説明

施設検索装置及びプログラム

【課題】50音入力だけでなく、50音の行入力にも対応することが可能な施設検索装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】仮名入力モードに設定されている場合には、CPU41は、入力文字表示部66に表示されている50音の文字を検索語とし、各分割単位テーブルF1〜F1000から、検索語の前方3文字の平仮名が属する50音の3行の組み合わせに関連付けられた分割単位テーブルを特定して、RAM42に記憶し、候補施設名を検索する。また、行ダイレクト入力モードに設定されている場合には、CPU41は、入力文字表示部66に表示されている50音の行を検索語とし、各分割単位テーブルF1〜F1000から、検索語の前方3文字の平仮名が属する50音の3行の組み合わせに関連付けられた分割単位テーブルを特定して、RAM42に記憶し、候補施設名を検索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された検索語又は50音の行に基づいて施設情報を検索する施設検索装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、入力された検索語に基づいて施設情報を検索する技術に関し種々提案されている。
例えば、施設の正式名称(例えば、「東京ディズニーランド」である。)と通称(例えば、「ディズニーランド」である。)を、それぞれの読み(例えば、「とうきょうでぃずにーらんど」と「でぃずにーらんど」である。)の先頭文字(例えば、「と」と「て」である。)を最上位としたツリー構造で記憶したナビゲーション装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−175551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたナビゲーション装置では、10キー等による50音の行入力方式、所謂、T9入力方式(例えば、「かあかあ」を入力すると「こうかい、かいけい、かいかい、こうこう、くうこう、・・・」の「読み」が対応する。)による施設情報の検索には、対応することができない。一方、施設の正式名称と通称を、それぞれの読みの先頭文字が属する50音の行で分類した場合には、50音で入力された検索語と前方一致する読みが名称中に含まれるか否かを、検索語に該当する50音の行に対応した全ての施設名について行う必要が生じるため、検索時間が増大し、応答性能が低下するという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、50音入力だけでなく、50音の行入力にも対応することが可能となると共に、検索を高速で行い、応答性の低下を防止することが可能となる施設検索装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係る施設検索装置は、複数の施設名の読みを、各施設名の読みを構成するキーワード毎に、該キーワードと前方一致する所定文字数の分割文字列が属する50音の行の組み合わせに関連付けられた分割単位に記憶すると共に、更に、前記分割単位毎に、該分割単位に記憶された前記複数の施設名の読みを、該分割単位に関連付けられた50音の行の組み合わせに属する前記分割文字列と前方一致するキーワード毎に、該キーワードの先頭文字が属する50音の段に関連付けて記憶する施設名記憶手段と、検索語を入力する入力手段と、前記記憶されている複数の分割単位のうち、前記検索語の前方から前記所定文字数の文字列が属する50音の行の組み合わせに関連付けられた前記分割単位を特定し、当該特定した分割単位において、当該検索語の先頭文字が属する前記50音の段に関連付けて記憶されている全ての施設名の読みから、前記検索語に対応する施設名の読みを検索する検索手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る施設検索装置は、請求項1に記載の施設検索装置において、前記施設名記憶手段は、複数の前記分割単位のそれぞれにおいて、一の施設名の読みが複数の前記50音の段に関連付けられる場合には、該施設名の読みを統合段に関連付けて記憶し、前記検索手段は、前記特定した分割単位において、前記検索語の先頭文字が属する前記50音の段に関連付けて記憶されている全ての施設名の読みと、前記統合段に関連付けて記憶されている全ての施設名の読みとから、前記検索語に対応する施設名の読みを検索することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る施設検索装置は、請求項1又は請求項2に記載の施設検索装置において、前記入力手段は、50音の文字を入力可能な仮名入力モードと、50音の行を入力可能な行入力モードのうちのいずれか一方を選択するモード選択手段を有し、前記検索手段は、前記モード選択手段を介して前記行入力モードが選択されて前記検索語が入力された場合には、前記特定した分割単位に記憶されている全ての施設名の読みを前記検索語に対応する施設名の読みとして検索することを特徴とする。
【0009】
更に、請求項4に係るプログラムは、複数の施設名の読みを、各施設名の読みを構成するキーワード毎に、該キーワードと前方一致する所定文字数の分割文字列が属する50音の行の組み合わせに関連付けられた分割単位に記憶すると共に、更に、前記分割単位毎に、該分割単位に記憶された前記複数の施設名の読みを、該分割単位に関連付けられた50音の行の組み合わせに属する前記分割文字列と前方一致するキーワード毎に、該キーワードの先頭文字が属する50音の段に関連付けて記憶する施設名記憶手段を備えたコンピュータに、検索語を入力する入力工程と、前記記憶されている複数の分割単位のうち、前記入力工程で入力された検索語の前方から前記所定文字数の文字列が属する50音の行の組み合わせに関連付けられた前記分割単位を特定する分割単位特定工程と、前記分割単位特定工程で特定した分割単位において、当該検索語の先頭文字が属する前記50音の段に関連付けて記憶されている全ての施設名の読みから、前記検索語に対応する施設名の読みを検索する検索工程と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
前記構成を有する請求項1に係る施設検索装置では、入力手段を介して検索語が入力された場合には、検索語の前方から所定文字数を分割文字列として、該分割文字列が属する50音の行の組み合わせに関連付けられた分割単位を特定し、当該特定した分割単位において、当該検索語の先頭文字が属する50音の段に関連付けられて記憶されている全ての施設名の読みから、検索語に対応する施設名の読みを検索する。
【0011】
