説明

新規な置換ピラゾール誘導体

【課題】心臓循環系疾患の処置のための薬剤として有用な、新規置換ピラゾール誘導体の提供。
【解決手段】一般式(1)の化合物。


[式中、R1はフリルを示し、該フリルは場合によりホルミル、フッ素、塩素等を含むことができる、炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状(置換)アルキル等により置換されていることができ、R2及びR3は二重結合を含んでピリジル、ピラジニル、ピリミジニル又はピリダジニル環を形成し、Aはテトラヒドロピラニル、フェニル、ピリミジル、チエニル又はピリジルを示す。]の置換ピラゾール誘導体又はその異性体もしくは塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な置換ピラゾール誘導体、その製造法及び薬剤、特に心臓血管障害の処置のための薬剤としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
1−ベンジル−3−(置換ヘテロアリール)−縮合ピラゾール誘導体が血小板凝集を阻害することはすでに開示されている(特許文献1を参照されたい)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第667 345 A1号明細書
【発明の概要】
【0004】
本発明は、一般式(I)
【0005】
【化1】

【0006】
[式中、
はS、N及び/又はOより成る群からの最高で3個の複素原子を有する飽和もしくは芳香族5−もしくは6−員複素環を示し、それは窒素原子を介して結合していることができそしてそれは場合によりアミノ、アジド、ホルミル、メルカプチル、カルボキシル、ヒドロキシル、それぞれ炭素数が最高で6の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシ、アルキルチオ又はアルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、フェニルあるいはそれ自身がヒドロキシル、アミノ、アジド、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状アシル、アルコキシ、アルコキシカルボニルもしくはアシルアミノにより又は式−ORの基により置換されていることができる炭素数が最高で6の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルにより最高で3回同一に又は異なって置換されていることができ、
ここで
は炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状アシル又は式−SiRの基を示し、
ここで
、R及びRは同一もしくは異なり、炭素数が6〜10のアリール又は炭素数が最高で6のアルキルを示し、
ならびに/あるいは式
【0007】
【化2】

【0008】
又は−S(O)−NR10の基により置換されており、
ここで
a、b及びb’は同一もしくは異なり、0、1、2もしくは3の数を示し、
は水素又は炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、
cは1もしくは2の数を示し、
及びR10は同一もしくは異なり、水素又は炭素数が最高で10の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、それは場合により炭素数が3〜8のシクロアルキルにより又はそれ自身がハロゲンにより置換されていることができる炭素数が6〜10のアリールにより置換されていることができるか、あるいは
場合によりハロゲンにより置換されていることができる炭素数が6〜10のアリールを示すか、あるいは
炭素数が3〜7のシクロアルキルを示すか、あるいは
及びR10は窒素原子と一緒になって5−〜7−員の飽和複素環を形成し、それは場合によりさらなる酸素原子又は基−NR11を含有することができ、ここで
11は水素、炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル又は式
【0009】
【化3】

【0010】
の基を示すかあるいはベンジル又はフェニルを示し、ここで環系は場合によりハロゲンにより置換されていることができ、
及びRは二重結合を含んでN、S及び/又はOより成る群からの最高で3個の複素原子を有する6−員の飽和もしくは芳香族複素環を形成し、それは場合によりホルミル、カルボキシル、ヒドロキシル、メルカプチル、それぞれ炭素数が最高で6の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルキルチオもしくはアルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン又はそれぞれ炭素数が最高で6であり、それ自身がヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニルにより置換されていることができる直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル又はアルコキシにより最高で3回同一にもしくは異なって置換されていることができ
ならびに/あるいは複素環は場合により式−NR1213又は−S(O)’NR’R10’の基により置換されていることができ、ここで
12及びR13は同一又は異なり、水素又は炭素数が最高で6の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示すか、あるいは
12は水素を示し、
13はホルミルを示し、
c’、R’及びR10’は上記のc、R及びR10の意味を有し、これらと同一又は異なっており、
ならびに/あるいは複素環は場合によりフェニルにより置換されていることができ、それ
自身はハロゲンにより又はそれぞれ炭素数が最高で6の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルもしくはアルコキシにより最高で2回同一にもしくは異なって置換されていることができ、
ならびに/あるいは複素環は場合により式−N=CH−NR1415の基により置換されていることができ、ここで
14及びR15は同一又は異なり、水素、フェニル又は炭素数が最高で6の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、
AはS、N及び/又はOより成る群からの最高で3個の複素原子を有する5−もしくは6−員の芳香族もしくは飽和複素環又はフェニルを示し、そのそれぞれは場合によりアミノ、メルカプチル、ヒドロキシル、ホルミル、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で6の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルキルチオ、アルキルオキシアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、アジド、ハロゲン、フェニル又は炭素数が最高で6であり、それ自身がヒドロキシル、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニルにより置換されていることができる直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルにより最高で3回同一にもしくは異なって置換されていることができ、
ならびに/あるいは式−(CO)−NR1617の基により置換されており、
ここで
dは0又は1の数を示し、
16及びR17は同一又は異なり、水素、フェニル、ベンジル又はそれぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルもしくはアシルを示す]
の新規な置換ピラゾール誘導体ならびにその異性体及び塩に関する。
【0011】
本発明の一般式(I)の化合物は、その塩の形態で存在することもできる。本明細書では一般に有機もしくは無機塩基もしくは酸との塩を挙げることができる。
【0012】
本発明の範囲内では生理学的に許容され得る塩が好ましい。本発明の化合物の生理学的に許容され得る塩は、無機酸、カルボン酸又はスルホン酸との本発明の物質の塩であることができる。特に好ましい塩は例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸又は安息香酸との塩である。
【0013】
生理学的に許容され得る塩は、遊離のカルボキシル基を有する本発明の化合物の金属もしくはアンモニウム塩であることもできる。特に好ましいものは、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウムもしくはカルシウム塩ならびにまたアンモニア、あるいは有機アミン類、例えばエチルアミン、ジ−もしくはトリエチルアミン、ジ−もしくはトリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、アルギニン、リシン又はエチレンジアミンから誘導されるアンモニウム塩である。
【0014】
本発明の化合物は像と鏡像として挙動する(エナンチオマー)として、あるいは像と鏡像として挙動しない(ジアステレオマー)立体異性体として存在することができる。本発明はエナンチオマー又はジアステレオマー及びそれらのそれぞれの混合物の両方に関する。ジアステレオマーと同様に、ラセミ体も既知の方法で立体異性体的に均一な成分に分離することができる。
【0015】
本発明の範囲内で複素環は、上記の置換基に依存して、一般に飽和もしくは芳香族5−もしくは6−員複素環を示し、それはS、N及び/又はOより成る群からの最高で3個の複素原子を含有していることができ、窒素原子の場合、これを介して結合していることもできる。挙げることができる例は:オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、ピ
リジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、チエニル、フリル、ピロリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、1,2,3−トリアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、モルホリニル又はピペリジルである。チアゾリル、フリル、オキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル及びテトラヒドロピラニルが好ましい。
【0016】
本発明の一般式(I)の好ましい化合物は、
がピリミジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピラジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラニル又はモルホリニルを示し、それらのそれぞれは場合によりアミノ、ホルミル、メルカプチル、カルボキシル、ヒドロキシル、それぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシ、アルキルチオもしくはアルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、アジド、フッ素、塩素、臭素、フェニル又はそれ自身がヒドロキシル、アミノ、アジド、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシ、アルコキシカルボニルもしくはアシルアミノにより又は式−ORの基により置換されていることができる炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルにより最高で3回同一にもしくは異なって置換されていることができ、
ここで
は炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アシルを示し、
ならびに/あるいは式
【0017】
【化4】

【0018】
又は−S(O)−NR10の基により置換されており、
ここで
a、b及びb’は同一もしくは異なり、0、1、2もしくは3の数を示し、
は水素又は炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、
cは1もしくは2の数を示し、
及びR10は同一もしくは異なり、水素又は炭素数が最高で9の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、それは場合によりシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はナフチルもしくはフェニルにより置換されていることができ、それ自身はフッ素もしくは塩素により置換されていることができるか、あるいは
フェニル又はナフチルを示し、そのそれぞれは場合によりフッ素又は塩素により置換されていることができるか、あるいは
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルを示すか、あるいは
及びR10は窒素原子と一緒になってモルホリン環又は式
【0019】
【化5】

