説明

新規ベンゾイルピペリジン化合物

【課題】新規ベンゾイルピペリジン化合物の提供。
【解決手段】本発明は、ラセミ体の又は鏡像異性体が豊富なO−カルバモイル、アルコキシ、アゾール又はカーボネートベンゾイルピペリジン化合物及びこれらの薬学的に有用な塩に関する。本発明は、精神障害や認識機能障害のような中枢神経系疾患を治療するための、ラセミ体の又は鏡像異性体が豊富なベンゾイルピペリジン化合物の有効量を含む医薬組成物、並びに哺乳類の中枢神経系疾患の治療方法に関する。また、本発明は、前記化合物の製造方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、ラセミ体の又は鏡像異性体が豊富なベンゾイルピペリジン化合物及びその薬学的に有用な塩、中枢神経系疾患を治療するための、ラセミ体の又は鏡像異性体が豊富なベンゾイルピペリジン化合物の有効量を含む医薬組成物、並びに哺乳類の中枢神経系疾患の治療方法に関する。より特には、本発明は、精神障害及び認識機能障害のような中枢神経系疾患の治療のために有用な、ラセミ体の又は鏡像異性体が豊富なO−カルバモイル、アルコキシ、アゾール又はカーボネートベンゾイルピペリジン化合物及びこれらの薬学的に有用な塩に関する。また、本発明は、前記化合物の製造方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
多くの報告書において、ベンゾイルピペリジン化合物が、様々な中枢神経系(CNS)疾患を抑制するために、特に抗精神病剤及び鎮痛剤として、効果的に使用されることが開示されている。
1−[n−(2−アルキルチオ−10H−フェノチアジン−10−イル)アルキル]−4−ベンゾイルピペリジンが米国特許第4,812,456号明細書に開示され、6,7−ジヒドロ−3−フェニル−1,2−ベンズイソオキサゾール−4(5H)−オン及び−オルが米国特許第5,114,936号明細書に開示されている。これらの化合物は、抗精神病剤及び鎮痛剤のように、CNS疾患に対処する治療剤として非常に効果的であることが分かっている。
CNS疾患の治療のためのベンゾイルピペリジン化合物の用途について、活発な研究及び開発の努力が継続してそそがれてきた。
【特許文献1】米国特許第4,812,456号明細書
【特許文献2】米国特許第5,114,936号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の主な目的は、以下の構造式(I)
【化1】

(式中、
nは、0を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メタンスルホニル基及びフェニル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基;チエニル基;ナフチル基;ピリジル基;及びキノリル基からなる群から選択されるか;
又は、
nは、1ないし2の整数を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メタンスルホニル基及びフェニル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基又はフェノキシ基;チエニル基;ナフチル基;ピリジル基;及びキノリル基
からなる群から選択され;
Xは、O−カルバモイル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルコキシ基、イミダゾール基、トリアゾール基、テトラゾール基及びカルボネート基からなる群から選択され;及び、
Yは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基及び直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択される。)で表わされる、ラセミ体の又は鏡像異性体が豊富なベンゾイルピペリジン化合物、及びその薬学的に許容可能な塩を提供することにある。
【0004】
より具体的には、上記式(I)で表わされる本発明のベンゾイルピペリジン化合物は、以下の構造式(V)、(VIII)、(XIV)及び(XVI)で表わされるラセミ体の又は鏡像異性体が豊富な化合物を含む:
【化2】

(式中、
nは、0を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基;及びナフチル基からなる群から選択されるか;
又は、
nは、1ないし2の整数を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基又はフェノキシ基;及びナフチル基からなる群から選択され;
Yは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基及び直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され;及び、
R1及びR2は、同一であり得るか又は互いに異なり得り、独立して、水素原子、メトキシ基、ベンジル基及び5ないし7員の脂環式化合物からなる群から選択される。):
【化3】

(式中、
nは、0を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メタンスルホニル基、フェニル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基;チエニル基;ナフチル基;ピリジル基;及びキノリル基からなる群から選択されるか;
又は、
nは、1ないし2の整数を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メタンスルホニル基、フェニル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基又はフェノキシ基;チエニル基;ナフチル基;ピリジル基;及びキノリル基からなる群から選択され;
Yは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基及び直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され;及び、
R3は、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、5ないし7個の炭素原子を有する脂環式化合物及びベンジル基からなる群から選択される。):
【化4】

(式中、
nは、0ないし2の整数を表わし;
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基;及びナフチル基からなる群から選択され;
Yは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基及び直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され;及び、
Xは、以下の式(XII)
【化5】

を有するイミダゾール部分、トリアゾール部分又はテトラゾール部分を表わす。):
【化6】

(式中、
nは、0を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基からなる群から選択されるか;
又は、
nは、1ないし2の整数を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基又はフェノキシ基からなる群から選択され;
Yは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基及び直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され;及び、
R4は、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基及びベンジル基からなる群から選択される。)。
【0005】
本発明の他の目的は、精神障害及び認識機能障害のような中枢神経系疾患
の治療のための、上記構造式(I)で表わされるラセミ体の又は鏡像異性体が豊富なベンゾイルピペリジン化合物、特に、上記構造式(V)、(VIII)、(XIV)及び(XVI)で表わされる前記化合物の有効量を含む医薬組成物を提供することにある。
【0006】
本発明の更なる他の目的は、上記構造式(I)で表わされるラセミ体の又は鏡像異性体が豊富なベンゾイルピペリジン化合物、特に、上記構造式(V)、(VIII)、(XIV)及び(XVI)で表わされる前記化合物の有効量及び薬学的に許容可能なキャリアを、精神障害及び認識機能障害の治療を要する哺乳類に投与することからなる哺乳類の精神障害及び認識機能障害のような中枢神経系疾患の治療方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の詳細な説明
本発明に従って、構造式Iで表わされる化合物及びその薬学的に許容可能な塩は、以下の一般構造式(II)
【化7】

(式中、
nは、0を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メタンスルホニル基及びフェニル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基;チエニル基;ナフチル基;ピリジル基;及びキノリル基からなる群から選択されるか;
又は、
nは、1ないし2の整数を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メタンスルホニル基及びフェニル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基又はフェノキシ基;チエニル基;ナフチル基;ピリジル基;及びキノリル基からなる群から選択され;及び、
Yは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基及び直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基からな
る群から選択される。)で表わされるアミノアルコール化合物から出発した、下記の工程で製造され得る。
【0008】
一般構造式(II)で表わされるアミノアルコール化合物の製造方法を、以下に詳細に記載する。
以下の構造式(III)
【化8】

(式中、n及びAは、上記で定義した通りである。)で表わされるエポキシドと、以下の構造式(IV)
【化9】

(式中、Yは、上記で定義した通りである。)で表わされるベンゾイルピペリジンを反応させ、構造式(II)で表わされるアミノアルコール化合物を合成する。
生成物(I、II、V、VIII、XIV及びXVI)の立体化学は、出発物質(III)の立体化学にのみ依存し;(S)−鏡像異性体を有する出発物質(III)は(S)−鏡像異性体を有する生成物のみをもたらし、(R)−鏡像異性体を有する出発物質(III)は(R)−鏡像異性体を有する生成物のみをもたらすことに注目すべきである。
【0009】
以下の一般構造式(V)
【化10】

