される。以下の各英字についても同様である。その他、入力モードが記号入力モードに設定された場合には、初期位置から時計回り方向に「、」,「。」,「?」,「@」,・・・などの各種の記号用の文字選択領域が設定されることになる。なお、勿論、確定した入力モードは上記仮名入力モードであってもよく、この場合は上述同様に初期位置から時計回り方向には各行選択領域の設定がなされる。
【0051】
そして、上述のように初期位置から時計回り方向の各分割領域が上述した行選択領域や文字選択領域に設定された後、例えば、タッチパッド3の接触検出面に接触したままの状態の指等を、ユーザが上記初期位置から時計回り方向へ移動させ、当該指等が上記各行選択領域や文字選択領域の何れかの分割領域上に接触している時、制御部10は、当該指等が接触している分割領域に設定されている「行」や「文字」を選択可能な状態として扱う。なお、この時点での「行」や「文字」は未確定状態であり、したがって、文字入力時の「行」や「文字」は未だ決まっていない状態となっている。
【0052】
次に、上述のように接触したままの状態の指等をユーザが上記時計回り方向の所望の分割領域(行選択領域や文字選択領域)まで移動させた後、当該接触したままの状態の指等をユーザが逆方向へ戻す作業(反時計回り方向へ少なくとも一分割領域分だけ戻す作業)を行うと、制御部10は、上記所望の分割領域に設定されている「行」或いは「文字」を選択する。すなわち、制御部10は、文字入力時の「行」或いは「文字」を、上記所望の分割領域に設定されている「行」或いは「文字」に切り替える。
【0053】
また、上述のように時計回り方向への移動後に反時計回り方向へ指等の移動方向を戻す作業が行われると、制御部10は、当該指等が反時計回り方向へ戻された時の分割領域に設定されている「行」或いは「文字」を選択する。
【0054】
〔仮名入力モード時の動作〕
ここで、入力モードが仮名入力モードとなされている状態で、上記時計回り方向への指等の移動後に反時計回り方向へ戻す作業により、例えば日本語五十音順の「行」の選択が行われた場合、制御部10は、当該選択された分割領域に設定されている「行」に含まれる各「列」の文字を、当該選択された分割領域から反時計回り方向の各分割領域に対して順に設定する。一例として、「さ行」が選択された場合、その選択された「さ行」が設定された分割領域から反時計回り方向に一つ目の分割領域は「さ」の選択を行うための文字選択領域に設定され、さらにそこから反時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「し」の選択を行うための文字選択領域に設定され、さらにそこから反時計回り方向に一つ隣りの分割領域は「す」の選択を行うための文字選択領域に設定される。以下の「さ行」の各「列」の文字についても同様である。なお、各「行」の「列」の文字には、その「行」内の清音文字に対する濁音、半濁音、小文字なども含まれており、それら濁音,半濁音,小文字の分割領域も設定される。
【0055】
そして、上記反時計回り方向へ所望の分割領域まで移動させた後に指等を時計回り方向へ戻す作業が行われると、制御部10は、その所望の分割領域に設定されている「列」の文字を選択すると共に、当該指等が反時計回り方向へ戻された所の分割領域(時計回り方向から反時計回り方向へ少なくとも一分割領域分だけ戻った所の当該分割領域)を、初期位置に再設定する。但し、この場合、文字種別の入力モードについては変更されず、したがって、初期位置から時計回り方向の各分割領域には現時点で確定している仮名入力モードにおける各行選択領域が再設定される。
【0056】
〔仮名変換〕
また本実施形態において、入力モードが仮名入力モードとなされている場合には、例えば仮名漢字変換のような仮名変換も可能となっており、当該仮名変換のための選択領域は、一例として、初期位置から時計回り方向で「わ行」が設定された分割領域の隣りの分割領域に設定される。したがって、既に幾つかの仮名文字が選択された状態となっており、上記仮名変換の選択領域となっている分割領域まで指等を移動させる作業が行われると、制御部10は、当該仮名変換の選択領域から時計回り方向の幾つかの分割領域に対して、上記選択済みの仮名文字から仮名変換が可能な幾つかの変換候補を設定する。
【0057】
そして、上記変換候補が設定された分割領域のなかの所望の分割領域までユーザが指等を移動させた後に反時計回り方向へ戻す作業が行われると、制御部10は、その所望の分割領域に設定されている変換候補を選択すると共に、当該指等が反時計回り方向へ戻された時の当該分割領域(時計回り方向から反時計回り方向へ少なくとも一分割領域分だけ戻った所の当該分割領域)を初期位置に再設定する。但し、この場合、文字種別の入力モードについては変更されず、したがって、初期位置から時計回り方向の各分割領域には現時点で確定している仮名入力モードにおける各行選択領域が再設定される。
【0058】
その他の例として、制御部10は、例えば指等がタッチパッド3の接触検出面から離された時に、その時点での変換候補を確定するようにしてもよい。この場合、初期位置は設定されず、再度タッチした位置が初期位置に再設定される。
【0059】
〔数字入力モード、英字入力モード、記号入力モード時の動作〕
一方、入力モードが数字入力モードや英字入力モード、記号入力モードとなされている状態で、上記時計回り方向への指等の移動後に反時計回り方向へ戻す作業により、所望の数字や英字等の文字が確定された場合、制御部10は、当該指等が反時計回り方向へ戻された時の分割領域(時計回り方向から反時計回り方向へ少なくとも一分割領域分だけ戻った所の当該分割領域)を初期位置に再設定する。但し、この場合、文字種別の入力モードについては変更されず、したがって、初期位置から時計回り方向の各分割領域には現時点で確定している入力モードで入力される数字、英字、記号等の文字選択領域が再設定される。
【0060】
なお、英字入力モードや数字入力モード、記号入力モードの場合には、前述した仮名入力モードの場合のような変換候補の設定はなされず、それぞれの入力モードにおいて選択可能な文字が一通り過ぎた後には、再度選択可能な文字の最初の文字から順に設定するようになされる。
【0061】
〔入力ミス時の動作〕
