説明

施設情報提供装置

【課題】施設検索条件に対し合致する施設とその施設に関連する施設を検索し、適切な施設の情報を出力することができる施設情報提供装置を提供する。
【解決手段】施設情報サーバ1は、施設毎に該施設データと該施設に関連する施設の関連施設データを施設情報データベース12に記憶し、CPU11が施設を検索する際に、施設検索条件に合致する施設とさらにその施設に関連する施設も検索し、それら検索された施設の情報を端末に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設を検索し、検索された施設に関する情報を提供する施設情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、店舗などの施設の情報を情報サーバに記憶し、パーソナルコンピュータや携帯電話などの携帯端末やナビゲーション装置などの端末装置から情報サーバにアクセスし、目的となる施設を検索するシステムが広く知られている。そして、端末装置から各店舗に対する「口コミ」情報として、情報サーバの掲示板などに、店舗の評価などを書き込みして、他の端末装置を使うユーザから閲覧することができるシステムがある(例えば特許文献1参照)。このシステムでは、端末装置から探したい施設の検索要求をサーバに対して送信し、サーバは検索要求に対する施設を検索し、その施設に書き込まれた文章やその文章から解析した評価情報を抽出し、端末装置に送信するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−301718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載されたシステムでは、端末装置から探したい施設のキーワードを入力しサーバに送信し、サーバは書き込みされた文章からキーワードに一致するものを検索し、その文章に対応する施設を検索する。ただし、書き込み情報を検索対象とすると、施設によっては書き込みされていない施設があり、それらは検索されないという問題がある。例えば、飲食店で、系列店などの関連する施設がある場合、片方のA店には書き込み情報があるが、他方のB店にはない場合がある。それら店舗は同市内にあって、かつ同じ料理メニューや味であっても、上記システムではB店は検索されないことになり、検索され提供される情報としては不足する。
【0005】
そこで本発明では、上記問題点を解決するために、検索条件に対し合致する施設とその施設に関連する施設を検索し、適切な施設情報を提供することができる施設情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1における施設情報提供装置は、施設毎に施設データと該施設に関連する施設の関連施設データを記憶した施設情報記憶手段と、施設検索条件を取得する施設検索条件取得手段と、該施設検索条件取得手段により取得された施設検索条件により前記施設情報記憶手段から施設データを検索する施設情報検索手段と、該施設情報検索手段により検索された施設の情報を端末装置に提供する施設情報提供手段とを備え、前記施設情報検索手段は、前記検索条件に合致する施設と該施設に関連する施設を前記施設情報記憶手段から検索することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2における施設情報提供装置は、請求項1記載の施設情報提供装置において、施設情報記憶手段は、端末装置から施設の情報の書き込みを受け付け、該書き込み情報を施設データとして更新または蓄積することを特徴とする。
【0008】
更に、請求項3における施設情報提供装置は、請求項2記載の施設情報提供装置において、施設情報検索手段は、施設情報記憶手段に更新または蓄積された書き込み情報から施設を検索することを特徴とする。
【0009】
更に、請求項4における施設情報提供装置は、請求項3記載の施設情報提供装置において、施設情報検索手段は、関連する施設の書き込み情報で補間することにより、前記施設検索条件に合致する施設を検索することを特徴とする。
【0010】
更に、請求項5における施設情報提供装置は、請求項4記載の施設情報提供装置において、施設情報検索手段において補間した施設の書き込み情報を、施設の情報として提供することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1における施設情報提供装置においては、施設毎に該施設データと該施設に関連する施設の関連施設データを記憶し、施設を検索する際に、施設検索条件に合致する施設とさらにその施設に関連する施設も検索されて、その検索された施設から施設の情報が提供されるので、施設検索において情報の幅が広がり、検索を要求したユーザにとっては、施設選択のための情報が拡充され利便性が向上する。
【0012】
また、請求項2における施設情報提供装置においては、さらに端末装置から施設の情報の書き込みを受け付け、該書き込み情報を施設の情報として更新または蓄積するので、施設に関する第三者の感想や評価をもとに施設の情報を提供することができる。
【0013】
更に、請求項3における施設情報提供装置においては、施設情報記憶手段に更新または蓄積された書き込み情報から施設を検索するので、施設に関する第三者の感想や評価をもとに施設を選択することができ、さらに利便性が向上する。
【0014】
更に、請求項4における施設情報提供装置においては、施設の情報を、関連する施設の書き込み情報で補間することにより、施設条件に合致する施設を検索するので、元々書き込み情報のない施設も検索対象となり、施設検索において情報の幅が広がり、検索を要求したユーザにとっては、施設選択のための情報が拡充され利便性が向上する。
【0015】
更に、請求項5における施設情報提供装置においては、関連する施設の書き込み情報で補間した書き込み情報を、施設の情報として提供するので、ユーザにとって施設の選択にあたり有益な情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明の実施形態における施設情報提供装置を含むシステムを示したブロック図である。
【図2】図2は本発明の実施形態における施設情報提供装置に記憶される施設情報データ構造を示したものである。
【図3】図3は本発明の実施形態における施設情報提供装置を含むシステムの処理動作を示すフローチャートである。
【図4】図4は本発明の実施形態における施設情報提供装置から施設を検索するための検索条件を入力する画面を模式的に示す図である。