(式中、
nは、0を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基;及びナフチル基からなる群から選択されるか;
又は、
nは、1ないし2の整数を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基又はフェノキシ基;及びナフチル基からなる群から選択され;
Yは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基及び直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され;及び、
R1及びR2は、同一であり得るか又は互いに異なり得り、独立して、水素原子、メトキシ基、ベンジル基及び5ないし7員の脂環式化合物からなる群から選択される。)で表わされるO−カルバモイルベンゾイルピペリジン化合物の製造方法を、以下に詳細に記載する。
一般構造式(V)で表わされるO−カルバモイルベンゾイルピペリジン化合物は、一般構造式(II)で表わされるアミノアルコールと1,1’−カルボニルジイミダゾールを反応させた後、以下の一般構造式(VI)
R1R2NH (VI)
(式中、R1及びR2は、上記で定義した通りである。)で表わされるアミン塩基と反応させることによって製造される。
【0010】
この方法は、以下の反応スキームIに示すように要約される。
反応スキームI
【化11】

反応スキームIに記載された反応条件の詳細は次の通りである。化合物(II)から化合物(V)への転換のためには、出発物質(II)の濃度は約0.005ないし0.1モルであり、1,1’−カルボニルジイミダゾールは約2.0ないし3.0当量の範囲である。この反応は、好ましくは10ないし30℃温度において行われる。結果として生じる中間体を、精製せずに、10ないし30℃の温度において、一般式(VI)で表わされるアミン塩基1ないし1000当量で処理し、一般式(V)で表わされる化合物を得る。このカルバモイル化のために、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒、ジクロロメタン及びクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素溶媒、又はそれらの混合物が使用され得る。
【0011】
反応スキームIにおいて、HXは、塩基性窒素原子を有する薬理学的に有用な塩を形成可能な酸を表わす。化合物(V)からの化合物(VII)の製造のために使用される無水酸の具体的な例は、塩酸、硫酸、燐酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、蓚酸、琥珀酸、酒石酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシメタンスルホン酸及びヒドロキシエタンスルホン酸等を含む。更なる酸は、’’Pharmaceutical Salts’’,J.Pham.Sci.,1997年;66(1):1−19を参照し得る。この製造は、テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒、メタノールのようなアルコール系溶媒、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、及びこれらの混合物により例示され得る反応媒体中で行われる。エーテル系溶媒は、エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、イソブチルエーテルを含む添加溶液として推奨される。化合物(V)の濃度は、約0.01ないし5モルである。
【0012】
以下の一般構造式(VIII)
【化12】

(式中、
nは、0を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メタンスルホニル基、フェニル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基;チエニル基;ナフチル基;ピリジル基;及びキノリル基からなる群から選択されるか;
又は、
nは、1ないし2の整数を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メタンスルホニル基、フェニル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基又はフェノキシ基;チエニル基;ナフチル基;ピリジル基;及びキノリル基からなる群から選択され;
Yは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基及び直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され;及び、
R3は、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、5ないし7個の炭素原子を有する脂環式化合物及びベンジル基からなる群から選択される。)で表わされるアルコキシベンゾイルピペリジン化合物の製造方法を、以下に詳細に記載する。
【0013】
一般構造式(VIII)で表わされるアルコキシベンゾイルピペリジン化合物は、一般構造式(II)で表わされるアミノアルコールと塩化メタンスルホニル及びトリエチルアミンを反応させた後、以下の一般構造式(IX)
R3OH (IX)
(式中、R3は上記で定義した通りである。)で表わされるアルコールと反応させることによって製造される。
【0014】
アミンアルコール化合物(II)からAがフェノキシ基を表わすところの一般構造式(VIII)で表わされるアルコキシベンゾイルピペリジン化合物への選択的な転換方法は、一般構造式(II)で表わされるアミノアルコールと水素化ナトリウムを反応させた後、以下の一般構造式(X)
R3Z (X)
(式中、Zは、塩素原子、臭素原子又は沃素原子のようなハロゲン原子を表わす。)
で表わされるハロゲン化アルキルを反応させて、一般構造式(VIII)で表わされるアルコキシベンゾイルピペリジン化合物を製造する。
【0015】
その薬学的に許容可能な塩は、溶液中でアルコキシベンゾイルピペリジン化合物(VIII)を無水酸で処理することによって、更なる精製なしで得られ得る。
この方法は、以下の反応スキームIIに示すように要約される。
反応スキームII
【化13】

反応スキームIIに記載された反応条件の詳細は次の通りである。化合物(II)から化合物(VIII)への転換のためには、出発物質(II)の濃度は約0.005ないし0.1モルであり、塩化メタンスルホニルは約3.0ないし4.0当量の範囲であり、トリエチルアミンは約3.0ないし4.0当量の範囲である。この反応は、好ましくは0ないし30℃温度において行われる。結果として生じる中間体を、精製せずに、30ないし90℃の温度において、一般式(IX)で表わされるアルコール1ないし1000当量で処理し、一般式(VIII)で表わされる化合物を得る。このアルキル化のために、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒、ジクロロメタン及びクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素溶媒、メタノール、エタノール及びプロパノールのようなアルコール溶媒、又はそれらの混合物が使用され得る。
【0016】
化合物(II)からAがフェノキシ基を表わすところの化合物(VIII)への選択的な転換方法のためには、出発物質(II)の濃度は約0.01ないし0.1モルであり、水素化ナトリウムは約1.0ないし2.0当量の範囲である。該混合物は、一般式(X)で表わされるハロゲン化アルキル1.0ないし2.0当量で処理する。この反応は、好ましくは0ないし20℃の温度において行われる。このアルキル化のために、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒、ジクロロメタン及びクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素、又はそれらの混合物が使用され得る。
反応スキームIIにおいて、HXは、塩基性窒素原子を有する薬理学的に有用な塩を形成可能な酸を表わす。
【0017】
Xが以下の一般的構造式(XII)を有するイミダゾール部分、トリアゾール部分又はテトラゾール部分を表わす一般構造式(XIV)
【化14】

(式中、
nは、0ないし2の整数を表わし;
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基;及びナフチル基からなる群から選択され;
Yは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基及び直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され;及び、
Xは、以下の式(XII)
【化15】

を有するイミダゾール部分、トリアゾール部分又はテトラゾール部分を表わす。)で表わされるアゾールベンゾイルピペリジン化合物の製造方法を以下に詳細に記載する。
【0018】
Xが一般的構造式(XII)を有するイミダゾール部分、トリアゾール部分又はテトラゾール部分を表わす一般構造式(XIV)で表わされるアゾールベンゾイルピペリジン化合物は、一般構造式(II)で表わされるアミンアルコールと塩化メタンスルホニル及びトリエチルアミンを反応させた後、以下の一般構造式(XIII)
【化16】

で表わされるアゾールと反応させることによって製造される。
その薬学的に許容可能な塩は、溶液中でアゾールベンゾイルピペリジン化合物を無水酸で処理することによって、更なる精製なしで得られ得る。
【0019】
この方法は、以下の反応スキームIIIに示すように要約される。
反応スキームIII
【化17】

