説明

文書管理システム、文書処理装置および文書管理プログラム

【課題】
本発明は、文書の操作者の属性(権限や役職等)に応じて文書の取扱いを定めたセキュリティ情報を文書に設定し、文書の操作者に応じたセキュリティ情報に従って文書処理を行う文書管理システム、文書処理装置および文書管理プログラムを提供する。
【解決手段】
文書管理装置で管理された文書の紙文書の処理に際して、紙文書の操作者の認証を行う認証手段、紙文書から画像情報を読取る画像読取手段、読取った画像情報から紙文書に対応する文書の識別情報を抽出する抽出手段、認証手段で認証した操作者と抽出手段で抽出した識別情報を操作権限管理装置に通知する通知手段、通知手段で通知した操作者と識別情報から特定される操作権限情報を操作権限管理装置から取得する取得手段、取得手段で取得した操作権限情報に基づき紙文書の処理を行う処理手段、処理手段で処理した紙文書の操作権限情報を操作権限管理装置に登録する登録手段を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理システム、文書処理装置および文書管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
機密文書や有価証券等の不正複写、偽造を防止する技術は、種々提案されており、人間の目には見えにくいが、複写機で複写すると隠されていた警告文字等が浮かび上がってくる特殊なパターンがあらかじめ印刷されている用紙や、複写禁止等の特定情報が埋め込まれた文書に関しては複写動作を停止させる装置等が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、画像形成効率を損なうことなく、不正複写が禁止された特定文書画像の不正複写を確実に防止する画像処理装置及び画像形成装置が提案されている。
【0004】
上記特許文献1に示される発明は、データ入力手段で入力された文書データに付加された所定情報が不正複写の禁止を示す特定情報を含む場合には、当該文書データの複写動作を一旦停止させ、当該文書の機密レベル情報を抽出して、その機密レベルに応じて、複写禁止、通常の複写、再プリント等の処理を行うように構成されたものである。
【特許文献1】特開2002−305646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の発明は、文書データに付加された所定情報に応じて複写処理の制限を行うようにしたもので、当該文書データを取り扱う操作者の属性(権限や役職等)に応じて複写処理を制限するようには構成されていない。
【0006】
本発明は、文書の操作者の属性(権限や役職等)に応じて文書の取り扱い規約を定めたセキュリティ情報を文書に設定し、操作者に応じたセキュリティ情報に従って文書処理を実施する文書管理システム、文書処理装置および文書管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の文書管理システムの発明は、文書を管理する文書管理装置と、前記文書管理装置で管理される文書に対応して、該文書と該文書の操作者との組み合わせで特定される操作権限情報を管理する操作権限管理装置と、操作者情報を管理する操作者管理装置と、前記文書管理装置で管理される文書の処理を行う文書処理装置とを具備し、前記文書処理装置は、前記文書管理装置で管理される文書に対する紙文書の処理に際して、前記紙文書の操作者情報を前記操作者管理装置に送信して認証を行う認証手段と、前記紙文書から画像情報を読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段で読み取った画像情報から前記紙文書に対応する文書の識別情報を抽出する抽出手段と、前記認証手段で認証した操作者と前記抽出手段で抽出した識別情報とを前記操作権限管理装置に通知する通知手段と、前記通知手段で通知した前記操作者と前記識別情報とから特定される操作権限情報を前記操作権限管理装置から取得する取得手段と、前記取得手段で取得した操作権限情報に基づき前記紙文書の処理を行う処理手段と、前記処理手段で処理した紙文書に対応する操作権限情報を前記操作権限管理装置に登録する登録手段とを具備し、前記操作権限管理装置は、前記通知手段により通知された前記操作者に基づき前記操作者管理装置から該操作者に対応する操作者情報を取得して前記操作権限情報を特定する特定手段と、前記特定手段で特定した操作権限情報を前記文書処理装置に送信する操作権限情報送信手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記操作権限管理装置は、前記通知手段により通知された前記識別情報に基づき前記文書管理装置に対して前記紙文書の元電子文書の送信依頼を行う送信依頼手段を更に具備し、前記文書管理装置は、前記送信依頼手段による送信依頼に基づき前記元電子文書を前記文書処理装置に送信する電子文書送信手段を具備し、前記処理手段は、前記電子文書送信手段により送信された前記元電子文書に基づき前記紙文書の処理を行うことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記操作者管理装置は、前記操作者の所属および役職を含む操作者情報を管理することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記文書処理装置は、前記文書管理装置で管理される文書に対する紙文書に所定の識別情報を付与して複写する複製処理を行うことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記文書処理装置は、前記文書管理装置で管理される文書に対する紙文書の画像を所定の宛先に送信する送信処理を行うことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記文書処理装置は、前記文書管理装置で管理される文書に対する紙文書の画像を電子化する電子化処理を行うことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7の文書処理装置の発明は、文書管理装置で管理される文書に対する紙文書の処理に際して、前記紙文書の操作者の認証を行う認証手段と、前記紙文書から画像情報を読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段で読み取った画像情報から前記紙文書に対応する文書の識別情報を抽出する抽出手段と、前記認証手段で認証した操作者と前記抽出手段で抽出した識別情報とを、前記文書管理装置で管理される文書に対応して該文書と該文書の操作者との組み合わせで特定される操作権限情報を管理する操作権限管理装置に通知する通知手段と、前記通知手段で通知した前記操作者と前記識別情報とから特定される操作権限情報を前記操作権限管理装置から取得する取得手段と、前記取得手段で取得した操作権限情報に基づき前記紙文書の処理を行う処理手段と、前記処理手段で処理した紙文書に対応する操作権限情報を前記操作権限管理装置に登録する登録手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
また、請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記処理手段は、前記紙文書の元電子文書を前記文書管理装置から取得して、該元電子文書に基づき前記紙文書の処理を行うことを特徴とする。
【0015】
また、請求項9の文書管理プログラムの発明は、コンピュータを、文書管理装置で管理される文書に対する紙文書の処理に際して、前記紙文書の操作者の認証を行う認証手段、前記紙文書から画像情報を読み取る画像読取手段、前記画像読取手段で読み取った画像情報から前記紙文書に対応する文書の識別情報を抽出する抽出手段、前記認証手段で認証した操作者と前記抽出手段で抽出した識別情報を、前記文書管理手段で管理される文書に対応して該文書と該文書の操作者との組み合わせで特定される操作権限情報を管理する操作権限管理装置に通知する通知手段、前記通知手段で通知した前記操作者と前記識別情報とから特定される操作権限情報を前記操作権限管理装置から取得する取得手段、前記取得手段で取得した操作権限情報に基づき前記紙文書の処理を行う処理手段と、前記処理手段で処理した紙文書に対応する操作権限情報を前記操作権限管理装置に登録する登録手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の文書管理システムによれば、操作者毎に紙文書に対する操作権限を与えることが可能となることから、紙文書に対して一律にセキュリティを設定するよりも、紙文書に対するセキュリティを適切に設定し、強化することができる。
【0017】
また、請求項2の文書管理システムによれば、紙文書の汚れ等による画情報の劣化を防止し、画情報を出力することができる。
【0018】