【図5】図5は本発明の実施形態における施設情報提供装置から検索した施設の情報を表示する画面を模式的に示す図である。
【図6】図6は本発明の実施形態における施設情報提供装置に書き込みされる書き込み情報を入力する画面を模式的に示す図である。
【図7】図7は本発明の実施形態における施設情報提供装置を含むシステムの処理動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は本発明の実施形態における施設情報提供装置から検索した施設とその施設の情報を一時的に記憶するデータを示したものである。
【図9】図9は本発明の実施形態における施設情報提供装置から検索した施設の詳細情報を表示する画面を模式的に示す図である。
【図10】図10は本発明の実施形態における施設情報提供装置を含むシステムの処理動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は本発明の実施形態における施設情報提供装置から施設を検索するための検索条件を入力する画面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
図1は本発明の実施形態における施設情報提供装置を含むシステムを示したブロック図である。
【0018】
図1に示すように本実施の形態に係るシステムは、施設情報提供装置である施設情報サーバ1と、端末装置21、22、23と、ネットワーク3から基本的に構成される。施設情報サーバ1と端末装置21、22、23とは、ネットワーク3を介して情報の双方向の送受信が可能であり、端末装置21、22、23から施設検索条件などを施設情報サーバ1に送信し、施設情報サーバ1は、施設検索条件に応じて検索された施設の施設情報を端末装置21、22、23に送信できるよう構成されている。
【0019】
ネットワーク3としては、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網の通信系を使用することができる。
【0020】
施設情報サーバ1は、図1に示すように、施設情報検索処理や端末装置21、22、23との情報の送受信を指示するなどの全体の処理や制御を行うためのCPU11、またCPU11が各種の処理や制御を行うにあたりワーキングメモリとして使用されるRAM12、さらに各種の処理や制御のためのプログラムが記憶されたROM13、また、施設情報記憶手段としての施設情報データベース14を備えている。この施設情報サーバ1は、通信装置15を介してネットワーク3に接続される。
【0021】
ROM13内には、端末装置21、22、23との情報の送受信を指示したり、端末装置21、22、23から受信した施設検索条件から施設情報データベース14に記憶された施設の施設情報により施設を検索したり、検索された施設の施設情報を端末装置21、22、23に送信するために編集したり、その施設情報を端末装置21、22、23に送信する指示をしたりする制御プログラムが記憶されている。
【0022】
尚、このROM13に記憶されたプログラムにより、CPU11が、端末装置21、22、23から取得された施設検索条件により施設情報データベース14を検索して施設を検索する施設情報検索手段として、また、検索された施設の情報を端末装置21、22、23に提供する施設情報提供手段として機能する。
【0023】
施設情報記憶手段である施設情報データベース14は、例えばHD(Hard Disk)などの磁気ディスク、光ディスク、メモリカードなどの他、半導体メモリ等で構成される。この施設情報データベース14は、記憶領域として、予め固定的に情報を記憶し書き換え不能な領域と、後述する書き込み情報などを適宜更新して記憶する書き換え可能領域とを備える。そして、この施設情報データベース14には、店舗や公共施設やアミューズメント施設などの施設の情報が記憶されている。
【0024】
端末装置は、ナビゲーション装置21やパーソナルコンピュータ22や携帯端末23(携帯電話、携帯情報端末等)等の端末である。図1においては、これらを併記したが、これらのうち1つまたは複数で構成される。これら端末装置の構造の詳細は記載しないが、少なくとも通信装置21a、22a、23aを備え、ネットワーク3を介して施設情報サーバ1と送受信ができるよう構成されている。またこれら端末装置は、図示しないが、施設情報サーバ1に施設の検索条件を要求するための情報を入力する入力装置(例えば、表示装置に併設されたタッチパネル、リモコン、キーボード等)を備える。さらに、施設検索条件を入力するための画面を表示したり、施設情報サーバ1から受信した施設の施設情報等を表示したりするための表示装置を備える。
【0025】
図2は、施設情報データベース14のデータ構造の一例である。例えば飲食店の店舗で説明する。施設情報データベース14の記憶領域には、施設データとして、飲食店のジャンル(例えばラーメン店、そば屋、中華料理店など)毎にデータ領域が区分され、さらにはそれらジャンル毎に区分された施設データが行政区域毎に区分されて各店舗(施設)の情報が記憶されている。行政区域毎に区分されて記憶する際、例えば、都道府県で区分し、その都道府県の下位階層として尾張地方や三河地方などの区分、さらにその下位階層として市町村として安城市、岡崎市、豊明市などの区分で記憶される。
【0026】
各店舗の情報(施設データ)には、データベースにおける固有の施設ID201、地理上で場所を特定するための座標202、店舗の名称203、住所204、電話番号205、詳細情報206、書き込み情報207、評価情報208などの情報が記憶される。詳細情報206には、店舗の営業時間、写真、メニューなどの情報が含まれる。これら店舗(施設)の情報201から206が施設情報である。この施設情報は、予め施設情報データベースに記憶される固定的な情報である。ただし、上記では201から206の情報例で説明したが、その他、店舗へのアクセスマップなど他の情報が記憶されてもよい。また、詳細情報206に種々の詳細情報が記憶されていると説明したが、これらが別個の項目に分類されて記憶されてもよい。この施設情報には、少なくとも、施設を検索し、検索された施設の情報として提供するための情報が含まれている。
【0027】