このため、検索対象となる施設名の読みを少なくすることができ、施設名の読みの検索を高速で行い、応答性の低下を防止することが可能となる。また、検索した施設名の読みの件数を候補施設名の件数として迅速に表示することが可能となる。また、検索した施設名の読みに対応する施設名を抽出することによって、候補施設名の検索を高速で行い、応答性の低下を防止することが可能となる。
【0012】
また、施設名記憶手段に記憶される複数の分割単位は、分割文字列が属する50音の行の組み合わせに関連付けられているため、入力手段を介して複数の50音の行が入力された場合にも、検索手段は、入力された50音の行の組み合わせに関連付けられた分割単位に記憶されている全ての施設名の読みから、検索語に対応する施設名の読みを検索することが可能となる。また、検索した施設名の読みの件数を候補施設名の件数として迅速に表示することが可能となる。また、検索した施設名の読みに対応する施設名を抽出することによって、候補施設名の検索を高速で行い、応答性の低下を防止することが可能となる。
【0013】
また、請求項2に係る施設検索装置では、複数の分割単位のそれぞれにおいて、一の施設名の読みが複数の50音の段に関連付けられる場合には、該施設名の読みを統合段に関連付けて記憶する。このため、1つの分割単位内において、統合段と50音の段に関連付けられた施設名の読みは、1個だけ記憶されるため、重複記憶される施設名の読みを減少させて、各分割単位のデータ容量の削減化を図ることが可能となる。
【0014】
また、入力手段を介して検索語が入力された場合には、検索語の前方から所定文字数を分割文字列として、該分割文字列が属する50音の行の組み合わせに関連付けられた分割単位を特定し、当該特定した分割単位において、当該検索語の先頭文字が属する50音の段に関連付けて記憶されている全ての施設名の読みと、該分割単位の統合段に関連付けて記憶されている全ての施設名の読みとから該検索語に対応する施設名の読みを検索すればよいため、検索対象となる施設名の読みを更に少なくすることができ、施設名の読みの検索をより高速で行い、応答性の低下を確実に防止することが可能となる。
【0015】
また、請求項3に係る施設検索装置では、ユーザは、モード選択手段を介して仮名入力モードと行入力モードとのいずれかを選択することによって、複数の50音の文字又は複数の50音の行を容易に入力することができる。また、行入力モードが選択されて、複数の50音の行が入力された場合には、この入力された複数の50音の行を検索語として分割単位を特定する。そして、当該特定した分割単位に記憶されている全ての施設名の読みを、検索語に対応する施設名の読みとして検索するため、検索をより高速で行い、応答性の低下を確実に防止することが可能となる。
【0016】
更に、請求項4に係るプログラムでは、コンピュータは当該プログラムを読み込むことによって、入力工程で入力された検索語の前方から所定文字数を分割文字列として、該分割文字列が属する50音の行の組み合わせに関連付けられた分割単位を特定し、当該特定した分割単位において、当該検索語の先頭文字が属する50音の段に関連付けられて記憶されている全ての施設名の読みから、検索語に対応する施設名の読みを検索する。
【0017】
このため、コンピュータは検索対象となる施設名の読みを少なくすることができ、施設名の読みの検索を高速で行い、応答性の低下を防止することが可能となる。また、コンピュータは、検索した施設名の読みの件数を候補施設名の件数として迅速に表示することが可能となる。また、コンピュータは、検索した施設名の読みに対応する施設名を抽出することによって、候補施設名の検索を高速で行い、応答性の低下を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】施設名DBに格納された施設名データファイルの一例を示す図である。
【図3】入力された検索語又は複数の50音の行に基づいて施設情報を検索してリスト表示する「施設情報表示処理」を示すフローチャートである。
【図4】図3の「候補施設名抽出処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図5】検索語又は複数の50音の行を入力する検索語入力画面の一例を示す図である。
【図6】「あ行あ行さ行」に関連付けられた分割単位テーブルの一例を示す図である。
【図7】他の実施例の検索語又は複数の50音の行を入力する検索語入力画面の一例を示す図である。
【図8】他の実施例の「あ行あ行さ行」に関連付けられた分割単位テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る施設検索装置及びプログラムをナビゲーション装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
[ナビゲーション装置の概略構成]
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施例に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)等を検出する現在地検出処理部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内等に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、不図示の道路交通情報センタや地図情報配信センタ等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置17と、液晶ディスプレイ15の表面に装着されたタッチパネル18とから構成されている。また、ナビゲーション制御部13には自車の走行速度を検出する車速センサ21が接続されている。
【0021】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33等からなり、自車位置、自車の向きを表す自車方位、走行距離等を検出することが可能となっている。
【0022】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25、施設名データベース(施設名DB)27及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバを備えている。
【0023】
また、地図情報DB25には、ナビゲーション装置1の走行案内や経路探索に使用されるナビ地図情報26が格納されている。ここで、ナビ地図情報26には、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
【0024】