前述したような各入力モードにおいて、指等が接触した状態で所望の行選択領域や文字選択領域を選ぶ作業が行われている際に、例えば指等が一旦タッチパッド3の接触検出面から離されると、制御部10は、それら行選択や文字選択を一時的に無効とし、その後、タッチパッド3の接触検出面に指等が再度タッチされた時に、その再タッチ位置を初期位置として入力作業を再開できるようにする。これにより、指等が接触した状態で所望の行選択領域や文字選択領域を選ぶ作業が行われている際に、所望の行選択領域や文字選択領域を通り過ぎてしまうような入力ミスがあった場合でも、ユーザは、再タッチにより入力作業を続行することが可能となる。
【0062】
また、本実施形態では、上記入力ミスがあった場合の対処例として、上述したように指を一旦離すことで一時的に入力を無効にし、再タッチで入力作業を再開する例の他にも、例えば、前記分割領域に設定される領域として前記行選択領域や文字選択領域とは別にクリア領域を用意し、そのクリア領域まで指等を移動させた後に当該指を逆方向に移動させることで当該クリア領域の選択を行って入力を無効にすることも可能である。この場合も、上記逆方向への移動がなされた分割領域を初期位置に再設定する。なお、クリア領域は、行選択領域や文字選択領域の端部分の分割領域に設定してもよいし、例えば初期位置に隣接する分割領域(例えば初期位置から反時計回り方向に隣接する領域)など頻繁に使う位置に設定してもよい。
【0063】
また、指等が接触した状態で所望の行選択領域や文字選択領域を選ぶ作業が行われる場合、例えば全ての行選択領域や文字選択領域を指等が通り過ぎた時には、さらにそれら同じ各行選択領域や文字選択領域を続ける繰り返し設定を行うことも可能である。この場合、ユーザは、所望の行選択領域や文字選択領域を選ぶまで一方向へ指等を移動させる作業を行うことになる。
【0064】
なお、上述した各対処法は、仮名変換時に変換候補を選ぶ際にも同様に適用される。
【0065】
〔スペース選択領域と改行選択領域〕
また、本実施形態では、前述の各入力モードにおいて、分割領域の一つとして、例えば「空白(スペース)」を入力するためのスペース選択領域や「改行」を入力するための改行選択領域についても設定される。これら、スペース選択領域や改行選択領域は、行選択領域や文字選択領域の端部分の分割領域に設定してもよいし、例えば初期位置に隣接する分割領域(例えば初期位置から反時計回り方向に隣接する領域)など頻繁に使う位置に設定してもよい。
【0066】
〔他の例〕
上述の説明では、入力モードが仮名入力モードに確定している場合には、初期位置から時計回り方向の各分割領域を行選択領域に設定し、一方、入力モードが数字入力モードや英字入力モード、記号入力モードに確定している場合には、初期位置から時計回り方向の各分割領域に各数字や各英字の文字選択領域に設定する例を述べているが、例えば、仮名入力モードに確定している場合の初期位置から時計回り方向の各分割領域に個々の仮名文字を選択するための文字選択領域を設定するようにしたり、また例えば、入力モードが数字入力モードや英字入力モード、記号入力モードに確定している場合の初期位置から時計回り方向の各分割領域に各数字や各英字を幾つかの数毎にグループに分けた各グループの選択領域に設定するようにしてもよい。このようにグループ選択領域の設定がなされている場合、上記時計回り方向への指等の移動後に反時計回り方向へ戻す作業が行われると、前述の行選択領域の確定後の処理と同様に、制御部10は、その分割領域に設定されているグループの確定を確定すると共に、その確定したグループに含まれる各文字を、当該確定した分割領域から反時計回り方向の各分割領域に設定する。
【0067】
〔具体例の説明〕
図4〜図17には、上述したような入力モードの候補選択及び確定と、「行」や「文字」の候補選択が行われる様子を模式的に示している。なお、図4〜図17は、円形状のタッチパット3に設定された各分割領域を横方向に並べて表している。
【0068】
先ず、図4〜図9を用いて、上述した入力モードの変換(選択及び確定)について具体的に説明する。
【0069】
タッチパッド3の接触検出面がユーザの指等によりタッチされると、図4に示すように、そのタッチ位置が初期位置に設定される。そして、初期位置から反時計回り方向(図4の例では初期位置から左方向)には、前述したように、仮名入力モード,記号入力モード,英字入力モード,数字入力モードの順に入力モード領域が設定される。
【0070】
次に、タッチパッド3の接触検出面に接触したままの状態の指等を、ユーザが上記初期位置から反時計回り方向(図4では左方向)へ移動させて、図5に示すように、例えば数字入力モード領域まで移動させたところで、当該接触したままの状態の指等をユーザが時計回り方向(図5では右方向)へ少なくとも一分割領域分だけ戻す作業を行うと、入力モードは数字入力モードに確定すると共に、図6に示すように、上記時計回り方向へ一分割領域分だけ戻された所の分割領域が初期位置に再設定される。
【0071】
そして、上述のように入力モードが数字入力モードに確定すると、図6に示すように、上記再設定された初期位置から時計回り方向(図6では右方向)の各分割領域には、数字入力モードにて入力可能な文字、つまり「0」,「1」,「2」,・・・の各数字が順に設定される。
【0072】
また、図6のように入力モードが数字入力モードに確定している状態で、例えば図7に示すように、タッチパッド3の接触検出面に接触したままの状態の指等を、ユーザが上記初期位置から反時計回り方向(図7では左方向)へ移動させて、さらに、図8に示すように、例えば英字入力モード領域まで移動させたところで、当該接触したままの状態の指等をユーザが時計回り方向(図8では右方向)へ少なくとも一分割領域分だけ戻す作業を行うと、入力モードは英字入力モードに確定すると共に、図9に示すように、上記ユーザが一分割領域分だけ時計回り方向へ戻された所の分割領域が初期位置に再設定される。
【0073】
そして、上述のように入力モードが英字入力モードに確定すると、図9に示すように、上記再設定された初期位置から時計回り方向(図9では右方向)の各分割領域には、英字入力モードにて入力可能な文字、つまり「a」,「b」,「c」,・・・の各英字が順に設定される。
【0074】
次に、図10〜図17を用いて、例えば入力モードが仮名入力モードに確定しており、その仮名入力モードにおいて例えば「し」と「か」の文字を入力する場合の仮名文字の選択と、それら選択された「し」と「か」の仮名文字を仮名変換することにより「鹿」の漢字を入力する場合について具体的に説明する。