【0020】
の基を形成し、ここで
11は水素、メチル又は式
【0021】
【化6】

【0022】
の基を示すかあるいはベンジルもしくはフェニルを示し、ここで環系は場合によりフッ素又は塩素により置換されていることができ、
及びRが二重結合を含んでピリジル、ピリミジニル、ピラジニル又はピリダジニル環を形成し、そのそれぞれは場合によりホルミル、カルボキシル、ヒドロキシル、メルカプチル、それぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルキルチオ又はアルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、アジド、フッ素、塩素、臭素又はそれ自身がヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニルにより置換されていることができるそれぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルもしくはアルコキシにより最高で3回同一にもしくは異なって置換されていることができ、
ならびに/あるいは上記の複素環は場合により式−NR1213又は
−S(O)’NR’R10’の基により置換されていることができ、ここで
12及びR13は同一又は異なり、水素又は炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示すか、あるいは
12は水素を示し、
13はホルミルを示し、
c’、R’及びR10’は上記のc、R及びR10の意味を有し、これらと同一又は異なっており、
ならびに/あるいは上記の複素環は場合によりフェニルにより置換されていることができ、それ自身はフッ素、塩素、臭素又はそれぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルもしくはアルコキシにより置換されていることができ、
ならびに/あるいは上記の複素環は場合により式
【0023】
【化7】

【0024】
の基により置換されていることができ、ここで
14及びR15は水素又は炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、
Aがチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、フェニル、モルホリニル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル又はピリジルを示し、そのそれぞれは場合によりヒドロキシル、ホルミル、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルキルチオ、アルコキシアシル、アルコキシもしくはアルコキシ
カルボニル、フッ素、塩素、臭素、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル又はそれ自身がヒドロキシル、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニルにより置換されていることができるそれぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルにより最高で2回同一にもしくは異なって置換されていることができ、
ならびに/あるいは式−(CO)−NR1617の基により置換されており、
ここで
dは0又は1の数を示し、
16及びR17は同一もしくは異なり、水素、フェニル、ベンジル又はそれぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル又はアシルを示す
化合物ならびにその異性体及び塩である。
【0025】
本発明の一般式(I)の特に好ましい化合物は、
がイミダゾリル、フリル、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジル、イソオキサゾリル、オキサゾリル又はチアゾリルを示し、それらのそれぞれは場合によりホルミル、フッ素、塩素、アミノ、メルカプチル、シアノ、それぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルキルチオ、アルコキシもしくはアルコキシカルボニル又はそれ自身がヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アジド、それぞれ炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシ、アルコキシカルボニルもしくはアシルアミノにより置換されていることができる炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルにより最高で3回同一にもしくは異なって置換されていることができ、
ならびに/あるいは式
【0026】
【化8】

【0027】
又は−S(O)−NR10の基により置換されており、
ここで
a、b及びb’は同一もしくは異なり、0、1もしくは2の数を示し、
は水素又はメチルを示し、
cは1もしくは2の数を示し、
及びR10は同一もしくは異なり、水素又は炭素数が最高で9の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、それは場合によりフェニル又はナフチルにより置換されていることができるか、あるいは
フェニル又はナフチルを示し、そのそれぞれは場合によりフッ素又は塩素により置換されていることができるか、あるいは
シクロプロピル又はシクロヘプチルを示すか、あるいは
及びR10は窒素原子と一緒になってモルホリン環又は式
【0028】
【化9】

【0029】
の基を形成し、ここで
11は水素、メチル又は式
【0030】
【化10】

【0031】
の基を示すかあるいはベンジルもしくはフェニルを示し、ここで環系は場合により塩素により置換されていることができ、
及びRが二重結合を含んでピリジル、ピラジニル、ピリミジニル又はピリダジニル環を形成し、そのそれぞれは場合によりホルミル、メルカプチル、カルボキシル、ヒドロキシル、それぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシ、アルキルチオ又はアルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、フッ素、塩素又はそれ自身がヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニルにより置換されていることができるそれぞれ炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルもしくはアルコキシにより最高で3回同一にもしくは異なって置換されていることができ、
ならびに/あるいは複素環は場合によりアミノ、N,N−ジメチルアミノにより又は式−NH−CHOもしくは−N=CH−N(CHの基により及び/又はフェニルにより置換されていることができ、
それ自身は式−O(CH−CHの基により置換されていることができ、
Aがテトラヒドロピラニル、フェニル、ピリミジル、チエニル又はピリジルを示し、そのそれぞれは場合によりホルミル、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルキルチオ、アルキルオキシアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニル、フッ素、塩素、臭素、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル又はそれ自身がヒドロキシル、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニルにより置換されていることができる炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルにより最高で2回同一にもしくは異なって置換されていることができる
化合物ならびにその異性体及び塩である。
【0032】
本発明の一般式(I)の特別に好ましい化合物は、
Aがフェニル、ピリミジルあるいはフッ素−置換フェニル又はピリミジルを示す
化合物ならびにその異性体及び塩である。
【0033】
さらに、本発明の一般式(I)の化合物の製造法が見いだされ、その方法は上記のR及びRのもとに挙げた複素環の種々の意味に依存して、[A]一般式(II)
−D (II)
[式中、
は上記で示した意味を有し、
Dは式
【0034】
【化11】

【0035】
の基を示し、
ここで
18はC−C−アルキルを示す]
の化合物を不活性溶媒中で、適宜塩基の存在下に一般式(III)
A−CH−NH−NH (III)
[式中、
Aは上記で示した意味を有する]
の化合物と反応させることにより一般式(IV)又は(IVa)
【0036】
【化12】

【0037】
[式中、
A及びRは上記で示した意味を有する]
の化合物に転化し、
一般式(IVa)の化合物の場合には、次いでカルボン酸、ニトリル、ホルムアミド又はグアニジニウム塩を用いて環化し、
一般式(IV)の化合物の場合には、次いで酸の存在下及び適宜マイクロ波下で、1,3−ジカルボニル誘導体、その塩、互変異性体、エノールエーテルもしくはエナミンを用いて環化するか、
あるいは
[B]R及びRが一緒になってピラジン環を形成する場合、一般式(IV)の化合物を最初にニトロソ化により一般式(V)
【0038】
【化13】

【0039】
[式中、
A及びRは上記で示した意味を有する]
の化合物に転化し、
第2段階で、還元により一般式(VI)
【0040】
【化14】

【0041】
[式中、
A及びRは上記で示した意味を有する]
の化合物を製造し、
最後に、1,2−ジカルボニル化合物、好ましくはグリオキサール水溶液を用いて環化するか、
あるいは
[C]一般式(VII)
【0042】
【化15】

【0043】
[式中、
、R及びRは上記で示した意味を有し、
Lは式−SnR192021、ZnR22の基、ヨウ素、臭素又はトリフレートを示し、
ここで
19、R20及びR21は同一又は異なり、炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、
22はハロゲンを示す]
の化合物を一般式(VIII)
−T (VIII)
[式中、
は上記で示した意味を有し、
L=SnR192021又はZnR22の場合、
Tはトリフレート又はハロゲン、好ましくは臭素を示し、
L=ヨウ素、臭素又はトリフレートの場合、
Tは式SnR19’R20’R21’、ZnR22’又はBR23’R24’の基を示し、
ここで
19’、R20’、R21’及びR22’は上記で示したR19、R20、R21及びR22の意味を有し、それらと同一又は異なり、
23’及びR24’は同一又は異なり、ヒドロキシル、炭素数が6〜10のアリールオキシ又はそれぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル又はアルコキシを示すかあるいは一緒になって5−もしくは6−員の炭素環式環を形成する]
の化合物と、不活性溶媒中で、適宜塩基の存在下においてパラジウム−触媒反応において反応させるか、
[D]
【0044】
【化16】

【0045】
であり、
ここで
25は場合によりハロゲンで置換されていることができる(C−C)−アルキルを示す場合、
一般式(IX)
【0046】
【化17】

【0047】
[式中、
A、R及びRは上記で示した意味を有する]
の化合物をNaOCO−CH/N−メチルピロリジンの系中で直接又は式(X)
【0048】
【化18】

【0049】
[式中、
25は上記で示した意味を有する]
の化合物との反応により一般式(Ia)
【0050】
【化19】

【0051】
[式中、
、R、A及びR25は上記で示した意味を有する]
の化合物に転化し、
次いで、メタノール中における水酸化カリウムの作用によりアセチル基を除去するか、
あるいは
最初に、一般式(IX)の化合物と式(X)の化合物の反応により一般式(XI)
【0052】
【化20】

【0053】
[式中、
、R、A及びR25は上記で示した意味を有する]
の化合物を製造し、
さらなる段階において、水酸化カリウムの作用によりヒドロキシメチル化合物を製造し、−S(O)NR10及び−S(O)’NR’R10’の基の場合、一般式
(I)の非置換化合物から出発して、最初にチオニルクロリドとそして第2段階で適したアミンと反応させ、
適宜、R、R、R及び/又はAのもとに挙げた置換基を通常の方法に従って、好ましくは塩素化、接触水素化、還元、酸化、保護基の除去及び/又は求核置換により変化させるか又は導入する
ことを特徴とする。
【0054】
及びRのもとに挙げた複素環は、他の既知の複素環式合成に従って一般式(II)の適切に置換された化合物の反応により導入することもできる。
【0055】
本発明の方法は例えば以下の反応式により例示することができる:
【0056】
【化21】