尚、店舗データには、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、駅、空港、フェリー乗り場等のPOIに関する名称や住所、電話番号等に加えて、検索結果をリスト表示する際の表示優先度のデータをPOIを特定するIDとともに記憶するようにしてもよい。例えば、表示優先度は、「88」や「256」等の数値で表され、数値の大きいものほど優先度が高くなる。また、地図情報DB25の内容は、不図示の地図情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0025】
また、施設名DB27には、所定文字数(本実施例では、3文字である。)の平仮名が属する50音の行の組み合わせに関連付けられた各分割単位テーブルF1〜F1000毎に、施設名及び該施設名の読みを記憶する施設名データフィル51(図2参照)が格納されている。
【0026】
尚、施設名DB27に記憶されている施設名の「読み」は主に施設の名称等を検索する際に使用されるデータであり、例えば漢字表記の施設を仮名文字入力により検索可能にするためのものである。本実施例では施設名の「読み」が平仮名で格納されているものとして説明する。また、施設名の表記文字と検索時の入力文字が一致する言語(英語等)で使用されるナビゲーション装置の場合は、施設名の「綴り」を記憶しておけばよく、「読み」を記憶する必要は無い。
【0027】
また、図1に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラム等が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0028】
また、ROM43には、後述の10キー62から入力された複数の50音の行、又は、10キー62から入力された50音の検索語に基づいて施設情報を検索してリスト表示する施設情報表示処理のプログラム(図3参照)等が記憶されている。
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17、タッチパネル18の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0029】
この操作部14は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0030】
また、液晶ディスプレイ15には、現在走行中の地図情報、後述の検索語入力画面61(図5参照)、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの推奨経路、推奨経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
【0031】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて、推奨経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」等がある。
【0032】
また、通信装置17は、地図情報配信センタと通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、地図情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信を行う。また、通信装置17は地図情報配信センタに加えて、道路交通情報センタ等から送信された渋滞情報やサービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0033】
また、タッチパネル18は、液晶ディスプレイ15の表面部に装着された透明なパネル状のタッチスイッチであり、液晶ディスプレイ15の画面に表示されたボタンや地図上を押下することによって各種指示コマンドを入力することが可能に構成されている。尚、タッチパネル18は、液晶ディスプレイ15の画面を直接押下する光センサ液晶方式等で構成してもよい。
【0034】
次に、施設名DB27に格納される施設名データファイル51の一例について図2に基づいて説明する。
図2に示すように、施設名データファイル51は、3文字の平仮名が属する50音の3行の各組み合わせ「あ行あ行あ行」、「あ行あ行か行」、・・・「わ行わ行わ行」に関連付けられた各分割単位テーブルF1〜F1000から構成されている。
【0035】
例えば、分割単位テーブルF1は、各3文字の平仮名「あああ、ああい、ああう、・・・、おおえ、おおお」が属する50音の3行の組み合わせ「あ行あ行あ行」に関連付けられている。また、分割単位テーブルF2は、各3文字の平仮名「ああか、ああき、ああく、・・・、おおけ、おおこ」が属する50音の3行の組み合わせ「あ行あ行か行」に関連付けられている。
【0036】
また、各分割単位テーブルF1〜F1000には、この各分割単位テーブルF1〜F1000に関連付けられた50音の3行の組み合わせに属する3文字の平仮名と前方一致するキーワードを有する施設名の読み及び施設名が、「統合段」と、当該50音の3行の組み合わせの1行目の50音の「あ段」〜「お段」とに関連付けられて記憶されている。つまり、各分割単位テーブルF1〜F1000は、「統合段」及び「あ段」〜「お段」と、それぞれに対応した施設名の読みを記憶する「読み」と、「施設名」とから構成されている。ここで、キーワードは、意味を成す単位で構成された読みの文字列である。
【0037】
そして、「統合段」に対応する「読み」には、各分割単位テーブルF1〜F1000に関連付けられた50音の3行の組み合わせに属する3文字の平仮名のうち、1文字目が複数の異なる50音の段に属する3文字の平仮名と前方一致するキーワードを2個以上有する施設名の読みが記憶されている。つまり、2個以上のキーワードの前方3文字が、同じ50音の3行の組み合わせに属し、且つ、この2個以上のキーワードの各1文字目が異なる50音の段に属する場合には、この2個以上のキーワードを有する施設名の読みが、「統合段」に関連付けられた「読み」に記憶される。また、「統合段」に対応する「施設名」には、検索対象となる目的地を表す施設名が、「読み」に記憶された施設名の読みに対応して記憶されている。
【0038】
また、各「あ段」〜「お段」に対応する「読み」には、当該50音の3行の組み合わせに属する3文字の平仮名と前方一致するキーワードを有する施設名の読みが、このキーワードの1文字目が属する「あ段」〜「お段」に関連付けられて記憶されている。また、各「あ段」〜「お段」に対応する「施設名」には、検索対象となる目的地を表す施設名が、「読み」に記憶された施設名の読みに対応して記憶されている。尚、2個以上のキーワードの各1文字目が、同じ50音の段に属する場合には、この2個以上のキーワードを有する施設名の読みは、この2個以上のキーワードの各1文字目が属する50音の段に関連付けられて記憶されている。