【0075】
例えば図10に示すように、タッチパッド3の接触検出面がユーザの指等によりタッチされて当該タッチ位置が初期位置に設定され、当該初期位置から時計回り方向(図10の右方向)に指等を移動させ、例えば「さ行」の行選択領域まで移動した後に指等が反時計回り方向に戻されると、図11に示すように、当該選択された「さ行」に含まれる各「列」の文字(「さ」,「し」,「す」,「せ」,「そ」,「ざ」,「じ」,「ず」,・・・)が、上記「さ行」が設定された分割領域から反時計回り方向の各分割領域に対して順に設定される。
【0076】
次に、タッチパッド3の接触検出面に接触したままの状態の指等を、図11に示すように、ユーザが上記「さ行」が設定された分割領域から反時計回り方向(図11では左方向)へ例えば「し」の文字が設定された分割領域まで移動させた後、図12に示すように、当該接触したままの状態の指等をユーザが時計回り方向(図12では右方向)へ少なくとも一分割領域分だけ戻す作業を行うと、上記「し」の文字の選択が完了すると共に、図12及び図13に示すように、上記時計回り方向へ一分割領域分だけ戻された所の分割領域が初期位置に再設定される。
【0077】
次に、図13に示すように、上記タッチパッド3の接触検出面に指等を接触させたままの状態で、上記初期位置から時計回り方向(図13の右方向)に当該指等を移動させ、例えば「か行」の行選択領域まで移動した後、当該指等が反時計回り方向に戻されると、図14に示すように、当該選択された「か行」に含まれる各「列」の文字(「か」,「き」,「く」,「け」,「こ」,「が」,「ぎ」,「ぐ」,・・・)が、上記「か行」が設定された分割領域から反時計回り方向の各分割領域に対して順に設定される。
【0078】
次に、タッチパッド3の接触検出面に接触したままの状態の指等を、図14に示すように、ユーザが上記「か行」が設定された分割領域から反時計回り方向(図14では左方向)へ例えば「か」の文字が設定された分割領域まで移動させた後、当該接触したままの状態の指等をユーザが時計回り方向(図14では右方向)へ少なくとも一分割領域分だけ戻す作業を行うと、上記「か」の文字の選択が完了すると共に、図15に示すように、上記時計回り方向へ一分割領域分だけ戻された所の分割領域が初期位置に再設定される。
【0079】
次に、図15に示すように、上記タッチパッド3の接触検出面に指等を接触させたままの状態で、上記初期位置から時計回り方向(図15の右方向)に当該指等を移動させ、例えば仮名変換の選択領域(「変換」)にまで達すると、図16に示すように、当該仮名変換の選択領域から時計回り方向(図15の右方向)の幾つかの分割領域に対して、先に選択済みの「し」と「か」の仮名文字から仮名変換が可能な幾つかの変換候補(「しか」,「シカ」,「鹿」,「歯科」,・・・)が順に設定される。
【0080】
そして、図16に示したように各変換候補が設定されている状態で、タッチパッド3の接触検出面に接触したままの状態の指等を、図17に示すように、ユーザが上記「鹿」の変換候補が設定された分割領域から反時計回り方向(図17では左方向)へ少なくとも一分割領域分だけ戻す作業を行うと、上記「鹿」の変換候補の選択が完了すると共に、上記反時計回り方向へ一分割領域分だけ戻された所の分割領域が初期位置に再設定される。これにより、「鹿」の入力が実現される。
【0081】
なお、本実施形態において、文字入力処理が行われている時、前述した初期位置や入力モード、行や文字等が何れの分割領域に設定されており、また、それら各分割領域に設定されている初期位置、入力モード、行や文字等の配置関係をユーザに認識し易くさせるために、携帯電話端末の表示部13のディスプレイ画面上には、一例として前述の図4〜図17に示したような内容を表示する画像をユーザインターフェース画像として表示することが望ましい。また、タッチパッド3の接触検出面上を指等が移動することで各分割領域への設定内容が変更された場合には、その設定内容の変更に応じて上記ユーザインターフェース画像の表示内容も変化させることが望ましい。その他、タッチパッド3の接触検出面上を指等により反時計回り方向や時計回り方向に何度も回転させることで、各分割領域への設定内容が順次変更されることで、画面上に全ての設定内容を表示仕切れないような場合には、上記指等による反時計回り方向や時計回り方向に応じてユーザインターフェース画像に表示される設定内容をスクロールさせるようなことも可能である。勿論、本実施形態において、上記ユーザインターフェース画像は、前述の図4〜図17に示したような画像に限定されることはない。
【0082】
〔タッチパッドを用いた文字入力時の処理フロー〕
図18〜図20には、本実施形態の携帯電話端末における文字入力処理の流れを示している。なお、この図18〜図20に示したフローチャートは、メモリ部17の文字入力プログラム18を制御部10が実行することによる文字入力処理のうち、特にタッチパッド3からの接触位置の検知信号,接触状態の指等の移動方向及び移動量,移動軌跡などの検知信号に基づいて制御部10が行う文字入力処理の流れを示して得る。
【0083】
〔入力モードの選択及び確定処理のフロー〕
先ず、図18を用いて、制御部10により行われる入力モードの選択及び確定処理のフローチャートを説明する。
【0084】
図18において、文字入力プログラムが起動した後、制御部10は、初期状態としてタッチパッド3からの検出信号を監視しており、タッチパッド3から指等のタッチ(接触)による検出信号が供給されると、ステップS1の処理として、当該指等のタッチ位置(接触位置)を初期位置に設定すると共に、当該初期位置が存在する分割領域を含むように、上記タッチパッド3の接触検出面を前述のように複数の領域へ分割する。制御部10は、当該ステップS1の処理後は、ステップS2へ処理を進める。
【0085】
ステップS2の処理に進むと、制御部10は、タッチパッド3からの検出信号を監視することにより、当該タッチパッド3から指等が離されたか否か判断し、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合には初期状態に戻り、一方、指等が離されていない場合には処理をステップS3へ進める。
【0086】