反応スキームIIIに記載された反応条件の詳細は次の通りである。化合物(II)からXが一般的構造式(XII)を有するイミダゾール部分、トリアゾール部分又はテトラゾール部分を表わす化合物(XIV)への転換のためには、出発物質(II)の濃度は約0.005ないし0.1モルであり、塩化メタンスルホニルは約1.0ないし3.0当量の範囲であり、トリエチルアミンは約1.0ないし3.0当量の範囲である。この反応は、好ましくは0ないし30℃温度において行われる。結果として生じる中間体を、精製せずに、30ないし90℃の温度において、一般式(XIII)で表わされるアゾール3ないし4当量で処理し、一般式(XV)で表わされる化合物を得る。この反応のために、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒、ジクロロメタン及びクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素溶媒、又はそれらの混合物が使用され得る。
反応スキームIIIにおいて、HXは、塩基性窒素原子を有する薬理学的に有用な塩を
形成可能な酸を表わす。
【0020】
以下の一般構造式(XVI)
【化18】

(式中、
nは、0を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基からなる群から選択されるか;
又は、
nは、1ないし2の整数を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基又はフェノキシ基からなる群から選択され;
Yは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基及び直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され;及び、
R4は、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基及びベンジル基からなる群から選択される。)で表わされるカーボネートベンゾイルピペリジン化合物の製造方法を、以下に詳細に記載する。
【0021】
一般構造式(XVI)で表わされるカルボネートベンゾイルピペリジン化合物は、一般構造式(II)で表わされるアミノアルコールと1,1’−カルボニルジイミダゾールを反応させた後、以下の一般構造式(XVII)
R4OH (XVII)
(式中、R4は、上記で定義した通りである。)で表わされるアルコールと反応させることによって製造される。
【0022】
その薬学的に許容可能な塩は、溶液中でカルボネートベンゾイルピペリジン化合物を無水酸で処理することによって、更なる精製なしで得られ得る。
【0023】
この方法は、以下の反応スキームIVに示すように要約される。
反応スキームIV
【化19】

反応スキームIVに記載された反応条件の詳細は次の通りである。化合物(II)から化合物(XVI)への転換のためには、出発物質(II)の濃度は約0.005ないし0.1モルであり、1,1’−カルボニルジイミダゾールは約2.0ないし3.0当量の範囲である。この反応は、好ましくは10ないし30℃温度において行われる。結果として生じる中間体を、精製せずに、10ないし30℃の温度において、一般式(XVII)で表わされるアルコール1ないし1000当量で処理し、一般式(XVI)で表わされる化合物を得る。このカルボニル化のために、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒、ジクロロメタン及びクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素溶媒、又はそれらの混合物が使用され得る。
反応スキームIVにおいて、HXは、塩基性窒素原子を有する薬理学的に有用な塩を形成可能な酸を表わす。
【0024】
スキームI、II、III及びIVからの化合物(I)、(V)、(VIII)、(XIV)及び(XVI)の典型的な例は、以下の構造
【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

を含む。
【0025】
本発明は、構造式(I)、(V)、(VIII)、(XIV)及び(XVI)で表わされる化合物の組成物を、精神障害及び認識機能障害の治療を要する哺乳類に投与することからなる哺乳類の精神障害及び認識機能障害の治療方法を含む。
【0026】
この活性を、アンチクライミング挙動試験(anti−climbing behavior test)、即ち、ネズミにおける、アポモルフィンにより誘導されるクライミング挙動を抑制する試験によって試験した。試験化合物の指定量を、ICR CD種の雌ネズミ(体重 20ないし25g;1グループ 6匹のネズミ)の幾つかのグループに、腹腔内投与又は経口投与し、各々の動物を、1cm間隙でカラムケージ(columm cage)の周囲に沿って垂直に設置されかつ配置された金属ポール(各ポールの直径は2mm)を有する直径12cm、高さ14cmの個々のカラムケージに入れた。
抗精神性活性を試験するための化合物を、アポモルフィンを投与する前に、0.1ないし60mg/kgのスクリーニング投与量で、様々な時間間隔、例えば30分間隔、60分間隔等で腹腔内注入又は経口投与した。
クライミングの評価のために、3回の判断(reading)を、以下のスケールに従って、アポモルフィン投与後、10分、20分及び30分に行った:
【表1】

アポモルフィンの注入前に始終クライミングするネズミは除外する。
完全に展開されたアポモルフィンクライミングでは、動物は、長時間に渡り、かなり静止状態で、ケージの壁にぶら下がった。対照的に、単なる運動刺激によるクライミングは、通常、数秒程度しか続かなかった。
クライミングスコアは、個々に合計され(最大スコア:3回の判断でネズミ1匹当たり12)、対照グループ(賦形剤腹腔内−アポモルフィン皮下内)の合計スコアを100%に設定した。本発明の化合物のいくつか並びに標準抗精神剤の、線形回帰分析で計算された95%の信頼限界を有するED 50値を表1に示す。
表1
【表2】

【表3】

【0027】
精神障害及び認識機能障害のような様々なCNS疾患のための薬剤としての治療用途において、本発明の化合物は、単独で又は薬学的に許容可能なキャリアと組合せて、1日当たり0.7ないし7000mgの投与量で患者に投与される。体重が約70kgの正常な成人については、その投与量は、1日当り、体重1kg当たり0.01ないし10mgの投与量だと解釈される。しかしながら、使用される具体的な投与量は、患者の必要要件、患者の症状の激しさ及び化合物の活性に依存して変更し得る。特定の状況における最適な投与量の決定は、臨床的に行われるべきであり、かつ従来技術の範囲内である。
【0028】
中枢神経系のために本発明の化合物を利用するにあたって、化合物は経口投与されることが好ましい。化合物は経口的により良く吸収されるので、通常、非経口投与に依存する必要が無いであろう。経口投与のために、一般式(I)で表わされる化合物は、好ましくは薬学的キャリアと組合せられる。キャリアの構造式(I)の化合物に対する比は、中枢神経系に対する薬剤の効果を現すためには重要ではなく、それらは組成物がカプセルに充填されるか又は錠剤で形成されるかどうかに依存して様々に変化し得る。錠剤化においては、様々な食用薬学的キャリア又はその混合物が使用され得る。適当なキャリア、例えば
、ラクトース、2塩基性のリン酸カルシウム及び/又はコーンスターチの混合物である。ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤を含む他の薬学的に許容可能な成分が更に添加され得る。
【0029】
本発明のより良い理解は、本発明を説明するが制限すると解されない以下の実施例に鑑みて得られ得る。
実施例1
カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステル;塩酸塩
4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジン(5mmol)及びスチレンオキシド(5mmol)の混合物を、イソプロパノール30mL中で4時間環流した。その後、この溶液を回転エバポレーターで濃縮し、酢酸エチルで希釈した。その後、この混合物をブラインで洗浄し、結果として生じた有機層を乾燥させ、真空下で濃縮した。粗生成物をTHF(50mL)に溶解し、0℃において1,1’−カルボニルジイミダゾール(2mmol)を添加した。該反応混合物を室温で4時間攪拌した後、0℃において過剰の水酸化アンモニウム(10mL)を添加した。室温で5時間攪拌した後、水を添加して反応を終了させた。有機層をジクロロメタンで3回抽出し、乾燥させ、真空下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:へキサン=1:2)で精製した。結果として生じたカルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステルをTHFに溶解し、その溶液を、エチルエーテル中HClの溶液で処理した。結果として生じた沈殿物を濾過し、カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化26】