【0039】
例えば、50音の3行の組み合わせ「あ行あ行あ行」に関連付けられた分割単位テーブルF1の「統合段」に対応する「読み」には、「あ行あ行あ行」に属する各3文字の平仮名「あおい」、「おーえ(おおえ)」と前方一致する2個のキーワード「あおいの」、「おーえ(おおえ)」を有する施設名の読み「あおいの/おーえ/すとあ」が記憶されている。また、施設名の読み「あおいの/おーえ/すとあ」に対応する「施設名」には、施設名「青井野オーエストア」が記憶されている。
【0040】
また、分割単位テーブルF1の「あ段」に対応する「読み」には、「あ行あ行あ行」の1行目「あ行」の「あ段」に先頭文字が属する3文字の平仮名「あおい」と前方一致する1個のキーワード「あおい」を有する施設名の読み「あおい/すーぱー」が記憶されている。また、施設名の読み「あおい/すーぱー」に対応する「施設名」には、施設名「アオイスーパー」が記憶されている。
【0041】
また、分割単位テーブルF1の「い段」に対応する「読み」には、「あ行あ行あ行」の1行目「あ行」の「い段」に先頭文字が属する3文字の平仮名「いいお」と前方一致する1個のキーワード「いいお」を有する施設名の読み「いいお/いりょうひんてん」が記憶されている。また、施設名の読み「いいお/いりょうひんてん」に対応する「施設名」には、施設名「イイオ衣料品店」が記憶されている。
【0042】
ここで施設名の読みは、キーワード毎に区切り文字(例えば「/」である。)で区切られて記憶されている。また、施設名の読みに含まれる「が」、「ぱ」等の濁音・半濁音は「か」、「は」等の清音に、「ゃ」、「っ」等の小文字仮名(拗音・促音)は「や」、「つ」等の大文字仮名に、長音は対応する母音等のように、仮名の基本文字に変換して記憶される。例えば、「とうきょう/ねずみー/らんど」は、実際には「とうきよう/ねすみい/らんと」と記憶されるが、本実施形態においては説明を簡単にするために施設名と読みとを一致させ「とうきょう/ねずみー/らんど」として説明する。
【0043】
これにより、各分割単位テーブルF1〜F1000の間では、「施設名」に記憶された施設名の重複はあるが、各分割単位テーブルF1〜F1000内においては、「施設名」に記憶された施設名の重複は無く、1つの施設名だけが記憶されている。従って、各分割単位テーブルF1〜F1000の間では、「読み」に記憶された施設名の読みの重複はあるが、各分割単位テーブルF1〜F1000内においては、「読み」に記憶された施設名の読みの重複は無く、1つの施設名の読みだけが記憶されている。
【0044】
また、施設名の読みを構成する複数のキーワードの前方3文字が、同じ50音の3行の組み合わせに属し、且つ、この複数のキーワードの各1文字目が異なる50音の段に属する場合には、各分割単位テーブルF1〜F1000の「統合段」に関連付けられた「読み」と「施設名」だけに記憶される。これにより、各分割単位テーブルF1〜F1000内においては、「統合段」、「あ段」、「い段」、・・、「お段」の間における「読み」及び「施設名」の重複記憶を削減することが可能となり、各分割単位テーブルF1〜F1000のデータ容量の削減化を図ることができる。また、各分割単位テーブルF1〜F1000の「読み」と「施設名」との合計データ容量を所定データ容量以下(例えば、1メガバイト〜10メガバイト以下である。)に設定することが可能となる。
【0045】
[施設情報表示処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、10キー62から入力された検索語又は複数の50音の行に基づいて施設情報を検索してリスト表示する「施設情報表示処理」について図3乃至図6に基づいて説明する。
【0046】
図3はCPU41が実行する処理であって、入力された検索語又は複数の50音の行に基づいて施設情報を検索してリスト表示する「施設情報表示処理」を示すフローチャートである。尚、図3にフローチャートで示されるプログラムは、操作部14の不図示の目的地設定ボタンが押下された場合に、CPU41により実行される。
【0047】
図3に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、液晶ディスプレイ15の画面に、施設情報として目的地の住所や施設に関する名称等を検索するための検索語として複数の50音の文字又は複数の50音の行を入力する検索語入力画面61を表示する。
【0048】
ここで、検索語入力画面61の一例について図5に基づいて説明する。図5に示すように、検索語入力画面61には、10キー62、小文字変換ボタン63、濁音ボタン64、入力確定ボタン65、入力文字表示部66、修正ボタン68、件数表示部69、戻るボタン70、入力モード表示部71、仮名入力モードに設定する仮名入力選択ボタン72、行ダイレクト入力モード(行入力モード)に設定する行ダイレクト入力選択ボタン73、完了ボタン75が表示される。
【0049】
10キー62は、50音の各行(あ行〜わ行)が割り当てられた10個のボタンから構成され、それぞれ割り当てられた行が表示されている。例えば、「あ行」が割り当てられたボタンには「あ」の文字が表示されている。そして、仮名入力選択ボタン72が押下されて仮名入力モードに設定されている場合には、10キー62の各ボタンを押下する毎に、各ボタンに割り当てられた行の1段目の文字から5段目の文字までが入力文字表示部66に順番に繰り返し表示される。そして、異なるボタンまたは入力確定ボタン65が押下された場合には、直前に表示されている文字が入力決定文字として表示される。その後、この異なるボタンを押下する毎に、当該異なるボタンに割り当てられた行の文字を順番に表示して入力することができる。
【0050】
また、仮名入力モードが設定されている場合には、小文字変換ボタン63は、当該小文字変換ボタン63を押下することによって、入力文字表示部63に表示されている入力中の文字が小文字に変換される。そして、10キー62の異なるボタンまたは入力確定ボタン65を押下すると当該小文字が入力決定文字として表示される。また、濁音ボタン64は、当該濁音ボタン64を押下する毎に、入力文字表示部63に表示されている入力中の文字が、濁音と半濁音とに繰り返し変換される。そして、10キー62の異なるボタンまたは入力確定ボタン65を押下すると当該濁音または半濁音の文字が入力決定文字として表示される。
【0051】
また、入力確定ボタン65は、当該入力確定ボタン65を押下することによって、入力文字表示部63に表示されている入力中の文字を決定表示することができる。従って、当該入力確定ボタン65を押下することによって、例えば「あい」等の同じ行の文字を続けて入力することができる。
【0052】