制御部10は、ステップS3の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記初期位置から反時計回り方向に移動(反時計回りに回転)したことを検知すると、その反時計回りの移動の際の移動量と移動軌跡から現在指等でタッチされている分割領域が何れの領域かを認識し、当該指等にてタッチされている分割領域に設定されている入力モードが何れの入力モードであるかを認識する。
【0087】
また、制御部10は、ステップS4の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、指等が接触検出面から離されたか否か判断しており、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合には初期状態に戻り、指等が離されていない場合には処理をステップS5へ進める。
【0088】
制御部10は、ステップS5の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記初期位置から時計回り方向に少なくとも一分割領域分だけ戻る(時計回りに回転)したことを検知すると、上記反時計回り方向から時計回り方向に反転した所の分割領域に設定されている入力モードの選択を確定すると共に、上記反時計回り方向から時計回り方向に反転した後に指等が移動した上記一分割領域を初期位置に再設定する。
【0089】
その後、制御部10は、処理を初期状態に戻す。
【0090】
〔仮名入力モード時の文字の選択及び仮名変換の処理フロー〕
次に、図19を用いて、仮名入力モード時に制御部10により行われる文字の選択及びと仮名変換の処理のフローチャートを説明する。
【0091】
図19において、文字入力プログラムが起動し、例えば入力モードが仮名入力モードに設定されている時、制御部10は、初期状態としてタッチパッド3からの検出信号を監視しており、タッチパッド3から指等のタッチによる検出信号が供給されると、ステップS11の処理として、当該指等のタッチ位置を初期位置に設定すると共に、当該初期位置が存在する分割領域を含むように、上記タッチパッド3の接触検出面を前述のように複数の領域へ分割する。制御部10は、当該ステップS11の処理後は、ステップS12へ処理を進める。
【0092】
ステップS12の処理に進むと、制御部10は、タッチパッド3からの検出信号を監視することにより、当該タッチパッド3から指等が離されたか否か判断し、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合には初期状態に戻り、一方、指等が離されていない場合には処理をステップS13へ進める。
【0093】
制御部10は、ステップS13の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記初期位置から時計回り方向に移動したことを検知すると、その時計回りの移動の際の移動量と移動軌跡から現在指等でタッチされている分割領域が何れの領域かを認識し、当該指等にてタッチされている分割領域が何れの行選択領域に設定されているかを認識する。
【0094】
また、制御部10は、ステップS14の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、指等が接触検出面から離されたか否か判断しており、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合にはステップS27にて現在入力途中(選択途中)の「行」や「列」があればそれらをクリアした後に初期状態へ戻り、指等が離されていない場合には処理をステップS15へ進める。
【0095】
制御部10は、ステップS15の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が時計回り方向に移動を続けて前述の変換領域が設定された分割領域にまで移動したか否か判断し、指等の現在の位置が変換領域ではないと判断した場合にはステップS16へ処理を進め、一方、指等の現在の位置が変換領域に達したと判断した場合にはステップS20へ処理を進める。
【0096】
制御部10は、ステップS16の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が反時計回り方向に戻った(反時計回りに回転した)ことを検知すると、上記時計回り方向から反時計回り方向に反転した所の分割領域に設定されていた「行」が選択されたと判断し、当該時計回り方向から反時計回り方向に反転した所の分割領域から反時計回り方向の各分割領域に対して、上記選択された「行」の「列」に含まれる各仮名文字を当該列の文字順に設定する。
【0097】
また、制御部10は、ステップS17の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、指等が接触検出面から離されたか否か判断しており、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合にはステップS27にて現在入力途中の「行」や「列」があればそれらをクリアした後に初期状態へ戻り、指等が離されていない場合には処理をステップS18へ進める。
【0098】
制御部10は、ステップS18の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記反時計回り方向の移動から時計回り方向に少なくとも一分割領域分だけ移動したことを検知すると、上記反時計回り方向の移動の際の移動量と移動軌跡から現在指等でタッチされている分割領域が何れの領域かを認識し、当該指等にてタッチされている分割領域に設定されている文字(その列内の文字)がユーザにより選択(入力)されたと認識する。
【0099】
次に、制御部10は、ステップS19へ処理を進め、上記入力された文字を未変換状態の文字にすると共に、上記ステップS18にて上記反時計回り方向から時計回り方向に反転した後に指等が移動した上記一分割領域を初期位置に再設定する。
【0100】
その後、制御部10は、処理を初期状態に戻す。
【0101】
また、ステップS15にて上記指等の現在の位置が変換領域に達したと判断してステップS20の処理に進んだ場合、制御部10は、現時点で未変換文字が存在するか否か判断し、存在しないと判断した場合には初期状態へ戻り、一方、存在すると判断した場合にはステップS21へ処理を進める。
【0102】
