説明

新規なカテコール誘導体、それを含有する医薬組成物およびそれらの用途

【課題】 COMT阻害作用を有する新規な化合物を提供する。
【解決手段】 一般式(I):
【化1】


〔式中、RおよびRは、それぞれ水素、低級アシル、低級アルコキシカルボニル等であり;RおよびRは、それぞれ水素、低級アルキル、置換されてもよいアリール、または置換されてもよいアロイルであり;Aは、結合または低級アルキレンであり;R、R、R、RおよびRは、それぞれ水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロ低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシ等である〕で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩、それを含有する医薬組成物およびそれらの用途を提供する。本発明の化合物は優れたCOMT阻害作用を有するので、パーキンソン病等の治療または予防剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害作用を有する新規なカテコール誘導体、それを含有する医薬組成物およびそれらの用途に関する。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病は中高年齢者に好発する進行性の神経変性疾患であり、高齢化社会の進展とともにその患者数が増加している。パーキンソン病は、安静時振戦、固縮、無動、姿勢反射障害などの協調性運動機能障害を主症状とする疾患であり、その病因は中脳黒質ドパミン性神経細胞の変性による線条体ドパミンの欠乏に起因すると考えられている。このようなことから、パーキンソン病の治療薬として、L−ドパおよびドパミンレセプター刺激薬などが使用されている。
【0003】
L−ドパは、ドパミンの前駆物質であり、脳内でドパミンに代謝されて効果を示す薬剤であるが、血中半減期が非常に短い欠点を有する。そのため、L−ドパは、通常L−ドパの代謝酵素阻害剤である、末梢性芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤および/またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤とともに使用されている。カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(以下、COMTと称する)は、その補酵素であるS−アデノシル−L−メチオニンからカテコール基質へのメチル基の転送を触媒する酵素であり、この酵素を阻害することによりL−ドパから3−O−メチル−L−ドパへの代謝が阻害され、L−ドパの血中半減期が増加し、さらには血液脳関門を透過するL−ドパ量が増加することが知られている。このようにCOMT阻害剤は、L−ドパと一緒に投与することにより、L−ドパの生体内利用率を増加させ、その作用時間を延長させることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
COMT阻害剤は、また、尿中ナトリウム排泄促進作用を有するので高血圧症の治療薬として有用であると期待されている(例えば、非特許文献2参照)。COMT阻害剤は、また、うつ病の治療薬として有用であると期待されている(例えば、非特許文献3参照)。
【0005】
近年、種々のCOMT阻害剤が報告されている。今日まで知られている最も強力なCOMT阻害剤は、トルカポン(3,4−ジヒドロキシ−4’−メチル−5−ニトロベンゾフェノン,特許文献1参照)およびエンタカポン((E)−2−シアノ−N,N−ジエチル−3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロフェニル)アクリルアミド,特許文献2参照)であり、これら2剤がパーキンソン病患者に使用されている。しかしながら、トルカポンは、重篤な肝機能障害が認められたことから、厳重な肝機能の監視下での投与が必要とされている(例えば、非特許文献5参照)。また、エンタカポンは、トルカポンに比べて効果が弱く、さらに作用持続時間が短い問題点を有している(例えば、非特許文献6参照)。このようなことから、安全性が高く、強力なCOMT阻害作用を有する、新規なCOMT阻害剤が望まれている。
【0006】
Borgulya J.らは、COMT阻害作用を有するカテコール誘導体として、5−メタンスルホニル−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールを報告している(例えば、非特許文献4参照)。しかしながら当該化合物のCOMT阻害活性は十分ではない。
【非特許文献1】Nutt J.G.ら,「Lancet」, 1998年, 351巻, 9111号, p.1221-1222
【非特許文献2】Eklof A.C.ら, 「Kidney Int.」, 1997年, 52巻, 3号, p.742-747
【非特許文献3】Moreau J.L.ら, 「Behav. Pharmacol.」, 1994年, 5巻, 3号, p.344-350
【非特許文献4】Borgulya J.ら, 「Helvetica Chimica Acta」, 1989年, 72巻, p.952-968
【非特許文献5】Benabou R.ら, 「Expert Opin. Drug Saf.」, 2003年, 2巻, 3号, p.263-267
【非特許文献6】Forsberg M.ら, 「J. Pharmacol. Exp. Ther.」, 2003年, 304巻, 2号, p.498-506
【特許文献1】欧州特許出願公開第237929号明細書
【特許文献2】英国特許出願公開第2200109号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、強力なCOMT阻害作用を有し、好ましくは高い安全性を有する新規な化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一般式(I)で表されるカテコール誘導体が、優れたCOMT阻害作用し、さらには高い安全性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、一般式(I):
【化2】

〔式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、低級アシル基、低級アルコキシカルボニル基、または−C(O)NR1112を表すか、あるいはRおよびRが一緒になって−C(O)−を形成し;
およびRは、それぞれ独立して、以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基およびシアノ基から選択される1〜3個の基で置換されるアリール基、または
d)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基およびシアノ基から選択される1〜3個の基で環が置換されるアロイル基であり;
Aは、結合または低級アルキレン基であり;
、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、以下のa)〜s):
a)水素原子、
b)ハロゲン原子、
c)低級アルキル基、
d)ハロ低級アルキル基、
e)シクロアルキル基、
f)低級アルコキシ基、
g)ハロ低級アルコキシ基、
h)ヒドロキシ基、
i)ヒドロキシ低級アルキル基、
j)カルボキシ基、
k)低級アルコキシカルボニル基、
l)シクロアルキルオキシカルボニル基、
m)低級アシル基、
n)低級アルキルスルホニル基、
o)シアノ基、
p)ニトロ基、
q)−C(O)NR1112
r)−SONR1112、または
s)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、低級アシル基および低級アルコキシカルボニル基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるアリール基を表すか、
あるいは、R、R、R、RおよびRのうち2つが隣接する場合、それらが結合して、−O(CHO−、−(CH−、−C(O)−NH−C(O)−、または−CH=CH−CH=CH−で表される基を形成し;
11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基またはアラルキル基を表すか、あるいはR11およびR12が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環状アミノ基を形成し;
mは、1または2であり;
nは、3または4である〕
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩に関する。
【0010】
また、本発明は、一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物に関する。
【0011】
また、本発明は、一般式(I)に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤に関する。
【0012】
また、本発明は、一般式(I)に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩と、L−ドパおよび芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤から選択される少なくとも1種とを組み合わせてなる医薬に関する。
【0013】
一般式(I)で表される化合物において、下記の用語は、特に断らない限り、以下の意味を有する。
【0014】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。R、R、R、RおよびRにおいては、フッ素原子または塩素原子が好適である。
【0015】
「低級アルキル基」とは、直鎖または分岐鎖状のC1−6アルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基などが挙げられる。R、R、R、R、R、R11およびR12においては、C1−4アルキルが好適であり、メチル基がさらに好適である
【0016】
「ハロ低級アルキル基」とは、1〜3個の同種または異種のハロゲン原子で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基などが挙げられ、好適にはジフルオロメチル基またはトリフルオロメチル基である。
【0017】
「シクロアルキル基」とは、3〜7員の飽和環状炭化水素を意味し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびシクロヘプチル基が挙げられる。
【0018】
「低級アルコキシ基」とは、直鎖または分岐鎖状のC1−6アルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられる。R、R、R、RおよびRにおいては、C1−4アルコキシが好適であり、メトキシ基がさらに好適である。
【0019】
「ハロ低級アルコキシ基」とは、1〜3個の同種または異種のハロゲン原子で置換された低級アルコキシ基を意味し、例えば、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基などが挙げられる。
【0020】
「ヒドロキシ低級アルキル基」とは、水酸基で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシ−1,1−ジメチルメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。
【0021】
「低級アルコキシカルボニル基」とは、(低級アルコキシ)−CO−で表される基を意味し、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基などが挙げられる。
【0022】
「シクロアルキルオキシカルボニル基」とは、(シクロアルキル)−O−CO−で表される基を意味し、例えば、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基などを意味する。
【0023】
「低級アシル基」とは、(低級アルキル)−C(O)−で表される基を意味し、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、バレリル基、イソバレリル基などが挙げられる。
【0024】
「低級アルキルスルホニル基」とは、(低級アルキル)−SO−で表される基を意味し、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、ブタンスルホニル基、ペンタンスルホニル基、ヘキサンスルホニル基などが挙げられ、好適にはメタンスルホニル基である。
【0025】
「アリール基」とは、炭素数6〜10個の芳香族炭化水素を意味し、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が挙げられ、好適にはフェニル基である。
【0026】
「アラルキル基」とは、アリール基で置換された低級アルキル基を意味し、ベンジル基、フェネチル基、1−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
【0027】
「アロイル基」とは、(アリール)−CO−で表される基を意味し、例えば、ベンゾイル基、1−ナフチルカルボニル基、2−ナフチルカルボニル基などが挙げられ、好適にはベンゾイル基である。
【0028】
「アリールスルホニル基」とは、(アリール)−SO−で表される基を意味し、好適にはベンゼンスルホニル基である。
【0029】
「環状アミノ基」とは、環内に−NH−、−O−または−S−を含んでもよい、5〜7員の環状アミンを意味し、例えば、1−ピロリジル基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基などが挙げられる。当該環状アミノ基は、必要に応じて1〜2個の低級アルキル基で置換されてもよい。
【0030】
「低級アルキレン基」とは、炭素数1〜6を有する、2価の直鎖または分岐鎖状の飽和炭化水素鎖を意味する。当該低級アルキレン基の具体例として、例えば、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)−、−CH(CH)CH−、−CHCH(CH)−、−C(CH−、−C(CHCH−、−CHC(CH−、−CHCHCH−、−C(CHCHCH−、−C(CHCHCH(CH)−などの基が挙げられる。Aにおける好適な低級アルキレン基は、−CH−、−CHCH−または−CHCHCH−である。
【0031】
本発明の一般式(I)で表される化合物において1つまたはそれ以上の不斉炭素原子が存在する場合、本発明は各々の不斉炭素原子がR配置の化合物、S配置の化合物、およびそれらの任意の組み合せの化合物のいずれも包含する。またそれらのラセミ化合物、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物が本発明の範囲に含まれる。本発明の一般式(I)で表される化合物において幾何学異性が存在する場合、本発明はその幾何学異性体のいずれも包含する。さらに本発明の一般式(I)で表される化合物には、水和物やエタノール等の医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も含まれる。
【0032】
本発明の一般式(I)で表される化合物は、塩の形態で存在することができる。このような塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸との酸付加塩、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、プロピオン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、炭酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の無機塩基との塩、トリエチルアミン、ピペリジン、モルホリン、リジン等の有機塩基との塩を挙げることができる。
【0033】
本発明の一般式(I)で表される化合物のひとつの実施態様において、
およびRは、好ましくは、水素原子であり;
は、好ましくは、水素原子であり、
は、好ましくは、以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基およびシアノ基から選択される1〜3個の基で置換されるアリール基、または
d)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基およびシアノ基から選択される1〜3個の基で環が置換されるアロイル基であり、
さらに好ましくは、RおよびRは、水素原子であり;
Aは、好ましくは、結合、−CH−、−CHCH−または−CHCHCH−であり、さらに好ましくは、結合であり;あるいは
、R、R、RおよびRは、好ましくは、それぞれ独立して、以下のa)〜l):
a)水素原子、
b)ハロゲン原子、
c)低級アルキル基、
d)ハロ低級アルキル基、
e)低級アルコキシ基、
f)ヒドロキシ基、
g)カルボキシ基、
h)低級アルコキシカルボニル基、
i)シアノ基、
j)ニトロ基、
k)−C(O)NR1112、または
l)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、低級アシル基および低級アルコキシカルボニル基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるアリール基を表すか、
あるいは、R、R、R、RおよびRのうち2つが隣接する場合、それらが結合して、−O(CHO−、または−CH=CH−CH=CH−で表される基を形成し、
さらに好ましくは、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、またはニトロ基である。
【0034】
本発明の好ましい実施態様では、
およびRは、水素原子である。
【0035】
本発明のさらに好ましい実施態様では、
およびRは、水素原子であり、
は、水素原子であり、
は、以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基およびシアノ基から選択される1〜3個の基で置換されるアリール基、または
d)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基およびシアノ基から選択される1〜3個の基で環が置換されるアロイル基である。
【0036】
本発明のさらに好ましい実施態様では、
およびRは、水素原子であり、
およびRは、水素原子であり、
【0037】
本発明のなおさらに好ましい実施態様では、
およびRは、水素原子であり、
およびRは、水素原子であり、
Aは、結合である。
【0038】
本発明の特に好ましい実施態様では、
およびRは、水素原子であり、
およびRは、水素原子であり、
Aは、結合であり、
、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、以下のa)〜l):
a)水素原子、
b)ハロゲン原子、
c)低級アルキル基、
d)ハロ低級アルキル基、
e)低級アルコキシ基、
f)ヒドロキシ基、
g)カルボキシ基、
h)低級アルコキシカルボニル基、
i)シアノ基、
j)ニトロ基、
k)−C(O)NR1112、または
l)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、低級アシル基および低級アルコキシカルボニル基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるアリール基を表すか、
あるいは、R、R、R、RおよびRのうち2つが隣接する場合、それらが結合して、−O(CHO−、または−CH=CH−CH=CH−で表される基を形成する。
【0039】
本発明の好ましい実施態様の具体例は、以下からなる群から選択される化合物またはその薬理学的に許容される塩である:
5−(3−クロロフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール;
3−ニトロ−5−(4−メチルフェニルメタンスルホニル)ベンゼン−1,2−ジオール;
3−ニトロ−5−(3−メチルフェニルメタンスルホニル)ベンゼン−1,2−ジオール;
5−(2,3−ジクロロフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール;
5−(3,4−ジクロロフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール;
3−ニトロ−5−フェニルメタンスルホニルベンゼン−1,2−ジオール;
3−ニトロ−5−[2−(4−ニトロフェニル)エタンスルホニル]ベンゼン−1,2−ジオール;および
5−(3−クロロ−4−メチルフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール。
【0040】
本発明の一般式(I)で表される化合物は、スキーム1〜6に示す方法により製造することができる。
【0041】
【化3】