【0057】
【化22】

【0058】
【化23】

【0059】
【化24】

【0060】
【化25】

【0061】
この場合に該方法の各段階に適した溶媒は反応条件下で変化しない不活性有機溶媒である。
これらにはエーテル類、例えばジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン、DME、ジオキサン、アルコール類、例えばメタノール及びエタノール、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロエタン又はトリクロロエチレン、炭化水素、例えばベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン又は石油留分、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、アセトン、アセトニトリル又はヘキサメチルホスホルアミドが含まれる。溶媒の混合物を用いることも可能である。テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、トルエン、ジオキサン又はジメトキシエタンが特に好ましい。
【0062】
本発明の方法のために用いられる塩基は一般に無機もしくは有機塩基であることができる。これらには好ましくはアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化バリウム、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム、アルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウムあるいはアルカリ金属又はアルカリ土類金属アルコキシド、例えばナトリウムもしくはカリウムメトキシド、ナトリウムもしくはカリウムエトキシド又はカリウムtert−ブトキシドあるいは有機アミン類(トリアルキル(C−C)−アミン類)、例えばトリエチルアミンあるいは複素環、例えば1.4−ジアゾビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)、ピリジン、ジアミノピリジン、メチルピペリジン又はモルホリンが含まれる。塩基としてナトリウムなどのアルカリ金属及び水素化ナトリウムなどのその水素化物を用いることもできる。炭酸ナトリウム及びカリウム、トリエチルアミンならびに水素化ナトリウムが好ましい。 塩基は一般式(II)の化合物の1モルに対して1モル〜5モル、好ましくは1モル〜3モルの量で用いられる。
【0063】
反応は一般に0℃〜150℃、好ましくは+20℃〜+110℃の温度範囲内で行われる。
【0064】
常圧、加圧もしくは減圧において反応を行うことができる(例えば0.5〜5バール)。一般に反応は常圧で行われる。
【0065】
環化のために適した酸は一般にプロトン酸である。これらには好ましくは無機酸、例えば塩酸又は硫酸あるいは場合によりフッ素、塩素及び/又は臭素により置換されていることができる炭素数が1〜6の有機カルボン酸、例えば酢酸、三フッ化酢酸、三塩化酢酸又はプロピオン酸あるいはC−C−アルキル基又はアリール基を有するスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はトルエンスルホン酸が含まれる。
【0066】
接触水素化は一般に水中又は不活性有機溶媒、例えばアルコール類、エーテル類もしくはハロゲン化炭化水素又はそれらの混合物中で水素を用い、Raneyニッケル、パラジウム、獣炭担持パラジウム又は白金などの触媒を用いてあるいは不活性溶媒中で、適宜触媒の存在下に、水素化物もしくはボランを用いて行うことができる。
【0067】
塩素化は一般に通常の塩素化剤、例えばPCl、PCl、POCl又は元素塩素を用いて行われる。POClが本発明の範囲内で好ましい。
【0068】
式−S(O)NR10及び−S(O)’NR’R10’の基が存在する場合、対応する非置換化合物を最初にチオニルクロリドと反応させる。さらなる段階において
、上記のエーテル類の1つ、好ましくはジオキサン中においてアミンとの反応を行う。c=2の場合、次いで通常の方法に従って酸化を行う。反応は0℃〜70℃の温度範囲内及び常圧において行われる。
【0069】
求核置換及びVilsmeier反応は通常の公開されている方法に従って行われる。
【0070】
還元は一般に還元剤を用いて、好ましくはカルボニルからヒドロキシル化合物への還元に適した還元剤を用いて行われる。この場合、不活性溶媒中で、適宜トリアルキルボランの存在下に、金属水素化物又は錯体金属水素化物を用いる還元が特に適している。好ましくは還元は錯体金属水素化物、例えばホウ水素化リチウム、ホウ水素化ナトリウム、ホウ水素化カリウム、ホウ水素化亜鉛、リチウムトリアルキルボロハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド又は水素化リチウムアルミニウムを用いて行われる。ジイソブチルアルミニウムハイドライド及びホウ水素化ナトリウムを用いる還元が特別に好ましい。
【0071】
還元剤は一般に還元されるべき化合物の1モルに対して1モル〜6モル、好ましくは1モル〜4モルの量で用いられる。
【0072】
還元は一般に、DIBAHの場合は−78℃〜+50℃、好ましくは−78℃〜0℃の温度範囲内、NaBHの場合は0℃から室温において行われる。
【0073】
還元は一般に常圧で行われるが、加圧又は減圧で行うこともできる。
【0074】
一般式(II)及び(III)の化合物はそれ自体既知であるか又は通常の方法により製造することができる[このために:J.Hromatha et al.,Monatsh.Chem.1976.107.233を参照されたい)。
【0075】
一般式(IV)、(IVa)、(V)及び(VI)の化合物はいくつかの場合には既知であり、上記の通りに製造することができる。
【0076】
この場合、方法[C]のために適した溶媒は、反応条件下で変化しない不活性有機溶媒である。これらにはエーテル類、例えばジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン、DME、ジオキサン、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン又はトリクロロエチレン、炭化水素、例えばベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン又は石油留分、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、アセトン、アセトニトリル又はヘキサメチルホスホルアミドが含まれる。溶媒の混合物を用いることも可能である。テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、トルエン、ジオキサン又はジメトキシエタンが特に好ましい。
【0077】
反応は一般に0℃〜150℃、好ましくは+20℃〜+110℃の温度範囲内で行われる。
【0078】
常圧、加圧又は減圧において反応を行うことができる(例えば0.5〜5バール)。一般に反応は常圧で行われる。
【0079】
本発明の範囲内で適したパラジウム化合物は一般にPdCl(P(C、パラジウムビスジベンジリデンアセトン(Pd(dba))、[1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−パラジウム(II)クロリド(Pd(dppf)Cl)又はPd(P(Cである。Pd(P(Cが好まし
い。
【0080】
一般式(VIII)の化合物はそれ自体既知であるか又は通常の方法により製造することができる。
【0081】
一般式(VII)の化合物はいくつかの場合には既知であるかあるいは錫の場合、それは新規であり、その場合は例えば一般式(XII)
【0082】
【化26】

【0083】
[式中、
、R及びAは上記で示した意味を有し、
はトリフレート又はハロゲン、好ましくはヨウ素を示す]
の化合物を一般式(XIII)
(SnR192021 (XIII)
[式中、
19、R20、R21は上記で示した意味を有する]
の化合物と、パラジウム触媒反応を用いて上記の通りに反応させることにより製造することができる。
【0084】
一般式(XII)及び(XIII)の化合物はそれ自体既知であるかあるいは通常の方法により製造することができる。
【0085】
本発明の方法[D]は上記の塩基の1つを用い、好ましくはN−メチルピロリドン中で、100℃〜200℃の温度範囲内、好ましくは150℃において行われる。
【0086】
一般式(IX)及び(X)の化合物は既知であるか又は通常の方法により製造することができる。
【0087】
一般式(Ia)及び(XI)の化合物は新規であり、上記の通りに製造することができる。
【0088】
誘導化反応の経過中に典型的保護基が用いられる場合、その除去は一般に上記のアルコールの1つ及び/又はTHF又はアセトン、好ましくはメタノール/THF中で、塩酸又は三フッ化酢酸又はトルエンスルホン酸の存在下に、0℃〜70℃の温度範囲内、好ましくは室温及び常圧において行われる。
【0089】
本発明の一般式(I)の化合物は予期し得ない価値のある範囲の薬理学的作用を示す。
【0090】
一般式(I)の化合物は血管緊張低下/血小板凝集の阻害ならびに血圧降下及び又冠状動脈血流の増加に導く。これらの作用は可溶性グアニル酸シクラーゼの直接刺激及び細胞内cGMP増加に媒介される。さらに本発明の化合物はcGMP量を増加させる物質、例えばEDRF(内皮−由来弛緩因子)、NOドナー、プロトポルフィリンIX、アラキド
ン酸又はフェニルヒドラジン誘導体の作用を向上させる。
【0091】
従って心臓血管障害の処置、例えば高血圧及び心不全、安定及び不安定狭心症、末梢及び心臓血管障害、不整脈の処置、血栓塞栓性障害及び虚血、例えば心筋梗塞、発作、一過性及び虚血性発作、末梢循環障害の処置、血栓崩壊治療、経皮経管動脈形成(PTA)、経皮経管冠動脈形成(PTCA)、バイパス形成の後などの再狭窄の予防ならびに又動脈硬化及び泌尿生殖器系の障害、例えば前立腺肥大、勃起機能障害及び失禁の処置のための薬剤において本発明の化合物を用いることができる。
【0092】
本発明はさらに本発明の一般式(I)の化合物と有機ナイトレート及びNOドナーとの組み合わせを含む。
【0093】
本発明の範囲内において有機ナイトレート及びNOドナーは一般にNOもしくはNO化学種の放出を介してその治療的作用を示す物質である。ニトロプルシドナトリウム、ニトログリセリン、イソソルビドジニトレート、イソソルビドモノニトレート、モルシドミン及びSIN−1が好ましい。
【0094】
本発明はさらにサイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)の分解を阻害する化合物との組み合わせを含む。これらは特にホスホジエステラーゼ1、2及び5の阻害剤である;Beavo and Reifsnyder(1990)TiPS 11 p.150〜155に従う命名。本発明の化合物の作用はこれらの阻害剤により効力を増し、所望の薬理学的効果が増加する。
【0095】
心臓血管性作用を決定するために以下の研究を行った:血管由来の細胞への試験管内研究においてグアニル酸シクラーゼ−依存性cGMP生成への流入(influx)をNOドナーを用いて及び用いずに調べた。コラーゲンを用いて刺激されたヒトの血小板につき抗凝集性が示された。フェニレフリンを用いて予備収縮されたウサギ大動脈輪において血管弛緩作用が決定された。血圧降下作用(hypotensive action)を麻酔されたラットにおいて研究した。
【0096】
一次内皮細胞における可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激
コラーゲナーゼ溶液を用いて処理することにより一次内皮細胞をウサギ大動脈から単離した。次いで密集に達するまで細胞を培地中で37℃/5%COにおいて培養した。研究のために、細胞を継代培養し、24−穴細胞培養プレート中に接種し、密集(〜2x10細胞/穴)に達するまで継代培養した。内皮グアニル酸シクラーゼの刺激のために、培地を吸引し、細胞をリンゲル液で1回洗浄した。リンゲル液を除去した後、NOドナー(ニトロプルシドナトリウム、SNP、1μモル)を含む又は含まない刺激緩衝液中で37℃/5%COにおいて10分間細胞をインキュベーションした。これに続き、試験物質(最終的濃度1μモル)をピペットにより細胞に加え、それらをさらに10分間インキュベーションした。インキュベーション時間の終了の後、緩衝液を吸引し、4℃における冷停止緩衝液を細胞に加えた。次いで細胞を〜20℃において16時間ライシスした。次いで細胞内cGMPを含有する上澄み液を除去し、cGMP−SPA系(Amersham Buchler,Brunswick)を用いてcGMP濃度を決定した。
【0097】
【表1】