ステップS21の処理に進むと、制御部10は、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記時計回り方向の移動から反時計回り方向に少なくとも一分割領域分だけ移動したか否か判断し、時計回り方向から反時計回り方向へ反転したと判断した場合には初期状態へ戻り、一方、時計回り方向から反時計回り方向へ反転したていないと判断した場合にはステップS22へ処理を進める。
【0103】
制御部10は、ステップS22の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が時計回り方向に移動したことを検知すると、その時計回りの移動の際の移動量と移動軌跡から現在指等でタッチされている分割領域が何れの領域かを認識し、当該指等にてタッチされている分割領域が何れの変換候補が設定されているかを認識する。
【0104】
また、制御部10は、ステップS23の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、指等が接触検出面から離されたか否か判断しており、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合にはステップS26にて現在入力途中(選択途中)の変換候補を決定した後に初期状態へ戻り、指等が離されていない場合には処理をステップS24へ進める。
【0105】
ステップS24の処理に進むと、制御部10は、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記時計回り方向の移動から反時計回り方向に少なくとも一分割領域分だけ移動したことを検知すると、ステップS25の処理として、上記変換候補を確定すると共に、上記ステップS24にて上記反時計回り方向から時計回り方向に反転した後に指等が移動した上記一分割領域を初期位置に再設定する。
【0106】
その後、制御部10は、処理を初期状態に戻す。
【0107】
〔英字入力モード、数字入力モード、記号入力モード時の文字選択の処理フロー〕
次に、図20を用いて、英字入力モード、数字入力モード、記号入力モード時に制御部10により行われる文字の選択及び確定処理のフローチャートを説明する。
【0108】
図20において、文字入力プログラムが起動し、例えば入力モードが英字入力モード、数字入力モード、記号入力モードに設定されている時、制御部10は、初期状態としてタッチパッド3からの検出信号を監視しており、タッチパッド3から指等のタッチによる検出信号が供給されると、ステップS31の処理として、当該指等のタッチ位置を初期位置に設定すると共に、当該初期位置が存在する分割領域を含むように、上記タッチパッド3の接触検出面を前述のように複数の領域へ分割する。制御部10は、当該ステップS31の処理後は、ステップS32へ処理を進める。
【0109】
ステップS32の処理に進むと、制御部10は、タッチパッド3からの検出信号を監視することにより、当該タッチパッド3から指等が離されたか否か判断し、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合には初期状態に戻り、一方、指等が離されていない場合には処理をステップS33へ進める。
【0110】
制御部10は、ステップS33の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記初期位置から時計回り方向に移動したことを検知すると、その時計回りの移動の際の移動量と移動軌跡から現在指等でタッチされている分割領域が何れの領域かを認識し、当該指等にてタッチされている分割領域が何れの文字(この場合は現在設定されている入力モードに応じた文字となる。)に設定されているかを認識する。
【0111】
また、制御部10は、ステップS34の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、指等が接触検出面から離されたか否か判断しており、タッチパッド3から指等が離されたと判断した場合には初期状態へ戻り、指等が離されていない場合には処理をステップS35へ進める。
【0112】
制御部10は、ステップS35の処理として、上記タッチパッド3からの検出信号により、上記タッチした状態の指等が上記時計回り方向の移動から反時計回り方向に少なくとも一分割領域分だけ移動したことを検知すると、上記時計回り方向の移動の際の移動量と移動軌跡から現在指等でタッチされている分割領域が何れの領域であったかを認識し、当該指等にてタッチされている分割領域に設定されている文字がユーザにより選択(入力)されたと認識する。
【0113】
次に、制御部10は、ステップS36へ処理を進め、上記入力された文字を確定すると共に、上記ステップS35にて上記時計回り方向から反時計回り方向に反転した後に指等が移動した上記一分割領域を初期位置に再設定する。
【0114】
その後、制御部10は、処理を初期状態に戻す。
【0115】
〔まとめ〕
以上説明したように、本実施形態の携帯電話端末によれば、円形のタッチパッド3の接触検出面の任意の位置に指等をタッチした時、そのタッチ位置が初期位置に設定され、また、タッチパッド3の接触検出面上に指等を接触させた状態で例えば初期位置から反時計回り方向に指等を移動させ、その上で当該指等の移動を時計回り方向に反転させるだけで、所望の入力モードを選択及び確定することができる。また、本実施形態の携帯電話端末によれば、入力モードが決定された後、タッチパッド3の接触検出面上に指等を接触させた状態のまま、時計回り方向や反時計回り方向へ指等を移動させることだけで、仮名文字の入力や仮名変換、数字、英字、記号等の入力が可能となっている。このように、本実施形態の携帯電話端末によれば、円形のタッチパッド3を用い、タッチパッド3の接触検出面の任意の位置から文字入力を開始することができ、また、タッチパッド3の接触検出面から指等を離すことなく、当該指等を時計回り方向や反時計回り方向に移動(つまり回転方向に移動)させる作業だけで、様々な種別の文字を、煩雑さが無く容易且つスムーズに入力することが可能となっている。
【0116】
なお、上述した実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0117】
上述の実施形態では、文字入力のための操作デバイスとして円形のタッチパッドを用いた例を挙げたが、本発明は、例えばタッチセンサーや各種ジョグダイヤルなどの操作デバイスを用いる場合にも適用可能である。