(式中、R、R、R、R、R、R、RおよびAは、前記と同義であり;Lは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子、メタンスルホニルオキシ基などの脱離基を表し;R20は、低級アシル基、低級アルコキシカルボニル基または−CONR1112を表し、Bnはベンジル基を表す。)
【0042】
工程1−1
アリールチオール(X)と化合物(XI)とを、不活性溶媒中、塩基の存在下に縮合させることにより、チオエーテル誘導体(XII)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。塩基としては、例えば、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、炭酸カリウムなどが挙げられる。その反応温度は、通常、0℃〜100℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常、5分〜24時間である。
【0043】
工程1−2
チオエーテル誘導体(XII)を、適切な溶媒中、酸化剤を用いて酸化することにより、スルホン誘導体(XIII)が得られる。本反応に用いられる溶媒としては、例えば、塩化メチレン、アセトン、酢酸、水などが挙げられる。酸化剤としては、例えば、m−クロロ過安息香酸、オキソン(登録商標)、過酸化水素水、過ホウ酸ナトリウムなどが挙げられる。その反応温度は、通常、0℃〜80℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常、5分〜24時間である。
【0044】
工程1−3
スルホン誘導体(XIII)のベンジル基を、適切な溶媒(例えば、塩化メチレン、酢酸、トルエンなど)中、酸またはルイス酸(例えば、臭化水素、三臭化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタンなど)を用いて除去することにより、ニトロカテコール誘導体(Ia)が得られる。その反応温度は、通常、0℃〜80℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常15分〜24時間である。
【0045】
工程1−4
化合物(Ia)を、アシル化剤を用いてアシル化することにより、化合物(Ib)が得られる。このようなアシル化は、当業者には周知であり、例えば、T.W.GreeneおよびP.G.H.Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」第4版に記載された方法に従って行うことができる。
【0046】
【化4】

(式中、R、R、R、R、R、R、R、AおよびLは、前記と同義である。)
【0047】
工程2−1
アリールチオール(XIV)と化合物(XI)を、工程1−1と同様にして縮合させることによりチオエーテル誘導体(XV)が得られる。
【0048】
工程2−2
チオエーテル誘導体(XV)を、工程1−2と同様にして酸化することにより、スルホン誘導体(XVI)が得られる。
【0049】
工程2−3
スルホン誘導体(XVI)を、不活性溶媒中、脱メチル化剤を用いて脱メチル化することにより、化合物(Ia)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、酢酸エチル、ピリジン、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。脱メチル化剤としては、例えば、塩化アルミニウム−ピリジンなどが挙げられる。その反応温度は、通常、20℃〜120℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常、1時間〜24時間である。
【0050】
【化5】

(式中、R、R、R、R、R、R、R、AおよびLは、前記と同義である。)
【0051】
工程3−1
アリールチオール(XVII)と化合物(XI)を、工程1−1と同様にして縮合させることによりチオエーテル誘導体(XVIII)が得られる。
【0052】
工程3−2
チオエーテル誘導体(XVIII)を、工程1−2と同様にして酸化することにより、スルホン誘導体(XIX)が得られる。
【0053】
工程3−3
スルホン誘導体(XIX)のメトキシ基を、工程2−3と同様にして脱メチル化することにより、化合物(Ia)が得られる。
【0054】
【化6】

(式中、R、R、R、R、R、R、R、BnおよびAは前記と同義であり、Lは臭素原子、ヨウ素原子などの脱離基を表す。)
【0055】
工程4−1
チオール(XXI)および化合物(XX)を、不活性溶媒中、塩基、金属触媒および配位子の存在下に縮合させることにより、チオエーテル誘導体(XII)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、N−メチルピロリジノン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、トルエンなどが挙げられる。塩基としては、例えば、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、炭酸カリウム、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。金属触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ヨウ化第一銅などが挙げられる。配位子としては、例えば、(オキシジ−2,1−フェニレン)ビス(ジフェニルホスフィン)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,1’−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンなどが挙げられる。その反応温度は、通常、80℃〜130℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1時間〜24時間である。
以下、工程1−2および1−3と同様にして、酸化、脱ベンジル化を行うことにより、チオエーテル誘導体(XII)を化合物(Ia)に変換することができる。
【0056】
【化7】

(式中、R、R、R、R、R、R、R、A、BnおよびLは、前記と同義である。)
【0057】
工程5−1
アリールチオール(XXII)と化合物(XI)を、工程1−1と同様にして縮合させることによりチオエーテル誘導体(XXIII)が得られる。
【0058】
工程5−2
チオエーテル誘導体(XXIII)を、工程1−2と同様にして酸化することにより、スルホン誘導体(XXIV)が得られる。
【0059】
工程5−3
スルホン誘導体(XXIV)のベンジル基を、不活性溶媒(例えば、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなど)中、水素雰囲気下、金属触媒(例えば、パラジウム炭素、酸化白金など)の存在下に除去することにより、フェノール誘導体(XXV)が得られる。その反応温度は、通常、室温〜80℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分〜12時間である。
また、この脱ベンジル化は、スルホン誘導体(XXIV)を、不活性溶媒(例えば、塩化メチレン、トルエンなど)中、酸またはルイス酸(例えば、臭化水素、塩化アルミニウム、四塩化チタンなど)を用いて処理することによっても行うこともできる。その反応温度は、通常、0℃〜80℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常15分〜24時間である。
【0060】
工程5−4
フェノール誘導体(XXV)を、不活性溶媒中、ニトロ化剤を用いニトロ化することにより、ニトロフェノール誘導体(XIX)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、酢酸、テトラヒドロフランなどが挙げられる。ニトロ化剤としては、例えば、硝酸、発煙硝酸、テトラフルオロホウ酸ニトロニウムなどが挙げられる。その反応温度は、通常、−20℃〜80℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常、5分〜12時間である。
以下、ニトロフェノール誘導体(XIX)を、工程2−3と同様にして脱メチル化することにより化合物(Ia)が得られる。
【0061】
【化8】

