説明

料金所レーン案内装置

【課題】より適切にユーザが利用できる出口料金所のレーンを案内する「料金所レーン案内装置」を提供する。
【解決手段】
入口料金所のETCレーン通過時に、出口料金所の通過時刻を、ナビゲーション装置12が経路案内している経路に従って予測する。そして、出口料金所接近時に、出口料金所通過予測時刻に、予め定めておいた所定時間LT(たとえば、24時間)を加えた時刻を、現在時刻が超えているかどうかを調べ、超えていなければ、接近中の出口料金所のETCレーンにユーザを誘導するレーン案内を行い、超えていればETCレーンを利用できない可能性がある旨を通知する音声メッセージを出力すると共に、接近中の出口料金所の一般レーンにユーザを誘導するレーン案内を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
有料道路の自動料金徴収システムを備えた出口料金所のレーンを案内する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有料道路の自動料金徴収システムを備えた出口料金所のレーンを案内する技術としては、ETC(自動料金徴収システム)車載機を備えた自動車に搭載される車載システムにおいて、当該自動車が当該有料道路の入口料金所のETCレーンを通過している場合には出口料金所通過の際にETCレーンを走行するように案内し、当該自動車が当該有料道路の入口料金所のETCレーンを通過していない場合に出口料金所通過の際に一般レーンを走行するように案内する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-311261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ETC(自動料金徴収システム)では、不正利用を防止するために、入口料金所のETCレーンを通過してから、出口料金所に到達するまでに、不自然に長時間を要している自動車については、出口料金所のETCレーンにおける自動料金徴収を拒絶することが行われている。そして、このように出口料金所のETCレーンにおける自動料金徴収の拒絶が発生した場合には、人手を介して料金を徴収するための作業が当該ETCレーンにおいて行われることになる。
【0005】
したがって、このような場合に、上記特許文献1記載の技術によって、ETCレーンを走行するように案内することは、ETCレーンの通過に差し障りのある自動車をETCレーンに誘導するものであって適切ではなく、当該自動車の乗員や後続の自動車の乗員や料金所係員のそれぞれに不都合を生じさせることとなる。
【0006】
そこで、本発明は、より適切に、ユーザが利用できる出口料金所のレーンを案内することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題達成のために、ETC(自動料金収受システム)車載機を装着された自動車に搭載され、ユーザに対して料金所のレーンを案内する料金所レーン案内装置に、目的地までの誘導経路を設定し、設定した誘導経路を案内する経路誘導手段と、料金所のETCが利用可能なレーンをETCレーンとして、入口料金所のETCレーンを通過したときに、前記経路誘導手段が設定している前記誘導経路に従って走行した場合の、出口料金所の通過時刻を予測し、出口料金所通過時刻として記憶する出口料金所通過時刻予測手段と、出口料金所に前記自動車が接近したときに、前記出口料金所通過時刻予測手段が記憶している出口料金所通過予測時刻に所定の時間を加えた時刻を基準時刻として、現在時刻が前記基準時刻を超えているかどうかを判定する時間超過判定手段と、前記時間超過判定手段が前記現在時刻が前記基準時刻を超えていないと判定した場合に、前記接近している出口料金所のETCレーンにユーザを誘導するレーン案内を行い、前記時間超過判定手段が前記現在時刻が前記基準時刻を超えていると判定した場合に、前記接近している出口料金所のETCが利用できないレーンである一般レーンにユーザを誘導するレーン案内を行うレーン案内手段とを備えたものである。
【0008】