書き込み情報207は、ネットワーク3を介して接続される端末装置21、22、23から書き込まれたコメントなどの情報を記憶する領域である。例えば、予め施設情報サーバ1にて書き込み情報を入力する画面を準備し、CGI(Common Gateway Interface)などを利用して、ネットワーク3を介して接続された端末装置21、22、23からコメントなどを書き込みするよう構成する。尚、この施設に対する書き込みについては、上述の他、予め端末装置側に書き込み情報を入力する画面を備え、ネットワーク3を介して端末装置から施設情報サーバ1に送信する際に、書き込み情報であることを認識するためのID等を付加して書き込み情報を送信するように構成するなど、施設情報サーバ1に書き込みできるものであればよい。
【0028】
書き込み情報207は、その施設を利用したユーザの感想や評価などであり、フリーに文章で書き込むよう構成しても、予め施設情報サーバ側で固定の質問を準備し、その質問に対し回答(例えば形容詞を入力させたり、回答項目を列挙して選択させたり)するよう構成してもよい。この書き込み情報207は、ユーザから書き込まれた全ての情報を累積していってもよいし、所定数を超えた場合、古い書き込み情報から順に消去していってもよい。
【0029】
評価情報208は、その施設に対して書き込まれた書き込み情報207を、施設情報サーバ1にて、総合的に解析した施設の評価の情報である。累積された書き込み情報207から、その感想や評価を統計的に処理して記憶する。その際、書き込みされた情報からポイントを算出し、その平均値を算出したり、総数を算出してもよい。
【0030】
関連施設ID209は、その施設に関連する施設の施設IDであり、関連施設データの一例である。例えば、ある店舗(施設)に姉妹店、支店・本店、系列店などがある場合、それらの店舗の施設IDを記憶しておく。これにより、ある店舗に姉妹店などがある場合、この施設IDを参照して、その姉妹店の店舗の情報にリンクすることが容易にできる。関連施設データの例として、上述では施設ID201にリンクするよう、関連施設IDで説明したが、この他、関連する施設の名称や、施設情報データベース14内のデータアドレスなどであってもよい。
【0031】
施設情報データベース14の施設データのうち、上述の201〜206、209の情報が固定的に情報を記憶する領域、207、208の情報が書き換え可能な記憶領域に記憶される。但し、201〜206、209の情報も適宜情報をアップデート(固定的な情報の改変などに対応)するため、施設情報サーバ1側で書き換え可能と構成することもできる。
【0032】
次に、本実施の形態に係るシステムの動作をフローチャートに従って説明する。図3は施設情報提供装置である施設情報サーバ1とネットワーク3を介して通信する端末装置21、22、23の各処理を示す。特に、施設情報提供装置である施設情報サーバ1内における施設検索条件手段、施設情報検索手段、及び施設情報提供手段の行う処理動作が示される。
【0033】
図3に示すように、まず端末装置21、22、23側のステップ(以下、Sと略記する)301において、施設検索条件が入力される。この検索条件の入力においては、端末装置21、22、23に併設された入力装置にてユーザが検索したい施設の種々の条件を入力する。この施設検索条件は、ユーザが施設情報サーバ1に対して検索したい施設の、ジャンルや、地域や、他のユーザにより書き込みされた情報や、その書き込みされた情報から評価された評価情報が対象となる。端末装置21、22、23にて検索条件を入力する際、施設情報サーバに対する入力フォーマットに対応して、施設のジャンルや、検索する地域や、後述する書き込み情報や評価情報の項目を選択できるよう、予め表示画面を規定してもよいし、フリーワードなどのキーワードを入力するようにしてもよい。
【0034】
この端末装置21、22、23において施設検索条件を入力する際の、入力画面表示例を図4に示す。図4は、フリーワードなどのキーワードを検索ワードとして入力する例である。検索ワードを図のように、例えば「ラーメン 三河」と入力する(各ワードの間にスペースを入力)ことにより、「ラーメン」、「三河」を検索ワードとする。
【0035】
図3に戻って説明する。端末装置21、22、23にて施設検索条件が入力され、例えば端末装置を使用するユーザが施設検索を開始する指示をすると、端末装置21、22、23は、通信装置21a、22a、23aを介し、ネットワーク3経由で施設情報サーバ1にアクセスし、入力された施設検索条件を文字情報として、或いは符号化などして、施設情報サーバ1に送信する(S302)。尚、この際、端末装置21、22、23側からそれぞれ固有の機種IDやユーザID等を併せて送信する。
【0036】
施設情報サーバ1は、端末装置21、22、23からアクセスを受け、施設検索条件を受信し、例えばRAM12に一時記憶する(S303、施設検索条件取得手段)と、受信・取得された施設検索条件により、施設情報データベース14に記憶された施設情報にアクセスし、まず、その施設検索条件に合致する施設を検索する(S304)。
【0037】
施設情報サーバ1は、施設検索条件に合致する施設を検索する際、受信・取得された施設検索条件に対し、施設情報データベース14の各施設の施設情報を検索する。一例について、ナビゲーション装置21から施設検索条件が送信された場合について説明する。ナビゲーション装置21の詳細な構成は省略するが、GPSセンサなどナビゲーション装置21の現在位置を検出することができ、また、地図情報を記憶し、その地図情報に基づいてナビゲーション装置21の地図上での位置を示し、また地図情報に基づいて目的地などへの経路案内を表示画面に出力する。このナビゲーション装置21では、画面上でのタッチパネルやリモコンなどの入力装置を備える。入力装置により、ユーザから施設情報サーバ1にアクセスして施設を検索するための施設検索条件が入力される。施設検索条件が入力され、ユーザが「検索」コマンドを操作すると、通信装置21a及びネットワーク3を介して施設情報サーバ1にアクセスし、ナビゲーション装置21固有のID、ナビゲーション装置21にて検出された現在位置の座標情報、及び施設検索条件が施設情報サーバ1に送信される。それら各情報を受信・取得した施設情報サーバ1は、施設情報データベース14に記憶された施設情報を検索する。検索にあたっては、例えば、上述のように検索ワードが「ラーメン」、「三河」であった場合、施設検索条件として、まず「三河」に含まれる市町村区域を特定する(例えば、安城市、岡崎市、西尾市など)。そして、施設検索条件にある施設ジャンル(ラーメン店)と特定された市町村区域から、施設情報データベース内の施設IDを検索する(例えば、安城市、岡崎市、西尾市などのラーメン店)。尚、検索された施設の施設データは一旦、施設情報サーバ1内のRAM12等に一時記憶される。その際、検索された施設データの全部のデータが一時記憶されてもよく、或いは端末装置が施設に関する情報を表示するために必要なデータのみを一時記憶されるようにしてもよい。