(式中、R、R、R、R、R、R、R、AおよびLは前記と同義であり、Pはt-ブチルジフェニルシリル(t−BuPhSi)またはメトキシメチル(MOM)を表す。)
【0062】
工程6−1
アリールチオール(XXVI)と化合物(XI)を、工程1−1と同様にして縮合させることによりチオエーテル誘導体(XXVII)が得られる。
【0063】
工程6−2
チオエーテル誘導体(XXVII)を、工程1−2と同様にして酸化することによりスルホン誘導体(XXVIII)が得られる。
【0064】
工程6−3
スルホン誘導体(XXVIII)を、不活性溶媒中、脱メチル化剤を用いて脱メチル化することにより、化合物(XXIX)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、塩化メチレンなどが挙げられる。脱メチル化剤としては、例えば、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素などが挙げられる。その反応温度は、通常、0℃〜80℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常、5分〜24時間である。
【0065】
工程6−4
カテコール誘導体(XXIX)を、不活性溶媒中、塩基の存在下に保護化剤を用いて保護することにより、化合物(XXX)が得られる。本反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなどが挙げられる。塩基としては、例えば、イミダゾール、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。保護化剤としては、例えば、tert−ブチルクロロジフェニルシラン、クロロメチルメチルエーテルなどが挙げられる。その反応温度は、通常、0℃〜80℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常、30分〜24時間である。
【0066】
工程6−5
化合物(XXX)を、工程5−4と同様にしてニトロ化することによりニトロフェノール誘導体(XXXI)が得られる。
【0067】
工程6−6
ニトロフェノール誘導体(XXXI)の保護基を適切な溶媒(例えば、エタノール、酢酸エチルなど)中、酸(例えば、濃塩酸など)またはルイス酸(例えば、テトラブチルアンモニウムフルオリドなど)を用いて除去することにより、ニトロカテコール誘導体(Ia)が得られる。その反応温度は、通常、0℃〜100℃であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常1時間〜10時間である。
【0068】
上記に示したスキームは、本発明の化合物またはその製造中間体を製造するための方法のいくつかの例示であり、当業者には容易に理解され得るようにこれらのスキームの様々な改変が可能である。
【0069】
本発明の一般式(I)で表される化合物、および当該化合物を製造するために使用される中間体は、必要に応じて、当該分野の当業者には周知の単離・精製手段である溶媒抽出、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー、分取高速液体クロマトグラフィーなどの操作を行うことにより、単離・精製することができる。
【0070】
このようにして製造される本発明の化合物は、優れたCOMT阻害作用を有するのでパーキンソン病の治療または予防薬として有用であり、好適にはL−ドパと組み合わせて使用される。また、本発明の化合物およびL−ドパと、芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤とを組み合わせて使用してもよい。本発明のCOMT阻害剤と組み合わせて使用できる芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤としては、例えば、カルビドパ、ベンセラジドなどが挙げられる。
また、必要に応じて、COMT阻害剤およびL−ドパ以外のパーキンソン治療剤をさらに組み合わせて使用してもよい。このようなパーキンソン病治療薬としては、例えば、ドロキシドパ、メレボドパ、スレオドプス;ドパミンD受容体アゴニスト(例えば、カベルゴリン、メシル酸ブロモクリプチン、テルグリド、塩酸タリペキソール、塩酸ロピニロール、メシル酸ペルゴリド、塩酸プラミペキソール、ロチゴチンなど);抗コリン剤(例えば、プロフェナミン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸マザチコール、ピペリデン、塩酸ピロヘプチン、塩酸メチキセンなど);アデノシンA2A拮抗剤(例えば、イストラデフィリンなど);NMDA拮抗剤(例えば、ブジピンなど);モノアミンオキシダーゼB阻害剤(例えば、塩酸セレギリン、メシル酸ラサギリン、メシル酸サフィナミドなど);ゾニサミド;塩酸アマンタジンなどが挙げられる。
【0071】
本発明の化合物は、また、うつ病の治療または予防薬として有用である。本発明の化合物は、また、尿中ナトリウム排泄促進作用を有するので高血圧症の治療薬として有用である。
【0072】
本発明の一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物は、用法に応じ種々の剤型のものが使用される。このような剤型としては例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤、注射剤、液剤、軟膏剤、坐剤、貼付剤などを挙げることができ、経口または非経口的に投与される。
【0073】
これらの医薬組成物は、その剤型に応じ製剤学的に公知の手法により、適切な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤などの医薬品添加物と適宜混合または希釈・溶解することにより調剤することができる。
【0074】
一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩の投与量は、患者の年齢、性別、体重、疾患および治療の程度等により適宜決定されるが、経口投与の場合成人1日当たり約10mg〜約3000mgの範囲で、非経口投与の場合は、成人1日当たり約5mg〜約1000mgの範囲で、一回または数回に分けて適宜投与することができる。
【0075】
本発明の一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩と、L−ドパおよび芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤から選択される少なくとも1種とを組み合わせてなる医薬は、これらの有効成分を一緒に含有する製剤、またはこれらの有効成分の各々を別々に製剤化した製剤として投与することができる。別々に製剤化した場合、それらの製剤を別々にまたは同時に投与することができる。また、別々に製剤化した場合、それらの製剤を使用時に希釈剤などを用いて混合し、同時に投与することができる。
【0076】
本発明の一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩と、L−ドパおよび芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤から選択される少なくとも1種とを組み合わせてなる医薬において、薬剤の配合比は、患者の年齢、性別、および体重、症状、投与時間、剤形、投与方法、薬剤の組み合わせなどにより、適宜選択することができる。
【発明の効果】
【0077】
本発明の化合物は、強力なCOMT阻害作用を有する。また、本発明の化合物は、肝への影響が軽微であり、高い安全性を有する。従って本発明の化合物は、パーキンソン病、うつ病、高血圧症の治療または予防剤として有用であり、特に本発明の化合物と、L−ドパとを組み合わせて使用することにより、L−ドパの生体内利用率を増加させることができるので、パーキンソン病の治療または予防に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0078】
本発明の内容を以下の参考例、実施例および試験例でさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
【実施例】
【0079】
参考例1−1
2−ベンジルオキシ−4−チオシアナトフェノール
アンモニウムチオシアナート(7.62g)およびメタノール(120mL)の混合物に、氷冷撹拌下、N−クロロコハク酸イミド(13.4g)を分割して加え、その混合物を同温度にて1時間撹拌した。2−ベンジルオキシフェノール(8.76mL)を滴下して、その混合物を同温度にて1.5時間撹拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液をゆっくり加え、混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下濃縮することで得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製して、表題化合物(10.5g)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:5.14(2H, s), 5.87(1H, s), 6.95-7.00(1H, m), 7.10-7.20(2H, m), 7.30-7.50(5H, m)
【0080】
参考例1−2
2−メトキシ−4−チオシアナトフェノール
アンモニウムチオシアナート(3.04g)およびメタノール(60mL)の混合物に、氷冷撹拌下、N−クロロコハク酸イミド(5.34g)を分割して加え、その混合物を同温度にて40分間撹拌した。2−メトキシフェノール(2.20mL)を滴下して、その混合物を同温度にて1時間撹拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液をゆっくり加えて反応を停止させ、混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下濃縮することで得られた残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:10〜50%メタノール−塩化メチレンのグラジエント溶出)で精製して、表題化合物(2.55g)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.95(3H, s), 5.83(1H, br), 6.90-7.00(1H, m), 7.00-7.15(2H, m)
【0081】
参考例2−1
2−ベンジルオキシ−4−ブロモフェノール
2−ベンジルオキシフェノール(3.00g)、メタノール(90mL)および塩化メチレン(60mL)の混合物に、氷冷撹拌下、テトラ−N−ブチルアンモニウムトリブロミド(7.23g)を加え、その混合物を徐々に室温まで昇温して1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮することで得られた残渣をジエチルエーテルと10%クエン酸水溶液との間で分液した。有機層を10%クエン酸水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮し、表題化合物(4.09g)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:5.08(2H, s), 5.58(1H, s), 6.80-6.85(1H, m), 6.95-7.10(2H, m), 7.30-7.50(5H, m)
【0082】
参考例3−1
2−ベンジルオキシ−6−ニトロ−4−チオシアナトフェノール
2−ベンジルオキシ−4−チオシアナトフェノール(参考例1−1)(1.00g)および塩化メチレン(26mL)の混合物に、室温撹拌下、発煙硝酸(0.174mL)をゆっくり加え、その混合物を同温度にて25分間撹拌した。反応混合物に水を加えて希釈し、混合物を塩化メチレンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮し、表題化合物(1.07g)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:5.24(2H, s), 7.30-7.50(6H, m), 7.90-7.95(1H, m), 10.90(1H, s)
【0083】
2−ベンジルオキシ−4−チオシアナトフェノールの代わりに対応するフェノールを用い参考例3−1と同様の方法により、参考例3−2〜参考例3−3を合成した。これらを表1示した。
【0084】
【表1】

【0085】
参考例3−2〜参考例3−3の物性値を以下に示した。
【0086】
参考例3−2
H-NMR(CDCl3)δ ppm:4.01(3H, s), 7.25-7.30(1H, m), 7.90-8.00(1H, m), 10.92(1H, s)
【0087】
参考例3−3
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:5.27(2H, s), 7.30-7.45(3H, m), 7.45-7.60(3H, m), 7.60-7.65(1H, m), 10.66(1H, s)
【0088】
参考例4−1
1,2−ビスベンジルオキシ−3−ニトロ−5−チオシアナトベンゼン
2−ベンジルオキシ−6−ニトロ−4−チオシアナトフェノール(参考例3−1)(6.29g)、水酸化カリウム(1.75g)、水(6.3mL)および塩化メチレン(63mL)の混合物に、室温撹拌下、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(2.37g)次いでベンジルブロミド(7.42mL)を加えて、その混合物を同温度にて11時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルと水との間で分液した。有機層を2mol/L塩酸、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮することで得られた残渣をジエチルエーテル/ヘキサン=1/4混合溶液で粉砕後、固体を濾取、ヘキサンで洗浄し、表題化合物(7.32g)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:5.20(2H, s), 5.21(2H, s), 7.25-7.55(12H, m)
【0089】
2−ベンジルオキシ−6−ニトロ−4−チオシアナトフェノールの代わりに対応するニトロフェノール、およびベンジルブロミドの代わりに対応するアルキル化剤を用い参考例4−1と同様の方法により、参考例4−2〜参考例4−3を合成した。これらを表2に示した。
【0090】
【表2】

【0091】
参考例4−2〜参考例4−3の物性値を以下に示した。
【0092】
参考例4−2
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.98(3H, s), 4.01(3H, s), 7.20-7.30(1H, m), 7.45-7.55(1H, m)
【0093】
参考例4−3
H-NMR(CDCl3)δ ppm:5.09(2H, s), 5.31(2H, s), 7.20-7.50(8H, m), 7.50-7.60(2H, m), 7.65-7.80(2H, m)
【0094】
参考例5−1
3,4−ビスベンジルオキシ−5−ニトロベンゼンチオール
1,2−ビスベンジルオキシ−3−ニトロ−5−チオシアナトベンゼン(参考例4−1)(3.80g)およびエタノール(60mL)の混合物に、室温撹拌下、0.02mol/Lのリン酸二水素カリウム水溶液(15mL)を加えた。ジチオスレイトール(2.99g)を加えた後、その混合物を還流下3時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物に水を加えて希釈した。生じた固体を濾取、水で洗浄し、表題化合物(3.48g)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.58(1H, s), 5.13(2H, s), 5.14(2H, s), 7.05-7.15(1H, m), 7.25-7.50(11H, m)
【0095】
1,2−ビスベンジルオキシ−3−ニトロ−5−チオシアナトベンゼンの代わりに対応するチオシアナトベンゼンを用い参考例5−1と同様の方法により、参考例5−2〜参考例5−3を合成した。これらを表3に示した。
【0096】
【表3】

【0097】
参考例5−2〜参考例5−3の物性値を以下に示した。
【0098】
参考例5−2
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.55 (1H, s), 3.94 (3H, s), 7.05 (1H, d, J=1.9Hz), 7.68 (1H, d, J=1.9Hz), 10.66 (1H, s)
【0099】
参考例5−3
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.59(1H, s), 3.91(3H, s), 3.94(3H, s), 6.95-7.05(1H, m), 7.20-7.30(1H, m)
【0100】
参考例6−1
1,2,5−トリクロロ−3−クロロメチルベンゼン
(2,3,5−トリクロロフェニル)メタノール(367mg)およびトルエン(5mL)の混合物に、室温撹拌下、塩化チオニル(0.73mL)を加え、その混合物を60℃に昇温して2時間加熱撹拌した。室温に冷却後、反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣にトルエンを加え減圧濃縮する操作を2回繰り返し、表題化合物を得た。
【0101】
(2,3,5−トリクロロフェニル)メタノールの代わりに(2,4,6−トリクロロフェニル)メタノールを用い参考例6−1と同様の方法により、参考例6−2を合成した。これらを表4に示した。
【0102】
【表4】

【0103】
参考例7−1
1,2−ジメトキシ−3−ニトロ−5−(4−トリフルオロメチルベンジルスルファニル)ベンゼン
3,4−ジメトキシ−5−ニトロベンゼンチオール(参考例5−3)(162mg)およびN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)の混合物に、室温撹拌下、炭酸カリウム(156mg)次いで1−ブロモメチル−4−トリフルオロメチルベンゼン(224mg)を加え、その混合物を同温度にて2時間撹拌した。水を加え、混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮し、表題化合物(383mg)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.77(3H, s), 3.94(3H, s), 4.12(2H, s), 6.80-6.90(1H, m), 7.25-7.35(1H, m), 7.35-7.45(2H, m), 7.50-7.60(2H, m)
【0104】
3,4−ジメトキシ−5−ニトロベンゼンチオールの代わりに対応するベンゼンチオール、およびアラルキルハライドまたはアラルキルメシラートを用い参考例7−1と同様の方法により、参考例7−2〜参考例7−45を合成した。これらを表5に示した。
【0105】
【表5】