また、本発明は、前記課題達成のために、ETC(自動料金収受システム)車載機を装着された自動車に搭載され、ユーザに対して料金所のレーンを案内する料金所レーン案内装置に、出口料金所に前記自動車が接近したときに、直前に通過した入口料金所通過時刻に、当該直前に通過した入口料金所から前記接近している出口料金所までの標準的な所要走行時間と所定の時間とを加えた時刻を基準時刻として、現在時刻が前記基準時刻を超えているかどうかを判定する時間超過判定手段と、前記時間超過判定手段が前記現在時刻が前記基準時刻を超えていないと判定した場合に、前記接近している出口料金所のETCが利用可能なレーンであるETCレーンにユーザを誘導するレーン案内を行い、前記時間超過判定手段が前記現在時刻が前記基準時刻を超えていると判定した場合に、前記接近している出口料金所のETCが利用できないレーンである一般レーンにユーザを誘導するレーン案内を行うレーン案内手段とを備えたものである。
【0009】
また、前記課題達成のために、本発明は、ETC(自動料金収受システム)車載機を装着された自動車に搭載され、ユーザに対して料金所のレーンを案内する料金所レーン案内装置に、出口料金所に前記自動車が接近したときに、直前に通過した入口料金所通過時刻に所定の時間を加えた時刻を基準時刻として、現在時刻が前記基準時刻を超えているかどうかを判定する時間超過判定手段と、前記時間超過判定手段が前記現在時刻が前記基準時刻を超えていないと判定した場合に、前記接近している出口料金所ETCが利用可能なレーンであるETCレーンにユーザを誘導するレーン案内を行い、前記時間超過判定手段が前記現在時刻が前記基準時刻を超えていると判定した場合に、前記接近している出口料金所のETCが利用できないレーンである一般レーンにユーザを誘導するレーン案内を行うレーン案内手段とを備えたものである。
【0010】
これらのような料金所レーン案内装置によれば、入口料金所のETCレーンを通過後に、出口料金所のETCレーンを通過するまでに、長時間が経過している場合には、ETCレーンではなく一般レーンにユーザを誘導する。よって、出口料金所のETCレーンにおける自動料金徴収が拒絶される可能性がある場合に、ユーザを、利用できない可能性のあるETCレーンではなく、ユーザが確実に利用できる一般レーンに誘導することができ、この結果、より適切に、ユーザが利用できる出口料金所のレーンを案内することができるようになる。
【0011】
ここで、以上のような料金所レーン案内装置は、前記レーン案内手段において、前記時間超過判定手段が前記現在時刻が前記基準時刻を超えていると判定した場合に、前記ETCを利用できない可能性がある旨をユーザに対して通知するように構成することが好ましい。
【0012】
また、以上のような料金所レーン案内装置において、前記レーン案内手段は、前記接近している出口料金所のレーンの配置構成を表す模式図上で、前記誘導するレーンに向かう矢印を表した画像を表示することにより前記レーン案内を行うものとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、より適切に、ユーザが利用できる出口料金所のレーンを案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る車載システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車載システムの表示画面例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るETC利用開始時処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る料金所レーン案内処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る車載システムの構成を示す。
車載システム1は自動車に搭載されるシステムであり、図示するように、ETC車載機11、ナビゲーション装置12、表示装置13、音声出力装置14、入力装置15、入出力制御部16、料金所レーン案内部17、料金所レーン情報記憶部18とを備えている。
このような構成において、入出力制御部16は、ETC車載機11やナビゲーション装置12や料金所レーン案内部17と、表示装置13や音声出力装置14や入力装置15との間の入出力を処理する。
ここで、以下の説明では、ETC車載機11を搭載した自動車が、ETCを利用した自動料金徴収の適用のみを受けることのできる料金所のレーンをETCレーン、ETCを利用した自動料金徴収の適用を受けることができず、人手を介した料金徴収の適用のみを受けることができる料金所のレーンを一般レーン、ETCを利用した自動料金徴収の適用と人手を介した料金徴収の適用との双方を受けることができる料金所のレーンをETC/一般レーンと呼ぶこととする。