【0030】
実施例2
(S)−カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステル;塩酸塩
反応物としてスチレンオキシドの代わりに(S)−スチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、(S)−カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化27】

【0031】
実施例3
(R)−カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステル; 塩酸塩
反応物としてスチレンオキシドの代わりに(R)−スチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、(R)−カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステル; 塩酸塩を得た。
【化28】

【0032】
実施例4
カルバミン酸1−(3−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩
反応物としてスチレンオキシドの代わりに3−クロロスチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸1−(3−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化29】

【0033】
実施例5
カルバミン酸1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩
反応物としてスチレンオキシドの代わりに3,4−ジクロロスチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化30】

【0034】
実施例6
ベンジル−カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステル;塩酸塩
反応物として水酸化アンモニウムの代わりにベンジルアミンを使用して実施例1の方法を行い、ベンジル−カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化31】

【0035】
実施例7
カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−(3−ニトロ−フェニル)−エチルエステル;塩酸塩
反応物としてスチレンオキシドの代わりに3−ニトロスチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−(3−ニトロ−フェニル)−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化32】

【0036】
実施例8
カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチルエステル;塩酸塩
反応物としてスチレンオキシドの代わりに4−トリフルオロメチルスチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化33】

【0037】
実施例9
カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−(4−フルオロ−フェニル)−エチルエステル;塩酸塩
反応物としてスチレンオキシドの代わりに4−フルオロスチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−(4−フルオロ−フェニル)−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化34】

【0038】
実施例10
カルバミン酸1−(4−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩
反応物としてスチレンオキシドの代わりに4−クロロスチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸1−(4−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化35】

【0039】
実施例11
(S)−カルバミン酸1−(4−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩
反応物としてスチレンオキシドの代わりに(S)−4−クロロスチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、(S)−カルバミン酸1−(4−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化36】

【0040】
実施例12
(R)−カルバミン酸1−(4−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩
反応物としてスチレンオキシドの代わりに(R)−4−クロロスチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、(R)−カルバミン酸1−(4−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化37】

【0041】
実施例13
カルバミン酸1−(2−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩
反応物としてスチレンオキシドの代わりに2−クロロスチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸1−(2−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化38】

【0042】
実施例14
カルバミン酸1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩
反応物としてスチレンオキシドの代わりに2,4−ジクロロスチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化39】

【0043】
実施例15
カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−o−トリル−エチルエステル
反応物としてスチレンオキシドの代わりに2−メチルスチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−o−トリル−エチルエステルを得た。
【化40】

【0044】
実施例16
カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−p−トリル−エチルエステル
反応物としてスチレンオキシドの代わりに4−メチルスチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−p−トリル−エチルエステルを得た。
【化41】

【0045】
実施例17
カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−(4−ニトロ−フェニル)−エチルエステル
反応物としてスチレンオキシドの代わりに4−ニトロスチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−(4−ニトロ−フェニル)−エチルエステルを得た。
【化42】

【0046】
実施例18
カルバミン酸1−(4−第3ブチル−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル
反応物としてスチレンオキシドの代わりに4−第3ブチルスチレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸1−(4−第3ブチル−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステルを得た。
【化43】

【0047】
実施例19
カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−ナフタレン−2−イル−エチルエステル
反応物としてスチレンオキシドの代わりに2−ナフタレンオキシドを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−ナフタレン−2−イル−エチルエステルを得た。
【化44】

【0048】
実施例20
カルバミン酸2−(4−ベンゾイル−ピペリジン−1−イル)−1−(2−クロロ−フェニル)−エチルエステル;塩酸塩
反応物としてスチレンオキシド及び4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジンの代わりに2−クロロスチレンオキシド及び4−ベンゾイルピペリジンを使用して実施例1の方
法を行い、カルバミン酸2−(4−ベンゾイル−ピペリジン−1−イル)−1−(2−クロロ−フェニル)−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化45】

【0049】
実施例21
カルバミン酸1−(2−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−メトキシ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩
反応物としてスチレンオキシド及び4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジンの代わりに2−クロロスチレンオキシド及び4−(4−メトキシベンゾイル)ピペリジンを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸1−(2−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−メトキシ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化46】

【0050】
実施例22
カルバミン酸2−[4−(4−第3ブチル−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−(2−クロロ−フェニル)エチルエステル
反応物としてスチレンオキシド及び4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジンの代わりに2−クロロスチレンオキシド及び4−(4−第3ブチルベンゾイル)ピペリジンを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸2−[4−(4−第3ブチル−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−(2−クロロ−フェニル)エチルエステルを得た。
【化47】

【0051】
実施例23
カルバミン酸2−[4−(4−クロロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−(2−クロロ−フェニル)−エチルエステル;塩酸塩
反応物としてスチレンオキシド及び4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジンの代わりに2−クロロスチレンオキシド及び4−(4−クロロベンゾイル)ピペリジンを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸2−[4−(4−クロロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−(2−クロロ−フェニル)−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化48】

【0052】
実施例24
アゼパン−1−カルボン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1
−イルメチル]−2−フェノキシ−エチルエステル
反応物として水酸化アンモニウム代わりにヘキサメチレンイミンを使用して実施例1の方法を行い、アゼパン−1−カルボン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−フェノキシ−エチルエステルを得た。
【化49】

【0053】
実施例25
カルバミン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−3−フェニル−プロピルエステル
反応物としてスチレンオキシドの代わりに2−フェネチル−オキシランを使用して実施例1の方法を行い、カルバミン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−3−フェニル−プロピルエステルを得た。
【化50】

【0054】
実施例26
ピペリジン−1−カルボン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−3−フェニル−プロピルエステル
反応物としてスチレンオキシド及び水酸化アンモニウムの代わりに2−フェネチル−オキシラン及びピペリジンを使用して実施例1の方法を行い、ピペリジン−1−カルボン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−3−フェニル−プロピルエステルを得た。
【化51】

【0055】
実施例27
カルバミン酸1−[4−(4−(フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル)−2−フェノキシ−エチルエステル;塩酸塩
4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジン(5mmol)及び1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン(5mmol)の混合物をイソプロパノール30mL中で4時間環流した。その後、この溶液を回転エバポレーターで濃縮し、酢酸エチルで希釈した。次いで、この溶液をブラインで洗浄し、結果として生じた有機層を乾燥させ、真空下で濃縮し、固体として得た。これをn−へキサン及び酢酸エチルの溶液混合物中で再結晶化し、白色固体として得た。これをTHF(50mL)に溶解し、0℃において1,1’−カルボニルジイミダゾール(10mmol)を添加した。反応混合物を室温で4時間攪拌し、過剰の水酸化アンモニウム(10mL)を0℃において添加した。室温で5時間攪拌した後、水を添加して反応を終了させた。有機層をジクロロメタンで3回抽出し、乾燥させ真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:へキサン=1:2)で精製した。結果として生じたカルバミン酸1−[4−(4−(フルオロ−ベンゾイル)−ピ
ペリジン−1−イルメチル]−2−フェノキシ−エチルエステルをTHFに溶解し、その溶液をエチルエーテル中HClの溶液で処理した。結果として生じた沈殿物を濾過し、カルバミン酸1−[4−(4−(フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−フェノキシ−エチルエステル;塩酸塩を得た。
【化52】