【0118】
また、本発明は上述した実施形態に挙げた携帯電話端末に限定されず、PDA(PDA:Personal Digital Assistants)、カーナビゲーションシステムやAV機器のリモートコントローラ等、様々な携帯端末において文字入力を行う場合にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な正面外観図である。
【図2】本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な内部構成を示すブロック図である。
【図3】円形のタッチパッドに設定された初期位置と入力モード変換及び文字入力時の操作方向の説明に用いる図である。
【図4】入力モードの変換を行う際の初期位置と各入力モードが設定される分割領域の配置例の説明に用いる図である。
【図5】入力モードの変換の一例として、数字入力モードが選択される際の説明に用いる図である。
【図6】入力モードの変換により数字入力モードが設定された時の各文字選択領域の説明に用いる図である。
【図7】入力モードが数字入力モードに設定されている状態で、さらに入力モードを変更する際の説明に用いる図である。
【図8】入力モードが数字入力モードに設定されている状態で、入力モードの変換により英字入力モードを選択する際の説明に用いる図である。
【図9】入力モードが英字入力モードに設定された時の各文字選択領域の説明に用いる図である。
【図10】初期状態で仮名入力モードが設定されているか若しくは入力モード変換により仮名入力モードが設定された時の各行選択領域の説明に用いる図である。
【図11】仮名入力モードにおいて例えば「さ行」が選択された時の各文字選択領域の説明に用いる図である。
【図12】仮名入力モードにおいて「さ行」の「列」の各文字から所望の文字として「し」の文字が選択された時の説明に用いる図である。
【図13】仮名入力モードにおいて「か行」を選択する際の各文字選択領域の説明に用いる図である。
【図14】仮名入力モードにおいて例えば「か行」が選択された時の各文字選択領域の説明に用いる図である。
【図15】仮名入力モードにおいて「か行」の「列」の各文字から所望の文字として「か」の文字が選択され、さらに変換候補の選択を行う際の説明に用いる図である。
【図16】仮名入力モードにおいて「し」と「か」の文字が未確定文字となされ、それら「しか」に応じた変換候補が設定され、さらに「鹿」の漢字が選択された際の説明に用いる図である。
【図17】仮名入力モードにおいて「鹿」の変換候補が選択された後の初期状態に戻った様子の説明に用いる図である。
【図18】制御部により行われる入力モードの選択及び確定処理のフローチャートである。
【図19】仮名入力モード時に制御部により行われる文字の選択及びと仮名変換の処理のフローチャートである。
【図20】英字入力モード、数字入力モード、記号入力モード時に制御部により行われる文字の選択及び確定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0120】
1 携帯電話端末、2 ディスプレイ、3 タッチパッド、10 制御部、11 通信回路、12 通信用のアンテナ、13 表示部、14 操作部、17 メモリ部、18 文字入力プログラム、19 文字・辞書データ、20 スピーカ、21 マイクロホン、22 音声処理部、23 画像処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも時計回り方向及び反時計回り方向へのユーザによる回転操作を検知する操作入力部と、
上記操作入力部における上記時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向への各操作量に対して、少なくとも複数の文字種別の中から何れかを選択するための複数の入力モードの情報を設定し、他方の回転操作方向への各操作量に対して、現在の入力モードにて入力可能な複数の文字の情報を設定する情報設定部と、
上記操作入力部が上記一方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記入力モードを、選択可能な入力モードの候補に設定し、上記他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記文字を、選択可能な文字の候補に設定する候補設定部と、
上記操作入力部が少なくとも上記一方の回転操作方向から上記他方の回転操作方向へ操作された時に、上記入力モードの候補を確定した入力モードとする候補確定部とを有する、
ことを特徴とする文字入力装置。
【請求項2】
上記操作入力部は、ユーザによる操作入力開始位置を検知し、
上記情報設定部は、上記操作入力部により検知された操作入力開始位置を、上記操作入力部での上記時計回り方向と反時計回り方向の回転方向における初期位置に設定することを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項3】
上記候補確定部は、上記操作入力部が少なくとも上記他方の回転操作方向から上記一方の回転操作方向へ操作された時に、上記文字の候補を確定した文字とすることを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項4】
上記情報設定部は、上記操作入力部における一回転分の各操作量に対してそれぞれ設定可能な数よりも、上記設定すべき情報の数が多い時には、上記操作入力部からの回転操作の一回転毎に、上記各操作量に対して別の情報を切り替え設定することを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項5】
現在の入力モードが所定の入力モードとなされている時、
上記情報設定部は、上記他方の回転操作方向への操作量に応じて設定される一つの文字の情報として、グループ化された複数の文字からなるグループ情報を設定し、
上記候補設定部は、上記操作入力部が上記他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記グループを、選択可能なグループの候補に設定し、
上記候補確定部は、上記操作入力部が少なくとも上記他方の回転操作方向から一方の回転操作方向へ操作された時に、上記グループの候補を確定したグループとし、