【0098】
試験管内における血管弛緩作用
ウサギを首への一撃により麻痺させ(anaesthetized)、放血させた。大動脈を取り出し、粘着組織を除去し、1.5mmの幅の輪に分割し、以下の組成(ミリモル):NaCl:119;KCl:4.8;CaClx2HO:1;MgSOx7HO:1.4;KHPO:1.2;NaHCO:25;グルコース:10の37℃における温かい、が通気された炭素源(carbogen aerated)Krebs−Henseleit液を含む5mlの器官浴中に予備張力下でそれぞれに移した。
【0099】
Statham UC2細胞を用いて収縮性を検出し、増幅し、A/Dコンバータ(DAS−1802 HC,Keithley Instruments Munich)を用いてデジタル化し、線形記録計に並列に記録した。収縮を生ぜしめるために、フェニレフリンを増加する濃度において累積的に浴に加える。
【0100】
何回かの標準サイクルの後、それぞれのもう一回の経過において、それぞれの場合に用量を増加させて研究されるべき物質を調べ、収縮の高さを最後の予備経過で達成された収縮の高さと比較する。これから標準の高さの値を50%減少させるのに必要な濃度(IC50)を算出する。標準的投与容積は5μlであり、浴溶液におけるDMSOの割合は0.1%に相当する。
【0101】
【表2】

【0102】
麻酔されたラットにおける血圧測定
300〜350gの体重を有する雄のWistarラットをチオペンタール(100mg/kg、腹腔内)を用いて麻酔する。気管切開の後、血圧測定のために大腿動脈にカテーテルを挿入する。試験されるべき物質をTylose溶液中の懸濁液として胃管を用いて種々の用量で経口的に投与する。
【0103】
【表3】

【0104】
試験管内における血小板凝集の阻害
血小板凝集−阻害作用の決定のために、両方の性の健康な被験者からの血液を用いた。抗凝血物質として、9部の血液を1部の3.8%濃度クエン酸ナトリウム水溶液に混合した。遠心を用い、血小板に富むクエン酸塩血漿(citrate plasma)(PRP)をこの血液から得た(J rgens/Beller,Klinische Methoden der Blutgerinnungsanalyse[Clinical
Methods of Blood Coagulation Analysis];Thieme Verlag,Stuttgart,1959)。
【0105】
この研究のために、445μlのPRP及び5μlの活性化合物溶液を水浴中で37℃において予備インキュベーションした。次いで比濁分析法により濁度計において37℃で血小板凝集を決定した(Born,G.V.R.,J.Physiol.(London),168,178−195,1963)。この目的のために、予備インキュベーションされた試料を50μlのコラーゲン、凝集−誘導剤で処理し、光学濃度における変化を決定した。定量的評価のために、最大凝集応答を決定し、これから標準と比較した阻害パーセンテージを算出した。
【0106】
本発明で記載する化合物はNO/cGMP系の障害を特徴とする中枢神経系の疾患の抑制のための活性化合物でもある。特定的には、それは認識欠乏(cognitive deficits)の除去、学習及び記憶力の向上ならびにアルツハイマー病の処置のために適している。それは不安、緊張及び抑鬱状態などの中枢神経系の障害、中枢神経系−関連性的不能ならびに睡眠障害の処置ならびに又食品、お茶、コーヒー、アルコール、タバコ及び常習性薬物摂取の病理学的障害の調節にも適している。
【0107】
さらに、これらの活性化合物は脳血液循環の調節にも適しており、かくして片頭痛の抑
制のための有効な薬剤である。
【0108】
それは脳梗塞(脳卒中)の後遺症、例えば発作、脳虚血及び頭蓋脳損傷の予防及び抑制にも適している。本発明の化合物を痛みの状態の抑制に用いることもできる。
【0109】
本発明は、無毒性不活性な製薬学的に許容され得る賦形剤に加えて、1種もしくはそれより多い本発明の化合物を含むか、あるいは1種もしくはそれより多い本発明の活性化合物から成る製薬学的調剤ならびにこれらの調剤の製造法を含む。
【0110】
活性化合物は場合により上記の1種もしくはそれより多い賦形剤中にそして又マイクロカプセル封入された形態で存在することができる。
【0111】
治療的に活性な化合物は混合物全体の約0.1〜99.5、好ましくは約0.5〜95重量%の濃度で上記の製薬学的調剤中に存在しなければならない。
【0112】
本発明の化合物に加え、上記の製薬学的調剤はさらに別の製薬学的活性化合物を含有することもできる。
【0113】
一般に、所望の結果を達成するために、活性化合物を24時間毎に体重1kg当たり約0.5〜約500、好ましくは5〜100mgの合計量で、適宜数回の個別の投薬の形態で投与するのが人間の医学及び獣医学の両方において有利であることが証明された。個別の投薬は活性化合物を好ましくは体重1kg当たり約1〜約80、特に3〜30mgの量で含有する。
【実施例】
【0114】
略字
MeOH=メタノール
E=エタノール
EA=酢酸エチル
T=トルエン
Ph=フェニル
以下の表においてRの欄の下の溶媒の略字の後の数字は重量部を示す。
【0115】
出発化合物
実施例IA
5−アミノ−1−ベンジル−3−(5−ヒドロキシメチル−2−フリル)−ピラゾール
【0116】
【化27】

【0117】
44.1g(817ミリモル)のナトリウムメトキシドを撹拌しながら1.3lのエタ
ノール中の79.5g(408ミリモル)のベンジルヒドラジン二塩酸塩の溶液に加える。15分後、67.4g(408ミリモル)の2−シアノメチルカルボニル−5−ヒドロキシメチルフランを加え、混合物を還流下で3時間撹拌する。冷却後、1lの水を加え、エタノール部分を真空中で蒸発させ、沈殿する結晶を吸引濾過する。水及び次いでエーテルで洗浄した後、沈殿をP上で乾燥する。163℃の融点を有する91g(理論値の83%)の生成物が得られる。
【0118】
表1Aに示す化合物を類似して製造した:
【0119】
【表4】