【0038】
図3に戻ってその後の処理について説明する。S304において、取得された施設検索条件に合致する施設が検索されると、その検索された施設に関連する施設があるか否かを、施設情報データベース14から検索する(S305)。その際、施設情報サーバ1のCPU11にて、施設検索条件に合致する施設の関連施設ID209を参照処理する。この関連施設IDに、関連する施設のIDが記憶されているか否かを判断する。
【0039】
S305において、関連する施設があると判断されると、その関連する施設のIDから施設情報データベース14内の対応するIDの施設データを検索する(S306)。尚、S305、S306では略記したが、実際の処理においては、S304で検索された施設が複数ある場合は、その複数の施設それぞれに対して順次S305、S306の処理を繰り返す。つまり、S304で検索された施設全てに対して、関連する施設の検索処理を行う。
【0040】
上述の例(安城市、岡崎市、西尾市などのラーメン店の例)では、施設情報データベース14の施設データに、「○○ラーメン安城店」の関連施設IDに、系列店である「○○ラーメン岡崎店」及び「○○ラーメン豊明店」の施設IDが記憶されている。上述の、施設検索条件に合致する検索では、検索条件の「三河」に含まれる市町村区域のラーメン店として、「○○ラーメン安城店」、「○○ラーメン岡崎店」などが検索される。そして、検索された「○○ラーメン安城店」の関連施設IDを参照し、系列店である「○○ラーメン岡崎店」及び「○○ラーメン豊明店」が関連する施設として検索される。尚、その関連する施設のうち、「○○ラーメン豊明店」は豊明市にあり、「三河」で特定された市町村区域外(「尾張」の区域内)であるが、関連する施設として検索の対象とする。このように構成することにより、施設検索条件に合致する施設の他、施設検索条件に合致はしていないが、その関連する施設として、姉妹店などの系列店も検索することができる。ここで、関連する施設を示す関連施設IDについて、例えば全国チェーンの店舗であれば、近隣(例えば所定距離内や同一都道府県内)の店舗のみ記憶させておくことも可能である。こうすることにより、関連する施設としてチェーン店などが検索されるが、あまりにも遠い店舗が検索されるようなことがなくなる。
【0041】
図3に戻り、S307においては、S304にて検索された施設の施設データ、及びS306にて検索された施設の施設データを合わせて、検索された施設の情報として例えばRAM12に一時記憶し、その情報を通信装置15及びネットワーク3を介して端末装置21、22、23に送信する。その際、端末装置21、22、23側から送信された固有の機種IDやユーザID等から、施設検索条件を送信してきた端末装置に対し、施設データを送信する。
【0042】
次に、端末装置21、22、23は、施設情報サーバ1から施設検索条件に対応した施設データを受信し(S308)、その施設データから検索された施設に関する情報を表示する(S309)。この際、端末装置21、22、23は、施設情報サーバ1から送信された施設データの一部を選択したり、画像等に加工して表示したり、或いは施設データの全部を表示したりする。
【0043】
端末装置21、22、23の表示装置に表示される施設に関する情報の一例を図5に示す。表示装置の画面上には、ユーザが施設情報サーバ1に対して検索要求した施設検索条件(検索キーワード等)が表示される(501)。その下には施設情報サーバ1から送信された、施設検索条件に対応して検索された施設の名称が表示される(502)。その際、施設情報サーバ1から送信された施設データのうち、施設の名称が抽出され表示される。尚、この表示される施設の名称は、リスト表示される際、端末装置が例えばナビゲーション装置21であれば、現在位置と送信された施設との距離が短い順に表示されるようソートした上で表示される。関連する施設がある場合は、それらはリストにおいて近接させて表示させることも可能である。例えば、上述のラーメン店の検索において、施設検索条件に合致する施設として「○○ラーメン安城店」、「○○ラーメン岡崎店」が検索され、その関連する施設である「○○ラーメン豊明店」も検索された場合、リスト上では、それらは固めて表示させる。そのように表示すると、ユーザは容易に関連する施設を含めた施設の情報を確認できる。
【0044】
さらに図5の表示画面には、施設の名称表示リストの中で所望の名称を選択する(図の「○○ラーメン安城店」)と、地図画面と併せてその施設の位置がマークとともに表示される(506)。また、「情報」(504)を選択すると、その選択された施設の各種情報が表示される。さらに、「目的地セット」(505)を選択すると、その施設位置が目的地として設定され、その目的地までの経路案内等がなされるが、従来からあるナビゲーション装置の周知技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0045】
図3の処理ステップS303からS307の処理が、本発明の実施の形態における施設情報提供装置の動作の一例であるが、S303の処理が施設検索条件取得手段、S304からS306が施設情報検索手段、S307が施設情報提供手段の動作の例を示したものである。
【0046】
上記図3または図3に準ずる処理動作に示す処理動作を行う施設情報サーバ1及び端末装置21、22、23も含むシステムを構成することにより、施設検索条件に合致する施設とさらにその施設に関連する施設も検索されて提供されるので、施設検索において情報の幅が広がり、検索を要求したユーザにとっては、施設選択のための情報が拡充され利便性が向上する。
【0047】
次に、本実施の形態に係るシステムの動作処理について、施設情報提供手段が行う施設情報提供の際に、ユーザからの書き込み情報やそれに基づいて施設情報提供装置が処理した評価情報により施設情報を検索する動作の例について説明する。
【0048】
図6は、ユーザから施設情報提供装置(施設情報サーバ1)に書き込まれる、施設の情報の書き込み操作を行う表示画面の例である。施設の情報の書き込みは、端末装置21、22、23にて行われ、ネットワーク3を介して施設情報サーバ1に送信され、施設情報サーバ1内の施設情報データベース14内の該当する施設の施設データの書き込み情報208に記憶される。図6Aは、施設を利用したユーザの感想や評価などをフリーに文章で書き込めるよう構成した例である。例えば「○○ラーメン安城点」の書き込み情報として、図のようにフリーに書き込むことができるようにする。