上記候補確定部により上記グループの候補が確定した時、上記候補設定部は、上記操作入力部が一方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記グループ内の各文字を、選択可能な文字の候補に設定し、上記候補確定部は、上記操作入力部が少なくとも上記一方の回転操作方向から上記他方の回転操作方向へ操作された場合に、上記グループ内の文字の候補を確定した文字とすることを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項6】
現在の入力モードが所定の入力モードとなされている時、
上記情報設定部は、上記他方の回転操作方向への各操作量に対して設定される文字の情報として、上記候補確定部にて確定される前の候補から変換可能な複数の変換文字の情報を設定し、
上記候補設定部は、上記操作入力部が上記他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記変換文字を、選択可能な変換文字の候補に設定し、
上記候補確定部は、上記操作入力部が少なくとも上記他方の回転操作方向から上記一方の回転操作方向へ操作された場合に、上記変換文字の候補を確定した変換文字とすることを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項7】
上記情報設定部は、上記候補確定部により確定された入力モードを記憶し、当該記憶した入力モードを上記現在の入力モードとすることを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項8】
上記情報設定部は、上記操作入力部における上記時計回り方向と反時計回り方向の何れかの回転操作方向への所定の操作量に対して、上記候補確定部にて確定される前の候補の選択を無効にするための情報を設定することを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項9】
上記操作入力部は、ユーザが当該操作入力部から指を離した状態を検知し、
上記候補確定部は、上記操作入力部にて上記ユーザが指を離した状態が検知された時、上記確定される前の候補の選択を無効にすることを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項10】
少なくとも時計回り方向及び反時計回り方向へのユーザによる回転操作を検知する操作入力部を備えた携帯端末を動作させるための文字入力プログラムにおいて、
上記操作入力部における上記時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向への各操作量に対して、少なくとも複数の文字種別の中から何れかを選択するための複数の入力モードの情報を設定し、他方の回転操作方向への各操作量に対して、現在の入力モードにて入力可能な複数の文字の情報を設定する情報設定部と、
上記操作入力部が上記一方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記入力モードを、選択可能な入力モードの候補に設定し、上記他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記文字を、選択可能な文字の候補に設定する候補設定部と、
上記操作入力部が少なくとも上記一方の回転操作方向から上記他方の回転操作方向へ操作された時に、上記入力モードの候補を確定した入力モードとする候補確定部として、
携帯端末を機能させることを特徴とする文字入力プログラム。
【請求項11】
少なくとも時計回り方向及び反時計回り方向へのユーザによる回転操作を検知する操作入力部と、
上記操作入力部における上記時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向への各操作量に対して、少なくとも複数の文字種別の中から何れかを選択するための複数の入力モードの情報を設定し、他方の回転操作方向への各操作量に対して、現在の入力モードにて入力可能な複数の文字の情報を設定する情報設定部と、
上記操作入力部が上記一方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記入力モードを、選択可能な入力モードの候補に設定し、上記他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記文字を、選択可能な文字の候補に設定する候補設定部と、
上記操作入力部が少なくとも上記一方の回転操作方向から上記他方の回転操作方向へ操作された時に、上記入力モードの候補を確定した入力モードとする候補確定部とを有する、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項1】
少なくとも時計回り方向及び反時計回り方向へのユーザによる回転操作を検知する操作入力部と、
上記操作入力部における上記時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向への各操作量に対して、少なくとも複数の文字種別の中から何れかを選択するための複数の入力モードの情報を設定し、他方の回転操作方向への各操作量に対して、現在の入力モードにて入力可能な複数の文字の情報を設定する情報設定部と、
上記操作入力部が上記一方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記入力モードを、選択可能な入力モードの候補に設定し、上記他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記文字を、選択可能な文字の候補に設定する候補設定部と、
上記操作入力部が少なくとも上記一方の回転操作方向から上記他方の回転操作方向へ操作された時に、上記入力モードの候補を確定した入力モードとする候補確定部とを有する、
ことを特徴とする文字入力装置。
【請求項2】
上記操作入力部は、ユーザによる操作入力開始位置を検知し、
上記情報設定部は、上記操作入力部により検知された操作入力開始位置を、上記操作入力部での上記時計回り方向と反時計回り方向の回転方向における初期位置に設定することを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項3】