一方、行ダイレクト入力選択ボタン73が押下されて行ダイレクト入力モードに設定されている場合には、10キー62の各ボタンを押下する毎に、各ボタンに割り当てられた行の1段目の文字が、つまり、各ボタンに割り当てられた50音の行が、入力決定行として入力文字表示部66に順次表示される。
【0053】
また、修正ボタン68を押下する毎に、入力文字表示部63に表示されている文字列の最終入力文字又は最終入力行を1文字ずつ削除することができる。また、戻るボタン70を押下することによって、検索語入力画面61の前の画面に戻ることができる。また、件数表示部69には、後述のように、入力文字表示部63に表示されている文字列を検索語又は50音の行の組み合わせとして、検索された候補施設名の件数が表示される。
【0054】
また、入力モード表示部71には、漢字入力等の現在の入力モードが表示される。更に、完了ボタン75を押下することによって、入力文字表示部63に表示されている文字列を検索語又は50音の行の組み合わせとして、施設情報としての施設に関する名称等を検索してリスト表示するように指示することができる。
【0055】
尚、10キー62は、仮名入力モードと行ダイレクト入力モードのいずれに設定されているか識別可能に表示される。例えば、仮名入力モードに設定されている場合には、10キー62の各ボタンは、黄色に表示され、行ダイレクト入力モードに設定されている場合には、10キー62の各ボタンは、緑色に表示される。
【0056】
続いて、図3に示すように、S12において、CPU41は、10キー62が押下されたか否か、つまり、10キー62から検索語又は50音の行が入力されたか否かを判定する判定処理を実行する。そして、10キー62が押下されたと判定した場合には(S12:YES)、CPU41は、10キー62から入力された入力文字又は50音の行を入力文字表示部66に表示すると共に、入力文字表示部66に表示している入力文字列をRAM42に記憶後、S13の処理に移行する。
【0057】
S13において、CPU41は、入力文字表示部66に表示されている仮名入力モード又は行ダイレクト入力モードによる入力文字列を検索語として、施設名データファイル51を構成する各分割単位テーブルF1〜F1000から目的地候補である候補施設名を抽出する後述の「候補施設名抽出処理」のサブ処理(図4参照)を実行後、再度、S12以降の処理を実行する。
【0058】
一方、10キー62が押下されていないと判定した場合には(S12:NO)、CPU41は、S14の処理に移行する。S14において、CPU41は、完了ボタン75が押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。そして、完了ボタン75が押下されていないと判定した場合には(S14:NO)、CPU41は、S15の処理に移行する。
【0059】
S15において、CPU41は、修正ボタン68又は戻るボタン70が押下されたか否かを判定する判定処理を実行する。そして、修正ボタン68が押下されたと判定した場合には、CPU41は、入力文字表示部66に表示されている入力文字列の最終入力文字を1文字削除した後、再度、S12以降の処理を実行する。
【0060】
また、戻るボタン70が押下されたと判定した場合には、CPU41は、図3に示す当該処理を終了し、検索語入力画面61の前の画面に戻る。更に、修正ボタン68及び戻るボタン70が押下されなかった場合には、CPU41は、再度、S12以降の処理を実行する。
【0061】
一方、完了ボタン75が押下されたと判定した場合には(S14:YES)、CPU41は、S16の処理に移行する。S16において、CPU41は、上記S13で抽出された候補施設名をRAM42から読み出してリスト表示後、当該処理を終了する。
【0062】
[候補施設名抽出処理]
次に、上記S13で実行する「候補施設名抽出処理」のサブ処理について図4に基づいて説明する。
図4に示すように、S111において、CPU41は、入力文字表示部66に表示されている入力文字列をRAM42から読み出す。
【0063】
続いて、S112において、CPU41は、入力文字表示部66に表示されている入力文字列を検索語として、この検索語の前方3文字の平仮名が属する50音の3行の組み合わせに関連付けられた分割単位テーブルを、候補施設名を検索する分割単位テーブルとして特定する。
【0064】
例えば、図5に示すように、仮名入力モードに設定されて、入力文字表示部66に3文字の平仮名「ああさ」が表示されている場合には、CPU41は、当該3文字の平仮名「ああさ」を検索語としてRAM42に記憶する。そして、CPU41は、この検索語「ああさ」の先頭から3文字が属する50音の3行の組み合わせ「あ行あ行さ行」に関連付けられた分割単位テーブルF3(図2、図6参照)を、候補施設名を検索する分割単位テーブルとして特定する。
【0065】
そして、S113において、CPU41は、上記S112で特定した分割単位テーブルを施設名DB27から読み出して、候補施設名を検索する分割単位テーブルとしてRAM42に記憶する。
【0066】
続いて、S114において、CPU41は、RAM42から入力モードフラグを読み出し、入力モードフラグがONに設定されているか否か、つまり、行ダイレクト入力モードに設定されているか否かを判定する。尚、入力モードフラグは、起動時又はリセット時にはOFFに設定されてRAM42に記憶されている。つまり、起動時又はリセット時には、仮名入力モードに設定されている。
【0067】
ここで、仮名入力選択ボタン72が押下されて仮名入力モードに設定された場合には、CPU41は、RAM42から入力モードフラグを読み出してOFFに設定後、再度、RAM42に記憶する。一方、行ダイレクト入力選択ボタン73が押下されて行ダイレクト入力モードに設定された場合には、CPU41は、RAM42から入力モードフラグを読み出してONに設定後、再度、RAM42に記憶する。
【0068】
そして、入力モードフラグがONに設定されている、つまり、行ダイレクト入力モードに設定されていると判定した場合には(S114:YES)、CPU41は、S115の処理に移行する。S115において、CPU41は、上記S113でRAM42に記憶した分割単位テーブル内の「施設名」の全施設名を読み出し、即ち、「統合段」、「あ段」〜「お段」の各「施設名」を全て読み出し、目的地候補である候補施設名としてRAM42に記憶後、後述のS118の処理に移行する。
【0069】
例えば、上記S113で、図6に示す分割単位テーブルF3をRAM42に記憶した場合には、CPU41は、この分割単位テーブルF3内の「施設名」の全施設名「大崎アイス工場、エース大崎駅前店、・・・、アーサー美容院、愛崎スーパー、・・・、井伊崎衣料品店、YES自転車、・・・、上佐鮮魚店、・・・、大杉書店、大瀬ストア、・・・」をRAM42から読み出し、目的地候補である候補施設名としてRAM42に記憶する。