【0106】
参考例8−1
1−ベンジルオキシ−4−ベンジルスルファニル−2−メトキシベンゼン
1−ベンジルオキシ−4−ブロモ−2−メトキシベンゼン(1.3g)およびテトラヒドロフラン(15mL)の混合物に、−78℃で撹拌下、tert−ブチルリチウム(1.44mol/Lペンタン溶液、3.33mL)を加えた。2分間撹拌した後、硫黄(223mg)を加え、その混合物を同温度にて更に1.5時間撹拌した。室温に昇温後、反応混合物に2mol/L塩酸を加えて反応を停止させ、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。得られた残渣およびN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)の混合物に、室温撹拌下、水(0.16mL)およびトリブチルホスファン(1.77g)を加え、その混合物を2分間撹拌した。炭酸カリウム(2.41g)次いでベンジルブロミド(2.99g)を加え、その混合物を同温度にて30分間撹拌した。反応混合物に水、酢酸エチルおよび2mol/L塩酸を加えた。分取した有機層を2mol/L塩酸、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下濃縮することで得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=8/1)で精製して、表題化合物(1.2g)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.75(3H, s), 3.99(2H, s), 5.12(2H, s), 6.70-6.80(2H, m), 6.80-6.90(1H, m), 7.15-7.45(10H, m)
【0107】
参考例9−1
1,2−ビスベンジルオキシ−5−(4−メトキシベンジルスルファニル)−3−ニトロベンゼン
1,2−ビスベンジルオキシ−5−ブロモ−3−ニトロベンゼン(参考例4−3)(290mg)、(4−メトキシフェニル)メタンチオール(0.197mL)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(26mg)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(62mg) 、トリエチルアミン (0.195mL)およびN−メチルピロリジノン(2.1mL)の混合物を106℃で2時間加熱撹拌した。室温に冷却後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製して表題化合物(149mg)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.81(3H, s), 4.03(2H, s), 5.02(2H, s), 5.13(2H, s), 6.75-6.90(2H, m), 6.95-7.05(1H, m), 7.10-7.20(2H, m), 7.25-7.45(11H, m)
【0108】
参考例10−1
4−(3,4−ビスベンジルオキシ−5−ニトロフェニルスルファニルメチル)安息香酸
4−(3,4−ビスベンジルオキシ−5−ニトロフェニルスルファニルメチル)安息香酸メチル(参考例7−42)、1,4−ジオキサン(20mL)およびメタノール(5mL)の混合物に、室温撹拌下、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(5mL)を加えた。同温度にて2時間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、2mol/L塩酸を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣を塩化メチレン/ヘキサン=1/1混合溶液で粉砕後、固体を濾取、同溶媒で洗浄し、表題化合物(529mg)を得た。
【0109】
4−(3,4−ビスベンジルオキシ−5−ニトロフェニルスルファニルメチル)安息香酸メチルの代わりに3−(3,4−ビスベンジルオキシ−5−ニトロフェニルスルファニルメチル)安息香酸メチル(参考例7−43)を用い参考例10−1と同様の方法により、参考例10−2を合成した。これらを表6に示した。
【0110】
【表6】

【0111】
参考例11−1
4−(3,4−ビスベンジルオキシ−5−ニトロフェニルスルファニルメチル)N,N−ジメチルベンズアミド
4−(3,4−ビスベンジルオキシ−5−ニトロフェニルスルファニルメチル)安息香酸(参考例10−1)(301mg)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(624mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(81mg)および塩化メチレン(5mL)の混合物に、氷冷撹拌下、ジメチルアミン塩酸塩(245mg)、次いでトリエチルアミン(0.67mL)を加え、その混合物を室温に昇温して3時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルおよび2mol/L塩酸を加えた。分取した有機層を2mol/L水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮し、表題化合物を得た。
【0112】
4−(3,4−ビスベンジルオキシ−5−ニトロフェニルスルファニルメチル)安息香酸の代わりに3−(3,4−ビスベンジルオキシ−5−ニトロフェニルスルファニルメチル)安息香酸(参考例10−2)を用い参考例11−1と同様の方法により、参考例11−2を合成した。これらを表7に示した。
【0113】
【表7】

【0114】
参考例12−1
1,2−ジメトキシ−3−ニトロ−5−(4−トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニル)ベンゼン
アセトン(3.8mL)、水(0.77mL)、1,2−ジメトキシ−3−ニトロ−5−(4−トリフルオロメチルベンジルスルファニル)ベンゼン(参考例7−1)(281mg)および炭酸水素ナトリウム(313mg)の混合物に、室温撹拌下、オキソン(登録商標)(1.39g)をゆっくり加え、その混合物を同温度にて2時間撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加えた。分取した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下濃縮することで得られた残渣をジエチルエーテルで粉砕し、固体を濾取、同溶媒で洗浄し、表題化合物(202mg)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.75(3H, s), 4.04(3H, s), 4.40(2H, s), 7.00-7.10(1H, m), 7.25-7.35(2H, m), 7.55-7.65(2H, m), 7.65-7.75(1H, m)
【0115】
1,2−ジメトキシ−3−ニトロ−5−(4−トリフルオロメチルベンジルスルファニル)ベンゼンの代わりに対応するスルフィドを用い参考例12−1と同様の方法により、参考例12−2〜参考例12−41および参考例12−44〜参考例12−48を合成した。これらを表8に示した。
【0116】
参考例12−42
1,2−ビスベンジルオキシ−5−(2,3,5−トリクロロフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン
1,2−ビスベンジルオキシ−5−(2,3,5−トリクロロベンジルスルファニル)−3−ニトロベンゼン(参考例7−40)(561mg)および塩化メチレン(8mL)の混合物に、氷冷撹拌下、m−クロロ過安息香酸(1.1g)を加え、その混合物を室温に昇温して3時間撹拌した。混合物に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣と塩化メチレン(30mL)混合物にアミノプロピルシリカゲル(10g)を加えた。この混合物を30分間撹拌後、セライト(登録商標)層を通し、塩化メチレンで洗い出した。濾液を減圧下濃縮し、残渣をメタノールと共に粉砕し、固体を濾取、メタノールで洗浄し、表題化合物(430mg)を得た。構造式を表8に示した。
【0117】
参考例12−43
アセトン(15mL)、水(2mL)、1,2−ビスベンジルオキシ−5−(2,4,6−トリクロロベンジルスルファニル)−3−ニトロベンゼン(参考例7−41)(421mg)および炭酸水素ナトリウム(504mg)の混合物に、室温撹拌下、オキソン(登録商標)(1.84g)をゆっくり加え、その混合物を同温度にて6時間撹拌した。反応混合物に水(20mL) を加えて希釈し、同温度にて5分間撹拌した。不溶物を濾取し、水で洗浄した。得られた固体をメタノールで粉砕し、不溶物を濾取、メタノールで洗浄後、1,2−ビスベンジルオキシ−5−(2,4,6−トリクロロフェニルメタンスルフィニル)−3−ニトロベンゼンを得た。
【0118】
1,2−ビスベンジルオキシ−5−(2,4,6−トリクロロフェニルメタンスルフィニル)−3−ニトロベンゼンおよび塩化メチレン(6mL)の混合物に、氷冷撹拌下、m−クロロ過安息香酸(400mg)を加え、その混合物を室温に昇温して12時間撹拌した。混合物に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、その混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をメタノールで粉砕し、不溶物を濾取、メタノールで洗浄した。得られた固体をジエチルエーテル/ヘキサン=1/1混合溶液で粉砕後、固体を濾取、同溶媒で洗浄し、表題化合物(337mg)を得た。構造式を表8に示した。
【0119】
【表8】




【0120】
参考例12−2〜参考例12−7、参考例12−38および参考例12−44の物性値を以下に示した。
【0121】
参考例12−2
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.15-3.23 (2H, m), 3.33-3.40 (2H, m), 3.95 (3H, s), 3.97 (3H, s), 6.99 (1H, d, J=8.5Hz), 7.33 (2H, d, J=8.8Hz), 7.35 (1H, d, J=2.2Hz), 7.54 (1H, dd, J=8.5, 2.2Hz), 8.15 (2H, d, J=8.8Hz)
【0122】
参考例12−3
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.02-3.08 (2H, m), 3.32-3.39 (2H, m), 3.95 (3H, s), 3.97 (3H, s), 6.99 (1H, d, J=8.4Hz), 7.12 (2H, d, J=7.3Hz), 7.18-7.29 (3H, m), 7.36 (1H, d, J=2.1Hz), 7.55 (1H, dd, J=8.4, 2.1Hz)
【0123】
参考例12−4
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.97-2.12 (2H, m), 2.64-2.75 (2H, m), 3.01-3.11 (2H, m), 3.92 (3H, s), 3.95-3.96 (3H, m), 6.94-6.99 (1H, m), 7.07-7.13 (1H, m), 7.16-7.31 (5H, m), 7.45-7.51 (1H, m)
【0124】
参考例12−5
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.63-1.82 (4H, m), 2.55-2.64 (2H, m), 3.03-3.12 (2H, m), 3.93 (3H, s), 3.97 (3H, s), 6.94-7.00 (1H, m), 7.08-7.13 (1H, m), 7.15-7.34 (5H, m), 7.45-7.52 (1H, m)
【0125】
参考例12−6
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.71(3H, s), 4.27(2H, s), 5.20(2H, s), 6.85-6.95(2H, m), 7.05-7.10(2H, m), 7.20-7.45(9H, m)
【0126】
参考例12−7
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.77(3H, s), 4.24(2H, s), 4.95(2H, s), 5.23(2H, s), 6.75-6.85(2H, m), 6.90-7.00(2H, m), 7.15-7.25(1H, m), 7.25-7.35(5H, m), 7.35-7.50(5H, m), 7.55-7.60(1H, m)
【0127】
参考例12−38
H-NMR(CDCl3)δ ppm:4.32 (2H, s), 5.08 (2H, s), 5.28 (2H, s), 7.19 (2H, d, J=8.2Hz), 7.31-7.35 (6H, m), 7.41-7.46 (5H, m), 7.58 (2H, d, J=8.2Hz), 7.61 (1H, d, J=1.9Hz)
【0128】
参考例12−44
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.88 (3H, s), 4.76 (2H, s), 7.20-7.22 (2H, m), 7.32 (1H, d, J=2.2Hz), 7.40-7.42 (2H, m), 7.70 (1H, d, J=2.2Hz), 11.74 (1H, br s)
【0129】
参考例13−1
2−メトキシ−4−フェニルメタンスルホニルフェノール
1−ベンジルオキシ−2−メトキシ−4−フェニルメタンスルホニルベンゼン(参考例12−6)(150mg)および塩化メチレン(1.6mL)の混合物に、氷冷撹拌下、30%臭化水素−酢酸溶液(0.4mL)を加え、その混合物を室温に昇温して終夜撹拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液および塩化メチレンを加えた。分取した有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製して、表題化合物(67mg)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.74(3H, s), 4.28(2H, s), 6.03(1H, s), 6.88(1H, d, J=2.2Hz), 6.95(1H, d, J=8.5Hz), 7.05-7.15(2H, m), 7.20-7.35(4H, m)
【0130】
参考例14−1
4−[2−(4−ニトロフェニル)エタンスルホニル]ベンゼン−1,2−ジオール
1,2−ジメトキシ−4−[2−(4−ニトロフェニル)エタンスルホニル]ベンゼン(参考例12−2)(2.06g)および塩化メチレン(10mL)の混合物に、室温撹拌下、三臭化ホウ素(1mol/L塩化メチレン溶液、17.6mL)を加え、その混合物を同温度にて30分間撹拌した。反応混合物にメタノールを加えて反応を停止し、しばらく撹拌した。混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルと水との間で分液した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、表題化合物(1.0g)を得た。
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:2.93-3.08 (2H, m), 3.53-3.62 (2H, m), 6.92 (1H, d, J=8.0Hz), 7.17-7.23 (2H, m), 7.51 (1H, d, J=8.4Hz), 8.10 (1H, d, J=8.4Hz)
【0131】
1,2−ジメトキシ−4−[2−(4−ニトロフェニル)エタンスルホニル]ベンゼンの代わりに対応するベラトロールを用い参考例14−1と同様の方法により、参考例14−2〜14−4を合成した。これらを表9に示した。
【0132】
【表9】