【0049】
また、図6Bは、予め施設情報サーバ側で固定の質問を準備し、その質問に対し回答(例えば形容詞を入力させたり、回答項目を列挙して選択させたり)するよう構成した例である。「○○ラーメン安城店」の感想等を、図のような予め設定された質問に対し回答する。この質問に対する回答が書き込み情報となる。
【0050】
図6A、図6Bで示した書き込み情報が、ネットワーク3を介して施設情報サーバ1に送信される。施設情報サーバ1は書き込み情報を受信して、書き込まれた情報をそのまま、或いは加工して、施設データベース14内の各施設データの書き込み情報208に記憶する。この書き込みがされる際、書き込みがなされた端末装置のIDやユーザIDなどを記憶するようにしてもよい。それらを記憶した場合は、後述する書き込み情報を提供する際、その書き込み情報の書き込み元として、例えば、男性なのか女性なのか、どの辺に住んでいる人なのか、などを参考情報として提供することが可能となる。また日時を合わせて記憶するようにしてもよい。日時を記憶すれば、書き込み情報のなされた日時を提供することができ、情報の新しさがユーザに分かるようになる。また、古い書き込み情報を施設情報データベース内で削除する場合にも利用できる。
【0051】
この書き込み情報208に記憶(更新または蓄積)される情報について例示する。書き込みされた情報をそのまま記憶する例では、図6Aで示した書き込みの場合では、フリーに書き込まれた文章やワードなどをそのままテキストとして記憶する。図6Bで示した書き込みの場合では、質問コードと回答コードとを紐付けて記憶する。
【0052】
また、図6Aで示した書き込みの場合で、フリーに書き込まれたテキスト文章から、施設の感想や評価に関する語句を抽出して、書き込み情報208に記憶するよう構成してもよい。テキスト文章から言語解析し、分節等に分け、例えば形容詞に相当する語句を抽出するプログラムは周知の技術を用いるため詳述しないが、このプログラムが予め施設情報サーバ1内の例えばRAM12に記憶されている。また、このように言語解析する際、ユーザの書き込み情報がフリーに書き込まれると、同義であるが違う言葉や表記で書き込まれている場合がある。例えば、「おいしい」の同義語、表記の違うものとして、「うまい」、「旨い」、「ウマい」、「美味しい」、「美味」などである。これらを集約して、例えば「おいしい」など、1つの代表語句に集約するようにしてもよい。その際、予め同義語のテーブルを施設情報サーバ1のRAM12に記憶しておき、言語解析する際、代表語句に置き換えて記憶させることも可能である。
【0053】
さらに、上述の言語解析した結果を記憶する際、例えば形容詞がどの種類の感想や評価に相当するかを紐付けて記憶するようにしてもよい。例えば、「おいしい」などは味に関する評価、「高い」、「安い」などは価格に関する評価、「広い」、「きれい」などは店舗の雰囲気に関する評価などとして、書き込まれて言語解析され抽出された語句を、感想や評価の項目別に分類して記憶する。
【0054】
次に、施設情報データベース14の施設データの評価情報209について説明する。この評価情報209は、書き込み情報208を、施設情報サーバ1にて総合的に解析した施設の評価の情報として記憶される。本例においては、書き込み情報に含まれる付随的な情報とする。
【0055】
図6Aのようにフリーに書き込まれた場合で、書き込み情報208に上述のように言語解析され抽出された語句を記憶する場合、それらの語句を感想や評価の項目別に分類し、その分類毎に語句の総数を求める。例えば、項目が価格であれば、「高い」、「程々」、「安い」と書き込まれた総数をそれぞれ求める。評価情報209には、その総数自体を記憶しても、全体の書き込み数中の割合を算出して記憶しても、或いは予め各感想や評価に対してポイントを設定して、そのポイント総数やポイントの平均値を算出して記憶してもよい。
【0056】
図7にて、ユーザからの書き込み情報やそれに基づいて施設情報提供装置が処理した評価情報により施設情報を検索、提供するシステムの動作をフローチャートに従って説明する。図3のフローチャートと相違する点を中心に詳述する。
【0057】
まず、端末装置21、22、23において、施設検索条件が入力される(S701)。そして、端末装置を使用するユーザが施設検索を開始する指示をすると、端末装置21、22、23は、通信装置21a、22a、23aを介し、ネットワーク3経由で施設情報サーバ1にアクセスし、入力された施設検索条件を施設情報サーバ1に送信する(S702)。その後、施設情報サーバ1は、端末装置21、22、23からアクセスを受け、施設検索条件を受信し、例えばRAM12に一時記憶する(S703)。そして、受信・取得された施設検索条件により、施設情報データベース14に記憶された施設情報にアクセスし、まず、その施設検索条件に合致する施設を検索する(S704)。
【0058】
施設検索条件に合致する施設を検索する際、図3に関する説明でも述べたように、端末装置21、22、23にてフリーワードなどのキーワードを入力した場合、まず施設情報サーバ1は、「三河」や「ラーメン店」に対し、地域やジャンルに該当する施設を検索する。そして、施設情報データベース14内の書き込み情報208を参照して、送信されたキーワードに該当する施設を検索する。その際、上述のように書き込み情報208に言語解析され抽出した語句が代表語句に置き換えられている場合、送信されたキーワードを代表語句に置き換えて検索する。また、書き込み情報208が項目別に分類して記憶されている場合、送信された各キーワードがどの項目に相当するかを判断して検索する。
【0059】
また、施設検索条件に合致する施設を検索する際、書き込み情報に含まれる付随的な情報である評価情報209に基づき検索するよう構成することもできる。例えば、送信されたキーワードが「安い」であれば、評価情報209の価格に関する項目で「安い」と書き込まれた割合が例えば75%以上の施設を検索する。
【0060】
S704において、取得された施設検索条件に合致する施設が検索されると、その検索された施設の書き込み情報208を取得し、RAM12等に一時記憶する(S705)。ここで、一時記憶される施設データとして、書き込み情報208の他、適宜名称203や詳細情報206などが記憶される。