【0070】
一方、入力モードフラグがOFFに設定されている、つまり、仮名入力モードに設定されていると判定した場合には(S114:NO)、CPU41は、S116の処理に移行する。S116において、CPU41は、上記S113でRAM42に記憶した分割単位テーブル内の「統合段」に関連付けられて記憶されている全ての施設名の「読み」を順番に読み出す。
【0071】
そして、CPU41は、RAM42から上記S112で記憶した検索語を読み出し、この読み出した各施設名の読みを構成するキーワードの中に、当該検索語と前方一致するキーワードがあるか否かを判定する判定処理を実行する、つまり、読み出した全ての施設名の「読み」の全文検索を行う。そして、CPU41は、読み出した施設名の読みを構成するキーワードの中に当該検索語と前方一致するキーワードがある場合には、この施設名の読みに対応する「施設名」をRAM42に記憶した分割単位テーブルから読み出し、目的地候補である候補施設名としてRAM42に順番に記憶する。
【0072】
例えば、上記S113で、図6に示す分割単位テーブルF3をRAM42に記憶した場合には、CPU41は、この分割単位テーブルF3の「統合段」に関連付けられて記憶されている全ての施設名の「読み」、つまり、各施設名の読み「おおさき/あいす/こうじょう」、「えーす/おおさきえきまえてん」、・・・を順番に読み出す。
【0073】
そして、CPU41は、読み出した施設名の読みを構成するキーワードの中に、図5に示す検索語「ああさ」と前方一致するキーワード(例えば、「あーさー(ああさあ)」、「ああさい」、「ああさう」、・・・等である。)がある場合には、この施設名の読みに対応する「施設名」をRAM42に記憶した分割単位テーブルF3から読み出し、目的地候補である候補施設名としてRAM42に順番に記憶する。
【0074】
続いて、図4に示すように、S117において、RAM42から上記S112で記憶した検索語を読み出し、この検索語の先頭文字が属する50音の段を、上記S113でRAM42に記憶した分割単位テーブルの50音の段として、当該50音の段に関連付けられて記憶されている全ての施設名の「読み」を順番に読み出す。
【0075】
そして、CPU41は、この読み出した各施設名の読みを構成するキーワードの中に、当該検索語と前方一致するキーワードがあるか否かを判定する判定処理を実行する、つまり、読み出した全ての施設名の「読み」の全文検索を行う。そして、CPU41は、読み出した施設名の読みを構成するキーワードの中に当該検索語と前方一致するキーワードがある場合には、この施設名の読みに対応する「施設名」をRAM42に記憶した分割単位テーブルから読み出し、目的地候補である候補施設名としてRAM42に順番に記憶する。
【0076】
例えば、上記S113で、図6に示す分割単位テーブルF3をRAM42に記憶し、上記S112で記憶した検索語が、図5に示す「ああさ」の場合には、CPU41は、当該検索語「ああさ」の先頭文字「あ」が属する分割単位テーブルF3の「あ段」に関連付けられて記憶されている全ての施設名の「読み」、つまり、各施設名の読み「あーさ/びよういん」、「あいさき/すーぱー」、・・・を順番に読み出す。
【0077】
そして、CPU41は、読み出した施設名の読みを構成するキーワードの中に、当該検索語「ああさ」と前方一致するキーワードがある場合には、この施設名の読みに対応する「施設名」(例えば、「アーサー美容院」である。)をRAM42に記憶した分割単位テーブルF3から読み出し、目的地候補である候補施設名としてRAM42に順番に記憶する。
【0078】
続いて、S118において、CPU41は、目的地候補である候補施設名をRAM42から順番に読み出してカウントし、リスト表示可能な候補施設名の件数としてRAM42に記憶する。
【0079】
そして、S119において、CPU41は、RAM42からリスト表示可能な候補施設名の件数を読み出し、検索語入力画面61の件数表示部69に表示後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S12以降の処理を実行する。例えば、RAM42から読み出したリスト表示可能な候補施設名の件数が「74件」の場合には、図5に示すように、件数表示部69に「74件」と表示後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S12以降の処理を実行する。
【0080】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、CPU41は、入力文字表示部66に表示されている入力文字列を検索語とし、各分割単位テーブルF1〜F1000から、検索語の前方3文字の平仮名が属する50音の3行の組み合わせに関連付けられた分割単位テーブルを特定して、RAM42に記憶する。
【0081】
そして、仮名入力モードに設定されている場合には、CPU41は、RAM42に記憶した分割単位テーブル内の「統合段」に関連付けられて記憶されている全ての施設名の「読み」と、当該分割テーブル内の検索語の先頭文字が属する50音の段に関連付けられて記憶されている全ての施設名の「読み」とを全文検索し、候補施設名を抽出してRAM42に記憶する。
【0082】
また、行ダイレクト入力モードに設定されている場合には、CPU41は、RAM42に記憶した分割単位テーブル内の「施設名」の全施設名を読み出し、即ち、「統合段」、「あ段」〜「お段」の各「施設名」を全て読み出し、目的地候補である候補施設名としてRAM42に記憶する。
【0083】
これにより、仮名入力モードに設定されている場合には、CPU41は、RAM42に記憶した分割単位テーブル内の「統合段」に関連付けられて記憶されている全ての施設名の「読み」と、当該分割テーブル内の検索語の先頭文字が属する50音の段に関連付けられて記憶されている全ての施設名の「読み」とから候補施設名を検索すればよいため、検索対象となる施設名の「読み」を少なくすることができ、施設名の「読み」の検索を高速で行い、応答性の低下を防止することが可能となる。
【0084】
また、行ダイレクト入力モードに設定されている場合には、CPU41は、RAM42に記憶した分割単位テーブル内の「施設名」の全施設名を読み出し、即ち、「統合段」、「あ段」〜「お段」の各「施設名」を全て読み出し、候補施設名として取得するため、候補施設名の検索を高速で行い、応答性の低下を確実に防止することが可能となる。
【0085】