【0056】
実施例28
カルバミン酸2−(4−クロロ−フェノキシ)−1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステル
反応物として1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパンの代わりに4−クロロフェニルグリシジルエーテルを使用して実施例27の方法を行い、カルバミン酸2−(4−クロロ−フェノキシ)−1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−エチルエステルを得た。
【化53】

【0057】
実施例29
カルバミン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−(4−メトキシ−フェノキシ)−エチルエステル
反応物として1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパンの代わりにグリシジル4−メトキシフェニルエーテルを使用して実施例27の方法を行い、カルバミン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−(4−メトキシ−フェノキシ)−エチルエステルを得た。
【化54】

【0058】
実施例30
カルバミン酸2−(4−第3ブチル−フェノキシ)−1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−エチルエステル
反応物として1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパンの代わりに4−第3ブチルフェニルグリシジルエーテルを使用して実施例27の方法を行い、カルバミン酸2−(4−第3ブチル−フェノキシ)−1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−エチルエステルを得た。
【化55】

【0059】
実施例31
ピロリジン−1−カルボン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−フェノキシ−エチルエステル
反応物として水酸化アンモニウムの代わりにピロリジンを使用して実施例27の方法を
行い、ピロリジン−1−カルボン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−フェノキシ−エチルエステルを得た。
【化56】

【0060】
実施例32
ピペリジン−1−カルボン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−フェノキシ−エチルエステル
反応物として水酸化アンモニウムの代わりにピペリジンを使用して実施例27の方法を行い、ピペリジン−1−カルボン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−フェノキシ−エチルエステルを得た。
【化57】

【0061】
実施例33
モルホリン−4−カルボン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−フェノキシ−エチルエステル
反応物として水酸化アンモニウムの代わりにモルホリンを使用して実施例27の方法を行い、モルホリン−4−カルボン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−フェノキシ−エチルエステルを得た。
【化58】

【0062】
実施例34
(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノン;塩酸塩
4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジン(5mmol)及び2−(4−ニトロ−フェニル)オキシラン(5mmol)の混合物をイソプロパノール30mL中で4時間環流した。その後、この溶液を回転エバポレーターで濃縮し、酢酸エチルで希釈した。次いで、この溶液をブラインで洗浄した後、結果として生じた有機層を乾燥させ、真空下で濃縮した。粗生成物をジクロロメタン(50mL)に溶解し、塩化メタンスルホニル(2当量)及びトリエチルアミン(3当量)を0℃において添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した。その後、この溶液を回転エバポレーターで濃縮し、THF(50mL)に溶解させ、トリエチルアミン(3当量)を添加し、その後、過剰のメタノール(>10当量)を添加した。80℃で12時間攪拌した後、この溶液を回転エバポレーターで濃縮し、酢酸エチルで希釈した。有機層をジクロロメタンで3回抽出し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:へキサン=1:1)で精製した。結果として生じた(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンをジクロロメタンに溶解し、その溶液をエチルエーテル中HClの溶液で処理した。結果として生じた沈殿物を濾過し、(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル
)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノン;塩酸塩を得た。
【化59】

【0063】
実施例35
(S)−(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノン
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに(S)−4−ニトロスチレンオキシドを使用して実施例34の方法を行い、(S)−(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンを得た。
【化60】

【0064】
実施例36
(R)−(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノン
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに(R)−4−ニトロスチレンオキシドを使用して実施例34の方法を行い、(R)−(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンを得た。
【化61】

【0065】
実施例37
{1−[2−エトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノン
反応物としてメタノールの代わりにエタノールを使用して実施例34の方法を行い、{1−[2−エトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノンを得た。
【化62】

【0066】
実施例38
(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−イソプロポキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノン
反応物としてメタノールの代わりにイソプロパノールを使用して実施例34の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−イソプロポキシ−2−(4−ニトロ−フ
ェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンを得た。
【化63】

【0067】
実施例39
{1−[2−シクロペンチルオキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノン
反応物としてメタノールの代わりにシクロペンタノールを使用して実施例34の方法を行い、{1−[2−シクロペンチルオキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノンを得た。
【化64】

【0068】
実施例40
{1−[2−ベンジルオキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノン
反応物としてメタノールの代わりにベンジルアルコールを使用して実施例34の方法を行い、{1−[2−ベンジルオキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノンを得た。
【化65】

【0069】
実施例41
{1−[2−(4−エチル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノン
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに4−エチルスチレンオキシドを使用して実施例34の方法を行い、{1−[2−(4−エチル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノンを得た。
【化66】

【0070】
実施例42
(S)−{1−[2−(4−エチル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノン
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに(S)−4−エチルスチレンオキシドを使用して実施例34の方法を行い、(S)−{1−[2−(4−エチル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−
フェニル)−メタノンを得た。
【化67】

【0071】
実施例43
(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノン
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに4−イソプロピルスチレンオキシドを使用して実施例34の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンを得た。
【化68】

【0072】
実施例44
(S)−(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノン
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに(S)−4−イソプロピルスチレンオキシドを使用して実施例34の方法を行い、(S)−(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンを得た。
【化69】

【0073】
実施例45
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−2−ナフタレン−2−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン;塩酸塩
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシラン代わりに2−ナフタレンオキシドを使用して実施例34の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−2−ナフタレン−2−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン;塩酸塩を得た。
【化70】

【0074】
実施例46
(S)−(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−2−ナフタレン−2−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン;塩酸塩
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに(S)−2−ナフタ
レンオキシドを使用して実施例34の方法を行い、(S)−(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−2−ナフタレン−2−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン;塩酸塩を得た。
【化71】

【0075】
実施例47
{1−[2−(3,4−ジメチル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノン
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに3,4−ジメチルスチレンオキシドを使用して実施例34の方法を行い、{1−[2−(3,4−ジメチル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノンを得た。
【化72】

【0076】
実施例48
{1−[2−(4−クロロ−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノン
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに4−クロロスチレンオキシドを使用して実施例34の方法を行い、{1−[2−(4−クロロ−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノンを得た。
【化73】

【0077】
実施例49
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−2−チオフェン−2−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに2−チオフェン−2−イルオキシランを使用して実施例34の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−2−チオフェン−2−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化74】

【0078】
実施例50
(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−トリフルオロメチル
−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノン
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに4−トリフルオロメチルスチレンオキシドを使用して実施例34の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンを得た。
【化75】

【0079】
実施例51
(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノン
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに4−メトキシスチレンオキシドを使用して実施例34の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンを得た。
【化76】

【0080】
実施例52
4−{2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−メトキシ−エチル}−ベンゾニトリル
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに4−オキシラニル−ベンゾニトリルを使用して実施例34の方法を行い、4−{2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−メトキシ−エチル}−ベンゾニトリルを得た。
【化77】

【0081】
実施例53
(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノン
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−オキシランを使用して実施例34の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンを得た。
【化78】