【0133】
参考例15−1
2−(tert−ブチルジフェニルシラニルオキシ)−4−[2−(4−ニトロフェニル)エタンスルホニル]フェノール
4−[2−(4−ニトロフェニル)エタンスルホニル]ベンゼン−1,2−ジオール(参考例14−1)(800mg)、tert−ブチルクロロジフェニルシラン(0.772mL)、1H−イミダゾール(253mg)およびN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)の混合物を70℃で3時間加熱撹拌した。室温に冷却後、反応混合物をジエチルエーテルと水との間で分液した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮することで得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製して、表題化合物(50mg)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.19 (9H, s), 2.56-2.63 (2H, m), 2.72-2.79 (2H, m), 6.53 (1H, d, J=8.5Hz), 6.90 (1H, d, J=2.4Hz), 6.93 (1H, dd, J=8.5, 2.4Hz), 7.07 (2H, d, J=8.5Hz), 7.33-7.38 (5H, m), 7.75-7.80 (5H, m), 8.11 (2H, d, J=8.5Hz)
【0134】
参考例16−1
2−メトキシメトキシ−4−(2−フェニルエタンスルホニル)フェノール
4−(2−フェニルエタンスルホニル)ベンゼン−1,2−ジオール(参考例14−2)(500mg)、クロロメチルメチルエーテル(0.15mL)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.626mL)および酢酸エチル(20mL)の混合物を室温にて1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと水との間で分液し、有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮することで得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:メタノール/酢酸エチル=3/1)で精製して、表題化合物(128mg)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:2.97-3.06 (2H, m), 3.28-3.36 (2H, m), 3.51 (3H, s), 5.29 (2H, s), 7.11 (2H, d, J=7.3Hz), 7.40 (1H, dd, J=7.9, 2.2Hz), 7.49 (1H, d, J=2.2Hz)
【0135】
4−(2−フェニルエタンスルホニル)ベンゼン−1,2−ジオールの代わりに対応するカテコールを用い参考例16−1と同様の方法により、参考例16−2〜参考例16−3を合成した。これらを表10に示した。
【0136】
【表10】

【0137】
参考例16−2〜参考例16−3の物性値を以下に示した。
【0138】
参考例16−2
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.93-2.11 (2H, m), 2.62-2.75 (2H, m), 2.95-3.08 (2H, m), 3.46 (3H, s), 5.19 (2H, s), 6.94-7.03 (1H, m), 7.07-7.30 (5H, m), 7.36-7.45 (1H, m), 7.47-7.54 (1H, m)
【0139】
参考例16−3
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.61-1.83 (4H, m), 2.54-2.61 (2H, m), 3.02-3.10 (2H, m), 3.50 (3H, s), 5.23 (2H, s), 7.05 (1H, d, J=8.4Hz), 7.07-7.27 (5H, m), 7.47 (1H, dd, J=8.4, 2.0Hz), 7.57 (1H, d, J=2.0Hz)
【0140】
参考例17−1
2−メトキシ−6−ニトロ−4−(4−トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニル)フェノール
1,2−ジメトキシ−3−ニトロ−5−(4−トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニル)ベンゼン(参考例12−1)(40mg)およびジクロロエタン(0.4mL)の混合物に室温撹拌下、塩化アルミニウム(34mg)を加え、混合物を還流下17時間撹拌した。室温に冷却後、1mol/L塩酸を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。分取した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。残渣をジエチルエーテルで粉砕し、固体を濾取、ジエチルエーテルで洗浄し、表題化合物(24mg)を得た。
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:3.85(3H, s), 4.85(2H, s), 7.25-7.30(1H, m), 7.35-7.45(2H, m), 7.70-7.75(1H, m), 7.85-7.95(2H, m)
【0141】
参考例18−1
2−メトキシ−6−ニトロ−4−フェニルメタンスルホニルフェノール
2−メトキシ−4−フェニルメタンスルホニルフェノール(参考例13−1)(64mg)および酢酸(1.1mL)の混合物に、室温撹拌下、濃硝酸(0.019mL)を加え、その混合物を同温度にて2時間撹拌した。反応混合物に水を加えて希釈し、生じた固体を濾取、減圧乾燥し、表題化合物(47mg)を得た。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:3.74(3H, s), 4.36(2H, s), 6.90-7.00(1H, m), 7.10-7.20(2H, m), 7.25-7.40(3H, m), 8.05-8.15(1H, m), 11.12(1H, br s)
【0142】
2−メトキシ−4−フェニルメタンスルホニルフェノールの代わりに対応するフェノールを用い参考例18−1と同様の方法により、参考例18−2〜参考例18−5を合成した。これらを表11に示した。
【0143】
【表11】

【0144】
実施例1−1
5−(4−メトキシフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール(化合物1−1)
1,2−ビスベンジルオキシ−5−(4−メトキシフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン(参考例12−7)(57mg)および酢酸(1mL)の混合物に、室温撹拌下、30%臭化水素−酢酸溶液(0.8mL)を加え、その混合物を68℃で1時間加熱撹拌した。室温に冷却後、反応混合物に水を加えた後、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣を水/メタノール混合溶液で粉砕後、固体を濾取、水で洗浄し、表題化合物(33mg)を得た。
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:3.73(3H, s), 4.57(2H, s), 6.80-6.95(2H, m), 7.00-7.15(2H, m), 7.15-7.20(1H, m), 7.55-7.65(1H, m), 11.03(2H, br)
【0145】
1,2−ビスベンジルオキシ−5−(4−メトキシフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼンの代わりに対応する1,2−ビスベンジルオキシ−3−ニトロベンゼンを用い実施例1−1と同様の方法により、化合物1−2〜1−33を合成した。これらを表12に示した。
【0146】
【表12】