上記候補確定部は、上記操作入力部が少なくとも上記他方の回転操作方向から上記一方の回転操作方向へ操作された時に、上記文字の候補を確定した文字とすることを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項4】
上記情報設定部は、上記操作入力部における一回転分の各操作量に対してそれぞれ設定可能な数よりも、上記設定すべき情報の数が多い時には、上記操作入力部からの回転操作の一回転毎に、上記各操作量に対して別の情報を切り替え設定することを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項5】
現在の入力モードが所定の入力モードとなされている時、
上記情報設定部は、上記他方の回転操作方向への操作量に応じて設定される一つの文字の情報として、グループ化された複数の文字からなるグループ情報を設定し、
上記候補設定部は、上記操作入力部が上記他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記グループを、選択可能なグループの候補に設定し、
上記候補確定部は、上記操作入力部が少なくとも上記他方の回転操作方向から一方の回転操作方向へ操作された時に、上記グループの候補を確定したグループとし、
上記候補確定部により上記グループの候補が確定した時、上記候補設定部は、上記操作入力部が一方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記グループ内の各文字を、選択可能な文字の候補に設定し、上記候補確定部は、上記操作入力部が少なくとも上記一方の回転操作方向から上記他方の回転操作方向へ操作された場合に、上記グループ内の文字の候補を確定した文字とすることを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項6】
現在の入力モードが所定の入力モードとなされている時、
上記情報設定部は、上記他方の回転操作方向への各操作量に対して設定される文字の情報として、上記候補確定部にて確定される前の候補から変換可能な複数の変換文字の情報を設定し、
上記候補設定部は、上記操作入力部が上記他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記変換文字を、選択可能な変換文字の候補に設定し、
上記候補確定部は、上記操作入力部が少なくとも上記他方の回転操作方向から上記一方の回転操作方向へ操作された場合に、上記変換文字の候補を確定した変換文字とすることを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項7】
上記情報設定部は、上記候補確定部により確定された入力モードを記憶し、当該記憶した入力モードを上記現在の入力モードとすることを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項8】
上記情報設定部は、上記操作入力部における上記時計回り方向と反時計回り方向の何れかの回転操作方向への所定の操作量に対して、上記候補確定部にて確定される前の候補の選択を無効にするための情報を設定することを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項9】
上記操作入力部は、ユーザが当該操作入力部から指を離した状態を検知し、
上記候補確定部は、上記操作入力部にて上記ユーザが指を離した状態が検知された時、上記確定される前の候補の選択を無効にすることを特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
【請求項10】
少なくとも時計回り方向及び反時計回り方向へのユーザによる回転操作を検知する操作入力部を備えた携帯端末を動作させるための文字入力プログラムにおいて、
上記操作入力部における上記時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向への各操作量に対して、少なくとも複数の文字種別の中から何れかを選択するための複数の入力モードの情報を設定し、他方の回転操作方向への各操作量に対して、現在の入力モードにて入力可能な複数の文字の情報を設定する情報設定部と、
上記操作入力部が上記一方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記入力モードを、選択可能な入力モードの候補に設定し、上記他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記文字を、選択可能な文字の候補に設定する候補設定部と、
上記操作入力部が少なくとも上記一方の回転操作方向から上記他方の回転操作方向へ操作された時に、上記入力モードの候補を確定した入力モードとする候補確定部として、
携帯端末を機能させることを特徴とする文字入力プログラム。
【請求項11】
少なくとも時計回り方向及び反時計回り方向へのユーザによる回転操作を検知する操作入力部と、
上記操作入力部における上記時計回り方向と反時計回り方向の何れか一方の回転操作方向への各操作量に対して、少なくとも複数の文字種別の中から何れかを選択するための複数の入力モードの情報を設定し、他方の回転操作方向への各操作量に対して、現在の入力モードにて入力可能な複数の文字の情報を設定する情報設定部と、
上記操作入力部が上記一方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記入力モードを、選択可能な入力モードの候補に設定し、上記他方の回転操作方向へ操作された時の操作量に応じた上記文字を、選択可能な文字の候補に設定する候補設定部と、
上記操作入力部が少なくとも上記一方の回転操作方向から上記他方の回転操作方向へ操作された時に、上記入力モードの候補を確定した入力モードとする候補確定部とを有する、
ことを特徴とする携帯端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−128939(P2009−128939A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−299790(P2007−299790)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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