【0082】
実施例54
(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−トリフルオロメトキ
シ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノン
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−オキシランを使用して実施例34の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンを得た。
【化79】

【0083】
実施例55
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−2−ピリジン−2−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに2−オキシラニル−ピリジンを使用して実施例34の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−2−ピリジン−2−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化80】

【0084】
実施例56
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−2−キノリン−2−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として2−(4−ニトロ−フェニル)オキシランの代わりに2−オキシラニル−キノリンを使用して実施例34の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−2−キノリン−2−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化81】

【0085】
実施例57
(4−クロロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノン
反応物として4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジンの代わりに4−(4−クロロベンゾイル)ピペリジンを使用して実施例34の方法を行い、(4−クロロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンを得た。
【化82】

【0086】
実施例58
{1−[2−メトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−
イル}−p−トリル−メタノン
反応物として4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジンの代わりに4−(4−メチルベンゾイル)ピペリジンを使用して実施例34の方法を行い、{1−[2−メトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−p−トリル−メタノンを得た。
【化83】

【0087】
実施例59
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−エトキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン;塩酸塩
4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジン(5mmol)及び1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン(5mmol)の混合物を、イソプロパノール30mL中で4時間環流した。その後、この溶液を回転エバポレーターで濃縮し、酢酸エチルで希釈した。次いで、この混合物をブラインで洗浄し、結果として生じた有機層を乾燥させ、真空下で濃縮した。粗生成物をTHF(50mL)に溶解し、水素化ナトリウム(2当量)を0℃において添加した。反応混合物を室温で10分間攪拌した。この溶液に過剰のヨードエタン(>3当量)を添加した。25℃で1時間攪拌した後、この溶液を回転エバポレーターで濃縮し、酢酸エチルで希釈した。有機層をジクロロメタンで3回抽出し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:へキサン=1:1)で精製した。結果として生じた(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−エトキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンをジクロロメタンに溶解し、その溶液を、エチルエーテル中HClの溶液で処理した。結果として生じた沈殿物を濾過し、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−エトキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン;塩酸塩を得た。
【化84】

【0088】
実施例60
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物としてヨードエタンの代わりにヨードメタンを使用して実施例59の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化85】

【0089】
実施例61
(S)−(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン及びヨードエタンの代わりに(S)−1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン及びヨードメタンを使用して実施例59の方法を行い、(S)−(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化86】

【0090】
実施例62
(R)−(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン及びヨードエタンの代わりに(R)−1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン及びヨードメタンを使用して実施例59の方法を行い、(R)−(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化87】

【0091】
実施例63
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−(4−クロロ−フェノキシ)−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン及びヨードエタンの代わりに4−クロロフェニルグリシジルエーテル及びヨードメタンを使用して実施例59の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−(4−クロロ−フェノキシ)−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化88】

【0092】
実施例64
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−(4−メトキシ−フェノキシ)−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン及びヨードエタンの代わりにグリシジル4−メトキシフェニルエーテル及びヨードメタンを使用して実施例59の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−(4−メトキシ−フェノキシ)−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化89】

【0093】
実施例65
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−(2−メチル−フェノキシ)−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン及びヨードエタンの代わりにグリシジル2−メチルフェニルエーテル及びヨードメタンを使用して実施例59の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−(2−メチル−フェノキシ)−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化90】

【0094】
実施例66
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−(4−第3ブチル−フェノキシ)−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン及びヨードエタンの代わりに4−第3ブチルフェニルグリシジルエーテル及びヨードメタンを使用して実施例59の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−(4−第3ブチル−フェノキシ)−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化91】

【0095】
実施例67
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−(4−ニトロ−フェノキシ)−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン及びヨードエタンの代わりに4−ニトロフェニルグリシジルエーテル及びヨードメタンを使用して実施例59の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−(4−ニトロ−フェノキシ)−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化92】

【0096】
実施例68
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−プロピルオキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン;塩酸塩
反応物としてヨードエタンの代わりにヨードプロパンを使用して実施例59の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−プロピルオキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン;塩酸塩を得た。
【化93】

【0097】
実施例69
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−ブトキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン;塩酸塩
反応物としてヨードエタンの代わりにヨードブタンを使用して実施例59の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−ブトキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン;塩酸塩を得た。
【化94】

【0098】
実施例70
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−ベンジルオキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン;塩酸塩
反応物としてヨードエタンの代わりに臭化ベンジルを使用して実施例59の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−ベンジルオキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン;塩酸塩を得た。
【化95】

【0099】
実施例71
(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノントリ塩酸塩
4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジン(5mmol)及び2−(4−イソプロピルフェニル)オキシラン(5mmol)の混合物をイソプロパノール30mL中で4時間環流した。その後、この溶液を回転エバポレーターで濃縮し、酢酸エチルで希釈した。次いで、この混合物をブラインで洗浄し、結果として生じた有機層を乾燥させ、真空下で濃縮した。粗生成物をジクロロメタン(50mL)に溶解し、0℃において塩化メタンスルホニル(2当量)及びトリエチルアミン(3当量)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した。その後、この溶液にトリエチルアミン(3当量)を添加し、過剰の1,2,4−トリアゾール(>3当量)を添加した。室温で4時間攪拌した後、この溶液を回転エバポレーターで濃縮し、酢酸エチルで希釈した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム溶液で2回洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:へキサン=1:1)で精製した。結果として生じた(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンをジクロロメタンに溶解し、その溶液を、エチルエーテル中HClの溶液で処理した。結果として生じた沈殿物を濾し、(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノントリ塩酸塩を得た。
【化96】

【0100】
実施例72
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−フェニル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として2−(4−イソプロピルフェニル)オキシランの代わりにスチレンオキシドを使用して実施例71の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−フェニル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化97】

【0101】
実施例73
{1−[2−(3,4−ジメチル−フェニル)−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノン
反応物として2−(4−イソプロピルフェニル)オキシランの代わりに3,4−ジメチルスチレンオキシドを使用して実施例71の方法を行い、{1−[2−(3,4−ジメチル−フェニル)−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノンを得た。
【化98】

【0102】
実施例74
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(4−フェニル−2−[1,2,4]−トリアゾール−1−イル−ブチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として2−(4−イソプロピルフェニル)オキシランの代わりに2−フェエチル−オキシランを使用して実施例71の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(4−フェニル−2−[1,2,4]−トリアゾール−1−イル−ブチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化99】

【0103】
実施例75
{1−[2−(4−第3ブチル−フェニル)−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノン
反応物として2−(4−イソプロピルフェニル)オキシランの代わりに4−第3ブチルスチレンオキシドを使用して実施例71の方法を行い、{1−[2−(4−第3ブチル−フェニル)−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノンを得た。
【化100】

【0104】
実施例76
{1−[2−(2−クロロ−フェニル)−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノン
反応物として2−(4−イソプロピルフェニル)オキシランの代わりに2−クロロスチレンオキシドを使用して実施例71の方法を行い、{1−[2−(2−クロロ−フェニル
)−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノンを得た。
【化101】