また、請求項3の文書管理システムによれば、本発明の構成を有しない場合に比較して、文書に対する当該操作者の操作権限の管理が容易となる。
【0019】
また、請求項4の文書管理システムによれば、本発明の構成を有しない場合に比較して、複製されて出力された紙文書の元文書等の派生関係(その文書の原本、最新版、複写元、印刷元等)にある文書を容易に検索して取得することができる。
【0020】
また、請求項5の文書管理システムによれば、紙文書の操作者の当該紙文書に対する操作権限に応じて当該紙文書から読み取った画像を所定の宛先に送信することができる。
【0021】
また、請求項6の文書管理システムによれば、紙文書の操作者の当該紙文書に対する操作権限に応じて当該紙文書から読み取った画像を電子データとして取り扱うことができる。
【0022】
また、請求項7の文書処理装置によれば、紙文書の処理に際して、文書と当該文書の操作者との組み合わせで特定される操作権限情報に基づき当該紙文書の処理を行い、処理して生成された紙文書を当該紙文書に対する新たな操作権限情報に対応付けて登録することができる。
【0023】
また、請求項8の文書処理装置によれば、紙文書の汚れ等による画情報の劣化を防止して画情報を出力することができる。
【0024】
また、請求項9の文書管理プログラムによれば、紙文書の処理に際して、文書と当該文書の操作者との組み合わせで特定される操作権限情報に基づき当該紙文書の処理を行い、処理して生成された紙文書を当該紙文書に対する新たな操作権限情報に対応付けて登録することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係わる文書管理システム、文書処理装置および文書管理プログラムの一実施例について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明に係わる文書管理システム100の主な構成を示す構成図である。
【0027】
図1に示すように、文書管理システム100は、本発明に係わる文書処理装置のクライアントPC1及び複合機2と、文書管理装置3と、操作権限管理装置4と、操作者管理装置5とがLAN(=Local Area Network)等のネットワーク6で接続されており、クライアントPC1、操作者管理装置5、操作権限管理装置4、文書管理装置3の各装置は、入力装置(例えばキーボードやマウス等)、出力装置(例えばディスプレイ等)、中央処理装置(例えばCPU)、記憶装置(ROM、RAM、ハードディスク、外部記憶装置等)等で構成された一般的なコンピュータである。
【0028】
尚、CPUは、Central Processing Unit、ROMは、Read Only Memory、RAMは、Random Access Memoryの略である。また、文書管理システム100には、前述した各装置の他にネットワーク6に接続される各種装置を管理するサーバ等の各種装置が接続されており、ネットワーク6にはクライアントPC1や複合機2等の各装置が複数接続されていてもよい。
【0029】
ところで、文書管理システム100は、文書を処理する操作者の所属部署や役職等の操作者情報と、当該文書との組み合わせから特定される文書に関する取り扱い規約を定めたセキュリティ情報を設定し、文書の操作に際し、当該文書と当該操作者の操作者情報から特定されるセキュリティ情報に従って文書を処理するように構成されている。
【0030】
また、文書管理システム100で管理される文書には、各文書固有の識別情報(以下、「文書ID」という。)が付されて管理されており、この文書IDから当該文書の原本、編集元文書、複写元文書、移動元文書、最新版文書等、当該文書と互いに関連する文書群の派生関係が追跡できるように構成されている。
【0031】
このような文書管理を実現するために、文書管理システム100を構成する各装置は、以下に示すような機能を備えて構成されている。
【0032】
文書がセキュリティ情報に従って操作されるためには、そのセキュリティ情報に従って処理される文書と、その文書を操作する操作者の操作者情報と、セキュリティ情報の内容を対応付けて文書管理システム100に登録する必要があり、それらの情報をクライアントPC1は、文書管理装置3、操作権限管理装置4に登録する。
【0033】
また、クライアントPC1は、文書の処理が操作者により指示された場合、その文書と、その操作者の所属部署や役職等の情報を示す操作者情報の組み合わせから特定されるセキュリティ情報に従って当該文書の印刷、複写、移動等の各処理を実施する。
【0034】
具体的には、操作者の指示により、クライアントPC1のディスプレイ上に図示せぬ文書登録画面を表示させ、この画面上に表示される文書データ一覧の中からセキュリティ情報に従って処理させたい文書を選択させるか、または操作者が作成した文書データをセキュリティ情報に従って処理させたい文書として選択させる。
【0035】
また、操作者情報及びセキュリティ情報の内容の登録は、具体的には、文書登録画面を表示された文書に対する操作権限を示す操作権限情報と操作者の所属部署や役職等の一覧情報の中からセキュリティ情報に従って処理させたい文書に対する操作権限情報と、その操作者情報を選択させ、選択された文書を文書管理装置3に格納して登録し、選択された文書と操作者情報と操作権限情報とを対応付けたセキュリティ情報を操作権限管理装置4に格納して登録する。
【0036】
例えば、複合機2等の文書処理装置で紙文書の複製処理を禁止とする場合は、当該紙文書に対する複製禁止処理の操作権限を示す操作権限情報(例えば値「1」)と、その操作権限情報を与える操作者の操作者情報を各情報一覧の中から選択設定させる。
【0037】
尚、本実施例では、紙文書を用紙上に画像や印刷データが形成された文書として説明しているが、紙文書は、用紙に限定されるものではなく、プラスチックシートやビニールシート等の種々の媒体上に画像や印刷データが形成された文書であってもよい。
【0038】
図2は、本実施例における操作権限情報とその内容を示した操作権限管理テーブル10の一例を示す図である。
【0039】
図2に示すように、操作権限管理テーブル10は、操作権限を示す「操作権限情報」11と、操作権限情報11に設定された値が示す操作権限の内容を示す「操作権限の内容」12とが対応付けされて構成されており、操作権限管理テーブル10の例えば操作権限情報11の値「1」は、印刷、複写、スキャン、FAX(=ファクシミリ)通信の各処理を禁止とし、当該処理動作のログ情報を取得して蓄積保持し、管理者へ通知する動作制御を行うこと(操作権限の内容)を示している。
【0040】
また、操作権限情報11の値「2」は、印刷処理する場合には前面WM印刷(桜紙印刷処理)を施し、スキャン処理する場合にはスキャンして読み取った画像データの暗号化処理を施し、ファクシミリ送信は禁止とし、当該処理動作のログ情報を取得して蓄積保持し、管理者へ通知する動作制御を行うこと(操作権限の内容)を示している。
【0041】
また、操作権限情報11の値「3」は、印刷、複写、ファクシミリ送信されて出力された紙文書に当該紙文書固有の文書IDがヘッダ/フッタに付加されて出力されるように処理すること(操作権限の内容)を示している。
【0042】
また、操作権限情報11の値「4」は、指示通りに印刷、複写、スキャン、ファクシミリ通信の各処理を行うこと(操作権限の内容)を示している。
【0043】
尚、操作権限管理テーブル10は、複合機2で紙文書を印刷、複写、スキャン、ファクシミリ通信する場合の各操作権限情報とその操作権限の内容の一例を示したものであり、操作権限管理テーブル10は、クライアントPC1、複合機2、操作権限管理装置4に予め作成されて記憶保持されている。また、操作権限管理テーブル10の各情報は、操作対象装置(クライアントPC1やその他の装置等)に応じて任意の情報が設定可能である。また、操作者情報の詳細は、後述する。
【0044】
このように、文書とそのセキュリティ情報の登録は、クライアントPC1によりセキュリティ情報を設定する文書とそのセキュリティ情報を操作者に選択させ、選択された文書の文書データを文書管理装置3へ送信して登録し、選択されたセキュリティ情報を操作権限管理装置4へ送信して登録する。
【0045】
複合機2は、紙文書の複写、ファクシミリ通信、スキャン、印刷等の各処理が実施できるように構成された装置であり、これらの各処理は、当該複合機2を操作する操作者の認証後でなければ実施できないように構成されている。
【0046】
また、複合機2は、セキュリティ情報が設定された紙文書の複写、ファクシミリ通信、スキャン、印刷等の各処理が指示された場合、当該紙文書に設定されたセキュリティ情報に従って複写、ファクシミリ通信、スキャン、印刷等の各処理を実施する。また、セキュリティ情報を設定する紙文書とそのセキュリティ情報を文書管理装置3及び操作権限管理装置4に登録する。
【0047】