【0016】
さて、ETC車載機11は、有料道路の入口料金所のETCレーンまたはETC/一般レーンのゲートを通過の際に当該ゲート近傍に設けられたETC路側無線通信装置から、無線通信を介して、入口情報等を受信し記憶する。また、ETC車載機11は、有料道路の出口料金所のETCレーンまたはETC/一般レーンのゲートを通過の際に当該ゲート近傍に設けられたETC路側無線通信装置に、記憶しておいた入口情報や契約情報等を送信して課金を受け、ETC路側無線通信装置から出口情報や利用明細情報を受信し記憶する。また、ETC車載機11は、記憶した利用明細情報に基づいて、有料道路利用料金や有料道路利用履歴の表示装置13への表示や、これら有料道路利用料金や有料道路利用履歴を表す音声の音声出力装置14への出力などを行う。また、ETC車載機11は、有料道路の料金所の手前に設置されたETC路側予告アンテナから、料金所接近を予告する予告情報や、当該料金所のレーンの配置構成(レーン数や、各レーンのETCレーンや一般レーンやETC/一般レーンの識別)を表すETCレーン運用情報が送信されている場合には、当該ETCレーン運用情報も受信する。
【0017】
また、ナビゲーション装置12は、地図データを保持し、保持している地図データを用いた現在位置の算出や、入力装置15を用いてユーザが設定した目的地までの間の推奨ルートの設定や、現在位置や推奨ルートを、地図データが表す地図上で表す案内画像の表示装置13への表示や、推奨ルートに沿った進路変更を案内する案内音声の音声出力装置14への出力などを行う。
【0018】
ここで、図2aに、このようにしてナビゲーション装置12が表示する案内画像を例を示す。
図示するように、案内画像210は、地図表示範囲内の地図を表す地図211上に、現在位置を表す現在位置マーク212や、地図表示範囲内の推奨ルートを表す推奨ルート図形213、目的地を表す目的地マーク214が表示されたものになる。
次に、料金所レーン情報記憶部18には、各料金所の位置や種別(入口/出口)やレーンの配置構成(レーン数や、各レーンのETCレーンや一般レーンやETC/一般レーンの識別)を表す料金所レーン情報が予め記憶されている。
以下、このような構成における料金所レーン案内部17の動作について説明する。
料金所レーン案内部17は、ETC利用開始時処理と、料金所レーン案内処理とを行う。
まず、ETC利用開始時処理について説明する。
このETC利用開始時処理の手順を図3に示す。
図示するように、ETC利用開始時処理では、ETC車載機11のETCの利用開始の発生を監視する(ステップ302)。ここで、ETC車載機11は、入口ETCゲートの通過時に、ETC路側無線通信装置が入口情報を受信したときに、その旨を、料金所レーン案内部17に通知する。そして、料金所レーン案内部17は、ETC車載機11から、入口情報の受信を通知されたときに、ETCの利用開始を検出する。
【0019】
そして、ETCの利用開始が発生したならば、ETC入口ゲート通過フラグをセットし(ステップ304)、現在時刻を入口料金所通過時刻として記憶すると共に、通過した料金所の識別を入口料金所識別情報として記憶する(ステップ306)。
ここで、通過した料金所は、ETC車載機11が受信した入口情報から識別するようにしても良いし、料金所レーン情報記憶部18に記憶されている料金所レーン情報が示す料金所のうちの、ナビゲーション装置12が算出している現在位置にマッチする位置にある料金所を通過した料金所として識別するようにしてもよい。
【0020】
そして、次に、現在、ナビゲーション装置12において経路誘導中であるかどうか、すなわち、現在、推奨ルートが設定されているかどうかを調べ(ステップ308)、経路誘導中でなければ、ステップ302の監視に戻り、経路誘導中であれば、推奨ルートに従って走行した場合に次に通過することとなる出口料金所への到着予想時刻の算出をナビゲーション装置12に要求することにより、当該出口料金所への到着予想時刻をナビゲーション装置12に算出させ、出口料金所通過予測時刻として記憶する(ステップ310)。そして、ステップ302に戻る。
【0021】