【0061】
そして、その検索された施設に関連する施設があるか否かを、施設情報データベース14から検索する(S706)。S706において、関連する施設があると判断されると、その関連する施設のIDから施設情報データベース14内の対応するIDの施設データを検索する(S707)。そして、S707で検索された施設に対し、関連元となる施設の書き込み情報を、関連する施設の書き込み情報として補間して一時記憶する(S708)。
【0062】
ここで、RAM12等に一時記憶される、検索された施設の情報について図8にて説明する。上述の図7における処理において、S704で検索され、S705で一時記憶される施設の情報は、それら施設のID801、図示しない施設の名称や詳細情報、書き込み情報802、関連施設ID803からなる。そして、S707で検索され、S708で一時記憶される施設の情報は、関連元となる施設の書き込み情報が取得されて書き込み情報802として記憶される。尚、この関連する施設の書き込み情報は、関連元となる施設の書き込み情報をコピーして記憶しても、関連元となる書き込み情報記憶位置のリンク先で記憶してもよい。この、関連する施設の書き込み情報を関連元からコピー等して記憶する場合、関連元の全ての書き込み情報をコピー等してもよいが、例えば、系列店であれば、調理法やメニューなどが同じであるが、店舗の広さやアクセスなど異なるものもある。よって、関連する施設の書き込み情報を関連元の書き込み情報から、情報として有益となる項目の情報を選択してコピー等するようにしてもよい。
【0063】
尚、図7において、S704で検索された施設が複数ある場合は、その複数の施設それぞれに対して順次S706、S707の処理を繰り返す。つまり、S704で検索された施設全てに対して、関連する施設の検索処理を行う。
【0064】
次に、S705、S708で一時記憶された施設データを通信装置15及びネットワーク3を介して端末装置21、22、23に送信する。その際、端末装置21、22、23側から送信された固有の機種IDやユーザID等から、施設検索条件を送信してきた端末装置に対し、施設データを送信する。
【0065】
そして、端末装置21、22、23は、施設情報サーバ1から施設検索条件に対応した施設データを受信し(S710)、その施設データから検索された施設に関する情報を表示する(S711)。この際、端末装置21、22、23は、施設情報サーバ1から送信された施設データの一部を選択したり、画像等に加工して表示したり、或いは施設データの全部を表示したりする。
【0066】
上述の例において、端末装置21、22、23の表示装置に表示される施設に関する情報の一例を図9に示す。まず、表示画面には、上述の図5で示した画面が表示され、その画面上の「情報」504を選択すると、図9Aまたは図9Bに示す画面が表示される。
【0067】
図9Aでは、図5において選択された施設の情報として、例えば「○○ラーメン安城店」の書き込み情報のテキスト文章が、そのまま表示される。それら書き込み情報とともに、書き込みの日時やユーザID等から判断した性別や年齢層や住居区域などを加えて表示することも可能である。
【0068】
図9Bでは、図5において選択された施設の情報として、評価情報が表示される。情報提供サーバ1が、書き込み情報から評価情報を求めて記憶し、検索された施設の評価情報を端末装置に送信する場合であれば、その評価情報を表示する。例えば図9Bのように、項目毎に書き込み情報に書き込まれている感想や評価の割合等を表示する。
【0069】
更に、図9A、図9Bで「詳細」を選択すると、図9Cに示すように、選択された施設のその他詳細情報等が表示される。
【0070】
図7の処理ステップS703からS709の処理が、本発明の実施の形態における施設情報提供装置の動作の一例であるが、S703の処理が施設検索条件取得手段、S704からS708が施設情報検索手段、S709が施設情報提供手段の動作の例を示したものである。
【0071】
上記図7または図7に準ずる処理動作に示す処理動作を行う施設情報サーバ1及び端末装置21、22、23も含むシステムを構成することにより、施設検索条件に合致する施設とさらにその施設に関連する施設も検索されて提供されるので、施設検索において情報の幅が広がり、検索を要求したユーザにとっては、施設選択のための情報が拡充され利便性が向上する。さらに、書き込み情報やその書き込み情報から求められた評価情報を提供されるので、施設に関する第三者の感想や評価をもとに施設を選択することができ、さらに利便性が向上する。また、検索条件に合致した施設の書き込み情報を、その施設に関連する施設の情報として提供することができ、ユーザにとって施設の選択にあたり有益な情報を得ることができる。
【0072】
次に、本実施の形態にかかるシステムの動作処理について、ユーザからの書き込み情報やそれに基づいて施設情報提供装置が処理した評価情報により施設情報検索手段が施設情報を検索する他の例を説明する。
【0073】
本例では、書き込み情報やそれに基づく評価情報を基に施設を検索する際、書き込み情報や評価情報がない施設でも、関連施設に書き込み情報や評価情報があれば、それを基に検索できるようにするものである。例えば、ユーザが要求した施設検索条件に書き込み情報や評価情報をもとに検索するキーワード等が含まれている場合、施設検索条件に地域の指定があると、その地域内に含まれ、かつ書き込み情報や評価情報からユーザが要求したキーワードが含まれる施設が検索される。しかし、ユーザが要求した地域内に、チェーン店の1店があり、その店には書き込み情報のない店があるが、要求した地域外に書き込み情報があるチェーン店の他店がある場合、前者の地域内の店は検索されないことになる。
【0074】
そこで、本例では、ユーザが要求した施設検索条件に合致する際、その関連施設の書き込み情報や評価情報を基に、書き込み情報や評価情報のない施設も検索するよう構成するものであり、施設検索において情報の幅が広がり、検索を要求したユーザにとっては、施設選択のための情報が拡充され利便性が向上するという効果を有するものである

【0075】
図10は、ユーザからの書き込み情報やそれに基づいて施設情報提供装置が処理した評価情報により施設情報検索手段が施設情報を検索する動作を示したフローチャートである。図3や図7のフローチャートと相違する点を中心に詳述する。
【0076】