具体的には、セキュリティ情報が設定された紙文書の処理が指示された場合、複合機2は、当該紙文書から読み取った画像データから当該紙文書に付されている文書IDを抽出して検知し、当該文書IDと当該操作者の操作者IDとに基づく当該紙文書のセキュリティ情報を操作権限管理装置4から取得し、取得したセキュリティ情報に従った複写、ファクシミリ通信、スキャン、印刷等の各処理を実施する。
【0048】
文書管理装置3は、登録要求された文書を所定の記憶場所に格納して管理し、送信要求された文書を当該文書が格納されている場所(以下、単に「格納先」という。)から取得して送信先へ送信する等の各種要求に応じた文書処理を行う。
【0049】
具体的には、文書登録の要求とともに送信された文書データを文書管理装置3の記憶装置(例えばハードディスク等)に構築された文書DB30の所定の記憶場所に格納し、当該文書の文書IDを操作権限管理装置4に要求して取得し、取得した文書IDと当該文書の文書データの格納先情報とを対応付けて図3に示すような文書管理テーブル31に記録して文書管理する。
【0050】
図3に示すように、文書管理テーブル31は、文書管理システム100に登録された文書の文書IDを示す「文書ID」311と、当該文書IDの文書データの格納先情報を示す「文書格納先」312等とが対応付けされて構成されており、文書管理テーブル31の例えば文書ID「D0001」の文書データは、「https://abc.def.co.jp/129」で示される場所(文書格納先)に格納されていることを示している。
【0051】
このように文書を管理することで、文書管理装置3は、文書IDで識別される文書の文書データを文書IDと対応付けられた格納先から取得して取り出すことができる。
【0052】
尚、文書管理テーブル31には文書DB30に文書が登録される毎に、当該文書の文書IDと当該文書データの格納先情報とが順次、蓄積記録される。また、文書管理テーブル31は、文書DB30に記憶保持されているものとするが、しかし、文書DB30に限定されるものではない。
【0053】
また、文書管理装置3は、文書の送信要求に対して当該要求文書の文書データの格納先を文書管理テーブル31を参照して特定し、特定した格納先から文書データを取得して要求元または依頼された送信先へ送信する。また、文書管理システム100への文書登録時の場合のように、文書管理テーブル31に文書IDと当該文書IDと対応付けされた文書データの格納先情報が記録される毎にその情報を操作権限管理装置4へ通知する。
【0054】
操作権限管理装置4は、文書IDの発行要求に対して新たな文書IDを発行し、後述するセキュリティ情報管理テーブル40(図4参照)を作成してセキュリティ情報が設定された文書と、そのセキュリティ情報の対応関係を管理し、セキュリティ情報の問い合わせに対する回答を問い合わせ元へ通知する。
【0055】
具体的には、クライアントPC1、複合機2及び文書管理装置3からの文書IDの発行要求に対して新たな文書IDを発行して要求元へ通知し、また、文書登録時または登録文書のセキュリティ情報の変更時の際に各装置から通知される登録文書の文書ID、当該文書IDと対応付けされた文書データの格納先情報、操作権限情報、操作者IDの操作者情報に基づき図4に示すようなセキュリティ情報管理テーブル40を作成して記憶管理する。
【0056】
図4に示すように、セキュリティ情報管理テーブル40は、文書管理システム100に登録された文書の文書IDを示す「文書ID」401と、当該文書IDの文書データの格納先情報を示す「文書格納先」402と、当該文書データに対する操作権限を示す「操作権限情報」403と、当該操作権限情報が示す操作権限が与えられた操作者の所属部署を示す「所属」404及び役職を示す「役職」405とが対応付けされて構成されており、セキュリティ情報管理テーブル40の例えば文書ID「D0001」の「https://abc.def.co.jp/129」で示される場所(文書格納先)に格納されている文書データに対して経理部所属(所属)の一般社員(役職)には操作権限情報403に設定された値「1」が示す操作権限が与えられていることを示している。
【0057】
尚、セキュリティ情報管理テーブル40の「Any」(所属)は、全ての所属部署を示しており、また、操作権限情報403の値「1」は、前述の操作権限管理テーブル10(図2参照)で示したように、複合機2による印刷、複写、スキャン、ファクシミリ通信の各処理の禁止、当該処理動作のログ情報の取得と蓄積保持及び当該処理動作の管理者への通知を行うこと(操作権限の内容)を示している。
【0058】
また、操作権限管理装置4は、操作対象文書の文書ID及び操作者の操作者情報に基づくセキュリティ情報の問い合わせに対して該当するセキュリティ情報を要求元(例えば文書管理装置3や複合機2及びクライアントPC1等)へ通知する。
【0059】
操作者管理装置5は、操作者の認証情報(操作者ID、パスワード、ICカード、生態認証情報等)とその操作者の操作者情報(所属組織、役職等の情報)とを対応付けて管理し、操作者情報の問い合わせに対する回答を問い合わせ元へ通知する。
【0060】
本実施例では、具体的には、操作者の操作者IDとその操作者の操作者情報を対応付けた図5に示すような操作者情報管理テーブル50を作成して記憶管理し、操作者認証の問い合わせに対して操作者情報管理テーブル50を参照して行い、問い合わせに対する認証結果を問い合わせ元へ通知する。
【0061】
尚、操作者情報は、操作者の所属組織や役職に限定されるものではなく、操作者の性別、年齢層等の操作者が属する属性情報や、操作者固有の識別情報等であってもよい。
【0062】
図5に示すように、操作者情報管理テーブル50は、各操作者の操作者IDを示す「操作者ID」501と、当該操作者IDの操作者の所属部署を示す「所属」502と、当該操作者IDの操作者の役職を示す「役職」503等とが対応付けされて構成されており、操作者情報管理テーブル50の例えば操作者ID「P1201」の操作者は、開発部(所属)の役員(役職)であることを示している。
【0063】
このように構成された文書管理システム100は、例えば操作者の役職または所属部署に応じて異なる操作権限のセキュリティ情報が設定された紙文書を複合機2で複写、ファクシミリ通信、スキャン、印刷等の各処理を行う場合、複合機2は、操作者の操作者情報と紙文書の文書IDの組合せに対応する操作権限情報を特定し、当該操作権限情報に従って複合機2の動作を制御して文書に対する情報セキュリティを維持する。
【0064】
文書管理システム100が行う本発明に係わる文書管理の要部の処理動作について、図6乃至図11を参照して説明する。
【0065】
前述したように、セキュリティ情報に従って文書の処理を実施するためには、セキュリティ情報を設定する文書と、そのセキュリティ情報を文書管理システム100へ登録する必要がある。
【0066】
図6は、電子文書(電子化された文書)を文書管理システム100に新規登録する場合の処理動作の一例を示す流れ図である。
【0067】
図6に示すように、セキュリティ情報を設定する電子文書を文書管理システム100に新規登録する場合は、まず、クライアントPC1を起動させ、操作者の操作者IDやパスワード等のログイン情報を入力して認証後、図示せぬ選択メニューで「文書登録」を選択させることで開始する(ステップS600)。
【0068】
操作者の認証は、クライアントPC1が起動することで操作者IDやパスワード等を入力させる図示せぬログイン画面をクライアントPC1のディスプレイ上に表示させ、入力されたログイン情報に基づき当該ログイン情報に対する認証を操作者管理装置5に対して問い合わせて行う。
【0069】
また、操作者認証後、クライアントPC1は、ディスプレイ上に選択メニューを表示させ、当該選択メニューで操作者により「文書登録」が選択されると、登録する文書、その文書に対する操作権限情報及びその操作権限を与える操作者の操作者情報を当該電子文書の操作者に選択または入力させ、選択された文書の文書データを文書管理装置3に送信して当該文書データの登録を要求し、また、入力された操作権限情報及びその操作者情報を操作権限管理装置4に送信してその登録を要求する(ステップS601)。
【0070】
具体的には、操作者認証後のクライアントPC1のディスプレイ上には、セキュリティ情報に従って文書の印刷、複写、移動及び文書登録、セキュリティ情報の変更等の各種文書処理を選択する図示せぬ選択メニューが表示され、この選択メニューで「文書登録」が選択されると、ディスプレイ上には図示せぬ文書登録画面が表示され、その画面上で操作者が登録文書の指定及び当該文書に対する操作権限情報及びその操作権限を与える操作者の操作者情報を入力させる。
【0071】
登録文書とその文書の操作権限情報及び操作者情報が操作者により選択または入力されると、クライアントPC1は、選択された文書の文書データを文書管理装置3に送信してその登録を要求し、また、入力された操作権限情報とその操作者情報を操作権限管理装置4に送信してその登録を要求する。