【0105】
実施例77
(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−(4−ニトロ−フェニル)−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノン
反応物として2−(4−イソプロピルフェニル)オキシランの代わりに4−ニトロスチレンオキシドを使用して実施例71の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−(4−ニトロ−フェニル)−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンを得た。
【化102】

【0106】
実施例78
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−ナフタレン−2−イル−2−[1,2,4]−トリアゾール−1−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として2−(4−イソプロピルフェニル)オキシランの代わりに2−ナフタレンオキシドを使用して実施例71の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−{1−(2−ナフタレン−2−イル−2−[1,2,4]−トリアゾール−1−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル}−メタノンを得た。
【化103】

【0107】
実施例79
(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル−メタノン
反応物として2−(4−イソプロピルフェニル)オキシランの代わりに4−トリフルオロメチルスチレンオキシドを使用して実施例71の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンを得た。
【化104】

【0108】
実施例80
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−フェニル−2−テトラゾール−1−イル−
エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として2−(4−イソプロピルフェニル)オキシラン及び1,2,4−トリアゾールの代わりにスチレンオキシド及びテトラゾールを使用して実施例71の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−フェニル−2−テトラゾール−1−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化105】

【0109】
実施例81
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−フェニル−2−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として2−(4−イソプロピルフェニル)オキシラン及び1,2,4−トリアゾールの代わりにスチレンオキシド及び1,2,3−トリアゾールを使用して実施例71の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−フェニル−2−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化106】

【0110】
実施例82
(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−イミダゾール−1−イル−2−フェニル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノン
反応物として2−(4−イソプロピルフェニル)オキシラン及び1,2,4−トリアゾールの代わりにスチレンオキシド及びイミダゾールを使用して実施例71の方法を行い、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−イミダゾール−1−イル−2−フェニル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−メタノンを得た。
【化107】

【0111】
実施例83
炭酸1−(4−エチル−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステルメチルエステル
4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジン(5mmol)及び2−(4−エチルフェニル)−オキシラン(5mmol)の混合物をイソプロパノール30mL中で4時間環流した。その後、この溶液を回転エバポレーターで濃縮し酢酸エチルで希釈した。次いで、この混合物をブラインで洗浄し、その結果生じた有機層を乾燥させ、真空下で濃縮した。粗生成物をTHF(50mL)に溶解し、0℃において1,1’−カルボニルジイミダゾール(2mmol)を添加した。その反応混合物を室温で4時間攪拌した後、過剰のメタノール(10mL)を0℃において添加した。室温で5時間攪拌した後、水を添加して反応を終了させた。有機層をジクロロメタンで3回抽出し、乾燥させ、真空で濃縮した。結果として生じた炭酸1−(4−エチル−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステルメチルエステルをカラムクロマトグラ
フィーで得た。
【化108】

【0112】
実施例84
炭酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステルメチルエステル
反応物として2−(4−エチルフェニル)−オキシランの代わりにスチレンオキシドを使用して実施例83の方法を行い、炭酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステルメチルエステルを得た。
【化109】

【0113】
実施例85
炭酸エチルエステル2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステル
反応物として2−(4−エチルフェニル)−オキシラン及びメタノールの代わりにスチレンオキシド及びエタノールを使用して実施例83の方法を行い、炭酸エチルエステル2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステルを得た。
【化110】

【0114】
実施例86
炭酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステルプロピルエステル
反応物として2−(4−エチルフェニル)−オキシラン及びメタノールの代わりにスチレンオキシド及びプロパノールを使用して実施例83の方法を行い、炭酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステルプロピルエステルを得た。
【化111】

【0115】
実施例87
炭酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステルイソプロピルエステル
反応物として2−(4−エチルフェニル)−オキシラン及びメタノールの代わりにスチレンオキシド及びイソプロパノールを使用して実施例83の方法を行い、炭酸2−[4−
(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステルイソプロピルエステルを得た。
【化112】

【0116】
実施例88
炭酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステルフェニルエステル
反応物として2−(4−エチルフェニル)−オキシラン及びメタノールの代わりにスチレンオキシド及びフェノールを使用して実施例83の方法を行い、炭酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステルフェニルエステルを得た。
【化113】

【0117】
実施例89
炭酸ベンジルエステル2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステル
反応物として2−(4−エチルフェニル)−オキシラン及びメタノールの代わりにスチレンオキシド及びベンジルアルコールを使用して実施例83の方法を行い、炭酸ベンジルエステル2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステルを得た。
【化114】

【0118】
実施例90
炭酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−3−フェニル−プロピルエステルメチルエステル
反応物として2−(4−エチルフェニル)−オキシランの代わりに2−フェネチル−オキシランを使用して実施例83の方法を行い、炭酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−3−フェニル−プロピルエステルメチルエステルを得た。
【化115】

【0119】
実施例91
炭酸1−(3−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステルイソプロピルエステル
反応物として2−(4−エチルフェニル)−オキシラン及びメタノールの代わりに3−クロロスチレンオキシド及びイソプロパノールを使用して実施例83の方法を行い、炭酸1−(3−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステルイソプロピルエステルを得た。
【化116】

【0120】
実施例92
炭酸1−(4−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステルイソプロピルエステル
反応物として2−(4−エチルフェニル)−オキシラン及びメタノールの代わりに4−クロロスチレンオキシド及びイソプロパノールを使用して実施例83の方法を行い、炭酸1−(4−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステルイソプロピルエステルを得た。
【化117】

【0121】
実施例93
炭酸1−(4−シアノ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステルイソプロピルエステル
反応物として2−(4−エチルフェニル)−オキシラン及びメタノールの代わりに4−オキシラニル−ベンゾニトリル及びイソプロパノールを使用して実施例83の方法を行い、炭酸1−(4−シアノ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステルイソプロピルエステルを得た。
【化118】

【0122】
実施例94
炭酸2−[4−(3−クロロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェノキシメチル−エチルエステルイソプロピルエステル
反応物として2−(4−エチルフェニル)−オキシラン及びメタノールの代わりにスチレンオキシド及びイソプロパノールを使用して実施例83の方法を行い、炭酸2−[4−(3−クロロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェノキシメチル−エチルエステルイソプロピルエステルを得た。
【化119】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造式(I)
【化1】

(式中、
nは、0を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メタンスルホニル基及びフェニル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基;チエニル基;ナフチル基;ピリジル基;及びキノリル基からなる群から選択されるか;
又は、
nは、1ないし2の整数を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メタンスルホニル基及びフェニル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基又はフェノキシ基;チエニル基;ナフチル基;ピリジル基;及びキノリル基からなる群から選択され;
Xは、O−カルバモイル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルコキシ基、イミダゾール基、トリアゾール基、テトラゾール基及びカルボネート基からなる群から選択され;及び、
Yは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基及び直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択される。)で表わされる、ラセミ体の又は鏡像異性体が豊富なベンゾイルピペリジン化合物、及びその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
構造式(V)
【化2】

(式中、
nは、0を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基;及びナフチル基からなる群から選択されるか;
又は、
nは、1ないし2の整数を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基又はフェノキシ基;及びナフチル基からなる群から選択され;
Yは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基及び直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され;及び、
R1及びR2は、同一であり得るか又は互いに異なり得り、独立して、水素原子、メトキシ基、ベンジル基及び5ないし7員の脂環式化合物からなる群から選択される。)で表わされる、ラセミ体の又は鏡像異性体が豊富なO−カルバモイルベンゾイルピペリジン化合物、及びその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
構造式(VIII)
【化3】