ここで、ナビゲーション装置12は、料金所レーン案内部17から出口料金所通過予測時刻の算出を要求されると、推奨ルートに従って走行した場合に次に通過することとなる出口料金所を探索し、探索した出口料金所までの道のり距離と、有料道路の平均的な走行速度とに基づいて、探索した出口料金所の到着時刻を予測し、料金所レーン案内部17に通知する。
【0022】
以上、料金所レーン案内部17が行うETC利用開始時処理について説明した。
次に、料金所レーン案内部17が行う料金所レーン案内処理について説明する。
図4に、この料金所レーン案内処理の手順を示す。
図示するように、この料金所レーン案内処理では、まず、出口料金所への接近を監視する(ステップ402)。ここで、出口料金所の接近は、ナビゲーション装置12によって、走行中道路上にある出口料金所への現在位置の接近を判別することにより検出したり、ETC車載機11のETC路側予告アンテナからの予告情報の受信から検出するようにする。
【0023】
そして、出口料金所が接近したならば、ETC車載機11に、ETCカードが装着されており、ETC車載機11が正常に稼働可能な状態にあるかどうかを調べ(ステップ404)、ETC車載機11が正常に稼働可能でなければステップ424に進む。
一方、ETC車載機11が正常に稼働可能であれば、ETC入口ゲート通過フラグがセットされているかどうかを調べ(ステップ406)、セットされていなければ、ステップ424に進む。
一方、ETC入口ゲート通過フラグがセットされていれば、出口料金所通過予測時刻が記憶されているかどうかを調べる(ステップ408)。
そして、出口料金所通過予測時刻が記憶されていれば、出口料金所通過予測時刻に、予め定めておいた所定時間LT(たとえば、24時間)を加えた時刻を、現在時刻が超えているかどうかを調べ(ステップ410)、超えていれば、「時間超過のためETCレーンを利用できない可能性がありますので、一般レーンを案内します。」といったようなETCレーンを利用できない可能性がある旨を通知する音声メッセージを音声出力装置14から出力し(ステップ422)、ステップ424に進む。一方、ステップ410で現在時刻が超えていないと判定された場合には、ステップ412に進む。
【0024】
一方、出口料金所通過予測時刻が記憶されていなかった場合には(ステップ408)、記憶されている入口料金所識別情報が示す入口料金所から接近中の出口料金所までに要する標準的な走行時間を標準所要走行時間として算出する(ステップ418)。この走行時間は、ナビゲーション装置12に、入口料金所識別情報が示す入口料金所から接近中の出口料金所までの有料道路のみを利用する経路を探索させると共に、当該経路に従った入口料金所から出口料金所までの走行に要する時間を算出させ、算出された時間を標準所要走行時間とすることにより求める。
【0025】
そして、記憶されている入口料金所通過時刻に算出した標準所要走行時間と所定時間LTを加えた時刻を、現在時刻が超えているかどうかを調べ(ステップ420)、超えていれば、「時間超過のためETCレーンを利用できない可能性がありますので、一般レーンを案内します。」といったようなETCレーンを利用できない可能性がある旨を通知する音声メッセージを音声出力装置14から出力し(ステップ422)、ステップ424に進む。一方、ステップ420で現在時刻が超えていないと判定された場合には、ステップ412に進む。
【0026】
そして、このようにしてステップ412に進んだ場合には、料金所レーン情報記憶部18に記憶されている接近中の出口料金所のレーンの配置構成に基づいて、接近中の出口料金所のETCレーンを案内するレーン案内を行う。ただし、ETC車載機11が接近中の出口料金所の手前に設置されたETC路側予告アンテナからETCレーン運用情報を受信している場合には、ETCレーン運用情報が表すレーンの配置構成に基づいて、接近中の出口料金所のETCレーンを案内するレーン案内を行う。ただし、接近中の出口料金所にETCレーンが無く、ETC/一般レーンのみがある場合には、ETC/一般レーンを案内するレーン案内を行う。
【0027】
そして、ナビゲーション装置12が算出する現在位置の接近中の出口料金所の通過、もしくは、ETC車載機11の出口料金所のETC路側無線通信装置との通信完了を待って(ステップ414)、ETC入口ゲート通過フラグ、入口料金所通過時刻、入口料金所識別情報、出口料金所通過予測時刻をクリアし(ステップ416)、ステップ402の監視に戻る。
【0028】