【0072】
文書管理装置3は、クライアントPC1から送信された文書データ及びその登録要求に対して当該文書データを文書DB30へ格納し、当該文書データの文書IDの発行を操作権限管理装置4に要求する(ステップS602)。
【0073】
操作権限管理装置4は、文書管理装置3からの文書IDの発行要求に対して新たな文書IDを発行し、要求元の文書管理装置3へ通知する(ステップS603)。
【0074】
操作権限管理装置4から新たな文書IDの通知を受けた文書管理装置3は、当該文書IDと、登録文書(文書データ)の格納先情報とを対応付けて文書管理テーブル31(図3参照)に記録し、当該文書IDとその格納先情報を操作権限管理装置4へ通知する(ステップS604)。
【0075】
また、操作権限管理装置4は、クライアントPC1から送信された操作権限情報及び操作者情報の登録要求に対して当該操作権限情報及び操作者情報と、文書管理装置3から通知された文書IDと当該文書IDの文書の格納先情報とを対応付けてセキュリティ情報管理テーブル40(図4参照)に記録し、セキュリティ情報が登録された旨を文書管理装置3へ通知する(ステップS605)。
【0076】
操作権限管理装置4からセキュリティ情報登録完了の通知を受けた文書管理装置3は、文書登録の要求があった要求元のクライアントPC1に対して文書登録が完了した旨を通知し、電子文書の新規登録処理が終了する(ステップS606)。
【0077】
次に、紙文書を文書管理システム100に新規登録する場合の処理動作について説明する。
【0078】
図7は、紙文書を文書管理システム100に新規登録する場合の処理動作の一例を示す流れ図である。
【0079】
図7に示すように、紙文書を文書管理システム100に新規登録する場合は、複合機2を操作する操作者の操作者IDやパスワード等のログイン情報を認証後、図示せぬ選択メニューで「文書登録」を選択させることで開始する(ステップS700)。
【0080】
操作者の認証は、複合機2の図示せぬコントロールパネル上に図示せぬログイン画面を表示させ、入力されたログイン情報に基づき操作者の認証を操作者管理装置5に対して問い合わせて行う。
【0081】
また、操作者認証後、複合機2は、コントロールパネル上にセキュリティ情報に従って紙文書の複写、ファクシミリ通信、スキャン、印刷及び文書登録、セキュリティ情報の変更等の各種操作を行う図示せぬ選択メニューを表示させる。
【0082】
選択メニューで「文書登録」が操作者により選択されると、登録する紙文書に対する操作権限情報及びその操作権限を与える操作者の操作者情報を入力させ、コントロールパネル上に配置された図示せぬ「開始ボタン」の押下を操作者に促して操作させる。
【0083】
操作権限情報及びその操作者情報が入力され、「開始ボタン」が押下されると、複合機2は、複合機2の図示せぬプラテンガラス上に置かれた紙文書をスキャンしてその画像データを読み取り、読み取った画像データを文書管理装置3に送信して当該画像データの登録を要求し、また、入力された操作権限情報及びその操作者情報を操作権限管理装置4に送信してその登録を要求する(ステップS701)。
【0084】
文書管理装置3は、複合機2から送信された画像データ及びその登録要求に対して当該画像データを文書DB30へ格納し、当該画像データの文書IDの発行を操作権限管理装置4に要求する(ステップS702)。
【0085】
操作権限管理装置4は、文書管理装置3からの文書IDの発行要求に対して新たな文書IDを発行し、要求元の文書管理装置3へ通知する(ステップS703)。
【0086】
操作権限管理装置4から新たな文書IDの通知を受けた文書管理装置3は、当該文書IDと、登録文書(画像データ)の格納先情報とを対応付けて文書管理テーブル31(図3参照)に記録し、当該文書IDとその格納先情報を操作権限管理装置4へ通知する(ステップS704)。
【0087】
操作権限管理装置4は、複合機2から送信された操作権限情報及びその操作者情報の登録要求に対して当該操作権限情報及び操作者情報と、文書管理装置3から通知された文書IDと当該文書IDの文書の格納先情報とを対応付けてセキュリティ情報管理テーブル40(図4参照)に記録し、セキュリティ情報が登録された旨を文書管理装置3へ通知する(ステップS705)。
【0088】
操作権限管理装置4からセキュリティ情報登録完了の通知を受けた文書管理装置3は、文書登録の要求があった要求元の複合機2に対して文書登録が完了した旨を通知し、紙文書の新規登録処理が終了する(ステップS706)。
【0089】
このような処理動作により、文書と当該文書のセキュリティ情報とが登録された文書管理システム100において、クライアントPC1及び複合機2の文書処理装置が文書管理システム100に登録された文書をセキュリティ情報に従って処理する例を図8乃至図11を参照して説明する。
【0090】
図8は、クライアントPC1が電子文書をセキュリティ情報に従って印刷する処理動作の一例を示す流れ図である。
【0091】
図8に示すように、クライアントPC1は、操作者の操作者IDやパスワード等のログイン情報を入力させ、操作者の認証後、図示せぬ選択メニューで「印刷」が選択されることで電子文書のセキュリティ情報に従った印刷処理を開始する(ステップS800)。
【0092】
操作者の認証は、前述の電子文書の新規登録(図6参照)の場合と同様に、図示せぬログイン画面をクライアントPC1のディスプレイ上に表示させ、入力されたログイン情報に基づき当該ログイン情報に対する認証を操作者管理装置5に対して問い合わせて行う。
【0093】
また、操作者認証後、クライアントPC1は、ディスプレイ上に選択メニューを表示させ、当該選択メニューで「印刷」が操作者により選択されると、文書管理システム100に登録された文書一覧の情報を文書管理装置3から取得してクライアントPC1のディスプレイ上に表示させ、その文書一覧の中から操作者が選択した文書の文書IDを文書管理装置3に送信して当該文書IDの電子文書の送信を要求し、取得する。
【0094】
文書管理装置3から送信された電子文書を受信したクライアントPC1は、当該電子文書の文書IDと、操作者により入力されたログイン情報の操作者IDを操作権限管理装置4へ送信して当該電子文書に対する操作者IDの操作者に与えられている操作権限情報と、この印刷処理で出力される紙文書に付加する新たな文書IDの送信を要求する(ステップS801)。
【0095】
操作権限管理装置4は、文書IDの発行要求に対して新たな文書IDを発行し、また、操作権限情報の送信要求に対してクライアントPC1から送信された操作者IDの操作者情報(所属、役職)を操作者管理装置5に問い合わせて取得し(ステップS802)、取得した操作者情報とクライアントPC1から送信された電子文書の文書IDとに対応付けされた操作権限情報をセキュリティ情報管理テーブル40を参照して特定し、特定した操作権限情報が印刷禁止でない場合は、当該操作権限情報及び発行した新たな文書IDを要求元のクライアントPC1へ送信する(ステップS804)。
【0096】
尚、特定した操作権限情報が印刷禁止の場合は、操作権限管理装置4は、新たな文書IDを発行することなく、特定された操作権限情報のみをクライアントPC1へ送信し、クライアントPC1は、操作権限情報が示す印刷禁止に従って印刷処理を中止し、印刷処理を終了する。
【0097】
また、操作者の操作者情報は、操作権限管理装置4がクライアントPC1から送信された操作者IDを操作者管理装置5に送信し、当該操作者IDに対応する操作者情報を操作者管理装置5が操作者情報管理テーブル50(図4参照)参照して特定し、操作権限管理装置4へ通知することで取得される(ステップS803)。
【0098】
クライアントPC1は、文書管理装置3から取得した電子文書に操作権限管理装置4から送信された新たな文書IDを付加し、操作権限管理装置4から送信された操作権限情報が示す印刷条件を設定後、複合機2へ送信して印刷指示する(ステップS805)。
【0099】
複合機2は、クライアントPC1から送信された新たな文書IDを含む電子文書と印刷条件情報を受信し、印刷条件に応じた印刷処理後(ステップS806)、当該印刷処理で出力された紙文書のセキュリティ情報を操作権限管理装置4へ登録し、印刷処理を終了する(ステップS807)。
【0100】
具体的には、複合機2は、印刷条件に応じた印刷処理後、操作権限管理装置4に対して当該印刷処理で出力された紙文書のセキュリティ情報の登録を要求し、操作権限管理装置4は、複合機2からのセキュリティ情報の登録要求を受けて当該印刷処理における操作権限情報、当該紙文書の文書ID、当該紙文書の文書データの格納先情報、操作者の操作者情報を対応付けたセキュリティ情報をセキュリティ情報管理テーブル40(図4参照)に記録後、セキュリティ情報の登録が終了した旨を複合機2へ通知する。
【0101】