また、ユーザは仮名入力選択ボタン72を押下することによって、仮名入力モードに設定し、10キー62の各ボタンを押下することによって、各ボタンに割り当てられた50音の文字を入力して施設名を検索することができる。また、ユーザは行ダイレクト入力選択ボタン73を押下することによって、10キー62の各ボタンに割り当てられた50音の行を入力して施設名を検索することができる。
【0086】
また、各分割単位テーブルF1〜F1000の間では、「読み」に記憶された施設名の読みの重複はあるが、各分割単位テーブルF1〜F1000内においては、「読み」に記憶された施設名の読みの重複は無く、1つの施設名の読みだけが記憶されるため、重複記憶される施設名を減少させて、各分割単位テーブルF1〜F1000のデータ容量の削減化を図り、分割単位テーブルを記憶するRAM42のメモリ容量の増大を抑止することが可能となる。
【0087】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0088】
(A)例えば、上記検索語入力画面61に替えて、図7に示す検索語入力画面81を用いてもよい。図7に示すように、検索語入力画面81には、50音キー82、入力文字表示部83、修正ボタン85、件数表示部86、戻るボタン87、仮名入力モードに設定する仮名入力選択ボタン89、行ダイレクト入力モードに設定する行ダイレクト入力選択ボタン90、完了ボタン91が表示される。
【0089】
この入力文字表示部83には、50音キー82によって入力された入力文字が表示される。また、修正ボタン85を押下する毎に、入力文字表示部83に表示されている文字列の最終入力文字を1文字ずつ削除することができる。また、戻るボタン87を押下することによって、検索語入力画面81の前の画面に戻ることができる。また、件数表示部86には、入力文字表示部83に表示される文字列によって検索された候補施設名の件数が表示される。
【0090】
また、仮名入力選択ボタン89が押下されて仮名入力モードに設定されている場合には、図7の上側に示すように、50音キー82の全ボタンが入力可能に設定され、50音キー82の各ボタンを押下する毎に、各ボタンに割り当てられた文字が入力文字表示部83に順番に表示される。
【0091】
また、行ダイレクト入力選択ボタン73が押下されて行ダイレクト入力モードに設定されている場合には、図7の下側に示すように、CPU41は、50音キー82の各ボタンのうち、50音の各行の「あ段」の平仮名が割り当てられていない各ボタンの枠や枠内の文字を灰色等や透明度を高くし、通常表示状態よりトーンダウンして表示して、各ボタンで文字を入力できない旨を表示する。そして、CPU41は、50音の各行の「あ段」の平仮名が割り当てられた50音キー82の各ボタンが押下される毎に、各ボタンに割り当てられた行の「あ段」の文字を、つまり、各ボタンに割り当てられた50音の行を、入力決定行として入力文字表示部83に順次表示する。
【0092】
そして、CPU41は、上記S12において、50音キー82が押下された場合には(S12:YES)、50音キー82から入力された入力文字又は50音の行を入力文字表示部83に表示すると共に、入力文字表示部83に表示している入力文字列をRAM42に記憶後、S13の処理に移行するようにしてもよい。
【0093】
これにより、ユーザは仮名入力選択ボタン89を押下することによって、仮名入力モードに設定し、50音キー82の各ボタンを押下することによって、50音の文字を入力して施設名を検索することができる。また、ユーザは行ダイレクト入力選択ボタン90を押下することによって、50音の各行の「あ段」の平仮名が割り当てられた50音キー82の各ボタンを押下して、50音の行を入力し、施設名を検索することができる。
【0094】
(B)また例えば、各分割単位テーブルF1〜F1000のそれぞれに記憶されている施設名の読み及び施設名を、「統合段」と、50音の3行の組み合わせの前方2行の50音の段の組み合わせ「あ段あ段」、「あ段い段」、「あ段う段」、・・・「お段え段」、「お段お段」とに関連付けて記憶するようにしてもよい。また、各分割単位テーブルF1〜F1000のそれぞれに記憶されている施設名の読み及び施設名を、「統合段」と、50音の3行の段の組み合わせ「あ段あ段あ段」、「あ段あ段い段」、「あ段あ段う段」、・・・「お段お段え段」、「お段お段お段」とに関連付けて記憶するようにしてもよい。
【0095】
例えば、図8に示すように、上記分割単位テーブルF3(図6参照)に替えて、50音の3行の組み合わせ「あ行あ行さ行」に関連付けられた分割単位テーブルT3を施設名データフィル51に記憶するようにしてもよい。この分割単位テーブルT3の「統合段」に対応する「読み」には、「あ行あ行さ行」に属する各3文字の平仮名「おおさ」、「あいす」と前方一致する2個のキーワード「おおさき」、「あいす」を有する施設名の読み「おおさき/あいす/こうじょう」が記憶されている。また、施設名の読み「おおさき/あいす/こうじょう」に対応する「施設名」には、施設名「大崎アイス工場」が記憶されている。
【0096】
また、分割単位テーブルT3の「あ段あ段」に対応する「読み」には、「あ行あ行さ行」の前方2行「あ行あ行」の「あ段あ段」に前方2文字が属する3文字の平仮名「あーさ(ああさ)」と前方一致する1個のキーワード「あーさー(ああさあ)」を有する施設名の読み「あーさー/びよういん」が記憶されている。また、施設名の読み「あーさー/びよういん」に対応する「施設名」には、施設名「アーサー美容院」が記憶されている。
【0097】
これにより、50音の3行の組み合わせの前方2行の50音の段の組み合わせ「あ段あ段」、「あ段い段」・・・、又は、50音の3行の段の組み合わせ「あ段あ段あ段」、「あ段あ段い段」・・・のそれぞれに関連付けられて記憶される施設名の読み及び施設名の件数を更に少なくすることができる。
【0098】
従って、仮名入力モードに設定されている場合には、CPU41は、RAM42に記憶した分割単位テーブル内の「統合段」に関連付けられて記憶されている全ての施設名の「読み」と、当該分割テーブル内の検索語の先頭から2文字が属する50音の段の組み合わせに関連付けられて記憶されている全ての施設名の「読み」とから候補施設名を検索すればよいため、検索対象となる施設名を更に少なくすることができ、検索をより高速で行い、応答性の低下を確実に防止することが可能となる。
【0099】
(C)また例えば、検索語の入力方式が、仮名入力モード又は行ダイレクト入力モードのうち、いずれか一方のみに予め設定されている場合には、上記S114の処理を実行しないようにしてもよい。そして、検索語の入力方式が、行ダイレクト入力モードだけに限られている場合には、上記S113の処理を実行後、S115、S118、S119の処理のみを実行するようにしてもよい。また、検索語の入力方式が、仮名入力モードだけに限られている場合には、上記S113の処理を実行後、S116〜S119の処理のみを実行するようにしてもよい。