(式中、
nは、0を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メタンスルホニル基、フェニル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基;チエニル基;ナフチル基;ピリジル基;及びキノリル基からなる群から選択されるか;
又は、
nは、1ないし2の整数を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、メタンスルホニル基、フェニル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基又はフェノキシ基;チエニル基;ナフチル基;ピリジル基;及びキノリル基からなる群から選択され;
Yは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基及び直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され;及び、
R3は、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、5ないし7個の炭素原子を有する脂環式化合物及びベンジル基からなる群から選択される。)で表わされる、ラセミ体の又は鏡像異性体が豊富なアルコキシベンゾイルピペリジン化合物、及びその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
構造式(XIV)
【化4】

(式中、
nは、0ないし2の整数を表わし;
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基;及びナフチル基からなる群から選択され;
Yは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基及び直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され;及び、
Xは、以下の式(XII)
【化5】

を有するイミダゾール部分、トリアゾール部分又はテトラゾール部分を表わす。)で表わされる、ラセミ体の又は鏡像異性体が豊富なアゾールベンゾイルピペリジン化合物、及びその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
構造式(XVI)
【化6】

(式中、
nは、0を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基からなる群から選択されるか;
又は、
nは、1ないし2の整数を表わし;及び、
Aは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択された1種以上の同一の又は異なる置換基で置換され得るフェニル基又はフェノキシ基からなる群から選択され;
Yは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基及び直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され;及び、
R4は、直鎖又は枝分かれ鎖1ないし3個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基及びベンジル基からなる群から選択される。)で表わされる、ラセミ体の又は鏡像異性体が豊富なカルボネートベンゾイルピペリジン化合物、及びその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
前記化合物が、カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステルである請求項2記載の化合物。
【請求項7】
前記化合物が、(S)−カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステルである請求項2記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物が、(R)−カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステルである請求項2記載の化合物。
【請求項9】
前記化合物が、カルバミン酸1−(3−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステルである請求項2記載の化合物。
【請求項10】
前記化合物が、カルバミン酸1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステルである請求項2記載の化合物。
【請求項11】
前記化合物が、ベンジルカルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−フェニル−エチルエステルである請求項2記載の化合物。
【請求項12】
前記化合物が、カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−(3−ニトロ−フェニル)−エチルエステルである請求項2記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物が、カルバミン酸2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチルエステルである請求項2記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物が、カルバミン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−フェノキシ−エチルエステルである請求項2記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物が、カルバミン酸アゼパン−1−カルボン酸1−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−フェノキシ−エチルエステルである請求項2記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が、(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンである請求項3記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物が、(S)−(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンである請求項3記載の化合物。
【請求項18】
前記化合物が、(R)−(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−メトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンである請求項3記載の化合物。
【請求項19】
前記化合物が、(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンである請求項3記載の化合物。
【請求項20】
前記化合物が、(S)−(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンである請求項3記載の化合物。
【請求項21】
前記化合物が、{1−[2−(4−エチル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)メタノンである請求項3記載の化合物。
【請求項22】
前記化合物が、(S)−{1−[2−(4−エチル−フェニル)−2−メトキシ−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)メタノンである請求項3記載の化合物。
【請求項23】
前記化合物が、{1−[2−エトキシ−2−(4−ニトロ−フェニル)−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)メタノンである請求項3記載の化合物。
【請求項24】
前記化合物が、(4−フルオロ−フェニル)−[1−(2−メトキシ−3−フェノキシ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−(4−フルオロ−フェニル)メタノンである請求項3記載の化合物。
【請求項25】
前記化合物が、{1−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−2−メトキシ−プロピル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)メタノンである請求項3記載の化合物。
【請求項26】
前記化合物が、(4−フルオロ−フェニル)−{1−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル]−ピペリジン−4−イル}−メタノンである請求項4記載の化合物。
【請求項27】
前記化合物が、{1−[2−(3,4−ジメチル−フェニル)−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル]−ピペリジン−4−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノンである請求項4記載の化合物。
【請求項28】
前記化合物が、カルボン酸1−(4−エチル−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−エチルエステルメチルエステルである請求項5記載の化合物。
【請求項29】
前記化合物が、カルボン酸1−(3−クロロ−フェニル)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−イル]−イソプロピルエステルイソプロピルエステルである請求項5記載の化合物。
【請求項30】
精神障害及び認識機能障害の治療のための、請求項1記載の式(I)で表わされるラセミ体の又は鏡像異性体が豊富な化合物の有効量を含む医薬組成物。
【請求項31】
精神障害及び認識機能障害の治療のための、請求項2記載の式(V)で表わされるラセミ体の又は鏡像異性体が豊富な化合物の有効量を含む医薬組成物。
【請求項32】
精神障害及び認識機能障害の治療のための、請求項3記載の式(VIII)で表わされるラセミ体の又は鏡像異性体が豊富な化合物の有効量を含む医薬組成物。
【請求項33】
精神障害及び認識機能障害の治療のための、請求項4記載の式(XIV)で表わされるラセミ体の又は鏡像異性体が豊富な化合物の有効量を含む医薬組成物。
【請求項34】
精神障害及び認識機能障害の治療のための、請求項5記載の式(XVI)で表わされるラセミ体の又は鏡像異性体が豊富な化合物の有効量を含む医薬組成物。
【請求項35】
請求項1記載の式(I)で表わされるラセミ体の又は鏡像異性体が豊富な化合物の有効量を、精神障害及び認識機能障害の治療を要する哺乳類に投与することからなる哺乳類の精神障害及び認識機能障害の治療方法。
【請求項36】
請求項2記載の式(V)で表わされるラセミ体の又は鏡像異性体が豊富な化合物の有効量を、精神障害及び認識機能障害の治療を要する哺乳類に投与することからなる哺乳類の精神障害及び認識機能障害の治療方法。
【請求項37】
請求項3記載の式(VIII)で表わされるラセミ体の又は鏡像異性体が豊富な化合物の有効量を、精神障害及び認識機能障害の治療を要する哺乳類に投与することからなる哺乳類の精神障害及び認識機能障害の治療方法。
【請求項38】
請求項4記載の式(XIV)で表わされるラセミ体の又は鏡像異性体が豊富な化合物の有効量を、精神障害及び認識機能障害の治療を要する哺乳類に投与することからなる哺乳類の精神障害及び認識機能障害の治療方法。
【請求項39】
請求項5記載の式(XVI)で表わされるラセミ体の又は鏡像異性体が豊富な化合物の有効量を、精神障害及び認識機能障害の治療を要する哺乳類に投与することからなる哺乳類の精神障害及び認識機能障害の治療方法。



【公表番号】特表2006−502146(P2006−502146A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−530642(P2004−530642)
【出願日】平成15年8月19日(2003.8.19)
【国際出願番号】PCT/KR2003/001665
【国際公開番号】WO2004/018423
【国際公開日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【出願人】(303024622)エスケー コーポレイション (28)
【Fターム(参考)】