また、複合機2は、操作権限管理装置4からのセキュリティ情報登録終了の通知を受け、印刷処理が終了した旨をクライアントPC1へ通知してセキュリティ情報に従った電子文書の印刷処理を終了する。
【0102】
次に、複合機2がセキュリティ情報に従って紙文書の複写、ファクシミリ通信、スキャン等の各処理を実施する場合の処理動作について説明する。
【0103】
尚、以下の説明においては、文書に対する操作権限が異なる操作者A、操作者B間において、操作者Aが出力した紙文書X(ヘッダ/フッタに文書IDが印字されている。)を操作者Bに渡し、その紙文書Xを操作者Bが複合機2を使って複写、ファクシミリ通信、スキャンする場合を例に説明する。また、操作者Aは、開発部の役員で操作者IDが「P1201」、操作者Bは、経理部の管理職で操作者IDが「P1301」、紙文書Xの文書IDが「D0001」であるものとする。
【0104】
図9は、複合機2が紙文書Xをセキュリティ情報に従って複製する処理動作の一例を示す流れ図である。
【0105】
図9に示すように、操作者Bが複合機2の図示せぬコントロールパネル上に表示された図示せぬログイン画面で操作者IDやパスワード等のログイン情報を入力して認証後、コントロールパネル上に表示される図示せぬ選択メニューで「複写」を選択することで、複合機2は、紙文書Xのセキュリティ情報に従った複製処理を開始する(ステップS900)。
【0106】
操作者Bの認証動作は、前述の紙文書の新規登録の場合(図7参照)と同様に、操作者Bにより入力されたログイン情報に基づき操作者管理装置5に問い合わせて行なう。
【0107】
操作者認証後、複合機2の図示せぬプラテンガラス上に紙文書Xが置かれ、選択メニューで「複写」が選択され、コントロールパネル上に配置された図示せぬ「開始ボタン」が操作者により押下されると、複合機2は、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限情報と、当該複製処理で出力される紙文書に付加する新たな文書IDの発行を操作権限管理装置4に要求する(ステップS901)。
【0108】
具体的には、操作者Bにより「開始ボタン」が押下されると、複合機2は、紙文書Xをスキャンしてその画像データを読み取り、読み取った画像データを解析して紙文書Xに付加されている文書IDを抽出して検知し、検知した文書IDと、操作者により入力されたログイン情報の操作者IDを操作権限管理装置4へ送信して紙文書Xに対する操作者Bの操作権限情報と、新たな文書IDの送信を要求する。
【0109】
本例の場合、複合機2は、紙文書Xの文書ID「D0001」と操作者Bの操作者ID「P1301」を操作権限管理装置4へ送信し、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限情報及び紙文書Xから複製されて出力される紙文書に付加する新たな文書IDの送信を要求する。
【0110】
操作権限管理装置4は、複合機2から送信された操作者IDの操作者情報(所属、役職)を操作者管理装置5に問い合わせて取得し(ステップS902)、取得した操作者情報と複合機2から送信された紙文書Xの文書IDとに対応付けされた操作権限情報をセキュリティ情報管理テーブル40を参照して確認する(ステップS904)。
【0111】
尚、操作者Bの操作者情報は、操作権限管理装置4が複合機2から送信された操作者IDを操作者管理装置5に送信し、当該操作者IDに対応する操作者情報を操作者管理装置5が操作者情報管理テーブル50(図5参照)参照して特定し、操作権限管理装置4へ通知することで取得される(ステップS903)。
【0112】
本例の場合、操作者管理装置5は、操作権限管理装置4から送信された操作者Bの操作者ID「P1301」と一致する操作者情報管理テーブル50(図5参照)の操作者ID501の値を検索し、検索された「P1301」(操作者ID501)と対応付けられた「経理部」(所属502)と「管理職」(役職503)を操作者Bの操作者情報として特定する。
【0113】
また、操作権限管理装置4は、複合機2から送信された紙文書Xの文書ID「D0001」及び操作者管理装置5で特定された操作者情報(経理部、管理職)の各値と全て一致するセキュリティ情報管理テーブル40(図4参照)の文書ID401、所属404、役職405の各値を検索し、検索された「D0001」(文書ID401)、「経理部」(所属404)、「管理職」(役職405)と対応付けられた操作権限情報403の値「1」が示す操作権限を確認する。
【0114】
ステップS904におけるセキュリティ情報の確認後、操作権限管理装置4は、確認された操作権限情報に応じて紙文書Xの電子文書データ(説明の便宜上、「元文書データ」という。)を複合機2へ送信するように文書管理装置3に対して要求する(ステップS905)。
【0115】
具体的には、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限が複写禁止でない場合、操作権限管理装置4は、紙文書Xの文書IDを文書管理装置3に送信して文書IDの紙文書Xの元文書データを複合機2へ送信するように要求する。
【0116】
一方、文書管理装置3は、操作権限管理装置4から送信された紙文書Xの文書IDに基づき紙文書Xの元文書データの格納場所を特定し、その格納場所から元文書データを取り出して複合機2へ送信する。
【0117】
本例の場合は、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限情報の値が「2」、すなわち、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限が複写禁止ではないので、操作権限管理装置4が紙文書Xの文書IDを文書管理装置3に送信し、当該文書IDの紙文書Xの元文書データを複合機2へ送信するように要求する。
【0118】
ステップS905において、紙文書Xの元文書データの複合機2への送信要求後、操作権限管理装置4は、複合機2からの新たな文書IDの送信要求に対して新たな文書IDを発行し、発行した文書IDと、ステップS905で確認された紙文書Xに対する操作者Bの操作権限情報(この場合は、操作権限情報の値が「2」)を複合機2へ送信する(ステップS906)。
【0119】
尚、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限が複写禁止の場合、操作権限管理装置4は、新たな文書IDを発行することなく、複写禁止を示す操作権限情報のみを複合機2へ送信し、複合機2は、操作権限情報が示す複写禁止に従って複製処理を中止し、複製処理を終了する。
【0120】
紙文書Xの元文書データを複合機2へ送信するように要求された文書管理装置3は、紙文書Xの文書IDに基づき文書管理テーブル31(図3参照)を参照して紙文書Xの元文書データの格納先を特定し、特定した格納先から元文書データを取り出して複合機2へ送信する(ステップS907)。
【0121】
具体的には、本例の場合は、操作権限管理装置4が紙文書Xの文書ID「D0001」を文書管理装置3へ送信して当該文書IDの紙文書Xの元文書データを複合機2へ送信するように要求し、文書管理装置3が文書ID「D0001」と一致する文書管理テーブル31の文書ID311の値を検索し、検索された「D0001」(文書ID311)と対応付けられた「https://abc.def.co.jp/129」(文書格納先312)に格納された文書データを取り出して、複合機2へ送信する。
【0122】
尚、紙文書Xの文書ID「D0001」(文書ID311)と対応付けられた「https://abc.def.co.jp/129」(文書格納先312)の格納場所には、紙文書Xを出力する際の印刷データ(電子文書データ)である元文書データが格納されている。
【0123】
複合機2は、操作権限管理装置4から送信された操作権限情報と、その操作権限情報(値が「1」でない場合)に応じて操作権限管理装置4から送信された新たな文書ID及び文書管理装置3から送信された紙文書Xの元文書データを受信し、当該操作権限情報に従って複製処理を行う(ステップS908)。
【0124】
複合機2による操作権限情報に従った複製処理は、具体的には、受信した操作権限情報に基づき操作権限管理テーブル31を参照して、例えば操作権限情報の値が「1」の場合は、複写動作を禁止し、紙文書Xが複写禁止である旨を操作者へ通知する。また、当該操作のログ情報を例えば操作日時、操作者ID(この場合は、操作者B)、操作内容(複写操作)、処理動作内容(複写動作禁止)、当該紙文書のイメージ画像等の情報を取得して蓄積保持するとともに文書管理者へその旨(ログ情報の内容)を通知する処理を行う。
【0125】
操作権限情報の値が「2」の場合は、文書管理装置3から送信された紙文書Xの元文書データに桜紙印刷データを付加して印刷出力する。この場合は、元文書データの背面に所定の模様等が印刷された状態で出力される。また、前述の操作権限情報が「1」の場合と同様に当該操作のログ情報(操作日時、操作者ID、操作内容、処理動作内容、当該紙文書のイメージ画像等の情報)を取得して蓄積保持するとともに文書管理者へその旨を通知する処理を行う。