【0120】
実施例5A
5−アミノ−1−(2−フルオロベンジル)−3−(5−ヒドロキシメチル−2−フリル)−4−ニトロソ−ピラゾール
【0121】
【化28】

【0122】
10g(34.8ミリモル)の5−アミノ−1−(2−フルオロベンジル)−3−(5−ヒドロキシメチル−2−フリル)−ピラゾールを最初に66mlのエタノールと26.7mlの5%濃度塩酸水溶液の混合物中に導入し、5分かけて26.4mlの15%濃度亜硝酸エチルのエタノール性溶液で処理し、室温で1時間撹拌する。深い紫色の反応溶液を炭酸カリウム水溶液に加え、酢酸エチルで抽出する。有機相を真空中で蒸発させた後、8gの残留物が得られ、それを直接さらに反応させることができる(R=0.17、T1E1、SiO)。
【0123】
実施例6A
4,5−ジアミノ−1−(2−フルオロベンジル)−3−(5−ヒドロキシメチル−2−フリル)−ピラゾール
【0124】
【化29】

【0125】
実施例5Aからの化合物(8g)をエタノールに溶解し、0.5gの5%濃度パラジウムカーボンで処理し、Parr装置において2バールの水素圧で15分間水素化する。溶液をキーゼルグールを介して吸引濾過し、次のバッチに用いる(R=0.21、T1E1、SiO)。
【0126】
実施例7A
3−アミノ−2−(2−フルオロベンジル)−ピラゾール
【0127】
【化30】

【0128】
これは特許Fr.1403372(Chem.Abstr.1965,63,14871a)に記載されている方法と類似して得た。
【0129】
実施例8A
1−(2−フルオロベンジル)−ピラゾロ[3,4−b]ピリミジン
【0130】
【化31】

【0131】
32gの3−アミノ−2−(2−フルオロベンジル)−ピラゾールを1.5lのジオキサンに溶解し、31.45gのジメチルアミノアクロレインで処理する。混合物を50℃に温め、次いで16.65gの三フッ化酢酸を加える。混合物を60時間煮沸し、次いで溶媒を真空中で蒸発させ、残留物を水で処理し、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相をNaSOを用いて乾燥し、真空中で蒸発させ、残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける。トルエン→トルエン/酢酸エチル 9:1を用いて溶離させた後、0.69(SiO、T)のRを有する17.3g(理論値の46.3%)の表題化合物が得られる。
【0132】
実施例9A
3−ブロモ−1−(2−フルオロベンジル)−ピラゾロ[3,4−b]ピリミジン
【0133】
【化32】

【0134】
8g(35.2ミリモル)の1−(2−フルオロベンジル)ピラゾロ[3,4−b]ピリミジンを284mlのクロロホルムに溶解し、室温で14g(87.3ミリモル)の臭素を用いてゆっくりと処理する。混合物を終夜撹拌し、次いでさらに1.2mlの臭素を滴下する。2時間後、反応を停止させ、真空中で蒸発させる。残留物を20mlの酢酸エチルで処理し、結晶化させる。結晶をエーテルで洗浄した後、0.2(SiO、トルエン)のRを有する7.5g(理論値の70%)の表題化合物が得られる。
【0135】
実施例10A
1−(2−フルオロベンジル)−3−トリメチルスタンニルピラゾロ[3,4−b]ピリミジン
【0136】
【化33】

【0137】
1.22g(4ミリモル)の3−ブロモ−1−(2−フルオロベンジル)ピラゾロ[3,4−b]ピリミジンを200mlのジオキサンにアルゴン下で溶解し、4.5g(13.74ミリモル)のヘキサメチルジスタンナン及び1.2gのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムで処理する。混合物を100℃で終夜撹拌し、水に加え、酢酸エチルで抽出する。有機相をNaSOを用いて乾燥し、真空中で蒸発させ、シリカゲル上でクロマトグラフィーにかける。トルエンを用いて溶離させた後、0.074(SiO
、トルエン)のRを有する1.4g(理論値の89.7%)の表題化合物が得られる。
【0138】
実施例11A
【0139】
【化34】

【0140】
500mgの1−(2−フルオロベンジル)ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボン酸(1.84ミリモル)を10mlのメチレンクロリドに部分的に溶解し、400mgのN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(2.3ミリモル)を加える。混合物を室温で10分間撹拌し(完全な溶液)、次いで5mlのメチレンクロリド中の260mgの1,1−ジクロロ−3−アミノ−ブテ−1−エン(1.84ミリモル)を滴下する。
【0141】
約3時間後、混合物を濃縮し、シリカゲル上で精製する(溶媒:シクロヘキサン/EA
1:1)。340mg(47%)の1−(2−フルオロベンジル)−3−(1,1−ジクロロブテ−1−エン−3−イル−アミド)ピラゾロ[3,4]ピリジンが得られる、R 0.35(シクロヘキサン:EA 2:1)。MS(ESI−POSITIVE):417(27,[M+Na]);415(42,[M+Na]);395(60,[M+H]);393(100,[M+H])。
【0142】
製造実施例
実施例1
1−(2−フルオロベンジル)−3−(2−ヒドロキシメチル−2−フリル)ピラゾロ[3,4−b]ピラジン
【0143】
【化35】

【0144】
実施例6Aからの粗バッチ(200mlのエタノール中の8g)を4.61gの40%濃度グリオキサル水溶液で処理し、室温で10時間撹拌する。混合物を真空中で蒸発させ、トルエン/酢酸エチル混合物を用いてSiO上でクロマトグラフィーにかける。エーテルを用いて結晶化した後、194℃の融点を有する0.57g(理論値の7.6%)の表題化合物が得られる。
【0145】
実施例2
1−(2−フルオロベンジル)−3−(2−フリル)−6−ヒドロキシピラゾロ[3,4−b]ピリジン
【0146】
【化36】

【0147】
7g(27.2ミリモル)の5−アミノ−1−(2−フルオロベンジル)−3−(2−フリル)ピラゾール、3.94g(27.3ミリモル)の3−エトキシアクリル酸エチル及び1.96ml(27.3ミリモル)の三フッ化酢酸を緊密に混合し、マイクロ波オーブン中で2分間反応させる。混合物を500mlの水中の10gのKHPOの溶液に加え、500mlの酢酸エチルで抽出する。MgSOを用いて有機相を乾燥した後、30gのシリカゲルを加え、混合物を真空中で蒸発させる。残留物をシリカゲルカラム上でトルエン−酢酸エチル勾配を用いてクロマトグラフィーにかける。第1の画分をエーテルを用いて結晶化させ、250℃の融点を有する1.8g(理論値の21.4%)の表題化合物を得る。
【0148】
表1に挙げる化合物を実施例2の方法と類似して製造した:
【0149】
【表5】

【0150】
実施例5
4−アミノ−1−(2−フルオロベンジル)−3−(2−フリル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン
【0151】
【化37】

【0152】
2g(7.1ミリモル)の5−アミノ−4−シアノ−1−(2−フルオロベンジル)−3−(2−フリル)ピラゾール及び30mlのホルムアミドを最初に100℃及び次いで195℃で3時間撹拌する。冷却すると結晶化する材料を吸引濾過し、冷ホルムアミドで洗浄し、残留物を酢酸エチル中に取り上げ、溶液を水で洗浄する。有機相の乾燥及び蒸発の後、190℃の融点を有する2.13g(理論値の97%)の表題化合物が得られる。R=0.07(T1E1)。
【0153】
表2に挙げる化合物が類似の方法で、例えば2−プロピルオキシフェニルニトリル、ベンゾニトリル又は炭酸水素グアニジニウムから得られる:
【0154】
【表6】

【0155】
実施例10
1−ベンジル−3−(2−フリル)−4−ヒドロキシピラゾロ[3,4−d]ピリミジン
【0156】
【化38】

【0157】
6.14g(23.2ミリモル)の5−アミノ−1−ベンジル−4−シアノ−3−(2−フリル)ピラゾール(R=0.6)を100mlのギ酸中で3.75時間煮沸する。次いでそのバッチを真空中で蒸発させる。残留物を水で処理し、混合物を酢酸エチルと共に振ることにより抽出する。不溶性部分を吸引濾過し、5.1gの目標化合物(融点=242℃、R=0.3、SiO、トルエン/酢酸エチル=1:1)を得る。有機相を蒸発させることによりさらなる量を単離することができる。
【0158】
実施例11
1−ベンジル−4−クロロ−3−(2−フリル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン
【0159】
【化39】

【0160】
6.6gの1−ベンジル−3−(2−フリル)−4−ヒドロキシピラゾロ[3,4−d]ピリミジンを100mlのPOCl中で12時間煮沸する。混合物を真空中で蒸発させ、残留物をKHPO水溶液と一緒に撹拌し、混合物を酢酸エチルで抽出する。NaSOを用いて乾燥し、回転蒸発器中で濃縮した後、7.47gの固体が得られ、それを次の段階のために直接反応させることができる(R=0.8、SiO、トルエン/酢酸エチル=1:1)。
【0161】
実施例12
1−ベンジル−3−(2−フリル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン
【0162】
【化40】