一方、以上のようにしてステップ424に進んだ場合には、料金所レーン情報記憶部18に記憶されている接近中の出口料金所のレーンの配置構成に基づいて、接近中の出口料金所の一般レーンを案内するレーン案内を行う。ただし、ETC車載機11が接近中の出口料金所の手前に設置されたETC路側予告アンテナからETCレーン運用情報を受信している場合には、ETCレーン運用情報が表すレーンの配置構成に基づいて、接近中の出口料金所の一般レーンを案内するレーン案内を行う。ただし、接近中の出口料金所に一般レーンが無く、ETC/一般レーンがある場合には、ETC/一般レーンを案内するレーン案内を行う。
【0029】
そして、ナビゲーション装置12が算出する現在位置が、接近中の出口料金所を通過するのを待って(ステップ414)、ETC入口ゲート通過フラグ、入口料金所通過時刻、入口料金所識別情報、出口料金所通過予測時刻をクリアし(ステップ416)、ステップ402の監視に戻る。
【0030】
ここで、ステップ412、424で行うレーン案内の内容について説明する。
図2bに示すように、レーン案内では、入出力制御部16に、表示装置13の表示画面を二分割し、分割した左側の画面にナビゲーション装置12の出力する案内画像210を表示させる。また、図示するようなレーン案内画像220を生成し、入出力制御部16に、分割した右側の画面に表示させる。
【0031】
ここで、レーン案内画像220は、たとえば、図示するように出口料金所のレーンの配置構成(レーン数や、各レーンのETCレーンや一般レーンやETC/一般レーンの識別)を模式的に表した模式図221上で、矢印222で進行すべきレーンを表したものとする。すなわち、ステップ412でETCレーンを案内する場合には、図2bに示したように、レーンの配置構成を表す模式図221上に、ETCレーンのゲートに向かう矢印222を表したものをレーン案内画像220として表示する。
【0032】
一方、ステップ424で、一般レーンを案内する場合には、図2cに示したように、レーンの配置構成を表す模式図221上に、一般レーンのゲートに向かう矢印222を表したものをレーン案内画像220として表示する。
また、上述のようにETC/一般レーンを案内する場合には、図2dに示したように、レーンの配置構成を表す模式図221上に、ETC/一般レーンゲートに向かう矢印222を表したものをレーン案内画像220として表示することになる。
以上、料金所レーン案内部17が行う料金所レーン案内処理について説明した。
ところで、以上に示した料金所レーン案内処理は、ステップ406において、ETC入口ゲート通過フラグがセットされていると判定された場合には、記憶されている入口料金所通過時刻に所定時間LT2(たとえば、60時間)を加えた時刻を、現在時刻が超えているかどうか、すなわち、記憶されている入口料金所通過時刻からの経過時間が所定時間LT2を超えているかどうかを調べ、超えていない場合には、ステップ412に進んで接近中の出口料金所のETCレーンを案内するレーン案内を行い、超えている場合には、ステップ422に進んでETCレーンを利用できない可能性がある旨を通知する音声メッセージを音声出力装置14から出力すると共に、ステップ424で接近中の出口料金所の一般レーンを案内するレーン案内を行う処理としてもよい。なお、この場合にも、ステップ412、424でレーン案内を行ったならば、接近中の出口料金所を通過するのを待って(ステップ414)、ETC入口ゲート通過フラグ、入口料金所通過時刻をクリアし(ステップ416)、ステップ402の監視に戻る。また、この場合には、ETC利用開始時処理において、入口料金所識別情報、出口料金所通過予測時刻は、これを求める必要はない。
【0033】
以上、本発明の実施形態について説明した。
このように、本実施形態によれば、入口料金所のETCレーンを通過後に、出口料金所のETCレーンを通過するまでに、長時間が経過している場合には、ETCレーンではなく一般レーンにユーザを誘導する。よって、出口料金所のETCレーンにおける自動料金徴収が拒絶される可能性がある場合にユーザを、利用できない可能性のあるETCレーンではなく、ユーザが確実に利用できる一般レーンに誘導することができ、この結果、より適切に、ユーザが利用できる出口料金所のレーンを案内することができるようになる。
【符号の説明】
【0034】