【0126】
操作権限情報の値が「3」の場合は、文書管理装置3から送信された紙文書Xの元文書データに操作権限管理装置4から送信される新たな文書IDをヘッダ/フッタに付加して印刷出力する。また、前述の操作権限情報が「1」の場合と同様に当該操作のログ情報(操作日時、操作者ID、操作内容、処理動作内容、当該紙文書のイメージ画像等の情報)を取得して蓄積保持するとともに文書管理者へその旨を通知する処理を行う。
【0127】
操作権限情報の値が「4」の場合は、文書管理装置3から送信された紙文書Xの元文書データをそのまま印刷出力する。
【0128】
尚、本例の場合は、操作権限情報の値が「2」であるので、文書管理装置3から送信された紙文書Xの元文書データに桜紙印刷データを付加して印刷出力し、当該処理のログ情報(操作日時、操作者ID、操作内容、処理動作内容、当該紙文書のイメージ画像等の情報)を取得して蓄積保持して当該処理が実施された旨を文書管理者へ通知する。
【0129】
このように、複合機2は、紙文書Xに対する操作者Bに応じて設定されたセキュリティ情報に従った複製処理を実施し、当該複製処理で紙文書Yが出力されると、紙文書Yに対するセキュリティ情報を操作権限管理装置4へ登録し、複製処理を終了する(ステップS909)。
【0130】
具体的には、複合機2が操作権限情報に従って紙文書Xを複製処理して紙文書Yを出力した場合は、複合機2は、操作権限管理装置4に対して紙文書Yのセキュリティ情報の登録を要求し、操作権限管理装置4は、複合機2からのセキュリティ情報の登録要求を受けて紙文書Yの操作権限情報、紙文書Yの文書ID、紙文書Yの元文書データの格納先情報、操作者Bの操作者情報を対応付けてセキュリティ情報管理テーブル40(図4参照)に記録後、操作権限情報に従った紙文書Xの複製処理を終了する。
【0131】
本例の場合は、例えばセキュリティ情報管理テーブル40の文書ID401には「D0004」、文書格納先402には紙文書Yの元文書データの格納先「https://abc.def.co.jp/129」、操作権限情報403には、操作者Bの紙文書Xに対する操作権限情報と同一の値「2」、所属404及び役職405には、操作者Bの操作者情報を示す「経理部」、「管理職」の各値が設定されたセキュリティ情報が記録される。
【0132】
また、複合機2が操作権限情報に従って紙文書Xの複写禁止動作を実施した場合は、前述したように紙文書Xが複写禁止である旨を操作者へ通知し、当該操作のログ情報を蓄積保持するとともに文書管理者へその旨(ログ情報の内容)を通知して複製処理を終了する。
【0133】
図10は、複合機2が紙文書Xをセキュリティ情報に従ってファクシミリ送信する処理動作の一例を示す流れ図である。
【0134】
尚、図10におけるステップS1000乃至ステップS1007は、前述の図9で示したステップS900乃至ステップS907と同様であるので簡単に説明する。
【0135】
図10に示すように、操作者Bが複合機2の図示せぬコントロールパネル上に表示されたログイン画面で操作者IDやパスワード等のログイン情報を入力して認証後、コントロールパネル上に表示される図示せぬ選択メニューで「ファクシミリ送信」を選択することで、複合機2は、紙文書Xのセキュリティ情報に従ったファクシミリ送信処理を開始する(ステップS1000)。
【0136】
操作者認証後、複合機2の図示せぬファクシミリ送信用の原稿セット装置に紙文書Xがセットされ、選択メニューで「ファクシミリ送信」が選択され、コントロールパネル上に配置された図示せぬ「送信ボタン」が押下されると、複合機2は、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限情報と、当該ファクシミリ送信で送信する紙文書Xの文書データに付加する新たな文書IDの発行を操作権限管理装置4に対して要求する(ステップS1001)。
【0137】
具体的には、「送信ボタン」が押下されると、複合機2は、紙文書Xをスキャンしてその画像データを読み取り、読み取った画像データを解析して紙文書Xに付加されている文書IDを抽出して検知し、検知した文書ID、操作者により入力されたログイン情報の操作者IDを操作権限管理装置4へ送信して紙文書Xに対する操作者Bの操作権限情報と、新たな文書IDの送信を要求する。
【0138】
新たな文書IDと、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限情報の送信を要求された操作権限管理装置4は、新たな文書IDを発行し、複合機2から送信された操作者IDの操作者情報を操作者管理装置5に問い合わせて取得し、操作者IDの操作者情報(所属、役職等の情報)と紙文書Xの文書IDとに対応付けされた操作権限情報をセキュリティ情報管理テーブル40を参照して確認する(ステップS1002乃至ステップS1004)。
【0139】
ステップS1004における操作権限情報の確認後、操作権限管理装置4は、確認された操作権限情報に応じて紙文書Xの元文書データを複合機2へ送信するように文書管理装置3に対して要求する(ステップS1005)。
【0140】
具体的には、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限がファクシミリ送信禁止でない場合、操作権限管理装置4は、紙文書Xの文書IDを文書管理装置3に送信して文書IDの紙文書Xの元文書データを複合機2へ送信するように要求する。
【0141】
本例の場合は、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限情報の値が「2」、すなわち、操作権限がファクシミリ送信制限となっているので、操作権限管理装置4が紙文書Xの文書IDを文書管理装置3に送信し、当該文書IDの紙文書Xの元文書データを複合機2へ送信するように要求する。
【0142】
ステップS1005において、紙文書Xの元文書データの複合機2への送信要求後、操作権限管理装置4は、複合機2からの新たな文書IDの送信要求に対して新たな文書IDを発行し、発行した文書IDと、ステップS1005で確認された紙文書Xに対する操作者Bの操作権限情報(この場合は、値が「2」であり、許可された送信先情報または許可されていない送信先情報)を複合機2へ送信する(ステップS1007)。
【0143】
尚、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限がファクシミリ送信禁止の場合、操作権限管理装置4は、新たな文書IDを発行することなく、ファクシミリ送信禁止を示す操作権限情報のみを複合機2へ送信し、複合機2は、操作権限情報が示すファクシミリ送信禁止に従ってファクシミリ送信処理を中止し、ファクシミリ送信処理を終了する。
【0144】
紙文書Xの元文書データの複合機2への送信要求された文書管理装置3は、紙文書Xの文書IDに基づき文書管理テーブル31(図2参照)を参照して紙文書Xの元文書データの格納先から元文書データを取り出して複合機2へ送信する(ステップS1006)。
【0145】
複合機2は、操作権限管理装置4から送信された操作権限情報と、その操作権限情報(値が「1」でない場合)に応じて操作権限管理装置4から送信された新たな文書ID及び文書管理装置3から送信された紙文書Xの元文書データを受信し、当該操作権限情報に従ってファクシミリ送信処理を行う(ステップS1008)。
【0146】
複合機2による操作権限情報に従ったファクシミリ送信処理は、具体的には、受信した操作権限情報に基づき操作権限管理テーブル31を参照して、例えば操作権限情報の値が「1」の場合は、ファクシミリ送信動作を禁止し、紙文書Xがファクシミリ送信禁止である旨を操作者へ通知する。また、当該操作のログ情報を例えば操作日時、操作者ID(この場合は、操作者B)、操作内容(ファクシミリ送信操作)、処理動作内容(ファクシミリ送信動作禁止)、送信先情報、当該紙文書のイメージ画像等の情報を取得して蓄積保持するとともに文書管理者へその旨(ログ情報の内容)を通知する処理を行う。
【0147】
操作権限情報の値が「2」の場合は、文書管理装置3から送信された紙文書Xの元文書データに桜紙印刷データを付加し、許可された送信先に対してはファクシミリ送信する。許可されていない送信先に対しては、ファクシミリ送信動作を禁止し、紙文書Xが指定された送信先に対してはファクシミリ送信禁止である旨を操作者に通知する。また、前述の操作権限情報が「1」の場合と同様に当該操作のログ情報(操作日時、操作者ID、操作内容、処理動作内容、送信先情報、当該紙文書のイメージ画像等の情報)を取得して蓄積保持するとともに文書管理者へその旨を通知する処理を行う。
【0148】