【0163】
5.81gの1−ベンジル−4−クロロ−3−(2−フリル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンを450mlのジオキサンに溶解し、2.61mlのトリエチルアミンを加えた後にParr装置中で3バールの水素圧において、4gのカーボン担持20%Pd(OH)を用いて5時間水素化する。キーゼルグールを介した濾過、蒸発及びクロマトグラフィーの後に2.26gの黄色がかった結晶が得られる(融点=106℃、R=0.2、トルエン/酢酸エチル=4:1)。
【0164】
実施例13
1−ベンジル−3−(5−ヒドロキシメチル−2−フリル)−1−H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン
【0165】
【化41】

【0166】
2.69g(10ミリモル)の5−アミノ−1−ベンジル−3−(5−ヒドロキシメチル−2−フリル)ピラゾール及び1.4gのマロンアルデヒド水和物ナトリウム塩を100mlのジオキサン中で100℃において30分間撹拌し、5.5時間かけて1.9mlの三フッ化酢酸でゆっくりと処理する。混合物を真空中で蒸発させ、残留物を酢酸エチル中に取り上げ、混合物をKHPO溶液と一緒に振ることにより抽出し、有機相をNaSOを用いて乾燥し、回転蒸発器において真空中で濃縮する。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィーにかける。104℃の融点を有する200mg(理論値の6.6%)の結晶が得られる。
【0167】
表3に挙げる化合物を上記の方法と類似して製造する:
【0168】
【表7】

【0169】
【表8】

【0170】
実施例20
3−(4,5−ジメチルピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)ピラゾロ[3,4−b]ピリミジン
【0171】
【化42】

【0172】
1.4g(3.59ミリモル)の1−(2−フルオロベンジル)−3−トリメチルスタンニルピラゾロ[3,4−b]ピリミジンをトルエン中でアルゴン下に、0.51g(3.58ミリモル)の2−クロロ−4,5−ジメチルピリミジン及び0.2g(0.28ミリモル)のビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウムと一緒に終夜煮沸する。3gのシリカゲルを加え、溶媒を真空中で蒸発させる。次いで残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、トルエン/酢酸エチル混合物を用いて溶離させる。167℃の融点及び0.08のR(SiO、T4E)を有する0.34g(理論値の28.4%)の表題化合物が得られる。
【0173】
表4に示す実施例を類似の方法で製造した。
【0174】
【化43】

【0175】
【表9】

【0176】
実施例22
1−ベンジル−3−(5−ホルミル−2−フリル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン
【0177】
【化44】

【0178】
0.74mlのPOClを0℃において0.64mlのDMFに加える。固化する混合物を室温とし、14mlの1,2−ジクロロエタンを加える。この溶液に14mlの1,2−ジクロロエタン中の2gの1−ベンジル−3−(2−フリル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(R=0.45、SiO、トルエン/酢酸エチル=1:1)の溶液を15℃で滴下し、次いでそれを80℃に温める。4時間後、バッチ全体を1.5mlのPOCl及び1.3mlのDMFから調製されたさらなるVilsmeier試薬に滴下し、80℃で24時間撹拌する。次いで混合物を50%のKHPO水溶液に加え、撹拌しながら短時間75℃に加熱する。酢酸エチルを用いる抽出、有機相の乾燥、回転蒸発器における蒸発及びSiO上のクロマトグラフィーの後、0.6g(理論値の27%)の油が得られる(R=0.3、SiO、トルエン/酢酸エチル=1:1)。
【0179】
表5からの実施例を上記の方法と類似して製造する。
【0180】
【表10】

【0181】
【表11】

【0182】
【表12】

【0183】
【表13】

【0184】
実施例33
1−ベンジル−3−(5−ヒドロキシメチル−2−フリル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン
【0185】
【化45】

【0186】
0.6g(1.97ミリモル)の1−ベンジル−3−(5−ホルミル−2−フリル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(R=0.65、SiO、酢酸エチル)を室温において十分に撹拌しながら20mlの1−プロパノール中で60mgのNaBHを用いて処理する。15分後、50mlの水及び2.5mlの氷酢酸を加える。回転蒸発器において部分的に濃縮した後、混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を乾燥し、トルエンを加えた後に回転蒸発器において濃縮する。SiO上のクロマトグラフィーの後、74.8mg(理論値の12.4%)の生成物が得られる(融点165℃、R=0.43、SiO、酢酸エチル)。
【0187】
表6に示す化合物を実施例33の方法と類似して製造する:
【0188】
【表14】

【0189】
【表15】

【0190】
【表16】

【0191】
【表17】

【0192】
【表18】

【0193】
実施例46
1−(2−フルオロベンジル)−3−[5−(ピペリジン−1−スルフィニル)フラン−2−イル]−1H−ピラゾロ−[3,4−b]ピリジンの製造
【0194】
【化46】

【0195】
a)1−(2−フルオロベンジル)−3−[5−クロロスルフィニルフラン−2−イル]ピラゾロ[3,4−b]−ピリジンの製造
【0196】
【化47】

【0197】
0.85g(2.86ミリモル)の1−(2−フルオロベンジル)−3−(2−フリル)ピラゾロ[3,4−b]ピリジンを20mlのチオニルクロリドと一緒に70℃で25分間撹拌する。次いでそのバッチを真空中で蒸発させ、粗形態でさらに反応させる。
b)上記のバッチを30mlのジオキサン中に取り上げ、0.6ml(約6ミリモル)のピペリジンで処理し、激しく振り、終夜放置する。それを水に加え、混合物を酢酸エチルと一緒に振ることにより抽出する。NaSOを用いて有機相を乾燥した後、それを蒸発させ、残留物をトルエン/酢酸エチル勾配を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける。0.49g(理論値の40%)の褐色透明の粘性シロップが得られる(R(SiO;T1E1)=0.36)。
【0198】
表7に示す化合物を上記の方法及び実施例46の方法と類似して製造する。
【0199】
実施例67を実施例20の方法と類似して製造する。
【0200】
【表19】

【0201】
【表20】

【0202】
【表21】

【0203】
【表22】

【0204】
【表23】

【0205】
【表24】

【0206】
【表25】

【0207】
【表26】

【0208】
【表27】

【0209】
実施例68
1−(2−フルオロベンジル)−3−(4−メチル−3−ヒドロキシメチルオキサゾール−2−イル)ピラゾロ[3,4b]ピリジン
【0210】
【化48】

【0211】
330mgの1−(2−フルオロベンジル)−3−(1,1−ジクロロブテ−1−エン−3−イル−アミド)ピラゾロ[3,4b]ピリジン(0.84ミリモル)、1.7mlのNaOH 1N(1.68ミリモル)及び3.3mlの1−メチル−2−ピロリドンを50℃で終夜撹拌し、次いで冷ます。混合物を水及び酢酸エチルで処理する。有機相を分
離し、NaSO上で乾燥し、濃縮する。混合物を高真空中で乾燥する。次いで固体をシクロヘキサン/EA 2:1で処理し、結晶を生成させる。結晶を吸引濾過し、室温でエテールと共に撹拌する。不溶性の不純物を分離する。エーテル性溶液を濃縮し、クロマトグラフィーにより精製する。52.1mg(18%)の1−(2−フルオロベンジル)−3−(4−メチル−3−ヒドロキシメチルオキサゾール−2−イル)ピラゾロ[3,4b]ピリジンが得られる。融点 145℃。R:0.074(シクロヘキサン:EA 2:1)。MS(ESI−POSITIVE):339(100,[M+H])。
【0212】
実施例69
1−(2−フルオロベンジル)−3−(4−エチル−3−ヒドロキシメチルオキサゾール−2−イル)ピラゾロ[3,4b]ピリジン
【0213】
【化49】

【0214】
該化合物を実施例68の方法と類似して製造する。収率(理論値の52%)、R 0.33(ヘキサン:EA 1:1)。
【0215】
なお、本発明の主たる特徴及び態様を要約すれば以下のとおりである。
【0216】
1.一般式(I)
【0217】
【化50】

【0218】
[式中、
はS、N及び/又はOより成る群からの最高で3個の複素原子を有する飽和もしくは芳香族5−もしくは6−員複素環を示し、それは窒素原子を介して結合していることができそしてそれは場合によりアミノ、アジド、ホルミル、メルカプチル、カルボキシル、ヒドロキシル、それぞれ炭素数が最高で6の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシ、アルキルチオ又はアルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、フェニルあるいはそれ自身がヒドロキシル、アミノ、アジド、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシ、アルコキシカルボニルもしくはアシルアミノにより又は式−ORの基により置換されていることができる炭素数が最高で6の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルにより最高で3回同一に又は異なって置換されていることができ、
ここで
は炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状アシル又は式−SiRの基を示し、
ここで
、R及びRは同一もしくは異なり、炭素数が6〜10のアリール又は炭素数が最高で6のアルキルを示し、
ならびに/あるいは式
【0219】
【化51】