1…車載システム、11…ETC車載機、12…ナビゲーション装置、13…表示装置、14…音声出力装置、15…入力装置、16…入出力制御部、17…料金所レーン案内部、18…料金所レーン情報記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ETC(自動料金収受システム)車載機を装着された自動車に搭載され、ユーザに対して料金所のレーンを案内する料金所レーン案内装置であって、
目的地までの誘導経路を設定し、設定した誘導経路を案内する経路誘導手段と、
料金所のETCが利用可能なレーンをETCレーンとして、入口料金所のETCレーンを通過したときに、前記経路誘導手段が設定している前記誘導経路に従って走行した場合の、出口料金所の通過時刻を予測し、出口料金所通過予測時刻として記憶する出口料金所通過時刻予測手段と、
出口料金所に前記自動車が接近したときに、前記出口料金所通過時刻予測手段が記憶している出口料金所通過予測時刻に所定の時間を加えた時刻を基準時刻として、現在時刻が前記基準時刻を超えているかどうかを判定する時間超過判定手段と、
前記時間超過判定手段が前記現在時刻が前記基準時刻を超えていないと判定した場合に、前記接近している出口料金所のETCレーンにユーザを誘導するレーン案内を行い、前記時間超過判定手段が前記現在時刻が前記基準時刻を超えていると判定した場合に、前記接近している出口料金所のETCが利用できないレーンである一般レーンにユーザを誘導するレーン案内を行うレーン案内手段とを有することを特徴とする料金所レーン案内装置。
【請求項2】
ETC(自動料金収受システム)車載機を装着された自動車に搭載され、ユーザに対して料金所のレーンを案内する料金所レーン案内装置であって、
出口料金所に前記自動車が接近したときに、直前に通過した入口料金所通過時刻に、当該直前に通過した入口料金所から前記接近している出口料金所までの標準的な所要走行時間と所定の時間とを加えた時刻を基準時刻として、現在時刻が前記基準時刻を超えているかどうかを判定する時間超過判定手段と、
前記時間超過判定手段が前記現在時刻が前記基準時刻を超えていないと判定した場合に、前記接近している出口料金所のETCが利用可能なレーンであるETCレーンにユーザを誘導するレーン案内を行い、前記時間超過判定手段が前記現在時刻が前記基準時刻を超えていると判定した場合に、前記接近している出口料金所のETCが利用できないレーンである一般レーンにユーザを誘導するレーン案内を行うレーン案内手段とを有することを特徴とする料金所レーン案内装置。
【請求項3】
ETC(自動料金収受システム)車載機を装着された自動車に搭載され、ユーザに対して料金所のレーンを案内する料金所レーン案内装置であって、
出口料金所に前記自動車が接近したときに、直前に通過した入口料金所通過時刻に所定の時間を加えた時刻を基準時刻として、現在時刻が前記基準時刻を超えているかどうかを判定する時間超過判定手段と、
前記時間超過判定手段が前記現在時刻が前記基準時刻を超えていないと判定した場合に、前記接近している出口料金所のETCが利用可能なレーンであるETCレーンにユーザを誘導するレーン案内を行い、前記時間超過判定手段が前記現在時刻が前記基準時刻を超えていると判定した場合に、前記接近している出口料金所のETCが利用できないレーンである一般レーンにユーザを誘導するレーン案内を行うレーン案内手段とを有することを特徴とする料金所レーン案内装置。
【請求項4】
請求項1、2または3記載の料金所レーン案内装置であって、
前記レーン案内手段は、前記時間超過判定手段が前記現在時刻が前記基準時刻を超えていると判定した場合に、前記ETCを利用できない可能性がある旨をユーザに対して通知することを特徴とする料金所レーン案内装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4記載の料金所レーン案内装置であって、
前記レーン案内手段は、前記接近している出口料金所のレーンの配置構成を表す模式図上で、前記誘導するレーンに向かう矢印を表した画像を表示することにより前記レーン案内を行うことを特徴とする料金所レーン案内装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−170582(P2011−170582A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33261(P2010−33261)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】