まず、端末装置21、22、23において、施設検索条件が入力される(S1001)。そして、端末装置を使用するユーザが施設検索を開始する指示をすると、端末装置21、22、23は、通信装置21a、22a、23aを介し、ネットワーク3経由で施設情報サーバ1にアクセスし、入力された施設検索条件を施設情報サーバ1に送信する(S1002)。その後、施設情報サーバ1は、端末装置21、22、23からアクセスを受け、施設検索条件を受信し、例えばRAM12に一時記憶する(S1003)。そして、受信・取得された施設検索条件により、施設情報データベース14に記憶された施設情報にアクセスし、まず、その施設検索条件のうち、書き込み情報に関する検索条件以外の施設検索条件に合致する施設を検索する(S1004)。
【0077】
ここで、端末装置21、22、23において施設検索条件を入力する際の、入力画面表示例を図11に示す。検索ワードを図のように、例えば「ラーメン 三河 おいしい」と入力することにより、「ラーメン」、「三河」、「おいしい」を検索ワードとする。
【0078】
ここで、施設情報サーバ1は、取得された検索ワードそれぞれについて、施設情報データベース14内の施設データのうち、どの施設情報あるいは書き込み情報や評価情報を検索対象とするか判断する。例えば、上述の検索ワードで「ラーメン」は施設のジャンルと判断し、「三河」は地域(市町村区域)と判断する。「ラーメン」に対しては、図2で示す施設情報データベース14内の施設データのうち、ジャンルが「ラーメン店」のデータ領域を特定する。「三河」に対しては、三河地方に含まれる市町村(安城市、岡崎市、西尾市など)のデータ領域を特定する。ここで、特に地域に関しては、「三河」に対して三河地方に含まれる市町村など、地域を表わすワードと該当する地域との組み合わせを予めテーブルとしてRAM12に記憶しておき、検索処理時に参照する。施設情報サーバ1は、検索ワードの「おいしい」は感想や評価に関するワードと判断し、書き込み情報207、あるいは評価情報208を検索対象とすると判断する。
【0079】
そして、施設情報サーバ1は、上述の検索ワード(「ラーメン」、「三河」)に対して、ジャンルがラーメン店であり、三河地方である安城市、岡崎市、西尾市などに含まれる施設を検索し、それら検索された施設の施設ID201の他施設データを例えばRAM12内に一時記憶する。ここで、検索された施設に書き込み情報や評価情報がある場合には、その書き込みや評価情報もRAM12内に一時記憶する。
【0080】
図10に戻り、次にS1004にて検索された施設について、それら施設に関連する施設を施設情報データベース14の関連施設ID209により検索する(S1005)。そして、関連する施設のある施設について、書き込み情報207や評価情報208があるか否かを検索する。
【0081】
S1005にて検索された関連する施設のある施設のうち、書き込み情報や評価情報がない施設について、関連する施設の書き込み情報207または評価情報208を参照し、関連する施設に書き込み情報または評価情報がある場合には、それら書き込み情報または評価情報をコピーして、関連元の施設の書き込み情報または評価情報とし、RAM12等に一時記憶する(S1006)。これら施設の情報を一時記憶する際、前述の図8で示した一時記憶される情報と同様に、S1004で検索された施設の情報と、それら施設に対して関連する施設の書き込み情報や評価情報が加えられて記憶される。このように一時記憶される情報を構成することにより、元々書き込み情報や評価情報などがない施設についても、関連する施設の書き込み情報や評価情報で補間して、書き込み情報や評価情報に関する検索ワードに対する検索対象とすることができる。
【0082】
上述では、S1005で検索された関連する施設のある施設のうち、書き込み情報や評価情報のない施設について、関連する施設の書き込み情報または評価情報をコピーして補間するよう構成した。この他、S1005で検索された関連する施設のある施設全てに対して、関連する施設の書き込み情報または評価情報をコピーするようにしてもよい。この際、施設検索条件に合致する施設に書き込み情報や評価情報が既に記憶されていて、さらに関連する施設の書き込み情報や評価情報が補間されて記憶される。その場合には、既に記憶されている書き込み情報や評価情報が、後述する書き込み情報や評価情報に基づく検索時に優先されるよう、記憶領域を分けて記憶されるよう構成してもよい。その際には、関連する施設の書き込み情報や評価情報は、参考情報などとして扱われるようにし、口述する施設検索には用いられないが、端末装置に送信される情報としては用いられる、などの利用ができる。
【0083】
次に、S1007にて、施設検索条件に合致する施設を検索する。上述の例では、RAM12内に、既に書き込み情報に関する施設検索条件以外の条件で検索された施設が記憶されているので、ここでは、書き込み情報や評価情報に関する施設検索条件で施設が検索される。例えば、RAM12内に一時記憶された、「ラーメン」、「三河」の検索ワードに該当する施設の中から、RAM12に一時記憶された書き込み情報や評価情報を参照して、「おいしい」に該当する施設を検索する。この書き込み情報や評価情報を参照して施設を検索する方法については、前述の図7等で説明した方法が適用される。
【0084】
S1007において、取得された施設検索条件に合致する施設が検索されると、その検索された施設データを取得し、RAM12等に一時記憶する(S1008)。
【0085】
そして、S1008で一時記憶された施設データを通信装置15及びネットワーク3を介して端末装置21、22、23に送信する(S1009)。その際、端末装置21、22、23側から送信された固有の機種IDやユーザID等から、施設検索条件を送信してきた端末装置に対し、施設データを送信する。
【0086】
その後、端末装置21、22、23は、施設情報サーバ1から施設検索条件に対応した施設データを受信し(S1010)、その施設データから検索された施設に関する情報を表示する(S1011)。
【0087】
図10の処理ステップS1003からS1009の処理が、本発明の実施の形態における施設情報提供装置の動作の一例であるが、S1003の処理が施設検索条件取得手段、S1004からS1008が施設情報検索手段、S1009が施設情報提供手段の動作の例を示したものである。
【0088】
ここで、関連する施設を示す関連施設ID209について、全てのチェーン店など関連する施設のIDを持たせてもよい。このように構成すると、例えば全国チェーンの店舗であり、施設検索条件で指定した地域内、さらにはその近隣の店舗にも書き込み情報などがないが、遠方の地域にある店舗に書き込み情報などがある場合でも、その書き込み情報をもとに書き込み情報を補間することができる。