【0220】
又は−S(O)−NR10の基により置換されており、
ここで
a、b及びb’は同一もしくは異なり、0、1、2もしくは3の数を示し、
は水素又は炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、
cは1もしくは2の数を示し、
及びR10は同一もしくは異なり、水素又は炭素数が最高で10の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、それは場合により炭素数が3〜8のシクロアルキルにより又はそれ自身がハロゲンにより置換されていることができる炭素数が6〜10のアリールにより置換されていることができるか、あるいは
場合によりハロゲンにより置換されていることができる炭素数が6〜10のアリールを示すか、あるいは
炭素数が3〜7のシクロアルキルを示すか、あるいは
及びR10は窒素原子と一緒になって5−〜7−員の飽和複素環を形成し、それは場合によりさらなる酸素原子又は基−NR11を含有することができ、ここで
11は水素、炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル又は式
【0221】
【化52】

【0222】
の基を示すかあるいはベンジル又はフェニルを示し、ここで環系は場合によりハロゲンにより置換されていることができ、
及びRは二重結合を含んでN、S及び/又はOより成る群からの最高で3個の複素原子を有する6−員の飽和もしくは芳香族複素環を形成し、それは場合によりホルミル、カルボキシル、ヒドロキシル、メルカプチル、それぞれ炭素数が最高で6の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルキルチオもしくはアルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン又はそれぞれ炭素数が最高で6であり、それ自身がヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニルにより置換されていることができる直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル又はアルコキシにより最高で3回同一にもしくは異なって置換されていることができ
ならびに/あるいは複素環は場合により式−NR1213又は−S(O)’NR’R10’の基により置換されていることができ、ここで
12及びR13は同一又は異なり、水素又は炭素数が最高で6の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示すか、あるいは
12は水素を示し、
13はホルミルを示し、
c’、R’及びR10’は上記のc、R及びR10の意味を有し、これらと同一又は異なっており、
ならびに/あるいは複素環は場合によりフェニルにより置換されていることができ、それ自身はハロゲンにより又はそれぞれ炭素数が最高で6の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルもしくはアルコキシにより最高で2回同一にもしくは異なって置換されていることができ、
ならびに/あるいは複素環は場合により式−N=CH−NR1415の基により置換されていることができ、ここで
14及びR15は同一又は異なり、水素、フェニル又は炭素数が最高で6の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、
AはS、N及び/又はOより成る群からの最高で3個の複素原子を有する5−もしくは6−員の芳香族もしくは飽和複素環又はフェニルを示し、そのそれぞれは場合によりアミノ、メルカプチル、ヒドロキシル、ホルミル、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で6の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルキルチオ、アルキルオキシアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、アジド、ハロゲン、フェニル又は炭素数が最高で6であり、それ自身がヒドロキシル、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニルにより置換されていることができる直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルにより最高で3回同一にもしくは異なって置換されていることができ、
ならびに/あるいは式−(CO)−NR1617の基により置換されており、
ここで
dは0又は1の数を示し、
16及びR17は同一又は異なり、水素、フェニル、ベンジル又はそれぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルもしくはアシルを示す]
の置換ピラゾール誘導体ならびにその異性体及び塩。
【0223】
2.Rがピリミジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピラジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラニル又はモルホリニルを示し、それらのそれぞれは場合によりアミノ、ホルミル、メルカプチル、カルボキシル、ヒドロキシル、それぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシ、アルキルチオもしくはアルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、アジド、フッ素、塩素、臭素、フェニル又はそれ自身がヒドロキシル、アミノ、アジド、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシ、アルコキシカルボニルもしくはアシルアミノにより又は式−ORの基により置換されていることができる炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルにより最高で3回同一にもしくは異なって置換されていることができ、
ここで
は炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アシルを示し、
ならびに/あるいは式
【0224】
【化53】

【0225】
又は−S(O)−NR10の基により置換されており、
ここで
a、b及びb’は同一もしくは異なり、0、1、2もしくは3の数を示し、
は水素又は炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、
cは1もしくは2の数を示し、
及びR10は同一もしくは異なり、水素又は炭素数が最高で9の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、それは場合によりシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はナフチルもしくはフェニルにより置換されていることができ、それ自身はフッ素もしくは塩素により置換されていることができるか、あるいは
フェニル又はナフチルを示し、そのそれぞれは場合によりフッ素又は塩素により置換されていることができるか、あるいは
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルを示すか、あるいは
及びR10は窒素原子と一緒になってモルホリン環又は式
【0226】
【化54】

【0227】
の基を形成し、ここで
11は水素、メチル又は式
【0228】
【化55】

【0229】
の基を示すかあるいはベンジルもしくはフェニルを示し、ここで環系は場合によりフッ素又は塩素により置換されていることができ、
及びRが二重結合を含んでピリジル、ピリミジニル、ピラジニル又はピリダジニル環を形成し、そのそれぞれは場合によりホルミル、カルボキシル、ヒドロキシル、メルカプチル、それぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルキルチオ又はアルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、アジド、フッ素、塩素、臭素又はそれ自身がヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニルにより置換されていることができるそれぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルもしくはアルコキシにより最高で3回同一にもしくは異なって置換されていることができ、
ならびに/あるいは上記の複素環は場合により式−NR1213又は
−S(O)’NR’R10’の基により置換されていることができ、ここで
12及びR13は同一又は異なり、水素又は炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示すか、あるいは
12は水素を示し、
13はホルミルを示し、
c’、R’及びR10’は上記のc、R及びR10の意味を有し、これらと同一又は異なっており、
ならびに/あるいは上記の複素環は場合によりフェニルにより置換されていることができ、それ自身はフッ素、塩素、臭素又はそれぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルもしくはアルコキシにより置換されていることができ、
ならびに/あるいは上記の複素環は場合により式
【0230】
【化56】

【0231】
の基により置換されていることができ、ここで
14及びR15は水素又は炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、
Aがチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、フェニル、モルホリニル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル又はピリジルを示し、そのそれぞれは場合によりヒドロキシル、ホルミル、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルキルチオ、アルコキシアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニル、フッ素、塩素、臭素、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル又はそれ自身がヒドロキシル、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニルにより置換されていることができるそれぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルにより最高で2回同一にもしくは異なって置換されていることができ、
ならびに/あるいは式−(CO)−NR1617の基により置換されており、
ここで
dは0又は1の数を示し、
16及びR17は同一もしくは異なり、水素、フェニル、ベンジル又はそれぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル又はアシルを示す
上記1に記載の一般式(I)の化合物ならびにその異性体及び塩。
【0232】
3.Rがイミダゾリル、フリル、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジル、イソオキサゾリル、オキサゾリル又はチアゾリルを示し、それらのそれぞれは場合によりホルミル、フッ素、塩素、アミノ、メルカプチル、シアノ、それぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルキルチオ、アルコキシもしくはアルコキシカルボニル又はそれ自身がヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アジド、それぞれ炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシ、アルコキシカルボニルもしくはアシルアミノにより置換されていることができる炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルにより最高で3回同一にもしくは異なって置換されていることができ、
ならびに/あるいは式
【0233】
【化57】

【0234】
又は−S(O)−NR10の基により置換されており、
ここで
a、b及びb’は同一もしくは異なり、0、1もしくは2の数を示し、
は水素又はメチルを示し、
cは1もしくは2の数を示し、
及びR10は同一もしくは異なり、水素又は炭素数が最高で9の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、それは場合によりフェニル又はナフチルにより置換されていることができるか、あるいは
フェニル又はナフチルを示し、そのそれぞれは場合によりフッ素又は塩素により置換されていることができるか、あるいは
シクロプロピル又はシクロヘプチルを示すか、あるいは
及びR10は窒素原子と一緒になってモルホリン環又は式
【0235】
【化58】

【0236】
の基を形成し、ここで
11は水素、メチル又は式
【0237】
【化59】

【0238】
の基を示すか
あるいはベンジルもしくはフェニルを示し、ここで環系は場合により塩素により置換されていることができ、
及びRが二重結合を含んでピリジル、ピラジニル、ピリミジニル又はピリダジニル環を形成し、そのそれぞれは場合によりホルミル、メルカプチル、カルボキシル、ヒドロキシル、それぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシ、アルキルチオ又はアルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、フッ素、塩素又はそれ自身がヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニルにより置換されていることができるそれぞれ炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルもしくはアルコキシにより最高で3回同一にもしくは異なって置換されていることができ、
ならびに/あるいは複素環は場合によりアミノ、N,N−ジメチルアミノにより又は式−NH−CHOもしくは−N=CH−N(CHの基により及び/又はフェニルにより置換されていることができ、それ自身は式−O(CH−CHの基により置換され
ていることができ、
Aがテトラヒドロピラニル、フェニル、ピリミジル、チエニル又はピリジルを示し、そのそれぞれは場合によりホルミル、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルキルチオ、アルキルオキシアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニル、フッ素、塩素、臭素、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル又はそれ自身がヒドロキシル、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニルにより置換されていることができる炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルにより最高で2回同一にもしくは異なって置換されていることができる
上記1に記載の一般式(I)の化合物ならびにその異性体及び塩。
【0239】
4.R及びRのもとに定義される複素環の種々の意味に依存して、
[A]一般式(II)
−D (II)
[式中、
は上記で示した意味を有し、
Dは式
【0240】
【化60】