【0147】
化合物1−2〜化合物1−33の物性値を以下に示した。
【0148】
化合物1−2
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:1.59 (3H, d, J=6.9Hz), 4.70 (1H, q, J=6.9Hz), 7.13 (1H, d, J=2.2Hz), 7.23-7.33 (5H, m), 7.47 (1H, d, J=2.2Hz), 11.10 (2H, br s)
【0149】
化合物1−3
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:3.67 (3H, s), 4.63 (2H, s), 6.72-6.75 (2H, m), 6.89-6.91 (1H, m), 7.20-7.24 (2H, m), 7.61 (1H, d, J=2.2Hz), 11.09 (2H, br s)
【0150】
化合物1−4
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.56 (2H, s), 6.01 (2H, s), 6.60 (1H, dd, J=7.9, 1.6Hz), 6.75 (1H, d, J=1.6Hz), 6.85 (1H, d, J=7.9Hz), 7.19 (1H, d, J=2.2Hz), 7.62 (1H, d, J=2.2Hz), 11.15 (2H, br s)
【0151】
化合物1−5
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.72 (2H, s), 7.12-7.14 (1H, m), 7.20 (1H, d, J=2.2Hz), 7.26-7.27 (1H, m), 7.34-7.38 (1H, m), 7.41-7.43 (1H, m), 7.62 (1H, d, J=2.2Hz), 11.15 (2H, br s)
【0152】
化合物1−6
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.78 (2H, s), 7.19 (1H, d, J=2.2Hz), 7.35-7.44 (4H, m), 7.55 (1H, d, J=2.2Hz), 11.17 (2H, br s)
【0153】
化合物1−7
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:3.45 (3H, s), 4.55 (2H, s), 6.88 (1H, d, J=8.2Hz), 6.92-6.95 (1H, m), 7.15 (1H, d, J=2.2Hz), 7.21 (1H, dd, J=7.6, 1.6Hz), 7.29-7.31 (1H, m), 7.45 (1H, d, J=2.2Hz), 11.11 (2H, br s)
【0154】
化合物1−8
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:2.27 (3H, s), 4.61 (2H, s), 7.04 (2H, d, J=7.8Hz), 7.12 (2H, d, J=7.8Hz), 7.20 (1H, d, J=2.2Hz), 7.61 (1H, d, J=2.2Hz), 11.15 (2H, br s)
【0155】
化合物1−9
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:2.24 (3H, s), 4.60 (2H, s), 6.94-6.97 (2H, m), 7.14-7.22 (3H, m), 7.58 (1H, d, J=2.2Hz), 11.14 (2H, br s)
【0156】
化合物1−10
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:2.22 (3H, s), 4.66 (2H, s), 7.05-7.24 (5H, m), 7.63 (1H, d, J=2.2Hz), 11.16 (2H, br s)
【0157】
化合物1−11
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.83 (2H, s), 7.18 (1H, d, J=2.2Hz), 7.45-7.73 (5H, m), 11.13 (2H, br s)
【0158】
化合物1−12
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.79 (2H, s), 7.24 (1H, d, J=2.2Hz), 7.53-7.77 (5H, m), 11.21 (2H, br s)
【0159】
化合物1−13
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:7.04 (1H, s), 7.24 (1H, d, J=2.2Hz), 7.36-7.64 (9H, m), 7.99-8.02 (2H, m), 11.07 (2H, br s)
【0160】
化合物1−14
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.68 (2H, s), 7.15-7.23 (5H, m), 7.60 (1H, d, J=2.2Hz), 11.13 (2H, br s)
【0161】
化合物1−15
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.72 (2H, s), 6.99-7.05 (2H, m), 7.17-7.22 (2H, m), 7.35-7.39 (1H, m), 7.61 (1H, d, J=2.2Hz), 11.13 (2H, br s)
【0162】
化合物1−16
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.70 (2H, s), 7.15-7.28 (4H, m), 7.39-7.43 (1H, m), 7.58 (1H, d, J=2.2Hz), 11.16 (2H, br s)
【0163】
化合物1−17
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:5.20 (2H, s), 7.18 (1H, d, J=2.2Hz), 7.36-7.50 (4H, m), 7.63 (1H, d, J=2.2Hz), 7.91-7.94 (2H, m), 8.08 (1H, d, J=8.1Hz), 11.05 (2H, br s)
【0164】
化合物1−18
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.85 (2H, s), 7.19 (1H, d, J=2.2Hz), 7.29 (1H, dd, J=8.5, 1.6Hz), 7.52-7.54 (2H, m), 7.67 (1H, d, J=2.2Hz), 7.74 (1H, s), 7.85-7.92 (3H, m), 11.10 (2H, br s)
【0165】
化合物1−19
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:1.32-1.43 (2H, m), 2.04-2.08 (2H, m), 2.51-2.59 (2H, m), 4.58-4.61 (1H, m), 7.04-7.06 (2H, m), 7.09 (1H, d, J=2.2Hz), 7.11-7.14 (1H, m), 7.19-7.22 (4H, m), 7.29-7.32 (3H, m), 7.47 (1H, d, J=2.2Hz), 11.08 (2H, br s)
【0166】
化合物1−20
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.72 (2H, s), 7.24 (1H, d, J=2.2Hz), 7.27 (2H, d, J=8.6Hz), 7.36-7.39 (1H, m), 7.45-7.48 (2H, m), 7.63-7.67 (5H, m), 11.11 (2H, br s)
【0167】
化合物1−21
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.62 (2H, s), 6.85-6.90 (1H, m), 6.99-7.01 (2H, m), 7.18-7.20 (2H, m), 7.30-7.32 (3H, m), 7.42-7.50 (3H, m), 11.00 (2H, br s)
【0168】
化合物1−22
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.87 (2H, s), 7.20 (1H, d, J=2.2Hz), 7.34 (1H, dd, J=7.9, 1.6Hz), 7.39 (1H, dd, J=7.9, 7.8Hz), 7.56 (1H, d, J=2.2Hz), 7.67 (1H, dd, J=7.8, 1.6Hz), 11.17 (2H, br s)
【0169】
化合物1−23
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.74 (2H, s), 7.16 (1H, dd, J=8.2, 1.9Hz), 7.18 (1H, d, J=2.2Hz), 7.45 (1H, d, J=1.9Hz), 7.62-7.64 (2H, m), 11.16 (2H, br s)
【0170】
化合物1−24
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:2.30 (3H, s), 4.67 (2H, s), 7.03 (1H, dd, J=7.9, 1.6Hz), 7.21 (1H, d, J=2.2Hz), 7.23 (1H, d, J=1.6Hz), 7.30 (1H, d, J=7.9Hz), 7.62 (1H, d, J=2.2Hz), 11.13 (2H, br s)
【0171】
化合物1−25
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:1.17 (6H, d, J=6.9Hz), 2.81-2.89 (1H, m), 4.59 (2H, s), 7.09 (2H, d, J=8.2Hz), 7.18 (2H, d, J=8.2Hz), 7.25 (1H, d, J=2.2Hz), 7.49 (1H, d, J=2.2Hz), 11.12 (2H, br s)
【0172】
化合物1−26
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:2.22 (3H, s), 2.23 (6H, s), 4.64 (2H, s), 6.87 (2H, s), 7.35 (1H, d, J=2.2Hz), 7.72 (1H, d, J=2.2Hz), 11.11 (2H, br s)
【0173】
化合物1−27
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.80 (2H, s), 7.18 (1H, d, J=2.2Hz), 7.40-7.45 (1H, m), 7.45-7.50 (2H, m), 7.59 (1H, d, J=2.2Hz), 11.17 (2H, br s)
【0174】
化合物1−28
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.74 (2H, s), 7.20 (1H, d, J=2.2Hz), 7.24 (2H, d, J=1.9Hz), 7.62 (1H, d, J=2.2Hz), 7.65 (1H, t, J=1.9Hz), 11.18 (2H, br s)
【0175】
化合物1−29
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:2.28 (6H, s), 4.70 (2H, s), 7.05 (2H, d, J=7.6Hz), 7.15 (1H, t, J=7.6Hz), 7.36 (1H, d, J=2.2Hz), 7.73 (1H, d, J=2.2Hz), 11.20 (2H, br s)
【0176】
化合物1−30
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.79 (2H, s), 7.16 (1H, d, J=2.2Hz), 7.39 (1H, d, J=8.2Hz), 7.49 (1H, dd, J=8.2, 2.2Hz), 7.59 (1H, d, J=2.2Hz), 7.63 (1H, d, J=2.2Hz), 11.17 (2H, br s)
【0177】
化合物1−31
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.90 (2H, s), 7.28 (1H, d, J=2.2Hz), 7.43 (1H, dd, J= 7.2Hz), 7.52-7.53 (2H, m), 7.64 (1H, d, J=2.2Hz) 11.18 (2H, br s)
【0178】
化合物1−32
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.88 (2H, s), 7.17 (1H, d, J=1.9Hz), 7.43 (1H, d, J=2.2Hz), 7.60 (1H, d, J=1.9Hz), 7.93 (1H, d, J=2.2Hz), 11.18 (1H, br)
【0179】
化合物1−33
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.88 (2H, s), 7.25 (1H, d, J=2.2Hz), 7.68 (1H, d, J=2.2Hz), 7.76 (2H, s), 11.19 (1H, br)
【0180】
実施例2−1
4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロベンゼンスルホニルメチル)ベンゾニトリル(化合物2−1)
4−(3,4−ビスベンジルオキシ−5−ニトロベンゼンスルホニルメチル)ベンゾニトリル(参考例12−38)(150mg)および塩化メチレン(4mL)の混合物に、氷冷撹拌下、三臭化ホウ素(1mol/L塩化メチレン溶液、0.87mL)を加え、その混合物を室温に昇温して2時間撹拌した。氷冷撹拌下、反応混合物にメタノールを加えて反応を停止し、酢酸エチルで希釈、水、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下濃縮することで得られた残渣を塩化メチレン/ヘキサン=1/1混合溶液で粉砕後、固体を濾取、同溶媒で洗浄し、表題化合物(74mg)を得た。構造式を表13に示した。
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:4.84 (2H, s), 7.12 (1H, d, J=2.2Hz), 7.38 (2H, d, J=8.2Hz), 7.62 (1H, d, J=2.2Hz), 7.82 (2H, d, J=8.2Hz), 11.14 (2H, br s)
【0181】
4−(3,4−ビスベンジルオキシ−5−ニトロベンゼンスルホニルメチル)ベンゾニトリルの代わりに対応する1,2−ビスベンジルオキシ−3−ニトロベンゼンを用い実施例2−1と同様の方法により、化合物2−2〜2−6を合成した。構造式を表13に示した。
【0182】
実施例3−1
5−[4−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン−1−スルホニル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール(化合物3−1)
1,2−ビスベンジルオキシ−5−[4−(4−メトキシフェニル)ブタン−1−スルホニル]−3−ニトロベンゼン(参考例12−41)(630mg)および酢酸(3mL)の混合物に、室温撹拌下、30%臭化水素−酢酸溶液(6mL)を加え、その混合物を同温度にて6時間撹拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出、有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧濃縮し、5−[4−(4−メトキシフェニル)ブタン−1−スルホニル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール(380mg)を得た。
【0183】
5−[4−(4−メトキシフェニル)ブタン−1−スルホニル]−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール(380mg)および塩化メチレン(6mL)の混合物に、氷冷撹拌下、三臭化ホウ素(1mol/L塩化メチレン溶液、4mL)を加え、その混合物を室温に昇温して2時間撹拌した。氷冷撹拌下、反応混合物にメタノールを加えて反応を停止し、室温に昇温して10分間撹拌した。混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣に水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧濃縮し、表題化合物(299mg)を得た。構造式を表13に示した。
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:1.52-1.54 (4H, m), 2.42 (2H, t, J=7.0Hz), 3.31 (2H, t, J=7.2Hz), 6.63 (2H, d, J=8.6Hz), 6.91 (2H, d, J=8.5Hz), 7.41 (1H, d, J=2.2Hz), 7.79 (1H, d, J=2.2Hz), 9.11 (1H, br s), 11.15 (2H, br s)
【0184】
実施例4−1
4−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロベンゼンスルホニルメチル)ベンズアミド(化合物4−1)
4−(3,4−ビスベンジルオキシ−5−ニトロベンゼンスルホニルメチル)ベンゾニトリル(参考例12−38)(190mg)および酢酸(2mL)の混合物に、室温撹拌下、30%臭化水素−酢酸溶液(3mL)を加え、その混合物を同温度にて1時間、50℃に昇温して1時間加熱撹拌した。室温に冷却後、水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出、分取した有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧濃縮することで得られた残渣を塩化メチレン/ヘキサン=1/1混合溶液で粉砕し、固体を濾取、同溶媒で洗浄した。得られた残渣、48%臭化水素酸(1mL)および30%臭化水素−酢酸溶液(1mL)の混合物を80℃に昇温して5時間加熱撹拌した。室温に冷却し、反応混合物に水を加えて希釈し、同温度にて30分間撹拌した。生じた固体を濾取、水で洗浄し、表題化合物(90mg)を得た。構造式を表13に示した。
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:4.76 (2H, s), 7.18 (1H, d, J=2.2Hz), 7.24 (2H, d, J=8.2Hz), 7.42 (1H, br s), 7.66 (1H, d, J=2.2Hz), 7.80 (2H, d, J=8.2Hz), 7.98 (1H, br s), 11.14 (2H, br s)
【0185】
実施例5−1
5−(4−クロロフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール(化合物5−1)
4−(4−クロロフェニルメタンスルホニル)−2−メトキシ−6−ニトロフェノール(参考例12−44)(120mg)および酢酸エチル(5mL)の混合物に室温撹拌下、塩化アルミニウム(54mg)およびピリジン(0.11mL)を順次加え、混合物を80℃に昇温して4時間加熱撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、酢酸エチルで希釈し、2mol/L塩酸をゆっくり加えた。混合物を酢酸エチルで抽出、有機層を食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。残渣を塩化メチレン/ヘキサン=1/1混合溶液で粉砕し、固体を濾取、同溶媒で洗浄し、表題化合物(104mg)を得た。構造式を表13に示した。
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:4.69 (2H, s), 7.17 (1H, d, J=2.2Hz), 7.18-7.21 (2H, m), 7.39-7.41 (2H, m), 7.62 (1H, d, J=2.2Hz), 11.08 (2H, br s)
【0186】
4−(4−クロロフェニルメタンスルホニル)−2−メトキシ−6−ニトロフェノールの代わりに対応する2−メトキシ−6−ニトロフェノールを用い実施例5−1と同様の方法により、化合物5−2〜5−3を合成した。構造式を表13に示した。
【0187】
実施例6−1
3−ニトロ−5−フェニルメタンスルホニルベンゼン−1,2−ジオール(化合物6−1)
2−メトキシ−6−ニトロ−4−フェニルメタンスルホニルフェノール(参考例18−1)(19mg)、48%臭化水素酸(0.1mL)および30%臭化水素−酢酸溶液(0.1mL)の混合物を100℃に昇温して終夜加熱撹拌した。さらに120℃に昇温して7時間加熱撹拌後、室温に冷却し、反応混合物に水を加えて希釈した。生じた固体を濾取、減圧乾燥し、表題化合物(14mg)を得た。構造式を表13に示した。
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:4.66(2H, s), 7.10-7.25(3H, m), 7.25-7.35(3H, m), 7.59(1H, d, J=2.2Hz), 11.00(1H, br)
【0188】
実施例7−1
3−ニトロ−5−[2−(4−ニトロフェニル)エタンスルホニル]ベンゼン−1,2−ジオール(化合物7−1)
2−(tert−ブチルジフェニルシラニルオキシ)−6−ニトロ−4−[2−(4−ニトロフェニル)エタンスルホニル]フェノール(参考例18−2)(45mg)および酢酸エチル(10mL)の混合物に、室温撹拌下、テトラブチルアンモニウムフルオリド(29mg)を加え、その混合物を同温度にて2時間撹拌した。混合物を酢酸エチルと水との間で分液した。有機層を10%クエン酸水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、表題化合物(14mg)を得た。構造式を表13に示した。
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:3.04-3.10 (2H, m), 3.74-3.79 (2H, m), 7.39 (1H, d, J=2.2Hz), 7.51 (1H, d, J=8.5Hz), 7.76 (1H, d, J=2.2Hz), 8.08 (1H, d, J=8.5Hz)
【0189】
実施例8−1
3−ニトロ−5−(2−フェニルエタンスルホニル)ベンゼン−1,2−ジオール(化合物8−1)
2−メトキシメトキシ−6−ニトロ−4−(2−フェニルエタンスルホニル)フェノール(参考例18−3)(106mg)およびエタノール(2mL)の混合物に、室温撹拌下、濃塩酸(0.5mL)を加え、その混合物を還流下6時間撹拌した。室温に冷却し、混合物を酢酸エチルと水との間で分液した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、表題化合物(75mg)を得た。構造式を表13に示した。
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:2.83-2.97 (2H, m), 3.58-3.70 (2H, m), 7.13-7.27 (5H, m), 7.46 (1H, d, J=2.2Hz), 7.81 (1H, d, J=2.2Hz)
【0190】
2−メトキシメトキシ−4−(2−フェニルエタンスルホニル)フェノールの代わりに対応するニトロフェノールを用い実施例8−1と同様の方法により、化合物8−2および8−3を合成した。構造式を表13に示した。
【0191】
実施例9−1
5−(3−ヒドロキシフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール(化合物9−1)
5−(3−メトキシフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール(化合物1−3)(150mg)および塩化メチレン(3mL)の混合物に、氷冷撹拌下、三臭化ホウ素(1mol/L塩化メチレン溶液、1.8mL)を加え、その混合物を室温に昇温して1時間撹拌した。氷冷撹拌下、メタノールを加えて反応を停止し、その混合物を室温に昇温して10分間撹拌した。混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣に水を加え、生じた固体を濾取、水で洗浄し、表題化合物(130mg)を得た。構造式を表13に示した。
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:4.56 (2H, s), 6.54-6.55 (1H, m), 6.60-6.65 (1H, m), 6.71 (1H, dd, J=8.2, 1.9Hz), 7.08 (1H, dd, J=8.2, 7.9Hz), 7.22 (1H, d, J=2.2Hz), 7.62 (1H, d, J=2.2Hz), 9.46 (1H, br s), 11.08 (2H, br s)
【0192】
5−(3−メトキシフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオールの代わりに5−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール(化合物1−4)を用い実施例9−1と同様の方法により、化合物9−2を合成した。構造式を表13に示した。
【0193】
実施例10−1
3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロベンゼンスルホニルメチル)安息香酸(化合物10−1)
3−(3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロベンゼンスルホニルメチル)ベンゾニトリル(化合物2−2)(130mg)、48%臭化水素酸(1mL)および30%臭化水素−酢酸溶液(1mL)の混合物を80℃に昇温して50時間加熱撹拌した。室温に冷却し、反応混合物に水を加えて希釈した。生じた固体を濾取、水で洗浄し、表題化合物(69mg)を得た。構造式を表13に示した。
H-NMR(DMSO-d6)δ ppm:4.79 (2H, s), 7.19 (1H, d, J=2.2Hz), 7.41-7.48 (2H, m), 7.59 (1H, d, J=2.2Hz), 7.75-7.80 (1H, m), 7.89-7.92 (1H, m), 11.15 (2H, br s), 13.04 (1H, br s)
【0194】
実施例11−1
ジエチルカルバミン酸2−ジエチルカルバモイルオキシ−3−ニトロ−5−フェニルメタンスルホニルフェニル(化合物11−1)
3−ニトロ−5−フェニルメタンスルホニルベンゼン−1,2−ジオール(化合物6−1)(50mg)およびピリジン(2mL)の混合物に、室温撹拌下、ジエチルカルバミン酸クロライド(0.12mL)を加え、その混合物を同温度にて終夜撹拌した。反応混合物をさらに60℃に昇温して5時間加熱撹拌した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=98/2〜50/50)で精製して、表題化合物(78mg)を得た。構造式を表13に示した。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.15-1.30 (12H, m), 3.35-3.50 (8H, m), 4.36 (2H, s), 7.15-7.19 (2H, m), 7.30-7.38 (3H, m), 7.82 (1H, d, J=2.2Hz), 8.00 (1H, d, J=2.2Hz)
【0195】
実施例12−1
2,2−ジメチルプロピオン酸2−(2,2−ジメチルプロピオニルオキシ)−3−ニトロ−5−フェニルメタンスルホニルフェニル(化合物12−1)
3−ニトロ−5−フェニルメタンスルホニルベンゼン−1,2−ジオール(化合物6−1)(50mg)、トリエチルアミン(0.08mL)およびテトラヒドロフラン(2mL)の混合物に、氷冷撹拌下、ピバロイルクロリド (0.06mL)を加え、その混合物を同温度にて30分間撹拌した。反応混合物をさらに室温に昇温して終夜撹拌した。その反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1mol/L塩酸および食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜75/25)で精製して、表題化合物(70mg)を得た。構造式を表13に示した。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.35 (9H, s), 1.37 (9H, s), 4.38 (2H, s), 7.12-7.16 (2H, m), 7.30-7.38 (3H, m), 7.58 (1H, d, J=2.1Hz), 8.02 (1H, d, J=2.1Hz)
【0196】
実施例13−1
2,2−ジメチルプロピオン酸2−ヒドロキシ−3−ニトロ−5−フェニルメタンスルホニルフェニル(化合物13−1)
イミダゾール(57mg)およびテトラヒドロフラン(2mL)の混合物に、氷冷撹拌下、ピバロイルクロリド(0.025mL)を加え、その混合物を同温度にて30分間撹拌した。反応混合物に3−ニトロ−5−フェニルメタンスルホニルベンゼン−1,2−ジオール(化合物6−1)(50mg)およびテトラヒドロフラン(0.3mL)の混合物を滴下した後、その混合物を室温に昇温して終夜撹拌した。その反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1mol/L塩酸および食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜75/25)で精製して、表題化合物(57mg)を得た。構造式を表13に示した。
H-NMR(CDCl3)δ ppm:1.38 (9H, s), 4.35 (2H, s), 7.13-7.16 (2H, m), 7.29-7.37 (3H, m), 7.46 (1H, d, J=2.1Hz), 8.20 (1H, d, J=2.1Hz), 10.97 (1H, br)
【0197】
【表13】