操作権限情報の値が「3」の場合は、文書管理装置3から送信された紙文書Xの元文書データに操作権限管理装置4から送信された新たな文書IDをヘッダ/フッタに付加して送信先へファクシミリ送信する。前述の操作権限情報が「1」の場合と同様に当該操作のログ情報(操作日時、操作者ID、操作内容、処理動作内容、送信先情報、当該紙文書のイメージ画像等の情報)を取得して蓄積保持するとともに文書管理者へその旨を通知する処理を行う。
【0149】
操作権限情報の値が「4」の場合は、文書管理装置3から送信された紙文書Xの元文書データをそのまま送信先へファクシミリ送信する。
【0150】
尚、本例の場合は、操作権限情報の値が「2」であるので、文書管理装置3から送信された紙文書Xの元文書データに桜紙印刷データを付加して送信先へファクシミリ送信し、当該処理のログ情報(操作日時、操作者ID、操作内容、処理動作内容、送信先情報、当該紙文書のイメージ画像等の情報)を取得して蓄積保持し、当該処理が実施された旨を文書管理者へ通知する。
【0151】
このように、複合機2は、紙文書Xに対する操作者Bに応じて設定されたセキュリティ情報に従ったファクシミリ送信を実施し、紙文書Xの元文書データに新たな文書IDがヘッダ/フッタに付加された文書データに対するセキュリティ情報を操作権限管理装置4へ登録し、ファクシミリ送信処理を終了する(ステップS1009)。
【0152】
具体的には、複合機2が操作権限情報に従って紙文書Xのファクシミリ送信を実施した場合、複合機2は、操作権限管理装置4に対して紙文書Xの元文書データに新たな文書IDがヘッダ/フッタに付加された文書データのセキュリティ情報の登録を要求し、操作権限管理装置4は、複合機2からのセキュリティ情報の登録要求を受けて当該文書データの操作権限情報、当該文書データの文書ID、当該文書データの元文書データの格納先情報、操作者Bの操作者情報を対応付けてセキュリティ情報管理テーブル40(図4参照)に記録後、操作権限情報に従った紙文書Xのファクシミリ送信処理を終了する。
【0153】
また、複合機2が操作権限情報に従って紙文書Xのファクシミリ送信禁止動作を実施した場合は、前述したように紙文書Xがファクシミリ送信禁止である旨を操作者へ通知し、当該操作のログ情報を蓄積保持するとともに文書管理者へその旨(ログ情報の内容)を通知してファクシミリ送信処理を終了する。
【0154】
図11は、複合機2が紙文書Xをセキュリティ情報に従ってスキャンする処理動作の一例を示す流れ図である。
【0155】
尚、図11におけるステップS1100乃至ステップS1107は、前述の図9で示したステップS900乃至ステップS907と同様であるので簡単に説明する。
【0156】
図11に示すように、操作者Bが複合機2の図示せぬコントロールパネル上に表示されたログイン画面で操作者IDやパスワード等のログイン情報を入力して認証後、コントロールパネル上に表示される図示せぬ選択メニューで「スキャン」を選択することで、複合機2は、紙文書Xのセキュリティ情報に従ったスキャン処理の動作を開始する(ステップS1100)。
【0157】
操作者認証後、複合機2の図示せぬプラテンガラス上に置かれ、選択メニューで「スキャン」が選択され、コントロールパネル上に配置された図示せぬ「開始ボタン」が押下されると、複合機2は、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限情報と、当該スキャン処理で生成される紙文書Xの文書データに付加する新たな文書IDの発行を操作権限管理装置4に対して要求する(ステップS1101)。
【0158】
具体的には、「開始ボタン」が押下されると、複合機2は、紙文書Xをスキャンしてその画像データを読み取り、読み取った画像データを解析して紙文書Xに付加されている文書IDを抽出して検知し、検知した文書IDと、操作者により入力されたログイン情報の操作者IDを操作権限管理装置4へ送信して紙文書Xに対する操作者Bの操作権限情報と、当該スキャン処理で生成される画像に付加する新たな文書IDの送信を要求する。
【0159】
新たな文書IDと、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限情報の送信を要求された操作権限管理装置4は、新たな文書IDを発行し、複合機2から送信された操作者IDの操作者情報を操作者管理装置5に問い合わせて取得し、操作者IDの操作者情報(所属、役職等の情報)と紙文書Xの文書IDとに対応付けされた操作権限情報をセキュリティ情報管理テーブル40を参照して確認する(ステップS1102乃至ステップS1104)。
【0160】
ステップS1104におけるセキュリティ情報の確認後、操作権限管理装置4は、操作権限情報に応じて紙文書Xの元文書データを複合機2へ送信するように文書管理装置3に対して要求する(ステップS1105)。
【0161】
具体的には、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限がスキャン禁止でない場合、操作権限管理装置4は、紙文書Xの文書IDを文書管理装置3に送信して文書IDの紙文書Xの元文書データを複合機2へ送信するように要求する。
【0162】
本例の場合は、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限情報の値が「2」、すなわち、操作権限がスキャン禁止ではないので、操作権限管理装置4が紙文書Xの文書IDを文書管理装置3に送信し、紙文書Xの元文書データを複合機2へ送信するように要求する。
【0163】
ステップS1105において、紙文書Xの元文書データの複合機2への送信要求後、操作権限管理装置4は、複合機2からの新たな文書IDの送信要求に対して新たな文書IDを発行し、発行した文書IDと、ステップS1105で確認された紙文書Xに対する操作者Bの操作権限情報(この場合は、値が「2」)を複合機2へ送信する(ステップS1107)。
【0164】
尚、紙文書Xに対する操作者Bの操作権限がスキャン禁止の場合、操作権限管理装置4は、新たな文書IDを発行することなく、スキャン禁止を示す操作権限情報のみを複合機2へ送信し、複合機2は、操作権限情報が示すスキャン禁止に従ってスキャン処理を中止し、スキャン処理を終了する。
【0165】
紙文書Xの元文書データの複合機2への送信要求された文書管理装置3は、紙文書Xの文書IDに基づき文書管理テーブル31(図3参照)を参照して紙文書Xの元文書データの格納先から元文書データを取り出して複合機2へ送信する(ステップS1106)。
【0166】
複合機2は、操作権限管理装置4から送信された操作権限情報と、その操作権限情報(値が「1」でない場合)に応じて操作権限管理装置4から送信された新たな文書ID及び文書管理装置3から送信された紙文書Xの元文書データを受信し、操作権限情報に従ってスキャン処理を行う(ステップS1108)。
【0167】
複合機2による操作権限情報に従ったスキャン処理は、具体的には、受信した操作権限情報に基づき操作権限管理テーブル31を参照して、例えば操作権限情報の値が「1」の場合は、スキャン動作を禁止し、紙文書Xがスキャン禁止である旨を操作者へ通知する。また、当該操作のログ情報を例えば操作日時、操作者ID(この場合は、操作者B)、操作内容(スキャン操作)、処理動作内容(スキャン動作禁止)、送信先情報、当該紙文書のイメージ画像等の情報を取得して蓄積保持するとともに文書管理者へその旨(ログ情報の内容)を通知する処理を行う。
【0168】
操作権限情報の値が「2」の場合は、文書管理装置3から送信された紙文書Xの元文書データを暗号化し、送信先へ送信する。また、前述の操作権限情報が「1」の場合と同様に当該操作のログ情報(操作日時、操作者ID、操作内容、処理動作内容、送信先情報、当該紙文書のイメージ画像等の情報)を取得して蓄積保持するとともに文書管理者へその旨を通知する処理を行う。
【0169】
操作権限情報の値が「3」の場合は、文書管理装置3から送信された紙文書Xの元文書データに操作権限管理装置4から送信された新たな文書IDを付加して送信先へ送信する。また、前述の操作権限情報が「1」の場合と同様に当該操作のログ情報(操作日時、操作者ID、操作内容、処理動作内容、送信先情報、当該紙文書のイメージ画像等の情報)を取得して蓄積保持するとともに文書管理者へその旨を通知する処理を行う。
【0170】
操作権限情報の値が「4」の場合は、文書管理装置3から送信された紙文書Xの元文書データをそのまま送信先へ送信する。
【0171】
尚、本例の場合は、操作権限情報の値が「2」であるので、文書管理装置3から送信された紙文書Xの元文書データに暗号化して送信先へ送信し、当該処理のログ情報(操作日時、操作者ID、操作内容、処理動作内容、送信先情報、当該紙文書のイメージ画像等の情報)を取得して蓄積保持して当該処理が実施された旨を文書管理者へ通知する。
【0172】