【0100】
(D)また例えば、上記S115において、CPU41は、上記S113でRAM42に記憶した分割単位テーブル内の全ての施設名の「読み」を読み出し、即ち、「統合段」、「あ段」〜「お段」の各「読み」を全て読み出し、RAM42に順番に記憶後、S118の処理に移行するようにしてもよい。そして、S118において、CPU41は、施設名の「読み」をRAM42から順番に読み出してカウントし、リスト表示可能な候補施設名の件数としてRAM42に記憶するようにしてもよい。
【0101】
また、上記S116において、CPU41は、上記S113でRAM42に記憶した分割単位テーブル内の「統合段」に関連付けられて記憶されている全ての施設名の「読み」を順番に読み出す。そして、CPU41は、読み出した各施設名の読みを構成するキーワードの中に当該検索語と前方一致するキーワードがある場合には、この施設名の読みをRAM42に順番に記憶後、S117の処理に移行するようにしてもよい。
【0102】
そして、上記S117において、CPU41は、RAM42から上記S112で記憶した検索語を読み出し、この検索語の先頭文字が属する50音の段を、上記S113でRAM42に記憶した分割単位テーブルの50音の段として、当該50音の段に関連付けられて記憶されている全ての施設名の「読み」を順番に読み出す。そして、CPU41は、読み出した各施設名の読みを構成するキーワードの中に当該検索語と前方一致するキーワードがある場合には、この施設名の読みをRAM42に順番に記憶後、S118の処理に移行するようにしてもよい。
【0103】
続いて、上記S118において、CPU41は、施設名の「読み」をRAM42から順番に読み出してカウントし、リスト表示可能な候補施設名の件数としてRAM42に記憶するようにしてもよい。これにより、CPU41は、上記S116、S117において、施設名の読みに対応する「施設名」をRAM42に記憶した分割単位テーブルから読み出す処理を実行しなくてもよいため、検索した施設名の読みの件数を候補施設名の件数として、当該候補施設名の件数を更に迅速に表示することが可能となる。
【0104】
尚、この場合には、上記S16において、CPU41は、施設名の「読み」をRAM42から順番に読み出して、上記S113でRAM42に記憶した分割単位テーブルから当該施設名の読みに対応する「施設名」を候補施設名として読み出してリスト表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 ナビゲーション装置
14 操作部
15 液晶ディスプレイ
18 タッチパネル
25 地図情報DB
27 施設名DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 施設名データファイル
F1〜F1000、T3 分割単位テーブル
61、81 検索語入力画面
62 10キー
66、83 入力文字表示部
69、86 件数表示部
72、89 仮名入力選択ボタン
73、90 行ダイレクト入力選択ボタン
82 50音キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の施設名の読みを、各施設名の読みを構成するキーワード毎に、該キーワードと前方一致する所定文字数の分割文字列が属する50音の行の組み合わせに関連付けられた分割単位に記憶すると共に、更に、前記分割単位毎に、該分割単位に記憶された前記複数の施設名の読みを、該分割単位に関連付けられた50音の行の組み合わせに属する前記分割文字列と前方一致するキーワード毎に、該キーワードの先頭文字が属する50音の段に関連付けて記憶する施設名記憶手段と、
検索語を入力する入力手段と、
前記記憶されている複数の分割単位のうち、前記検索語の前方から前記所定文字数の文字列が属する50音の行の組み合わせに関連付けられた前記分割単位を特定し、当該特定した分割単位において、当該検索語の先頭文字が属する前記50音の段に関連付けて記憶されている全ての施設名の読みから、前記検索語に対応する施設名の読みを検索する検索手段と、
を備えたことを特徴とする施設検索装置。
【請求項2】
前記施設名記憶手段は、複数の前記分割単位のそれぞれにおいて、一の施設名の読みが複数の前記50音の段に関連付けられる場合には、該施設名の読みを統合段に関連付けて記憶し、
前記検索手段は、前記特定した分割単位において、前記検索語の先頭文字が属する前記50音の段に関連付けて記憶されている全ての施設名の読みと、前記統合段に関連付けて記憶されている全ての施設名の読みとから、前記検索語に対応する施設名の読みを検索することを特徴とする請求項1に記載の施設検索装置。
【請求項3】
前記入力手段は、50音の文字を入力可能な仮名入力モードと、50音の行を入力可能な行入力モードのうちのいずれか一方を選択するモード選択手段を有し、
前記検索手段は、前記モード選択手段を介して前記行入力モードが選択されて前記検索語が入力された場合には、前記特定した分割単位に記憶されている全ての施設名の読みを前記検索語に対応する施設名の読みとして検索することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の施設検索装置。
【請求項4】
複数の施設名の読みを、各施設名の読みを構成するキーワード毎に、該キーワードと前方一致する所定文字数の分割文字列が属する50音の行の組み合わせに関連付けられた分割単位に記憶すると共に、更に、前記分割単位毎に、該分割単位に記憶された前記複数の施設名の読みを、該分割単位に関連付けられた50音の行の組み合わせに属する前記分割文字列と前方一致するキーワード毎に、該キーワードの先頭文字が属する50音の段に関連付けて記憶する施設名記憶手段を備えたコンピュータに、
検索語を入力する入力工程と、
前記記憶されている複数の分割単位のうち、前記入力工程で入力された検索語の前方から前記所定文字数の文字列が属する50音の行の組み合わせに関連付けられた前記分割単位を特定する分割単位特定工程と、
前記分割単位特定工程で特定した分割単位において、当該検索語の先頭文字が属する前記50音の段に関連付けて記憶されている全ての施設名の読みから、前記検索語に対応する施設名の読みを検索する検索工程と、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−22539(P2012−22539A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160217(P2010−160217)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】