【0198】
化合物2−2〜2−6、化合物5−2〜5−3、化合物8−2〜8−3および化合物9−2の物性値を以下に示した。
【0199】
化合物2−2
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.79 (2H, s), 7.17 (1H, d, J=2.2Hz), 7.51-7.64 (4H, m), 7.84-7.86 (1H, m), 11.18 (2H, br s)
【0200】
化合物2−3
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.84 (2H, s), 7.21 (1H, d, J=2.2Hz), 7.43-7.45 (1H, m), 7.56 (1H, d, J=2.2Hz), 7.59 (1H, ddd, J=7.6, 7.0, 1.3Hz), 7.72 (1H, ddd, J=7.6, 7.0, 1.3Hz), 7.87 (1H, dd, J=7.9, 1.3Hz), 11.21 (2H, br s)
【0201】
化合物2−4
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.79 (2H, s), 7.16 (1H, d, J=2.2Hz), 7.30 (2H, d, J=8.5Hz), 7.63 (1H, d, J=2.2Hz), 7.88 (2H, d, J=8.5Hz), 11.08 (2H, br s), 13.06 (1H, br s)
【0202】
化合物2−5
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:2.84 (3H, s), 2.97 (3H, s), 4.73 (2H, s), 7.20-7.22 (3H, m), 7.33 (2H, d, J=7.9Hz), 7.56 (1H, d, J=2.2Hz), 11.13 (2H, br s)
【0203】
化合物2−6
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:2.77 (3H, s), 2.95 (3H, s), 4.74 (2H, s), 7.17-7.18 (1H, m), 7.19 (1H, d, J=2.2Hz), 7.25-7.27 (1H, m), 7.34-7.41 (2H, m), 7.58 (1H, d, J=2.2Hz), 11.15 (2H, br s)
【0204】
化合物5−2
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:6.08 (1H, s), 7.16 (1H, d, J=2.2Hz), 7.31-7.39 (6H, m), 7.56 (1H, d, J=2.2Hz), 7.58-7.60 (4H, m), 11.04 (2H, br s)
【0205】
化合物5−3
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.79(2H, s), 7.20-7.30(1H, m), 7.35-7.45(2H, m), 7.55-7.65(1H, m), 7.85-7.95(2H, m), 11.08(2H, br)
【0206】
化合物8−2
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:1.76-1.90 (2H, m), 2.57-2.68 (2H, m), 3.21-3.33 (2H, m), 7.11-7.32 (5H, m), 7.41 (1H, d, J=2.2Hz), 7.78 (1H, d, J=2.2Hz)
【0207】
化合物8−3
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:1.46-1.67 (4H, m), 2.47-2.59 (2H, m), 3.27-3.38 (2H, m), 7.10-7.27 (5H, m), 7.43 (1H, d, J=2.2Hz), 7.79 (1H, d, J=2.2Hz)
【0208】
化合物9−2
H-NMR(DMSO-d)δ ppm:4.43 (2H, s), 6.35 (1H, dd, J=7.9, 1.9Hz), 6.59 (1H, d, J=1.9Hz), 6.61 (1H, d, J=7.9Hz), 7.18 (1H, d, J=1.9Hz), 7.62 (1H, d, J=1.9Hz), 9.01 (2H, br s), 11.05 (2H, br s)
【0209】
試験例1
ヒトCOMT阻害活性
1)組換えヒトCOMTの調製
(1)組換えヒトカテコール−O−メチルトランスフェラーゼの調製
完全長のヒトカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(以下、COMT)をコードする、NCBI(National Center for Biotechnology Information)上に登録されている受入番号BC011935のDNA配列に基づき、配列番号1記載の組換えヒトCOMTをコードするDNA配列を増幅するために2つのオリゴヌクレオチドプライマーを設計した。5’プライマーの配列を配列番号3に、3’プライマーの配列を配列番号4に示した。これらのプライマーは、所望のベクター中に該当PCR産物を挿入しやすくするために制限酵素部位(5’側はBamH I、3’側はEcoR I)を含んでいる。
配列番号3記載の5’プライマーおよび配列番号4記載の3’プライマーの各々を、TE緩衝液で希釈して15pmol/μL溶液とした。HO(PCR用, 34.8μL)、25mmol/L MgSO (2.0μL)、2mmol/L dNTPs (5.0μL)、10倍濃縮のDNAポリメラーゼ KOD plus緩衝液 (5.0μL、東洋紡)を混合し、PCR反応用混合物を調製した。次いでヒト肝臓cDNA(5.0μL、Clontech)、更に各々のプライマー対(1μL、15pmol)を上記混合物に加え、最後に1.0μLのKOD plus(東洋紡)を加えた。その後、PCR反応を行なった。PCR反応は94℃2分間の処置後、94℃15秒間、59℃30秒間、68℃1分間でこのサイクルを40サイクル行った。次いで68℃5分間、4℃10分間で終了した。
PCR産物をQIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN)にて精製した。所望のインサートDNAは同キットのEB緩衝液(30μL)で溶出した。
【0210】
(2)組換えヒトCOMTインサートDNAおよびpGEX−2Tベクターの二重消化
組換えヒトCOMTインサートDNA(1.5μg)に、10倍濃縮のEcoR I緩衝液 (3.0μL、New England Biolab)、HO(11.1μL)、BamH I(1.5μL、15U、10U/μL)とEcoR I(1.0μL、15U、10U/μL)を加え混合した。その混合溶液を37℃で1.5時間加熱した。更にその溶液に10倍濃縮のローディング緩衝液を加えた。混合溶液を電気泳動にて分離し、当該消化断片を有するDNAを含むゲルの部分を切り出し、MinElute Gel Extraction Kit(QIAGEN)を使用して精製した。 pGEX−2TベクターDNA(1.5μg、Amersham)についても同様に二重消化を行い精製した。
【0211】
(3)ライゲーションと大腸菌JM109の形質転換
二重消化したpGEX−2Tベクター(2.0μL、50ng)およびインサートDNA(1.24μL、33.4ng)を、2倍濃縮のライゲーション緩衝液(3.24μL、Promega)に加えて混合した。次いで、T4リガーゼ(1.0μL、3U/μL、Promega)を混合溶液に加え、その混合物を25℃で1時間インキュベーションした。次に、大腸菌JM109(100μL)を0℃にて溶解し、リガーゼで反応させた上記混合溶液(5μL)をJM109懸濁液に加え、穏やかに混合し、0℃で30分間静置した。この混合物に強く振盪すること無しに42℃で40秒間の熱ショックを与え、0℃で10分間冷却した。次いで、450μLのSOC溶液を熱ショック後の溶液に加え37℃で1時間振盪した。振盪後、混合溶液の50μLと200μLを、LB−アンピシリン培地のプレート上(直径9cm、アンピシリン濃度100μg/mL)にそれぞれ播種し、37℃で16時間の静置培養をおこなった。その結果、プレート上にはコロニーが出現していた。
【0212】
(4)GST融合組換えヒトCOMTプラスミドによるJM109形質転換後のコロニーセレクション
上記の静置培養後のプレートから適当数のコロニーを選択し、それらを滅菌爪楊枝にてLB−アンピシリン液体培地(各2mL、アンピシリン濃度100μg/mL)に植菌し、37℃で16時間振盪培養した。それぞれから200μLを1.5mLマイクロチューブに分取し、フェノール抽出法によってプラスミドを抽出した。抽出されたプラスミドは、TE緩衝液に再溶解し、電気泳動に供した。検出されたバンドの泳動位置が、インサートDNAのないpGEX−2Tベクターのそれと近いものを一次陽性コロニーと判定し、以下の制限酵素二重消化による再確認を行なった。
上記の一次陽性コロニー由来のDNA溶液(各7μL)を、10倍濃縮のEcoR I緩衝液(0.9μL、New England Biolab)と混和し、次いでBamH I(0.5μL、10U/μL) とEcoR I(0.5μL、15U/μL)を添加した。その溶液は、37℃で1時間加温した後、電気泳動を行なった。およそ670bpの位置にバンドが検出された試料が由来するコロニーを、二次陽性コロニーと判定した。
【0213】
(5)GST融合組換えヒトCOMTプラスミドの大腸菌JM109からの抽出と精製
(4)で二次陽性コロニーと判定された、GST融合組換えヒトCOMTプラスミドでの形質転換JM109の培養液は、一部(100μL)をグリセロールストックとし、残りの培養液は12000rpmで10分間遠心を行い、大腸菌ペレットを得た。得られた大腸菌ペレットから、QIAGEN Plasmid mini kit(QIAGEN)を用いてプラスミドDNAを精製した。その濃度はOD260nmによって決定され247ng/μLであった。常法に従い配列確認を行ったところ、配列番号2のDNA配列が所望の位置に挿入されていた。
【0214】
(6)GST融合組換えヒトCOMTプラスミドDNAの大腸菌BL21 CODON PLUS (DE3)RPへの形質転換
(5)で精製され配列確認が終了したGST融合組換えヒトCOMTプラスミドDNA1μL(1ng/μL)を0℃で融解した大腸菌BL21 CODON PLUS (DE3)RP細胞懸濁液50μLに加え、(3)と同様に形質転換を行い、プレート培養を行った。
【0215】
(7)GST融合組換えヒトCOMTの発現
形質転換後の大腸菌BL21 CODON PLUS (DE3)RPのプレートからコロニーを拾い上げ、5mLのLB−アンピシリン培地(アンピシリン濃度100μg/mL)に投入し、37℃にて15時間振盪培養を行った。培養液の一部50μLをグリセロールストックとし、−80℃で保存した。使用時にこのグリセロールストックの一部を150mLのLB−アンピシリン培地(アンピシリン濃度100μg/mL)に植菌し、37℃にて16時間振盪培養を行った。この培養液を500mLずつ7本のLB−アンピシリン培地(アンピシリン濃度100μg/mL)で希釈し、20℃にて4.5時間振盪培養を行った。培養液の600nm吸光度が0.44となっていることを確認した後、各50μLのイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(1mol/L)を添加し,20℃にて18時間振盪培養を行った。この培養液を9000rpmで20分間遠心して大腸菌ペレットを回収し、4gずつ4本に分けて使用時まで−80℃で凍結保存した。
【0216】
(8)GST融合組換えヒトCOMTのトロンビン処理
(7)から得られた大腸菌ペレットに40mLのBugBuster溶液(Novagen)、30μLのBenzonase(Novagen)および1μLのrLysozyme(Novagen)を添加し、15分間室温にて穏やかに撹拌しながら処理した。得られたライゼートを12000rpm、4℃、20分間遠心し、上澄み液を回収した。次いで、予めD−PBS(Dulbecco’s Phosphate Buffered Saline)にて平衡化し、D−PBSで50%に再懸濁させた、20mLのグルタチオン4BSepharose(レジンベッドボリューム10mL)を上記上澄み溶液に加え、得られた混合物を4℃にて1時間振盪した。振盪後の混合物をフィルターによりレジンと濾液に分別した。得られたレジンを30mLのD−PBSで5回洗浄し、30mLのトロンビン処理用緩衝液(150mmol/L NaCl、50mmol/L Tris−HCl、pH8.0、10%glycerol、2.5mmol/L CaCl、0.5% β−オクチル−D−グルコピラノシド)で3回洗浄した。次いで、レジンにトロンビン処理用緩衝液を加え30mLとし、トロンビン(アマシャムバイオサイエンス)30ユニットを加えた。レジン混合液を4℃で15時間穏やかに撹拌した後、レジンを濾過し、濾液として得られた組換えヒトCOMTの溶液を使用時まで−80℃で保管した。
【0217】
2)ヒトCOMT阻害作用の測定
ヒトCOMT阻害作用の測定は、Zurcher Gらの方法(J. Neurochem., 1982年, 38巻, P.191-195)を一部改変して実施した。1)で調製した組換えヒトCOMT(約1mg/mL)0.25μL、リン酸カリウム緩衝液(500mmol/L、pH7.6)40μL、塩化マグネシウム(100mmol/L)10μL、ジチオスレイトール(62.5mmol/L)10μL、アデノシンデアミナーゼ(2550ユニット/mL)0.5μLと試験化合物の混合物を37℃で5分間プレインキュベートした。対照サンプルは同様の方法で調製したが、試験化合物の代わりにジメチルスルホキシド(5μL)を加えた。[3H]-S-アデノシル-L-メチオニン(12.5mmol/L、1.2Ci/mol;アマシャムバイオサイエンス社製)20μLの添加後、カテコール基質(7mmol/L)25μLを加えることにより反応を開始した。反応混合液(終容量0.25mL)は、37℃で30分間インキュベートした。反応は氷冷した0.1g/Lのグアイアコールを含む1mol/L塩酸(0.25mL)を加えることで停止させた。シンチレーター(オプティフロー(登録商標)0;パッカード社製)2.5mLを加え、次いで1分間勢い良く振とうした後、パッカード社製液体シンチレーションカウンター(TRICARB 1900CA)で有機層に存在する放射活性を直接計数した。ブランクはカテコール基質の非存在下でインキュベートした(基質を反応停止後に加えた)。IC50値は酵素活性を50%阻害するのに要した濃度を示す。比較例として、トルカポン、エンタカポンおよび非特許文献4記載の5−メタンスルホニル−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール(比較例1)を同様に試験した。これらの結果を表14に示した。
【0218】
【表14】