このように、複合機2は、紙文書Xに対する操作者Bのセキュリティ情報に従ったスキャン処理を実施し、紙文書Xの元文書データを暗号化した文書に対するセキュリティ情報を操作権限管理装置4へ登録し、スキャン処理を終了する(ステップS1109)。
【0173】
具体的には、複合機2が操作権限情報に従って紙文書Xのスキャン処理を実施した場合、複合機2は、操作権限管理装置4に対して紙文書Xの元文書データを暗号化した文書のセキュリティ情報の登録を要求し、操作権限管理装置4は、複合機2からのセキュリティ情報の登録要求を受けて当該文書の操作権限情報、当該文書の文書ID、当該文書の元文書データの格納先情報、操作者Bの操作者情報を対応付けしてセキュリティ情報管理テーブル40(図4参照)に記録後、操作権限情報に従ったスキャン処理を終了する。
【0174】
また、複合機2が操作権限情報に従って紙文書Xのスキャン禁止動作を実施した場合は、前述したように紙文書Xがスキャン禁止である旨を操作者へ通知し、当該操作のログ情報を蓄積保持するとともに文書管理者へその旨(ログ情報の内容)を通知してスキャン処理を終了する。
【0175】
以上説明した本発明の各装置による処理動作は、前述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、文書管理システム100を構成する各装置に供給し、その各装置のCPUが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって実現するように構成してもよい。
【0176】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0177】
また、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、文書管理システム100を構成する各装置に挿入された機能拡張カードやCPUに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0178】
本発明は、文書の種々な利用形態に対応した文書の管理技術に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明に係わる文書管理システム100の主な構成を示す構成図
【図2】操作権限管理テーブル10の一例を示す図
【図3】文書管理テーブル31の一例を示す図
【図4】セキュリティ情報管理テーブル40の一例を示す図
【図5】操作者情報管理テーブル50の一例を示す図、
【図6】電子文書(電子化された文書)の新規登録処理の一例を示す流れ図
【図7】紙文書(用紙に印刷された文書)の新規登録処理の一例を示す流れ図
【図8】クライアントPC1による電子文書のセキュリティ情報に従った印刷処理動作の一例を示す流れ図
【図9】複合機2による紙文書Xのセキュリティ情報に従った複製処理動作の一例を示す流れ図
【図10】複合機2による紙文書Xのセキュリティ情報に従ったファクシミリ送信処理の一例を示す流れ図
【図11】複合機2による紙文書Xのセキュリティ情報に従ったスキャン処理の一例を示す流れ図
【符号の説明】
【0180】
1 クライアントPC
2 複合機
3 文書管理装置
30 文書DB
4 操作権限管理装置
5 操作者管理装置
6 ネットワーク
10 操作権限管理テーブル
31 文書管理テーブル
40 セキュリティ情報管理テーブル
50 操作者情報管理テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書を管理する文書管理装置と、
前記文書管理装置で管理される文書に対応して、該文書と該文書の操作者との組み合わせで特定される操作権限情報を管理する操作権限管理装置と、
操作者情報を管理する操作者管理装置と、
前記文書管理装置で管理される文書の処理を行う文書処理装置と
を具備し、
前記文書処理装置は、
前記文書管理装置で管理される文書に対する紙文書の処理に際して、前記紙文書の操作者情報を前記操作者管理装置に送信して認証を行う認証手段と、
前記紙文書から画像情報を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段で読み取った画像情報から前記紙文書に対応する文書の識別情報を抽出する抽出手段と、
前記認証手段で認証した操作者と前記抽出手段で抽出した識別情報とを前記操作権限管理装置に通知する通知手段と、
前記通知手段で通知した前記操作者と前記識別情報とから特定される操作権限情報を前記操作権限管理装置から取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した操作権限情報に基づき前記紙文書の処理を行う処理手段と、
前記処理手段で処理した紙文書に対応する操作権限情報を前記操作権限管理装置に登録する登録手段と
を具備し、
前記操作権限管理装置は、
前記通知手段により通知された前記操作者に基づき前記操作者管理装置から該操作者に対応する操作者情報を取得して前記操作権限情報を特定する特定手段と、
前記特定手段で特定した操作権限情報を前記文書処理装置に送信する操作権限情報送信手段と
を具備する文書管理システム。
【請求項2】
前記操作権限管理装置は、
前記通知手段により通知された前記識別情報に基づき前記文書管理装置に対して前記紙文書の元電子文書の送信依頼を行う送信依頼手段
を更に具備し、
前記文書管理装置は、
前記送信依頼手段による送信依頼に基づき前記元電子文書を前記文書処理装置に送信する電子文書送信手段
を具備し、
前記処理手段は、
前記電子文書送信手段により送信された前記元電子文書に基づき前記紙文書の処理を行う請求項1記載の文書管理システム。
【請求項3】
前記操作者管理装置は、
前記操作者の所属および役職を含む操作者情報を管理する請求項1または2記載の文書管理システム。
【請求項4】
前記文書処理装置は、
前記文書管理装置で管理される文書に対する紙文書に所定の識別情報を付与して複写する複製処理を行う請求項1乃至3のいずれかに記載の文書管理システム。
【請求項5】
前記文書処理装置は、
前記文書管理装置で管理される文書に対する紙文書の画像を所定の宛先に送信する送信処理を行う請求項1乃至3のいずれかに記載の文書管理システム。
【請求項6】
前記文書処理装置は、
前記文書管理装置で管理される文書に対する紙文書の画像を電子化する電子化処理を行う請求項1乃至3のいずれかに記載の文書管理システム。
【請求項7】
文書管理装置で管理される文書に対する紙文書の処理に際して、前記紙文書の操作者の認証を行う認証手段と、
前記紙文書から画像情報を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段で読み取った画像情報から前記紙文書に対応する文書の識別情報を抽出する抽出手段と、
前記認証手段で認証した操作者と前記抽出手段で抽出した識別情報とを、前記文書管理装置で管理される文書に対応して該文書と該文書の操作者との組み合わせで特定される操作権限情報を管理する操作権限管理装置に通知する通知手段と、
前記通知手段で通知した前記操作者と前記識別情報とから特定される操作権限情報を前記操作権限管理装置から取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した操作権限情報に基づき前記紙文書の処理を行う処理手段と、
前記処理手段で処理した紙文書に対応する操作権限情報を前記操作権限管理装置に登録する登録手段と
を具備する文書処理装置。
【請求項8】
前記処理手段は、
前記紙文書の元電子文書を前記文書管理装置から取得して、該元電子文書に基づき前記紙文書の処理を行う請求項7記載の文書処理装置。
【請求項9】
コンピュータを、
文書管理装置で管理される文書に対する紙文書の処理に際して、前記紙文書の操作者の認証を行う認証手段、
前記紙文書から画像情報を読み取る画像読取手段、
前記画像読取手段で読み取った画像情報から前記紙文書に対応する文書の識別情報を抽出する抽出手段、
前記認証手段で認証した操作者と前記抽出手段で抽出した識別情報を、前記文書管理手段で管理される文書に対応して該文書と該文書の操作者との組み合わせで特定される操作権限情報を管理する操作権限管理装置に通知する通知手段、
前記通知手段で通知した前記操作者と前記識別情報とから特定される操作権限情報を前記操作権限管理装置から取得する取得手段、
前記取得手段で取得した操作権限情報に基づき前記紙文書の処理を行う処理手段と、
前記処理手段で処理した紙文書に対応する操作権限情報を前記操作権限管理装置に登録する登録手段
として機能させる文書管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−294550(P2008−294550A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135570(P2007−135570)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】