【0089】
また、関連施設IDについて、同一のジャンルに絞って持たせるようにしてもよい。例えば姉妹店ではあるが、同一のジャンルではない施設がある場合、書き込み情報や評価情報のいくらかが関係しない場合が多い。同一のジャンルに絞れば、姉妹店等の関連する施設の書き込み情報や評価情報がより有効となる。
【0090】
尚、上述の図10に示す処理の説明では、S1004において、施設検索条件のうち、書き込み情報に関する検索条件以外の施設検索条件に合致する施設を検索する際、ジャンル(「ラーメン店」)と地域(「三河」)の施設検索条件に含まれる施設をまず検索するよう構成した。これに変えて、S1004にて、まず施設検索条件のうちジャンルに該当する施設だけを検索し、RAM12等に一時記憶するよう構成してもよい。その場合、S1005にて、検索された施設の関連施設を検索し、S1006にて、関連施設の書き込み情報や評価情報を補間して一時記憶し、S1007にて、地域と書き込み情報や評価情報に関する施設検索条件にて施設を検索する。さらには、S1004にて地域のみ、S1007にてジャンルと書き込み情報や評価情報に関する検索を行うよう構成してもよい。
【0091】
即ち、S1004からS1008が施設情報検索手段の例であるが、施設情報提供装置である施設情報サーバ1において受信・取得された施設検索条件に対し、その施設検索条件に合致する施設と、書き込み情報や評価情報が元々はない施設も関連施設の情報を基に検索できればよい。これらの処理は、施設情報データベース14の施設データのデータ構造、及び201から206で示した施設情報の内容に依存させればよい。
【0092】
上述の図10の例では、書き込み情報や評価情報に関する施設検索条件として、ジャンルと地域で説明したが、例えば電話番号の市外局番を施設検索条件としてユーザが要求した場合、施設データの電話番号205を検索して、要求された市外局番を含む施設を検索してもよい。その他、名称や住所に含まれる文字をユーザが要求した場合、名称203や住所204を参照して、その文字を含む施設を検索してもよい。
【0093】
上記図10または図10に準ずる処理動作を行う施設情報サーバ1及び端末装置21、22、23も含むシステムを構成することにより、ユーザが要求した施設検索条件に合致した施設を検索する際、その関連施設の書き込み情報や評価情報を基に、書き込み情報や評価情報のない施設も検索するよう構成するものであり、施設検索において情報の幅が広がり、検索を要求したユーザにとっては、施設選択のための情報が拡充され利便性が向上するという効果を有するものである。
【0094】
尚、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0095】
例えば、図1においては、施設情報サーバ1と通信装置15は独立して構成されているが、施設情報サーバ1に通信装置15を内在させてもよい。
【0096】
また、端末装置は、ナビゲーション装置21やパーソナルコンピュータ22や携帯端末23(携帯電話、携帯情報端末等)等の端末として説明したが、施設情報検索のための施設検索条件を入力できる入力装置と、ネットワーク3を介して施設情報サーバ1と情報の送受信が可能であり、施設情報サーバ1から送信された情報を表示する表示装置を備える装置であれば適宜変更可能である。
【0097】
さらに、施設情報提供装置である情報提供サーバ1は、端末装置21、22、23とは別の(例えば情報センター)装置であり、ネットワーク3を介し情報の送受信をするシステムで説明したが、施設情報サーバ1の各構成を端末装置側に持たせてもよい。その場合、端末装置に他の端末装置と通信する機能を有し、上述の書き込み情報を他の端末装置から受信し、端末装置内の記憶装置(施設情報データベース)に蓄積していき、端末装置内で施設検索条件の入力から検索された施設の情報を表示する。即ち、端末装置の一部を施設情報提供装置としての構成とするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 施設情報サーバ
2 端末装置
3 ネットワーク
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 施設情報データベース
15、21a、22a、23a 通信装置
21 ナビゲーション装置
22 パーソナルコンピュータ
23 携帯端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設毎に該施設データと該施設に関連する施設の関連施設データを記憶した施設情報記憶手段と、
施設検索条件を取得する施設検索条件取得手段と、
該施設検索条件取得手段により取得された施設検索条件により前記施設情報記憶手段に記憶された施設データにより施設を検索する施設情報検索手段と、
該施設情報検索手段により検索された施設の情報を提供する施設情報提供手段と、を備え、
前記施設情報検索手段は、前記施設情報記憶手段に記憶された施設データと関連施設データから前記施設検索条件に合致する施設と該施設に関連する施設を前記施設情報記憶手段から検索することを特徴とする施設情報提供装置。
【請求項2】
前記施設情報記憶手段は、端末装置から施設の情報の書き込みを受け付け、該書き込み情報を施設データとして更新または蓄積することを特徴とする請求項1記載の施設情報提供装置。
【請求項3】
前記施設情報検索手段は、前記施設情報記憶手段に更新または蓄積された書き込み情報から施設を検索することを特徴とする請求項2記載の施設情報提供装置。
【請求項4】
前記施設情報検索手段は、前記関連する施設の書き込み情報で補間することにより、前記施設検索条件に合致する施設を検索することを特徴とする請求項3記載の施設情報提供装置。
【請求項5】
前記施設情報提供手段は、前記施設情報検索手段において補間した施設の書き込み情報を、施設の情報として提供することを特徴とする請求項4記載の情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−107874(P2011−107874A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260822(P2009−260822)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】