【0219】
試験例2
ラット肝細胞毒性
-150℃に保存されたラット凍結肝細胞3x10−6cells/vialを37℃に温め、グルコース含有thawing medium (10mL)に加えて混合した後、1000rpmで1分間遠心した。上清を除去した後、細胞沈査をWilliams E.medium (15mL)に懸濁させた。薬物はジメチルスルホキシドを用いて45、15、4.5、1.5、0.45mmol/Lに調製後、各薬物溶液およびコントロール(ジメチルスルホキシド)を2.0μLずつ試験管に分注した。この試験管に上記の細胞の懸濁液(300μL)を分注して混合させた。各懸濁液を96ウェルプレートに100μLずつ分注し、37℃にて4時間COインキュベータ中でインキュベートした。Promega社のCell Viability Assay法に従いATP活性を測定した。コントロールの50%ATP活性を示す濃度をEC50値として表した。これらの結果を表15に示した。
【0220】
【表15】

【0221】
これらの試験の結果、本発明の化合物は、極めて軽微な肝細胞毒性しか示さないことが示唆された。
【産業上の利用可能性】
【0222】
本発明の化合物は、優れたCOMT阻害作用を有するので、パーキンソン病、うつ病、高血圧症の治療または予防剤として有用である。特に本発明の化合物と、L−ドパとを組み合わせて使用することにより、L−ドパの生体内利用率を増加させ、その作用時間を延長させることができるので、パーキンソン病の治療および予防に好適である。
【配列表フリーテキスト】
【0223】
<配列番号1>
配列番号1は、組換えヒトカテコール−O−メチルトランスフェラーゼの配列である。
<配列番号2>
配列番号2は、配列番号1の組換えヒトカテコール−O−メチルトランスフェラーゼを発現するように配列番号3および4のプライマーを用いて増幅されたDNA配列である。
<配列番号3>
配列番号3は、配列番号2のDNAを増幅するために使用された5’プライマーの配列である。
<配列番号4>
配列番号4は、配列番号2のDNAを増幅するために使用された3’プライマーの配列である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

〔式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、低級アシル基、低級アルコキシカルボニル基、または−C(O)NR1112を表すか、あるいはRおよびRが一緒になって−C(O)−を形成し;
およびRは、それぞれ独立して、以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基およびシアノ基から選択される1〜3個の基で置換されるアリール基、または
d)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基およびシアノ基から選択される1〜3個の基で環が置換されるアロイル基であり;
Aは、結合または低級アルキレン基であり;
、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、以下のa)〜s):
a)水素原子、
b)ハロゲン原子、
c)低級アルキル基、
d)ハロ低級アルキル基、
e)シクロアルキル基、
f)低級アルコキシ基、
g)ハロ低級アルコキシ基、
h)ヒドロキシ基、
i)ヒドロキシ低級アルキル基、
j)カルボキシ基、
k)低級アルコキシカルボニル基、
l)シクロアルキルオキシカルボニル基、
m)低級アシル基、
n)低級アルキルスルホニル基、
o)シアノ基、
p)ニトロ基、
q)−C(O)NR1112
r)−SONR1112、または
s)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、低級アシル基および低級アルコキシカルボニル基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるアリール基を表すか、
あるいは、R、R、R、RおよびRのうち2つが隣接する場合、それらが結合して、−O(CHO−、−(CH−、−C(O)−NH−C(O)−、または−CH=CH−CH=CH−で表される基を形成し;
11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基またはアラルキル基を表すか、あるいはR11およびR12が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環状アミノ基を形成し;
mは、1または2であり;
nは、3または4である〕
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項2】
およびRが、水素原子である、請求項1に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項3】
が、水素原子であり、
が、以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基およびシアノ基から選択される1〜3個の基で置換されるアリール基、または
d)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基およびシアノ基から選択される1〜3個の基で環が置換されるアロイル基である、請求項2に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項4】
およびRが、水素原子である、請求項2に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項5】
Aが、結合である、請求項4に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項6】
、R、R、RおよびRが、それぞれ独立して、以下のa)〜l):
a)水素原子、
b)ハロゲン原子、
c)低級アルキル基、
d)ハロ低級アルキル基、
e)低級アルコキシ基、
f)ヒドロキシ基、
g)カルボキシ基、
h)低級アルコキシカルボニル基、
i)シアノ基、
j)ニトロ基、
k)−C(O)NR1112、または
l)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、低級アシル基および低級アルコキシカルボニル基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるアリール基を表すか、
あるいは、R、R、R、RおよびRのうち2つが隣接する場合、それらが結合して、−O(CHO−、または−CH=CH−CH=CH−で表される基を形成する、請求項5に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項7】
以下からなる群:
5−(3−クロロフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール;
3−ニトロ−5−(4−メチルフェニルメタンスルホニル)ベンゼン−1,2−ジオール;
3−ニトロ−5−(3−メチルフェニルメタンスルホニル)ベンゼン−1,2−ジオール;
5−(2,3−ジクロロフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール;
5−(3,4−ジクロロフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール;
3−ニトロ−5−フェニルメタンスルホニルベンゼン−1,2−ジオール;
3−ニトロ−5−[2−(4−ニトロフェニル)エタンスルホニル]ベンゼン−1,2−ジオール;および
5−(3−クロロ−4−メチルフェニルメタンスルホニル)−3−ニトロベンゼン−1,2−ジオール、
から選択される化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩と、L−ドパおよび芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤から選択される少なくとも1種とを組み合わせてなる医薬。

【公開番号】特開2008−308493(P2008−308493A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−126726(P2008−126726)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(000104560)キッセイ薬品工業株式会社 (78)
【Fターム(参考)】