【0241】
の基を示し、
ここで
18はC−C−アルキルを示す]
の化合物を不活性溶媒中で、適宜塩基の存在下に一般式(III)
A−CH−NH−NH (III)
[式中、
Aは上記で示した意味を有する]
の化合物と反応させることにより一般式(IV)又は(IVa)
【0242】
【化61】

【0243】
[式中、
A及びRは上記で示した意味を有する]
の化合物に転化し、
一般式(IVa)の化合物の場合には、カルボン酸、ニトリル、ホルムアミド又はグアニジニウム塩を用いて環化し、
一般式(IV)の化合物の場合には、酸の存在下及び適宜マイクロ波下で、1,3−ジカルボニル誘導体、その塩、互変異性体、エノールエーテルもしくはエナミンを用いて環化
するか、
あるいは
[B]R及びRが一緒になってピラジン環を形成する場合、一般式
(IV)の化合物を最初にニトロソ化により一般式(V)
【0244】
【化62】

【0245】
[式中、
A及びRは上記で示した意味を有する]
の化合物に転化し、
第2段階で、還元により一般式(VI)
【0246】
【化63】

【0247】
[式中、
A及びRは上記で示した意味を有する]
の化合物を製造し、
最後に、1,2−ジカルボニル化合物、好ましくはグリオキサール水溶液を用いて環化するか、
あるいは
[C]一般式(VII)
【0248】
【化64】

【0249】
[式中、
、R及びRは上記で示した意味を有し、
Lは式−SnR192021、ZnR22の基、ヨウ素、臭素又はトリフレートを示し、
ここで
19、R20及びR21は同一又は異なり、炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを示し、
22はハロゲンを示す]
の化合物を一般式(VIII)
−T (VIII)
[式中、
は上記で示した意味を有し、
L=SnR192021又はZnR22の場合、
Tはトリフレート又はハロゲン、好ましくは臭素を示し、
L=ヨウ素、臭素又はトリフレートの場合、
Tは式SnR19’R20’R21’、ZnR22’又はBR23’R24’の基を示し、
ここで
19’、R20’、R21’及びR22’は上記で示したR19、R20、R21及びR22の意味を有し、それらと同一又は異なり、
23’及びR24’は同一又は異なり、ヒドロキシル、炭素数が6〜10のアリールオキシ又はそれぞれ炭素数が最高で5の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル又はアルコキシを示すか、あるいは一緒になって5−もしくは6−員の炭素環式環を形成する]
の化合物と、不活性溶媒中で、適宜塩基の存在下においてパラジウム−触媒反応において反応させるか、
[D]
【0250】
【化65】

【0251】
であり、
ここで
25は場合によりハロゲンで置換されていることができる(C−C)−アルキルを示す場合、
一般式(IX)
【0252】
【化66】

【0253】
[式中、
A、R及びRは上記で示した意味を有する]
の化合物をNaOCO−CH/N−メチルピロリジンの系中で直接又は式(X)
【0254】
【化67】

【0255】
[式中、
25は上記で示した意味を有する]
の化合物との反応により一般式(Ia)
【0256】
【化68】

【0257】
[式中、
、R、A及びR25は上記で示した意味を有する]
の化合物に転化し、
次いで、メタノール中における水酸化カリウムの作用によりアセチル基を除去するか、
あるいは
最初に、一般式(IX)の化合物と式(X)の化合物の反応により一般式(XI)
【0258】
【化69】

【0259】
[式中、
、R、A及びR25は上記で示した意味を有する]
の化合物を製造し、
さらなる段階において、水酸化カリウムの作用によりヒドロキシメチル化合物を製造し、適宜、通常の方法に従うアルキル化により対応するアルコキシ化合物に転化し、
−S(O)NR10及び−S(O)’NR’R10’の基の場合、一般式
(I)の非置換化合物から出発して、最初にチオニルクロリドとそして第2段階で適したアミンと反応させ、
適宜、R、R、R及び/又はAのもとに挙げた置換基を通常の方法に従って、好ましくは塩素化、接触水素化、還元、酸化、保護基の除去及び/又は求核置換により変化させるか又は導入する
ことを特徴とする上記1に記載の一般式(I)の化合物の製造法。
【0260】
5.上記1に記載の一般式(I)の化合物の少なくとも1種を含む薬剤。
【0261】
6.上記1に記載の式(I)の化合物の少なくとも1種を、適宜通常の助剤及び添加剤を用いて、適した投与形態に転換することを特徴とする薬剤の製造法。
【0262】
7.上記1に記載の一般式(I)の化合物の少なくとも1種を有機ナイトレート又はNOドナーと組み合わせて含む薬剤。
【0263】
8.上記1に記載の一般式(I)の化合物の少なくとも1種をサイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)の分解を阻害する化合物と組み合わせて含む薬剤。
【0264】
9.心臓血管障害の処置のための薬剤の製造における上記1に記載の一般式(I)の化合物の使用。
【0265】
10.血栓塞栓性障害及び虚血の処置のための薬剤の製造における上記1に記載の一般式(I)の化合物の使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

[式中、
はフリルを示し、該フリルは場合によりホルミル、フッ素、塩素、アミノ、メ
ルカプチル、シアノ、それぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル
、アルキルチオ、アルコキシもしくはアルコキシカルボニル、又はそれ自身がヒドロ
キシル、カルボキシル、アミノ、アジド、それぞれ炭素数が最高で3の直鎖状もしく
は分枝鎖状のアシル、アルコキシ、アルコキシカルボニルもしくはアシルアミノによ
り置換されていることができる炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル
により最高で3回同一にもしくは異なって置換されていることができ、
ならびに/あるいは式
【化2】

又は−S(O)c−NR10の基により置換されており、
ここで
a、b及びb′は同一もしくは異なり、0、1もしくは2の数を
示し、
は水素又はメチルを示し、
cは1もしくは2の数を示し、
及びR10は同一もしくは異なり、水素又は炭素数が最高で9の直鎖状もしく
は分枝鎖状アルキルを示し、該アルキルは場合によりフェニル又はナフチルにより置
換されていることができるか、あるいは
フェニル又はナフチルを示し、該フェニル及びナフチルはそれぞれ場合によりフッ
素又は塩素により置換されていることができるか、あるいは
シクロプロピル又はシクロヘプチルを示すか、あるいは
及びR10は窒素原子と一緒になってモルホリン環又は式
【化3】

の基を形成し、ここで
11は水素、メチル又は式
【化4】

の基を示すかあるいはベンジルもしくはフェニルを示し、ここで上記式の基、ベンジ
ル又はフェニルは場合により塩素により置換されていることができ、
及びRは二重結合を含んでピリジル、ピラジニル、ピリミジニル又はピリダ
ジニル環を形成し、該環はそれぞれ場合によりホルミル、メルカプチル、カルボキシ
ル、ヒドロキシル、それぞれ炭素数が最高で4の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、
アルコキシ、アルキルチオ又はアルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、フッ素、塩
素、又はそれ自身がヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高で
3の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボニルに
より置換されていることができるそれぞれ炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖
状のアルキルもしくはアルコキシにより最高で3回同一にもしくは異なって置換され
ていることができ、
ならびに/あるいは上記のピリジル、ピラジニル、ピリミジニル又はピリダジニル環
は場合によりアミノ、N,N−ジメチルアミノにより又は式−NH−CHOもしくは
−N=CH−N(CHの基により及び/又はフェニルにより置換されているこ
とができ、該フェニルは式−O(CH−CHの基により置換されていること
ができ、
Aはテトラヒドロピラニル、フェニル、ピリミジル、チエニル又はピリジルを示し
、これらの基はそれぞれ場合によりホルミル、カルボキシル、それぞれ炭素数が最高
で3の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルキルチオ、アルキルオキシアシル、ア
ルコキシもしくはアルコキシカルボニル、フッ素、塩素、臭素、ニトロ、シアノ、ト
リフルオロメチル、又はそれ自身がヒドロキシル、カルボキシル、それぞれ炭素数が
最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状のアシル、アルコキシもしくはアルコキシカルボ
ニルにより置換されていることができる炭素数が最高で3の直鎖状もしくは分枝鎖状
アルキルにより最高で2回同一にもしくは異なって置換されていることができる]
の置換ピラゾール誘導体又はその異性体もしくは塩。

【公開番号】特開2010−13475(P2010−13475A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210476(P2009−210476)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【分割の表示】特願平10−524218の分割
【原出願日】平成9年11月14日(1997.11.14)
【出願人】(309020976)バイエル・シエリング・フアーマ・アクチエンゲゼルシヤフト (6)
【Fターム(参考)】